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[【不登校進行期】昼間は元気なのに朝は動けない…不登校の子どもの心と体の不思議な関係【不登校の知恵袋】](https://futoko-online.jp/column/14320/): 不登校のお子さんが、昼間は比較的元気なの... - [公立の全日制高校も不可能ではない!中学不登校からの高校進学の考え方【不登校の進路相談室】](https://futoko-online.jp/column/6731/): 中学で不登校中の(または不登校を経験した... - [不登校・発達障害からの大学・専門学校進学〜学校の探し方・選び方を具体的に解説!〜【不登校の進路相談室】](https://futoko-online.jp/study/6890/): 「発達障害があって高校を不登校の我が子が... - [【5/3開催】キズキ共育塾 オンライン入会説明会〜「もう一度、やり直したい」を応援する個別指導塾〜](https://futoko-online.jp/event/14686/): 学校に行けない。 勉強にブランクがある。... - [【不登校回復期】「ちょっと外に出てみようかな」不登校から一歩踏み出したいときの親の関わり方【不登校の知恵袋】](https://futoko-online.jp/column/14557/): お子さんが不登校で、引きこもり気味でもあ... - [【5/31まで!】期間限定・今だけ無料!「ゴールデンウィークと不登校」の悩みを解決する人気の有料記事を特別公開中](https://futoko-online.jp/pr/14594/): (2025/5/2更新)ゴールデンウィー... - [子どもらしさ、大人らしさってなんだろう?](https://futoko-online.jp/serialization/14647/): 私たち大人は知らず知らずのうちに、子ども... - [【不登校前兆期】ゴールデンウィーク明けに、学校に行き渋り始めた子どもへの対応は?【不登校の知恵袋】](https://futoko-online.jp/column/14279/): ゴールデンウィークが明け、また学校生活が... - [【4/26】キズキ共育塾 オンライン入会説明会〜「もう一度、やり直したい」を応援する個別指導塾〜](https://futoko-online.jp/event/14536/): 学校に行けない。 勉強にブランクがある。... - [【完全保存版】「連休明けの不登校パーフェクトガイド」無料配信中!GW後の行き渋りに備えて今すぐゲットしよう!](https://futoko-online.jp/event/14563/): GW連休明けの不登校を心配する保護者様へ... - [【不登校進行期・回復期】五月雨登校をしている子どもとの、ゴールデンウィーク中の親子コミュニケーションのコツとは?【不登校の知恵袋】](https://futoko-online.jp/column/14287/): 五月雨登校とは、次のような状態のことです... - [【不登校回復期】不登校を経て、「ゴールデンウィーク明けから、学校に行く!」という子どもへの対応は?【不登校の知恵袋】](https://futoko-online.jp/column/14300/): 不登校のお子さんが少しずつ前向きな言葉を... - [【不登校混乱期】学校にずっと行けない子ども…ゴールデンウィーク中にできることは?【不登校の知恵袋】](https://futoko-online.jp/column/14297/): 不登校の混乱期にいる子どもがいる親御さん... - [【不登校回復期】昼夜逆転は直すべき?生活リズムよりも大切なこと【不登校の知恵袋】](https://futoko-online.jp/column/14341/): 不登校のお子さんが、最近は少しずつ心のエ... - [【4/24まで!アンケート大募集】不登校対応のホンネ、経験シェア「これ、やってよかった」「これはやらない方がよかった」〜親御さんもご本人も歓迎!〜](https://futoko-online.jp/questionnaire/14476/): 不登校の状況に向き合うとき、親も子どもも... - [不登校川柳、優秀作品のご紹介:本人(当事者・経験者)編〜162句から見えた「今」と「あの頃」のリアル〜](https://futoko-online.jp/questionnaire/14364/): 2025年2月、「不登校オンライン」では... - [不登校川柳、優秀作品のご紹介:親・家族編〜迷い、涙、笑い…“ともに歩んだ日々”の228句〜](https://futoko-online.jp/questionnaire/14363/): 2025年2月、「不登校オンライン」では... - 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Published: 2025-05-15 - Modified: 2025-05-15 - URL: https://futoko-online.jp/event/15149/ - カテゴリー: イベント - ハッシュタグ: 中学生, 学習塾 「もう一度、やり直したい」気持ちを応援します。 不登校・学習ブランク・発達障害... どんな方にも“自分だけの学び”を。 勉強に関する悩みは人それぞれ。でも、どんな背景でも、もう一度「学びたい」と思ったときに、始められる場所があったら――。 「キズキ共育塾」は、「誰でも、いつからでも、学び直せる社会」を目指す完全個別指導塾です(不登校オンラインと同じく、株式会社キズキが運営)。 2025年5月17日(土)11時〜11時30分、そんな「キズキ共育塾」が中学生のお子さんがいる保護者さま向けに「無料オンライン説明会」を開催します! キズキ共育塾のことを初めて知った方も、キズキ共育塾に興味があるけれど個別面談はハードルが高いと思っていた方も、これまでに相談をしたことがある方も、どなた様も大歓迎。 「どんな雰囲気?」「うちの子に合う?」「費用は?」そんな疑問を、ぜひこの機会に解消してください。 📩 今すぐ説明会に申し込む(1分で完了) 対象・こんな方におすすめ 今回の説明会は、「中学生のお子さんがいる保護者さま」に向けた内容です。(地域不問・全国対応)。 以下のようなお悩みやご希望をお持ちの方におすすめです。 不登校に伴って、学習の遅れがある 学校の授業やテスト対策のサポートを受けたい 発達障害の特性に合った学び方を知りたい どこかに外出する習慣をつけたい オンラインで学べる場を探している 家族以外のコミュニケーション相手を探している 基礎からの学び直しを希望 勉強習慣の定着を希望 高校受験・高校進学に向けた学習を希望 子どもに合う高校を見つけたい 特に難関高校へのチャレンジを希望 ※すでにご入会済みの方は対象外です。 説明会でわかること キズキ共育塾の理念と特徴 授業の流れとサポート体制 講師(担任)の紹介 費用・受講システム 合格実績・生徒の事例 よくある質問と回答 無料個別相談のご案内 説明会では、参加者さまからのご質問もお受けします。どんな些細な疑問でもOK!経験豊富な「共育コンサルタント」が、丁寧にお答えします。 \参加者特典/ 説明会ご参加後、ご希望の方には「無料の個別相談」もプレゼント! 📩 今すぐ説明会に申し込む(1分で完了) 開催日程 日時:2025年5月17日(土)11時〜11時30分 登壇者 樋口喬之(ひぐち・たかゆき) 大学で心理学・社会学を専攻し、卒... --- ### 【5/17(土)無料開催/小学生の保護者向け】キズキ共育塾オンライン説明会|不登校・発達障害・学び直しに寄り添う“完全1対1”の個別指導塾 - Published: 2025-05-15 - Modified: 2025-05-15 - URL: https://futoko-online.jp/event/15150/ - カテゴリー: イベント - ハッシュタグ: 小学生, 学習塾 「もう一度、やり直したい」気持ちを応援します。 不登校・学習ブランク・発達障害... どんな方にも“自分だけの学び”を。 勉強に関する悩みは人それぞれ。でも、どんな背景でも、もう一度「学びたい」と思ったときに、始められる場所があったら――。 「キズキ共育塾」は、「誰でも、いつからでも、学び直せる社会」を目指す完全個別指導塾です(不登校オンラインと同じく、株式会社キズキが運営)。 2025年5月17日(土)10時30分〜11時、そんな「キズキ共育塾」が小学校4〜6年生のお子さんがいる保護者さま向けに「無料オンライン説明会」を開催します! キズキ共育塾のことを初めて知った方も、キズキ共育塾に興味があるけれど個別面談はハードルが高いと思っていた方も、これまでに相談をしたことがある方も、どなた様も大歓迎。 「どんな雰囲気?」「うちの子に合う?」「費用は?」そんな疑問を、ぜひこの機会に解消してください。 📩 今すぐ説明会に申し込む(1分で完了) 対象・こんな方におすすめ 今回の説明会は、「小学校4〜6年生のお子さんがいる保護者さま」に向けた内容です(地域不問・全国対応)。 以下のようなお悩みやご希望をお持ちの方におすすめです。 不登校に伴って、学習の遅れがある 学校の授業やテスト対策のサポートを受けたい 発達障害の特性に合った学び方を知りたい どこかに外出する習慣をつけたい オンラインで学べる場を探している 家族以外のコミュニケーション相手を探している 基礎からの学び直しを希望 勉強習慣の定着を希望 中学受験・中学進学に向けた学習を希望 子どもに合う中学校を見つけたい 難関中学へのチャレンジを希望 ※すでにご入会済みの方は対象外です。 説明会でわかること キズキ共育塾の理念と特徴 授業の流れとサポート体制 講師(担任)の紹介 費用・受講システム 合格実績・生徒の事例 よくある質問と回答 無料個別相談のご案内 説明会では、参加者さまからのご質問もお受けします。どんな些細な疑問でもOK!経験豊富な「共育コンサルタント」が、丁寧にお答えします。 \参加者特典/ 説明会ご参加後、ご希望の方には「無料の個別相談」もプレゼント! 📩 今すぐ説明会に申し込む(1分で完了) 開催日程 日時:2025年5月17日(土)10時30分〜11時 登壇者 髙原麻里奈(たかはら・まりな) 大学で教職課程... --- ### 【5/17(土)無料開催/通信制高校の保護者・本人向け】キズキ共育塾オンライン説明会|不登校・発達障害・学び直しに寄り添う“完全1対1”の個別指導塾 - Published: 2025-05-15 - Modified: 2025-05-15 - URL: https://futoko-online.jp/event/15132/ - カテゴリー: イベント - ハッシュタグ: 通信制高校, 学習塾 「もう一度、やり直したい」気持ちを応援します。 不登校・高校中退・学習ブランク・発達障害... どんな方にも“自分だけの学び”を。 勉強に関する悩みは人それぞれ。でも、どんな背景でも、もう一度「学びたい」と思ったときに、始められる場所があったら――。 「キズキ共育塾」は、「誰でも、いつからでも、学び直せる社会」を目指す完全個別指導塾です(不登校オンラインと同じく、株式会社キズキが運営)。 2025年5月17日(土)、そんな「キズキ共育塾」が、通信制高校に通うお子さんの保護者さま、またはご本人に向けて、「無料オンライン説明会」を開催します! キズキ共育塾のことを初めて知った方も、キズキ共育塾に興味があるけれど個別面談はハードルが高いと思っていた方も、これまでに相談をしたことがある方も、どなた様も大歓迎。 「どんな雰囲気?」「うちの子に合う?」「費用は?」そんな疑問を、ぜひこの機会に解消してください。 📩 今すぐ説明会に申し込む(1分で完了) 対象・こんな方におすすめ 今回の説明会は、「通信制高校に通うお子さんの保護者さま、またはご本人」に向けた内容です(地域不問・全国対応)。 以下のようなお悩みやご希望をお持ちの方におすすめです。 学習の遅れがある 高校の課題・テスト・レポートなどにサポートを受けたい 発達障害の特性に合った学び方を知りたい どこかに外出する習慣をつけたい オンラインで学べる場を探している 家族以外のコミュニケーション相手を探している 基礎からの学び直しを希望 勉強習慣の定着を希望 受験・進学に向けた学習を希望 子どもに(自分に)合う大学・短大・専門学校を探したい 特に難関大学へのチャレンジを希望 ※すでにご入会済みの方は対象外です。 説明会でわかること キズキ共育塾の理念と特徴 授業の流れとサポート体制 講師(担任)の紹介 費用・受講システム 合格実績・生徒の事例 よくある質問と回答 無料個別相談のご案内 説明会では、参加者さまからのご質問もお受けします。どんな些細な疑問でもOK!経験豊富な「共育コンサルタント」が、丁寧にお答えします。 \参加者特典/ 説明会ご参加後、ご希望の方には「無料の個別相談」もプレゼント! 📩 今すぐ説明会に申し込む(1分で完了) 開催日程 日時:2025年5月17日(土)16時30分〜17時 登壇者 半村進(はんむら・すす... --- ### 社会生活への扉を叩く(前) - Published: 2025-05-14 - Modified: 2025-05-14 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/15211/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】前略、トンネルの底から - 著者: 古川寛太 目標がはっきりしない日々をズルズルと続けていた古川寛太さん。ある日、新しい道を模索するためニート生活に見切りをつけて、「モラトリアムの延長のために」大学生になることを決めます。ただ、受験まで残された時間はごくわずか。はたして古川さんの決断は実を結んだでしょうか。 (連載「前略、トンネルの底から」第28回・写真は古川寛太さん) 大学受験をめざし、オープンスクールに挑戦 一度だけ大学のオープンスクールに参加したことがある。学校に行けない今の状態からすぐに働くことは想像できなかったし、この家でいつまでもニートを続けられるとも思わなかった。 それよりは、大学生になってなんだかよく分からないモラトリアムを延長させることが自分にとって大事だと思っていた。「楽しいキャンパスライフ」なんて送れるわけないが、そのときはとにかく逃げ込むように「大学生」になることを求めたのだ。 とはいえ、大学受験をはっきりと決断したのは高校3年生の11月。周りの同級生と比べると遅すぎる。センター試験(共通テスト)の仕組みもよく理解しないまま、駅前の進学塾でカウントダウンの日数だけが減っていく。 高校に入ってからまったく勉強をしていなかったので、当然、周囲の生徒たちと同じような大学に入れるわけもなかった。 自分の学力で入学できるところ、とりわけ家から通えないところを探し、隣県にあった一校に目星をつけた。その後、両親に進学の許可を取る際は一悶着あったけど、「一度くらい校内見学に行け」と言われたので仕方なく向かうことにする。ホームページを見ると常時校内説明を受け付けているらしい。 目の前の自動ドアを開けるか? 不登校時代には数少ない遠出の機会さえ嫌気が指していたが、今回はなんとか重い腰をあげ電車やバスを乗り継ぐ。4時間もかかった。 ふと、大学の最寄り駅の写真を撮る。結局、これが高校3年間で撮った最初で最後の写真になった。町に着くと、近くにあったスーパーのベーカリーで甘いパンを2つ買い、周囲を散歩しながら目当ての大学を探す。平日昼間だったのもあるのか、とても落ち着いた風景だった。 1kmほど歩いて目的地に到着する。構内は、周辺施設が充実しているといった印象。「スポーツ強豪校」といわれるだけあって、野球場やサッカーコートなど大層な広場が並ぶ。 肝心の大学棟に関しては、建物の高さが記憶に焼きついた。棟数は少ない。大... --- ### 「発達障害×就労支援」のキズキビジネスカレッジ創立者直伝の実践書『自分にあった「働く」が見つかる発達障害の人のための自分攻略法』が5月28日発売! - Published: 2025-05-13 - Modified: 2025-05-13 - URL: https://futoko-online.jp/pr/15204/ - カテゴリー: プレスリリース 『自分にあった「働く」が見つかる発達障害の人のための自分攻略法』(彩図社) ・著者:林田 絵美(株式会社キズキ 取締役) ・発売日:2025年5月28日(水) ・予約開始:2025年5月13日(火) ・>>Amazon予約ページはこちら 発達障害の人は「ケアレスミスが多い」「マルチタスクが苦手」——そんな語られ方を目にすることは少なくありません。 けれど、それは“特性そのもの”ではなく、“特性と環境の相性”によって生じた結果かもしれません。 本書「自分にあった『働く』が見つかる 発達障害の人のための自分攻略法」では、注意の向き方・情報処理の癖・認知の傾向などの「特性」と、仕事の内容や職場環境との“相性”に注目。 苦手の背景を見つめ直し、具体的な対策を立てながら、自分の特性が活きる働き方を考えていきます。 また、話題の生成AI「ChatGPT」 を使ったタスク管理・情報整理の実践方法なども、発達障害の特性を踏まえて紹介しています。 自分らしく力を発揮するための“自己理解の方法”と“仕事の捉え直し方”をまとめた一冊です。 発達障害で仕事を続けられない人が「自分を理解するきっかけ」に 発達障害のある人のうち約3割が、就職しても1年以内に離職しているというデータがあります(※)。 キズキで多くの当事者の就労支援に携わってきた著者の実感としても、自分に合わない働き方を続けて心身をすり減らしてしまう、「できない自分」を責めてしまうなどにより離職に至ってしまっているケースは少なくありません。 本書は、そうした現状に対して、当事者が“自分を理解し、自分を活かす”ための現実的な方法を見つけるきっかけとなる内容です。 (※公共職業安定所経由の就職。出典:障害者職業総合センター「障害者の就業状況等に関する調査研究」。) 書籍のご紹介 目次 第一章 「注意力不足」を攻略する 第二章 「タスク管理が苦手」を攻略する 第三章 「質問が苦手」を攻略する 第四章 相性がいい業務で自分の力を発揮する 第五章 相手別に見つける、あなたに合ったコミュニケーション 第六章 意図別に見つける、あなたに合ったコミュニケーション  第七章 あなたの集中力・注意力がいきる仕事 第八章 思い込みをコントロールしてストレスを軽減する 本書では、発達障害の人が働きづらいと感じる理由を紐解き、分かりやすいイラストや図とと... --- ### 【不登校と夫婦関係】「関係が悪化した」「会話が減った」「危機を感じた」…母親たちのリアルな声〜【調査報道】 - Published: 2025-05-13 - Modified: 2025-05-13 - URL: https://futoko-online.jp/news-article/14815/ - カテゴリー: ニュース - タグ: 無料記事 - 著者: 伊藤真依, 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 夫婦関係, 調査報道 子どもの不登校は、「親子関係」のみならず、「夫婦関係」にも影響を及ぼすことが多いです。 そこで、ウェブメディア「不登校オンライン」は、2025年3月12日〜25日に、お子さんが不登校・行き渋りである(であった)保護者さまを対象に、「不登校の保護者の夫婦関係」についてのアンケートを実施しました。 ご協力いただいた方々には、改めて御礼申し上げます。 そしてこの度、お寄せいただいた声を公表いたします。このページでは、定量的な結果、エピソードの抜粋、不登校オンライン編集部からの簡単なコメントを紹介します。 その上で、各項目に関連する「自由記述(エピソード)」と、キズキ不登校相談員・伊藤真依のコメントを紹介するページへのリンクを掲載しております。 なお、このページでは、あえて「悪い状況のエピソード」を紹介しておりますが、「よい状況のエピソード」ももちろん寄せられています。各項目のページでは様々なエピソードを掲載しておりますので、ぜひそちらもご覧ください。 はじめに〜回答は全て「妻(母親)」から〜 今回のアンケートには、66名の方からご回答をいただきました。そして、回答者の全てが「妻(不登校の子どもにとっての母親)」に当たる方々でした。 不登校オンラインがこれまでに実施したアンケートでも、母親からの回答が父親よりも多い傾向はありましたが、全員が母親という結果は今回が初めてです。 もちろん、これは単なる偶然かもしれません。 しかし、もしかすると「子どもの不登校に関連して、特に夫婦関係について語りたい」という思いは、他のテーマ以上に妻(母親)に強く、夫(父親)には届きにくい傾向があるのかもしれません。 1. 「お子さんの不登校が始まったとき」と「現在」の、配偶者との関係を教えてください。 回答66名 子どもの不登校が始まったときと同じ配偶者との結婚が続いている:61名(92. 42%) 子どもの不登校が始まった後、離婚して、いま配偶者はいない:2名(3. 03%) 子どもの不登校が始まったとき、すでに離婚していて、いま配偶者はいない:2名(3. 03%) これまでに結婚したことはない(ずっとシングルマザー・ファザーである):1名(1. 52%) ご回答いただいた方々は、子どもの不登校が始まる前からの婚姻関係を継続している方が大多数となりました。 ここから先は、「子どもの不登校が始ま... --- ### 子どもの不登校、夫婦での対応の話し合い【不登校と夫婦関係のアンケートから(3-1)】【調査報道】 - Published: 2025-05-13 - Modified: 2025-05-13 - URL: https://futoko-online.jp/news-article/14818/ - カテゴリー: ニュース - タグ: 無料記事 - 著者: 伊藤真依, 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 夫婦関係, 調査報道 ウェブメディア「不登校オンライン」は、2025年3月12日〜25日に、お子さんが不登校・行き渋りである(であった)保護者さまを対象に、「不登校の保護者の夫婦関係」についてのアンケートを実施しました。 「夫婦の間で、不登校の対応について話し合う機会はありますか?」という設問への回答は62名で、内訳は次の通りでした。 たまにある:21名(33. 87%) よくある:18名(29. 03%) ほとんどない:17名(27. 42%) まったくない:6名(9. 68%) クリックで拡大します 本記事では、その設問に関連した「子どもの不登校について、どんな話し合いをしていますか?」という設問にお寄せいただいたエピソードと、キズキ不登校相談員・伊藤真依からのコメントを紹介します。 ※紹介内容は、回答原文をもとに、不登校オンライン編集部が類型化・再構築・編集を行ったものです。 ※回答者:全て「妻(不登校の子どもにとっての母親)」、敬称略、順不同で、poreru、なお、ぺんま、153、さくらママ、きなこ、まんぼう、あくう、みーちゃん、しんのすけ、あじたま、ゼロ、やまぐち、あげは、ごくらく、みかん、yoshino、きんたろう、コ、うつぼ、natsumi、らい、み、もりこ、すいーとぽてと、hum、ま、みえころ、F母、Hideko、まるこ、ゆーみー、みも、まさき、もも、しーちゃん 類型①-1たまにある:報告中心―「話し合い」ではなく「状況報告」 夫との間で、不登校について深く話し合うことはほとんどありません。ただ、子どもの日々の様子や学校とのやり取りについては、必要に応じて伝えています。 たとえば、教育センターへの相談や放課後等デイサービスの見学に行った後は、その内容を簡単に報告しています。フリースクールや塾といった金銭が関わるときも同様です。 しかしそれらは「話し合い」ではなく、あくまで「共有」にとどまっています。夫は子どもと直接関わろうとはせず、「お前がなんとかしろ」と言うようなスタンスです。 私自身も、もはや相談ではなく報告として済ませることが習慣になっています。 類型①-2たまにある:役割分担(静観・信頼の形) 夫は現在、体調面の問題も抱えていることから、子どもの不登校に対して積極的に関与することはありません。 ただ、それを責めるつもりはありませんし、本人も「子どもはきっと大丈夫だ... --- ### 子どもの不登校が始まってからの、夫婦関係の変化【不登校と夫婦関係のアンケートから(2)】【調査報道】 - Published: 2025-05-13 - Modified: 2025-05-13 - URL: https://futoko-online.jp/news-article/14816/ - カテゴリー: ニュース - タグ: 無料記事 - 著者: 伊藤真依, 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 夫婦関係, 調査報道 ウェブメディア「不登校オンライン」は、2025年3月12日〜25日に、お子さんが不登校・行き渋りである(であった)保護者さまを対象に、「不登校の保護者の夫婦関係」についてのアンケートを実施しました。 「お子さんの不登校が始まってから、夫婦関係は変化しましたか?」という設問への回答は62名で、内訳は次の通りでした。 悪くなった:33名(53. 23%) 変わらない:21名(33. 87%) よくなった:8名(12. 90%) クリックで拡大します 本記事では、その「具体的な変化を教えてください。」という設問にお寄せいただいたエピソードと、キズキ不登校相談員・伊藤真依からのコメントを紹介します。 ※紹介内容は、回答原文をもとに、不登校オンライン編集部が類型化・再構築・編集を行ったものです。 ※回答者:全て「妻(不登校の子どもにとっての母親)」、敬称略、順不同で、すいーとぽてと、Hideko、まるこ、ゆーみー、りー、もも、うつぼ、たらちゃん、なつ、ハル、もりこ、poreru、りん、hum、なお、やまぐち、ま、あげは、み、ごくらく、153、さくらママ、らい、うさぎmama、みも、あくう、すい、ゆう、子育てを楽しみたい、みかん、まさき、yoshino、きんたろう、まー、コ、あじたま、natsumi、みえころ、まんぼう 類型①-1よくなった:夫婦関係の変化―「責め合い」から「支え合い」へ かつて私たち夫婦は、子育てについて話し合うことがほとんどありませんでした。夫は家庭に対して無関心で、出産にも立ち会わず、夜中の出産後にも顔を見せずに出勤し、そのまま飲み会に行こうとするほどでした。 第二子の出産の際も、私の入院中に夫は相談もなく遠方の義母を呼び寄せ、送り迎えは親任せ、自分は変わらず仕事へ行く日々。そんな夫と、子どもについて話し合うことができるようになるとは、当時は想像もしていませんでした。 転機は、子どもが不登校になったことでした。最初はお互いを責め合い、自分の責任ではないと主張し続ける日々。 私は「もう無理かもしれない」と思いながらも、夫婦カウンセリングを受け始めました。続けていくうちに、少しずつ見方が変わり始めました。物事を相手の立場で捉えるようになり、相手の話に耳を傾ける姿勢が生まれました。 そしていつしか、夫は子どもの個別面談に参加するために仕事を半休するようになり、家... --- ### 子どもの不登校、夫婦で話し合えない理由【不登校と夫婦関係のアンケートから(3-2)】【調査報道】 - Published: 2025-05-13 - Modified: 2025-05-13 - URL: https://futoko-online.jp/news-article/14817/ - カテゴリー: ニュース - タグ: 無料記事 - 著者: 伊藤真依, 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 夫婦関係, 調査報道 ウェブメディア「不登校オンライン」は、2025年3月12日〜25日に、お子さんが不登校・行き渋りである(であった)保護者さまを対象に、「不登校の保護者の夫婦関係」についてのアンケートを実施しました。 「夫婦の間で、不登校の対応について話し合う機会はありますか?」という設問への回答は62名で、内訳は次の通りでした。 たまにある:21名(33. 87%) よくある:18名(29. 03%) ほとんどない:17名(27. 42%) まったくない:6名(9. 68%) 本記事では、その設問に関連した「お子さんの不登校について、夫婦で話し合えない理由はありますか?」という設問にお寄せいただいたエピソードと、キズキ不登校相談員・伊藤真依からのコメントを紹介します。 ※紹介内容は、回答原文をもとに、不登校オンライン編集部が類型化・再構築・編集を行ったものです。 ※回答者:全て「妻(不登校の子どもにとっての母親)」、敬称略、順不同で、poreru、なお、ぺんま、153、さくらママ、きなこ、うさぎmama、まんぼう、あくう、あじたま、やまぐち、あげは、ごくらく、yoshino、よーちん、きんたろう、まー、コ、うつぼ、natsumi、らい、りん、み、すい、かお、すいーとぽてと、ま、みえころ、F母、Hideko、まさき、もも、しーちゃん 類型①:価値観・考え方のズレ―「わかり合えない、その距離感」 子どもが不登校になってから、夫とは何度か話し合いの場を持とうとしました。でも、根本的な価値観の違いが大きく、会話はいつもすれ違ってしまいます。 夫は「学校に行けない子は甘えている」「行かせるのが親の役目」といった考え方で、私とは真逆です。 話しても「なんでそんな風に考えるの?」と否定から入られ、こちらの話には耳を貸してくれません。 子どもの心の状態や情緒面よりも、「世間体」や「ルール」を優先する夫に、何を話しても絶望するばかりです。話し合うたびに傷つくので、自然と口を閉ざすようになりました。 類型②:話し合いが成立しない・苦手―「言葉が通じない、沈黙の壁」 夫はもともと、話し合うことがあまり得意ではありません。考えを言語化するのが苦手で、私が話すと「分かりづらい」「面倒くさい」とイライラしてしまいます。その様子を見ていると、相談するのが怖くなります。 だから私は、子どもと一緒に決めたことを「報... --- ### 子どもの不登校、夫婦に増えたストレス【不登校と夫婦関係のアンケートから(6)】【調査報道】 - Published: 2025-05-13 - Modified: 2025-05-13 - URL: https://futoko-online.jp/news-article/14822/ - カテゴリー: ニュース - タグ: 無料記事 - 著者: 伊藤真依, 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 夫婦関係, 調査報道 ウェブメディア「不登校オンライン」は、2025年3月12日〜25日に、お子さんが不登校・行き渋りである(であった)保護者さまを対象に、「不登校の保護者の夫婦関係」についてのアンケートを実施しました。 「子どもの不登校に関連して、夫婦どちらか、または両方にストレスが増えましたか?」という設問への回答は63名で、内訳は次の通りでした。 とても増えた:52名(82. 54%) 少し増えた:10名(15. 87%) 変わらない:1名(1. 59%) 少し減った:0名 とても減った:0名 クリックで拡大します 本記事では、その設問に関連した「ストレスを感じる具体的な場面を教えてください。」という設問にお寄せいただいたエピソードと、キズキ不登校相談員・伊藤真依からのコメントを紹介します。 ※紹介内容は、回答原文をもとに、不登校オンライン編集部が類型化・再構築・編集を行ったものです。 ※回答者:全て「妻(不登校の子どもにとっての母親)」、敬称略、順不同で、ハル、もりこ、すいーとぽてと、poreru、りん、hum、なお、やまぐち、ま、いぶき、あげは、ぺんま、み、ごくらく、153、Hideko、さくらママ、らい、ゆーみー、Sakl、ゆうこ、みも、あくう、めんどくさい、みーちゃん、子育てを楽しみたい、まさき、よーちん、きんたろう、まー、コ、うつぼ、あじたま、natsumi、ゼロ、みえころ、F母、さな、まんぼう、りー、姫菜、しんのすけ、もも、しーちゃん、きなこ 類型①:とてもストレスが増えた●母親の全方位対応による疲弊 子どもが不登校になってからというもの、私はまるで休む暇がありません。 毎日の昼食準備、子どもの不安定な感情への対応、学校や支援機関とのやりとり、そして仕事... ... すべてが重なり、時間も心もすり減っています。 特に辛いのは、私一人で状況を見極め、解決策を考え続けなければならないことです。 子どもの癇癪や昼夜逆転に加えて、夫は無関心か他人事で、「母親がやるものだろう」という態度。気がつけば、自分だけが悩み続けていました。 類型②:とてもストレスが増えた●家庭の分断・夫への不信 子どもがリビングに出てこなくなったのは、夫が家にいるときの空気があまりに重いからです。 夫は在宅勤務で、家にいながら私たちの行動を見張っているような緊張感があり、子どもだけでなく私まで委縮してし... --- ### 「子どもの不登校と夫婦関係」、妻たちの「こうしておけばよかった」【不登校と夫婦関係のアンケートから(10)】【調査報道】 - Published: 2025-05-13 - Modified: 2025-05-13 - URL: https://futoko-online.jp/news-article/14826/ - カテゴリー: ニュース - タグ: 無料記事 - 著者: 伊藤真依, 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 夫婦関係, 調査報道 ウェブメディア「不登校オンライン」は、2025年3月12日〜25日に、お子さんが不登校・行き渋りである(であった)保護者さまを対象に、「不登校の保護者の夫婦関係」についてのアンケートを実施しました。 本記事では、そのアンケート中の「『子どもの不登校と夫婦関係』に関連して、過去を振り返って『こうしておけばよかった』と思うことがあれば、具体的に教えてください。」という設問にお寄せいただいたお声と、キズキ不登校相談員・伊藤真依からのコメントを紹介します。 ※紹介内容は、回答原文をもとに、不登校オンライン編集部が類型化・再構築・編集を行ったものです。 ※回答者:全て「妻(不登校の子どもにとっての母親)」、敬称略、順不同で、もりこ、すいーとぽてと、poreru、hum、なお、ま、み、みえころ、F母、153、Hideko、らい、ゆーみー、みも、子育てを楽しみたい、yoshino、もも、きんたろう、コ、うつぼ、あじたま、natsumi 類型①:父子関係の希薄さに対する後悔 私がすべてを担いすぎた結果、子どもと夫の間に信頼関係が育ちませんでした。 夫が頼りなく感じて、つい「私がやった方が早い」と何でも引き受けてしまい、父親としての出番をつくらなかったのです。 子どもが悩みを抱えた今になって、父親の存在感がないことの重みを実感しています。 「もっと一緒に過ごす時間をつくればよかった」「子育ては夫婦で取り組むものだと、もっと早く伝えればよかった」と思わずにはいられません。 類型②:夫婦で学ぶ姿勢を持てなかった後悔 不登校になってから、私はセミナーに通い、情報を集め、子どもの特性を理解しようと努力しました。 でも、夫にはそれを強く求めすぎてしまいました。彼にとっては馴染みのない世界だったので、受け入れる余裕がなかったのだと思います。 「子育ては母の役目」と思っていた夫に、いきなりアップデートを求めるのではなく、一緒に学ぶ土台をつくる努力をもっと丁寧にすればよかったと後悔しています。 類型③:早期対応・前兆への気づきの遅れ 今振り返れば、「登校しぶり」は、その後の本格的な不登校のサインでした。そのときに担任ではなく教頭やスクールカウンセラーに早めに相談していたら、違った未来があったのかもしれません。 「まさかうちの子が... 」という気持ちと、「この程度ならすぐ戻る」という油断がありました... --- ### 子どもの不登校、夫婦の役割分担についての夫への感謝・要望・伝えたいこと【不登校と夫婦関係のアンケートから(5-2)】【調査報道】 - Published: 2025-05-13 - Modified: 2025-05-13 - URL: https://futoko-online.jp/news-article/14821/ - カテゴリー: ニュース - タグ: 無料記事 - 著者: 伊藤真依, 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 夫婦関係, 調査報道 ウェブメディア「不登校オンライン」は、2025年3月12日〜25日に、お子さんが不登校・行き渋りである(であった)保護者さまを対象に、「不登校の保護者の夫婦関係」についてのアンケートを実施しました。 不登校の子どもへの対応の、具体的な夫婦の役割分担については、次のような回答がありました。 妻の役割 学校との調整:49件(23. 22%) 日常の食事や生活の世話など:49件(23. 22%) 特に不登校に関連した心理的サポートや話し相手など:47件(22. 27%) 学校以外のサポート機関との調整:44件(20. 85%) 仕事への注力:22件(10. 43%) クリックで拡大します 夫の役割 仕事への注力:32件(69. 57%) 特に不登校に関連した心理的サポートや話し相手など:6件(13. 04%) 日常の食事や生活の世話など:4件(8. 70%) 学校との調整:2件(4. 35%) 学校以外のサポート機関との調整:2件(4. 35%) クリックで拡大します 本記事では、その設問に関連した「役割分担について、配偶者への感謝、要望、伝えたいことなどがありましたら教えてください。」という設問にお寄せいただいたエピソードと、キズキ不登校相談員・伊藤真依からのコメントを紹介します。 ※紹介内容は、回答原文をもとに、不登校オンライン編集部が類型化・再構築・編集を行ったものです。 ※回答者:全て「妻(不登校の子どもにとっての母親)」、敬称略、順不同で、しんのすけ、もも、すいーとぽてと、よーちん、あげは、ごくらく、153、らい、もりこ、さな、子育てを楽しみたい、うつぼ、あくう、姫菜、poreru、み、きなこ、ゆーみー、まんぼう、りー、Hideko、あじたま、みえころ、なお、ゼロ、みも 類型①:協力・信頼―「役割は違っても、支え合えている」 私は日々のケアや学校との調整を担当し、夫は子どもの話し相手になってくれたり、仕事の合間に支援してくれたりしています。 お互いの担当は自然と決まりましたが、しんどくなったときは交代しながら支え合っています。 子どもが話してくれたことを、夫婦で共有し、声がけの内容もすり合わせているので、一体感があります。 完璧ではありませんが、「ふたりでやっている」という実感があります。だからこそ、毎日の積み重ねが心強いです。 類型②:感謝と要望の混在―「あり... --- ### 「子どもの不登校と夫婦関係」についての、社会・法律・職場への支援や理解に関する要望【不登校と夫婦関係のアンケートから(9)】【調査報道】 - Published: 2025-05-13 - Modified: 2025-05-13 - URL: https://futoko-online.jp/news-article/14825/ - カテゴリー: ニュース - タグ: 無料記事 - 著者: 伊藤真依, 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 夫婦関係, 調査報道 ウェブメディア「不登校オンライン」は、2025年3月12日〜25日に、お子さんが不登校・行き渋りである(であった)保護者さまを対象に、「不登校の保護者の夫婦関係」についてのアンケートを実施しました。 本記事では、そのアンケート中の「『子どもの不登校と夫婦関係』について、社会、法律、職場などに、どのような支援や理解があればよいと思いますか?」という設問にお寄せいただいたお声と、キズキ不登校相談員・伊藤真依からのコメントを紹介します。 ※紹介内容は、回答原文をもとに、不登校オンライン編集部が類型化・再構築・編集を行ったものです。 ※回答者:全て「妻(不登校の子どもにとっての母親)」、敬称略、順不同で、ハル、もりこ、すいーとぽてと、poreru、hum、なお、やまぐち、ま、あげは、み、みえころ、ごくらく、F母、さな、153、Hideko、さくらママ、らい、ゆーみー、まんぼう、Sakl、りー、みも、あくう、すい、ゆう、みーちゃん、子育てを楽しみたい、まさき、しんのすけ、yoshino、もも、きんたろう、コ、あじたま、natsumi 類型①:母親への負担集中—「母が全部やるべき」という空気への疑問 子どもが不登校になると、真っ先に対応を求められるのは、いつも母親です。 学校とのやりとり、フリースクールの検討、病院の付き添い、昼食の準備... 。それに加えて仕事もしていると、息をつく間もありません。 「子どものことは母親の責任」という暗黙の常識が、家庭にも社会にも根強く残っています。けれど本当に必要なのは、夫婦で子どもの問題に向き合える土壌と、それを後押しする社会の理解です。 育児休業や介護休業があるなら、不登校にも「親の付き添い休暇」のような制度があっていい。そうすれば、家庭内の不公平感も少しは解消されるはずです。 類型②:職場環境との両立困難—「仕事との両立に限界」 子どもが朝、行けると言ったのに、直前で行けなくなる。そうなると、職場には遅刻か欠勤の連絡を入れなければなりません。 事情を話せば「大変だね」と言ってもらえることもありますが、理解されない場合は心が削られます。 遅刻や欠勤を繰り返していると、職場にいづらくなり、働き続けることが難しくなります。「中学生だから育児休業は使えない」と言われたこともあります。 不登校は突発的かつ長期的なものであり、職場の制度と柔軟な運用... --- ### 子どもの不登校、夫婦の役割分担【不登校と夫婦関係のアンケートから(5-1)】【調査報道】 - Published: 2025-05-13 - Modified: 2025-05-13 - URL: https://futoko-online.jp/news-article/14820/ - カテゴリー: ニュース - タグ: 無料記事 - 著者: 伊藤真依, 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 夫婦関係, 調査報道 ウェブメディア「不登校オンライン」は、2025年3月12日〜25日に、お子さんが不登校・行き渋りである(であった)保護者さまを対象に、「不登校の保護者の夫婦関係」についてのアンケートを実施しました。 「不登校の対応に関して、夫婦の役割分担はありますか?」という設問への回答は62名で、内訳は次の通りでした。 ある:36名(58. 06%) ない:26名(41. 94%) クリックで拡大します 本記事では、その設問に関連した「どのような役割分担がありますか?」「役割分担について、詳細や補足がありましたら教えてください。」という設問にお寄せいただいたエピソードと、キズキ不登校相談員・伊藤真依からのコメントを紹介します。 ※紹介内容は、回答原文をもとに、不登校オンライン編集部が類型化・再構築・編集を行ったものです。 ※回答者:全て「妻(不登校の子どもにとっての母親)」、敬称略、順不同で、しんのすけ、かお、いぶき、すいーとぽてと、よーちん、natsumi、あげは、ごくらく、153、yoshino、らい、もりこ、やまぐち、さな、子育てを楽しみたい、Sakl、あくう、み、きなこ、うさぎmama、まんぼう、りー、きんたろう、みえころ、なお、hum、みも 類型①:妻が全面的に担う―「何から何まで、私一人でやっています」 我が家では、不登校になった子どもの対応はすべて私が担っています。日常の食事の世話から、学校との連絡、フリースクールや教育相談センターとの調整まで。 夫は普段どおり仕事に行くだけで、家庭での役割はほぼゼロです。私はフルタイムで働きながら、子どもの心理的サポートや話し相手にもなっています。 夫は子どもと少しゲームの話をするくらいで、実質的な関与はありません。「夫婦で分担」と言えるような状況ではなく、正直、心も体もしんどいです。 類型②:機能的な役割分担―「それぞれ得意なところを分けて協力」 不登校の子どもへの対応について、我が家ではある程度の役割分担をしています。 スクールソーシャルワーカーとのやり取りや、フリースクールのスタッフとの面談は主に私が行っています。 一方、夫は地区の役員活動や仮転校先との実務的なやりとりを担当しています。 また、夫は子どもをドライブに連れて行ったり、週末の気分転換を企画したりするなど、精神面のケアも担ってくれています。 子どもが話してくれたこ... --- ### 子どもの不登校と、夫婦の会話の増減【不登校と夫婦関係のアンケートから(8)】【調査報道】 - Published: 2025-05-13 - Modified: 2025-05-13 - URL: https://futoko-online.jp/news-article/14824/ - カテゴリー: ニュース - タグ: 無料記事 - 著者: 伊藤真依, 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 夫婦関係, 調査報道 ウェブメディア「不登校オンライン」は、2025年3月12日〜25日に、お子さんが不登校・行き渋りである(であった)保護者さまを対象に、「不登校の保護者の夫婦関係」についてのアンケートを実施しました。 「子どもの不登校に関連して、夫婦の会話は増えましたか?減りましたか?」という設問への回答は62名で、内訳は次の通りでした。 変わらない:27名(43. 55%) 減った:24名(38. 71%) 増えた:11名(17. 74%) クリックで拡大します 本記事では、その設問に関連した「夫婦の会話の増減について、理由や状況を教えてください。」という設問にお寄せいただいたエピソードと、キズキ不登校相談員・伊藤真依からのコメントを紹介します。 ※紹介内容は、回答原文をもとに、不登校オンライン編集部が類型化・再構築・編集を行ったものです。 ※回答者:全て「妻(不登校の子どもにとっての母親)」、敬称略、順不同で、なつ、りん、やまぐち、ま、あげは、み、ごくらく、らい、子育てを楽しみたい、まさき、yoshino、きんたろう、まー、コ、あじたま、natsumi、すいーとぽてと、Sakl、みも、もも、ゼロ、ゆーみー、もりこ、なお、みえころ、F母、153、Hideko、まんぼう、あくう 類型①-1:会話が「減った」●価値観のズレと疲労による沈黙 不登校になった当初、夫と何度も話し合おうとしましたが、夫は「学校に行くべき」という昔ながらの考えを変えようとせず、話すたびに対立するようになりました。 やがて「わかる人がやればいい」と言われ、子どもの対応は私一人の役目にされました。 今では、話しかけてもゲームをしていたり、返事がなかったり。私から話すことも、もうしなくなりました。 類型①-2:会話が「減った」●喧嘩を避けた結果の「沈黙」 子どもの話題を出すと、たいてい喧嘩になります。 「そんな話、今しなくていいだろ」「またその話か」と言われることもあり、次第に私も話す気を失ってしまいました。 最近は、伝えたいことがあってもLINEで済ませるようにしています。会話の量が減ったというより、会話を避けるようになったというのが正確かもしれません。 類型①-3:会話が「減った」●努力が報われず、心が離れる 私は何度も、夫と一緒に子どものことを考えたくて話しかけてきました。 けれど返ってくるのは「わからない」「... --- ### 子どもの不登校、夫との意見の違い【不登校と夫婦関係のアンケートから(4)】【調査報道】 - Published: 2025-05-13 - Modified: 2025-05-13 - URL: https://futoko-online.jp/news-article/14819/ - カテゴリー: ニュース - タグ: 無料記事 - 著者: 伊藤真依, 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 夫婦関係, 調査報道 ウェブメディア「不登校オンライン」は、2025年3月12日〜25日に、お子さんが不登校・行き渋りである(であった)保護者さまを対象に、「不登校の保護者の夫婦関係」についてのアンケートを実施しました。 「不登校について、夫婦で意見が食い違うことはありますか?」という設問への回答は61名で、内訳は次の通りでした。 よくある:32名(52. 46%) たまにある:15名(24. 59%) ほぼない:9名(14. 75%) まったくない:5名(8. 20%) クリックで拡大します 本記事では、その設問に関連した「子どもの不登校について、どんな意見の違いがありますか?」という設問にお寄せいただいたエピソードと、キズキ不登校相談員・伊藤真依からのコメントを紹介します。 ※紹介内容は、回答原文をもとに、不登校オンライン編集部が類型化・再構築・編集を行ったものです。 ※回答者:全て「妻(不登校の子どもにとっての母親)」、敬称略、順不同で、もりこ、すいーとぽてと、まるこ、りー、みも、みーちゃん、うつぼ、みえころ、しんのすけ、らい、さな、ハル、poreru、hum、なお、やまぐち、ま、あげは、み、ごくらく、F母、153、Hideko、さくらママ、うさぎmama、Sakl、あくう、子育てを楽しみたい、まさき、yoshino、きんたろう、コ、あじたま、natsumi 類型①:登校させるべきvs見守るべき―「“行かせたい夫”と“寄り添いたい妻”」 子どもが不登校になってから、夫と私は根本的な考え方の違いに気づきました。 夫は「学校には行くべき」「放っておいたらだらける」と言い、私は「子どもの心の状態を最優先にしたい」と思っていました。 あるとき、夫は「無理にでも外に出せばいい」と言い、私は「無理に出すことが逆効果になる」と反論しました。 実際、泣き叫ぶ子どもを無理に登校させようとしたときのことが忘れられません。その経験から、私は見守る方向に切り替えましたが、夫はなかなか考えを変えられず、口論になることも少なくありませんでした。 類型②:生活・勉強への姿勢の違い―「“規律重視”の夫と“心優先”の私」 夫は不登校を否定しているわけではないのですが、「学校に行かないなら、せめて規則正しい生活と勉強だけはすべきだ」という考えです。 私は、子どもが心から元気になるまでは、無理に何かをさせる必要はないと... --- ### 子どもの不登校と、夫婦関係の危機【不登校と夫婦関係のアンケートから(7)】【調査報道】 - Published: 2025-05-13 - Modified: 2025-05-13 - URL: https://futoko-online.jp/news-article/14823/ - カテゴリー: ニュース - タグ: 無料記事 - 著者: 伊藤真依, 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 夫婦関係, 調査報道 ウェブメディア「不登校オンライン」は、2025年3月12日〜25日に、お子さんが不登校・行き渋りである(であった)保護者さまを対象に、「不登校の保護者の夫婦関係」についてのアンケートを実施しました。 「子どもの不登校に関連して、夫婦関係の危機を感じたことはありますか?」という設問への回答は63名で、内訳は次の通りでした。 はい:46名(73. 02%) いいえ:17名(26. 98%) クリックで拡大します 本記事では、その設問に関連した「夫婦関係の危機は、どんな状況でしたか?」という設問にお寄せいただいたエピソードと、キズキ不登校相談員・伊藤真依からのコメントを紹介します。 ※紹介内容は、回答原文をもとに、不登校オンライン編集部が類型化・再構築・編集を行ったものです。 ※回答者:全て「妻(不登校の子どもにとっての母親)」、敬称略、順不同で、すいーとぽてと、みえころ、らい、ハル、もりこ、poreru、りん、なお、やまぐち、ま、あげは、ぺんま、み、ごくらく、153、Hideko、きなこ、まるこ、Sakl、あんころもち、りー、みも、あくう、みーちゃん、子育てを楽しみたい、まさき、yoshino、きんたろう、まー、しーちゃん、コ、うつぼ、あじたま、natsumi、ゼロ 類型①-1:明確な夫婦関係の危機に直面した●限界に達した母親の思い 子どもが不登校になったとき、私は「母親としての責任」を一心に感じていました。毎日、学校や支援先と連絡を取り、子どもの感情に寄り添い、仕事もこなしていました。 そんな中、夫は何も変わらず、無関心。あるとき「わかる人がやればいい」と怒鳴られ、私は心が折れました。 「この人と一緒に子育てはできない」と感じ、離婚を本気で考えました。今も別居を考えるほどの危機感を持ちながら暮らしています。 類型①-2:明確な夫婦関係の危機に直面した●心の暴力に追い詰められて 夫が子どもに暴言を吐いたとき、「この人とは一緒に暮らせない」と思いました。子どもは怯え、私も心が震えました。 注意しても聞く耳を持たず、逆に私が責められることもありました。いつからか、私は夫と目を合わせることも話すことも避けるようになり、家の中で孤独を感じています。 気づけば「死にたい」と思う日も増えました。誰かに助けてほしい、でも誰にも言えない。そんな日々が続いています。 類型①-3:明確な夫... --- ### 「子どもの不登校と夫婦関係」についての自由記述【不登校と夫婦関係のアンケートから(13)】【調査報道】 - Published: 2025-05-13 - Modified: 2025-05-13 - URL: https://futoko-online.jp/news-article/14829/ - カテゴリー: ニュース - タグ: 無料記事 - 著者: 伊藤真依, 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 夫婦関係, 調査報道 ウェブメディア「不登校オンライン」は、2025年3月12日〜25日に、お子さんが不登校・行き渋りである(であった)保護者さまを対象に、「不登校の保護者の夫婦関係」についてのアンケートを実施しました。 本記事では、そのアンケート中の「その他、『子どもの不登校と夫婦関係』に関連して、思うことをご自由にお書きください。」という設問にお寄せいただいたお声と、キズキ不登校相談員・伊藤真依からのコメントを紹介します。 ※紹介内容は、回答原文をもとに、不登校オンライン編集部が類型化・再構築・編集を行ったものです。 ※回答者:全て「妻(不登校の子どもにとっての母親)」、敬称略、順不同で、もりこ、すいーとぽてと、ま、み、みえころ、ごくらく、153、Hideko、さくらママ、らい、うさぎmama、あくう、みーちゃん、子育てを楽しみたい、もも、きんたろう、natsumi、ゼロ 類型①:父親の関わりと信頼関係の欠如 子どもが中学生になるまでに、父親(夫)と子どもの信頼関係を築いておくことの大切さを痛感しています。 我が家では、父親が子どもときちんと向き合ってこなかったことで、尊敬もされず、関係が深まらないまま不登校を迎えてしまいました。 夫の存在がかえって子どもの心を削ってしまうこともあり、母親である私が子どもに寄り添うことを優先してきましたが、もっと父と子の関係づくりに目を向けていればと悔やまれる気持ちもあります。 類型②:家庭・夫婦関係の元々の問題が露呈したパターン 子どもの不登校によって、もともと抱えていた夫婦関係の溝が深まりました。 もともと仲が悪かったこと、価値観の違い、父親(夫)の暴言など、子どもにとって悪影響だった要素が、不登校によって一層明らかになったように感じます。 不登校がきっかけというより、問題が起きたときに出る人間性こそが本質なのかもしれません。この状況を経て、「夫とは本当に他人なのだ」と感じることも増えました。 類型③:母親への過度な負担と社会の構造的問題への憤り 共働きであっても、子どもの対応、家事、学校とのやりとりのほとんどが母親に集中してしまう現状に、強い不公平感と怒りを覚えます。 特に40代世代は、共働きが当たり前なのに家事育児の意識はアップデートされておらず、家庭不参加な夫により、家庭のバランスが崩壊する要因となっています。 このままでは、夫婦関係が壊れ... --- ### 「子どもの不登校と夫婦関係」、現在悩んでいる方への妻(母親)たちからのメッセージ【不登校と夫婦関係のアンケートから(12)】【調査報道】 - Published: 2025-05-13 - Modified: 2025-05-13 - URL: https://futoko-online.jp/news-article/14828/ - カテゴリー: ニュース - タグ: 無料記事 - 著者: 伊藤真依, 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 夫婦関係, 調査報道 ウェブメディア「不登校オンライン」は、2025年3月12日〜25日に、お子さんが不登校・行き渋りである(であった)保護者さまを対象に、「不登校の保護者の夫婦関係」についてのアンケートを実施しました。 本記事では、そのアンケート中の「『子どもの不登校と夫婦関係』に関連して、現在悩んでいる方へのメッセージをお願いします。」という設問にお寄せいただいたお声と、キズキ不登校相談員・伊藤真依からのコメントを紹介します。 ※紹介内容は、回答原文をもとに、不登校オンライン編集部が類型化・再構築・編集を行ったものです。 ※回答者:全て「妻(不登校の子どもにとっての母親)」、敬称略、順不同で、もりこ、すいーとぽてと、なお、やまぐち、ま、あげは、みえころ、F母、153、Hideko、らい、Sakl、子育てを楽しみたい、しんのすけ、yoshino、もも、よーちん、きんたろう、コ、あじたま、natsumi 類型①:一人で抱え込まないで 不登校の問題を家族だけで抱え込むのは本当に大変です。私もそうでした。夫には理解してもらえず、孤独でつらい日々が続きました。 でも、第三者に相談することで、気づきや変化が生まれました。児童相談所や教育センター、心理士さん、ママ友など、自分に合う人を見つけてみてください。 まずは、「自分を助けてくれる人」を増やすことが大切です。話せる場所があると、それだけで少し肩の荷が下りますよ。 類型②:夫には期待しすぎないで 「なぜ夫はわかってくれないの?」と何度も思いました。でも、わかろうとしない人に期待し続けると、自分が壊れてしまいます。 私も、夫にはあまり関わらないようにしようと決めてから、少しずつ楽になりました。 もちろん、協力してくれたら嬉しい。でも、そうでないなら、割り切るのも一つの選択肢です。あなたは、もう十分頑張っています。 類型③:まずは自分自身を大切にして 毎日、子どもの対応に追われて、自分のことなんて後回しになっていませんか?でも、あなたが笑っていないと、子どもも安心できません。 食事が適当になってもいい、掃除が行き届かなくてもいい。たまには、好物を食べて、自分を優先していいんです。 「大丈夫。今日はちょっとだけ休もう」と自分に言ってあげてくださいね。 類型④:子どものペースを信じて 不登校になると、将来が見えなくて不安になりますよね。でも、焦って無理... --- ### 子どもの不登校、妻が夫に思うこと【不登校と夫婦関係のアンケートから(11)】【調査報道】 - Published: 2025-05-13 - Modified: 2025-05-13 - URL: https://futoko-online.jp/news-article/14827/ - カテゴリー: ニュース - タグ: 無料記事 - 著者: 伊藤真依, 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 夫婦関係, 調査報道 ウェブメディア「不登校オンライン」は、2025年3月12日〜25日に、お子さんが不登校・行き渋りである(であった)保護者さまを対象に、「不登校の保護者の夫婦関係」についてのアンケートを実施しました。 本記事では、そのアンケート中の「『子どもの不登校と夫婦関係』に関連して、配偶者の方に思うことをご自由にお書きください。」という設問にお寄せいただいたお声と、キズキ不登校相談員・伊藤真依からのコメントを紹介します。 ※紹介内容は、回答原文をもとに、不登校オンライン編集部が類型化・再構築・編集を行ったものです。 ※回答者:全て「妻(不登校の子どもにとっての母親)」、敬称略、順不同で、もりこ、すいーとぽてと、hum、なお、やまぐち、ま、み、みえころ、ごくらく、F母、153、Hideko、さくらママ、らい、ネルコ、Sakl、みも、あくう、すい、みーちゃん、子育てを楽しみたい、しんのすけ、yoshino、もも、よーちん、きんたろう、まー、コ、うつぼ、あじたま 類型①:もっと寄り添ってほしかった 子どもが不登校になったとき、私はひとりで全てを抱えました。夫は「仕事があるから」と、自分から子どもに寄り添おうとしなかったのです。 どうして、自分の子どもなのに、その苦しみに目を向けようとしないのかが不思議でなりません。 本当は、夫婦2人でないととても乗り越えられることではなかったはずです。私は、ただ「一緒に見てほしい、話を聞いてほしい」と願っていたのです。 類型②:否定・無理解・無関心への怒り 夫は、私が何を話しても「そんなのわからない」「考えすぎ」と否定から入ってきました。 子どもの不登校についても、「それは甘えだ」と切り捨て、自分の価値観だけで物事を判断してしまいます。 私は夫のそんな態度に、心が折れました。そして、何も言えなくなり、何も期待しなくなりました。 類型③:もっと早く協力してほしかった 私は在宅勤務を調整しながら、不登校の子どもに向き合ってきました。後になって、夫も在宅勤務できたと知ってショックでした。 なぜもっと早く、一緒に動いてくれなかったのかと思ってしまいます。 もしあの時、協力してくれていたら、今とは違う景色が見えていたかもしれません。 類型④:感謝と成長を感じている 夫は、不登校に戸惑いながらも、少しずつ理解を深めてくれました。 考え方の変化が早く、「それでいい... --- ### 次の頑張りには、休みが不可欠 - Published: 2025-05-12 - Modified: 2025-05-12 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/15113/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ - 著者: 土橋優平 通学できていたお子さんが休みがちになると、「サボり」とか「気の緩み」をついつい想像してしまう親御さんは少なくないでしょう。 しかし、それは逆なのです。5月になると、お子さんたちは4月から約1か月、新しい環境に順応することに全力を尽くしてきた結果を発信しているのです。ここで親御さんはどのように対応すれば効果的なのでしょうか? フリースクールを運営する土橋さんからのメッセージを伝えます。 (連載「出張版お母さんのほけんしつ」第60回・写真は土橋優平さん) 連休明けに登校しないのは、頑張り過ぎた反動 ゴールデンウィークが明けたとたん、「今日はちょっと無理かも」と布団から出られなくなるお子さんがいます。 4月から毎朝頑張って登校し教室では笑顔を見せていたのに、連休明けだけ足が動かない。そんなお子さんの姿を見て、親御さんが戸惑うのは当然です。そこで、まず「あなたが戸惑っているのは自然なこと」だと認めてあげてください。 連休前まで通学できていたお子さんが急に休み始めると、“サボり”や“気の緩み”を想像しがちですが、実際は逆です。 4月、お子さんたちは「今年こそ」と知らぬ間にアクセルを踏み込み、慣れない教室や初対面の先生に全力で適応してきました。朝は教室の扉を開ける前に深呼吸し、休み時間は「うまく輪に入らなきゃ」と偽りの笑顔を浮かべ、帰宅後に宿題を何度も確認する。 そんな小さな努力の積み重ねで「学校へ行く」ということができています。 しかし、限度いっぱいの状態で迎えた大型連休は、張りつめた糸を一気にゆるめるスイッチ。緩んだ瞬間、身心は「もう少し休ませて」と本音を漏らします。 つまり、連休明けに登校できなくなるのは頑張り過ぎた反動です。「今はちょっと休もうか」と伝えるだけでも子どもの安心感は増します。 いつもどおりのコミュニケーションこそ重要 お子さんが心身を休ませているとき、“次の登校”を約束させるのは逆効果。「明日は行ける?」と繰り返すほどお子さんは再び緊張の糸を張ることになり、心の回復を遅れさせる原因になりかねません。 では家ではどう過ごすか。合言葉は「いつもどおり」です。 朝は「おはよう」、 昼は「おなか空かない?」、 夕方に「お風呂どうする?」。 登校していない日でも、普段と変わらぬ生活を意識してみてください。勉強は後回しで大丈夫です。好きなゲームや動画に没頭するのも“安... --- ### 【5/12(月)19時開催】不登校の親ネット会議〜GW明けのお悩みに、精神科医と不登校のプロが答えます〜 - Published: 2025-05-09 - Modified: 2025-05-09 - URL: https://futoko-online.jp/event/15057/ - カテゴリー: イベント 新学期から1か月経ちGWも明けたこの頃は、不登校に関するお悩みの相談をかなり多く受ける時期の1つです。 そんなGW明けの保護者のお悩みに対して、質疑応答を行う無料のオンラインライブをInstagram &YouTubeで急遽、開催することとなりました! 今回のイベントでは、先日始まったLINEコミュニティ「不登校の親ネット」の運営メンバーに追加して、YouTubeなどでご活躍されている【精神科医のさわ先生】にスペシャルゲストとして参加いただきます!! 登壇者 さわ先生(精神科医。Instagram「親子の心をつなぐ精神科医さわ」、YouTube「精神科医さわの幸せの処方箋」) 石井しこう(不登校ジャーナリスト。「石井しこう公式サイト」) 中里祐次(「オンラインコミュニティBranch」代表) 伊藤真依(キズキ不登校相談員、「キズキ共育塾」名古屋校 元教室長) 皆様からの質問に、たくさん答えていこうと思います。ぜひご参加ください! 実施日時・参加方法など 今回のオンラインイベントは、特別なお申し込み不要でご参加いただけます。 ■前半:2025/5/12(月):19時〜19時30分 さわ先生のInstagramアカウントにて実施します。開始時間が近くなりましたら、下記のリンクへお越しください。 >>親子の心をつなぐ精神科医さわ ■後半:2025/5/12(月):19時35分〜20時 キズキのYouTubeアカウントにて実施します。開始時間が近くなりましたら、下記のリンクへお越しください。 >>不登校・中退の方のゼロからの学び直しTV 「学校休んだほうがいいよチェックリスト」のご紹介 石井しこう・Branch・キズキは、「子どもが『学校休みたい』『学校行きたくない』と言っているけど、休ませていいのかな?と心配になっている保護者の方」に向けて、「学校休んだほうがいいよチェックリスト」を運営しております(監修:精神科医・松本俊彦先生)。 現在までに、約95,000人が利用。「参考になった」「休ませてよかった」などのお声を多数いただいております。まだご利用されたことのない方は、ぜひご利用ください。 >>学校休んだほうがいいよチェックリスト (実施にチェックを行うLINEへのリンクも、上記の中にございます) 「不登校の親ネット」のご紹介 石井しこう・Branch・キズキは、「親が... --- ### 【不登校混乱期】スマホ・ゲーム漬けで大丈夫?不登校の子どもに本当に必要な時間とは【不登校の知恵袋】 - Published: 2025-05-08 - Modified: 2025-05-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/14333/ - カテゴリー: コラム - タグ: 不登校の知恵袋, 会員限定記事, 不登校混乱期 - 著者: 不登校オンライン編集部 お子さんが不登校になり、昼夜逆転の生活でスマホやゲームに没頭している姿を見ると、親御さんとしては心配でたまらないことでしょう。 「このままでは将来どうなってしまうのか」「何か手を打たなければ」と焦る気持ちもよくわかります。 しかし、不登校混乱期のお子さんに本当に必要なのは、焦って何かをさせることではなく、安心して自分自身と向き合い、エネルギーを充電するための時間なのです。 【不登校混乱期とは】 不登校状態が定着し、今後の見通しがつかないまま時間が経過している時期です。この記事は、主にはこの時期のお子さんがいる保護者さんのための内容です。もちろん、それ以外の時期の方にもお役立ていただけます。不登校混乱期の記事一覧はこちら   【サポート団体を利用しましょう】 不登校のお子さんのことを、保護者だけで対応する必要はありません。不登校のサポート団体を適切に利用することで、お子さんも保護者さまも、「次の一歩」に進みやすくなります。サポート団体の探し方は、こちらの記事をご覧ください。 1. なぜスマホ・ゲームに夢中になるのか? 不登校のお子さんは、スマホやゲームを楽しんで熱中しているわけではないことが多いのです。ではなぜ、スマホやゲームに没頭しているのでしょうか。これには、いくつかの理由が考えられます。 ① 心の安定を求めている 学校に行けなくなると、自己肯定感が低下し、強いストレスを感じることが多くなります。スマホやゲームは、そのストレスから一時的に解放される手段になりやすいのです。 ② 外の世界とつながる手段になっている 不登校になると、家の外との関わりが減りがちです。しかし、スマホやオンラインゲームを通じて友達とつながることで、孤独感を和らげることができます。 ③ 現実逃避や暇つぶし 学校に行かない時間をどう過ごしていいかわからず、スマホやゲームに依存しやすくなります。特に、何もする気が起きない「無気力な状態」にあるときは、ゲームや動画視聴が唯一の気晴らしになりがちです。 2. 「スマホ・ゲームばかりでいいの?」の考え方 結論から言うと、「無理にやめさせる必要はありません」が、「長期的な視点で、少しずつ生活リズムを整えることが大切」となります。 【重要なのは、段階的なアプローチ】 不登校混乱期の子どもにとって最優先すべきは「心の回復」です。スマホやゲームを使う時間が長くて... --- ### 「大学に行きたいけど勉強が不安…」 不登校から学び直せるルートとは?【不登校の進路相談室】 - Published: 2025-05-07 - Modified: 2025-05-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/14742/ - カテゴリー: コラム - タグ: 不登校の進路相談室, 会員限定記事 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 大学受験 高校生で不登校のお子さんが、少しずつ元気になってきた。大学受験にも興味が出てきたようだ。 そんなお子さんの様子を見ると、親御さんとしては喜ばしい思いとともに、不安もあることでしょう。 「勉強についていけるだろうか」 「他の受験生と比べて遅れているのではないか」 不登校だからといって、大学に進学できないということはもちろんありません。 受験勉強を機に、これまでの学び方を見直し、本当に自分に合った学び方を見つけるための貴重な機会ともなります。 この記事では、不登校からでも大学進学を目指せる具体的なルートと、お子さんが自信を取り戻し、再び学び始めるための心構えについてお伝えします。 【サポート団体を利用しましょう】 不登校のお子さんのことを、保護者だけで対応する必要はありません。不登校のサポート団体を適切に利用することで、お子さんも保護者さまも、「次の一歩」に進みやすくなります。サポート団体の探し方は、こちらの記事をご覧ください。 1. まずは「学びの土台」を取り戻す 受験勉強に取り組む前に、まずは学びの土台を取り戻しましょう。 ① 生活リズムを整える 毎日同じ時間に起きて、同じ時間に寝るなど、基本的な生活リズムを取り戻す 朝起きたら、太陽の光を浴び、軽い運動をするなど、心身ともに活動しやすい状態を作る ② 学習習慣を少しずつ取り戻す いきなり長時間勉強せず、1日15分でもよいので勉強をする習慣をつける 集中力が続かない場合は、5分勉強→5分休憩のように、細かく区切る お子さんに向いた勉強法を探す(※) ※勉強の方法は、「机に向かってノートに書く」だけとは限りません。特に暗記については、歩きながら/立った姿勢で/音読する/目で読む/耳で聞くなどの方法が向いていることもあります。 ③ 基礎学力の確認と復習 中学校の教科書や参考書を使って、基礎学力の確認と復習を行う 苦手な教科や単元を丁寧に復習する お子さんに向いた教材(Webサイトやアプリも含む)を探す 不登校の子どもに対応した塾、学び直しから受験勉強まで対応している塾などを探す 2. 大学受験資格を得る 大学受験を行うためには、基本的には「高卒資格」または「高卒認定資格」のどちらかが必要です。お子さんの状況に合わせて、どのルートで資格を取得するかを検討しましょう。 現在在籍している高校を卒業する 別の高校(通信制高校など... --- ### 【学校復帰、フリースクール、通信制… どれを選ぶ?】進路選択のヒント/【不登校-回復期の知恵袋】 - Published: 2025-05-06 - Modified: 2025-05-06 - URL: https://futoko-online.jp/column/14710/ - カテゴリー: コラム - タグ: 不登校の進路相談室, 会員限定記事 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 通信制高校, フリースクール 不登校のお子さんが、だんだん元気になってきた... 。親御さんも、様々な葛藤や不安を抱えながら、これまで本当によく頑張ってこられたことと思います。 お子さんが元気になってくると、進路について気になるのではないでしょうか。特に中学生・高校生の場合、選択肢が多くて迷うこともあるでしょう。 「今の学校・クラスの登校再開を目指すべき?」 「フリースクールってどうなの?」 「通信制高校について知りたい... 」 この記事では、そんな親御さんがお子さんに合った進路を見つけるためのヒントを、不安を煽ることなく、具体的なノウハウと共にお伝えします。 【サポート団体を利用しましょう】 不登校のお子さんのことを、保護者だけで対応する必要はありません。不登校のサポート団体を適切に利用することで、お子さんも保護者さまも、「次の一歩」に進みやすくなります。サポート団体の探し方は、こちらの記事をご覧ください。 1. お子さんの「今」を丁寧に見てみましょう 進路選択で大切なのは、お子さんの「今」の状態を丁寧に把握することです。元気になってきたとはいっても、お子さん一人ひとり状況は異なります。 心身の状態: 体力は十分に戻っているか、睡眠や食欲は安定しているか、以前のように活動できる時間が増えているかなどを確認しましょう。 興味関心: 何に興味を持っているか、どんなことに時間を使っているか、どんなことに喜びを感じているかなどを観察しましょう。 学習意欲: 学習に対して前向きな気持ちがあるか、どんな学習方法が合っているか、どんな教科に興味があるかなどを探ってみましょう。 人間関係: 家族以外の人との関わりを求めているか、どんな人と一緒にいたいと思っているか、どんなコミュニケーションが心地よいかなどを聞いてみましょう。 将来の希望: どんな大人になりたいか、どんなことに挑戦したいか、どんな生活を送りたいかなど、お子さんの将来に対する希望を聞いてみましょう。 これらの情報を得るために、お子さんとじっくりと話す時間を持つことが大切です。 頭ごなしに意見を押し付けるのではなく、お子さんの気持ちに寄り添い、共感しながら話を聞くように心がけましょう。 2. 各選択肢のメリットと注意点を理解する 「不登校の次の一歩」には、たくさんの選択肢(進路)があります。 ここでは、登校再開、通信制高校、フリースクールという3... --- ### 【不登校進行期】昼間は元気なのに朝は動けない…不登校の子どもの心と体の不思議な関係【不登校の知恵袋】 - Published: 2025-05-05 - Modified: 2025-05-05 - URL: https://futoko-online.jp/column/14320/ - カテゴリー: コラム - タグ: 不登校の知恵袋, 会員限定記事, 不登校進行期 不登校のお子さんが、昼間は比較的元気なのに、朝になるとどうしても起きられない、動けない。そんな状態に悩んでいる保護者の方は少なくありません。 「どうして昼間はあんなに元気なのに、朝はダメなんだろう?」 「自分の子育てが間違っているんだろうか... 」 「もしかして、怠けているだけなんじゃないか?」 でも、どうかお子さんのことも、ご自身のことも責めないでください。 お子さんの状態には、心と体の不思議な関係が隠されているのです。 【不登校進行期とは】 不登校は、前兆期→進行期→混乱期→回復期という経過を辿ることがよくあります。進行期とは、不登校が始まり、心理的な落ち込みが激しくなり、やがてその状態が固定化されるまでの期間のことです。この記事は、主にこの時期のお子さんがいる保護者さんのための内容です。もちろん、それ以外の時期の方にもお役立ていただけます。不登校進行期の記事一覧はこちら   【サポート団体を利用しましょう】 不登校のお子さんのことを、保護者だけで対応する必要はありません。不登校のサポート団体を適切に利用することで、お子さんも保護者さまも、「次の一歩」に進みやすくなります。サポート団体の探し方は、こちらの記事をご覧ください。 1. 心と体は密接につながっている 不登校のお子さんが朝起きられないことには、「心の状態」が「体の状態」に影響を及ぼしていることが考えられます。 1-1. 自律神経の乱れが影響している 私たちの心と体は密接につながっています。心が疲れていたり、ストレスを感じていたりすると、体にも様々な影響が現れます。 例えば、ストレスを感じると、自律神経のバランスが乱れ、睡眠の質が低下することがあります。睡眠不足は、朝の目覚めを悪くし、倦怠感や気力の低下を引き起こします。 また、不登校進行期の子どもは、精神的なストレスによって交感神経がうまく働かず、朝になると体が重く感じたり、頭痛や腹痛が起こることがあります。 1-2. 脳が「危険」を察知して防御している 人間の脳は、不安や恐怖を感じると「危険」と判断し、体を動かしにくくすることがあります。 学校に行くことが強いストレスになっている場合、脳は無意識のうちに「行かないほうが安全だ」と判断し、体のエネルギーを抑える方向に働きます。 その結果、「昼は元気なのに、朝になると動けなくなる」という現象が起こるのです... --- ### 公立の全日制高校も不可能ではない!中学不登校からの高校進学の考え方【不登校の進路相談室】 - Published: 2025-05-02 - Modified: 2025-05-02 - URL: https://futoko-online.jp/column/6731/ - カテゴリー: コラム - タグ: 不登校の進路相談室, 会員限定記事 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 高校受験, 内申点 中学で不登校中の(または不登校を経験した)親御さんからもお子さんからもよくお聞きすることは、「中学校で不登校でも、高校に進学できますか?」です。 最初にいきなりお伝えすると、答えは「Yes」です。 不登校の方でも高校に進学することは十分できます。なぜそう言い切れるのか、そして実際にどんな高校選びがあるのか、この2つについて、具体的にお話していきます。 【サポート団体を利用しましょう】 不登校のお子さんのことを、保護者だけで対応する必要はありません。不登校のサポート団体を適切に利用することで、お子さんも保護者さまも、「次の一歩」に進みやすくなります。サポート団体の探し方は、こちらの記事をご覧ください。 高校選びの選択肢は変わってきている 高校入試の制度は、都道府県によってずいぶん違います。そして、いま学校に行っていない人たちの状況も、一人ひとり違うはずです。 それなのになぜ、「不登校の人でも高校には進学できる」と言い切れるのでしょうか。それは高校入試の評価方法と、高校選びの選択肢がだんだん変わってきているからです。 公立の全日制高校①出席日数と内申点が、3年生のものだけが使われるなら 不登校になっているときに気になるのが、「出席日数」と「内申点」だと思います。 この2つは、特に公立の全日制高校の入試のとき、評価に使われることで有名です。 ただ実は、 そもそも中1や中2のときの出席日数や内申点は、高校入試に使われない地域もあります。 中3のときのものだけが評価されるということです。 東京都や愛知県がそうです(2024年時点の情報です)。 そういう場所に住んでいる人は、中学3年のときだけ頑張って学校に行くという手も使えます(もちろん、無理は禁物です)。 お住まいの地域で内申点・出席日数がどう取り扱われるか、調べてみましょう。 公立の全日制高校②出席日数と内申点が、3年間のものが使われるなら じゃあ、「自分の住んでいるところでは3年間の欠席日数と内申点が使われる」という場合はどうすればよいのでしょうか。 そういう地域でも最近は、学校によって独自の特色がある入試が行われるようになってきています。 例えば埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県などには、「 中学のときにあまり学校に行けていなかった人」向けの学校や、そうした人たち向けの入試を行う高校があります。 お住まいの地域に... --- ### 不登校・発達障害からの大学・専門学校進学〜学校の探し方・選び方を具体的に解説!〜【不登校の進路相談室】 - Published: 2025-05-01 - Modified: 2025-05-01 - URL: https://futoko-online.jp/study/6890/ - カテゴリー: 勉強・進学・進路 - タグ: 不登校の進路相談室, 会員限定記事, 不登校回復期 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 発達障害, 大学受験, 専門学校, 進路相談 「発達障害があって高校を不登校の我が子が、少しずつ気になってきた。そうなると、次に気になるのは進学先... 」という親御さんは珍しくありません。 今回のテーマは、発達障害があって不登校のお子さんの、進学先(大学・専門学校)の探し方・選び方。 昨今では、発達障害や不登校に「理解のある」大学や専門学校は増えてきてはいます。しかし、「じゃあ実際に、どんな観点で何に留意すれば『理解がある』かわかるの?」というという声をよくお聞きします。 この記事は、そんな疑問に答えます。お子さんの(将来を見据えた)学校選びの参考に、ぜひお役立てください。 【サポート団体を利用しましょう】 不登校のお子さんのことを、保護者だけで対応する必要はありません。不登校のサポート団体を適切に利用することで、お子さんも保護者さまも、「次の一歩」に進みやすくなります。サポート団体の探し方は、こちらの記事をご覧ください。 発達障害や不登校経験に理解のある大学・専門学校の探し方 まずは、「発達障害や不登校経験に理解があるかどうか」という観点での学校の探し方です。 (1)実際に足を運んでみる すでに気になっている学校があるときは、まず足を運んでみるのはもちろんオススメです。 支援に対する制度や考え方も聴けるかもしれません。 そして学校の周りの街の雰囲気や、家からどのような経路で通うことになるのかを体で感じられる機会にもなります。 志望校が遠方にある場合は、「旅行のついでに行く」などの方法もあります。 (2)親の会や学会などで情報を収集する 親の会などに入っている方は、そこでの情報収集も有効です。 そして、親の会などに入っていらっしゃらない場合でも使える、ちょっと変わった情報収集の方法をご紹介します。 各種の学会や団体で発表をしている方を調べてみるというものです。 発表者がある学校に所属している場合、その学校には発達障害に理解の深い教師やスタッフがいるという目安になります。 (3)入試制度について調べる 発達障害があると、その特性に応じて、入試の際に次のような配慮を受けられることがあります。 別室受験 試験時間の延長 問題用紙の拡大 問題文の読み上げ 集団面接がある場合、個別面接に変更 お子さんの特性に応じてどのような配慮があるとよいか、またその学校が対応しているかについて、調べたり相談したりすることをおすすめし... --- ### 【5/3開催】キズキ共育塾 オンライン入会説明会〜「もう一度、やり直したい」を応援する個別指導塾〜 - Published: 2025-04-30 - Modified: 2025-04-30 - URL: https://futoko-online.jp/event/14686/ - カテゴリー: イベント 学校に行けない。 勉強にブランクがある。 発達障害がある。 進路がわからない―― そんな悩みを抱えたご本人さま、親御さんへ。 「キズキ共育塾」が、無料オンライン説明会を開催します! 「キズキ共育塾」は、不登校オンラインと同じく株式会社キズキが運営する、不登校や高校中退の方々のための完全個別指導塾です。 キズキ共育塾のことを初めて知った方も、キズキ共育塾に興味があるけれど個別面談はハードルが高いと思っていた方も、これまでに相談をしたことがある方も、、どなた様も大歓迎。 HPや資料だけでは伝えきれないキズキ共育塾のこと、ぜひ直接聞いてみませんか? →入会説明会のお申し込みはこちらから! 説明会でわかること キズキって、他の塾とどう違うの? 不登校や発達障害の子に、どんな授業をしているの? 先生はどんな人?自分に(子どもに)合いそう? 費用はどれくらい? 入会キャンペーンって何? 自分(の子ども)のケースでも通えるの? どんな些細な疑問でもOK!経験豊富な「共育コンサルタント」が、丁寧にお答えします。 \参加者特典/ 説明会ご参加後、ご希望の方には「無料の個別相談」もプレゼント! →入会説明会のお申し込みはこちらから! 開催日程 日時:2025年5月3日(土)11:00〜11:30 →入会説明会のお申し込みはこちらから! 対象 キズキ共育塾に興味のある全ての方。 小学生から大人まで、ご本人も親御さんも参加OK。 お住まいの地域は問いません。 ※すでにご入会済みの方は対象外です →入会説明会のお申し込みはこちらから! 登壇者 樋口 喬之(ひぐち・たかゆき) 心理学・社会学を学び、中学校教員を経てキズキに。横浜校、武蔵小杉校、代々木校など数々の教室長をつとめる。現在はエリアマネージャー兼三軒茶屋校の教室長。 →入会説明会のお申し込みはこちらから! 参加方法・対象 オンライン開催(参加者様の顔出しは不要です)。 Googlemeetを予定しています。 →入会説明会のお申し込みはこちらから! 参加費(無料) 参加費は無料です。 →入会説明会のお申し込みはこちらから! 当日の内容(予定) キズキの理念 授業の進め方と特徴 メンターサポートの紹介 合格実績・受講生の事例 料金・受講システム 質疑応答 無料個別相談のご案内 →入会説明会のお申し込みはこちらから! 無料の個別相談について... --- ### 【不登校回復期】「ちょっと外に出てみようかな」不登校から一歩踏み出したいときの親の関わり方【不登校の知恵袋】 - Published: 2025-04-29 - Modified: 2025-04-29 - URL: https://futoko-online.jp/column/14557/ - カテゴリー: コラム - タグ: 不登校の知恵袋, 会員限定記事, 不登校回復期 - 著者: 不登校オンライン編集部 お子さんが不登校で、引きこもり気味でもあった。そんな期間を経て、お子さん外に出ることに少しずつ興味を持ち始めたとき、親としては期待と不安が入り混じる複雑な気持ちになるでしょう。 「また学校に行けるようになるのだろうか?」 「無理をさせて、また逆戻りしてしまわないだろうか?」 そんな心配を抱えながらも、お子さんの成長を温かく見守りたいと願う親御さんへ。 本記事では、お子さんが再び社会との繋がりを持ち始める大切な時期に、親としてどのように関われば良いのか、具体的なノウハウと心構えをお伝えします。 【不登校回復期とは】 不登校は、前兆期→進行期→混乱期→回復期という経過を辿ることがよくあります。回復期とは、「不登校状態ではあるものの、心理的状態が改善され、心的エネルギーが溜まりだし、一人での外出が自由になってくる期間」のことです。この記事は、主にこの時期のお子さんがいる保護者さんのための内容です。もちろん、それ以外の時期の方にもお役立ていただけます。不登校回復期の記事一覧はこちら 【サポート団体を利用しましょう】 不登校のお子さんのことを、保護者だけで対応する必要はありません。不登校のサポート団体を適切に利用することで、お子さんも保護者さまも、「次の一歩」に進みやすくなります。サポート団体の探し方は、こちらの記事をご覧ください。 関連記事 1. 焦らず、じっくりと見守る お子さんが「ちょっと外に出てみようかな」などという時期は、お子さんが少しずつ自信を取り戻し、社会との接点を増やしていく大切な時期です。 しかし、焦りは禁物です。一歩進んで二歩下がることもあります。大切なのは、お子さんのペースを尊重し、じっくりと見守ることです。 小さな変化を肯定的に捉える お子さんが自ら外出しようとしたり、何か新しいことに興味を示したりしたら、その小さな変化を大いに褒めましょう。 次のような肯定的な言葉は、お子さんの自己肯定感を高め、次のステップへと繋がる勇気を与えます。 「すごいね」 「やってみたかったんだね」 結果よりもプロセスを重視する たとえ外出が短時間で終わったり、新しい試みが上手くいかなかったりしても、結果よりも「やってみよう」としたプロセスを褒めましょう。 回復期に大切なことは、失敗を恐れずに挑戦する気持ちを育むことです。 他の子と比べない 「次の一歩」へのスピードは、お子さ... --- ### 【5/31まで!】期間限定・今だけ無料!「ゴールデンウィークと不登校」の悩みを解決する人気の有料記事を特別公開中 - Published: 2025-04-28 - Modified: 2025-05-06 - URL: https://futoko-online.jp/pr/14594/ - カテゴリー: プレスリリース - タグ: 期間限定無料公開, ピックアップ, 不登校混乱期 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: ゴールデンウィーク (2025/5/2更新)ゴールデンウィークが近づいてまいりました。学校にお悩みのあるお子さんは、ゴールデンウィークをきっかけに不登校になることがあります。また逆に、不登校中のお子さんが、ゴールデンウィーク明けからの登校再開を目指すこともあります。 そこで「不登校オンライン」では、「ゴールデンウィークと不登校」についてのお悩みを解消するため、通常は有料の人気記事の一部を、2025年5月31日まで無料公開いたします! どの記事も、ゴールデンウィーク中だけでなく、ゴールデンウィークが明けた後にもお役立ていただける内容です。 対象となる記事は、4月28日(月)、30日(水)、5月1日(木)、5月2日(金)の4日間、毎日1本ずつご紹介。お申し込みも簡単ですので、気になるテーマが見つかったら、この機会にぜひご覧ください。 【サポート団体を利用しましょう】 不登校のお子さんのことを、保護者だけで対応する必要はありません。不登校のサポート団体を適切に利用することで、お子さんも保護者さまも、「次の一歩」に進みやすくなります。サポート団体の探し方は、こちらの記事をご覧ください。 1. 【不登校前兆期】ゴールデンウィーク明けに、学校に行き渋り始めた子どもへの対応は?【不登校の知恵袋】 5月2日の特別無料公開記事です。 無料閲覧のお申し込みフォームはこちら>> ゴールデンウィークが明け、また学校生活が始まる時期に、子どもが「学校に行きたくない」と言い始めることがあります。 この行き渋りは、珍しいことではありません。長期休暇後の環境変化に適応するのが難しくなったり、連休中にリラックスしたことで学校のストレスを強く感じたりすることが原因です。 ここでは、子どもが行き渋る際の適切な対応方法について詳しく解説します。 【不登校前兆期とは】 不登校は、前兆期→進行期→混乱期→回復期という経過を辿ることがよくあります。前兆期とは、「何らかの要因で、心理的な安定度が崩れていき、学校を本格的に休み始めるまでの期間」のことです。この記事は、主にこの時期のお子さんがいる保護者さんのための内容です。もちろん、それ以外の時期の方にもお役立ていただけます。不登校前兆期の記事一覧はこちら 無料閲覧のお申し込みフォームはこちら>> こちらのQRコードからもお申し込みいただけます。 会員様限定のオリジナルページはこちら ... --- ### 子どもらしさ、大人らしさってなんだろう? - Published: 2025-04-28 - Modified: 2025-04-28 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/14647/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ - 著者: 土橋優平 私たち大人は知らず知らずのうちに、子どもたちに「大人になる準備」を強要しているような気がします。 だからこそ、「周りを気にせず、今この瞬間に夢中になっている姿」を肯定し、見守っていくことが重要なのではないでしょうか。 フリースクールを運営する土橋さんからのメッセージを伝えます。 (連載「出張版お母さんのほけんしつ」第59回・写真は土橋優平さん) 「将来のために」は、「子どもらしさ」を奪う単なる美辞麗句 最近、講演会や勉強会などでお話しさせていただくと、「フリースクールで子どもたちと関わるなかで、大切にしていることは何でしょうか?」というご質問を頻繁にいただきます。 そんなときの回答として、子どもの意見が中心であること、「みんな一緒」ではなく「全員特別」に関わること、教えようとしないことなど、さまざまありますが、最近、よくお伝えしているのが「子どもたちが子どもらしく過ごせる環境を整えること」というお話です。 異なる言い方をすると 「子ども時代を、大人になるための準備を整える期間と捉えない」ということです。 私たち大人は、いつの間にか子どもたちに「大人になる準備」をさせてしまっているのではないかと感じています。 勉強をさせること、資格取得を勧めること、社会性を身につけさせること、そして、いい高校・大学に行かせることもそうです。 これらは、すべて「将来のために」という枕詞とともに大人の口から飛び出てきます。もちろん「将来のことは考えなくていい」というわけではありません。 将来のことを考えたうえで、今、目の前の行動を選択することは人生にとって必要なことです。 ですが、私にはそれこそが「子どもらしさ」を奪っているように思われてしかたありません。 消し去れない可能性もある「大人らしさ」の強要 「大人らしさ」とは、なんなのでしょうか?  たとえばAさんとBさんの意見が異なったとき、Aさんが「じゃあ、今回はBさんの意見で進めよう」と譲ったとします。すると、周りの反応は「大人だねえ」とAさんを承認することになるでしょう。 ここでAさんの行動を言語化するなら、「空気を読んで自分の意思を抑えた」という表現ができます。 つまり、「大人らしさ」には自分の考えや意見よりも周囲を優先するという暗黙のルールみたいなものが設定されているのです。 確かにAさんは「大人らしい行動」を示しましたが、同時に... --- ### 【不登校前兆期】ゴールデンウィーク明けに、学校に行き渋り始めた子どもへの対応は?【不登校の知恵袋】 - Published: 2025-04-25 - Modified: 2025-04-25 - URL: https://futoko-online.jp/column/14279/ - カテゴリー: コラム - タグ: 不登校の知恵袋, 会員限定記事, 不登校前兆期 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: ゴールデンウィーク ゴールデンウィークが明け、また学校生活が始まる時期に、子どもが「学校に行きたくない」と言い始めることがあります。 この行き渋りは、珍しいことではありません。長期休暇後の環境変化に適応するのが難しくなったり、連休中にリラックスしたことで学校のストレスを強く感じたりすることが原因です。 ここでは、子どもが行き渋る際の適切な対応方法について詳しく解説します。 【不登校前兆期とは】 不登校は、前兆期→進行期→混乱期→回復期という経過を辿ることがよくあります。前兆期とは、「何らかの要因で、心理的な安定度が崩れていき、学校を本格的に休み始めるまでの期間」のことです。この記事は、主にこの時期のお子さんがいる保護者さんのための内容です。もちろん、それ以外の時期の方にもお役立ていただけます。不登校前兆期の記事一覧はこちら   【サポート団体を利用しましょう】 不登校のお子さんのことを、保護者だけで対応する必要はありません。不登校のサポート団体を適切に利用することで、お子さんも保護者さまも、「次の一歩」に進みやすくなります。サポート団体の探し方は、こちらの記事をご覧ください。 1. まずは子どもの気持ちに寄り添い、じっくり話を聞く 子どもが「学校に行きたくない」と言い出したとき、親として最も大切なのは、頭ごなしに否定せず、じっくり話を聞くことです。 ただし、 子どもは自分の気持ちを自分でも理解していないことがありますし、うまく言葉にできないこともあります。 無理に聞き出そうとせず、子どもが話しやすい環境を作り、話したくなったらいつでも聞くという姿勢を示すことが大切です。 具体的な聞き方のポイント 話をさえぎらず、最後まで聞く 共感の言葉を伝える(「そうか、つらかったね」「そんなことがあったんだね」) 優しい口調で話す 問い詰めない(「なぜ行きたくないの?」と詰問しない) 話を聴くことに徹する(アドバイスや意見をすぐに言わない) 話しやすい雰囲気を作る工夫 リラックスできる場所と時間を選ぶ ながら聴きはしない(スマホやテレビを見ながらではなく、しっかり向き合う) 目を見て話を聞く 温かい飲み物やお菓子を用意する 2. 学校と連携し、情報収集をする 行き渋りが続く場合は、学校の先生やスクールカウンセラーと連携し、子どもの学校での様子を確認しましょう。 学校との情報共有により、子どもが何にス... --- ### 【4/26】キズキ共育塾 オンライン入会説明会〜「もう一度、やり直したい」を応援する個別指導塾〜 - Published: 2025-04-24 - Modified: 2025-04-24 - URL: https://futoko-online.jp/event/14536/ - カテゴリー: イベント 学校に行けない。 勉強にブランクがある。 発達障害がある。 進路がわからない―― そんな悩みを抱えたご本人さま、親御さんへ。 完全個別指導塾「キズキ共育塾」が、無料オンライン説明会を開催します! キズキ共育塾のことを初めて知った方も、キズキ共育塾に興味があるけれど個別面談はハードルが高いと思っていた方も、これまでに相談をしたことがある方も、、どなた様も大歓迎。 HPや資料だけでは伝えきれないキズキのこと、ぜひ直接聞いてみませんか? ◆説明会でわかること キズキって、他の塾とどう違うの? 不登校や発達障害の子に、どんな授業をしているの? 先生はどんな人?自分に(子どもに)合いそう? 費用はどれくらい? 入会キャンペーンって何? 自分(の子ども)のケースでも通えるの? どんな些細な疑問でもOK!経験豊富な「共育コンサルタント」が、丁寧にお答えします。 \参加者特典/ 説明会ご参加後、ご希望の方には「無料の個別相談」もプレゼント! ◆開催日程 日時:2025年4月26日(土)17:30〜18:00 ◆対象 キズキ共育塾に興味のある全ての方。 小学生から大人まで、ご本人も親御さんも参加OK。 お住まいの地域は問いません。 ※すでにご入会済みの方は対象外です ◆登壇者:半村進(東京大学卒・元不登校・元ひきこもり) 累計2,000人超の保護者・生徒の相談に応じてきた、キズキのエース相談員! ◆参加方法・対象 オンライン開催(顔出し不要) Googlemeetを予定しています。 ◆参加費 無料 ◆当日の内容(予定) キズキの理念 授業の進め方と特徴 メンターサポートの紹介 合格実績・受講生の事例 料金・受講システム 質疑応答 無料個別相談のご案内 ◆無料の個別相談について キズキ共育塾の一番の特徴は、「生徒さん一人ひとりに合わせたオーダーメイドの授業」です。 説明会に参加してくださった方々には、特別に「無料の個別相談」の枠をご用意しております。 説明会でキズキ共育塾に興味をお持ちいただいた後には、無料の個別相談で、ぜひ「あなた(のお子さん)のためだけの、キズキ共育塾の利用方法」をお話ししてみませんか? ▼お申込みはこちら(1分で完了!) お申し込みフォームはこちら お得な「選べるお得な入会キャンペーン」も実施中! 2025年5月末まで、全校舎&オンライン共通で使えるおトクな特典を... --- ### 【完全保存版】「連休明けの不登校パーフェクトガイド」無料配信中!GW後の行き渋りに備えて今すぐゲットしよう! - Published: 2025-04-24 - Modified: 2025-05-06 - URL: https://futoko-online.jp/event/14563/ - カテゴリー: イベント - タグ: ピックアップ, 不登校前兆期, 不登校進行期, 不登校混乱期, 不登校回復期 - 著者: 伊藤真依 GW連休明けの不登校を心配する保護者様へ向けて、お子さんへの適切なアプローチを見つけるための「パーフェクトガイドブック」を無料で配布します。 4月からの新生活で疲れが溜まり、心身ともに負担がかかるこの時期。 張りつめていた緊張の糸がゴールデンウィーク中に緩み、休み明けから学校へ行けなくなるお子さんは多くいらっしゃいます。 また、連休前から不登校の状況にあるお子さんも、ゴールデンウィーク明けの平日はとりわけ罪悪感やストレスを感じやすくなる傾向にあります。 そこで、「連休明けの不登校」に焦点を当て、お子さんへの向き合い方を知ることができるパーフェクトガイドブックをキズキが無料で公開します! お子さんが学校に行き渋る理由別に、アプローチ方法を紹介していますので、ぜひGW明けに備えて無料でダウンロードしてみてください! >>「パーフェクトガイドブック」以外にも、記事の無料プレゼントやアンケートの案内を行っています! 「連休明けの不登校パーフェクトガイド」で分かること ・お子さんの不登校の理由別に適切なアプローチ方法 ・学校へ相談する際のコツ ・不登校のお子さんと向き合う親の心得 ガイド開発者からのメッセージ 不登校のお子さんをサポートするキズキ共育塾・不登校相談員の伊藤真依です 「連休後の不登校」は、多くの家庭が直面する問題です。 私自身も不登校経験者として、連休明けに心が重くなるお子さんの感覚が痛いほどよくわかります。 ゴールデンウィーク前は、「休みが明けたら頑張ろう」と意気込んでいたのに、結局連休があけても行けなかった... という経験は私もしました。 そして、不登校相談員となった今も、多くのご家庭から連休明けの不登校に関するご相談をお聞きします。 大人になっても「サザエさん症候群」といった言葉があるように、連休明けにどんよりした気持ちになることはお子さんにとっても珍しいことではありません。 たくさんの事例から、連休明けにどんなことで不登校のお子さんが悩みやすいか傾向も見えてきています。 今回のガイドブックは、私たちキズキがこれまでサポートさせていただいた事例を分析して作成しました。 無料でダウンロードいただけますので、ぜひお子さんに合ったアプローチを探してみてください。 伊藤真依のプロフィール 1999年生まれ。キズキ共育塾・不登校相談員。不登校オンライン編集部。 高... --- ### 【不登校進行期・回復期】五月雨登校をしている子どもとの、ゴールデンウィーク中の親子コミュニケーションのコツとは?【不登校の知恵袋】 - Published: 2025-04-24 - Modified: 2025-04-26 - URL: https://futoko-online.jp/column/14287/ - カテゴリー: コラム - タグ: 不登校の知恵袋, 会員限定記事, 不登校進行期, 不登校混乱期 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: ゴールデンウィーク 五月雨登校とは、次のような状態のことです。 「完全に学校に行かない」わけではなく、かと言って「毎日、または1日中授業を受ける」わけでもない。「学校に行ったり行かなかったり」「遅刻したり早退したり」している。 五月雨登校には、大きく分けて2つのパターンがあります。 それまでは学校に行っていたのに、だんだん五月雨登校になっている(不登校の進行期) 不登校だった期間を経て、少しずつ登校するようになっている(不登校の回復期) 前者の場合は「このまま完全な不登校になるのでは」と、後者の場合は「いつか不登校に逆戻りするのでは」とご心配なことでしょう。 五月雨登校状態の子どもに対して、ゴールデンウィークを前に、どのように過ごせばよいのかとお悩みの方は大勢います。 この記事では、不登校進行期・回復期の子どもがいる保護者の方に向けて、ゴールデンウィーク中の過ごし方と、五月雨登校への向き合い方について、具体的なノウハウを交えながらお伝えします。 【不登校進行期とは】 不登校は、前兆期→進行期→混乱期→回復期という経過を辿ることがよくあります。進行期とは、不登校が始まり、心理的な落ち込みが激しくなり、やがてその状態が固定化されるまでの期間のことです。不登校進行期の記事一覧はこちら 【不登校回復期とは】 不登校は、前兆期→進行期→混乱期→回復期という経過を辿ることがよくあります。回復期とは、「不登校状態ではあるものの、心理的状態が改善され、心的エネルギーが溜まりだし、一人での外出が自由になってくる期間」のことです。不登校回復期の記事一覧はこちら 【サポート団体を利用しましょう】 不登校のお子さんのことを、保護者だけで対応する必要はありません。不登校のサポート団体を適切に利用することで、お子さんも保護者さまも、「次の一歩」に進みやすくなります。サポート団体の探し方は、こちらの記事をご覧ください。 1. 五月雨登校とゴールデンウィーク 五月雨登校は、不登校進行期と回復期の子どもによく見られる状態であり、決して珍しいことではありません。 ゴールデンウィークは、長期休暇ということもあり、生活リズムが乱れやすく、子どもの状態に変化が現れやすい時期でもあります。 (1)生活リズムの乱れに注意する 長期休暇中は、どうしても夜更かしや朝寝坊をしがちです。しかし、生活リズムの乱れは、子どもの心身に負担をかけ... --- ### 【不登校回復期】不登校を経て、「ゴールデンウィーク明けから、学校に行く!」という子どもへの対応は?【不登校の知恵袋】 - Published: 2025-04-23 - Modified: 2025-04-26 - URL: https://futoko-online.jp/column/14300/ - カテゴリー: コラム - タグ: 不登校の知恵袋, 会員限定記事, 不登校回復期 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: ゴールデンウィーク 不登校のお子さんが少しずつ前向きな言葉を発するようになったとき、保護者の方は安堵とともに、新たな不安を感じるかもしれません。 特に、「ゴールデンウィーク明けから学校に行く!」という具体的な目標を口にした場合、期待と同時に、「もし行けなかったら... 」という心配が頭をよぎることでしょう。 この記事では、そんなお子さんの「学校に行きたい」という気持ちを尊重した上で、親としてどのように対応したらよいのかをお伝えします。 ただし、「ゴールデンウィーク明けに特有の対応」は、あまりありません。 「子どもの心情の変化のきっかけ」にゴールデンウィークが関係することはありますが、対応としていつでも大切なことは、「お子さんの気持ちを尊重すること」です。 【不登校回復期とは】 不登校は、前兆期→進行期→混乱期→回復期という経過を辿ることがよくあります。回復期とは、「不登校状態ではあるものの、心理的状態が改善され、心的エネルギーが溜まりだし、一人での外出が自由になってくる期間」のことです。この記事は、主にこの時期のお子さんがいる保護者さんのための内容です。もちろん、それ以外の時期の方にもお役立ていただけます。不登校回復期の記事一覧はこちら 【登校再開について】 「今在籍している学校・クラスへの登校再開」は、「必ず目指すべきこと」ではありません。登校を再開しなくても、また「毎日・1日中の登校」をしなくても、将来はひらけています。それを踏まえた上で、この記事では、お子さん自身が「登校を再開したい」と思っている場合の対応について記します。 【サポート団体を利用しましょう】 不登校のお子さんのことを、保護者だけで対応する必要はありません。不登校のサポート団体を適切に利用することで、お子さんも保護者さまも、「次の一歩」に進みやすくなります。サポート団体の探し方は、こちらの記事をご覧ください。 1. お子さんの気持ちを丁寧に聴き取る まず大切なのは、お子さんの「学校に行きたい」という気持ちを丁寧に聴き取ることです。次のような対応があります。 お子さんの話を聞く 「学校に行ったらどう過ごしたい?」など、具体的な質問を投げかけ、お子さんの考えを深掘りしましょう。ただし、「追い詰める」「問い詰める」という形にならないように気をつけましょう。 共感を示す 「そう思ったんだね。すごいね」「学校に行きたいと思え... --- ### 【不登校混乱期】学校にずっと行けない子ども…ゴールデンウィーク中にできることは?【不登校の知恵袋】 - Published: 2025-04-22 - Modified: 2025-04-22 - URL: https://futoko-online.jp/column/14297/ - カテゴリー: コラム - タグ: 不登校の知恵袋, 会員限定記事, 不登校混乱期 - ハッシュタグ: ゴールデンウィーク 不登校の混乱期にいる子どもがいる親御さんにとって、長期休みであるゴールデンウィークは、どのように過ごせばよいのか悩む時期かもしれません。 「学校が休みなのだから、少しは気分が楽になるかも」と思う反面、「休み明けにまた学校が始まると、さらにつらくなるのでは?」という不安もあるでしょう。 また、周囲の子どもたちが楽しそうに過ごしている姿を目にしやすい時期でもあります。そのため、焦りや不安を感じやすくなることも。 しかし、焦りは禁物です。混乱期は、子どもがエネルギーを溜め、回復へと向かうために必要な準備期間です。 この時期に大切なのは、子どもが安心して過ごせる環境を整え、心のエネルギーを蓄えられるようにサポートすることです。 【不登校混乱期とは】 不登校状態が定着し、今後の見通しがつかないまま時間が経過している時期です。この記事は、主にはこの時期のお子さんがいる保護者さんのための内容です。もちろん、それ以外の時期の方にもお役立ていただけます。不登校混乱期の記事一覧はこちら   【サポート団体を利用しましょう】 不登校のお子さんのことを、保護者だけで対応する必要はありません。不登校のサポート団体を適切に利用することで、お子さんも保護者さまも、「次の一歩」に進みやすくなります。サポート団体の探し方は、こちらの記事をご覧ください。 1. まずは「ゴールデンウィークだから」と焦らない ゴールデンウィークは、長期休みとはいえ、たったの数日から一週間程度。 「ゴールデンウィークのうちに大きく状況を変えなければ... 」とプレッシャーを感じる必要はありません。 大切なのは、プレッシャーを手放して「お子さんが少しでも安心して過ごせること」を第一に考えてゴールデンウィークを過ごすことです。 また、不登校の混乱期にある子どもは、変化に対して敏感です。保護者の方が「せっかくの休みだから何かしよう」と張り切りすぎると、それが子どもにとって負担になることもあります。 何かをする場合でも、無理に誘ったり、計画を押しつけたりするのではなく、お子さんの気持ちを尊重することが大切です。 この後で紹介する対応についても、「ゴールデンウィークならでは」ではないものが多いのですが、「そういうものだ」とご認識ください。 ただし、子どもは「ゴールデンウィークは、自分以外も学校に行っていないから、不登校の引け目がない... --- ### 【不登校回復期】昼夜逆転は直すべき?生活リズムよりも大切なこと【不登校の知恵袋】 - Published: 2025-04-21 - Modified: 2025-04-26 - URL: https://futoko-online.jp/column/14341/ - カテゴリー: コラム - タグ: 不登校の知恵袋, 会員限定記事, 不登校回復期 - ハッシュタグ: 昼夜逆転 不登校のお子さんが、最近は少しずつ心のエネルギーが溜まってきていることを感じる。一方で、生活リズムの乱れ、特に昼夜逆転が気になっている... 。 そんな親御さんは、大勢います。 「昼夜逆転を直さないと、社会復帰が遅れてしまうのではないか」 「生活リズムを整えるために、無理にでも起こすべきか」 そんな不安や焦りを抱えている方へ、お伝えしたいことがあります。それは、生活リズムを整えることよりも、お子さんの心の状態を優先することです。 【不登校回復期とは】 不登校は、前兆期→進行期→混乱期→回復期という経過を辿ることがよくあります。回復期とは、「不登校状態ではあるものの、心理的状態が改善され、心的エネルギーが溜まりだし、一人での外出が自由になってくる期間」のことです。この記事は、主にこの時期のお子さんがいる保護者さんのための内容です。もちろん、それ以外の時期の方にもお役立ていただけます。不登校回復期の記事一覧はこちら 【サポート団体を利用しましょう】 不登校のお子さんのことを、保護者だけで対応する必要はありません。不登校のサポート団体を適切に利用することで、お子さんも保護者さまも、「次の一歩」に進みやすくなります。サポート団体の探し方は、こちらの記事をご覧ください。 関連記事 なぜ生活リズムよりも心の状態が大切なのか 不登校回復期は、お子さんが再び社会とつながるための準備期間です。この時期に最も大切なのは、お子さんが安心して過ごせる環境を提供し、自己肯定感を育むことです。 昼夜逆転は、不登校のお子さんに多く見られる現象であり、その背景には以下のような要因が考えられます。 安心できる時間の確保 夜は静かで、自分の好きなことに集中できる時間帯です 罪悪感や焦燥感の軽減 昼間は周囲の目や、「自分が学校に行っていないこと」が気になり、罪悪感や焦燥感を覚えやすい時間帯です 自己肯定感の低下 昼夜逆転によって、「自分はダメだ」と思い込むことがあります 無理に生活リズムを直そうとすると、お子さんにさらなるストレスを与え、かえって「次の一歩」を遅らせることにもなりかねません。 生活リズムを整えるためにできること とはいえ、昼夜逆転が長く続くと、体調を崩したり、社会復帰が難しくなったりするのも事実です。焦らず、お子さんのペースに合わせて、少しずつ生活リズムを整えていきましょう。例えば、次の... --- ### 【4/24まで!アンケート大募集】不登校対応のホンネ、経験シェア「これ、やってよかった」「これはやらない方がよかった」〜親御さんもご本人も歓迎!〜 - Published: 2025-04-18 - Modified: 2025-05-06 - URL: https://futoko-online.jp/questionnaire/14476/ - カテゴリー: アンケート - タグ: 無料記事 - 著者: 不登校オンライン編集部 不登校の状況に向き合うとき、親も子どもも、正解のない道を手探りで歩いていくことになります。 そんな中で、対応を後から振り返って「これをしてよかった!」「これはしない方がよかったな... 」などと思うことがあった方も多いのではないでしょうか。 そこでウェブメディア「不登校オンライン」では、「不登校への、親の対応」について、親視点・子ども視点での次のようなことをお尋ねします。 してよかった対応(実際にしたこと) しない方がよかった対応(実際にしたこと) しなくてよかった対応(実際には、していないこと) すればよかった対応(実際には、していないこと) 成功も、失敗も、悩んだ時間も... すべてが、いま悩んでいる誰かの助けになります。 どうかあなたの声を、ぜひ聞かせてください。こちらをクリックで、アンケートフォームが開きます(親子共通のフォームです)。 (以前実施したアンケート「不登校の保護者と仕事」「不登校の親の夫婦関係」については、現在記事を作成中です!公開まで、もうしばらくお待ちください) こんなことをうかがいます! 今回のアンケートでは、以下のようなことがらについてお尋ねします(一部抜粋)。あなたのお声が、世の中に、「不登校の子どもへの対応」の実態を伝えます。ぜひご協力ください。 不登校の子どもに実際に行った対応として、「しなくてもよかったこと(しない方がよかったこと)」はありますか?それはどんなことですか? 不登校の子どもに実際には行っていない対応として、「しなくてよかったこと」はありますか?それはどんなことですか? 不登校の子どもに実際に行った対応として、「してよかったこと」はありますか?それはどんなことですか? 不登校の子どもに実際には行っていない対応として、「しておけばよかったこと」はありますか?それはどんなことですか? ※回答中につらい気持ちになられたときには、無理にお続けにならず、すぐに中止していただいて構いません。 アンケートはこちら 【対象】 ・現在・過去を問わず、お子さんに不登校の経験がある親御さん ・現在・過去を問わず、不登校の経験があるご本人 【ご回答期限】 2025年4月24日(木)24時 【アンケートはこちら】 こちらをクリックで、フォームが開きます(親子共通のフォームです)。 以下のQRコードからも回答できます。 【補足】 文部科学省の定... --- ### 不登校川柳、優秀作品のご紹介:本人(当事者・経験者)編〜162句から見えた「今」と「あの頃」のリアル〜 - Published: 2025-04-17 - Modified: 2025-04-17 - URL: https://futoko-online.jp/questionnaire/14364/ - カテゴリー: アンケート - タグ: 無料記事 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 川柳 2025年2月、「不登校オンライン」では《大募集! みんなの不登校川柳》を開催。390句もの心のこもった作品が寄せられました。ご応募くださった皆さま、誠にありがとうございました。 そしてこの度、選定結果を発表いたします。本記事では、「不登校の“本人(当事者・経験者)”」の方から寄せられた162句の中から、編集部が選んだ大賞・優秀賞・佳作の35作品をご紹介します。 そこには、不登校の日々に感じた葛藤や、ふと笑ってしまう“あるある”、そっと抱いた希望など、当事者だからこそ詠めるリアルな想いがつまっています。 どうぞ、一句一句に込められた、等身大の声に触れてみてください。 ※「作品に込めた想い」は、原文をそのまま掲載しています。 ※今回は選外となった作品も、素晴らしいものばかりでした。この記事では数を限定して紹介しておりますが、別の機会に紹介させていただく可能性がございます。 親・家族編はこちら 大賞作(1作)のご紹介 まずは、大賞作です。 学校に 行かなくたって 成長中 「アトランティスみゆう」さん 【作品に込めた想い】中学生の頃、不登校でした。行っていない間は人が知らないような知識を本から吸収したりネットから吸収したりして、確かに成長していたと今になり思います。 「アトランティスみゆう」さんには、Amazonギフトカード(3,000円分)をプレゼントいたします! 優秀作(1作)のご紹介 続いて、優秀作をご紹介します。 正解が わからないのは 僕もだよ 「しゃむさら」さん 【作品に込めた想い】学校に行きたくない時期は、とにかくどうしたら良いのかわかりませんでした。ただ、あの場所には行きたくないという気持ちだけを覚えています。今考えると、兄弟や親も同じように悩んでいたのかもしれない。そんな思いをあの時の自分や家族に向けて作品にしました。 佳作(33作)のご紹介 続いて、佳作をご紹介します(順不同です)。 今何時? まだ夕方か いや朝だ 「ケン太郎」さん 【作品に込めた想い】部屋でうとうとして寝てしまった時、時間の感覚が分からず夜なのか朝なのかわからない時の思い。実際どっちでも特に影響はないのたけれど。 ーーーーー 教室に 魔物がいるの きっとそう 「しゃむさら」さん 【作品に込めた想い】幸運なことに、私はいじめにあったわけでもなく勉強についてないわけでもありませんでした。... --- ### 不登校川柳、優秀作品のご紹介:親・家族編〜迷い、涙、笑い…“ともに歩んだ日々”の228句〜 - Published: 2025-04-16 - Modified: 2025-04-17 - URL: https://futoko-online.jp/questionnaire/14363/ - カテゴリー: アンケート - タグ: 無料記事 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 川柳 2025年2月、「不登校オンライン」では《大募集! みんなの不登校川柳》を開催。390句ものご応募をいただきました。改めて、温かなご参加に心から感謝申し上げます。 そしてこの度、選定結果を発表いたします。この記事でご紹介するのは、親御さん・ご家族・親戚など「子ども本人(不登校の当事者・経験者)以外」の方々から寄せられた228句の中から、編集部が選んだ大賞・優秀賞・佳作の35作品です。 不登校という経験は、子どもだけでなく、周囲の大人たちにもさまざまな思いを残します。 迷いや葛藤、親としての無力感、時には笑えるエピソード、そして子どもへの深い愛情。 五・七・五の中に込められた、それぞれのご家庭の物語を、どうぞご覧ください。 ※「作品に込めた想い」は、原文をそのまま掲載しています。 ※今回は選外となった作品も、素晴らしいものばかりでした。この記事では数を限定して紹介しておりますが、別の機会に紹介させていただく可能性がございます。 本人(当事者・経験者)編はこちら 大賞作(1作)のご紹介 まずは、大賞作です。 何大事 子供のいのち それだけだ 「西瓜大好き」さん(母親) 【作品に込めた想い】子供が完全不登校となり、塾も拒否、近隣の公園にいくことも拒否した時、親の私は精神的に崩壊しかけました。そんな中ふと、子供に何を1番望んでいるのか考えたところ、1番の希望は子供が生きてくれること。それに気づいてから、社会や世間の常識にとらわれず、子供が笑顔で生き生きと毎日を楽しく生きてくれる様、子供に寄り添えるようになりました。 「西瓜大好き」さんには、Amazonギフトカード(3,000円分)をプレゼントいたします! 優秀作(1作)のご紹介 続いて、優秀作をご紹介します。 良かれより マイナスならぬと 口つぐむ 「たかとも」さん(母親) 【作品に込めた想い】こちらが良かれと思って言った声掛けが、子供にとって逆に イラッとしたり、皮肉に聞こえるたりして、親子の関係が悪化する。それならば、私はその時に、ここは黙っておいた方が良いっと ぐっとこらえる。 佳作(33作)のご紹介 続いて、佳作をご紹介します(順不同です)。 行き渋り 我も休んで 添い寝する 「はらは」さん(父親) 【作品に込めた想い】娘が小学生で初めて行き渋ったとき私も有給で休み、添い寝しました。親があたふたしないのが大事ですね... --- ### 【不登校前兆期】「朝になるとお腹が痛い…」繰り返す体調不良の裏にある本当の理由とは?【不登校の知恵袋】 - Published: 2025-04-15 - Modified: 2025-04-15 - URL: https://futoko-online.jp/column/14318/ - カテゴリー: コラム - タグ: 不登校の知恵袋, 会員限定記事, 不登校前兆期 - 著者: 不登校オンライン編集部 朝になると決まって体調不良を訴え、学校を休みがちになる。それは、もしかしたら不登校の前兆かもしれません。 「ただの体調不良じゃないの?」 「まさかうちの子が不登校?」 そう不安に思う保護者の方もいるかもしれません。 しかし、どうかご安心ください。お子さんのSOSに適切なサポートをすることで、お子さんは「次の一歩」に進みやすくなります。 本記事では、不登校の前兆として現れる体調不良について、その背景にある心理的な要因と、保護者としてできる具体的な対応方法について解説します。 【不登校前兆期とは】 不登校は、前兆期→進行期→混乱期→回復期という経過を辿ることがよくあります。前兆期とは、「何らかの要因で、心理的な安定度が崩れていき、学校を本格的に休み始めるまでの期間」のことです。この記事は、主にこの時期のお子さんがいる保護者さんのための内容です。もちろん、それ以外の時期の方にもお役立ていただけます。不登校前兆期の記事一覧はこちら   【サポート団体を利用しましょう】 不登校のお子さんのことを、保護者だけで対応する必要はありません。不登校のサポート団体を適切に利用することで、お子さんも保護者さまも、「次の一歩」に進みやすくなります。サポート団体の探し方は、こちらの記事をご覧ください。 体調不良は、心理的な要因(理由)の表れ 不登校の前兆として現れる体調不良は、仮病や怠けではありません。多くの場合、心理的な要因(理由)が大きく関わっています。 その要因・理由は、お子さん自身も自覚していなかったり、うまく言葉にできなかったりもします。 ストレスや不安 学校での勉強や人間関係、将来への不安など、子どもたちは様々なストレスを抱えています。これらのストレスが限界を超えると、自律神経のバランスが乱れたりして、体調不良となることがあります。 心のSOS 体調不良は、子どもたちが言葉にできない心のSOSを発信しているサインでもあります。「学校に行きたくない」「助けてほしい」という気持ちを、体を通して表現しているのです。 「行きたい(行かなくては)」と「行きたくない」の葛藤 「学校に行きたくない」という気持ちはあっても、「行きたい(行かなくてはならない)」と思う気持ちもあるため、心と体が衝突し、結果的に体調不良を引き起こすことがあります。 保護者ができる具体的な対応 「朝になると体調不良」な... --- ### 高認は就職に不利? 大学進学・就職のリアルな選択肢を比較!【不登校の進路相談室】 - Published: 2025-04-14 - Modified: 2025-04-14 - URL: https://futoko-online.jp/column/14264/ - カテゴリー: コラム - タグ: 不登校の進路相談室, 会員限定記事 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 高認 高認(高等学校卒業程度認定試験、高卒認定)の取得は、お子さんの将来の選択肢を広げる有効な手段の一つです。 高認を取得すると、高校を卒業していなくても、大学・短大・専門学校などの受験が可能になります。また、「高卒資格」が必要な、一部の公務員試験や資格試験も受験可能になります。 一方で、「高認は、就職に不利になるのでは?」といった不安をお持ちの方もいらっしゃいます。 この記事では、「高認と就職」について具体的な情報を提供し、お子さんにとって最適な選択肢を見つけるためのヒントをお伝えします。 【最初に:サポート団体を利用しましょう】 不登校や高校中退のお子さんのことを、保護者だけで対応する必要はありません。不登校のサポート団体を適切に利用することで、お子さんも保護者さまも、「次の一歩」に進みやすくなります。サポート団体の探し方は、こちらの記事をご覧ください。 1. 高認取得後すぐの就職活動では、「学歴」の点で不利になることはある 結論から言うと、高認の取得後にすぐ就職をしたい場合は、不利になることがあります。 これは、「高認取得は、高卒資格と全く同じというわけではない」ためです。 高認取得は、「学歴」にはならないのです。 つまり、「高認を取得しただけでは学歴は中卒のままであるため、高卒資格で応募できる求人に応募できないことがある」ということです。 ただし、先述の通り、一部の公務員試験や資格試験は、高認を高卒と同等にみなしてチャレンジできることもあります。また、一部の民間企業でも、そのように扱われることもあります。 気になる場合は、求人元に確認したり、「高卒と高認を同等とみなす試験」を調べたりしてみましょう。 参考として、高認取得で受験可能になる国家公務員・国家資格は、文部科学省ウェブサイトの「高等学校卒業程度認定試験の合格を高等学校卒業と同等とみなしている採用試験、国家資格一覧」で紹介されています。地方公務員や他の資格については、それぞれの役所や実施団体で確認できます。 特に民間企業の場合、「聞いてみたらOKだった(前例はないがOKになった)」ということもありえます。 そして、高卒が必要な求人に高卒認定で応募する場合、「高卒認定であること」を有利にするためのアピールする方法もあります(後で紹介します)。 補足1:年齢の観点から不利になることもある 18歳未満の場合は、年齢... --- ### 【5/14出願締め切り!】高認対策、焦らず着実に。お子さんのペースで進めよう【不登校の進路相談室】 - Published: 2025-04-11 - Modified: 2025-04-11 - URL: https://futoko-online.jp/column/14248/ - カテゴリー: コラム - タグ: 不登校の進路相談室, 会員限定記事 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 高認 高認は、不登校や中退を経験したお子さんが、自分のペースで「次の一歩」に進んでいける制度です(高校に在籍中でも受験可能です)。 高校を不登校だったお子さんが元気になってきて、高認という選択肢が視野に入ってきた... 。そんな親御さんには、次のような不安もあるかもしれません。 「うちの子、まだ勉強に集中できるか心配... 」 「今から高認の勉強なんて、間に合うの... ?」 焦りは禁物です。大切なのは、お子さんのペースを尊重し、自信を育みながら、着実にステップを踏んでいくことです。 【最初に:サポート団体を利用しましょう】 不登校のお子さんのことを、保護者だけで対応する必要はありません。不登校のサポート団体を適切に利用することで、お子さんも保護者さまも、「次の一歩」に進みやすくなります。サポート団体の探し方は、こちらの記事をご覧ください。 1. 高認試験とは?子どもにとってのメリット 高認試験は、高校を卒業していなくても、高校卒業と同等の学力があることを証明できる試験です。具体的には、次のようなメリットがあります。 進路の選択肢が広がる 合格すると、大学・短大・専門学校への道が開けます。一部の公務員試験や資格試験の受験も可能になります。 お子さんのペースで学習・チャレンジできる 高認は、「学力試験に合格すれば合格」です。取得のために何らかの学校に通ったり、面接を受けたりする必要はありません。体調や集中力に合わせて、柔軟に学習計画を立てられます。 高認試験は、年に2回受験できます。合否は科目ごとに判定され、また受けたい科目だけを受けることができます。お子さんのペースで受験を進めていくことができます。 試験内容は比較的カンタン 高認の試験範囲は、高校1年生の学習内容です。また、合格ラインは「100点満点中の40点」と言われています(正式には公表されていません)。 得意科目を活かせる 科目ごとに合否が判定される仕組みなので、得意科目から挑戦することができます。「勉強が苦手で、少しずつ合格を目指す場合」は、自信をつけながら学習を進められます。 受験科目を最低「1科目」に減らせる 高校で単位を取得している科目は、試験を免除されます。最低1科目の受験で「全科目の合格」を取得することも可能です。 学校の単位にすることもできる 一部の通信制高校や定時制高校では、高卒認定の取得を高校での... --- ### 【4/30まで!】期間限定・今だけ無料!「不登校の親御さん」の悩みを解決する人気の有料記事を特別公開中 - Published: 2025-04-11 - Modified: 2025-05-06 - URL: https://futoko-online.jp/pr/14169/ - カテゴリー: プレスリリース - タグ: 無料記事 【最終更新日:2025年4月11日(公開日:2025年4月8日)】 新年度がスタートしました。お子さんが新しい学校や学年に進む一方で、「不登校(・中退など)」の悩みが続いていたり、新たに生まれたりする時期でもあります。 そこで「不登校オンライン」では、そんな親御さんを応援する気持ちを込めて、通常は有料の人気記事の一部を、2025年4月30日まで無料公開いたします! 対象となる記事は、4月8日から11日までの4日間、毎日1本ずつご紹介。お申し込みも簡単ですので、気になるテーマが見つかったら、この機会にぜひご覧ください。 【サポート団体を利用しましょう】 不登校のお子さんのことを、保護者だけで対応する必要はありません。不登校のサポート団体を適切に利用することで、お子さんも保護者さまも、「次の一歩」に進みやすくなります。サポート団体の探し方は、こちらの記事をご覧ください。 1. 【不登校混乱期】不登校中の友達関係、どうする?つながりを切らさない方法とは【不登校の知恵袋】 4月11日公開。不登校のお子さんについて、親として気になることのひとつが「友達関係」です。 学校に行かなくなると、クラスの友達と会う機会が減り、関係が途切れるのではないかと心配になる方も多いでしょう。 不登校の間も子どもが安心できる人間関係を維持することは、心の支えとなり、将来的な社会復帰の助けにもなります。 本記事では、混乱期の子どもが友達とつながりを持ち続けるための方法を紹介します。 無料閲覧のお申し込みフォームはこちら>> 会員様限定のオリジナルページはこちら 2. 【不登校進行期】「明日は学校に行く」と毎日宣言する子どもの心理とは?【不登校の知恵袋】 4月10日公開。不登校のお子さんが「明日は学校に行く」と毎日宣言するものの、実際には行けない日が続いている。そんな状況に直面している保護者の方は、不安や焦りを感じます。 春休み中のこの時期には、「新学期からは学校に行く」と言うパターンもあるんでしょう。 「結局行けないのに、どうして(毎日)言うんだろう?」 「いつになったら、本当に学校に行けるんだろう?」 お子さんの「明日は学校に行く」という言葉には、様々な心理が隠されています。この記事では、お子さんの言葉に隠された心理と、保護者としてできることをお伝えします。 無料閲覧のお申し込みフォームはこちら>... --- ### 【全日制 v.s. 通信制 v.s. 高卒認定】 どのルートが合う? 中学不登校からの進路完全ガイド【不登校の進路相談室】 - Published: 2025-04-10 - Modified: 2025-04-10 - URL: https://futoko-online.jp/column/14200/ - カテゴリー: コラム - タグ: 不登校の進路相談室, 会員限定記事, 不登校回復期 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 通信制高校, 高卒認定試験, 全日制高校 中学校で、いま不登校中のお子さんや、これまでに不登校を経験したお子さん。 そんなお子さんの親御さんは、これまで大変な思いをされてきたことと思います。そして、中学卒業後の進路が気になっているのではないでしょうか。 大丈夫です。不登校中でも(不登校を経験していても)、中学卒業後の進路は、多様に開けています。 この記事では、中学卒業後の進路の中でも、全日制高校、通信制高校、高卒認定試験という3つの選択肢について、それぞれの特徴やメリット・注意点を丁寧に解説します。 お子さんの状況やペース、そして将来の希望に合わせて、最適な進路を見つけるための一助となれば幸いです。 【サポート団体を利用しましょう】 不登校のお子さんのことを、保護者だけで対応する必要はありません。不登校のサポート団体を適切に利用することで、お子さんも保護者さまも、「次の一歩」に進みやすくなります。サポート団体の探し方は、こちらの記事をご覧ください。 ① 全日制高校:新たなスタートを切る 全日制高校は、多くの方がイメージする「一般的な高校」です。毎日学校へ通い、クラスの仲間と授業を受け、部活動や学校行事に参加します。 「中学での出席日数が少ないと、入学できない高校」があるのは事実です。しかし一方で、「1〜2年生のときの出席日数は問わない高校」や、「出席日数そのものを問わない高校・受験方式」もあります。 お子さんが全日制高校を希望している場合、最初から「無理だ」とあきらめず、お子さんが進学できそうな(、そして無理なく/楽しく高校生活を送れそうな)学校を探してみましょう。 メリット 学校生活を通しての成長: 日常的な、友人や先生との交流、部活動や学校行事への参加など、社会性や協調性を育む機会が多いです。 多様な進路選択: 高卒資格を取得できます。大学進学、専門学校、就職など、卒業後の選択肢が広がります。 学習・生活のサポート: 勉強・生活・メンタルなどについて、先生やスクールカウンセラーの日常的なサポートを受けることができます。 注意点 集団生活への適応: 中学卒業の時期に不登校だった場合、学校に再び馴染むまでに時間がかかることがあります。 学習ペース: 周囲と同じペースで進める必要があります。 精神的な負担: 学校生活のストレスがある場合、無理をすると負担が増します。 受験のハードル: 中学校での出席日数が少な... --- ### 【好評につき追加開催】保護者さま向けオンライン勉強会 「子どもにとって最適な選択を」— 不登校の理解と適切な対応ー - Published: 2025-04-09 - Modified: 2025-04-15 - URL: https://futoko-online.jp/event/14123/ - カテゴリー: イベント - タグ: 無料記事 大好評をいただいている、キズキ共育塾(※)の「不登校の保護者さま向け、無料のオンライン勉強会」を、2025年4月に追加開催いたします!ぜひご検討ください。(※キズキ共育塾:不登校オンラインと同じく、株式会社キズキが運営する「不登校のお子さんのための完全個別指導塾」) はじめに〜このイベントでわかること〜 「進学や学校復帰はあきらめないといけない?」 「不登校の子の将来に向けて、何を準備すればいい?」 お子さまが不登校になったら、そんなことが不安になりませんか。 私たち「キズキ共育塾」では、そのような生徒さま・保護者さまのお話をたくさんお聞きしてきました。 そして、学校に行けなかった方が高校や大学に進学し、「自立」できるようにと、これまで約8,000人以上の生徒さまをサポートしてまいりました。 この勉強会では、不登校のお子さまがいらっしゃる保護者の方が、次のようなことがわかります。 「これからどうお子さまをサポートすればいいのか」 「何を準備しておけばいいのか」 将来の進路選択に悩まれている方も、お子さまのこれからについて漠然と不安がある方も、ぜひご参加くださいませ。 勉強会概要 ■勉強会テーマ 「子どもにとって最適な選択を」— 不登校の理解と適切な対応ー ■登壇者 キズキ共育塾 安城駅前校 教室長 兼 学習カウンセラー 吉川 佑人(よしかわ ゆうと) キズキ共育塾 大宮校・町田校 教室長 兼 学習カウンセラー 末永 雅彦(すえなが まさひこ) キズキ共育塾 天王寺校 教室長 兼 学習カウンセラー 中村 憲治(なかむら けんじ) ■実施日時 以下のいずれかをお選びください。 〈東京都(南多摩)版〉 4月19日 (土) 10:30~11:30 4月26日 (土) 10:30~11:30 〈愛知県版〉 4月19日 (土) 10:30~11:30 4月26日 (土) 10:30~11:30 〈大阪府版〉 4月19日 (土) 10:30~11:30 4月26日 (土) 10:30~11:30 ■開催方法 オンライン(GoogleMeet) ■参加費 無料 ■勉強会の対象 以下のようなご状況の、小学生~高校生のお子さまがいらっしゃる保護者さま ◆不登校からの進路設計と今から準備できること 学校に行きにくかったり、行き渋ったりする様子がある 学校には行っているが、時々休むことがあ... --- ### 【4/14(月)開催】無料オンラインイベント:進級、新学期での困りごと - Published: 2025-04-08 - Modified: 2025-04-18 - URL: https://futoko-online.jp/event/14022/ - カテゴリー: イベント - タグ: 無料記事 【2025年4月14日19時30分追記】 お申し込みいただいた方々には、自動返信メールでイベントのURLをお届けしております。お受け取りになっていない方は、迷惑メールフォルダをご確認ください。迷惑メールフォルダにもない場合は、お手数ですが、media@kizuki. or. jp にご連絡いただければ幸いです。(追記ここまで) ーーーーー 2025年4月14日(月)、キズキ共育塾(※)などは、不登校のお子さんがいる保護者さまに向けた無料のオンライン講演会を開催します。(※キズキ共育塾:不登校オンラインと同じく株式会社キズキが運営する、不登校のお子さんのための完全個別指導塾) 主催者・登壇者は、次の3者です。 不登校ジャーナリスト・石井しこう オンラインフリースクールBranch 代表・中里祐次 キズキ共育塾 不登校相談員・寺田真依 テーマは、「 進級、新学期での困りごと」。 下記ご高覧の上、ぜひご参加ください。 はじめに 不登校のお子さんの進級や新年度について、悩んでいませんか? 「子どもは『新年度になったら登校する』と言っているけど、本当だろうか... 」 「登校はできなくていいけど、どうやって過ごせばいいんだろうか... 」 「学校には行かなくていいけど、勉強が遅れ続けるのが心配... 」 不登校・行き渋りは、周りに相談しにくい話題ですので、どう対応すればよいのか分からず、不安に思う声をよく聞きます。 そこで、保護者の皆さんのお悩みに答えるべく、不登校支援のエキスパートの3名が、【無料オンライン】の講座を開催いたします! 『4月から学校、行くよ』発言はなんだったのか 進級、新学期の困りごとと対応方法を保護者から聞きました 勉強苦手でも心が折れない勉強法 質疑応答 ※「休ませていいのかわからない... 」とお悩みの方は、「学校休んだほうがいいよチェックリスト」をご利用ください。 1. イベント概要 テーマ: 進級、新学期での困りごと 登壇者(プロフィールとトークテーマは、この後でご紹介します): 不登校ジャーナリスト・石井しこう オンラインフリースクールBranch 代表・中里祐次 キズキ共育塾 不登校相談員(名古屋校 元教室長)・寺田真依 実施日時: 2025年4月14日(月)20時〜20時45分 開催方法: Youtube Live(当日のURLは、お申し込み... --- ### 【5/12まで!】増え続ける不登校と親の苦悩 オンラインで解決の糸口を〜不登校の親向け無料オンラインコミュニティ 新年度明け4月7日開設〜【クラウドファンディングのお願い】 - Published: 2025-04-07 - Modified: 2025-05-06 - URL: https://futoko-online.jp/pr/14074/ - カテゴリー: プレスリリース - タグ: ピックアップ, 無料記事 不登校で悩む親子が活路を見出すためのオンラインコミュニティ「不登校の親ネット」を、クラウドファンディングによって開設します。 開設日は、新年度が明けた2025年4月7日。運営は不登校支援に取り組んできた3社が団体の垣根を越えて共同で行い、当事者同士の「生きた情報の交換場づくり」を目指します。 オンラインコミュニティ「不登校の親ネット」概要 オンラインコミュニティ「不登校の親ネット」概要 コミュニティ名:不登校の親ネット 内容:不登校の保護者や関係者が集い、オンライン上で相談や情報交換、不登校に関するオンラインイベントに参加するコミュニティ 対象者:不登校の子を持つ保護者や関係者 特徴:無料、匿名性、年中無休、不登校の専門家との連携 利用方法:LINE上のオープンチャットに参加(スマホがあれば誰でも参加可) 開設日:2025年4月7日 運営団体:Branch、石井しこう、キズキ共育塾 なぜいまコミュニティ開設が必要なのか (写真左から、不登校ジャーナリスト・石井しこう、オンラインフリースクールBranch 代表・中里祐次、キズキ共育塾 不登校相談員・寺田真依) いま、不登校の親も孤立しています。2023年、不登校の小中学生は34万人を超え、過去最多となりました。いじめ、自殺も過去最多。ニュースで聞く「子どもの状況は深刻」という言葉以上に、現場の実感はもっと切実です。 そして、そんな子どもを支える親もまた、追い詰められています。わが子の不登校がきっかけで、5人に1人が離職、9人に1人が精神科を受診を余儀なくされました。親が孤立すると、家族全体が孤立し、子ども本人にのしかかる困難はさらに重くなっていきます。 だから、親がつながれる場所をつくります。私たちが立ち上げるのは、「不登校の親ネット」。 「学校休んだほうがいいよチェックリスト」ユーザーや、不登校の子を持つ保護者などが参加できるLINEコミュニティです。 コミュニティの特徴は以下のとおり 親どうしで気軽につながれる場 「どうすれば?」より、「まずは気持ちを吐き出せる場」 焦る前に、ホッと落ち着ける場 専門家や経験者と一緒に話せるオンライン座談会も 子どもを支えるために、まず親を支える。親が安心することは、子どもの安心につながります。この当たり前の土台を、LINEコミュニティを通じてつくっていきます。 運営するのは、多... --- ### 【不登校混乱期】不登校中の友達関係、どうする?つながりを切らさない方法とは【不登校の知恵袋】 - Published: 2025-04-04 - Modified: 2025-04-04 - URL: https://futoko-online.jp/column/14102/ - カテゴリー: コラム - タグ: 不登校の知恵袋, 会員限定記事, 不登校混乱期 - 著者: 不登校オンライン編集部 不登校のお子さんについて、親として気になることのひとつが「友達関係」です。 学校に行かなくなると、クラスの友達と会う機会が減り、関係が途切れるのではないかと心配になる方も多いでしょう。 不登校の間も子どもが安心できる人間関係を維持することは、心の支えとなり、将来的な社会復帰の助けにもなります。 本記事では、混乱期の子どもが友達とつながりを持ち続けるための方法を紹介します。 【不登校混乱期とは】 不登校状態が定着し、今後の見通しがつかないまま時間が経過している時期です。この記事は、主にはこの時期のお子さんがいる保護者さんのための内容です。もちろん、それ以外の時期の方にもお役立ていただけます。不登校混乱期の記事一覧はこちら   【サポート団体を利用しましょう】 不登校のお子さんのことを、保護者だけで対応する必要はありません。不登校のサポート団体を適切に利用することで、お子さんも保護者さまも、「次の一歩」に進みやすくなります。サポート団体の探し方は、こちらの記事をご覧ください。 1. 不登校の子どもの友達関係が切れやすい理由 不登校になったお子さんが、友達関係を維持するのが難しくなる理由はいくつかあります。 ① 日常的・物理的な距離 学校に行かなくなると、日常的に顔を合わせることがなくなり、自然と会話の機会が減ります。 ② 友達側の戸惑い クラスメートも「どう接したらいいのかわからない」と感じ、疎遠になることがあります。 ③ 本人の気持ちの変化 不登校の混乱期は、気持ちの浮き沈みが激しく、友達と会いたい気持ちと避けたい気持ちが交互にやってくることもあります。 ④ 周囲の環境 先生や保護者が「そっとしておいた方がいいのでは」と考え、友達との接触の機会が少なくなることもあります。 2. 不登校の子どもが友達とのつながりを保つためにできること 不登校のお子さんが友達とのつながりを保つためにできることは、もちろんあります。 ① 無理に会おう(会わせよう)としない 不登校の混乱期は、子ども自身が人との関わりを負担に感じることもあります。無理に友達と会わせようとすると、かえってストレスになることもあります。 無理に会おう(会わせよう)としないことで、適切な距離感を保てます。 その上で、「そのままだと(不本意に)疎遠になる」ということも考えられますので、②以下もご覧ください。 ② SN... --- ### エルフ荒川さんへの相談&質問大募集!”らしさ”を見つけて自己肯定感爆上げ!「#ワタシらしさラボ」 - Published: 2025-04-03 - Modified: 2025-04-15 - URL: https://futoko-online.jp/event/14031/ - カテゴリー: イベント - タグ: 無料記事 芸人・エルフ荒川さんへの相談や質問を募集します。 あなたのお悩みに、荒川さんが答えてくれるチャンス! 荒川さんと一緒に「ギャルマインド」で自己肯定感を爆上げしましょう! 特別企画!芸人・エルフ荒川さんの「#ワタシらしさラボ」 「自分らしい生き方ってなんだろう」 不登校のお子さんは自分に自信をなくし、「自分らしさ」を見失っていることがあります。 それはもしかしたら、子育てに自信をなくしている保護者の方も同じかもしれません。 子どもも大人も、「自分らしさ」... つまり自分の好きなことや個性が明確になると、途端に自己肯定感とエネルギーが沸き上がり、次の一歩を踏み出しやすくなります。 そこで不登校オンラインでは、“ギャル”というスタイルで自分らしさを表現し、テレビやSNSで大人気の芸人・荒川葉月さん(エルフ)をゲストに迎え、「ワタシらしさの見つけ方」について考えます。 不登校のお子さんと保護者さまの一歩を引き出すべく、「自分らしさ」を荒川さんと一緒に見つけましょう! エルフ・荒川さんへの相談・質問大募集! 芸人・エルフ荒川さんと一緒に自己肯定感を上げる「自分らしい生き方」について考えていく、特別企画《#ワタシらしさラボ》。 不登校オンラインでは、荒川さんへの相談や質問を大募集します! ご相談は不登校のお子さんのことでも、保護者さま自身のことでも、なんでも大丈夫です。 ・荒川さんはどうやって自分の「好き」に出会ったの? ・自信を失った不登校の子どもに、どう声をかけたらいい? ・自分と好きなものが合う仲間にどうしたら出会える? ・荒川さんは、「人と違うこと」は怖くない? などなど... 日々のお悩みや荒川さんに聞いてみたいことをざっくばらんにお聞かせください! この機会に、荒川さんとギャルマインドで悩みを軽くして、「自分らしさを見つける!」「自己肯定感を上げる!」「次の一歩を見つける!」のステップを踏み出していきましょう。 エルフ 荒川葉月(あらかわ はづき)さんのプロフィール 1996年8月30日生まれ、大阪府和泉市出身。身長156cm。血液型はA型。 大阪NSC38期生として芸人の道へ進み、お笑いコンビ「エルフ」を結成。 「ギャル」のスタイルで人気を集め、テレビ・SNS・イベントなど幅広く活躍中! 趣味はインスタ更新や画像加工、音楽を聴くこと、そして地元・和泉市の「だんじ... --- ### 【4/10まで】キズキ代表・安田の著書『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本』が無料公開されています - Published: 2025-04-03 - Modified: 2025-04-15 - URL: https://futoko-online.jp/news-article/14088/ - カテゴリー: ニュース - タグ: 無料記事, 受験, 発達障害, 勉強 - ハッシュタグ: 発達障害, 高校受験, 受験, 大学受験, 大学入試, 学びなおし, 学び直し, 勉強 2025年4月10日まで、不登校オンラインを運営する株式会社キズキの代表・安田祐輔の著書『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本』が無料で全文公開されています。 この機会にぜひご覧ください。 以下は、株式会社翔泳社ウェブサイトからの引用です。 —————– 株式会社翔泳社(本社:東京都新宿区舟町5、社長:佐々木幹夫)は、厚生労働省が定める「世界自閉症啓発デー・発達障害啓発週間」に合わせて、当社より刊行された関連書籍13タイトルを2025年3月28日(金)~4月10日(木)の期間、全ページを無料公開します。 「発達障害啓発週間」に、翔泳社の関連13タイトルが全ページ無料公開 4月2日は「世界自閉症啓発デー」、4月2日から4月8日は「発達障害啓発週間」です。翔泳社では、発達障害啓発週間に合わせて、発達障害の特性を持つ方はもちろん、周囲の方や世の中のみんなに、発達障害について理解を深めたり、考えたりするきっかけとなることを目指して、関連本を期間限定で全文無料公開します。 発達障害啓発週間に合わせて実施する翔泳社の発達障害関連書の無料公開の試みは、2019年から始まり今年で7回目となります。 今回は、昨年の12タイトルに、『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に親の介護をするための本』を加えた、計13タイトルが無料公開の対象です。 さらに、同期間内に無料公開の13タイトルについて、翔泳社の通販サイトSEshopとAmazonで、割引もしくはポイント還元キャンペーンを開催します。 公開期間:2025年3月28日(金)~4月10日(木) 無料公開対象書籍 ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に働くための本 ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に暮らすための本 ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が会社の人間関係で困らないための本 ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手にお金と付き合うための本 ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に親の介護をするための本(新規対象書籍) ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の女性が上手に生きるための本 ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(キズキ代表・安田祐輔著) 今日からできる!障がいのある子のお金トレーニング 誤学習・未... --- ### 【不登校前兆期】「学校行きたくない」と言い始めたら…親が知っておくべき9のこと【不登校の知恵袋】 - Published: 2025-04-02 - Modified: 2025-04-02 - URL: https://futoko-online.jp/column/13798/ - カテゴリー: コラム - タグ: 不登校の知恵袋, 不登校前兆期 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 学校行きたくない お子さんが「学校行きたくない... 」と言い始めたら、保護者の方は戸惑いや心配でいっぱいになります。 「一体何があったんだろう?」 「何かあったなら、どうして早く言ってくれなかったんだろう?」 そんなふうに、様々な思いが頭を駆け巡るかもしれません。 しかし、まずは落ち着いて、お子さんの言葉に耳を傾けてあげてください。 この記事では、お子さんが「学校行きたくない」と言い始めたときに、保護者としてできることをお伝えします。 【不登校前兆期とは】 不登校は、前兆期→進行期→混乱期→回復期という経過を辿ることがよくあります。前兆期とは、「何らかの要因で、心理的な安定度が崩れていき、学校を本格的に休み始めるまでの期間」のことです。この記事は、主にこの時期のお子さんがいる保護者さんのための内容です。もちろん、それ以外の時期の方にもお役立ていただけます。不登校前兆期の記事一覧はこちら   【サポート団体を利用しましょう】 不登校のお子さんのことを、保護者だけで対応する必要はありません。不登校のサポート団体を適切に利用することで、お子さんも保護者さまも、「次の一歩」に進みやすくなります。サポート団体の探し方は、こちらの記事をご覧ください。 1. まずは、お子さんの気持ちを受け止める お子さんが「学校行きたくない」と言ったとき、まず大切なのは、その気持ちを頭ごなしに否定しないことです。 「また、そんなこと言って!」 「みんな、学校に行ってるんだから、あなたも行きなさい!」 などと感情的に反応するのではなく、 「そうか、学校に行きたくないんだね」 と、お子さんの気持ちに寄り添う言葉をかけるようにしましょう。 お子さんの気持ちを理解しようとする姿勢を見せることで、お子さんは安心して話せるようになるかもしれません。 2. 可能であれば、学校に行きたくない理由を聞いてみる お子さんが少し落ち着いたら、そして可能であれば、「学校に行きたくない理由」を聞いてみましょう。 次のように、様々な角度から質問をしてみることで、お子さんが抱えている問題が見えてくるかもしれません。 「学校で何かあったのかな?」 「友達と何かあったのかな?」 「勉強で困っていることはある?」 明確な理由がある場合は、(学校に行くかどうかとは別に、)お子さんの悩みを軽くする方法が見つかる可能性があります。 ただし、お子さんは、... --- ### 【不登校進行期】「明日は学校に行く」と毎日宣言する子どもの心理とは?【不登校の知恵袋】 - Published: 2025-04-01 - Modified: 2025-04-01 - URL: https://futoko-online.jp/column/13813/ - カテゴリー: コラム - タグ: 不登校の知恵袋, 会員限定記事, 不登校進行期 - 著者: 不登校オンライン編集部 不登校のお子さんが「明日は学校に行く」と毎日宣言するものの、実際には行けない日が続いている。そんな状況に直面している保護者の方は、不安や焦りを感じます。 春休み中のこの時期には、「新学期からは学校に行く」と言うパターンもあるんでしょう。 「結局行けないのに、どうして(毎日)言うんだろう?」 「いつになったら、本当に学校に行けるんだろう?」 お子さんの「明日は学校に行く」という言葉には、様々な心理が隠されています。 この記事では、お子さんの言葉に隠された心理と、保護者としてできることをお伝えします。 【不登校進行期とは】 不登校は、前兆期→進行期→混乱期→回復期という経過を辿ることがよくあります。進行期とは、不登校が始まり、心理的な落ち込みが激しくなり、やがてその状態が固定化されるまでの期間のことです。この記事は、主にこの時期のお子さんがいる保護者さんのための内容です。もちろん、それ以外の時期の方にもお役立ていただけます。不登校進行期の記事一覧はこちら   【サポート団体を利用しましょう】 不登校のお子さんのことを、保護者だけで対応する必要はありません。不登校のサポート団体を適切に利用することで、お子さんも保護者さまも、「次の一歩」に進みやすくなります。サポート団体の探し方は、こちらの記事をご覧ください。   【登校再開以外にも道はあります】 「不登校の次の一歩」は、「今在籍している学校やクラスへの登校再開」とは限りません。その上で、この記事は「お子さん自身が『そうしたい』と思っている」という場合について書いています。保護者の方は、不登校のサポート団体と話して「別の道」も見つけておくと、お子さんが「どうしても行けない」ときに選択肢を示しやすくなります。 1. なぜ「明日は学校に行く」と言い続けるのか? 不登校進行期のお子さんが「明日は学校に行く」と繰り返す理由は、大きく分けて以下の3つが考えられます。 ① 本当は行きたい気持ちはある 子ども自身、学校に行くことを完全にあきらめたわけではありません。 心のどこかで「行きたい(行かなければならない、行った方がいい)」と思っており、その気持ちを自分自身にも言い聞かせるために「明日は行く」と宣言しているのです。 しかし、朝になると現実の不安やストレスが押し寄せ、「やっぱり行けない... 」という気持ちが上回ります。 これは決し... --- ### 大学での不登校を経て、“世界一の娘”へ〜娘と母の30年の物語〜【不登校親子対談】 - Published: 2025-03-31 - Modified: 2025-03-31 - URL: https://futoko-online.jp/interview/13933/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 不登校親子対談, 会員限定記事 - 著者: 不登校オンライン編集部 不登校は子ども本人だけでなく、家族にとっても大きな悩みとなるものです。 しかし、その状況をどう受け止め、どのように支えていくかによって、未来は大きく変わります。 今回は、大学時代に不登校を経験した娘さんと、その姿を見守り続けたお母さんの対談です。 娘さん:岩城みちるさん。 写真右。取材時48歳。大学時代に不登校を経験。現在はキズキ共育塾(※)の講師、お母さまとともに運営する英会話教室の講師、通訳ガイドとして活躍中。 ※キズキ共育塾:不登校オンラインと同じく株式会社キズキが運営する「不登校の子どもたちのための完全個別指導塾」。 お母さま:えり子さん。 写真左。取材時80歳。現在も英会話教室で講師を務める。 不登校当時の心境や親子の関係、どのように立ち直っていったのかなど、赤裸々に語っていただきました。 「不登校だったあの日々が、今の自分をつくった」。不登校に悩む保護者の方にとって、ヒントとなる言葉が見つかるかもしれません。ぜひ最後まで読んでみてください。 【サポート団体を利用しましょう】 不登校のお子さんのことを、保護者だけで対応する必要はありません。不登校のサポート団体を適切に利用することで、お子さんも保護者さまも、「次の一歩」に進みやすくなります。サポート団体の探し方は、こちらの記事をご覧ください。 不登校のはじまり—大学での挫折と体調不良 みちるさん: 私が大学に通えなくなったのは、2回生の途中くらいです。 父が大学の入試の日に亡くなり、その後もアルバイトと学業の両立で心身ともに疲れ切っていました。 想像以上に勉強が大変で、睡眠時間を削って頑張る日々。気づけば、無理が祟ってガス欠のような状態になっていたんです。 次第に食事ができなくなり、拒食症になってしまって... ... 。 母は心配してくれました。 それでも当時の私には病院に行こうという発想すらありませんでした。 心療内科を受診したのはかなり後になってからで、診断は「うつ病」。 その後は入退院を繰り返しながら療養生活を送りました。 えり子さん: 娘の異変にはすぐに気がつきました。 でも、学校に行く・行かないよりも、まず健康が心配でしたね。 「とにかく元気になってほしい」その一心で心療内科の先生と相談しながら入院のサポートをしました。 食事についてはあえて口出しせず、ただそばにいることを心がけました。 何を言... --- ### 【不登校回復期】「勉強しようかな…」と言い始めた!子の背中を押す親の心得とは? - Published: 2025-03-28 - Modified: 2025-04-26 - URL: https://futoko-online.jp/column/13849/ - カテゴリー: コラム - タグ: 不登校の知恵袋, 会員限定記事, 不登校回復期 - 著者: 不登校オンライン編集部 不登校で、勉強から離れていた。そんなお子さんから「勉強しようかな... 」という言葉が出始めたとき、保護者の方は大きな喜びを感じるのではないでしょうか。 「やっと、前向きな気持ちになってくれた!」 「これから、また学校に戻れるかもしれない!」 そんな期待を抱く一方で、次のような不安もよぎるかもしれません。 「本当に、勉強を続けられるのかな?」 「また、途中であきらめたらどうしよう?」 この記事では、お子さんの「勉強しようかな」という言葉に込められた気持ちを理解し、保護者としてできることをお伝えします。 【不登校回復期とは】 不登校は、前兆期→進行期→混乱期→回復期という経過を辿ることがよくあります。回復期とは、「不登校状態ではあるものの、心理的状態が改善され、心的エネルギーが溜まりだし、一人での外出が自由になってくる期間」のことです。この記事は、主にこの時期のお子さんがいる保護者さんのための内容です。もちろん、それ以外の時期の方にもお役立ていただけます。不登校回復期の記事一覧はこちら 【サポート団体を利用しましょう】 不登校のお子さんのことを、保護者だけで対応する必要はありません。不登校のサポート団体を適切に利用することで、お子さんも保護者さまも、「次の一歩」に進みやすくなります。サポート団体の探し方は、こちらの記事をご覧ください。 1. 不登校の子の「勉強しようかな」の裏にある気持ち エネルギーが不足している不登校のお子さんは、やりたいことを見失う場合が少なくありません。 そんな中、「勉強しようかな」とやってみたいことを口にするのは、回復期に差しかかったサインかもしれません。 次の一歩を踏み出そうとするお子さんの背中を押すためには、お子さんの気持ちを知ることが大切です。 ↓↓↓不登校回復期のお子さんの心の中は... ↓↓↓ 前向きな気持ち そろそろ、何かを始めたい 勉強を通じて、自信を取り戻したい 不安な気持ち 本当に、自分にできるのかな? また、周りの人に遅れをとってしまうんじゃないか? 葛藤 勉強したい気持ちはあるけど、まだ自信がない 勉強を始めることで、またつらい思いをするかもしれない 期待 勉強を頑張れば、きっといい結果が出る 勉強を通じて、将来の夢を叶えたい このように、「勉強しようかな」と前向きに話すお子さんも、不安や葛藤を抱えている場合があります。 ... --- ### 必見!【高卒認定vs通信制転校】中退後の「次の一手」を徹底解説【不登校回復期】 - Published: 2025-03-27 - Modified: 2025-04-26 - URL: https://futoko-online.jp/column/13868/ - カテゴリー: コラム - タグ: 高卒認定試験, 不登校の知恵袋, 通信制高校, 会員限定記事, 不登校回復期 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 通信制高校, 高卒認定試験 高校生のお子さんが不登校になったり、中退を考えたりすると、親御さんは今後の進路について悩まれることでしょう。 「高校卒業資格は、取っておいた方がいいの?」 「高卒認定試験と通信制高校、どっちがいいの?」 この記事では、高卒認定試験と通信制高校の違いや、それぞれのメリット・注意点を詳しく解説し、お子さんの状況に合った選択肢を見つけるためのヒントをお伝えします。 【不登校回復期とは】 不登校は、前兆期→進行期→混乱期→回復期という経過を辿ることがよくあります。回復期とは、「不登校状態ではあるものの、心理的状態が改善され、心的エネルギーが溜まりだし、一人での外出が自由になってくる期間」のことです。この記事は、主にこの時期のお子さんがいる保護者さんのための内容です。もちろん、それ以外の時期の方にもお役立ていただけます。不登校回復期の記事一覧はこちら 【サポート団体を利用しましょう】 不登校のお子さんのことを、保護者だけで対応する必要はありません。不登校のサポート団体を適切に利用することで、お子さんも保護者さまも、「次の一歩」に進みやすくなります。サポート団体の探し方は、こちらの記事をご覧ください。 1. 高卒認定試験とは? まずは、高卒認定試験の概要をお伝えします。 高卒認定試験の概要 高卒認定試験(高等学校卒業程度認定試験)は、文部科学省が実施している試験です。合格すると「高等学校を卒業した人と同等以上の学力がある」と認められます。 この資格があれば、大学や専門学校の受験資格を得ることができます。また、「高卒資格」が必要な一部の資格試験や公務員試験なども受験可能になります。 民間企業での就職においても、高卒と同等とみなされることがあります。 高卒認定試験のメリット 高卒認定資格のメリットは、次のとおりです。 試験内容は「比較的」カンタン 高卒認定試験の試験範囲は、高校1年生の部分です。また、合格ラインは100点満点中の40点程度と言われています。 何度でもチャレンジできる 高卒認定試験は、何度でも受けることができます。年に2回実施されているので、複数回に分けて全科目(最大9科目、最低1科目)の合格を目指すことができます。 取得単位に応じて、受験科目を減らせる 高校で各科目の単位を取得している場合、高卒認定試験で受験する必要のある科目が減っていきます。ただし、最低1科目は合... --- ### 【不登校回復期】「家でダラダラしてるだけ?」不登校のお子さんが健康的な生活を取り戻すためのガイドブック【不登校回復期の知恵袋】 - Published: 2025-03-26 - Modified: 2025-04-26 - URL: https://futoko-online.jp/column/13831/ - カテゴリー: コラム - タグ: 不登校の知恵袋, 会員限定記事, 不登校回復期 - 著者: 不登校オンライン編集部 不登校のお子さんが、毎日家でダラダラと過ごしている。 保護者さまとしては、そんな姿を見ると、「このままで大丈夫なの?」「何かしてあげたいけど、どうしたらいいかわからない」と、不安や焦りを感じるでしょう。 しかし、ダラダラと過ごしているように見えるお子さんは、休むことで心のエネルギーを溜めている段階かもしれません。 今回は、エネルギーチャージを必要としているお子さんとの関わり方についてお伝えします。 【不登校回復期とは】 不登校は、前兆期→進行期→混乱期→回復期という経過を辿ることがよくあります。回復期とは、「不登校状態ではあるものの、心理的状態が改善され、心的エネルギーが溜まりだし、一人での外出が自由になってくる期間」のことです。この記事は、主にこの時期のお子さんがいる保護者さんのための内容です。もちろん、それ以外の時期の方にもお役立ていただけます。不登校回復期の記事一覧はこちら 【サポート団体を利用しましょう】 不登校のお子さんのことを、保護者だけで対応する必要はありません。不登校のサポート団体を適切に利用することで、お子さんも保護者さまも、「次の一歩」に進みやすくなります。サポート団体の探し方は、こちらの記事をご覧ください。 1. 「ダラダラ」は回復のために必要な時間 まず、不登校混乱期の子どもがダラダラしている(ように見える)のは、怠けているわけではなく、心のエネルギーが不足している状態であることを理解しましょう。 不登校の子どもは、以下のような心理状態にあることが多いです。 精神的な疲労が抜けない(学校に行けないストレスや対人関係の不安) 何をしたらいいのかわからない(自信を失っている) 学校に戻るプレッシャーを感じている(でも動けない) エネルギー不足のために、「ダラダラしている」と見える... しかしお子さんは、そうした不安などと向き合いながら、実は回復の準備をしているのです。 2. ダラダラして見える子どもに、保護者としてできること 「何もしないと、このままずっと動かなくなるのでは?」と不安を感じるかもしれません。 しかし、焦って子どもを動かそうとすると、逆にストレスが増し、回復が遅れることがあります。保護者の方は、次のようなことを行うとよいでしょう。 ①否定せずに受け入れる 「スマホばかり」「昼夜逆転」などが気になっても、子どもの状態を認めることが大... --- ### 激怒する父。それでも俺はスマホを手放さなかった お金とスマホと俺③ - Published: 2025-03-25 - Modified: 2025-03-25 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/13794/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】前略、トンネルの底から - 著者: 古川寛太 - ハッシュタグ: スマホ, 高校生 高校入学とともにスマホデビューするも、不登校でスマホ没収の憂き目にあった古川寛太さん。 さらに、もともと少額だった小遣いも渡されなくなり、ストレスをやわらげるための甘いものも、自由に手に入れられなくなります。 スマホと2000円の小遣い。一見すると小さなこの喪失が、古川さんを追い詰めていきます。 (連載「前略、トンネルの底から」第27回・写真は古川寛太さん) 負のループ お金以上に、スマホがないことに俺は不全感を持っていた。 楽しみなんてほかになかった。 とはいえ、スマホがなければお昼のワイドショーをたれ流し、あればあったでただアプリのナンプレをして時間が過ぎるのを待つ。 それくらいしか選択肢がない日々が続いた。 前の晩に父に預けたスマホを、朝4時になって急に触りたくなった日がある。 6時までにログインしないともらえないゲームアイテムがあるという、高校生らしい理由だった。 両親が寝静まったのを確認してから寝室に忍び込み、枕の下にあったスマホを盗った。 幸い、父は気づいていない。 自室に戻り、少しいじって戻そうと暗い部屋で操作していると、 20分もせず両親の部屋の扉の開く音と、怒りを込めてこちらへ向かってくる足音が聞こえた。 それでも俺は 扉を開いて最初に放たれた言葉は、「そこまでして欲しいか」だった。 部屋は父によって強制的に明るくなる。 「渡せ」と言われたが、俺はもう嫌だった。何もかも嫌だった。 小さな光る板にしかすがれないことも、いつまでも親の言うことに逆らえないことも。 すべて投げ出してしまいたくなった。 「渡さないのならまた当分預かるぞ」と父は続ける。 いま俺の手に握られているスマホは、つい数日前に預託期間が終わったばかりだった。 謝って返せば、また日中、使うことができる。 それでも俺は渡さなかった。 布団の中でスマホを胸に抱えながら、声を出さずに泣くことしかできなかった。 窓の外には、夜明け前の一番暗い星空が見えた。 24歳になった私から伝えたいこと この連載では基本的に、当時あったできごとを当時の視点で綴っている。 しかし今回初めて、あの不登校から6年経った24歳の私から注釈を付け加えたい。 思うに、お金やネットワークは強力な「手段」だ。 その強力さゆえ、使い方を間違えると身を滅ぼすのはご存じのとおりだが、不登校・引きこもりという孤立した状況において、手... --- ### 新年度はチャンス?それともプレッシャー?不登校の子どもを支える親の役割 - Published: 2025-03-24 - Modified: 2025-03-24 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/13791/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ - 著者: 土橋優平 新しい年度が始まる前、進級や進学を控える子どもたちは、それぞれの思いを胸に秘めています。 不登校の経験がある子どもにとっても、この時期が節目となることも少なくありません。 「今年こそは学校に行けるかもしれない」と期待する気持ちと、「やっぱり行けなかったらどうしよう」という不安が入り混じることもあるでしょう。そんな子どもたちを支える親として、どのように向き合えばよいのでしょうか。 フリースクールを運営する土橋さんからのメッセージを伝えます。 (連載「出張版お母さんのほけんしつ」第58回・写真は土橋優平さん) 「4月から行けるかも... ?」親も子も抱える不安と期待 不登校の最中にいる子どもたちは、新しい年度が始まるたびに「これからどうなるんだろう」と不安を感じることがあります。学年が変わることで、「もう一度頑張ってみようか」と考えることもあります。 私が運営するフリースクールでも、この時期には子どもたちが「4月になったら学校行こうかなと思っているんだよね」「中学生になったらどうしようかな」と各々につぶやき始めます。 そうした子どもの様子を見た親御さんは、「進級してから学校に行くことができるだろうか」「中学生になったら学校に行こうかな、と子どもは言うけれど、大丈夫かな」と考えていらっしゃるのではないでしょうか。 また、親としても、「新年度を機に行けるようになるかも」と期待することもあるでしょう。 しかし、その期待は時に子どもにとって大きなプレッシャーとなり、過度な頑張りや我慢を加速させることもあるのです。 子どもが「新年度から学校に行く」と言うときに大切な観点とは 子どもが「新年度から、学校に行く」と言うときに大切な観点は、 「子どもが自分で選んでいるかどうか」です。その意気込みは本当に子ども自身のものなのか、それとも周りの期待に応えようと無理をしているのか、そうした目で見てあげましょう。 この観点は、「実際に学校に行くかどうか」よりも大切なことなのです。 そして、子どもが「学校に行く」と言ったときには、それを強く応援するだけではなく、実際に子どもが感じている不安感や、逆に家にいる時にどんなふうに過ごしたいかなどについて話を聞けるとよいでしょう。 子ども自身も「行きたいと思っているけど、実は不安なんだよね」と本音を話してくれることがあります。それこそが学校に行くこと以上... --- ### 3/26【無料オンラインイベント】 引きこもり支援のプロ×元引きこもり対談!世界一詳しい「引きこもり脱出のヒント」【引きこもりのその後を生きるシリーズ】 - Published: 2025-03-21 - Modified: 2025-03-21 - URL: https://futoko-online.jp/event/13772/ - カテゴリー: イベント 2025年3月26日(水)20:00~21:00、ウェブメディア「不登校オンライン(運営:株式会社キズキ)」は、引きこもりに悩むご本人様、保護者様向けの無料のオンライントークショーを開催します。 登壇者は引きこもり支援を行う「侍学園」理事長・長岡秀貴さんと、不登校のお子さんのための個別指導塾「キズキ共育塾」の相談員であり、引きこもりの元当事者でもある半村進さんです。 長岡秀貴(ながおか ひでたか) 認定NPO法人 侍学園スクオーラ・今人 理事長。 1973年、長野県上田市生まれ。大学卒業後、高校教員としての勤務を経て「侍学園スクオーラ・今人」を長野県上田市に設立。学園の活動のほかにも総合病院の小児科で心理相談室を開設するなどの活動をしている。 半村進(はんむら すすむ) 東京大学文学部歴史文化学科卒業。 大学在学中に5年半の引きこもり生活を経験。30歳で初のアルバイト。 2012年から講師としてキズキ共育塾に入社。その後、教室運営スタッフを経て、現在は専任相談員として不登校や勉強、進路などに関する相談を担当している。 イベント趣旨 全3回でお届けする「引きこもりのその後を生きる」シリーズ。 過去の2回は、引きこもり支援を行うスクール「侍学園」理事長の長岡さんと、不登校のお子さんのための個別指導塾「キズキ共育塾」の相談員であり、引きこもりの元当事者でもある半村進さんのインタビューをご紹介しました。 そして最終回にあたる今回は、引きこもり支援のプロと、5年半の引きこもりから就職を果たした元当事者の二人が、「引きこもり脱出のヒント」を生放送で徹底的に語ります。 イベントでは、ふたりに直接チャットで質問できる時間も! ・「引きこもりのその後」のリアルを知りたい方 ・引きこもりのお子さんへの声掛け方法に迷っている保護者の方 ・引きこもりの現状を変えたいけど、何から始めたらよいか分からないご本人様 上記のような思いをお持ちの方が、引きこもり脱却に向けた次の一手のヒントを得られるイベントです。 引きこもりからの脱出法を熟知するプロ同士の貴重な対談を、どうかお見逃しなく! 長岡秀貴さんのインタビュー記事 半村進さんのインタビュー記事 イベント日時・参加申し込みなど ■実施日時 2025年3月26日(水)20:00~21:00 ■講演テーマ 引きこもり支援のプロ×元当事者が語る「世界... --- ### 【引きこもりのその後を生きるvol.2】元引きこもりの当事者から、いま悩む保護者に伝えたいこと~次の一歩を引き出すアプローチ~ - Published: 2025-03-21 - Modified: 2025-04-24 - URL: https://futoko-online.jp/interview/13744/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 不登校進行期, 不登校混乱期, 不登校回復期 - 著者: 伊藤真依 不登校や発達障害など、困難を抱えるお子さんの学びをサポートする「キズキ共育塾」で相談員を務めている半村進(はんむら すすむ)さん。 日々多くの家庭から相談を受け、たくさんの親子と向き合ってきた半村さんですが、実は5年半の引きこもりを経験した、引きこもりの元当事者です。 「引きこもりのその後」を生きる半村さんが、引きこもりからの最初の一歩を踏み出すためのポイントを、自身の経験を踏まえて不登校オンラインに話してくれました。 小さなつまずきが大きな壁にーー 相談のハードルが生んだ孤立 5年半の引きこもりの始まりは大学生のとき。 大きなきっかけとなったのは、卒業論文の中間発表会だったといいます。 半村さん 発表会の当日、自分は全く発表の準備ができていませんでした。 他の人はしっかり準備して発表ができているのに、自分だけできていない... 。 その事実にショックを受けて、途端に大学に行くことができなくなりました。 今考えれば、ちゃんと準備できていない人は他にもいたと思います。 だからそんなに深刻に考えなくても良かったのに、当時はそう思えなかったんです。 もともと不安を感じやすい性格だった半村さんの心に、この出来事が追い打ちをかけ、半村さんの足は大学から一気に遠のいたといいます。 半村さん それから、人に相談することが苦手だったので、困ったときに八方塞がりになってしまうこともしばしばありました。 「相談したら周りの人に馬鹿にされるかも... 」と思って、困っていることを人に言えませんでした。 例えば、大学の体育の授業ではジャージが必要でしたが、大学入学を期に引っ越してきた慣れない土地で、ジャージをどう用意したらよいか分からず... 。 かといって周りに相談することもできずに困り切ってしまったというエピソードがあります。 結局ワイシャツを着て体育の授業に出たのですが、周りの生徒は当たり前にジャージを着ているわけです。 それで、「自分は場違いだ」と案の定落ち込む... 。 このように人に相談できないことで、少しずつ劣等感や不安感が増していきました。 人に相談してみたらあっさり解決するくらいの、そんなに深刻ではない場所でつまづいていたのかもしれませんが、その「相談」が当時の私にとって非常にハードルの高いことでした。 「相談」よりもっと気軽な「やりとり」 「困ったことがあったら相談して... --- ### 【不登校回復期】ネガティブな面も上手く使おう! 不登校経験からの入試は「らしさ」で勝負 - Published: 2025-03-20 - Modified: 2025-03-21 - URL: https://futoko-online.jp/column/13556/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 不登校回復期 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 入試, 面接, 長所, 短所, 自分らしさ, 自己PR 近年、総合型選抜や推薦入試など、「自己PR」を必要とする入試形式が多くの大学受験生に選ばれています。 また、多くの通信制高校の入学・転入試験でも面接が行われ、学科の成績よりも面接の内容を重視する学校もあります。 今回は、入試での自己PRに役立つ「自分らしさ」の見つけ方をご紹介します。 不登校経験などから自分の長所を見つけることに難しさを感じているお子さんに、とくにおすすめの実践内容です。 【不登校回復期とは】 心理状態が改善され、心的エネルギーが溜まりだし、1 人での外出が自由になってくる期間です。この記事は、主にはこの時期のお子さんがいる保護者さんのための内容です。もちろん、それ以外の時期の方にもお役立ていただけます。 自己PRは「ほかの人との比較」ではない! 「自己PR」「面接」と聞くと、「ほかの人よりも優れているように見せなければ」とプレッシャーを感じるかもしれません。 しかし、自己PRで求められているのは、「自分をほかの人よりもよく見せること」ではありません。 面接相手が知りたいことは、その人の「自分らしさ」です。 そのため、何か特別なスキルや才能を持っていなければいけないということはありません。 とはいえ、お子さんの「自分らしさ」と言われても、ピンとこないという方もいるかもしれません。 毎日顔を合わせているだけに、なおさら「自分らしさって何?」「どうやって見つけるの?」と疑問に思われる保護者も少なくないでしょう。 「自分らしさ」発見のカギ 面接の準備をしていて、お子さんが「自分には何もアピールすることがない... ... 」と悩むことがあるかもしれません。 不登校を経験したお子さんは学校行事や部活について話せることが少ないため、一般的な「面接用ストーリー」を考えることが難しいのです。 しかし、「自分らしさ」は、特別な経験や実績がなくても見つけられます。 日常のふとしたところに、それらは隠れているのです。 「自分らしさ」発見のカギは、「好きなこと」や「興味のあること」です。 例えば、お子さんがアニメ好きなら、よく観る作品はどんなものが多いでしょうか。 あるお子さんは「ミステリー系のアニメが好き」というカギを手がかりに、「何かを推測したり、物ごとの本質に迫って思考する力がある」という「自分らしさ」を見つけました。 もしかすると、「好きなことがない」というお子さ... --- ### 【不登校前駆期】行くの? 行かないの? 「五月雨登校」との向き合い方 - Published: 2025-03-19 - Modified: 2025-03-19 - URL: https://futoko-online.jp/column/13541/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 前駆期, 五月雨登校 「五月雨(さみだれ)登校」という言葉を知っていますか? 五月雨登校とは、学校に行ける日もあれば行けない日もある、不安定な状態を指します。 明確な定義はありませんが、お子さんが週に1日~2日ほど学校を休むペースが続いていたら、五月雨登校と考えて差し支えないでしょう。 今回は、この五月雨登校について詳しくお話しします。 お子さんが学校を休みがちになる理由と、登校しない日にも安心して過ごせる方法をご紹介します。 【不登校前駆期とは】 何らかの要因で、心理的な安定度が崩れていき、学校を休み始めるまでの期間です。この記事は、主にはこの時期のお子さんがいる保護者さんのための内容です。もちろん、それ以外の時期の方にもお役立ていただけます。 毎朝のやりとりに、もうくたくた 「昨日の夜は学校へ行くと言ったのに、朝になったらやっぱり行けない」。 「学校へ行けるか行けないか、毎朝一喜一憂です... ... 」。 五月雨登校の子どもの保護者から寄せられるお悩みには、このような声がよく見られます。 毎朝くり返される「行くの? 行かないの?」というやりとりにうんざりしているのは、保護者だけではありません。 子ども本人も疲弊しているケースが少なくないのです。 行きたいけど、行けない このような不安定な状況はどうして起こるのでしょうか。 五月雨登校の状態にあるとき、お子さん自身も葛藤している可能性があります。 「学校に行ったほうがいいとは思うけど、カラダが動かない」。 「授業に出たいけど、学校のことを考えると落ち込む」。 自分でも説明できない事態に直面して戸惑いながら、お子さんは学校を休むことで、自分の心を守っている場合があります。 そんな状態のお子さんにとっては、学校に登校することが最善とは限りません。 とはいえ、学校を休むお子さんをただ見守るだけでいいのかと、不安に感じているのではないでしょうか。 そこでお伝えしたいのが、「学校に行かない日の過ごし方」です。 大切なのは「どこで」より「何を」 注目したいのは、「どこで過ごすか」よりも「何をして過ごすか」です。 お子さんが成長につながる過ごし方ができるのであれば、その場所が学校である必要はありません。 学校へ行くことで心が傷つき、勉強にも集中できないのであれば、むしろ別の場所で過ごすほうが、お子さんの成長に適している場合もあります。 学校へ行かな... --- ### 【引きこもりのその後を生きるvol.1】卒業の条件は「20年後も生き続ける覚悟」引きこもり支援の「侍学園」創始者が語る孤立脱却のカギ - Published: 2025-03-18 - Modified: 2025-04-24 - URL: https://futoko-online.jp/interview/13697/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 不登校進行期, 不登校混乱期, 不登校回復期 - 著者: 伊藤真依 「幸せの対義語は孤立です。」 そう語るのは長岡秀貴(ながおか ひでたか)さん。 引きこもり支援を行う侍学園(以下、サムガク)※の創始者です。 ユーモアにあふれ、接する人を笑顔にする長岡さんがサムガクの立ち上げを決意するまでには、孤独や絶望の中で必死に生き抜いた経験がありました。 「生きることの意味」を真剣に突き詰めた長岡さんが、サムガクを創立するまでのストーリーを不登校オンラインの伊藤が取材しました。 長岡秀貴(ながおか ひでたか) 認定NPO法人 侍学園スクオーラ・今人 理事長。1973年、長野県上田市生まれ。大学卒業後、高校教員としての勤務を経て「侍学園スクオーラ・今人」を長野県上田市に設立。学園の活動のほかにも総合病院の小児科で心理相談室を開設するなどの活動をしている。 侍学園(サムガク) 生きづらさを抱える若者や、社会の中でサポートが必要な人を対象に、自立支援プログラムを展開している全年齢対象のスクール。 「学園生活」「寮生活」「中間就労」の3つのプログラムを通して、ひきこもりからの脱却、学びの再開や就職など、一人ひとりの自立目標に合わせた取り組みが用意されている。校舎は長野県上田市と、沖縄県島尻郡の2校。 侍学園の詳細はこちら 大病の経験で明確になった、これからの生き方 長岡さんがサムガク設立を心に決めたのは20歳のとき。 教育学部の大学生として勉学に励む最中でした。 自らの手で「学校」を作ると決めた背景には、16歳のときの大病の経験があったといいます。 長岡さん: 16歳のある日、大病で半身不随になりました。 親や周りの人に迷惑をかけていることに心が痛み、自分の生きる意味なんてないように感じました。 でも、死にたいと思ったって体が動かず死ぬことすらできない。 屋上から飛び降りようと思い立ってもフェンスを越える力すらない。 漠然と「心臓止まらないかな」なんて考える日々でした。 「自分なんかこの世にいらないんじゃないか」と思い悩んでいた16歳の長岡さん。 そんな長岡さんの心が少しずつ動いたのは、当時の高校の担任の先生とのやりとりがきっかけでした。 長岡さん: 担任の先生が毎日のようにお見舞いに来てくれたんです。 というか、少々問題の多いクラスだったので、自分と話すことで先生も息抜きをしていたのだと思います。 「生徒たちと関係性をうまく作れない」と悩みや愚痴を... --- ### 自信をくれたのはハイパーヨーヨー!高校不登校から慶應法学部へ進んだ僕の軌跡 - Published: 2025-03-17 - Modified: 2025-03-17 - URL: https://futoko-online.jp/children/13658/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 無料記事 不登校を経験したのち、自分らしい道を見つけて、前向きに頑張っている人はたくさんいます。その人たちを支えてきたものはなんだったのでしょうか。 今回紹介するのは、慶應義塾大学法学部の学生でもあり、キズキ共育塾(※)の講師でもある浜野大希さん(仮名)。 ※キズキ共育塾:不登校オンラインと同じく株式会社キズキが運営する「不登校の子どもたちの完全個別指導塾」。 彼は不登校を経て、いまは法律家としての未来に向けて歩みを進めています。彼が見出した道と「支え」について聞きました。現在に至るまでには、ご両親の「適度な距離感での見守り」と、ハイパーヨーヨーを通じて身についた自信がありました。 不登校の時期〜役に立ちそうにないことを学ぶ意味がわからなかった〜 不登校になったのは高校時代のことです。単位制の学校だったので、最低限の条件を満たして卒業しましたが、学校にはほとんど通いませんでした。 理由は、モチベーションを保てなかったから。単位のために、これからの自分の人生において必要なさそうな、役に立ちそうもない科目を学ぶことに時間を使う意味がわからなかったんです。 いまとなっては、高校は中退してもよかったのかなと思っています。そう思うほど、学校は楽しくありませんでした。ただ卒業のためだけにノルマをこなしていた感じです。 単位のために学校にいた時間には、いまも意味は見出せないままです。 高校を卒業したのは、親を安心させたかったから でも、親を安心させるために、やっぱり卒業だけはしようと考えていました。親に、そう言われたわけではないんですけど。 親は時々「学校に行かないの?」と聞くくらいで、学校に行かないことについてあれこれ言われた記憶はないです。当時は「興味ないのかな?」と思えるほど、サッパリとしていました。でも今思うと、あの態度は「適度な距離感での見守り」だったんですね。 僕には姉がいて、彼女の僕への対応も、親と同じような感じでした。姉は同じ高校の卒業生で、姉の同級生にも僕と同じように学校にほとんど来なかった人もいたようですから「ああ、あっちの方に行ったのね」という感じで受けとめられていたんだと思います。 学校に行かなくても仲間とはつながっていた 不登校で家にいるときは、よく友人と電話をしていました。僕は小学生の頃からハイパーヨーヨーをやっていて、大会に出場してチャンピオンになったこともあ... --- ### 【世界の不登校】多様性の国・マレーシアで不登校に!?「マイノリティでも独りじゃない」不登校を経験したジーバンさんの実話 - Published: 2025-03-14 - Modified: 2025-04-24 - URL: https://futoko-online.jp/interview/13392/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 無料記事 - 著者: 伊藤真依 - ハッシュタグ: マレーシア マレーシアで不登校を経験したジーバンさんにインタビュー 多様な文化を持つ人が共存する、多民族国家のマレーシア。 マレー系、中華系、インド系をはじめ、さまざまな背景を持つ人々が一緒に暮らしています。 今回インタビューしたのはマレーシア人のジーバンさん。 小学生のときにマレーシアで不登校を経験したひとりです。 キズキ共育塾(※)の不登校相談員である伊藤が、旧知の友人ジーバンさんにお話を聞きました。 (※キズキ共育塾:不登校オンラインと同じく、株式会社キズキが運営する「不登校の人たちのための完全個別指導塾) ルーツの違いで友達づくりに苦戦した小学校時代 それぞれ違う文化を持つ人同士、共存することが当たり前のマレーシア。 しかし、ジーバンさんの学校には同じルーツを持つ友だちが少なく、マイノリティとして見た目や習慣をからかわれることが多い学生時代だったといいます。 彼は宗教上の理由から髪とひげを長く伸ばし、ターバンを巻いています。 その珍しさから、小学校ではいじめを受けました。 ジーバンさん マレーシアでは、異なる民族が一緒に暮らしているけれど、仲良しグループとしては同じ民族同士で固まることが多いんです。生活習慣や食事の違いもあるから、自然とそうなってしまう。でも、僕は同じルーツを持つ友だちが学校に少なく、仲良しグループができづらかったんです。 キズキ共育塾不登校相談員・伊藤(左)と、中学時代のジーバンさん(右) 先輩からのアドバイスで不登校から脱出 小学生の頃から、「ルーツや見た目がみんなと違う」ことでいじめを受け、不登校の時期もあったジーバンさん。 そんな彼の支えになったのは、同じルーツを持つ人々の週末の集まりでした。 仲間と共に食事をし、語り合うときが、彼にとって一番の安らぎの時間だったといいます。 ある日、ジーバンさんは集会の中で、学校でのつらい経験を打ち明けました。 すると、驚くほど多くの友人が「自分も同じ思いをした」と共感してくれたのです。 自分だけの悩みだと思っていたジーバンさんは、友人の意外な反応に衝撃を受け、仲間が傷ついていることに怒りを感じましたが、同時に「ひとりじゃない」ことの安心感もあったといいます。 さらに、先輩がこんな言葉をかけてくれました。 「学校だけが世界じゃない。自分が心地よくいられる場所を探して、そこを自分の中心にすればいいんだよ。」 その... --- ### 【好評につき追加開催】保護者さま向けオンライン勉強会のお知らせ 「子どもにとって最適な選択を」— 不登校の理解と適切な対応ー - Published: 2025-03-14 - Modified: 2025-03-26 - URL: https://futoko-online.jp/event/13639/ - カテゴリー: イベント 大好評をいただいている無料勉強会を、2025年3月に追加開催いたします! ※主催:キズキ共育塾・キズキ家学(不登校オンラインと同じく、株式会社キズキが運営する「不登校のお子さんのための完全個別指導塾・家庭教師」) ぜひご検討くださいませ。 1.勉強会の趣旨 「進学や学校復帰はあきらめないといけない?」 「不登校の子の将来に向けて、何を準備すればいい?」 お子さまが不登校になったら、そんなことが不安になりませんか。 私たち「キズキ共育塾」「キズキ家学」では、そのような生徒さま・保護者さまのお話をたくさんお聞きしてきました。 そして、学校に行けなかった方が高校や大学に進学し、「自立」できるようにと、これまで約8,000人以上の生徒さまをサポートしてまいりました。 この勉強会では、不登校のお子さまがいらっしゃる保護者の方が、次のようなことがわかります。 「これからどうお子さまをサポートすればいいのか」 「何を準備しておけばいいのか」 将来の進路選択に悩まれている方も、お子さまのこれからについて漠然と不安がある方も、ぜひご参加くださいませ。 2.勉強会概要・お申し込み ■勉強会テーマ 「子どもにとって最適な選択を」— 不登校の理解と適切な対応ー ■登壇者 キズキ共育塾 安城駅前校 教室長 兼 学習カウンセラー 吉川 佑人(よしかわ ゆうと) ■実施日時 以下のいずれかをお選びください。 愛知県版 3月26日 (水) 19:30~20:30 3月29日 (土) 19:30~20:30 ■開催方法 オンライン(GoogleMeet) ■参加費 無料 ■勉強会の対象 以下のようなご状況の、小学生~高校生のお子さまがいらっしゃる保護者さま ◆不登校からの進路設計と今から準備できること 学校に行きにくかったり、行き渋ったりする様子がある 学校には行っているが、時々休むことがある 学校に行かなくなって、これからどうすればいいかわからない 学校に行かない状況が続いているが、学校復帰や進学を考えている 将来のことを考えられない、考えるのがつらい ■お申し込み方法 各実施当日の10:00までに、こちらのGoogleフォームからお申し込みください。 お申し込みいただいた後、GoogleMeetのアドレスをお送りします。 ■この勉強会についてのお問い合わせ先 キズキ共育塾 名古屋校 メール:ky... --- ### 【無料プレゼント】不登校の親の悩み解決に効く、読者が選んだ人気記事のエッセンシャル版!「『不登校の親がしてはいけないこと』記者が20年の経験で得た結論」【期間限定】 - Published: 2025-03-13 - Modified: 2025-05-06 - URL: https://futoko-online.jp/popular/13627/ - カテゴリー: 人気記事まとめ - タグ: ピックアップ, 無料記事 - ハッシュタグ: プレゼント 春休みシーズンが近づいてまいりました。 不登校のお子さんがいる親御さんにとっては、「新学期はどうなるんだろうか... 」「次の一歩に進めるんだろうか... 」、進学する場合は「新しい学校では大丈夫だろうか... 」と、不安や期待の入り混じる季節です。 親御さんは、不登校の子どもを思って、アレコレと対応を考えることでしょう。もちろん、「親は、こう対応をしたほうがいい」という場面や時期はあります。 しかし、「親がするべき対応」よりも、「親がしない方がいい対応」の方が大切なこともあるのです。 そこでこの度、ウェブメディア不登校オンラインは、読者さまが選んだ大人気記事「『親がしてはいけないこと』20年の記者経験で得た結論」のエッセンシャル版(要約版)を、期間限定で無料プレゼントいたします(申込期限:2025年3月31日(月)24時ご好評につき、期間を延長いたします)。 不登校経験者の取材を20年弱続けてきた記者は、「親にできること」よりも、「親がしてはいけないこと」の方が大切だと語ります。不登校経験者の声をもとに、「してはいけない、3つの具体例」を紹介します。 この記事をお読みいただくことで、不登校のお子さんも、親御さんも、次の一歩に進みやすくなるはずです。 会員様限定のオリジナルページはこちら お申し込みはこちらから! --- ### 「不登校の保護者の夫婦」のアンケートを実施!〜言いたいことはありますか?関係性は変わりましたか?〜 - Published: 2025-03-12 - Modified: 2025-05-13 - URL: https://futoko-online.jp/questionnaire/13617/ - カテゴリー: アンケート - タグ: 無料記事 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 夫婦関係 【2025/5/13追記】 アンケートへのご協力、誠にありがとうございました。結果を取りまとめた記事は、下記の記事をご覧ください。 関連記事 【追記ここまで】 ーーーーー 子どもの不登校は、「親子関係」のみならず、「夫婦関係」にも影響を及ぼすことが多いです。 不登校の対応は自分ばかりで、配偶者は何もしない。配偶者へのイライラもだんだん募ってきた... ! 不登校について話し合うと、意見がいつも一致しない。どうやったらわかり合えるのか... 。 不登校への対応を夫婦で一緒に行う中で、それまでよりも絆が深まった... ! そこで、ウェブメディア「不登校オンライン」は、お子さんが不登校・行き渋りである(であった)保護者さまを対象に、「不登校の保護者の夫婦関係」についてのアンケートを実施します(回答期限:2025年3月25日(火)24時)。 アンケートで集まった「不登校の保護者の夫婦関係の実際」を世の中に伝えて、夫婦の相互理解、社会全体の変化のきっかけといたします。 アンケートの結果は、不登校オンラインで記事にするとともに、結果についての見解を有識者に求める予定です。 必須項目は、ほとんどが選択式のものです。ぜひ、ご協力をお願いします。配偶者の方や、お知り合いの方にもお伝えいただければ幸いです。 回答はこちらから↓ https://form. run/@futoko-couple こんなことをうかがいます! 今回のアンケートでは、以下のようなことがらについてお尋ねします(一部抜粋)。あなたのお声が、世の中に、「不登校の保護者の夫婦関係」の実態を伝えます。ぜひご協力ください。 子どもの不登校に関連して、夫婦の関係性は変化しましたか? 子どもの不登校に関連して、夫婦の役割分担はありますか? 子どもの不登校に関連して、配偶者に伝えたいことはありますか? 離婚した場合、子どもの不登校は原因として関係ありますか? 再婚した場合、子どもの不登校に影響はありますか? ※回答中につらい気持ちになられたときには、無理にお続けにならず、すぐに中止していただいて構いません。 ※必須項目は、ほとんどが選択式のものです。 アンケートはこちら 【対象】 ・現在、お子さんが不登校・行き渋りである保護者さま ・以前、お子さんが不登校・行き渋りだった保護者さま 【ご回答期限】 2025年3月25日(火)24... --- ### 【完全保存版】「不登校マップ」無料プレゼント!お子さんに合ったアプローチを知るための必須アイテムを今すぐゲットしよう - Published: 2025-03-11 - Modified: 2025-05-06 - URL: https://futoko-online.jp/event/13595/ - カテゴリー: イベント - タグ: ピックアップ - 著者: 伊藤真依 ウェブメディア「不登校オンライン」が、不登校のお子さんへの適切なアプローチを見つけるためのチェックリスト「不登校マップ」を無料で配布します。 >>その他、記事の無料プレゼントやアンケートの案内はこちら! 不登校マップ 〜不登校の現在地から導くアプローチ〜とは 不登校には大きく分けて4つのステップがあります。 お子さんが今どの段階にいるのかを知ることで、適切なサポートの方法が見えてきます。 また、お子さんのSOSは言葉に表れない場合も多いです。 ちょっとした変化からお子さんのSOSを見つけるためにも、不登校マップは役立ちます。 お子さんに合ったアプローチを見つけるために、チェックリストで現状を把握してみましょう! 不登校マップでできること チェックリスト形式で、お子さんが以下の4つの段階のどのステップに当てはまるか知ることができます。 ①不登校前兆期 ②不登校進行期 ③不登校混乱期 ④不登校回復期 また、お子さんの「不登校の現在地」が分かれば、不登校オンラインの記事から適切な声かけ方法やアプローチを見つけやすくなります。 ※不登校オンラインから適切なアプローチを見つけ出す方法は、不登校マップの中に詳細を記載しています。 「不登校マップ」開発者のコメント 不登校のお子さんをサポートするキズキ共育塾・不登校相談員の寺田真依です。 私自身、高校時代に不登校の経験があり、大学受験で次のステップに進むまで大変苦労をしました。 今回、不登校マップを開発したきっかけは、私自身の不登校経験を、大人になってから母と振り返った会話が背景にあります。 母の「一度提案してうまくいかなかった声掛けを、半年後にもう一度してみたら、不思議なことに良い方向にいったんだよね... 何でだろう。」という疑問に着想を得ました。 母の疑問に対する不登校相談員としてのアンサーは、「混乱期には適さないアプローチだったけれど、回復期であれば有効な提案だったから」です。 不登校相談員になる前は、不登校にステップがあることも知りませんでしたし、ステップに応じて効果的なアプローチが異なることも分かっていませんでした。 しかし、「不登校当時にそれを知っていたらどれだけスムーズに前に進めていただろう」と悔しく思ったのです。 その悔しさをバネに、今悩む皆さんの力になりたいと思い開発したのが「不登校マップ」です。 この不登校マ... --- ### スマホ没収で不登校の負のループへ  お金とスマホと俺② - Published: 2025-03-11 - Modified: 2025-03-21 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/13539/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 【連載】前略、トンネルの底から - 著者: 古川寛太 - ハッシュタグ: スマホ, 高校生 高校入学とともにスマホデビューするも、不登校でスマホ没収の憂き目にあった古川寛太さん。 さらに、もともと少額だった小遣いも渡されなくなり、ストレスをやわらげるための甘いものも、自由に手に入れられなくなります。 スマホと2000円の小遣い。一見すると小さなこの喪失が、古川さんを追い詰めていきます。 (連載「前略、トンネルの底から」第27回・写真は古川寛太さん) 負のループ このころから、小遣いももらえなくなった。 「次にあげるのは学校に行けるようになってから」と、10月の2000円は渡されなかった。 お金があったところで、友だちはいないし、2000円ではたいしたものは買えないし、いつも安い菓子を買って散財していた。 弟にアレルギーがある我が家は、卵・小麦・牛乳等を使った食材が昔から食卓に並ばない。間食にはせんべいか果物しか現れず、小遣いはその反動にすべて消えていた。 ただでさえストレスで体は糖分を欲していたし、でもそれもお金がなくなるとできない。 心も身体もどんどん負のループに入っていく。 すべては「学校へ復帰してから」 スマホは取り上げられ、お金は持たせてもらえず、携帯ゲーム機やパソコンも使えない。 すべて「学校に行けるようになってから」。 俺はどうすればいいのだとしょっちゅう感じていた。 抜け出す手段が絶たれたまま、自分の脚力だけで学校へ復帰する。問題を解決する。 そんなことはどう考えてもできなかった。 タップ一つで救われるのに スマホから見る世界は安定した現実逃避先だった。 タップひとつで自分ではない人の日常に飛べたし、寝れない夜は野球のスマホゲームを思い浮かべどんなオーダーを組むか考えることで不安を押しのけた。 スマホをほとんど見ない父の影響からか、家にはWi-Fiが通っておらず、一瞬で月のデータ使用制限がかかるので、いつもその容量と闘っていた。 データ制限のおかげで動画は見れないし、ネット上ですら友達はいなかったけれど、それでもあの世界は俺をギリギリのところで救ってくれていたと思う。 16歳の俺が求めていたものは そんなことは当然伝わらず、結局3年間俺と両親によるいたちごっこは続いた。 小遣いもスマホも、自分が自由に使えた期間はトータルで半分くらいだったと思う。 16歳の俺は「自分の自由に使える機器」に飢えていたし、逃げ場を求めていた。 スマホを使わせてもら... --- ### 「卒アルに載りたくない」不登校の子どもの決断に苦しむ保護者へ伝えたいこと - Published: 2025-03-10 - Modified: 2025-03-05 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/13528/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ - 著者: 土橋優平 - ハッシュタグ: 卒業式, 卒業アルバム 卒業シーズン。リアルでもオンラインでも、いたるところで「おめでとう」の言葉が飛び交う季節です。 学校へ行かないまま「卒業」を迎えようとする子どもたちは、ある決意をしていることも少なくありません。その決意に、保護者は戸惑い、ときに傷つきます。 そんな保護者へ向けた、フリースクール代表・土橋優平さんからのメッセージです。 (連載「出張版お母さんのほけんしつ」第57回・写真は土橋優平さん) あるお母さんが、私にこう相談してくれました。 「子どもが卒業アルバムに写真も名前も載せたくないと言っているんです」。 お母さんは、「卒業式に行かなくてもいいから、アルバムには載ってほしい」と思っていたそうです。 しかし、お子さんは「何も残したくない」と言い、その決断を受け入れるしかなかったといいます。 なかったことになるのかな お子さんが卒業式に出席しない、あるいは卒業アルバムに写真を載せないと決めたとき、保護者が戸惑いや悲しみを感じるのは当然のことです。 「せめて卒業の記録だけでも残してほしい」と願う気持ちは、多くの保護者が抱くものではないでしょうか。 「うちの子が中学生だったことは、どこにも残らないんだ」。 「私たち親子のあの日々は、なかったことになるのかな」。 子どもの成長を記録に残したい、社会の中で子どもの存在を認めてほしいと願うのは自然なことです。 でも、お子さんにとって卒業アルバムや卒業式が、必ずしも前向きなものとは限りません。 学校での経験が辛いものであれば、それらはむしろ「思い出したくない記憶の象徴」になってしまうこともあります。 保護者にとっても決断のとき このとき大切なのは、保護者自身の気持ちを否定しないこと。そして、お子さんがどんな思いでその決断をしたのかを想像し、理解しようとすることです。 「うちの子は、この社会の中で透明な存在になってしまうのではないか」。 「何も残らないなんて、本当にそれでいいの?」 そんな不安や戸惑いを抱えながらも、子どもの選択を尊重することは、保護者にとって大きな決断です。 でも、子どもがどんな形であれ、自分の意思で未来に向かおうとしているのを見守ることもまた、愛情のひとつではないかと私は思うのです。 確かに、ここに存在しているものは ここで、しっかり伝えておきたいことがあります。 それは、たとえ卒業アルバムに載らなくても、お子さんの存在... --- ### 【不登校回復期】どうする? 不登校経験からの文理選択 「決められない」の悩みに合わせた3大作戦 - Published: 2025-03-07 - Modified: 2025-03-15 - URL: https://futoko-online.jp/column/13571/ - カテゴリー: コラム - タグ: 学びの扉, 無料記事, 不登校回復期 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 大学受験, 進路, 文理選択 大学、学部、受験方式... ... 進路選びはまさに決断の連続です。 そのなかでも、「文理選択」は最初にして最大の分岐点。 重要な選択にもかかわらず、入学した途端に希望の進路を提出しなければならない高校もあります。 不登校経験から高校へ進学したお子さんにとっては、高校生活に慣れるだけでも精一杯かもしれません。 また、高校で不登校中のお子さんも、よく悩むポイントです。 今回は、「文理選択を考える余裕がない!」というお子さんと保護者のみなさんに、王道のパターンから新しい視点でのアプローチまで、「文理選択の3大作戦」をご紹介します。 【不登校回復期とは】 心理状態が改善され、心的エネルギーが溜まりだし、1 人での外出が自由になってくる期間です。この記事は、主にはこの時期のお子さんがいる保護者さんのための内容です。もちろん、それ以外の時期の方にもお役立ていただけます。 作戦1 王道パターン!「未来から逆算作戦」 将来就きたい職業、大学で学びたい学問ジャンルなど、すでに将来の目標がある場合は、その目標から逆算して学部選択(=文理選択)をします。 これは、多くの人がイメージしやすい方法です。 例 ロケットを作る仕事に就きたい→工学部→理系→物理が必要 哲学を学びたい→文学部(哲学科)→文系(→入試に倫理が必要な大学も) 図書館司書になりたい→教育学部など→文系(※) ※教育学部は多くの場合、学科や専攻によって文理が分かれます。 希望する職業や進路に必要な科目を調べておくと、「あの科目を選んでおけばよかった... ... 」という後悔を防ぐことができます。 作戦2 進路が決まっていなくても大丈夫!「NGからの絞り込み作戦」 文理選択をしなければならないのに、将来やりたいことがまだ見つかっていない。 そんなときは、「これはイヤ!」と思うものをピックアップする「NGからの絞り込み作戦」が有効です。 「この職業はやりたいと思えない」「この学問には全然興味が湧かない」など、イヤと感じるものを選択肢から除外していくと、アイディアを出しやすくなります。 「イヤではないな」のなかに、意外な興味・関心の対象や得意なものを発見することもあります。 これは文理選択に限らず、大学を決めるときなど、進路決定をしていくうえでよく使える考え方のコツです。 ただし、「国語が苦手(イヤ)だから理系」「数学が苦手... --- ### 「仕事どうしよう?」に新しい視点を。不登校の子どもの保護者のための時間術② - Published: 2025-03-06 - Modified: 2025-03-05 - URL: https://futoko-online.jp/column/13510/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 不登校離職, 時間術, 転職, 介護休暇, 時短勤務, 在宅勤務, キャリアブレイク 不登校の子どもの保護者にとって、仕事とお子さんのケアの両立は大きな課題。心身の調子が揺らぎやすいお子さんのケアには、仕事の調整が時間管理の要(かなめ)です。 仕事は単なる収入を得るための手段ではなく、その人のアイデンティティ、ひいては人生をかたち作るものであることも少なくありません。これは、性別を問わず言えることです。 もちろん、「一定以上の収入をキープしたい」「離職からの再就職にはリスクがある」など、生活の安定のために現在の仕事を続けたいという方もいるでしょう。 今回は、不登校ケアと仕事の関係から「人生の時間」について考えます。 ※現在、「不登校の保護者と仕事」について、みなさまからいただいたアンケートを元にした記事を作成中です。公開まで、もうしばらくお待ちください。 仕事を休む 一時的に仕事から離れることで、不登校の子どもをケアする時間を確保する。これは、不登校ケアの第一歩です。 子どもの不登校が始まった段階では、保護者も不登校ケア初心者です。仕事と不登校ケアを両立できるか見極めるためにも、「一旦休む」は有効な選択です。 ①有給休暇 使いきれていない有給休暇があれば、ある程度まとめて取得できないか、職場に相談してみましょう。 短期間でも仕事から離れることで、実際に不登校の子どものケアをしながら、落ち着いて次のアクション(職場の制度利用や子どもの居場所探しなど)を検討することができます。 ②介護休暇 不登校のお子さんの心身の状態によっては、介護休暇を利用できる可能性があります。 まずは医師の診断が必要ですが、地域によってはメンタルクリニックや心療内科の予約が取りにくく、数か月先までいっぱいのことも。①の有給休暇との合わせ技で、まずは最短で受診できる枠を確保しましょう。 仕事を続ける 仕事を続けながら不登校の子どもをケアするためには、職場との相談・交渉を避けては通れません。職場に適切な制度があれば積極的に活用しましょう。 現状で利用できる制度がなくても、黙ってあきらめる前に、ダメ元で制度整備を提案してみてください。ときに、「ファースト・ペンギン」になるチャレンジも必要です。 ①勤務時間の制度 時短勤務やフレックスタイムの制度を利用し、勤務時間を調整することで、お子さんのケアと仕事を両立しやすくします。 ②勤務場所の制度 テレワークや在宅勤務は、お子さんの見守りが必要... --- ### 不登校の子どもと保護者に聞きました!「好きなYouTubeチャンネル」12選 - Published: 2025-03-05 - Modified: 2025-03-06 - URL: https://futoko-online.jp/questionnaire/13518/ - カテゴリー: アンケート - タグ: 無料記事 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 趣味, YouTube, 読者のおすすめ というわけで、みなさんから寄せられた「おすすめYouTubeチャンネル」を編集部総出でチェック。 編集部が独断と偏見で選んだ12個のチャンネルをご紹介します! ※原則として、企業が運営するチャンネルは取り扱いを控えました。   不登校の子ども本人が推薦! ■マエスケ https://www. youtube. com/@maesuke118  マエスケさんの姿がおもしろくて好き。 ■ちろぴの https://www. youtube. com/@tiropino  2人の声や歌がいい! ■MARETU  https://www. youtube. com/@MARETUch 中毒性のある音楽をたくさん作っていてすごいなと思う。 ■すとぷりちゃんねる https://www. youtube. com/@StrawberryPrince  ゲーム実況やアニメや歌、すべていい! ■日常組  https://www. youtube. com/@Nichijo_Gumi ネットで集まった明るい4人組で、すごく仲がよくて、見ててこっちも明るくなる。親友同士(何をしてもいい)みたいな関係性ですごく楽しそう。叫び声が飛び交ってて喉の心配もあるけど、安心感がある。   親子で見てる安心チャンネル ■HikakinGames https://www. youtube. com/@HikakinGames  子どもはただただおもしろいから見ているだけのようです。親としては乱暴な言葉遣いもなく、安心して見せれるかなと思っています。   保護者おすすめの「学び」と「息抜き」 ①大家族子育てに興味津々 ■なないろ https://www. youtube. com/@7IRO  子ども7人のママさんYouTuberで、家事や子育て等紹介されている。子どもさんの中に不登校の子もおられ、気持ちが共感できることも多く、元気が出る。 ■なかよしだいかぞく https://www. youtube. com/@nakayoshidaikazoku  子ども11人の家族の日常が微笑ましい。料理動画は、見ていて楽しいし、マネしたくなる。   ②教育委員会も、実はがんばってる ■茨城県教育研修センター https://www. youtube. com/@茨城県教育研修センター  茨城県教育研修センターE... --- ### 「時間がない!」を解決する。不登校の子どもの保護者のための時間術① - Published: 2025-03-04 - Modified: 2025-03-05 - URL: https://futoko-online.jp/column/13501/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 時間術, モーニングルーティン, ナイトルーティン, 習慣化 「時間がない!」 「いつも何かに追われている気がする」 「自分の時間なんてほとんどない」 不登校の子どもの保護者にとって、日々の時間管理は大きな課題です。お子さんのケア、家事、仕事、そして自分の時間。これらすべてを確保することは、まさに至難の業。 しかし、限られた時間の中でも、ちょっとした工夫や意外な視点を組みわせることで時間的負担を軽減することはできます。 今回は、保護者も子どもも充実した日々を過ごすための、ちょっとしたヒントをご紹介します! モーニング・ルーティン最適化 朝は1日の中で最もあわただしく感じる時間帯です。 朝目覚めてからの数時間、何かしら習慣的に行っている行動があるはず。そうした朝の習慣的行動がモーニング・ルーティンです。 このモーニング・ルーティン、あなたは自覚的に設定していますか?  朝の無自覚な行動の中に、実はあなたの時間を盗み取っていく「いらない習慣」が潜んでいることがあります。また、順番やタイミングが適切ではなく小さなタイムロスが積み重なっていることもあります。 まずは、今朝のあなたの行動を書き出して、いらない習慣やタイムロスをチェックしてみてください。朝のなにげない行動を自覚することが、モーニング・ルーティン最適化の第一歩です。 ナイト・ルーティン最適化 ナイト・ルーティンは、夜の時間帯の習慣的行動です。 朝は、日中の予定に遅れないようにするための準備の時間。いつも、「時間との闘い」です。 それに対して夜は、家族以外の人が関わる「次の予定」が基本的にはありません。寝るまでの行動に一定のパターンがなく、なんとなく「気分」で過ごしている人もいるかもしれません。 日中のストレスから開放され、テレビやネット動画で一息つける時間は、至福のひと時ですよね。でも、「ちょっとだけ」のつもりがやめられず、翌朝スッキリ起きられなくて結局バタバタに... ... なんてことにもなりがちです。 忙しい大人にとって、テレビやネット動画を見る時間はようやく確保できた「自分の時間」。それ以上に、睡眠時間も大切な「自分の時間」です。 ぜひ、「睡眠」を夜の時間帯の「次の予定」として意識してみてください。睡眠時間は、あなた自身との約束です。 ルーティンの目的は「映え」じゃない モーニング・ルーティンやナイト・ルーティンを紹介するYouTuberやブロガーがたくさんいます。... --- ### 【不登校回復期】令和7年度最新版!「独学 vs. 塾」高認準備はどっちが正解? - Published: 2025-03-03 - Modified: 2025-03-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/13485/ - カテゴリー: コラム - タグ: 学びの扉, 不登校回復期 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 高卒認定試験, 高認, 勉強, 回復期, 独学, 塾 不登校の子どもの選択肢の一つ、高卒認定試験(以下、高認)。最近では、元不登校のYouTuberゆたぼんさんが受験してニュースになりました。 新しい一歩を踏み出すために、高認受験を検討している不登校のお子さんや、その保護者も多いでしょう。 高認受験を視野に入れつつも、試験に向けた準備や勉強方法について迷われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。 とくに「独学で勉強すべきか、それとも塾に通うべきか」については、お子さんのタイプによって最適解が異なるので、保護者にとっては難しい悩みと言えます。 この記事では、お子さんに合った選択をするためのポイントをお伝えします。これから勉強を始める方も、すでに学習を進めている方も、ぜひ参考にしてみてください。 【不登校回復期とは】 心理状態が改善され、心的エネルギーが溜まりだし、1 人での外出が自由になってくる期間です。この記事は、主にはこの時期のお子さんがいる保護者さんのための内容です。もちろん、それ以外の時期の方にもお役立ていただけます。 高認受験は早めの決断が吉! 高認試験は年に2回行われます。 令和7年度の試験日は、第1回が8月7日〜8日、第2回が11月8日〜9日です。 そう聞くと、「まだ新年度にもなっていないし、受験するかどうかはゆっくり決めればいいか」と考える方もいるかもしれません。 でも、ちょっと待ってください! 令和7年度の第1回の出願は4月7日〜5月14日、第2回の出願は7月22日〜9月12日です。 8月の試験を1科目でも受けるためには、遅くとも5月の大型連休が明ける頃までには受験科目を確定しておく必要があります。 これまでに高校に在籍した経験があれば、単位取得状況によって受験が免除される科目もあります。早めに高校へ問い合わせをしておくと、受験科目の計画を立てやすくなります。 もちろん、合格するためには計画的な勉強が必要です。効果的に勉強を進めるためにも、早めのスタートがおすすめです。 ※参考:文部科学省「高等学校卒業程度認定試験(旧大学入学資格検定)」 高認は簡単に合格できる? 独学の向き・不向きに注意 高認の合格基準は各科目40点~50点とされます。難易度がそれほど高くないように見えるため、多くの人が準備の重要性を見落としがちです。 もちろん、準備不足で受験するなら合格は難しいです。最初にあえて「早めの決断」... --- ### 【不登校回復期】個別指導と相性抜群! 話題の学習法「精緻的質問」とは? - Published: 2025-02-28 - Modified: 2025-03-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/13473/ - カテゴリー: コラム - タグ: 学びの扉, 不登校回復期 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 勉強, 回復期, 独学, 個別指導, 集団授業, 精緻的質問 「個別指導? 集団授業? はたまた独学? 結局どれがいいの??」 不登校のお子さんの学習環境について、さまざまな情報を目にして迷っていませんか? 心のエネルギーが回復してきたお子さんは、「勉強の再開」にも興味が向いていきます。 そんなお子さんの学習環境を選ぶときに重視したいことの一つは、「投入した時間が充分な学習効果につながるかどうか」です。 とくに受験生の場合は、目標時期までのタイムパフォーマンスが大切です。 今回は、話題の学習法から見る学習環境選びのポイントをご紹介します。 【不登校回復期とは】 心理状態が改善され、心的エネルギーが溜まりだし、1 人での外出が自由になってくる期間です。この記事は、主にはこの時期のお子さんがいる保護者さんのための内容です。もちろん、それ以外の時期の方にもお役立ていただけます。 「なぜ?」は学習効果絶大! 「精緻的(せいちてき)質問」という言葉をご存じでしょうか? 「精緻」とは、細かいところまで注意が向けられていること、非常に詳しく細かいことを表す言葉です。 つまり精緻的質問とは、あることがらについて「なぜ?」「どのように?」と、細かく探っていく質問のことです。 認知心理学では、精緻的質問をしながら勉強することが、ただ黙々と聞いたり音読したりするよりも、高い学習効果が得られるとされています。 以下は、精緻的質問を取り入れた学びの流れです。 ①新しい知識を入れたら「なぜ?」「どうして?」と問いかける ②問いかけに対する答えを考える ③答えを客観的に見て、理解が不足している部分を補強し、さらに別の質問をしてみる... ... 精緻的質問が得意なのは「個別指導」 精緻的質問で重要なのは、「問いかけのタイミング」と「質問の角度の豊富さ」です。 個別指導なら、自分では気づかない角度からの精緻的質問を自分に合ったタイミングで投げかけてもらえます。 「これはどうしてだと思う?」 「理解度を確認するためにクイズを出すね」 「惜しいね! 実はこうなんだよ」 「こないだの授業とどうつながるか分かるかな?」 このように、先生がその場で適切な質問を投げかけることで、効果的に学習を進めることができます。 独学や集団授業でも精緻的質問を取り入れられる? 結論から言うと、独学や集団授業でも精緻的質問を取り入れることはできます。 ただし、独学や集団授業では精緻的質... --- ### 教員の子どもが不登校に「人とのつながりに救われた」【インタビュー後編】 - Published: 2025-02-27 - Modified: 2025-02-27 - URL: https://futoko-online.jp/interview/13466/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 親の思い - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 学びの多様化学校, 親の会, ネットワーク 公立小学校で教員として働いていたアクアさん(仮名)。長女が小学校で不登校になり、中学校は学びの多様化学校を選びました。 子どもの選択を尊重するアクアさんですが、ここまでの歩みは決して平坦ではありませんでした。周囲の無理解に苦しみ、葛藤した経験から、不登校の子どもの保護者のみなさんへ伝えたいメッセージとは? 不登校の娘よりも、周りの大人への対応のほうが大変だった 娘が小学校へ行かなくなったとき、一番大変だったのは家族の理解を得られなかったことです。 私自身は、不登校が悪いことだとは思っていませんでしたし、最初から娘が自分で決めたことを尊重したいと思いました。むしろ、公立校の教員という立場で学校のあり方に疑問を持っていたので、娘の気持ちもよくわかりました。 正直なところ、学校へ行かない娘よりも、周りの大人への対応のほうが苦労しました。 小学校を転校したり、私も退職してフリースクールを立ち上げたりするなどさまざま手を尽くしましたが、娘は変わりませんでした。その様子に家族からは、「学校へ行かなくていいなんて言うから... ... 」「お前がそんなだから... ... 」などと言われました。 中学校への進学のタイミングで、学びの多様化学校へ行くことが決まり、実際に娘が学校へ行き始めると、家族も徐々に理解してくれるようになりました。「学校へ行っている」というだけで、全然受け止め方が違うのです。 母親たちはネットワークで救われていく 娘が学校へ行かなくなったのをきっかけに、同じように子どもが不登校のお母さんたちとのつながりができました。地域に不登校ネットワークがありましたし、インターネット上で友人になった人もいます。 そうしたネットワークや教員の仕事をするなかで、多くのお母さんたちと語り合ってきました。お母さんたちからは、「子どもを何とかしてあげたい」というエネルギーを感じます、そんな彼女たちが悩んでいることは、やはり家族との関係です。 パートナーが子どもの不登校をネガティブにとらえていたり、はっきりと「お前の育て方が悪い」と言われたりする方もいます。子どもの祖父母からの言葉に傷ついている人もいました。 ネットワークにつながったお母さんたちは、最初はしんどくても、同じような経験を乗り越えたお母さんや、サポートしてくださる方々の支援で救われていきます。自分の経験や思いを話すことって... --- ### 【不登校の新学期準備】先輩不登校経験者に聞く!前向きな新学期を迎えるために今日できること - Published: 2025-02-27 - Modified: 2025-02-27 - URL: https://futoko-online.jp/event/13453/ - カテゴリー: イベント 新学期まであと1か月。不登校からの再スタートに不安を感じていませんか? 不登校のお子さんのための個別指導塾・キズキ共育塾の卒業生の事例をもとに、「4月を前向きに迎えるために今できること」をお伝えします。   2025年3月1日(土)20:00~20:30、ウェブメディア「不登校オンライン(運営:株式会社キズキ)」は、不登校からの進級・進学に悩む保護者向けの無料のオンラインイベントを開催します。 テーマは「【不登校の新学期準備】先輩不登校経験者に聞く!前向きな新学期を迎えるために今日できること」。 登壇者は、キズキ共育塾(※)専任相談員の寺田真依さんです。 (※キズキ共育塾:不登校オンラインと同じく株式会社キズキが運営する「不登校のお子さんのための完全個別指導塾」) イベント趣旨 新学期まであと1か月... 。 「今年こそは本気を出すんだ!」と意気込む一方で、「これまで不登校だったのに、4月から突然がんばれるの... ?」と不安を感じている保護者さまは少なくないのではないでしょうか。 そこで、今回のイベントでは不登校のお子さんのための個別指導塾・キズキ共育塾の卒業生の事例をもとに、「前向きな新学期を迎えるために今日からできること」をお伝えします。 3月をまるごと新学期の準備に充てられるよう、イベントは3月1日に行います。 「今年こそは、よい1年にしたい!」 「4月からどうなるか、漠然と不安を感じている... 」 「進学準備に出遅れたくない!」 こういった思いをお持ちの保護者さまは、ぜひご参加ください! 登壇者:寺田真依 寺田真依のプロフィール 1999年生まれ。キズキ共育塾・不登校相談員。 高校不登校を経て、大学の法学部に進学、2022年に卒業。同年、株式会社キズキ(キズキ共育塾)に就職。 2024年8月まで名古屋校にて教室長を務め、多くの不登校のご家庭との相談を実施。 現在は不登校相談に加え、イベント登壇や自社メディア「不登校オンライン」の運営などに携わり、不登校に関する課題をより広く社会に提起するための活動に尽力している。 イベント日時・参加申し込みなど 実施日時 2025年3月1日(土)20:00~20:30 講演テーマ 【不登校の新学期準備】先輩不登校経験者に聞く!前向きな新学期を迎えるために今日できること 登壇者 寺田真依(キズキ共育塾・不登校相談員) 実施... --- ### 【大募集! みんなの不登校川柳】あと二日! あなたの一句、待ってます♪ - Published: 2025-02-26 - Modified: 2025-04-17 - URL: https://futoko-online.jp/questionnaire/13307/ - カテゴリー: アンケート - タグ: 募集, 無料記事 - ハッシュタグ: 川柳 【2025年4月16日/17日追記】 たくさんのご応募、ありがとうございました。大賞・優秀賞・佳作を下記にて紹介しておりますので、ぜひご覧ください。 親・家族編はこちら! 本人(当事者・経験者)編はこちら! 【追記ここまで】 ーーーーー 締切までいよいよあと2日! 不登校オンラインは、「大募集! みんなの不登校川柳」を開催中です! 不登校にまつわる「あるある」や、自分や家族の不登校中に感じた気持ち、お悩み、希望、楽しさ、意外なエピソードなど、不登校に関連することなら何でも大歓迎。 「不登校」という言葉が入っていなくてもOKです。 編集部M(20代女性、不登校経験者)の作品 編集部H(30代女性、不登校経験者)の作品 たとえばこんな感じで、今の想い、過去の記憶、未来への希望など、あなたのキモチを川柳に託してみませんか? グッときた作品は、不登校オンラインの記事で発表します。 さらに、大賞作品も選定させていただきます。 大賞の方にはAmazonギフトカード(3,000円分)をプレゼント! 五七五のリズムにのせて、あなたの思いを羽ばたかせてください! 応募できる方 過去、現在を問わず、以下に該当する方。 不登校・行き渋り経験のあるお子さん 不登校・行き渋り経験のあるお子さんの保護者 不登校・行き渋り経験のあるお子さんのご家族等(保護者以外) 応募条件 ご応募いただける作品は、未発表のものに限ります。 お1人さま2句までご応募いただけます。 1家族で複数の人が投稿したい場合には、それぞれ別のフォームおよびペンネームでご応募ください。 川柳の著作権は応募者さまに帰属します。その上で、株式会社キズキは、ご応募いただいた川柳をペンネームとともに自社が運営する媒体(Webサイト、SNSなど)で、応募者さまに無償・無通知で掲載できるものとします。また、プレスリリースや提携メディアにおいても、同様に掲載されることがあります。 締切 2025年2月28日(金)24時 応募フォームはこちら↓ https://form. run/@kizuki-FutokoOnline-202503-senryu 以下のQRコードからもご応募いただけます↓ 「不登校オンライン」では、会員向けの記事(有料)をご用意しています。不登校のお子さんをサポートするために知っておきたい情報や、同じ悩みをもつ親御さんの体... --- ### 教員の子どもが不登校に「学びの多様化学校が娘の心にフィットした」【インタビュー前編】 - Published: 2025-02-26 - Modified: 2025-02-26 - URL: https://futoko-online.jp/interview/13430/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 親の思い - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 学びの多様化学校 3人のお子さんの母親・アクアさん(仮名)。地方の公立小学校で教員として働くなかで、不登校の子どもたちへ学校の対応に疑問を感じていました。 そのアクアさんの長女も、小学校で学校へ行かない選択をした一人。中学校は、学びの多様化学校を選びました。 インタビュー前編は、教員であり、不登校経験のある子どもの保護者でもあるアクアさんが語る、学びの多様化学校の実際です!(写真はご本人ではありません) いろんなことを感じ取ってしまう心 母親から見ると、娘はいわゆる「敏感さん」。いろんなものを感じやすかったり、言葉数は多くなくて周りをよく見ていたりする子どもです。 本当に小さい頃、2〜3歳くらいからだったと思います。人前に出たりおしゃべりしたりするのを嫌がりました。保育園の発表会でも固まってしまうほうでした。 小学校に入学して間もなく、学校へ行き渋るようになりました。娘自身は「勉強が嫌い」と話していましたが、おそらくそれだけが理由ではないでしょう。 前での失敗が怖かったり、人の多い空間や「学校という集団社会」が苦手だったりなど、学校での集団生活が彼女には合わなかったのかもしれません。 さまざまな学びの場を追究して 私自身が教員をしているなかで、今の日本の教育のあり方への疑問もありました。 「やはり、そのあり方が負担になっている子どもがいる」。 自分の子どもが学校へ行かない選択をしたことで、それを実感しました。 教員という立場上、フリースクールや私立校など、さまざまな学びの場があることは知っていましたし、子どもの主体性を大切にできる学校がもっと増えたり、多様な学びを尊重できる雰囲気が社会全体に広がったりしたらいいのにという思いを持っていました。 そんななか、地元に学びの多様化学校ができるという情報を得たのです。 ぴったりはまった。学びの多様化学校での生活 中学生になるタイミングで、娘は学びの多様化学校へ通い始めました。 ようやく「ぴったりはまった」「居場所ができた」という気がしています。 表現が難しいですが、公立校でありながらフリースクールのように子どもたちを受け止め、主体性を尊重してくださっているのが、一番ありがたいことです。 まず、登校に関して先生方からのプレッシャーがありません。「学校へ来ることがいいこと」という押し付けがないのです。 休んだ場合には、「風邪をひいたかな?」「最近... --- ### 小遣いは月2000円。不登校でスマホは即没収。 お金とスマホと俺① - Published: 2025-02-25 - Modified: 2025-02-28 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/13344/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 【連載】前略、トンネルの底から - 著者: 古川寛太 - ハッシュタグ: スマホ, 高校生, 小遣い 古川寛太さんの不登校時代が赤裸々に語られる本連載、新章は、お金とスマホにまつわるエピソードです。 厳格な父親の教育方針のもと、高校1年生でスマホデビューした古川さん。 ところが、古川さんが学校へ行けなくなった途端に、そのスマホはその手からもぎ取られ... ... (連載「前略、トンネルの底から」第26回・写真は古川寛太さん) 電子機器との邂逅(かいこう) 俺は高校生になって初めてスマートフォンを持つことが許された。 2016年。 この年発売のAppleの新機種は、すでにiPhone7。それくらい、スマホは当たり前に世の中に浸透しているころだった。 うちはいつも電子機器を持たせてもらえるのが遅い。 携帯ゲーム機も含めた電子機器全盛のなか、自分はひとり買ってもらえず、お年玉を使ってなしくずし的に『NintendoDS』購入の認可を得たのが中学3年生のころ。 周りの友だちはもう誰もやっておらず、俺の知らないSNSで仲良くなったり、喧嘩したりしていた。 立ちふさがる、わが家の「教育方針」 小遣いをもらえるようになったのは中学入学から。金額は月に1000円だった。 高校に上がり、足りないと言うと金額は2000円になった。 家の雰囲気や両親の職業を見るに、 どう考えても「息子になんとか2000円あげるのがやっと」という家庭ではないことには気づいていた。 その証拠に、「何か必要であれば相談して、都度あげる」と母から伝えられていた。 結局、そのシステムを一度も利用しないまま俺は家を出るのだが。 だから、スマホもお金も、れっきとした教育方針として、10代の俺の前に立ちふさがっていたのだ。 スマホは父とともに 学校に行けなくなって、まずスマホを取り上げられた。 高校1年生の7月だったと思う。 「毎日ログインするとハンコが押されるアプリ」の更新が途絶えたことが、最初はショックだった。 スマホを取り上げられるひと月前に、入っていたテニス部を辞めていた。 家に帰ってスマホばかり見ている俺に我慢ができなかったのだろう。 「学校に行かないのならスマホは預かる」と言って、父は俺のスマホを鞄に入れ、そのまま職場へ向かってしまった。 新ルール、発動 また学校に安定して通い始め、再度スマホを使えるようになった。 そのころには新たにルールが加わり、「使用は朝8時から夜10時まで、それ以外の時間は父に預ける... --- ### 「無駄こそ子ども時代の象徴」フリースクールの子どもが教えてくれた大切なこと - Published: 2025-02-24 - Modified: 2025-02-26 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/13313/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ - 著者: 土橋優平 「PDCA」「パーパス・ドリブン」「ロジカル・シンキング」... ... 。大人のビジネスの世界に広がる思考に、正直疲れ切っているという保護者も少なくないのでは? ところが、私たちは知らず知らずのうちに、そうした枠組みで子どもの行動を見ていることがあります。 フリースクール代表・土橋優平さんも、そのことに気づいた一人。きっかけは、フリースクールの子どもたちとの何気ないやりとりでした。 (連載「出張版お母さんのほけんしつ」第56回・写真は土橋優平さん) ある日、オープンから少し遅れてフリースクールに辿り着くと、子どもたちは4、5人で庭に穴を掘っていました。なんの気なしに「え、何してるの?」と笑いながら聞くと、子どもたちからは「穴掘ってるの!」と元気に答えが返ってきました。 当たり前のような問いかけ。しかしこれは、「大人の悪い癖だ」と私ははっとしました。 「目的は?」は大人の都合 私たちは日常生活の中で、目的を持って行動しています。 とくに仕事においては、数字的な目標があり、その先には会社の利益があり、その先にお客さまや株主の幸せがあります。そうした先の先まで目的を見据えて、今目の前の業務を選び、実行します。 私ももちろん、それを実行する一人です。 子どもたちが「穴掘ってるの!」と答えたとき、そのキラキラ目を輝かせている表情を見て、私は「ああ、子どもたちに大人の都合を押しつけようとしてしまった」と反省しました。 言葉を変えるなら、「目的はなに?」「その行動の意図はなに?」と聞いていたのです。 子どもたちは「今に夢中」 でも、そのときの子どもたちの頭の中には、そんなものはありません。 いつものようにみんなで話をしていて、なぜか「穴を掘ろう」となったんでしょう。 穴を掘っている途中には、柔らかい土もあれば硬い土もあったでしょう。 スコップを何度も振るうちに、スコップの持ち方、先端の角度、足の置き場所、いろいろな感覚を掴んでいったかもしれない。 もしかしたら、虫が出てきて悲鳴があがったかもしれない。もしかしたら、鉄の塊にぶつかって「かってー!」「え、じゃあ俺やるよ!」なんて声の掛け合いがあったかもしれない。 今に夢中なんです。そこには目的も、想定するゴールもありません。 いつの間にか自分は、行動の先に目的を持つことが当たり前になって、それ以外は「無駄なこと」だと避けて生きるよ... --- ### 【アーカイブ動画無料プレゼント】高校中退したらどうすれば?不登校カウンセラーが語る「ただ、やめた」にしないための基本講座【期間限定】 - Published: 2025-02-21 - Modified: 2025-02-21 - URL: https://futoko-online.jp/event/13380/ - カテゴリー: イベント 高校中退にまつわる不安を一挙解決!大好評イベントのアーカイブ動画を期間限定で無料プレゼントします! イベント(動画)の趣旨〜「ただ、やめた」にしないために〜 文部科学省から発表された調査によると、令和5年度の高校中退者数は46,238人。 不登校の人数が毎年増えている中、中退者数も増加の傾向にあります。 出典:令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果 概要 次のような状況にある方は、実は少なくないということです。 ・高校中退の決断をしたが、中退後のことが決まっていない ・高校中退をするか迷っている ・今いる高校をやめて、通信制高校や定時制高校など別の場所に移りたい、高卒認定試験を受験したい 高校中退そのものは、よいことでも悪いことでもありません。中退後の将来は、もちろん無限に拓けています。 その上で、高校中退を「よい経験」にするために、そして「悪い経験」にしないために大切なことは、「中退の前後に何をするか」です。 「できること」はたくさんあります。 まずは、中退前後にどんなアプローチ方法があるか知ることからはじめましょう。 とは言いつつも、いざ、(お子さんが)当事者になって「何をどうすればよいのだろう?」と情報を探すと、お子さんに(自分に)合ったものが分からず、不安だけがふくらんでいく... という方も多くいらっしゃいます。 そこで2024年11月29日、ウェブメディア・不登校オンラインが、「高校中退の前後にできること・するべきこと」というテーマで、無料のオンライン講演会を実施しました。 イベントは、高校中退について悩む方が「次の一手」を考えるヒントを得られる内容です。 登壇者は、キズキ共育塾(※)の不登校カウンセラー・寺田真依さんです。 (※)キズキ共育塾:不登校や中退に悩む方々のための完全個別指導塾 大好評につき、アーカイブ配信が決定 本講座の内容が大変好評だったため、ご参加いただけなかった方々のために、アーカイブ配信を決定しました。詳細については、以下のリンクからご確認いただけます。 動画プレゼントのお申し込み方法 ◆アーカイブ動画プレゼント申し込みフォームはこちら ◼︎アーカイブ動画プレゼント申し込み締切 2025/2/28(金)23:59 ◼︎イベント詳細はこちら 不登校相談員による、個別無料相談会のご案内 キズキ共育塾では... --- ### 隠れ勉強ストレスにさよなら! 不登校の子どもの「本当の力」を取り戻そう - Published: 2025-02-21 - Modified: 2025-03-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/13296/ - カテゴリー: コラム - タグ: 学びの扉, 不登校前兆期 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 勉強, ストレス, 独学, 学習支援, 言語化 眠れなくなる。 食欲がなくなる。 ストレスが心身にさまざまな悪影響を及ぼすことは、よく知られています。 学校へ通っていない不登校のお子さんにとって、勉強のプレッシャーが大きなストレス源になっていることがあります。 お子さんが「勉強がつまらない」と言ったり、勉強の話題に拒否反応を示したりすると、つい叱りたくなるかもしれません。 でも、お子さんは怠けているわけではありません。むしろ、不登校のお子さんの多くが勉強について気にしていて、プレッシャーを感じていることもめずらしくないんです。 周りからは見えづらく、ときに本人も気づいていない勉強のストレス。 このコラムでは、そうしたストレスを「隠れ勉強ストレス」と呼び、その対策についてお話ししていきます。 自宅での独学における隠れ勉強ストレス 不登校のお子さんが自宅で独学する際に、自分に合った学習計画を立てるのに苦労することがあります。 どこから始めればいいのか、何を優先して学ぶべきなのかなど、自分で判断して計画に落とし込んでいくことは、大人でも難しいものです。 また、学習の進捗を確認する基準があいまいで、今の単元を十分に理解していて次の単元に進んでもいいのか、自信が持てないこともあります。 毎日勉強していたとしても成果が見えづらければ、「本当にこのままでいいのか」と不安にさいなまれることも。 勉強に対する焦りや不安を抱き、それが積み重なることで、じわじわとストレスが溜まっていきます。対処しないままでいると、こうした隠れ勉強ストレスが原因で本来の学力が抑圧され続け、さらにストレスが積み重なり... ... と悪循環になりかねません。 本人が自覚していないケースも 難しいことに、こうした隠れ勉強ストレスを本人が自覚していなかったり、自覚していても言葉にできなかったりすることも多いのです。 隠れ勉強ストレスの影響で恐怖心が膨らみ、「点数が悪かったら馬鹿にされるのでは」という思いに駆られがちです。過剰に心配し、睡眠時間を削るなど無理して勉強した結果、身体を壊すケースもあります。 あるいは、隠れ勉強ストレスに押しつぶされて、逆に勉強をやらなくなることもあります この場合、「勉強していないから、点数は取れなくて当たり前」と言い訳して、他者の評価から自分を防衛しようとすることがあるかもしれません。 人によっては、過眠に陥ったり、ゲームに逃避... --- ### 「公立の学びの多様化学校の増設を」保護者の要望はコレに尽きる!! - Published: 2025-02-20 - Modified: 2025-02-19 - URL: https://futoko-online.jp/questionnaire/13285/ - カテゴリー: アンケート - タグ: 無料記事 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 学びの多様化学校 「不登校オンライン」では、子どもの不登校・行き渋りを経験している保護者を対象に、学びの多様化学校に関するアンケート調査を実施しました。 多くの方が「子どもを学びの多様化学校へ通わせたい」と回答しましたが、実際には厳しい現実が。また、「通わせたくない」と回答した方からも、具体的で前向きなご意見が寄せられています。 今回は、在籍未経験者の保護者から寄せられた、「学びの多様化学校に関するご意見、お考え」をご紹介! 前回記事 9割が「通わせたい」と回答 「学びの多様化学校」アンケート結果 学びの多様化学校で迷う保護者たち「うちの子に合う? 合わない?」 実際どうなの? 「学びの多様化学校」経験保護者が語るリアル 設置数 ※以下、各コメント末尾の( )内は回答者のペンネーム・お子さんの現在・通わせたいかどうか。 もっと積極的に自治体に開校のノウハウを伝えて、数を増やしてほしいです。 このような場所が合う子もいると思うので、いろんな種類の居場所ができるのはいいことだと思います。でも動きが遅過ぎて、わが子には間に合わないだろうと感じています。 開校の際には、場所だけでなく、そこにいる教員の研修、教育などをしっかりしてほしいです。(ふむふむさん・小学校4年生・中学校2年生・通わせたくない) 不登校や行き渋りの場合、ごく近所の学校でも通えていない状況なので、現時点の限られた設置状況では、正直内容がどうあれ、助けとなる度合いは限られるように思います。 とはいえ、オンラインでの学習による学びの継続や、卒業認定など、存在意義も非常に大きいと思います。(リリさん・中学校2年生・通わせたくない) 受け入れ人数が少ないため、入りたくても入ることができないのがつらい。(モカさん・小学校6年生・通わせたい) 通いやすさ とても大切な場所だと思います。もっと数が増えて、現実的に通いやすい場所にあるといいです。(なおさん・小学校3年生、中学校2年生・通わせたい) 子どもが自分で通える範囲にできたらありがたい。(すーさん・中学校2年生・通わせたい) 近くにないので、ぜひ徒歩圏内にできてほしい。(りぃさん・小学校5年生・通わせたい) 今住んでいる地域に不登校の子どもたちが安心して通える場所がないので、開設してほしい。(まろさん・中学校1年生・通わせたい) 地域的公平性 小さい規模で、何キロ圏内に1カ所など、... --- ### 実際どうなの? 「学びの多様化学校」経験保護者が語るリアル - Published: 2025-02-19 - Modified: 2025-02-18 - URL: https://futoko-online.jp/questionnaire/13272/ - カテゴリー: アンケート - タグ: 無料記事 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 学びの多様化学校 「不登校オンライン」では、子どもの不登校・行き渋りを経験している保護者を対象に、学びの多様化学校に関するアンケート調査を実施しました。 「学びの多様化学校」経験者のリアルな声から、学校の魅力や課題が見えてきました。少数派だからこその貴重な経験談、ぜひ参考にしてください。 前回記事 9割が「通わせたい」と回答 「学びの多様化学校」アンケート結果 学びの多様化学校で迷う保護者たち「うちの子に合う? 合わない?」 1. 学びの多様化学校「入学申請中」の方の声 アンケート回答者のペンネーム・いとさんは、小学校6年生のお子さんの保護者です。今回の調査でただ1人、学びの多様化学校への入学に向けてアクションを起こしているお立場でご回答いただきました。 入学申請した理由 説明会に行き、子ども本人がこの学校に行きたいと言ったので、申請しました。また、「子どもが学校に合わせるのではなく、学校が子どもに合わせます」といった説明に私も魅力を感じました。 学びの多様化学校に対するご意見・お考え 毎日通学することが基本で、さらに申請する際に「人数が定員よりオーバーした場合には、毎日通学する意思のある子を優先します」との説明を受けました。 申請はしたものの、本人も毎日行けるかどうか不安やプレッシャーを感じています。週に何日かだけ登校するということも、オプションで選択できるといいと思います。 2. 学びの多様化学校へお子さんを通わせたことのある保護者の視点 学びの多様化学校の「よかったところ」 ※以下、各コメント末尾の( )内は回答者のペンネーム・お子さんの学年・現在の在籍状況。 学校の対応。無理をさせない。先生方が熱心。多くのスタッフがいらっしゃる。カウンセラーがほぼ毎日いらっしゃる。体験を重視した教育計画。決まりの遵守。(アラビアータさん・中学校2年生・卒業) 子ども一人ひとりに合わせてくれる。一人の子どもに対して、複数の先生が見守ってくれている安心感がある。子どもたちのやりたいことを尊重し、臨機応変に対応してくれる。(みー母さん・小学校3年生・在籍中) 本人がやりたいと思うことをある程度やらせてもらえる。学年問わずに仲良くなれる。(yuriさん・小学校5年生・在籍中) 本人のやる気を買ってくれて、成績をとても良くつけていただき、進学に有利になった。クラス人数が少なかった。(ひゅーまさん・中学... --- ### 【不登校混乱期】不登校ケアに「待つ」勇気を。ネガティブ・ケイパビリティという考え方 - Published: 2025-02-18 - Modified: 2025-05-06 - URL: https://futoko-online.jp/column/13253/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 不登校混乱期 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: ネガティブケイパビリティ, マインドフルネス, 瞑想, 完璧主義 「早く昼夜逆転を治したい」。 「早く外出できるようになってほしい」。 「早く進路を決めないと」。 早く、早く、早く... ... ! 日々膨大な情報に触れるなか、私たちは知らず知らずのうちに、「早いこと=よいこと」と思わされがちです。ままならない現状に、ついつい焦ってしまうことも。 しかし、不登校の子どものケアに焦りは禁物です。 【不登校混乱期とは】 不登校状態が定着し、今後の見通しがつかないまま時間が経過している時期です。この記事は、主にはこの時期のお子さんがいる保護者さんのための内容です。もちろん、それ以外の時期の方にもお役立ていただけます。 期間限定! 無料プレゼント あなたの声を聞かせてください 1. ネガティブ・ケイパビリティとは ネガティブ・ケイパビリティとは、19世紀のイギリスの詩人、ジョン・キーツが弟へ宛てた手紙の中で使った言葉です。 彼は、優れた文学者には「曖昧さや疑念のなかにあっても、それを受け入れる能力」が備わっていると考え、それを「ネガティブ・ケイパビリティ」と名付けました。 その後、イギリスの精神科医、ウィルフレッド・R・ビオンがこの概念に注目し、心の治療に取り入れました。 ネガティブ・ケイパビリティは、「不確実なものや未解決なものを、不安やイライラを感じることなく、受け入れる能力」とされています。 2. なぜ、不登校ケアにネガティブ・ケイパビリティが必要なの? 不登校の子どもにとって、保護者の存在は重要です。 学校へ行かないことで日常的に接する人が少なくなり、必然的に保護者と過ごす時間の比重が大きくなるからです。 あなたは今、不登校の子どもの不確実な状況に、不安やイライラを感じているかもしれません。 保護者が不安やイライラを感じていると、子どもはそれを敏感に感じとり、子ども自身も不安やイライラを感じます。 その様子を見て保護者が不安やイライラを募らせ、子どもに伝わり... ... この悪循環を断ち切るのに役立つのが、ネガティブ・ケイパビリティです。 保護者がネガティブ・ケイパビリティを身につけると、子どもに関する不確実な状況を、そのままに受け入れられるようになります。 不安やイライラを感じることなく、お子さんのペースに合わせてじっくりと待つことができるようになれば、保護者から子どもへ伝わる感情も変わります。 保護者が落ち着いていれば、子ど... --- ### 【不登校離職】「不登校の保護者と仕事」のアンケートを実施!〜退職、転職、働き方の変更、主婦・主夫からの就業〜 - Published: 2025-02-17 - Modified: 2025-03-04 - URL: https://futoko-online.jp/questionnaire/13233/ - カテゴリー: アンケート 昨今、不登校の人数が増える中、お子さんの不登校をきっかけに離職する保護者が増えています。一方で、「不登校の子どものケア」のために介護休業の制度を利用できる職場もあるようです。 ウェブメディア「不登校オンライン」は、お子さんが不登校・行き渋りである(であった)保護者さまを対象に、「不登校の保護者と仕事」についてのアンケートを実施します(回答期限:2025年3月3日(月)24時)。 アンケートで集まった「不登校の保護者にとって、仕事や働き方で重要なこと、役に立つこと」などを世の中に伝えて、社会全体の変化、理解のきっかけといたします。 アンケートの結果は、不登校オンラインで記事にするとともに、経済界や労働組合などに結果についての見解を求める予定です。 必須項目は、ほとんどが選択式のものです。下記のような方々は、ぜひ、ご協力をお願いします。 お子さんの不登校に関連して、退職した方。 同、転職した方。 同、働き方を変えた方(時短・異動・リモートワークなど)。 同、働き方を変えていない方。 同、専業主婦・主夫から就業した方。 同、仕事や働き方について世の中に伝えたいことがある方。 配偶者の方や、お知り合いの方にもお伝えいただければ幸いです。 回答はこちらから↓ https://form. run/@futoko-job 「不登校の保護者」と「仕事」の関係 「不登校の保護者」と「仕事」については、さまざまな調査結果が発表されています。 SOZOW株式会社の調査では、「不登校の親の5人に1人が離職せざるを得なかった」などの結果が発表されました(調査結果はこちら)。 NPO法人キーデザインの調査では、「保護者の2割が退職・休職、4割が早退・遅刻・欠勤が増えた」などの結果が発表されました(調査結果はこちら)。 「子どもの不登校」は、保護者の仕事に影響があるということが明確に示されています。 今回不登校オンラインがお聞きするのは、上記2つのアンケートは異なる視点の設問です(次章に続きます)。 こんなことをうかがいます! 今回のアンケートでは、以下のようなことがらについてお尋ねします(一部抜粋)。あなたのお声が、世の中に、「不登校の保護者と仕事」の実態を伝えます。ぜひご協力ください。 子どもの不登校に関連して、退職、転職、働き方の変更(時短、異動、リモートワーク)、就業をしましたか? 退職... --- ### 中川翔子×石井しこう対談「卒業式をもう一度」。不登校だったあの頃を、いま、卒業する。 - Published: 2025-02-15 - Modified: 2025-02-21 - URL: https://futoko-online.jp/interview/13194/ - カテゴリー: インタビュー - 著者: 中川翔子, 石井しこう - ハッシュタグ: 石井しこう, 卒業式をもう一度, 中川翔子, 卒業式 「不登校はダメなことじゃない。むしろ、たくさんのことを吸収できる、経験値ブーストタイムだった」。 そう語るのは、タレントの中川翔子さん。中学校時代に不登校を経験した中川さんは、不登校や学校生活で悩みを抱えた経験のある人たちへ向けたプロジェクト、「卒業式をもう一度」を立ち上げました。 このプロジェクトに共感し、サポートするのが、不登校ジャーナリストの石井しこうさん。 不登校経験者である中川さんと、石井さん。それぞれの視点から、不登校、そして「卒業式をもう一度」プロジェクトに込めた想いを語ってくれました。(対談は2025年1月に行われました。以下、敬称略。) ■中川翔子 写真について 衣装:ワイルドリリー info@e-toco. com ヘアメイク:灯(ROOSTER) スタイリスト:渡邊アズ(likkle more) 写真撮影:矢部朱希子 きっかけは、自身の不登校経験と通信制高校での「2枚の卒業証書」 石井:中川さんが「卒業式をもう一度」プロジェクトを始めようと思ったきっかけは何だったのでしょうか。 中川:私自身が中学校で不登校になり、卒業式には出ませんでした。その後、通信制高校に通い、そこで卒業証書をもらえた時、想像以上に嬉しかった。しかも、本校とサポート校のそれぞれでもらったので、2枚! このとき、「中学校の卒業式に出られなかったことを気にしていたんだな」と気づいた自分がいました。 今回のプロジェクトでは、3日間限定のフリースクール「空色スクール」を開校します。そこで、参加者同士が語り合い、過去の経験を共有することで、新たな思い出を作ってほしい。 そして、不登校だったあの頃の自分に「よく頑張ったね」「おめでとう」「生きていてくれてありがとう」と伝えられるような、新たな卒業証書をプレゼントしたいと思っています。 石井:新たな「もう1枚の卒業証書」。だから「もう一度」なんですね。 不登校だったあの頃。「人生が終わった」とさえ思った 石井:中川さんは中学校時代に不登校を経験されていますが、改めて当時を振り返って、どんなことがつらかったですか? 中川:小学校では、個性を褒めてくれるとてもいい先生と出会えて、自己肯定感を育ててもらえたんです。 しかし中学校に入ると、スクールカーストが立ちはだかります。私はそのなかで、上手く立ち回ることができませんでした。絵を描いているだけ... --- ### キズキの4人の相談員による”リレー相談”【第5回】時短で合格!高卒認定試験 〜次の8月に、高卒認定試験8科目に合格しよう!〜 - Published: 2025-02-14 - Modified: 2025-02-17 - URL: https://futoko-online.jp/event/13217/ - カテゴリー: イベント キズキは、2025年1月から3月にかけて、4月からの「新年度」に向けた個別相談企画を行います!(全7回予定) 4人の専任相談員が、順番に、それぞれの得意分野のお悩みにお答えします。 ご相談方法は、「お電話/オンライン」からお選びいただけます。ご相談は無料です。 新年度からの勉強、受験、不登校、発達障害、学校選び等の不安・お悩みがある方は、ぜひご応募ください。 【第5回】時短で合格!高卒認定試験 〜次の8月に、高卒認定試験8科目に合格しよう!〜 相談員:寺田 真依 第4回目のテーマは、”時短で合格!高卒認定試験”です。 はじめまして。 キズキ専任相談員の寺田真依です。 新年度が近づいてくると、必ず多くなってくるのが「高卒認定試験」のご相談です。 人によっては、8〜10科目も受ける必要がある高卒認定試験。 大学受験に比べて、検索しても情報量が少ない高卒認定試験について不安に思っている人も多いのではないでしょうか? ・8月に受けたいけれど、今から間に合うの? ・何から始めたらいいの? ・8〜10科目もどうやって勉強したらいいの? ・どの科目を受ければいいの? ・試験科目が増えるってホント? ・時間が無い大人が高卒認定試験を受ける時のコツを教えて! 高卒認定試験は、”時短で”勉強して合格できる試験です。 効率よく勉強して、次の8月の高卒認定試験合格を目指しましょう! 皆様のご応募を心からお待ちしております。 寺田真依のプロフィール 1999年生まれ。キズキ共育塾・不登校相談員。 高校不登校を経て、大学の法学部に進学、2022年に卒業。同年、株式会社キズキ(キズキ共育塾)に就職。 2024年8月まで名古屋校にて教室長を務め、多くの不登校のご家庭との相談を実施。 現在は不登校相談に加え、イベント登壇や自社メディアの運営などに携わり、不登校に関する課題をより広く社会に提起するための活動に尽力している。 ご応募方法 こちらのフォームからお申し込みください。 ◆ご相談は無料です。 お電話/オンラインで個別にご相談にお答えします。 ◆10名様定員とさせていただきます。 (※ご応募多数の場合は抽選を行います) ◆お時間帯によっては、他の相談員がご担当します。 ◆どなたでもお申し込み可能ですが、キズキ共育塾・キズキ家学にご入塾されている方は、対象外とさせていただきます。 ★キズキ共育塾 リ... --- ### 【不登校進行期】悩める保護者必見!「ワンオペ不登校ケア」からの脱却法 - Published: 2025-02-14 - Modified: 2025-03-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/13145/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 不登校進行期 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: フリースクール, 親の会, ワンオペ, 親コミュ, 相談窓口, 進行期, 引き算 子どもが不登校になった時、まず頭をよぎるのは不安や戸惑い、そして何よりも「自分がしっかりしなければ!」という気持ちではないでしょうか。 とくに、これまで子育てをおもに担って来られたのが母親の場合、「ワンオペ育児」ならぬ「ワンオペ不登校ケア」に陥りやすい状況があります。 不登校の子どもをサポートし、学校や関係機関との連携を取り、家事や仕事もこなし... ... 。文字通り、一人で何役もこなさなければならない状況は、心身ともに大きな負担がかかります。 今回は、「ワンオペ不登校ケア」から脱却し、少しでも負担を減らすためのヒントをお届けします。 【不登校進行期とは】 本格的な不登校が始まった時期で、心理的な落ち込みが見られることもあります この記事は、主にはこの時期のお子さんがいる保護者さんのための内容です。もちろん、それ以外の時期の方にもお役立ていただけます。 1. 「◯◯じゃない」の視点で役割分担をする まず考えたいのは、誰かと役割分担できないか、ということです。 家庭での日常生活、学校との交渉、学校以外の機関とのやりとり、情報収集、学習サポートなど、さまざまな切り口で「担当者」を割り振れないか、夫婦や家族、親しい人たちと相談してみましょう。 役割分担は「得意」ではうまくいかない このとき、その役割が「得意な人」に割り振ろうとすると、うまくいかないことがあります。 ほかの人からは得意そうに見えても、本人は得意だと思っていない(苦手に思っている)ことも少なくないからです。また、「得意」からスタートすると、「得意ではない=苦手だからできない」と、0か100かの発想になりがちです。 引き受ける人がいなくて、結局あなたの手元に多くの役割が残されてしまうことになりかねません。 「苦手じゃない」はマジックワード ここで役立つのが、「苦手じゃない」という視点です。得意というほどではないけれど、どうしてもできないというわけでもない。ケアを分担したい相手に「苦手じゃない」役割を引き受けてもらえないか、相談してみましょう。 もちろん、あなた自身も「苦手じゃない」役割を手元に残して、本当に苦手なものはできるだけ手離せるようにしてください。引き受ける人がいない場合、可能であれば「外注」したっていいんです。 ある父親のエピソード 中学生の娘が不登校になったNさん。   Nさんは、はっきりモノを言... --- ### 【不登校ママ、今月これ読みました】ベルマークはガス抜き!?『政治学者、PTA会長になる』 - Published: 2025-02-13 - Modified: 2025-02-13 - URL: https://futoko-online.jp/books/13136/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 無料記事 - 著者: 内田青子 - ハッシュタグ: PTA, 政治学者、PTA会長になる, 岡田憲治, ベルマーク 昭和の遺物か、ママたちの駆け込み寺か。 「時代遅れ」「非効率」と敬遠されがちなPTAに、大学教授が飛び込み、3年間会長を務めた経験を綴った『政治学者、PTA会長になる』(著・岡田憲治、毎日新聞出版、2022年)。 昭和の慣習が残るPTAで、令和の親たちが直面する悩みとは? そして、ベルマークに隠された意外な役割とは? PTA改革のヒントが詰まった一冊を読み解きます。 【関連記事】 【PTA特集】不登校中も6割が参加 「不登校とPTA」についてのアンケート調査結果 【PTA特集】理解されない、もう頑張れない... ... 保護者アンケートに見るホンネ① 【PTA特集】 どうせなら使い倒して脱・孤独! 保護者アンケートに見るホンネ② 【PTA特集】ほかの子を見るのがつらい 保護者アンケートに見るホンネ③   どうしてベルマークでチョークを購入するんだろう? PTAというとベルマークを連想する人も多いのではないだろうか。 手のひらに貼り付くセロファンのベルマークや、切り取りにくいボール紙のベルマークを集めてPTAに持っていって、ようやくもらえるのは、チョークや黒板クリーナー。 小学生にとっては、正直、まったくうれしくないモノばかりだ。 購買部でも売っているチョークを、わざわざベルマークを集めて購入する行為を、子ども心に「コスパ悪いな〜」と思っていた。 家事や仕事の合間にちまちまとベルマークを集めている親たちは、もっと非効率を呟いていただろう。 「何者でもない」ママたちとPTA 『政治学者、PTA会長になる』は、令和のPTAの中に分け入り、3年間もPTA会長を努めた大学法学部の岡田憲治教授のエッセーだ。 PTAというお堅いテーマを、お堅い大学のセンセイが書いているのだが、気楽なブログを読んでいるような文体でスルスルと読めてしまう。 平成、令和の親子が「時代遅れ」「非効率」と思ってしまうPTAの慣習に、大学教授の年配パパが挑み、改革を試みる。 そもそも、PTAは、終戦後、それまで男性の「奥」に隠れて家の中で家事をしていた母を、戦後民主主義を担う「新婦人」として啓蒙し、地域やコミュニティの担い手として公的な場で活躍させるためにできた組織だ。 戦前は、家の中でお勝手仕事(※)ばかりしていた母たちは、PTAという活躍の場を与えられ、男性が会社で行っているような資料作り、会計処理、会... --- ### 学びの多様化学校で迷う保護者たち「うちの子に合う? 合わない?」 - Published: 2025-02-12 - Modified: 2025-02-12 - URL: https://futoko-online.jp/questionnaire/13120/ - カテゴリー: アンケート - タグ: 無料記事 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 学びの多様化学校, 不登校特例校 「不登校オンライン」では、子どもの不登校・行き渋りを経験している保護者を対象に、学びの多様化学校に関するアンケート調査を実施しました。 この記事では、在籍未経験者の保護者からの声をご紹介します。 前回記事 9割が「通わせたい」と回答 「学びの多様化学校」アンケート結果 1. 学びの多様化学校へ「通わせたくない理由」 今回はあえて、ネガティブな意見から。 まず。学びの多様化学校へ「通わせたくない」と回答した保護者の方から寄せられた、「通わせたくない理由」を見てみます。 少数意見ではありますが、「不登校」を取り巻く状況を一括りには捉えられないことが、あらためてよくわかります。 ※以下、各コメント末尾の( )内は回答者のペンネーム・お子さんの現在。 公立学校の内容、対応や進み具合など、どれだけ本人のペースに合わせることが可能か、まだ分からない。場所が遠すぎて通えない。(kokoro25さん・小学校5年生) 子どもに合うなら通わせたい。合わないなら通わせない。学びの多様化学校が“学校”そのままの雰囲気だと上の子は通えないと思う。リラックスできる子どもに合った場所であるかが居場所選びでは重要。(ふむふむさん・小学校4年生、中学校2年生) 今、地元の民間団体が運営するフリースペースに通所しています。そこで子どもの成長が確認できているため変える予定はありません。 またわが家の場合、不登校になった経緯がいじめなどの対人トラブルではないため、通っていた学校の友だちに親しみがあります。在籍校を変えてまで、となると子どももまだ切り替えができないと思います。 多様化校とあるだけ、普通の学校の授業風景とは異なるかとは思いますが、公立学校の本質的な部分(先生の指示で皆が一斉に同じ行動をとる、授業の細かな部分にも規定があり弱点をフォローする工夫がとれない)が子どもには耐えがたかったこともあり、今のフリースペースが安定して通える場所になっています。(大根おろしさん・小学校2年生) 本人たちが希望しない、今通っているフリースクールに満足している。(そらとうみさん・小学校4年生、中学校1年生) 実施内容がよくわからない。(OTOMEさん・中学校2年生) 居住地の学校では、転校が必要だったから。友だちはそれなりにいて、教室には入れなくても、一部の学校行事は一緒に参加できていたから。(るりいろさん・中学校... --- ### 【2/14開催】無料オンラインイベント【ひきこもりのその後トークショー】当事者が語る社会復帰への道のり~最初の一歩、ボクはこう踏み出した~ - Published: 2025-02-12 - Modified: 2025-02-14 - URL: https://futoko-online.jp/event/13129/ - カテゴリー: イベント 【2025年2月14日14:30追記】 お申込みいただいた方には、自動返信でYouTubeライブのリンクをお送りしております。 リンクが正常に届かない場合は、迷惑メールフォルダ、プロモーションフォルダをご覧いただくか、以下のアドレスに当日19:00までにご連絡ください。 なお、上記お時間以降は、運営の都合上お返事が滞る場合がございますことご了承くださいませ。 media@kizuki. or. jp (追記ここまで) 2025年2月14日(金)20:00~20:30、ウェブメディア「不登校オンライン(運営:株式会社キズキ)」は、不登校からの進級・進学に悩む保護者向けの無料のオンラインイベントを開催します。 テーマは「【ひきこもりのその後トークショー】当事者が語る社会復帰への道のり~最初の一歩、ボクはこう踏み出した~ 登壇者は、キズキ共育塾(※)専任相談員の半村進さんです。 (※キズキ共育塾:不登校オンラインと同じく株式会社キズキが運営する「不登校のお子さんのための完全個別指導塾」)   イベント趣旨 一口に「ひきこもり」「不登校」といっても、その悩みは千差万別。 ネットや書籍にある一般論を見ても、「実際のお悩み」の「具体的な解決策」は、ズバリこれが正解!というようには見つからない場合も多いです。 一般論も大切ですが、同じくらい大切なのは、なるべく多くのアプローチや実例も知って、お子さんに(自分に)合ったものを選んだり組み合わせたりすること。 そうすることで、お子さんに(自分に)ピッタリ合った「次の一歩に進む方法」が見えてきます。 今回のイベントでは、そうしたアプローチ・実例をお伝えするべく、5年半のひきこもりから社会復帰を果たした半村進さんが下記のような実体験をお話します。 ・ひきこもりのきっかけ ・ひきこもり中の過ごし方 ・ひきこもり中の親子関係 ・社会復帰したきっかけ 半村 進(はんむら すすむ) 東京大学文学部歴史文化学科卒業。 大学在学中に5年半の引きこもり生活を経験。30歳で初のアルバイト。 2012年から講師としてキズキ共育塾に入社。その後、教室運営スタッフを経て、現在は専任相談員として不登校や勉強、進路などに関する相談を担当している。 イベント日時・参加申し込みなど ■実施日時 2025年2月14日(金)20:00~20:30 ■講演テーマ 【ひきこも... --- ### キズキの4人の相談員による”リレー相談” 【第4回】春の「塾デビュー」! 〜うちの子(自分)でも塾に行けるの?塾選びのコツお答えします〜 - Published: 2025-02-11 - Modified: 2025-02-11 - URL: https://futoko-online.jp/event/13111/ - カテゴリー: イベント キズキは、2025年1月から3月にかけて、4月からの「新年度」に向けた個別相談企画を行います!(全7回予定) 4人の専任相談員が、順番に、それぞれの得意分野のお悩みにお答えします。 ご相談方法は、「お電話/Zoom」からお選びいただけます。ご相談は無料です。 新年度からの勉強、受験、不登校、発達障害、学校選び等の不安・お悩みがある方は、ぜひご応募ください。 【第4回】春の「塾デビュー」! 〜うちの子(自分)でも塾に行けるの?塾選びのコツお答えします〜 相談員:西原 香織(にしはら かおり) はじめまして。 キズキ専任相談員の西原香織です。 春は塾デビューの季節です! 塾選び、失敗しなくないですよね。 塾選びに失敗すると、時間やお金をムダにしてしまったり、お子さん(ご自分)のモチベーションや成績がさがってしまったり... ... ということになりかねません。 中にはなかなか合う塾が見つからず、塾ジプシーになってしまう人もいます。 反対に、お子さん(ご自分)に合った塾にめぐりあって、ぐんぐんと成績を伸ばす方もいらっしゃいます。 では、お子さん(ご自分)に合った塾は、どうやって探せばいいのでしょう? 知名度? 合格実績? ネットの口コミ? 友達の評判? 今回は、さまざまな塾探しのご相談にお答えしてきた西原が、「塾選びのポイント」「塾に行って得られるメリット・デメリット」などをお話します。 フリーター・社会人など大人の方の塾探しのご相談にもお答えします! ご応募を、心からお待ちしております。 相談員:西原 香織(にしはら かおり) 慶應義塾大学文学部卒業。 大学卒業後は、地方の放送局で記者兼カメラマンとしてニュース制作に携わる。 結婚、出産を経て、2014年から ~キズキ共育塾で不登校や学習に関わる相談業務に携わり、1,000件以上のご家庭のサポートを実施。 自身も、現在高校2年になる双子の母。 ご応募方法 こちらのフォームからお申し込みください。 ◆ご相談は無料です。 お電話/Zoomで個別にご相談にお答えします。 ◆10名様定員とさせていただきます。 (※ご応募多数の場合は抽選を行います) ◆お時間帯によっては、他の相談員がご担当します。 ◆どなたでもお申し込み可能ですが、キズキ共育塾・キズキ家学にご入塾されている方は、対象外とさせていただきます。 ★キズキ共育塾 リレ... --- ### その瞬間、すべての時がつながった。 不登校の俺と犬のハナ④ - Published: 2025-02-11 - Modified: 2025-02-07 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/13002/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 【連載】前略、トンネルの底から - 著者: 古川寛太 - ハッシュタグ: 高校生, 犬, 犬の散歩 不登校だった高校2年生の冬、いつものように柴犬ハナのリードを握る古川寛太さん。 学校へ行けない自分に苛立ち、いっそぜんぶ手離してしまおうかと、不穏な思いをめぐらせていた古川さんは、気づくとある場所にたどり着いていました。 そこは、自分が行けないはずの、高校。 古川さんとハナをめぐる物語、いよいよ最終章!! (連載「前略、トンネルの底から」第25回・写真は古川寛太さん) どうしてこんなところまで 家から通っていた高校まで、約6kmの道のりである。 ひとりで歩いても1時間強。そこに降雪と犬の散歩が加わったその日は、片道で2時間以上かかった。 俺にとっては何度も通った忌まわしき道だが、飼い犬である彼女にとっては初めて出会う景色だ。 そもそも、いつもは30分ほどで終わる散歩が、片道で通常の4~5倍かかっている。顔色が変わっている様子はないが、よくここまで歩けたなと思った。 高校まで来た理由は、 特にない。 なんとなく馴染みのルートを歩いていたら、それが通学路だった。土曜日の夜中だったので校舎は暗く、帰りぎわの生徒とすれ違うこともなかった。 正門の時計は20時半を指していた。 昼間のぬくもりは消え、外の空気は完全に冷え切っている。彼女の息も徐々に白さを増していた。 この場所に来てはじめて、俺はどうしてこんな遠いところまで散歩させているのだろう、と思った。 校舎を囲う塀と、うちの飼い犬が、同時に見えていることが不思議だった。 真っ白いステージの上で 適当に校舎の外周をまわり、生徒玄関前に来た。 柵などはなく、玄関までの通路は開放されている。 ふと、彼女が地面の雪を嗅ぎながらその敷地内へ侵入した。 人が出入りしたあとに雪で上書きされ、真っ白くなったステージの上に、彼女の足跡が刻印される。ひとつ、またひとつと。 この場所では見慣れない小さな跡が、ぽつぽつと付いていくのを追っていると、彼女は立ち止まってこちらへ振り向いた。 すべては、存在した ハナと目が合う。 時間が止まった。 つながった気がした。あの11時半と、あの14時と、あの0時半と、あの18時と... ... 。 ひとりでいた家のリビングと、大きな決心が必要だった怪獣の口みたいな生徒玄関とが、ハナを通じてつながった気がした。 で葛藤する俺も、校舎を前に怖気づく俺も、何よりうちの飼い犬も、確かに「存在した」のだと感じた。どちら... --- ### 不登校の子どもが「ひま」と言ったら? 今こそ保護者がすべきこと - Published: 2025-02-10 - Modified: 2025-02-06 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/12974/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ - 著者: 土橋優平 - ハッシュタグ: ひま, 回復期, コミュニケーション 不登校のお子さんを育てる保護者の方は、1日も早く子どもに「元気」になってほしいと願うもの。少しでも回復の兆しが見えると、はやる気持ちが抑えられなくなることもあります。でも、ちょっと待ってください。回復期だからこそ、保護者に必要なマインドがあるんです。 フリースクール代表・土橋優平さんが、回復期にある不登校のお子さんとの向き合い方のコツを教えてくれました。 (連載「出張版お母さんのほけんしつ」第55回・写真は土橋優平さん) 「子どもが最近『ひま』と言うようになりました。ですがフリースクールを勧めても嫌と言い、家のお手伝いをお願いしてもそれがきっかけでケンカになることも。回復期だと思うのですが、どのように関わればよいのでしょうか」。 こんなご相談をいただきました。 保護者としても、「よし、ここから次の段階へ」とステップアップを望むようになるタイミングだと思います。 ただ一方で、このタイミングだからこそ大切にしたいことがあります。今回はそれをお伝えします。 「ひま」はよい兆候 回復期に至るまで、保護者の方にはたくさんの葛藤があったと思います。それを乗り越えた結果、子どもが安心して生活できるようになり、エネルギーがたまったので、「ひま」という声も聞こえるようになったのだと推察します。 たしかに、「ひま」という言葉が出るようになったのはよい兆候です。 学校へ行けなくなった最初の頃は、頭の中がネガティブなことで支配されていたり、ゲームなどに没頭することでつらい現実から目を背けていたりしたでしょう。でも「大丈夫だ」と安心して生活できるようになったことで、視野が広がり、何か刺激を求めるようになった証なのだと思います。 それは誰の望み? ここで大切なのは、 子どもの関心に寄り添うことです。 フリースクールや家の手伝いを勧めた際に嫌がったのは、それがお子さんの関心ごとではなかった、もしくは何らかの嫌なことがそこにあったからでしょう。どちらかというと今回の提案は、保護者にとって「してほしいこと」だったのだと思います。 この回復期に至るまで、保護者としての期待をぐっと堪えてこられたのだと思いますが、回復期に入ったからといって期待を持ってよいというわけではありません。回復期に入ったとしても、これまでと変わらず子どもの関心や意思を尊重することが重要です。 子どもが苦しそうだから一時的に自由にさ... --- ### 【大募集】みんなの好きな「YouTubeチャンネル」を知りたい! 不登校の保護者さん、なに見てる? - Published: 2025-02-07 - Modified: 2025-03-04 - URL: https://futoko-online.jp/questionnaire/13020/ - カテゴリー: アンケート - タグ: 募集, 無料記事 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 趣味, YouTube, 不登校ライフ, おすすめ 不登校の保護者さま、ご本人さま、あなたのおすすめYouTubeチャンネルを知りたい! 「あなたの好きなYouTubeチャンネル」を教えてください! 趣味は、だいじ。 いきなり何のことかと思われたかもしれませんね。 不登校オンラインではこれまで、不登校のお子さんにも、保護者の方にも、趣味をもつことをおすすめしてきました。 趣味に没頭することで、生活にメリハリがついたり、リフレッシュできたり、将来への展望が広がったりと、家族それぞれの「不登校ライフ」が充実するからです。 でも、「趣味と言われても、ねぇ... ... 」と、戸惑われた方も少なくないのでは? そこで、不登校オンラインが注目したのが「YouTube」。 数多(あまた)のチャンネルが乱立するYouTubeの中に、みなさんの趣味のタネが埋もれているのでは?と考えました。もちろん、「好きなYouTubeチャンネル」を見ることそのものも趣味になります。 今回は、不登校のお子さん、保護者などのご家族がお好きなYouTubeチャンネルを大募集します。 YouTubeは、「あなたにおすすめ」の動画を表示するため、まったく新しいチャンネルとの出会いは、ちょっと難しいです。 あなたがいつも見慣れているチャンネルが、ほかの不登校親子の「新しい趣味・好きなチャンネルの発見」につながるかもしれません。 ぜひ、「あなたの好きなYouTubeチャンネル」を教えてください!  編集部も楽しませていただきます! 投稿できる方 過去、現在を問わず、以下に該当する方。 不登校・行き渋り経験のあるお子さん 不登校・行き渋り経験のあるお子さんの保護者 不登校・行き渋り経験のあるお子さんのご家族等(保護者以外) 投稿条件 好きなYouTubeチャンネルは、お1人さま2つまでご応募いただけます。 1家族で複数の人が投稿したい場合には、それぞれ別のフォームおよびペンネームで投稿してください。 締切 2025年2月28日(金)24時 応募フォーム 下記のリンクからご応募いただけます。 https://form. run/@kizuki-FutokoOnline-202503-ytchannel 以下のQRコードからもご応募いただけます↓ 番外編:不登校オンライン「中の人たち」が好きなYouTubeチャンネル 今回の企画にあたって、不登校オンライン編集部の5... --- ### 【完全保存版】「不登校3大課題に効く対処法」を無料プレゼント〜ゲーム・スマホ依存、昼夜逆転、勉強〜 - Published: 2025-02-07 - Modified: 2025-05-06 - URL: https://futoko-online.jp/questionnaire/13006/ - カテゴリー: アンケート - タグ: ピックアップ, プレゼント ウェブメディア「不登校オンライン」が、不登校の保護者が悩む3大課題への「見守りだけではない、その先にある対処法」をわかりやすくまとめたホワイトペーパー(PDF)を無料で配布します。 不登校の保護者がよく悩む3つのテーマ〜ゲーム・スマホ依存、昼夜逆転、勉強〜 不登校の子どもがいる保護者が本当によく悩むこと。それは次の3つです。 子どもがゲーム・スマホに依存しがち 子どもが昼夜逆転しがち 子どもに勉強のことを話せない これらについては、専門家がさまざまなメディアで「まずは見守りを」と発信しています。 とはいえ、「見守る」だけで変化の見えない現状に、「いったいいつまでこのままでいいの?」「本当にこのままでいいの?」と不安に思う保護者もまた、大勢いらっしゃいます。 「不登校3大課題に効く対処法(PDF)」の掲載内容 そうしたお悩みの解決に向けて、「不登校オンライン」では、以下の内容をわかりやすくまとめた対処法を記したPDFを、無料でプレゼントします。 1. ゲーム・スマホ依存について: 「本当にまずいゲーム・スマホ依存かどうか」を見極める、具体的な5つのチェックポイント 2. 昼夜逆転について: 「本当にまずい昼夜逆転かどうか」を見極める、具体的な6つのチェックポイント 昼夜逆転を無理に治さない場合の3つの考え方 昼夜逆転を治したい場合の5つの対処法 3. 勉強について: 勉強の話をしてもOKな3つのタイミング 勉強の話を切り出す際の3つのポイント 作成者は、12年の実績がある不登校相談員の半村進 各ポイントなどは、不登校の子どものための完全個別指導塾「キズキ共育塾」で約12年・2,000名以上からの相談を承ってきた不登校相談員・半村進によるものです。 「不登校3大課題に効く対処法(PDF)」の利用方法 対処法のチェックポイントなどは、保護者さまはもちろん、自分の状況は大丈夫だろうかとお悩みの不登校のご本人さまも利用可能。 ゲーム・スマホ依存と昼夜逆転については、「本当にまずい場合」であるとわかれば、医療機関や不登校のサポート団体への相談をためらわずに行うようにしましょう。 また、それらの「本当にまずい場合」以外にも、勉強の話についても、不登校の次の一歩に進むためには、サポート団体への相談が役に立ちます。 チェックリストの結果が「本当にまずい場合」ではなくても、「こうした状... --- ### 【大募集! みんなの不登校川柳】そのキモチ、五七五(ゴー・シチ・ゴー)にのせてみて! - Published: 2025-02-06 - Modified: 2025-04-17 - URL: https://futoko-online.jp/questionnaire/12979/ - カテゴリー: アンケート - タグ: 募集, 無料記事 - ハッシュタグ: 川柳 【2025年4月16日/17日追記】 たくさんのご応募、ありがとうございました。大賞・優秀賞・佳作を下記にて紹介しておりますので、ぜひご覧ください。 親・家族編はこちら! 本人(当事者・経験者)編はこちら! 【追記ここまで】 ーーーーー 不登校オンラインは、「大募集! みんなの不登校川柳」を開催します! 不登校にまつわる「あるある」や、自分や家族の不登校中に感じた気持ち、お悩み、希望、楽しさ、意外なエピソードなど、不登校に関連することなら何でも大歓迎。 「不登校」という言葉が入っていなくてもOKです。 グッときた作品は、不登校オンラインの記事で発表します。 不登校の当事者や家族同士で、「そうそう!」と共感するもよし、「えーっ! そうなの?」とびっくりするもよし。 川柳に表現されたみなさんのキモチで、バタフライ・エフェクトを起こしませんか? さらに、大賞作品も選定させていただきます。 大賞の方にはAmazonギフトカード(3,000円分)をプレゼント! 五七五のリズムにのせて、あなたの思いを羽ばたかせてください! 応募できる方 過去、現在を問わず、以下に該当する方。 不登校・行き渋り経験のあるお子さん 不登校・行き渋り経験のあるお子さんの保護者 不登校・行き渋り経験のあるお子さんのご家族等(保護者以外) 応募条件 ご応募いただける作品は、未発表のものに限ります。 お1人さま2句までご応募いただけます。 1家族で複数の人が投稿したい場合には、それぞれ別のフォームおよびペンネームでご応募ください。 川柳の著作権は応募者さまに帰属します。その上で、株式会社キズキは、ご応募いただいた川柳をペンネームとともに自社が運営する媒体(Webサイト、SNSなど)で、応募者さまに無償・無通知で掲載できるものとします。また、プレスリリースや提携メディアにおいても、同様に掲載されることがあります。 締切 2025年2月28日(金)24時 応募フォームはこちら↓ https://form. run/@kizuki-FutokoOnline-202503-senryu 以下のQRコードからもご応募いただけます↓ 「不登校オンライン」では、会員向けの記事(有料)をご用意しています。不登校のお子さんをサポートするために知っておきたい情報や、同じ悩みをもつ親御さんの体験談などを掲載しています。お申し込... --- ### 英単語、何度も書いたのに忘れちゃう? 不登校のお子さんにオススメの最新学習法とは - Published: 2025-02-05 - Modified: 2025-02-05 - URL: https://futoko-online.jp/study/12958/ - カテゴリー: コラム, 勉強・進学・進路 - タグ: 学びの扉 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: インターリーブ学習, サンドイッチ勉強法, ツァイガルニク効果, ポモドーロ・テクニック, 自宅学習 自宅で勉強に取り組んでいる不登校のお子さんもたくさんいます。お子さんが、たとえ今はそうではなくても、いずれ勉強に取り組みたくなる時期がおとずれます。 でも、自宅でひとりで勉強していると、こんな悩みでつまずきがち。 「この英単語、昨日あんなに何回も紙に書いて覚えたのに、今日はまったく思い出せない... ... 」 「嫌いな科目はいつも後回し。気づくと好きな科目ばっかり勉強している... ... 」 今日はそんな悩みを解消できるかもしれない、話題の勉強法「インターリーブ学習」をご紹介します。 インターリーブ学習って何? 誰もがおなじみ「反復学習」は、同じことを何度もくり返し学習して覚える方法です。 例えば、英語であれば何度も同じ英単語を書いて覚えたり、数学であれば同じ方程式を使う問題を連続して解くという学習法です。 それに対して「インターリーブ学習」とは、関連性のあるものをランダムに混ぜて学習する方法です。 実はこの方法、音楽やスポーツの世界では広く使われています。 例えば、サッカー。 リフティングの練習だけをひたすら続けるのではなく、キックや走り込みを織り交ぜた練習を行うなど、より実戦で活かせる効率的な練習方法として取り入れられています。 インターリーブ学習のメリット インターリーブ学習は、別名「サンドイッチ勉強法」とも呼ばれます。 食パンにレタスをハムやチーズと一緒に挟むと、レタスが苦手でも食べやすくなりますよね。同じように、インターリーブ学習で苦手な教科と得意な教科を交互に学ぶことで、苦手な教科の学習に取り組みやすくします。 脳科学の観点からも、異なるトピックを交互に学ぶことで、脳が情報の違いや特徴をより鮮明に認識し、学習効果が高まるとされています。 (参考:The Benefits of Interleaved Practice) また、学習で一定の達成感が得られると、学習効果が低下することがあります。 インターリーブ学習は、この現象を防ぐのにも役立ちます。あえて不完全な状態で終わらせて次の学習に移ることで、先に行った学習の内容を記憶に残りやすくすることができるのです。これを心理学では「ツァイガルニク効果」と言います。 不登校の子どもは、通常の学校生活を送る子どもに比べて、学習のリズムを維持するのが難しいことがあります。 インターリーブ学習を取り入れて異なる科目... --- ### 【2/7開催】無料オンラインイベント【不登校のその後トークショー】不登校から社会人になるまでのリアル~受験・就職・親との関係編~ - Published: 2025-02-05 - Modified: 2025-02-07 - URL: https://futoko-online.jp/event/12939/ - カテゴリー: イベント 【2025年2月7日14:30追記】 お申込みいただいた方には、自動返信でYouTubeライブのリンクをお送りしております。 リンクが正常に届かない場合は、迷惑メールフォルダ、プロモーションフォルダをご覧いただくか、以下のアドレスに当日19:00までにご連絡ください。 なお、上記お時間以降は、運営の都合上お返事が滞る場合がございますことご了承くださいませ。 media@kizuki. or. jp (追記ここまで)   2025年2月7日(金)20:00~20:30、ウェブメディア「不登校オンライン」は、不登校からの進級・進学に悩む保護者向けの無料のオンラインイベントを開催します。 テーマは「【不登校のその後トークショー】不登校から社会人になるまでのリアル~受験・就職・親との関係編~」。 登壇者は、キズキ共育塾(※)不登校相談員の寺田真依さんです。 (※キズキ共育塾:不登校オンラインと同じく株式会社キズキが運営する「不登校のお子さんのための完全個別指導塾」)   イベント趣旨 一口に「不登校」といっても、その悩みは千差万別。 ネットや書籍にある一般論を見ても、「実際のお悩み」の「具体的な解決策」は、ズバリこれが正解!というようには見つからない場合も多いです。 一般論も大切ですが、同じくらい大切なのは、なるべく多くのアプローチや実例も知って、お子さんに(自分に)合ったものを選んだり組み合わせたりすること。 そうすることで、お子さんに(自分に)ピッタリ合った「次の一歩に進む方法」が見えてきます。 今回のイベントでは、そうしたアプローチ・実例をお伝えするべく、不登校から進学・就職を経験した寺田真依さんが下記のような実体験をお話します。 不登校中の親子関係 不登校からの受験、進学・就職でやってよかったこと 不登校からの受験、進学・就職で苦労したこと 寺田真依(てらだ まい) こんにちは。キズキ共育塾・不登校相談員の寺田真依です。 私は高校時代に不登校を経験しました。 真面目で学級委員タイプだった私がある日突然学校に行かなくなったことに、周りの大人が戸惑っていたことを覚えています。 不登校は、怠けではありません。 心を守る手段のひとつとして学校に行かない選択をしている子どもたちも多くいます。 私もそうでした。 「頑張りたくても頑張れない」、そういった状況に悩んでいる親子は少な... --- ### 9割が「通わせたい」と回答  「学びの多様化学校」アンケート結果 - Published: 2025-02-04 - Modified: 2025-02-04 - URL: https://futoko-online.jp/questionnaire/12898/ - カテゴリー: アンケート - タグ: 無料記事 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 学びの多様化学校, 不登校特例校 文部科学省が、不登校支援策として設置を進めている「学びの多様化学校(旧称:不登校特例校)」。全国に300校の設置を目指していますが、令和6年度にはわずか35校にとどまっています 開設予定の学びの多様化学校はあるものの、不登校児童生徒数が増加するなか、学習環境の整備がまだまだ追いついていないのが現状です。 「不登校オンライン」では、子どもの不登校・行き渋りを経験している保護者を対象に、学びの多様化学校に関するアンケート調査を実施し、157名の方からご回答いただきました。 その結果、およそ9割の保護者が「学びの多様化学校へ通わせたい」と回答。学びの多様化学校への保護者の期待の高さがうかがえます。   学びの多様化学校の認知度は 学びの多様化学校について知っているか尋ねたところ、「知っている」と答えた方が101名と、全体の64. 3%を占めました。「『不登校オンライン』の記事で知った」と答えた17名を合わせると、およそ75%の方が、これまでに学びの多様化学校に関する何らかの情報に接していることがわかりました。 ただし、「お子さんの不登校や行き渋りを経験された保護者」という、限定された範囲の方々の回答ということには留意する必要があるでしょう。   学びの多様化学校を利用できる家庭は少ない 認知が広がっている一方で、これまでにお子さんが学びの多様化学校に在籍したことがあるかという質問に、「ある」と答えた方はわずか14名(8. 9%)。 そのほとんどが、学びの多様化学校を好意的に評価しています。しかし、私立校の学費負担や、学びの多様化小学校から従来型中学への進学を懸念する声も寄せられています。   9割が学びの多様化学校に「通わせたい」。しかし課題も お子さんが学びの多様化学校に在籍したことが「ない」と答えた方に、通学可能な学びの多様化学校があれば、お子さんを通わせたいかを尋ねたところ、「通わせたい」と回答したのは127名(88. 8%)。1名が通学に向けてアクションを起こしています。 「通わせたくない」と回答した方も15名(10. 5%)いました。学びの多様化学校が、必ずしもすべての家庭に適しているわけではなく、従来型学校のあり方の見直し、フリースクールなどほかの選択肢の充実も、同時に進めていくべき課題です。   学びの多様化学校の、ここが知りたい お子さんが学びの多様化学校... --- ### キズキの4人の相談員による”リレー相談” 【第3回】発達障害・グレーゾーンの勉強・人間関係 〜春から”できるようになったね”を増やすために〜 - Published: 2025-02-04 - Modified: 2025-02-04 - URL: https://futoko-online.jp/event/12890/ - カテゴリー: イベント キズキ共育塾は、2025年1月から3月にかけて、4月からの「新年度」に向けた個別相談企画を行います!(全7回予定) キズキ共育塾の4人の専任相談員が、順番に、それぞれの得意分野のお悩みにお答えします。 ご相談は無料です。どなたでもお申し込み可能です。 新年度からの勉強、受験、不登校、発達障害、学校選び等の不安・お悩みがある方は、ぜひご応募ください。 【第3回】発達障害・グレーゾーンの勉強・人間関係 〜春から”できるようになったね”を増やすために〜 相談員:内田 青子(うちだ せいこ) 第3回目のテーマは、”発達障害・グレーゾーンの勉強・人間関係”です。 キズキ専任相談員の内田青子です。 私はキズキ講師として、多数の発達障害やグレーゾーンの生徒さんと勉強をしてきました。 その中でよく思うことがあります。 「発達障害・グレーゾーンだからといって、必ずしもずっと勉強ができないわけじゃないし、仲間ができないわけじゃない」ということです。 発達障害のお子さんは、できるようになるまで、ちょっと時間がかかることが多いです。 そのため、ご相談を受けていると、時々、諦めモードの親御さんがいらっしゃいます。 親御さんのご不安もわかりますが、諦めモードになるのは、少し早いかもしれません。 春からお子さんの”できるようになったね”をひとつでも増やしていけるように... 今回は、親御さんが明るくなるようなお話ができたらと思っています。 内田 青子(うちだ せいこ) 上智大学卒。百貨店勤務などを経た後、キズキ共育塾で講師として3年間、国語(現代文・古文・漢文)と小論文を指導。並行して、聖徳大学通信教育部心理学科に入学。臨床心理士を目指して院試の勉強に取り組んでいたが、キズキのカウンセリングだけではない実践的な支援に魅力を感じ、キズキ入社を選ぶ。不登校、発達障害、勉強、受験などの相談に600件以上答えて来た。キズキのコラムやWEBメディア『不登校オンライン』で、発達障害や不登校に関する記事も多数執筆。 内田青子の執筆記事はこちら(不登校オンライン) ご応募方法 こちらのフォームからお申し込みください。 ◆ご相談は無料です。 お電話/Zoomで個別にご相談にお答えします。 ◆10名様定員とさせていただきます。 (※ご応募多数の場合は抽選を行います) ◆お時間帯によっては、他の相談員がご担当します。... --- ### 【好評につき追加開催】保護者さま向けオンライン勉強会のお知らせ〜「不登校からの進路設計と今から準備できること」【埼玉・東京・愛知・大阪版】 - Published: 2025-02-03 - Modified: 2025-02-03 - URL: https://futoko-online.jp/event/12880/ - カテゴリー: イベント - タグ: 無料記事 大好評をいただいている無料勉強会を、2025年2月に追加開催いたします! ※主催:キズキ共育塾・キズキ家学(不登校オンラインと同じく、株式会社キズキが運営する「不登校のお子さんのための完全個別指導塾・家庭教師」) ぜひご検討くださいませ。 1. 勉強会の趣旨 お子さまが不登校になったら、次のようなことが不安になりませんか。 「進学や学校復帰はあきらめないといけない?」 「不登校の子の将来に向けて、何を準備すればいい?」 私たち「キズキ共育塾」「キズキ家学」では、そのような生徒さま・保護者さまのお話をたくさんお聞きしてきました。 そして、学校に行けなかった方が高校や大学に進学し、「自立」できるようにと、これまで約8,000人以上の生徒さまをサポートしてまいりました。 この勉強会では、不登校のお子さまがいらっしゃる保護者の方が、次のようなことがわかります。 「これからどうお子さまをサポートすればいいのか」 「何を準備しておけばいいのか」 将来の進路選択に悩まれている方も、お子さまのこれからについて漠然と不安がある方も、ぜひご参加くださいませ。 2. 勉強会概要・お申し込み ■勉強会テーマ 「不登校からの進路設計と今から準備できること」 ■登壇者 キズキ共育塾 大宮校・町田校 教室長 兼 学習カウンセラー 末永 雅彦(すえなが まさひこ) (町田校は2025年2月開校予定です) キズキ共育塾 名古屋校 教室長 兼 学習カウンセラー 吉川 佑人(よしかわ ゆうと) キズキ共育塾 天王寺校 教室長 兼 学習カウンセラー(医学博士) 中村 憲治(なかむら けんじ) ■実施日時 以下のいずれかをお選びください。 埼玉県版 2/5(水) 19:30-21:00 2/21(金)10:30-12:00 東京都(南多摩)版 2/7(金) 10:30-12:00 2/22(土)10:30-12:00 愛知県版 2/5(水) 19:30~20:30 2/7(金) 10:30~11:30 2/21(金)10:30~11:30 2/22(土)10:30-12:00 大阪府版 2/6(木) 19:30~20:30 2/8(土) 10:30-11:30 2/20(木)19:30~20:30 2/25(火)10:30-11:30 ■開催方法 オンライン(ZOOM) ■参加費 無料 ■勉強会の対象 以下... --- ### 【不登校ニュース】不登校の娘を守った母の決断 母娘の挑戦が「シチズン賞」受賞 - Published: 2025-02-03 - Modified: 2025-02-04 - URL: https://futoko-online.jp/news-article/12871/ - カテゴリー: ニュース - タグ: 無料記事 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: ニュース, シチズン・オブ・ザ・イヤー, カウンセリング, シングルマザー, じぶんらしさ商店 2025年1月30日、「2024年シチズン・オブ・ザ・イヤー」が発表され、都内のホテルで表彰式が行われました。 この賞は、「広い視野から市民を顕彰する賞」として1990年にシチズン時計が創設したものです。毎年、1年間の新聞記事の中から、市民社会に貢献した個人や団体が選ばれています。 35回目を迎えた今回は、3組が受賞。うち1組は、愛知県名古屋市在住の親子・小沢ちえさん(母)、小沢ほのさん(娘)です。 (写真:左=選考委員長・武内陶子さん/中央=小沢ほのさん/右=小沢ちえさん) 娘のほのさんは不登校経験者。母親のちえさんと共に、2022年、公式LINE「じぶんらしさ商店」を開設し、不登校の親子のカウンセリングを行っています。 カウンセリングは相談者の自宅を訪問して行っているため、活動地域は愛知県を中心とした東海エリア。これまでに80組以上の不登校親子の相談に乗ってきました。 ほのさんは、中学時代、教師による配慮に欠ける発言をきっかけに不登校になりました。絵を描くことが好きだったほのさんは、イラストを学べる専門学校を自分で探し出し、体験学習を経て、中学卒業後はその専門学校へ進学します。 一方で、シングルマザーとしてほのさんを育てていたちえさんは、当初は娘の不登校を受け入れられなかったと言います。ちえさんは会社を休職して娘と向き合い、さらにカウンセリングを学ぶなかで、「子どもにしてはいけないことを全部していた」と気づきます。 カウンセラー資格を取得したちえさんと、21歳となりイラストレーターとして活躍するほのさんは、母娘二人三脚で、不登校に悩む子どもと親がそれぞれに「自分らしく生きる」ことの大切さを伝える活動を続けています。 「2024年シチズン・オブ・ザ・イヤー」選考委員長を務めた武内陶子さん(フリーアナウンサー)は、表彰式の中で、「小さな新聞記事から滲み出てくるような活動」と、それぞれの活動の社会的意義を評しました また、小沢ちえさん・ほのさんの活動に関連し、自身の子どもが学校へ行けなくなった経験に触れ、「ほかの人には何でもない一言が、“まさに今の私のための言葉”に感じられる」感動を語り、こうした活動が広がっていくことへの期待を寄せました。 ■「2024年シチズン・オブ・ザ・イヤー」受賞者(公式発表順) 一般社団法人 日本認知症本人ワーキンググループ(JDWG) 小沢... --- ### キズキの4人の相談員による”リレー相談” 【第2回】半村進の”学校見極め相談” 〜【高校・大学受験】入試方式・学校選びのコツをお答えします〜 - Published: 2025-01-31 - Modified: 2025-02-15 - URL: https://futoko-online.jp/event/12845/ - カテゴリー: イベント キズキ共育塾の4人の専任相談員が、順番に、それぞれの得意分野のお悩みにお答えします。 ご相談は無料です。どなたでもお申し込み可能です。 新年度からの勉強、受験、不登校、発達障害、学校選び等の不安・お悩みがある方は、ぜひご応募ください。 【第2回】半村進の”学校見極め相談” 〜【高校・大学受験】入試方式・学校選びのコツをお答えします〜 相談員:半村 進(はんむら すすむ) 第2回目のテーマは、半村進の”学校見極め相談”です。 僕は、キズキ共育塾の”名物講師”として、キズキ創業当初から多数の受験をサポートして参りました。 新年度が近づいてきたこの時期は、来年度以降の受験のご相談も増えて参ります。 そこで、第2回は「入試方式や学校選び」をテーマにご相談にお答えすることにしました。 ・不登校のお子さん(自分)が続けやすい学校選び ・お子さん(自分)に有利な学校、入試方式選び ・やりたいことがない時の大学・学部選び ・社会人・フリーター等、大人の大学・学部選び ・その他、学校選び・入試のお悩み相談 高校受験や大学受験に限らず、高認や資格試験などの受験のご相談も大歓迎です。 お話しできることを楽しみにしています。 半村 進(はんむら すすむ) 東京大学卒。 不登校・5年半のひきこもりを経験した後、キズキ共育塾の講師となる。 30歳ではじめて行ったアルバイトが、キズキの塾講師だった。 総計2,000名以上の保護者・生徒の相談に答えてきたキズキの専任相談員。 【半村の関連記事】 ・朝日新聞(2023年9月) ・教えてgoo! (2023年7月) ・朝日新聞(2022年6月) ・東洋経済オンライン/不登校新聞(2021年8月) ご応募方法 こちらのフォームからお申し込みください。 ◆ご相談は無料です。 お電話/Zoomで個別にご相談にお答えします。 ◆10名様定員とさせていただきます。 (※ご応募多数の場合は抽選を行います) ◆お時間帯によっては、他の相談員がご担当します。 ◆どなたでもお申し込み可能ですが、キズキ共育塾・キズキ家学にご入塾されている方は、対象外とさせていただきます。 ★キズキ共育塾 リレー相談 全7回(予定) スケジュール 【第1回】受験は親の力が◯割!?←終了 〜中学・高校・大学受験に向けて、親がするべきことをお答えします〜 時期:1月中旬 相談員:西原 香織 【... --- ### 【PTA特集】その想い、不登校家庭だけじゃないかも! 保護者アンケートに見るホンネ④ - Published: 2025-01-31 - Modified: 2025-01-31 - URL: https://futoko-online.jp/questionnaire/12836/ - カテゴリー: アンケート - タグ: 無料記事 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: PTA, 保護者の声 「不登校オンライン」では、子どもの不登校・行き渋りを経験している保護者を対象に、PTAに関するアンケート調査を実施しました。 1か月にわたってお伝えしてきた回答者の声、最終回は、「不登校・行き渋りに関連に限定せず、PTAについて思うこと」をご紹介します。 PTAに批判的な声が多かったのですが、好意的な声もありました(好意的な声については、 「⑥PTAへの偏見はヤメテ!」の章をご覧ください)。 前回までの記事はこちら↓ 【PTA特集】不登校中も6割が参加 「不登校とPTA」についてのアンケート調査結果 【PTA特集】理解されない、もう頑張れない... ... 保護者アンケートに見るホンネ① 【PTA特集】 どうせなら使い倒して脱・孤独! 保護者アンケートに見るホンネ② 【PTA特集】ほかの子を見るのがつらい 保護者アンケートに見るホンネ③   ①PTA、いらなくない? ※以下、各コメント末尾の( )内は回答者のペンネーム・お子さんの現在・回答者お立場。 行事のお手伝い係だけなら、時代的にPTAは不要の方向でいいです。学校がきちんと運営されてるいかの監視機能、サポート機能をもてるのなら、存在意義があるかもしれません。(しろねこさん・通信制卒業後、大学進学・母親) PTAは入りたい人だけの選択制か、なしにして保護者会でいいのでは。教員の負担もあり、教員は希望してない人が多い。(もりさんさん・社会人・父親) PTAは任意団体なのに、多くの学校では学校の下働きのような仕事を保護者全員に強制するだけの組織になっています。どんな家庭の事情があってもやらなければズルいと言われ、子どもを人質に「活動しろ」と脅すなど、学校や保護者同士の交流どころか対立を煽る仕組みになってしまっています。こんな団体ならなくなったほうがいいと思います。(みかんさん・中学生・母親) 共働き家庭やひとり親家庭、または仕事をしていなくても介護をしている人などが増えていて、PTAを負担に思う家庭が多いと思うので、廃止してほしい。(いぶきさん・小学生・母親)   ②家庭や子どもへのしわ寄せは困ります! 子どもが不登校になる前に執行部をしていました。やる前は「子どものため」と思っていたけど、やってみたら誰のためなのか疑問でした。忙しい時期は家事もできず、子どもを預けて朝から夕方まで学校で作業しなければなりませんでした... --- ### 【連載第7回】公的機関「教育支援センター」は不登校の強い味方! - Published: 2025-01-30 - Modified: 2025-01-30 - URL: https://futoko-online.jp/column/12823/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 【連載】お父さんのための不登校講座 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 出席扱い, 教育支援センター, 無料施設, 学習指導 「3分で読める不登校の基本情報」をお届けする本連載。 不登校の子どもと関わるすべての「多忙な大人たち」のために、不登校の基本の「き」をご紹介します。 第7回(最終回)は「教育支援センター」です。   教育支援センターは自治体が運営する不登校支援機関 教育支援センターは、不登校の児童・生徒の学習や生活習慣などをサポートする施設です。子どもたち一人ひとりの状況やニーズに応じて支援しています。 フリースクールとは異なり、各自治体が設置・運営しています。 文部科学省の不登校支援策COCOLOプランでも、教育支援センターの機能強化が掲げられています。 教育支援センターで受けられるサポートは? 教育支援センターでは、おもに次の4つのサポートを受けることができます。 ①学習 保護者だけでなく、実は不登校の子ども本人も、学校へ行かないことによる学習の中断を気にしています。「追いつけない」「遅れている」という焦りや不安は、周囲との比較から生まれるもの。 教育支援センターでは、集団授業ではなく、一人ひとりのペースに合わせて学習指導を受けることができます。 ②生活習慣 学校へ行かない日々が続くと、睡眠や食事、身の回りのケアなど、基本的な生活習慣が崩れがちです。教育支援センターへ通うことで、決まった時間に家の外で活動する習慣が戻ります。 また、ほとんどの教育支援センターでは「時間割」が決められています。最初は無理のないペースで通いながら、少しずつ時間割に慣れていくことで生活リズムが整っていきます。 ③集団活動 不登校の子どもは、同年代の子どもとの交流の機会が少なくなりがちです。教育支援センターでは、グループでのレクリエーションやスポーツ、調理実習などに取り組むことができます。 支援員のサポートを受けながら、少人数のグループで他者とのつきあい方を学んでいきますので、安心して社会生活の練習ができます。 ④相談・カウンセリング 教育支援センターには、さまざまな事情で学校へ行けない子どもたちが通っています。そのため、不登校特有の悩みに寄り添った心のケアを受けることができます。 また、在籍校と連携した進路相談や、保護者へのサポートも行っています。 不登校以外にも、子どもの心身の発達、子育て全般に関する悩みなどを相談できるしくみもあります(詳細は各自治体の窓口へお問い合わせください)。 教育支援センタ... --- ### 【1/31開催】無料YouTubeイベント【不登校特化型】学校では教えてくれない受験・進学準備のHowTo講座 - Published: 2025-01-29 - Modified: 2025-01-31 - URL: https://futoko-online.jp/event/12808/ - カテゴリー: イベント 【2025年1月31日15:00追記】 お申込みいただいた方には、自動返信でYouTubeライブのリンクをお送りしております。 リンクが正常に届かない場合は、迷惑メールフォルダをご覧いただくか、以下のアドレスまでご連絡ください。 media@kizuki. or. jp (追記ここまで) 2025年1月31日(金)20:00~20:30、不登校オンラインは、不登校のお子さんの受験・進学に悩む保護者向けの無料のオンラインイベント「【不登校特化型】学校では教えてくれない進学準備のHowTo講座」を開催します。 主には大学受験についての内容ですが、高校受験、中学受験を控えている方にもお役に立つ内容です。 登壇者は、キズキ共育塾(※)不登校相談員の半村進さんです。 (※キズキ共育塾:不登校オンラインと同じく株式会社キズキが運営する「不登校のお子さんのための完全個別指導塾」) イベント趣旨 不登校のお子さんが大学受験に挑むうえで大きな課題となるのは、「情報不足」です。 「受験や進学の準備をしなくちゃ... 」とは思いつつ、学校との相談があまりできていないという保護者さまは少なくありません。 また、学校と相談ができたとしても、「不登校のお子さんに適した受験準備や進路選びの方法」の専門的なアドバイスを学校から受けられるケースは決して多くはないのではないでしょうか。 今回のイベントでは、「不登校からの大学進学に挑むお子さんが自分に合った進学先を選ぶために抑えておきたいポイント」を、不登校相談のプロ・半村進さんがお話します。 不登校経験者が通い続けやすい大学の見つけ方 不登校の子に合った受験方式の選び方 上記のような、学校では教えてくれない「不登校のお子さん特化型」受験情報を無料で学べる貴重な機会です。 どうぞお見逃しなく! イベント日時・参加申し込みなど ■実施日時: 2025年1月31日(金)20:00~20:30 ■講演テーマ: 【不登校特化型】学校では教えてくれない受験・進学準備のHowTo講座 ■登壇者: 半村 進(キズキ共育塾・不登校相談員) ■実施方法: Youtube Liveを利用したオンライン講演会です。参加者様は、顔や名前をお出しいただく必要はございません。 ラジオを聴く感覚で気軽にご参加いただけます。 ■参加料金: 無料 ■お申込みについて: こちらのお申し込... --- ### PTA会長だった私の子どもが不登校に! 私の選択と子どもたちの歩み - Published: 2025-01-29 - Modified: 2025-02-04 - URL: https://futoko-online.jp/interview/12793/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 親の思い - 著者: 増田光子 - ハッシュタグ: 通信制高校, PTA, PTA役員, サポート校, オンラインゲーム お子さんたちが学齢期を過ぎた現在も、PTA団体での活動を続ける増田光子さん。バイタリティに溢れ、楽しみながらPTA活動に関わり続ける増田さんですが、お子さんの不登校をきっかけに、PTA活動から離れた時期があると言います。 そんなセンパイ保護者・増田さんに、お子さんの不登校とPTA活動に悩む現役保護者のみなさんへ、熱いエールをいただきました。 ※増田さんは、2025年1月30日(木)のオンラインイベント「PTA会長経験者が語る、『不登校の保護者』のPTAの付き合い方〜自身の子どもも不登校経験者」にご登壇されます。そちらにもぜひご参加ください。 ※提携メディアの方へ:申し訳ありませんが、本記事は転載いただけません。 ■関連記事 【PTA特集】不登校中も6割が参加 「不登校とPTA」についてのアンケート調査結果 【PTA特集】理解されない、もう頑張れない... ... 保護者アンケートに見るホンネ① 【PTA特集】 どうせなら使い倒して脱・孤独! 保護者アンケートに見るホンネ② 【PTA特集】ほかの子を見るのがつらい 保護者アンケートに見るホンネ③ 「PTAは加入も活動も強制なしで!」 全国PTA連絡協議会代表理事・長谷川浩章氏インタビュー 20年以上前のことです。私は小学校のPTA会長を務めていましたが、その最中に、子どもが学校に行けなくなるという経験をいたしました。その後、下の子どもも不登校になりました。 今回は、その時の私の気持ちのありようや、子どもたちの歩みをお伝えします。 「2年目は無理」。PTA活動から離れる決断 PTA会長をやっていた秋ごろから、徐々に息子は学校に行けなくなりました。 ちょうど、PTAでは次年度の役員を決める時期となり、担当の委員会から、引き続き会長をやってほしいというお話もいただいていました。しかし、現実をよく考え、「次年度は、PTA会長も役員もできません」と断りました。 「不登校オンライン」のアンケート結果(※上掲の関連記事参照)を見ると、「ああ、そうだよね、そうだよね」と思うことがたくさんあります。「子どもが行けていない学校へ自分だけ行くなんて」「ほかの子どもたちが元気に登校している姿を見るのがつらい」という気持ちは、確かにありました。 次年度の役員を断ったときも、その気持ちが大きかったんだと思います。実際、PTA会長の任期が終わって1... --- ### いっそ、ぜんぶ手離してしまおうか......不登校の俺と犬のハナ③ - Published: 2025-01-28 - Modified: 2025-01-24 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/12733/ - カテゴリー: 子どもの体験談, 連載 - タグ: 【連載】前略、トンネルの底から - 著者: 古川寛太 - ハッシュタグ: 高校生, 犬, 犬の散歩 不登校だった高校2年生の冬、古川寛太さんは悶々とした日々を過ごしていました。 そんなある日、いつものように柴犬ハナのリードを握る古川さんに、不穏な思いが去来します。雪の中で葛藤を続ける古川さんが、ハナとともにたどり着いた先は... ... (連載「前略、トンネルの底から」第24回・写真は古川寛太さん) 当然、行きたくないのだが リビングに降りると、母親から犬の散歩を頼まれた。 土曜の18時前。 このあと夕食を控えた時間帯である。 高校2年生の冬。 外は一面、雪景色。現在進行でしんしんと降り積もっている。 当然行きたくないのだが反論はできないので、仕方なく犬にリードをつけ、傘を持って外に出る。 ビビりな性格がゆえか、彼女は「傘」を異様に怖がる。 確かに、自分を覆うような黒い物体は、彼女の目には不気味に映るかもしれない。 対して、雪は好きなようだ。 家の中と同じく裸足で雪面を駆け回っている。冷たくはないのだろうか。 だいたいお決まりのコースを歩き、寒いしお腹もすいたし、もう帰ろうかと考えていると、土手についた。「こっちに行きたい」と彼女が俺を引っ張るので、渋々、土手をのぼって大きな橋のほうへついて行く。 俺はいつまでこうなんだ 思いのままに歩く犬を見ながら、俺はいつものように漠然とした不安に駆られていた。 引き延ばして引き延ばして高校2年の冬まで来たが、進級へは相変わらず崖っぷちのところにいる。 親や先生からは冷めた目を向けられるし、同級生はとっくに受験勉強を本格化していて、模試の結果を反映させながら人生を進めている。雪国において冬場の部活動は、その多くがトレーニング期間。彼らは最後の大会に向けて、さらに力をつけている最中だろう。 高校2年生から3年生へ。 17歳から18歳へ。 ああイライラする。 俺はなにもできない。 どこにも行けない。 だれとも関われない。 もう、冬だ。いい加減、いつまでこうなんだ。 葛藤のなかでたどり着いたのは リードを離そうか、と思った。 ぴんぴん引っ張るこのリードを離してしまえば、たぶん彼女は、車通りもそれなりに多いこの道に勢いのまま飛び込む。助かったとしても、家から遠く馴染みのないこの場所なら、ひとりでは家に帰って来られないだろう。 いつも家にいる犬がいなくなろうと俺にとってはどうでもよかったし、彼女がいなくなれば両親の視線が俺に戻ってくるか... --- ### 【1月30日(木)開催!】オンラインイベント「PTA会長経験者が語る、『不登校の保護者』のPTAの付き合い方〜自身の子どもも不登校経験者」 - Published: 2025-01-27 - Modified: 2025-01-31 - URL: https://futoko-online.jp/event/12762/ - カテゴリー: イベント - タグ: 会員限定記事 - 監修者・専門家: 増田光子(ますだ・みつこ) - ハッシュタグ: PTA 【2025/1/30 13時45分追記】 本イベントにお申し込みいただいた方には、自動返信メールでYoutube LiveのURLをお送りしております。お受け取りになっていない方は、ご使用のメールソフトが自動返信メールを拒否している可能性があります。お受け取りになっていない場合、media@kizuki. or. jp までご連絡いただければ幸いです。参加お申し込みは、イベント開始の直前まで承っております。ぜひお申し込みください。 (追記ここまで) ーーーーー 2025年1月30日(木)19時~20時、不登校オンライン・親コミュは、不登校のお子さんがいる保護者さまに向けたオンラインイベントを開催します。 テーマは、「PTA会長経験者が語る、『不登校の保護者』のPTAの付き合い方〜自身の子どもも不登校経験者」。 ご登壇者の増田光子さんは、世田谷区立小学校PTA会長、東京都PTA協議会事務局長などを歴任されており、ご自身のお子さんも不登校を経験されています。 ■関連記事 【PTA特集】不登校中も6割が参加 「不登校とPTA」についてのアンケート調査結果 【PTA特集】理解されない、もう頑張れない... ... 保護者アンケートに見るホンネ① 【PTA特集】 どうせなら使い倒して脱・孤独! 保護者アンケートに見るホンネ② 【PTA特集】ほかの子を見るのがつらい 保護者アンケートに見るホンネ③ 「PTAは加入も活動も強制なしで!」 全国PTA連絡協議会代表理事・長谷川浩章氏インタビュー 1. イベント趣旨〜PTA会長経験者が語る、「不登校の保護者」のPTAの付き合い方〜自身の子どもも不登校経験者〜 不登校のお子さんがいる保護者さまからは、PTAについて次のような声を聞くことがあります。 「子どもが不登校なのに、PTAに参加しなくちゃいけないの... ?」 「PTAは任意団体だとは言うけど、うちの学校は事実上の全員参加で... 」 「自分はPTA活動が好きなんだけど、子どもが不登校だと遠慮しなくちゃいけないの... ?」 今回の講演は、そうお悩みの方に向けた内容です。 ご登壇者は、増田光子さん(世田谷区立小学校PTA会長、東京都PTA協議会事務局長などを歴任)。増田さん自身も、お子さん二人の不登校を経験しています。 今回の講演では、次の二つをお話しいただきます。 自身のお子さ... --- ### 社会に役立つ人になることは、子どもの人生に重要なことなのか? - Published: 2025-01-27 - Modified: 2025-01-24 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/12728/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ - 著者: 土橋優平 - ハッシュタグ: 子どもの将来, 人生, 幸せ 不登校のお子さんを育てる保護者の方にとって、子どもの将来は、常に心から離れないテーマです。みなさんが思い描く「子どもの将来」とは、どのようなものでしょうか。 フリースクール代表・土橋優平さんは問います。何かをできる人になることだけが、幸福への道なのだろうか、と。 土橋さんからの熱いメッセージは、「本当に大切なこと」をじんわりと思い出させてくれます。 (連載「出張版お母さんのほけんしつ」第54回・写真は土橋優平さん) 先日ある保護者の方から「子どもをどう育てたら、社会に役立つ人になるのかわからなくて」とご相談をいただきました。 私は違和感を覚えましたが、一方で、「誰かの役に立てる人でなければならない」という価値観は、世の中にあたりまえに存在しているのだとも思いました。 今回は、この「世間のあたりまえ」に向き合おうと思います。 いつの間にか、ほめ言葉が「条件付き」に 人は誰しも、生まれたときは赤ちゃんです。周りからかけられる言葉は「生まれてきてくれてありがとう」でした。 赤ちゃんは何もしていません。していることと言えば、呼吸をしたり、手足や視線を動かしたりするくらい。ほとんど何もしていない赤ちゃんは、ただそこに存在しているだけで周りに認められていたのです。 だんだんと成長し、小学生になり、中学生になり、徐々に「生まれてきてくれてありがとう」と言ってもらえる機会は減っていきます。 いつの間にか、「跳び箱ができてえらいね!」「テストで100点取ったの! すごい!」と、何かができること、つまり条件付きで存在を認めてもらえるようになるのです。 でも私は思うんです。 何かができることが、その人の人生にとっての幸せなのだろうかと。 いつだって、救ってくれたのは人だった 私もそれなりに、人生のなかで苦労はしてきたつもりです。身近な人の死と向き合うこともありました。仕事がうまくいかず、生活費が底をついたこともあります。人への恐怖心から、一定期間、家にひきこもっていたこともあります。 でも、その度に私を救ってくれたものがあります。 それは周りのあたたかな人間関係です。 「何かあったらいつでも連絡してな」。 「何があっても応援してるから」。 「お前なら大丈夫だ」。 そんな温かい言葉を、まっすぐに届けてくれる人の存在です。 みなさんにもあると思います。つらいとき、苦しいときに、人に支えてもら... --- ### 「発達障害で、予想外のことにパニックになる」…そんなお子さんのための勉強法とは!? - Published: 2025-01-24 - Modified: 2025-01-24 - URL: https://futoko-online.jp/study/7001/ - カテゴリー: 勉強・進学・進路 - タグ: 会員限定記事, 発達障害 - 著者: 不登校オンライン編集部 不登校の方のための完全個別指導塾・キズキ共育塾の半村進がお送りする「不登校からの勉強・受験」。 今回のテーマは、「発達障害があって学校や勉強が苦手」なお子さんによくある困りごと「予想外のことにパニックになる」についてです。 ASDの傾向がある方には、とくによくあることだと思います。 学習環境・勉強方法・メンタルサポートの3つの観点で、そうしたお子さんのサポート法をお伝えします。 1. 学習環境 この場合、学習環境で大切なことは、 勉強を教える側が「事前に勉強の予定を本人に伝えておく」ということです。 ちゃんと最初にこの時間を取ることで、「未知の要素」を減らすことができます。 それが本人の安心に繋がるのです。 ただ、勉強を進めていくとどうしても、予定通りにはいかないことも出てきます。 そのような事態に備えるために、「事前の予定と変更点が生じた場合は、このようにお伝えしますし、こうやってリカバリーします」という内容も、最初にご本人にちゃんと話しておきましょう。 勉強の時間帯や場所も重要です。本人の落ち着く場所、時間帯がわかったら、もうそのスタイルをなるべく崩さないようにしていくことが大事です。 2. 勉強方法 次に勉強方法です。勉強の順番も一定にした方がご本人の落ち着きに繋がります。 「午前中のこの時間帯は英単語、その次はこれ」といったような内容面、そして「午前中に英語、午後に世界史」といった科目面、ともに一定にしておくと良いでしょう 教材についても、心がけたほうがよいことがあります。 たとえば数学と物理を勉強するという場合、どちらの科目の教材も、なるべくレイアウトが似ているものを使う方がやりやすく感じるということが少なくありません。出版社などもそろえると、いっそう安心する方もいます。 3. メンタルサポート メンタルサポートについてですが、「新しいものに本人が取り組むとき」のサポートが重要となります。 学習でも生活でも、どこかの時点でご本人が「いままでやったことのないことに取り組む」という局面が出てきます。 そのときに、周囲の人が「その新しいことをなぜ本人におすすめしているのか」「それをやることで本人にどんなメリットがありそうなのか」子ども扱いせず、正直に伝えておくことが大事です。 新しいことに不安を抱きやい方の、心のハードルを少し下げるのに役立つからです。 あと、「... --- ### キズキの4人の相談員による”リレー相談”  〜新年度に向けた”お悩み”解決します。第1回「受験は親の力が◯割!?」〜 - Published: 2025-01-24 - Modified: 2025-02-04 - URL: https://futoko-online.jp/event/12721/ - カテゴリー: イベント - タグ: 無料記事 キズキ共育塾です。 新年、あけましておめでとうございます。 年が改まると、「新年度」は、もうすぐそこです。 そこで、キズキでは、新年度に向けた不安やお悩みにお答えする「個別相談企画」を行うことにいたしました。 キズキには、4人の専任相談員がいます。 勉強、受験、不登校、発達障害の方の勉強、学校選び等について、多数のご相談にお答えしてきたベテラン相談員たちです。 4人の専任相談員が、順番に、それぞれの得意分野のお悩みにお答えします。   【第1回】受験は親の力が◯割!? 〜中学・高校・大学受験に向けて、親がするべきことをお答えします〜 相談員:西原 香織 第1回目のテーマは、「受験は親の力が◯割!?」です。 はじめまして。 キズキ専任相談員の西原香織です。 中学、高校、大学受験。 今の時代、受験のための情報収集は、ちょっと大変です。 昔よりも「学校の種類」や「入試方式」が多様化し、インターネット上では受験情報が氾濫。 お子さんだけでは、受験情報を正しく集めることが難しい時代になっているのです。 親の時代はある程度本人任せだった受験準備も、今の時代は親のサポートが欠かせないものになってきています。 私の子どもの通う高校の調査では、「大学受験生の約4割は、受験のことを親に相談したいと思っている」という結果が出たそうです。 キズキでサポートをしていて、その調査はあながち的外れではないなと実感しています。 中学受験、高校受験になると、「親に相談したい」というお子さんの割合はもっと高くなるでしょう。 「親がどのように情報収集をして、子どもに合った情報を渡してあげるかで合否が左右される」と言ってもいいと思います。 では、親はどのようにわが子の受験をサポートすればいいのでしょうか? 今回は、子どもの中学受験・高校受験・大学受験を経験し、キズキでは1,000人以上のご家庭の受験をサポートしてまいりました西原が、中学、高校、大学受験別に親がするべきことをお答えします。 ご応募を、心からお待ちしております。 相談員:西原 香織(にしはら かおり) 慶應義塾大学文学部卒業。 大学卒業後は、地方の放送局で記者兼カメラマンとしてニュース制作に携わる。 結婚、出産を経て、2014年から ~キズキ共育塾で不登校や学習に関わる相談業務に携わり、1,000件以上のご家庭のサポートを実施。 自身も、現在... --- ### 「PTAは加入も活動も強制なしで!」 全国PTA連絡協議会代表理事・長谷川浩章氏インタビュー - Published: 2025-01-23 - Modified: 2025-01-24 - URL: https://futoko-online.jp/interview/12704/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 識者の指摘 - 著者: 長谷川浩章, 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: PTA, 全P, 全国PTA連絡協議会, 免除の儀式, 強制加入, 任意加入 「PTA入会への圧力がつらい」「役員や担当を拒否できない」。 不登校オンラインの保護者アンケートでも、多くの方がこのように回答されています。 一般社団法人 全国PTA連絡協議会代表理事・長谷川浩章氏は、こうした相談が不登校の子どもの保護者だけでなく、さまざまな事情のある保護者から寄せられると言います。 PTAの新たな全国組織を立ち上げた長谷川さんが訴える、PTAへの負担感を招く根本的な要因とは? ■関連記事 【PTA特集】不登校中も6割が参加 「不登校とPTA」についてのアンケート調査結果 【PTA特集】理解されない、もう頑張れない... ... 保護者アンケートに見るホンネ① 【PTA特集】 どうせなら使い倒して脱・孤独! 保護者アンケートに見るホンネ② 【PTA特集】ほかの子を見るのがつらい 保護者アンケートに見るホンネ③   あえての新PTA全国組織。そのねらいは ——全国PTA連絡協議会(全P)はどのような理念を持って立ち上げられたのでしょうか。 全Pは設立してちょうど2年経過したところです。 ご存じの通り、PTAを束ねる全国組織としては「日本PTA全国協議会(日P)」があり、活動には長い歴史があります。全Pは、日Pのようないわゆる上部団体ではありません。 あえて別団体を立ち上げたのは、社会情勢が変わり、PTAもIT化やコンプライアンス問題などに直面するなかで、全国のPTAがフラットに繋がる組織が必要だと考えたからです。 ——具体的にどのような活動をなさっているのでしょうか。 おもに2つの活動を行っています。 1つは、情報の発信・共有です。Webサイトを開設し、PTA活動のアップデートのため、コンプライアンスを前提としたPTAの運営方法やITの支援などに関する情報を発信しています。 もう1つがPTA活動に必要なサービスインフラとしての活動です。PTA活動が負担感なく楽しい活動となるよう、「あったらいいな」という観点でサービスを開発し、提供・紹介をしています。 例えば、各学校のPTA室のインターネット事情の改善です。PTAは学校内の組織ではなく独立した任意団体ですが、多くのPTAが学校内の部屋をPTA室として使わせていただいています。しかし、セキュリティの観点から、学校のインターネット回線は使わせてもらえないことが多いのです。 PTA室では、役員や委員のみなさ... --- ### 保護者さま向け無料オンライン勉強会のお知らせ〜「不登校からの進路設計と今から準備できること」「発達特性のある子のサポートと進路」〜【東京・愛知・大阪版】 - Published: 2025-01-23 - Modified: 2025-02-01 - URL: https://futoko-online.jp/event/12630/ - カテゴリー: イベント 大好評をいただいている無料勉強会を、2025年1月・2月に追加開催いたします! ※主催:キズキ共育塾・キズキ家学(不登校オンラインと同じく、株式会社キズキが運営する「不登校のお子さんのための完全個別指導塾・家庭教師」) 従来の内容に加えて、今回は新たに「愛知県版」「大阪府版」を実施。 ぜひご検討くださいませ。 1. 勉強会の趣旨 お子さまが発達障害の特性で悩んでいたり、お子さまが不登校になったりしたら、次のようなことが不安になりませんか。 「子どもが発達障害と診断された。これからどうしたらいいんだろう... 」 「進学や学校復帰はあきらめないといけない?」 「不登校の子の将来に向けて、何を準備すればいい?」 私たち「キズキ共育塾」「キズキ家学」では、そのような生徒さま・保護者さまのお話をたくさんお聞きしてきました。 そして、学校に行けなかった方が高校や大学に進学し、「自立」できるようにと、これまで約8,000人以上の生徒さまをサポートしてまいりました。 この勉強会では、発達障害のあるお子さまや、不登校のお子さまがいらっしゃる保護者の方が、次のようなことがわかります。 「これからどうお子さまをサポートすればいいのか」 「何を準備しておけばいいのか」 将来の進路選択に悩まれている方も、お子さまのこれからについて漠然と不安がある方も、ぜひご参加くださいませ。 2. 勉強会概要・お申し込み ■勉強会テーマ 「不登校からの進路設計と今から準備できること」 「発達特性のある子のサポートと進路」 ■登壇者 キズキ共育塾天王寺校 教室長 兼 学習カウンセラー 中村憲治(なかむら・けんじ) (天王寺校は2025年2月開校予定です) キズキ共育塾名古屋校 教室長 兼 学習カウンセラー 吉川佑人(よしかわ・ゆうと) キズキ共育塾大宮校・町田校 教室長 兼 学習カウンセラー 末永雅彦(すえなが・まさひこ) (町田校は2025年2月開校予定です) ■実施日時 以下のいずれかをお選びください。 【東京都版】 <テーマ:発達特性>1/25(土) 10:30~12:00 <テーマ:不登校> 1/29(水) 20:00~21:30 【愛知県版】 <テーマ:不登校> 2/1(土) 10:30~12:00 【大阪府版】 <テーマ:不登校> 1/28(火) 20:00~21:30 ■開催方法 オンライン(... --- ### 「学びの多様化学校(旧称:不登校特例校)」の保護者アンケートを実施! - Published: 2025-01-22 - Modified: 2025-02-06 - URL: https://futoko-online.jp/questionnaire/12682/ - カテゴリー: アンケート - タグ: 無料記事 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 文部科学省, 学びの多様化学校, 不登校特例校 ウェブメディア「不登校オンライン」は、お子さんが不登校・行き渋りである(であった)保護者さまを対象に、「学びの多様化学校(旧称:不登校特例校)」についてのアンケートを実施します(回答期限:2025年2月2日24時)。 「学びの多様化学校(旧称:不登校特例校)」にいてはこちら↓ 連載「お父さんのための不登校講座」第5回 不登校の子ども専用の学校があるって知ってた? 「学びの多様化学校」って何? 「学校へ行かないから“不登校”なのに、学校の話?」 そんな声も聞こえてきそうです。 実は、「学びの多様化学校」は不登校の子どものための学校なんです。 文部科学省が推進する不登校支援策の1つで、「不登校特例校」としてスタート。 令和5年に、「学びの多様化学校」と名称変更されました。 文部科学省は、全国に300校の「学びの多様化学校」設置を目指していますが、令和6年度にはわずか35校にとどまっています。 まだまだこれからの「学びの多様化学校」について、みなさんのご経験や思いをお聞かせください。 こんなことをうかがいます! アンケートでは、以下のようなことがらについてお尋ねします(一部抜粋)。 「学びの多様化学校」について知っていますか? これまでに、お子さんが「学びの多様化学校」に在籍したことはありますか? 「学びの多様化学校」にお子さんを通わせたいですか? 「学びの多様化学校」のよかったところは?(お子さんが在籍したことのある方) 「学びの多様化学校」についてどんなことを知りたいですか?(お子さんが在籍したことのない方) ※回答中につらい気持ちになられたときには、無理にお続けにならず、すぐに中止していただいて構いません。 アンケートはこちら 【対象】 ・現在、お子さんが不登校・行き渋りである保護者さま ・以前、お子さんが不登校・行き渋りだった保護者さま 【ご回答期限】 2025年2月2日(日)24時 【アンケートはこちら】 こちらをクリックで、フォームが開きます。 以下のQRコードからも回答できます。 あなたの「声」をお待ちしています! 「不登校オンライン」では、会員向けの記事(有料)をご用意しています。不登校のお子さんをサポートするために知っておきたい情報や、同じ悩みをもつ親御さんの体験談などを掲載しています。お申し込みは下記から(30日間無料)。     --- ### 【1/24開催】無料オンラインイベント【不登校相談のプロ直伝】受験の「もしも」に負けないために、親が知るべき準備のアレコレ - Published: 2025-01-22 - Modified: 2025-01-27 - URL: https://futoko-online.jp/event/12645/ - カテゴリー: イベント 【2025年1月24日14:30追記】 お申込みいただいた方には、自動返信でYouTubeライブのリンクをお送りしております。 リンクが正常に届かない場合は、迷惑メールフォルダをご覧いただくか、以下のアドレスまでご連絡ください。 media@kizuki. or. jp (追記ここまで) 2025年1月24日(金)20:00~20:30、不登校オンラインは、不登校からの進級・進学に悩む保護者向けの無料のオンラインイベント「【不登校相談のプロ直伝】受験の『もしも』に負けないために、親が知るべき準備のアレコレ」を開催します。 主には大学受験についての内容ですが、高校受験、中学受験を控えている方にもお役に立つ内容です。 登壇者は、キズキ共育塾池袋校(※)現役教室長の田邉千裕さんです。 (※キズキ共育塾:不登校オンラインと同じく株式会社キズキが運営する「不登校のお子さんのための完全個別指導塾」) イベント趣旨 受験生にとって緊張感が高まるこの季節... 。 プレッシャーの中で、誰もが順調に当日を迎えられるわけではありません。 特に不登校状態からの受験であればなおさらです。 例えば、受験を終えた方々からの下記のような相談は、毎年いただきます。 「プレッシャーから来るメンタル不調で、実力を発揮できなかった」 「受験に対する不安を大きく感じて、気持ちが落ち込んで試験会場に行けなかった」 受験にプレッシャーはつきものですが、過度に恐れる必要はありません。 大切なのは、当日に慌てないように、受験の「もしも」に備えておくこと。 そうすれば、問題なくプレッシャーを乗り越えることができます。 受験の「もしも」に備えるためには、お子さんだけでなく保護者様の役割も重要です。 そこで今回のイベントでは、「親として子の受験をどのように支えればよいか」をテーマに、受験に向けた準備や心構えを保護者様向けに解説します。 さらに、「進学先は決まったけれど、不登校だった状態からうまくやっていけるか不安... 」という保護者様から多く寄せられるお悩みにもお答えします。 備えあれば憂いなし! 受験の「もしも」に備えるポイントを、不登校進学相談のプロ・キズキ共育塾の田邉千裕さんと一緒に深く考えていきましょう。 イベント日時・参加申し込みなど ■実施日時 2025年1月24日(金)20:00~20:30 ■講演テー... --- ### 放デイ職員に聞きました! 不登校親子の悩みトップ3とその対策 - Published: 2025-01-21 - Modified: 2025-01-21 - URL: https://futoko-online.jp/column/12617/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 発達障害, ASD, 放課後等デイサービス, 放デイ, SST, LD 発達障害やその可能性のある子どもの中には、不登校で放課後等デイサービスに通う子どももいます。 発達障害の子どもが不登校になる原因はさまざまですが、いずれの困りごとにも対応法があり、サポートする人や制度があります。 放課後等デイサービスとは 放課後等デイサービス(放デイ)とは、児童福祉法に基づく障害者福祉サービスです。 通所施設であり、発達に遅れなどがあって医師から発達障害と診断された場合、または意見書などでサポートが必要と認められた場合に、保育士、教員資格、心理士などの資格を持った職員から、専門療育を受けることができます。 障害者福祉サービスとありますが、厚生労働省が作成した資料にも「継続的に学校に通学できない児童(不登校児童)への支援の充実」と定められている通り、不登校児童へのサポートも行っています。 また、不登校児童が通う放課後等デイサービスは、学校と連携を図って支援をする必要があります。 そのため、学校と連携会議を開き児童の困り感などについて話し合ったのち、療育内容を決めて支援を行います。 利用している児童の多くは、放課後に放課後等デイサービスを利用をしますが、午前中から営業している事業所であれば、朝から通うこともできます。 施設によってサービス内容は若干異なりますが、主に学習支援、SST(ソーシャルスキルトレーニング)、自立支援などを受けられるほか、児童の特性を理解した上でサービスが受けられるため、居場所や心の拠り所にもなり得ます。 放課後等デイサービスに通うためには、各自治体が発行している受給者証(障害児通所受給者証)が必要です。通所を希望する場合は、行政の窓口(役所の社会福祉課など)へ相談しましょう。 「発達障害があって、不登校」の子どもの「お悩みトップ3」と対応法 1. 人間関係の悩み ASD(自閉症スペクトラム障害)の子どもは、その特性にコミュニケーションの苦手さや、こだわりの強さなどがあります。 コミュニケーション面では、相手の気持ちを察することが苦手であったり、比喩や冗談などがわからず言葉をそのままの意味で受け取る、思ったことを言ってしまう、暗黙の了解などの社会的なルールの理解が苦手、といった特徴があります。 相手の状況を推しはかったり、気持ちを理解したりするのが苦手なことから、意図せず相手を傷つけてトラブルになることもあります。 こだわりの強さ... --- ### ハードルが高い?「親の会」をためらうあなたに知ってほしいこと - Published: 2025-01-20 - Modified: 2025-03-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/12557/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 不登校前兆期, 不登校進行期, 不登校混乱期, 不登校回復期 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 親の会 子どもが学校に行かなくなるなんて... ... 。 子ども自身ももちろんですが、保護者もさまざまな不安や心配を抱えています。「子どものために」と思うからこそ悩みも深くなります。気づけば、家族がお互いに暗い顔で過ごしてしまっていることも。 そんな時は、少しだけ周りを見渡してみませんか。 「ほかの人はどうしてるんだろう」と視野を広げることで自分たちの助けになることが見つかるかもしれません。 「不登校の子どもの親の会」は、同じような経験をした保護者たちが集まる場です。この記事では、「参加してみたいけどためらいがある」みなさんに、親の会の活動内容や参加方法などを紹介します。 そもそも、「親の会」とは? ■親の会が目指すこと 「不登校の子どもの親の会」は、同じような経験をしてきた保護者たちが、情報交換をしたり、思いを共有したりする場所です。会が目的にしていることや大事にしていることによって、活動内容に違いはありますが、どの会も、同じような悩みを持つ保護者が、ひとりで抱え込んで孤立しないようにするために活動しています。 だれでも参加できるよう、難しいルールはありません。事前の参加申し込みが不要な会も多いので、思い立ったその日に行ってみることもできます。 ■会のあり方はさまざま NPO法人であったり、任意団体であったりと、会のあり方はさまざまです。なかには、自治体から委託を受けて活動していて、自治体のウェブサイトなどで情報を得ることができる会もあります。 活動の頻度や参加費の有無、「子ども同伴参加の可否」なども、会によって違いがあります。近隣の人だけでなく、全国のだれでも参加できるよう相談窓口を設けている会もあります。 まずはじっくり親の会を探してみましょう。 ■親の会の探し方 では、親の会はどうやって探せばいいのでしょうか。 SNSなどの情報ツールが広がっており、会の専用ページを設けているところも増えてきました。まずは、使い慣れているツールで探してみましょう。 親の会の情報を一覧表などでまとめてくれている自治体もあります。学校のスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーが把握していることもありますし、自治体の関連相談窓口に直接たずねてみると、情報が手に入ることもあります。 親の会ではこんなことをしている! ■親の会、行ってどうすればいい? 多くの場合、「座談会」「お茶会」... --- ### 【PTA特集】ほかの子を見るのがつらい 保護者アンケートに見るホンネ③ - Published: 2025-01-17 - Modified: 2025-01-18 - URL: https://futoko-online.jp/questionnaire/12579/ - カテゴリー: アンケート - タグ: 無料記事 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: PTA 「不登校オンライン」では、子どもの不登校・行き渋りを経験している保護者を対象に、PTAに関するアンケート調査を実施しました。 今回は、回答者から寄せられた声の中から、「不登校・行き渋りに関連して、PTAについて困っていること・悩んでいること、疑問に思うこと」などをご紹介します。 役員選出や担当決めに関することや、「自分の子どもが学校へ行けていないのに」という思いが、とくに多く寄せられました。 前回までの記事はこちら↓ 【PTA特集】不登校中も6割が参加 「不登校とPTA」についてのアンケート調査結果 【PTA特集】理解されない、もう頑張れない... ... 保護者アンケートに見るホンネ① 【PTA特集】 どうせなら使い倒して脱・孤独! 保護者アンケートに見るホンネ②   1. 【ショート体験談】悩み、追い詰められた果ての決断 はじめに、今回寄せられた困りごと、悩み、疑問のほぼすべてを経験し、大きな決断をされた方の声をご紹介します。「時間がなくて全部は読めない!」という方におすすめです。 ※以下、各コメント末尾の( )内は回答者のペンネーム・お子さんの現在・回答者お立場。 1年生の時に、PTAが任意加入だという説明はなく当然のようにPTAに加入させられました。 その後は、卒業までに1回はPTAの委員をしなければならないとのことで、低学年の時に何度かクラス委員に手を挙げましたが、希望者が多くてクラス委員にはなりませんでした。 高学年になり、子どもが不登校になったときには、希望者がおらず、まだやってない人がやるというで、私がやらざるを得ない状況になりました。 子どもが不登校になり、私も精神的に追い詰められている時でした。 学校に行けずに苦しんでいる子どものそばで、私が学校に行っている子のために作業をするということに、私の気持ちが複雑になり過ぎて耐えられないと思ったので、PTAの委員はできないと言いましたが、受け入れてもらえませんでした インターネットで調べて、PTAを退会できることを初めて知り、結局、PTAを退会することで解決しました。 子どもが不登校になると、親も精神的に余裕がなくなります。 そのような状況でも必ずやらないといけないという雰囲気がとても苦しかったです。 (いとさん・小学生・母親)   2. 困りごと、悩み、疑問別の思いやエピソード 一つひとつは短い語りで... --- ### 「中川翔子と卒業式をもう一度」のご案内 - Published: 2025-01-17 - Modified: 2025-02-07 - URL: https://futoko-online.jp/event/12603/ - カテゴリー: イベント 2025年3月、かつて卒業式に出られなかった人や、卒業式は出たけれども嫌な気持ちが残っている人のために、3日間だけのフリースクール「空色スクール」が開校します。 校長は、タレントの中川翔子さん。 「学校生活がつらかった」 「卒業式を欠席した」 空色スクールでは、そんな人に向けて、当時を振り返り、新しい思い出をみんなで作り、過去をアップデートするイベントを行います。 そして参加者の方々には、中川翔子さんが「つらかった時から今まで生きててくれてありがとう」の想いを込めて、卒業証書をお渡しします。 参加お申し込みの締切は、2025年1月28日(火)です。 詳細は、「中川翔子と卒業式をもう一度」特設ページをご覧ください。 --- ### 【連載第6回】フリースクールは子どもにも保護者にもメリットあり - Published: 2025-01-16 - Modified: 2025-01-29 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/12538/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 無料記事, 【連載】お父さんのための不登校講座 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 発達障害, フリースクール, 居場所, 出席扱い 「3分で読める不登校の基本情報」をお届けする本連載。 不登校の子どもと関わるすべての「多忙な大人たち」のために、不登校の基本の「き」をご紹介します。 第6回は「フリースクール」です。 フリースクールは子どもたちの「居場所」 フリースクールは、学校以外の環境で子どもたちが自分らしく学び、成長できる居場所です。不登校など学校生活に馴染めない子どもたちをサポートしています。 地域によりますが、さまざまな規模・タイプのフリースクールがあり、子どもの困りごとやニーズに合わせて選ぶこともできます。 いずれもNPOや民間企業、個人によって運営されています。 フリースクールの4つのタイプ フリースクールは、目的や支援内容によって、おおまかに次の4つのタイプに分けられます(これらに該当しないフリースクール、複数のタイプの特徴をあわせ持つフリースクールもあります)。 ①心の回復を目指す スタッフや仲間との対話や交流を通じて、自分に自信を持てるようサポートします。とくに、人間関係に悩む子どもに適した環境です。 ②学習サポート重視 少人数制や個別指導で、丁寧な学習支援を受けることができます。特定の科目の苦手克服や、進級・進学のための学習に対応している場合もあります。 ③自宅で支援を受けられる 登校や外出に不安を感じる子どもが、家庭訪問やオンライン指導などを通して、自宅で安心してサポートを受けることができます。居住地によらず支援を受けられるケースもあります。 ④発達障害の子どもが対象 子どもの発達特性に合わせ、専門スタッフがサポートします。学習面だけでなく、ソーシャルスキルや自分をコントロールする力の向上を目指す支援を行っています。 フリースクールは保護者にもメリットがある! 保護者にとってフリースクールの存在がもたらす最大のメリットは、「安心感」です。 安心できる居場所を確保できれば、子どもは元気を取り戻していきます。子どもが生き生きと、その子らしくいられることは、保護者が何よりも望んでいることでしょう。 また、人間関係の構築、学習への取り組みなど、不登校で一旦立ち止まっていたことが動き出すことで、保護者の不安が軽減されます。 さらに、不登校に関連した保護者向けの相談や、学習・進学情報の提供を行うフリースクールもあります。 不登校に関わる悩みは、家庭の中だけで抱え込みがちです。フリースクー... --- ### 【1/17(金)開催】無料オンラインイベント【進路未定で不安な方へ】不登校相談員が教える進路選択の”やることリスト”作り方~「何から始める?」保護者のギモンを一気に解決!~ - Published: 2025-01-15 - Modified: 2025-01-17 - URL: https://futoko-online.jp/event/12513/ - カテゴリー: イベント 【2025年1月17日 13時45分追記】 ①1月17日13:30分までにお申し込みいただいた方には、Youtube liveのURLを記載したメールを一括送信でお送りしております。メールをお受け取りになれなかった方は、お使いのメールソフトが一括送信のメールを弾いているなどの可能性があります。 お受け取りになっていない場合、media@kizuki. or. jp までご連絡いただければ幸いです。 ②参加のお申し込みは、イベント開始の直前までお受けしております。12月20日13時30分以降にお申し込みをされた方には、Youtube liveのURLを記載したメールを随時お送りいたします。 (追記ここまで) 2025年1月17日(金)20:00~20:30、不登校オンラインは、進級・進学に悩む保護者向けの無料のオンラインイベント「【進路未定で不安な方へ】不登校相談員が教える進路選択の”やることリスト”作り方~「何から始める?」保護者のギモンを一気に解決!~」を開催します。 登壇者は、キズキ共育塾(※)・不登校相談員の寺田真依さん。 (※キズキ共育塾:不登校オンラインと同じく株式会社キズキが運営する「不登校のお子さんのための完全個別指導塾」) 進路相談のプロが、具体的かつ実践的なアドバイスをお届けします。 イベント趣旨 今年度の終わりまであと2か月。 しかし、「4月以降の進路がまだ決まっていない」というお悩みの声は、珍しくありません。 子どもは「今年度に大学受験をする」と言うけれど、受験する大学・学部をまだ決めていない。今から何をしたらいいんだろう... 。 子どもは来年度の大学受験を考えているけれど、志望校は決まっていないし、他にも何をどうしたらいいのかわからない... 。 今からできることはたくさんあります。 後悔を残さないために大切なのは、今からでも進路選択のスケジュールの見通しを立てておくことです。 来年度の受験生や、浪人も視野に入れているお子さんであれば、今から年間のスケジュールを考えることもできます。 そこで今回のイベントでは、目的を「お子さんに合った進路選択をするための具体的なアクションをイメージすること」とし、進路選択の「やることリスト」を作っていきます。 いつまでに何を決めたらよいか分からない 進みたい進路が全く決まっていない どうやって情報を探したら... --- ### 【PTA特集】 どうせなら使い倒して脱・孤独! 保護者アンケートに見るホンネ② - Published: 2025-01-15 - Modified: 2025-01-15 - URL: https://futoko-online.jp/questionnaire/12487/ - カテゴリー: アンケート - タグ: 会員限定記事 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: PTA 「不登校オンライン」では、子どもの不登校・行き渋りを経験している保護者を対象に、PTAに関するアンケート調査を実施しました。 今回は、「不登校・行き渋りに関連して、PTAが役立っていること」について、回答者から寄せられた声をご紹介します。 キーワードは「つながり」。学校そのものと、先生方と、ほかの保護者と... ... さまざまなつながりが、不登校の子どもの保護者の支えになっていました。 さらに、子どもとPTAとのつながりにも、興味深い可能性が見えてきました。 前回までの記事はこちら↓ 【PTA特集】不登校中も6割が参加 「不登校とPTA」についてのアンケート調査結果 【PTA特集】理解されない、もう頑張れない... ... 保護者アンケートに見るホンネ①   ①回答者本人に役立っていること ※以下、各コメント末尾の( )内は回答者のペンネーム・お子さんの現在・回答者お立場。 ■学校の様子を知る ほかの子どもや学校の様子が見られること。(ゆゆさん・小学生・母親) ■先生とのつながり 学校へ行ったら先生が声をかけてくれる。(りこさん・高校卒業済み・母親) 学校との関わりがあるので、意見は伝えやすい。(しまともさん・中学生・母親) 連絡事項があったら、学校に行った際に直接お伝えできるので、その点では役に立ったと思います。(くんちゃんさん・中学生・母親) 親自身が学校に足を運ぶ回数が増えることで、学校や職員室に行く際に障壁が低くなる。ふだんから教員と顔を合わせる機会をもっていると、大切な話をすることが必要なときにも話しやすかった。(ぺこさん・高校卒業済み・母親) ■学校管理職とのつながり 担任の先生だけでなく、管理職の校長先生、教頭先生との接点を持てて、不登校への理解を確認できたり、子どものことを気にしてもらえたりする。(ごくらくさん・小学生・母親) 先生との関係で、子どもが薬物治療が必要になるほどの精神疾患を患ってしまったため、担任の情報と、学校との交渉が必要でした。上の子で役員をした直後だったため、PTAでの人脈と、学校の管理職とのつながりがとても役に立ちました。(milmilさん・小学生・母親) ■ほかの保護者とのつながり 学校の統合直後で、子どもはもちろん、親も不安でしたが、校長、教頭と何度もお話しする機会がありました。また、同じクラスのほかの保護者とも接すること... --- ### 【1/23(木)開催】無料オンラインイベント:新年度に向けて、2月・3月にできること〜進級、受験・進学〜 - Published: 2025-01-14 - Modified: 2025-01-23 - URL: https://futoko-online.jp/event/12497/ - カテゴリー: イベント - タグ: 無料記事 【2025年1月23日 14時30分追記】 ①1月23日14時30分までにお申し込みいただいた方には、同14時45分からYoutube liveのURLを記載したメールを一括送信でお送りします。15時15分を過ぎてもメールをお受け取りになれなかった方は、お使いのメールソフトが一括送信のメールを弾いているなどの可能性があります。お受け取りになれなかった場合、media@kizuki. or. jp までご連絡いただければ幸いです。 ②参加のお申し込みは、イベント開始の直前までお受けしております。1月23日14時30分以降にお申し込みをされた方には、Youtube liveのURLを記載したメールを随時お送りいたします。 (追記ここまで) ーーーーー 2025年1月23日(木)、キズキ共育塾(※)などは、不登校のお子さんがいる保護者さまに向けた無料のオンライン講演会を開催します。(※キズキ共育塾:不登校オンラインと同じく株式会社キズキが運営する、不登校のお子さんのための完全個別指導塾) 主催者・登壇者は、次の3者です。 不登校ジャーナリスト・石井しこう オンラインフリースクールBranch 代表・中里祐次 キズキ共育塾 不登校相談員・ 寺田真依 テーマは、「 新年度に向けて、2月・3月にできること〜進級、受験・進学〜」。 下記ご高覧の上、ぜひご参加ください。 はじめに 不登校のお子さんの新年度準備、悩んでいませんか? 「受験対策、何から始めたらいいのか分からない」 「学校とのやり取り、どうしたらいいか分からない」 「子どもの進路、決まっていない。どうなるの... ?」 不登校・行き渋りは、周りに相談しにくい話題ですので、どう対応すればよいのか分からず、不安に思う声をよく聞きます。 そこで、保護者の皆さんのお悩みに答えるべく、不登校支援のエキスパートの3名が、【無料オンライン】の講座を開催いたします! 先輩保護者から聞いた、新年度に向けてできること 今からできる、受験対策〜新中3向け・現中3向け〜 質疑応答 ※「休ませていいのかわからない... 」とお悩みの方は、「学校休んだほうがいいよチェックリスト」をご利用ください。 1. イベント概要 テーマ: 新年度に向けて、2月・3月にできること〜進級、受験・進学〜 登壇者(プロフィールとトークテーマは、この後でご紹介します):... --- ### 呑気なものだ。こちらは世界と格闘中なのに! 不登校の俺と犬のハナ② - Published: 2025-01-14 - Modified: 2025-01-13 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/12482/ - カテゴリー: 子どもの体験談, 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】前略、トンネルの底から - 著者: 古川寛太 - ハッシュタグ: 高校生, 犬 不登校中のある日、古川寛太さんのもとへ突然やってきた新しい家族・柴犬のハナ。高校1年生の冬、留年の瀬戸際にあった古川さんは、誰もいないリビングでハナと視線を交わし続けます。 現実と闘う古川さんと、我関せずを貫く(?)ハナ。通い合っていないようで、通い合っていたかもしれない。そんなふたりの、日常のエピソードです。 (連載「前略、トンネルの底から」第23回・写真は古川寛太さん) ケージの中の彼女と目が合う リビングに降りると、いつも飼い犬がいた。 木曜の午前11時半。 もちろん家族は誰もいない。 一畳ほどのケージにいる彼女と目が合う。 彼女の性格はビビりで、いつもおどおどしていた。「お手」などの芸はできないが、用を足すときだけなぜか逆立ちができる。 そんな柴犬が、昼頃にノロノロと起きてきた俺を迎える。 ジーッとこっちを見て、ごはんをくれないと分かるとそっぽを向いて昼寝を始める。呑気なものだ。 対してこちらは、今日こそは登校すると意を決し、自室を出て、出席日数表を睨みながら世界と格闘している最中だというのに。 世界で誰よりも... ... 俺が彼女を見て、彼女が俺を見ていると、時が止まり、時計だけが動く。 たいてい先に目を逸らすのはあちらの方で、それはそれで腹立たしかった。彼女は俺に興味がなかったし、懐いてもいなかった。 しかし間違いなく、彼女と向き合った回数は、世界で誰よりも俺が多いだろう。 14時。 今日の5限の授業に出ないと、本当に留年になってしまう。 「行くしかない」と、身支度をしてリビングを出ようとすると、音に反応して彼女がまた顔を上げる。 散歩の準備じゃねえよ。相手してやれるか。 家を出る。 夜中の0時半。 今日はなにも食べていない。 家族のいる場に一度も降りられなかった。 全員が寝静まったのを確認し、冷蔵庫をあさろうとリビングの照明をつける。睡眠を邪魔され忌々しげな顔をした彼女と、また目が合う。 すまんな。光は抑えるからもう少しだけ明るくさせて。 テレビをつける。 まったく好きではなかったけれど 家でひとりのとき、だいたいもう1匹も家にいた。 俺がよっぽど暇でないと相手はしないし、彼女も一向に俺に対してしっぽは振らないが、とにかく、よくいっしょに居た。 まったく目を合わせずに正しさで俺を圧する父が、飼い始めた犬を溺愛していること。 弟が部活で忙しいと、俺に回... --- ### 子どもの心のエネルギーを貯めるには? おさえたい2つのポイント - Published: 2025-01-13 - Modified: 2025-01-10 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/12329/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ - 著者: 土橋優平 - ハッシュタグ: フリースクール, ストレス対策, 趣味 不登校の子どもの心は、充電切れ寸前。子どもは「怠けているわけではない」という理解も、ほんの少しずつではあるものの、広がりつつあります。 保護者としては、すぐにフル充電とはいかなくても、なんとか元気を取り戻してほしいと願うもの。 フリースクール代表・土橋優平さんは、これまで多くの不登校の子どもと保護者を支えてきました。その土橋さんが語る、子どもの心の回復のカギとは? (連載「出張版お母さんのほけんしつ」第53回・写真は土橋優平さん) よくいただくご相談の1つに、「心のエネルギーってどうしたら貯まりますか?」というものがあります。 子どもが元気をなくし、物事への意欲がなくなっていく様子を見たとき、どうしたら元気な姿に戻れるだろうかと考えますよね。学校に行くかどうか以前にとても大切なことです。 今回はその心のエネルギーを貯めるポイントを2つご紹介します。 子どもの心にのしかかる「登校刺激」 1つは、子どもが感じるストレスを極力減らすことです。 ストレスの最たるものが、登校刺激です。 「学校に行きなさい」 「明日は学校行くよね?」 そんな言葉を毎日聞くことで、子どもたちの中には「学校は行かなければならないものだ」という価値観が根付きます。そして、それに重なって「学校に行けない自分はおかしいんだ」「親の期待に応えられない自分はダメな子どもなんだ」と、自分の存在を否定する感情が湧いてきます。 登校刺激だけでなく、「学校に行かないのなら勉強だけはしてほしい」と思って、無理やり勉強をさせることも、大きなストレスになります。 そのほかにも、食卓を囲むこと、外出すること、お風呂に入ることなど、ストレスのもとは生活のあらゆる場面に点在しています。 共通するのは、本人の意思とかかわりなく、周りが強制的にやらせることです。 とくにストレス過多なときは、こうした周りからの強制が、より大きなストレスを生み、人間関係の悪化につながることもあります。 その結果、学校へ行かないだけでなく、部屋の外にすら出てこなくなることも。自分の心を守るために、外界をシャットアウトしようとするのです。 こうした悪循環のもとになるストレスを、なるべく減らすことが大切です。 「夢中」は好循環のきっかけに もう1つは、子どもが熱中できるものを見つけることです。 マインクラフトなどのゲームでもいいです。お絵描きでも、漫画でも... --- ### 【地方別リンク】不登校の公的な相談窓口・サポート団体・教育支援センターの一覧 - Published: 2025-01-11 - Modified: 2025-01-13 - URL: https://futoko-online.jp/futoko/12414/ - カテゴリー: 不登校 - タグ: 無料記事, 相談先 都道府県や市区町村などは、不登校に関する相談窓口を設置しています。また、不登校の児童生徒のサポートを行う公的な機関である「教育支援センター(旧:適応指導教室)」も、多くの自治体で設置されています。 しかし、お子さんが不登校になった保護者の方からは、「まずは公的なところに相談したかったけれど、相談先がわからなかった」という声をお聞きすることがよくあります。 そこで、不登校オンラインでは、各都道府県(が設置・委託する団体)と文部科学省の公式ウェブサイトにある「不登校の相談窓口のページ」を、各地方別に紹介します。以下に紹介する、各地方別のページをご覧ください。 お子さんのことは、保護者だけ、ご家庭だけで抱え込まず、ぜひ専門家やサポート団体にご相談ください。 最初に〜相談先には、相性があります〜 「公的な相談窓口・サポート団体」であっても、お子さん・保護者さまと相性がよいとは限りません。残念ながら相性がよくなかった場合は、別の相談窓口・サポート団体を探すことをオススメします。 また、最初から「民間の不登校サポート団体」に相談してももちろんOKです。 「不登校からの学び直し」「不登校からの受験」については、不登校オンラインと同じく株式会社キズキが運営するキズキ共育塾でも承っております(全国対応)。ぜひお気軽にご相談ください。 そのほか、不登校のサポート団体の探し方は、下記の関連記事もご覧ください。 関連記事 1. 北海道・東北編 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県について紹介しています。 北海道・東北編 2. 関東編 茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県について紹介しています。 関東編 3. 中部・東海編 新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県について紹介しています。 中部・東海編 4. 関西・近畿編 滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県について紹介しています。 関西・近畿編 5. 中国編 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県について紹介しています。 中国編 6. 四国編 徳島県、香川県、愛媛県、高知県について紹介しています。 四国編 7. 九州編 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県について紹介しています。 九州編 最後に〜ぜひ専門家やサポート団体にご相... --- ### 【北海道・東北編】不登校の公的な相談窓口・サポート団体・教育支援センターの一覧 - Published: 2025-01-11 - Modified: 2025-01-13 - URL: https://futoko-online.jp/futoko/12337/ - カテゴリー: 不登校 - タグ: 無料記事, 相談先 - ハッシュタグ: 北海道, 東北, 青森県, 岩手県, 宮城県, 秋田県, 山形県, 福島県 都道府県や市区町村などは、不登校に関する相談窓口を設置しています。また、不登校の児童生徒のサポートを行う公的な機関である「教育支援センター(旧:適応指導教室)」も、多くの自治体で設置されています。 しかし、お子さんが不登校になった保護者の方からは、「まずは公的なところに相談したかったけれど、相談先がわからなかった」という声をお聞きすることがよくあります。 そこで、不登校オンラインでは、各都道府県(が設置・委託する団体)と文部科学省の公式ウェブサイトにある「不登校の相談窓口のページ」を紹介します。こちらは北海道・東北編(北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県)です。(この記事は、随時更新予定です) お子さんのことは、保護者だけ、ご家庭だけで抱え込まず、ぜひ専門家やサポート団体にご相談ください。 最初に〜相談先には、相性があります〜 「公的な相談窓口・サポート団体」であっても、お子さん・保護者さまと相性がよいとは限りません。残念ながら相性がよくなかった場合は、別の相談窓口・サポート団体を探すことをオススメします。 また、最初から「民間の不登校サポート団体」に相談してももちろんOKです。 「不登校からの学び直し」「不登校からの受験」については、不登校オンラインと同じく株式会社キズキが運営するキズキ共育塾でも承っております(全国対応)。ぜひお気軽にご相談ください。 そのほか、不登校のサポート団体の探し方は、下記の関連記事もご覧ください。 関連記事 1. 北海道 北海道における「教育支援センター」の設置状況(北海道教育委員会) 不登校支援ポータルサイト(北海道教育委員会) 道内の各市町村における不登校児童生徒の支援に係る相談窓口(北海道教育委員会) 不登校に関する地元の相談窓口・北海道(文部科学省) 2. 青森県 ~学校・家・友達のことで困っている~(青森県) 相談窓口一覧(青森県) 不登校に関する地元の相談窓口・青森県(文部科学省) 3. 岩手県 教育支援センター(岩手県) 教育相談窓口一覧(岩手県) 不登校に関する地元の相談窓口・岩手県(文部科学省) 4. 宮城県 学校に登校していない児童生徒への支援について(宮城県) りんくるみやぎ「不登校等教育相談」(宮城県) 不登校に関する地元の相談窓口・宮城県(文部科学省) 5. 秋田県 社会的自立に困難を有する子... --- ### 【関東編】不登校の公的な相談窓口・サポート団体・教育支援センターの一覧 - Published: 2025-01-11 - Modified: 2025-01-13 - URL: https://futoko-online.jp/futoko/12370/ - カテゴリー: 不登校 - タグ: 無料記事, 相談先 - ハッシュタグ: 茨城県, 栃木県, 群馬県, 埼玉県, 千葉県, 東京都, 神奈川県, 関東 都道府県や市区町村などは、不登校に関する相談窓口を設置しています。また、不登校の児童生徒のサポートを行う公的な機関である「教育支援センター(旧:適応指導教室)」も、多くの自治体で設置されています。 しかし、お子さんが不登校になった保護者の方からは、「まずは公的なところに相談したかったけれど、相談先がわからなかった」という声をお聞きすることがよくあります。 そこで、不登校オンラインでは、各都道府県(が設置・委託する団体)と文部科学省の公式ウェブサイトにある「不登校の相談窓口のページ」を紹介します。こちらは関東編(茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)です。(この記事は、随時更新予定です) お子さんのことは、保護者だけ、ご家庭だけで抱え込まず、ぜひ専門家やサポート団体にご相談ください。 最初に〜相談先には、相性があります〜 「公的な相談窓口・サポート団体」であっても、お子さん・保護者さまと相性がよいとは限りません。残念ながら相性がよくなかった場合は、別の相談窓口・サポート団体を探すことをオススメします。 また、最初から「民間の不登校サポート団体」に相談してももちろんOKです。 「不登校からの学び直し」「不登校からの受験」については、不登校オンラインと同じく株式会社キズキが運営するキズキ共育塾でも承っております(全国対応)。ぜひお気軽にご相談ください。 そのほか、不登校のサポート団体の探し方は、下記の関連記事もご覧ください。 関連記事 1. 茨城県 学校以外の学びの場「教育支援センター」(茨城県教育委員会) 青少年と保護者のための相談窓口一覧(茨城県) 子育てに関する教育相談窓口(すくすく育て いばらきっ子(茨城県教育庁)) 不登校に関する地元の相談窓口・茨城県(文部科学省) 2. 栃木県 不登校児童生徒への支援(適応指導教室)について(栃木県) いじめや不登校、ひきこもりなど学校生活に関連する相談窓口(栃木県) 不登校に関する地元の相談窓口・栃木県(文部科学省) 3. 群馬県 県内の教育支援センター (令和6年5月1日現在)(群馬県教育総合センター) すべての子どもたちが学び続けるために(群馬県) 支援機関連絡先一覧(群馬県 ※PDF) 不登校に関する地元の相談窓口・群馬県(文部科学省) 4. 埼玉県 埼玉県内教育支援センター一覧(埼玉県教育委員会 ... --- ### 【中部・東海編】不登校の公的な相談窓口・サポート団体・教育支援センターの一覧 - Published: 2025-01-11 - Modified: 2025-01-13 - URL: https://futoko-online.jp/futoko/12372/ - カテゴリー: 不登校 - タグ: 無料記事, 相談先 - ハッシュタグ: 中部, 東海, 新潟県, 富山県, 石川県, 福井県, 山梨県, 長野県, 岐阜県, 静岡県, 愛知県, 三重県 都道府県や市区町村などは、不登校に関する相談窓口を設置しています。また、不登校の児童生徒のサポートを行う公的な機関である「教育支援センター(旧:適応指導教室)」も、多くの自治体で設置されています。 しかし、お子さんが不登校になった保護者の方からは、「まずは公的なところに相談したかったけれど、相談先がわからなかった」という声をお聞きすることがよくあります。 そこで、不登校オンラインでは、各都道府県(が設置・委託する団体)と文部科学省の公式ウェブサイトにある「不登校の相談窓口のページ」を紹介します。こちらは中部・東海編(新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県)です。(この記事は、随時更新予定です) お子さんのことは、保護者だけ、ご家庭だけで抱え込まず、ぜひ専門家やサポート団体にご相談ください。 最初に〜相談先には、相性があります〜 「公的な相談窓口・サポート団体」であっても、お子さん・保護者さまと相性がよいとは限りません。残念ながら相性がよくなかった場合は、別の相談窓口・サポート団体を探すことをオススメします。 また、最初から「民間の不登校サポート団体」に相談してももちろんOKです。 「不登校からの学び直し」「不登校からの受験」については、不登校オンラインと同じく株式会社キズキが運営するキズキ共育塾でも承っております(全国対応)。ぜひお気軽にご相談ください。 そのほか、不登校のサポート団体の探し方は、下記の関連記事もご覧ください。 関連記事 1. 新潟県 新潟県内の市町村教育委員会所管による教育支援センター一覧(新潟県 ※PDF) 不登校対策について(新潟県 いじめ対策ポータル) いじめ相談窓口(新潟県 いじめ対策ポータル ※不登校相談も可能) 一人でなやまず、まず相談を!<いじめ・不登校相談電話>(新潟県) 相談・支援(新潟県立教育センター) 不登校に関する地元の相談窓口・新潟県(文部科学省) 2. 富山県 もしも不登校になったとき とやまよりそいマップ(「富山県不登校を考えるネットワーク」が作成。リンク先は富山県 ※PDF) 困った時の相談窓口(県内の主な相談機関)(富山県) 不登校に関する地元の相談窓口・富山県(文部科学省) 3. 石川県 石川県子ども・若者相談・支援窓口ガイド(石川県) 不登校児童生徒の保護者のための支援ガ... --- ### 【関西・近畿編】不登校の公的な相談窓口・サポート団体・教育支援センターの一覧 - Published: 2025-01-11 - Modified: 2025-01-13 - URL: https://futoko-online.jp/futoko/12397/ - カテゴリー: 不登校 - タグ: 無料記事, 相談先 - ハッシュタグ: 関西, 近畿, 滋賀県, 京都府, 大阪府, 兵庫県, 奈良県, 和歌山県 都道府県や市区町村などは、不登校に関する相談窓口を設置しています。また、不登校の児童生徒のサポートを行う公的な機関である「教育支援センター(旧:適応指導教室)」も、多くの自治体で設置されています。 しかし、お子さんが不登校になった保護者の方からは、「まずは公的なところに相談したかったけれど、相談先がわからなかった」という声をお聞きすることがよくあります。 そこで、不登校オンラインでは、各都道府県(が設置・委託する団体)と文部科学省の公式ウェブサイトにある「不登校の相談窓口のページ」を紹介します。こちらは関西・近畿編(滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県)です。(この記事は、随時更新予定です) お子さんのことは、保護者だけ、ご家庭だけで抱え込まず、ぜひ専門家やサポート団体にご相談ください。 最初に〜相談先には、相性があります〜 「公的な相談窓口・サポート団体」であっても、お子さん・保護者さまと相性がよいとは限りません。残念ながら相性がよくなかった場合は、別の相談窓口・サポート団体を探すことをオススメします。 また、最初から「民間の不登校サポート団体」に相談してももちろんOKです。 「不登校からの学び直し」「不登校からの受験」については、不登校オンラインと同じく株式会社キズキが運営するキズキ共育塾でも承っております(全国対応)。ぜひお気軽にご相談ください。 そのほか、不登校のサポート団体の探し方は、下記の関連記事もご覧ください。 関連記事 1. 滋賀県 滋賀県心の教育相談センター業務案内(滋賀県教育委員会) 教育相談・問合せ・リンク(滋賀県教育委員会) 不登校に関する地元の相談窓口・滋賀県(文部科学省) 2. 京都府 子どもと保護者の相談マップ(京都府 ※PDF) 「きょうと不登校相談ダイヤル」(京都府) 教育相談(不登校、いじめ、子どもの行動など)(京都府府民サービスナビ) 不登校に関する地元の相談窓口・京都府(文部科学省) 3. 大阪府 すこやか教育相談(大阪府教育センター) 子ども・青少年(大阪府) 不登校に関する地元の相談窓口・大阪府(文部科学省) 4. 兵庫県 兵庫県内の教育支援センター(兵庫県教育委員会) ひきこもり、不登校等の青少年を支援するひょうごユースケアネット支援機関ナビ(兵庫県) 【相談窓口等】子ども・青少年・ひきこもり(兵庫県) 教育... --- ### 【中国編】不登校の公的な相談窓口・サポート団体・教育支援センターの一覧 - Published: 2025-01-11 - Modified: 2025-01-13 - URL: https://futoko-online.jp/futoko/12404/ - カテゴリー: 不登校 - タグ: 無料記事, 相談先 - ハッシュタグ: 中国, 鳥取県, 島根県, 岡山県, 広島県, 山口県 都道府県や市区町村などは、不登校に関する相談窓口を設置しています。また、不登校の児童生徒のサポートを行う公的な機関である「教育支援センター(旧:適応指導教室)」も、多くの自治体で設置されています。 しかし、お子さんが不登校になった保護者の方からは、「まずは公的なところに相談したかったけれど、相談先がわからなかった」という声をお聞きすることがよくあります。 そこで、不登校オンラインでは、各都道府県(が設置・委託する団体)と文部科学省の公式ウェブサイトにある「不登校の相談窓口のページ」を紹介します。こちらは中国編(鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県)です。(この記事は、随時更新予定です) お子さんのことは、保護者だけ、ご家庭だけで抱え込まず、ぜひ専門家やサポート団体にご相談ください。 最初に〜相談先には、相性があります〜 「公的な相談窓口・サポート団体」であっても、お子さん・保護者さまと相性がよいとは限りません。残念ながら相性がよくなかった場合は、別の相談窓口・サポート団体を探すことをオススメします。 また、最初から「民間の不登校サポート団体」に相談してももちろんOKです。 「不登校からの学び直し」「不登校からの受験」については、不登校オンラインと同じく株式会社キズキが運営するキズキ共育塾でも承っております(全国対応)。ぜひお気軽にご相談ください。 そのほか、不登校のサポート団体の探し方は、下記の関連記事もご覧ください。 関連記事 1. 鳥取県 市町設置の教育支援センター(適応指導教室)及びフリースクール(鳥取県) 不登校又はその傾向にある方の多様な学びの場や支援(鳥取県) いじめ・不登校総合対策センター(鳥取県) 不登校に関する地元の相談窓口・鳥取県(文部科学省) 2. 島根県 子どもの心の相談(島根県) 悩みの相談体制整備(島根県) 不登校に関する地元の相談窓口・島根県(文部科学省) 3. 岡山県 教育相談について(岡山県) 相談窓口(岡山県教育委員会) 不登校に関する地元の相談窓口・岡山県(文部科学省) 4. 広島県 いじめや不登校など児童生徒の悩みに関する相談窓口(広島県教育委員会) いじめ問題のホームページ いじめや不登校など児童生徒の悩みに関する相談窓口(広島県教育委員会) 心のふれあい相談室(広島県教育委員会) 県内外の支援機関,相談窓口 等(広島県教... --- ### 【四国編】不登校の公的な相談窓口・サポート団体・教育支援センターの一覧 - Published: 2025-01-11 - Modified: 2025-01-13 - URL: https://futoko-online.jp/futoko/12407/ - カテゴリー: 不登校 - タグ: 無料記事, 相談先 - ハッシュタグ: 四国, 徳島県, 香川県, 愛媛県, 高知県 都道府県や市区町村などは、不登校に関する相談窓口を設置しています。また、不登校の児童生徒のサポートを行う公的な機関である「教育支援センター(旧:適応指導教室)」も、多くの自治体で設置されています。 しかし、お子さんが不登校になった保護者の方からは、「まずは公的なところに相談したかったけれど、相談先がわからなかった」という声をお聞きすることがよくあります。 そこで、不登校オンラインでは、各都道府県(が設置・委託する団体)と文部科学省の公式ウェブサイトにある「不登校の相談窓口のページ」を紹介します。こちらは四国編(徳島県、香川県、愛媛県、高知県)です。(この記事は、随時更新予定です) お子さんのことは、保護者だけ、ご家庭だけで抱え込まず、ぜひ専門家やサポート団体にご相談ください。 最初に〜相談先には、相性があります〜 「公的な相談窓口・サポート団体」であっても、お子さん・保護者さまと相性がよいとは限りません。残念ながら相性がよくなかった場合は、別の相談窓口・サポート団体を探すことをオススメします。 また、最初から「民間の不登校サポート団体」に相談してももちろんOKです。 「不登校からの学び直し」「不登校からの受験」については、不登校オンラインと同じく株式会社キズキが運営するキズキ共育塾でも承っております(全国対応)。ぜひお気軽にご相談ください。 そのほか、不登校のサポート団体の探し方は、下記の関連記事もご覧ください。 関連記事 1. 徳島県 不登校児童生徒への支援について(学びの場・相談機関)(徳島県) 教育相談(徳島県立総合教育センター) 不登校に関する地元の相談窓口・徳島県(文部科学省) 2. 香川県 かがわ 子ども・若者相談・支援機関ガイドブックもの心の相談(香川県 ※PDF) 教育相談窓口(香川県教育委員会) 不登校に関する地元の相談窓口・香川県(文部科学省) 3. 愛媛県 学校が苦手な児童生徒の保護者の方へ(愛媛県総合教育センター) 思春期精神保健相談(愛媛県) 各市町の家庭児童相談窓口について(愛媛県) 不登校に関する地元の相談窓口・愛媛県(文部科学省) 4. 高知県 相談業務(高知県) 関係機関の一覧(高知県) 不登校に関する地元の相談窓口・高知県(文部科学省) 最後に〜ぜひ専門家やサポート団体にご相談ください〜 以上、四国の公的な不登校の相談窓口を紹介し... --- ### 【九州編】不登校の公的な相談窓口・サポート団体・教育支援センターの一覧 - Published: 2025-01-11 - Modified: 2025-01-13 - URL: https://futoko-online.jp/futoko/12410/ - カテゴリー: 不登校 - タグ: 無料記事, 相談先 - ハッシュタグ: 九州, 福岡県, 佐賀県, 長崎県, 熊本県, 大分県, 宮崎県, 鹿児島県, 沖縄県 都道府県や市区町村などは、不登校に関する相談窓口を設置しています。また、不登校の児童生徒のサポートを行う公的な機関である「教育支援センター(旧:適応指導教室)」も、多くの自治体で設置されています。 しかし、お子さんが不登校になった保護者の方からは、「まずは公的なところに相談したかったけれど、相談先がわからなかった」という声をお聞きすることがよくあります。 そこで、不登校オンラインでは、各都道府県(が設置・委託する団体)と文部科学省の公式ウェブサイトにある「不登校の相談窓口のページ」を紹介します。こちらは九州編(福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県)です。(この記事は、随時更新予定です) お子さんのことは、保護者だけ、ご家庭だけで抱え込まず、ぜひ専門家やサポート団体にご相談ください。 最初に〜相談先には、相性があります〜 「公的な相談窓口・サポート団体」であっても、お子さん・保護者さまと相性がよいとは限りません。残念ながら相性がよくなかった場合は、別の相談窓口・サポート団体を探すことをオススメします。 また、最初から「民間の不登校サポート団体」に相談してももちろんOKです。 「不登校からの学び直し」「不登校からの受験」については、不登校オンラインと同じく株式会社キズキが運営するキズキ共育塾でも承っております(全国対応)。ぜひお気軽にご相談ください。 そのほか、不登校のサポート団体の探し方は、下記の関連記事もご覧ください。 関連記事 1. 福岡県 福岡県不登校児童生徒支援リーフレット(福岡県 ※PDF) 相談窓口一覧(3 健康・福祉・子育て)(福岡県) 教育相談(福岡県教育センター) 不登校に関する地元の相談窓口・福岡県(文部科学省) 2. 佐賀県 不登校についての相談・関係資料(佐賀県教育委員会) 学校生活(いじめ・不登校・非行など)に関しての相談・支援(佐賀県) 不登校に関する地元の相談窓口・佐賀県(文部科学省) 3. 長崎県 長崎県子ども・若者総合相談センター「ゆめおす」(長崎県からの委託を受けて、特定非営利活動法人心澄が運営) 不登校児童生徒の支援に係る情報提供(長崎県) 不登校に関する地元の相談窓口・長崎県(文部科学省) 4. 熊本県 お問い合わせ(熊本県子ども・若者総合相談センター。熊本県からの委託を受けて、学校法人松本学園が運営... --- ### 【PTA特集】理解されない、もう頑張れない......保護者アンケートに見るホンネ① - Published: 2025-01-10 - Modified: 2025-01-13 - URL: https://futoko-online.jp/questionnaire/12378/ - カテゴリー: アンケート - タグ: 無料記事 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: PTA 「不登校オンライン」では、子どもの不登校・行き渋りを経験している保護者を対象に、PTAに関するアンケート調査を実施しました。 今回は、「子どもが不登校・行き渋りになってから、PTAとの付き合い方がそれまでと変わった方」の声を紹介します。 「PTA」の3文字へのため息ばかりかと思いきや、「えいやっ!」と奮起したエピソードや、意外な活用アイディアも。 あなたはどの「声」に共感しますか? 前回記事はこちら↓ 【PTA特集】不登校中も6割が参加 「不登校とPTA」についてのアンケート調査結果   回答者本人の声① PTAに消極的・ネガティブな気持ちになったケース 今回、最も多く寄せられたのはPTAへの参加に消極的になった方、ネガティブな気持ちになった方の声です。 そのほか、もともとPTAに負担感をもっていた方の声も、こちらでご紹介します。 ※以下、各コメント末尾の( )内は回答者のペンネーム・お子さんの現在・回答者お立場。 ■自分の子が学校へ行かないため意義を見出せない 学校に行けないわが子を置いて、来ている子のためのPTA活動をする意味を見出せない。でも、行かなければならないので、子どもを預かってもらって行った。そこまでしなければならないことが納得いかない。(クローバーさん・小学生・母親) 子どもが完全不登校の中、自分だけがPTA活動のため学校へ通う意義を見出せず、負担も大きいので、来年度は退会したいと考えている。(biscuitさん・中学生・母親) 交通量の多い交差点の見守りが当番制になっているが、子どもが不登校になってからは別の方に当番をお願いしている。(いちろうさん・小学生・父親) 「子どもの笑顔につながるPTAを!」とよく聞くが、対象は登校できている子どもに限られていて、不登校の子どもや保護者へはまったく配慮がないのがよく分かった。(マリアザミさん・中学生・母親) ■ほかの子を見るのがつらい 不登校(別室登校も含む)への理解が圧倒的に少なく、関わるたびに居心地が悪く感じた。また、自分の子どもが参加できないイベントにほかのお子さんが楽しそうに参加しているのを見るのはつらすぎる。(だるさん・小学生・母親) 学校に通っている生徒、近所の子、子どもの友だちを見ると、なぜうちの子は登校できないのかと、どうしようもない思いになる。(たかともさん・中学生・母親) 普通に登校して... --- ### 文部科学省の調査は、不登校の実態を把握できているか?「不登校の実態アンケート」を実施!ご本人さま・保護者さまからの回答をお待ちしています > ウェブメディア不登校オンラインでは、不登校の本人・保護者を対象とした「不登校の実態調査のアンケート」を実施します。不登校の本人・保護者からの声(=不登校の実態)を発信することで、不登校を取り巻く状況をよりよいものに変えていきたいと思います。ぜひ、ご協力ください。 - Published: 2025-01-10 - Modified: 2025-05-06 - URL: https://futoko-online.jp/questionnaire/12252/ - カテゴリー: アンケート - タグ: ピックアップ, 無料記事 ウェブメディア「不登校オンライン」では、不登校の本人・保護者を対象とした「不登校の実態調査のアンケート」を実施します。 アンケートの趣旨〜文部科学省の調査は、不登校の実態を把握できているか〜 文部科学省は、毎年「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」を実施し、不登校の人数や原因などを公表しています。令和5年度の同調査によると、小中学生の不登校児童生徒数は、過去最多の34万6482人。高校生の不登校は6万8770人で、小中高の合計では41万5252人です。 同調査に関する文部科学省や関係各者の取り組みには、敬意を表します。しかし、同調査への回答者は、学校や教育委員会の方々です。そのため、 調査・公表の内容が「実際の状況」や「児童生徒・保護者の認識」とは異なる可能性があることも事実です。 一例として、令和5年度の調査では、学校側が「不登校児童生徒について把握した事実」として「いじめの被害の情報や相談があった(≒不登校にいじめが関係している)」のは、小中学生の合計で全体の1. 8%(4,463人)となっています。しかし、学校側が把握していない「いじめによる不登校」「不登校といじめの関係」もあるのではないでしょうか。 他に、不登校児童生徒から「学校生活に対してやる気が出ないなどの相談があった」という事実もあります(小中学生の合計で32. 2%、111,631人)。しかし、「なぜやる気が出ないのか」といった背景については触れられていません。 そこで、ウェブメディア不登校オンラインでは、不登校の本人・保護者を対象とした「不登校の実態調査のアンケート」を実施します。 不登校の本人・保護者からの声(=不登校の実態)を発信することで、不登校を取り巻く状況をいっそう明らかにし、よりよい社会を築くきっかけとしたく思います。ぜひ、ご協力ください。 この記事をご覧になっている保護者の方は、お子さんにもご共有いただければ幸いです。 回答はこちらから アンケートは、こちらのグーグルフォーム(https://forms. gle/iNXzXjcib61f6j9b8)からご回答いただけます。 アンケートについての補足 補足① 文部科学省の「不登校」には、「年間30日以上の欠席」などの定義があります。 このアンケート調査では、厳密に「年間30日以上の欠席」などと限定せず、「学校に... --- ### 【PTA特集】不登校中も6割が参加 「不登校とPTA」についてのアンケート調査結果 - Published: 2025-01-09 - Modified: 2025-01-09 - URL: https://futoko-online.jp/questionnaire/12292/ - カテゴリー: アンケート - タグ: 無料記事 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: PTA 子育て世代の就労状況、家族の様態が多様化するなか、近年、PTAのあり方についての議論や新しいムーブメントが大きく報じられています。 不登校の子どもの保護者の場合、PTAは自分の子どもが行けない/行かない学校での活動です。そこに意義を見出す人もいれば、傷つき、疲弊する人もいます。 「不登校オンライン」では、子どもの不登校・行き渋りを経験している保護者を対象に、PTAに関するアンケート調査を実施しました。 その結果、子どもが不登校中でも6割以上の保護者がPTAに参加していることが判明。一方で、5割以上が「不登校に関連して、PTAは、自分・配偶者・子どもの役立っていない」と認識していることがわかりました。 1. 回答者の属性 今回のアンケートには、102名の保護者の方からご回答いただきました。 ご回答者のお子さんの不登校・行き渋りの状況は、以下の通りです。 現在... ... 74名 以前... ... 22名 その他... ... 6名 「その他」と回答された方も、別室登校、毎日遅刻など、お子さんが登校に何らかの困難を抱えていましたので、広い意味で「行き渋り」と捉えられます。 今回ご回答いただいた方のお立場は、母親が97名と圧倒的多数、父親が4名、祖母が1名(両親不在)でした。 2. 登校・行き渋り前、不登校・行き渋り中のPTA活動参加の変化 お子さんの「不登校前」と「不登校中」のPTA活動への参加状況を、回答者ご本人と配偶者それぞれについて尋ねました。 不登校前、不登校中ともに回答者本人(大多数が女性)の参加が多く、配偶者(大多数が男性)の参加が少なくなっています。 全体的に、子どもの不登校中はPTA活動から距離を置く傾向が見られました。それでも、6割以上が参加しています。 ※「参加」は「積極的に参加」「必要なときだけ参加」の合計。「その他」は自由記述内容から「参加」または「不参加」に振り分けています。 回答者ご自身のPTA参加 〈回答内訳〉 ■不登校前 「積極的に参加していた」... ... 29名 「必要なときだけ参加していた」... ... 54名 「参加していなかった」... ... 13名 「その他」... ... 6名(「参加」5名、「不参加」1名) ■不登校中 「積極的に参加している」... ... 23名 「必要なときだけ参加している」... ... ... --- ### 小中高生の不登校、過去最多約41万5千人に達した背景を受け、通信制高校合同説明会『まるごと通信制フェスタ2025』を全国47都道府県で2025年1月から開催 - Published: 2025-01-08 - Modified: 2025-01-13 - URL: https://futoko-online.jp/pr/12273/ - カテゴリー: プレスリリース - タグ: 無料記事 - ハッシュタグ: 通信制高校 令和5年度、不登校の小中高生が過去最多の約41万5千人に上ることが「令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」にて分かりました。家庭や学校での悩みが深刻化する中、通信制高校に対する関心がますます高まっています。 こうした状況を受け、株式会社リクメディア(所在地:福岡県福岡市、代表取締役:藤村賢志)は、全国47都道府県の通信制高校・サポート校がオンラインで合同開催する説明会「まるごと通信制フェスタ2025」を、2025年1月よりスタートいたします。ZOOMを使ったライブ配信形式で、全8校が15分ずつ登壇。新入学を検討中の中学生・転校や進路変更を検討中の高校生・保護者の皆さまが“通信制高校”の魅力をオンラインで見比べられる進学イベントとなっております。 1.不登校児童生徒数の急増と背景 文部科学省の最新調査(令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果)によると、小中高生の不登校児童生徒総数はH26(2014年)時点の約17. 6万人から、R5(2023年)には約41. 5万人に達し、約2. 4倍に増加しています。学校種別にみると以下のとおりです。 小学校:25,864人 → 130,370人(約5倍) 中学校:97,033人 → 216,112人(約2倍) 高等学校:53,156人 → 68,770人(約1. 3倍) 合計:176,053人 → 415,252人(約2. 4倍) 小学生から高校生まで、全体的に不登校児童生徒が増えており、中には「集団になじめない」「学習ペースが合わない」など個々に異なる要因が存在します。また、高校生の場合も様々な悩みを抱えて、やむを得ず退学や不登校に至るケースが増えています。 不登校児童生徒数の推移・表 不登校児童生徒数の推移・グラフ 2.小中学生における学年別の不登校児童生徒数について さらに学年別で見ると、小学校低学年の段階から不登校の数が増える傾向が年々強まっています。特にコロナ禍後では大きく増加していることがわかります。学習ペースや対人関係、オンライン授業の有無など多角的な要因が絡み合っており、早い段階で新しい学び方やサポート体制を検討する必要があります。 学年別の不登校児童生徒数の推移・グラフ 学年別の不登校児童生徒数の推移・表 3.「まるごと通信制フェスタ2025」... --- ### 【不登校混乱期】「ウチの子の将来、大丈夫かな......」ネガティブ思考から解き放たれる「根拠ある大丈夫」の見つけ方 - Published: 2025-01-07 - Modified: 2025-03-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/12233/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 不登校混乱期 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 入試面接, 不登校からの進路 不登校のお子さんがいる保護者の方は、学校に行っている子と不登校のお子さんを比較して、「ウチの子の将来は大丈夫かな... ... 」と、心配していることが少なくありません。 誰にも相談できず、確かな情報が少ないなかでは、物事を冷静に考えることが難しいもの。不安な気持ちが膨らんで、悲観してしまうこともあります。 でも実際には、不登校の子どもの将来が閉ざされているということはまったくありません。 不登校から就職や進学など「次の一歩」に踏み出した方々は、世の中に大勢いるのです。 これまで不登校オンラインでご紹介してきたのは、そうした方々のほんの一部です。決して稀なケースではありません。 とはいえ、ただ「大丈夫」と言われても、やはり不安が完全に消えることはないでしょう。 そこで今回は、「不登校の進路」について、客観的な視点から「大丈夫」の見つけ方をお伝えします。 人との違いにあえて着目する まず、次の進路に歩んでいくために、「普通」である必要はまったくありません。 そもそも「普通」という言葉は、「みんなと同じ」、ただ「多数派」であるという意味に過ぎない場合も多いのです。 むしろ、ほかの人にはない視点や価値観を持っていることが、生きていくなかで大きな強みになることがあります。 お子さんらしいストーリーを見つける 不登校のお子さんには、学校へ行っているお子さんにはない経験があります。 大切なことは、その経験のなかで気づいた視点や価値観を活かして、お子さんらしさを表すストーリーを見つけていくことです。 不登校の間にどのように過ごしていたのか、どんな思いで次の進路を選んだのかなど、語れるエピソードを少しずつ積み重ねていくとよいでしょう。 何かを成し遂げたエピソードである必要はありません。 昼夜逆転の生活など、一般にネガティブに考えられがちなことでも、ほかの人が知り得ない感情を味わった、お子さんオリジナルの経験です。 こうしたエピソードは、受験の面接などで貴重な話題となり、ほかの受験生とは違う角度から自分をアピールすることができます。 人との違いを不安に感じることがあっても、その違いこそがお子さんらしさなのです。 本人のエネルギーが足りないときは、無理強いしない ただし、エネルギーが不足しているお子さんにとっては、他者との違いに目を向けることや、自分のストーリーを作ることが負担に感じら... --- ### 子どもが不登校……。PTAとはどう付き合えばいいの? - Published: 2025-01-06 - Modified: 2025-01-06 - URL: https://futoko-online.jp/column/12214/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: PTA 子どもが学校に行けていない。保護者の方はそれだけで不安な日々を過ごされています。 そんな中、PTAの仕事が回ってきてしまった... ... 。これって参加しないといけないの?  学校やほかの保護者の方には相談しづらいこの話題についてまとめました。 不登校でも、PTA活動には参加しないといけないの? 不登校の子どもの保護者から、「不登校でもPTAには参加しないといけないの?」というご相談をいただくことがあります。 PTAは任意加入の団体です。とはいえ、大半の保護者が加入していますし、全員加入を前提として加入の同意をとらない学校もあるようです。 子どもが学校に行けていないのに保護者が学校に行くのはつらい。PTA役員に選出されるなんてもってのほか。そんな思いをされている方は少なくありません。 学校によっては、輪番制の登下校の見守りや学校行事のお手伝いなど、さまざまな活動があり、負担に悩まれる方も多くいらっしゃいます。 子どもが不登校で、PTA活動がキツい場合は ほかの保護者はどうしていたのか、自分で情報収集をする ほかの不登校の保護者はどうしていたのかを聞ける場があるなら、まずはそこで情報収集してみるのがいいでしょう。 「PTA活動に参加できない旨を誰にどう伝えたか」「どのように負担を減らしたか」など、先輩保護者の体験談が一番役に立ちます。 担任の先生に相談する ご自分の参加しやすい親同士のコミュニティがすぐに見つからない方は、まず担任の先生に相談してみましょう。 PTA活動に参加できない旨を誰に伝えればいいのかわからない場合も、担任の先生に窓口になってもらえるよう掛け合うのがよいでしょう。 スクールカウンセラーに相談する 忙しそう、普段コミュニケーションを取らないので話しづらい、などの理由で担任の先生と話すのにストレスを感じるなら、学校にいる「教員」以外の方に相談してみるのはいかがでしょうか。 スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーがいる学校もあります。もしかしたら、これまでの事例を知っているかもしれません。 役員に選出されないよう交渉する 「役員に選出されるのは何としても避けたい」という方も少なくありません。 役員が免除される場合の規定がある学校もあります。不登校が免除の対象になるかどうかは学校によるので、まずは話しやすい先生に窓口になってもらい、PTAに確... --- ### 【好評につき追加開催】保護者さま向けオンライン勉強会のお知らせ〜「不登校からの進路設計と今から準備できること」・「発達特性のある子の『いま』と『これから』を考える」〜 - Published: 2024-12-27 - Modified: 2024-12-27 - URL: https://futoko-online.jp/event/12204/ - カテゴリー: イベント - タグ: 無料記事 - ハッシュタグ: 発達障害, 不登校の進路, 進路 大好評をいただいている無料勉強会を、2025年1月に追加開催いたします! ぜひご検討くださいませ。 「子どもが発達障害と診断された。これからどうしたらいいんだろう... 」 「進学や学校復帰はあきらめないといけない?」 「不登校の子の将来に向けて、何を準備すればいい?」 お子さまが発達障害の特性で悩んでいたり、お子さまが不登校になったら、そんなことが不安になりませんか。 私たち「キズキ共育塾(※)」「キズキ家学(※)」では、そのような生徒さま・保護者さまのお話をたくさんお聞きしてきました。(※不登校オンラインと同じく、株式会社キズキが運営する「不登校のお子さんのための完全個別指導塾・家庭教師」) そして、学校に行けなかった方が高校や大学に進学し、「自立」できるようにと、これまで約8,000人以上の生徒さまをサポートしてまいりました。 この勉強会では、発達障害のあるお子さまや、不登校のお子さまがいらっしゃる保護者の方が、次のようなことがわかります。 「これからどうお子さまをサポートすればいいのか」 「何を準備しておけばいいのか」 将来の進路選択に悩まれている方も、お子さまのこれからについて漠然と不安がある方も、ぜひご参加くださいませ。 勉強会概要 ■勉強会テーマ 1月5日(日)・7日(火):不登校からの進路設計と今から準備できること 1月8日(水)・11日(土): 発達特性のある子の「いま」と「これから」を考える ■登壇者 キズキ共育塾 大宮校 教室長 兼 学習カウンセラー 末永雅彦(すえなが・まさひこ) キズキ共育塾 神戸校 教室長 兼 学習カウンセラー 拝野真子(はいの・まこ) ■実施日時 以下のいずれかをお選びください。 《不登校》 1/5(日) 13:00~14:30 1/7(火) 20:00~21:30 《発達特性》 1/8(水) 20:00~21:30 1/11(土) 10:30~12:00 ■開催方法 オンライン(ZOOM) ■参加費 無料 ■勉強会の対象 以下のようなご状況の、中学生〜高校生のお子さんがいらっしゃる保護者さま ◆不登校からの進路設計と今から準備できること 学校に行きにくかったり、行き渋ったりする様子がある 学校には行っているが、ときどき休むことがある 学校に行かなくなり、これからどうすればよいかわからない 学校に行かない状況が続いている... --- ### 【論文紹介】不登校はテレビでどう描かれてきた? 1960年代から調べてみたら - Published: 2024-12-27 - Modified: 2025-01-13 - URL: https://futoko-online.jp/research/12187/ - カテゴリー: 研究紹介 - タグ: 無料記事 - 著者: 半村進 - ハッシュタグ: テレビ, ドラマ, ドキュメンタリー 不登校の方のための完全個別指導塾・キズキ共育塾の半村進がお送りする、シリーズ「不登校の最新研究」。 第2回は、テレビ番組で描かれる不登校について分析した研究をご紹介します。   ドラマとドキュメンタリーに描かれる不登校 今回は「テレビ・ドキュメンタリーにおける不登校の描かれかた―定義・原因・対策をめぐる映像戦略」(原賀諒)という論文をご紹介します。 2023年に『日本文化論年報』に掲載された比較的新しい論文です。この論文はタイトルの通り、テレビ番組、とくにドラマとドキュメンタリーにおける不登校の描かれ方を調べたものです。 この論文ではテレビ番組の話題に入る前に、「不登校を表す言葉がどう変化してきたか」、そして「不登校の原因として挙げられるものがどう変化してきたか」についても、わかりやすく整理されています。 そして特筆すべきは、1960年代からの日本のテレビドラマで、不登校を扱ったものを集めた表が付属していることです。このような視点で日本のテレビドラマを集めた例は少ないので、貴重な論文と言えるでしょう。 論文の後半は、2019年5月30日にNHK総合で放映された『NHKスペシャル シリーズ子どもの“声なき声” 第2回「“不登校” 44万人の衝撃」』についての分析がメインとなります。 このドキュメンタリー番組の分析を通じて、「不登校という現象を扱ったドキュメンタリー番組のなかで、どういう映像が使われがちか」「人物描写や、対策として挙げられる手段が偏っていないか」といった論点を考えさせる内容です。 学校に通っていない子どもたちを表す言葉の変遷 この論文では海外の研究も参照し、「学校に通っていない子どもたち」を表す言葉がどう移り変わってきたかをまとめています。 「怠学」から「学校恐怖症」へ 古くは1930年代のイギリスで、すでに「怠学(truancy)」という言葉が使われていたことがわかります。ただしこの用語は、単純に「怠けている」という意味だけで使われていたのではなく、「神経症的な不登校現象の存在」も含む形で使われていました。 1940年代になると、アメリカで「神経症的症状を持つ不登校現象」への注目がより高まり、「単に怠けている」というニュアンスで受け止められがちな「怠学」に代わり、「学校恐怖症(school phobia)」という言葉が生まれます。 日本への「学校恐怖症... --- ### 【連載第5回】不登校の子ども専用の学校があるって知ってた? - Published: 2024-12-26 - Modified: 2025-01-22 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/12176/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 無料記事, 【連載】お父さんのための不登校講座 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: COCOLOプラン, 学びの多様化学校, 不登校特例校 「3分で読める不登校の基本情報」をお届けする本連載。 不登校の子どもと関わるすべての「多忙な大人たち」のために、不登校の基本の「き」をご紹介します。 第5回は「学びの多様化学校(不登校特例校)」です。 国も不登校の子どもの「学び」を憂慮しているけれど... ... 文部科学省の「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策」(COCOLOプラン)。この施策の最初に、「不登校特例校の設置を促進」と掲げられています(「不登校特例校」は令和5年8月に「学びの多様化学校」へ名称変更)。 しかし、子どもが「学校へ行きたくない」と言い出した時点で「学びの多様化学校」「不登校特例校」をすでに知っていた保護者は、どれだけいるでしょうか。 民間企業が行った調査で、学びの多様化学校を「学校以外で検討した新たな居場所」として挙げたのは3. 6%。実際に現在通っているのは2. 7%でした。(フリースクールは「検討」が20. 7%、「通っている」が13. 6%)。 出典:サイボウズそでらぼ「不登校・行き渋りの子どもがいる親1,000名へのアンケート調査結果」 学びの多様化学校が、保護者にとって身近な存在ではないことがわかります。 学びの多様化学校は、今までの学校と何が違う? 学びの多様化学校(不登校特例校)は、不登校の子どものための学校です。法令に基づき、文部科学大臣によって指定されます。フリースクールとは異なり、学びの多様化学校そのものが、子どもの正式な在籍校になります。 COCOLOプランの用語解説(不登校特例校)にはこうあります。 学校に行きづらい児童生徒のために、通常の学校より授業時間数が少ないなど、柔軟に学ぶことができる学校(小・中・高等学校等)のことです。 実際、多くの学びの多様化学校で、「遅めの登校時刻」「ソーシャルスキルの授業」「休憩スペース」など、不登校の子どもが抱きがちな困りごとに対する工夫がなされています。 また、設置促進のため、学校の形態もさまざまなものが認められています。 学校型:独立した学校として設置。 分校型:既存の学校から分離して、分校として設置。 分教室型:既存の学校の一部の学級のみを、学びの多様化学校として指定。校外施設を教室として利用する学校もある。 コース指定型:高等学校等において、一部のコースを学びの多様化学校として指定。 令和6年度はわずか35... --- ### 【書籍紹介】不登校の子どものケアは、突如「はじまってしまうもの」 - Published: 2024-12-25 - Modified: 2024-12-25 - URL: https://futoko-online.jp/books/12169/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 無料記事, 書籍紹介 - 著者: 内田青子 - ハッシュタグ: 東畑開人, 雨の日の心理学 「こころのケアの大半は、素人によって行われている」。 もちろん、医療機関やカウンセリングルームなどでケアにあたっているのは、プロ・専門家です。 しかし、日常的にこころのケアを提供しているのは、家族や友人など専門家ではない人たち。不登校の子どものケアも、素人である保護者が多くの部分を担っています。 『雨の日の心理学——こころのケアがはじまったら』(東畑開人・著、角川書店、2024年)は、ケアをする保護者をケアしてくれます。 子どもが突如として、学校に行きたくないと言い出す。 昨日まで「お父さん、お母さん」とまとわりついていたあの子が、背を向けて自分の部屋に鍵をかける。 ドアの外からやさしい言葉をかけようとすると、わが子とは思えないような暴言が返ってくる。 親は戸惑いながら、実感する。 ——子どものこころに雨が降っている。 こうやって、不登校の子のこころをケアする日々がはじまる。 ある日、突如としてはじまるのがこころのケア 「こころのケアははじめるものではなくて、はじまってしまうものである」。 臨床心理士・東畑開人氏の『雨の日の心理学——こころのケアがはじまったら』は、このような一文ではじまる。 ある日、突然、子どもが学校に行けなくなる。パートナーが夜眠れなくなる。年老いた親が離婚を言い出す。部下が会社に来なくなる。(1頁) そんなふうに、突如として、目の前の人のこころに雨が降り、ケアが始まってしまった。本書は、そんな人のために、心理学やケアの技術をわかりやすく解説した一冊だ。 ケアとは何か。 東畑氏によると、それは、「傷つけないこと」だという。 たとえば、学校に行きたくない子が車で送ってほしいと言う。学校へ行く道が心細いんだなと送迎してあげる。 お金がない大学生の子どもに、何も言わずに黙ってお小遣いを渡す。 子どもが必要としているお世話をしてあげるのが、「ケア」だ。 もちろん、いつまでも送迎をしたり、お金の仕送りを続けるわけにはいかないから、子どもが自分の問題と向き合うように促すこともいつかは必要になる。 対して「セラピー」は、自分の問題と向き合うように促すことを言うのだが、まずしなければならないのはケア。 ケアをせずに、「甘えずに一人で学校に行きなさい」「大学生なんだから親を頼るな」とセラピーだけに偏ると、その言葉は子どもにとって暴力になる。 ケアとセラピーの塩梅が... --- ### 「犬より向き合うべき対象がいるだろうよ!」 不登校の俺と犬のハナ① - Published: 2024-12-24 - Modified: 2024-12-23 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/12150/ - カテゴリー: 子どもの体験談, 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】前略、トンネルの底から - 著者: 古川寛太 - ハッシュタグ: 高校生, 犬 高校時代に不登校を経験した古川寛太さん。学校へ行けない日々が定着し始めた1年生の冬、古川さんの家に「新しい家族」がやってきます。 両親や弟たちが夢中になる姿を、複雑な思いで見つめる古川さんの胸に湧き上がった思いとは... ... ? (連載「前略、トンネルの底から」第22回・写真は古川寛太さん) 家族会議は「無効」1票、賛成多数 リビングに降りると、犬を飼うことが決まっていた。 日曜の15時すぎ。家族内投票。 賛成4票、無効1票。 これから車に乗って、子犬を譲ってくれる方のところに行くらしい。家族5人が乗った車は県北へ向かう。 休みが点から線になり始めた、高校1年生、冬のことだった。 ケージの中に犬がいた。 この子が来月出産するというので、そのうちの1匹を譲り受けるという話だった。 家族、特に両親が盛り上がっている。珍しいなと思った。久しぶりに高揚している彼らを見た気がする。 そうして約ひと月後、わが家に子犬がやってきた。 柴犬。 メス。 名前は「ハナ」。 自分の以外の存在のことを考える余裕などない わけが分からないままに家族が増えた。 2人の弟や両親は、ごはんをあげたり散歩をしたりと可愛がっていたが、俺は自分以外の存在に注意を向ける余裕がなかった。 突然、家の一角を占拠した犬の世話なんかより、自分の将来のこと、明日のこと、今日のことで、頭がいっぱいいっぱいだった。 「これ」のために散歩なんか行きたくない。脳の容量を割きたくない。 両親の注力が移り始めたのも気に入らない。新入りのあかちゃん犬より、よっぽど向き合うべき対象が屋内にいるだろうよ。 とたんに家族のアイドルになった犬に、出来損ないの長男はあまりいい目線を向けられない。 なんで俺はこんなことをしているんだろう けれど。 けれど俺は、何度もこの犬の世話を任された。 当然である。家族の誰よりも時間があると思われていたから。 「何もせず家にいるならハナの散歩くらいしろ」。 そう言って父は、職場に向かって行った。 「夕ごはんあげておいて」。 そう言って母は、キッチンから顔を出した。 犬と向き合うたび、なんで俺はこんなことをしているんだろうと思った。わざわざ危害を加えたかったわけではないが、特段の愛もない。 目の前にいる小さな柴犬に、自らをすり減らしてでも情をかける理由が、いつまでも見つからなかった。 散歩には行きたく... --- ### 5人に1人が不登校離職の現実。断たれるのは収入だけではありません - Published: 2024-12-23 - Modified: 2024-12-20 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/12136/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ - 著者: 土橋優平 - ハッシュタグ: 不登校離職 「不登校の保護者の5人に1人が仕事を離れている」。 土橋優平さんが代表理事を務めるNPO法人キーデザイン(栃木県宇都宮市)のアンケート調査でわかったことです。 回答者の98%あまりが女性。ほとんどがお母さんたちです。 多くのお母さんたちを悩ませるのは、収入減だけではありません。仕事を離れることで失う、あるものとは? (連載「出張版お母さんのほけんしつ」第52回・写真は土橋優平さん) 私たちのもとには、保護者の方からよく仕事のことについて相談が寄せられます。 今回は、子どもが不登校になったときの仕事との向き合い方についてお話しします。 子どもの不登校が仕事に与える影響は、知られていない 私たちの調査で、子どもの不登校をきっかけに休職・退職している保護者は、5人に1人と出ています。これを私たちは「不登校離職」と呼んでいます。 離職しないまでも遅刻・早退・欠勤が増えたり、雇用形態を変えたりといったケースを含めると、実は6割以上の保護者に影響が出ていることがわかっています。 子どもが不登校になったことのある経験者のみなさんなら、すぐに理解できるのですが、世間にはまだまだ認知されていないのが現実です。 この記事をご覧になっている方の中には、今まさに、仕事をどうしようかと悩んでいる方もいらっしゃるのではないかと思います。 休職するか、退職するかと悩んでいる方にぜひ考えていただきたいのは、仕事から離れた後に、家族以外に頼れる先を作ることです。 フリースクールでもよいですし、不登校の親の会でもよいです。ほかにも、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、精神科、心療内科、放課後等デイサービス、訪問看護、カウンセラー、親族、知人、友人など、選択肢はさまざまあります。 必ずどなたかと、積極的につながっていただきたいです。 「大人と会話したい」 不登校離職を経験された多くの保護者の方がおっしゃいます。 「普通の大人と、普通の会話がしたいと思うことがある」と。 子育てを経験されているみなさんなら、お分かりの方も多いかと思います。 そう、子どもが小さい頃。 まだ保育園や幼稚園にも預けられず、家で母子2人で過ごしていて、同じように思ったことがあるのではないでしょうか。 まだ幼い子どもは言葉も通じず、どこに危険が潜んでいるかわからない、常に気が張っている状態です。場合によっては、睡眠時間... --- ### 「冬休み、どうする?」不登校の子どもと過ごす年末年始のコツ - Published: 2024-12-20 - Modified: 2025-03-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/12117/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 不登校進行期, 不登校混乱期, 不登校回復期 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 冬休み, 年末年始, 長期休暇 いよいよ年の瀬。 大人にとっては大きな節目です。不登校の子どもにとってはどうでしょう? メディアの喧騒が夏休み以上に特別感を醸し出すこの時期、不登校の子どもも、普段とは違った雰囲気を感じ取っています。 不登校オンラインがお伝えしたい、冬休みの過ごし方のキーワードは「静」。 冬休みをおだやかな気持ちで過ごすための、心がけのヒントをお届けします。 冬休みは不登校の子どもも「お休み」 「不登校の子どもは、冬休み以外の時期も、いつもお休みでしょう?」 そう思われがちですが、これは大きな誤解です! 不登校の子どもにとっても、冬休みは「お休み」です。 学期中の平日の朝は、社会が動き出す「音」に満ちています。朝のテレビ番組、キッチン家電、洗面所の水音、その他雑多な朝のバタバタ。そして、家の周りから聞こえる「登校する人たちの声」。 1日の始まりの音は、不登校の子どもにプレッシャーをかけ続けます。 日中も、「学校へ行っていない」ことへの後ろめたさを感じます。「みんなにズルいと思われてないかな」「今度先生に会ったら怒られるかも」「勉強どうしよう」。 昼間ずっと寝ていても、夜遅くまでゲームをしていても、不登校の子どもの心は休めていないこともあるのです。 でも、冬休みは違います。 みんなが「お休み」だから、不登校の子どもも心おきなく「お休み」できるのです。 そして、年末年始は多くの大人にとっても「お休み」です。夏の「お盆休み」と比べて静かな過ごし方を好む人が多いことも、この時期の「お休み」感を高めています。 冬休みは、不登校の子どもが「登校」からも「活動」からも解放される、貴重な時期なのです。 年末年始に「勉強の話」は慎重に 目標達成など、何か状況を変えようとするときに有用な考え方に、「フレッシュスタート効果」があります。近年、アメリカを中心に研究されているものです。 週の初め、月の初め、誕生日などの節目に行動を起こすと、目標を達成しやすくなるというものです。とくに、「年の初め」は最も大きな節目のため、効果が高まるとされています。 日本にも古くから、「一年の計は元旦にあり」という言葉があります。「新しい年の初めに新しい目標を」というアイディアに、あまり違和感はないでしょう。 しかしここで、保護者の方に注意していただきたいことがあります。 実は、不登校の子どもに、年末年始に「勉強」を促す言葉... --- ### 不登校の子どもへの後悔している言動とありたい対応〜調査結果・保護者の経験談から - Published: 2024-12-19 - Modified: 2025-03-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/11997/ - カテゴリー: 保護者の体験談, コラム - タグ: 会員限定記事, 親の思い, 不登校進行期, 不登校混乱期 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 不登校の親, 不登校の原因, 後悔, 登校刺激 自分の子どもが行き渋りを始めたり、学校を休み始めたりしたら、不安や動揺を感じる保護者は多いでしょう。「何があったんだろう」「こんな時どう対応すればいいんだろう」「うちの子は、この先どうなるんだろう」... ... いろいろな思いが心の中を駆け巡るはずです。 この記事では、不登校初期の子どもに対する言動で保護者が後悔していることを、調査結果や経験談をまじえて紹介します(経験談は、不登校オンラインにお寄せいただいた独自の内容です)。 さらに記事後半では、「後悔の体験談」と、こうありたいと考える対応にも触れていきます。 「誰かに相談したいけれど、誰に相談すればいいかわからない」。 こんな思いを抱えている方に、子どもへの関わり方や自分の心の持ちようについてのヒントをお届けします。 【調査結果】すべきではなかった対応1位は「登校刺激をした」 不登校の子どもをもつ保護者を対象に「行き渋りを見せた子どもにするべきでなかった対応」を質問したアンケート調査があります。 調査結果によると、回答数の上位は次のようになっています。 1位:「登校刺激をする」(62. 5%) 2位:「不満を表す」(13. 6%) 3位:「理由、思いを問い詰める」(6. 8%) 多くの保護者は「できれば学校に行ってほしい」「不登校になってほしくない」と考えるものです。その気持ちから、行き渋る子どもを追い立てるように登校させることがあるかもしれません。 また、行き渋る子どもに、つい嫌な顔をしたり、きつくあたってしまったりすることもあるかもしれません。 しかし、後にその行動を後悔している保護者が多いことがわかります。 参考:PRTIMES「自殺が多い夏休み明け。「学校行きたくない」発言の子どもにするべきではなかった対応「登校刺激」「不満を表す」が計76. 1%」」 保護者がした不登校の子どもへの働きかけで後悔していること ここからは、保護者の経験談をふまえて、「後悔している子どもへの働きかけ」について紹介します。 1.原因を探りすぎる 【経験談】原因がわかれば不登校を改善できると考えていた 子どもの行き渋りが続いていたころ、私は「原因がわかれば対策を考えられて、改善できるかもしれない」と考えました。 そのため、子どもや担任の先生と話をしたり、ネットリサーチをくり返して、原因を探ろうとしました。 ところが、行きたくな... --- ### 【12/20(金)開催】無料オンラインイベント【不登校のその後を生きる】経験者が語る進学・就職のリアル~不登校に悩むアナタへ伝えたい「ここだけのハナシ」~ - Published: 2024-12-18 - Modified: 2025-01-16 - URL: https://futoko-online.jp/event/12593/ - カテゴリー: イベント 【2024年12月20日 14時30分追記】 ①12月20日13:45分までにお申し込みいただいた方には、Youtube liveのURLを記載したメールを一括送信でお送りしております。メールをお受け取りになれなかった方は、お使いのメールソフトが一括送信のメールを弾いているなどの可能性があります。 お受け取りになっていない場合、info@kizuki. or. jp までご連絡いただければ幸いです。 ②参加のお申し込みは、イベント開始の直前までお受けしております。12月20日13時45分以降にお申し込みをされた方には、Youtube liveのURLを記載したメールを随時お送りいたします。 (追記ここまで) 2024年12月20日(金)20:00~20:30、不登校オンラインは、無料のオンラインイベント「【不登校のその後を生きる】経験者が語る進学・就職のリアル~不登校に悩むアナタへ伝えたい『ここだけのハナシ』~」を開催します。 登壇者は、次の2名です。 半村進さん(不登校の方々のための完全個別指導塾・キズキ共育塾の専任相談員) 江口洸太さん(高校時代に不登校を経験。現在、慶應義塾大学在学中) お申込みはこちらから イベント趣旨 一口に「不登校」といっても、その悩みは千差万別。 ネットや書籍にある一般論を見ても、「実際のお悩み」の「具体的な解決策」は、ズバリこれが正解!というようには見つからない場合も多いです。 一般論も大切ですが、同じくらい大切なのは、なるべく多くのアプローチや実例も知って、お子さんに(自分に)合ったものを選んだり組み合わせたりすること。 そうすることで、お子さんに(自分に)ピッタリ合った「次の一歩に進む方法」が見えてきます。 今回のイベントでは、そうしたアプローチ・実例をお伝えするべく、実際に不登校から進学・就職を経験した2人の当事者の経験談を深掘りしていきます。 不登校中の家族との関係はどうだった? 不登校中にどうやって勉強してた? 不登校からの進路をどうやって決めた?などなど。 「不登校をこう乗り越えた」というポジティブな話から、「実際はここが大変だった」というリアルな経験まで、不登校にまつわる「ここだけのハナシ」を赤裸々に聞けるイベントです。 2人の経験談がお子さんに(、そして不登校であるあなた本人に)合った方法を見つける材料になるはずです。... --- ### 【1/17(金)開催】無料オンラインイベント【進路未定で不安な方へ】不登校相談員が教える進路選択の”やることリスト”作り方~「何から始める?」保護者のギモンを一気に解決!~ - Published: 2024-12-18 - Modified: 2025-01-17 - URL: https://futoko-online.jp/event/12100/ - カテゴリー: イベント - タグ: 会員限定記事 【2025年1月17日 13時45分追記】 ①1月17日13:30分までにお申し込みいただいた方には、Youtube liveのURLを記載したメールを一括送信でお送りしております。メールをお受け取りになれなかった方は、お使いのメールソフトが一括送信のメールを弾いているなどの可能性があります。 お受け取りになっていない場合、media@kizuki. or. jp までご連絡いただければ幸いです。 ②参加のお申し込みは、イベント開始の直前までお受けしております。12月20日13時30分以降にお申し込みをされた方には、Youtube liveのURLを記載したメールを随時お送りいたします。 (追記ここまで) 【2025年1月16日22時 追記】 本ページは、「【不登校のその後を生きる】経験者が語る進学・就職のリアル~不登校に悩むアナタへ伝えたい「ここだけのハナシ」~に関するお知らせを掲載しておりましたが、事情により内容を差し替えております。 なお、【不登校のその後を生きる】のイベントに関するお知らせはこちらのリンクよりご覧いただけます。 混乱を招き、ご迷惑をおかけしますこと誠に申し訳ございません。 (追記ここまで) 2025年1月17日(金)20:00~20:30、不登校オンラインは、進級・進学に悩む保護者向けの無料のオンラインイベント「【進路未定で不安な方へ】不登校相談員が教える進路選択の”やることリスト”作り方~「何から始める?」保護者のギモンを一気に解決!~」を開催します。 登壇者は、キズキ共育塾(※)・不登校相談員の寺田真依さん。 (※キズキ共育塾:不登校オンラインと同じく株式会社キズキが運営する「不登校のお子さんのための完全個別指導塾」) 進路相談のプロが、具体的かつ実践的なアドバイスをお届けします。 イベント趣旨 今年度の終わりまであと2か月。 しかし、「4月以降の進路がまだ決まっていない」というお悩みの声は、珍しくありません。 子どもは「今年度に大学受験をする」と言うけれど、受験する大学・学部をまだ決めていない。今から何をしたらいいんだろう... 。 子どもは来年度の大学受験を考えているけれど、志望校は決まっていないし、他にも何をどうしたらいいのかわからない... 。 今からできることはたくさんあります。 後悔を残さないために大切なのは、今からでも進路選... --- ### このサインは不登校のはじまり? 保護者にできるたった1つの大事なこと【不登校前兆期】 - Published: 2024-12-18 - Modified: 2025-03-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/11989/ - カテゴリー: 保護者の体験談, コラム - タグ: 無料記事, 不登校前兆期 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 不登校のサイン 子どもが不登校になる前には、小さなサインが現れることがあります。例えば「学校に行きたくない」と言葉にしたり、体調不良を訴えたりするなどです。 しかし、それらの小さなサインは見過ごされがちで、単なる「疲れ」「一時的な反抗」と捉えられることも少なくありません。 筆者自身も、子どもが学校を休みがちになった時期に、「なんで行かないの?」と問い詰めたり、無理に登校させようとしたりした経験があります。しかし、そうした対応がかえって子どもを追い詰め、子どもと学校との距離がむしろ広がったと感じました。 筆者の経験から、「まずは子どもに寄り添って話を聞く」ことの大切さをお伝えしていきます。 小さなサインに気づくためのチェックポイント 不登校の前段階の時期には、子どもの行動や発言にいくつか特徴的なサインが現れることがあります。以下に、具体的な例を挙げてみます。 ①発言 「学校が嫌い」「友だちと話したくない」など、学校に関するネガティブな発言が増える。 ②体調 頭痛や腹痛などの体調不良を訴える頻度が増える。とくに朝の登校前に現れることが多い。 ③朝の様子 学校に行く準備をわざとゆっくりする。着替えすら嫌がるなど、準備を極端に拒否する。 ④感情 急に怒りっぽくなる、些細なことで泣くなど、感情が不安定になる。 ⑤趣味・興味 これまで夢中になっていたゲームや漫画など、好きなことへの興味を示さなくなる。 不登校の原因を探る前に考えたいこと 子どもが学校へ行きたがらなくなったときに、原因を探したくなるのは、保護者として当然のことです。 しかし、無理に原因を聞き出そうとすると、子どもがプレッシャーを感じたり、親子の信頼関係を損ねたりする可能性があります。原因を知りたいという気持ちをおさえ、焦らず、子どものペースを尊重することが大切です。 子ども自身が原因を明確に言語化できない場合や、そもそも「これ」という一つの理由がないことも珍しくありません。不登校の背景には、いくつかの要因が複雑に絡み合っていることもあります。そのため、特定の「原因」に固執せず、子どもの状況を広い視野で見てみましょう。 ただし、原因のなかには専門家によるケアが必要なもの、早めに気づいて対処したほうがよいものもあります。現段階で保護者が見落としていることがないかチェックしておくことは、子どもの気持ちを理解するのに役立ちます。 以下は... --- ### 「早起き万能説」はもう古い? 昼夜逆転を見直す鍵は“社会のゴールデンタイム”にあった!【不登校進行期】 - Published: 2024-12-17 - Modified: 2025-03-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/12076/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 不登校進行期 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 昼夜逆転 「完全に昼夜が逆転していて、学校の時間に起きられない」 「夕方に起きて、夜通しゲーム。朝になったら寝てしまう」 こうした「昼夜逆転」に関するお悩みが、たくさんの方から不登校オンライン編集部に寄せられています。 生活リズムが乱れると、学校や社会生活に影響が出るため、心配される保護者も多いのではないでしょうか。 今回は昼夜逆転が起こるおもな原因を掘り下げ、無理なく生活リズムを整えていく方法をご紹介します。 夜型はどうして起こる? 一般に、生活リズムを整えるには早起きが大事だと言われます。しかし、実は必ずしもそうとは限りません。 昼夜逆転には原因がいくつかあります。 生活リズムを変えていくためには、原因を正しく理解し、お子さんに合った方法で対策をしていく必要があります。 昼夜逆転には、身体の不調や心の悩みが関係していることがあります。 「起きたくても起きられない」と悩むお子さんも多く、単に朝から活動することだけを目的に取り組むことが最善とは限らないのです。 身体の不調が原因の昼夜逆転 朝の血圧が低いなどの理由で、起床してから活動できるようになるまで時間がかかるお子さんもいます。起床から時間が経過するにつれて体調が整っていくため、必然的に夜型になりやすくなります。 無理して朝に活動を詰め込むと、本来ならば元気でいられるはずの時間にも、体調がすぐれなくなることもあります。 心の悩みが原因の昼夜逆転 ストレスや不安が理由で夜に寝付けず、昼夜逆転になるケースもあります。 とくに不登校のお子さんは、学校に行けないことに対する罪悪感から逃れたいという思いから、昼間はあえて寝て過ごすことを選び、昼夜逆転しやすい傾向にあります。 昼間に起きていると、自分を責める感情が強まり苦痛を感じやすくなるため、眠ってその時間をやり過ごそうとするのです。 一方で、みんなが活動していない夜間は安心して過ごせる時間となるため、お子さんはその時間を少しでも長く保とうとします。 こうして、夜遅くまで起きている生活が続き、昼夜逆転に陥りやすくなるのです。 「正しい生活リズム=早起き」ではない! ? では、昼夜逆転生活から、どのように生活リズムを調整していくとよいのでしょうか。 目標は早起きではなく、生活をコントロールすること 日本社会では、「正しい生活リズム=早起き」という考え方が根づいています。しかし、必ずし... --- ### 学校・勉強・進路の話をすると泣いたり暴れたり……話さないわけにはいかないのに、どうしたらいいの?【不登校混乱期】 - Published: 2024-12-16 - Modified: 2025-03-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/11992/ - カテゴリー: コラム - タグ: 会員限定記事, 不登校進行期, 不登校混乱期, 不登校回復期 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 不登校の進路, 勉強, 進路 不登校の子どもに将来の話をすると、泣いたり暴れたりで手に負えない。このようなお悩みはありませんか? 子どもの将来を思うからこそ、少しでも早い段階で解決をしたいと考えるのは、保護者の立場からすれば当たり前のことです。 しかし、泣いたり暴れたりする子どもにとっては「今は話を進めるタイミングではない」のかもしれません。だからといって、何もしないわけにはいかないと考えることも、また事実でしょう。 そこで本記事では、将来の話をすると泣いたり暴れたりする子どもへの保護者の対応を紹介します。 ※大前提として、不登校についても、「泣いたり暴れたり」についても、家庭だけで対応する必要はありません。相談先については、記事「不登校のサポート団体・専門家(相談先)の例と探し方を紹介します」をご覧ください。 学校・勉強・進路の話を、「しないわけにはいかない」という保護者の思い たいていの保護者にとって、子どもの不登校は大きな悩みの一つです。 長い人生の中ではそんなこともある。そう受け入れていたとしても、子どもの将来を考えれば、どうしても早めの対策が必要だと思ってしまうものです。 また、遠い未来のことまで考えなかったとしても、単純に「勉強についていけなくなるのでは」「このまま学校に行かなくなるのでは」と、心配の種は尽きません。 このような葛藤があればこそ、話をしないわけにはいかないと考え、実際に子どもと話し合いの場を持とうとするのです。 しかし、勉強や学校、将来の話をすると、子どもが泣いたり暴れたりするケースがあります。このような場合、無理に話を進めようとしても、子どもも保護者も消耗するだけで、何も解決しません。子どもの気持ちが理解できず、余計に混乱することも考えられます。 子どもの幸せを願った行動だったはずなのに、全力で拒否され、どうすればよいのか分からなくなってしまう。そんな保護者は多いのです。 なぜ、子どもは「泣いたり暴れたり」するのか では、実際のところ、なぜ子どもは将来の話をしようとすると「泣いたり暴れたり」するのでしょうか? もちろん、子どもの考えや思いは千差万別なので、これが正しいと決められるわけではありません。 しかし、現状を打破するために、考えられる理由をいくつか挙げてみます。 親・学校そのものが怖い 不登校になっている自分が情けない 聞かれることで嫌なことを思い出している ... --- ### 保護者の孤立はNG! 不登校中の上手な学校の利用方法 - Published: 2024-12-13 - Modified: 2025-03-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/11909/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 不登校前兆期, 不登校進行期, 不登校混乱期, 不登校回復期 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 支援団体, 相談先, 学校 不登校は、お子さんはもちろん、保護者の気持ちにも大きな影響を及ぼします。 「保護者としてどうすればいいのだろう... ... 」と悩んでいるときに、学校からお子さんの近況を尋ねる電話があると、何を答えればよいのか分からずプレッシャーがどんどん増大しますよね。 この記事では、お子さんの不登校中に学校とどのように関わればよいのかお悩みの方や、誰にも相談できずに悩んでいる方に向けて、学校や支援団体の上手な利用方法をまとめました。 保護者の孤立を防ぐ! 学校を利用するメリットとは そもそも、お子さんが欠席している間に、保護者が学校とコミュニケーションをとる必要はあるのでしょうか。 お子さんの不登校にお悩みの保護者の方は、ぜひ「頑張りすぎない」という意識を持ってください。 保護者だけで孤立しそうなときは、学校を情報源として上手く利用するのも一案です。学校から有益な情報が得られれば大きな収穫を得られますし、仮に何も情報が得られなくても状況が悪化することは決してありません。 ここでは、学校とコミュニケーションをとるメリットを3点挙げながら、上手な学校の利用方法を紹介します。 ただし、「学校だけに相談する」ことを推奨しているわけではありません。学校以外のサポート団体とも早めにつながることで、「学校とどう付き合うべきか」も相談できます。 また、学校の対応に不信を感じたり、先生が不登校の原因であったりする場合は「無理をしない! 学校が頼りにならない場合の対処法とは」の章を参照してください。 不登校は保護者だけで抱え込まない。積極的に周囲に協力を求めて! くり返しになりますが、学校を利用するメリットを述べる前に、まず強調したいのは「子どもの不登校は保護者だけで抱え込まない」という大前提です。 お子さんの不登校に直面すると「保護者である自分が何とかしなければ... ... 」「子どものことは家庭でなんとかするべき... ... 」と悩みます。 もちろん、不登校中のお子さんは心が不安定になりやすいため、保護者が寄り添い支える必要はあります。 しかし、不登校を家庭だけで受け止めようと抱え込むと、保護者自身に大きな負担がかかります。 NPO法人「登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク」が2022年10月に全国の不登校の子どもの保護者が集まる「親の会」を対象に行ったアンケートによると、半数以上の... --- ### 「不登校とPTA」の保護者アンケートを実施!みなさんのホンネを大募集! - Published: 2024-12-12 - Modified: 2024-12-12 - URL: https://futoko-online.jp/questionnaire/11923/ - カテゴリー: アンケート - タグ: 無料記事 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: PTA, アンケート ウェブメディア「不登校オンライン」は、お子さんが不登校・行き渋りである(であった)保護者さまを対象に、「不登校・行き渋りとPTA」についてのアンケートを実施します。 アンケートの趣旨・目的〜PTAって、実際どう?〜 お子さんが不登校・行き渋りの状況にある(あった)保護者さまからは、PTAについての話を聞くことがよくあります。 よくある一つは、困惑の声。 「子どもが不登校でも、PTAの役員にならなきゃいけないの?」 「子どものケアをしたいのに、PTA活動に時間を取られる... 」 そしてもう一つには、感謝の声。 「PTA活動があるおかげで、子どもと離れて冷静になれる時間を持てた」 「PTAの仲間たちに、子どものことを相談できて助かっている」 上記以外にも、「不登校・行き渋りとPTA」について思うことは、実際のご家庭、学校、PTAによって、本当にさまざまです。 そこでこの度、不登校・行き渋りのお子さんがいる保護者さまに向けて、PTAについてのアンケートを実施します! PTAには積極的に参加していますか?していませんか? PTAがあってよかったですか?なくても変わらないですか? 率直なお声をお聞かせいただくことで、不登校の保護者にとってのPTAの在り方、不登校の保護者のPTAとの上手な付き合い方を考えていくための記事を作成いたします。 また、お聞かせいただいた疑問、不安、感謝の声などは、「PTA側の有識者・専門家」などに見解や対策をお聞きする予定です。 ぜひご協力ください! ※回答中につらい気持ちになられたときには、無理にお続けにならず、すぐに中止していただいて構いません。 アンケートはこちら! 【対象】 現在、お子さんが不登校・行き渋りである保護者さま 以前、お子さんが不登校・行き渋りだった保護者さま 【ご回答期限】 2024年12月18日(水)24時 【アンケートはこちら】 こちらをクリックで、Googleフォームが開きます。 以下のQRコードからも回答できます。 あなたの「声」をお待ちしています! 「不登校オンライン」では、会員向けの記事(有料)をご用意しています。不登校のお子さんをサポートするために知っておきたい情報や、同じ悩みをもつ親御さんの体験談などを掲載しています。お申し込みは下記から(30日間無料)。 --- ### 【連載第4回】不登校でも「出席扱い」になることもある!? - Published: 2024-12-12 - Modified: 2024-12-12 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/11972/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 無料記事, 【連載】お父さんのための不登校講座 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: ICT教育, COCOLOプラン, フリースクール, 勉強, 出席扱い, 教育支援センター 「3分で読める不登校の基本情報」をお届けする本連載。 不登校の子どもと関わるすべての「多忙な大人たち」のために、不登校の基本の「き」をご紹介します。 第4回は「不登校と学習」です。 不登校でも「出席扱い」ってどういうこと? 文部科学省の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」に、「指導要録上出席扱いとした不登校の児童生徒」の数を示す項目があります。 「指導要録」は、法令で作成が義務づけられている児童生徒の学習の記録です。 学習の記録である指導要録上の「出席扱い」とは、不登校であっても、なんらかの「学習」が認められたということです。 指導要録上出席扱いとされるには、次の3つの方法があります。 ①学校内の機関等で専門的な相談・指導等を受ける ②学校外の機関等で専門的な相談・指導等を受ける ③自宅におけるICT等を活用した学習活動 「学習」が認められている子どもは多くない 学校内での指導は養護教諭やスクールカウンセラーなどによるものです。今回はこれを除外し、上記②③の学校以外の場所での「学習」について考えます。 それぞれの指導要録上出席とした児童生徒数について、直近5年間の推移を見てみます(両方の「学習」が認められた子どももは重複して計上されています)。 学校外での指導を受けて出席扱いとなった子どもは、増加傾向にあります。しかし、不登校の全体数も増加しているため、不登校全体に占める割合はほぼ横ばいです。 一方、自宅におけるICT等を活用した学習活動で出席扱いとなった子どもは、新型コロナウイルス感染症流行期に大きく増加しました。とはいえ、不登校全体に占める割合はごくわずか。令和5年度は小学校で2. 90%、中学校で3. 09%です。 指導要録上出席扱いとなった子どもは、割合としては決して多くはありません。 文部科学省の不登校対策は「学び」重視 文部科学省の「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策」(COCOLOプラン)では、「不登校により学びにアクセスできない子供たちをゼロに」と述べられています(文部科学大臣メッセージ)。 つまり、文部科学省の考える不登校対策とは、不登校の子どもの「学び」対策なのです。 そして、COCOLOプランの「目指す姿」の筆頭が、「不登校の児童生徒全ての学びの場を確保し、学びたいと思った時に学べる環境を整えます」と... --- ### 【12/13(金)開催】無料オンラインイベント:【不登校サポートのプロ直伝】親も子も無理しない不登校との向き合い方~親の心構え編~ - Published: 2024-12-11 - Modified: 2024-12-13 - URL: https://futoko-online.jp/event/11953/ - カテゴリー: イベント - タグ: 会員限定記事 【2024年12月13日 14時00分追記】 ①12月13日13時30分までにお申し込みいただいた方には、Youtube liveのURLを記載したメールを一括送信でお送りしております。メールをお受け取りになれなかった方は、お使いのメールソフトが一括送信のメールを弾いているなどの可能性があります。 お受け取りになっていない場合、media@kizuki. or. jpまでご連絡いただければ幸いです。 ②参加のお申し込みは、イベント開始の直前までお受けしております。12月13日13時30分以降にお申し込みをされた方には、Youtube liveのURLを記載したメールを随時お送りいたします。 (追記ここまで) 2024年12月13日(金)20時~20時45分、不登校オンラインが、無料のオンラインイベント「【不登校サポートのプロ直伝】親も子も無理しない不登校との向き合い方~親の心構え編~」を開催します。 登壇者は、不登校の方々のための完全個別指導塾・キズキ共育塾 池袋校の教室長、田邉千裕さんです。 ※当日に参加できない方に向けて、後日、有料会員様限定のアーカイブの配信も予定しております。 1. イベント趣旨:不登校カウンセラーが伝える、無理せず状況を変える次の一手~親子コミュニケーションの取り方講座~ 不登校のお子さんに、どう接したらよいかお悩みではありませんか? ひと口に「不登校」と言っても、きっかけや悩み、お子さんの心の中は千差万別。 接し方や対応方法を調べても、「うちの子には当てはまらないな... 」と更に悩みが深まっていくこともあるのではないでしょうか。 そこで、キズキ共育塾(※)の現役教室長・田邉千裕さんを講師にお招きし、3回のイベントにわたり不登校のお子さんとの向き合い方について考えるイベントを開催します。(※キズキ共育塾:不登校オンラインと同じく、株式会社キズキが運営する不登校の子のための完全個別指導塾) 第3回の今回は、「親も子も無理しない不登校との向き合い方」がテーマです。 お子さんと共に不登校の期間を乗り越えるためには、お子さんの心の安定はもちろん、保護者さまの心の余裕も必要です。 今回のイベントは、不登校のお子さんがいる保護者さまから寄せられた実際のお悩みにお答えしながら、「不登校に寄り添う親の心構え」について深堀りしていきます。 「子どもの不登校... --- ### 【どうして勉強しないの?】お子さんのやる気を奪う2つの「〇〇過ぎる」を徹底解説 - Published: 2024-12-11 - Modified: 2025-03-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/11458/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 不登校前兆期, 不登校進行期 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 勉強 不登校のお子さんの勉強について、以下のようなお悩みはありませんか? 勉強しなくなったわが子を見るのがつらい ゲームばかりしていて、将来どうなるのか不安 「勉強しなさい」と言っても逆効果のような気がする 不登校のお子さんが勉強をしないとき、それは「やらない」のではなく、「できない」のかもしれません。 子どもが勉強しないことを、大人は意欲の問題と捉えがちです。しかし、実際にはただ怠けているのではなく、何らかの理由で「できない」と、お子さん自身も戸惑っている可能性があります。 まずは「できない」の理由を知って、適切なアプローチを考えていくことが大切です。 今回は、勉強ができない2大原因について解説し、「できない」を「できる!」に変えていくためのアプローチをご紹介します。   できない理由はふたつの「〇〇すぎる!」 お子さんが勉強を負担に感じる理由として、おもに以下の2つが考えられます。 「量が多すぎる!」 「内容が難しすぎる!」 これらの理由がお子さんのやる気を奪い、勉強の手を止めさせてしまうのです。 それぞれの「〇〇すぎる!」について詳細に見ていきましょう。 「量が多すぎる!」でやる気が0に まずは、勉強の量の多さにお子さんが圧倒されている場合についてです。 不登校になってしばらく勉強していない場合、どこから手をつけていいか分からず、お手上げ状態になるお子さんは多いです。 取り組む前から「こんな量は、自分にはできない」と漠然とした不安を感じているのかもしれません。 計画的に取り組んでいくことは大切かもしれませんが、計画の全体像を目の当たりにして、「こんなにあるのか... ... 」と絶望するお子さんもいらっしゃいます。 とくに、スケジューリングが苦手なお子さんは、自分で勉強(の計画)を進めようとすると、適切なペースがよく分からなくなります。 そして、勉強の全体量だけに着目して、「自分の計画は、無理なく実行できるペースなのか」「この進め方で、ちゃんと間に合うのか」と、漠然と不安になることがあるのです。 そんなお子さんには、あえて計画全体を意識させず、周りの大人が計画やペースをコントロールするという手もあります。 ポイントは、「勉強全体の量は、あなたは気にしなくてOK。1つずつやっていけば大丈夫だから!」というように、お子さんから見えるタスクをとにかくシンプルにしていくこと... --- ### 通信制高校転入を決めた俺の「最後の意地」 不登校だった俺と高校教師の攻防④ - Published: 2024-12-10 - Modified: 2024-12-10 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/11883/ - カテゴリー: 子どもの体験談, 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】前略、トンネルの底から - 著者: 古川寛太 - ハッシュタグ: 通信制高校, 高校教師 不登校の高校時代、古川寛太さんは何人もの教師たちと向き合います。今回は、前回登場した倫理教師とのその後のエピソード。 教師たちへの反発と、自責の思い。相反する感情が交錯するなか、古川さんは通信制高校への転入を決めます。 転入後のある日、古川さんは「元担任」から連絡を受け... ... (連載「前略、トンネルの底から」第21回・写真は古川寛太さん) 「卒業したら二度と会わない」 担任の対応が無味無臭なのも、やっぱり関係を深めたくなかったんだろうと思う。 「卒業したらたぶんお前らとは二度と会わないと思う」。 ホームルームで彼はよく言っていた。 それが悔しかった。 なんとしてでも会うきっかけを作ってやろうと強く決めた。 授業中の話には、よく教え子が登場する。 かつての生徒の人柄やエピソードの中で、倫理学的な概念を説明していた。もう会わない人間を人形劇のように動かして、目の前の生徒に伝える。 きっと俺は数年後、変わった生徒としてこの人の舞台に登場するんだろうと思いながら授業を受けていると、とても腹立たしかった。かと言って、何もできなかった。 「俺の責任だ」なんて言わせたくない 「むしろここまで引っ張ってしまったのは俺の責任だ。お前はスパッと別の場所に行った方がいい」。 3年生になってもほとんど学校へ通えない俺に、彼はそう言った。その言葉に、俺はもう泣くことしかできなかった。 ここまでの連載で述べてきた教師たちは、そして彼もまた、圧倒的に正しい。そして優しい。 それはよく分かっていた。分かっていたのである。それでも、それに応えられない自分が小さくて、情けなくてしょうがなかった。 本当は正しくありたい。迷惑をかけずにいたい。前に進んでいたい。「俺の責任だ」なんて言わせたくない。 けれど、どうしたって動けない現実が、そこにはあった。 結局、そんな謝罪を受けた数か月後に俺は通信制高校へ転入学を決意する。だが、断じて彼の言葉がきっかけではないと、最後の意地を張らせていただく。 アフターサービスはしゃぶしゃぶ食べ放題 通信制高校転入後、少ししてから「元担任」から連絡が来た。 「しゃぶしゃぶ行こう」。 ほーん、アフターサービスまで結構なこった。 卒業できなかった高校の近辺にある、しゃぶしゃぶ食べ放題の店に入る。 この期に及んでケアとか、本当に腹が立つ。何より、俺が腹を立てるのも見越した上... --- ### 【全文公開】子どもの不登校は「親が行かないことを許すから」ではありません - Published: 2024-12-09 - Modified: 2024-12-06 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/11888/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 無料記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ - 著者: 土橋優平 - ハッシュタグ: フリースクール, 学校休んでもいいよ 「子どもの不登校は親の責任」。この論調に、フリースクール運営者・土橋優平さんは強く警戒しています。 不登校をめぐる本当の問題、そして、不登校の子どもにとって本当に必要なものを履き違える人々に、土橋さんが伝えたい真実とは? (連載「出張版お母さんのほけんしつ」第51回・写真は土橋優平さん) 今回も前回に引き続き、よくある不登校親子に対する世間の声に意見を述べようと思います。 「不登校が増えたのは、学校に行かないことを認める親が増えてきたからです」。 こんな声が、しきりに聞こえてきます。一般の人の口からだけでなく、実は公的な機関の発表でもこうした話が出ることもあるんです。 たしかに、要因の1つとしてはありえます。でも、これでは「親が学校に行かないことを許すから、子どもが不登校になる」と捉えられかねません。そしてその背後には、「親が簡単に学校に行かないことを認めている」という考えがあることすら感じられます。 今回はこのことについて述べたいと思います。 問題は「不登校の子どもが増えていること」ではない そもそも「不登校」という行為自体「問題行動ではない」と、2017年に施行された普通教育機会確保法に明記されています。さらに、2023年には文部科学省が新たな不登校支援策としてCOCOLOプランを発表し、学校に限らない多様な学び場の重要性を掲げています。 問題は「不登校の子どもが増えている」ことではなく、「不登校の子どもが増えていることに対して、支援や学び場の整備が追いついていないこと」にあります。そこを多くの方が履き違えています。 100万歩譲って、仮に「不登校」自体が問題だと考えてみます。このとき、問題の「解決」とは「学校に行く(学校に行かせる)」ことになります。 約50万人の小中学生が長期欠席(※)をするこの時代です。すべての子が学校に行くようになる施策も余裕も、今の日本社会には確実にありません。 (※)不登校のほか、病気などによる年度間30日以上の欠席も含む。 2022年度、精神的な理由による学校教員の休職者数は、過去最多となりました。教員ですら、仕事の負担が過重になり、学校に行けなくなっているのです。 こんな時代の中で、「学校に行く」ことだけを唯一の正解とすることには無理があります。つまり、「学校に行くことが正しい」という考え方を改めることが必要なのです。 悩んだ末に... --- ### ADHDの子どもの「学校行きたくない」はなぜ? 家庭でのサポートのポイントを解説 - Published: 2024-12-06 - Modified: 2025-03-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/11841/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 不登校前兆期, 不登校進行期, 発達障害 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 発達障害, ADHD ADHDのお子さんのいる保護者のなかには、次のような悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。 入学当初は楽しそうに学校へ通っていたのに、最近「行きたくない」と言うことが多くなった。 「先生に怒られるから行きたくない!」と行き渋るようになってきた。たしかに落ち着きがないかもしれないけれど、まだ小学生だし、先生も厳しすぎるのでは? 勉強面にも友人関係にも大きな問題はないはずなのに、最近元気がないような気がする。学校も休みがちだし、少し心配... ... 。 お子さんが学校への行き渋りを見せると心配になりますよね。 もちろん、学校へ行くことがすべてではありませんが、保護者がお子さんに楽しく学校へ通ってほしいと願うのは自然なこと。お子さんだって、楽しく学校へ行きたいと思っているかもしれません。 今回は、ADHDの子どもたちの気持ち、学校生活での困りごとを探り、「学校へ行きたいのになんだか行きにくい」という子どもたちへの支援のポイントを解説します。 ADHDの2つタイプと特徴 まず、ADHDのお子さんの特徴(特性)についてです。 ADHDには「多動・衝動性タイプ」と「不注意タイプ」の2つのタイプがあります。2つのタイプの特徴が混ざり合って現れることもあります。 多動・衝動性タイプ 人が好きで、積極的にコミュニケーションを取ったり、独創的なアイディアを出したりと、クラスのムードメーカーになることもあります。 その反面、集中が続かず授業中にゴソゴソする、ほかのことが気になって立ち上がる、衝動的な行動で周囲とトラブルになりやすい、といった特徴も持ち合わせています。そのため、学校生活では先生から頻繁に注意されるお子さんもいます。 本人は頑張っているつもりなのに「いつも怒られる」「認めてもらえない」と、学校に対してネガティブな気持ちになることもあります。 不注意タイプ 女子に多いとされるタイプです。 忘れ物が多い、授業中も上の空で先生の話を聞いていない、大事なことを聞き逃して何をすればよいかわからなくなる、といった特徴が挙げられます。内心焦っているのに「わからない」「教えて」と言えず、みんなのマネをしてその場を乗り切ることもよくあります。 多動・衝動性タイプより、困っていることに周囲が気づきにくいのも特徴です。常に周囲の状況に気を配らなければならず、一日を通して落ち着く時間... --- ### 【不登校からの大学受験】学部選び、どうする? - Published: 2024-12-05 - Modified: 2025-03-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/11467/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 不登校混乱期, 不登校回復期 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 大学受験, 大学進学 大学進学を希望される不登校のお子さんはたくさんいらっしゃいます。 進学を希望する理由は、以下のようなものが多いです。 どこかに所属していたい 学びたいことが見つかった 自分の向き・不向きや興味を知りたい 学生生活を送ってみたい もちろん、大学進学が人生のすべてではありません。 しかし、高校卒業後、または高卒認定取得後に「いきなり就職に向けて動けない... ... 」というお子さんにとって、進学は1つの選択肢になるでしょう。 進学を目指す際の悩みの1つが、「どの学部を選べばいいのか?」です。 お子さん自身も関心や興味が定まっていない場合に大切なのは、多様な選択肢から比較できるように、なるべく多くの情報を揃えておくことです。 今回は、お子さんの学部選びに悩んでいる保護者に向けて、「興味のある学部に出会いやすい情報の集め方」をご紹介します! まずは学部への基礎知識を再点検 「学部選びが進まない... ... 」と悩むとき、以下の理由が考えられます。 そもそも知っている学部が少ない 学部名からなんとなく受けとるイメージしかもっておらず、細かなことを知らない 例えば、以下が多くの大学に設置されているメジャーな学部です。 ◆メジャーな学部の例 ・人文学部 ・経済学部 ・法学部 ・外国語学部 ・工学部 ・理学部 ・農学部 ・薬学部 これらを見て、お子さんが「まだよく知らない」「なんとなくイメージはできるけど調べていない」と思うものがあれば、今一度調べてみることをおすすめします。 基礎知識の再点検によって、お子さん自身も見落としていた興味領域が見つかることもあります。 これらの学部は多くの大学に設置されており、たくさんの情報が公開されています。 また、メジャーな学部の中からおもしろいと思えるものがあれば、「〇〇学部 大学一覧」のように検索することで、逆引き的にその学部がある大学を知ることもできます。 学部情報の穴場スポット「ゼミ」 学部情報を探す際には、「ゼミ」に注目してみるのも1つのポイントです。 ゼミとは、1つの専門分野について研究を行う少人数授業のことです。 1つの学部の中にも様々なテーマのゼミがあり、おもしろいと思えるものを見つけるきっかけになるかもしれません。 例えば、日本文学への関心を切り口に、ある大学の人文学部のゼミ情報を調べていたところ、「方言研究」を行っているゼミ... --- ### 不登校やひきこもりを公表した芸能人37人を紹介~出典リンクつき〜 - Published: 2024-12-05 - Modified: 2025-05-06 - URL: https://futoko-online.jp/column/11688/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 有名人, 芸能人 お子さんが不登校やひきこもりの状態にあると、お子さんの今とこれからについて、そして保護者としてどう子どもに接するべきかについて、お悩みや疑問が尽きないかもしれません。 さて、テレビ、ネット、スポーツ界などで活躍する芸能人、有名人などの方々にも、不登校やひきこもりを経験し、現在の道にたどり着いた方もたくさんいらっしゃいます。 この記事では、不登校やひきこもりを経験し、現在は芸能界などで活躍する著名人とその言葉を、ご本人の著書やインタビューなどの出典リンクとともに紹介します。(※公的な定義での「不登校」や「ひきこもり」に当てはまらない可能性もあります) 出典からの引用は、あえて短めにとどめています。出典元の書籍、インタビュー、動画などをご覧いただくことで、お子さんの不登校についての示唆が得られるかもしれません。ぜひ、ご覧ください。 ※この記事は随時更新予定です。最終更新:2025年2月19日 期間限定! 無料プレゼント あなたの声を聞かせてください 関連記事 1. 白石麻衣さん(元乃木坂46) Gフラッシュ 2013年7月10日増刊号 乃木坂46の元メンバー、白石麻衣(しらいし・まい)さん。中学3年生のときに、「学校には通っていたけれど、教室に入れなくなったこと」を、『Gフラッシュ 2013年7月10日増刊号』で語っています。 私、中3の後半は教室に行かなくなったんです 中2の冬休みに入るか入らないか、という時期でした。私は普通に過ごしていたつもりだったんですが、ささいなトラブルが原因で、教室に行きづらくなってしまったんです。中3の夏休み前までは通っていましたけど、夏休みが明けてから教室に入れなくなってしまいました (インタビューの地の文で)白石は卒業式には出席しなかった。同級生たちが式を終えたころ学校に行き、一人きりの卒業式を終えた ■出典紹介: Gフラッシュ 2013年7月10日増刊号(※発行元は光文社ですが、光文社の公式ウェブサイトには同号のページがありませんでした。リンク先は、同号について紹介する乃木坂46の公式ウェブサイトです) 2. 大森元貴さん(Mrs. GREEN APPLE) 人気ロックバンドMrs. GREEN APPLEのボーカル・ギターを務める大森元貴(おおもり・もとき)さんも、中学時代は不登校だったとインタビューなどで語っています。 ラジオ番組... --- ### 発達障害・不登校の子どもの「好き」に、大人の目を向けてみよう!〜Branch代表・中里祐次氏インタビュー - Published: 2024-12-04 - Modified: 2024-12-04 - URL: https://futoko-online.jp/interview/11807/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 無料記事 - 監修者・専門家: 中里祐次, Branch(ブランチ) - ハッシュタグ: 発達障害, 居場所 「マイナス面に注目するよりも、得意なこと、好きなことをとことん突き抜けさせたほうがいいじゃない!」 オンラインフリースクールBranch(ブランチ)代表・中里祐次氏は、発達障害・不登校の子どもの「好き」を伸ばす居場所の提供を行っています。 中里さんがサービスを運営するなかで見えてきた、保護者にとって大切なものとは? ■イベント情報■ 【12月6日(金)開催!】オンラインイベント「【ストップ不登校の孤独】フリースクール代表が教える「学校以外の居場所」の探し方」 きっかけは、レゴ 私の息子は小学校1年生のころ、アスペルガー症候群(自閉スペクトラム症)/ADD(注意欠陥症)と診断されました。言語能力が高く、相手にまっすぐに正論でぶつかっていくタイプ。クラスメイトとうまくつき合えなくて、行き渋りになった時期もありました。 小さいころの息子は、「東大レゴ部に入りたい」と言うほどの大のレゴ好き。それを思い出し、私は息子を連れて東大の文化祭へ行くことにしました。 憧れの東大レゴ部の方を前に、息子は縮こまるどころか、目をキラキラさせて質問責めです。知らない人にあんなに積極的に話しかけるなんて、私には絶対にできません(笑) 自分の周りに、自分の好きなことでつながれる大人がいる。これは子どもにとっていいことなんじゃないか。そんなことを思い巡らしていました。 実は、起業当初は今とは別のサービスを行っていたんです。でも、「もっと自分の体重を乗せられるようなサービスをやりたい」と考えて、信頼できる方に折に触れて相談していました。 この息子のエピソードを話したところ、「そういうサービス、向いてそうだよね」と言われて、「そういう手もあるのか!」と。そこがスタートです。 ニッチな「好き」にアプローチ サービスの構想段階で、発達障害の子どもの保護者にヒアリングをしました。 その結果、「子どもが発達障害とわかった時に、どうしたらいいかわからない」「情報を取得しづらい」という課題が、多くの保護者から寄せられました。 また、自分が仮説として考えていた課題も、多く上がっていました。つまり、子どもの「ニッチな好き・得意・興味関心」を保護者だけではどうやって伸ばしていけばいいかわからないというものです。 「自分がやろうとしていることは、求められているサービスなんだ」と実感しましたね。 私自身が、マイナス面を見る... --- ### 【12月6日(金)開催!】オンラインイベント「【ストップ不登校の孤独】フリースクール代表が教える「学校以外の居場所」の探し方」 - Published: 2024-12-04 - Modified: 2024-12-06 - URL: https://futoko-online.jp/event/11759/ - カテゴリー: イベント - タグ: 会員限定記事 - 監修者・専門家: 中里祐次(なかざと・ゆうじ), Branch(ブランチ) 【2024年12月6日 11時00分追記】 ①12月6日10時00分までにお申し込みいただいた方には、Youtube liveのURLを記載したメールを一括送信でお送りしております。メールをお受け取りになれなかった方は、お使いのメールソフトが一括送信のメールを弾いているなどの可能性があります。 お受け取りになっていない場合、media@kizuki. or. jpまでご連絡いただければ幸いです。 ②参加のお申し込みは、イベント開始の直前までお受けしております。12月6日10時00分以降にお申し込みをされた方には、Youtube liveのURLを記載したメールを随時お送りいたします。 (追記ここまで) 2024年12月6日(金)12時~13時30分、不登校オンラインは、不登校のお子さんがいる保護者さまに向けたオンラインイベントを開催します。 テーマは、「【ストップ不登校の孤独】フリースクール代表が教える『学校以外の居場所』の探し方」。 ご登壇者は、オンラインフリースクール「Branch」代表の中里祐次さんです。 イベントにご参加いただけるのは、下記の3種類の方々です。 「不登校の保護者さま専用のオンラインコミュニティー・親コミュ」の会員さま 不登校オンラインの有料会員(サブスク会員)さま(購読方法はこちら) 不登校オンラインで「この記事」を単体購入された方 下記ご高覧の上、ぜひご参加ください。 ※親コミュと不登校オンラインのサブスクは、登録から1か月は無料でご利用いただけます。無料期間中の解約も可能!これを機に、試しに登録してみませんか? ■中里さんのインタビュー記事はこちら 発達障害・不登校の子どもの「好き」に、大人の目を向けてみよう!〜Branch代表・中里祐次氏インタビュー 1. イベント趣旨〜【ストップ不登校の孤独】フリースクール代表が教える「学校以外の居場所」の探し方〜 不登校のお子さんは、おうちで過ごす時間が長くなる分、どうしても家族以外の繋がりが減りがちです。 しかし、将来の社会復帰や自立を見据えると、学校に行かない選択をしたお子さんにとっても、「居場所」を見つけることはとても重要です。 安心して過ごせる場所や人とのつながりがあることで、孤独感が和らぎ、自己肯定感を育む土台となるからです。 また、不登校中にも社会との関わりを絶やさず、人と関わる経験を積... --- ### ADHDは見た目でわかる?いえ、わかりません! - Published: 2024-12-03 - Modified: 2025-03-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/11772/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 不登校前兆期, 発達障害 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 発達障害, ADHD ADHD(注意欠如・多動性障害)のあるお子さんは、特性に関連して不登校になることがあります。 そして、ADHDのあるお子さんの保護者の方、また我が子にADHDがあるかもしれないと思っている保護者の方から、「ADHDは、見た目でわかるんでしょうか」という声をお聞きすることがあります。 結論から申し上げると、ADHDは、見た目ではわかりません。 以下、「ADHDと見た目」について解説します。大切なことは、あなただけ(保護者だけ・家庭だけ)でお子さんのことを抱え込まず、サポート団体を利用することです。 この記事を読むことで、「相談」への迷いやためらいが晴れたなら幸いです。 1. まずは簡潔に、ADHDの概要を紹介 ADHDとは、「注意欠如・多動性障害」を意味する、発達障害の一種です。 英語名である「Attention-Deficit Hyperactivity Disorder」の略語として、「ADHD」と呼ばれます。 ADHDには多くの特性があります。その中でも、次の2点がよく見られるものとして挙げられます。 ①不注意 忘れ物やケアレスミスが多く、確認作業を苦手とする ②多動・衝動性 気が散りやすく、貧乏ゆすりなど常に身体を動かしていないと落ちつかない ほかによく挙がる特性の現れ方に、「マルチタスクやスケジュール管理が苦手」などがあります。 この記事では、ADHDの詳細や、不登校との関係は省略します。気になる方は、記事「『ADHDと不登校』の概要・総論を紹介します」をご覧ください。次のようなことを掲載しています。 ADHD(注意欠如・多動性障害)とは、発達障害の一種 ADHDの診断は医師だけが可能 ADHDの医学的な診断基準 ADHDの特性への3つの対応方法 ADHDは、生まれつきのもの いわゆる「大人のADHD」とは いわゆる「グレーゾーン」とは ADHD以外の発達障害 「不登校のわが子にADHD(発達障害)がある」とわかって安心する保護者は少なくない ADHD(発達障害)が確定することを不安に思う方も ADHDと不登校の関係 ADHDや不登校の相談先 ADHD(発達障害)の関連記事 ■関連記事: 「ADHDと不登校」の概要・総論を紹介します 2. 結論:ADHDは、見た目ではわからない ある人にADHDがあるかどうかは、見た目ではわかりません。 「見た目ではわからな... --- ### 【通信制高校生の進路選択】悩む時間も宝物! 進路は十人十色 - Published: 2024-12-03 - Modified: 2025-03-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/11450/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 不登校回復期 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 通信制高校, 進路, ギャップイヤー 通信制高校3年生のお子さんがいる保護者は、卒業後の進路についてお悩みではないでしょうか? 卒業後の進路が見えないまま、過ぎていく日々に不安が募る... ... 。 本人に行動させたいが、過度にプレッシャーを与えるのを避けたい。 このまま待っていたら高卒ニートになるのではないか? 「進路を決めなければいけない」と思うと、焦りや不安が出てくることもあるでしょう。 今回は、通信制高校生の進路決定をする際の、さまざまな選択肢について紹介します。 通信制高校生の3人に1人は、進路を決めずに卒業 進路を決めない状態で高校を卒業する生徒の割合、いわゆる進路未決定率についてご存じでしょうか? 文部科学省が発表した2022年度の学校基本調査によると、通信制高校生の卒業時の進路未決定率は約32%でした。 (参考:文部科学省第13回高等学校教育の在り方ワーキンググループ参考資料4「検討を進めるための参考資料」 ) つまり、通信制高校生の3人に1人は、進路を決めないまま卒業しています。 全日制高校では4%程度、25人に1人の割合なので、それに比べると高い数字です。 全日制高校は多くの生徒が大学や専門学校等へ進学するため、ほかの選択肢を選ぶ生徒が少ない傾向にあるのが1つの理由です。 通信制高校は、生徒の通学や学習の自由度が高く、バックグラウンドもさまざまです。そのため進路についても、より多様な選択肢から、主体的に決定しなければならない難しさがあります。 通信制高校を卒業しても、その後の進路へ進む元気が出ないお子さんもいます。 また、卒業後すぐに大学などへ進学できなかったことで、周りに遅れをとったのではないかと不安になることもあるでしょう。 しかし、卒業後すぐに進学することが、人生のすべてを決定づけるものではありません。 ギャップイヤーがあってもいい 日本ではあまり馴染みがないですが、海外、特にヨーロッパやオーストラリアでは「ギャップイヤー」が多く利用されています。 ギャップイヤーとは、大学入学または卒業の前に、留学やインターンシップ、ボランティアを通してさまざまな経験を積むことです。 例えば、以下のような過ごし方があります。 環境問題に興味がある人、動物が好きな人はWWOOFなどで農業体験をする。 (参考:WWOOF「WWOOFについて」) 北欧の文化に触れてみたい人、デザインやアートの学び... --- ### 「小学生が学校へ行き渋りを始めたとき」に陥りやすい4つの誤解と真実 - Published: 2024-12-02 - Modified: 2025-03-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/11175/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 不登校前兆期 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 小学生 小学生のお子さんが急に学校に行きたがらなくなった... 。 そんな状況に、不安や戸惑いを感じている保護者の方も多いのではないでしょうか。 この記事では、「小学生が学校へ行き渋りを始めたとき」に陥りやすい4つの誤解と真実について詳しく解説します。 誤解1:不登校や行き渋りには、必ず明確な原因がある 多くの保護者や教師は、いじめや勉強の遅れなど、子どもが学校に行きたがらないはっきりとした原因があると考えがちです。 そして、その原因を見つけ出そうと必死になります。 「問題解決のためには原因を特定する必要がある」という考え方は、ビジネスや科学研究などでは有効です。しかし、人間の心や行動を理解するには適さないこともあります。 真実:原因は複雑で、本人も説明できないことが多い 実際には、不登校の原因は複雑で、一つに絞れないことがほとんどです。 とくに小学生は、自分の感情や状態を理解し、それを言葉で適切に表現することが難しい年齢です。 本人も、「学校に行きたくない」という気持ちは強いのに、「なぜ学校に行きたくないのか」をうまく説明できずにいるのです。 なかなかうまく言葉で表現できない そして、精神的に追い詰められた子どもは、さらに言葉で説明することができなくなります。 そのため、本人の気持ちと周りが受け取る印象に、大きなギャップが生じることがあります。 例えば、お子さんが急に癇癪(かんしゃく)を起こしたり、怒りっぽくなったりすることがあるかもしれません。 このとき、子どもは何かを伝えようとしています。しかし、うまく言葉で表現できないもどかしさが、怒りとして表に出てきているのです。 重要なのは、不登校の原因を決めつけたり、無理に探そうとしたりしないことです。まずは、今のお子さんの様子をよく観察し、「行きたくない」という言葉を受けとめて寄り添いましょう。 ■関連記事:中学生の不登校、「理由がわからない」のはよくあること〜親にできる対応や相談先を紹介〜 ※中学生の保護者に向けた記事ですが、小学生の保護者にも共通する部分は多いと思います。 誤解2:小学生のうちに不登校や行き渋りになると、取り返しがつかない 「小学生のうちは人格形成の大切な時期。不登校になると社会性が身につかず、将来に大きな影響が出る」。 このような考えをもつ人も少なくありません。 背景には、「子どもの社会性や学力は学校教... --- ### 【ゲーム・スマホ特集】ヤバい噂、それって本当? 児童精神科医がズバリお答えします! - Published: 2024-11-29 - Modified: 2024-11-30 - URL: https://futoko-online.jp/interview/11611/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: ゲーム・スマホ, 会員限定記事 - 著者: 関正樹, 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: ゲーム, スマホ, 関正樹 児童精神科医・関正樹先生インタビュー。第4弾はいよいよ最終回。 テーマは、「ゲーム・スマホの本当・うそ」です。 メディアの報道やSNSの書き込み、身近な人たちからの「忠告」に、ついつい不安になりがちな私たち。いつの間にか、自分の思い込みに縛られて身動きが取れなくなることも... ... 気になるあのギモンを、関先生が丁寧に解きほぐしてくれました! ■それって本当? その1 「長時間ゲームをするせいで、勉強する時間がとれません」 「ゲームをやめたらお子さんは勉強するか」問題。いわゆる「トレードオフ仮説」ですね。 日本の子どもたちを調査した研究で、1時間ゲームをやめさせても、男子で1. 86分、女子でも2. 70分しか勉強時間が増えないことがわかっています(中室牧子『「学力」の経済学』、ディスカヴァー・トゥエンティワン、2015年)。 ゲームをやめることと勉強を始めることは、同義ではありません。 ゲームを取り上げられたお子さんたちは、YouTubeなど別の暇つぶしに時間を使います。YouTubeも取り上げられたら何をするかというと、何もしないでぼんやしているんです。 決して、勉強時間が増えるわけではありません。 子どもの勉強へのモチベーションが低いのは、自分にマッチした課題が与えられていないからかもしれません。簡単すぎても、難しすぎてもダメなんです。 ほかにもさまざまな要因があるでしょう。 いずれせよ、子どもの勉強へのモチベーションを上げるには、ゲームを取り上げるよりも、課題を達成したときに子どもが楽しいと思える環境を整えることのほうが、ずっと効果的です。 ■それって本当? その2 「長時間のゲームで視力が低下しないか心配です」 ゲームそのものが直接的に視力に影響があるとする報告は、ほとんどありません。 近視のいちばん大きなリスク要因は、遺伝子素因です。 そして、「近くで見る」ということも、近視のリスク要因ではあります。近くで見る行為である「読書」や「勉強」の時間と視力の関係は、これまでたくさん調べられています(あまり大きな声では言えませんが、読書や勉強の視力への影響は大きいんですよ... ... )。 スマホやポータブルゲーム機は、自分の腕の長さ以上は目から画面までの距離を離せないので、当然、近くで見れば視力へのリスクはありそうです。 では、画面からの距離が遠ければ、... --- ### ASD(自閉スペクトラム症)を公表した有名人・芸能人などを8人紹介!〜出典リンク付き〜 - Published: 2024-11-28 - Modified: 2025-05-06 - URL: https://futoko-online.jp/column/11614/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 発達障害 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 発達障害, ASD ASD(Autism Spectrum Disorder、自閉スペクトラム症)のあるお子さんは、その特性に関連して不登校になることがあります。 お子さんの今とこれからについて、そして保護者としてどう子どもに接するべきかについて、お悩みや疑問が尽きないかもしれません。 さて、芸能人や有名人の中にも、ASDのある方はもちろんいます。 この記事では、ASDのある有名人の方々について、ご本人の著書やインタビューなどの出典リンクとともに紹介します。(※一部、「確定診断があるわけではないものの、精神科医からそのように言われた(その傾向があると言われた)」などの方も含みます) 出典からの引用は、あえて短めにとどめています。出典元の書籍、インタビュー、動画などをご覧いただくことで、お子さんのASDについての示唆が得られるかもしれません。ぜひ、ご覧ください(この記事は随時更新予定です)。 期間限定! 無料プレゼント あなたの声を聞かせてください 関連記事 初めに〜ASDという分類・呼称について〜 現在「ASD(Autism Spectrum Disorder、自閉スペクトラム症)」と分類されている特性は、これまでには、(高機能)自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー症候群などと様々な呼称があり、それぞれ別のものとされてきました。 それらは、2013年のアメリカ精神医学会の診断基準『DSM-5』などによって、現在は「ASD」に改められています。 ただし現実としては、臨床の場(現場の医師や看護師が働く場)でも日常的な場面でも、上記の「ASDよりも前の分類・呼称」で呼ばれることもあります。 この記事で紹介する方々の出典においても、当時の診断名で言及していることがあります。 1. 米津玄師さん(歌手) ROCKIN’ON JAPAN 2015年11月号 歌手の米津玄師(よねづ・けんし、別名義ハチ)さんは、『ROCKIN’ON JAPAN 2015年11月号』のインタビューで、次のように述べています。 (会話の成り立たせ方がわからないという話から)(略)二十歳過ぎてから自分は高機能自閉症と医者に診断されて、その時初めて合点がいきましたね。 (身の回りに人がいなかったという話から)そこで高機能自閉症があるっていうのと、うつであるというのが発覚して。そこから1、2年はずっと実況動画しか観ないみたいな... --- ### 【連載第3回】不登校の原因を説明できる子どもはいない! - Published: 2024-11-28 - Modified: 2024-11-28 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/11603/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 無料記事, 【連載】お父さんのための不登校講座 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 不登校の要因 「3分で読める不登校の基本情報」をお届けする本連載。 不登校の子どもと関わるすべての「多忙な大人たち」のために、不登校の基本の「き」をご紹介します。 第3回は「不登校の要因」。 今回も、さっそく結論です。 文部科学省の調査から「要因」が消えた? 文部科学省は毎年秋に、前年度の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の結果を公表しています。 令和4(2022)年度までの調査結果には、「不登校の要因」という項目がありました。 しかし、令和5(2023)年度の調査結果では、「不登校の要因」に代えて「不登校児童生徒について把握した事実」という項目が掲載されています。 それぞれの項目をまとめたのが、次の2つの表です。 調査報告に見る「不登校についての認識の変化」 調査項目の名称が変わっただけでなく、不登校についての認識の変化が見られます。 1. 客観的事実の提示 まず、調査項目の名称から見える変化です。 令和4年度までの「要因」は、学校から見た「要因」であって、不登校の子ども自身や保護者の認識とはズレがあるとの批判があります。 令和5年度調査では、学校が把握している客観的事実が報告されています。選択肢を「(情報/求めや)相談があった」とすることで、回答者の主観による選択を防いでいます。 2. 個々の児童生徒の事情が複雑であることが前提 令和4年度調査では児童生徒1人につき「主たる要因」1つ、それ以外のものを2つまで選択可としています。 令和5年度調査では、回答の選択数に制限を設けていません。個々の子どもをとりまく事情が複雑であること、それが不登校につながっているかどうかは問わないことが前提になっています。 3. 選択肢の分離 従来「本人に係る状況」とされてきた2つの選択肢について、取り扱いの変化を見てみます。 ■「生活リズムの乱れ・あそび・非行」 令和5年度調査では、「生活リズムの不調に関する相談があった」「あそび・非行に関する問題の情報や相談があった」に分けられました。 生活リズムの不調は、あそび・非行とは無関係な子どもにも起こります。体調不良等が原因で起こるケースも少なくありません。子どもの状況を知るうえで、従来よりも適切な選択肢になったと言えます。 ■無気力・不安 この選択肢には、「不登校は子ども本人の気力の問題か」という批判があります。 令和5年... --- ### ADHD(注意欠如・多動性障害)を公表した有名人・芸能人・スポーツ選手などを14人紹介!〜出典リンク付き〜 - Published: 2024-11-28 - Modified: 2025-05-06 - URL: https://futoko-online.jp/column/11531/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 発達障害 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 発達障害, ADHD, 有名人 ADHD(Attention-Deficit Hyperactivity Disorder、注意欠如・多動性障害)のあるお子さんは、その特性に関連して不登校になることがあります。 お子さんの今とこれからについて、そして保護者としてどう子どもに接するべきかについて、お悩みや疑問が尽きないかもしれません。 さて、芸能人や有名人の中にも、ADHDのある方はもちろんいます。 この記事では、ADHDのある有名人の方々について、ご本人の著書やインタビューなどの出典リンクとともに紹介します。(※一部、「確定診断があるわけではないものの、精神科医からそのように言われた」という方も含みます) 出典からの引用は、あえて短めにとどめています。出典元の書籍、インタビュー、動画などをご覧いただくことで、お子さんのADHDについての示唆が得られるかもしれません。ぜひ、ご覧ください(この記事は随時更新予定です)。 期間限定! 無料プレゼント あなたの声を聞かせてください 関連記事 1. 栗原類さん(モデル) 発達障害の僕が 輝ける場所を みつけられた理由 モデル・タレント・役者の栗原類(くりはら・るい)さん。 自伝『発達障害の僕が 輝ける場所を みつけられた理由』にて、ご自身がADDであることを語っています。ADDとは「注意欠陥障害」のことで、現在ではADHDに分類されます。 僕は発達障害のひとつADD(注意欠陥障害)です。8歳のとき、当時在住していたNY市の教育委員会で認定されました。 栗原さんは、自身について、次のように述べています(全てにADHDの特性が関係するとは限りません)。 小さい頃から感覚過敏だった 強い「こだわり」がある 「触感」に敏感 注意力散漫で忘れ物が多い 二つの動作が同時にできない 記憶力が弱い 感情表現が苦手、無表情に見えがち 人の心の動きを読み取るのが苦手 5歳で渡米して5年生で日本に帰国した栗原さん。中1のときには不登校も経験しています。 僕は学校で軽い脅しをかけられていました。小学校時代にはそんな事はなくはじめての体験。それが衝撃的に怖かったせいか、2週間ほど登校拒否になってしまいました。 同書では、栗原類さんのお母さま・栗原泉さんにもADHDがあると書かれています。 (略)精神科医と児童心理学者から、私(編注:泉さんのこと)自身が典型的なADHDであるとの意見が... --- ### 【2024年日本維新の会代表選挙】不登校に関する候補者アンケート結果 - Published: 2024-11-27 - Modified: 2024-11-27 - URL: https://futoko-online.jp/questionnaire/11522/ - カテゴリー: アンケート - タグ: 無料記事 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 日本維新の会代表選挙 2024年12月1日に、日本維新の会代表選挙が行われます。 「不登校オンライン」では各候補者に対し、「令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」(文部科学省)を踏まえ、不登校への取り組みに関するアンケートを実施しました。 11月27日正午までに回答をいただいた候補者の回答結果を公表します。 アンケート概要 アンケート名: 「不登校オンライン」日本維新の会代表選挙候補者アンケート アンケート実施期間: 2024年11月22日~27日正午 アンケート対象:日本維新の会代表選挙候補者(敬称略) 吉村洋文 金村龍那 空本誠喜 松沢成文 実施方法:メールでアンケートを送付、メールまたはGoogleフォームで回答 アンケート依頼・回答状況: 金村候補・空本候補・松沢候補については、11月22日に、各国会事務所へ電話連絡の上メールでアンケートを依頼しました。 吉村候補については、11月22日に、日本維新の会大阪府総支部にご教示いただいた連絡先などに電話をしましたが、連絡がつきませんでした。そのため、11月25日に後援会事務所にメールにて依頼を行いました。 連絡のついた各候補のスタッフさまからは、それぞれ丁寧にご対応いただきました。 アンケートへの回答は、空本誠喜候補と松沢成文候補の2名から得られました。 設問数:4問 文部科学省の調査によると、令和5年度の小・中学校における不登校児童生徒数は全国で34万6,482人、前年より4万7,434人増で過去最多となりました。 令和5年3月には、文部科学省から不登校対策COCOLOプランが公表されています。 この現状を踏まえ、以下の4項目についてのお考えをお聞かせください(各項目200字程度)。 Q1 不登校の子ども本人に関する現状認識と今後の取り組みについて Q2 不登校の子どもの保護者に関する現状認識と今後の取り組みについて Q3 不登校について学校関係者に関する現状認識と今後の取り組みについて Q4 不登校について国の政策に関する現状認識と今後の取り組みについて 各候補者回答 以下、各候補者からの回答をそのまま掲載します。 ■空本誠喜候補 Q1 不登校の子ども本人に関する現状認識と今後の取り組みについて (事実確認) ●不登校の小中学生は34万人余。11年連続で増加して過去最多。 ●小学生が13万370... --- ### 【ゲーム・スマホ特集】児童精神科医に聞く、ADHD・ASDの子どもたちとゲーム - Published: 2024-11-27 - Modified: 2024-11-30 - URL: https://futoko-online.jp/interview/11490/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: ゲーム・スマホ, 会員限定記事, 発達障害 - 著者: 関正樹, 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 発達障害, ゲーム, スマホ, ADHD, ASD 児童精神科医・関正樹先生インタビュー。第3弾のテーマは、「発達障害の子どもたちとゲーム」です。 ADHDとASDの子どもたちには、ゲームに関してもそれぞれに特徴的なつき合い方・困りごとがあります。大切なのは、ゲームを遠ざけることではなく、保護者や支援者のサポート。 そのために知っておきたい、ゲーム行動に現れるADHDとASDの特性と、効果的なサポートについてうかがいました。 ADHDとゲーム キーワードは「おしまい」 ■ADHDの子どもは「おしまい」が苦手 ——インタビュー第1弾で、ADHD(注意欠如・多動症)の子どもたちがゲームやスマホに依存しやすいとうかがいました。それはなぜなのでしょうか。 ADHDの子どもたちは、ものごとを「おしまいにできない」ことが多いです。それには、ADHDの特性が関わっています。 まず、「過集中」の問題があります。 たとえば、ゲームをしたり動画を観たりしているうちに、「気づいたら何時間も経っていた」「話しかけた人の声がまったく聞こえていなかった」と話してくれる子どもたちがいます。 大好きなゲームをしたり、スマホで好きなコンテンツを見たりしていると、集中しすぎて、長い時間が経っていることに本人も気づけないのです。 また、ADHDの子どもたちには「実行機能障害」があることが知られています。 ADHDの子どもたちは、段取りが悪く、物事の計画をたてたり、柔軟に考えたり、計画通りに行動したりすることが苦手です。行動を抑制することも苦手であるため、ものごとの区切りをつけることが難しいのです。 ■ゲームは自分で区切りを決めなければならない ——一口にゲームと言っても、さまざまなジャンルがあります。ADHDの子どもたちにとって、とくに「おしまい」にしづらいものはありますか? どのジャンルのゲームでも、それぞれ「おしまい」にしづらい特徴があります。 「マインクラフト」という、子どもたちに人気のゲームがあります。 このゲームには、決まったストーリーやエンディングがなく、何をするのも自由です。何かの装置や大きな建物を作るようなクリエイティブな遊びを、ずっと続けることができます。 ゲームを進めるなかで、素材を集めたり、それらを組み合わせたりする段取りや事前の準備が必要です。また、「今日はここまでにしよう」と自分で区切りを決めなければなりません。 ADHDの子ど... --- ### 【11/29(金)開催】無料オンラインイベント:高校中退したらどうすれば?不登校カウンセラーが語る「ただ、やめた」にしないための基本講座 - Published: 2024-11-27 - Modified: 2024-11-29 - URL: https://futoko-online.jp/event/11505/ - カテゴリー: イベント - タグ: 無料記事 【2024年11月29日 14時00分追記】 11月29日13時00分までにお申し込みいただいた方には、Youtube liveのURLを記載したメールを一括送信でお送りしております。 メールをお受け取りになれなかった方は、お使いのメールソフトが一括送信のメールを弾いているなどの可能性があります。 お受け取りになっていない場合、media@kizuki. or. jpまでご連絡いただければ幸いです。 参加のお申し込みは、イベント開始の直前までお受けしております。11月29日13時00分以降にお申し込みをされた方には、Youtube liveのURLを記載したメールを随時お送りいたします。 (追記ここまで) ーーーーー 2024年11月29日(金)、ウェブメディア・不登校オンラインが、「高校中退の前後後にできること・するべきこと」というテーマで、無料のオンライン講演会を実施します。 1. イベント概要 文部科学省から発表された調査によると、令和5年度の高校中退者数は46,238人。(出典:令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果 概要」) 不登校の人数が毎年増えている中、中退者数も増加の傾向にあります。 次のような状況にある方は、実は少なくないということです。 高校中退の決断をしたが、中退後のことが決まっていない 高校中退をするか迷っている 今いる高校をやめて、通信制高校や定時制高校など別の場所に移りたい、高卒認定試験を受験したい 高校中退そのものは、よいことでも悪いことでもありません。中退後の将来は、もちろん無限に拓けています。 その上で、高校中退を「よい経験」にするために、そして「悪い経験」にしないために大切なことは、「中退の前後に何をするか」です。 「できること」はたくさんあります。 まずは、中退前後にどんなアプローチ方法があるか知ることからはじめましょう。 とは言いつつも、いざ、(お子さんが)当事者になって「何をどうすればよいのだろう?」と情報を探すと、お子さんに(自分に)合ったものが分からず、不安だけがふくらんでいく... という方も多くいらっしゃいます。 そこでこの度、ウェブメディア・不登校オンラインが、「高校中退の前後後にできること・するべきこと」というテーマで、無料のオンライン講演会を実施します。 イベントは、高校中退に... --- ### 「それが分かれば苦労しない」 不登校だった俺と高校教師の攻防③ - Published: 2024-11-26 - Modified: 2024-11-25 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/11444/ - カテゴリー: 子どもの体験談, 連載, コラム - タグ: 会員限定記事, 【連載】前略、トンネルの底から - 著者: 古川寛太 - ハッシュタグ: 高校教師, 担任 不登校の高校時代、古川寛太さんは何人もの教師たちと向き合います。今回は、1年生と2年生で古川さんのクラス担任だった、倫理教師が登場します。 破天荒な経歴と、軽妙なトークで人気の教師。しかし、古川さんと2人きりで向き合うとき、そんな姿は影をひそめ... ... (連載「前略、トンネルの底から」第20回・写真は古川寛太さん) 担任は元パチプロの倫理教師 2年生と3年生の担任は教員で唯一の「倫理」の教師だった。大学で哲学を専攻していたらしい。 見た目はそこらの居酒屋にでもいそうなおじさんで、ダルそうに話す様は哲学を扱うような賢さを感じない。 それでも話がおもしろいと学年問わず人気があった。 演劇部の顧問でもあったため、自作のシナリオを書いては生徒に演じさせていた。 彼自身も高校時代、学校を放り出して川辺で本を読んでいるタイプで、高校卒業後に就職せず、パチプロを経て、大学に入り哲学を学んだという。 今では奥さんに息子娘を抱える大黒柱。 こんな「オモシロ中年」と俺は2年弱、社会科準備室でひたすら「まともな話」をしていた。 無味無臭な「オモシロ中年」 授業中はあんなにふざけて概念論を語る大人が、2人きりの場でまったくボケない。淡々と出席日数や卒業後について説き、 俺が何も言えなくなって解散する。 学校に行けた日の昼休みや放課後は、ほぼ毎日そんなことをしていた。 別に熱血教師を欲していたわけではない。それでも、自分と似た側面があり、師となる可能性を秘めていた人間が、あれほど無味無臭で存在していたことに、俺は言葉にしきれないもどかしさを感じていた。 いや、ストレスがかかりすぎて、俺の舌や鼻が麻痺していたのかもしれない。 本当はものすごい愛情のもと、俺の高校時代をサポートしてくれていたのかもしれない。 けれど、当時はそれが分からなかったし、今も分からない。 この先もきっと、分かることはない。 「そんなすぐバレる嘘、なんでつくの?」 家にいるとよく彼から電話がかかってきた。 俺は出たくなかった。 何を言われても嫌だったし、学校のことは少しでも考えていたくなかった。 親からは、「先生の電話には出ろ」と言われる。 「今日はかかってこなかった」と言うと、すぐ双方にバレた。 「そんなすぐにバレる嘘、なんでつくの?」 翌日また社会科準備室で聞かれる。 それが叱責でなく、純粋な疑問として聞いている... --- ### 「不登校=学校に適応できない子」に大反論! 変わるべきは誰か - Published: 2024-11-25 - Modified: 2024-11-22 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/11433/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ - 著者: 土橋優平 - ハッシュタグ: フリースクール, 校則, 不適応, ブラック校則 不登校は、何らかの理由で「子どもが学校に適応できない」ことが問題——この論調に強く反論する、フリースクール運営者・土橋優平さん。 「学校に適応する」という表現に潜む欺瞞を、土橋さんが鋭く指摘します。 (連載「出張版お母さんのほけんしつ」第50回・写真は土橋優平さん) 最近公開されたネット記事に、「不登校」に関する理解のないものがありました。その記事を読んだ保護者のみなさんから落胆や社会への悲観的な言葉が届いたので、その中からよく議論されるポイントを、何回かに分けて反論として書こうと思います。 不登校は「適応」の問題ではない まずは、不登校の話題が出ると「学校に適応できない子」という表現をされることについて。 私はこの考えに反対です。私に言わせれば、不登校は「時代の変化に追いつけない学校」の問題です。 みなさんが子どもの頃にもあったでしょうか。 前髪の長さ、下着の色、靴下の長さなどの服装のチェックや、キャラクター文房具など学習に関係のないものの使用禁止などといった校則。令和の今この時代にも、同じようなことをしている学校は、まだまだあります。 「何のためにそれをするのか?」と問われれば、学校は「風紀が乱れるから」「学習に関係ないから」と答えます。 反論します。 「みな一緒が正しい」は罪でしかない まず、下着の色を変えようが、前髪を伸ばそうが、風紀は乱れません。 むしろその自由を認めることで、それぞれがおしゃれしたり、それぞれの個性が表現されたりすることで、勉学以外にも楽しみが増えます。それによって友だちができ、学校生活を楽しいと感じることもあるでしょう。 キャラクター文房具も同じです。 個性もそこに現れますし、好きなキャラの文房具を使っていたら、それだけで授業が楽しくなる子もいるのではないでしょうか。それに、「学習に関係ない」、つまり学習に影響がないのであれば、それを使うことに何ら問題はないはず。 みな横並びで、一斉に同じことを同じように進めていく。 学校のその悪い習慣が、そのままこうした意味のない校則にも反映されています。ロジックの通らない校則や、「みな一緒が正しい」という文化のほうが、罪が大きいのです。 自由がないんです。自分の意思が反映されないんです。自分の気持ちを表現することも、自分の好き嫌いを言うことすら悪とされる。そんな空気が蔓延してしまいます。 これをお読... --- ### 【ゲーム・スマホ特集】児童精神科医が、ルール作りの秘訣を伝授!〜使用時間、課金、ネッ友〜 - Published: 2024-11-22 - Modified: 2024-11-30 - URL: https://futoko-online.jp/interview/11386/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: ゲーム・スマホ, 会員限定記事 - 著者: 関正樹, 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: ゲーム, スマホ, 課金, ネッ友, ルール, 関正樹 児童精神科医・関正樹先生インタビュー。第2弾のテーマは、「ゲームのルール」です。 「どんなルールがいいかは家庭によって違います」。 そんなことを言われても... ... と心配になるかもしれません。 でも、「家庭」によって違うということこそが、実は重要なメッセージ。 今回も「不登校オンライン」のゲーム好き記者が、家庭でのゲームのルール作りに欠かせない「対話のポイント」を聞きました! 守らせる力のないルールは「絵に描いた餅」 ——保護者へのアンケートでは、「ゲーム・スマホのルールが守られない」という悩みが寄せられました。悩める保護者のみなさんに、ルール作りのアドバイスをいただけますか? 基本的には、どんなルールを作るといいかということは、家庭によって違います。 まず、ルールは子どもだけが一方的に守るもの、一方的に子どもに義務が課せられるものなのか。 いえいえ、そうじゃないんです。ルールは、子どもだけの義務ではなくて、保護者も守らせなくてはいけないものです。 ですから、厳しすぎるルール、守らせにくいルールを作ると、保護者も大変です。 子どもは守りやすくて、大人も比較的守らせやすい、できるだけシンプルなルールがいいと思います。 そのほうが、ルールを守ることを好きになってくれやすいと思います。 ——ルールの内容は、「時間制限」がダントツで多かったです。でも、「決められた時間に終わりにできない」など、なかなか苦労されているようです。 時間のルールが決して悪いわけではないですが、守りにくいルールの1つと言えます。 たとえば、「ゲームは夕方5時まで。そこからは宿題」というルールを作るとします。そのときに気をつけなければならないのは、ちゃんと5時に大人が子どもに対して労力をかけられるか、ということです。 大人が誰もいない環境だったら、子どもはルールを守りません。 保護者が6時には帰って来るなら、「ゲームは6時まで」というルールにしたほうが、たぶん守らせやすい。対立も起きないし、子どももルールを守れたことで褒められて、さらに守りやすくなります。 ——子どもがルールを守れなかったときには、どうしたらいいのでしょうか。 これは、「守りやすいルールに作り変える」の一択です。 守れなかったときにルールをより厳しくするのは、悪循環の始まりです。 ありがちなのが、ペナルティを与えて守らせようとす... --- ### 【好評につき追加開催】保護者さま向けオンライン勉強会のお知らせ〜「不登校からの進路設計と今から準備できること」・「発達特性のある子のサポートと進路」〜 - Published: 2024-11-21 - Modified: 2024-11-21 - URL: https://futoko-online.jp/event/11314/ - カテゴリー: イベント - タグ: 無料記事 大好評をいただいている2024年無料勉強会を、11月に追加開催いたします!ぜひご検討くださいませ。 *** 「子どもが発達障害と診断された。これからどうしたらいいんだろう... 」 「進学や学校復帰はあきらめないといけない?」 「不登校の子の将来に向けて、何を準備すればいい?」 お子さまが発達障害の特性で悩んでいたり、お子さまが不登校になったら、こんなことが不安になりませんか。 「不登校のお子さんのための個別指導塾・キズキ共育塾」「同家庭教師・キズキ家学」では、そのような生徒さま・保護者さまのお話をたくさんお聞きしてきました。(※ともに、不登校オンラインと同じく株式会社キズキが運営しています) そして、学校に行けなかった方が高校や大学に進学し、「自立」できるようにと、これまで約8,000人以上の生徒さまをサポートしてまいりました。 この勉強会では、発達障害のあるお子さまや、不登校のお子さまがいらっしゃる保護者の方が、次のようなことがわかります。 「これからどうお子さまをサポートすればいいのか」 「何を準備しておけばいいのか」 将来の進路選択に悩まれている方も、お子さまのこれからについて漠然と不安がある方も、ぜひご参加くださいませ。 1. 勉強会概要 ①勉強会テーマ 11/22・11/23 不登校からの進路設計と今から準備できること(関東版・関西版) 【新テーマ】11/26・11/28 発達特性のある子の「いま」と「これから」を考える ②登壇者 《関東版》 キズキ共育塾 大宮校 教室長 兼 学習カウンセラー 末永雅彦(すえなが・まさひこ) キズキ共育塾 三軒茶屋校 教室長 兼 学習カウンセラー 石本真吾(いしもと・しんご) 《関西版》 キズキ共育塾 神戸校 教室長 兼 学習カウンセラー 拝野真子(はいの・まこ) ③実施日時 以下のいずれかをお選びください(※各回の実施内容は同一です)。 《関東版》 11/23(土)10:30~12:00(不登校) 11/26(火)20:00~21:30(発達特性) 《関西版》 11/22(金)20:00~21:30(不登校) 11/28(木)20:00~21:30(発達特性) ④開催方法 オンライン(ZOOM) ⑤参加費 無料 ⑥勉強会の対象 以下のようなご状況の、中学生〜高校生のお子さんがいらっしゃる保護者さま ◆不登校からの進路設... --- ### 【2024年名古屋市長選挙】不登校に関する候補者アンケート結果 - Published: 2024-11-21 - Modified: 2024-11-22 - URL: https://futoko-online.jp/questionnaire/11414/ - カテゴリー: アンケート - タグ: 無料記事 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 名古屋市長選挙 2024年11月24日に行われる名古屋市長選挙は、「令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」(文部科学省)公表後、最初の政令指定都市市長選挙です。 「不登校オンライン」では各候補者に対し、最新の調査結果を踏まえ、不登校への取り組みに関するアンケートを実施しました。 11月21日正午までに回答をいただいた候補者の回答結果を公表します。 アンケート概要 アンケート名: 「不登校オンライン」名古屋市長選挙候補者アンケート アンケート実施期間: 2024年11月18日~21日正午 実施方法:電話連絡後にメールでアンケートを送付、メールまたはGoogleフォームで回答 アンケート依頼・回答状況: 各候補の連絡先へ電話連絡の上、アンケートを依頼しました。 各候補のスタッフさまからは、それぞれ丁寧にご対応いただきました。 アンケートへの回答は、大塚耕平候補と尾形けいこ候補の2名から得られました。 (追記:2024. 11. 22)回答期限後、水谷のぼる候補より回答がありました。 1. 電話連絡の上、アンケートを依頼できた候補(敬称略、以下同じ) 広沢一郎、水谷のぼる、大塚耕平、尾形けいこ 2. 連絡のつかなかった候補 不破英紀、すずきけーめー 3. 電話番号が不明で、連絡できなかった候補 太田敏光 ※電話番号は、 名古屋市が公表した「名古屋市長選挙の立候補者一覧・選挙事務所一覧・確認団体一覧をお知らせします」及び「立候補予定者一覧」を参照しています。 設問数: 3問 文部科学省の調査によると、令和5年度の小・中学校における不登校児童生徒数は全国で34万6,482人、名古屋市で5,888人(前年より935人増)です。 いずれも過去最多となりました。 令和5年3月には、文部科学省より不登校対策COCOLOプランが公表されています。 この現状を踏まえ、以下の3項目についてのお考えをお聞かせください(各項目200字程度)。 Q1 不登校の子ども本人に関する現状認識と今後の取り組みについて Q2 不登校の子どもの保護者に関する現状認識と今後の取り組みについて Q3 不登校について学校関係者に関する現状認識と今後の取り組みについて 各候補者回答 以下、各候補者からの回答をそのまま掲載します。 ■大塚耕平候補 Q1 不登校の子ども本人に関する現状認識と今後の取... --- ### 「明日は登校する」と言っていたのに、当日になると登校しない子ども… 保護者はどう対応するべき? - Published: 2024-11-20 - Modified: 2025-03-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/11274/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 不登校前兆期, 不登校進行期 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 保護者にできること 「これからどうなっていくのだろう」。 お子さんが学校を休みがちになると、保護者は戸惑いと不安でいっぱいです。 とくに欠席が増え始めたころは、「明日こそは登校するだろうか?」と心配したり「今日は登校できた」と安心したりと、毎日一喜一憂するでしょう。 休んでいたお子さんが「明日は学校に行く」と言ったのに、翌朝「やっぱり行かない」と言って登校できなかったという経験はありませんか? そんなとき、保護者はどのように対応し、声がけをしたらよいのでしょうか。 1. なぜ「明日は登校する」と言うのか 不登校や登校しぶりが始まるころは、お子さん自身も、学校に行くか行かないか葛藤しています。 この時期に、「明日は行く」と言ったにもかかわらず、当日登校できないのには、以下の理由が考えられます。お子さんによっては、いくつかの理由が組み合わさっていることもあります。 ①本当に「明日は行こう」と思っているが、いざとなると行けない 学校に行けない状況でも、お子さんは「学校に行かなければ」と自分を責めています。前日には「明日こそは行こう」と、本当に決意しています。 ところが、いざ朝になると、学校での苦手なことや、久しぶりに同級生に会ったときの気まずさなど、登校したときのイメージがより具体的に感じられます。 そのため、不安が強まり、行けなくなるのです。 実際に前日に準備までして、当日出かけようと玄関まで行っても、そこで動けなくなるお子さんもいます。 ②保護者の影響を受けている 保護者は先々のことを考え、「できれば学校に行ってほしい」と内心では登校を期待しているものです。 本人に直接「学校に行ってほしい」とは言わなくても、保護者の気持ちを敏感に察知したお子さんが、「行く」と言ってしまうこともあります。 登校できないことで、保護者に対して申し訳なさを感じているためです。 また、保護者が頻繁に登校を促している場合は、お子さんは追い詰められた気持ちで、「明日は行く」と言うことがあります。「行く」とさえ言えば、それ以上は言われなくて済むと思うためです。 学校での経験で傷ついたお子さんは、自宅では安心して過ごしたいと思っています。登校への期待は一旦おさえて、今はお子さんの傷つきに目を注ぎましょう。 ③体調不良で朝行動することが難しい 睡眠障害や起立性調節障害などがあり、朝起きて行動することが難しいお子さんもいま... --- ### 【ゲーム・スマホ特集】児童精神科医が伝える「ゲーム障害」の真実 - Published: 2024-11-19 - Modified: 2024-11-30 - URL: https://futoko-online.jp/interview/11339/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: ゲーム・スマホ, 会員限定記事 - 著者: 関正樹, 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: ゲーム依存, ゲーム, ゲーム障害, 関正樹 児童精神科医・関正樹先生インタビュー。第1弾のテーマは、「ゲーム障害」です。 「ゲームのやりすぎで、みんながゲームに依存するようになるわけではないんです」。 関先生の言葉が多くの保護者と子どもたちの心に響くのは、ご自身が「ゲーム育ち」だからかもしれません。 「不登校オンライン」のゲーム好き記者が、ゲーム障害の特徴とリスク、そして、食い止めるために「いちばん大切なこと」を聞きました! とある児童精神科医のゲーム遍歴 ——関先生は、子どもたちのインターネット・ゲーム事情にお詳しいですよね。「これはご自身も子ども時代に相当ゲームをされているな... ... 」と想像していますが、実際どうだったのでしょう? はい。ちょうど小学校時代に、ファミコンが大流行しました。 実は、僕はアクションゲームがそんなに得意じゃなくて、「スーパーマリオブラザーズ」が全然クリアできなかったんですよね。 あんな簡単なアクションすらクリアできなくて、自分はダメなんじゃないかと思っていました。 それが「ドラゴンクエスト」に出会って大きく変わりました。ロールプレイングゲーム(RPG)は、時間をかければなんとかなるゲームです。 時間さえあれば、ゲームをちゃんとクリアできる。 それを、「ドラゴンクエスト」は教えてくれました。 とくに「ドラゴンクエスト3」はとてもよくやりました。ともに育ったと言っていいくらい。 それから、当時は野球のゲーム「プロ野球ファミリースタジアム」も好きでした。ピノの足が速かったですね。 大学時代には、「ファイナルファンタジーVII」をやりました。 これは、最初の方でアイテムを取り損なって、そのせいでラスボスにめちゃめちゃ苦労したっていう、ちょっとした思い出があります。 友だちが遊びに来ているときに、わーっと一晩かけてクリアしました。 大学卒業後、仕事を始めてしばらくすると、オンラインゲームにハマります。 MMO(多人数で参加するRPG)で人とギルド(ゲーム内コミュニティ)を組んだり、ギルドの幹部職をやってみたり。 それで「人間関係って大変だな」と学びました(笑) ここ数年は、ずっと「スプラトゥーン」ばかりやっています。 そんな感じで、ずっとゲームは好きです。 ——ゲームのジャンルは、年齢を重ねるごとにいろんなものを? そうですね。 中学時代は、セガのメガドライブでシミュレーションゲー... --- ### 【ゲーム・スマホ特集】「その姿を見るのは、正直しんどい」保護者アンケートから② - Published: 2024-11-18 - Modified: 2025-03-07 - URL: https://futoko-online.jp/questionnaire/11326/ - カテゴリー: アンケート, コラム - タグ: ゲーム・スマホ, 無料記事, 不登校前兆期, 不登校進行期, 不登校混乱期, 不登校回復期 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: ゲーム, スマホ 「不登校オンライン」では子育て中の保護者の方を対象に、子どものゲーム・スマホ使用に関するアンケートを実施しました。 今回はその回答の中から、「子どものゲーム・スマホに関するルール」と、「子どものゲーム・スマホについて思うこと」についてご紹介します。 ゲームに関するルールはやはり「使用時間制限」 前回もお伝えしたとおり、ゲーム・スマホとも、心配ごととして最も回答が多かったのは「長時間使用」。 これはゲーム・スマホに関するルールにも表れています。 ゲームのルールについての回答は、すべて使用時間の制限に関するもの。ただし、制限の仕方に2つの傾向が見られました。 ①1日に使用していい時間の量を決める 「1日45分」「平日は2時間、休日は3時間」など、1日の合計使用時間を決めたルール。 不登校の子どもについて、「学校の授業時間にはやらない、または1日3時間のどちらか選ぶ」という回答もありました。 ②1日のうち使用していい時間帯を決める 「20時まで」「中学生は23時、小学生は21時まで」など、使用していい時間帯を決めるルール。 夜の「終わりの時刻」に加えて「朝は7時前には始めず、8時にはやめる」といった朝の使用時間を設定する回答も。 また、「寝る1時間前にはやめる」「食事中はしない」「留守番中のみ」など、ややゆるやかな時間帯制限の回答もありました。 スマホのルールはより細かい スマホのルールの回答も、多くが使用時間の制限に関するものでした。使用時間の量よりも、時間帯の制限に特徴が見られます。 また、ゲームと異なり、使用方法に関してかなり具体的な内容を決めている例もありました。 ①使用時間の制限 ゲーム同様、1日に使用していい時間の量、時間帯、夜の「終わりの時刻」に関するルール。 夜の時間帯に関して、「寝室には持っていかない」「0時〜6時までの利用停止(ネット遮断)」など、「許可」ではなく「禁止」のルールも。 ②使用方法 ■マナーに関するルール 「食事中には使わない」(使用時間の制限にも関連) 「場所をわきまえて使う」 ■アプリケーションの使用ルール 「アプリインストール時は保護者の承認が必要」 「YouTubeで初めて見るチャンネルは保護者に見せる」 ■SNSなどのルール 「悪口は送らない」 「裸などの写真は送らない」 ゲーム・スマホには悩みも希望も アンケートの最後に、子ど... --- ### 【11月21日(木)開催】オンラインイベント「夫婦のすれ違い、どうすれば?〜不登校、夫婦で目線を合わせるために〜」 - Published: 2024-11-15 - Modified: 2024-11-21 - URL: https://futoko-online.jp/event/11245/ - カテゴリー: イベント - タグ: 会員限定記事 - ハッシュタグ: 夫婦関係, すれ違い ーーーーー 【2024年11月21日 11時30分追記】 ①11月21日11時30分までにお申し込みいただいた方には、Youtube liveのURLを記載したメールを一括送信でお送りしております。 メールをお受け取りになれなかった方は、お使いのメールソフトが一括送信のメールを弾いているなどの可能性があります。 お受け取りになっていない場合、media@kizuki. or. jpまでご連絡いただければ幸いです。 ②参加のお申し込みは、イベント開始の直前までお受けしております。11月21日11時30分以降にお申し込みをされた方には、Youtube liveのURLを記載したメールを随時お送りいたします。 (追記ここまで) ーーーーー お子さんの不登校について、「夫婦で価値観が合わない」「思いや行動がすれ違う」という話はよくお聞きします。 例えば次のようなこと。 自分は子どもを休ませたい。でも配偶者はそれを認めずに「休んではダメ!」「学校に行くように!」と言い続ける 「学校に行かないのなら、代わりに何々をしなさい(行かないのなら、何々は禁止)」などと一方的に言い渡す 子育ては妻(or夫)の責任だとして、自分は子どもに関わろうとしない 仕事を休んで子どものケアをするのは自分ばかりで、配偶者は気にせず仕事に行っている 学校やサポート団体と関わるのは自分ばかりで、配偶者は関わろうとしない 逆に、話題によっては、自分よりも配偶者の方が不安がって、「自分としては、なぜそんなに気にしているのかわからない」ということもあるでしょう。 夫婦や家族の形に「正解」はありません。しかし、少なくとも不登校の子どもへの対応は目線を合わせて行いたいもの。 自分としても不安でいっぱいの中、手探りで「不登校の子ども」と接している中で、配偶者とのすれ違いは、さらなる心労につながります。 配偶者は、何を考えているのでしょうか。 どうやったら配偶者と認識を合わせることができるのでしょうか。 それとも、子どものことは自分だけで対応すると割り切った方がいいのでしょうか。 今回のイベントでは、そうした「配偶者とのすれ違い」についての考え方や対応を紹介します。 登壇者は、不登校の子どもたちのための個別指導塾・キズキ共育塾で10年間相談員を務めてきた西原香織さんです。 配偶者との認識を合わせたい方だけでなく、「子ど... --- ### 【不登校家庭】きょうだいへの対応をどうする?「ズルい」と言われたら?〜体験談も紹介〜 - Published: 2024-11-15 - Modified: 2025-03-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/11185/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 不登校前兆期, 不登校進行期, 不登校混乱期 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: きょうだい 不登校の子どもがいる家庭では、きょうだいへの不登校連鎖が起こりがちです。 きょうだいから「〇〇だけ学校を休んでズルい」「自分も休みたい」と言われたらどうしますか? 「不登校の子がひとりいるだけでも大変なのに」「あなたまでそんなこと言わないで」と、さらに先が見えなくなる不安を感じる方もいるでしょう。 本記事では、不登校の子どものきょうだいへの対応のあり方を、保護者の体験談と合わせて紹介します。 1.不登校の子どもがいると、きょうだいは影響を受けやすい 不登校のきょうだい連鎖はよく起こります。 不登校のきょうだいが朝起きてこない姿、YouTubeやゲームをして家でのんびりと過ごしている(ように見える)姿を見て、登校しているきょうだいが「〇〇だけズルい」「自分だって休みたい」という気持ちになるのは、自然なこと。 きょうだいが、家庭内の不登校の子どもの存在から「学校に行かない」選択肢を知ることの影響はありそうです。 実態調査や研究報告からもわかる不登校のきょうだい連鎖 文部科学省の実態調査では、不登校の小学生7. 2%、中学生5. 9%が、「兄弟姉妹や親しい友達の中に、学校を休んでいる人がいて、影響を受けた」ことがきっかけで、学校に行きづらくなったと回答しています(調査対象:不登校の小学校6年生、中学校2年生)。 自治体(岩手県花巻市)の調査においても、不登校のきっかけ・原因として、1位の「友人関係の問題」に続き2位が「家庭に関わる状況」であり、影響していると考えられるものの中に「兄弟姉妹の不登校」が挙げられています。 また、古いデータにはなりますが、思春期心療内科に通う児童家庭のきょうだいが、不登校や情緒障害を発症する割合が19. 1%であったとする研究報告もあります。 不登校のきょうだい連鎖は、全家庭ではないにせよ、一定の割合で起こり続けていることがわかります。 参考資料: 文部科学省「不登校児童生徒の実態把握に関する 調査報告書」2021(令和3)年 岩手県花巻市「令和元年度不登校児童生徒の実態」2022(令和2)年 石田正子・島田章「小児・思春期心診療内科外来を受珍した兄弟発症例の検討」心身医学、2000年 2.不登校の子どもときょうだい、それぞれをケアする 不登校家庭のきょうだいへの影響は、避けては通れない事象といえます。 とはいえ、きょうだいの立場や気持ちを理解... --- ### 【連載第2回】不登校児童生徒過去最多。重要なのは数じゃない! - Published: 2024-11-14 - Modified: 2024-11-15 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/11263/ - カテゴリー: 連載, コラム - タグ: 無料記事, 【連載】お父さんのための不登校講座 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 過去最多 「3分で読める不登校の基本情報」をお届けする本連載。 不登校の子どもと関わるすべての「多忙な大人たち」のために、不登校の基本の「き」をご紹介します。 第2回は「不登校の子どもの数」。 今回も、さっそく結論です。 不登校児童生徒数、各学年の内訳は 文部科学省は毎年秋に、前年度の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の結果を公表しています。 令和5(2023)年度の調査結果が公表されたのは、2024年10月31日。この日、多くのメディアが「不登校児童生徒数が過去最多」のニュースを報じました。 小中学生の「不登校児童生徒数が20万人を突破」と伝えられたのが、令和3(2022)年度。それからわずか2年での「30万人突破」です。 学年別の内訳を見てみましょう。 学年が上がるごとに、不登校の子どもの数が増加していることがわかります。 身の回りの不登校の子どもはどれくらい? 34万6,482人。この数字は多いのか、はたまた少ないのか。 小中学校の全在籍者数は932万1,243人。 不登校の児童生徒はおよそ27人に1人にあたります。 ただし前項で見た通り、不登校児童生徒数には、学年によって最大約9倍の開きがあります。そのため、「27人に1人」は保護者にとって実感が伴いにくい数字と言えます。 こちらも、学年別の比率を確認してみましょう。 小1... ... およそ106人に1人 小2... ... およそ73人に1人 小3... ... およそ56人に1人 小4... ... およそ44人に1人 小5... ... およそ35人に1人 小6... ... およそ29人に1人 中1... ... およそ18人に1人 中2... ... およそ14人に1人 中3... ... およそ14人に1人 実際には、地域や学校によって事情が異なるため、必ずしも計算通りにはなりません。 しかし、小中学生全体で見た「27人に1人」よりも、ご自身の子どもが置かれた状況をイメージしやすいのではないでしょうか。 「数字」に振り回されない冷静さを 「不登校の児童生徒数が過去最多」。 こうした情報は、ネガティブかつセンセーショナルに報じられます。 受け止める側も「由々しき問題」として捉えがちです。 しかし、ここで見落とされがちなのは、「なぜ数が増えたのか」。 「不登校のきっかけ・要因」で... --- ### 【ゲーム・スマホ特集】子どものゲーム・スマホ使用、何が心配? 保護者アンケートから① - Published: 2024-11-13 - Modified: 2024-11-30 - URL: https://futoko-online.jp/questionnaire/11251/ - カテゴリー: アンケート, コラム - タグ: ゲーム・スマホ, 無料記事 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: ゲーム, スマホ 「不登校オンライン」では子育て中の保護者の方を対象に、子どものゲーム・スマホ使用に関するアンケートを実施しました。 ゲーム・スマホの使用のそれぞれについて、「心配ごとがある」と回答した方に、どんなことが心配かを自由にお答えいただきました。 回答には、保護者のみなさんのゲーム・スマホに関する率直で切実な思いが吐露されていました。 さっそく、見てみましょう。 心配ごとの筆頭は「長時間使用」 ゲーム・スマホとも、心配ごととして最も回答が多かったのは「長時間使用」。 回答には2つの傾向が見られました。 1つは、端的に「長時間使用」とする回答、もう1つが、「長時間使用の何が問題と感じるのか」を具体的に記述した回答です。 「長時間使用」に対して漠然とした不安はありつつも、その「正体」がまだつかめていない。そうした方も、少なからずいらっしゃるようです。 ご自身の不安や心配を深く理解するために、ほかの保護者の回答が参考になるかもしれません。 心配なのは「勉強」「体」「心」への影響 ゲーム・スマホの長時間使用に関する心配ごとは、大きく3つの傾向に分けられることが見えてきました。 「勉強に関すること」「体の健康に関すること」「心の健康に関すること」の3つです。 勉強に関すること 勉強が手につかなくなっている やらなければならないことが疎かになっている 体の健康に関すること 睡眠時間など、生活リズムを保てなくなっている 視力が低下するのではないか 運動不足になるのではないか 心の健康に関すること 脳に影響があるのではないか ゲーム依存、スマホ依存になるのではないか 情緒不安定になっている 1日のうち、トータルで5時間ぐらいはゲームをやっています。本人によると、ゲームは好きだけど、長時間やるのは現実逃避もあるみたいです。心から楽しくてやっているならよいのですが、本人も心から熱中できるものがないことで自分はダメだと思ってしまっているので、つらいだろうなと思います。昼夜逆転もなく、食事や日常生活は送ってはいますが、体力も落ちて、肥満などが心配です。(サクサクさん) 部屋に引きこもって長時間してしまうため、運動不足や睡眠不足で身体に不調→自律神経の乱れ→イライラしたり鬱っぽくなったりする→ゲームでストレス解消、の悪循環で抜け出せない。(ゆうさん)   「長時間使用」以外の心配ごとは「お金」「対人... --- ### 先着5名【不登校の進路相談会】学校にも話せない「不登校ならでは」の進路の悩み、聞かせてください - Published: 2024-11-13 - Modified: 2024-11-13 - URL: https://futoko-online.jp/event/11227/ - カテゴリー: イベント - タグ: 会員限定記事 学生生活で最も大きな課題ともいえる「進学先選択」。 特にお子さんが不登校だと、「学校にも深く相談ができず、どのように進学先を選んだらよいか迷っている」という方も多いのではないでしょうか。 このまま出席日数が足りなくなったらどうしよう 合格したとしても、今の生活リズムが治らなければ通えないかも 全日制と通信制、どちらがうちの子に合ってるの? 上記のように、不登校のお子さんの保護者さまならではのお悩みもあるかもしれません。 そこで、この度、不登校オンラインと親コミュでは、不登校のお子さんの保護者さまを対象とした個別進学相談会を開催します。 学校でも話すことができない「不登校×進学」のお悩み、ぜひお聞かせください。 1. 相談員紹介 寺田真依(てらだ・まい)さん 1999年生まれ。キズキ共育塾(※)・不登校相談員。(※キズキ共育塾:不登校オンラインと同じく株式会社キズキが運営する「不登校のお子さんのための完全個別指導塾」) 2024年8月までキズキ共育塾の名古屋校にて教室長を務め、多くの不登校のご家庭との相談を実施。 現在は不登校相談に加え、イベント登壇や自社メディアの運営などに携わり、不登校に関する課題をより広く社会に提起するための活動に尽力している。 2. イベント実施日時など 実施日時: 2024年11月19日(火)~11月23日(土)の、10時〜21時の間の30分間。 ご希望の日時は、参加フォームにてご記入ください。 相談テーマ: 不登校のお子さんの進学についてご相談いただけます。 具体的な希望や悩みがある方も、何をどう相談していいかわからない方も、歓迎です。 相談相手: 寺田真依さん(キズキ共育塾 名古屋校 元教室長) ※キズキ共育塾の別の相談員が対応する可能性がございます。 実施方法: Zoomまたは電話を利用した個別相談です。 Zoomの場合、ご相談者さまは、顔や名前をお出しいただく必要はございません。 参加対象: 次の(1)(2)をともに満たす方のうち、先着5名さま (1)不登校オンラインの有料会員(サブスク会員)さま、または親コミュの会員さま、または「この記事」を単独購入された方 (2)不登校(※)のお子さんの進学にお悩みの保護者さま ※学校の種類は問いません(小学校、中学校、高校、高専、高等専修学校、特別支援学校、専門学校、短大、大学など)。 ※「不登... --- ### 【不登校の成績評価】学校外の学びを成績に反映~多様な学びのカタチに合わせた新しい評価基準~ - Published: 2024-11-13 - Modified: 2025-03-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/11218/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 不登校前兆期, 不登校進行期, 不登校混乱期, 不登校回復期 - 著者: 不登校オンライン編集部 不登校の子どもたちが「学校以外で行った学習活動」を、成績として評価できることを知っていますか。 文部科学省の調査によると、令和5(2024)年度の不登校の人数は、小・中学校あわせて過去最高の約30万人。 もはや、不登校は珍しいことではありません。 不登校の人数が年々増えている中、COCOLOプラン(※1)をはじめとした公的な不登校のサポート制度も急ピッチで整えられています。(※1:COCOLOプラン(PDF)=誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策) 今回は、そうした制度のひとつ、「不登校の成績評価」について詳しく掘り下げていきます。 1. 「不登校の成績評価」、運用事例は10%のみ 不登校をしている子どもたちには、「学校以外であれば落ち着いて活動できる」というケースも多く見られます。 2024年11月1日、不登校オンラインが電話で行った取材に対し、文部科学省の担当者は以下のように話しました。 「活動の場所が学校ではないだけで、家や塾、フリースクールなどで活動している不登校の子どもたちは多く存在しています。 そうした子どもたちの頑張りを見逃さず、正当に評価すべきという考えから、不登校の児童生徒が学校外で行った学習を成績に反映する機会の拡大をはかっています。」 実はこれまでも、不登校の児童生徒の成績評価については、文部科学省から複数の通知が公表されてきました。 しかし、文部科学省の調査によると、令和5年(2024)度に学校外の機関等で専門的な相談・指導等を受け、指導要録上出席扱いとした不登校の児童生徒数は38,632人。不登校の人数全体の約10%のみです。(参考:文部科学省「令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」) 文部科学省の通知を経ても、実際に学校外の活動が成績として認められたケースは大きく増えず、現場での制度浸透に課題が残り続けました。 2. 法令明記で運用拡大を狙う 運用拡大に苦戦した背景には以下のような理由が考えられます。 制度自体の認知度が低く、不登校の家庭からの申請が少ない 制度適用の判断が各学校長にゆだねられており、学校によって判断の差が生じる 制度の適用実績を増やすべく、今年2024年8月、不登校期間中の成績評価制度について、法令に明記される動きがありました。 学校教育法施行規則 第五十七条  1 小学校... --- ### 【11/15実施】無料オンラインイベント:不登校カウンセラーが伝える、無理せず状況を変える「次の一手」~親子コミュニケーションの取り方講座~ - Published: 2024-11-12 - Modified: 2024-11-15 - URL: https://futoko-online.jp/event/11207/ - カテゴリー: イベント - タグ: 無料記事 (2024/11/15 11時15分追記) ①11月15日の11時15分までに参加をお申し込みいただいた方には、一斉送信のメールでZoomのURLをお送りしております。メールを受け取られていない方は、ご利用されているメールシステムが一斉送信のメールを弾いているなどの可能性がございます。メールをお受け取りになっていない方は、media@kizuki. or. jpまでご連絡いただければ幸いです。 ②お申し込みは、イベント開始の時間まで可能です。ZoomのURLは、メールにて随時お送りします。19時30分を過ぎてもメールが届かない場合は、media@kizuki. or. jpまでご連絡いただければ幸いです。 (追記ここまで) 2024年11月15日(金)20時~20時30分、無料のオンラインイベント「不登校カウンセラーが伝える、無理せず状況を変える「次の一手」~親子コミュニケーションの取り方講座~」を開催します。 登壇者は、不登校の方々のための完全個別指導塾・キズキ共育塾 池袋校の教室長、田邉千裕さんです。 ※当日に参加できない方に向けて、後日、有料会員様限定のアーカイブの配信も予定しております。 1. 不登校カウンセラーが伝える、無理せず状況を変える次の一手~親子コミュニケーションの取り方講座~ 不登校のお子さんに、どう接したらよいかお悩みではありませんか? ひと口に「不登校」と言っても、きっかけや悩み、お子さんの心の中は千差万別。 接し方や対応方法を調べても、「うちの子には当てはまらないな... 」と更に悩みが深まっていくこともあるのではないでしょうか。 そこで、キズキ共育塾(※)の現役教室長・田邉千裕さんを講師にお招きし、3回のイベントにわたり不登校のお子さんとの向き合い方について考えるイベントを開催します。(※「キズキ共育塾」とは、不登校オンラインと同じく株式会社キズキが運営する、「不登校の子のための完全個別指導塾」です) 第2回の今回は、「不登校の現状を変える、次の一手」がテーマです。 無理やり状況を変えようとすると、本人の体調や親子関係が悪化するおそれがあります。 無理せず着実に、前向きな変化を促すにはどう親子でコミュニケーションをとっていくとよいか、次の一手を考えるヒントが得られるイベントとなっております。 2. イベント実施日時・参加フォームなど 実施... --- ### 手取り足取りでもダメだった 不登校だった俺と高校教師の攻防② - Published: 2024-11-12 - Modified: 2024-11-18 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/10955/ - カテゴリー: 子どもの体験談, 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】前略、トンネルの底から - 著者: 古川寛太 - ハッシュタグ: 高校教師, 英語, 体育, 高校不登校 不登校の高校時代、古川寛太さんは何人もの教師たちと向き合います。今回は、1年生から3年生まで続けて古川さんの担当だった、英語教師と体育教師が登場します。 一見すると真逆の印象の教師たち。しかしそれぞれの言葉には、やはり対照的な「別の顔」が滲み出ていました。 (連載「前略、トンネルの底から」第19回・写真は古川寛太さん) 「それより出席をどうにかしないと」 英語の教科担当は3年間同じ教師だった。 英語はそもそも苦手で、予習必須の授業形式に俺はまったくついていけなかった。 文章の和訳を聞かれるが答えられない。 単語の意味を聞かれるが答えられない。 座席に沿ってリレーのように解答権が移る授業時間は、いつだって俺のところでせき止められていた。手取り足取り教えられてもダメだった。 視線が痛い。 彼の言葉を暗唱するように解答して、自分の番が終わる。 一度、心を入れ替えて英語を理解しようと、ほかのクラスメイトがしているように職員室を訪ね、アドバイスを求めたことがある。 「何から始めればいいんでしょう」と意を決して聞くと、 もともと低かったトーンをさらに落として言った。 「お前はそれよりもまず、ちゃんと授業に出席するほうをどうにかしないといけないんじゃないか」。 蛍光灯で照らされた室内がまっ暗になった。 「お前はマジメだからなあ」 体育教師は校内でも厳しいと有名な先生だった。 まだ若いが、物静かな風格と怖さがある。彼もまた、3年続けて俺のクラスの担当だった。 1年生の最初の授業で、「勉強ができるからといってもてはやされてきたかもしれないが、体育の場では関係ない」と言い切っていた。古風な伝統の残る学校だったこともあり、集団行動や時間管理などで厳しい指導が入ることもあった。 そしてやはり、この場にも俺はついていけない。 野球をしていた時についた体力は、すべて自宅の布団に吸い取られてしまった。 グラウンド1周や準備体操でさえ、バテて脂汗が止まらない。育ち盛りの男子高校生に囲まれ、ヘルプすら出せなくなっていた。 思わずトイレに逃げると、クラスメイトの視線や教師の檄(げき)を恐れ、戻るタイミングを失い、全校生徒が帰る時間まで個室から出られなかったこともある。 3年生のある日、ウォームアップで立てなくなった俺は(この日はきちんと許可を取り)、木陰で休みながら短距離走に励むクラスメイトを見ていた... --- ### 「不登校でかわいそう」? この子の「学びへの愛」を見てほしい - Published: 2024-11-11 - Modified: 2024-11-06 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/10951/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ - 著者: 土橋優平 - ハッシュタグ: フリースクール, 帰国子女, 勉強 フリースクールは、日本の学校教育に馴染めない子どもの居場所でもあります。 フリースクール運営者・土橋優平さんは、「なんのために学ぶのか」を置き去りにした「やらされ学習」に危機感を抱いています。 不登校の女子中学生が体現する、他者を幸福にする学びとは? (連載「出張版お母さんのほけんしつ」第49回・写真は土橋優平さん) 前回の記事では、フリースクールの価値についてお伝えしました。今回は「人は何のために学ぶのか」というテーマで、ある事例とともにお話しします。 8種類の「悲しい」を使い分ける 私がその女の子に出会ったとき、その子は中学生、完全不登校の状態でした。 静かな印象で、その笑顔にはまだ不安が色濃く残っていたように思います。同年代の子どもたちの輪の中に入っても適度に距離を保ち、でもその温厚さと優しさ、周りへの気遣いのできるキャラクターがとても慕われる子でした。 実はその子は、親の仕事の関係で海外での生活が長く、英語がペラペラでした。 その英語力はなんとも驚くもので、例えば「悲しい」の英単語をホワイトボードに書き始めたと思えば、スラスラと8個もの語句が並びます。そして1つ1つの微妙なニュアンスの違いを、使用する場面に分けて、わかりやすく説明してくれるのです。大人顔負けの英語力です。 それもそのはず。彼女はTOEICで、990満点のうち900点を超える点数を叩き出します。TOEICは、企業の採用にも影響のある実践的な英語力を測定する英語の試験です。900点台をとれるのは上位4%程度、海外で仕事ができるレベルと言われています。 そんな彼女が教える英語は、とてもわかりやすく、奥深いものがあります。 英語が好きであることはもちろん、海外の文化にも関心があるので、その英単語が生まれた背景を教えてくれたり、スマホの画面に映った海外の景色とともに身振り手振りを交えて、楽しそうに話をしてくれたりするんです。 「英語だけでは認められない」 本当にそれでよいのか? 彼女はあるとき、「医療の論文を読めるようになりたい」と言って、自分で医療用語を勉強し、論文をネットで読み漁るようになりました。 みなさん、思い出してください。彼女は不登校です。 こんなにも、英語の知識も、能力も、英語愛すらも持っている彼女は、今の日本において、ともすれば「不登校でかわいそう」と言われる対象の1人になるんです。 ... --- ### 【好評につき追加開催】保護者さま向けオンライン勉強会のお知らせ〜「不登校からの進路設計と今から準備できること(関東・関西版)」〜 - Published: 2024-11-08 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/event/11148/ - カテゴリー: イベント - タグ: 無料記事 - ハッシュタグ: 不登校の親 2024年9月・10月、キズキ共育塾(※)・学習カウンセラーによる「不登校からの進路設計と今から準備できること(埼玉県・東京都・兵庫県版)」をテーマにした、無料の勉強会(オンライン)を開催しました。(※不登校オンラインと同じく、株式会社キズキが運営する「不登校のお子さんのための個別指導塾」です) ご参加いただいた皆様に大好評だったため、11月も引き続き実施が決定いたしました。 お子さまが不登校になったら、次のようなことが不安になりませんか。 「我が子が不登校になった。これからどうしたらいいんだろう... 」 「進学や学校復帰はあきらめないといけない?」 「不登校の子の将来に向けて、何を準備すればいい?」 「キズキ共育塾」では、そのような生徒さま・保護者さまのお話をたくさんお聞きしてきました。 そして、学校に行けなかった方が高校や大学に進学し、「自立」できるようにと、これまで約8,000人以上の生徒さまをサポートしてまいりました。 この勉強会は、不登校のお子さまがいらっしゃる保護者の皆さまが、次のようなことがわかる勉強会です。 「これからどうお子さんをサポートすればいいのか」 「何を準備しておけばいいのか」 将来の進路選択に悩まれている方も、お子さまのこれからについて漠然とした不安がある方も、皆さまぜひご参加くださいませ。 勉強会概要 ■勉強会テーマ 不登校からの進路設計と今から準備できること(関東版・関西版) ■登壇者 《関東版》 キズキ共育塾 大宮校 教室長 兼 学習カウンセラー 末永雅彦(すえなが・まさひこ) キズキ共育塾 三軒茶屋校 教室長 兼 学習カウンセラー 石本真吾(いしもと・しんご) 《関西版》 キズキ共育塾 神戸校 教室長 兼 学習カウンセラー 拝野真子(はいの・まこ) ■実施日時 以下のいずれかをお選びください(※各回の実施内容は同一です)。 《関東版》 11/9(土)12:30~14:00 11/15(金)20:00~21:30 《関西版》 11/16(土)10:30~12:00 ■開催方法 オンライン(ZOOM) ■参加費 無料 ■勉強会の対象 以下のようなご状況の、中学生〜高校生のお子さんがいらっしゃる保護者さま 学校に行きにくかったり、行き渋ったりする様子がある 学校には行っているが、ときどき休むことがある 学校に行かなくなり、これからどう... --- ### 「ASD(自閉スペクトラム症)と不登校」の概要・総論を紹介します - Published: 2024-11-08 - Modified: 2024-12-19 - URL: https://futoko-online.jp/column/10999/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 発達障害 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 発達障害, ASD ASD(Autism Spectrum Disorder、自閉スペクトラム症)のあるお子さんは、その特性に関連して不登校になることがあります。 そんなお子さんと保護者の方のために、不登校オンラインでは、ASD(発達障害)に関連した記事を随時公開しています。 この記事では、「ASDとの概要・総論」と、不登校との関係を紹介します。(参考:『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』、宮尾益知『ASD(アスペルガー症候群)、ADHD、LD 職場の発達障害』、姫野桂『発達障害グレーゾーン』、厚生労働省「ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について」) 関連記事:「ADHDと不登校」の概要・総論を紹介します 発達障害の関連記事一覧はこちら 発達障害の人気記事まとめはこちら 1. ASDの概要 ASDとは、「自閉スペクトラム症、自閉症スペクトラム障害」を意味する発達障害の1種です。英語名の「Autism Spectrum Disorder」の略語としてASDと言われます。 ASDには多くの特性があります。その中でも、以下の2点がよく見られるものとして挙げられます。 社会的コミュニケーションおよび対人的相互反応における持続的な欠陥 行動、興味、または活動の限定された反復的な様式 ほかに、感覚過敏(光や音や刺激への敏感さが目立つ)、発達性協調運動障害(不器用さが目立つ)などの特性がある人もいます。 なお、「スペクトラム」というのは、「特性にさまざまなグラデーションがある」という意味です。一口に「ASD」と言っても、その特性の現れ方はひとりひとり異なります。 2. ASDという名称・分類について ASDという名称・分類が使用されはじめたのは、2013年に、アメリカ精神医学会が『DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引』(精神障害の診察基準などを記した書籍)を定めてからです。 それよりも前には「自閉症」「アスペルガー症候群」「広汎性発達障害」などという名称・分類であり、診断基準も現在とは異なっていました。 かつての分類では、次のように区分して判断する傾向がありました。 言語発達に遅れのある場合を自閉症 知能が定型の人と同等で言語発達の遅れがないケースをアスペルガー症候群 現在のASDという分類では、厳密な区分ではなく、「地続きの障害(=スペクトラム)」としてとらえようとして... --- ### 「ADHD(注意欠如・多動性障害)と不登校」の概要・総論を紹介します - Published: 2024-11-08 - Modified: 2024-12-19 - URL: https://futoko-online.jp/column/10991/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 発達障害 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 発達障害, ADHD ADHD(Attention-Deficit Hyperactivity Disorder、注意欠如・多動性障害)のあるお子さんは、その特性に関連して不登校になることがあります。 そんなお子さんと保護者の方のために、不登校オンラインでは、ADHD(発達障害)に関連した記事を随時公開しています。 この記事では、「ADHDの概要・総論」と、不登校との関係を紹介します。(参考:『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』、田中康雄『大人のAD/HD』、岩波明『大人のADHD:もっとも身近な発達障害』) 関連記事:「ASDと不登校」の概要・総論を紹介します 発達障害の関連記事一覧はこちら 発達障害の人気記事まとめはこちら 1. ADHD(注意欠如・多動性障害)とは、発達障害の一種 ADHDとは、「注意欠如・多動性障害」を意味する、発達障害の一種です。 英語名である「Attention-Deficit Hyperactivity Disorder」の略語として、「ADHD」と呼ばれます。 ADHDには多くの特性があります。その中でも、次の2点がよく見られるものとして挙げられます。 不注意 忘れ物やケアレスミスが多く、確認作業を苦手とする 多動・衝動性 気が散りやすく、貧乏ゆすりなど常に身体を動かしていないと落ちつかない ほかによく挙がる特性の現れ方に、「マルチタスクやスケジュール管理が苦手」などがあります。 2. ADHDの診断は医師だけが可能 ADHDに限らず、「お子さんに(ある人に)発達障害があるかどうか」の診断は、医師による問診や心理士が実施する心理検査を中心に行われます。 医師以外には「ADHD(発達障害)かどうか」の診断・判断はできません。 お子さんについて「ADHD(発達障害)かどうか」をハッキリさせたいのであれば、病院を受診してみることをオススメします。 「診断を受けるのが不安」であれば、発達障害のある人たちをサポートする団体に相談してみましょう。相談先の例として、各都道府県の発達障害者支援センターがあります。 「病院に行くべきかどうか」「診断を受けるメリットやデメリットは何か」など、気になることを相談できます。 3. ADHDの医学的な診断基準 ADHDの診断基準を紹介します。これは、2013年にアメリカ精神医学会がまとめた『DSM-5精神疾患の診断・統計マ... --- ### オーバードーズとは?概要、対応法、相談先などを紹介します - Published: 2024-11-08 - Modified: 2025-05-06 - URL: https://futoko-online.jp/column/10971/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 不登校混乱期 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: オーバードーズ 「不登校のお子さんがオーバードーズをしている」という話は、聞かないわけではありません。 この記事を読んでいるあなたは、お子さんがオーバードーズしていることを知り、不安を抱えている保護者の方でしょうか。または、オーバードーズで悩んでいるご本人かもしれませんね。 オーバードーズについては、下記のようなお悩みをお聞きします。 オーバードーズをやめたい 具体的な対処方法を知りたい 相談できる支援機関を知りたい このコラムでは、オーバードーズの概要、自分でできる対処法、保護者ができる対応、相談先などを紹介します。 大前提として、不登校やオーバードーズのお悩みは、ひとりで(保護者だけで、ご家庭だけで)抱え込む必要はありません。専門家やサポート団体に相談するようにしましょう。 期間限定! 無料プレゼント あなたの声を聞かせてください 人気記事 1. オーバードーズの概要・症状・薬の種類 この章では、オーバードーズの概要や症状などについて解説します。 ①オーバードーズの概要 オーバードーズとは、基準値以上に大量の医薬品を摂取することです。(参考:厚生労働省「一般用医薬品の乱用(オーバードーズ)について」) 近年は、感覚や気持ちの変化を起こすために大量の医薬品を摂取するケースが増えており、若者世代を中心にオーバードーズが増加していることが社会問題となっています。 2021年度に行われた国立精神・神経医療センターによる調査では、高校生の60人に1人が「過去1年以内に市販薬の乱用経験がある」と回答しています。(参考:国立精神・神経医療センター「薬物使用と生活に関する全国高校生調査2021」) 高校生以外も含めた全体としては、2012年から2020年にかけて、「精神科医療施設における市販薬を主たる薬物とする依存症患者」は6倍に急増しています。 出典:「わが国における市販薬乱用の実態と課題「助けて」が言えない子どもたち」、嶋根卓也 そして、「オーバードーズをしているけれど、病院を受診していない人(などの、薬物関連精神障害患者)」もいると考えられます。 ②オーバードーズの症状 オーバードーズには、軽度から重度の症状が見られます。具体的には、以下のような症状はあります(他にもありえます)。(参考:厚生労働省「わが国における市販薬乱用の実態と課題「助けて」が言えない子どもたち」、岐阜市「オーバード... --- ### 【ゲーム・スマホ特集】「ゲーム・スマホとの付き合い方」を知る1か月 - Published: 2024-11-07 - Modified: 2025-03-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/11031/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 不登校前兆期, 不登校進行期, 不登校混乱期 - ハッシュタグ: ゲーム, スマホ 「不登校の子どもがゲームやスマホから離れない」。 「不登校オンライン」の記事を含め、これまでたくさんの情報が発信されてきました。にもかかわらず、悩める保護者のみなさんがあとを絶たないのはなぜか。 多くの方が関心を寄せるこのテーマに、「不登校オンライン」は1か月間かけて取り組みます。 それぞれの世代のゲーム・スマホ事情 保護者から見えているゲーム・スマホと、子どもから見えているゲーム・スマホ。 それらは果たして「同じ」なのか。 まず、保護者世代と子ども世代、それぞれにとってのゲーム・スマホについておさらいしておきましょう。 保護者世代は時代の目撃者 1983年、伝説的なゲーム機「ファミリーコンピュータ」(通称ファミコン)が任天堂から発売され、家庭用ゲーム機の本格的普及が始まります。 年齢や子ども時代の家庭環境にもよりますが、実は多くの保護者がゲームと何らかの接点をもっています。 少なくとも、時代の目撃者として、ゲームの普及・発展を知っている世代です。 携帯端末はゲームよりも遅れて登場しました。保護者世代の年長者であれば、ポケットベル、PHS、携帯電話、スマートフォンと、「進化」のすべてを体験しています。 ゲームとの大きな違いは、現在の使用率。 何らかの理由でスマホを使用しない人もいますが、保護者世代にとってスマホは今や生活必需品と言えます。 子ども世代はゲーム・スマホの世界に「放り込まれた」 一方、子ども世代の多くは、ゲームやスマホがすでに存在する世界に生まれてきています。 「PlayStation 3」が発売されたのが2006年。翌2007年には初代iPhone(※)が発売されています。 ちょうど、子ども世代の最年長にあたる17〜18歳が誕生したころです。 ※日本での発売は2008年の第2世代から。 保護者世代と子ども世代、どちらもゲームやスマホに接点はあります。 しかし、機器の進化とともに自身もアップデートしてきた保護者世代と、いきなり現在のテクノロジーに触れる子ども世代とでは、ゲームやスマホとの「距離感」が違っていても不思議はありません。 ゲーム・スマホにまつわるギモンに新しい視点を 保護者と子どもは、見えている世界が違うのかもしれない。 「不登校オンライン」ではここを出発点に、今回のゲーム・スマホ特集を組みます。 ゲーム・スマホとの付き合い方に、新しい視点をお... --- ### 毒親とは?特徴、子どもへの影響、脱出方法などを解説 - Published: 2024-11-06 - Modified: 2025-05-06 - URL: https://futoko-online.jp/column/10958/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 不登校前兆期, 不登校進行期 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 毒親 不登校に関連して、「毒親」という言葉を見聞きすることがあります。あなたも、次のようなことをお悩みなのではないでしょうか。 毒親という言葉を知ったけど、どういう意味なんだろう 自分の親が毒親かもしれない 毒親の特徴を知りたい お子さんが不登校だと、「自分が毒親だからかも... 」と自分を責める方もいらっしゃいます。 そこでこのコラムでは、毒親の概要、タイプ、特徴、毒親による子どもへの影響、毒親から脱出する方法、毒親になる原因、毒親をやめる方法について解説します。 親が読んでも、子どもが読んでも役に立つ内容だと思います。子育てや親子関係についてお悩みの方のお役に立てればとても嬉しいです。 ※このコラムは、読者さま(の親)を「毒親だ」と決めつけるもの、「毒親かもしれない」と不安にさせるためのもの、親子の不和をあおるためのものでもありません。子育て、親子関係、不登校などの不安や悩みは、サポート団体や専門機関に相談してみてください。相談先の候補は、「お悩みのあるあなたのために、相談先一覧をまとめて紹介します」をご覧ください。(不登校オンラインと同じく株式会社キズキが運営する個別指導塾・キズキ共育塾のサイトが開きます) 期間限定! 無料プレゼント あなたの声を聞かせてください 関連記事 人気記事 1. 毒親の定義 「毒親」という言葉は、南カリフォルニアを中心に医療系コンサルタントやセラピストとして活躍していたスーザン・フォワード氏による造語です。 学術的な言葉ではなく、明確な定義もありません。 フォワード氏は、著書『毒になる親 一生苦しむ子供 家族問題による職業生活への影響(Toxic Parents: Overcoming Their Hurtful Legacy and Reclaiming Your Life)』(講談社、2001年)で、「毒親」という言葉を次のように紹介しました。 (毒親とは、)子どもに対してネガティブな言動を継続的に行うことで、子どもの成長後の人生に悪影響を及ぼす親(のことである) 2. 毒親の5つのタイプ 毒親は、子どもに対する言動などによって、いくつかのタイプに分けることができるとされています。この章では、日本子どもの虐待防止学会名誉会員の齋藤学氏の論文などに基づき、毒親のタイプを解説します。(参考:斉藤学「親子関係の解剖学ーその闇に迫る」(日立財... --- ### 【いじめ認知過去最多】文科省に聞く、減らない「いじめ」データの読み方 - Published: 2024-11-06 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/news-article/10940/ - カテゴリー: インタビュー, ニュース - タグ: 無料記事, いじめ - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: いじめ, 文部科学省 令和5(2023)年度に全国で認知されたいじめの件数は、小学校・中学校・高校・特別支援学校あわせて73万2568件、過去最多となったことが文部科学省の調査(※)でわかりました。 (※文部科学省「令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果) 毎年増え続けるいじめの認知件数。 このデータをどう読むか、不登校オンラインは令和6年11月1日、文部科学省の担当者に電話で話を聞き、分析をしました。 いじめに含められるケースが増えた「定義の変化」 文部科学省の担当者は、「いじめの認知件数増加の背景には、平成25(2013)年からの『いじめの定義の変化(※)』がある」と言います。(※文部科学省「いじめの定義の変遷」) 「いじめ」とは、「①自分より弱い者に対して一方的に、②身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、③相手が深刻な苦痛を感じているもの。なお、起こった場所は学校の内外を問わない。」とする。 なお、個々の行為がいじめに当たるか否かの判断を表面的・形式的に行うことなく、いじめられた児童生徒の立場に立って行うこと。 児童生徒に対して、当該児童生徒が在籍する学校に在籍している等当該児童生徒と一定の人的関係のある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものも含む。)であって、当該行為の対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているもの。」とする。 なお、起こった場所は学校の内外を問わない。 「いじめ」の中には、犯罪行為として取り扱われるべきと認められ、早期に警察に相談することが重要なものや、児童生徒の生命、身体又は財産に重大な被害が生じるような、直ちに警察に通報することが必要なものが含まれる。これらについては、教育的な配慮や被害者の意向への配慮のうえで、早期に警察に相談・通報の上、警察と連携した対応を取ることが必要である。 ーーーーー 従来の定義では、「自分より弱い者に対して一方的に行うもの」がいじめであると定義され、被害者の立場が限定されていました。 しかし、平成25年からの新しい定義ではその制限が撤廃され、被害者になりうる対象が拡大されました。 また、インターネットを通じた行為や、警察と連携すべき重大な事案も明記され、想定されるケースの幅が広くなっています。 これらの変更により、以前は「いじめ」と判定されなかった... --- ### 18歳以降の人生を見据えた選択肢〜通信制高校の「今」に迫る! - Published: 2024-11-05 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/interview/10915/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 通信制高校, 無料記事 - 監修者・専門家: 岩田彰人, プレマシード - ハッシュタグ: 通信制高校 「ネガティブな事例が取り上げられがちな通信制高校。しかし、それは通信制高校の全体像を語っていない」。 株式会社プレマシード代表・岩田彰人氏は、そう力を込めます。通信制高校に対する考え方に「大きな変化」が起こっていると確信する岩田氏に、通信制高校の「現在地」をうかがいました。 ■イベント情報■ 【2024年11月8日開催!】オンラインイベント「不登校の子どもの支援先・学ぶ場所の探し方・選び方と、通信制高校のリアル」 「通信制高校は、やめとけ」? 全体像が知られていないからこそ、ネガティブな話題が目立っている 「通信制高校」と検索すると、「やめとけ」「人生終わり」といった、ネガティブなワードがたくさん出てきます。メディアでも「ネガティブ事例」が大きく取り上げられて、注目されがちです。 たしかに、「大変な状況の通信制高校生」がいるのは事実です。でも、それが通信制高校のすべてではありません。 今の中高生の保護者世代は、40代から50代半ばくらいの方が多いと思います。保護者世代が中高生だった30年前には、通信制高校へ行くのはかなりのレアケースでした。正直なところ、あまりいいイメージを持たれていません。 子どもたちにしても、通信制高校に対する悪いイメージこそないものの、やはり選択肢として提示されると一瞬躊躇(ちゅうちょ)します。 このように、ネガティブな話題や印象が目立つのは、通信制高校のことがいかに知られていないか、ということの表れでもあります。全体像が語られないなかで、深刻な部分だけが次々と取り上げられている。それが現状です。 なお、そうした「世間のネガティブなイメージ」があるからか、今在籍している生徒でも、友だちに「通信制高校に行ってる」と言いづらいという人もいます。 ネガティブワードへの反論として、通信制高校の生徒が大人の「リバースメンター」に 私たちプレマシードは、通信制高校に関する情報発信をしています。 プレマシードのウェブサイトを見ていただくと、トップに10代の若者が登場しています。この若者たちは、現役の通信制高校の生徒や卒業生。そして実は、プレマシードの「インターン」なんです。 通信制高校に関するネガティブワードに対する一番の反論は、実際に通信制高校に通っている生徒たちの存在です。インターンたちによる発信は、大人が小難しい文章で長々と説明するよりずっと説得力があ... --- ### 【11月8日(金)開催!】オンラインイベント「不登校の子どもの支援先・学ぶ場所の探し方・選び方と、通信制高校のリアル」 - Published: 2024-11-05 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/event/10828/ - カテゴリー: イベント - タグ: 通信制高校, 会員限定記事 - 監修者・専門家: プレマシード, 岩田 彰人 - ハッシュタグ: 通信制高校, 不登校の進路 2024年11月8日(金)20時~21時30分、不登校のお子さんがいる保護者さまに向けて、オンラインイベント「不登校の子どもの支援先・学ぶ場所の探し方・選び方と、通信制高校のリアル」を開催します。 ご登壇者は、「Go通信制高校」などを運営する株式会社プレマシード代表取締役・教育メディアクリエイターの岩田彰人さんです。 イベントにご参加いただけるのは、下記の3種類の方々です。 「不登校の保護者さま専用のオンラインコミュニティー・親コミュ」の会員さま 不登校オンラインの有料会員(サブスク会員)さま(購読方法はこちら) 不登校オンラインで「この記事」を単体購入された方 下記ご高覧の上、ぜひご参加ください。 ※親コミュと不登校オンラインのサブスクは、登録から1か月は無料でご利用いただけます。無料期間中の解約も可能!これを機に、試しに登録してみませんか? ■岩田さんのインタビュー記事はこちら 18歳以降の人生を見据えた選択肢〜通信制高校の「今」に迫る! 1. イベント趣旨〜不登校の子どもの支援先・学ぶ場所の探し方・選び方と、通信制高校のリアル〜 通信制高校生は、数も割合も増加し続けています。 文部科学省の「令和6年度学校基本調査」によると、2024年度の通信制高校生は29万118人、全高校生の12人に1人です。1年前の2023年度よりも2万5144人多く、20年前の2004年度よりも10万8333人多いです。 そして、中学を不登校でも、高校を不登校でも(不登校から中退しても)、通信制高校は進学・転校しやすい進路だと言えます。ただしもちろん、「不登校の全員が」通信制高校に向いているとも限りません。 そのような現実を受けて、保護者の方も子ども本人も、次のようなことを悩みがちです。 通信制高校も含めて、うちの子に(自分に)合う学校やサポート団体の探し方・選び方を知りたい 通信制高校、興味はあるけど実際どうなの... ? ネットで、通信制高校はやめとけって書かれてるのを見たんだけど... そうしたお悩みに、岩田彰人さんがお答えします! 岩田さんは、「Go通信制高校」「通信制高校ナビ」「不登校サポートナビ」など、不登校のお子さんのサポート団体や学び先を紹介するメディアを手掛ける株式会社プレマシードの代表取締役です(他社との協業を含む)。 通信制高校に限らず、「どんなお子さんには、どんな... --- ### 2024年10月の人気記事まとめ〜桜井政博に聞く「ゲームと不登校」。「不登校、全然いいよ」カービィ、スマブラの生みの親/他全5記事〜 - Published: 2024-11-04 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/popular/10874/ - カテゴリー: 人気記事まとめ - タグ: 無料記事, 人気記事 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 通信制高校, 桜井政博, 土橋優平, 義務教育 こんにちは、不登校の親御さんのためのウェブメディア「不登校オンライン」編集部です(運営:株式会社キズキ)。 2024年10月に人気をいただいた記事をご紹介します。 お子さんも、親御さんも、大丈夫です。必ず「次の一歩」に進めます。 ①「不登校、全然いいよ」カービィ、スマブラの生みの親 桜井政博に聞く「ゲームと不登校」 ■記事はこちらです→ 2024年10月22日、YouTubeチャンネル「桜井政博のゲーム作るには」の最終回を公開した桜井政博さん。その動画シリーズを2年半も前(!)に撮影していたことを明かして話題になりました。 その話題を受けてか、不登校オンラインで掲載している桜井さんのインタビュー記事も、10月は大勢の方にご覧いただきました。 無料部分では、次の質問にお答えいただいいています。 ゲームづくりのプロである桜井さんが感じるゲームの魅力とは? 会員様限定の部分では、次の質問にお答えいただいています。 桜井さんは、不登校について率直にどう感じているのか? (不登校中の)子どもたちにとって、ゲームはコミュニケーションツールになるのか? 桜井さんがゲームをつくる原動力とは? 制作の裏側や、ゲームをつくるうえで意識していることとは? ■記事はこちらです→ ②「ただ遊んでいるだけ?」に答えます! フリースクール代表が語る、「フリースクールの2つの価値」 ■記事はこちらです→ 土橋優平さんの大人気連載「出張版 お母さんのほけんしつ」。 今回のテーマは「フリースクールの2つの価値」です。 フリースクールといっても千差万別、遊んでいるだけのように見えるところもあるかもしれません。 でも、フリースクールには学校では実現できない「教育」が詰まっています! まだ知らない未来を生きる子どもたちのために、大人がすべきこととは... ? ■記事はこちらです→ ③自分自身の偏見を捨てて、子どもに合った学校に出会った。経験者が語る通信制高校選び ■記事はこちらです→ 中学で不登校になった双子の息子さんがいる岡崎実希子さん(仮名)。 高校は二人とも通信制高校を選びました。そこで二人が学んでいるのは「eスポーツ」。 母としての葛藤を、赤裸々に語ってくれました。 週に3日は「〇〇しかしない日」。 編集者が思わず「うらやましい」と呟いた、通信制高校の驚きの授業に注目! ■記事はこちらです→ ④不登... --- ### インド映画『きっとうまくいく』から学ぶ! 不登校のお子さんに声がけするヒント - Published: 2024-11-01 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/books/10820/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 無料記事 - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 映画, きっとうまくいく, インド こんにちは。不登校オンライン編集部の山本です。 私は学生時代に集団行動が苦手で、学校生活に生きづらさを感じた経験をきっかけに、「自分らしく生きる」ことを探求するようになりました。大学卒業後に欧州や北米に滞在し、多様な価値観に触れる中で、自分の視野を広げる大切さを実感しました。 現在は、年間100本以上の映画を楽しむ映画愛好家として、学校や社会で生きづらさを感じている方々に広い世界を伝えるため、自由な視点でコラムを執筆しています。 今回は、2009年に公開された大ヒットインド映画『きっとうまくいく』(原題: 3 Idiots)を参考に、不登校のお子さんに声掛けするヒントをご紹介します。 この映画は、インドの教育システムの問題点や社会の競争圧力を鋭く批判しています。同時に、夢を追い求めることや、自分の道を見つけることの重要性を強調しています。 映画の名台詞「All is well(きっとうまくいく)」は、困難な状況でも前向きに生きるためのメッセージとして広く受け入れられています。 お子さんが不登校の保護者の方にとって、子どもが学校に行かないことへの不安や悩みは尽きないと思います。そんな中で、この映画から学べるメッセージは、子どもとの接し方や声がけに役立つヒントがたくさん詰まっています。 映画の内容をもとに、不登校の子どもにどのような声がけができるかを考えてみましょう。(この記事の画像は、日活株式会社の『きっとうまくいく』公式ページから引用しています) 1. 映画のあらすじ 本映画の紹介動画は、日活公式のYoutubeをご覧ください(本編の内容をちょっと誤解するような内容ですが... )。 映画は、3人の親友、ランチョー、ファルハーン、ラージューが、インド工科大学(IIT)に通う学生生活を中心に描かれています。 主人公のランチョーは、自由な発想を持ち、常識にとらわれない性格の持ち主です。ランチョーの姿勢は、厳格な学長ウイル(ヴィールー)から問題児と見なされます。 ファルハーン(ファラン)は、夢を持ちながらも、父親の期待に応えるためにエンジニアリングを学んでいます。ランチョーとの出会いが、彼に本当の夢を追いかける勇気を与えます。 ラージューは、貧しい家庭の出身で、家族を支えるために成功を求めています。そのプレッシャーに押しつぶされそうになりますが、ランチョーの影響で自分を解... --- ### 【速報】2023年の不登校の小中学生34万6482人、高校生は6万8770人〜文部科学省最新データ公表〜 - Published: 2024-10-31 - Modified: 2025-01-13 - URL: https://futoko-online.jp/news-article/10793/ - カテゴリー: ニュース - タグ: 無料記事 2024(令和6)年10月31日、文部科学省から「令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」が公表されました。 2023(令和5)年度、小中学生の不登校児童生徒数は、過去最多の34万6482人でした。 前年度と比較すると、4万7434人の増加です。 高校生の不登校は6万8770人で、小中高の合計では41万5252人となります。 小学生、中学生、高校生の内訳は以下の通りです。 ■小学生 小学生全体の人数は610万280人 不登校の人数は13万370人(前年度比2万5258人増) 全体の2. 14%が不登校(前年度比+0. 44ポイント) 47人に1人が不登校 ■中学生 中学生全体の人数は322万963人 不登校の人数は21万6112人(前年度比2万2176人増) 全体の6. 71%が不登校(前年度比+0. 73ポイント) 15人に1人が不登校 ■高校生 高校生全体の人数は292万5515人 不登校の人数は6万8770人(前年度比8195人増) 全体の2. 35%が不登校(前年度比+0. 31ポイント) 43人に1人が不登校 「不登校オンライン」では今回の調査結果を精査し、不登校の子どもを取り巻く状況を深掘りしていきます。 --- ### 【連載第1回】「学校行きたくない」=「不登校」ではない! - Published: 2024-10-31 - Modified: 2025-01-13 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/10777/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 無料記事, 【連載】お父さんのための不登校講座 - ハッシュタグ: 不登校の定義, 子どものメンタルヘルス 「3分で読める不登校の基本情報」をお届けする本連載。不登校の子どもと関わるすべての「多忙な大人たち」のために、不登校の基本の「き」をご紹介します。 第1回は「不登校の定義」。 さっそく結論です。 文部科学省の「不登校の定義」 文部科学省では、年度間30日以上の欠席を「長期欠席」としています。欠席が連続30日でなくてもあてはまります。 「不登校」は長期欠席の理由の1つで、以下のような子どもが該当します。 何らかの心理的,情緒的,身体的,あるいは社会的要因・背景により,児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況にある者 (ただし,「病気」や「経済的理由」,「新型コロナウイルスの感染回避」による者を除く。) 出典:文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査-用語の解説」 「病気」には「心の故障」も含まれている 「不登校」には含まれない「病気」による長期欠席。しかし、注意点があります。「心の病気」の取り扱いです。 本人の心身の故障等(けがを含む。)により,入院,通院,自宅療養等のため,長期欠席した者 出典:同上 ①精神疾患の診断を受けて自宅療養中の子どもは、定義上は「不登校」にあてはまらない。 ②心の不調を訴えていても、医師の診断がなければ病気とは見なされない。この場合の長期欠席は、定義上の「不登校」。 ③診断があっても、さまざまな理由で学校が病気と認識せず、「不登校」としているケースもあり得る。 以上のことから、「不登校」と「病気による長期欠席」には、類似の様態の子どもが含まれていると推察されます。 多くの不登校支援団体では、「不登校」を文部科学省の定義よりも広くとらえて支援を行っています。 「90日」も不登校支援の指標の1つ 近年話題の「週休3日」。仮に、このペースで週1日学校を欠席すると、年度間35日程度に相当します。この場合、学習への影響は比較的小さいでしょう。 しかし、現実にはこうしたケースは稀です。そして、定義上は同じ「不登校」でも、学習への影響は千差万別です。 文部科学省が指標としているもう1つの数字が「90日」です。不登校児童生徒のうち、小学生44. 6%、中学生61. 2%が、年度間に90日以上欠席しています(令和4年度。近日中に最新情報が公開されます)。 文部科学省でも、とくに「90日以上の不登校」かつ「学校内外の専門... --- ### 【ゲーム・スマホに関するアンケート】みなさんのホンネを大募集!(お子さん向けもあり) - Published: 2024-10-31 - Modified: 2025-01-13 - URL: https://futoko-online.jp/questionnaire/10756/ - カテゴリー: アンケート - タグ: 無料記事 - ハッシュタグ: ゲーム, スマホ 2024年11月、「不登校オンライン」では「ゲーム・スマホ」を特集します。 多くの保護者の方が、お子さんのゲームやスマホとの関わりに悩まれています。脳への影響や依存症との関係など、不安をかき立てられる情報に接するなか、ご家庭内で意見が分かれることも少なくありません。 とくに、不登校のお子さんのゲーム・スマホ使用については、保護者のみなさんから大きな関心が寄せられています。 ぜひ、お子さんのゲーム・スマホ使用について、保護者のみなさんの率直な思いをお聞かせください。 また、今回はお子さん用のアンケートもご用意しています。 こちらは「誰がどう回答したのか」が誰にも伝わらないしくみですので、安心してお子さんへ回答をお勧めください。 ※回答中につらい気持ちになられたときには、無理にお続けにならず、すぐに中止していただいて構いません。お子さん用のアンケートも同様です。 ■保護者さま用アンケート 【対象】子育て中の保護者さま(お子さんの不登校経験の有無は問いません) 【ご回答期限】 2024年11月8日(金)正午 こちらをクリック(Googleフォーム) 以下のQRコードからも回答できます↓ ■お子さん用アンケート 【対象】小学校1年生〜18歳の方(不登校経験の有無は問いません) 【ご回答期限】 2024年11月8日(金)正午 こちらをクリック(Googleフォーム) 以下のQRコードからも回答できます↓ ※回答内容を記事に使用することがありますが、個人が特定されないものに限定します。 ※小学生のお子さんには、読みにくい漢字、理解が難しい言葉があるかもしれません。保護者の方が、適宜お手伝いいただけますと幸いです。 みなさまからの、たくさんの「声」をお待ちしています。 「不登校オンライン」では、会員向けの記事(有料)をご用意しています。不登校のお子さんをサポートするために知っておきたい情報や、同じ悩みをもつ親御さんの体験談などを掲載しています。お申し込みは下記から(30日間無料)。 --- ### 【11/14(木)開催】オンラインイベント:不登校・行き渋り 初級講座〜「学校、行きたくない」への3つの視点〜 - Published: 2024-10-31 - Modified: 2024-11-14 - URL: https://futoko-online.jp/event/10688/ - カテゴリー: イベント - タグ: 会員限定記事 (↓2024/11/14 18時2分追記) 参加の申し込みをされた方々には、一斉送信のメールでYoutube liveのURLをお送りしております。受け取られていない方は、ご利用されているメールシステムが一斉送信のメールを弾いているなどの可能性がございます。 メールをお受け取りになっていない方は、media@kizuki. or. jpまでご連絡いただければ幸いです。 (↑追記ここまで) 学校イヤだ 学校行きたくない お子さんにそう言われたら、どの保護者も最初は戸惑います。 相談しにくい話題でもあるので、どう対応すればよいのか、わかりません。 このまま不登校化が進むのが怖い でも無理やり登校させるのは可哀想... そんな保護者のお悩みに答えるべく、不登校支援のエキスパートの3名が、【無料オンライン】の講座を開催いたします! イベントでは、不登校・行き渋りに直面しても【次の一歩】を踏み出すために必要な考え方、具体的なコツを、次のような切り口からお話しします。 学校に行かなくなった最初の最初に意識したほうが良いこと 先輩保護者から聞いた、不登校時に気をつけること 「らしさ」を伸ばす、新時代の学びと自立 下記ご高覧の上、ぜひご参加ください。 ※「休ませていいのかわからない... 」とお悩みの方は、「学校休んだほうがいいよチェックリスト」をご利用ください。 1. イベント概要 テーマ: 不登校・行き渋り 初級講座 登壇者(プロフィールとトークテーマは、この後でご紹介します): 不登校ジャーナリスト・石井しこう オンラインフリースクールBranch 代表・中里祐次 キズキ共育塾名古屋校 元教室長・寺田真依 実施日時: 2024年11月14日(木)20時〜20時45分 開催方法: Youtube Live(当日のURLは、お申し込み後にメールにてご連絡します) 参加フォーム: こちらのGoogleフォームをご利用ください 参加費: 無料 2. 登壇者・トークテーマ紹介 ■不登校ジャーナリスト 石井しこう(いしい・しこう) トークテーマ:学校に行かなくなった最初の最初に意識したほうが良いこと 1982年東京都生まれ。自身も不登校であり、NPOで、不登校の子どもや若者、親など400名以上に取材を行なうほか、女優・樹木希林氏や社会学者・小熊英二氏など幅広いジャンルの識者にも不登校をテ... --- ### 不登校と発達障害の困りごとは「体の使い方」で解決! 「へやすぽアシスト」の取り組み - Published: 2024-10-30 - Modified: 2024-10-31 - URL: https://futoko-online.jp/interview/10698/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 運動療育, 会員限定記事, 発達障害 - 監修者・専門家: 橋本咲子, へやすぽアシスト - ハッシュタグ: 発達障害, 不器用, へやすぽアシスト, 運動療法 不登校のお子さんや発達障害のあるお子さんは、学校で次のような困りごとを抱えていた(いる)ことがあります。 字を上手に書けない。 板書をノートに写すのが苦手で勉強についていけない。 力加減がわからず、悪気なく友だちをバシッとたたいてしまう。 また、不登校になってからは、運動不足になりがちです。 そこで、オンラインで子どもたちへの運動支援を行っている個別運動教室「へやすぽアシスト」代表・橋本咲子さんにインタビュー! 橋本さんは、「体育が苦手」「転びやすい」といった運動の困りごとだけでなく、勉強や人間関係に関わる困りごとも「体の使い方」がカギだと言います。 いったい、どういうこと! ? 30分無料体験のご案内! この記事の本文は、全文無料でご覧いただけます。会員様限定の部分では、「へやすぽアシストの初回30分無料」のリンクを掲載しています。 不登校オンラインは、登録から1か月は無料でご利用いただけます。無料期間中の解約もOK!これを機に、試しに登録してみませんか?会員登録はこちら!   運動や発達のプロによる「体の使い方」レッスン 「へやすぽアシスト」は、発達に心配があるお子さん、学校に行っていないお子さん、運動苦手なお子さんのための、オンラインの個別運動教室です。 運動や発達のプロが、「縄跳びが跳べない」「姿勢が崩れやすい」「よく転ぶ」など、お子さんの悩みに合わせ、マンツーマンでレッスンを行います。レッスンは1回50分、Zoom等を利用して行っています。 とくに、発達障害のあるお子さんは、脳の特性から、体幹が弱くなりやすいと言われています。軸となる体幹が弱いと、手足を上手に使うこと、姿勢を保つことのほか、鉛筆を握るといった細かい体の使い方に課題が生じやすくなります。 また、感覚の未熟さや体の使い方の不器用さが、実は、友だちとの距離感がつかめない、力加減がわからない、体育が苦手など、幅広い悩みにつながっています。 「へやすぽアシスト」のコーチにはは、理学療法士、作業療法士が90人以上在籍しており、「発達のピラミッド」を元に、体の使い方や脳と感覚の連携を指導する独自のプログラムを通じて、運動の上達はもちろん、日常生活の困りごとまで幅広くアプローチしています。 体がうまく使えると、子どもたちの世界が広がる! 入会時に、「何に困っているか」「何ができるようになりたいか」をヒアリ... --- ### 【動画】夏休み明けの不登校・行き渋り 初級講座〜「居場所」「勉強」との上手な付き合い方〜 - Published: 2024-10-30 - Modified: 2024-10-30 - URL: https://futoko-online.jp/event/10674/ - カテゴリー: イベント - タグ: 会員限定記事, 動画 2024年9月2日に開催し、大好評をいただいたオンラインイベント「夏休み明けの不登校・行き渋り 初級講座〜「居場所」「勉強」との上手な付き合い方〜」のアーカイブ動画を、このページの会員さま限定部分にてご覧いただけます。 動画では、「夏休み明け」以外の時期にも共通することを多くお伝えしています。時期を問わず、ぜひご覧ください。 ※不登校オンラインは、会員登録から1か月は無料でご利用いただけます。無料期間中のキャンセルも可能!これを機に、試しに会員登録してみませんか? 会員登録方法はこちらから→ イベント趣旨 夏休み明けは、「学校に行きたくない子どもたち」「行きたいけれども行けない子どもたち」にとって、一番憂うつな季節です。 夏休み前から行き渋り・不登校だった子どもたちはもちろん、夏休み中に行きたくない気持ちがあふれてきた子どもたちも同じです。 学校は、無理やりに行かせないようにしましょう。 「学校を休む時期」が必要なことがあるのです。 そうはいっても、親御さんとしては、「本当に休ませていいの?(※)」「学校以外に、居場所はあるの?」「学校を休んで、勉強は大丈夫なの?」という不安はあるでしょう。 大丈夫です。 居場所はありますし、勉強もできます。 2024年は、9月2日(月)が多くの学校にとって「2学期の始まり」です。 この日に、子どもたちの悩みがピークを迎えます。 そこでその日に、お子さんと親御さんのご不安やお悩みを減らし、「次の一歩」を見つけていただくために、「不登校・行き渋りの子どもたちの居場所・勉強との上手な付き合い方」について、無料のオンラインイベントを行いました。 ※「休ませていいのかわからない... 」とお悩みの方は、「学校休んだほうがいいよチェックリスト」をご利用ください。 イベント概要 テーマ: 夏休み明けの不登校・行き渋り 初級講座〜居場所・勉強との上手な付き合い方〜 登壇者: 不登校ジャーナリスト・石井しこう オンラインフリースクールBranch代表・中里祐次 キズキ共育塾相談員・半村進 登壇者・トークテーマ紹介 ■不登校ジャーナリスト 石井しこう トークテーマ:「これは不登校なの?」初期の兆しについて 子どもが急に「グズッてる」「起きてこない」、あるいは「疲れた」と言い始めた。これは不登校のサインなのか、たんに休み癖が抜けないのか。気になる不登校... --- ### 進級するつもりあんのか! 不登校だった俺と高校教師の攻防① - Published: 2024-10-29 - Modified: 2024-10-31 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/10546/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】前略、トンネルの底から - 著者: 古川寛太 - ハッシュタグ: 高校教師, 高校, 進級 古川寛太さんの不登校のはじまりは、高校1年生の春。そこから、何人もの教師たちと向き合います。古川さんの耳に今も鮮明に残る、強烈な言葉たち。今回は、2人の数学教師の言葉とともに、自身の不登校時代を振り返ります。 (連載「前略、トンネルの底から」第18回・写真は古川寛太さん) 「落ちるところまで落ちたし、あとは上がるだけだろ」 高校1年の担任は数学の教師だった。 はじめて仮病を使って休んでしまったテストでは、「提出物を出していれば成績には大きく響かないよ」と俺を諭した。 大学進学などよく分からないが、とりあえず良い成績を残していれば問題ないと考えていた俺は、胸をなでおろす。 ぽつぽつと休みが目立ち、得意だったはずの勉学で全く成果が出せなかった夏。 学年で下から2番目だった期末テストの結果を見ながら、「まあもう落ちるところまで落ちたし、あとは上がるだけだろ」と彼は言った。 点だった休みが線に変わり始めた秋。俺はもう担任と目を合わせられなかった。 「これ以上休みが続くと、 2年に上がれるか会議しなければいけなくなる」と、少し早口に言っていた。 冬。朝9時に職員室で怒鳴られた。 「進級するつもりあんのか!」 分からなかった。分からないけど、もうこの場から一刻も早く離れたいと思った。 恩情で2年生になった春。元担任となった彼と廊下でばったり出会った。 「もうあんなフラフラしてないで一生懸命勉強しろよ」。 「お前、学校来ないで何してんの?」 2年生の数学担当はよく俺に話しかけた。授業中も、それ以外の時間も。 「分からない生徒」として、極力ファニーに触れてくれているように当時も感じていた。席替えに参加できなかった俺は、常に自席が教卓の正面だったので、ほとんど二者間で解説がなされた問題もよくあった。 こういう先生は好きだ。 数学も好きな教科ではあった。 あとは理解が追いつけば、もう少し息抜きのできる時間になっていたかもしれない。 中学まで学年トップだった数学は、高校でダントツの最下位となった。どれだけ教えられても、飛び飛びで浴びる高校数学は意味が分からなかった。 彼も授業で「でき損ない」として俺に触れる。プライドの喪失というより、ただただプレッシャーを感じた。 1度だけ、職員室で話しかけられたことがある。 「お前、学校来ないで何してんの?」 「駅のベンチに座ってました」と答えると「ず... --- ### 文部科学省の調査に見る、小中学生の不登校の主たる要因:令和4年(2022年)版 - Published: 2024-10-29 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/10558/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事 - ハッシュタグ: 文部科学省 文部科学省は、毎年、「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」という調査を行っています。その中では、「小中学生が不登校となった主たる原因」も公表されています。 不登校オンライン編集部には「子どもが不登校になる原因」を知りたいという声が多数寄せられますので、参考として紹介します。今回紹介するものは、令和4年(2022年)の調査内容です(公表は令和5年(2023年)10月)。 ただしこの調査は学校の先生が回答したものであり、「児童生徒や保護者の見解とは異なる」という指摘もあります。また、「不登校の直接的な原因は、特定・解決しなくてもいい」というケースもあります(※)。あくまで参考としてご覧ください。 ※こちらの詳細は、記事「「不登校になった直接的な理由」は、特定・解決しなくてもいいケースも多い〜その例と考え方を紹介!〜」をご覧ください。 小学生の「学校行きたくない(行き渋り・不登校)」の原因 小学生は、全6,196,688人のうち、105,112人(1. 70%)が不登校です。 そして小学生では、次のようなものが不登校の主たる原因とされています。 ■学校に係る状況 いじめ:318人(0. 3%) いじめを除く友人関係をめぐる問題:6,912人(6. 6%) 教職員との関係をめぐる問題:1,901人(1. 8%) 学業の不振:3,376人(3. 2%) 進路に関わる不安:277人(0. 3%) クラブ活動・部活動への不適応:30人(0. 0%) 学校の決まり等をめぐる問題:786人(0. 7%) 入学・転編入学・進級時の不適応:(1,914人(1. 8%) ■家庭に係る状況 家庭の生活環境の急激な変化:3,379人(3. 2%) 親子の関わり方:12,746人(12. 1%) 家庭内の不和:1,599人(1. 5%) ■本人に係る状況 生活リズムの乱れ・あそび・非行:13,209人(12. 6%) 無気力・不安:53,472人(50. 9%) ■該当なし:5,193人(4. 9%) 中学生の「学校行きたくない(行き渋り・不登校)」の原因 小学生は、全3,245,395人のうち、193,936人(5. 98%)が不登校です。 そして中学生では、次のようなものが不登校の主たる原因とされています。 ■学校に係る状況 いじめ:356 人(0. 2%) いじめを... --- ### 不登校のサポート団体・専門家(相談先)の例と探し方を紹介します - Published: 2024-10-29 - Modified: 2025-03-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/10525/ - カテゴリー: コラム, 不登校 - タグ: 無料記事, 不登校前兆期, 不登校進行期, 不登校混乱期, 相談先 お子さんの不登校のことは、保護者だけ、家庭だけで抱え込まないようにしましょう。不登校のことを相談できるサポート団体はたくさんあります。 この記事では、不登校オンライン編集部の知見に基づき、サポート団体・相談先の探し方と例を紹介します(随時更新します)。 サポート団体・相談先は、様々な事例や対応法を知っています。早め・積極的に相談して、つながりを保つことで、子どもも保護者も気が楽になります。そして何より、「実際のあなたのお子さん」が次の一歩に進むための具体的な方法がわかっていくはずです。 相談先①不登校の支援団体 現在の日本には、不登校の支援団体、フリースクール、不登校に詳しい学習塾など、不登校関連の民間団体がたくさんあります。 これらの団体には、それぞれに独自の理念、支援方法、事例、ノウハウなどがあります。 例えば、「〇〇市 不登校 支援団体」「〇〇県 フリースクール」などとインターネットで検索すると、お近くの団体が見つかります。 また、遠方からオンラインで相談できる団体もあります。 見つけた団体の理念や支援が子どもに合いそうなら、問い合わせてみましょう。 相談先②公的な相談窓口 市区町村などが運営する公的な相談窓口もあります。例えば、次のようなものです。 児童相談所、児童相談センター 教育センター ひきこもり地域支援センター 発達障害支援センター 自治体によって名称や機能が異なる場合もあります。お住まいの自治体の相談窓口については、市区町村の公式サイトや代表電話で確認しましょう。 相談先③不登校の「親の会」 全国各地に、不登校の子どもがいる保護者同士が集まる「親の会」があります。 親の会では、会の目的によって、お互いに悩みを相談したり、有益な情報を交換したり、雑談をしたりすることができます。 同じ悩みを共有できる方が近くにいるだけで、抱えている不安がやわらぐこともあります。 インターネットで、「お住まいの都道府県・市区町村名」と「不登校 親の会」を組み合わせて検索すると、お近くの会が見つかります。 オンラインで参加できる会もあります(オンラインコミュニティ「親コミュ」はこちら)。 見つけた会が合いそうなら、ぜひ参加してみてください。 相談先④医療機関 子どもの「学校行きたくない(行き渋り・不登校)」には、病気や障害が関係することがあります。 そうした可能性がある場... --- ### 「不登校になった直接的な理由」は、特定・解決しなくてもいいケースも多い〜その例と考え方を紹介!〜 - Published: 2024-10-29 - Modified: 2025-03-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/10531/ - カテゴリー: コラム, 不登校 - タグ: 無料記事, 不登校前兆期, 不登校進行期 子どもが不登校になると、保護者はその理由・原因・きっかけを知り、解決をしたくなるものです。 しかし、「不登校になった直接的な理由」が解決しなくても、「次の一歩(※)」に進めることはよくあります。 (※)次の一歩とは、「今在籍している学校・クラスへの登校再開」とは限りません。 そして残念ながら、直接的な理由が解決しても、すぐには「次の一歩」に進めないこともあります。 「不登校になった直接的な理由」と、「今、不登校状態が続いている理由(=今、子どもが苦しい思いをしている理由)」は異なることがよくある、ということです。 「直接的な理由」にこだわりすぎず、「子どもの、今の状態」に注目することで、お子さんも保護者も、「次の一歩」に進みやすくなります。 不登校オンライン編集部の知見に基づき、「不登校の直接的な理由」についての例や考え方を伝えます(監修:半村進)。 例①直接的な理由は解決していないが、登校できるようになった まずは、不登校になった直接的な理由が解決しなくても、再登校という「次の一歩」に進めるようになった例です。 子どもが、中学校で、ある先生から理不尽に怒られたことをきっかけに登校できなくなった。 その先生からの謝罪などは今でもないし、授業の受け持ちも続いている(=直接の理由である「理不尽に怒られたこと」は解決していない)。 だが、子どもは、不登校中に始めた習いごとが楽しくなって、学校でのイヤなことや、イヤな思い出がだんだん気にならなくなった。 結果として、直接の理由は解決しないまま、登校できるようにもなっていった。   このように、学校以外が充実していることによって、学校のことが気にならなくなることがあります。登校再開の他にも、「通っている学習塾が楽しいので、登校再開はしないまま、高校受験や大学受験に合格した」などのパターンもあります。 例②直接的な理由は解決したが、状況は変わらない 続いて、「直接的な理由が解決したけれど、状況が変わらない(不登校の「次の一歩」に進めない)例です。 子どもが、中学校で、ある先生から理不尽に怒られたことをきっかけに登校できなくなった。 その先生は理不尽さを認めて子どもに謝罪し、子どももそれを受け入れた(=直接の理由が解決した)。 だが、子どもは不登校中に昼夜逆転になっていて、自己肯定感も下がっていた。 結果として、直接の原因が解決し... --- ### 不登校・行き渋り・「学校行きたくない」にできる保護者の対応 - Published: 2024-10-29 - Modified: 2025-03-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/10553/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 不登校前兆期, 不登校進行期 不登校・行き渋りの子どもや「学校行きたくない」と言う子どものために、保護者の方ができること(効果的な対応)はたくさんあります。 この記事では、不登校オンライン編集部の知見に基づき、子どもの不登校・行き渋り・「学校行きたくない」にできる、保護者の対応を紹介します(監修:半村進)。 紹介するものは、お子さんの学校・年齢や、不登校の理由・原因を問わずに共通する、「基本の対応」です。ただしそのぶん、一般論に近い部分もあります。「あなたの子どもへの具体的な対応」は、②の専門家に相談するうちに見つかっていくはずです。 ※関連記事として「不登校・行き渋り・「学校行きたくない」への保護者のNG対応(してはいけない対応)」もぜひご覧ください。 対応①「学校を休んでいい」と伝える 不登校・行き渋り・「学校行きたくない」は、子どもからのSOSです。 そのような子どもには、まずは、「休んでいい」と明確に伝えましょう。 子どもは、「学校に行きたくない自分はダメだ」「学校へ行かないと親をがっかりさせる」と思い込んでいます。 保護者から「休んでいい」と言われることで、子どもは安心して休むことができます。 もう一歩考えを進めて、「今の学校への登校再開は考えなくていい」と、保護者が本心から思えるようになると、「次の一歩」が多様にひらけていることもわかってきます。 「今の学校」以外にも、選択肢が見えてくるのです。 「そうは言っても、本当に休ませていいものか... 」と悩む方もいるでしょう。そんな方は、「学校休んだほうがいいよチェックリスト」をご利用ください。簡単な質問に答えるだけで、精神科医からの回答結果が届きます。 ■学校休んだほうがいいよチェックリスト 対応②専門家・サポート団体に相談する 子どものことを、保護者だけで対応する必要はありません。 不登校のことも、それ以外のことも、お子さんについてのお悩みは、専門家やサポート団体に相談しましょう。 保護者だけで対応しようとすると、「こんな対応は甘やかしなのでは... 」「もっと厳しくした方がいいのかも... 」と悩みがちです。そして、悩んだところでよい対応を思いつくとは限りません。 専門家に相談することで、「あなたの子ども」のための具体的な対応方法が見つかっていきます。 また、「不登校・行き渋り・『学校行きたくない』は甘え」「学校には絶対に行くべき」... --- ### 不登校・行き渋り・「学校行きたくない」への保護者のNG対応(してはいけない対応) - Published: 2024-10-29 - Modified: 2025-03-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/10556/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 不登校前兆期, 不登校進行期 不登校・行き渋りの子どもや「学校行きたくない」と言う子どものために、保護者の方はいろんな対応を行っていると思います。 ですが、保護者としては「よかれ」と思って行う対応が、子どもにとっては「よくない結果」につながることもあります。 この記事では、不登校オンライン編集部の知見に基づき、不登校・行き渋りの子ども、「学校行きたくない」と言う子どもへの、保護者のNG対応(してはいけない対応)を紹介します(監修:半村進)。 「NG」や「してはいけない」とは、やや強い言葉かもしれません。 しかし、これまで本当に多くの保護者たちが、そうした子どもへの対応に悩み、苦しみ、失敗してきました。そうした先人たちの汗と涙の結晶として、あえて強い言葉を使っているとご理解ください。 もちろん、保護者を不安にさせるために紹介するわけではありません。これまでにNG行動をとっていたとしても、専門家・サポート団体と相談することで、「これから」のことは変えていけます。 この記事を読むことで、お子さんも保護者も、「次の一歩」に進みやすくなるはずです。 ※関連記事として「不登校・行き渋り・「学校行きたくない」にできる保護者の対応」もぜひご覧ください。 NG①保護者だけ、家庭だけで抱え込む 大前提として、また不登校・行き渋り・「学校行きたくない」に限らない話として、子どものことを、保護者だけ、家庭だけで抱え込まないようにしましょう。 「わが子のことなのだから、保護者の自分がなんとかしなければ」と思うかもしれません。 しかしこれまでに、本当にたくさんの保護者と専門家が、あなたと同じような悩みと向き合ってきました。 専門家・サポート団体に相談することで、保護者だけ、家庭だけで抱え込むよりも、きっといい対応が早めに見つかるはずです。 専門家・サポート団体(=相談先)の例・探し方は、記事「不登校のサポート団体・専門家(相談先)の例と探し方を紹介します」をぜひご覧ください。 NG②「甘えだ」「学校に行け」と言う(怒る、無理やり学校に行かせる) 不登校・行き渋り・「学校行きたくない」の子どもに、「それは甘えだ」と返したり、怒ったりしないでください。 また、無理やり学校に行かせることも控えましょう。 お子さんは、がんばりきって、疲れきっています。 また、「学校に行けない自分はダメだ」などと思い込んだりもしています。 そんなお... --- ### 【高認対策】「あと1点」を逃さない!試験本番に強くなる対策法 - Published: 2024-10-28 - Modified: 2025-03-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/10505/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 不登校進行期, 不登校混乱期, 不登校回復期 - ハッシュタグ: 高卒認定試験, 高卒認定 高卒認定試験まで、あと少し! 試験が近づくにつれて、あせりや不安を感じているお子さんや保護者の方もいらっしゃるでしょう。しかし、大丈夫です。合格に必要なのは、すべてを完璧にこなすことではなく、ポイントを押さえた適切な対策を行うことです。 不登校オンライン編集部が、試験直前でもできる効果的な対策方法を、2つ短めにお伝えします。 試験を前に不安な気持ちを抱えている方にきっと役立つ内容なので、ぜひお子さんに伝えてみてください(今回の試験を受けない方でも、知っておくと役に立つ内容です)。 最初に〜合格ラインは各科目40%!高得点を目指さなくても大丈夫〜 高卒認定試験の合格ラインは各科目40%。つまり、100点中40点取れれば合格です。 ※文部科学省は合格ラインを明言していませんが、高認対策を行うさまざまな塾などがこのように認識しています。 また、他の受験生の点数は関係ありません。お子さんの点数が合格ラインを超えていれば大丈夫です。 無理に高得点を狙わず、1点でも多くとれる対策をしていきましょう。逆に、「あと1点で合格できていたかも... 」と悔やむことがないよう、今からできる対策も大切です。 方法1:本番に強くなるために!「シミュレーション」を取り入れよう 試験本番に強くなるためには、過去問を使った「本番シミュレーション」が有効です。 実際に当日のスケジュールと同じように1日を過ごしてみましょう。 シミュレーション時のルールは以下の3つです。 当日と同じ時間割で、過去問を問く 解答時間を守る 当日と同じタイミングで休憩を取る この練習を通して、試験当日に向けた多くの気づきを得られます。例えば、解答の順番や時間の配分、休憩中の過ごし方など、気になる点を見つけて改善するチャンスです。 方法2:分からない問題に惑わされないために!「マイルール」を作ろう もう一つ、本番に強くなる対策として有効なのが「分からない問題の対処法を事前に決めておくこと」です。 分からない問題があると、誰でもあせります。 どれだけ十分に対策をしてきても、本番で分からない問題に出会う可能性をゼロにはできません。 分からない問題に気を取られてあせったり、本来答えられるはずの問題に使う時間がなくなったりしないよう、自分なりの対応策を決めておくとよいでしょう。 例えば、以下のような方法があります。 しばらく考えて分... --- ### フリースクールの子どもが知っている「学びの先にある世界」 - Published: 2024-10-28 - Modified: 2024-10-31 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/10444/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ - 著者: 土橋優平 - ハッシュタグ: フリースクール, ゲーム フリースクールは、ただ遊んでいるだけの場所ではない」。 フリースクール運営者・土橋優平さんは、フリースクールが提供できる「オーダーメイドの学び」の大きな価値を訴えます。 小学校低学年の男の子の事例に見る、子どもが自分で学んでいく原動力とは? (連載「出張版お母さんのほけんしつ」第48回・写真は土橋優平さん) 前回はフリースクールの価値についてお話ししました。今回は具体的な事例を交えてお伝えします。 型にはめられることで文字が嫌いに ある男の子は、文字を書くことに極度の嫌悪感を持っていました。学校での学びが彼をそうさせてしまったのです。 ひらがな一つ練習するにも、とめ・はね・はらいを細かく見られ、四角い枠から少しでもはみ出ようものなら、赤い丸ではなく、赤い文字が上から覆いかぶさります。まるで軍隊の整列練習のように、絶対の正解がそこには存在します。 文字は本来、人とコミュニケーションをとるためのツールです。もちろん多少の型はありますが、それでも相手に伝わること、そして何より、コミュニケーション自体を楽しめることが大切なのです。 でも、彼は小学校低学年の段階で、「自分はうまく字を書けない」という気持ちだけでなく、「文字を書くのはつらい」とまで感じるようになってしまったのです。 文字を書くことは、学びの土台です。それが嫌になってしまったら、その抵抗感がほかの学びにも影響することは、容易に想像できます。案の定、彼は教科書を開くことも、ペンを持つことも、一切しなくなっていました。 目的は自分の世界をつくること! 独学で文字を習得 彼がフリースクールに通い始めると、いつも持ってくるのは Nintendo Switch(ニンテンドー・スイッチ)。そして、いつもその画面にあるのは「Minecraft(マインクラフト・通称マイクラ)」というゲームでした。 マイクラは現代ならではのゲームです。用意されたコース、ゴールはありません。数百種類の素材の四角いブロックを使って、自分の世界を創造することのできるゲームです。テーブルや棚だけでなく、家や街、線路をつくることも、洞窟を掘って秘密基地をつくることも、動物を生み出すことだってできます。 このゲーム、実はパソコンを使うとより高レベルな作業ができるようになります。マイクラをやる子たちは、自分のイメージをどれだけ完成度高く具現化できるのかを楽しん... --- ### ICTで創る「誰ひとり取り残さない」子どもの悩み発見の仕組みづくり~愛知県豊田市の取り組み~ - Published: 2024-10-25 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/10482/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事 - ハッシュタグ: ICT うまく使えば不登校に関する悩みの解消の糸口にもなり得る、教育現場で使用されているICT端末。 不登校オンラインでは、全4回の記事を通し、子どもの心を守るICTの活用について考えていきます。 第3弾の今回は、子どもの悩み早期発見のためのICT活用について実際の自治体の取り組みをもとに紐解いていきます。 第1回 ICT教育普及の背景 第2回 子どもの悩み早期発見の大切さとICT活用の可能性 第3回 子どもの悩み早期発見のための取り組み 第4回 ICT×教育、新時代の希望と今後の課題 GIGAスクール構想により1人1台の学習用端末を全国の小・中学生が手にしている現在、各自治体では子どものSOS早期発見のためにICTの活用が進められています。 ICTによる子どもの悩みサポートに力を入れている自治体のひとつ、愛知県豊田市の青少年相談センター「パルクとよた」の坂東さんにお話を聞きました。 6歳から15歳が対象。すべての悩みを拾うために 豊田市では、小学生から中学生の子どもたちを対象にICT端末を通した悩み相談ツール「先生たすけて」が展開されています。 「先生たすけて」のツール作成にあたり、込められたこだわりについて坂東さんは以下のように話します。 子どもたちの悩みをひとつでも多く拾うためには、「みんなが使いやすいツール」でなくてはなりません。 6歳で小学校に入学したばかりのお子さんから15歳の中学3年生まで、「先生たすけて」を利用する子どもたちの年齢は幅が広いです。 文字を書くのが難しかったり、自分で考えを言語化するのが難しい子どもたちも、みんながSOSを出しやすい仕組みになるよう検討しました。 そこで、選択式で簡単に悩みを入力できる形式を採用しています。 どんな学齢の児童・生徒も助けを求めやすくなるように、直感的で分かりやすい操作性にこだわったといいます。 選択肢も非常にシンプルです。 ①相談をしたい相手 ②相談をしたい内容 この2点が選択式と自由記述で答えられるようになっています。 (出典:「先生たすけて」の実際の画面) 相談先が選べる。SOSを出してもらうための工夫 シンプルな設計で相談の難易度を下げると同時に、SOSが発信された後の流れにも、子どもたちが安心できるような工夫があると坂東さんは話します。 「先生たすけて」では、子どもたち主体で悩みの相談先を選ぶことができま... --- ### 不登校の中学生には何をさせる?3段階別にオススメの過ごし方を紹介! - Published: 2024-10-25 - Modified: 2025-05-06 - URL: https://futoko-online.jp/column/10424/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 不登校前兆期, 不登校進行期, 不登校混乱期, 不登校回復期 - ハッシュタグ: 中学生 中学生のお子さんが不登校だと、保護者の方は、「学校に行く代わりに、何をさせるべきなのか(何をさせたら子どものためになるのか)」とお悩みのことが多いです。 このコラムでは、不登校オンライン編集部が、不登校の段階別にオススメの過ごし方を紹介します(監修:半村進)。 学校に行かない(行けない)お子さんにヤキモキ・心配・イライラ... そんなお気持ち、お察しします。 でも大丈夫。 お子さんは(そして保護者の方も)、必ず「次の一歩」に進めます。 期間限定! 無料プレゼント あなたの声を聞かせてください 大前提〜不登校のサポート団体を積極的に利用しましょう〜 不登校中の中学生に何をさせるか(=不登校の中学生が「次の一歩」に進むためには、何をしたらいいのか)。この問いには、様々な答えがあります。 あなたのお子さんに向いた「すること」も、必ずあります。 そして、「何をするか(させるか)」も「不登校そのもの」も、もっと言うと子育て全体についても、お子さんのことを保護者だけで抱え込む必要はありません。 不登校の中学生と保護者をサポートする団体はたくさんあります。 サポート団体を積極的に利用することで、お子さんも、保護者も、「次の一歩」に進みやすくなります。 ぜひ、お子さん(と保護者の方)に合いそうなサポート団体を探してみてください。サポート団体・相談先の例は、こちらで紹介しています。 次章以下で紹介する内容についても、サポート団体に相談することで、実際のお子さんの状況・段階や、実際のお子さんやご家庭のための具体的な方法などがわかっていきます。 不登校中学生の過ごし方〜①初期:不登校・行き渋りが始まった時期〜 不登校・行き渋りが始まった時期のお子さんは、その理由がなんであれ、がんばりきって、疲れきっていることが多いです。 お子さんは、休養を必要としているということです。 この時期のお子さんは、ずっと寝ていたり、ゲームやスマホばかりしていたり、何か聞いても答えなかったり、ということがよくあります。 保護者の目には「ただダラダラしている」と映るかもしれません。 しかし、特に具体的な「何か」をする・させる必要はありません(※1)。 基本的にはお子さんには好きなことをさせて、過ごしたいように過ごさせましょう(※2)。 もしこの段階でもお子さん本人が「何かしたい」と望むようであれば、次章以下を参考... --- ### 「不登校の高3が通信制高校へ転校、3月卒業!」のリアル - Published: 2024-10-24 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/interview/10391/ - カテゴリー: インタビュー, 子どもの体験談 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事 - 著者: 古川寛太, 半村進 - ハッシュタグ: 通信制高校, 高校転校 連載「前略、トンネルの底から」でおなじみの不登校経験者・古川寛太さんと、キズキ共育塾ベテラン相談員・半村進さんによる対談が実現!  ちょっとダークな「子どもの本音」に驚愕? それとも納得? 子どもの高校転校を考え始めたみなさんへ送る、「トンネルの先」からのメッセージです。 ※本文中の事例は個人的な体験です。各通信制高校の卒業条件等については、転校を希望する学校へ問い合わせてください。 第一印象は「こんなところへ行くくらいなら」 半村 全日制高校から通信制高校へ転校したいという相談は増えています。転校しても、かつてのクラスメイトたちと同じタイミングで卒業できるのか。それを気にしている人も多いです。 古川さんは全日制高校から通信制高校へ転校の経験があって、しかもそれが高校3年生の秋だったとうかがっています。これはご自身で決めたのでしょうか。 古川 表面上は自分の決断ということになっていますが、内実は「お膳立て」されていました。 転校は11月でしたが、決めたのは9月です。実は、3年生になってすぐの4月から5月に、親に連れられて何校か通信制高校のオープンスクールに行っています。そのときに初めて「通信制高校」というものを見たのですが、「こんなところに行くくらいなら、普通に今の学校に行く」と思いました。 半村 冒頭からさっそくいい感想ですね。子どもの側のこうした正直な思いを聞けるのはありがたいです。 転校先の選択基準は「マシなところ」!? 古川 「無理してでも全日制に行くほうがいい」と思っていたものの、身体的にも感情的にも崩れたのが8月ごろ。春に見た学校で「まだマシなところ」を選んで、転校を決めました。まったく前向きじゃなかったんです。 半村 親に連れられてしぶしぶオープンスクールに行ったのに、「強いて言えばマシなところ」をちゃんと感じていたことに、感心しています。しかも、それを覚えていた! 古川 いちばんひっそりしているところを選んだんです。看板が大きく出ているところは恥ずかしかったので。あからさまに「不登校の人、普通の学校に行けなかった人を集めてますよ」感があって。 駅から離れた「辺境」にある高校も見に行きましたが、そこはイヤでした。あまりにも自由で、進路のことを放っておかれるのは不安だったので。 駅前の大手で、できるだけひっそり。それならまだマシかなと。 半村 当時はここ... --- ### 中学生の不登校、「理由がわからない」のはよくあること〜親にできる対応や相談先を紹介〜 - Published: 2024-10-23 - Modified: 2025-03-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/10348/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 不登校前兆期, 不登校進行期 - ハッシュタグ: 中学生 学校に行けない中学生のお子さんにその理由を聞いても、「わからない」と答えることがあります。 このコラムでは、不登校オンライン編集部が、そういう状況の解説や、不登校の中学生に保護者ができること・サポート団体の例などの紹介をします(監修:半村進)。 大切なことは、次の3つです。 不登校の中学生が、「自分でも理由がわからない」と言うことはよくある 不登校になった「直接的な理由」の特定と解決は、しなくていいケースもある 子どものことを保護者だけ・家庭だけで抱え込まず、サポート団体を利用する 大丈夫です。お子さんも保護者も、必ず「次の一歩」に進めます。 不登校の中学生が「理由がわからない」と言う5つのケース 不登校の理由を中学生の子ども本人に聞くと、「わからない」と答えることがあります。 これは、珍しい話ではありません。また、「わからない」からといって、何も対応できないわけでもありません。 まず、そういう状況には、大きく分けて次のようなケースがあります(すべてが下記に該当するとは限りません)。 実際に、自分でもよくわかっていない 気持ちや状況をうまく言葉にできない 複数あって絞りきれない 思い当たる原因はあるが、保護者には言いたくない 疲れきっていて、思考やコミュニケーションがうまくできない そして、どのケースであれ、「不登校の専門家」に相談することで、(必要に応じて)原因が特定できたり、次の一歩に進むための方法が具体的にわかっていったりします。 ①実際に、自分でもよくわかっていない 中学生の子どもは、文字どおりまだまだ「子ども」です。 「自分に何が起きているのか」を理解できないことはよくあります。 また、実際に「明確な理由」のない不登校もありえます。 ■関連記事: 「理由はとくにないみたい」漫画家が語った私と娘の不登校   ②気持ちや状況をうまく言葉にできない 中学生の子どもは、気持ちや状況を整理したり言葉で表現したりできないこともあります。 結果として、「わからない」という言葉になって現れるのです。 ③複数あって絞りきれない 不登校は、「何か一つの明確な原因があって起きる」というよりも、「複雑な要因が絡まり合った結果として起きる」ものです。 しかし、子ども自身も、「この状況には、何か一つの原因があるはず」と思い込んでいることがあります。 そのために原因を絞りきれず、出てく... --- ### 【不登校前兆期】「学校行きたくない」は甘えではなくSOS〜親にできる対応やNG対応を紹介〜 - Published: 2024-10-23 - Modified: 2025-03-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/10307/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 不登校前兆期, 不登校進行期 - ハッシュタグ: 学校行きたくない, 甘え 子どもが「学校行きたくない」と言い出した、または行き渋りや不登校と思われる状況になった保護者からは、次のような言葉をよくお聞きします。 うちの子が学校に行きたくないと言っていて... 。これって甘えなんでしょうか。 甘えが原因の不登校には、どう対応したらよいのでしょうか... 。 そこで、不登校オンライン編集部が、「不登校と甘え」について解説します(監修・半村進)。結論から言うと、大切なことは次の2つです。 「学校行きたくない(行き渋り・不登校)」は、甘えではなく(甘えだとしても)、子どもからのSOS 子どものことは、家庭だけで抱え込まず、ぜひ専門家に相談を この記事を読むことで、保護者としてできることがわかります。 ※本文中、同じようなことを何度もお伝えする部分もありますが、それだけ大事なことだとご理解いただければ幸いです。 「学校行きたくない」は、甘えではなく子どもからのSOS 「今日はめんどくさいから行きたくないなー(笑)」などと言いながらも、なんだかんだで登校する... この記事をご覧の保護者にとって、子どもの「学校行きたくない」にはこうしたイメージがあるかもしれません。 たしかに、保護者に甘えたくて子どもが「学校に行きたくない」と言うことはあります。 しかし、「学校行きたくない(行き渋り・不登校)」は、甘えではなく、子どもからのSOSだという理解が基本です。たとえ「甘えたい」気持ちも多少はあったとしても、です。 また、どんな子どもでも、どんな子育てをしていても、「学校行きたくない(行き渋り・不登校)」は起こりえます。 どうか、「保護者の自分が甘やかしていたから... 」「もっと厳しく育てるべきだったのかも... 」などと悩まないでください。 「わが子の『学校行きたくない』は甘えかどうか」 この問いに意味がない3つの理由 実は、子どもが「学校行きたくない」と言うとき(行き渋りや不登校になったとき)、保護者が「これは甘えかどうか」と考えることには、あまり意味がありません。 その代表的な理由を3つ紹介します。 理由①「学校行きたくない」は、さまざまな理由が絡み合っている まず、「学校行きたくないという気持ち(=行き渋り・不登校の状況)」は、さまざまな理由が絡み合って生じるからです(不登校の主たる原因は、こちらで紹介しています)。 そのため、「甘えが含まれるケース... --- ### 【10月31日開催!】運動療育のプロが教える!コツを知ればラクになる『不器用』との向き合い方 - Published: 2024-10-22 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/event/10211/ - カテゴリー: イベント - タグ: 無料記事 - ハッシュタグ: 発達障害, 運動療育, 不器用 2024年10月31日(木)12時~13時30分、「発達障がいなどのお悩みを持つお子さん」を運動療育を通してサポートする「へやすぽアシスト」代表の橋本咲子さんをお招きして、オンラインイベント「運動療育のプロが教える!コツを知ればラクになる『不器用』との向き合い方」を開催します。 イベントにご参加いただけるのは、「不登校の親御さん専用のオンラインコミュニティー・親コミュ」の会員様です。 下記ご高覧の上、ぜひ親コミュ・イベントにご参加ください。 ※親コミュは、登録から1か月は無料でご参加いただけます。無料期間中の解約も可能!これを機に試しに参加してみませんか? イベント趣旨〜〜運動療育のプロが教える!コツを知ればラクになる『不器用』との向き合い方〜 「文字がうまく書けない」 「わざとではないのにお友達を強く叩いてしまい、トラブルになった... 」 こういったお悩みは、お子さんの努力不足のせいではないかもしれません。 「運動療育」をヒントに、身体の動かし方や力の使い方のコツを知ることで、困りごとが解消される可能性があります。 今回のイベントでは、日常の困りごとを解消する身体の動かし方のコツを、運動療育のプロ・橋本咲子さんがお話しします。 発達障害の有無に関わらず、不登校のお子さんは運動が不足しがち。 今回の内容は、「お家の中でできる運動」は、発達障害のないお子さん(と保護者さま)にも役立つ内容です。 不登校のお子さんが困っていること(姿勢が悪い、疲れやすい、板書が苦手、力加減が苦手、友達との距離感が掴めない、靴紐が結べない、学校体育が苦手etc... )は、実は体の発達面からきていて、それがなぜ起きているか?の原因がわかります! おうちで親子でできる運動もいくつか紹介!(リフレッシュにもなります!) 親子で取り組める手軽な運動のご紹介もあり、その日から使える実践的なヒントを得られるイベントとなっております。 【イベント実施日時など】 実施日時: 2024年10月31日(木)12時~13時30分 講演テーマ: 運動療育のプロが教える!コツを知ればラクになる『不器用』との向き合い方 へやすぽアシストとは: 発達が気になるお子さん・運動が苦手なお子さんを対象としたオンライン個別運動療育です。累計2万人以上のお子さんを指導してきたメソッドを元に、理学療法士・作業療法士等がマンツー... --- ### 【不登校からの大学受験】総合型選抜の面接はコレをおさえて! - Published: 2024-10-22 - Modified: 2025-03-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/10294/ - カテゴリー: コラム - タグ: 会員限定記事, 不登校回復期 - ハッシュタグ: 受験, 中退, 大学入試, 入試面接, 総合型選抜 いよいよ大学や専門学校の受験シーズン。秋の総合型選抜試験が始まっています。 「不登校だったことをどう伝えたらいいんだろう... ... 」 面接を前に、心配を募らせる保護者も少なくないでしょう。 お子さんが不登校や中退を経験していたとしても、大学や専門学校で学びたいという気持ちをしっかりと伝えられれば大丈夫です。 実際に、不登校や中退を経験していても、総合型選抜で大学・専門学校に合格した先輩はたくさんいます。 不登校オンライン編集部が、不登校や中退の経験がある方が面接で悩む質問と、その答え方のポイントをご紹介します。 志望理由を明確に伝える 本学を志望した理由をおしえてください 志望理由は必ず質問されます。 事前に志望理由書を提出している場合、面接者はそれを手元に置いて話を聞いています。 「志望理由書に書いたことと同じことを答える」ことが基本です。 志望理由は、その大学や専門学校で学びたいこと、やりたいことを率直に答えましょう。 「不登校や中退を経験した自分が、こんなことを言っていいのかな」と遠慮する必要はありません。 その学校に行きたいと思う理由や、学びたい気持ちを正直に伝えることが重要です。 もし、「特に熱意がない」場合は、あらかじめ学校や塾の先生と一緒に志望理由を考えておくとよいでしょう。 高校時代の取り組みを振り返る 高校時代がんばったことを教えてください この質問は、不登校や中退を経験したお子さんにとっては答えにくいかもしれません。 学校での活動にこだわる必要はありません。学外の活動でがんばったことを堂々と話せばよいのです。 ポイントは、「継続したこと」があるかどうか。 継続したことがあれば、ぜひそれを話しましょう。 もしなければ、まずは「チャレンジしてみたこと」や「やってみたこと」を書き出してみてください。 大切なのは、その活動で「どのような困難や問題を乗り越えたか」「どのように成長したか」を説明できることです。 さらに、その経験を、大学や専門学校でどのように活かしたいかを話せると好印象です。   夢や目標がなくても大丈夫 将来の夢や目標はありますか? 入学後の目標はありますか? 不登校や中退を経験したかどうかにかかわらず、「将来の夢や目標なんてない」というお子さんも多いです。 今、夢や目標がなくても、焦らなくて大丈夫です。 大学や専門学校は、必ずしも将... --- ### 【2024年衆院選】不登校に関する政党アンケート結果 - Published: 2024-10-21 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/questionnaire/10268/ - カテゴリー: アンケート - タグ: 無料記事 - ハッシュタグ: COCOLOプラン, 政党アンケート, 衆院選2024, 自由民主党, 立憲民主党, 日本維新の会, 公明党, 日本共産党, 国民民主党, れいわ新選組, 社会民主党 「不登校オンライン」では、2024年10月27日に行われる第50回衆議院議員選挙に向けて、各政党に対し不登校への取り組みに関するアンケートを実施しました。 10月21日16時までに回答をいただいた政党の回答結果を公表します。 ※回答締切は過ぎておりますが、回答をいただいていない政党については、回答が届き次第、公表予定です。 ※ハッシュタグの並び順は「システムによる自動ソート」であり、意図はありません。 アンケート概要 アンケート名: 「不登校オンライン」衆議院議員選挙政党アンケート アンケート実施期間: 2024年10月15日~21日正午 対象:自由民主党・立憲民主党・日本維新の会・公明党・日本共産党・国民民主党・れいわ新選組・社会民主党・参政党(令和6年10月15日現在、国会に議席を有する政党。総務省の取り扱い順に掲載) アンケートに回答いただいた政党: 自由民主党・立憲民主党・日本維新の会・公明党・日本共産党・国民民主党・れいわ新選組・社会民主党 実施方法:メール・問い合わせフォームでアンケートを送付、メールまたはGoogleフォームで回答 設問数: 3問 文部科学省の調査によると、令和4年度の小・中学校における不登校児童生徒数は29万9,048人です。前年度から5万4,108人増、10年連続の増加で過去最多となりました。 令和5年3月には、文部科学省より不登校対策COCOLOプランが公表されています。 この現状を踏まえ、以下の3項目について御党のお考えをお聞かせください(各項目200字程度)。 Q1 不登校の子ども本人に関する現状認識と今後の取り組みについて Q2 不登校の子どもの保護者に関する現状認識と今後の取り組みについて Q3 不登校について学校関係者に関する現状認識と今後の取り組みについて   各党回答 以下、各党からの回答をそのまま掲載します。 ■自由民主党 Q1 不登校の子ども本人に関する現状認識と今後の取り組みについて 不登校には様々な原因がありますが、不登校であっても、子供たちが学びにアクセスできるようにすることが必要です。学校内に落ち着いた空間で学習・生活できる環境を整備するほか、オンラインを活用した指導・支援など、「誰一人取り残されない学びの保障」を推進します。加えて、不登校になる前に SOS を見逃さない取組みを進めるとともに、学校を「み... --- ### 人生を左右する“悩みの発見遅れ”〜性暴力による不登校経験者が訴える「SOSを取りこぼさない」早期発見の仕組みづくり〜 - Published: 2024-10-18 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/10244/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 無料記事, 子どもの心を守るICT - ハッシュタグ: ICT うまく使えば不登校に関する悩みの解消の糸口にもなり得る、教育現場で使用されているICT端末。 不登校オンラインでは、全4回の記事を通し、子どもの心を守るICTの活用について考えていきます。 連載初回はICT教育が普及した背景と、現在の活用のされ方についてご紹介しました。 初回記事はこちら 【連載】デジタル端末を活用した子どものココロを守る新たな取組? 不登校の保護者も「もしも」のときに使える! 基本のICT活用 子どもの心を守るICTの活用についてさらに深めていくために、第二弾の今回は「子どもの悩み早期発見の重要性」について考えていきます。 第1回 ICT教育普及の背景 第2回 子どもの悩み早期発見の大切さとICT活用の可能性 第3回 子どもの悩み早期発見のための取り組み 第4回 ICT×教育、新時代の希望と今後の課題 いじめ事案、把握漏れに課題 不登校の理由として多く見られるものの一つに「いじめ」があります。 文部科学省の調査によると、2022度に発生したいじめの認知件数は小・中学校あわせて66万2348件。 そのうち、重大事案として認定された事案は746件ありました。(参考:文部科学省「令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要 」(いじめ関連部分抜粋版)) しかし、同調査は教職員を対象にヒアリングした結果であり、生徒に直接アンケートをとったものではありません。 実際にはいじめがあったとしても把握しきれず、認知件数に表れていない“暗数”が存在していることが推測されます。 いじめを相談できた数は半数にも満たず 東京都教育庁が公表した「いじめ問題に関する研究報告書」では、「いじめを受けた経験を誰かに相談した」と答えた児童・生徒は半数以下の45%。 半分以上が誰にも相談できずに抱え込んでいたことが分かりました。(参考:東京都教育委員会「いじめ問題に関する研究 ~東京都教職員研修センター~ 」) いじめの事案だけでも把握しきれないケースが多い中、さらに多岐にわたる子どもたちの悩みをどれだけ拾うことができているでしょうか。 子どもたちは、「身近な大人」の誰を信用したらいいかわからずに、悩みを相談できないことがあります。 ICTを活用すること(※)で、子どもたちは、いじめについても、それ以外の悩みについても相談しやすくなるはずです(※「... --- ### 【連載第ゼロ回】「お父さんのための不登校講座」始動! - Published: 2024-10-17 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/10217/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 無料記事, 【連載】お父さんのための不登校講座 - ハッシュタグ: 不登校の親 「不登校オンライン」へ寄せられる保護者の声は、母親からのものが9割を超えます。 しかし、父親も決して無関心なわけではありません。不登校の子どもへの関わり方に、苦慮しているのです。 本連載のコンセプトは、「3分で読める不登校の基本情報」。 父親だけでなく、母親、そして、不登校の子どもと関わるすべての「多忙な大人たち」のためのティップスをお届けします。 「第ゼロ回」は、連載「お父さんのための不登校講座」開始にあたって、これまでの記事から不登校の子どもと父親の関係を探ります。 「父親は不登校の専門家になって」 父親から見た「父親」 ・保護者向けイベントの参加者はほぼ母親で、参加するのに勇気がいる ・子どもと過ごす時間が短く、不登校の背景が見えにくい ・「学校へ行かずに社会で通用するのか」と考えがち これらは、不登校の子どもの父親が語る「父親」の課題です。 『「とりあえずビール。」で、不登校を解決する』(びーんずネット)の著者・蓑田雅之さんも、不登校の子どもの父親の一人。蓑田さんは「不登校オンライン」掲載記事でこう語ります。 「学校へ戻るのはあたりまえだろう」と考える前に、情報を集めることがとても大切なんです。(中略) 仕事での取り組み方を不登校にも応用して、お父さんたちには「不登校の専門家」になってほしい。 【読んでおきたい公開記事】 お父さんだからこそ、できることがあるんです。わが子の不登校と向き合うためのヒント(蓑田雅之さん) まさかわが子が不登校になるとは。不登校の子を持つ父の葛藤と心境(市川明さん) 「ずっとがんばってきた俺を見てくれよ!」 不登校の子どもの「父親」への叫び 不登校中の子ども自身が父親について言語化し、SNS以外の「メディア」で発信することは多くありません。 代わりに、不登校当時を振り返る当事者の語りに、「父親」を知るヒントを見つけることができます。 「自分を認めてほしかった」。 中学校で不登校を経験した小林直央さんの記事には、父親へ向けた子ども叫びが記されています。 僕はとっさに「じゃあ、いつになったら甘えさせてもらえるんだよ!」と言い返しました。(中略)学校へ行っていないことを一方的に「甘え」と言われたんです。「親なら、ずっとがんばってきた俺を見てくれよ!」と率直に思いました。将来のためにずっと勉強をがんばってきて、身体がボロボロになるまで学校... --- ### 【不登校からの高校受験】「希望する高校生活」からの逆算が対策のカギ! - Published: 2024-10-16 - Modified: 2025-03-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/10190/ - カテゴリー: コラム, 勉強・進学・進路 - タグ: 通信制高校, 無料記事, 不登校回復期 - ハッシュタグ: 通信制高校, 高校受験 「うちの子は不登校だから、高校受験はあきらめるしかない... 」そんなお悩みを持つ保護者も多いのではないでしょうか? お子さんも、「今ごろ、学校行っているクラスの友だちは受験の話をしているのではないか」「受験のことを考えるだけで気が重くなる... 」などと思っているかもしれません。 高校受験は人生の一大イベントです。お子さんには後悔しない選択をしてほしいですよね。 今回は、不登校の中学生のお子さんがいる保護者に向けて、不登校オンライン編集部が「希望の高校生活から逆算する受験戦略」をご紹介します。 ただし、お伝えする内容はあくまでも一例です。 「実際の、あなたのお子さん」におすすめの高校や受験勉強の方法は、「中学不登校でも高校進学は可能である」と知った上で、中学校や、進学先候補の高校、不登校からの高校受験をサポートする団体などと相談することで、具体的に見えてきます。 お子さんの価値観に基づいた「2大受験戦略」 あなたのお子さんにとって、「高校生活」は、次のどちらがより大切でしょうか? ①無理なく通えて、無理なく卒業できること(≒すでに大学受験などを見据えていて、高卒資格を取得できるなら高校生活には特にこだわりがない) ②高校生活を盛りだくさんに楽しむこと(≒将来の希望にかかわらず、高校は高校で楽しみたい) この答えによって 、高校受験や高校選びの考え方が、「時間リッチ戦略」と 「内申点×高校入試の同時ハック戦略」に分かれます。 それぞれの戦略について、詳しくご説明します。 ①時間リッチ戦略 「①無理なく通えて無理なく卒業できること」を選んだ場合、時間リッチ戦略がフィットするケースが多いです。 時間リッチ戦略とは、「高校受験のための戦略」というよりも、「高校卒業と大学受験などを見越した、高校での時間の使い方を重視する戦略」です。 「高校は卒業さえできればいい」と考えているなら、「高校生活」よりも「入学・通学・卒業のしやすさ」が重要になります。 おすすめの高校は、通信制高校か定時制高校 おすすめの進路は、通信制高校か定時制高校です。 全日制高校よりも多くの自由な時間を確保し、その時間を活用して大学受験などの学習に時間を使うのです。 受験での学力試験が(全日制高校よりも)難しくなかったり、学力試験そのものがなかったりします。また、内申点を審査されないことも珍しくありません。... --- ### 不登校の高校生がひとり旅で気づいた「人との関わりが減ると起こること」 - Published: 2024-10-15 - Modified: 2024-10-29 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/9732/ - カテゴリー: 子どもの体験談, 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】前略、トンネルの底から 不登校だった高校時代、古川寛太さんは一度だけひとり旅をしました。旅先は、あこがれの聖地・ZOZOマリンスタジアム。そこでの経験は、古川さんに大きな発見をもたらします。不登校旅行記、完結編!(連載「前略、トンネルの底から」第17回・写真は古川寛太さん) 【ここまでのおさらい】 不登校の高校時代に唯一ハマった「最初で最後の趣味」がもたらした「あの夏の決断」 「本当に実在するんだな」 不登校高校生にとっての憧れの地は、家や学校なんかより身近な世界だった 相手チームの先制から試合は始まる。 マリーンズは序盤、あまりいいところがなかったが、普段観るものと同じルーティンで勝負に挑む選手達を見ると、なにか「答え合わせ」をしているような感覚になった。家にこもっている時には久しく味わえなかった感覚である。 試合は中盤、大きく動いた。 マリーンズ先発の酒居(現・楽天)がボークによって追加点を許した。「ボーク」とは、簡単に説明すると野球における反則行為のことである。プロでは滅多に見られないプレイに、場内はこの日最大のどよめきが起こった。 自分の頭の中で完結。それは、なんだか寂しいこと 即座に目の前に座る男性の野球講座が始まったのを見て、このスタジアムにいる何組のペアが、この手の講座を開いたのだろうかとぼんやり思った。 当然、俺には解説する相手なんていなかったし、頭の中でルールを反芻(はんすう)するだけで終わってしまうのは、なんだか寂しいことだなと感じた。 その後も連打を浴び、終盤を迎える前にすっかりマリーンズの負けムードがただよう中、2000本安打まであと数本に迫っていたベテランのヒットや、助っ人外国人の気迫のタイムリーなど見どころはあった。最終回にはチャンスをつくり、念願のチャンステーマを聞くなど、とても満足いく時間だった。 試合は敗戦。それでも来てよかったと思った。 帰りは興奮のままグッズショップに入り、ユニホームを購入しようと考えていたが、買うと新幹線に乗れなかった。「次に来る時は絶対にたくさんお金を持って来よう」と決めて、球場を後にした。 自分の不安は必要以上に大きく見えているのかもしれない 最後に、この日得た最大の発見を記して、3回にわたったこの旅行記を締める。 あの頃、画面越しに目を皿のようにして見ていた聖地は、実際に訪れてみると「穴ぐら」のような場所だった。思っていたよりも... --- ### 「ただ遊んでいるだけ?」に答えます! フリースクール代表が語る、「フリースクールの2つの価値」 - Published: 2024-10-14 - Modified: 2024-11-04 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/9734/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 人気記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ - ハッシュタグ: フリースクール, 不登校の親 「フリースクールに行ってもただ遊んでいるだけじゃないの?」。不登校の子どもの保護者の中には、子どもをフリースクールへ通わせるのを不安に思う方も。 「教育は本来、子どもたちが幸せに生きていくためのものであるはず」。フリースクール運営者・土橋優平さんが伝えたい、フリースクールの本当の価値とは。 (連載「出張版お母さんのほけんしつ」第47回・写真は土橋優平さん) 夏休みが明け、1か月以上が経ちました。 「そろそろ学校以外の場所を検討した方がいいのだろうか」。 「すでにフリースクールを利用しているけど、本当にこのままでいいのだろうか」。 こう考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。 時にフリースクールは、心配の目で見られることがあります。「子どもに自由にさせていて大丈夫?」「ただ遊んでいるだけなんじゃないか」といった疑問が、保護者の心の底にあるのだと思います。 フリースクールは千差万別 大前提として、「フリースクールとはこういうものである」と一概に言うことはできません。フリースクールは現在、全国に1000か所程度あると言われています。しかし、その全てが異なっていると言っても過言ではありません。 「居場所型」「学習型」「体験型」という切り分け方もできます。大人がルールを決めるところもあれば、子どもが主体となってルールを決めるところもあります。時間も、午前から午後なのか、午後だけなのか、はたまた夜もやっているのか。 一口にフリースクールと言っても、千差万別です。 それをお分かりいただいた上で今回は、学校と比較したときのフリースクールの立ち位置という観点で、フリースクールの価値お伝えしようと思います。 フリースクールの2つの価値 私が思うフリースクールの価値は、大きく2つあります。 1つずつご説明していきます。 ■子ども一人ひとりの心にじっくりと目を向けることができる 1つは、フリースクールは子どもの心の声に耳を傾けてくれる場所であるということ。 学校では、1クラスに30人前後の子どもがいて、それに対して関わる大人はおもに担任教員1人。1日45分授業を6コマ、休み時間や給食時間などを合わせ、人数で割ると、教員1人が児童生徒1人に関われる時間は1日約10分です。 ただし、教員もずっと子どもたちと接しているわけではありませんし、一人ひとり平等に時間配分はできません。すると、お... --- ### 出席数が足りない…、内申点がつかない…。不登校になっても、高校進学はできるの? - Published: 2024-10-11 - Modified: 2025-05-06 - URL: https://futoko-online.jp/column/10089/ - カテゴリー: コラム - タグ: 通信制高校, 無料記事, 不登校混乱期, 不登校回復期 - ハッシュタグ: 通信制高校, 高校受験 中学校に行っていない子どもは高校進学ができるの?と不安に思う保護者は多いです。 住む地域によりますが、不登校の生徒に対するさまざまな配慮や入試方法があるところも。 不登校の親子の相談を多く受けてきたキズキ共育塾の半村進さんに、進学事情についてお聞きしました。 期間限定! 無料プレゼント あなたの声を聞かせてください 人気記事 不登校を経験しても、高校進学はできる 不登校でも高校に進学できるのかというのは、保護者ならとても気になることです。 端的に言えば、中学のときに不登校であっても、高校進学はできます。 今は、高校入試の評価方法と高校選びの選択肢がだんだん変わってきて、不登校だった生徒が進学する方法がいくつもあります。 不登校の場合、高校進学を目指す際に気になるのが「調査書(内申点)」と「出席日数」です。 それぞれが受験にどう影響するのか見てみましょう。 高校受験では「調査書」がかかわることが多い 高校受験の際、「調査書」の提出が必要な場合が多く、合否が「学力試験の点数」と「調査書の内容」を合わせて判断されます。 <内申書(調査書)とは> 生徒の学校生活の態度と成績について記述した文書。調査書のうち教科の成績を得点化した項目を「内申点」と言う <例>東京都全日制公立高校を受験する場合の基準 「学力試験の点数」:「調査書の内容」が7:3または6:4で配分 (参考:東京都教育委員会「入試Q&A」)   学力試験の点数と調査書内容の配分は、都道府県・高校・学科などによって異なります。 加えて、作文や面接、実技などが実施・審査されることもあります。 調査書の内容はいつのものが反映されるのか 調査書や内申点の内容は、中学1年生から3年生の分の生活や成績が反映される場合もあれば、3年生の分だけが対象の場合もあります。 3年生時の内申点のみ評価するのは東京都や愛知県などがあります。 その地域の場合は、1〜2年で不登校だったとしても、3年生のときだけ頑張って学校に行くという選択ができるかもしれません。 とはいえ、無理に学校に行くのはおすすめできません。3年のときに学校に通えないという事態も考えておきましょう。 内申点欄が「斜線」になる(東京都の場合) 東京都の場合は、内申点がつかない(欠席などで評価ができない)場合は、内申点の欄に斜線が書かれます。 その扱いとしては、 在学する中学... --- ### 不登校カウンセラーが伝える、子育ての3つのヒント〜10月18日オンライン開催!〜 - Published: 2024-10-11 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/event/10088/ - カテゴリー: イベント - タグ: 会員限定記事 - ハッシュタグ: 不登校の親 2024年10月18日(金)20:00~20:30、不登校の方々のための完全個別指導塾・キズキ共育塾のスタッフによるオンラインイベント「不登校カウンセラーが語る、これだけは伝えたい!不登校子育て3つのヒント」を開催します。 ※当日に参加できない方に向けて、後日、有料会員様限定のアーカイブの配信も予定しております。   ■イベント趣旨〜不登校カウンセラーが語る、これだけは伝えたい!不登校の子育て、3つのヒント 不登校のお子さんに、どう接したらよいかお悩みではありませんか? ひと口に「不登校」と言っても、きっかけや悩み、お子さんの心の中は千差万別。 接し方や対応方法を調べても、「うちの子には当てはまらないな... 」と更に悩みが深まっていくこともあるのではないでしょうか。 そこで、キズキ共育塾(※)の現役教室長・田邉千裕さんを講師にお招きし、3回のイベントにわたり不登校のお子さんとの向き合い方について考えるイベントを開催します。 第1回の今回は、「不登校の親の心構え」について深堀りしていきます。 お子さんに合った声掛けや、接し方のヒントが得られるイベントとなっておりますので、ぜひご参加ください。 (※)キズキ共育塾:不登校の子のための完全個別指導塾 ■イベント実施日時など 実施日時: 2024年10月18日(金)20時~20時30分 講演テーマ: 不登校カウンセラーが語る、これだけは伝えたい!不登校の子育て、3つのヒント 登壇者: 田邉千裕さん(キズキ共育塾 池袋校 教室長) 実施方法: Zoomを利用したオンライン講演会です。参加者様は、顔や名前をお出しいただく必要はございません。 参加対象: 不登校オンラインのご購読者様(有料会員様)、またはキズキが運営する不登校の親専用オンラインコミュニティー「親コミュ」の会員様限定限定でご参加いただけます。 不登校オンラインの会員様はこのページの有料部分で、親コミュの会員様には親コミュ内で、イベントのURLをお伝えいたします。 参加料金: 無料(不登校オンラインまたは親コミュの会員費用に含まれます)。 不登校オンラインの購読方法はこちらをクリック! 親コミュの詳細・参加方法はこちらをクリック! ■人気記事のまとめ〜親の心構え・できること・やるべきこと〜 不登校オンラインでは、「親の心構え・できること・やるべきこと」についての人気... --- ### 【連載】デジタル端末を活用した子どものココロを守る新たな取組? 不登校の保護者も「もしも」のときに使える! 基本のICT活用法 - Published: 2024-10-11 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/10069/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 無料記事, 子どもの心を守るICT - ハッシュタグ: ICT教育, COCOLOプラン うまく使えば不登校に関する悩みの解消の糸口にもなり得る、教育現場のICT端末。 不登校オンラインでは、全4回の記事を通し、子どもの心を守るICTの活用について考えていきます。 第2回 子どもの悩み早期発見の重要性 第3回 子どもの悩み早期発見のための取り組み 第4回 ICT×教育、新時代の希望と今後の課題 第1段の今回は「ICT教育拡大の背景と具体的な運用事例」について基本となる情報をお届けします。 ICT教育とは何か、どう運用されているのかを知ることで、不登校の子どもと学校のかかわり方について「こんなこともできるのか」など新たな視点をもつことができるかもしれません。 ICT端末は「教材」だけではなく、子どもたちのケアにも活用 近年の教育現場では、ICT(情報通信技術)の導入が進んでいます。 ICT普及の流れは、新型コロナウイルスの影響もあって一気に加速しています。 ほとんどの小・中学校では1人につき1つのタブレットやパソコンなどのICT端末が支給されている状況です。 2023年3月に文部科学省が公表した「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(以下、COCOLOプラン)」でも、ICT端末の導入について触れられています。 そこでは、指針として「ICTや民間のノウハウを活用しながら不登校の子どもたちや保護者に必要な支援を届けていく」と明記されています。 ICT端末の存在意義は、学習教材としての機能やIT人材の育成のみならず、子どもたちの心身の安全を守る役割にまで及んでいるのです。 GIGAスクール構想によるICT教育の拡大 2019年12月、文部科学省は「GIGAスクール構想」を発表し、全国の小・中・高校を対象に次の2つの実現に向けた取り組みを開始しました。 タブレットおよびPCを「1人1端末」支給 高速大容量の通信ネットワークを各学校に整備 その後、令和4年度(2022年度)末に行われた調査によると、小・中学校における「1人1端末」の達成率は99. 9%。 端末を完全配備できていない自治体は、わずか2か所のみ(※)でした。 (※)神奈川県特別支援学校、長野県軽井沢町。ただしどちらも「令和5年度(2023年度)中に整備完了予定」としていました。 (出典:文部科学省初等中等教育局 修学支援・教材課「義務教育段階における1人1台端末の整備状況(令和4年度末時点)... --- ### 【SOSサインも紹介】見逃さないで! 子どもの「学校行きたくない」に隠れたメンタル不調 - Published: 2024-10-10 - Modified: 2025-03-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/10044/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 不登校前兆期, 不登校進行期 - ハッシュタグ: 世界メンタルヘルスデー 「学校行きたくない」。 これは子どもが「ズル」をしたくて言っているわけではありません。 子どもの行き渋り・不登校に、保護者は戸惑います。しかし、保護者だからこそ気づける子どものSOSサインがあります。 メンタル不調は誰にでも起こる。もちろん、子どもにも はじめに知っておいていただきたいことがあります。 メンタル不調は誰にでも起こります。 かつて、メンタルの不調や病気は「弱い人に起こるもの」という誤解や偏見がありました。近年は、アスリートやタレントがメンタルの病気を公表し、病気や治療について正しい知識を広めようとしています。 メンタル不調は、元気な人にも、明るい性格の人にも、もちろん子どもにも起こります。 不登校や行き渋りそのものは病気ではありません。しかし不登校の背景に、メンタルの不調や病気が隠れていることもあります。 「学校行きたくない」は子どものSOS  大人にとっては突然のことに見えても、子どもの心には、「学校行きたくない」と言い出すまでの葛藤があります。 子どもの成長段階によっては、自分の気持ちをうまく言葉にできないこともあります。不快な気持ちを表現できないと、本人も気づかない間に、その気持ちがストレスとして積み重なっていきます。 また、学校でのトラブルや勉強のつまずきを、「がまんしないと」「がんばらないと」と、一人で抱え込む子どももいます。 「学校、行きたくない」。 そう言い出したときには、ストレス、がまん、がんばりが「その子にとっての限界」に達しています。限界を超えて、メンタル不調が始まっているケースもあるのです。 「いつもと違う」に気づいて! 子どものメンタル不調サインリスト メンタル不調のサインは「睡眠」「食欲」「体調」「行動」に現れることがあります。ここでは、それぞれのサインの例をあげます。 ただし、メンタル不調があっても以下のサインが現れないこともあります。また、これらのサインが現れていても、必ずしも「メンタルの病気」とは限りません。 まずは、「いつもと違う」と気づくこと。 学校の先生には難しいことでも、子どもの育ちを見守っている保護者だからこそできることがあります。 ■睡眠 ・なかなか寝つけない(ようだ) ・「眠れない」と言う ・夜更かししている ・朝なかなか起きられない ・寝すぎる ■食欲 ・食欲がない、食べる量が減った ・食べ過ぎる ・急に... --- ### 不登校の子どもがいたら、仕事はやめなくてはいけないの? - Published: 2024-10-09 - Modified: 2025-03-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/10011/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 不登校前兆期, 不登校進行期, 不登校混乱期 - ハッシュタグ: 不登校の親 子どもが学校に行かないとき、大人がずっとそばにいたほうがいいのでは?と、仕事を休んだり、やめることを検討する保護者もいます。 今まで仕事があった場合、やめたほうがいいのでしょうか。 キズキ共育塾で多くの不登校生徒の保護者から相談を受けてきた半村進さんにお聞きします。 仕事を「やめる」と決めるのは、いったん踏みとどまって 子どもが不登校になったとき、保護者はできるだけ家にいて見守りたいと考えます。 また、外で働いている家族は、子どもが大変なときに仕事へ行っていていいのか?と感じることも。 しかし、そこですぐに「仕事をやめる」と決める前に、踏みとどまって考えてほしいです。 その理由をお伝えしていきます。 理由1)子どもに罪悪感を感じさせないため 不登校になったことをきっかけに保護者が仕事をやめると、子どもはそれを敏感に察知します。 「自分のせいで、家族が仕事をやめた」と罪悪感を感じることがあります。 不登校の子どもは、そうでなくても保護者に対して、「学校に行けてなくて、ごめんなさい」と罪悪感を抱いていることが多いです。 さらには、学校に行けない自分に対して腹立たしさも感じているかもしれません。 保護者を巻き込んでしまったと思わせない 保護者が仕事をやめると「自分がダメだから 親が仕事をやめなくてはいけなくなったんだ」と、保護者を巻き込んでしまったと思うことも。 子どもが不登校に悩んでる間は、なるべく本人の罪悪感を小さくしておくことが肝心です。 理由2)子どもだけの時間を確保するため 不登校の間は、「子どもだけの時間」を確保しておくことがとても大切。 仕事をやめることで「一時的にでも子どもと一緒にいたい」、「子どもと触れ合う時間を長くしたい」と考える保護者は多いです。 しかし、不登校のときだからこそ、子どもにとっては一人だけで過ごす時間がとても重要なんです。 心を休めるための一人時間 「遅刻してでも学校に行かないと、家族に何か言われるかもしれない」 「学校に行けない自分に対して家族は腹立たしさを感じているかもしれない」 そんなことを考えて、心が休まらない子どもは多くいます。 不登校の子どもにとっては、心をゆっくり休め、自分のことを見つめ直す一人だけの時間が大切なのです。 理由3)経済的な安定を確保するため 仕事は経済的安定に欠かせないものでもあります。 仕事をやめると、ど... --- ### 高校不登校から通信制高校へ転校するには? おさえておきたい基礎知識 - Published: 2024-10-08 - Modified: 2025-03-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/9919/ - カテゴリー: コラム - タグ: 通信制高校, 無料記事, 不登校進行期, 不登校混乱期 - ハッシュタグ: 通信制高校 不登校の高校生が学びを続けるために、転校先として通信制高校を選ぶケースも少なくありません。心身のコンディションの調整と両立できるメリットがある一方、学校選びには注意点もあります。「通信制高校への転校」が少しでも頭をよぎったら、真っ先に確認してほしいことをご紹介します。 【関連記事】 通信制高校ってどうなの? 不登校中高生の親が知っておきたい通信制高校の「今」 自分自身の偏見を捨てて、子どもに合った学校に出会った。経験者が語る通信制高校選び 監修:半村進(キズキ共育塾相談員) いちばん大事な条件は「みんなと同じタイミングで卒業したいかどうか」  冒頭から意表を突かれた方もいるかもしれません。 「同年齢の人たちと同時に高校を卒業すること」を重視するかどうか。実はこれが、高校の転校を検討するときに、いちばん重要な条件なのです。 「みんなと違う」ことを気にするのは、十代の若者なら当然のことです。できる限り本人が納得のいく選択をするために、最初にこの点を親子でよく話し合ってください。 卒業のタイミングにこだわらなければ、ほかの条件を優先できるため、学校選択の幅が広がります。 知っていますか? 「転入」と「編入」の違い 「今の高校から、別の高校へ転校したい」。 本人や保護者からのご相談では、「転校」という言葉が曖昧に使われていることもあります。これから情報を集める段階なので無理もないことです。 「転校」は多くの場合、「転入」と「編入」に分けられます。 どちらも、たいていの学校で試験等の選考がありますが、通信制高校は全日制高校よりも学力の面で間口が広く、不登校で勉強に不安のある人も受け入れている学校が多くあります。 ■転入 転入とは、前の高校から次の高校へ移るときに、書類上、高校在籍の空白期間が発生しない方法のことです。 私立通信制高校のほうが、受け入れ時期、選考内容とも対応が柔軟な傾向があります。選考時に学科試験がなく、面接や作文のみの学校もあります。 ■編入 編入とは、前の高校から次の高校へ移るときに、書類上、高校在籍の空白期間が発生する方法のことです。 受け入れ時期などの条件は、転入よりもやや厳しい傾向があります。私立通信制高校のなかには、受け入れ時期、選考内容とも対応が柔軟な学校もあります。 卒業タイミングにこだわる場合には「単位」が重要! 学年の途中で転入する場合、今の... --- ### 2024年9月の人気記事まとめ〜「ゲームやスマホの禁止はNG!」わかっちゃいるけど…/他全5記事〜 - Published: 2024-10-08 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/popular/9905/ - カテゴリー: 人気記事まとめ - タグ: 無料記事, 人気記事 こんにちは、不登校の親御さんのためのウェブメディア「不登校オンライン」編集部です(運営:株式会社キズキ)。 2024年9月に人気をいただいた記事をご紹介します。 お子さんも、親御さんも、大丈夫です。必ず「次の一歩」に進めます。 ①「ゲームやスマホの禁止はNG!」わかっちゃいるけど... ... 「いったいいつまでやらせてていいの?」のジレンマに効くチェックポイント5つ ■記事はこちらです→ 不登校の子がなりがちなゲーム・スマホ依存。 一日中ベッドに寝転がってスマホを見ていたり、ゲームに没頭したり。食事中もゲームやスマホを手ばなさず、お風呂にも入りたがらない... 。 そんな子どもの様子に、冷静でいられる親御さんはいないでしょう。 この記事では、「この状態は、(いまは)大丈夫/まずいかも」を判断するための5つのチェックリストを紹介します。 チェックの結果で、「(いまは)見守りを続けてOK」「見守りをやめて、医療機関に相談するべきかも」というめやすがわかります。 今すぐ使える使えるチェックリストですので、ぜひ参考にしてみてください。 ■記事はこちらです→ ②「ゲームのやりすぎで心や脳はゆがまないの?」5つの親の疑問に児童精神科医が答えます ■記事はこちらです→ 「うちの子はゲームばかり、脳や心への影響が心配です」 「うちの子はゲームで負けると叫んだり、暴れたりします。親はどうすればよいのでしょうか」 そんな悩みを抱えている不登校の子を持つ親はすくなくありません。 そもそも、ゲームのやりすぎで、脳細胞が壊されるということはあるのでしょうか。 ゲーム問題にくわしい児童精神科医・関正樹さんが、不登校のわが子のゲームで悩む親からの5つの質問に答えます。 質問①: うちの子はゲームで負けると、叫んだり床をたたいたり、悪態をついたりします。集合住宅に住んでいますが「下の階の人に迷惑だよ」と言っても聞きいれません。気持ちの落ち着かせ方や、切り替え方法などはあるのでしょうか。 質問②: わが家ではゲームをする時間は子どもに任せています。しかし学校の先生から「ゲームのやりすぎは脳に障害が出るのでやめさせなさい」と言われました。たしかにそんな話も聞きますが、実際はどうなのでしょうか。 ■記事はこちらです→ ③「ここで元気になれました」5年以上引きこもった男性が自信と希望を持てた理由 ■記事... --- ### 自分自身の偏見を捨てて、子どもに合った学校に出会った。経験者が語る通信制高校選び - Published: 2024-10-07 - Modified: 2025-03-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/9820/ - カテゴリー: 保護者の体験談, コラム - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 人気記事, 不登校混乱期, 不登校回復期 - ハッシュタグ: 通信制高校, 不登校の親 不登校の親子にとっても、選択肢の一つである通信制高校。どうやって選んだらいいの?という疑問がある人も。 結果的にポジティブな選択として親子で通信制高校を選んだという岡崎実希子さん(仮名)に体験を聞きました。 そんな彼女も、最初は通信制高校に対しての偏見があったと話してくれました。 「不登校オンライン」では、不登校を経験されたご本人や保護者の方でインタビューの取材を受けてくださる方を募集しています。詳細はこちら。   子どもたちの生きやすさを最優先に考えた 今は高校1年生の双子の息子がいます。彼らは、中学2年生の3学期に、学校に行くのをやめました。中学3年生のときは、ほとんど学校に行っていません。 開き直りかもしれませんが、学校に行かないという選択をしたとき、パチンとスイッチが切り替わったんです。 「子どもたちが生きやすい生き方を考えよう」という考え方にシフトしました。 ※岡崎さんとお子さんの不登校体験についてはこちらの記事に書かれています。 不登校と離婚が重なったとき、救ってくれたのは「自分のことだけを考える時間」|サポートする側のセルフケア   中学3年生の1学期に、通信制高校フェアへ 3年生の春に通信制の学校を調べ始めました。 3年生の1学期、6月ぐらいに通信制高校合同相談会に行きました。大きな展示会場に、いろんな通信制高校がブースを出して、いろいろ回れるというイベント。そこには2回くらい行きました。 「通学」が大前提の全日制は難しい 実は、中学2年生の3学期に全日制美術系高校の見学もしたことがあるんです(二人とも絵を描くことが好きなので)。そこで、「出席数」について現実を見せられました。 2年生の時点でも週に2〜4日休んでいて(双子二人とも)、出席日数は足りていない。 そして、全日制高校に行っても、進級するにはやはり通学することが大前提でした。 そこで、彼らには全日制高校だとかなり難しいということがわかったんです。 子どもたち「やっぱり全日制は無理だったと思う」 今、彼らに聞くと、「どんなに好きな学校(美術系の学校など)に入っていたとしても、きっと自分たちは学校に行かなかったと思う」と言います。 全日制といわれるいわゆる「朝早い時間からの登校が大前提」のような学校は、絶対自分たちに合っていないと、確信めいて話してくれます。 ただ、当時は自分たちの性質を彼ら自身... --- ### 人気記事のまとめ〜有名人や有識者からのアドバイスや励まし〜 - Published: 2024-10-07 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/popular/9856/ - カテゴリー: インタビュー, 人気記事まとめ - タグ: 無料記事, 人気記事 こんにちは、不登校の親御さんのためのウェブメディア「不登校オンライン」編集部です(運営:株式会社キズキ)。 不登校オンラインでは、親御さんから、「有名人や有識者からのアドバイスや励ましを受けたい」というお声を多数頂戴しています。 そこで、特に人気をいただいている経験談をご紹介します。ぜひ参考になさってください。(※紹介する記事は、適宜更新いたします) お子さんも、親御さんも、大丈夫です。必ず「次の一歩」に進めます。 ①難を受けてこそ人生よ 樹木希林さんに聞く不登校 ■記事はこちらです→ 俳優・樹木希林さんのご生前のインタビューです。全文無料でご覧いただけます。 インタビュアー: 自分の子どもが不登校やひきこもりだったら、親としてどう向き合えがいいのかについて教えてください。 樹木さん: きっと自分だけが助かる位置にいちゃダメなんだろうと思います。自分も降りていかないと。 夫は「不良になるのも勇気がいる」と言ってましたが、道を外すのも覚悟がいることです。親も子も今の環境や状況を選んだわけじゃないだろうし、そうならざるを得なかったのかもしれません。 でも、それはそれで親子ともどもいっしょにやっていこう、と。路上でもいっしょに生活しようという覚悟を私ならすると思うんです。 いっしょに住んでいる人はホントにたいへんだと思いますが、結局、親はその子の苦しみに寄り添うしかないです。言って治るようならとっくに治っています。自分が成熟するための存在なんだと受け取り方を変えるのがいいのではないでしょうか。 ■記事はこちらです→ ②「親って本当につらい」『かいけつゾロリ』の作者が子育てに悩むすべての親に伝えたいたった1つの願い ■記事はこちらです→ 小学生を中心に高い人気を誇る『かいけつゾロリ』シリーズ。 35年以上このシリーズを書き続けてきた児童書作家・原ゆたかさんは、ゾロリにどんな思いを込めているのでしょうか。 「ゾロリは自立の物語」だと語る原さんを、不登校経験者らが取材しました。全文無料でご覧いただけます。 原さん: (自身の経験を振り返って)親って本当につらい立場ですね。ただ子どもを信じて見守ることしかできないのだから。 ゾロリのママもきっともどかしいと思う。悩んでいる保護者の方にはぜひ、ゾロリのママを見てほしいです。 ママはゾロリが心配でしょっちゅうようすを見に来ているんです... --- ### 人気記事のまとめ〜子どもの勉強、受験・進路〜 - Published: 2024-10-07 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/popular/9668/ - カテゴリー: 人気記事まとめ, 勉強・進学・進路 - タグ: 無料記事, 人気記事 - ハッシュタグ: 高校受験, 受験 こんにちは、不登校の親御さんのためのウェブメディア「不登校オンライン」編集部です(運営:株式会社キズキ)。 不登校オンラインでは、親御さんから、「子どもの勉強、受験・進路が気になる」というお声を多数頂戴しています。 そこで、特に人気をいただいている記事をご紹介します。ぜひ参考になさってください。(※紹介する記事は、適宜更新いたします) お子さんも、親御さんも、大丈夫です。必ず「次の一歩」に進めます。 ①勉強の遅れは「取り戻す」より「飛び越す」! 不登校でも希望をもてる意外な勉強法 ■記事はこちらです→ 不登校の子どもたちが勉強や進学を考えるときに気になるのは、やはり「周りからの遅れ」。 「取り戻さなきゃ」「追いつかなくちゃ」。不登校になって中断したところから、または、「最初から」やり直したくなるところですが、ちょっと待ってください! それよりも、もっと効果的な勉強法があるんです。 「過去より大切なのは、今」。そんな発想の勉強法をご紹介します!全文無料でご覧いただけます。 本文から: 中学校の社会を例にすると、「小学校の教科書レベルの平安時代」のことを知らなくても、中学校の教科書で、平安時代についてゼロから学べます。 さらに言うと、小学校で学んだ社会や理科の内容は、よほど勉強が得意な人でない限り忘れがちです。 不登校でなくても、中学校で改めてゼロから... ... とまでは言わなくても、イチから学んでいる状態の人は、決してめずらしくありません。 ■記事はこちらです→ ②「不登校で勉強やる気ゼロ」に効く言葉〜なぜ学ぶのだろうという問いへの答え〜 ■記事はこちらです→ 「不登校の子が勉強しない」という悩みは、多くの親御さんが抱えているもののひとつです。 中には、「もう何か月も(何年も)勉強していない」「小学校からずっと授業に出ていない」という方もいらっしゃいます。 不登校のお子さんが勉強しない理由や、そんなお子さんにできる声かけ法を紹介します。全文無料でご覧いただけます。 ■記事はこちらです→ ③「勉強の話をするのはダメ絶対!?」わかっちゃいるけど... ... 「いったいいつまで勉強しなくていいの?」 ■記事はこちらです→ 不登校のお子さんについての「そろそろ勉強をしてほしい。でも本人にそんなことを言っていいのか... 」というお悩みは、親御さんから必ずと言っていいほど... --- ### 不登校と離婚が重なったとき、救ってくれたのは「自分のことだけを考える時間」|サポートする側のセルフケア - Published: 2024-10-04 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/parents/9692/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, サポートする側のセルフケア - ハッシュタグ: 通信制高校, 不登校の親 不登校の経験者と保護者に聞くインタビュー。 今回は、双子を含め3人の息子さんをもつ岡崎実希子さん(仮名)に、不登校と離婚問題が重なったつらい時期に、どんなセルフケアをしていたのか聞きました。 つらい時期を過ごしている子どもをサポートする保護者も、つらい毎日を過ごしています。 支える側が自分をケアする大切さを話してくれました。 「不登校オンライン」では、不登校を経験されたご本人や保護者の方でインタビューの取材を受けてくださる方を募集しています。詳細はこちら。   双子の息子さん(現在、高1)と岡崎さんの経緯 4歳 双子のうちの一人が起立性調節障害と診断される ※もう一人にも同様の症状があり、後に診断が下りる ※保育園・小学校では週1程度で休むが、とくに問題なし 小1 三男を妊娠出産 小6〜中1ごろ コロナ禍 中1 オンライン授業 中2 3学期から不登校→3年生はほぼ欠席(二人とも) 中3 6月に通信制高校フェア参加 夏に通信制高校見学 高1 通学制の通信制高校に通う(二人とも欠席なし)   小学校までは問題なく過ごせたのに、中学校では... 一卵性の双子である息子たちが学校を行かない選択をしたのは、中学2年生の3学期です。 起立性調節障害があり、保育園や小学校のころか週に1回程度お休みをすることがありました。 起立性調節障害の診断を受けたのは、4歳のころ。異例的に早い段階で診断を受けました。 双子のうちの一人の診断でしたが、もう一人も同様の症状がありました。 (中3のときにもう一人の方も起立性調節障害と診断を受けましたが、そのときは逆に4歳のときに診断を受けた子は起立性調節障害の診断はつきませんでした。軽度ではありますが、日によって波があり、検査の数値に揺れはあります。ただ、日常を見れば、二人に同じことが起きていることがわかりました) その後、親も子も週1程度休むことも含めて「通常」の生活になっていましたし、小学校側にもこの特性を伝えて泊まり行事なども参加できていました。 小学校まではとくに問題はなく学校に通っていたんです。 それが、中学校進学したのち、学校で学ぶことと彼らの性質が合っていないことがわかりました。 コロナ禍で行われた「お粗末な」オンライン授業 小6〜中学1年のときのコロナ禍も、その後の不登校につながる大きな要因でした。 とはいえ、小学校のときはそれでも... --- ### オンラインイベント【不登校の昼夜逆転】怒る?見守る?どうすれば?~うちの子に合ったアプローチを見つけるために~ - Published: 2024-10-04 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/event/9672/ - カテゴリー: イベント - タグ: 会員限定記事 - ハッシュタグ: 昼夜逆転 2024年10月11日(金)20時~20時30分、不登校の方々のための完全個別指導塾・キズキ共育塾のスタッフによるオンラインイベント「【不登校の昼夜逆転】怒る?見守る?どうすれば?~うちの子に合ったアプローチを見つけるために~」を開催します。 ※当日に参加できない方に向けて、後日、有料会員様限定のアーカイブの配信も予定しております。   ■イベント趣旨〜【不登校の昼夜逆転】怒る?見守る?どうすれば?~うちの子に合ったアプローチを見つけるために〜 不登校のお子さんの昼夜逆転は、本当によくある話です。 そして親御さんからの不安の声も、本当によくお聞きします。 「専門家に相談しても、『今は見守りましょう』と言われて... 。でも、見守るってどういうこと?本当に見守るだけで大丈夫?何をしたらいいの?」 そこで、不登校のお子さんの昼夜逆転について”見守ること”以外にできるアプローチをテーマに講演会を実施します。 講演では次のようなことをお話しします。 不登校のお子さんが昼夜逆転しやすい理由 昼夜逆転の「見守り」とは〜「マズい昼夜逆転」の見分け方〜 今日からできる、改善アプローチ法(※1) キズキ共育塾(※2)での相談事例〜こんなお悩みにはこう対応〜 質疑応答のお時間もございます!   (※1)先にお伝えしておくと、「マズい昼夜逆転」以外は、「本当に見守るだけでOK(=しばらくは昼夜逆転のままでOK)」というケースも珍しくありません。変に不安を大きくしすぎないようにしましょう。 (※2)キズキ共育塾:不登校の子のための完全個別指導塾 登壇者は、キズキ共育塾の名古屋校元教室長・寺田真依さんと、同じく不登校相談員・半村進さんです。 ■イベント実施日時など 実施日時: 2024年10月11日(金)20時~20時30分 講演テーマ: 【不登校の昼夜逆転】怒る?見守る?どうすれば?~うちの子に合ったアプローチを見つけるために~ 登壇者: 寺田真依さん(キズキ共育塾 名古屋校 元教室長) 半村進さん(キズキ共育塾 不登校相談員) 実施方法: Zoomを利用したオンライン講演会です。参加者様は、顔や名前をお出しいただく必要はございません。 参加対象: 不登校オンラインのご購読者様(有料会員様)、またはキズキが運営する不登校の親専用オンラインコミュニティー「親コミュ」の会員様限定限定でご参加い... --- ### 【2024年10月】大好評につき追加実施決定!不登校の保護者さま向け、無料オンライン勉強会を開催!〜不登校からの進路設計と今から準備できること(埼玉県・東京都・兵庫県版)〜 - Published: 2024-10-04 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/event/9707/ - カテゴリー: イベント - タグ: 無料記事 - ハッシュタグ: 不登校の親 2024年9月、キズキ共育塾・学習カウンセラーによる「不登校からの進路設計と今から準備できること(埼玉県・東京都・兵庫県版)」をテーマにした、無料の勉強会(オンライン)を開催しました。 ご参加いただいた皆様に大好評だったため、10月も引き続き計9回の実施が決定いたしました。 お子さまが不登校になったら、次のようなことが不安になりませんか。 「我が子が不登校になった。これからどうしたらいいんだろう... 」 「進学や学校復帰はあきらめないといけない?」 「不登校の子の将来に向けて、何を準備すればいい?」 「キズキ共育塾」では、そのような生徒さま・保護者さまのお話をたくさんお聞きしてきました。 そして、学校に行けなかった方が高校や大学に進学し、「自立」できるようにと、これまで約8,000人以上の生徒さまをサポートしてまいりました。 この勉強会は、不登校のお子さまがいらっしゃる保護者の皆さまが、次のようなことがわかる勉強会です。 「これからどうお子さんをサポートすればいいのか」 「何を準備しておけばいいのか」 将来の進路選択に悩まれている方も、お子さまのこれからについて漠然とした不安がある方も、皆さまぜひご参加くださいませ。 勉強会概要 ■登壇者 《埼玉県版》 キズキ共育塾 大宮校 教室長 兼 学習カウンセラー 末永雅彦(すえなが・まさひこ) 《東京都版》 キズキ共育塾 三軒茶屋校 教室長 兼 学習カウンセラー 石本真吾(いしもと・しんご) ※11月~開校 《兵庫県版》 キズキ共育塾 神戸校 教室長 兼 学習カウンセラー 拝野真子(はいの・まこ) ■勉強会テーマ 不登校からの進路設計と今から準備できること(埼玉県・東京都・兵庫県版) ■実施日時 以下のいずれかをお選びください(※各回の実施内容は同一です)。 《埼玉県版》 10/12(土)10:30~12:00 10/18(金)20:00~21:30 10/25(金)20:00~21:00 《東京都版》 10/10(木)20:00~21:30 10/16(水)10:30~12:00 10/26(土)10:30~12:00 《兵庫県版》 10/9(水)10:30~12:00 10/19(土)10:30~12:00 10/24(木)20:00~21:30 ■開催方法 オンライン(ZOOM) ■参加費 無料 ■勉強会の対象 以下... --- ### 人気記事のまとめ〜子どもの発達特性〜 - Published: 2024-10-03 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/popular/9583/ - カテゴリー: 人気記事まとめ - タグ: 無料記事, 人気記事, 発達障害 - ハッシュタグ: 発達障害 こんにちは、不登校の親御さんのためのウェブメディア「不登校オンライン」編集部です(運営:株式会社キズキ)。 不登校オンラインでは、親御さんから、「子どもの発達特性が気になる」というお声を多数頂戴しています。 そこで、特に人気をいただいている記事をご紹介します。ぜひ参考になさってください。(※紹介する記事は、適宜更新いたします) お子さんも、親御さんも、大丈夫です。必ず「次の一歩」に進めます。 ①わが子は3人中2人が発達障害。学び育つなかで見つけたコツ ■記事はこちらです→ 「子育てするうえで大事なのは、親自身も人間としての幸福感を持つこと」と語るのは、千葉県在住の熊谷亜希子さん。 3人いるお子さんのうちお2人には、発達特性に凸凹があります。 親子がともに豊かになれる教育を求め、たどり着いたのが家庭を拠点にした「ホームエデュケーション」でした。 ホームエデュケーションを実践するなかで得た気づきや子育てのヒントについてのお話を紹介します。全文無料でご覧いただけます。 熊谷さん: (ホームエデュケーションを始めた)一番のきっかけは、第3子の出産です。 それまでは第1子を幼稚園まで送り迎えをしていたのですが、第2子と赤ちゃんの面倒を見ながら送り迎えをするのがキツくなってしまって。 しだいに、「それならいっそのこと、おうちをベースに子育てがしたい」と考えるようになりました。 そのうえで私がホームエデュケーションなどのオルタナティブ教育に興味を持つようになった原体験は、2つあります。 ■記事はこちらです→ ②発達障害の「グレーゾーン」をご存じでしょうか ■記事はこちらです→ フリーライターの姫野桂さんは、自身も発達障害の当事者として、発達障害に関する書籍のほか、当事者が直面する生きづらさを解消するためのライフハックを紹介・執筆しています(『「生きづらさ」解消ライフハック』『発達障害グレーゾーン』など)。 発達障害そのものについて、またその「グレーゾーン」と呼ばれる状態について、姫野さんの子ども時代のエピソード、困っている子にどう接するべきかなどをお伝えします。全文無料でご覧いただけます。 姫野さん: 私自身も発達障害の当事者です。不注意が優勢のADHDと、計算が苦手なLDの特性を持ち合わせていて、幼いころから生きづらさを抱えてきました。 とくにLDの特性は顕著で、くり上がりやく... --- ### 通信制高校ってどうなの? 不登校中高生の親が知っておきたい通信制高校の「今」 - Published: 2024-10-03 - Modified: 2025-03-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/9612/ - カテゴリー: コラム - タグ: 通信制高校, 無料記事, 不登校進行期, 不登校混乱期, 不登校回復期 - ハッシュタグ: 通信制高校 親世代の高校時代とは様変わりした通信制高校。少子化で高校生の総数は減っているにもかかわらず、通信制高校の生徒数は年々増えています。 不登校の子どもの進学先・転校先としてもニーズが高まっている、通信制高校の「今」に迫ります。 高校生の11人に1人が通信制高校の生徒 29万0,118人  これは、全国の通信制高校に在籍している生徒の数です(2024年5月1日現在)。 日本の高校生は318万8,533人*ですので、高校生のおよそ11人に1人が通信制高校の生徒ということになります。 親世代が高校生だった平成2(1990)年はおよそ35人に1人、平成7(1995)年はおよそ32人に1人。 当時と比べると「今は意外に多いな」という印象をもたれたのではないでしょうか。 なお、通信制高校には年度途中入学もできます。 公立校の約17%、私立校の約30%の生徒が年度途中入学者です(令和3年のデータ)。 *全日制、定時制、通信制および専攻科、別科の生徒の総数。 通信制高校って実際どんな高校? 地域にもよりますが、親世代が中高生だったころ、通信制高校への進学者は少数派でした。 「働きながら勉強」「独力で勉強」あるいは「(経済的理由等で)進学できなかった大人が学ぶ学校」というイメージがありました。 中高生時代には、通信制高校の存在を知らなかった人もいるかもしれません。 高等学校通信制課程は、「勤労青年に高等学校教育の機会を提供するもの」として戦後に制度化されたものです。 近年では、教室授業に限定されない学び方が注目されています。自分のペースで学ぶことができるため、不登校経験のある生徒などのニーズが高まっています。 昭和57(1982)年には、6割が正社員として働きながら学ぶ生徒でした。 令和5(2023)年には正社員はわずか数%**。一方で、6割超が小・中学校・前籍高校での不登校経験者、2割が心療内科等に通院歴のある生徒です。 こうした状況から、私立校を中心に柔軟な学習カリキュラムを用意する学校が増えています。株式会社立の通信制高校などでは、AI技術などの先進的な学びを提供している例もあります。 **狭域校2. 7%、広域校6. 3%。狭域・広域については後述。 通信制高校での学び方 通信制高校は、制度上、以下のような学習方法が定められています。 ・通信手段を主体とし、生徒が自宅等で個別に自... --- ### 不登校児の保護者は「教育を受けさせる義務」を果たせている? - Published: 2024-10-02 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/9588/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 人気記事 - ハッシュタグ: 不登校の親 子どもが学校に行っていないと、保護者は「教育を受けさせる義務」を果たしていないのでは?と不安になるという人も。 それって実際どうなの? 知っているようでよく知らない「法」について、編集部で調べてみました。 憲法と法律には、どのように書かれているのでしょうか。 不登校でも「教育を受けさせる義務」に反していない 学校に行っていない子どもの保護者は「教育を受けさせる義務」を果たしていない、わけではありません。 そもそも子どもが学校に行かないのは、大人が「行かせない」と強制しているわけではなく、子どもを守るため、よりよい状態にするための選択であることがほとんどでしょう。 そして、憲法と法律でも、学びを受ける場所が学校でないといけないとは明記されていません。 学校以外の学びの場でも教育は受けられます。 憲法で守られている権利と大人が果たすべき義務は? 日本国憲法ではこう記されています。 憲法26条第1項 子どもが教育を受ける権利 すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。   憲法26条第2項 教育を受けさせる義務 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。 義務教育は、これを無償とする。   大人は「教育を受けさせる義務」、子どもは「教育を受ける権利」がある、というのは学生時代に社会で習ったはず。 国民の三大義務の一つに「教育の義務」があり、それが「教育を受けさせる義務」です。 義務教育は、「子どもが受けなくてはいけない教育」ではなく、「大人が子どもに受けさせなくてはいけない(義務)教育」という意味です。 子どもは「学校に行く権利」ではなく「学ぶ権利」がある 大人に課せられた「教育を受けさせる義務」は、元をたどると児童労働を防ぐ目的がありました。 子どもを守るために作られているという大前提があります。 さらに、条文には「全て国民は」となっていますので、教育を受ける権利は誰にでもあるということです。 しかし、その受ける権利のある教育が、「学校で行わないといけない」とは記されていません。 学校以外での学びの場を法律でも認めている 不登校の子どもに対しての支援が明記されている法律もあります。 2016年に成立(2017年施行)した、「普通教育機会確保法」*です。 *正式には、「義務教... --- ### 勉強の遅れは「取り戻す」より「飛び越す」! 不登校でも希望をもてる意外な勉強法 - Published: 2024-10-01 - Modified: 2025-03-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/9549/ - カテゴリー: コラム, 勉強・進学・進路 - タグ: 無料記事, 人気記事, 不登校回復期 不登校の子どもたちが勉強や進学を考えるときに気になるのは、やはり「周りからの遅れ」。 「取り戻さなきゃ」「追いつかなくちゃ」。不登校になって中断したところから、または、「最初から」やり直したくなるところですが、ちょっと待ってください! それよりも、もっと効果的な勉強法があるんです。 「過去より大切なのは、今」。そんな発想の勉強法をご紹介します! 監修:キズキ共育塾相談員:半村進 不登校の子どもたちも、勉強が不安 不登校の真っ最中の子どもや、不登校からちょっと抜け出したくらいの子どもたちから、よく次のような声が届きます。 小学校の終わりくらいから、ぜんぜん勉強していません。いま中2ですが、もう何をやっても勉強で追いつける気がしません... ... もう〇年くらい勉強から離れていました。いまさら何をやっても無駄なような気がします。 最近になって高校に行きたいという気持ちが出てきたのですけど... ... 今の時期から勉強しても間に合わないですよね... ... 。 大学に合格したとしても、こんなに勉強してこなかった自分は(悪い意味で)目立ってバカにされるのでは? あなたのお子さんも、同じようなことを言っていませんか? 追いつけない? いえいえ、いきなり一緒のところに並べるんです! 子どもたちの声、どれも気持ちはとてもよくわかります。でも、「自分はもう追いつけない」という気持ちが強くなりすぎると、心にもからだにもよくありません。 「取り戻す」「追いつく」という言葉には、「自分は周りより遅れてる」という前提があります。だから、「なんとかしなくちゃ!」と焦って、かえって身動きがとれなくなることもあります。 発想を変えてみましょう。 「取り戻す」のではなく「飛び越す」。「追いつく」のではなく「いきなり一緒のところに並ぶ」。 意外に思われるかもしれませんが、こう考えてみると、ぐっと勉強しやすくなることが少なくないのです。 「『飛び越す』とか『いきなり一緒のところに並ぶ』とか... ... そんな都合のいい勉強法なんてあるの?」と思われるかもしれません。 「飛び越す」こと、「いきなり一緒のところに並ぶ」ことが可能な理由を知ると、「これならできそう!」と感じるはずです。 社会と理科は「前提」がなくてもOK まずは社会と理科から、勉強のしかたのヒントをご紹介していきます。 「小学校のと... --- ### 人気記事のまとめ〜子どもの生活(昼夜逆転、ゲーム・スマホ依存など)〜 - Published: 2024-10-01 - Modified: 2024-11-30 - URL: https://futoko-online.jp/popular/9572/ - カテゴリー: 人気記事まとめ - タグ: ゲーム・スマホ, 無料記事, 人気記事 - ハッシュタグ: 昼夜逆転, スマホ依存, ゲーム依存 こんにちは、不登校の親御さんのためのウェブメディア「不登校オンライン」編集部です(運営:株式会社キズキ)。 不登校オンラインでは、親御さんから、「子どもの生活(ゲーム・スマホ依存、昼夜逆転、食生活など)をなんとかしたい」というお声を多数頂戴しています。 そこで、特に人気をいただいている記事をご紹介します。ぜひ参考になさってください。(※紹介する記事は、適宜更新いたします) お子さんも、親御さんも、大丈夫です。必ず「次の一歩」に進めます。 ①ゲームに熱中する子に対して、してはいけない3つのタブー ■記事はこちらです→ 「子どもがゲームばかりで、親としてどう向き合えばいいのか」は本当によく聞く、「親の長年の悩み」です。 最近はオンラインゲームも普及して、親の心配は増えるばかりかもしれません。 「ゲームに熱中する子どもに対し、親ができること」について、ゲーム問題にくわしい児童精神科医・関正樹さんが解説します。全文無料でご覧いただけます。 関さん: 「学校へ行かないのにゲームばかりでよいのか」「ゲームのしすぎで学習成績が下がるのではないか」といった相談は多いですね。 親が「ゲームをやめたら学校へ行くんじゃないか」という期待を持っている場合、どうしたってネガティブな側面に目が向いてしまいます。 とくに、学習成績はゲームとセットで語られることが多い論点ですが、「ゲームと学習成績を結びつけて語ることは、親子関係において何もよい方向に働かない」というのが私の考えです。 ■記事はこちらです→ ②「ゲームのやりすぎで心や脳はゆがまないの?」5つの親の疑問に児童精神科医が答えます ■記事はこちらです→ 「うちの子はゲームばかり、脳や心への影響が心配です」 「うちの子はゲームで負けると叫んだり、暴れたりします。親はどうすればよいのでしょうか」 そんな悩みを抱えている不登校の子を持つ親はすくなくありません。 そもそも、ゲームのやりすぎで、脳細胞が壊されるということはあるのでしょうか。 ゲーム問題にくわしい児童精神科医・関正樹さんが、不登校のわが子のゲームで悩む親からの5つの質問に答えます。 質問①: うちの子はゲームで負けると、叫んだり床をたたいたり、悪態をついたりします。集合住宅に住んでいますが「下の階の人に迷惑だよ」と言っても聞きいれません。気持ちの落ち着かせ方や、切り替え方法などはある... --- ### 人気記事のまとめ〜親の経験談〜 - Published: 2024-10-01 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/popular/9385/ - カテゴリー: 人気記事まとめ - タグ: 無料記事, 人気記事, 親の思い - ハッシュタグ: 不登校の親 こんにちは、不登校の親御さんのためのウェブメディア「不登校オンライン」編集部です(運営:株式会社キズキ)。 不登校オンラインでは、親御さんから、「親の経験談を知りたい」というお声を多数頂戴しています。 そこで、特に人気をいただいている経験談をご紹介します。ぜひ参考になさってください。(※紹介する記事は、適宜更新いたします) お子さんも、親御さんも、大丈夫です。必ず「次の一歩」に進めます。 ①「不登校でもよいけど、私の支え方はあってるの」子育ての正解に悩んだ母親の葛藤 ■記事はこちらです→ 光岡優美さんの息子さん・雄一郎さんは、聴覚過敏などのストレスから、小学校1年生の9月から不登校になり、以降6年生まで情緒学級や支援施設ですごしました。 しかしその後、中学校には皆勤で通い、現在は20歳となり専門学校で学んでいます。 葛藤を抱えながらも息子さんをのびのびと育てた光岡優美さんのインタビューと、息子・雄一郎さん本人のインタビューとを合わせて掲載します。全文無料でご覧いただけます。 優美さん: (息子の不登校について)あらためて考えてみると、息子についての不安というより、私自身についての不安のほうが大きかったです。 私は息子が不登校なのはしかたがないと思っていて、家で楽しくのびのびすごせればいいだろう、と思っていました。 ただ、それでも『彼がこの先、生きていくために必要な手段を私は正しく選べているのだろうか?』『私の勝手な思い込みで、彼の可能性を潰していないだろうか?』という不安がつねにありました。 子育ての正解がわからなかったのが、苦しかったんですね。 ■記事はこちらです→ ②理解のあるフリをして、本当は「世間体を気にしていた」不登校の子を持つ母の本音とこれからの決意 ■記事はこちらです→ 「私は『正しい子育てをしているんだ』と思いたかったんです。」 息子さんの不登校当初をそうふり返る、キリンノツバサさん。 7年のときを経て、訪れた気持ちの変化と息子さんに願うことを執筆いただきました。 キリンノツバサさん: 息子の不登校は、小1の夏休み明けの『今日から行かない』という宣言から始まりました。 始めのころは「学校へ行きたくないのなら無理しなくてもいいんじゃないか」と、私は理解のある母親になろうとしていました。 私自身も摂食障害で高校時代にすこし不登校を経験していたので、息子を... --- ### 人気記事のまとめ〜子どもの気持ちや経験談〜 - Published: 2024-10-01 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/popular/9411/ - カテゴリー: 人気記事まとめ, 子どもの体験談 - タグ: 無料記事, 人気記事, 当事者の声 こんにちは、不登校の親御さんのためのウェブメディア「不登校オンライン」編集部です(運営:株式会社キズキ)。 不登校オンラインでは、親御さんから、「子どもの気持ちや経験談」というお声を多数頂戴しています。 そこで、特に人気をいただいている経験談をご紹介します。ぜひ参考になさってください。(※紹介する記事は、適宜更新いたします) お子さんも、親御さんも、大丈夫です。必ず「次の一歩」に進めます。 ①優等生から不登校になった私に起きたこと ■記事はこちらです→ 田中ありすさんは、高校1年生の夏休み明けから学校へ行けなくなりました。当時つらかったことや、現在の気持ちなどを伝えます。全文無料でご覧いただけます。 田中さん: 高校1年の夏休み明けから学校に行けなくなって、それから最初の1年間は本当につらくて、あまり記憶がありません。 「こんなことをしていました」と人に話せるようなことは何ひとつありませんでした。 ただ部屋にこもって、スナック菓子を食べて、ずっと泣いているだけでした。 それからストレスでアトピーが出て、ひたすら体をかきむしっていました。 私はもともと勉強が好きで、中学までは成績もよく「優等生」だったんです。 それが不登校になったことで、今まで積み上げてきた「優等生」というアイデンティティが完全に崩れてしまったんです。 ■記事はこちらです→ ②「15年前の自分よ驚け」30歳の不登校経験者が語る「私にとっての不登校」 ■記事はこちらです→ 「今日からみやもと」さんは、約15年前に、高校入学から約2か月で不登校になりました。 そんな「今日からみやもと」さんは、「不登校は贅沢な時間だった」と言います。 そう思う3つの理由を紹介します。 なお、「今日からみやもと」さんは、不登校ののちに定時制高校に入り直して卒業し、大人になり、結婚もしました。「15年前の自分よ、驚け」と言っています。 今日からみやもとさん: 約15年前の不登校経験は僕にとって「贅沢な時間」だったと思っている。 どうにも学校の雰囲気になじめず、僕は高校入学から約2カ月で不登校になった。 家から歩いていける範囲にコンビニもなく、岡山県の田舎の実家ですごす日々。 「学校へ行かず、近所の映画館や本屋に入り浸っていた」とテレビで語る不登校経験者の有名人が心底羨ましかった。 「何もない田舎ではなく、せめて行ける場所がある... --- ### 意外にやれていない? 不登校ジャーナリストが教える、保護者ができること6 - Published: 2024-09-30 - Modified: 2025-03-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/9491/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 不登校前兆期 - ハッシュタグ: 不登校の親, 石井しこう 学校に行きたくないと伝えてきたり、行き渋っている子どもに対して保護者はどう対応したらいいのか、専門家にお聞きしました。 不登校ジャーナリスト・石井しこうさんの著書から、教えてもらいます。 石井さん著書:『「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき、親ができること』 ※この記事は石井さんの著書をもとに不登校オンライン編集部で作成したものです。 【1】一人で抱え込まず、相談先を見つける 子どもが不登校になったことで、自分を責める保護者さんは少なからずいます。ときには、学校やパートナーに責任を求めることも。 不安を前にしたとき、そんな気持ちになるのは特別なことではありません。 だからこそ、一人で思い悩むのではなく、どこかに相談することが大切です。 「家族だけで対応しなくては(あるいは自分がなんとかしなくては)」と思っていませんか? 自分だけで抱え込まず、早い段階で適切な相談先を見つけることをおすすめします。 苦しさを察してくれた人に相談する 身近な相談先はスクールカウンセラーです。定期的に学校に来ている相談員で、頼れる相談先になってくれる場合もあります。 また、小児科や精神科、ユースクリニックなども相談先としてあります。 さらには、フリースクールや不登校の子ども向けの学習塾や居場所を提供している団体などで無料の相談に応じているところもあります。 不登校の保護者向けのコミュニティでは、同じ立場で助け合えます。 何を基準に(相談先を)選ぶのがいいのかといいますと、相談に行ったとき、親や子どもの苦しさを「それとなく察してくれた」と感じたかどうかです。 相談しに行っているのに、保護者自身が責められている気持ちになったり、モヤモヤを抱えるようなところは、相談先として適していません。 家族で話し合うときは子どもがいない場所で 子どもについて話し合うときは、子どもに聞こえないところ、いないところで行うようにしましょう。 子どものことを思う気持ちは同じでも、夫婦や家族で考え方が違うこともあるでしょう。 しかし、子どもが意見の対立を目にすれば、「けんかをしている」ように見えることもあります。 そして、家族内で無理に意見を統一することよりも、子どもが頼れる人が誰か一人いることが大切です。 【2】無理に理由を聞かない ついつい子どもに学校に行かない理由を聞きたくなってしまうのは、多くの保護者が... --- ### 大人の6割は本を読まない!? 不登校の子どもの親の「心に染みる」おすすめ3冊! - Published: 2024-09-27 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/books/9450/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 無料記事 「1か月に1冊も本を読まない人が6割超」。 2024年9月17日、メディアが一斉にこのニュースを報じました。みなさんはどう受け止められましたか? 「いやいや、私は5冊は読んでるよ」という人もいるかもしれません。一方で、「最近は子どものことで精一杯で... ... 」あるいは、「忙しくて読書は難しいけど、不登校の情報はネットでしっかりチェックしてるよ!」という人もいるでしょう。 「不登校オンライン」は、「読書離れ加速中!!」のニュースでは終わりません。さらに一歩踏み込んで、不登校の子どもの保護者の「久しぶりの読書」を応援します! 編集部厳選! 不登校の子どもの保護者が久しぶりに読書するならこの3冊 保護者世代はとにかく忙しい。 ストレスフルな毎日に、ほっと一息つける本をご紹介します。 今回は、あえて「不登校」や「子どもの心理」について直接扱った本は取り上げていません。それは、いつもがんばっている保護者のみなさんに、「勉強」のためではない本、ご自分の心をほぐすための本を読んでいただきたいからです。 「最近全然本を読んでいない」という方にも読みやすい、絵本、児童文学、エッセイを選びました。 ①レオ・レオニ『フレデリック』(訳:谷川俊太郎、出版社:好学社) 言わずと知れた、レオ・レオニの不朽の名作絵本。 ご自身が子どものころ、あるいはお子さんがまだ小さかったころに一緒に読んだことがあるかしれません。 主人公のフレデリックは、ちょっとかわったねずみです。 「フレデリック、どうして きみは はたらかないの?」 「こう見えたって、はたらいているよ。」 あたたかい季節に、食べものを集めてはたらく仲間たち。 そのかたわらで、フレデリックは「ぼんやり」しているように見えます。 やがてさむい季節がやってきて... ... 「こう見えたって、いろいろ考えているよ」。 学校へ行かない間も、子どもの心は育っている。 こうして絵本を読んでいる間も、親として自分はよくやっている。 じんわりとしたあたたかさが心に広がって、そっと本を閉じたら、カチカチだったつらい思いが少しだけ溶けているかもしれません、 〈レオ・レオニズフレンズ公式サイト〉 ②ミヒャエル・エンデ『モモ』(訳:大島かおり、出版社:岩波書店) 「時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語」。 日本語訳には、この... --- ### 子どもがつらい思いをしているかも? 無意識に出しているSOSサイン5 - Published: 2024-09-26 - Modified: 2025-03-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/9397/ - カテゴリー: コラム - タグ: 会員限定記事, 不登校前兆期 不登校の経験者に聞くと、学校に行かなく(行けなく)なる前に、本人にサインが出ていたとよく聞きます。 学校での環境がつらいと感じていたり、ストレスがかかっているとき、どんなサインが出ているのでしょうか。 不登校ジャーナリスト・石井しこうさんの著書から、教えてもらいます。 石井さん著書:『「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき、親ができること』 ※この記事は石井さんの著書をもとに不登校オンライン編集部で作成したものです。 SOSだと気づきにくい代表的なサイン5つ 学校でのストレスが原因とは、すぐには結びつかないSOSサイン。 学校で過ごす時間がつらいのに頑張って行っているときにこそ、こんなSOSが出されている場合があります。 宿題(勉強)に手がつかない とくに気づきにくいのは「宿題が手に付かない」です。(中略)宿題が手に付かないのは、やる気がないとかサボりたいからではありません。とても大きな不安があると、宿題を提出しなければならないとわかっていても、ひと文字も書けなくなることがあります。 他に夢中なことがあって、宿題に手が回らないのではなく、不安要素が大きくて手がつかない状態です。 大きなストレスを抱えていなくても、「宿題をやりたくない」ときはあるので、SOSのサインとはわかりにくい部分があります。 ただ、可能性の一つとして、こんなサインもあるということを頭の隅に入れておくのがいいかもしれません。 体調不良 頭が痛い、お腹が痛いと訴えるけれど、病院に行くと問題がないことも。また、(学校に行く前などに)突然始まったり、収まったりすることもあります。 食欲不振 よく食べるはずだった子どもが急に食べなくなるのもよく耳にするサインです。食事を共にすることは多いはずなので、比較的わかりやすいサインかもしれません。 情緒不安定 思春期であれば、イライラしたり、親に理不尽に当たるのはよくあることです。とはいえ、数週間単位などで明らかな変化がある場合は、SOSサインとなっている可能性も。 不眠 子どもと寝室を分けている場合は、睡眠時間がどれくらいか、わかりにくいこともあります。 ゲームやスマホをやっていて夜更かししている場合もあるかもしれません。とはいえ、明らかに「眠りたいのに眠れない」状態になってないかは気を配っておきたいところです。   「何かしら、子どもの調子がよくない」とい... --- ### 人気記事のまとめ〜親の心構え・できること・やるべきこと〜 - Published: 2024-09-26 - Modified: 2025-05-06 - URL: https://futoko-online.jp/popular/9343/ - カテゴリー: 人気記事まとめ - タグ: 無料記事, 人気記事, 親の心構え・できること・やるべきこと - ハッシュタグ: 不登校の親 こんにちは、不登校の親御さんのためのウェブメディア「不登校オンライン」編集部です(運営:株式会社キズキ)。 不登校オンラインでは、親御さんから、「親の心構え・親にできること・親がやるべきことを知りたい」というお声を多数頂戴しています。 そこで、そうした記事のうち、特に人気をいただいているものをご紹介します。ぜひ参考になさってください。(※紹介する記事は、適宜更新いたします) お子さんも、親御さんも、大丈夫です。必ず「次の一歩」に進めます。 期間限定! 無料プレゼント あなたの声を聞かせてください ①わが子を信じて腹をくくろう、あなたの子どもは大丈夫です ■記事はこちらです→ 「フリースペースたまりば」理事長・西野博之さんの講演会の抄録です。昨今の社会状況をふり返りながら、「親はどうやって子どもを支えていけばよいか」をお伝えします。全文無料でご覧いただけます。 西野さん: 「大人に求められているのは、子どもを信じて、腹をくくれるかどうかです。 学校へ行かないと将来困るかもしれない、ちゃんと就職できないかもしれない、他人とうまく関われないかもしれない。これって大人の不安です。 将来のことを考えて、子どもの今を見ていない。」 「あなたのお子さんは大丈夫です。そうあなたが思ってあげてください。 そして『大丈夫』という眼差しに包まれたら、子どもは自然と自分の頭で考えて動き始めます。 子どもが『大丈夫』を手にいれる前に、大人たちが自分たちの不安を押しつけて子どもをつぶしていく、そんなことはもうやめて、『大丈夫』を手にいれさせてあげてください。」 ■記事はこちらです→ ②「親がしてはいけないこと」20年の記者経験で得た結論 ■記事はこちらです→ 不登校のお子さんがいらっしゃると、「親にできること」は何か、ということはとても気になることの1つでしょう。 しかし、不登校経験者の取材を20年弱続けてきた記者は、「親がしてはいけないこと」の方がもっと大事だという結論にいたりました。 不登校経験者の声をもとに、「親がしてはいけないこと」の3つの具体例を、理由とともに紹介します。 やっていはいけないことの1つは、「資料を置く」こと。 高校進学などの時期が近づいてきたり、フリースクールなどを考えた際、子どもの目に届く場所に資料をそっと置いておく場合があります。これ自体が悪いわけではないのですが... --- ### 修学旅行中だけでは修学旅行が完結しない!? 不登校の子どもが修学旅行で不利になる理由とは? - Published: 2024-09-25 - Modified: 2025-05-06 - URL: https://futoko-online.jp/column/9323/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 不登校進行期, 不登校混乱期 - 著者: 不登校オンライン編集部 2024年9月、「不登校オンライン」では不登校と修学旅行について行ったアンケート調査もとに、保護者のみなさんの思いや、修学旅行不参加の状況、各教育委員会の「修学旅行実施基準」についてご紹介してきました。 保護者の知っている修学旅行と、今子どもたちが直面している修学旅行に、もしかしたらズレがあるのではないか... ... ? みなさんのから寄せられた声から不登校と修学旅行について考察を重ねるうちに、編集部はこの「そもそもの問い」にたどりつきました。 今回は、学校教育の内容の基本指針となっている「学習指導要領」での修学旅行の位置づけを確認しながら、修学旅行をめぐる課題について、ご一緒に考えます。 2024年版「不登校と修学旅行」、完結編です! 期間限定! 無料プレゼント あなたの声を聞かせてください 関連記事 人気記事 アンケートに寄せられた「保護者自身の修学旅行の思い出」は? 編集部で行った「修学旅行に関するアンケート」の最後に、保護者ご自身が経験した修学旅行について尋ねました。68人の回答者のうち、75%にあたる51人が「よい経験だった」と回答しています。 さらに、自由回答で理由を尋ねたところ、以下のような回答がありました。 ■「非日常」を楽しんだ 親との旅行とは異なる経験ができるし、京都の仏閣などは自分や親の興味からわざわざ足を運ぶことがないので、強制的にでも普段触れることがない場に触れる機会になった。(fldbznevさん) 家族でなく、同級生と旅行できる貴重なチャンス。(ルナイズムさん) 友だちと観光したり、同室で泊まったり、非日常の経験をできて、とても楽しかった。40年たった今でも覚えている。(すーさん) ■事前学習をした 事前に訪れる場所の勉強をし、いまだに覚えている。思い出ができた。(むぎちゃさん) ■決められた行動が苦痛・覚えてない 一方的に全て決められた行き先、そして細かく決められた行動を2泊3日の間朝から晩まで取らねばならならなかった。この期間、先生がたに対して自分の意思や希望を発することが一切許されなかったことが本当につらかった。(アヒージョさん) 大勢での行動で、言われた通りに集合したり移動したりして、ただ疲れた印象だけが残っていて、何を見たかは覚えていないし、特に楽しいわけでもなかった。(いとさん) 強行軍の日程だったので正直内容は覚えていま... --- ### 子どものゲーム・スマホ依存、いつまで見守ればいいの!?親が「不登校とゲーム・スマホ」を理解し、できる対応を知るために〜オンライン講演会のお知らせ〜 - Published: 2024-09-25 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/event/9306/ - カテゴリー: イベント - タグ: 会員限定記事 - ハッシュタグ: スマホ依存, ゲーム依存 2024年9月27日(金)20時~20時30分、不登校の方々のための完全個別指導塾・キズキ共育塾のスタッフによるオンラインイベント「子どものゲーム・スマホ依存、いつまで見守ればいいの!?親が『不登校とゲーム・スマホ』を理解し、できる対応を知るために」を開催します。 ご参加いただけるのは、不登校オンラインの有料会員様と、親コミュの会員様です。 イベントのURLは、不登校オンラインの会員様にはメールで、親コミュの会員様には親コミュ内でお伝えいたします。 不登校オンラインは、有料会員の登録から30日間は無料でご利用いただけます。 無料期間中に解約することもできますので、ご登録がまだの方は、この機会に試しに登録してみませんか? ▼▼▼▼▼ 不登校オンラインの購読方法はこちら ▲▲▲▲▲   ※当日に参加できない方に向けて、後日、有料会員様限定のアーカイブの配信も予定しております。 ※同日(9月27日)の昼には、「フリースクールスタッフは、子どもとどう進路の話をしているのか」というオンラインイベントも実施します。こちらにもぜひご参加ください。   イベント趣旨〜子どものゲーム・スマホ依存、いつまで見守ればいいの!?親が『不登校とゲーム・スマホ』を理解し、できる対応を知るために〜 不登校のお子さんは、ゲームやスマホに依存しがちです。 専門家に相談しても、「今は見守りましょう」と言われることも多く、親御さんとしては「見守ると言っても、いつまで?どのように?」とお悩みのこともあるでしょう。 不登校オンラインでは、次の記事で、ゲームやスマホの利用について「こうなっていたらまずい(医者などに相談するべき)」という基準を紹介しました。 ■「ゲームやスマホの禁止はNG!」わかっちゃいるけど... ... 「いったいいつまでやらせてていいの?」のジレンマに効くチェックポイント5つ 逆に言うと、この基準を満たしていないようであれば、親御さんに心配やいらだちがあったとしても、お子さんを見守るべき時期である、ということです。 しかし親御さんとしては、「それでも心配」「できればやめさせたい。せめて時間を減らしてほしい」と思うのが本音ではないでしょうか。 そこでこの度、「不登校とゲーム・スマホ」について改めて解説するオンライン講演会を実施。次のようなことをお話しします。 不登校の子は、なぜゲームやスマ... --- ### 【緊急アンケート】もし、わが子が学校でいじめにあったら......どこに相談? どう対処? みなさんの気持ちをお聞かせください - Published: 2024-09-25 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/questionnaire/8914/ - カテゴリー: アンケート - タグ: 無料記事, いじめ - ハッシュタグ: いじめ 【2024年9月25日追記】 ご回答期限延長中です! アンケートはこちらをクリック(Googleフォームです) ーーーーーーーーーー 「不登校オンライン」では、2024年8月から9月にかけて、学校でのいじめに関連した以下の記事を公開しています。 文部科学省に聞きました! 2学期からクラス変更はできる? わが子がいじめで不登校に... ... 「いじめた子ども」を出席停止にできない? 元校長先生に聞きました! 学年途中のクラス変更、学校はどう考えている? 「わが子へのいじめ」に対峙した父親の500日間〜わが子からの「いじめSOS」に親はどう対応する?〜 わが子へのいじめ、これはもはや「犯罪」では? ためらわずに警察へ通報・相談を これらの記事から、「クラス変更」「出席停止」「別室授業」などの制度、保護者と学校のコミュニケーション、いじめの警察への通報・相談等、さまざまな課題が浮かび上がってきました。 今後、こうした課題をていねいに掘り下げる記事を作成・公開していくために、子育て中の保護者さまを対象にアンケート調査を行います。今回の調査では、お子さんの所属、「不登校経験」や「いじめ経験」の有無は問いません。 アンケートにお寄せいただいたみなさんの声が、いじめを受けているお子さんの生命や尊厳を守る助けになります。 ぜひ、みなさんの「いじめ相談」についての思いやご経験をお聞かせください。 アンケートはこちらをクリック(Googleフォームです) 【ご回答期限】 2024年9月16日(月)正午 みなさまからの、たくさんの「声」をお待ちしています。 子どもたちが「生きやすい社会」について、ご一緒に考えていきましょう! ※質問の内容には、おつらい出来事などを思い出すものがあるかもしれません。おつらい場合は無理にお続けにならず、すぐに中止していただいて構いません。   「不登校オンライン」では、会員向けの記事(有料)をご用意しています。不登校のお子さんをサポートするために知っておきたい情報や、同じ悩みをもつ親御さんの体験談などを掲載しています。お申し込みは下記から(30日間無料)。 --- ### 不登校にも通じる、「自然災害の後に子どもの心をケアする『救急箱』」 - Published: 2024-09-24 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/9285/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事 自然災害に見舞われやすい日本。日ごろどんなに備えていても、自然の大きな力を前に、なすすべもないこともあります。そのたびに、わたしたちはやり場のない悲しみや怒りに打ちひしがれます。 子どもたちにとっても、そのやり場のなさ、言葉にできない思いは大きな心の負担になっています。そして、その負担を受け止めるプロセスで、子どもたちは大人とは少し違った反応を示すことがあります。 今回は、自然災害後の子どもの「急性期の反応」に対して、保護者の方にできるケアについて、ご一緒に考えます。 自然災害に限らず、「学校で起きたストレス(による不登校や行き渋り)」にも転用できる内容ですので、ぜひご覧ください。 【関連記事】 自然災害の後、子どもが「学校へ行きたくない」と言い出した! 親が知っておきたい3つのこと 心の救急箱「サイコロジカル・ファーストエイド」を知っていますか? すり傷や切り傷を負ったとき、わたしたちはまず自分たちで手当てをします。絆創膏や塗り薬など、最低限のケア用品を救急箱に用意している家庭も多いでしょう。近年では、湿潤療法(傷口を乾燥させない方法)など、手当てに関する知識がアップデートされています。 身体の傷と同様に心の傷にも、初期の手当て方法があります。それが、「サイコロジカル・ファーストエイド(心理的応急処置)」です。 「サイコロジカル・ファーストエイド」の歴史は長く、1940年ごろからアメリカやオーストラリアで提唱・研究されてきました。現在は、2006年にアメリカ国立PTSDセンターが開発した「サイコロジカル・ファーストエイド」が用いられています。さらにそれもとに、WHOなどさまざまな団体がマニュアルを発行しています。 「サイコロジカル・ファーストエイド」は、災害やテロで心にダメージを負った人のための、心理的支援の方法です。初期の心の苦しみをやわらげ、回復を助けるために、支援者はどのような行動をとったらよいのか。その指針が書かれています。 「サイコロジカル・ファーストエイド」は、医療従事者やカウンセラーなど専門家でなければ使えないというものではありません。災害現場でのボランティアや自治体職員などにも使うことができるマニュアルです。救急箱と同じように、保護者が子どものケアのために使うこともできます。 参考: 兵庫県こころのケアセンター「サイコロジカル・ファーストエイド実施... --- ### どこか条件で子どもを見ていた自分。「無条件で愛する」までの道は暗闇だった|私が一番つらかったとき - Published: 2024-09-23 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/parents/9266/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 会員限定記事, 私がいちばんつらかったとき - ハッシュタグ: 不登校の親, ホームスクーリング 不登校体験の本人や保護者に「一番つらかったこと」をうかがうインタビュー。 今回は現在、中学2年生と小学4年生のお子さんと暮らすWingさんにお話を聞きました。二人のお子さんはともにオンラインスクールで授業を受けています。 転校などのさまざまな試みをした結果、学校に行かない選択をした子どもたち。Wingさんが家族とどう向き合ってきたか、うかがいました。 「不登校オンライン」では、不登校を経験されたご本人や保護者の方でインタビューの取材を受けてくださる方を募集しています。詳細はこちら。   Wingさんとお子さんの経緯 第1子(現在、中1) 小1:学区内の小学校に入学 小2:担任とのやりとりでストレスを抱える。運動会でショックなことが起こる 食欲不振になり学校を休むことに 小3:コロナ禍に。学校はオンライン授業を実施せず。6月〜9月くらいは父と登校 国内のオンラインスクール→オンラインインターナショナルスクールへ (学校へ行ったり行かなかったりのなか、オンラインスクールは現在まで継続) 10月〜学区外の小規模特認校に転校 小4:転校先の担任が原因で再び不登校に 小5:3学期から小規模特認校から別の学校へ転校 毎日、1〜2時間だけ、親同伴なしで学校の授業を受ける WISC-Ⅳ(心理)テストを受ける 小6 :支援学級にて新学期をスタート 担任の知識・経験不足で対応に難あり。再び不登校になる 中1:独学で音楽の才能を伸ばす (音楽配信サイトで楽曲リリースするなど) 第2子(現在、小4) 小1:第1子と同じ小学校へ入学(小規模特認校) 小2:3学期に体調不良を訴える 3学期に転校(第1子と同じ学校へ) 転校先の担任の態度にショックを受ける 小3:学校に行かない選択をし、オンラインスクール。担任は月に数回自宅へ訪問 小4:オンラインスクールがメイン。新しい担任は毎週自宅に訪問   ご飯を食べなくなり、痩せていった我が子 上の子が学校に行くのがつらくなったのは、小学校2年生のとき。元々はご飯をたくさん食べる子だったのに、 少しずつ食べなくなったときがありました。 病院にかかるところまではいかなかったのですが、みるみる痩せていきました。これはおかしいというので、学校を休ませたんです。 それが実は学校でのやりとりが影響していたのは、あとでわかったことでした。 実は大きなストレスを抱えて... --- ### 自然災害の後、子どもが「学校へ行きたくない」と言い出した! 親が知っておきたい3つのこと - Published: 2024-09-20 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/column/9219/ - カテゴリー: コラム - タグ: 会員限定記事 地震、津波、台風、集中豪雨、火山噴火など、日本は自然災害に見舞われやすい国です。とりわけ今年2024(令和6)年は、元日に発生した能登半島地震によって、そのことを強く意識させられる年になりました。 今も全国に、地震のほか洪水や土砂災害などの自然災害によって、何か月も、あるいは何年もの間、被害の渦中にある方たちがおおぜいいます。 自然災害が起こったとき、わたしたちは心に大きなストレスやダメージを受けます。たとえば、次のようなことがらがその原因になります。 ・自分の身体が危険にさらされること ・身近な人が亡くなること ・自宅やたいせつなものが壊れたり、失われたりすること ・ペットがいなくなったり、亡くなったりすること ・慣れ親しんだ風景が急に変わり果ててしまうこと 人生経験の豊富な大人であっても、大きなショックを受けて体調を崩し、回復まで長い時間がかかることも少なくありません。心も体も成長過程にある子どもなら、なおさらです。 自然災害の後に、子どもが学校へ行けなくなった! 自然災害の後、子どもが朝起きられなくなったり、「学校へ行きたくない」と言い出したりすることもあるでしょう。 自然災害による心身のダメージによって、子どもが学校へ行けなくなる理由として、以下の3つが考えられます。 災害に起因するケース1 「急性期の反応」 災害に起因するケース2 「廃用症候群」 災害に起因するケース3 「PTSD」 それぞれのケースについて詳しく見ながら、保護者の方にできることをご一緒に考えてみましょう。 災害に起因するケース1 急性期の反応  「急性期の反応」は、心に大きなストレスやダメージを受けた直後に起こる心身の反応のことです。子どもにも大人にも起こります。 自然災害に限らず、仕事での失敗や失恋など、大きなショックを受ける出来事の後に、しばらく食欲がなくなったり、何も手につかなくなったりした経験がありませんか? 子どもの場合には、おもに次のような反応が起こることがあります。 ・表情がなくなり、ぼんやりしていることが多くなる ・イライラして暴れる ・小さな物音を嫌がったり、怖がったりする ・身体の不調を訴える(ケガや感染症など、明らかな異常を除く) ・今までできていたことができなくなる こうした「急性期の反応」は、誰にでも起こり得る、ごく正常な反応です。 子どもの普段とは違う様子に、... --- ### 「天穂のサクナヒメ」制作者が振り返る不登校時代。「自分への決めつけは勘違いかもしれない」|ゲームクリエーター・こいちさん インタビュー【後編】 - Published: 2024-09-19 - Modified: 2024-11-30 - URL: https://futoko-online.jp/interview/9189/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: ゲーム・スマホ, 会員限定記事 - ハッシュタグ: 天穂のサクナヒメ 大ヒットしたアクションRPGゲーム「天穂(てんすい)のサクナヒメ」。 制作者の一人である、こいちさんに不登校時代と、その後、現在の仕事へ就くまでのお話をうかがいます。 <天穂のサクナヒメ> 「頂の世」に住む豊穣の神・サクナヒメが、人が暮らす「麓の世」のヒノエ島に降り、成長していくアクションRPGゲーム。ヒノエ島に現れる鬼の討伐となぜ鬼が出現するのか原因を調査しながら、仲間たちとともに稲作を行う。サクナヒメと仲間が米作りで「頂の世」とともに「麓の世」も豊かにしていく。   前回のお話はこちら: 「天穂のサクナヒメ」制作者が語る「結果的にプラスになった」不登校時代|ゲームクリエーター・こいちさん インタビュー【前編】 前回、不登校時代に続けていたことがゲーム業界で役に立ったと教えてくれた、こいちさん。不登校のきっかけはどんなことだったのでしょうか。 *** 中学時代に起こった「犯人探し」 ーー学校へ行かなくなったきっかけはあったのですか? 中学1年の秋、生徒会選挙にまつわるトラブルがきっかけでした。 クラスメイトの友だちが生徒会選挙で無効票、落描きを描いたものを出したんです。 僕は一番後ろの席からみんなの票を集めて出す役割だったのですが、彼が落描きをして無効票を提出したのを見てしまった。 投票後、その「落描き票」を書いたのがけしからんというので、学校をあげての犯人探しが始まったんです。 校舎すら違う3年の先輩まで知っていたんで、相当な大事件という定義だったんだと思います。 ほとんど魔女狩りのような状態で、教師も生徒も一丸となって「犯人を見つけて吊し上げよう」という雰囲気になっていました。 僕は誰が書いたのか知っているけど、とっさに友だちのこともかばいたくなって、犯人が誰かは言えませんでした。それで態度が挙動不審に見えたのでしょう。 「あいつ、怪しい」と追及の的にされました。この重圧に耐え切れず、結局僕は友だちのことを話してしまいました。 休んだほうが楽になった その後、無効票を書いた当の本人は学校に来なくなり、学校に来ている僕は同級生や担任から引き続き嫌われていきました。 でも、休んでる友だちは放っておかれてるんですよ。だったら自分も休んだほうが楽になれるかも、と思って、僕も休み始めました。実際楽になりました。それから中学はほぼ行っていないです。 でも振り返ると、その事... --- ### 「天穂のサクナヒメ」制作者が語る「結果的にプラスになった」不登校時代|ゲームクリエーター・こいちさん インタビュー【前編】 - Published: 2024-09-18 - Modified: 2024-11-30 - URL: https://futoko-online.jp/interview/9155/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: ゲーム・スマホ, 無料記事 - ハッシュタグ: 天穂のサクナヒメ 稲作をしながら島を探索する和風アクションRPG「天穂(てんすい)のサクナヒメ」というゲームを知っていますか? 発売から約2週間で50万本、累計150万本(記事公開時点)を出荷した大ヒットゲームです。 このビッグタイトルを産んだゲームクリエイターのこいちさんは、中学時代に不登校を経験しています。 不登校時代に現在の仕事につながることがあったと教えてくれました。 和風アクションRPGゲームは、意外なところにも波及 「天穂のサクナヒメ」は大ヒットを記録するだけでなく、実際の米作りの方法がゲーム攻略の参考にされ、農林水産省からも注目されることに。 ゲーム業界以外も巻き込む現象を生み、2024年7月にはアニメ化もされ、さらに影響が広がっています。 こいちさんはゲームの世界観や設定、台本などを手がけました。 <天穂のサクナヒメ> 「頂の世」に住む豊穣の神・サクナヒメが、人が暮らす「麓の世」のヒノエ島に降り、成長していくアクションRPGゲーム。ヒノエ島に現れる鬼の討伐となぜ鬼が出現するのか原因を調査しながら、仲間たちとともに稲作を行う。サクナヒメと仲間が米作りで「頂の世」とともに「麓の世」も豊かにしていく。   実際の情報をベースにゲームでのリアル感を出す ーー「稲作」のモチーフを選んだのはなぜですか? 制作開始当時は「パズドラ」の影響もあって、RPGに何か別の遊びを足すのがトレンドになっていました。 加えて、自分たちが昔遊んだゲーム「アクトレイザー」で神様が人類の発展を助けつつ、悪魔と戦う内容だったので、それにも大きく影響を受けています。 「天穂のサクナヒメ」も同じように、最初は神様が鬼と戦いながら村づくりを助ける構想だったのですが、村づくりは人気ジャンルで競合タイトルも強く、作らなくてはならない要素も多くなり過ぎると思い、村づくりのなかでも一つの要素に絞って作り込み、差別化を狙いました。 稲作は身近ではあるけれど、みんなよく知らない。そして、他とかぶらない要素だと思ったのです。 ーー制作にあたって、農業や民俗学など、かなりの知識が必要だったのではないですか? 専門的な研究というレベルではできていないですが、できる限り真面目に調べてゲームに必要なところや面白いアイデアにつながったら取り入れました。 実際の学問と違って、ゲームではいい意味で必ずしも正確性が必要ないところがあります... --- ### 不登校でも参加前提!? 修学旅行の知られざる「ルール」 - Published: 2024-09-17 - Modified: 2025-05-06 - URL: https://futoko-online.jp/column/9101/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事 - 著者: 不登校オンライン編集部 「不登校と修学旅行」について、一般的にはあまり知られていない参加率や学校側のルールなどを紹介します。 「不登校と修学旅行」についてお悩みの方は、ぜひご覧ください。「これからのこと」を考えるために、きっと役立つはずです。 期間限定! 無料プレゼント あなたの声を聞かせてください 関連記事 人気記事 アンケートに見る「不登校と修学旅行不参加」 「不登校オンライン」が2024年8月に行った「修学旅行」に関するアンケートでは、修学旅行への参加について次のような回答結果が得られました。 【お子さんの修学旅行がこれからある】 24名のうち、11名が「お子さんの気もち」として「参加したくない」を選択、また、12名が「親の気もち」として「参加しなくていい」を選択しています。親子ともに、およそ半数が「修学旅行への参加には消極的」でした。   【お子さんの修学旅行が終了した(その時期、お子さんは不登校だった)】 36名のうち、24名が「修学旅行に参加しなかった」を選択、つまり、3分の2が修学旅行へ参加しなかったと回答しています。   「不登校と修学旅行」について思うことについて、以下のような声が寄せられました。 修学旅行は楽しいとか参加するのがあたりまえとされているので、行けないことでさらに落ち込む。(まるさん) 自分が思っていた以上に、子どもの不参加はつらかった。(Minetteさん) 学校にも行けない、あるいは行っていないのに立ちはだかってくる行事だなと思いました。(パンダママさん) こうした声からは、「子どもが修学旅行に参加しないこと」に対する保護者の戸惑いや、割り切れない思いが伝わってきます。 【関連記事】 行く? 行かない? 「不登校中の修学旅行」、わが家の選択 修学旅行不参加はどれくらい? では、修学旅行不参加の子どもはどのくらいいるのでしょうか。子どものクラスや学年を見渡すと、「わが子だけ... ... 」と感じるかもしれません。しかし、少数派ではあるものの、修学旅行不参加の子どもはたくさんいることがわかっています。 ■「コロナ禍開け」直後の修学旅行調査 新型コロナウイルス感染症の流行により、令和2(2020)年度から令和5(2023)年度は、修学旅行にもそれまでとは異なる対応が求められました。中止や行き先・期間の変更、感染症罹患等による参加キャンセルなどのため、この期間... --- ### 【最初に抱える悩み5つ】不登校の不安は、こう考えてみよう - Published: 2024-09-16 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/9033/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事 - ハッシュタグ: 不登校の親 子どもが学校に行かなくなったとき、保護者からよく耳にする不登校の悩みや疑問について、自らも不登校経験のある専門家に聞きました。 もちろん、全て解決!とまではいきませんが、次の一歩を踏み出すきっかけとして、どう考えればいいかをうかがいました。 お話を聞いた人:キズキ共育塾相談員・半村進さん 【悩み①】子どもから「学校を休みたい」と言われたら、どうする? 子どもから学校を休みたいと言われたとき、最初に思い悩むのは、保護者としてはどうすればいいのだろう?ということ。 →「学校を休んでもいいよ」と伝える そんなときは、思い切って「休んでもいいよ」と直接言葉にして伝えてください。 子どもが学校を休みたいと、実際口にし始めたときは、すでに本人はさまざまな葛藤に苦しんで頑張り切った後です。 実はギリギリまで頑張っていたかも もしかすると、周囲の目からは頑張っているようには見えなかったかもしれませんし、子ども自身も「ギリギリまで頑張った」という自覚がないこともあります。 しかし、頑張って悩み抜いた結果、学校を休みたいという結論に達したということに対して、まずは保護者が理解を示すことが大切です。 子どもは保護者から直接「学校休んでいい」と言われることで安心できます。 心身ともに回復すれば、きっと必ず前に向かって歩き出すことができるはずです。 【悩み②】不登校の原因が分からず、どう対応していいのか分からない 子どもの不登校に、「なぜ?」と考えずにはいられない保護者も多いでしょう。 「わからないこと」が起これば、原因を知りたくなるのは自然なこと。 →原因を追求して、解決しようとするのをやめてみる   これも、非常に多い悩みです。しかし、ひとまず「不登校の原因を追求して、解決することにこだわる」のをやめてみてはいかがでしょうか。 また、下記で紹介する専門家・第三者にご相談して、外とのつながりを保つことをおすすめします。 もちろん、不登校になった原因が分かれば、何かしらの対応ができるかもしれない。その気持ちは多くの保護者がもっているでしょう。 本人もはっきり説明できない しかし、保護者だけでなく、本人も、なぜ学校に行きたくないと感じているのか、はっきりと説明できない場合が多いのです。 つまり、不登校には明確な原因がわからなかったり、本人にもよくわからない要因が影響していることもあります。 無... --- ### 2024年9月27日開催オンラインイベント「フリースクールスタッフは、子どもとどう進路の話をしているのか」 - Published: 2024-09-13 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/event/9037/ - カテゴリー: イベント - タグ: 会員限定記事 - ハッシュタグ: フリースクール 2024年9月27日(金)13時30分~15時、フリースペース コスモの佐藤真一郎さんをお招きして、オンラインイベント「フリースクールスタッフは、子どもとどう進路の話をしているのか」を開催します。 イベントにご参加いただけるのは、「不登校の親御さん専用のオンラインコミュニティー・親コミュ」の会員様です。 下記ご高覧の上、ぜひ親コミュ・イベントにご参加ください。 ※同日(9月27日)の夜には、「子どものゲーム・スマホ依存、いつまで見守ればいいの!?親が「不登校とゲーム・スマホ」を理解し、できる対応を知るために〜」というオンラインイベントも実施します。こちらもぜひご参加ください。 イベント趣旨〜フリースクールスタッフは、子どもとどう進路の話をしているのか〜 お子さんが不登校だと、進路について不安やわからないことがたくさんあるでしょう。 特に夏休みが明けたこの時期、「いよいよ本格的にあせってきた」というお声はよくお聞きします。 子どもに進路の話をどのように切り出し、話を進めていくか。 「気持ちがはやるあまり、つい親主導で動いてしまった」ということも。 佐藤さんは、不登校の子どもたちの居場所「フリースペース コスモ」の専任スタッフを12年間つとめ、現在は事業を統括されています。 そんな佐藤さんに、「子どもと進路の話をするときに気をつけていること」「子どもに進路のことを聞く方法」などについてお聞きします。 何から話を聞けばいいのか。 どんな話し合いなら「よかった」と言えるのか。 どんな聞き方がNGで、OKなのか。 そもそも親は子どもの進路に対してどう向き合えばよいのか。 佐藤さんの豊富なご経験・ご知見をシェアしていただきます! 【イベント実施日時など】 実施日時: 2024年9月27日(金)13時30分~15時 講演テーマ: フリースクールスタッフは、子どもとどう進路の話をしているのか 登壇者: 佐藤真一郎さん (NPO法人文化学習協同ネットワーク フリースクール事業部統括責任者) 実施方法: Zoomを利用したオンライン講演会です。参加者様は、顔や名前をお出しいただく必要はございません。ZoomのURLは、親コミュ内でお伝えします。 参加対象: キズキが運営する不登校の親専用オンラインコミュニティー「親コミュ」の会員様限定限定でご参加いただけます。 参加料金: 無料(親コミ... --- ### 「生きていてくれるだけで十分!」親がそう思えるようになるには? - Published: 2024-09-13 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/interview/8879/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2024年9月15日号 - ハッシュタグ: 発達障害, 不登校の親, ゲーム依存, セルフネグレクト 新潟県三条市で6年前から「フリースクールヒュッゲ」を運営している関口健志さん。ご自身の兄弟が不登校やひきこもりを経験したことから、当事者家族としての思いを胸に活動を始めたといいます。2年前のインタビュー「どうしたら家が居場所になるか 居場所代表が提案する2つのポイント」に引き続き、今回は、「ヒュッゲ」で大切にしていることをうかがうと同時に、不登校のお子さんのいる親御さんのお悩みについてのアドバイスもいただきました。(聞き手/編集・棚澤明子) ■関口健志さんプロフィール 25年以上家庭教師、個別指導塾の講師をしながら、「ひきこもり支援相談士」の資格を取得。 2019年1月にフリースクールヒュッゲを開校し、不登校などで学校、家庭以外の居場所を必要としている人たちへの居場所提供、相談支援を行うほか、イベントや講演会などで不登校、フリースクールなどの認知活動を進めています。 ――現在、「フリースクールヒュッゲ」では、小学生から高校生までの10人ほどが思い思いの時間をすごしているとうかがいました。運営する上で、関口さんが大切にされていることを教えてください。 「フリースクールヒュッゲ」では、あえてカリキュラムを設けていません。子どもって、大人が「こうしよう」と思っても、予定通りにいかないものでしょう? 無理強いされるのもイヤでしょうし、カリキュラムに子どもを合わせることに意味なんてありませんよね。しかも、子どものペースでやっていくほうが物事がうまく進む、というのもよくあることです。 学校は、あれもこれも「ダメ、ダメ」となりがちです。そんな世界から解放されて、「自由にしていいよ」と言われたら、子どもたちはうれしいと思うんです。私自身がそうありたいと思うタイプなので、カリキュラムを設けるつもりは最初からありませんでした。 私が大切にしているのは、「自由である」ということ。それから、「楽しかった! また来たいな」と思ってもらうこと。そこから、自分らしさを出せるようになったり、人とのつながりが生まれたりするといいですよね。逆に、「この子はこんなふうに成長してほしい」なんていうことはまったく考えていません。 「ヒュッゲ」には自殺未遂をくり返している子など、いろいろな事情を抱えた子どもたちも来ています。本人にとっても親御さんにとっても「何かあったら、いつ行ってもいい」という居場所にはなっ... --- ### 「10年耐えてきた子は、回復するのに10年かかります」 フリースクール代表が語る、親が不登校の子どもを支える秘訣 - Published: 2024-09-13 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/8869/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2024年9月15日号 - ハッシュタグ: 不登校の親 「子どもが苦しむのは、不登校だからではありません」。フリースクールを運営する土橋優平さんは、不登校の子どもの回復のためには、長い時間をかけてサポートできる環境づくりが大切だと言います。そのために、親にとって絶対に必要な「ある意外な時間」とは? 子どものために日々がんばり続ける親御さんへ届けたい、渾身のメッセージ。(連載「出張版お母さんのほけんしつ」第46回・写真は土橋優平さん) 夏休みが明けました。子どもたちの中には「学校に行きたくない」と言う子もいれば、体調不良、理由がわからない不調を訴える子もいるなど、様々な変化が起きてくる時期かと思います。親としてどのような姿勢でいるとよいのか。今回はそんなことをお伝えします。 初期の段階では、親は焦りや不安に駆られますよね。「今日の仕事どうしよう」「バタバタした朝にまたこんなことに」。そしてそんな朝が続くと、「このまま不登校になってしまうのでは」「甘えているだけでは」「将来大丈夫なのか」といった言葉が頭をよぎります。 仕事を休むことになれば、職場に対して申し訳ない気持ちになるでしょう。夫婦で意見が合わず、「あなたが悪い」と責められることもあります。学校とのやり取りも難しく、「連れて来ない限り何もできない」「親が甘やかすから」といった対応に苦しむこともあるかと思います。 子どもに「どうして行きたくないのか」と聞いても、理由がわからないこともあります。一方で、「友だちが怖い」「勉強が遅れている」と理由を言ったとして、それを解決しても、子どもが学校に戻らないことも多くあります。それは「親を納得させるために理由を話した」ことが背景にあるからです。根本的な問題は解決していないのです。 子どもの「明日は行く」という言葉にも、別の意図が隠れていることがあります。親を悲しませたくなかったり、「ほかの子と同じように学校に行ける自分でありたい」、つまり「普通でありたい」と思っていたりすることがとても多いのです。 大人が知らない間に、子どもはひとりでがんばっている 子どもが苦しむのは、不登校だからではありません。 「学校に行かない」というある種のSOSを誰にも拾ってもらえないからです。 誰にもSOSを受け止めてもらえないと、子どもたちは「自分なんて必要とされていないんだ」「自分には味方はいないんだ」と思うようになります。そして、そんな自分を守るた... --- ### 「本当に実在するんだな」 不登校高校生にとっての憧れの地は、家や学校なんかより身近な世界だった - Published: 2024-09-13 - Modified: 2024-10-29 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/8871/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】前略、トンネルの底から, 2024年9月15日号 不登校だった高校時代、一度だけひとり旅に出た古川寛太さん。野球観戦チケットの手配、交通手段の確認、1人での新幹線乗車。初めてづくしの経験の先に、ついに目指していた「聖地」が現れます。不登校の高校生が見て、聞いて、味わった世界は、どのようなものだったのでしょうか。(連載「前略、トンネルの底から」第16回・写真は古川寛太さん) 前回のおさらい:不登校の高校時代に唯一ハマった「最初で最後の趣味」がもたらした「あの夏の決断」 夜が明け、いよいよ旅が始まった。 まずは新幹線で東京駅へ向かう。その後、電車でスタジアムのある海浜幕張駅を目指す。1人で新幹線に乗るのは初めてだった。乗り換えの東京駅では、「人がたくさんいるなあ」とベタなことを思ったし、京葉線のホームまで異常に距離があることも初めて知った。 幸い大きなトラブルもなく、デーゲーム開始の1時間ほど前、13時に海浜幕張駅へ降り立つ。 電車の発車メロディーが球団歌だった。駅前に球団マスコットのモニュメントがあり、その先には監督の顔写真と選手のボブルヘッドがあった。何よりも目を奪われたことに、周囲の人間が全員ユニホームを着ていた。 普段、学校に行けず趣味の話をする友だちのいない俺にとって、また地元とは馴染みのない千葉の球団を応援していた俺にとって、この光景は衝撃だった。 「本当に実在するんだな」とまで思う。少し前に素通りしてきた舞浜よりもずっとファンタジーな世界が、不登校の高校生の目の前に広がっていた。 スタジアムは俺の聖地だった 感動しっぱなしのまま歩みを進めると、ついにスタジアムに到着する。「うおお」と思った。さすがにあの興奮は言語化できない。どうしようもない現状から目を逸らし、毎日テレビで試合を見ていた自分からすると、このZOZOマリンスタジアムは聖地だったのだ。神々しくも見える。 球場内は、人、人、人。聞き耳をたてれば誰もが野球の話をしている。住んでいるところから何百kmも離れているのに、ここがとても身近な世界に感じられた。少なくとも、家や学校なんかよりは。 せりあがった階段をのぼり、グラウンドと対面した。とてもよく知った色だと思った。数万人もいるはずなのに、なんだか空気がおいしい。売り子さんから買ったコーラも、心なしか数割増しで風味がよいように感じる。 「肩身が狭い」なんていつものこと 一塁側にあるマリーンズベンチをよ... --- ### 【連載最終回】これが私の、「『不登校』30年目の結論」。 - Published: 2024-09-13 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/8862/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】『不登校』30年目の結論, 2024年9月15日号 「大人たちの対応は、私を深く傷つけた」。詩人・フリーライターの喜久井伸哉さんは、「不登校」は子どもの「悪い状態」でもなければ、「心の問題」でもないと訴えます。喜久井さんが今、大人たちに切望することとは? 自身の不登校経験を質実な筆致で綴る異色の連載、いよいよ最終回です!(連載「『不登校』30年目の結論」第8回・写真は喜久井伸哉さん) 私は小学校2年生のころから、「学校に通学する行為」がすくなくなった。「よい子」だったはずの私は、いきなり「問題児」になった。 親や教師は「原因」を問いつめ、「不登校」を「治そう」とした。カウンセリングにも連れて行かれたが、「心の問題は何か」という見方をされ、とくに状況が「改善」することはなかった。 今思い返してみても、私の「心」に、治すべきものがあったとは思えない。大人たちの対応のなかには、私を傷つけるものさえあった。 大人たちは、どのような対応をしたら良かったのだろうか? また、今現在の多くの「不登校」の子に、大人たちは何をすべきなのだろうか?  世の中で言われている親や教師へのアドバイスの大半が、私には的外れなものに思える。子どもの「心」の話が中心で、「体」の観点が欠けているためだ。私は「不登校」の専門書よりも、むしろほかの分野の本が参考になると思う。 一例を挙げると、堅田利明・菊池良和編著『吃音のある子どもと家族の支援——保護者の声に寄り添い、学ぶ 暮らしから社会へつなげるために』(学苑社、2020年)だ。対象は「吃音の子」だが、一部を読み替えることで、「不登校の子」へのベストな対応策として読むことができる。 とくに印象的だったのは、以下の3点だ。 内容を要約し、便宜的に数字を付けて紹介する。 ① 吃音には、出たり出なかったりする変動性(波)があることを理解する。 ② 大人たちは、吃音の「二次症状」を抑えることに努める。 ③ 「安心してどもれる環境づくり」を目指す。 本書の「吃音」を、「スクール・リフューザル」に読み替えてほしい(当連載では、「スクール・リフューザル」を「身体的な要因によって、登校の行為ができなくなること」といった意味で用いている〔連載第7回参照〕。以下、「スクリフ」と略す)。大人たちが本書のアドバイスどおりに対応してくれていたなら、子ども時代の私は、深く傷つかずにすんだはずだ。 上記の3点が重要な理由について、簡... --- ### 「つらいときはつらいと言おう」イヤなことから逃げてきた不登校経験者が伝えたいこと - Published: 2024-09-13 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/contribution/8882/ - カテゴリー: 寄稿 - タグ: 会員限定記事, 2024年9月15日号 「イヤなことからは逃げてきた」。そう話すのは不登校経験者のケンタさん。今でも仕事などが続かず、自分がイヤになることもあるそうです。ですが大好きな音楽だけは続けてきたというケンタさん。音楽を通して学んだことを今不登校している人にも伝えたいと、筆をとりました。 * * * 僕は、イヤなことから逃げながら生きてきました。30代になった今でも、耐えられない人間関係や過酷な労働からエスケープしながら生きています。 逃げるたびに、他人からの信頼や、自分の居場所がなくなっていきます。それでも僕は居たくない場所には居られないのです。これは不登校のときから変わっていません。 そうして逃げながら生きてきたことで、自分のやりたいこと、興味のあることが何なのか分かってきました。僕がやりたいこと、それは音楽です。 そのことがわかるまでに、たくさんの人を怒らせ、たくさんの人に迷惑をかけてきました。そのたびに自分を責め、自分を追い詰めて、忍耐力の無さを嘆きました。「自分はまともな社会生活を送れないのではないか?」と今でも考えることがあります。しかし絶望しないのには理由があります。 僕は、不登校のときに始めた大好きな音楽を、紆余曲折はありながらも中学時代から今までずっと辞めていないからです。つまり、本当に好きなことは続けられるのです。 なぜ音楽は続けられるのか、それ音楽が好きであるということ、そして音楽でつながった大切な人たちがいるということ。その2つが大きかったと思います。 音楽を続けられた理由 音楽は僕に「仲間に支えられている」ということを教えてくれました。 僕は不登校だったこともあり、集団活動が求められるバンドにおいても一度は逃げ出してしまったことがありました。音楽活動が上手くいかずに、お互いを責め合ってしまったことが原因でした。音楽を続けたい気持ちがあっても、ピリピリとした不穏な空気感に耐えられなかったのです。 このとき、メンバーにとても怒られました。 「なぜ相談してくれなかったのか?』 そう悲しそうに言っていたメンバーの顔を今でも覚えています。僕はそれまで1人で考えて、1人であきらめ、逃げてきました。そうすることで、自分の殻に閉じこもっていれば、他人から裏切られずに済むからです。 他人と関わることをあきらめていたあのころ かつて、僕は他人に対して大きな期待を持ち、その期待通りにいかないと... --- ### 【全文公開】あなたの眠れぬ夜に一冊の本を ひきこもり読書のすすめ  第3回『新 13歳のハローワーク』(村上龍) - Published: 2024-09-13 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/8874/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 無料記事, 【連載】ひきこもり読書のススメ, 2024年9月15日号 何をしていても悲しい。誰とも話したくない。そんなときでも、本を開けば、これまで出逢ったことのない世界、まったく見たことのない景色が広がっているかもしれません。不登校経験者である書籍編集者・ライターの藤森優香が、いま学校に行っていない人・学校が苦手な人におすすめしたい本を紹介する連載「ひきこもり読書のススメ」。最終回では、作家・村上龍著『新 13歳のハローワーク』を紹介します。 「宇宙飛行士」から「マタギ」まであらゆる仕事が掲載 今回紹介するのは、村上龍著『新 13歳のハローワーク』(幻冬舎、2010年)です。 「いろいろな職業が載っている本でしょ」とご存じの方も多いかもしれません。 人気の職業から、「看板職人」「腹話術師」「マタギ」「インペグ屋」「シナリオデベロッパー」といった珍しい仕事、聞きなじみのない仕事まで、あらゆる仕事の内容と、その仕事に就くにはどうすればいいか、どのようなスキルが必要なのかなどが、村上龍氏ならではの視点でリアルに記されている「職業図鑑」です。 2010年に発行された新版では、2003年の旧版に89の職種が追加されています。 新版では、「国語」「数学」「理科」... ... など教科別に職業がカテゴライズされていますが、「5教科に興味ない」という人も大丈夫です。「音楽」「美術」「技術・家庭」「保健・体育」のほか、「道徳の時間、眠くならない」人向けの職業までちゃんと掲載されています。 それだけではなく、「休み時間、放課後、学校行事が好き・ほっとする」人に向いている職業や、「何も好きじゃない、何にも興味がないと、がっかりした子のための特別編」まで収録されています。 多様な選択肢で未来が楽しみに 私がこの本を今回おすすめしようと思った理由は、単純に自分が中高生のころにこの本に出会っていたら読んですごくワクワクしただろうな、と思ったからです。 不登校になる前、まだ毎日楽しく学校に通っていた中学1~2年生のころ、学校の教師や親、親戚の人など、あらゆる大人に「なぜその職業に就こうと思ったのか」「仕事のやりがいと苦労」などを聞いて回っていた記憶があります。自分の将来について、少しずつ考え始めていたのだと思います。 周囲の大人へのヒアリングによって、学校の先生や、会社員をしていた親の職業については知識を得ることができましたが、それ以外の職業について知る機会は... --- ### 親ガチャとは? 言葉が流行した背景やハズレと言われる状況を解説 - Published: 2024-09-12 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/8941/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事 - ハッシュタグ: 不登校の親, 親ガチャ このページをご覧になっているあなたは、以下のような疑問や不安を抱えているのではないでしょうか? 少し前から「親ガチャ」という言葉を聞くけど、どういう意味? 子どもに「親ガチャに外れた」と言われたけど、どうしたらいいの... ? このコラムでは、親ガチャの概要や親ガチャという言葉が流行った背景、親ガチャにハズレたと言われる状況、子どもが「親ガチャにハズレた」と言われた時に親ができる対応などについて解説します。あわせて、研究者などの親ガチャに対するさまざまな反応を紹介します。 不登校のお子さんが、親御さんに「自分が不登校になったのは、親ガチャにハズレたせいだ」などと言うことも、なくはないようです。 親ガチャという言葉が気になっている人はもちろん、お子さんから「親ガチャにハズレた」と言われて困っている親御さんは、ぜひ最後までご覧ください。 ※このコラムには、親御さんを不安にさせるかもしれない内容もあります。しかし、親御さんを不安にさせることや、親子の対立を煽ることは、このコラムの趣旨ではありません。 このコラムの内容はあくまでも参考としてご覧いただいた上で、「実際のあなたの親子関係」やお子さんの不登校については、子どもや親子関係に関する悩みをサポートする人たちに相談することで、具体的に改善されていくはずです。 相談先の例は、こちらのページで紹介しています。   親ガチャとは? 親ガチャとは、子どもの立場から、子どもは親を選べないこと、運任せであること、そして当たりとハズレがあること(あくまでもお子さんの認識です)を、カプセル自動販売機やスマホゲームで使われるガチャガチャ(ランダムで「景品」が出てくる仕組み)に見立てた言葉のことです。 この言葉は、家庭環境や経済状況、遺伝的能力、容姿などの本人が選択できない先天的要素に人生は大きく左右されるという認識・人生観を前提に、出生環境・現在の環境が本人にとって理想ではなかった場合に使わることが多いです(これもあくまでお子さんの認識です)。 インターネット上で流行ったスラング(俗語)で、ユーキャン新語・流行語大賞2021のトップテンにも選出されています。(参考:「現代用語の基礎知識」選 ユーキャン 新語・流行語大賞「第38回 2021年 授賞語」) 親ガチャという言葉が流行った背景 親ガチャという言葉が流行った背景には、SNSの普及と... --- ### 不登校オンラインは、月〜金曜日でほぼ毎日記事を公開します! - Published: 2024-09-12 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/others/8951/ - カテゴリー: others - タグ: 無料記事 不登校オンラインでは、これまでは、主に月に2回まとめて記事公開を行っておりました。 この度、多数のご要望を受けて、「ほぼ!毎日公開」にさせていただきます。 2024年10月から、完成した記事はすぐに皆様にお届けいたします! 月〜金曜日でほぼ毎日記事を公開します。 これに伴い、公開記事本数も増えていきます。 「親御さんの安心につながる情報」を毎日お届けしますので、ぜひ、毎日アクセスしてみてください。 なお、お気づきの方もいらっしゃるかと存じますが、現在も少しずつ記事の公開日・本数を増やしております。 まだお読みになっていない記事もあるかもしれませんので、最新の記事はこちらからご覧ください。 ■購読方法はこちら→ ■人気記事の一覧はこちら→ ■LINE公式アカウントはこちら→ ■会員登録後、有料記事をご覧になる方法 記事の途中に出てくる「この続きを見るには」の少し下の「ログインして購入を復元」からお進みいただくことで、記事全文をご覧いただけます。 特にスマートフォンでご覧になる場合は、右上のメニューバーの「ログイン」からお進みいただくことでも、記事全文をご覧いただけるようになります。 ■オンラインコミュニティー「親コミュ」もあります! 親コミュは、「不登校のお子さんがいる親御さん」専用のオンラインコミュニティーです。 「不登校が特別ではない環境」で、チャットを通じて、不登校の親同士で、悩みを解決し合ったり、雑談したりできます。 また、会員様限定のオンラインイベント(講演会)なども実施。専門家による確かな知識を得られます。 親コミュには、スマホのLINEアプリを通じて参加できます。 LINEとは異なるニックネームとプロフィール画像を利用できるので、プライバシーも万全。 料金は月額1,000円(税込・クレジットカード決済のみ)。 LINEの友達登録時に表示されるクーポン利用で、登録から30日間無料です。 無料期間を利用して、試しに参加してみませんか? ■親コミュの詳細・参加はこちら→ --- ### 「学校に行かない」デメリットって、どんなこと? - Published: 2024-09-11 - Modified: 2025-05-06 - URL: https://futoko-online.jp/column/8834/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事 子どもにとって学校が居心地のいいところではないとわかっていても、心のどこかで「学校に行ってほしい」と思う保護者も少なからずいるのでは。 「学校に行かないデメリット」をあらためて考えることで、本当に学校に行ったほうがいいのか?を考えてみます。 お話を聞いた人:キズキ共育塾相談員・半村進さん 期間限定! 無料プレゼント あなたの声を聞かせてください 人気記事 「学校に行かないこと」のデメリットとメリット 今回、「デメリット」と挙げたものでも、ある子どもにとっては全くデメリットにならない場合もあります。あくまでデメリットになる可能性があるものです。 また、本人と保護者、かかわっている学校や環境によって、ここで挙げたものとは異なるデメリットまたはメリットがある場合も。 学校に行かないことのデメリットを客観的に挙げてみて、それが「学校に行かないとどうしても解消できないものなのか?」を考えてみてはいかがでしょうか。 【デメリット】経験の幅が狭くなりやすい? 学校に行かないことで、家にいることに比べたら、単純に経験の幅が少し狭くなりやすいということは考えられます。何かを体験すること、知識を得ること、人との付き合いなど、さまざまな経験です。 これには、「失敗すること」の経験も含まれます。 また、「学校に行っていなかった」ことで、「みんなが⚪︎歳ぐらいでやっていることを、自分はしてこなかった」と感じて、自分に何かが欠けているのではないかと考えてしまうことも。 →学校以外のところで経験を積めばいい 逆に考えると、単純に学校以外のところで 経験を積めばいいということ。 ただし、必ずしも幅広い経験でなくてもよく、本人にとってプラスになる経験を積める場所があれば、学校以外の場所でもいいわけです。 学校以外でやってきたことや積み上げてきたことがあったり、学校以外の場所で出会った人たちとの体験などを大切にしていければ、デメリットにはならないのでは? →どんな経験でも「すればいい」わけではない 誤解が原因で厳しく叱られてしまったり、周囲から執拗ないじめを受けてしまうなど、本人の心身を崩してしまうような経験や悪い思い出としてずっと残ってしまうような経験は、無理に積む必要は全くありません 。 学校に盲目的に通い続けることで本人の心身が弱っていく場合、それは「学校に通うことで生じてしまうデメリット」にな... --- ### 【どうする!?不登校の進路相談】エネルギー不足でも決められる!進路の「逆算思考」を教えます - Published: 2024-09-10 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/8835/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事 まだまだ暑い日が続きますが、少しずつ気候も変わってきたこの頃。 季節の変わり目は体調やメンタルの不調が起きやすく、なんだかイライラしやすい、やる気が起きない... なんてこともあると思います。 さらに進学を控える不登校のお子さんにとっては、秋や冬の入試に向けていろいろと決断していくストレスが溜まりやすい時期でもあります。 でも、進路を決める前に、多くの不登校のお子さんが「エネルギー不足で、進路の希望が見えず困っている」というケースも少なくありません。 ここでお話しする“エネルギー不足”とは、「自信や気力がなく、積極的に進路を決めていくことが難しい状況」を指します。 エネルギー不足のお子さんは、「何がしたいのか」と問われても戸惑うことが多いでしょう。 自分のしたいことが分からないという場合もありますし、叶えられるか分からない約束をしてしまうようで希望を伝えること自体にプレッシャーを感じるお子さんもいらっしゃいます。 今回は、そんなエネルギー不足の不登校のお子さんから希望の進路を引き出しやすいステップを紹介します。 ※不登校のお子さん(の進路)を、親御さんだけで抱え込む必要はありません。不登校の親子をサポートする団体はたくさんありますので、そういうところもぜひ探してみてください。 最初に全部を決めなくてOK!まずはNG条件を考えよう エネルギーが不足しているときは、前向きな希望よりも「何がイヤか」の方が答えが出やすい場合が多いです。 お子さんにNG条件を聞いてみましょう。例えば以下のようなものが考えられます。 「家から遠い高校はイヤだな」 「キャンパスに人が多すぎる大学はイヤだな」 「受験で数学は使いたくないな」 「地元から離れたいな、でも遠すぎても嫌だな... 」 このとき、ざっくりしたイメージで問題ありません。イヤだと感じることが分かれば、次の「探す」ステップがとてもスムーズに進みます。 NG条件に引っかからない場所を探してみる お子さんがイヤだと感じる条件が分かったら、そのNG条件をクリアできる進路を(親子で)探してみましょう。 検索ワードとしては次のようなイメージです。 「〇〇市 高校 住所」 「〇〇県 高校受験 私立 科目」 「〇〇県内 大学」 「大学 大きくない」 「大学受験 数学なし」 市や県は、地元にいたいならお近くの、地元を離れたいなら気になる地名や地... --- ### わが子へのいじめ、これはもはや「犯罪」では? ためらわずに警察へ通報・相談を - Published: 2024-09-09 - Modified: 2025-05-06 - URL: https://futoko-online.jp/column/8762/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, いじめ - 著者: 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: いじめ 「ケガをした」 「多額のお金をとられた」 「不適切な画像をSNSで流された」 子どもがいじめでこうした被害に遭ったとき、どうすればいいのでしょうか。 「警察に言っても迷惑がられるだけでしょう?」 「子どものいじめを警察沙汰にするなんて、大袈裟じゃない?」 警察への相談・通報を躊躇する保護者の方も少なくないかもしれません。 しかし近年、いじめにあった子どもの生命を守る観点から、文部科学省と警察庁が連携し、学校に対していじめの相談・通報を促しています。 この記事では、文部科学省と警察庁が公開しているいじめの相談・通報に関する情報を紹介します。 この記事をお読みになって、いじめによってお子さんの生命や尊厳がおびやかされていると感じたら、迷わず最寄りの警察署へご相談ください。 期間限定! 無料プレゼント あなたの声を聞かせてください 関連記事 人気記事 1. その「いじめ」は犯罪の可能性あり!? 「いじめ」と一口に言っても、無視や「からかい」から身体への暴力まで、行為の内容は多岐にわたります。でも、どのいじめ行為が警察で取り扱ってもらえるものなのかわからない。この点も、保護者の方が警察への相談・通報を躊躇する理由と思われます。 文部科学省が毎年秋に公表している「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」には、学校でのいじめについて、どのような行為(いじめの態様)が何件報告されているかなど、詳細な統計情報が掲載されています。 この調査で項目に挙げられているいじめの態様が、どのような「犯罪行為」の可能性があるか。文部科学省は、この点についても資料を公表しています。 なお、文部科学省では、「警察への通報・相談に係る基本的な考え方」として次の2点に基づいて警察への相談・通報の可否を判断するよう、学校等へ通知を出しています(太字は編集部による)。 学校や教育委員会においていじめる児童生徒に対して必要な教育上の指導を行っているにもかかわらず、その指導により十分な効果を上げることが困難である場合において、その生徒の行為が犯罪行為として取り扱われるべきと認められるときは、被害児童生徒を徹底して守り通すという観点から、学校においてはためらうことなく早期に警察に相談し、警察と連携した対応を取ることが重要。 いじめられている児童生徒の生命、身体又は財産に重大な被害が生じるよ... --- ### 一人を痛感した公園でのお弁当。他人を遠ざけたら自分も嫌いになった高校時代|私が一番つらかったとき - Published: 2024-09-06 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/interview/8719/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 私がいちばんつらかったとき 不登校経験のある本人やその保護者に「私が一番つらかったとき」をお聞きするインタビュー。 「不登校オンライン」では、不登校を経験されたご本人や保護者の方でインタビューの取材を受けてくださる方を募集しています。詳細はこちら。 今回は、現在は大学の法学部に通う竹本新太さん(仮名)にお話をうかがいました。 不登校になったのは、高校時代。実は「忘れていたほど、つらかったこと」があったと話してくれました。 <竹本さんの経緯> 小学校中学校では問題なく通学 高校に入学後、だんだん学校に行かなくなる 高校2〜3年生のときは、ほとんど行かなくなる 卒業後2年間はアルバイトをしたり、家にいたり あるきっかけで英語を勉強。英検準1級合格 大学進学を考える 会社員になって働きつつ合間に受験勉強 高校卒業後4年目、大学の法学部に合格   自分が学校に行かなくなるとは、思いもよらなかった 学校に行かなくなったのは、高校生のときでした。 小学校、中学校のときは学校が普通に楽しかったです。学校を欠席したこともなかったし、勉強の遅れも感じたことはなかったです。 高校で自分が学校に行かなくなるとは、全く予想ができなかったです。なぜ自分がそうなっているかがわからなかったから、とにかく「 困ったな」という感じでした。 最初は「疎外感」から 高校に入って何かいじめがあったりとかではなかったのですが、疎外感を感じていました。親密な友だちはおらず、みんなと挨拶するぐらい。 その挨拶するぐらいの関係性の人たちと、ずっと同じ空間にいる「無意味さ」みたいなものを感じていました。 一方で、僕の周りはお互い友だちになっていました。僕も一応は声をかけられるけど、ただ、そこにいるから声をかけられるだけ、みたいな... ... 。 「友だちを作る力がない」と思っていた 単純に中学校時代の友だちが好きで、高校で友人ができたとしても彼らとの関係以上にはならないというあきらめの気持ちになっていたのかもしれません。 自分から歩み寄っていないのですから、友だちができなくて当たり前。自業自得ですよね。今となってはそれがわかるのですが。 小さい頃から仲良くしている友人がそのまま中学校で持ち上がって一緒に過ごしていたので、気がついたら友人がいたという状態。要は新しく友人を作ったことがなかったんです。自分は友だちを作る能力がないんだと思っていま... --- ### インタビュー取材を受けてくださる方を探しています - Published: 2024-09-06 - Modified: 2025-01-13 - URL: https://futoko-online.jp/questionnaire/8320/ - カテゴリー: アンケート - タグ: 無料記事 オンラインメディア「不登校オンライン」に掲載する、テーマインタビュー企画にご協力いただける方を探しています。 以下をお読みいただき、こちらのフォームにご記入をお願いいたします。 <インタビューのテーマ> 1)私が一番つらかったとき(ご本人、または保護者) 参考記事:一人を痛感した公園でのお弁当。他人を遠ざけたら自分も嫌いになった高校時代 2)サポートする側のセルフケア(保護者)※サポート側の息抜きや自分自身をケアする方法について   不登校に関連して、ご自身の経験を振り返って(あるいは、現在進行形で)、上記をテーマにしたインタビュー記事にさせていただければと思っております。 このインタビュー記事の読者に「自分だけではない(なかった)」と思ってもらったり、さまざまな方の体験談を読むことで自分の現在地を知る手がかりになってもらえればと思っております。 ご自身の体験を語ってもいいとお考えいただける方、ぜひ、貴重なお時間をいただけないでしょうか。 ※インタビュー掲載時、プライバシー保護のため、記事内では仮名にしたり、ディテールを変えるなど、個人特定につながらないよう配慮します。   ご検討いただける方は、以下詳細をご覧いただき、ご連絡をいただければと思います。 ■掲載媒体: 不登校オンライン(https://kizuki-corp. com/media/) ※不登校オンラインと提携する他の媒体などに転載される可能性がございます。 ■企画趣旨: 不登校を体験したご本人や保護者さんに、過去を振り返ってもらい、上記のテーマに沿ったことをお話しいただきます。 ※つらかったことなどを思い出していただく取材でございますので、ご協力のご連絡後に「やはり難しい」と思い直しをされた場合は、ご遠慮なくお断りください。インタビュー中にも、中止したいと思われた場合はご遠慮なくおっしゃってください。 ■お願いしたいこと: 40分〜1時間程度のインタビュー(オンライン) ■希望日程など: 取材日時などの詳細については、編集担当からあらためてご相談させていただければと思います。 ■その他: 本名およびお写真の掲載は、必須ではありません。 大変申し上げにくいのですが、謝礼・ギャランティ等は発生せずにお願いをしております。 ■ご連絡先: 話をしてもいいと思ってくださった方、ぜひ、こちらのフォームに記入をお願... --- ### やりがちなNG対応は避けたい。休み明けの「学校、行きたくない」に、どう対応する? - Published: 2024-09-05 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/8666/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事 - ハッシュタグ: 不登校の親 休みの間は元気だったのに、新学期になると元気がなくなったり、学校に行きたがらなくなった... ... 。 子どもがそんな態度を見せたら、近くにいる親がするべき対応を、不登校に関する相談に対応してきた専門家にお聞きしました。 お話を聞いた人:キズキ共育塾相談員・半村進さん 前回の記事では、休み明けに「学校へ行きたくない」と言えるまで子どもがどんな思いをしていたのか、また、子どもがどのようなサインを出していたのかを紹介しました。 前回記事:実はサインが出ていた?休み明け「学校、行きたくない」にたどり着いた子どもの本音は?   今回は、やっとの思いで学校へ行きたくない気持ちを伝えてきた子どもに対して、どんな対応をすればいいのか、反対にやってほしくないことについてお聞きしました。 それ、子どもにとって心地いいこと?やってしまいがちなNG対応 子どものなかでは、いろんな経緯があってやっと出てきた「学校へ行きたくない」ですが、保護者にとっては「突然」に感じる場合も。 そんなとき、ついこんな対応をしていませんか。 ①休んでいることを「だらしがない」と咎める 家の中で寝転がってばかりだと、どうしても「だらしない」姿に見えてしまいます。 身支度もパッとできなくなって、着替えや準備などもグズグズしていると感じるかもしれません。 しかし、これは本人のエネルギーが著しく低下している状態ということ。 なので、パッと見た状態で「だらしない」とすぐに判断してとがめるのはやめて、最近の子どもの状態がどうだったかなどさまざまな観点で様子を見てみてください。 ②きょうだいや他人と比較する きょうだい間の比較、他のクラスメイトや生徒などとの比較は、しない方がいいです。これは保護者自身がされてもイヤなことだと思います。 シンプルに、本人自身を見ていない(他の子に視点が移っている)発言になり、子どもにとっては「自分のことを見てくれていない」サインになってしまいます。 ③最初に勉強のことを心配する 学校へ行かなくなる、子どもが「行きたくない」と伝えてくるとき、単純に勉強時間が減ってしまうのではと心配する保護者が多いです。 大人ならば、その心配が巡り巡って子どものことを思ってのことだとわかります。 しかし、これも子どもにとっては、家族は「自分のことよりも勉強のことを心配している」というサインになりかねません。 ... --- ### 実はサインが出ていた?休み明け「学校、行きたくない」にたどり着いた子どもの本音は? - Published: 2024-09-04 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/8655/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事 新学期に入って学校に行きしぶるようになったり、「行きたくない」と言う子ども。 実は「突然」起こったことではなく、サインが出ていた(あるいは今もサインが出ている)かもしれません。 そんな子どもたちがどう感じているのか、不登校に関する相談に対応してきた専門家にお聞きしました。 お話を聞いた人:キズキ共育塾相談員・半村進さん   「学校に行きたくない」と言う休み明けの子ども 休み中は元気でいた子どもでも、新しい学期になったら様子が変わり、「学校に行きたくない」と言い出すことがあります。 保護者からしてみれば、「突然」と感じたとしても、子どもたちのなかでは「ずっと我慢していたこと」があるかもしれません。 何も準備ができていない... ... 。新学期が近づくプレッシャー 子どもたちは、休みが始まったころは気楽に感じていても、長い休みが終わりに差しかかってくると、 学校のことを考える機会が多くなります。 「休み明けにあんなことや、こんなことが起きちゃったらどうしよう」 と考えてしまいます。 課題の提出、 実力テストの予定があるけれど、何にも準備できてない... ... 。叱られるんじゃないかと不安に思うことも。 たくさんの行事や進路のことも重荷になっていく 実際によくあるのが、休みが明けて学校に2、3日は行けたけれど、その後は行けなくなってしまうケースです。 とくに夏休み明けの場合、行事が多かったり、中高生だったら進路を決めなくてはいけなかったり。とても多くのタスクがあると感じてしまいます。 本人としては、休み明けでもう少しゆったりしたリズムで過ごせるほうがいいのに、「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」と焦りが出てきて、ついていけない気持ちになってしまうのです。 休み前から、エネルギーを消耗していたのかも 夏休み前まではなんとか学校に行けていて、 夏休みが終わった後に学校行きづらくなるのは、よくあるパターンの一つです。 周りが気づいてたかどうかは別として、1学期は学校に必要以上に適応しようとしていたということです。 そして、夏休みの環境が本人にとっては本来のライフスタイルで「自然な状態」という場合も。 学校に行くことが「無理やりエネルギーを使うこと」になっていたら、学校とは本人にとって「不自然なリズムに合わせないといけない場所」となります。 学校という環境に必要以上に「適応... --- ### 行く? 行かない? 「不登校中の修学旅行」、わが家の選択 - Published: 2024-09-03 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/questionnaire/8604/ - カテゴリー: アンケート - タグ: 無料記事 修学旅行、どうしても行かなきゃダメ? 授業は出られないけど、修学旅行だけ行ってもいい? 子ども本人も親御さんも、大いに迷う不登校中の修学旅行への参加。「不登校オンライン」では、「不登校中の修学旅行」について、アンケート調査を行いました。 不登校の子どものご家庭では、修学旅行についてどんな悩みをお持ちなのでしょうか。また、すでに修学旅行を終えたご家庭では、どう対応されたのでしょうか。 「不登校中の修学旅行とはこういうもの!」とは決して一括りにできない、実に多様な回答が寄せられました。 【関連記事】 アンケート企画第2弾 不登校中の「修学旅行」、どうする? どうした? みなさんの思いを大募集!   はじめに 今回のアンケートには68名から回答があり、そのうち66名が「お子さんは現在不登校中または不登校経験者」である保護者さまでした。 まず、お子さんが現在所属している学校での修学旅行の実施時期について、以下のどれに該当するかご回答いただきました。 これからある(今年度の場合も、来年度以降の場合も)... ... 24名 終了した(その時期、お子さんは不登校だった)... ... 36名 終了した(その時期、お子さんは不登校ではなかった)... ... 3名 修学旅行がない/なかった... ... 5名 このうち、1. これからある(今年度の場合も、来年度以降の場合も)と2. 終了した(その時期、お子さんは不登校だった)に該当する方からお寄せいただいた「声」をご紹介します(趣旨を損ねない範囲で編集を行った部分があります)。   お子さんの修学旅行が「これからある」 修学旅行が「これからある」と回答したのは、68名のうち24名でした。 ◯子どもの気もち 回答のおよそ半数が、「参加したくない」に該当しました。あくまでも保護者を通した子どもの気もち、あるいは保護者の視点で「子どもがどう思っているか」ではあります。しかし、「参加したい」との間に4倍の開きがあることは、注目したい点です。 理由を見てみましょう。 ※以下、コメントの後に「(子どもの現在の所属状況・保護者のペンネーム)」を記載します。 ①参加したい 宿泊先の料理が魅力的だから。また行き先にある歴史的建造物にもともと興味があったから。(小学生・アヒージョさん) きょうだいから聞く、楽しい修学旅行の経験を自分もしたいから。(... --- ### 「友だちがほしい!」 2度目の不登校で「うつ病」と診断された高校生が「居場所」をつくりだすまで - Published: 2024-08-30 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/interview/8528/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2024年9月1日号 同世代と話したい。友だちがほしい――。中学、高校と不登校を経験した三井田和人さんが直面したのは、同世代と話せない寂しさだったといいます。「うつ病」治療で通っていた精神科の医師のひとことをきっかけに、三井田さんは高校3年生のときに、自分が理想とする居場所「自宅待機ぐみ!!!」をつくります。現在は埼玉県の大学に通いながら新しい目標に向かって学ぶ三井田さんが、いま不登校の子どもたちに伝えたいメッセージとは。(聞き手/藤森優香、編集/藤森優香・「不登校オンライン」編集部、写真は三井田和人さん) * * * 不登校は、中学と高校で1回ずつ経験しています。 中学で不登校になったきっかけは、成績が下がったことでした。両親が教育熱心で、成績はいつも中の上くらいをキープしていました。ところが、中学2年の秋のテストで平均点を下回ってしまったんです。 当然、親は怒りました。でもそれは、テストの成績が悪かったからではなく、成績がよくなかったにもかかわらず、まったく悔しがっていない僕の態度が気に入らなかったからでした。 僕はもともと勉強にもテストにも興味がなく、ただ親の期待にこたえるためだけに勉強していました。親と激しく対立し、「勉強なんかしない、学校へは行かない」と言い放ちました。クラスで外見をからかわれる「いじめ」にあっていたことも相まって、そのまま不登校になりました。 僕が不登校になると、両親がしょっちゅうケンカをするようになりました。自分のことで父とケンカして母が泣いているのを部屋のドア越しに見るのは、本当に悲しかったです。 輝いて見えた「高卒」という言葉 自分から不登校になったものの、勉強が遅れることへの焦りや将来への不安で、つらい日々が続きました。 このまま学校に行かなかったら、高校へは行けず、中卒のまま大人になるんだろうな。漠然とそう思いつつも、一度不登校になると学校へ行くには勇気がいります。高校に入学することが夢のようで、「高卒」という言葉がすごく輝いて見えました。 鬱々と過ごしつつも、やはり高校に入学したい、普通の高校生になりたい、という思いは募るばかりです。全日制高校への進学を目指して、中3の夏ごろからいわゆる別室登校を始めます。クラスには入らずに、別の教室で自習をするようになりました。 その後無事に高校受験に成功し、全日制の高校に進みました。 中学でひきこもっていたこと... --- ### 不登校にも「引き算」の解決策を 5年間のフリースクール運営でたどり着いた答え - Published: 2024-08-30 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/8526/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2024年9月1日号 - ハッシュタグ: 不登校の親 絶えず競争にさらされる「評価社会」で、自信を失っている不登校の子どもたち。フリースクールを運営する土橋優平さんは、学校生活だけでなく、子どもが好きだったはずの遊びにさえも、その影響が出ていると語ります。「評価に縛られているのは誰?」。お母さんにも、お父さんにも気づいてほしい、「本当に引き算したいこと」をお伝えします。(連載「出張版お母さんのほけんしつ」第45回・写真は土橋優平さん) フリースクールを運営して5年が経ちます。そこで100名以上の不登校、行き渋りの状態にある子どもたちと関わってきて、子どもたちには何が必要なのだろうとずっと考えてきました。 たどり着いた一つの答えは、つけ足すのではなく、「引き算」することでした。「評価する」という、教育における当たり前になっている価値観を、です。 ある子は、普段好きでやっているゲームにおいて、新しいルールが導入されたり、ほかの強い子が一緒にやりだしたりすると「やーめた」と突然いなくなります。別のある子は、大人から控えめに新しいアクションを提案してみても、「自分にできるかわかんないし」と断ります。 ゲームをやめたのは、自分がやったことがないルールに変わり、また自分より強い子が入ったことで、自分の負ける可能性が高まったからです。それはつまり、「負けること」から逃げたということでもあります。 大人からの提案を断ったのは、自分に自信がないからでした。もっと言えば、その自信のあるなしは、できなかったときの「周りからの見られ方」が気になっているということでもありました。 ここに共通しているのは、周りからの「評価」が、彼らの行動に歯止めをかけてしまっているということ。 私は最近思います。 日本は、学校生活を皮切りにずっと評価され続ける社会なのではないかと。そしてそれは、本当に個々人の幸せを叶えることにつながるのだろうかと。 評価とは、他人との比較の上に成り立ちます。子どもたちはずっと周りと比べられながら生活しています。 どれだけ早く九九ができるか、上手に音読できるか、漢字のミニテストで高い点数をとれるか。跳び箱はどこまで跳べる? テストの点数は? 運動会のかけっこの順位は?  子どもたちは、そんな大人に用意された評価社会の中で生きています。そして、その社会の影響を受けて、子どもたち同士もお互いに評価しあっています。 テストの点数はどちら... --- ### 不登校の高校時代に唯一ハマった「最初で最後の趣味」がもたらした「あの夏の決断」 - Published: 2024-08-30 - Modified: 2024-10-29 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/8524/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】前略、トンネルの底から, 2024年9月1日号 「今いる場所を抜け出す手段も、その意志もなかった」。不登校だった高校時代、限られた行動範囲をあてもなくさまよっていた古川寛太さん。唯一ハマった趣味は、プロ野球観戦でした。そんな古川さんに、母親がある提案をします。高校3年生の夏、通信制高校への転校の決断を迫られる中で、古川さんがとった行動とは。(連載「前略、トンネルの底から」第15回・写真は古川寛太さん) 不登校当時、一度だけひとり旅をしたことがある。高校3年生の夏だった。 卒業の危うい全日制で踏ん張るか、通信制に移ってとりあえず高卒を取るか、そんな狭間の時期だった。相変わらず心は不穏なままだったし、今いる場所で踏ん張りたくともやっぱり空回りして下を向く日々。 結果的に俺は通信高校に編入することになるのだが、旅はその少し前——夏本番に入りかけた七夕の翌日の出来事である。 あのころの旅 学校に行かず、自転車で街をふらついていた「あれ」も、ひとり旅と言えるのかもしれない。感覚としては近いと思う。 とはいえ、精神的にも身体的にも参っている高校生なんて大した距離を移動できない。同級生には会いたくなかったので、小学校の学区から少し外れた低層の建物が並ぶ繁華街を放浪する。 できることなんてそれくらいだった。 バスにも乗らないし電車にも乗らない。もちろん車やバイクもない。今いる場所を抜け出す手段もなければ、そもそもその意志もなかった。 だから、旅をすることになった発端は自分ではない。 きっかけは、母親の一言だった。 「新幹線代出してあげるから、球場に行ってみたら?」 リビングで野球中継を見ていた俺に、母は提案した。 忌まわしきスポーツだったはずが 野球は高校時代の俺が唯一ハマっていたものと言っていい。 小学校6年でプロ野球を知り、中学では晴れて野球部に入部したものの、即いじめられた。下手すぎてフライすらろくに取れず、3年間怒鳴られ続けた忌まわしきスポーツ。 ... ... のはずが、なぜかまだ好きだった。まあ、観るのとプレイするのとは違う。 学校に行かず、たいした興味の対象もなかった自分にとって、プロ野球観戦は数少ない心のオアシスだった。どこかひとつのチームを追った方が楽しいと気づき、不登校期間中の最初で最後の趣味「千葉ロッテマリーンズ」を心に設定する。 そこから約1年後の母から提案。 かくして俺の「千葉・ZOZOマリンスタジアム... --- ### 不登校を「自己責任」から切り離せ。30年の時を経て、不登校経験者が心の底から願うこと - Published: 2024-08-30 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/8522/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】『不登校』30年目の結論, 2024年9月1日号 「私は『不登校した』のではない」。「不登校」を意図的な行為とする捉え方に、異議を唱え続ける詩人・フリーライターの喜久井伸哉さん。「登校拒否」の元になった英語表現「スクール・リフューザル」のもう一つの意味を読み解き、「不登校」の新たな捉え方を提言します。(連載「『不登校』30年目の結論」第7回・写真は喜久井伸哉さん) 「私の『不登校の原因』は、スクール・リフューザルだ」。 もしも、こんなふうに一言で説明することができたなら、どれほど楽だっただろう。 「不登校」は、かつて「登校拒否」と呼ばれていた。その語源となった言葉は、英語の「school refusal(スクール・リフューザル)」だ。「リフューザル」の直訳が、「拒否」にあたる。英語圏の論文が研究されていくなかで、「登校拒否」という訳語が広まっていった。 しかし、臨床心理学者の藤岡孝志によると、「リフューザル」には「障害物を前に立ちすくむ」という意味も含まれている。それをふまえれば、「スクール・リフューザル」は「登校拒否」ではなく、「登校すくみ」と訳せるという。 「登校すくみ」だと、「身体が勝手に動かなくなる」という意味合いになる。自ら意図的に「『する』動き」でなく、体が勝手に「『なる』動き」だ。「登校拒否」によって「行かない」のではなく、身体的に「行けない」というニュアンスが強くなる。 もしも、「スクール・リフューザル」=「登校すくみ」という認識が広まっていたら、「不登校」の歴史は、今とはまったく違うものになっていただろう。「学校に行けない原因は何か」という質問にも、この言葉がそのまま回答として使えたはずだ。「私が学校へ行かない原因は、『スクール・リフューザル(登校すくみ)』だ」と、意図的な行為ではないことを伝えられた。 私の不登校は「行為」ではなく「出来事」だった 自ら「する」のではなく、身体が「なる」動きという点では、吃音やイップスと共通している。どうしても「どもり」が起きてしまう人は、「私がどもる原因は、吃音だ」と言える。暴投してしまうピッチャーは、「私がうまくボールを投げられない原因は、イップスだ」と言える。 問題の「原因」が、行為(随意運動)ではなく、出来事(不随意運動)だということを、簡単に説明できる。重要なのは、「私は〇〇をした」という行為の表現ではなく、「私に〇〇が起きた」という出来事の表現になって... --- ### 子どもと保護者が教師の10倍認識する不登校の要因とは? 内田良氏が提言する「不登校」語りのオルタナティブ - Published: 2024-08-30 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/contribution/8532/ - カテゴリー: 寄稿 - タグ: 会員限定記事, 2024年9月1日号 - ハッシュタグ: いじめ 教師が考える不登校の要因はおよそ3個。それに対し、不登校の子どもや保護者は7個以上の要因をあげている——調査で浮かび上がってきたのは、教師と当事者の間に横たわる、不登校の要因に関する認識の大きな開きでした。教育社会学者・内田良さんは、多くの教師が見逃している「ある要因」に注目し、不登校といじめがセットで語られすぎている現状に警鐘を鳴らします。 (プロフィール) 内田 良(名古屋大学・教授) 名古屋大学大学院教育発達科学研究科・教授。博士(教育学)。 専門は教育社会学。学校のなかで子どもや教師が出遭うさまざまなリスクについて、調査研究ならびに啓発活動をおこなっている。 著書に『教育現場を「臨床」する——学校のリアルと幻想』(慶應義塾大学出版会)、『校則改革』(東洋館出版社、共編著)、『ブラック部活動』(東洋館出版社)、『教育という病』(光文社新書)など。ヤフーオーサーアワード2015受賞。 ■関連記事 ・連載「仮説なんですが... 」vol. 41 教育学者・内田良が「校則はもっとゆるくていい」と考える理由 ・学校再開後に強まる「元どおり」内田良氏が提言する登校以外の道 「いじめ」と「不登校」の連動 2022(令和4)年度の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」では、国公私立の小・中学校の不登校児童生徒数が約29万9千人と過去最多、小・中・高・特別支援学校におけるいじめの認知件数が約68万2千件と過去最多を記録した。 これを受けて文部科学省は、安心して学ぶことができる、「誰一人取り残されない学びの保障」に向けた取り組みの緊急強化が必要との観点から、「不登校・いじめ緊急対策パッケージ」を発表した。 この取り組みに代表されるように、日本の学校教育において「いじめ」と「不登校」は最重要な教育課題に位置づけられている。 いじめも不登校も、子どもの学校生活ひいては人生を大きく左右しかねない事態である。その意味で今後も最重要な課題として私たちは関心を注ぐべきである。 だが一つ気がかりなのは、典型的なケースとして、いじめと不登校がセットで語られることだ。いじめと不登校を連結させる見方が、固定化されてしまう。「いじめを受けて不登校になった」との物語が、個別具体例の検証を経ないままに独り歩きしかねないのだ。 本記事ではあえて、いじめとは別の要因にも注目し、不登校... --- ### あなたの眠れぬ夜に一冊の本を ひきこもり読書のすすめ  第2回『一億三千万人のための小説教室』(高橋源一郎) - Published: 2024-08-30 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/8530/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 無料記事, 【連載】ひきこもり読書のススメ, 2024年9月1日号 何をしていても悲しい。誰とも話したくない。そんなときでも、本を開けば、これまで出逢ったことのない世界、まったく見たことのない景色が広がっているかもしれません。連載「ひきこもり読書のススメ」では、不登校経験者である書籍編集者・ライターの藤森優香が、いま学校に行っていない人・学校が苦手な人におすすめしたい本を紹介していきます。よければ、お子さんに薦めてみてください。第2回は、高橋源一郎著『一億三千万人のための小説教室』です。 私は小説の書き方を教えてくれる「小説の書き方ハウツー」系の本をよく読みます。理由は、小説を書けるようになりたいとずっと思っているのに、うまく小説が書けないから。小説の書き方を教えてもらえそうな本を、つい手に取ってしまうのです。 『書きあぐねている人のための小説入門』(保坂和志著、草思社、2003年)、『WEB小説ヒットの方程式』(田島隆雄著、幻冬舎メディアコンサルティング、2016年)、『小説とシナリオをものにする本』(柏田道夫著、彩流社、2010年)など、いま自宅の本棚にはざっと見ただけで9冊の「小説の書き方を教えてくれる本」がありました。 定期的に本棚にある本を整理しているので手元に9冊しかありませんが、実際に読んだことのある「小説ノウハウ本」はたぶん40~50冊を超えているじゃないかなと思います。 「そんなにたくさん小説を描くためのノウハウを仕入れているのに、小説家になってないじゃん。なんで?」と思う人がいるでしょう。鋭いご指摘です。 「小説の書き方」を読んで小説家になった人はいない!? 今回紹介する『一億三千万人のための小説教室』のまえがきで、著者は「わたしの知っている限り、『小説教室』や『小説の書き方』を読んで小説家になった人はひとりもいません」と断言します。なぜでしょう。それは、「小説家は、小説の書き方を、ひとりで見つけるしかないから」だということです。 すべての傑作といわれる小説は、その小説家が、最後にたったひとりでたどり着いた道、その道を歩いていった果てにあります。そんなのを書く方法なんか、だれにも教えられるわけがない。(「少し長いまえがき」より) いきなり突き放されたような気分になってしまいますが、じっさいのところ、それが真実だと思います。 では、この本には「小説の書き方」が書かれていないのかというと、そんなことはありません。この... --- ### 「学校の外の居場所」はホントに大事? 居場所の有無が不登校傾向に及ぼす影響 - Published: 2024-08-29 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/research/8482/ - カテゴリー: 研究紹介 - タグ: 無料記事 不登校の方のための完全個別指導塾・キズキ共育塾の半村進がお送りする、シリーズ「不登校の最新研究」。第1回は、子どもの学校内外での「居場所感」と不登校の関係について調査した研究をご紹介します。 * * * 近年、「居場所が大切」という言葉をよく耳にします。この場合の居場所とは単に「自分が存在している場所」だけでなく、「ありのままでいられる場所」「自分が役に立っていると思える場所」という意味も含みます。 たしかに「ありのままでいられる場所」「自分が役に立っていると思える場所」があれば、何かつらいことがあってもがんばれる気がしますし、不安なことがあっても、その不安に押しつぶされにくくなるような気がします。 若い人たちにとっては、大人以上にそんな居場所が大事だと言われれば、誰もが「その通り!」と、うなずくに違いありません。 しかしこれまで、実際に「自分には居場所がある」と思えていることが、若い人たち、たとえば中学生にどのような影響を与えているのか、データを取って調べてみるのはなかなか大変なことでした。とくに、それが不登校傾向についてどのように影響するのかは、簡単には計測しにくい問題です。 さまざまな限界はありながらも、その難題に挑んだ研究を見つけました。タイトルはズバリ『学校外の居場所感が不登校傾向に与える影響について』。信州大学の紀要である『信州心理臨床紀要 第23号』に掲載されています。 「学校内」と「学校外」、それぞれの居場所感 この研究の興味深いところは、「居場所」を大きく2つに分けているところです。「学校内での居場所」と「学校外での居場所」です。調査の対象になったのは、ある中学校に所属する1年生から3年生の合計461名です。 この研究では「学校外の居場所」について自由記述で尋ねており、中学生たちがどんなところを「学校外の居場所」として書いたのかもわかります。それを見てみるのもおもしろいかもしれません。 調査の対象になった中学生は、この研究において6つのグループに分類されました。「居場所感が高い」というのは、自分が学校内、あるいは学校外に「居場所を持てている」という感覚を抱けているという意味です。 ①HH 群(学内居場所感も学外居場所感も高い) ②HL 群(学内居場所感が高く学外居場所感が低い) ③HN 群(学内居場所感が高く学外居場所感がない) ④LH 群(学内居... --- ### 「発達障害」がわからない......そんなときは、「特性」ではなく◯◯を見て! - Published: 2024-08-28 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/books/8471/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 無料記事, 発達障害 - ハッシュタグ: 発達障害 いくら調べてもイマイチよくわからない... ... 。発達障害の「わかりにくさ」もまた、発達障害をめぐる困りごとのひとつ。『ぼくらの中の発達障害』(青木省三・著、ちくまプリマー新書、2012年)は、親御さんだけでなく、中学生以上の発達障害当事者にもおすすめの一冊です。「特性」とは別のアプローチで発達障害をとらえてみると、相手の「心」が見えてきます。(評者=内田青子) どれだけ発達障害のことを調べてもわが子のことを理解できない。 そう思われている親御さんは多いのではないだろうか。 また、どんなに発達障害の本を読んでも生きづらさがなくならない。 そう悩む発達障害当事者の方も少なくないと思う。 発達障害について調べてもなかなか困り感がなくならないという人は、発達障害の特性という観点から少し離れた本を読んでみるといいのかもしれない。 『ぼくらの中の発達障害』は、青年期精神医学を専門とする精神科医・青木省三氏が、発達障害に関わる教師、保護者、そして発達障害の当事者に向けて書いた書籍である。 「どんな精神症状も、誰もの心にある」と題された序章冒頭のこの見出しから始まるこの本は、発達障害の人を定型発達の人と同じひとりの人間として見つめる視点から書かれている。 "こだわり""パニック""ぎこちなさ""衝動性"を、医療の対象として解説するだけではなく、「なぜ、彼・彼女は、こだわりやパニックという行動をとるのだろう?」と、ひとりの人間の心の動きとして紐解いていく。 発達障害の人も、人を求めている たとえば、「広汎性発達障害(※)の人は一人が好きで孤独を好む。一人でいても平気だ」という解説を見かけることがある。(※診断名は、書籍発行時(2012年)の名称です。以下同じ) しかし、ある中学生の女の子は、「一人がいいです」ときっぱりと言いながら、家にいる時は学園ドラマを観ていた。少女は、友だちの中に入りたい気持ちを学園ドラマを観ることで慰めていたのだ。 別の子は、一つの曲をくり返し聴いていた。それは発達障害の“こだわり”の特性のように、周りには見えていた。しかし、進級して友だちができた時から、彼女は友だちが聴くほかの曲も聴くようになった。一緒に曲を聴く友だちができて、彼女の一つの曲へのこだわりは消えた。 広汎性発達障害の人が言う「一人がいい」は、「人といて孤独でいるよりは一人がいい」という意... --- ### 「わが子へのいじめ」に対峙した父親の500日間〜わが子からの「いじめSOS」に親はどう対応する?〜 - Published: 2024-08-27 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/parents/8304/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 会員限定記事, いじめ - ハッシュタグ: 不登校の親, いじめ 2024年8月、「不登校オンライン」では、いじめによる不登校の子どものクラス変更や、いじめた子どもの「出席停止措置」などを取り上げています。 文部科学省に聞きました! 2学期からクラス変更はできる? 元校長先生に聞きました! 学年途中のクラス変更、学校はどう考えている? わが子がいじめで不登校に... ... 「いじめた子ども」を出席停止にできない? 今回は、小学生の男の子K君の父親が経験した、いじめ解決に向けた学校との交渉についてご紹介します。 同じようにいじめ(に関する不登校)にお悩みの方の参考となれば幸いです。 ※お子さんや学校が特定されないよう、細部に変更を加えてあります。以下太字はK君の父親のコメントです。 じゃれあいがエスカレートして「いじめ」に 当時小学3年生だった長男が、「学校でいじめられている」と言い出しました。 11月の終わりごろのことです。 クラスメイト数人から、冗談めかしてからかわれたり、小突かれたりすることが続いていたそうです。最初は本人もじゃれあって遊んでいるつもりだったようですが、相手の行動がどんどんエスカレート。 私が話を聞いたときには、もう冗談で「小突かれる」程度ではなく、痛がることをわかっていて「殴られる」状態でした。 その少し前、K君の母親は、同じクラスの子どもの母親から「K君、クラスでいじめられているみたいだけど、大丈夫?」と声をかけられていたそうです。 このことから、K君が受けていた行為が、ほかの子どもから見ても「いじめ」と認識されていたことがわかります。 K君の両親は当初、「子ども同士のことに親がどれくらい口を出していいものか」と、思いあぐねていたといいます。 息子が「いじめられている」と私たちに訴えたとき、これは息子からのSOSだと受け止めて、「わが子へのいじめと徹底的に向き合わなくては」と覚悟を決めました。 その日から、K君の父親の「いじめとの対峙」が始まります。 感情的になると話し合いにならない まず、担任の先生に、息子が「いじめられている」と言い出したことを伝えました。ところが、   息子が受けていた行為は、担任から見ると「いじめ」ではないと。 「じゃれあっている」段階から見ていたからでしょうか。だんだんとエスカレートした様子が、担任の中では見慣れてしまい、いじめと認識できていなかったのかもしれません。子どもにとっ... --- ### 元校長先生に聞きました! 学年途中のクラス変更、学校はどう考えている? - Published: 2024-08-26 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/interview/8312/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事 - ハッシュタグ: COCOLOプラン 「(学年の途中で)クラスを変えてもらいたいのだけど、そんなことできるの?」 「不登校オンライン」では、不登校の子どもの親御さんからのこうしたご相談について、文部科学省に問い合わせました。その回答から、COCOLOプラン(誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策)に「クラス変更に対応すること」が盛り込まれていることがわかりました。 文部科学省に聞きました! 2学期からクラス変更はできる? しかし、現場はなかなか中央省庁の施策どおりにはいかないもの。学校で日々子どもたちと向き合っている先生たちは、この課題についてどのように考えているのでしょうか。 今回は、「学年途中のクラス変更」について、学校側の見解を紹介するために、元公立小学校の校長先生たちにお話をうかがいました。 ※関係する子どもや学校等が特定されないよう、ご協力者はすべて匿名で掲載します。 不登校の子どものクラス変更は「経験がない」 今回の取材に際し、元公立小学校校長の声掛けで、公立中学校校長、療育センター長、養護教諭(定時制高校などで勤務経験)、地方公共団体の不登校担当責任者(すべて東京圏)のご協力を得ることができました。 まず、上記5名の教育関係者に、「不登校の子どもの、学年途中でクラス変更」の実際についてうかがいました。 結論としては、COCOLOプラン実施の前後を問わず、いずれも「経験事例なし」。 子ども本人との合意の上で、一部の教科をほかのクラスで受けるようにした 学級崩壊状態のため、学級集団の立て直しを目的としたクラス変更を実施した といった事例は挙げられたものの、不登校の子どもが、学年途中で単独でクラスを完全移籍する事例はありませんでした。 不登校の子どもが転校するケースはよくあります。しかし、不登校への対応のために学年途中でクラスを変更したケースは、私の現役時代にはなかったですし、教員仲間から聞いたこともないですね(元校長) 「1人のクラス変更」に伴う説明責任 「たった1人クラスを移るだけだから、なんとかなるのでは?」 そう考える保護者の方もいるかもしれません。 しかし、教育現場で長年尽力されている方々の周辺で実施事例がないとなると、学校側としては「そう簡単にはいかない理由」がありそうです。 まず、ほかの子どもの保護者にとって納得のいく説明が難しいと思います。たとえば、からだの不自由な子ど... --- ### 【テキスト開くと...zzz】その睡魔、教材のせいかも?不登校の子どもが「正しい教材選び」で勉強を楽しむ方法 - Published: 2024-08-23 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/8302/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, コラム 不登校の最中でも、自分から勉強に取り組むお子さんはもちろんいらっしゃいます(今がそうじゃなくても、いずれそのときが来ます)。 ですが、「よし!勉強するぞ!」と思ってテキストを開いたのに、わずか数分後には目が虚ろになり、睡魔が襲う... 。 こんな悩みを抱えているお子さんも珍しくありません。 「こんなことではいけない」と思って大音量で音楽を流してみたり、コーヒーを流し込んで無理やり目を開けようと努力をされている方もいらっしゃるかもしれません。 ... ... 。 ここまで読んで、「うちの子がそう!」と共感を覚えていたら、お子さんは「テキストの催眠術」にかかっているかもしれません。 自分に合わないテキストを使い続ける限り、勉強は睡魔との戦いです。 がんばってテキストに取り組むことは大切です。しかしテキストが合わなければ、がんばって進めようとすればするほど「勉強はつらいもの」という無意識の思い込みが生じ、机に向かうことが苦行になります。 勉強(学校や塾)から離れていると、お子さんは「自分に合うテキスト」についての出会いや見極めが難しくなりがちです。 まず「お子さんに合うテキスト選び」から行ってみてはいかがでしょうか? テキスト選びには様々な方法があります。今回はその中から一つポイントをとりあげてご紹介します。 ぜひ、「我が子に合うテキストは何だろう?」と考えを巡らせながら、読んでみてください。 何が書かれているか?よりも○○の観点で選ぶことも大切 「テキストの選び方」の一つに、「見た目で判断する」があります。 見た目とは、字数、色使い、厚さ、行間、イラスト、1ページに記載されている問題数などの要素です。 これらの要素をパッと見たときに「これならできそうと思える」+「テンションがあがる」ことがポイントです。 「えっ、そんな理由で選んでいいの?」と思ったかもしれません。 でも実はこれ、きちんとした理由があります。 「認知的負荷が低い」ことを基準に選ぶことが、心理学的にも正しいからです。 認知的負荷とは、人が新しい情報を学ぶときに頭にかかるストレスのことです。 情報量が多すぎて「頭がいっぱいになるような感覚」は認知的負荷が高い状態です。 文字数が多かったり行間が詰まっていたりで、1ページの情報量が多すぎると、人間の脳はストレスを感じ、認知的負荷が大きくなります。 認知的負荷が高... --- ### ストップ、教材つまみ食い癖!〜飽き性さんの勉強法〜 - Published: 2024-08-22 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/8313/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, コラム 不登校の最中でも、「勉強したい」と思うお子さんはもちろんいます(今がそうじゃなくても、いずれそのときが来ます)。 ですが、学校や勉強から離れていると、「自分に合った勉強法」がわからなかったり、昔はわかっていたのに忘れていたりすることもあります。 例えばお子さんは、「新しい参考書を買って、最初は意気込んで取り組むけれどすぐに飽きて、あんまり読まないうちに投げ出す... 」ということを繰り返したりしていませんか? 今回は、「飽き性さんの、正しい参考書との付き合い方」をお伝えいたします。 「参考書の途中やめ」でお困りでしたら、ぜひ今日から実践していただければと思います。 「同じ参考書を何回も繰り返すといい」ってホント? 「教材のつまみ食い癖・飽き性」の相談への回答として、「参考書は増やしすぎないほうがいい。1冊をやり切り、何度も繰り返すのがよい」というアドバイスを耳にしたことがありませんか? この説は、一般論としては間違いではありません(「お子さんの好み・学力・目的などに応じた適切な参考書を選んでいる」という前提ではあり、また「新たに問題集にも取り組んだ方がいい」という時期が来ることもあります)。 しかし、実際に試してみると、同じ本を繰り返し勉強するのは難しい... 。 「ある1冊の参考書」は、どの章も似たような構造(書き方)になっているので、どうしても飽きがちなのです。 これは、やる気や性格の問題ではありません。人間の脳には新しい刺激を求める性質があるので、どんな方でも同じことを繰り返すとどうしても飽きるのです。 1周するのだって大変なのに、それを3回も5回も繰り返すようにと言われても、実現が難しいですよね... 。 不登校で勉強から離れていたのなら、なおさらかもしれません。 また、発達に特性があって飽きやすい場合も、なおさらかもしれません。 参考書は変えない。変えるのは勉強法 では、どうすれば「1冊の参考書と向き合うことができず、どれも挫折している」という状況を解決できるのでしょうか? その答えは、「参考書それ自体は変えずに、”方法”を変えていく」ことにあります。 ただ何周も同じように繰り返すのではなく、飽きが来ないように方法を変えていくのです。 たとえば、英単語帳一つとっても、下記のようなバリエーションを出すことができます。 単語を見てから和訳を見る 和訳を見てから... --- ### 【2024年9月】不登校の保護者さま向け、無料オンライン勉強会を開催!〜不登校からの進路設計と今から準備できること(東京都・埼玉県・兵庫県版)〜 - Published: 2024-08-22 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/event/8325/ - カテゴリー: イベント - タグ: 無料記事 - ハッシュタグ: 不登校の親 2024年9月、キズキ共育塾(※)・学習カウンセラーによる「不登校からの進路設計と今から準備できること(東京都・埼玉県・兵庫県版)」をテーマにした、無料の勉強会(オンライン)を開催します。 (※不登校オンラインと同じく、株式会社キズキが運営する「不登校の方々のための完全個別指導塾」です) お子さまが不登校になったら、次のようなことが不安になりませんか。 「我が子が不登校になった。これからどうしたらいいんだろう... 」 「進学や学校復帰はあきらめないといけない?」 「不登校の子の将来に向けて、何を準備すればいい?」 キズキ共育塾では、そのような生徒さま・保護者さまのお話をたくさんお聞きしてきました。 そして、学校に行けなかった方が高校や大学に進学し、「自立」できるようにと、これまで約8,000人以上の生徒さまをサポートしてまいりました。 この勉強会は、不登校のお子さまがいらっしゃる保護者の皆さまが、次のようなことがわかる勉強会です。 「これからどうお子さんをサポートすればいいのか」 「何を準備しておけばいいのか」 将来の進路選択に悩まれている方も、お子さまのこれからについて漠然とした不安がある方も、皆さまぜひご参加くださいませ。 勉強会概要 ■登壇者 《兵庫県版》 キズキ共育塾 神戸校(※) 教室長 兼 学習カウンセラー 拝野真子(はいの・まこ) ※10/1開校 《埼玉県版》 キズキ共育塾 教室長 兼 学習カウンセラー 末永雅彦(すえなが・まさひこ) 《東京都版》 キズキ共育塾 教室長 兼 学習カウンセラー 石本真吾(いしもと・しんご) ■勉強会テーマ 不登校からの進路設計と今から準備できること(東京都・埼玉県・兵庫県版) ■実施日時 以下のいずれかをお選びください(※各回の実施内容は同一です)。 《兵庫県版》 9/5(木)20:00~21:30 9/11(水)20:00~21:30 9/21(土)10:30~12:00 《埼玉県版》 9/6(金)20:00~21:30 9/14(土)10:30~12:00 9/19(木)20:00~21:30 《東京都版》 9/7(土)10:30~12:00 9/12(木)20:00~21:30 9/17(火)20:00~21:30 ■開催方法 オンライン(ZOOM) ■参加費 無料 ■勉強会の対象 以下のようなご状況の、中学生〜... --- ### 「不登校から受験を目指す!けれど勉強の成果に一喜一憂…」心の”雑音”とうまく付き合うには?~心理学に基づいた勉強サポート術~ - Published: 2024-08-21 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/8328/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, コラム - ハッシュタグ: 受験 不登校から高校受験や大学受験を目指すお子さんはたくさんいらっしゃいます。 そして、受験生には不安がつきもの。不登校であればなおさらかもしれません。 お子さんは、いま、次のようなお悩みを抱えていませんか? 「本当に不登校から合格できるんだろうか」 「気持ちの浮き沈みがあって、安定して勉強に集中できない... 」 「受験に落ちたらどうしよう... などとついネガティブに考えて、気が散る」 「勉強以外の悩みごともあって、なかなか勉強に手がつかない」 今回は、これらの悩みに有効な「ご家庭でのサポート法」をご紹介します。 現在受験生であるお子さんの親御さんも、そうでない親御さんにも役立つ内容を心掛けました。ぜひ今日から実践いただけますと幸いです。 「勉強の成果に一喜一憂でぐったり... 」 ザワザワ、ソワソワ、モヤモヤ、グスグス、イライラ... 。 私たちの心の中には実に多くの感情が渦巻いています。 それがポジティブなものであればやる気にもつながりますが、日によってはネガティブな気持ちも混ざってくる。 そうなると、やる気がダウンすることもあることでしょう。 受験生であれば、「勉強の成果(テスト・模試・過去問の結果など)に一喜一憂してもう疲れた... 」などという状態になることも(※)。 (※一喜一憂ではなく、「憂鬱な気持ち」がずっと続いている場合には、ご家庭で抱え込まず、医療機関・専門機関の力を借りることを考えましょう) こうした気持ちのジェットコースターはお子さんの「勉強心」の大敵です。 「勉強に集中できない」という現象の裏に、こうした無自覚の問題が隠れている場合もあります。 暗記の仕方や集中法について詳しく解説している受験ハック情報は多いです。 そして実は、この「心の雑音」とのうまい付き合い方についてもおさえておくことが、とても重要なのです。 心の雑音とうまく付き合うコツ、「アクティブリスニング」とは 心の雑音とうまく付き合って勉強するコツはたくさんあります。 その中でも、親御さんがお子さんにできることの一つに「アクティブリスニング(積極的傾聴)」があります。 アクティブリスニングとは、「相手の気持ちを理解するために耳を傾けること」です。 心理学者カール・ロジャーズが唱えた技法で、とても有名なので一度は耳にしたことがある方も多いでしょう。 このアクティブリスニングは、不登... --- ### 【アンケート企画第2弾】不登校中の「修学旅行」、どうする? どうした? みなさんの思いを大募集! - Published: 2024-08-20 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/questionnaire/8335/ - カテゴリー: アンケート - タグ: 無料記事 【2024年9月3日追記】 アンケートへのご協力、誠にありがとうございました。 いただいた回答をもとに記事を作成しましたので、ぜひご覧ください(アンケートの回答については、無料でご覧いただけます)。 行く? 行かない? 「不登校中の修学旅行」、わが家の選択 【2024年8月26日追記】 アンケートの募集は締め切りました。ご回答、ありがとうございます。現在記事を作成中ですので、公開までもうしばらくお待ちください(追記ここまで)。 ーーーーー 現在「不登校オンライン」では、不登校のお子さんの修学旅行に関する記事を作成中です。 修学旅行、どうしても行かなきゃダメ? 授業は出られないけど、修学旅行だけ行ってもいい? 不登校の子どもの保護者さまにとって、いちばん悩ましい学校行事かもしれません。 今回の記事作成にあたり、不登校のお子さん・不登校経験のあるお子さんを育てる保護者さまを対象にアンケート調査を行います。 お子さんの修学旅行への参加・不参加にかかわらず、次のようなケースにあてはまる保護者さまからのご回答をお待ちしています。 不登校中のお子さんの学校で、これから修学旅行がある お子さんが不登校中に、修学旅行があった 「不登校と修学旅行」について考えや思いがある など アンケートにお寄せいただいたみなさんの声が、同じ悩みに直面している保護者さまとお子さんの助けになります。 ぜひ、みなさんの「不登校中の修学旅行」についての思いやご経験をお聞かせください。 【アンケート実施方法】 募集は終了しました。 【ご回答期限】 募集は終了しました。 みなさまからの、たくさんの「声」をお待ちしています。 ご一緒に、お子さんの「子ども時代」を、より生きやすいものにしていきましょう! ※質問の内容には、おつらい出来事などを思い出すものがあるかもしれません。おつらい場合は無理にお続けにならず、すぐに中止していただいて構いません。 【前回のアンケート記事はこちら】 ・夏休みなんて嫌い!? 不登校の子どもと親が「夏の帰省」にイマイチ乗り気になれない理由 ・「夏の帰省」はパスしていい!?  どうしても避けられないときの攻略法 --- ### わが子がいじめで不登校に......「いじめた子ども」を出席停止にできない? - Published: 2024-08-20 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/8338/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, コラム, いじめ - ハッシュタグ: いじめ 「いじめられた側が不登校になって、友だちと過ごす時間や学習の機会が奪われているのに、いじめた側がそのまま登校し続けているのは納得いかない」。 いじめが原因で不登校になった子どもの親なら、多かれ少なかれ、こうした思いを抱くことがあるかもしれません。 いじめた子どもへの対応には、何かルールがあるのでしょうか。また、いじめられた子どもの親にできることはあるのでしょうか。 ※以下、数字の出典は、文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」 「子ども自身が苦痛を感じている」ことがあれば、それは「いじめ」 わかるようでわからない、「いじめ」。何がいじめで、何がいじめではないのか。 特に学校でのいじめについては、平成25(2013)年に施行された「いじめ防止対策推進法」で、こう定義されています。 (定義) 第二条 この法律において「いじめ」とは、児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。 (出典:文部科学省ウェブサイト「いじめ防止対策推進法」(太字は編集部。以下同様)) 法律の文章だと難しく見えますが、この法律でいう「いじめ」とはつまり、「ほかの子どもから何かされたことで、本人が心や体に苦痛を感じている」場合のことです。 「大人から見ていじめかどうか」ではなく、「子ども本人が苦痛を感じているかどうか」が判断基準になっています。 いじめた子を「出席停止措置」にできる? 「いじめ防止対策推進法」には、明確にこう書かれています。 (いじめの禁止) 第四条 児童等は、いじめを行ってはならない。 「いじめ」は法律ではっきりと禁止されています。とはいえ、いじめを行った場合の罰則は定められていません。 罰則ではありませんが、いじめた子どもへの対応については明記されています。その1つが、「出席停止制度」です。 (出席停止制度の適切な運用等) 第二十六条 市町村の教育委員会は、いじめを行った児童等の保護者に対して学校教育法第三十五条第一項(同法第四十九条において準用する場合を含む。)の規定に基づき当該児童等の出席停止を命ずる等、いじめを受けた児童等その他... --- ### 文部科学省に聞きました! 2学期からクラス変更はできる? - Published: 2024-08-19 - Modified: 2025-05-06 - URL: https://futoko-online.jp/column/8358/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, コラム, いじめ - 著者: 不登校オンライン編集部 クラス(担任の先生やクラスメイトなど)が合わずに子どもが不登校になったという親御さんから、こんな相談をいただくことがあります。 「2学期からクラスを変えてもらいたいのだけど、そんなこと可能なんでしょうか?」 2024年4月には、新年度の「クラス替えやり直し」が各地で行なわれたことが、大きなニュースになりました。 新学期開始直前の在籍人数の変更や、子ども同士の人間関係への配慮など、理由はさまざま。本格的に学校生活が始まる前に学年全体をシャッフルした「やり直し」事例は、記憶に新しいところです。 では、(2学期の始まり以外の時期も含めて、)不登校から登校を再開したい場合に、学年の途中で1人だけクラスを変更することは可能なのでしょうか? 期間限定! 無料プレゼント あなたの声を聞かせてください 文部科学省に聞いてみた!〜「しくみとしては可能」です〜 学年の途中でクラス変更が可能なのか。 「不登校オンライン」が文部科学省大臣官房総務課広報室に電話取材を行ったところ、ていねいな回答を得られました。 文部科学省として、積極的にクラス変更を勧めてはいませんが、できなくはありません。詳細については、昨年3月に出されたCOCOLOプランの通知(「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策について(通知)」)を、お読みいただければと思います。(取材日:2024年8月1日) つまり、しくみとしては可能なようです。その上で、実際にクラスを変わるためには、学校との調整が必要でしょう。 文部科学省の文書にも「学級替え」は「可能」と書かれている 「COCOLOプランの通知」は、文部科学省のウェブサイトで公開されているので、誰でも閲覧することができます。さっそく見てみましょう。 いじめや教員による体罰や暴言等の不適切な言動や指導が不登校の原因となっている場合、こうした問題の解決に真剣に取り組んだ上で、適切な教育的配慮の下に学級替えや転校の措置を活用することも可能であり、児童生徒又はその保護者が希望する場合には丁寧な相談を行うことが求められること。(太字は編集部。以下同様) 参照:「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策について(通知)」(令和5年3月31日)1-(5) この文書は、各教育委員会や都道府県知事、学校長などにあてて書かれたものです。 では、私たち国民一般に向けて出された「... --- ### 【総合型選抜】「不登校・中退で面接が不安...」でも、コレをおさえれば大丈夫! - Published: 2024-08-16 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/8269/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, コラム - ハッシュタグ: 受験, 大学受験 大学や専門学校の、秋の総合型選抜試験の時期が近づきました。 「総合型選抜に向けて、夏休み中にオープンキャンパスに行った(行く)」という方もいらっしゃることでしょう。 ただ、お子さんに不登校や中退の経験があると、親御さんとしても面接を不安を感じることがあるかもしれません。 「不登校だったことをどう伝えたらいいんだろう... 」 お子さんが不登校を経験していたとしても、そして中退していたとしても、大学や専門学校で学びたいという気持ちを面接でしっかりと伝えられれば大丈夫です。 実際に、「不登校や中退を経験して、総合型選抜で大学・専門学校に合格した先輩」はたくさんいます。 今回は、不登校や中退の経験がある方が面接でよく悩む質問と、その答え方のポイントをご紹介します。 ポイント1:志望理由を明確に伝える ◆「本学を志望した理由をおしえてください」 志望理由は、必ず聞かれる質問です。 事前に志望理由書を提出している場合、面接相手はそれを手元に置きながら話を聞いています。 基本的には、「志望理由書に書いたことと同じことを答える」ことが大切です。 志望理由としては、その大学や専門学校で学びたいことや、やりたいことを率直に答えましょう。 「不登校や中退を経験した自分がこんなことを言っていいのかな」と遠慮する必要はありません。 お子さんがその学校に行きたいと思う理由や、学びたい気持ちを正直に伝えることが重要です。 後のポイントにも共通しますが、「うまく言葉にできない」と感じる場合は、(学校や)塾の先生と一緒に志望理由を考えるとよいでしょう。 ポイント2:高校時代の取り組みを振り返る ◆「高校時代がんばったことを教えてください」 この質問は、不登校や中退を経験したお子さんにとっては、少し答えにくいかもしれません。 この場合、「学外の活動でがんばったこと」を話すとよいでしょう。 ポイントは、「継続したこと」があるかどうかです。 継続したことがあれば、それを話しましょう。 継続したことがなければ、「チャレンジしてみたこと」や「やってみたこと」を書き出してみるとよいです。 大切なのは、その活動で「どのような困難や問題を乗り越えたか」、「どのように成長したか」を説明できることです。 さらに、その経験を、大学や専門学校でどのように活かしたいかを話せると、面接相手によい印象を与えることができます。 ... --- ### 【高校中退】親子の孤独・不安・あせりを解消!<3つのセーフティーネット> - Published: 2024-08-15 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/8265/ - カテゴリー: コラム - タグ: 通信制高校, 無料記事, コラム - ハッシュタグ: 通信制高校, 中退, 高校中退 高校不登校を経て中退をした、または不登校中で中退を考えている... という方は、少なくありません。 お子さん自身も親御さんも、高校中退が決まると、「もうお先真っ暗... ?」というお気持ちになることもあるでしょう。 このコラムでは、高校中退に関連する「孤独と不安」への対処法として、「3つのセーフティーネット」をご紹介します。 お子さんがすでに中退した方・中退を決めた方にも、中退するか悩んでいる状況の方にも役に立つ内容です。 高校中退後には、「孤独感と不安感」こそが気をつけたいポイント ご存じかもしれませんが、高校中退後に取れる道はたくさんあります。 「高校卒業」や「大学進学」というルートだけを見ても、通信制高校や定時制高校への転校、高卒認定試験からの大学受験などがあるのです。 決して「お先真っ暗」などではありません。 しかし、頭ではそう理解していても、お子さんは孤独を感じ、親御さんもとても不安になることでしょう。 それが当然の気持ちですよね。 この「孤独感と不安感」こそが、高校中退後に最も気をつけたいポイントになります。 前提:高校中退者は43,401人いるし、進路もサポート団体もたくさんある 文部科学省の調査によると、2022年度の高校中退者数は、全国で43,401人でした(参考:「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」)。 単純計算だと、1か月に3,617人、1日あたりおよそ119人が高校を中退している計算になります。 こう聞くと、高校中退者は結構多いんだなと感じませんか? これだけ大勢の高校中退者が(毎年)いるということは、逆説的に、「高校を中退しても、その後の進路はたくさんある」「高校中退した人たちをサポートする人たちもたくさんいる」ということになります。 でも、そういうことはあまり知られていないのかもしれません。 お子さんは、高校中退をするかの決断を迫られたり、高校中退を決めたりすると、所属がなくなることへの恐れと不安からあせりが生じ、「自分だけ... 」という「孤独感」が生まれます。 親御さんも不安なことでしょう。 こうなると、親子ともども、冷静に進路のことを考えることが難しくなります 高校中退から「次の一歩」に進んだ人も、支援者も、大勢います。 たくさんの選択肢があるのに、「孤独」という暗闇でそれらが見えなくなるのです。 では、ど... --- ### 【9/2(月)開催】夏休み明けの不登校・行き渋り 初級講座〜「居場所」「勉強」との上手な付き合い方〜 - Published: 2024-08-15 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/event/8108/ - カテゴリー: イベント - タグ: 無料記事 - ハッシュタグ: 石井しこう 夏休み明けは、「学校に行きたくない子どもたち」「行きたいけれども行けない子どもたち」にとって、一番憂うつな季節です。 夏休み前から行き渋り・不登校だった子どもたちはもちろん、夏休み中に行きたくない気持ちがあふれてきた子どもたちも同じです。 学校は、無理やりに行かせないようにしましょう。 「学校を休む時期」が必要なことがあるのです。 そうはいっても、親御さんとしては、「本当に休ませていいの?(※)」「学校以外に、居場所はあるの?」「学校を休んで、勉強は大丈夫なの?」という不安はあるでしょう。 大丈夫です。 居場所はありますし、勉強もできます。 今年は、2024年9月2日(月)が多くの学校にとって「2学期の始まり」です。 この日に、子どもたちの悩みがピークを迎えます。 そこでその日に、お子さんと親御さんのご不安やお悩みを減らし、「次の一歩」を見つけていただくために、「不登校・行き渋りの子どもたちの居場所・勉強との上手な付き合い方」について、無料のオンラインイベントを行います。 下記ご高覧の上、ぜひご参加ください。 ※「休ませていいのかわからない... 」とお悩みの方は、「学校休んだほうがいいよチェックリスト」をご利用ください。 1. イベント概要 テーマ: 夏休み明けの不登校・行き渋り 初級講座〜居場所・勉強との上手な付き合い方〜 登壇者(プロフィールとトークテーマは、この後でご紹介します): 不登校ジャーナリスト・石井しこう オンラインフリースクールBranch代表・中里祐次 キズキ共育塾相談員・半村進 実施日時: 2024年9月2日(月)12時〜13時 開催方法: Youtube Live(当日のURLは、お申し込み後にメールにてご連絡します) 参加フォーム: こちらのGoogleフォームをご利用ください 参加費: 無料 2. 登壇者・トークテーマ紹介 不登校ジャーナリスト 石井しこう(いしい・しこう) 1982年東京都生まれ。自身も不登校であり、NPOで、不登校の子どもや若者、親など400名以上に取材を行なうほか、女優・樹木希林氏や社会学者・小熊英二氏など幅広いジャンルの識者にも不登校をテーマに取材を重ねてきました。著書に『「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること』 ■石井しこうトークテーマ:「これは不登校なの?」初期の兆しについて 子どもが急に「... --- ### 【不登校・行き渋り】「なぜうちの子が...?」終わりなき悩みにサヨナラ!原因追求を超えた新しいアプローチ - Published: 2024-08-14 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/column/8153/ - カテゴリー: コラム - タグ: 会員限定記事 - ハッシュタグ: 不登校の親 お子さんが不登校になったら、「なぜ学校に行きたがらないのだろう」とお考えになるのではないでしょうか。 そして、お子さん本人に話を聞いても、不登校の原因は明確にはわからないという状況は、決して珍しくありません。 そうなると、親御さんとしても「原因がわからないからどう対処したらいいかも分からない... 」と悩むこともあるでしょう。 今回は「なぜ不登校に?」という悩みと向き合う親御さんに向けて、一つの考え方をお伝えさせていただきます。 お子さんが行き渋りをし始めたという段階の方にもお役に立つ内容を心掛けました。少しでも参考になれば幸いです。 なぜなぜ思考は大切だが、重要なのは〇〇 「原因を特定する、なぜなぜ思考」は、解決策を考えるために有効なときもあります。 けれど、不登校については、なぜなぜ思考には落とし穴があります。 それは「友人とうまくいかなかった」「勉強がわからなくなった」「先生とうまくいかなかった」「自分のことなのに、自分でもよくわからない」などたくさんのネガティブな側面に目を向けがちになることです。 「みんなとなじめない」「勉強が得意ではない」など、「何ができないのか」「何が欠けているのか」と延々考え続けることになりがちなのです。 こうした思考になると、親御さんも不安感が強くなりますし、お子さんも「自分はダメな人間なんだ」と感じとる恐れがあります。 ではどうしたらいいのか。 一つの方法として、「なぜだろう?」と考える前に、「どんなふうにいてくれたらいいか?」という理想を先に考えるやり方があります。 「考え方の順番」を変えるのです。 理想から考える新しいアプローチ 具体的には、「なぜ不登校になったのだろう?」と考えるのではなく、「うちの子がどんなふうにいてくれたらいいか?」から考えます。(※) ※「有名大学に行ってほしい」などの親の願望ではなく、「我が子がどんなふうにいてくれたらいいか?」と考えることで、当事者であるお子さんの思いから離れることなく思考することができます。 たとえば、次のようなお考えが出てくるでしょう。 「楽しく勉強してほしい」 「同級生と楽しくすごしてほしい」 「とにかく元気になってほしい」 まずはそこから発想し、その後に「なぜ今不登校なのだろう?」となぜなぜ思考に入ります。 たとえば「楽しく勉強してほしい」という思いを持ってからなぜなぜ思考を... --- ### 【不登校の親御さん必見!】やる気エネルギーの正しいチャージ法<声がけ編> - Published: 2024-08-13 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/column/8031/ - カテゴリー: コラム - タグ: 会員限定記事 - ハッシュタグ: 不登校の親 不登校のお子さんも、ある段階を過ぎると、「勉強してみようかな」と言ってきたり、実際に勉強に取り組んだりしていきます。 そこで親御さんが「不登校の我が子に向いた勉強法を知りたい」と思い、勉強の計画、進め方、集中法についての情報を探すと、多くのノウハウ本やウェブサイトに行き着くでしょう。 筆者自身も、そうやって計画の立て方や集中のコツなどをよく調べます。 しかし、そんな中でふと気づいたことがあります。 それは、「調べて出てくるノウハウは、前から知っているものばかり」ということ。 この記事を読んでいる親御さんも(そしてもしかしたらお子さんも)、同じではないでしょうか? では、ノウハウを知っているのに勉強がうまく進まない場合、その理由は何なのでしょうか。 その答えの一つが「モチベーション(やる気エネルギー)」です。 今回は、(不登校の)お子さんのやる気エネルギーの正しい満たし方についてご紹介します。 今の時代、モチベーションアップに求められるのはティーチング力よりもコーチング力 科学技術やインターネットが発達した今の時代、勉強を教えるのはAIでもできるのかもしれません(「勉強を教えること」を、このコラムでは「ティーチング」と呼びます)。 しかし、ロボットには感情がないため、「それっぽいこと」は言うとしても、「その人」に真に共感したり、感情を動かして勉強のモチベーションを高めたりすることはできません。 それらは、まだまだ人間だからこそできることなのです(「感情を動かしてモチベーションを高めること」を、このコラムでは「コーチング」と呼びます)。 勉強のモチベーションを高めるのは、不登校じゃなくても大変なことがあります。 そして不登校の場合、クラスメイト、日々の授業、受験の話などから離れているため、勉強のモチベーション(やる気エネルギー)がいっそう出てこないことがあるのです。 どんな計画も、集中法も、実践して取り組もうとするやる気エネルギーが土台にあって初めて力を発揮することができます。 この点が、意外と見落とされがちなのです。 ですので今回は特にお子さんのやる気エネルギーを満たすために重要な「声がけ(コーチング)」の観点から解説します。 間違えると逆効果!?やる気アップの声がけのコツ 「お子さんのやる気」と「声がけ(コーチング)」には、深い関係があります。 そして重要なのは、「... --- ### 「家ではしゃべれるのに、学校ではしゃべれない」 場面緘黙(かんもく)症を経験した19歳が、今思うこと - Published: 2024-08-12 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/interview/8182/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2024年8月15日号 家族とは話せるのに、幼稚園や学校など特定の場面では言葉が出なくなる「場面緘黙症」。5歳未満での発症が多く、現在、日本では約500人に1人(※)の子どもたちにこの症状が見られると言われています。必要なことが伝えられなかったり、学校で孤立したりと、当事者でなければ想像しづらい状況も少なくありません。かつて、「場面緘黙症」だった中嶋美咲さん(19歳・仮名)はその渦中に何を考え、何がきっかけで話せるようになったのでしょうか? 当時をふり返っていただきました。(聞き手・編=棚澤明子) ※園山繁樹『幼稚園や学校で話せない子どものための場面緘黙症支援入門』(学苑社、2022年)から * * * 家ではしゃべれるのに... ... ――中嶋さんは、幼稚園のころから小学5〜6年生まで、家ではしゃべれるのに幼稚園や学校ではしゃべれない「場面緘黙症」だったそうですね。当時のことを教えてください。 自分では記憶にないのですが、母いわく、私は3〜4歳のころに「幼稚園にいるときだけしゃべれない」という状態になっていました。何か直接的なきっかけがあったわけではなくて、気づいたら... ... という感じだったようですね。 それ以来、小学5年生までの6年間ほど、学校ではまったくしゃべっていません。困ることはたくさんあったと思うのですが、私にとってはしゃべれないことがふつうの状態だったので、あまり細かいことは覚えていなくて... ... 。学校生活を「すごく楽しい」と思ったことはなかったけれど、不登校になることもなく、なんとなく通っていたような気がします。 私は1人でいることがけっこう好きだったので、友だちの輪から離れてすごすことも多かったのですが、友だちといるときは筆談でコミュニケーションをとっていました。みんなの会話を聞きながら、「もし、私がここでこういうこと言ったらどうなるかな」なんて考えることもありましたね。 1人ずつ前に出てリコーダーを吹くテストができなくて、つらかったことはよく覚えています。しゃべることだけでなく、自分が発する“音”に注目されるのもいやだったのでしょう。 でも、注目を浴びるのが絶対的にいやだというわけではなくて、授業中、ほかの人が思いつかなかったことを思いつくと、「先生が見つけてほめてくれたらいいのにな」と心のなかでつぶやくこともありました。 「病気」でも「個性」でもなく... --- ### 「子どもに進路の話をしても無視される」 そのとき、子どもの心に起こっていること - Published: 2024-08-12 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/8188/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2024年8月15日号 - ハッシュタグ: 不登校の親 夏休み、不登校の子どもの家庭では、進路の悩みが尽きません。フリースクールを運営する土橋優平さんのもとにも、子どもの進路を心配する親からの相談が数多く寄せられます。「親が思っている以上に、子どもは焦っています」。そう語る土橋さんが伝えたい、進路を決めるときに「いちばんたいせつなこと」とは。お母さんにも、お父さんにも読んでほしい、人気連載第44回!(連載「出張版お母さんのほけんしつ」第44回・写真は土橋優平さん) 夏休み中、子どもの進路先の検討に時間を費やしたご家庭も多いことと思います。中3、高3の子どもがいるご家庭はもちろん、数年後に進学を控えるご家庭でも、どの時期からどういう動きをすればいいのだろうと悩まれているかもしれません。今回は、不登校の子どもの進路の決め方についてお伝えします。 この時期、子どもの進路のことがはっきりせず、手をこまねいている親御さんも多いでしょう。よく聞くのは「子どもに進路の話をしても無視されるんです。もう時間も迫っている中で早く決めないと、と思って」という声です。 時間が迫っていることも事実です。でも実は、子どもはそれをちゃんとわかっています。 わかっているからこそ、親御さんの想像以上に焦っているんです。親の声かけに応じないのは、焦っているから。進路に向き合うのが怖いから、自分のこの先の未来に自信がないからなんです。 だからみなさんには、子どものその気持ちに寄り添う言葉を選んでいただきたいと思います。「進路どうするの?」ではなく「進路のこと、もし何か悩んでいたらいつでも言ってね。一緒に考えるからね」と、子どもの味方であることを言葉で伝えてください。 子どもはその声かけによって安心して、自分のタイミングで考えることができるようになります。その上で、じっくりと待ってあげてください。子どもには自分で決める力がある。そう信じて待ってあげてください。 オープンスクールや高校説明会などは、夏休み中に多く実施されます。そのため、周りに合わせて、自分たちもこの時期に進路を決めてしまいたいと思われるかもしれません。ですが、実際に私の身近では、秋から冬にかけて決める子が多いです。そのすべての子たちが、自分で決めた進学先へ無事に進み、今は高校へ通っています。 不登校を経験している子の中には、通信制高校を選ぶ子もたくさんいます。そうした高校は、比較的遅くまで受験が... --- ### 「学校に通う夢を見た」不登校中のオレが何よりも望んでいたこと - Published: 2024-08-12 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/8174/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】前略、トンネルの底から, 2024年8月15日号 高校入学直後に学校へ行けなくなった古川寛太さんが、眠れない夜をすごすなかで渇望したのは、「学校に通う夢を見る」ことだったといいます。不登校中のリアルな感情を書いていただきました。(連載「前略、トンネルの底から」第14回・写真は古川寛太さん) 夜、部屋の明かりを落とすと、目覚まし時計は分針と時針しか見えない。確認するたびに大きく形を変える2本の発光棒に、俺は恐怖する。みっともない姿で高校生を消費する俺を、奴らは待ってなどくれない。より明瞭に、何らかの終わりへと、どんどん近づいていくような感覚がある。唯一蛍光剤のついていない秒針は、あやしく光る分針と時針の上を、せわしなく横切っていく。60秒は月初めのスマホのネット接続くらい速い。 家族の誰よりも早く自室にこもって布団に入ったのに、気づけば日づけが変わり、すでに2時を回っている。早く寝たいのに眠れない。明日の午前の授業だって、行かなければマズい。課題にはまったく手をつけていないのだが。 考えて考えて考えて、ふと疲労で思考に空白ができる深夜3時ごろ、ようやく俺は意識を失った。 夢のなかだけは「ふつうの高校生」 夢はよい。不登校当時、あらゆるものの中で最も渇望していた対象かもしれない。もちろん、寝る時に見るほうの「夢」である。 理由はシンプルで、 「学校に通っている自分が登場するから」。その世界では俺は当然のように教室にいて、授業を受けていた。現実と変わらず仲のいい人はいないし、決してキラキラとした生活ではなかったのだが、少なくとも「学校に通えない」という罪悪感からは解放された自分がいた。 罪の意識という重荷を下ろした人間のロールプレイ、つまり「普通の高校生」でいることを、あの時の俺は何よりも望んでいた。夢の中で当たり前のように他人と会話している時間は、ぼんやりとしているが、確かに、楽しいものだったと言えるだろう。現実世界との強めのギャップが効いている分、センセーショナルな思い出だった。 少なくとも「学校に通えない」という罪悪感からは解放されていた。それこそが、あのころ俺が何より望んでいたことだ。 ... ... ふと、家族が忙しく朝の準備をする音で目覚める。階段を下りる音、シャワーを浴びる音、クローゼットを開ける音... ... 。一度下りたはずの足音が、再び階段を上がって来る。昨晩、散々眺めた時計越しにドアが開いた。 「... --- ### なぜ「不登校の原因は?」に答えられないのか。苦悩の末に、不登校経験者がたどり着いた根本的な理由 - Published: 2024-08-12 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/8159/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】『不登校』30年目の結論, 2024年8月15日号 「なぜ学校へ行けないのか」。その問いに明確に答えられず、長年苦しんできたという喜久井伸哉さん。大人になって、そもそもその問いが「回答可能なものかどうか」という疑問に行き当たります。一見シンプルな問いに潜む「あいまいさ」が招く、「不登校の原因」をわかりにくくしてきた問題とは? ていねいに、注意深く読みたい考察です。(連載「『不登校』30年目の結論」第6回・写真は喜久井伸哉さん) 「不登校の原因は何か?」 私は、このシンプルな問いかけに答えられないせいで、ずっと苦しんできた。長いあいだ、「回答できないのは自分のせいだ」と思っていた。しかし今の私は、「質問のほうに問題がある」と思っている。 答えられないのは、「不登校」という言葉の使われ方があいまいすぎるせいだ。あいまいな質問に、明確に回答することなどできない。 私にとって重要なポイントは、「不登校」が「非意図的な状態」だったことだ。この点をはっきりさせなければ、「不登校の原因」を正確に伝えることはできない。 「行かない」のか「行けない」のか、それが問題だ 「不登校」の子どもの中には、自らの選択によって「『行かない』行為」をしている子がいる。「私は教育制度が嫌だから、ホームエデュケーションを選んだ」「私は学校へ通うことが面倒くさいから、毎日授業をサボっている」などの、意図的な欠席だ。 しかしこのような行為(不登校の「原因」)は、私が伝えたい経験とはまったく関係がない。不登校全般を見ても、「非意図的な状態」が多いと思われる。「私は学校へ行きたいと思っているけれど、どうしても行けない」「私は登校しようとすると、体調が悪くなる」といった状態だ。 「非意図的な状態」の子どもに、ある大人が、「なぜ学校へ行かないのか?」と聞いたとする。これは、「不登校の原因は何か?」という質問と、ほとんど同じ意味だ。たとえ「私が学校へ行かない原因は不登校だ」と答えても、同語反復にしかならない。そのため子どもは、「なぜ学校へ行かないのか?」という問いに対し、「不登校の原因」を答えることになる。 しかし、一般的な日本語には、「非意図的な欠席」を意味する言葉が存在しない。「非意図的な欠席」を表す言葉の代わりに、子どもは「不登校の原因」として、何らかの理由を挙げることになる。「不安だから」「緊張するから」といった回答だ。 このとき大人の側は、「不安」や「緊張... --- ### 「子どもは1人残らず、一生懸命生きている」 現役小学校教員が保護者に伝えたい4つのこと - Published: 2024-08-12 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/interview/8180/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2024年8月15日号 学校支援員を経て小学校教員になり、20年近く教壇に立ち続けている江口ひとみさん(仮名)。現在は、2人の子育てをしながら1年生の担任として奮闘しています。不登校児童・生徒数が激増する学校現場では、この20年で何が変わりつつあるのでしょうか? ご自身が実際に経験した範囲であることを前提に、率直な声を聞かせてくださいました。(聞き手・編集=棚澤明子) * * * 「みんなと同じことをしたくない」 低学年に増える不登校 ――2023年、不登校の児童・生徒数が約30万人に達しました。現役の小学校教員として、どのように受けとめていらっしゃいますか? 去年、育休が明けて2年ぶりに現場復帰したときに、不登校の子が増えていること、しかも低年齢化していることに気づきました。以前は「行きたくない」と言い出すのは高学年の子が中心だったのですが、最近は1〜3年生の子たちのあいだに増えているようです。 理由として多いのは、「集団行動が合わない」「みんなと同じことをしたくない」というものですね。「好き、嫌い」や「合う、合わない」をはっきり表現する子が低学年にも増えているように感じます。それが全国の不登校児童・生徒数の激増に直結しているのかどうかはわかりませんが。 私自身は自分のクラスの子が不登校になった経験がまだないのですが、今やどこのクラスにも不登校の子はいるという状況です。 ――昔の子どもたちは今の子どもたちより集団行動が得意だったのでしょうか。 そんなことはないと思います。たとえ集団行動が苦手でも本人や保護者が口に出さなかっただけなのではないでしょうか。「学校は行かなければならないもの」という考えが大前提としてあったので、「行きたくない」という声が埋もれていただけなのではないかと考えています。 学校側も、かつては無理にでも登校させるようなこともあったので、言っても取り合わなかったのかもしれません。今は、教育を受ける場所の選択肢が増えていることなど、情報を持っている保護者が増えていることもあって、要望を言いやすくなっていると思います。また学校の対応も、「頑張らせる一辺倒」ではなくなってきています。子どもが変わったというより、子どもを取り巻く社会が変わってきているのではないでしょうか。 「どんな子もおいで」とは、もう言えない  私自身は、子どもが「自分はこの場所に合わない」と周囲に伝えられるこ... --- ### 【全文公開】あなたの眠れぬ夜に一冊の本を ひきこもり読書のすすめ  第1回『愛が嫌い』(町屋良平) - Published: 2024-08-12 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/8197/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 無料記事, 【連載】ひきこもり読書のススメ, 2024年8月15日号 何をしていても悲しい。誰とも話したくない。そんなときでも、本を開けば、これまで出逢ったことのない世界、まったく見たことのない景色が広がっているかもしれません。新連載「ひきこもり読書のススメ」では、不登校経験者である書籍編集者・ライターの藤森優香が、いま学校に行っていない人・学校が苦手な人におすすめしたい本を紹介していきます。よければ、お子さんに薦めてみてください。第1回は町屋良平さんの『愛が嫌い』です。 * * * 町屋良平さんは、1983年生まれの小説家です。2019年に『1R1分34秒』(新潮社)で芥川賞を受賞しています。複雑な親子関係や身体の感覚をテーマにした作品が多く、読んでいて登場人物の思考の流れにスルスルと入り込めるようなおもしろさがあります。 単行本『愛が嫌い』には、「しずけさ」「愛が嫌い」「生きるからだ」の3作が収録されています。「しずけさ」「愛が嫌い」を中心に、それぞれの魅力に迫ります。 「しずけさ」 起きているのか寝ているのかーー昼夜逆転の感覚 「しずけさ」は、「なんとなくのゆううつと不眠」によって、「クビのようなかたちで」会社をやめた25歳の青年と、両親が深夜に薬物パーティを開くために毎晩家を追い出される小学生の交流が描かれます。 ... ... このように書くと、親の支配下で生きるしかない小学生の被害者性や、仕事がしたくてもできない若者の社会的な弱さを描いた話、と思われるかもしれませんが、ちょっと違います。 この話のおもしろさは、主人公の思考や感覚がひどくあいまいなことにあります。特に冒頭の青年の語りは、精神の不安定さを顕著にあらわしています。 真夜なかでは、何年も前のことが昨日だ。それは明日のことである感覚とすごく似ている。夜のしたでは記憶と日常がそこらじゅうに散らばっていて、塊になって一挙に襲いかかられるような、特異な時間感覚がある。(p. 6) みえているものをみえているということも、じぶんではよくわからない。 みえていないということはとうぜんわからない。(p. 7) この青年は精神に不調をきたしていますが、引きこもりの経験があれば既視感を覚える方も多いのではないでしょうか。夜中じゅう、起きているのか寝ているのか自分でもよくわからない。自分の感じていることが、夢なのか現実なのかよくわからないまま思考が流れている。こうした感覚は、私自身、... --- ### 「夏の帰省」はパスしていい!? どうしても避けられないときの攻略法 - Published: 2024-08-09 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/column/8140/ - カテゴリー: コラム - タグ: 会員限定記事, コラム 夏休みには実家や親戚宅へ帰省する家族も多いです。不登校の子どもとその家族はどう対応しているのでしょう。 「不登校オンライン」が行なったアンケートの結果からは、親戚の理解を得られずにあれこれと思い悩む親御さんの、深いため息も聞こえてきます。 帰省を避けるには? 避けられない場合にはどうすればいい? 不登校支援の最前線で子どもと保護者双方に寄り添ってきた相談員・半村進さんが、帰省に悩む親御さんに「帰省攻略テクニック」を伝授します! 【関連記事】 ・夏休みなんて嫌い!? 不登校の子どもと親が「夏の帰省」にイマイチ乗り気になれない理由(アンケートの全体的な概要もこちらに記しています) ・「あなたたちに協力したい」娘との衝突を経て、祖父母が『孫の不登校』を理解するまで ・「これからどうする」と聞かれても親だって困る【祖父母と孫の不登校】 * * * 祖父母世代が子育てをした時代と今とでは、不登校に対する考え方が違います。親族であるからこそ、遠慮のない接し方になることもあります。 善意と親密さからの言動に、子も親も傷つき、疲弊してしまう。 そんな場合、どうしたらいいのでしょう。 まず、アンケートで寄せられた声から、対照的な2つの対応方法をご紹介します。(本記事内コメントの括弧内は子どもの学年です。) ◯「まずは摩擦を回避」派 子どもの祖父に学校に行っていないことを話したら、学校へ行くように何度も電話してくるようになり、電話に出るのがつらくなってしまいました。祖父には、子どもが今は学校に行っていることにしています。(中2) ◯「正面からコミュニケーション」派 家族や親族などにも子どもの現状は隠さず伝えます。隠して気まずくなるより、話して相手がどう考えるか、どう反応するかですが、幸いにどの親族も話を聞き、理解して普段通りに接してくれます。 世代によっては学校へ行けないことに罪悪感のような反応もありますが、その時は、今の社会では不登校が多いことや、文部科学省が伝えていること、学校の対応などを伝えて理解してもらっています。 親族と会う時に、学校へ行っていないことを意識したり、気まずく思ったりすることは、親の中で「不登校」がまだ納得できていないからなんだと思います。あとは親族との関係なのではと感じます。 親にも現在はいろんな道があり、サポートする先もたくさんあることを知っておくことは、心... --- ### 【全文無料】夏休みなんて嫌い!? 不登校の子どもと親が「夏の帰省」にイマイチ乗り気になれない理由 - Published: 2024-08-09 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/8146/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, コラム 夏休みには実家や親戚宅へ帰省する家族も多いです。不登校の子どもとその家族はどう対応しているのか、アンケートを取りました。 帰省をしたくない? 帰省を楽しみにしている? みんなはどう感じているのでしょうか? 編集部で考えていた「予想」とは違った思いがあるようです。親と子どものそれぞれの回答を紹介します。 【関連記事】 ・「夏の帰省」はパスしていい!?  どうしても避けられないときの攻略法 ・「あなたたちに協力したい」娘との衝突を経て、祖父母が『孫の不登校』を理解するまで ・「これからどうする」と聞かれても親だって困る【祖父母と孫の不登校】 * * * 親子とも約半数が「親戚と過ごすのが楽しみ」  今回のアンケートでは、「この夏、親戚の訪問・来訪の予定がある」と答えた方たちに、親と子それぞれが「親戚と過ごすことを楽しみにしているか」について、尋ねてみました(37名。全回答数のうち77. 1%)。 「あなた(親御さん)ご自身は、ご親戚と過ごすことを楽しみにしていますか?」 「親御さんご自身が親戚と過ごすことを楽しみにしているか」という質問に対し、次のような回答結果が得られました。 「はい」... ... 54. 1% 「いいえ」... ... 10. 8% 「どちらとも言えない」... ... 24. 3% 「その他」... ... 10. 8% ○親御さんの「はい」の理由(括弧内は子どもの学年。以下同様) コロナ禍でなかなか帰省できず、久しぶりでした。(中3) (祖父母・親戚は)不登校の子どもの気持ちについて、本を読んだり、テレビの特集を観たりして、理解しようとしてくれており、子どもに居心地のよい対応を心がけてくれます。子どもも私も安心です。(小6) (祖父母・親戚は)不登校等関係なく接しているから。(中2) 親戚も不登校に理解があるから。(中3) 義母やおじは子どものことをとても大事に思ってくれており、楽しい経験をさせてもらえるので。(中2) 実家で息抜きできるから。(小6) 不安定な子どもと一緒に過ごす大人が、自分以外にも常にいてくれる環境がありがたい。また、夫の妹も昔不登校だったため、夫の実家の理解は自分の実家よりもある。(小6) 悩みも含めていろいろ話を聞いてもらってきたから。(中2)   「不登校/行き渋りのお子さんは、ご親戚と過ごすことを楽しみにしていますか... --- ### 実体験をもとに不登校を題材にした映画『絆王子と無限の一歩』8/18(日)上映会・不登校についての談話会開催 @扇町ミュージアムキューブ(大阪) - Published: 2024-08-08 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/pr/8053/ - カテゴリー: プレスリリース - タグ: 無料記事 不登校生の理解が広まり学ぶ場所・居場所が整備されている昨今、文科省の調査では4割の当事者が学校内外の専門・相談機関に繋がれていない現状がある。 映画『絆王子と無限の一歩』は、物語を通して不登校のことや支えている人たちのことを伝えるために作成された作品。 取材を元にした高いドキュメンタリー性と青春映画としてのエンターテイメント性が評価され複数の映画祭に招致・受賞を重ね、東京神田ファンタスティックフィルムコンペティション2023では準グランプリを獲得。「ハンブルグ日本映画祭」に推薦され海外上映を果たす。 この度は海外上映を記念し、上映会と不登校についての談話会を開催します。 問い合わせ Mail:tomarigicrs@gmail. com 公式サイト:https://tomarigi-c. jimdofree. com/ 映画の上映依頼を随時受付中 ○公演概要 公演名:『絆王子と無限の一歩』 イベント形式:映画の上映。同日に不登校についての談話会、演技のWSを開催する。 監督・脚本:竹田和哲 原作・プロデューサー:八柳(はちやなぎ)まごいち 映画出演者:りんだ、古谷依織、桜木ひまり、玉井敬大、天希明日香、小野愛寿香、井之上チャル、佐渡山順久、玉垣翔太 日時:2024年8月18日(日) 〇10:30~12:05 本編上映会 アフタートーク 登壇:竹田和哲監督 古谷依織 桜木ひまり 〇12:15~13:15 談話会 ゲスト 山本航平(明誠高等学校北大阪 SHIP 代表) 〇13:30~20:00 竹田監督WS『心をゆさぶる演技』 会場:扇町ミュージアムキューブ 大阪メトロ堺筋線「扇町」駅から徒歩3分 JR 環状線「天満」駅から徒歩7分 作品問い合わせ:tomarigicrs@gmail. com 〇あらすじ ハルコが不登校になった。理由は誰も知らない。幼馴染・カイトは、ハルコの書く小説「絆王子と無限の一歩」を介して彼女の気持ちを知ろうとする。不登校児・ヒバリはハルコを不登校仲間に引き入れようとする。 クラスの優等生・サクラはハルコを学校に連れ戻すために策を練る。それぞれの求める”正しさ”が、苦い痛みと共に絡み合う。実体験を基に描かれる、答えのない問題と向き合う少年少女たちの物語。 ○今までの実績 上映後のこれから 兵庫県内の小学校・中学校教員研修にて使用 大阪府内の大学の... --- ### 「不登校で、苦手科目が多すぎる...」でも大丈夫!どんどん変われる学習法とは!? - Published: 2024-08-08 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/8037/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, コラム - ハッシュタグ: 受験 「お子さんの得意科目は何ですか?」とお尋ねすると、「ぜんぶ苦手なんです」とおっしゃる親御さんは、少なからずいらっしゃいます。 「小学生のときは算数が好きだったんです。でも、不登校になって勉強から離れているうちに、ぜんぶ苦手になっちゃって... 」 「そもそも、(不登校になる前から)あまり勉強が好きじゃないんです」 「本はよく読むけれど、テストになるとどの教科も点が取れなかったんです」 今回は、こうしたお悩みへの解決策をご紹介させていただきます。 「苦手科目が多すぎる... 」そんな状況を脱出するには 不登校で学校の授業にずっと出ていないお子さんは、「どの科目も苦手」になりがちです。 そんなお子さんの親御さんからよくお聞きするお悩みは、次のようなものです。 「理科も社会もふくめて勉強の後れを取り戻したい。でも、5教科を底上げで勉強するにはどうすればいいでしょうか?」 「受験生で、受験まで半年もないんです。ぜんぶ苦手なんですが、今から5教科(3教科)を受験レベルに上げるにはどうすればいいでしょうか?」 このようなあせりと不安の状況にある方におすすめの考え方の一つに、まずは「いきなりすべてをマスターしようとしない」があります。 その上で、「1科目からの巻き込み学習法」という方法があります。 成功体験を味方につけて!1科目からの巻き込み学習法 苦手科目が多いお子さんが、いきなり英・数・国・理・社すべての勉強を始めようとすると、たくさんの「やらなきゃいけないこと」「わからないこと」におしつぶされる可能性があります。 不登校で勉強から離れていたのならなおさらです。 「勉強しはじめたけど、やっぱり自分にはムリだ」と挫折するかもしれません。 まずは、1科目だけ選んで、集中的に勉強してみることをオススメします。 比較的イヤではない科目を1つだけ勉強するのであれば、お子さんも勉強を始めやすいし、続けやすいでしょう。 1科目だけ集中して勉強し、その科目の成績を上げていく。 その科目以外のことは考えなくてもいいから、その科目だけは毎日やってみる。 そうやって成績が上がると、お子さんは「自分はやればできるんだ」という感覚をつかむことができます。 この「やればできる」という成功体験が、この方法の目的です。 今は「できるかどうかわからない」「自分にはムリだ」となっているお子さんも、「やればできる... --- ### 不登校の子が”自分から動き出す”ために、保護者ができるコミュニケーション法 - Published: 2024-08-07 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/8047/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, コラム - ハッシュタグ: 不登校の親 家でずっと過ごしている不登校の子を見ていると、多くの親は「そろそろ何かはじめてみない?」と声がけしたくなると思います。 「そろそろ宿題やってみようか」 「フリースクールに見学に行ってみない?」 しかし、タイミングを見計らったつもりで、やっとの思いで声がけしたのに、子どもの顔がみるみるうちに曇っていく... という経験をされた親御さんも多いと思います。 「わかってるよ!」 そう言って部屋に入って行く子を見て、親は途方にくれます。 家で暇そうにしているのに... ゲームばかりしているのに... どうして何もしようとしないのかしら? 不登校の子の多くは、親が何かを言えば言うほど反発しがちです(≒そういう時期もあります)。 それでは、不登校の子が自ら動き出すためには、どうすればいいのでしょうか? 自発性のカギ、「内発的動機づけ」 「内発的動機づけ」「外発的動機づけ」という言葉を聞いたことがありますか? 「内発的動機づけ」とは、「好奇心や楽しさによって、自ら物事に取り組むこと」を指します。 「英語が喋れるようになりたいから勉強する」「面白いと思いながら数学パズルをどんどん解いていく」といったものが内発的動機づけになります。 「外発的動機づけ」とは、「報酬や罰など、他者からの働きかけによって動くこと」をさします。 「テストでいい点を取ったら褒められるからがんばる」「宿題を出さないと怒られるからやる」といったものが「外発的動機づけ」になります。 これはアメリカの心理学者エドワード・デシ氏とリチャード・ライアン氏によって提唱された「自己決定理論」に基づいています。 子育ての本などでも多く取り上げられているので、ご存じの方も多いかもしれません。 内発的動機づけは、外発的動機づけよりも「長期的にやる気を保つことができる」というメリットがあるだけでなく、行動スピードも早まると言われています。 勉強に限らず、不登校の子が一歩踏み出すときも、「外発的動機づけではなく、いかに内発的動機づけを引き出すか」がカギになります。 「内発的動機づけ」を引き出す働きかけ 不登校の子が「自分から動き出したい」と思うような内発的動機づけをするためには、どうすればいいのでしょうか? ここまでお読みになられた方はおわかりになると思いますが、「勉強しないと叱る」「ご褒美で釣って学校やフリースクールに行かせる」といっ... --- ### 不登校の子が陥りやすい”失敗恐怖症”〜「失敗してもいいよ」と許すことで、子どもは一歩踏み出せる〜 - Published: 2024-08-05 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/8018/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事 不登校の回復期の子が、勉強や学校から離れてしばらく休養するようにと勧められることはよくあります。 「好きなことをさせて、ゆっくり休養させてあげてください」。 このような医師やカウンセラーのアドバイス通りに、親は家の中の居心地を良くして、子どもの回復に努めます。 親の努力の甲斐もあり、子どもは少しずつ元気になっていきます。 家族と一緒であれば外出できるようになった、リビングで好きなテレビドラマを家族と観るようになった、このごろ笑顔が増えた気がする... ところが、少なからぬお子さんは、元気になってきたにも関わらず、なかなか「次の段階」に進もうとしません。 「学校に少しだけ行ってみよう」という親や先生の働きかけを嫌がる。 フリースクールや塾の見学に連れて行っても、通いたくないと渋る。 進路を考えてほしい年齢なのに、勉強や進路探しなどを全然しようとしない。 このような子の反応に、親は「せっかく元気になってきたのに、急かしすぎなのだろうか」と戸惑い、不安になります。 次のステップになかなか移行できないお子さんは、”失敗恐怖症”に陥っている可能性があります。 不登校の子どもは、失敗を恐れがち ”失敗恐怖症”というのは、文字通り、失敗することを極端に恐れている状態を指します。 ずっと家族としか話していない子が、同世代の子がたくさんいる場に行ったり、何年も勉強していない子が勉強を始めたりするとき、大きな恐怖に襲われることがあります。 不登校の子が何を恐れているかというと、「失敗」です。 フリースクールや塾に行って、誰とも喋れなかったらどうしよう... 勉強して、全然わからなかったらどうしよう... 笑われたらイヤだな... 何かをやってみて失敗したら怖い。 それが、”失敗恐怖症”です。 失敗恐怖症の子どもの本音とは 失敗恐怖症の子がよく言う言葉の裏にある本音を紹介します。 「フリースクールなんてめんどくさい」 (=フリースクールに行って、また友だちができなかったらどうするんだよ) 「勉強する意味なんてあるの?高校(大学)に行っても就職できるとは限らないじゃん」 (=勉強して不合格になるよりも、何もしないほうがいいよ... ) 「勉強するって言ってるでしょ!(と言いながら、ズルズルと何もしない)」 (=勉強して、わからなかったら恥ずかしい) 「定期テストはまだ受けたくない」 (=テ... --- ### 「不登校で勉強やる気ゼロ」に効く言葉〜なぜ学ぶのだろうという問いへの答え〜 - Published: 2024-08-02 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/7991/ - カテゴリー: コラム, 不登校, 勉強・進学・進路 - タグ: 無料記事, 人気記事 「不登校の子が勉強しない」という悩みは、多くの親御さんが抱えているもののひとつです。 中には、「もう何か月も(何年も)勉強していない」「小学校からずっと授業に出ていない」という方もいらっしゃいます。 「本人は高校に進学したいって言っているけれど... ... 」 「外出したり、好きなドラマを観たりはできるのに... ... なんで勉強しないのかしら」 親御さんがあの手この手で声をかけてみても... 本人は動けないのか、動かないのか、とにかく動かない。 でも、もうそろそろ進路とか、現実的なことも考えなきゃいけない。 本人のスイッチみたいなものを誰かが押してくれないかと思うけれど、誰に相談すればいいかわからない。 親は途方に暮れて、家でゲームをしている子にキツイ言葉を投げつけてしまう... ... そんなお悩みはありませんか? 不登校の子が勉強をしない原因はいくつもある 不登校の子の状況は、いくつかの段階に分けられます。 心身の休養が必要な「回復期」の子には、無理に勉強をさせずに、様子を見て見守る方がいいでしょう。 その見極めは、医療機関や支援機関などの助言を求めて慎重に行うことをお勧めします。 ただ、気力も十分に回復して、家で退屈そうにしているのに、勉強しない(勉強に取り組み出さない)という子もいます。 そんなお子さんが「勉強しない」原因(タイプ)は、いくつか考えられます。 「ずっと勉強していなかったから、勉強に近づくのが怖い」のかもしれません。 「勉強のやり方が分からないからできない」のかもしれません。 そして、中でも親が手を焼きやすいタイプが、「勉強する意味がわからないから、やる気が起きない」という子です。 「どうして勉強しなきゃいけないの?」という言葉をストレートに親にぶつける子もいます。 不登校の子どもが「勉強する意味がわからないから、勉強のやる気が出ない」と思う理由 不登校の子どもが「勉強のやる気が出ない(勉強する意味がわからない)」と思う理由も、いくつかのパターンに分かれます。 例えば、そもそも学校に行くことにポジティブなイメージを持っておらず、「どうして勉強して高校や大学に進学しなきゃいけないの?」と思っていることがあります。 また、周りにクラスメイトがいたら、「自分だけ勉強できないとマズイ」という気持ちが湧きやすいです(そういうモチベーションの持ち方に... --- ### 【緊急アンケート】夏休みが嫌い!?「夏休みの帰省」へのあなたの思い、聞かせてください! - Published: 2024-07-31 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/parents/7978/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 会員限定記事 【2024年8月9日追記】 アンケートへのご協力、誠にありがとうございました。 いただいた回答をもとに記事を作成しましたので、ぜひご覧ください(アンケートの回答については、無料部分でご覧いただけます)。 ・夏休みなんて嫌い!? 不登校の子どもと親が「夏の帰省」にイマイチ乗り気になれない理由 ・「夏の帰省」はパスしていい!?  どうしても避けられないときの攻略法 ーーーーー 不登校の子どもと親御さんがつぶやく「夏休みが嫌い」。 深刻な悩みなのに、周囲にはなかなか理解してもらえない。 不登校の子どもと親御さんの憂鬱の原因は... ... そう、「帰省」です。 現在「不登校オンライン」では、帰省の時期を過ごしやすくするための記事を作成中です。 夏休みの帰省を苦手に感じているお子さんや保護者さま 「学校のことについて聞かれたらどうしよう?」とご親戚とのかかわり方を不安に思われている方 そんな方々の気持ちを軽くする方法や、具体的にできることを紹介する予定です。 そして、不登校・行き渋りのお子さんを育てる保護者さまを対象に、「夏休みの帰省」に関するアンケート調査を行い、寄せられたお声も掲載したいと考えております。 寄せられたお声が、「同じように、帰省や親戚づきあいにお悩みの保護者さま・お子さん」の助けになります。 夏の帰省など、親戚とのお付き合いに対するあなたとお子さんの思いを、ぜひお聞かせください! 【アンケートはこちら(Googleフォームです)】 ※終了いたしました。 【ご回答期限】 2024年8月7日(水)正午 みなさまからの、たくさんの「ホンネ」をお待ちしています。 重たい気持ちをほんの少しだけ軽くして、ご一緒に暑くて熱い夏を乗り越えましょう! ※質問の内容には、おつらい出来事などを思い出すものがあるかもしれません。おつらい場合は無理にお続けにならず、すぐに中止していただいて構いません。 --- ### 「ダメな母親と思われるのが怖かった」小1で不登校した息子と私の7年間 - Published: 2024-07-29 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/interview/7905/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2024年8月1日号 - ハッシュタグ: 不登校の親 「母親失格じゃないかと怖かった」。そう語るのは、現在中学2年生の息子さんを持つ母親・ハチミツさん。ハチミツさんの息子さんは小学1年生から不登校になりました。周囲の視線や夫との対立に揺れ動いた7年間。ハチミツさんが抱いてきた感情や今の心境についてお話しいただきました。(聞き手・編集=本間友美) * * * 子どもを学校へ行かせないのは親としてダメなのか? ――お子さんの不登校の経緯からお聞かせください。 息子は小学1年生の夏休み明けに「今日から学校行かない」と宣言して不登校になりました。幼稚園のころにも3カ月ほど不登園したことがあったので、私はあまり動揺しませんでした。むしろ、ほっとしました。 息子は小学校に入ってからなんだかテンションが高くて不自然だったんです。「行かない」と言われたときは、「行きたくないなら無理しなくていいんじゃないか」と素直に思いました。私自身、高校時代に摂食障害ですこし不登校したことがあり、自分がつらかったことを思うと、子どもに同じ思いをさせたくないという気持ちがあったんです。 しかし夫は「学校へは行くものだ」という考えで、息子の不登校を受け入れようとしませんでした。実はわが家は、上の娘も一時期不登校だったことがあります。そのときも夫は娘を休ませようとせず、結局娘は行ったり行かなかったりのさみだれ登校を3年間続けたのち、再び学校へ通うようになりました。 夫はこの経験から、「親がうまく子どもにペースをつかませてやれば不登校は解消するんだ」と思ったようです。つまり、娘の再登校が夫にとっての「成功体験」になっていたんです。だから息子が不登校になったときも、「親がしっかりしていれば大丈夫だ」という姿勢でした。 私はそんな夫の圧に負けていました。もともと育った環境の違いから私は夫にコンプレックスを抱いており、自分に自信がなく、夫に強く意見を言えなかったんです。娘のときもそうでしたが、「行きたくないのに無理に行かせるのはよくないだろう」と思いながら、そうした自分の感覚は間違っているのかもしれないと揺れていました。夫が言うように、子どもを学校へ行かせるのが親として正しく、それができない自分は親としてダメなのかと悩んでいました。ただ、息子は意志が固く、「行かない」と宣言してからは本当に全然学校へ行かなくなりました。 人目を気にしながらの外出 ――息子さんの不登... --- ### 不登校の子どもと親の夏休みのすごし方 「夏休みはほかの子もお休み」だからこそできること - Published: 2024-07-29 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/7922/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2024年8月1日号 - ハッシュタグ: 不登校の親 「学校に行かなきゃ軍」と「学校休みたい軍」の争い。フリースクールを運営する土橋優平さんは、不登校の子どもの頭の中は常に戦闘体制だと言います。ほかの子もお休みの夏休みは、不登校の子どもにとって、プレッシャーから解放される癒やしのとき。親子それぞれの「おすすめの夏休みのすごし方」をうかがいました。(連載「出張版お母さんのほけんしつ」第43回・写真は土橋優平さん) * * * 世間は夏休み真っ只中。不登校・行き渋りをしている子どもたちの中には、夏休みになって心が安定してくる子も多くいます。それは「ほかの子もお休みだから、自分も登校していなくても問題はない」と、プレッシャーから解放された状態だからです。「夏休み中、どんなふうにすごしたらいいですか?」というご相談を受けることもあるので、今回はいくつかポイントをお伝えしたいと思います。 1つ目は、子どもが自由に過ごすことをより後押ししてほしい、ということです。上でお伝えしたように「プレッシャーのない中で気持ちが楽になっているのであれば、いろいろチャレンジするチャンスなのでは?」と思われる方もいるかもしれません。でも、実はそれは逆なのです。 夏休み前までは、そのプレッシャーが強くのしかかった状態で生活しているので、ゲームをしたり、昼間から寝ていたりと、どんなに自由に過ごしているように見えても、子どもたちの頭の中は常に戦闘体制。「学校に行かなきゃ軍」と「学校休みたい軍」の争いが起こっているのです。夏休みに入ったということは、戦闘体制がやっと解除されて、本当の意味で休める期間に入ったということです。全力で休めるこの期間に、身体も心も休めるように、今まで以上にプレッシャーをかけずにいてあげてほしいと思います。 「元気そうだし、勉強のことくらい言ってもいいかな」「最近気持ちが上向いてきてるし、進路のこととか話してみようかな」と思われる方もいるかもしれませんが、あまり大きなステップアップは期待せずに接してあげてほしいと思います。夏休みこそ、心を癒やすことのできる貴重な期間です。 2つ目は、夏休みの期間を親御さんが外とつながるチャンスにしてほしい、ということです。夏休みは子どもが普段よりも安定していて、親御さんがされている、子どもへの気遣いやケアの負担を軽減できるタイミングでもあります。これまで直接的に子どもにかけていた時間を、親御さん自身... --- ### 「ああ、また授業に間に合わない」 昼夜逆転の不登校高校生が眠れない夜に考えていたこと - Published: 2024-07-29 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/7916/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】前略、トンネルの底から, 2024年8月1日号 「これ以上どうしろというのだ」。切っても切り離せない不登校と昼夜逆転。高校生で不登校になった古川寛太さんは、つらく、長い夜を過ごしたと言います。「早く寝れば早く起きられるなんて、そんな単純な問題じゃない」。古川さんが、一見すると正しそうな一般論をはねのける理由とは。(連載「前略、トンネルの底から」第13回・写真は古川寛太さん) * * * 夜がつらい。 つらく、長い。毎日そんな夜を過ごしていた。 自分の部屋とは呼べないような、ただ布団と読みかけのマンガが散らばっているだけの一室で再び目を覚ます。いやもうひとつ、壁際に行き場のなくなったアップライトピアノも置かれていた。家の奥の方、8畳ほどのスペースに俺は住んでいた。 不登校になる前は別の大きな部屋を広く使い、弟と枕を向かい合わせにして寝ていた。仲も悪くなかったし、別にそのままでも構わなかったのだが、朝起きず学校にも行かなくなって以降、さすがにバツが悪くなり、隣の部屋に逃げ出したのだ。一応、人生で初めてのひとり部屋だったわけだが、装飾するような趣味も気力もなかったので、本当に布団しか持ち込めていない。日の光があまり入ってこない場所だった。 後ろ倒しで進んでいく時間 二度寝して起きたら10時だったのは昨日寝た時間が遅かったせいで、 昨日寝た時間が遅かったのは昨日起きる時間が遅かったせい。後ろ倒しで時間が進んでいく。ああ、また1限の授業をとばしてしまった、午後までには学校に行かなきゃ。身体を床と平行にしながら最悪の気持ちで目覚まし時計を眺めていると、あっという間に13時。信じられないスピードで針が進んでいく。眼球しか動かせない俺と違って、秒針は働き者だった。 その後急いで準備をして、学校に行けたり行けなかったりして、帰りにだいたい本屋に行って、だいたいだれかに怒られて、夕食もほとんど食べず、身支度もおざなりにして、そしてまた部屋に帰る。午前中は空の色を反射して青く、薄暗かった部屋が、夜は蛍光灯の光で黄色く染まる。相変わらずなんの進展もないまま、この空間に戻ってきた。 「早く寝れば早く起きれるし、昼夜逆転することはない」という意見を聞くと、俺は鼻で笑ってしまう。21時に床についても寝付けるのは翌3時というのがザラだというのに、これ以上どうしろというのだ。ゲームやスマホなど、時間をつぶせるものは持っていなかった。部屋に着いたら... --- ### 「私は『不登校した』のではない。『不登校が起きた』のだ」 経験者が抱く不登校をめぐる表現への違和感 - Published: 2024-07-29 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/7908/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】『不登校』30年目の結論, 2024年8月1日号 「学校へ行こうとしたときだけ、体が動かなくなった」。詩人・フリーライターの喜久井伸哉さんは、自身の不登校は「心」のあり方では語れないと確信しています。自身の不登校について30年近く思索を続けてきた喜久井さんが、イップスと不登校の類似性について考察します。(連載「『不登校』30年目の結論」第5回・写真は喜久井伸哉さん) * * * 私は、自分の意志で「不登校」になったわけではない。「不登校」だったのは、登校しようとしたときに、自分の体が「どうしても思い通りに動かない」状態になったせいだ。そのため、「私は不登校した」という言い方はしたくない。「〇〇した」と言うと、意図的な行為であるかのようなニュアンスになるためだ。吃音の当事者が「私は吃音した」と言ったり、イップスの当事者が「私はイップスした」と言ったりしないことと同様だ。語るとすれば、「吃音が起きた」「イップスが起きた」になるだろう。私も同じ語法で、「不登校が起きた」と言いたい。この点を具体的に伝えるために、イップスについて説明する。 あのイチローもイップスに翻弄された イップスは、「いつ、誰に、なぜ起きるのか」が、専門家にも解明できていない。一応、「緊張や不安などの、心理的な要因が関わっている」といった説明はある。しかし、おおぜいのアスリートの中で、「メンタルが弱い」とされる選手だけに起きるとはかぎらず、イップスのメカニズムは「心理的な要因」だけでは説明がつかない。 元メジャーリーガーのイチロー選手にも、イップスがあった。 テレビ朝日の『報道ステーション』(2016年3月15日放送)のインタビューで、本人が語っている。 イチロー選手は、高校時代にはピッチャーをしていた。しかし、2年生のときにイップスが起こり、ピッチャーの夢を断たれてしまう。イチロー選手は、「あんな、しんどいことないですよ」「一番の僕の野球人生のスランプでしたね」と語る。プロになってからも、完全な「克服」はできておらず、96年にオリックスの選手として日本シリーズを制したときにも、イップスが残っていたという。その後は解消したが、起こらなくなった理由は定かでなく、「これは努力ではどうしようもない」と言う。イチローほどの選手でも、イップスに翻弄されている(参照:飯島智則著『イップスは治る!』 洋泉社、 2018年)。 イップスとジストニア イップスにしても、... --- ### 「行きたくない日だってある」。古い固定観念を捨てたら、不登校の先にある未来が見えてきた - Published: 2024-07-29 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/7913/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】自由登校のわが家, 2024年8月1日号 - ハッシュタグ: 不登校の親 「学校へ行くか行かないか、子どもたちが自分で決める」。そんな実践をされているのはライター・宮國実加さんのご家族。4人の子どものうち3人が定義の上では「不登校」ですが、宮國さんもご家族も、心ゆたかな日々を送っているようです。宮國さん自身が経験した不登校のつらい記憶から、「自己肯定感を失わずに生きること」を大切に子育てを続ける宮國さん。学校へ行かない「休憩日」を思い思いに過ごす子どもたちの姿から見出した、宮國さんが考える「子育て」とは? 好評連載・最終回です!(連載「自由登校のわが家」第3回/文=宮國実加・イラスト=今じんこ) * * * これまでわが家の「自由登校」についてお伝えしてきました。今回が最終回です。 小学6年、5年、3年生の子どもたちが、自分で学校に行く日を決めるわが家の自由登校ですが、休んだ日はそれぞれ気ままに過ごしています。このごろ定番になっているのは、お昼ごはんを自分で作ることです。先日は長男が夕飯分までカレーをたくさん作ってくれました。次男はコーンスープや卵焼きが得意で、三男はホットケーキをうら返すのが上手になってきました。そうめんを茹でる、おもちを焼くなども、子どもたちのお昼の定番メニューです。 「休みたい」と声をあげるのも、大切な能力 そんな子どもたちを見ながら、子育ての目的ってなんだろう?と考えます。 今、目の前にある小学校や中学校に行くことだけを目標にするのか? それともその先の長い人生を見るのか? 不登校について前者に目を向けるのであれば、何らかの理由で子どもは登校したくないのに、親は行かせたい。両者のゴールが違うので平行線のままです。子どもも親も苦しいし、さまざまな衝突が生まれて当然です。まさに私がかつて、小学生で不登校になったときはこのパターンでした。 しかし後者の、子どものその後の人生に目を向けるとすれば、「行きたくない日だってあるよね。休憩だって必要だよね」と、子どもと親が同じ認識に立つこともできるはずです。そうすれば、おたがいを尊重し合い、気持ちよく生活できます。子どもが「キツイな、つかれたな」と感じたとき、自分の気持ちに気づいて「休みたい」と声をあげることは、わがままでも弱いことでもありません。むしろ生きていく上で大切な能力ではないでしょうか。 人生の中で義務教育期間はほんのわずかな期間です。たとえ学校に行かなくても、生きる力... --- ### 「不登校を挽回しなきゃ」 そう思っていた私の現在地 - Published: 2024-07-29 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/children/7920/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 2024年8月1日号 「不登校した分、人生を取り返さなきゃ」。人生を挽回しようと、就職活動に臨んだ山本優美(ゆうみ)さん(仮名)。しかし、人からどう見られるかを意識して選んだ仕事に違和感を抱きます。離職後、自分軸で生きる道を歩む山本さんに、気づきを与えてくれたひとこととは? 半生をふり返り、今、自身の不登校について思うことを綴っていただきました。(文=山本優美) * * * 「不登校はいい経験だった」と思っていたけれど 私が不登校になったのは高校1年生のときだ。小学生のころから感じていた学校への窮屈感、きびしい受験塾に通っていた疲れ、希望する学校へ入れなかったショックなど、ストレスが積み重なって爆発し、入学してすぐに「もう行きたくない」となった。その後は悩んだ結果、もとの学校へ復帰することは断念し、その年の秋に通信制高校へ転入する。 不登校中はつらかった。「なんでこうなったのか」と自分を責め、「これからどうやって生きていけばいいのか」と絶望していた。しかし、通信制高校へ入ってすこしずつ元気になっていった。私が入った学校は学年もクラスもなく、自分で履修計画を立てて単位を取得していくシステムで、生徒の自主性が重んじられていた。私は何でも自分で決めて行動に移していけるのがうれしかった。 「不登校にならなかったら、こんな学校に来ていなかっただろうな」と私は思っていた。かつては一度入った高校をドロップアウトした自分をふがいなく思っていたけれど、それがあったから今の充実した生活があるのだと、私は不登校経験を「いい経験」のように思い始めた。 しかし高校卒業後、大学へ進学して、社会へ出ることを意識すると、「私は不登校というマイナスの経験をしているから、これから人生を挽回しなければならない」と思うようになってしまった。なぜだろうか。 「一発逆転」を意識したワケ 不登校をマイナスの経験と思うようになったのは、 もともと後ろ暗い思いがあったからだ。「不登校がなければ今の自分はなかった」と不登校を肯定する気持ちがありながらも私は、ふとしたときに「あのときはやっぱり逃げただけなのかな」と考えることがあったのだ。それは、自分のなかに「不登校は社会のレールから外れることだ」という価値観が根強くあったからだと思う。 いつか軌道修正しないといけない。人生を巻き返さないといけない。将来を意識するとそうした考えがついて回った... --- ### 2024年7月26日開催オンラインイベント「キズキのベテランスタッフが伝授!夏の勉強計画のウラ技とは?」 - Published: 2024-07-23 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/event/7880/ - カテゴリー: イベント - タグ: 会員限定記事 2024年7月26日(金)20時~20時30分、「不登校専門の完全個別指導塾・キズキ共育塾」の不登校相談員・半村進さんが、オンライン講演会を開催します。 テーマは「キズキのベテランスタッフが伝授!夏の勉強計画のウラ技とは?」。 ご参加いただけるのは、「不登校の親御さん専用のオンラインコミュニティー・親コミュ」の会員様です。下記ご高覧の上、ぜひ親コミュ・イベントにご参加ください。 ■イベント趣旨〜キズキのベテランスタッフが伝授!夏の勉強計画のウラ技とは?〜 夏休みシーズンです。この時期は、不登校ではないお子さんたちも、学校の授業はありません。 そのためか、不登校のお子さんの中には、夏休み前や夏休みが始まったばかりのときに「夏休み中に勉強を取り戻す!みんなに追いつく!」と張り切る方がいらっしゃいます。 ですが、夏休みが終わった後の、「時間はあったはずなのに、なぜか勉強がうまく進まなかった... 」という声は、珍しくありません。 そうなると、「自分はダメだった... ナマケモノだ... 」という自己否定にもつながります。 しかし、それは「長期的な計画を立てるときの、効果的な考え方」を知らないだけかもしれません。 「時間があるはずの夏休み期間で勉強が進まない」のはなぜでしょうか。 そして、「夏休みの正しい勉強計画の立て方」とはどのようなものでしょうか。 ちょっとした考え方を知るだけで、計画を上手に立てられるようになり、勉強の継続につながりやすくなります。 お伝えする内容は、「不登校ではなくなったとき」や「夏休み以外の時期」の計画・スケジュール作成にも役立ちます。ぜひご参加ください。 イベント実施日時など 実施日時: 2024年7月26日(金)20時~20時30分 講演テーマ: キズキのベテランスタッフが伝授!夏の勉強計画のウラ技とは? 講師: 半村進(キズキ共育塾 不登校相談員) 実施方法: Zoomを利用したオンライン講演会です。参加者様は、顔や名前をお出しいただく必要はございません。ZoomのURLは、親コミュ内でお伝えします。 参加対象: 「不登校の親専用オンラインコミュニティー・親コミュ」の会員様限定限定でご参加いただけます。 参加料金: 無料(親コミュの会員費用に含まれます)。 【親コミュとは】 親コミュは、キズキが運営する、「不登校のお子さんがいる親御さん」専用... --- ### 2024年8月5日開催オンラインイベント「『子どもへのイライラが止まらない』叱る子育てを手放す方法 - Published: 2024-07-23 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/event/7871/ - カテゴリー: イベント - タグ: 会員限定記事 2024年8月5日(月)14時半~16時、臨床心理士の村中直人さんをお招きして、オンラインイベント「『子どもへのイライラが止まらない』叱る子育てを手放す方法」を開催します。 イベントにご参加いただけるのは、「不登校の親御さん専用のオンラインコミュニティー・親コミュ」の会員様です。 下記ご高覧の上、ぜひ親コミュ・イベントにご参加ください。 イベント趣旨〜「子どもへのイライラが止まらない」叱る子育てを手放す方法〜 お子さんの不登校で悩み、いら立ちが止まらなくなっていませんか? お子さんを「叱りたくないけど叱ってしまう」ことにお悩みではありませんか? 不登校や行き渋りそのものについても、「学校に行かずにゲーム三昧や昼夜逆転」などの状態についても、「思わず叱らずにはいられない」と悩まれる親御さんが多数いらっしゃいます。 また、叱ることはぐっと抑えられたとしても、「人は我慢しなければ成長しない」というマインドを捨てきれない方も多くいらっしゃるようです。 「叱る依存」のメカニズムを知り、「叱る依存」を手放す方法を知ることで、親子がともに楽になれる子育てのヒントが得られます。 【イベント実施日時など】 実施日時: 2024年8月5日(月)14時半~16時 講演テーマ: 「『子どもへのイライラが止まらない』叱る子育てを手放す方法 登壇者: 講師・村中直人さん(臨床心理士) 実施方法: Zoomを利用したオンライン講演会です。参加者様は、顔や名前をお出しいただく必要はございません。ZoomのURLは、親コミュ内でお伝えします。 参加対象: キズキが運営する不登校の親専用オンラインコミュニティー「親コミュ」の会員様限定限定でご参加いただけます。 参加料金: 無料(親コミュの会員費用に含まれます)。 【親コミュとは】 親コミュは、キズキが運営する、「不登校のお子さんがいる親御さん」専用のオンラインコミュニティーです。チャットを通じて、不登校の親同士で、悩みを解決し合ったり、雑談したりできます。 また、会員様限定のオンラインイベント(講演会)なども実施。専門家による確かな知識を得られます。 親コミュには、スマホのLINEアプリを通じて参加できます。LINEとは異なるニックネームとプロフィール画像を利用できるので、プライバシーも万全。 料金は月額1,000円(税込・クレジットカード決済のみ)... --- ### 5年以上引きこもった男性が伝える、「過去をクヨクヨしなくなる方法」 - Published: 2024-07-22 - Modified: 2024-10-16 - URL: https://futoko-online.jp/children/6703/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり 岡田和哉さん(仮名・取材当時20代)は、高校入学とほぼ同時に不登校となり、そのまま5年以上のひきこもりとなりました。 今でこそ働いている岡田さんは、「不登校・引きこもりの当時は、とにかく苦しかった」ことを覚えています。 この記事は、岡田さんが、「不登校・ひきこもりの親御さんやご本人に伝えたいこと」を執筆したものです。 岡田さんは、「ある意味、いまの自分が当時の自分や親に対して書く『手紙』のようなものかもしれません。この『手紙』が、読んでいるあなたの今後に、何かしらプラスとなれば幸いです」と言っています。 そんな岡田さんが語る、「過去をクヨクヨしなくなるための方法」とは。 どうしても12時間寝る、ジョギングをしても足がつる〜そんな状況も、少しずつ変えられる〜 私は、人が不登校やひきこもりとなるのは、特別なことではないと思っています。 どんな人間でも、傷つくことや苦しいことがあれば、休むことや逃げることが必要だからです。 ですが、不登校・ひきこもり当事者は「悩みの悪循環」に陥りやすく、そうなると事態の解決が難しくなっていくのも事実です。 今まさに悪循環の中にあるお子さん・親御さんには、未来に希望があることを信じてほしいです。 悪循環は、必ず好循環に変えることができます。 と、言葉で言うのは簡単ですが、実際はそんなに簡単ではないことは、私もよくわかっています。私自身、 規則正しい生活を身につけようとしても、どうしても12時間以上寝てしまって、昼夜逆転はなかなか治りませんでした。 体力をつけようとジョギングを始めても、最初はすぐに足がつってしまい、なかなか成果は出ませんでした。 あなたのお子さんも、「学校に行けるようになりたい」「学校には行けなくていいけど、ひきこもりからは脱出したい」などと考え、もがくけれども結果が出ず、希望がなくなり、どんどん気力もなくなっていくような悪循環に苦しんでいるのかもしれません。 悪循環を好循環に変えるには時間がかかりますし、最初のうちは全く成果が出ない場合もあるものです。 それでも、悪循環は、必ず好循環に変えることができます。 希望を持って、決してあきらめないでください。 悩み苦しんだおかげで、「文章」を書くようになった 私が接してきた不登校やひきこもりの経験者には、深い考えを持っていたり、人の痛みがわかったりする人が多いです。 それはきっと... --- ### 【動画】不登校・高校中退から希望の進路へ 大学受験にチャレンジするための 「未来が変わる勉強法」 - Published: 2024-07-19 - Modified: 2024-10-15 - URL: https://futoko-online.jp/study/7400/ - カテゴリー: 不登校, 勉強・進学・進路 - タグ: 会員限定記事, 人気記事, 動画 - ハッシュタグ: 受験, 大学受験, 中退, 高校中退 「不登校の我が子は、勉強もしていない。これからどうなるのか... 」 「高校中退の我が子。もう将来がないのでは... 」 「不登校(高校中退)の我が子が大学受験をしたいと言っているけど、大丈夫なんだろうか... 」 不登校の親御さんから、とてもよく聞くお悩みです。 ご心配はよくわかりますが、不登校でも、高校中退でも、将来は広がっています。 大学受験(=大学合格)も、もちろん可能です。 2024年5月11日、不登校や高校中退の方々のための個別指導塾「キズキ共育塾」・同家庭教師「キズキ家学」の代表である安田祐輔が、オンライン講演会を行いました。 テーマは、「不登校・高校中退から希望の進路へ 大学受験にチャレンジするための『未来が変わる勉強法』」。 安田自身も、発達障害に関連するいじめ、私立中学の不登校と中退、「地元で下から3番目の高校」卒業後の学び直しなどを経て、国際基督教大学(ICU)に合格しています。 そんな安田自身の経験や、キズキの実績(相談は約1万7千件、生徒総数は約8千5百人)に基づき、次のようなポイントで「不登校・高校中退からの大学受験」を成功させるための考え方や具体的な方法を語ります。 大学受験のメリット 学びなおしの心得 自分に合う勉強法とは何か 計画の立て方 学びなおしの心得 自分の特性を理解する 無理しないポイントを決める メンタルのコントロール法 以下の有料部分に講演会の動画を掲載しております。 不登校オンラインをご購読の上、ぜひご覧ください。 --- ### 「発達障害で集中力が保てない」…そんなお子さんのための勉強法とは!? - Published: 2024-07-19 - Modified: 2024-10-31 - URL: https://futoko-online.jp/study/6999/ - カテゴリー: 勉強・進学・進路 - タグ: 会員限定記事, 発達障害 - ハッシュタグ: 発達障害 不登校の方のための完全個別指導塾・キズキ共育塾の半村進がお送りする「不登校からの勉強・受験」。 今回のテーマは、「発達障害があって学校や勉強が苦手」なお子さんによくある困りごと「集中力が保てない」についてです。 学習環境・勉強方法・メンタルサポートの3つの観点で、そうしたお子さんのサポート法をお伝えします。 (1)学習環境 学習環境については、まず、「気が散るものが目に入らない環境を作る」ということが大切です。 気が散るものが目に入らないだけでなく、仕切りやパーティションのようなものを用意すると、さらなる効果が見込めます。 また、休憩時間を作ることも大事です。 時間単位で区切るというやり方と、作業単位で区切るというやり方があります。 作業単位というのは「このページの小問を2題取り組んだら休む」というような形です。 そしてご褒美タイムです。何かをやり遂げたときに、小さなご褒美があるとよいでしょう。 (2)勉強方法 次に勉強方法です。有効な方法を3つ紹介します。1つめは、 「勉強時間を区切る」です。 しかしスマホのタイマー機能を使うのはオススメしません。 スマホが誘惑の種になるからです。 スマホではないタイマーを使うようにしましょう。 2つめは、「勉強する科目を工夫する」です。 同じような内容を続けているとすぐに飽きることが多いようなら、あえて科目をこまめに切り替えてみましょう。 3つめは、「少し背伸びした問題を使ってみる」という方法です。これは、「基礎の練習ばかりにしない」ということです。 基礎の練習は大事ではありますが、実際には基礎的なことを繰り返すばかりではつまらなく感じることも多いものです。 ちょっと発展的な内容に取り組む時間も作るなど、基礎ばかりで飽きないような工夫を取り入れるとよいでしょう。 (3)メンタルサポート メンタルサポートについても、大事な考え方は共通です。 小さくてもよいので何か変化をつけて、飽きないようにするというものです。 勉強の時間帯なども、いつも一定にしなくてもよいと思います。 そしてもう一つ大切なのが、「進展を目に見える形にする」ということです。 できたことを記録するなどして、本人に「自分は上達しているんだ」ということが目に見えるようにしておきましょう。 ↓まとめの画像です。クリックで拡大します。 発達障害があっても、不登校でも、勉強に... --- ### 「発達障害で生活リズムが乱れがち」…そんなお子さんのための勉強法とは!? - Published: 2024-07-18 - Modified: 2024-10-31 - URL: https://futoko-online.jp/study/7005/ - カテゴリー: 勉強・進学・進路 - タグ: 会員限定記事, 発達障害 - ハッシュタグ: 発達障害, 昼夜逆転 不登校の方のための完全個別指導塾・キズキ共育塾の半村進がお送りする「不登校からの勉強・受験」。 今回のテーマは、「発達障害があって学校や勉強が苦手」なお子さんによくある困りごと「生活リズムが乱れがち」についてです。 本当に多くの方がこの点に悩んでおられます。 学習環境・勉強方法・メンタルサポートの3つの観点で、そうしたお子さんのサポート法をお伝えします。 (1)学習環境 学習環境としては、まず大事なことは「一度にいろいろなことを直さなくてもいい」と考えることです。 具体的に言えば、勉強を始めるときに、生活リズムまでいきなり改善しようとしなくてよいということです。 学習の時間帯は人それぞれで構わないのですから、ご本人の動きやすい時間帯で最初は始めていきましょう。 勉強が少しできるようになってきたら、そのときに徐々に時間帯をずらしていけばよいのです。 (2)勉強方法 勉強方法に関しては、 「ちょっとでもエネルギー消費量を増やす」やりかたがよいでしょう。 具体的に言うと、「ただ黙読するだけではなく声に出す」「誰にも見られないところでは身振り手振りを使ってみる」などです。 少しでも体を使ってみたほうが、睡眠や生活リズムによい影響が出やすいです。 また、ずっと座っているのではなくちょっと立ち上がってみる時間を作りましょう。 ちょっと立ち上がるだけで頭の活性化、気分の切り替え、体力づくり、一石三鳥の効果が見込めます。 (3)メンタルサポート メンタルサポートで大事なのは、まず「生活リズムの乱れについて本人を叱らない」ということです。 周りの方、とくにご家族がいろいろ言いたくなるのはよくわかるのですが、「家族と一緒の時間帯に起きていても、どうせ叱られるだけ」とご本人が思っているためますます生活リズムが乱れてしまうこともあるのです。 また生活リズムをよくしていくためには、ご本人に大きな努力を強いるのではなく、本人にとって「嫌ではない」くらいの用事を1つ入れていくという考え方が役に立ちます。 「好きな用事」が思いつかないときは、まず「そんなに嫌ではない用事」から考えてみましょう。 ↓まとめの画像です。クリックで拡大します。 発達障害があっても、不登校でも、勉強に取り組めます 発達障害があっても、不登校でも、勉強に取り組むことはもちろん可能です。 お子さんにあった支援者を見つけつつ、将... --- ### 「推し活」で世界が広がった! 中3で「学校に行かない」と決めた私が通信制高校を選んだ理由 - Published: 2024-07-12 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/children/7738/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, いじめ, 2024年7月15日号 - ハッシュタグ: 通信制高校, いじめ 「もう学校へは行かない」。小学校のときのいじめをきっかけに社交的な性格を封印したさゆりさん(仮名)は、中学3年生の秋、とうとう限界を迎えます。その後、不登校の時期のさゆりさんを支えたのは、「推し」の存在でした。推しに導かれるように通信制高校へ進学したというさゆりさんに、当時の経緯、そして大人として今の思いを書いていただきました。 * * * 私は、物心がついた頃から、モデルさんや女優さんが大好きで、大人になった今でも、休日は「推し」のグッズを買いに行ったり、SNSで推しを眺めたりなど、絶賛「推し活」中だ。 最近では、過度な推し活によって、中高生たちが数十万円の大金を推しにつぎ込み借金を抱えてしまう、などの問題がニュースで取り上げられるようになった。 一方で私は、推し活のおかげで自分の世界を広げることができたし、ドン底にいたときに光を見出すこともできた。そして、大人になった今でも、推し活をしているときの自分が1番自分らしく感じられると思えるほどに、推し活は私にとって、なくてはならない大切な時間になっている。 どうしてここまで私が推し活に救われ、自分らしくいられると思うのか。 それは、不登校だった頃に私が学校の外で経験してきたことが大きく関係しているのではないか、と気づいた。そこで今回は「不登校だった私と推し活」について、書いていこうと思う。 「いじめられない私」を演じる日々 まず先に、私が不登校になるまでの経緯をざっくり書くと、私は小学5年生のときに、同じクラスの男子数名からバイ菌扱いをされるなどの言葉によるいじめを受けた。そのいじめによる深い心の傷から、加害者と離れて、「いじめられない私」になって新しくやり直すために、中学は家から少し遠い学区外の公立中学に進学した。 しかし、自分が想像していた以上に、いじめによる傷は深く、同級生が何気なく私に話しかけてきたときも、「どうせこの人も裏で私のことをネタにしているんだろうな」と思い込み、なかなか心を開くことができなかった。 そして私は次第に「目立ったらまた目をつけられていじめられる。とにかく目立たないようにしなきゃ」と、元々の社交的だった性格を学校では封印し、感情をなるべく出さず、おとなしくて口数の少ないキャラを演じるようになった。 自分を押し殺しながらの中学校生活だったため、私はつねに緊張状態で、心も体も明らかに疲弊して... --- ### 「なんだか生きづらい」を解決可能な課題へ HSP当事者の挑戦 - Published: 2024-07-12 - Modified: 2024-11-16 - URL: https://futoko-online.jp/interview/7726/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2024年7月15日号 - ハッシュタグ: HSP, HSC 中津井楓真さん(18歳)は、説明のできない「モヤモヤする思い」があり、学校を休むことが多かった。しかし中学3年生のとき、自身がHSPだとわかったことで、自分自身の課題と向き合い、悩みを整理することができたという。HSPは、Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略で、「人一倍感受性が強く、敏感な気質の人」を意味する言葉だ。今では「HsP’eers(エイチエスピアーズ)」という団体を立ち上げ、HSPへの理解を広めるための活動をしている中津井さん。自身の経験や思いについて聞いた。(写真は中津井楓真さん/撮影・矢部朱希子) * * * ――最初にご自身がHSPだとわかったとき、どう思いましたか? 言葉は悪いのですが、初めは「最強の言いわけができた」と思いました(笑)。HSPのことを知ったのは、中学3年生のときです。それまでは、「自分はなんて弱い人間なんだろう」と悩んでいました。 同級生は宿題や部活動を楽勝でこなしているのに、僕は毎日ヘトヘトになりながらすごしていて、思うようにできないことばかりでした。学校を休むことも多かったんです。 でもそんなときに、「HSPだからしかたない」という逃げ道ができた。そう思うことで、学校に行かない罪悪感や、同級生に対する劣等感を消そうとしていたのです。 母に対しても言いわけに使っていましたから、初めはイラつかせたと思います。ですが、僕が学校を休むことを責めずに見守っていてくれていたので、そこはありがたかったですね。 もともと、HSPについて教えてくれたのも母なんです。 HSPを提唱した心理学者・アーロン博士が作成したチェックリストを渡してくれました。チェック項目は、「生活に変化があると混乱する」、「騒音に悩まされやすい」といった内容です。 全部で27個あり、その内の14個以上にあてはまると、「HSPの可能性が高い」というセルフテストでした。僕はそれに、23個もあてはまっていたのです。「このリストには、僕のことが書かれている!」と驚きました。 当事は、自分の状況をうまく言葉にできなくて、ずっとモヤモヤする思いを抱えていました。言語化できないから、誰に何を相談したらいいかもわかりません。 それがHSPのチェック項目のおかげで、自分のことをぴたりと説明できる言葉がわかるようになったのです。リストに1つず... --- ### 「先生がわが子を見る時間は1日わずか7.5分」フリースクール代表が鳴らす警笛 - Published: 2024-07-12 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/7752/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2024年7月15日号 「子どもが学校に行くことに安心していないか?」。親にとって、学校での子どものようすを知ることは容易ではありません。一方で、不登校の子どもの親御さんは、子どものことを驚くほどよく把握しています。子どもが何を学び、どんなつながりを築いているのか。フリースクールを運営する土橋優平さんに、学校へ行く行為そのものよりも、そこに目を向けることのたいせつさについて、書いていただきました。(連載「出張版お母さんのほけんしつ」第42回・写真は土橋優平さん) * * * あるお母さんがこんな話をしてくれました。 「子どもが不登校になる前、少し気になっていたことがありました。なぜか消しゴムを買う頻度がとても高いんです。その時はとくに気にもせず、子どもに理由を聞くようなこともしなかったのですが、子どもが不登校になってからふとそのことが気になり聞いてみました。すると子どもは、授業中ずっと「ねりけし」をつくってたんだ、と。うちの子は授業中、先生の話を聞くことも、勉強に集中することもせず、ずっと消しゴムで遊んでいたんです」。 私はそれを聞いて思いました。学校に行くことってなんなのだろうか、と。私たちは登校するという行為を信じすぎているのではないかと。 これまで、私は1000名以上の親御さんとやり取りをしてきました。もちろん1000人1000通りの背景があって学校に行かなくなるわけですが、どの親御さんにも共通していることがありました。それはお子さんの今のようすについて、こと細かに観察、把握していることです。子どもの苦手なことや得意なこと。その場面ごとにどんな表情をし、どんな気分になっているのか。友だちや先生との関係、家族それぞれとのコミュニケーションの取り方など、多くの情報を持っているのです。 親として当然と言われてしまえばそれまでですが、こうした情報はおそらく、学校に行っていたときよりも多く、そして細かくなっていることでしょう。親御さんの気持ちとしては、「子どもが学校に行かなくなった」という課題を解決するために、何が原因なのだろうかと、子どもを今までの何倍もよく見るようになるのだと思います。 私はこの変化自体はとてもよいことだと思っています。もしかしたら、これまでは何か大きなトラブルがないかぎりは、通信簿の内容やテストの点数など、勉強や成績に関する評価を大切にしていたのかもしれません。たまに聞く... --- ### 「迷惑行為だった自覚はある」 不登校中のオアシスとなった「トイレ」に残る青春の痕跡 - Published: 2024-07-12 - Modified: 2024-11-30 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/7731/ - カテゴリー: 連載 - タグ: ゲーム・スマホ, 会員限定記事, 【連載】前略、トンネルの底から, 2024年7月15日号 トイレの個室が自分にとっての「安全な空間」となっていた古川寛太さん。次第に、学校以外のトイレにもこもるようになったといいます。迷惑行為だという自覚がありつつも、古川さんがトイレでしていたこととは。懺悔の思いとともに、赤裸々に語っていただきました。(連載「前略、トンネルの底から」第12回・写真は古川寛太さん) * * * トイレの個室に逃げ隠れしているうちに、いつしか自分の中に「トイレは安全な空間」と刷り込まれていた。そして、学校以外での「トイレこもり」が始まる。数キロの通学路の道中、街なかのトイレでよく休憩をしていた。 フリーWiFi空間はオアシスだった 当時の我が家にはWi-Fiが通っていなかった。ひと月で4ギガ使うと、俺のスマホはうんともすんとも言わなくなる。データの重い動画やアプリは滅多に扱えない。フリーWi-Fi空間が俺のオアシスになるのは必然だった。 そういう意味で、あの場所は偉大だった。 観たいものを心ゆくまで観尽くせる、夢のスポット。そう、コンビニのトイレだ。 平日の昼下がり、セブンイレブンのトイレでちびまる子ちゃんの「アララの呪文」を聴いては気合を入れ、ローソンのトイレで大塚製薬のCM「ポカリダンス」のメイキング動画を観ては泣いていた。1畳もないような狭い部屋が、間違いなく俺を繋ぎとめていた。 とはいえ、間違った場の使い方である。5分、10分ならいいものの、長い時には2時間も占拠していた。ふつうに迷惑だったと思う。数えきれないほど怒られていたし、警察を呼ばれたこともある。雪の積もった寒い朝、コンビニの店長に外で説教されたときには、情けなさすぎて、交差点に飛び込もうかと思った。 まあ全面的に俺が悪い。今でもまだ反省している。 トイレ管理者との攻防の果てに 最後に、俺の唯一の「青春の痕跡」のことを記して今回の記事を閉じたい。 外出先で最も利用したトイレは、最寄り駅に併設されたショッピングモールの多目的トイレだった。その施設の奥の奥、駅利用者のほとんどが気づいていないであろうところに、それはあった。 健常者でありながら多目的トイレを使ったのは、単純に広かったからでもあったが、それ以上に、壁をはさんで隣の理髪店からWi-Fiが漏れていたことと、温水洗浄便座のコンセントが簡単に取り外せたことが大きかった。その空間に、一時期は半日居座り続けたこともある。 1年目... --- ### 「私の心に問題があったのか?」 あれから30年、経験者が考える「不登校とイップス」 - Published: 2024-07-12 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/7755/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】『不登校』30年目の結論, 2024年7月15日号 不登校は「心の問題」と考えられがちだ。しかし詩人・フリーライターの喜久井伸哉さんは、「不登校はむしろ体の問題だ」と言う。アスリートなどさまざまなジャンルのプロフェッショナルがおちいる「イップス」の問題と、不登校当事者をめぐる言説の共通点について考察する。(連載「『不登校』30年目の結論」第4回・写真は喜久井伸哉さん) * * * 学校へ行っているとき、私は「ふつうの子」でいられた。それが、行かなくなったとたんに、親や教師から「問題がある子」として扱われるようになった。相談所で面会した精神科医からは、「心の問題がある」と言われたことがある。しかし、通学を再開すると、私は「ふつうの子」と見なされた。しばらくして再度欠席するようになると、また、「問題がある子」に変わった。 私には本当に「心の問題」があったのだろうか? 私の「心」は、通学している時期も、そうでない時期も、とくに変わらなかった、と思う。ちがっていたのは、「『登校する行為』ができるかできないか」という点だけだ。私の「不登校」は、「心」よりも「体の問題」だったと言える。それを説明するために、今回は「イップス」を引き合いに出す。「不登校」の体験談でイップスについて話すことは、おそらく前例がない。しかし私は、「心」に関する精神医学的な言葉よりも、「イップス」について語る言葉のほうが、はるかに真実を伝える表現を含んでいると思う。 イップスとは何か イップスとは、競技中のアスリートなどに起こるもので、病気や障害がないにもかかわらず日常的に反復していた動作ができなくなることだ。『広辞苑』では、2018年の第7版に初めて収録された。イップスになると、意図しない痙攣(けいれん)や脱力が起こるせいで、繊細な動作が行なえなくなる。まっすぐにボールを投げようとしても暴投が起きるなど、「意志と行為の不一致」が生じてしまう。神経や筋肉の専門家が研究しているが、明確な「原因」はわかっておらず、治療法は確立されていない。プロとして第一線で活躍しているスポーツ選手でも、イップスが改善せず、引退に追い込まれることがある。 なお、神経内科ではイップスにあたる症状を「ジストニア」と診断することが多い。アスリート以外ではピアニストなどの音楽家に多く、2015年にはロックバンドのRADWINPS(ラッドウィンプス)のドラマー・山口智史氏が、ジストニアを... --- ### 「不登校でも東大行けた」だけでは救われない 不登校を語るときにハマりがちな5つの落とし穴 - Published: 2024-07-12 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/contribution/7735/ - カテゴリー: 寄稿 - タグ: 会員限定記事, 2024年7月15日号 「不登校を語るのはほんとに難しい」。そう話すのは、学校における多様性・公正・包摂をテーマに活動する武田緑さん。学校現場と学校外の居場所、両方を見てきた武田さんは、不登校を語る際になぜか対立が生まれてしまう「落とし穴」について分析する。皆が子どもの幸せを願っているはずなのに、いつのまにか対立が生まれる、そんな現状をよりよくするための提言を書いていただいた。(写真は武田緑さん) * * * 私はこの15年ほど、学校教育と多様な教育現場の両方に関わって仕事をしてきた。不登校をめぐっては、さまざまな意見や主張が飛び交っている。このことはけっして最近始まったことではない。また、議論の内容は少しずつ変遷してきている。 かつては「不登校はわがまま、サボり、病気」という見方が今よりもっと強く、むしろ大手を振ってそう語られていた。しかし、さまざまな人の努力によって時代は少しずつ変化し、今では文部科学省の公式見解としても「不登校は誰にでも起こり得る」「不登校そのものは問題行動ではない」とされるようになった。そしてここ数年では、「学校がムリでもここあるよ」と、不登校の子どもたちを受けとめる居場所の存在を積極的に知らせようという動きや、「不登校は不幸じゃない」とスティグマを跳ね返すような発信が広がったりもしている。「不登校と非登校は違うのではないか」とか、「仮面登校や苦登校も問題の本質は同じ」と言う人もいる。さらには、「もはや不登校という言葉はなくなったほうがいいのでは」という意見さえ聞く。 不登校を語るのはほんとに難しい。複雑な現実があるし、ちょっと間違ったらはまってしまう落とし穴も多い。議論のプロセスで誰かが傷つくリスクがとても高いため、多様な関係者(子ども当事者や経験者、保護者、フリースクール等の支援関係者、学校関係者等)の心理的安全性が担保されないと、建設的な議論・対話はまったくもって進まない。 今回は、不登校について語る・対話する・議論するうえではまりやすい5つの落とし穴を整理してみたい。 落とし穴①苦しさの覆い隠し 「不登校は不幸じゃない」。この点だけを発信すると、 現実にあるしんどさが覆い隠されてしまい、支援は必要ないという誤解が生じる可能性がある。不登校には社会的スティグマが強いので、ポジティブに発信したいという感情はとても理解できる。その思い自体は絶対に大事にされるべきも... --- ### 「発達障害でこだわりが強く、興味がかたよっている」…そんなお子さんのための勉強法とは!? - Published: 2024-07-10 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/study/7003/ - カテゴリー: 不登校, 勉強・進学・進路 - タグ: 会員限定記事, 人気記事, 不登校からの勉強・受験, 発達障害 - ハッシュタグ: 発達障害 不登校の方のための完全個別指導塾・キズキ共育塾の半村進がお送りする「不登校からの勉強・受験」。 今回のテーマは、「発達障害があって学校や勉強が苦手」なお子さんによくある困りごと「こだわりが強く、興味の偏りがある」についてです。 学習環境・勉強方法・メンタルサポートの3つの観点で、そうしたお子さんのサポート法をお伝えします。 (1)学習環境 学習環境についてこの場合大事なのは、「本人の好きな分野は基本的には学習の制限を『かけない』」ということです。 周囲の方からすると、「好きな分野だけをどんどん進めていく」という姿は少し不安かもしれません。 しかしご本人にとってはそれが、エネルギーの源となっています。好きな分野はどんどん深く学んでいってもらって大丈夫です。 (2)勉強方法 勉強方法については、 まず興味の向きやすい科目のときは基礎的な内容をずっとやるのではなく、応用的な内容からスタートしたり、特に好きな単元から始めてよいでしょう。 では、興味の向きにくい科目の場合はどうすればよいのでしょうか。 ご本人があまり気の乗らない科目については、「本人の好きなものと少しでも結びつける」ことが大事です。 たとえばキズキの生徒さんの例で言うと、数学は好きだが英語に苦手意識が強い生徒さんの場合、「数学者について簡単な英語で書いてある文章」を使ってスムーズに勉強が進んだ例もあります。 また、ある国のことにすごく興味を持っている方の場合、英語でその国の観光局のサイトを見つつ勉強したという方もいらっしゃいました。 このように、普通の教材や学習の順番にこだわらない考え方が、大きな助けになるのです。 (3)メンタルサポート メンタルサポートで大切なのは、本人がなにか新しいこと、とくにあまり気が乗らないようなことに挑戦したときは、結果に関わらず「認めること」です。 小さなことでもいいので、新しいことをやってみたという事実を喜びましょう。 そのことが、ご本人が活動の幅を広げていく助けになるのです。 ↓まとめの画像です。クリックで拡大します。 発達障害があっても、不登校でも、勉強に取り組めます 発達障害があっても、不登校でも、勉強に取り組むことはもちろん可能です。 お子さんにあった支援者を見つけつつ、将来に向かって進んでいきましょう。 --- ### 2024年7月12日開催オンラインイベント【不登校からの高校受験】内申点がなくてもあきらめないで!後悔しない逆算思考法 - Published: 2024-07-09 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/event/7713/ - カテゴリー: イベント - タグ: 会員限定記事 - ハッシュタグ: 不登校の親 2024年7月12日(金)20時~21時、「不登校専門の完全個別指導塾・キズキ共育塾」の不登校相談員・半村進さんが、「不登校の親御さん専用のオンラインコミュニティー・親コミュ」の会員様限定のオンライン講演会を開催します。テーマは「【不登校からの高校受験】内申点がなくてもあきらめないで!後悔しない、逆算思考法」。下記ご高覧の上、ぜひ親コミュ・イベントにご参加ください。 ■イベント趣旨〜【不登校からの高校受験】内申点がなくてもあきらめないで!後悔しない、逆算思考法〜 中学生のお子さんが不登校になると、高校受験のための内申点が気になることでしょう。 うちの子は内申点が低いから、受験できる高校がないのでは... ? 今から内申点を上げる方法ってあるのでしょうか... ? 内申点って、そもそもどうやったら対策できるんでしょうか... ? そんなお声は、非常によくお聞きします。 ですが、「お子さんが高校生活で重視すること」によって、内申点の対策がそもそも不要なこともありますし、内申点が必要な場合の対策も変わります。 お子さんが高校生活で重視しているのは、主には次のどちらでしょうか。 高校に無理なく通えること(高校を無理なく卒業できること) 高校生活を盛りだくさんに楽しく過ごすこと こうした目的から逆算することで、「高校受験に向けた、お子さんのこれから」を具体的に検討できるようになります。 今回の講演会では、キズキ共育塾で講師や不登校相談員を長年務める半村さんが、親御さんに向けて、「不登校で内申点が気になる中学生の、高校受験の逆算思考法」をお話しします。 中学3年生の親御さんも、1・2年生の親御さんも、ぜひご参加ください。 イベント実施日時など 実施日時: 2024年7月12日(金)20時~21時 講演テーマ: 【不登校からの高校受験】内申点がなくてもあきらめないで!後悔しない、逆算思考法 講師: 半村進さん(キズキ共育塾 不登校相談員) 実施方法: Zoomを利用したオンライン講演会です。参加者様は、顔や名前をお出しいただく必要はございません。ZoomのURLは、親コミュ内でお伝えします。 参加対象: 「不登校の親専用オンラインコミュニティー・親コミュ」の会員様限定限定でご参加いただけます。 参加料金: 無料(親コミュの会員費用に含まれます)。 【親コミュとは】 親コミュは、キ... --- ### 【連載】「勉強の話をするのはダメ絶対!?」わかっちゃいるけど……「いったいいつまで勉強しなくていいの?」のジレンマに効く見極めタイミング3つ - Published: 2024-07-08 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/7675/ - カテゴリー: 連載, 不登校, 勉強・進学・進路 - タグ: 会員限定記事, 人気記事, 【連載】親のジレンマ、子のジレンマ 【完全保存版!全3回連載】「いつまで待てばいいの... ... ?」親のジレンマ、子のジレンマに効く最強! ? ルール 不登校支援の最前線から相談員がおこたえします! 不登校の子どもの保護者を悩ませる、子どもの「ゲーム・スマホ」「昼夜逆転」「勉強」。近年、専門家がさまざまなメディアで「強制はNG! まずは見守りを」と発信しています。 とはいえ、変化の見えない現状に、「いったいいつまでこのままでいいの?」という不安も。 そんなジレンマへの対処法を、不登校支援の最前線で相談員として約12年間、子どもと保護者双方の悩みに寄り添ってきた半村進さんに聞きました。 ジリジリと焦らされるような日々に効く実践メソッド全3回。最終回はいよいよ「勉強の話」です! 前回まではこちら 第1回「ゲームやスマホの禁止はNG!」わかっちゃいるけど... ... 「いったいいつまでやらせてていいの?」 第2回「昼夜逆転はいつか治ります!」わかっちゃいるけど... ... 「いったいいつまでそのままでいいの?」 ========== 「そろそろ勉強をしてほしい。でも本人にそんなことを言っていいのか... ... 」 こんなお悩みも、親御さんから必ずと言っていいほど聞くものです。 不登校の間に勉強がどんどん遅れていく! 学校に行けなくなるということは、本人のエネルギーが落ちているということ。まずはエネルギーの回復が最優先。心身の調子がよくならないと、なにごとも始まらない。そんなときに勉強の話をしても何もいいことはないよね... ... 。 こうしたことは、きっと親御さんもよくわかっています。我が子の心身のコンディションこそがいちばん大切。それが親御さんの自然な気持ちでしょう。 でも、でも... ... いつまで勉強の話をするのを待てばいいのでしょうか? 最近は、お笑い動画を見てゲラゲラ笑っているし、オンラインゲームもにぎやかにやっている様子。もう十分エネルギーは貯まったのでは? いや、でも... ... ここで勉強の話を切り出したら、一気に子どもの調子が落ち込むかもしれないし。いったいどうすればいいんだろう... ... 。 こんなモヤモヤを解消するためには「子どもに勉強の話をしてみてもよいタイミング」を知っておくことが重要です。「なるほど、こんなタイミングならちょっと勉強の話をしてもOKなのか」と親... --- ### 病院の相談員が語る、「長期入院後に不登校になった高校生にやってほしい4つのこと」 - Published: 2024-07-04 - Modified: 2024-10-16 - URL: https://futoko-online.jp/contribution/6712/ - カテゴリー: 寄稿 - タグ: 会員限定記事 病院で相談員として働いており、妊婦、子ども、高齢者などの方々から、生活面、経済面、家族のことなど、様々な相談を受けている大川里美さん。 この記事では、そんな大川さんが、「長期入院後に不登校になった高校生」に知ってほしいこと・やってほしいことを、お子さんに語りかける形式でお伝えします。親御さんが読んでも、お子さんが小中学生でも、もちろん参考にしていただけます。 大川さんがよく聞く、「病気がよくなって、退院した後の方がつらい」という声の理由とは。そして、そんな子どもが「今日も1日よかったな」と思えるようになるために行ってほしい4つのこととは。 「退院した後の方がつらい」という声... 突然ですが、私は毎年「24時間テレビ」を見ています。大学生のときにはボランティアで参加したこともあります。 あなたは見たことがありますか? 24時間テレビにはいつも感動をもらうのですが、それだけではありません。出演者や特別ドラマの登場人物にはよく闘病中の子どもが出ており、病院で関わる子どもたちのことを思い出すのです。 私は病院で長期入院中や退院後の子どもたちや高校生とも関わっています。 ここ数十年の医療の発展により、小児がんや難病等に罹患しても、長期入院して治療すれば、(完治しない場合でも)退院して生活できるようになってきました。 病気が治ること、退院できることはとても嬉しいことです。しかし、退院した子どもたちからは、「病気がよくなって退院した後の生活のほうがつらい」といった発言もよく聞くのです。例えば、次のような理由があります。 入院中、病院では守られていたけど、学校では病気のことをわかってくれない人もいる 入院中は髪の毛が抜けても帽子なしで過ごせたけど、外ではジロジロ見られるから帽子をかぶるようにしている まだ外来治療が続いていて、気持ち悪いし、学校も休むし、そうすると授業に遅れて、余計に学校に行きたくなくなる 長期入院後に不登校になった高校生にやってほしい4つのこと 大病や長期入院を経験すると、退院後も病気と向き合う生活が続きます。 あなたのように、学校に行けなくなる子もいます。 あなたは、幼少期から闘病しているかもしれません。 あなたは、退院直後で通院中かもしれません。 学校に行けなくなった理由、病気の状況、環境などは人それぞれだと思います。 どんな理由・状況・環境であれ、私から、... --- ### 2024年7月10日開催オンラインイベント「臨床心理士に聞く親子の心が軽くなる傾聴術」 - Published: 2024-07-02 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/event/7624/ - カテゴリー: イベント - タグ: 会員限定記事 2024年7月10日(水)13時半~15時、臨床心理士の掛井一徳さんをお招きして、「不登校の親御さん専用のオンラインサロン・親コミュ」の会員様限定のオンラインイベント「臨床心理士に聞く親子の心が軽くなる傾聴術」を開催します。下記ご高覧の上、ぜひ親コミュ・イベントにご参加ください。 イベント趣旨〜臨床心理士に聞く親子の心が軽くなる傾聴術〜 子どもが不登校になったとき、まずは心の回復が必要です。そして親のできることのひとつに、「傾聴」がよく挙げられます。でも、「傾聴」ってひとことで言えるほど、かんたんにできるものでもありません。 なぜ学校へ行きたくないのか。今どんな気持ちで何を考えているのか。家で好き放題すごしているけど、将来のことを考えているのか。親としてできることなら手っ取り早く、子どもの本音が知りたいものです。 しかし、子どもが言語化できるようになるまでには、相当な時間を要します。またその過程で過去の話を何度も話してきたり、興味ない話を延々と聞かされることもあるでしょう。思わず口をはさむこともあると思います 子どもの回復のためにと思っても、親だってネガティブな話を聴き続けるのは疲れます。どうやったら親も精神的な負担を減らしつつ、子どもの気分を損ねることなくキャッチボールができるのでしょうか。 そこで今回は、臨床心理士の掛井一徳さんを講師にお呼びして、「疲弊しないですむ傾聴のしかたやメンタルの保ち方」について、話をうかがいます。日々カウンセリングをおこなう傾聴のプロのテクニックを聴くことで、今までとちがう視点で傾聴できるヒントが得られるかもしれません。 いっしょに傾聴を見直し、心を軽くする方法を考えてみませんか? 【イベント実施日時など】 実施日時: 2024年7月10日(水)13時半~15時 講演テーマ: 臨床心理士に聞く親子の心が軽くなる傾聴術 登壇者: 講師・掛井一徳さん(臨床心理士) 実施方法: Zoomを利用したオンライン講演会です。参加者様は、顔や名前をお出しいただく必要はございません。ZoomのURLは、親コミュ内でお伝えします。 参加対象: キズキが運営する不登校の親専用オンラインサロン「親コミュ」の会員様限定限定でご参加いただけます。 参加料金: 無料(親コミュの会員費用に含まれます)。 【親コミュとは】 親コミュは、キズキが運営する、「不登校のお... --- ### 「他人が怖いんですが、どうやったら話せますか?」不登校経験者がコミュニケーションのプロに聞いた、他人を怖がらずにすむ方法 - Published: 2024-06-27 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/interview/7551/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2024年7月1日号  不登校経験者で本紙連載「前略、トンネルの底から」の執筆者・古川寛太さんが質問したのは、「プロ営業師」、「プロ飲み師」を自認する経営者・高山洋平さん。高山さんはコミュニケーションスキルを活かし、不動産会社とIT企業で営業成績を上げ、自身の会社「株式会社おくりバント」を立ち上げた。今も人との付き合い方に悩むという古川さんが、高山さんにコミュニケーションの極意を聞いた。(写真は高山洋平さん) * * * ――今日はコミュニケーションについてお聞きしたくて来ました。僕は人とのコミュニケーションにずっと悩んできました。他方で高山さんは「プロ営業師」、「プロ飲み師」を自称されています。きっと他人と打ち解けるコツみたいなものをたくさんお持ちだと思うんです。 コツというほどのことはないですけど、相手の立場に応じてキャラを変えたり、コミュニケーションを変えたりなどはしていませんね。 たとえば、えらい社長がいたとして、その人に「本当にすごいですね」とか「どうやったら成功できたんですか?」とか、そういうことを聞く人もいますよね。でも、社長さんからしたら、そういう質問はめっちゃ聞き慣れています。「オレ以外の人にも同じような質問をしているんだろうな」って、わかっちゃうんですよ。「もっと中身を見てくれよ」と。これは社長だろうと一般の人だろうと、同じだと思うんです。 コミュニケーションの根幹って、相手が持ってない知識で勝負することなんですよ。たとえば大きい会社の社長がいたとして、たしかにビジネスでは、自分はまったくその人に勝てないとする。でも、うまいラーメン屋の情報はオレのほうが知っているな、ということもあるじゃないですか。相手が知らないことを自分は知っている。すると、補完し合える関係になれる。だから自分の得意なことをつくっておくと、相手がどんな人でも引けを取らないですよ。 僕がそのことに気づいたのは、15年ほど前、中国へ行ったときです。中国には5年間いましたが、そのときはバブル期だったし、いろんな会社の社長とか、えらい人たちが視察に来たんです。その人たちはものすごく仕事のできる人です。でも、中国に来たらタクシー1つ乗れないんですね。ごはんをどこに食べに行けばいいかもわからないし、何を頼んだらいいかもわからない。でも僕は中国での生活に慣れていましたから、それができる。そうすると、僕よりえらい人... --- ### 「フリースクールでは教育に重点を置いていないんですね」見学に来た学生の一言から考える学校とフリースクールにおける「教育」のちがい - Published: 2024-06-27 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/7559/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2024年7月1日号 - ハッシュタグ: 不登校の親 フリースクールを運営する土橋優平さんのもとに訪れた学生がこう言いました。「フリースクールでは教育に重点を置いていないんですね」。そもそも、学校における教育とフリースクールにおける教育にはどのようなちがいがあるのでしょうか。フリースクールでの具体的な活動を紹介しつつ、フリースクールでの教育、そして学びの起点について、土橋優平さんが解説します。(連載「出張版お母さんのほけんしつ」第41回・写真は土橋優平さん) * * *  あるとき、「『教育とは何か』について聞きたい」と、1人の学生が私たちのフリースクールに訪れました。フリースクールの活動について一通り紹介すると、彼は「フリースクールでは『教育』に重点をあまり置いていないんですね」と言いました。 彼が考える「教育」とは「イスに座って、授業を聞いて、ノートを取る」という俗にいう「授業」や「勉強」のことを指していたのです。 そこで、私はこう伝えました。 フリースクールで大切にしている教育の根本  「私が考える教育とは、その子が幸せになるために必要な能力を身につけること。私たちのフリースクールでは、人を頼ることの大切さを経験から感じてもらい、初めてのことに出会ったときに「おもしろい!」というワクワクを感じてもらえるような場をつくることを心がけています。その際、安心できる環境を何よりも大切にしています。なぜなら、そうした能力を身につけるために、安心できる環境は必要不可欠であると考えているからです」。 社会に出ると、自ら考え、主体的に取り組むことが求められます。しかし、学校において、それらはあまり求められません。授業は先生がつくり、そこには答えがあります。それを学ぶことが基本であるため、自ら考え、主体的に取り組むといったことからは、どうしても遠ざかってしまいます。 最近ではアクティブラーニングのような授業スタイルも取り入れられつつありますが、学校教育の基本が受け身である以上、この現状を変えることは容易ではありません。 では、学校とフリースクールにおける「教育」のちがいはどこにあるのでしょうか? 子どもが主体的に取り組むために必要なこと 1人ひとりの子どもが主体的に取り組むために必要なことは、自ら関心事を見つけ、疑問を持ち、その解決のために行動することです。まさにここに、学校とフリースクールのちがいがあります。  私たちのフリース... --- ### 「日が暮れるまでトイレに居た」高校入学早々に不登校になった経験者がトイレに隠れていた理由 - Published: 2024-06-27 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/7548/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】前略、トンネルの底から, 2024年7月1日号 「休み時間なんて、息苦しいというレベルではなかった」。高校入学早々に不登校になった古川寛太さんはそう言います。学校において古川さんが逃げ込む場所、そこはトイレでした。1日中トイレにこもっていたこともあるという古川さんに、当時のことを書いていただきました。(連載「前略、トンネルの底から」第11回・写真は古川寛太さん) * * *  この連載でもたびたび話していることだが、俺はよくトイレにこもっていた。学校はもちろん、外の施設でも、だ。  たしかに、不登校によって生活リズムは崩れていたが、毎日毎日、何時間もトイレに居座るほど健康を損ねていたわけではない。用もなくトイレに滞在していた時間は同世代のなかでも群を抜いているだろう。 高校のトイレにこもった理由  ただ安息できるところがほしかったのだ。それでも他人と共存して社会で生きる以上、やっぱり迷惑なわけで。  そもそも不登校になる以前から、俺は校内の人気のないトイレを探して用を足すタイプだった。小学生のころも、中学生のころも、ひとりでいることを誰かに悟られないために。かといって、他人と行動をともにすることは苦手だったので、こそこそと隠れていた。「休み時間にグラウンドで友だちとサッカー」をするようなクラスメイトと対極の位置にいた俺は、昔からその気質があったのだろう。 教室外で弁当を食べるふりをして  高校で早々に不登校になった俺だが、進級のこともあり、高校3年間まったく登校しないという状況ではなかった。しかし、数週間ないし数カ月ぶりに入った教室には、当然ながら俺の居場所はない。休み時間なんて「息苦しい」というレベルではない。  気づいたら、俺は校舎のすみにあるトイレに逃げ込むようになっていた。どこかで昼食をとるふりをして弁当袋を持ち、教室を出る。誰にも見つからないところと言えば、特別教室棟の2階だ。先客がいたら3階へ、そして窓側の個室。たいていの場合、俺はそこにいた。  俺がそこで何をしていたのかというと、何をしていたわけでもない。さすがに弁当を食べる気にもならなかったし、スマホが没収されていないときであれば、何とはなしに、ぼぉっと画面をながめていた。それにも飽きると、目の前の緑の扉を見ながら将来の不安を膨らませる。  本当にどうしようもない。 午後の始業のチャイムが鳴り・・・  午後の始業10分前を伝えるチャイムが鳴った。... --- ### 「行きたいけど行けない」とき、子どもに何が起きているのか。経験者が考察する「身体としての不登校」 - Published: 2024-06-27 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/7554/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】『不登校』30年目の結論, 2024年7月1日号 「私は、身体を意志のとおりに動かせたなら、間違いなく学校へ行っていた。しかし、私の身体は私の意志をボイコットした」。詩人・フリーライターの喜久井伸哉さんは、自身の不登校をそう語る。「学校に行きたい。けど行けない」と子どもが言うとき、そこには何が起きているのか。喜久井さんは自身の体験を通して考えてゆく。(連載「『不登校』30年目の結論」第3回・写真は喜久井伸哉さん) * * * あるとき、私の身体に「学校へ行かないこと」が起きた。優しかったはずの親は、私を学校まで引きずっていった。穏やかだったはずの教師は、恐い顔になって説教をした。大人たちは「何を考えているのか?」、「どんな悩みがあるのか?」と聞き、私の「心」を知りたがった。 しかし、「何を思ったか」という意識によってでは、私にとっての「不登校」は、語ることができない。私はまず「意志」の問題としてではなく、「身体」の問題として、不登校を語りたい。 私は10代のとき、自身の「学校へ行けない」反応を、注意深く観察していた。いつ、何が、どのように「行けない」のか。登校する日の朝に「体が動かない」ことが起きても、「右脚を上げる」という動作はできる。「玄関のそばを歩く」ことならできる。しかし「登校のために玄関に行く」となると、「できない」状態が発生してくる。「制服を着る」、「カバンを持つ」といった「登校」のための行為に、「できない」ことが発生していた。 全身に張り巡らされている運動神経が、「登校」の意志だけをボイコットするかのようだった。あやつり人形にたとえるなら、糸が弛緩(しかん)して、操作できなくなるような感覚だ。糸が切れてしまうのではない。身体の感覚はあるのだが、動作を起こすための神経への伝達が、伸び続けるゴムのように、際限なく遅延してしまう。そのため、「『行く』意志」を持ち続けても、「『行く』行為」にまで至らない。自分の体によって、意志が無効化されてしまう。 このとき、意志の強さは、関係がなかった。自動車が動かない場合、ドライバーがどれほど「運転したい」という意志を持っていたところで、車は動かない。「意志を鍛える」という発想では、まったく解決できない状態だった。 「学校へ行く」姿を思い浮かべて 身体が「『行く』行為」をできなくても、私の意志は「行く」ことをあきらめられなかった。私は家にいながら、自分が「登校」する姿を強... --- ### 「つらかったあのころ、くり返したくない」。かつて不登校だった母親が、息子の不登校を受け入れるまで - Published: 2024-06-27 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/7562/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】自由登校のわが家, 2024年7月1日号  ライター・宮國実加さんのご家族は「学校に行くか行かないか、子どもたちが自分で選ぶ」という「自由登校」を実践されています。ただし、自由登校に至るまでには、さまざまな葛藤があったと言います。長男が不登校した際には、無理やり学校へ連れていくことも考えたという宮國さん。しかし、それを押しとどめたのは、宮國さん自身がかつて不登校で、そのときの苦しい経験を、息子にまでさせたくない、という思いでした。(連載「自由登校のわが家」第2回) * * *  前回、わが家の自由登校について書かせていただきました。毎週末、小学3年、5年、6年の3人の息子たちは学校へ行く日を自分で決め、通っているのですが、最初から心穏やかに今のような登校スタイルになったわけではありません。きっかけは、長男の不登校でした。  長男が小学校へ入学したばかりのときでした。保育園のころから小学校への入学にあこがれ、ピカピカのランドセルがうれしくて、はしゃいでいた長男でしたが、その希望はあっという間にしぼんでいきました。 その理由は給食にありました。苦手な野菜があって食べることができないと言っても、怒られて食べさせられる。最初のうちは息子もがまんしていましたが、次第に学校に行きしぶるようになりました。入学書類や連絡帳などで、「苦手な野菜があるので強要しないでほしい」と給食の配慮をお願いしていただけに、親としても残念でなりませんでした。  朝は私が車で学校まで送り、給食の時間になる前に早退する。そんな日々が始まりました。学校を丸1日休む日も増えていきます。  私は、近所の子どもたちが元気に登校する姿を見るたびに恨めしく感じ「とにかく周囲の子どもたちと同じように学校へ行ってほしい」という焦りがつのりました。 みんなからわが家だけ外れて  学校を休んでいる息子を見ると、まるで海の中を泳ぐ大群の群れからわが家だけ外れ、暗い深海に向かって逆走しているような気分でした。  朝、息子が「学校へ行きたくない」というたびに、私の中でさまざまな葛藤が湧き起こりました。息子への対応の選択肢として、真っ先に思い浮かんだのは以下の3つ。 「甘えてないでガマンして学校に行きなさい。まわりのお友だちはちゃんと行っているのに、どうして行けないの? もう小学生なんだから。学校は行かなければいけないところなんだから。弱い子だね、もっと強くなりなさい」。... --- ### 「この子の幸せのためなら死んでもいい」健康そのものだったわが子の不登校とその後 - Published: 2024-06-27 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/parents/7557/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 会員限定記事, 2024年7月1日号 - ハッシュタグ: 不登校の親  京都で雑貨店(絵と本、ことば 雑貨店おやつ)を営むトノイケ・ミキさんのお子さんは、高校1年生のある日、学校へ行けなくなりました。健康そのものだったわが子が「死にたい」、「ゼロになった」と訴えてきたとき、トノイケさんは「子どもの苦しみが治るのだったら、命を差し出したい」と思ったそうです。その後、2つの転機があり、お子さんは少しずつ元気になっていったと言います。(写真はトノイケミキさん) * * *  中学生のころは、風邪さえもひかず健康そのもの。朝は自分でさっと起きて学校へ行く。地形や民俗学に興味があり、本や地図で調べることが好きで、大学ではそういった勉強を深めたいと言っていた。また小学生のころに走ることに出会い、雨の日も雪の降る日も、原っぱに放たれた犬みたいにうれしそうに走っていた。  そんな生き生きしていたわが子が、高校入学から3カ月後の7月、1日中眠るようになり、学校へ行かなくなった。  高校の入学説明会では「勉強はもちろん、何ごとも楽しくやる学校です」と言われていた。勉強も部活も両方頑張りたいと思っていたわが子は、自分に合っていると感じて進路を決めた。どんなおもしろい授業をしてくれるのかと期待もあった。  ところが実際には「言うことを聞かなければ強くなれない」。「言われたことをやらないと進学できない」。教員から出た脅迫のような言葉がつらいと、母親の私に訴えるようになった。また、部活での理不尽なルールや厳しい上下関係にも疑問を持ったようだ。  私には、学校は、行き先の決まっている特急列車に無理やり子どもたちを乗せているように見えた。その上、課題という食事を、無理やり口に流し込んでいる。  私の子どもはゆっくりと歩く。だから速いスピードだと気づかないことも目を留めて気づく。じっくり観察するからこそ、もっと深く勉強したいと思う。そして、勉強のスピードもゆっくりだ。1つ1つ、味わうように深く学んでいく。一気に詰め込まれても受けつけられない。私の目からは、子どもは教育という名前の拷問に苦しんでいるように思えた。  学校が合っていないと思い通信制高校への転校をすすめたが、「友だちと離れたくない」と言う。また部活で活躍することを夢見ていた子どもにとって、転校すれば憧れの大会に出場できなくなるという思いもあった。 「行きたいけど、行くことができない」  しかし9月、ふたたび... --- ### 不登校・ひきこもり 相談先・親の会一覧 - Published: 2024-06-27 - Modified: 2024-10-16 - URL: https://futoko-online.jp/others/7545/ - カテゴリー: others - タグ: 会員限定記事, 2024年7月1日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり 神奈川県横浜市都筑区「不登校の子どもを持つ親の会ホープ&ライフ」  子どもが不登校になると、親も想像を超えた不安に襲われます。そんなとき、同じような経験をし、理解し合える仲間がいるだけで心強いものです。ホープ&ライフはこのように親どうしが励まし合い、ともに学び、ともに歩んでいく集まりとして、活動しています。毎月の例会、そして、年に1回程度の講演会などを開催しています。日時の詳細はHPでご確認ください。お子さんが不登校で不安を感じている方、ぜひご一緒に歩んでいきましょう。(中村) 連絡先:080-6621-1483/oyanokaihopelife@gmail. com 定例会の場所:かけはし都筑(横浜市都筑区荏田東4-10-3 港北ニュータウンまちづくり館内) 定例会の日時:毎月第2土曜日および月1回平日/参加費:200円 愛知県名古屋市『スタ活Cafe』  「子どもが学校へ行けない・・・」「子どもの将来が不安・・・」。そんな悩みを抱えるお母さんのためのフリースペースです。先輩ママのお話を聞いたり、悩みや不安を打ち明けに来ませんか? ひとりで抱えこまずに気軽にお越しください。(髙田) 公式サイト:NPO法人 こころとまなびどっとこむ 連絡先:TEL 052-452-1136/info@kokomana. jp 定例会の場所:名古屋市中村区椿町12-7 5F 定例会の日時:隔月2回 13時~16時 参加費:無料 滋賀県草津市「明るい不登校@滋賀」  不登校はある日突然始まり、親は驚きとまどい孤立します。暗闇にひとりで立ち尽くしてる状態。つらく苦しんでることも体験しないと理解は難しいですよね。同じ立場の人と話すとお悩み共有や情報交換ができ心が軽くなります。不登校についてお話ししませんか。初めての参加は勇気がいりますが暗闇のなかの光になるかもしれません。《明るい不登校》の明るいの意味はお母さんが明るくなってほしいって想いを込めました。ご興味のある方はホームページからどうぞ!(山本) 連絡先:akaruifutoko. ch@gmail. com 定例会の場所:ゆかい家(滋賀県草津市草津3-13-70) 定例会の日時:毎月第2日曜日10時半~/参加費:無料 福岡県久留米市「ダンデライオン 不登校ひきこもりを考える親の会」  フリースクール・通信制高校キャンパスの運営を通し3... --- ### 【連載】「昼夜逆転はいつか治ります!」わかっちゃいるけど……「いったいいつまでそのままでいいの?」のジレンマに効く6つの視点 - Published: 2024-06-19 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/7508/ - カテゴリー: 連載, 不登校 - タグ: 会員限定記事, 人気記事, 【連載】親のジレンマ、子のジレンマ - ハッシュタグ: 昼夜逆転 【完全保存版!全3回連載】「いつまで待てばいいの... ... ?」親のジレンマ、子のジレンマに効く最強! ? ルール 不登校支援の最前線から相談員がおこたえします! 不登校の子どもの保護者を悩ませる、子どもの「ゲーム・スマホ」「昼夜逆転」「勉強」。近年、専門家がさまざまなメディアで「強制はNG! まずは見守りを」と発信しています。 とはいえ、変化の見えない現状に、「いったいいつまでこのままでいいの?」という不安も。 そんなジレンマへの対処法を、不登校支援の最前線で相談員として約12年間、子どもと保護者双方の悩みに寄り添ってきた半村進さんに聞きました。 ジリジリと焦らされるような日々に効く実践メソッドを、全3回にわたってお届けします! 第1回「ゲームやスマホの禁止はNG!」わかっちゃいるけど... ... 「いったいいつまでやらせてていいの?」 第2回「昼夜逆転はいつか治ります!」わかっちゃいるけど... ... 「いったいいつまでそのままでいいの?」 ←今回はこちら 第3回「勉強の話をするのはダメ絶対!?」わかっちゃいるけど... ... 「いったいいつまで勉強しなくていいの?」 昼夜逆転が始まった!! 「うちの子の昼夜逆転は本当にひどいんです。夕方6時ごろに起きてきて... ... 」。 親御さんからのこんなご相談も珍しいものではありません。「昼夜逆転」は不登校を語るうえで欠かせない「キーワード」とも言えます。 学校に行かなくなった当初は、心身ともに疲れていて、とにかく長い時間寝てばかり。その段階を抜けて、家の中では少し元気そうかな... ... と思ったら、今度はハデな昼夜逆転が始まってしまった!!  「若いとはいえ、こんな生活が続いたら体を壊してしまうのでは?」 「もとの生活リズムに戻れなくなったらどうしよう」 「子どもの昼夜逆転に振り回されて、自分も眠れなくなってしまった... ... 」 こんな悩みを抱えている方々に、ぜひ今回の記事を読んでいただきたいと思います。 うちの子の昼夜逆転、ほっといてもいいの?  文部科学省による「令和2年度不登校児童生徒の実態調査」(※1)でも、昼夜逆転は、不登校の子どもの多くが通る道だということが示されています。 小学生の40. 2%、中学生の56. 3%が「昼夜逆転など生活リズムが大きく乱れていた」(保護者から見た子ども... --- ### 「発達障害で感覚過敏」「ノートがまぶしい」…そんなお子さんのための勉強法とは!? - Published: 2024-06-14 - Modified: 2024-10-31 - URL: https://futoko-online.jp/study/6997/ - カテゴリー: 勉強・進学・進路 - タグ: 会員限定記事, 発達障害 - ハッシュタグ: 発達障害 不登校の方のための完全個別指導塾・キズキ共育塾の半村進がお送りする「不登校からの勉強・受験」。 今回のテーマは、「発達障害があって学校や勉強が苦手」なお子さんによくある困りごと「強い音や光などの刺激が苦手(感覚が過敏)」についてです。 音や光に対する敏感さは、ASD傾向のある方によく見られます。 学習環境・勉強方法・メンタルサポートの3つの観点で、そうしたお子さんのサポート法をお伝えします。 (1)学習環境 この場合に学習環境で大切なのは、苦手な光や音がなるべく入らない場所を用意することです。 強い光が苦手な場合は、窓から離れていて照明も明るすぎない場所で学習すればよいわけです。 また、原色のものや点滅するものもないほうがよいでしょう。 音に敏感な方の場合は、ノイズキャンセリング機能がついたイヤホンなどを活用しましょう。 (2)勉強方法 勉強方法に関しても工夫できることがあります。 白い紙に 光が反射するのがきつい方向けに、近年、光の反射を抑えた紙が開発されました。 メモやノートにはそういった紙を使えばいいですし、参考書などはページに色をあまり使っていない、白黒に近い教材を選ぶと安心できます。 また感覚過敏の方で、音や光以外に「魚を見るのがダメ」といった例もありました。 その場合は、使う教材に魚のイラストや写真がないか、事前に講師がチェックしたこともあります。 メモやノートの取り方は、本人にとって見やすいものであれば、どんな形式でも構いません。 青色が見やすく感じるので、すべてノートは青い字でとるといったやりかたで勉強した方もいらっしゃいます。 (3)メンタルサポート メンタルサポートについては、ご本人と「苦手なものが見えたり聞こえたりした場合、どうするか」のシナリオを話し合っておきましょう。 たとえば「試験会場に行く途中の電車の中で、こんな音が聞こえてしきたらどうするか」という具合です。 シナリオは一度に作る必要はありません。 シナリオが完成したら、メモにしたりスマホに入れておいて、ご本人がいつでも読めるようにしておくとよいでしょう。 ↓まとめの画像です。クリックで拡大します。 発達障害があっても、不登校でも、勉強に取り組めます 発達障害があっても、不登校でも、勉強に取り組むことはもちろん可能です。 お子さんにあった支援者を見つけつつ、将来に向かって進んでいきまし... --- ### 「最低限、屋根、ごはん、お風呂だけでOK」親が限界を越えないために知っておきたいこと - Published: 2024-06-12 - Modified: 2024-12-18 - URL: https://futoko-online.jp/interview/7456/ - カテゴリー: インタビュー, 不登校 - タグ: 会員限定記事, 人気記事, 2024年6月15日号 - 著者: 桑山紀彦, 不登校オンライン編集部  不登校の子どもを支える親御さんのなかには、先の見えない不安などによって追い詰められてしまう方もすくなくありません。どのような心構えでいれば、すこしでもラクな気持ちでわが子の不登校と向き合えるのでしょうか? 子どもや親と対話を重ねてきた「海老名こころのクリニック」院長・桑山紀彦先生にお話をうかがいました。 * * * なぜ、親はしんどいのか? ――不登校のわが子を見守っているうちに、先の見えないトンネルのなかにいるような気持ちになって徐々に追い詰められていく親御さんがたくさんいらっしゃいます。日々、クリニックでさまざまな親御さんと接するなかで、どのようなことを感じていらっしゃいますか? わが子が学校へ行かなくなって、苦しまない親御さんはすくないと思います。親がしんどくなってしまう原因は大きくわけて2つありますね。 1つは、まわりからの目。 同調圧力の強いこの日本において「あそこのお子さん、学校行ってないんですって」という目で見られることをすんなり受け入れるのは、本当に難しいことですから。夫から「お前のせいじゃないのか?」と責められているお母さんもいます。社会もしくは家庭のなかで、自分がどう評価されているのかを考えてしまうのは、苦しいことですよ。 2つ目は、子どもの生活や精神状態に対する不安です。 学校へ行かなくても、勉強や散歩をしながら楽しそうな顔で規則正しく暮らしていれば、親御さんは安心でしょう。でも、多くの不登校の子どもたちは昼夜逆転をしたり、部屋にひきこもったり、イライラしたりしながらすごしているわけですよね。 そんな不安定なわが子を見ているうちに、親御さんが追い詰められていくのもよくあることです。 うまくいっている家庭は2割 とくに、お母さんは自分の体から生まれた存在と向き合っているので、お父さんよりも責任を感じやすいという側面がありますね。 その一方で、お父さんたちのなかには子どもに対して「なんで休むんだ!」と詰め寄ったり、無理やり連れて行こうとしたり、行かないとわかった時点で関心を失ってしまったりする人がたくさんいます。自分自身が気合いと根性で乗り切るような仕事社会で生きているため、子どもにも根性論で接してしまうのでしょう。 お父さんが状況をよく理解してお母さんを孤立させていない家庭では、お母さんに余裕があります。夫婦の仲がよくて、家族みんなで取り組めれ... --- ### 「教育は学校ありきではありません」 フリースクール代表が語る学校のよさと学校外の学びの場の必要性 - Published: 2024-06-12 - Modified: 2024-10-15 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/7451/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2024年6月15日号 - ハッシュタグ: 不登校の親 「学校ありきで教育を考えることは子どもの視点に立っていない」。フリースクール代表の土橋優平さんはそう警鐘を鳴らします。子どもが学び場を選ぶ権利やその選択肢を用意することが大人の責務と指摘する土橋さんに、学校ありきで教育を考えることの問題点を語っていただきました。(連載「出張版お母さんのほけんしつ」第40回・写真は土橋優平さん) * * *  「親が優しくすると不登校は長引く」  「不登校の子どもは短期間で登校させることができる」  そんな文言がSNS上を飛び交っているのを最近よく見かけます。それを読んだ親御さんのなかには複雑な心境でいらっしゃる方も多いのではないかと思います。  これまでがんばって子どもの気持ちに寄り添い「そんなにつらいなら学校には無理に行かなくても大丈夫だよ。まずは休もうね」。そんな声がけもされた方もいらっしゃるでしょう。学校以外の学びの形を探り、徐々にそれを確立してきている方もいらっしゃるのではないかと思います。  はっきりとお伝えします。みなさんがたくさんの葛藤を乗り越えて得たその価値観や教育の在り方はまちがっていません。 学校は教育を受ける手段の1つ  最初にお伝えしますが、私は学校へ行きたい子は行けばいいし、行きたくない子・合わない子は行かなくていいと思っています。学校はあくまで選択肢の1つであり、教育を受ける手段の1つです。  冒頭に載せたような発信の大きな問題は、学校ありきでしか教育を考えられないことです。私はフリースクールを運営しているので、学校のすごさは痛いほどわかります。教室があり、授業があり、先生がいる。校庭や体育館で運動もできるし、お昼は給食も出るから準備する必要がない。クラスの担任、学年主任、養護教諭など様々な役割を持った専門家がいる。そして学校のなかのほとんどのことが無償である。これは本当にすごいことです。国から補助の出ないフリースクールでは、ここまで用意することは絶対にできません。  でも「こんなによい環境を整えたんだから来なさいよ」と言われても、それは大人側の論理です。子どもの視点に立っていません。  選べる大人、選べない子ども  例えば、みなさんが働く職場で起きたこととして想像してみてください。  自分の机もあり、パソコンもあり、上司、部下もいる。福利厚生で自宅の家賃補助まで出る。でも上司は「お前はクズだ」と人格否定... --- ### 「今のオレを肯定するな」 優等生だった私が高校の卒業式を控えて直面した葛藤 - Published: 2024-06-12 - Modified: 2024-10-15 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/7443/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】前略、トンネルの底から, 2024年6月15日号 中学校の卒業式では、生徒代表として答辞を読み上げた古川寛太さん。進学先の高校で不登校になり、通信制高校に転校した。その後、高校の卒業式を控え、式典時に流す自身の将来について語るビデオの撮影に臨んだ古川さんは、学長から投げかけられた言葉に愕然としたという。(連載「前略、トンネルの底から」第10回・写真は古川寛太さん) * * *  通信制高校の卒業まであと半年、仲よしごっこなんてしなくても単位を取りさえできればなんでもよかった。いや、それすら建前かもしれない。とにかくルールに則った”所属”をすることで、ふつうの、どこにでもいる、目立たない高校生になりたかった。  「一応、学生です」と、伏し目がちに自己紹介をするのはもうやめにしたかった。同族はいらないし、共感もいらない。文化祭のビラを配らずスマホをいじる男子も、グループワークに参加せずネイルをなでる女子も、行事準備の段取りが悪い先生も、みんな嫌いだった。いっしょにしてほしくなかった。  この場にいる自分を誰にも肯定してほしくなかった。でもそれを叫ぶ勇気もガソリンも、俺にはやっぱりなかったのである。 「よいビジネスマンになりたい」将来を語る私に学長が投げかけた言葉  年末に試験をクリアすると、あっというまに卒業がやってきた。最終月は卒業式で流すビデオを制作するらしい。一人ひとりが「将来どんな大人になりたいか」というテーマで10分ほどしゃべったものをつなぎ合わせる。  とくに内容を準備することなくカメラの前に立った。「よいビジネスマンになりたい」みたいなことを話したと思う。よく覚えていない。撮影が終わると、カメラマン兼インタビュアーを務めていた学長が俺に向かって言った。  「とても立派だね。君がこの学園に来てくれて本当によかった。ありがとう。」  あの時ほど、もうすべて終わってしまえと思ったことはない。認められたくない成果を認められ感謝までされてしまったら、もう一生、あなたにも私にも刻まれてしまうでしょう? なかったことには、永遠にできなくて。 中学では答辞を読んだ優等生だったのに... ...  卒業式はつつがなく行なわれた。  中学校では学年代表として、慣れ親しんだ体育館、慣れ親しんだ仲間の前で答辞を読みあげた俺は3年後、知らないホテルの知らない部屋で、知らない同級生や知らない先生と知らないスーツを着て、知らない大人か... --- ### 「行きたいけど行けない」理由とは 経験者による「不登校30年目の結論」 - Published: 2024-06-12 - Modified: 2024-10-15 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/7458/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】『不登校』30年目の結論, 2024年6月15日号 「私の不登校は吃音のようなものだった」。小学2年生で学校へ「行きたいのに、行けない」状態になったという喜久井伸哉さん。みずからの体験を吃音になぞらえる喜久井さんは「学校へ行けないとはどういうことか」を探求する。(新連載「『不登校』30年目の結論」第2回・写真は喜久井伸哉さん) * * *  過去数十年、「不登校」は精神科医や教育者によって、とくに子どもの「心の問題」として語られてきた。しかし、私自身の体験を思い返してみると、むしろ「体の問題」だったと思う。みずからの意志で「行かない」ことを選んだ子どもであれば、自身の状態を説明しやすい。「私は学校が合わなかったから、自宅学習することを選んだ」などというかたちで、「行かない」行為を明言することができる。しかし、私に起きていたのは「行きたいけど、行けない」状態だった。みずからの意志ではない状態を、みずからの行為であるかのように語っても、適切な説明にはならない。  本連載で私は「行きたいけど、行けない」状態の詳細を「体」にフォーカスして説明していく。そのために、まず吃音(きつおん)を参照する。「不登校」の体験を伝えるために、吃音を引き合いに出す人は、私以外に聞いたことがない。おそらく、本稿の「不登校」の記述は、誰も到達したことのない境地に至っている。  私が「行けない」状態になったとき、体罰やいじめのような外的な「原因」はなかった。また、病気や障害もなかった。それでも、「行きたい」意志が、「行く」行為を発生させられなかった。「原因」不明の、「意志と行為の不一致」が起きていた。特徴的なのは、「登校」を意図する行為だけができなかったことだ。登校する日の朝であっても、顔を洗ったり、着替えたりすることはできた。登校のために「玄関に行く」行為ができなくても、「トイレに行く」行為はできたため、失禁することはなかった。この状態を、どのように説明したらよいか。 吃音との類似性  「意志と行為の不一致」という点で、似た例が吃音だ。吃音は「どもり」とも言われるもので、発声が思い通りにできなくなることだ。「話したい」という意志があっても、身体(咽喉の動き)がうまく機能しないため、「話せない」結果になる。そのため「話したいけど、話せない」状態を引き起こす。  吃音は大きく分けて、3種類ある。 「ぼくは」と言おうとしても、「ぼ、ぼ、ぼ、ぼく」のよう... --- ### 「ウチの子、高校辞めました」2人の息子が高校中退した後に選んだ2つの道 - Published: 2024-06-12 - Modified: 2024-10-15 - URL: https://futoko-online.jp/parents/7438/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 会員限定記事, 2024年6月15日号 - ハッシュタグ: 通信制高校, 中退, 高校中退, 高卒認定試験, 高卒認定 「もう、こんなところにはいられない」。私の長男と次男は、こう言って高校をみずからの意思で中退した。さあ、これからどうしよう。私と息子たちが見つけたのは、「通信制高校への転入」と「高卒認定試験」という2つの道。それぞれの道を選んだ長男と次男のケースを、私のママ友のケースとともに紹介する。高校を中退した子にはどのような選択肢があるのか、参考になれば幸いだ。(執筆・棚澤明子) * * *  今年の3月末、高校2年生の次男が学校を辞めるという決断をした。本人いわく、「こんな窮屈なハコのなかにはもういられない」とのこと。  学校外のボランティアなどでさまざまな大人たちから大きな影響を受け、広い世界に目を向けるようになった結果、同調圧力がのしかかるせまい世界でみんなと足並みを揃えることに意味を見い出せなくなった、ということなのだろう。そうした違和感からか、適応障害のような症状を示すようにもなってしまった。  「自分を大事にするためにも、ここから出たい。大学に行って、もっとおもしろいことを学ぶんだ」。そんな前向きな気持ちからの中退だった。  じつは、わが家では現在大学2年生の長男も高校を途中で辞めている。長男は将来の夢が明確で、早い時期から受験勉強に打ち込んでいたのだが、みんなと同じ課題をこなすことを強いる先生とのあいだに軋轢が生じて、大きなストレスを抱えることになった。  その結果、過敏性腸症候群を患い、「こんなことをしていたら受験に支障が出る。勉強に専念したい」といって高3の夏休み前に高校を辞める決心をしたのだ。 小中学生の不登校とはすこしちがって、10代後半になると生き方が明確になるなかで、違和感ゆえに学校から距離を置く子も出てくるのだろう。  このようなタイプの子の頭のなかは、強いていえば「転職を考える大人」に近いのかもしれない。もちろん、高校で青春をエンジョイできれば、それに越したことはないと思う。でも、できない状況に陥っているのであれば、ちがう選択肢に目を向けることもありなのだと、私自身も子どもの2度の経験を通して学ばせてもらった。 「通信制高校」か「高卒認定」か?  さて、高校を途中で辞めた子が夢を叶えるには、どうしたらよいのだろう? 大学受験をするのであれば、「高校卒業、または同程度の学力をもっていること」という条件をクリアしなければならない。ほとんどの専門学校、... --- ### 家庭での虐待と学校でのいじめを生き抜いた女性が救われた「人との繋がり」 - Published: 2024-06-12 - Modified: 2024-10-15 - URL: https://futoko-online.jp/children/7454/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, いじめ, 2024年6月15日号 - ハッシュタグ: いじめ, 虐待 今回お話を聞いたのは、れいなさん(20歳)。幼いころから家庭での虐待と、学校でのいじめに苦しんできました。「当時、家が異常だったことに気づかなかった」と語るれいなさん。自分を助けてくれた少数の大人たちに、とても救われたと言います。「苦しかったけれど、自分を助けてくれた人がいる。だから自分も誰かを助けてあげたい」と語るれいなさんに、当時のことや現在の心境をお聞きしました。 * * *  私は保育園に行っていたころから、親から虐待を受けてきました。家の手伝いをしないとご飯抜きになったり、「お兄ちゃんはできるのに、あなたはできないの?」などの差別的な言葉を受けてきました。親の暴力で骨が折れたこともありますし、親がキレて包丁が飛んできたこともあります。  また学校ではひどいいじめを受けてきました。小学生のときには、クラスのほぼ全員から「死ね」と言われていて、ときには「屋上から飛び降りろ」と言われたこともありました。中学に入ってからも「なんで生きてんの?」みたいなことも言われました。  そんなでしたから学校はめちゃくちゃつらかったけれど、家にいるよりはまだマシでした。学校に行ったら何より給食があるじゃないですか。家ではご飯を食べさせてもらえなかったので、なんとか栄養を摂って生き延びるために学校に通い続けていました。 助けてくれた音楽の先生  家庭がこんな異常な状態だったのに、私はそのことに気づきませんでした。むしろ私の家はふつうだと思っていたんです。その認識が変わったのは、中学2年生のときに学校で、家の話をしたことからです。  私は仲がよかった音楽の先生に、あたりまえのことを話すように「家でこんなことがあったんです」と半分笑い話のように話していたら、「大丈夫?」となって。その後、児童相談所に2週間、保護されるようになったんです。その先生は、私の体形が細すぎたこともあり、以前から私のことを気にしてくれていたようでした。  児童相談所につなげてくれた音楽の先生には、本当に感謝しています。家での話をすると「うそでしょ」とまともに聞いてくれない友人や先生も多かったなか、この先生はちがいました。 また、音楽の先生はいじめられていたときも助けてくれました。  私は障害を持っていたので、支援級に在籍していたのですが、支援級で「いじめアンケート」を書くことがありました。私は通常学級の生徒にい... --- ### 不登校・ひきこもり 相談先・親の会一覧 - Published: 2024-06-12 - Modified: 2024-10-16 - URL: https://futoko-online.jp/others/7447/ - カテゴリー: others - タグ: 会員限定記事, 2024年6月15日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり 島根県出雲市「夢みる平田 親の会」  不登校の子供がいる保護者達が主催しています。親にしか分からない悩みを話せる場所です。他では得られないリアルな情報が沢山あります! 1人では決して乗り越えられない不登校仲間とつながると安心できる夢見る学校のような子供の居場所も始めてます。お気軽に連絡下さい(^o^) (山口) 公式サイト:夢みるHIRATA 親の会·子供の居場所 ~ 出雲市平田~ 連絡先:TEL 080-5338-0198/lasiku. yu@docomo. ne. jp 定例会の場所:くたみ交流館(島根県出雲市東郷町187-1) 定例会の日時:毎月第三日曜日 2時~4時/参加費:100円 富山県射水市「はぁとぴあ21親の会」  私たちは不登校の子どもを持つ親です。同じ経験をしてきたことでお役に立てればと思い、親の会を行なっています。気軽に訪ねて来てください。(高和) 公式サイト:はぁとぴあ21親の会 連絡先:TEL 090-2035‐3116/heartopia21@gmail. com 定例会の場所:NPO法人はぁとぴあ21本部事務局(富山県射水市三ヶ2467) 定例会の日時:毎月第2火曜日/参加費:500円 茨城県神栖市「神栖親の会ひまわり」  わが子が不登校やひきこもりになったら、親は不安になります。親の会には、わが子が不登校やひきこもりを経験した親がいます。体験した親だからこそわかり合える話ができます。親の会があなたのエネルギー源になるでしょう。(原野) 連絡先:TEL 090-4249-6253/ari_103_h@jcom. zaq. ne. jp 定例会の場所:神栖市平泉コミュニティセンター(茨城県神栖市平泉2751) 定例会の日時:毎月第3金曜日13時半~15時半/参加費:200円 福岡県北九州市「親子の居場所 ココcafe」  同じ境遇の家庭が安心してつながれる場です。当事者と経験者ばかりなので気軽にご参加ください。フリースペース、ワークショップ、座談会、野外活動などしています。お役立ち情報を公式LINEから発信しています。お母さんが笑顔になれたり、お子さんが安心してすごせるような居場所になればいいなと思っています。ココcafeでの出会いを大切にしています。(境目) 公式サイト:親と子の居場所 ココcafe 連絡先:TEL 080-5283-... --- ### 「ここで元気になれました」5年以上引きこもった男性が自信と希望を持てた理由 - Published: 2024-06-07 - Modified: 2024-10-21 - URL: https://futoko-online.jp/children/6721/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 人気記事 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり 現在は就労している岡田和哉さん(仮名・取材当時20代)は、高校入学とほぼ同時に不登校となり中退、そのまま5年以上のひきこもりを経験しています。 そんな岡田さんが「自信と希望を持つきっかけとなった居場所」で経験したことをお伝えします。 岡田さんは、「この記事を読んで、当時の私の親と同じように不安や焦りを抱える親御さんが、お子さん(の将来)のことを少しでも前向きに考えるようになってくれたらうれしいです」と言います。 岡田さんがお伝えしたいことは2つです。 一つは、親との関わりの記憶。 一つは、立ち直りのきっかけ。 ぜひご覧ください。 高校入学から1か月、突然学校に行けなくなった 私が不登校になったのは、高校入学から1か月ほど経った頃でした。 その頃の私は「クラスメイトから声を掛けられても、うまく話せないのではないか」「何かミスをしてしまうのではないか」ということをずっと考えていました。 コミュニケーションにコンプレックスを抱え、人と話すことに全く自信を持てていなかったのです。 そんな状態で高校という新しい環境に入ったので、何もできず、人とも話せず、ずっと自分の席に座っているだけで毎日が過ぎていきました。 ずっと緊張状態でした。周りの目を過剰に気にして、対人恐怖症のようになっていたのだと思います。 そして、高校入学から1か月ほど経ったとき、急に学校に行けなくなりました。 そのときのことは正直よく覚えていません。 恐らく、「常に緊張し続ける状況」に精神的に耐えられなくなって、学校に行けなくなったのだと思います。 そしてそのまま、ひきこもりにもなりました。 不登校になって親との距離は広がった。ただ、今振り返ると... 私が不登校になったばかりのとき、親は、無理やり学校に連れて行くなど、強引な対応を取りました。 そうした対応や、親との考え方の違いや、自由のなさなどのため、つらい環境でした。 「考え方が違う」とは、私が「学校に行く代わりに何々をやりたい」を伝えても、親からは「だったら学校に行け」と言われる、というようなことです。 「自由がない」とは、テレビがリビングにしかなく、親がいるときは恥ずかしくてアニメを見ることができない、というようなことです。 今から思えば「そんなことか」というものなのですが、ひきこもりになると世界が狭くなります。 そのような「考え方の違い」や「小さな不... --- ### 【連載】「ゲームやスマホの禁止はNG!」わかっちゃいるけど……「いったいいつまでやらせてていいの?」のジレンマに効くチェックポイント5つ - Published: 2024-06-05 - Modified: 2024-12-18 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/7342/ - カテゴリー: 連載, 不登校 - タグ: ゲーム・スマホ, 会員限定記事, 人気記事, 【連載】親のジレンマ、子のジレンマ - 著者: 半村進, 不登校オンライン編集部 - ハッシュタグ: 昼夜逆転, スマホ依存, ゲーム依存 【完全保存版!全3回連載】「いつまで待てばいいの... ... ?」親のジレンマ、子のジレンマに効く最強! ? ルール 不登校支援の最前線から相談員がおこたえします! 不登校の子どもの保護者を悩ませる、子どもの「ゲーム・スマホ」「昼夜逆転」「勉強」。近年、専門家がさまざまなメディアで「強制はNG! まずは見守りを」と発信しています。 とはいえ、変化の見えない現状に、「いったいいつまでこのままでいいの?」という不安も。 そんなジレンマへの対処法を、不登校支援の最前線で相談員として約12年間、子どもと保護者双方の悩みに寄り添ってきた半村進さんに聞きました。 ジリジリと焦らされるような日々に効く実践メソッドを、全3回にわたってお届けします! 第1回「ゲームやスマホの禁止はNG!」わかっちゃいるけど... ... 「いったいいつまでやらせてていいの?」 ←今回はこちら 第2回「昼夜逆転はいつか治ります!」わかっちゃいるけど... ... 「いったいいつまでそのままでいいの?」  第3回「勉強の話をするのはダメ絶対!?」わかっちゃいるけど... ... 「いったいいつまで勉強しなくていいの?」 「没収はダメ。わかってるけど、やきもきしちゃうんです」 「没収はダメだってわかってるんだけど... ... 」 こんな言葉を親御さんから聞くことが、本当に多くなりました。「没収」とはもちろん、「ゲームやスマホの没収」のことです。 学校に行かなくなり、家で過ごす時間が増えたわが子。家で何をやっているかといえば、一日中ベッドに寝転がってスマホを見ていたり、ゲームに没頭したり。食事中もゲームやスマホを手ばなさず、お風呂にも入りたがらない... ... 。 そんな子どもの様子に、冷静でいられる親御さんはいないでしょう。「ゲームやスマホさえなければ、こんなことにはならなかったのでは?」と思うのも、ごくごく普通の反応です。 「没収はNG」と書かれている不登校関連本やメディア記事も多く、親御さんも理屈では「ゲームやスマホを無理やり取り上げても意味がない」とわかっています。その一方で、「この状態がいつまで続くのか」という焦りを解消してくれる情報には、なかなか出会えないのが現状です。 「このまま見守るだけでホントにいいの?」 「いまは見守りましょう」。 不登校関連の情報に頻出するこの言葉。実は、不登校の... --- ### 「発達障害で忘れ物や物忘れ、ケアレスミスが多い」…そんなお子さんのための勉強法とは!? - Published: 2024-06-03 - Modified: 2024-10-31 - URL: https://futoko-online.jp/study/6742/ - カテゴリー: 勉強・進学・進路 - タグ: 会員限定記事, 発達障害, 勉強 - ハッシュタグ: 発達障害 不登校についての相談員を10年以上続けている半村進がお送りする「不登校からの勉強・受験」。 今回のテーマは、「発達障害があって学校や勉強が苦手」なお子さんによくある困りごと「忘れ物や物忘れ、ケアレスミスが多い」についてです。 特にADHDの傾向のあるお子さんには特に強く感じる悩みです。 でも大丈夫。そんなお子さんをサポートする方はもちろんあります。 学習環境・勉強方法・メンタルサポートの3つの観点で、そうしたお子さんのサポート法をお伝えします。 (1)学習環境 まず学習環境として重要なことは、「気の散るようなものが目に入らないようにする」ことです。 具体的に言うと、勉強するところの壁には関係ないものを貼らないようにする、予定表や「やることリスト」だけ貼っておく、というような工夫が有効です。 (2)勉強方法 そして勉強方法について。このタイプのお子さんはそもそも、「教材を持ち運ぶのを忘れる」「プリントや本の整理が苦手」「失くしちゃまずいものを失くす」ということがあるのではないでしょうか。 そんなときには 「勉強ではプリントを使わない」「失くしてもすぐ代わりが見つかるようにしておく」ということが大事です。 たとえば、教材は電子化しておいてバックアップを取っておく、本人が絶対に忘れないもの(スマホのことが多い)を使って勉強していく、という工夫です。 また、試験の本番で記入欄を間違えたり、別の科目を選択したりしないよう、「試験本番と同一形式の紙を使って問題を解く」時間を作っておくことも大事です。 (3)メンタルサポート メンタルサポートとしては、このタイプのお子さんは、普段からいろいろ叱られたりして自信を失っていることも多いです。 そういうときに必要なのは、さらに叱ることではありません。 困っていることをどうすれば減らせるのか、具体的なやりかたを見せることです。 口で説明するだけではなく、実際に見せる、そしてさらに一緒に試せる相手がいると理想です。 発達障害に理解のある塾では、「教材を失くしやすいお子さんに、先生がある英語のアプリを紹介し、そのアプリを先生も一緒に使っていく」ことで勉強が進められるようになったという例もあります。 ↓まとめの画像です。クリックで拡大します。 発達障害があっても、不登校でも、勉強に取り組めます 発達障害があっても、不登校でも、勉強に取り組むこと... --- ### 「行きたい、でも行けない」苦しんだ中学生が学校へ行けた2つのきっかけ - Published: 2024-05-28 - Modified: 2024-10-15 - URL: https://futoko-online.jp/interview/7128/ - カテゴリー: インタビュー, 不登校 - タグ: 会員限定記事, 人気記事, 当事者の声, 2024年6月1日号 - ハッシュタグ: 昼夜逆転, 不登校生動画選手権  「朝起きること、制服を着ること、朝ごはんを食べること、家を出ること。それらすべてがとても苦しかったんです」と語るのは、中学1年で不登校をしていた山邊優香さん(23歳)。人と話すのが好きで元気に見られることが多く、友人や先生からは「明るい不登校」と言われていました。ですが、当時はとても苦しく、毎日生きていくのに必死だったといいます。当時の心境と、いま振り返って思うことを聞きました。(聞き手・編集/藤森優香、撮影/矢部朱希子) * * *  はじめにお伝えしたいのですが、私はこのインタビューによって、いま不登校に悩む人に何かを伝えたいというわけではないんです。さまざまな状況の人がいるなかで、「こうしたほうがいい」という正解はないと思っています。不登校を経験した私が今インタビューを受けている姿を見て、すこしでも何かの希望になればいいな、私の経験を読むことで、何か心にひっかかるものがあればいいなという思いで、インタビューを受けています。  不登校の経緯からお話しますね。中学1年のときに学級委員を務めていたのですが、生徒と担任の先生との対立が多く、ひんぱんに授業の時間が「話し合い」に変わり、その度に学級委員である私が司会をしていました。  学級委員として状況を改善したかったのですが、どうすれば解決するのか、そもそも自分たちはどこに向かえばいいのかよくわからず、話し合いの毎日に疲れていきました。私は生徒と先生、どちらか一方ではなく、双方の味方としてやっていきたかったんです。しかし中学生ということもあり、「先生、なんかイヤだよね」という声にクラスメートがどんどん同調し、結託していくようすが恐ろしかったです。 はじめは、「ちょっとしんどいから1日だけ休もう」と学校を休みました。それが翌日も、1週間、2週間と延びていき、気づいたら数カ月休んでいました。 昼夜逆転の生活に  学校へ行かないと体力を使わないせいか夜早く眠ることができず、毎日明け方に寝て、次の日の昼すぎに起きる、という昼夜逆転の生活になりました。  次第に心身の不調が生じてきました。幻聴が聞こえたり、家のなかにいてもずっと監視されている感覚があり、それが不眠にもつながり、ますます朝起きることができずに学校へ行くのが難しくなりました。  学校ではいじめられていたわけではなく、先生も友人たちもいい人が多かったので、なんとか行... --- ### 「人を頼るのが苦手」なあなたに知ってほしい2つのこと - Published: 2024-05-28 - Modified: 2024-10-15 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/7134/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2024年6月1日号 - ハッシュタグ: 不登校の親  「迷惑になるんじゃ・・・」、「断られたらどうしよう」。他人を頼ることが苦手な方は少なくありません。しかし、そんな方に伝えたいことがある、と保護者向けの無料LINE相談窓口事業などに取り組む土橋優平さんは言います。人に頼ることをためらったとき、ふっと心が軽くなる2つのポイントを書いていただきました。(連載「出張版お母さんのほけんしつ」第39回・写真は土橋優平さん) * * *  「祖母に子どもを預かってもらおうにも、迷惑かと思うと頼めない」、「夫は私に余裕がないときによく家事をやってくれるのですが、それがもうしわけなくて仕方ありません」。不登校の子を持つ親御さんからそんな声が私の元に届きます。 不登校で苦しむ親子に共通していること  不登校で苦しい思いをしている子どもたちや親御さんに多く共通していることがあります。  それは人を頼るのが苦手ということです。  とくに、子どもが不登校になった場合、子どもも親もさまざまな壁に直面するため、誰かの助けが必要になる場面がかならずやってきます。そこで今回は「誰かを頼ることに苦手意識を持っている」という方のヒントになればと思い、2つのポイントをお伝えします。 1つ目のポイント  1つ目のポイントは、「迷惑かどうかは相手が決める」ということ。自分がどんなにつらくとも、「相手に迷惑かなと思って」という気持ちから、人を頼ることをためらってしまう方がすくなくありません。  あえて、はっきり言います。迷惑かどうかは相手が決めることであって、こちらでは判断できません。一例を挙げます。小・中・高をともにすごしたあなたの親友からある日、「生活が苦しい」と相談がありました。あなたは毎月50万円の手取りがあり、独身で、500万円の貯金があり、直近に大きな支出の予定もないとします。  そんな状況で相談を受けたら、あなたはできるかぎり、親友の力になってあげたいと考えるのではないでしょうか。そのとき、あなたは迷惑だと思っていないのではないでしょうか。むしろ、つらいときに自分を頼ってくれたことにうれしさすら感じるかもしれません。  相手の気持ちも状況もこちらですべてを把握することはできませんし、ましてやコントロールするなんてことはできません。シンプルですが、相手が迷惑だと言ったら、そこで初めて手を引くというスタンスで十分なんです。  また「悪く受け取られる... --- ### 「人生の終わりだと思った」進学校から通信制高校へ転校した元優等生の葛藤 - Published: 2024-05-28 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/7140/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 【連載】前略、トンネルの底から, 2024年6月1日号 - ハッシュタグ: 通信制高校  「人生の終わりだと思った」。高校3年生の秋、全日制高校から通信制高校へ転校した古川寛太さん。最後の最後まで握りしめていた「よい高校に在籍している自分」というプライドを失ったとき、大きな絶望に直面したと語ります。高校を転校した不登校経験者の本音を語っていただきました。(連載「前略、トンネルの底から」第9回・写真は古川寛太さん) * * *  高校3年生の秋、それまで在籍していた全日制高校を辞め、通信制高校に通うことが決まった。人生の終わりだと思った。  1年、2年次とかろうじて進級するたび「来年こそは」と担任から言われていた。続く言葉は「今年は大目に見てやるが」だった。学年末のテストでろくな点が取れない俺には、11教科すべてに課題と補講と追試が用意された。救済措置をありがたく思う余裕はない。擦り減った心にムチを打ってひたすら手を動かす。結局、内容をまったく理解できないままこなすなか、恩情で進級させてもらったようなものだ。 高校3年生までは進級できたが  ところが、進級はだましだましでもなんとかなるが、卒業となるとそうもいかないらしい。高校3年生になった俺があいかわらずひとりうつむいていると、梅雨前線よりも先に転学の話が来た。  地方とはいえ、進学校だ。同級生たちはすでに、よい進学先を勝ち取るための臨戦態勢に入っていた。  「ここにあなたの居場所はないですよ」  授業に遅刻し、後方から入った教室にいるクラスメイトの背中を見ていると、そんな声が聞こえてくる気がする。そんなことは知っているに決まっているだろ。けれど、勉強しか脳のない俺が地元で名の通った進学校にまだ在籍できているという事実すらなくなったとき、俺に何が残る? その場に立っていられる自信はなかった。 前向きな転学ではなかった  答えを先延ばしにしたまま夏休みに突入した。進路はいっさい未定。刻一刻とリミットが迫るなかで、確実に息が詰まる。完全に糸が切れたのは8月の終わり。「よい高校に在籍している自分」という、2年以上握り続けたその「線」がプツンと音を立てて切れた。  ふと気がつくと、俺は通信制高校の一室で施設の説明を受けていた。駅前のビルの2階と3階を利用した小さな高校だった。何日か登校する必要もあるが、課題さえ提出していれば学校へ来ても来なくてもよいというカリキュラム。  転学を決意したのは、前向きな理由からで... --- ### 「今週はいつ行こうかな」学校へ行くか行かないかを自分で選ぶ「自由登校」のわが家 - Published: 2024-05-28 - Modified: 2024-10-15 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/7119/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】自由登校のわが家, 2024年6月1日号  「学校に行くか行かないか、子どもたちが自分で選ぶ」。そんな実践をされている家庭があります。ライター・宮國実加さんのご家族です。「自由登校をしたら、子どもたちが大きく成長した」と宮國さんは言います。子どもたちのようすや自由登校を始めたきっかけなどを3回に分けて書いていただきました。(連載「自由登校のわが家」第1回) * * *  私には小学校3年、5年、6年と保育園に通う4人の息子がいます。  わが家では、毎週日曜日にプチ家族会議をして、学校のお便りを見ながら翌週学校へ行く日を子どもたちが自分で決めます。 「火曜日は歯科検診、水曜日は太鼓の練習、木曜日は児童会、あ、金曜日の給食は揚げパンか、じゃあ金曜日も行こうかな。でもな〜、先週は毎日行って疲れたし。じゃあ月曜日は休んであとはぜんぶ行く」といった具合です。  文部科学省は、病気などの理由以外で年間30日以上欠席することを不登校と定義していますが、わが家では「自由登校」と呼んでいます。  1週間休まず行く時期もありますが、新年度や長期休み後など心や体の調子を自分で察知して、週に1〜2日程度休みを入れながら登校することも多いです。 「俺、明日は休憩で学校休むから、明後日また遊ぼうね!ばいばーい」。別れ際の友だちとの会話です。  先日、宅配便のお兄さんが、「あれ、今日は学校休みなの?」と家にいた息子に聞いた際、「今日は休憩の日だから家にいるんだよ」と即答していました。「休憩?そっか、じゃあゆっくり休んでね」と、宅配のお兄さんも笑って返してくれていました。  息子たちは学校を休むことに対して、罪悪感や恥ずかしいという感覚をあまり持っていないので、あっけらかんとしています。  自由登校を始めて5年目になりますが、子どもたちに共通して言えることがあります。それは、休憩後は大きな成長が待っているということです。  休憩モードに入ると週2〜3日登校が数ヶ月続くのですが、ある時からふと毎日登校するようになり、一気に勉強や行事などへの意欲関心が強くなるのです。  先日も、休憩モードを脱した次男が何時間も机に向かっていたのですが、見せてくれたのはA4の紙いっぱいに書いた一文字の漢字でした。「これ世界一、画数の多い漢字だよ!786画もあるんだよ!」と満足げに見せてくれました。漢字に興味を持ち調べたようです。「これ宿題じゃないけど明日先生に... --- ### 「あの体験はいったいなんだったのか」経験者がつづる、不登校30年目の結論 - Published: 2024-05-28 - Modified: 2024-10-15 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/7123/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】『不登校』30年目の結論, 2024年6月1日号  「どの不登校論を読んでも、ちがうと感じる」。小学2年生から不登校した喜久井伸哉さんは、自身の不登校について、約30年間考え続けてきた。あのころ「不登校の原因」を答えられなかったのはなぜなのか、自分に起きた体験はいったい何だったのか。人生を通じて考えた喜久井さんの不登校についての最終結論を、連載形式で書いていただく。(新連載「『不登校』30年目の結論」第1回・写真は喜久井伸哉さん) * * *  あるとき、私の身体は「学校に通学する行為」をしなくなった。いわゆる「不登校」と言われる状態だ。大人たちから、何度も「原因は?」と聞かれたが、当時の私は答えられなかった。 自分でも、何が起きているのか理解できなかった。なぜ「原因」が説明できなかったのか? なぜ、あれほど苦しまねばならなかったのか? 私は「不登校」と言われる「あの出来事」のことを30年にわたって考えつづけている(人によっては1秒ですませる問題だというのに、一生が、かかってしまっている)。  我ながら長すぎると思うが、それでも子どものころに比べれば、多少は説明できるようになった。この連載では「不登校の原因は何か?」、「不登校とはどういうものか?」という問いかけに対する、私なりの「解答」を提出したい、と思っている。  とはいえ、いきなり「解答」だけを語るのもぶしつけだろう。はじめに自己紹介がてら、私に起きた「不登校」とその経過について、簡単に話すことにする。 行きたいのに行けない  私に「不登校」が起きたのは、小学校2年。8歳のときのことだ。「行きたいのに行けない」という感覚があり、自宅で過ごすほかなかった(このときの感覚については、次回詳述する)。 その後小学校・中学校・高校(サポート校)と、一応卒業したという資格は持っているが、実際はほとんど登校していない。授業に出ていなかったため、学力は測定不能。一度もテストを受けなかったので、私には偏差値がない。通知表の成績の欄は、毎回、斜線が引かれていただけだった。  10代半ばのころは、家族以外の人と会うこと自体が、めったになかった。中学生と会話をしたのは、この人生を通じて、数回しかない。とくに「14歳の人」と会話をした経験は、一度もないと思う。  自室ではもっぱら、ゲームをするか、本を読むかして、孤独にすごしていた。そのような生活は、おおむね20歳をすぎるころまで続い... --- ### 「親には待っていてほしかった」高1から不登校した女性が心から望んでいたこと - Published: 2024-05-28 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/children/7116/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 当事者の声, 2024年6月1日号 - ハッシュタグ: 通信制高校, 過干渉  「明日から学校へ行きません」と両親に宣言し、高校1年生の春から不登校になったという山本優美(ゆうみ)さん(仮名)。その後、母親のある変化をきっかけに親子関係が少しずつ好転していったと言います。現在はライターとして活躍する優美さんに、当時の思いや経緯を書いていただきました。 * * *  私は高校に入学して1カ月ちょっと経ったころ、親に「明日から学校行かない」と告げて不登校になりました。もともと小学校のころから学校へ行くのがイヤでした。「先生の言うことが絶対」という空気感や、クラス内の競い合う雰囲気が苦痛だったのです。毎日、先生の顔色や同級生の目を気にしながらすごしており、息苦しい思いをしていました。  それでも私は「学校は行くものだ」と思っていました。誰に何を言われたわけでもなかったですが、大人になるにはこのつらい環境を通過しないといけないのだと思い込んでいたんです。でもやっぱり疲れてしまうので、年に10日ぐらいは親に「カゼひいたかも」と言って学校を休んでいました。  そうやって中学まではなんとか学校生活を乗り切ってきました。しかし高校でついに限界に達したのです。心の糸が切れたきっかけは高校受験でした。中2の夏、母からある私立高校を目指さないかと切り出されました。めちゃくちゃ偏差値の高い学校で、かなり努力しないと受からないようなところでした。でも母の話を受けて私はがんばってみようと思いました。学校生活が楽しくなるかもしれないという期待があったからです。小学校も中学校も学区制で決められた学校に通わされ、「なんで自分に合った学校を選べないんだ」という怒りが募っていました。だから高校は環境のいいところに行きたいと強く思っていたのです。その後、私は母が見つけてきた受験塾に通うようになります。 入ってしまったスパルタ塾  私が入ったのはスパルタ塾でした。課題の量がとても多く、平日も休日も夜遅くまで塾で勉強していました。それでも終わらず、新しい課題も次々に出されるので、家に帰ってからも睡眠時間を削ってひたすら机にかじりついていました。そうした詰め込み学習で学力は上がったのかというと、最初だけでした。疲労と睡眠不足で集中力が落ち、途中からは停滞。受験直前になってもとうとう志望校の合格ラインには達しなかったのです。  「このままでは落ちる」と私は感じていました。でも志望校を変えた... --- ### 不登校・ひきこもり 相談先・親の会一覧 - Published: 2024-05-28 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/others/7138/ - カテゴリー: others - タグ: 会員限定記事, 2024年6月1日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり 【北海道函館市、北海道渡島・桧山地方】 登校拒否と教育を考える函館アカシヤ会  1993年に発足し、月例会と会報発行(年4回)、講演会などの市民向け啓発活動を続けています。保護者(最近は祖父母の参加も増えています)どうしが気軽に語り合える場です。理解のある教員や福祉関係者も参加し貴重な情報を伝えてくれる場合もあり、函館市教育委員会や函館市社会福祉協議会とも連携しています。2021年度の会員は112名です。(野村) http://akashiyakai. starfree. jp/ 連絡先:TEL 090-6261-6984/tnomura@sea. ncv. ne. jp 定例会の場所:函館市総合福祉センターあいよる21(北海道函館市若松町33-6) 定例会の日時:毎月第3日曜日13時半~16時/参加費:200円(年会費1000円) 【北海道函館市亀田本町】 函館ホッと親サロン  私たちのサロンでは、不登校、発達障害、HSP、就労について... とさまざまな困難を抱えた保護者さんが相談できるようにと活動しています。おたがいにつらい経験をしてきたお母さんたちばかりなので安心して参加してほしいと思います。(土谷) 連絡先:TEL 0138-43-6320/2ykr14@gmail. com 定例会の場所:函館市亀田交流プラザ(北海道函館市美原1-26-12) 定例会の日時:毎月第1・3木曜日午後/参加費:300円 【千葉県船橋市】 不登校に学ぶ船橋の会  1996年に発足しました。経験者の青年と教師と親で話し合いを持ちます。全国でも先生が参加される会はすくないと思います。また経験者の青年の話を聞くと、悩みのなかにおられる方にはヒントになることもあるかもしれません。親のつらさや心配ごとも、いっしょに考えましょう。子どもの立場を尊重する、ことを大事にしています。(山口) 連絡先:TEL 047-422-3708 定例会の場所:船橋市勤労市民センター(船橋市本町4-16) 定例会の日時:第3土曜日(8月休み)/参加費:無料 【神奈川県横浜市】 宇宙船(不登校から学ぶ会)  不登校・ひきこもりをしている子どもたちの心の声に耳を傾け「不登校とは何か」「ひきこもりとは何か」を考え、学びながら支え合い、成長することを目指しています。親や当事者で悩みを話し合うことで、悩んでいるのは自分... --- ### 【きっかけは母の変化だった…】不登校・自殺未遂を経験した女性が「周りと違っていてもいい」と気づけた理由 - Published: 2024-05-22 - Modified: 2024-11-01 - URL: https://futoko-online.jp/children/6727/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事 - ハッシュタグ: 中退, 高校中退, 高卒認定試験, 高卒認定 高校時代に不登校を経験した石川美香さん。悩みが深刻化したときには、自殺未遂も行いました。 石川さんは、自殺未遂後のお母さんの変化をきっかけに「周りと違っていてもいい」と気づきました。そして自身の経験から目標を新たに持ち、高卒認定試験と大学受験に合格しました。 この記事では、そんな石川さんが体験談を語ります。お母さんは、どのように変化したのでしょうか。 ■目次■ 人間関係・学力の不安と生活リズムの夜型化によって不登校に 進級できない現実に直面し、自殺未遂に及ぶ 母の変化をきっかけに、周りと違ってもいいのだと気づき、高校中退を決意 被災地でのボランティア経験をきっかけに、目標を持ち、高認取得・大学合格 高校不登校の方へのメッセージ   人間関係・学力の不安と生活リズムの夜型化によって不登校に 高校で周りの人とうまくコミュニケーションをとれず、学校内でほとんど友達ができなかったため、高校に行くことに怖さを感じるようになりました。 また、高校受験の失敗から勉強へのモチベーションが全く湧かなかったので、どんどん高校の勉強についていけなくなりました。 そんなときに深夜のアルバイトを始めたため、生活リズムが夜型になってしまい、朝起きられなくなったことが後押しして、不登校になりました。 進級できない現実に直面し、自殺未遂に及ぶ 不登校中につらかったことは、先生や親に言われる言葉が「学校に行きなよ」とか「もうちょっとがんばりなよ」のみだったことです。 そう言われると、「高校に行く以外に選択肢がない」と思ってしまい、「高校に行けない自分には存在価値がない」と思うようになってしまいました。 そして、不登校になってから1年半ほど経った高校2年生の冬休み最後の日。 冬休み明けに提出しなくてはいけない、不登校者向けに出されていた救済措置の課題を全くやっていなくて、進級できないという現実に直面しました。 絶望的な気分になりました。 そして、心療内科で処方してもらったものの飲まずに溜めていた抗鬱剤や抗不安薬を、一気に100錠から200錠ほど飲み込みました。 「死にたい」と思っていたかはわかりませんが、そのときはとにかく目の前にある現実から逃れたかったんです。 目が覚めると救急病院にいました。自傷防止のために体中を拘束されて、点滴を打たれていて、まるで映画の世界でしたね(笑) 母の変化をきっかけに、... --- ### 「どんな経験でも自分の武器になる」ライトノベル『キノの旅』作者が若者に伝えたいこと【全文公開】 - Published: 2024-05-08 - Modified: 2025-05-06 - URL: https://futoko-online.jp/interview/6096/ - カテゴリー: インタビュー, 不登校 - タグ: 無料記事, 2024年5月15日号 - ハッシュタグ: キノの旅, 時雨沢恵一  旅人「キノ」がさまざまな国を巡る『キノの旅 the Beautiful World』(以下『キノの旅』)をはじめ、数多くの小説で若者からの支持を集める小説家・時雨沢恵一さんにインタビューした。「どんな経験も作品づくりの武器になる」と語る時雨沢さんに、自身の体験や若い人へのメッセージなどをうかがった(写真・時雨沢恵一さん、撮影・矢部朱希子)。 * * * ――学生のころ、ほかの人と話が合わなくて浮いていたとうかがいました。  たしかに浮いていましたね(笑)。いい意味でも悪い意味でも、ちょっと人と考え方がずれていたんだと思います。わりと空気が読めなくて、他人の気持ちを気にせずに思ったことをすぐ口に出していたんだと思います。「何言ってるの」、「なんでそんな考えになるの」と、友だちからも学校の先生からも、親からも言われていました。  また、空想癖があって空想や妄想が始まると、ほかのことがまったく気にならなくなって、話しかけられても答えられなかったということもよくありました。  でも私自身は人とちがうことをつらいとは思っていませんでした。「みんなと同じ考えじゃなくてもいいじゃん」と。 期間限定! 無料プレゼント あなたの声を聞かせてください 人気記事 人と同じでは 勝てない世界 ――不登校経験のある人のなかには「自分はふつうになりたかった」という思いを持っている方も大勢います。  私は「ふつうになりたい」と考えたことはあまりないですね。自分は自分でいいじゃんと思っています。もちろん悩んでいる人にとっては重要なことなので、「ふつうになりたい」という思いを否定するつもりはまったくありません。ただ、人に迷惑をかけたり犯罪をしないかぎりは、自分なりの考えを持つのはすごくいいことだと思います。小説家みたいにクリエイティブな場に居るとなおさらです。人と同じことをやっても勝てないわけですから。  小説家という職業はどんなことを書いてもいいんです。最終的には編集さんというチェックが入りますから、安心してどんなヘンな話でも書いていい。もしクリエイティブな仕事に就きたいと思っている人がいたら、ちょっとヘンな自分の世界を持っていることは、とてもいいことです。  私も、子どものころから人とちがった考え方だったから、人が「不思議だな」と思うような話を書けたんじゃないかと思います。人とずれている、浮い... --- ### 「気持ちがしんどいとき、どうすればよい?」不登校の子を持つ先輩パパママの実践から学ぶ親がつらいときの乗り切り方 - Published: 2024-05-08 - Modified: 2024-10-16 - URL: https://futoko-online.jp/column/6110/ - カテゴリー: コラム, 不登校 - タグ: 会員限定記事, 2024年5月15日号 - ハッシュタグ: 不登校の親 親だってつらいときがある――。不登校の子どもを持つ親にとって、「そんなことを考えてはダメ」と思いながらも、つい吐き出してしまいたくなる瞬間があるのではないでしょうか。では、不登校の子の親の気持ちがしんどくなったとき、先輩パパママはどのように乗り切ってきたのでしょうか?不登校取材歴約20年の記者がこれまでの取材から得た方法をご紹介します。 * * *  不登校でもっともつらい思いをしているのは子どもです。しかし、不登校の取材を約20年続けるなかで、「親だってしんどいんです」という話を多く聞いてきました。カウンセラーに相談したら「あなたの育て方が悪かった」と言われて、さらに傷ついた親もいます。「ママ友に会いたくないから遠くのスーパーへ行く」、「部活帰りの学生たちを見ると涙が止まらなくなった」という話も何度も聞いてきました。では、不登校の親の先輩たちは、つらい時期をどのように乗り切ってきたのか。実例をご紹介します。 物理的な距離 本音を話す  しんどい気持ちの乗り切り方として、2つ紹介します。  1つめは、「子どもとの距離を物理的にあけること」です。子どもが不登校した際、親としての責任感から子どものそばに付きっきりになったり、仕事や趣味などを辞めてしまう親もいます。ここでのポイントは「親が家にいないことで、のんびりすごせた」と話す不登校経験者がすくなからずいるということです。親の存在を意識することなく、家でのんびりすごせる時間があることで子どもの心が落ち着いていくことがあります。親自身が気持ちをリセットするという意味においても、親子が別の場所でそれぞれの時間をすごすことが重要です。  2つめは、「親の本音を誰かに話すこと」です。「子どもの気持ちを一番大事にしたい。でも、本当は学校へ行ってほしいとも思っているんです」と葛藤している親はすくなくありません。そうした本音を、不登校の子を持つ親どうしで話すことが非常に大切です。「話したところで何も変わらないでしょ」と思われるかもしれませんが、話し合うなかで「私だけ(うちだけ)じゃなかったんだ」と感じる瞬間が往々にしておとずれます。その安堵感は、コップのふちギリギリまで積もった親のしんどさを軽くしてくれます。その結果、親の心に余裕がうまれます。また、ほかの家庭のエピソードが大きなヒントになることもあります。親のしんどさを親だけで抱え... --- ### 「限界ギリギリの自尊心」保つためだけに自己啓発本を手に取った16歳のあのころ【全文公開】 - Published: 2024-05-08 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/6115/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 無料記事, 【連載】前略、トンネルの底から, 2024年5月15日号  不登校を機に、それまで大好きだった小説ではなく、啓発本を手にして読むようになったという不登校経験者の古川寛太さん。「何の解決にもならない現実逃避」と頭ではわかっていたと語る古川さんが求めた「目先の安定」とは。 * * *  もし自分が10歳だったら、図書館や書店に着くなり真っ先に児童書や小説のコーナーへ向かっていただろう。お気にいりシリーズの最新刊が発売されたかチェックしに行っているはずだ。  16歳になった自分がそれらのブースを素通りしたのは、けっして飽きたからではない。学校へ行かず、家にも居づらく、平日の昼間から書店へと吸い込まれた俺は、店舗のはじにある「自己啓発」と書かれたスペースに立っていた。  それしかできることがない。コントロールもできない不甲斐ない自分を律するために、崇高なマインドを身につけるしかないと感じていた。 ギリギリの自尊心 保つためだけに  それと同時に、他者の啓発本を読む程度で何か進んだ気になることがただの現実逃避であることもよくわかっていた。こんなものは何の解決にもならない。ギリギリの自尊心を保つためだけに、問題を先送りするためだけに手に取るドクターカーネギーの言葉は、数秒間だけ響いた気がして、瞬きを一度すればもう忘れていた。内容の分別以前に、めくってきたページを支える右手の重量のみが達成感だった。こんなふうに生きていけばいいことを俺は同級生とちがって知っている、そう感じることでなんとか踏みとどまっていた。やっぱり、それしかできなかったのである。  一方、小説がまったく読めなくなってしまった。小説にかぎらず、アニメや映画など、フィクションの世界へ入り込めない。架空の話を取りいれる脳のキャパシティがなくなってしまったからと推測している。これには参った。「娯楽」として持っていた読書が、救いを求めて情報を得る「ツール」へと変わってしまったのだ。小学生のころから、楽しさとともに手を取りあってきた物語たちを俺は拒絶してしまった。「そんなことより」と、思ってしまった。  つらいなら空想の世界に浸ればよかったし、学術書の1冊や2冊読んでおけば、また今見える世界もちがっていたかもしれない。今となっては何とでも言えるが、当時は本当に目先の安定しか身体が受けつけてくれなかった。「明日から変わる方法」、「自己肯定感の高め方」、「一流の人がしている行動」。1冊... --- ### 「子どもが幸せになる近道とは」100人を超す不登校の子どもと向き合ってきた専門家が語る子どもに必要な実感とは【全文公開】 - Published: 2024-05-08 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/6120/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 無料記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2024年5月15日号 - ハッシュタグ: 不登校の親 フリースクールを運営する土橋優平さんはこれまで100名を超す不登校の子どもたちと向き合ってきました。そうしたなか、子どもが幸せになる近道にはある経験が大事だと語ります。その経験とは。(連載「出張版お母さんのほけんしつ」第38回・写真は土橋優平さん) * * * 新年度になりました。子どもたちから「〇年生になったら学校へ行く」という言葉を聞いて、期待を抱いている親御さんも多くいらっしゃるのではないかと思います。  私は子どもたちが言うその言葉は本心ではないと思っています。でも嘘でもありません。子どもたちは「自分ではない何か」になることで不安から逃れようとしているのだと私は思います。  私はこれまで100名を超える不登校の子どもたちと関わってきました。そのほとんどの子が、心のどこかで「学校へ行くこと」を望んでいました。でもそれは何か自分なりの目的があって行きたいのではなく、「学校へ行ける自分でありたい」という世間一般の「ふつう」を追いかけた結果の願いでした。「ふつうでありたい」という欲求は子どもだけでなく、大人にもあるものです。それは「まわりの人と同じであることによって安心したい」という気持ちですし、逆に言うと「まわりとちがうことから生まれる不安感から逃れたい」ということでもあります。 「ふつう」と安心   子どもが不登校になると99パーセントの親御さんは「どうしてうちの子が」と思いますし、「ふつうに学校へ行ってほしい」といった言葉を漏らす方も多くいます。誰しも無意識のうちに「ふつう」であることを望んでしまうのだと思います。   でもこの「ふつう」は、生きていればどこかで崩れるタイミングと出会うはず。その度にまわりに合わせて「ふつう」になることで安心する人生が本当に幸せなのかというと、答えは明白です。ではどうすればいいのか。まわりとちがう自分を見つけ、表現し、それをまわりに受けとめてもらうこと。それをできるだけ小さいころから経験していると、自然と自分らしさを受けいれられるようになりますし、よく言われる「自己肯定感」というものを養うことにもつながります。どんな自分もまわりに愛されるのだという実感が何より大切です。これを読んで「もっと早くそれに気づいていれば」と思われる親御さんもいらっしゃいますよね。いいんです。今それに気づいたのなら、今から改善していけばいいんです。  私... --- ### 「死のうとしたけど生きたかった」いじめにより不登校した女性が語る「生きることの意味」 - Published: 2024-05-08 - Modified: 2024-10-16 - URL: https://futoko-online.jp/children/6124/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, いじめ, 2024年5月15日号 - ハッシュタグ: いじめ 「いじめのせいで、自分の人生は壊された」。ライターのゆゆさん(32歳)は苦しかった学生時代をそうふり返る。しかし、今は毎日をおだやかに生きることができているという。ご自身の半生を書いていただいた(※写真はゆゆさんが撮影した花)。 * * * 本当は不登校になんかなりたくなかった。勉強もしたかったし、友だちといっしょに遊びたかった。受験勉強をして、高校へ行きたかった。でも、中学2年生、転校した初日から、悪意のあるいじめのせいで、自分の人生は壊された。  下駄箱の靴は隠されて、机のメモ帳は盗まれる。授業中は消しゴムのクズを投げられる。苦しかった。自分が居なくていいように感じた。自分は居ても居なくてもいいんだ、と思ったら、死んでもいいような気がした。いじめられて人権を踏みにじられて、学校の先生も私を責めた。学校に居場所はなくて、逃げる場所もなかった。部活でもいじめられ、帰ったらぐったり。何もできなかった。 憎しみしかない  夏休み明けから私は学校へ行けなくなった。自分は居なくてもよくて、誰も守ってくれなかった。自分がなぜいじめを受けて、なんでいじめている人たちはあんなにひどいことができるのか。ぜんぜんわからなかった。私が苦しい思いをして、なんでいじめた人たちはふつうに学校に通っているんだろう? おかしくないか? 復讐を考えたこともあった。怒りがあった。ガマンをし続けて、自分だけが損している。生きているのがバカらしかった。学校に通えなくて、私の人生は詰んだと思ったし、いじめた人たちへの憎しみしかなかった。  精神科の薬は合わない。ずっと症状がきつくて吐いていた。  体の状態が悪い。寝たいけど、眠れない。落ち着かない。平常心ではなかった。自分がいつ何をしてしまうか怖くて、入院をした。自分は、もう明るい未来がないと思った。集団が怖くなって、人と話すのがわからなくて、友だちのつくり方すら忘れてしまった。  入院は続かなかった。すぐ退院して、家で療養した。親に迷惑をかけていることはなんとなくわかっていたが、自分のことで精一杯だった。生きているのが怖かった。気持ちが不安定で、自分が何を考えているのかもよくわからなかった。だから、死のうと何度も考えた。いつよくなるかわからない病気と、この苦しみから早く逃れたかった。でも、死ねなかった。  生きることは苦しいけど、もっと生きたかった。生き... --- ### 「不登校から文科省職員に」異色の経歴を持つ藤井健人さんが目指すのは「不登校という格差」の是正 - Published: 2024-05-08 - Modified: 2024-10-16 - URL: https://futoko-online.jp/interview/6129/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2024年5月15日号 小学5年から中学卒業まで不登校、その後東京大学大学院へ進み、現在は文部科学省職員という異色の経歴を持つ藤井健人さん(30歳)に取材しました。家庭環境や自身の不登校から「ふつうになりたい」という強い思いがあったと言います。夜間定時制高校から猛勉強のすえ早稲田大学に合格後も「ふつうとの格差」に思い悩んだ藤井さん。「安易に不登校を肯定するだけでは格差の是正につながらない」と訴えます。(※写真・藤井健人さん、撮影・矢部朱希子) * * * ――藤井さんの不登校について教えてください。  私は両親と祖父母の5人家族で暮らしていたのですが、私以外の家族全員に持病があって、それが原因で家庭環境が不安定でした。幼稚園や小学校低学年までは楽しく学校に通えていたのですが、小学校入学後に家族の入退院が頻繁になってしまいました。  当時、父親は仕事を続けられなくなり、昼夜逆転して1日中家にひきこもるような生活。「僕の家はふつうじゃないんだ」と子どもながらに気づいていました。生活リズムがふつうの家庭とはちがうため、朝の集団登校さえも、生活サイクルを合わせることが難しい。だんだん、まわりの子との環境のちがいを意識してしまうようになって、学校に通うことが難しくなっていきました。小4から休みがちになり、小5からは完全に行かなくなりました。  不登校になってから、親は不登校系のシンポジウムに参加するなど知識を深めようとし、私も何度か連れて行かれました。「学校へ行きなさい」とは言いませんでしたが、親自身も病気で家にひきこもっていたので、おそらく子どもに対しても強く言えなかったんじゃないか、と思います。  ふつうの家庭のように、親が昼間働いて子どもだけが不登校、という家庭だったら私立の通信制やフリースクールという選択肢もあると思います。  しかし私の場合は、親が働けない状態だったので、経済的にそういったものを検討することはできず、そもそも学校に復帰するとしたら元々通っていた学校に戻りたいという気持ちがあり、転校は念頭にありませんでした。収入は祖父母の年金と両親の障害年金のみで、高校2年のときに家を売ることになるほど、経済的にきびしい状況でした。 家庭の問題 知られたくない  ただ、私が学校へ行けなかった直接の理由は、貧困ではなく「人に会うのが怖い」と感じていたからです。  「家庭の問題をクラスメイトに知... --- ### 「不登校を頭でなく心で理解してほしい」専門家が架空の家庭の話を通して伝えたいこと - Published: 2024-05-08 - Modified: 2024-10-16 - URL: https://futoko-online.jp/books/6139/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 2024年5月15日号 不登校を機に、鍵をかけて自室に閉じこもるようになり、家族との交流を絶っている少年。ある日、少年のもとに1人の女性が訪れる。少年がアルバイトを始め、通信制高校へ進学するまでを描いた小説を通じて、不登校を頭ではなく心で理解するために必読を1冊を紹介します(※画像は『繭の城』 蓑田雅之 著)。 * * *  「親として不登校のわが子にどう向き合えばよいか」など、教育・不登校について2冊の本を出版している蓑田雅之さんが「不登校のことを、頭ではなく、心から理解していただきたいと願って書きました」と語る新刊をご紹介します。  本書は、架空の家庭で起こる出来事をテレビの再現ドラマのように仕立てた、いわば「小説」のように物語が進んでいきます。とはいえ、これまで不登校の子どもや親と数多く接してきた蓑田さんならではのリアリティゆえか、実在の不登校の家庭の話を読んでいるかのような錯覚をおぼえます。  本書の主人公であるニキアは16歳。中学2年生のゴールデンウィーク明けから不登校になりました。何人もの大人がニキアを学校へ連れ戻そうとした結果、ニキアは部屋に鍵をかけて閉じこもるようになり、家族との交流さえも絶つ生活を続けていました。そんなある日、カケコさんという女性がニキアのもとを訪れます。  学校へ連れ戻そうとするこれまでの大人とはちがい、はれ物にさわるような言動をせず、扉を1枚挟んだ廊下で自分の話ばかりするカケコさんに、ニキアはすこしずつ興味を抱きます。ある日、「扉をすこし開けてほしい」というカケコさんの一言に応えるように、ニキアは自室の扉を10センチ開けます。ここから物語が大きく展開すると思われたとき、衝撃的なことが起こります。  本書の特徴は、物語が2つの視点で進むこと。最初に、ニキアの視点で読み進めた後、つづいて母親の視点に切り替わります。1つの出来事をめぐり、子どもと母親双方の視点から読み解くなかで、カケコさんの言動の意味がひも解かれ、息子の不登校を受けいれられなかった頑固な父親の認識が変わっていく経緯が描かれます。不登校をハウツーばかりで理解しようとしないためにも多くの親に読んでいただきたい1冊です。(小熊広宣) 『繭の城』 蓑田雅之 著 びーんずネット 2200円(税込) (初出:不登校新聞626号(2024年5月15日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・デー... --- ### オンライン講演会「若者が語る不登校~学校が苦手だった私たちの自己成長」開催へ - Published: 2024-05-08 - Modified: 2024-10-16 - URL: https://futoko-online.jp/event/6142/ - カテゴリー: イベント - タグ: 会員限定記事, 2024年5月15日号 講演会「若者が語る不登校~学校が苦手だった私たちの自己成長」が5月25日、オンラインで開催される。主催は「NPO法人多様な学びプロジェクト」。  講師を務めるのは、石原良さん、長村知愛さん。2人はともに小学生のときに不登校を経験している。石原さんは小学2年生のときに学校へ行かなくなり、現在は大学へ通いながら整体の専門学校にも在籍している。長村さんは、11歳のときに学校へ行かない選択をし、母とともに居場所づくりをはじめた。16歳でNPO法人ASOVIVAを設立し、代表理事に就任。現在は大阪にて、古民家を活用した居場所を運営している。  講演会では、親子の衝突など不登校時代のエピソードから、大学進学や仕事を始めるまでにいたった体験談を話すという。ゴールデンウィーク明けは、フリースクールなどへの問い合わせが増えるなど、不登校の子どものつらさが表面化される時期だ。「不登校の子どもへのかかわり方」、「不登校になったときの日々のすごし方」、「進学や就職など、不登校その後の将来」などについて悩んでいる親へ向けて、不登校経験者の語りから考える。 日 時 5月25日(土)、10時~12時 会 場 Zoom(オンライン) 講 師 石原良さん、長村知愛さん(ともに不登校経験者)ほか 参加費 早割(限定枚数)1100円、前売1300円、通常1600円 主 催 多様な学びプロジェクト 連絡先 seminar@tayounamanabi. com 詳 細 https://tayounamanabi20240525. peatix. com/ (初出:不登校新聞626号(2024年5月15日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### 6月7日開催オンラインイベント「『うちの子は学校にもフリースクールにも通わない』ということなら聞いてほしいホームスクール生活入門講座」 - Published: 2024-05-08 - Modified: 2024-11-01 - URL: https://futoko-online.jp/event/6148/ - カテゴリー: イベント - タグ: 会員限定記事, 2024年5月15日号 - ハッシュタグ: ホームスクーリング, ホームスクール みなさん、「ホームスクール」をご存知ですか? ホームスクールとは家を拠点に置いて学習をする教育のこと。じつは日本でもホームスクールを実践する家庭がすこしずつ増えているんです。学校やフリースクールが合わない子にとっては、自分のペースに合わせてすごせる家が、一番の学びと成長の場になるかもしれません。  そこで親コミュで大好評企画「「うちの子は学校にもフリースクールにも通わない」ということなら聞いてほしいホームスクール生活入門講座」を開催いたします。講師はホームスクールを実践されている鈴村結さん。鈴村結さんは不登校経験者のひとり。そして現在は3人のお子さんをホームスクールで育てています。  何をすれば「ホームスクール」をスタートできるのか、どんなふうにスケジュールを組み立てるのか。これからホームスクールを考えようかな、と思っている方は必見の内容です。学校にもフリースクールにも通わないけど家でどうやって過ごせばいいんだろう、と悩んでいる方、ホームスクールについて一緒に学んでみませんか?  なお、本イベントは不登校の親専用オンラインコミュニティ「親コミュ」会員限定イベントです。「親コミュ」にお申込みいただくとイベント参加と同時に、オンラインコミュニティの利用が可能です(初月無料/月額1000円)。不登校の親どうしでつながることができ、話しにくい悩みも共有することで、問題解決への兆しが見えてきます。当日参加できなかった方にはアーカイブをご用意しますので、後日視聴も可能です!  皆さまのご参加お待ちしております。 鈴村結さんのnote https://note. com/yui_homeschool/ ホームスクールについて発信されていますのでぜひご覧ください! 【申込方法】 「親コミュ」会員限定イベントです。下記の概要を参照のうえお申込ください。 料 金 月額1000円(税込・初月無料) ※クレジットカード決済のみ ・親コミュは不登校の親専用オンラインコミュニティです。 ・メッセンジャーアプリ「LINE WORKS」に招待。 ・スマホのアプリからいつでも利用可能。 ・不登校の子を持つ親と交流できます。 詳細・申込はこちら https://www. futoko. org/event/ (初出:不登校新聞626号(2024年5月15日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・... --- ### 5月22日開催オンラインイベント「学校が合わない発達障害の子の親が知っておきたい4つのこと」 - Published: 2024-05-08 - Modified: 2024-10-16 - URL: https://futoko-online.jp/event/6155/ - カテゴリー: イベント - タグ: 会員限定記事, 2024年5月15日号 - ハッシュタグ: 発達障害 不登校のなかには発達障害を持つお子さんもいます。親は学校へ行かないことへの対応と同時に、特性による不得意やこだわりへのフォローもしなければならないため、どうしても負担が重くなりがちです。また、子どものこだわりや不安感があまりにも強いと、「はたしてこの子は自立ができるのだろうか」と心配になる方も多いでしょう。  子どものペースに合わせながら、学校へ行かなくても自立ができるようサポートするには、どうすればよいでしょうか。できることなら親の負担も軽くして、親子ともにストレス無くすごせるようにしていきたいものです。  そこで今回は、共育ステーション 地球の家代表の熊谷亜希子さんをゲストにお呼びし、学校が合わない発達障害の子の親ができるサポートのしかたについて、お話をうかがいます。熊谷家では3人兄弟のうち2人は発達の凸凹があり、ホームスクールですごしてきました。イベントではお子さんの特性に合わせて工夫してきたことなどを、実例を交えて解説していただきます。  なお、本イベントは不登校の親専用オンラインコミュニティ「親コミュ」会員限定イベントです。「親コミュ」にお申込みいただくとイベント参加と同時に、オンラインコミュニティの利用が可能です(初月無料/月額1000円)。不登校の親どうしでつながることができ、話しにくい悩みも共有することで、問題解決への兆しが見えてきます。当日参加できなかった方にはアーカイブをご用意しますので、後日視聴も可能です!  皆さまのご参加お待ちしております。 【申込方法】 「親コミュ」会員限定イベントです。下記の概要を参照のうえお申込ください。 料 金 月額1000円(税込・初月無料) ※クレジットカード決済のみ ・親コミュは不登校の親専用オンラインコミュニティです。 ・メッセンジャーアプリ「LINE WORKS」に招待。 ・スマホのアプリからいつでも利用可能。 ・不登校の子を持つ親と交流できます。 詳細・申込はこちら https://www. futoko. org/event/ (初出:不登校新聞626号(2024年5月15日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### 不登校・ひきこもり 相談先・親の会一覧 - Published: 2024-05-08 - Modified: 2024-10-16 - URL: https://futoko-online.jp/others/6160/ - カテゴリー: others - タグ: 会員限定記事, 2024年5月15日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり 大阪府枚方市 あたらしい学校をつくる会@枚方・交野・寝屋川  不登校、ホームスクーリング、学校がしんどいなど、学校以外の学びやつながりの場を求める保護者で、子どもが主体的に遊び、学ぶ学校、新しいタイプの学校、オルタナティブスクールを枚方、交野、寝屋川地域につくろうと結成しました。このお話し会で新しい学校をいっしょにつくる仲間、協力してくれる人、学校へ行きたい人とつながっていけたらと思っています。ご興味ある方はぜひお越しください。(児島) 連絡先:TEL 080-1410-2549/ayakoji221@gmail. com Facebookページ:あたらしい学校をつくる会枚方・交野・寝屋川 Instagramアカウント:newschool_hirakata 定例会の場所:枚方市南部生涯学習センター 定例会の日時:月1回/参加費:500円 山梨県甲府市 甲府不登校を考える親の会  フリースク―ルでインターンスタッフを経験した元不登校当事者が進行する親の会です。保護者の方はもちろん、元当事者の方や不登校のお子さんに関わりのある方・関心のある方など幅広い方にご参加いただけます。ご参加お待ちしています!(内藤) 連絡先:TEL 090-3696-9570/kofu. oyanokai@gmail. com 定例会の場所:ぴゅあ総合(甲府市朝気1-2-2) 定例会の日時:毎月第1日曜日 参加費:無料 千葉県習志野市 ネモネット親サロン  親サロンは不登校・ひきこもりのお子さんを持つご家族(親、祖父母など)の方でしたら、どなたでもご参加いただけます。不安なことや気になること、誰にも相談できなかったことなど、集まった人たちで話し合います。スタッフも不登校やひきこもり経験のある子どもを持つ親たちです。ひとりで悩み、つらい気持ちを抱えていたら、そっと誰かに話してみませんか? 同じ思いや経験をわかち合い、知恵を出し合っていけると思います。(阿部) https://nponemo. net/futoko/ 連絡先:TEL 047-411-5159/info@nponemo. net 定例会の場所:フリースクールネモ習志野(千葉県習志野市本大久保3-8-14-401) 定例会の日時:毎月第2日曜日(13時~16時)/参加費:ネモネット会員300円・非会員500円 千葉県山武郡横芝光町 あり... --- ### 「発達障害の子どもの進路を考えるために」親子で知っておきたい3つのこと - Published: 2024-04-23 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/contribution/2484/ - カテゴリー: 寄稿, 不登校 - タグ: 会員限定記事, 人気記事, 発達障害, 2024年5月1日号 - ハッシュタグ: 発達障害  発達障害児支援などに従事してきた伊藤かおりさんは、「おもに発達障害を持つ子どものために、親が知っておいたほうがよいことがある」と言います。14年間の支援経験から得られた知見を書いていただきました(※写真は伊藤かおりさん)。 * * *  今回は、私が発達障害のある子どもや成人の方と関わってきた経験から、将来、社会に出ることを見据えたうえで、「幼児期、学童期にやっておくとよい、とても大切なこと」について述べたいと思います。 ◆相談することに慣れておく  これは心理師(士)の立場として、強く感じることですが、お子さんが小さいうちから誰かに相談するということに慣れておくことが、生涯にわたりとても大切になってくると感じています。  たとえば現在不登校で、とくに困ることもなく家で安全に生活をしているとしても、スクールカウンセラーのカウンセリングは受けておくなど、第三者に相談することに、なるべく小さいうちから抵抗感をなくしておけるとよいと思います。  大人でも困ったことに気づきにくかったり、自分がどんなことに不安感をもっているのか、自身でわからなかったりする場合がよくあります。誰かに相談をすることで心が落ちついたり、問題に対処することで解決ができたりという成功体験を、若いうちから積んでおく。そうすれば何か困ったことや、苦しいことがあっても、「相談すればヒントが得られるんだ」と思えるようになります。 障害者雇用 ◆高校進学や就職を見据えた進路選択  子どもが幼少期、学童期のうちから、目の前の課題だけでなく、先の進路を見据えて情報収集をしていったほうがよいと思います。発達障害のある子の進路として、就職の際、障害者雇用を選ぶ方もいます。障害者雇用とは、障害のある方が安定して働き続けることを目的とした制度で、「障害者手帳」(知的な遅れのない発達障害の場合は「精神保健福祉手帳」)を所持している方が対象となります。障害者雇用で就職すると障害の特性や本人の状況に合わせて、職場でさまざまな配慮を受けることができます。  もちろん障害者雇用を選ばない選択も可能です。しかし現状のシステムでは、将来、障害者雇用を検討されるのであれば、精神保健福祉手帳の取得をしておいたほうがスムーズではあります。具体的な就労の相談は、ハローワークの障害者雇用の窓口や、障害者就業・生活支援センターなどへ行ってみてくだ... --- ### 「つらいなら1日ずつ生きればいい」実業家が伝える刹那的生き方のススメ【全文公開】 - Published: 2024-04-23 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/interview/2451/ - カテゴリー: インタビュー, 不登校 - タグ: 無料記事, 2024年5月1日号  「つらいときは1日ずつ生きればいい」。実業家としてマネジメントやコンサルタントなどを幅広く手掛け、働く人のメンターとして活躍する澤円(さわ・まどか)さんはそう語ります。「学校なんか大きらいだった」という澤さんに、社会の変化や不登校について、また刹那的に生きることの強みについて、不登校の子どもを持つ親がお話をうかがいました(※写真は澤円さん)。 * * * ――澤さんはどんな子どもだったのでしょうか。  小さいころの僕は、ムダに頭がよくて口が立つ、大人からすれば扱いづらい子どもだったと思いますよ。ただ、僕自身は運動など、自分の苦手なことばかりに目が行って、「なんでもっとうまくやれないんだろう」といつも思っていました。「できない自分」が許せなくてつねにイライラしていて、誰にでも突っかかっていました。自分以外は全員敵でした。本当にしんどかったですよ。  学校なんてめちゃくちゃ嫌いでした。行かないという選択肢を思いつけなかったから行っていただけです。第一、僕は友だちをつくるということの価値がわからないんです。「友だちをつくろう、仲よくしよう」と押しつけてくる学校が大嫌いでした。  大人になった今ならわかるのですが、僕は1人が好きな人間なんです。2020年のコロナによるロックダウンは社会全体としてはたいへんなことだったけれど、僕みたいな孤独大好き人間にとってはありがたい面もありました。「え? 人と会わなくていいの? ひきこもっていていいの? なんて幸せ!」って。こんな孤独が好きな人間にとって学校という場は苦痛でしかないんです。  ちなみに僕は発達障害でもあり、HSPでもあり、未診断ではあるけれどASD傾向も相当に強いと思っています。そんな、僕みたいな子どもにとって学校という場は酷ですよね。それでも、当時はまだインターネットがなかったから、学校と家が切り離されていました。  でも今はスマホのなかに生活のすべてが入ってしまった。他人が考えていることが自分1人でいてもわかってしまう。外の生活が家のなかにまで侵入してきて、純粋に1人でいることができないんです。冗談じゃないですよ。僕みたいな1人が好きな子どもにとって、今は、昔よりずっとしんどいだろうなと思います。 大人の側が 問題を大きく ――不登校をどのように考えていますか。  不登校というと「学校から逃げている」ととらえて悩む子... --- ### 「親子関係は?元気になったきっかけは?」3人の経験者が語る私の不登校とその後 - Published: 2024-04-23 - Modified: 2024-09-17 - URL: https://futoko-online.jp/children/2489/ - カテゴリー: 子どもの体験談, 不登校 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, いじめ, 2024年5月1日号  2024年1月28日、東京都西東京市にて開催されたシンポジウム「経験者が語る 私の不登校とその後」(主催・ひばりが丘公民館/不登校情報ネットワークハートラインにしとうきょう)の講演抄録を掲載する。不登校経験者のさゆりさん、古川寛太さん(ともに23歳)、太田貴也さん(24歳)と本紙スタッフ・茂手木が登壇し、それぞれの不登校経験や来場者からの質問に答えた。 * * * 茂手木りょうが(以下、茂手木)本日の司会を務めます、茂手木です。さっそくですが、それぞれの不登校の経験について聞かせてください。 さゆり 『不登校新聞』でアルバイトをしているさゆりです。私が不登校になったのは、本当の自分を隠すようになったことが影響しています。  発端になったのは、小学5年生のときに受けたいじめでした。同じクラスの男子数人から、ばい菌扱いをされるような言葉の暴力を受けて、すごく傷つけられたんです。それに加えて、先生が私のつらさを理解してくれませんでした。  何度か相談したのですが、「この程度のことで逃げていると、この先、生きていけないよ」と、私に問題があるかのように言われました。いじめだけでなく、話を聞いてもらえなかったことが悲しかったですね。それからは、「私の性格に問題があるんだ」と思い、本音を隠して生きるようになったんです。不登校になったのは中学時代なのですが、いじめられたときの経験が、土台になっていると思います。  また、親子関係でもたびたび悩んできました。私は4人きょうだいの一番上なんです。親は弟たちの世話に手をやいていたのか、私には放任的でした。長女として弟のめんどうをみないといけないことも多くて、今で言うヤングケアラーのようになっていた時期もあります。親にはもっと私の話を聞いてほしかったですね。 古川寛太(以下、寛太) 『不登校新聞』でアルバイトをしている古川寛太です。現在は連載記事「前略、トンネルの底から」も書かせていただいています。  僕は高校3年間、不登校でした。小学校~中学校まではふつうに行っていて、とくに不満はなかったし、優等生でさえありました。中学では生徒会長をしていて、卒業式では学年代表の答辞も読みました。だけど地元の進学校に入ってから、いっぺんに変わってしまいました。答辞を読んだ数カ月後に不登校ですから、何が起こるかわからないですね。  今でこそ高校時代をヘラ... --- ### 「今からでも間に合います」不登校でも取れる「高卒認定試験」について解説 - Published: 2024-04-23 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/column/2455/ - カテゴリー: コラム - タグ: 会員限定記事, 2024年5月1日号  中学・高校に通わずとも、専門学校や大学に進学できる。そのための手段が「高認」です。年に2回、文科省が実施する試験で、既定の科目すべてに合格すると、専門学校や大学などの進学はもちろん、就職の際にも活用することができる資格が得られます。ただし、今年度より受験科目が変更となるなど、いくつかの注意点もあります。今年度の第1回の試験の応募締めきりは5月7日(消印有効)。いまからでも間に合う「高認」について、解説します(※画像はイメージです)。 * * *  「高等学校卒業程度認定試験」(以下、高認)という試験をご存じでしょうか。「高認」とは、文科省が行なう試験で、夏と秋に年2回実施されています。受験資格は「その年度に16歳になる人」ということのみ。令和6年度の第1回の出願期間締切りは5月7日ということで、今からでも間に合う「高認」について解説します。 「高認」とはどんな試験か?  「高認」について、親世代にとっては「大検」と呼んだほうが耳なじみがあるかもしれません。ただし、「大検」とは異なり、「高認」は現在、全日制高校などに在籍している場合でも受験資格が得られます。  また、就職や資格試験を受験する際にも活用することができる「高卒と同等の資格」として扱われます。 令和6年度から試験科目が変更  今年度より、「高認」の試験科目が変わりました。「高認」の合格に必要な科目は8科目~9科目。具体的には、国語、地理、歴史、公民、数学、英語の6科目と理科から2科目ないし3科目を選んで受験することになります。  また、「高認」の場合、一度合格した科目は再受験する必要がないということも大きな特徴の1つです。つまり、1回の受験で全科目を受験し合格することも可能ですし、今回は国語だけ、次回は数学だけ、というように年度をまたいで全科目の合格を目指すということも可能です。 「高認」を受けた不登校経験者は 「高認」に合格することで、専門学校や大学などの受験資格を得られることから、不登校経験者のなかには高校に通わず、「高認」を取ってから自身の進路を考える人も多くいます。  作業療法士として働くAさんが「高認」を取得したのは30歳のとき。勉強はいっさいせずに気軽な気持ちで受験したところ、1回目の試験で数学以外の科目に合格したと言います。次の受験で数学に合格したAさんはその後、専門学校へ進学しました。  ... --- ### 「不登校の子が心の扉を閉ざす理由は」フリースクール代表が語る子どもの感情の寄り添い方 - Published: 2024-04-23 - Modified: 2024-07-15 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2482/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2024年5月1日号  「見学にやってくる子のなかには小一時間、無表情のまますごす子もすくなくない」と、フリースクールを運営する土橋優平さんは語ります。子どもが心の扉を閉ざしてしまう理由、そして、幸せになるために子どもの情緒をめぐり、大人はどう味方してあげればよいのか、土橋さんが解説します(連載「出張版お母さんのほけんしつ」第37回・写真は土橋優平さん)。 * * *  先日、外国におすまいの方の話を聞くことがありました。その方は「私たちの国では、子どもは2本の足で立つと言われています。1つは知識、もう1つは情緒です。日本の教育では、知識の面ばかりに目が行きがちではないでしょうか」とおっしゃっていました。その話を聞いて以来、私は「教育とはなんなのだろうか」という問いと向き合いながら生活しています。  「情緒」を辞書で調べると「物事に触れて呼び起こされるさまざまで微妙な感情や味わい・雰囲気」、「一時的に発生し消滅する、激しい感情の動き・高まり」とあります。私の頭のなかに真っ先に浮かんだのは、無表情になった不登校の子どもたちでした。フリースクールを運営していると、何組もの親子が相談や見学のため毎月たずねて来られます。子どものなかには、無表情のまま、小一時間すごす子もすくなくありません。見学の時間は難しい話をするわけでも勉強の話をするわけでもありません。好きなゲームやアニメは何か、好きなことやハマっていることは何かといったことを聞きます。「そもそも好きなことがない」と言う子もいれば、言葉は返ってきてもそこに感情が乗ってこないこともあります。これは初めて会う相手に対する緊張感とは別の、俗に言う無気力状態なのだと思います。数カ月、数年という時間を経て、子どもたちは心の扉を閉ざしてしまったのです。  扉を閉ざした理由は、自分の心を守るため。自分の感情に素直な状態でいると、つらい、悲しい、苦しい、怖いといったことばかり感じなければならない環境にあり、心の扉を閉ざすことでそうした感情を感じないようにしたのだと思います。つまり、これは子どもにとって生きるための本能的な行動なのです。私たちは幸せになるために生まれてきました。楽しい、うれしいといった気持ちから幸せは生まれてきます。このポジティブな感情は、ネガティブな感情があるから生まれるものであり、どちらも必要な感情の一部です。でも、ネガティブな感情ばかり生... --- ### 高1で不登校した僕が目をそらすように読書に没頭した理由【全文公開】 - Published: 2024-04-23 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2479/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 無料記事, 【連載】前略、トンネルの底から, 2024年5月1日号 「何か」から目をそらすように、読書に没頭したという古川寛太さん。高1で不登校となった古川さんにとって、本を読むことにはどのような意味があったのか。当時をふり返ってもらいました。 * * *  小さいころから本を読むことが好きだった。というか、それくらいしかすることがなかった。  前回書いたが、何かから目を逸らすように俺は物語の世界に没頭していた。挿絵のすくない本にはじめて手を伸ばしたのが、小学校2年生のころ。それが星新一のショートショート集だった。「悪魔のささやき」という巻に掲載されている「なんでもない」を、よく覚えている。主人公の周囲の人間がある電話を取ったあとから挙動不審になり、狂っていく話。文字だけで構成されていく世界観は、当時の自分にとってとても新鮮に感じられた。  それからは、休み時間も放課後も休日も、ほとんど読書をしてすごした。日本の作品から海外の作品まで、有名どころからコアなものまで、おもしろそうと感じたものは時間の余すかぎり読んだ。先に「目を逸らすように」と書いたが、楽しかったのだろう。夢中で読み進めた。中学校にあがってからも、部活が忙しくなり以前よりは読書量が減ったものの、細々と読み進める。本はいつも生活の中にあった。 手応えなき高校生活  そして不登校がやってくる。高校に入学してすぐに俺はつまづいてしまう。勉強はついていけていないし、春から始めた硬式テニス部は親の小言をきっかけに辞めてしまった。ポツポツと学校を休み始めた俺を、同級生は徐々に敬遠していく。家と高校を往復するだけの、ひたすらに手応えを感じない高校生活に、俺はあっという間にまいってしまった。16歳である。拗ねて、ふてくされるくらいならしかたない。けれどもそのあとに、自分を立たせる何かを見つけられなかったのが問題だった。結局それから本格的に学校へ行けなくなり、もともと消極的な性格がさらに内に閉じていくことになる。  図書館や書店によく行く。距離はあるがかなり大きな市立図書館が地元にあったり、すこし歩けば大きな書店があったため、小学生のころからどちらもよく通っていた。学校へ行かない期間、スマートフォンもゲームも持たせてもらえなかった俺は、退屈をしのぐために「本を読む」という目的で外出する機会がしばしばあった。本のある空間はとても落ち着く。本が好きな人としてその場に紛れることができるし、自分... --- ### 「ぼく…もう死にたい」小3の息子の不登校に向き合った元不登校のシングルマザーが語る戦いの物語 - Published: 2024-04-23 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/books/2458/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, いじめ, 書籍紹介, 発達障害, 2024年5月1日号 - ハッシュタグ: 発達障害  シングルマザーの最上うみみさんの息子はある日、不登校になります。最上さん自身、過去に不登校経験があり、親子で不登校を経験することになりました。虐待を疑う学校とのやりとり、相談先で傷ついた経験、信頼して相談できる人との出会い、そして息子が再登校を宣言する日。親子で不登校し、悩み、闘い抜いた日々を描いたコミックエッセイを紹介します。 * * *  「お母さんぼく... もう死にたい」。シングルマザーの最上うみみさんはある日、小学3年生の息子からそう告げられます。その後、不登校になった息子に、最上さんは「学校へ行きなさい」とは言えませんでした。なぜなら、最上さん自身、不登校になった経験があるからです。ともに不登校を経験した親子の歩みを描いたコミックエッセイを紹介します。 著者の最上さんは、母親からの虐待や学校でのいじめにより、小学6年生のときに不登校になりました。その後、進学、就職、結婚、出産、離婚と、紆余曲折のすえ、今度は最上さんの息子が不登校になります。 息子の不登校について、本音で話せる味方が見つからないなか、息子の不登校が1年をすぎたころ、学校の校長から虐待を疑われます。否定する最上さんに校長が発した言葉は「学校へ来てもらうのが商売なんでね」という一言でした。その後もいくつかの相談先を訪ねるも、しっくりくるものがなく、強い孤独感が最上さんを覆います。また、親子で衝突することもあり、そのたびに最上さんは自分自身を責め続けました。  そうしたなか、転機が訪れます。親子で受診した発達検査により、最上さんと息子の双方とも「自閉スペクトラム症」との診断が下りたのです。その後、信頼できる医師やカウンセラーとの出会いにより、最上さんはすこしずつ本音を話せる相手を見つけていくことができます。 不登校の親として、周囲に相談できる人が誰もおらず、孤立し、孤独感を抱いている人はすくなくありません。不登校という同じ悩みに立ち向かった親子の戦いの記録を描いた本書は、不登校の子を持つ親の共感を呼ぶ1冊です。(小熊広宣) 『親子で不登校になりました。』 最上うみみ 著 竹書房 1430円(税込) (初出:不登校新聞625号(2024年5月1日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### 不登校・ひきこもりのあなたへ、不登校・ひきこもりだった僕が伝えたいこと - Published: 2024-04-11 - Modified: 2024-10-07 - URL: https://futoko-online.jp/futoko/1014/ - カテゴリー: 不登校 - タグ: 会員限定記事 こんにちは。不登校やひきこもりの方々のための個別指導塾・キズキ共育塾の岡田和哉です。 このページをご覧になっている方の中には、まさに今、ご自身が不登校やひきこもりで苦しんでいる方も少なくないと思います。 実は私自身も高校入学と同時に不登校となり、そのまま5年以上のひきこもりとなりました。 今でこそキズキ共育塾で働けていますが、当時はとても苦しい思いをしたことを覚えています。 この記事では、不登校やひきこもりの「苦しさ」を経験した私なりの視点で、「不登校・ひきこもりのあなたへ伝えたいこと」を書いてみたいと思います。 ある意味、いまの自分が当時の自分に対して書く「手紙」のようなものかもしれませんが、この「手紙」が、読んでいるあなたの今後に、何かしらプラスとなれば幸いです。 共同監修・不登校新聞社 代表理事 石井志昂氏からの アドバイス 学校に行きづらくなってしばらくすると、将来に希望が持てなくなることがあります。私もそうでした。 自分には何も取り柄がなく、本気で努力もする気にもなれませんでした。やろうと思ったことがあっても、結局どんどん溜まっていきました。 そんなときは、ぜひ本コラムのような「当事者の実感」を読んでみてください。成功談も失敗談もありますが、ここにはリアルな人生が語られています。 悪循環は、好循環に変えられる 私は、人が不登校やひきこもりとなるのは、特別なことではないと思っています。 どんな人間でも、傷つくことや苦しいことがあれば、休むことや逃げることが必要だからです。 ですが、不登校・ひきこもり当事者は「悩みの悪循環」に陥りやすく、そうなると事態の解決が難しくなっていくのも事実です。 今まさに悪循環の中にあるあなたには、未来に希望があることを信じてほしいです。 悪循環は、必ず好循環に変えることができます。 と、言葉で言うのは簡単ですが、実際はそんなに簡単ではないことは、私もよくわかっています。 規則正しい生活を身につけようとしても、どうしても12時間以上寝てしまって、昼夜逆転はなかなか治りませんでした。 体力をつけようとジョギングを始めても、最初はすぐに足がつってしまい、なかなか成果は出ませんでした。 あなたも、学校に行きたい、ひきこもりから脱出したいと考え、もがくけれども結果が出ず、希望がなくなり、どんどん気力もなくなっていくような悪循環に苦しんでいる... --- ### 不登校への対応~子どもに起こる3段階の気持ちの変化を理解しよう~ - Published: 2024-04-11 - Modified: 2024-04-11 - URL: https://futoko-online.jp/futoko/1006/ - カテゴリー: 不登校 - タグ: 会員限定記事 学校が苦手なお子さんのための完全個別指導塾・キズキ共育塾スタッフの宮野唯です。 私はこれまで、次のようにお悩みの、多くの保護者さまと接してきました。 「子どもが不登校になってしまって、親として何をするべきか分からない... 」 「いろいろな対応をしても子どもの不登校の状況が変わらず、不安で仕方がない... 」 「自分の子どもへの対応は、もしかして間違っているのではないか... 」 中には、数年にわたって不登校のお子さまと向き合っている保護者さまもいました。 お子さまの状況が変わらないのは、もしかしたら、お子さまの気持ちと保護者さまの対応のタイミングがあっていないためかもしれません。 このコラムでは、私の経験に基づいて、不登校のお子さまによくある気持ちの変化の観点から、保護者さまにできる効果的な対応と、成功事例をお伝えします。 お子さまの対応法に悩み不安な気持ちを持つあなたが、お子さまの気持ちを理解しうまく対応できるようになるきっかけとなれば幸いです。 共同監修・不登校新聞社 代表理事 石井志昂氏からのアドバイス 不登校の子どもは「まるでさなぎのようだ」とも言われています。さなぎは外側から変化は見えませんが、硬い殻の内側では大きく変化をしています。 不登校も同様で、「学校へ行かない」という状況が一見変わらないままでも、表情や心境は大きな変化を見せていきます。 こうした心境の変化や背景に目を向けていくことが、子どもを深く理解する一歩になり、ひいては子どもが回復していく着実な一歩につながっていきます。 ぜひお子さんの心境の変化に注目してみてください。 不登校のお子さまの気持ちの変化 不登校のお子さまに直接話を聞いてきたところ、その気持ちには3段階があるようです。 第1段階:不安定な気持ち 第2段階:混乱・緊張・攻撃的な気持ち 第3段階:冷静な気持ち 段階ごとに、よく見られる行動と、保護者さまにできる効果的な対応をそれぞれご紹介していきます。 不登校の第1段階:不安定な気持ち 本格的な不登校になる前の時期、お子さまは「不安定な気持ち」になっています。 この時期には、主に4つの行動が見られます。 単純な外出を嫌がる 日常動作が遅い、ノロノロと動く 学校の話題を見聞きすると不快な顔をする 身なりに気をつかわない お子さまの立場では、次のような感覚から、自分自身の漠然とした変化を... --- ### 不登校は「甘え」ではありません|その理由・デメリット・接し方を解説 - Published: 2024-04-11 - Modified: 2024-04-11 - URL: https://futoko-online.jp/futoko/983/ - カテゴリー: 不登校 - タグ: 会員限定記事 こんにちは。不登校のお子さんのための個別指導塾・キズキ共育塾の講師、青柳翔太と申します。今回は、「不登校は甘えなのか」について記事を執筆いたしました。 共同監修・不登校新聞社 代表理事 石井志昂氏からのアドバイス 不登校が社会問題化したのは、1960年代です。当時、不登校の要因は「怠け」や「甘え」であるという認識が広まっていましたが、数々の識者や当事者が反論を積み重ねてきました。 今では不登校要因の調査項目に、「甘え」や「怠け」は存在しません。「不登校は甘えではない」という結論が出たからです。 しかし、不登校の初期段階では、どんな親でも「甘えてるだけでは」と思うものです。本コラムを読み、子どもへ向けるまなざしを、ぜひ一度見直してみてください。 「不登校は甘えではない」という立場から 私の見聞きする範囲では、不登校は、ある日いきなり「今日から学校に行かない!!」という宣言とともに始まるわけではありません。 ほとんどの場合は、朝起きられなかったり、腹痛を訴えたりして登校を拒否することが徐々に増え、最終的に完全に不登校になることが多いようです。 この「徐々に学校に行けなくなっている時期の状態」は、しばしば仮病、すなわちずる休みをしたがっているように見えてしまいます。 そのため、「不登校になる子どもは甘えている」と思う人がいるのだと思います。 また、世間には「そもそも、どんな理由があっても不登校は甘えだ」という声もあります。 「誰しも悩みがあるのは当然で、みんなそれを我慢したり乗り越えたりしている。悩みを理由に学校に行かないという言い訳は成り立たない」というのが彼らの主張です。 また、子どもが不登校になることを受け入れている親御さんに対して、「甘やかしすぎ」という主張をする人も少なくありません。 これに対して私は「不登校は甘えではない」という立場で、その理由と、甘えだと考えることのデメリットを論じてみようと思います。 なお、この記事は私の経験にのみ基づいて書いており、反論の余地があることは認めます。真理は中庸にあるのが常です。 あえて一方的な意見をそのまま提示することで、これを読んでいるあなたが不登校問題を多面的に見るための材料を提供したいと考えております。 甘えではない不登校の例〜体調や精神状態の悪化〜 私が不登校を甘えだと思わない理由の一つは、実際に「(生活習慣の悪化な... --- ### 人間には変えられるものと変えられないものがある - Published: 2024-04-11 - Modified: 2024-04-17 - URL: https://futoko-online.jp/column/980/ - カテゴリー: コラム - タグ: 会員限定記事 少し前の話だが、ある卒業生が急に訪ねてきた。 「怖くて死にきれなかった」 自殺を思い止まって、その足で1年ぶりにキズキを訪ねてくれた。椅子に座るとすぐに、ただひたすら涙を流していた。 30分ほど経って、ようやく状況を話してくれた。 大学でもアルバイトでもうまくいかず、「自分は普通になりたいだけなのに」と悩んでいた。 だから「僕なんて、普通の人より5年も遅れて働き始めたよ。」と僕自身の話をした。 子どもの頃の話、会社を4ヶ月で辞めて引きこもっていた頃の話、そして経営者になっても人間関係で問題を起こしてばかりで悩んでいると話をした。未だに普通には生きられない・・・と。 「安田さんは、人生焦りませんか?」 と最後に聞いてきた。 「人生に遅れた分、90歳ぐらいまで働けるように筋トレしてる」 と真面目に話したら、最後は笑って帰ってくれた。 人間には、変えられるものと変えられないものがある。 顔や身長と同じように、自分の発達特性や感受性を変えることも難しい。だから変えられるものにフォーカスを当てて、自分なりの生き方を探していくしかない。 キズキとして「学習」や「受験」以外のサポートももっと力を入れたいと改めて思った。 【この記事は、2018/3/18に公開されたものです】 --- ### 「あなたは誰より大切だよ」不登校を経験した4児の母が、あのころ一番欲しかった言葉【全文公開】 - Published: 2024-04-10 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/parents/955/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 無料記事, 親の思い, 2024年4月15日号  「頭がおかしい、ダメな子」。不登校経験者で4児の母・宮國実加さんは、自身の幼少期にそう言われ続けたと言います。以来、ずっと劣等感を抱えながら生きてきたという宮國さん。子どもが生まれてからも、「完璧な母親でいなければ」と自分を苦しめ続けたと言います。否定する言葉が子どもをどんなに傷つけるかを知る宮國さんは、「どうか子どもを否定しないでください」と訴えます。(イラスト・今じんこ) * * *  小学校1年から3年まで不登校をしていた私は、現在47歳。4児の母親です。自分が不登校だったころのことを、ようやくこの歳になって言語化できるようになってきました。 私自身の不登校とその後の人生経験をふり返って、今、読者の方に心からお伝えしたいのは、どうか、お子さんを強い言葉で否定しないでほしい、ということです。  小学生だった約40年前、私は「登校拒否児」と呼ばれ、学校や地域から大問題児として扱われました。周囲からは「ズル休み、おかしい子」と白い目で見られ、不登校に対してまったく理解のない社会のなかで、子ども時代をすごしました。毎朝、車に押し込まれ力ずくで学校へ連れて行かれました。ときには、近所の人もいっしょになって泣き叫ぶ私を車に押しこんだこともありました。 毎日の手紙、嫌でたまらない  なぜ私が学校へ行きたくなかったのか、明確な理由は今でもわかりませんが、毎日のように届くクラスメイトからの手紙が、嫌でたまらなかったのを覚えています。「がんばって学校に来てね」と言われるたびに、私は「がんばっていない、勇気がない」と言われているように感じました。  近くに住んでいた親戚は、「おまえのせいで、どれだけお母さんが苦労していると思っているんだ」と、私を責めました。「本当にダメな子」、「頭がおかしい子」など、ほかの子どもたちと比べて、いかに私が劣っているかを知らしめ罵倒する言葉を、私に浴びせつづけました。  たとえ、しつけや教育のつもりであっても、子どもからしてみれば鋭い言葉の数々は屈辱でしかありません。子どもの心は、乾いたスポンジのように傷つく言葉をひとつ残らず吸収し、ため込みます。近年の研究でも、体罰や言葉の暴力は、子どもの脳のネットワーク機能に深刻なダメージを与える可能性があるとされています。ダメージを負った子どもは、大人になってからもストレスに対処することが苦手になってしまい、自... --- ### 「保健室は子どもに休み方を教える場所」元養護教諭が語る学校の保健室の使い方 - Published: 2024-04-10 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/interview/944/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2024年4月15日号 どこの学校にもかならず1人はいる保健室の先生。保健室の先生は日々どんな気持ちで子どもに接しているのでしょうか。また子どもや親は、どこまで保健室を頼ることができるのでしょうか。保健室の裏事情や不登校の子どもたちへの思いについて、養護教諭インフルエンサーとして活躍する「にこ」さんが、「全国に4万人いる養護教諭のうちの一意見ですが」と断りながらも、本音を語ってくださいました。 * * * ――保健室の先生、正確には「養護教諭」がどのような資格をもっているのか、保健室では何ができて何ができないのか、私たちは意外と知らないものです。まずは「保健室ってどんなところ?」ということから教えていただけますか?  保健室のことって、案外知られていませんよね。まず、「養護教諭は学校の先生なの? 看護師さんなの?」とよく聞かれるのですが、養護教諭は学校の先生、つまり「教員」です。大学や短大、専門学校で教員免許のひとつである「養護教諭免許状」を取得して、一般的には教員採用試験に合格してから採用されています。 免許を取るには、一般的な先生を目指す人と同じ教育学の勉強をしながら、救急救命やアレルギー対応など医学的な知識も学ぶんですよ。 ちなみに、私は大学で心理学を専攻しながら、養護教諭の免許を取りました。最近は、私のように心の勉強をしながら、養護教諭を目指す人も増えていますね。 保健室には、「医療行為をしてはいけない」という決まりがあります。できるのは、「学校でその日に生じた体調不良やケガのうち、病院へ行く必要のないものに対して、その場でできる手当てや緊急時の対応」だけ。だから、「昨日、ケガしたときに貼ってもらった絆創膏がはがれちゃったから、貼り直してください」というお願いには本来は応えられません。もちろん、ケースバイケースで対応することもありますけどね。 「悩みごとを聞いてほしいときや、教室に入りたくないときに保健室へ行ってもいいですか?」と聞かれることもよくあります。これは、もちろん大歓迎。「開かれた保健室」をモットーにしていた私は、サボりも公認にしていました。「これがイヤだからサボりたいよ」と正直に言ってくれれば、「そうなんだね、じゃあどうする?」という作戦をいっしょに立てられるからです。これは甘やかしではなく、「休み方の勉強」ですね。 カウンセラーとのちがい そんな話をすると、「スクール... --- ### 「他人を気にする時間はもったいない」SNS総フォロワー数160万人超えのひかりんちょさんが今つらい若者に伝えたいこと - Published: 2024-04-10 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/interview/970/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 2024年4月15日号 - ハッシュタグ: 通信制高校 タレント・インフルエンサーとしてメディアやSNSを通して、多くの若者たちの悩みに向き合ってきたひかりんちょさん。「他人の目よりも、自分自身を大事にしよう」と伝え続ける姿勢は、若者から大きな支持を集めています。そんなひかりんちょさんは、中学時代、不登校を経験しました。ご自身の体験や、今ふり返って思うことなどを、等身大の言葉で語っていただきました。(写真はひかりんちょさん) * * * ――ひかりんちょさんのもとには10代の若者からたくさんの相談が寄せられていますね。相談内容としては、「周囲と自分を比べて自信をなくしている」という声が多いように感じます。  「みんなみたいにうまくやれない」とか、「みんなのようにできない私なんて、いないほうがいい」という悩みはとても多いですね。良くも悪くもSNSが普及しすぎて、自分と比べる対象が増えているからだと思います。 SNSで同年代と比較してしまう とくに最近は、「インスタグラム」のストーリー機能や「BeReal」(1日1回の通知に合わせて、その瞬間の写真を撮ってシェアするアプリ)みたいに、「今」を共有するアプリが流行っていますよね。たくさんの子たちが、みんなで制服姿で撮った動画をリアルタイムで投稿しています。不登校の子がそれを見るのは、やっぱりキツいと思いますよ。「自分は学校へ行けなくて家にいるけど、今この瞬間、ほかの人はこんなにキラキラしてるんだ」って、落ち込むのも無理はないと思います。 もちろん、一時的にでもSNSを断ち切れるなら、それもいいと思います。でも、不登校の子にとっての情報源はSNSだけだから、どうしても気になっちゃいますよね。それに、他人と自分を比べないことなんて、根本的には無理だと思うんです。私だって、つい比べちゃうことはありますから。でも、つらいときは、他人と自分を比べるんじゃなくて、過去の自分と今の自分を比べたらどうかな、と思うんです。昔より成長できていると思ったら自分を癒やしてあげたり、足りないと思ったら自分で納得できるようにレベルアップを目指したり。そう考えたら、すこし楽になれるんじゃないかなって。重たく受けとめすぎない、ということも大事ですね。 そもそも、学校という集団だけがすべてではないと私は思っています。学校で友だちができなければほかの場所でつくればいいし、学校へ行かない時間に自分の得意なことを伸ば... --- ### 「フリースクール選びのコツは?」フリースクール代表者が語るフリースクール選びでもっとも大切にすべきこと - Published: 2024-04-10 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/967/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2024年4月15日号 「フリースクールを探すとき、どんなことに気をつけて選べばよいの?」と悩まれている親御さんはすくなくありません。フリースクールを運営する土橋優平さんに、フリースクール選びのコツをうかがいました(出張版お母さんのほけんしつ第36回)。(写真は土橋優平さん) * * * 「フリースクールを選ぶときにはどのようなポイントがありますか」という相談を受けることがあります。子どもが不登校になると、外出の頻度が減ったり、家族以外の人間との交流がすくなくなったりするなかで「何に気をつけて選べばよいのか」と迷う親御さんがいらっしゃいます。 私自身、フリースクールを運営するなかで、一番大切にすべきだと思うことがあります。それは「子どもが信頼を持ってその場ですごすことができるか」ということです。フリースクールと一口に言っても、時間割を設けて学習を中心にすごすところもあれば、とくに決まった時間割を設けずに、遊びなどの体験活動を通じたコミュニケーションを大事にするところなど、じつにさまざまです。勉強に対して抵抗感がある、もしくは家族以外の人間との交流をほっしているなどのお子さんの場合、後者に挙げた遊び中心のフリースクールをおすすめします。 私は、勉強することも遊びをすることも、どちらも「手段」でしかないと考えています。私たちが運営するフリースクールは、遊びが中心です。小学生のAくんは、家族以外との交流が何年間もないなかで私たちのところへやってきました。通い始めて1年半ほどがすぎたころ、Aくんは「勉強を教えて」とみずからスタッフにお願いをしてきました。 将来の目標が見つかり、そのためには勉強が必要だと思ったというのです。この間、私たちはもちろん、親御さんも勉強については何も言っていません。 当初、Aくんは勉強どころか、スタッフへのあいさつさえしませんでした。フリースクールに到着するやいなや、カバンを放り投げてすぐにゲーム。数週間、そんな彼の横に座り、ゲームの話をしたり、教えてもらいながらいっしょにゲームで遊ぶ生活を続けていると、Aくんはいつのまにか、あいさつをしてくれるようになりました。数カ月後にはスタッフと笑顔で話ができるまでになりました。 心のエネルギー スタッフやまわりの子どもたちに心を開いていくなか、Aくんはゲームではなく人に会うためにフリースクールに来るようになりました。気づけばゲーム... --- ### 「40代で人生2度目のひきこもり」ひきこもり経験者が語るふたたび動き出すまでの出来事と気持ち - Published: 2024-04-10 - Modified: 2024-10-08 - URL: https://futoko-online.jp/others/958/ - カテゴリー: 子どもの体験談, others - タグ: 会員限定記事, 2024年4月15日号 祖父の死をきっかけに、体調を崩し、40代で「2度目のひきこもり」を経験したという岡本圭太さん。しかし、体調不良の原因は祖父のことだけではありませんでした。「2度目のひきこもり」を経験し、ふたたび動き出した岡本さんに、これまでをふり返っていただきつつ、現在の気持ちをうかがいました(写真は岡本圭太さん)。 ――大きな出来事とは?  2019年に母方の祖父に病気が見つかったんです。「もう95歳だし、いろいろあるだろう」と思いつつも、僕は「祖父が亡くなるのは親が死ぬよりもつらい」と公言していたほどのおじいちゃん子。できるかぎりのことをしようと決めて、週5日フルタイムの仕事をこなしながら、週末には静岡にある祖父の家と横浜の自宅を往復する生活が始まりました。 ただ、最期の時が祖父に迫っているという事実は、僕の心身にとって大きなダメージを与えました。「身体に力が入らなくなる」、「疲れやすい」といった症状が出るようになり、いつも乗る電車に乗り遅れるなど、それまであたりまえにこなせていたことができなくなっていることに気がつきました。医師からは「軽度のうつ」と診断され、服薬治療も開始しました。治療の足場も固まり、就職して以来初めて、2週間というまとまった休みも取り、僕のなかでは「めどが立った」という感覚がありました。 祖父は2020年3月に他界しました。悲しみはありましたが、できることはすべてやり切ったんだという納得感のほうが強かったです。祖父のこともひと段落し、コロナ禍という非日常をのぞけば、仕事もなんとかやっていけるかなと思った矢先、ふたたび身体の不調を強く感じるようになりました。ひどく疲れやすく、スポーツ観戦など好きだったことにも気力がわかない。仕事にも影響が出るようになってしまいました。認めたくなかった事実ですが「うつ」が再発したのは明らかでした。 そこで確信しました。この間の身体の不調の原因は祖父のことだけじゃなかったんだ、と。心が気づくよりも先に、身体がSOSを出していたんだなって。職場でもベテランと呼ばれる立場になり、「若手の職員より仕事ができてあたりまえ」というプレッシャーを自分自身にかけながら働き続けてきました。それがけっこう苦しかったんですよ。その限界を身体が先に「うつ」というかたちで表現したんです。「もう無理だよ」って。2度目の「うつ」は僕にとって非常にショックな... --- ### 「今さら本心なんてわからないよ」担任から「お前はどうしたい?」と聞かれた不登校経験者の本音【全文公開】 - Published: 2024-04-10 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/964/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 無料記事, 【連載】前略、トンネルの底から, 2024年4月15日号  「学校へ行け、行かないなら転校しろ」「お前はいったいどうしたいんだ?」と父親や高校の担任から詰め寄られた古川さんは「今さら本心なんて怖くて取り扱えない」と反発したと言います。背景には小学生時代のある経験が大きく影響していました(写真は古川寛太さん)。(連載「前略、トンネルの底から」第6回) * * *  ゲームを持っていないことを引け目に感じる小学校2年生の俺と、同級生の友だち。遊びの約束に対する気づかいを言いだしたのはどちらからだっただろうか。提案の苦手な俺のことだ、きっと彼らに言わせたのだろう。そんな空気を出しているのはこちらにもかかわらず。結局、彼らと遊ぶ機会は徐々に減っていったどころか、俺は誰とも遊ばなくなった。  休み時間や放課後になると図書室に逃げ込んで、誰とも関わらずに本を読むようになった。読書は楽しかったが、どこかで「ゲームを持っていない、こんな自分でもいいのだ」と言い聞かせるような声が頭に響いていた。3年生のクラス替えによって彼らとわかりやすく距離が開くことになるすこし前の冬、俺は没頭する趣味を得る代わりに、誰かと体験や感情を共有することから、逃げた。  流行り言葉のようであまり好きではないが、こういうものを「原体験」と呼ぶらしい。何も持っていない後ろめたさから自分の世界観に人を巻き込むことを避ける、または巻き込んだことで人に理解されなかったり気を使われることを極端に恐れる、こちらから意志を示せない。こういった傾向は、結局その後も続いた。もちろん個人の特性や気質の影響もあるとはいえ、これらの体験は俺の足を大いに引っ張り、その度に悲鳴をあげる。 今さら本心なんて...  とくに不登校と掛け合わさった高校時代はつらい。数々の行き場のない嘆きが、自身に投げかけられた言葉とともに思い返される。学年主任は集会で言った。「この学校は自由です。あなた方は何をしたっていい」。父は俺の部屋に入るなり言った。「学校へ行け。行かないなら、ほかの学校に移れ。選択しろ」。担任は教務室で言った。「おまえは一体どうしたいんだ」。知るかよ。そんな主体性、あの日ゲーム機へのあこがれといっしょに捨ててきた。今さら自分の本心なんて怖くて取り扱えないよ。 「こうしたい」と言うには、かけ算もできなかった当時に戻るしかない。戻って、親にも友だちにも「自分はこうしたい」と伝えるしかない。でも... --- ### 「僕、先週死んじゃおうかと思ったんだよね」小5で不登校した息子の告白に母親が後悔した対応 - Published: 2024-03-27 - Modified: 2024-10-05 - URL: https://futoko-online.jp/parents/1056/ - カテゴリー: 保護者の体験談, 不登校 - タグ: 会員限定記事, 親の思い, いじめ, 2024年4月1日号 「私の一番の後悔は、息子をボロボロになるまでがんばらせてしまったことです」と語るのは、現在中学3年生の息子さんを持つ母親・「ミル姉さん」。ミル姉さんの息子さんは小学5年生から学校へ行きしぶるようになりました。しかし自分から「行きたくない」と言わない息子さんに、「本当は何を考えているの?」と悩んだそうです(※画像はイメージです)。 * * * ――お子さんの不登校のいきさつからお聞かせください。 息子は小学5年生の2学期から急に遅刻と早退をするようになりました。からだの不調を訴えることはなかったのですが、とにかく疲れているようすで、「学校、丸一日はがんばれない」と言って朝遅れて行ったり、昼に帰ってきたりするようになったんです。原因はまったくわかりませんでした。 私はとりあえず、「遅刻でも早退でも学校には行けるんだから、まあ行ってもらおうか」と思って、車での送り迎えをがんばっていました。でもしばらくすると、「頭が痛い」、「吐き気がする」と言って休む日も増えてきました。 欠席が増えると学校側に焦りが出てきたようでした。担任の先生から「このままの状態ではまずいですね。今乗り越えないといけません。お母さん、ここが正念場ですから、がんばりましょう」と言われました。 そう言われて私は「なんとしてでも行かせなきゃいけないんだ」としか思えなくなってしまって。しかも先生からは毎日のように、息子のようすをうかがう電話がかかってくるんです。息子のことは親の私に責任があるのだと追いつめられていきました。 一方で息子は、2学期の途中から、学校へ行った日でも教室に入れなくなりました。理由はいじめです。突然クラスメイトの1人から「お前のことを一生許さねえ」と言われ、授業中に睨みつけられたり、休み時間に仲のよい子と引き離されたりするようになったんです。 あとでわかったのですが、息子がしょっちゅう遅刻や早退をするのを見て、その子はうらやましかったそうです。でもやっぱりそれで息子が攻撃されるのは許せません。学校側には謝罪の場を設けてもらうよう求めました。 そしたら息子と、先生、いじめたその子の三者で集まることになりましたが、結局、その子に反省のようすが見られないまま、その場は終わってしまいました。 いじめがあってから息子はますます元気がなくなり、弱ってしまいました。4年生までは本当に元気でおしゃべり好き... --- ### 「原因を取り除けば再登校すると思っていた」不登校した娘の対応で母がしてしまった失敗から得られた気づき【全文公開】 - Published: 2024-03-27 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/parents/1031/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 無料記事, 親の思い, 2024年4月1日号 「生涯かけてこの子を守る」。中田早樹子さんが不登校に苦しむ娘さんに対し、このように思えるまでには、たくさんの葛藤がありました。生活リズムを整えるため、スマホやゲーム機を取り上げることもあったといいます。「娘の不登校から、親も自分を愛していいのだと教わった」と語る中田さんに、転機のきっかけなどを書いていただきました(※イラスト・今じんこ)。 * * * 次女が不登校になったのは、中学に上がり間もないころ、人間関係のトラブルがSNS上へと発展したことがきっかけでした。朝になると「頭が痛い」、「お腹が痛い」と学校を休むようになりました。 そのころ私は学校へ行くのがあたりまえという認識だったので、嫌がる次女を無理やり起こしては、学校へ行かない理由を問いただしました。 当時、私は勤めに出ていて、次第に遅刻や欠勤が増え、勤務先の上司から注意を受けるようになりました。事情を説明しても理解を示してもらえず、追い詰められた私は、「どこでつまずいてしまったのだろう」とこれまでの子育てをかえりみました。 次女が保育園のころは、ちょうど東日本大震災のあとで、夫が単身赴任中のワンオペ育児でした。元々計画を立てるのが苦手な私は、時間的にも精神的にも余裕のない毎日を送っていました。職場の人間関係のストレスで心もすり減り、幼い子どもたちを叱ってばかり。ふと鏡に目をやると、そこには険しい顔をした自分の姿がありました。子どもたちはどんなに心細い思いをしたことでしょう。そんな過去を心から悔やみました。 それでも私は、子どもが抱えているものを取り除きさえすれば「元通り」に学校へ行くようになると考えていました。まずは生活リズムを整えるのがよいと考え、夜更かしをさせないようにゲーム機やスマホを取り上げました。それがこの子のためになると信じて疑わなかったのです。 その後次女は、遅刻をしながらも学校へ通い続けました。2年生へ進級すると同時に運動部に所属し、登校できる日も増えていきました。しかし「不登校に逆戻りしてしまうのでは」という不安は消えず、綱渡りのような状態が続きました。私は「不登校」に関連する記事を読みあさり、「不登校改善プログラム」、「3週間で登校するようになるメソッド」など、今思えば、ばかばかしいことですが、ワラにもすがる思いでした。 無理やり登校 なんの意味が 2年生の夏休み明けに新型コロナに感染し... --- ### 「友だちを遊びに誘うのが怖い」ゲームに対する親の対応が子どもに与えた影響【全文公開】 - Published: 2024-03-27 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1051/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 無料記事, 【連載】前略、トンネルの底から, 2024年4月1日号  小中高の12年間で、友だちを遊びに誘ったのは1回だけ――。そう語るのは、不登校経験者の古川寛太さん。友だちを遊びに誘うことが怖くなってしまった背景には、ゲームをめぐる親の教育方針が大きく関係したと古川さんは語ります。友だちと遊ぶことに「後ろめたさ」を感じるようになってしまった理由とは。 * * * 人を誘うことが小さいころからとても「苦手」だった。小中高の12年間、誰かを誘って遊んだことは、記憶にあるかぎり1度しかない。それも、内心とてもドキドキしていたことをおぼえている。「苦手」という表現は、どこか「しかたがないもの」として、自分が抱える責任から逃れている気がする。「怖かった」と表現するのが正解だろう。俺は人を誘うのがずっと怖かった。そもそも小心者でプライドが高いことは前提として、もう1つ、大きな要因があった。それは「ゲームを持っていないこと」だ。  小学校に入学して以降、とても仲よくなった友だちがいた。よく遊んでいたのだが、すこしずつもうしわけなさを感じるようになってしまった。就学とほぼ同時期に任天堂DSやWiiが流行した我々の世代、クラスはつねにゲームの話題で盛り上がっていた。「ポケットモンスター」、「トモダチコレクション」、「どうぶつの森」など、俺が知らないゲームの世界で旅をしている彼らの話を、休み時間のたび、いつも横で聞いていた。また、カードゲームも流行っていた。小学校に上がる前はいっしょに砂場やブランコで遊んでいた公園で、友だちは「デュエル・マスターズ」に興じていた。 「ダメなものはダメ」  しかし、俺はこれらを1つも持っていなかった。友だちからは「親に頼めばいいじゃん」とよく言われていた。教師である父が5年前に買った2階建ての一軒家。自分の暮らしが比較的裕福であることには気づいていた。長男の俺を含めた3人兄弟に、ゲーム機やカードデッキの1つや2つ、買い与えることはできたはずだ。ただし、ゲームに関しては両親ともに取り合ってはくれず「ダメなものはダメ」の一点張り。俺は懇願することを早々にあきらめた。  友だちは気を使い、俺もいっしょに楽しめる時間をつくろうと工夫してくれた。携帯ゲーム機に内蔵されている「うごくメモ帳」のおもしろい動画を見せてくれたし、ポケモンのレベル上げを任せてくれたりもした。チャットシステムを使った鬼ごっこでは、俺だけ当時の最新機種だっ... --- ### 「家が楽だから学校へ行かなくなる」はまちがい フリースクール代表が解説する「休憩」の大切さとは - Published: 2024-03-27 - Modified: 2024-07-15 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1039/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2024年4月1日号 「家が楽だから、子どもが学校へ行かなくなるんだよ」。わが子の不登校の話をした際、そんな言葉を投げかけられた経験はありませんか?「子どものためと思っていたけれど甘やかしすぎたかもしれない」と悩む親に対し、土橋優平さんは「甘やかしてよい」と語ります。土橋優平さんが解説する子どもに必要な「休憩」の大切さとは。(連載「出張版お母さんのほけんしつ」第35回・写真は土橋優平さん) * * * 先日、ある相談を受けました。わが子の不登校を周囲に話したところ、「家が安心できる場所だから、子どもが学校へ行かなくなるんだ」と言われたというのです。その親御さんは「私が子どものために、と思ってしてきたことはまちがっていたのかと自信を失いそうです」と悩まれていました。 誤解を恐れず言うならば、家では甘やかしすぎなくらい、甘やかしてもよいと私は考えています。ありのままの自分を受けいれてもらえると子どもが感じられる家庭環境を用意してあげることが、不登校に関係なく、すべての子どもに重要なことだと思います。今回はその理由についてお話します。 不登校の子どもからは「自分の意思が反映されない学校の文化が苦手」、「自由がなく、細かく決められたルールのなかですごすことに疲れた」という声をよく聞きます。 そもそも、1人の先生が30人の子どもたちを見ながら、膨大なカリキュラムを期間内にこなさなければいけない現状を考えると、管理的になってしまうことは避けられません。こういう話をすると、「学校はガマンを学ぶところだ」という声が聞こえてきます。たしかに、人間が成長するうえで、ストレスは必要です。合鴨農法で育つ稲も、合鴨がエサを食べる過程で稲の根の部分をつつくことで、もっと強くならねばと根が鍛えられ、よりおいしい稲ができると聞きます。人間も同様です。 しかし、ストレスを受けるときに必要なのが「休憩」です。 ストレスがかかり続けている状態では、傷ついた部分を修正する暇がなく、傷は深まるばかりです。成長のためと思ってやったことが、結果的にその子どもを追いつめることになるのです。 セットで大事な「がんばらない」 学校という集団生活において、自分が言いたいことを言えないときもあります。よい成績を取れずに悔しい思いをする場面もあるかもしれません。そんなストレスを多く抱えながら、なんとか耐え忍んでいる子どもはすくなくありません。な... --- ### 「30歳を目前に焦っていた」就活失敗を機に大学生でひきこもった私が再び動き出すまでに取り組んだこと - Published: 2024-03-27 - Modified: 2024-10-07 - URL: https://futoko-online.jp/others/1035/ - カテゴリー: 子どもの体験談, others - タグ: 会員限定記事, 2024年4月1日号 就活の失敗を機に、22歳から3年間ひきこもったという岡本圭太さん。同居する両親以外とのかかわりがなくなっていたと語る岡本さんは25歳でひきこもりを脱し、30歳で働き始めます。ひきこもりから再び動き出すまでのあいだに何があったのか、岡本さんにうかがいました(※写真は岡本圭太さん)。 ――岡本さんがひきこもったいきさつからお聞かせください。  僕が最初にひきこもったのは、大学在学中の22歳。そこから25歳までの3年間でした。きっかけは就職活動の失敗です。20社ぐらい受けましたが、とにかく受からない。筆記試験は受かるのに面接試験が通らない。 そうしたなか、同級生たちが次々と内定を決めていきます。サークル仲間で集まると、こう聞かれるわけです。「岡本は就活どうなの?」って。もちろん、親戚や両親も同じことを聞いてくるわけですから、こういう質問を受けるような場面から遠ざかるようになると、すこしずつ人間関係が希薄になっていきます。気づけば、同居する両親以外との関わりがなくなっていました。 ひきこもっていた期間は3年ですが、コンビニや図書館など、他人との会話を求められない場には外出できました。「自室からまったく出ない」という期間も2週間~3週間はあったように思いますが、正直おぼえていないんです。今思えば、心の防衛反応だったのでしょう。あのつらさを意識してしまったら身も心も耐えられない。無意識にシャットダウンし、自分を守っていた。だから、記憶にないんだ、と。 ――ひきこもりを脱するきっかけは? ある雑誌で「ひきこもり100万人の悲劇」という特集を読んだのがきっかけです。「大げさだろう」と思いながらも、自分と同じような状態の人がいるとわかったことが、希望の光になりました。それだけ多くの人が困っているなら、同じ立場の人どうしで話すなかで解決のヒントが見つかるだろうと考えたからです。雑誌を見たのが1999年6月ごろで、翌月の下旬には通院を始めるなど、動き始めたんです。 ――ふたたび動き出す際には、大きなエネルギーが必要だったのではないでしょうか。  おっしゃる通り、行動に移すというのはとにかくたいへんでした。僕の場合、「病院へ行くまで」が大きなハードルだったんです。「今日こそ病院へ行く」と毎日考えるわけですが、なかなか動けない。夕方になると「今から行っても診察時間に間に合わない」とわかるので... --- ### 「支援の受け手から担い手に」保護犬の世話を通した不登校・ひきこもりの自立支援 - Published: 2024-03-27 - Modified: 2024-10-07 - URL: https://futoko-online.jp/others/1023/ - カテゴリー: インタビュー, others - タグ: 会員限定記事, 2024年4月1日号  不登校やひきこもりなどで自立に悩む若者が、保護犬のお世話を通して社会に出るための準備をする。そんな独自の支援プログラムを行なっている団体があります。茨城県つくば市にあるNPO法人キドックスです。具体的な取り組みとプログラムに参加する若者のようすについて、代表の上山琴美さん(以下、上山)、事務局長の岡本達也さん(以下、岡本)にお話をうかがいました(※写真左・上山琴美さん、写真右・岡本達也さん)。 ――まずキドックスさんの取り組みについて教えてください。 上山 私たちは茨城県つくば市に「ヒューマンアニマルコミュニティセンターキドックス」という施設を構え、不登校やひきこもりなどで社会から孤立し、居場所や自立に悩む子ども・若者の支援と、捨て犬の保護活動を組み合わせた動物介在活動を行なっています。  捨て犬の保護活動とは、飼育放棄や虐待にあった犬をおもに茨城県の動物指導センターから保護し、心身のケアや、人と快適に生活ができるよう社会化トレーニングをすることです。  また、トレーニングを経て家庭で暮らす基礎力が身についた犬を、「保護犬と出会えるカフェ」の運営を通して新しい飼い主へと引き合わせる譲渡活動もしています。  飼育放棄や虐待にあった犬というのは、人にお世話されることに慣れておらず、そもそも人との接し方を知らないことが多いです。だから保護してすぐ里親に預けることは難しいんですね。犬の性格をよく観察して、すこしずつコミュニケーションを取りながらお世話し、人に慣らしていかなければなりません。 犬との関わりが 自立支援に  保護犬が人に慣れ、新しい家族と暮らせるようになるまでのプロセスに、私たちは若者の自立支援プログラムを組み合わせています。プログラムの名前は「いぬのいえ」と言います。若者たちにはおもに、犬とふれ合ったり、人の手からごはんを食べさせたりして、「人と暮らすことは怖くないよ、楽しいんだよ」ということを犬に伝える役割を担ってもらっています。つまり、「いぬのいえ」では若者たちに、支援される側から支援する側にまわってもらうことが大切だと考えているのです。  なぜなら支援を受けるばかりだと、「ありがとう」をずっと人に言い続ける状態になり、自己肯定感が高まらないと思うからです。やっぱり人って、誰かのために行動して感謝されたり、目に見える成果を得たりするなかで、自分の力を信じ... --- ### 「よくぞ無理やり行かせないでくれた」小・中学校で不登校した男性が親に心から感謝していること - Published: 2024-03-26 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/children/1108/ - カテゴリー: 子どもの体験談, 不登校 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 当事者の声, いじめ, 2024年3月1日号 - ハッシュタグ: 通信制高校 「早めに王道のレールから外れておいて、よかった」。中学生のとき不登校になったボビンさん(28歳)はそう話します。会社員を経て、現在は独立されたボビンさん。今でこそ不登校を前向きに捉えられるようになったのですが、以前は「自分はダメだ」と自己否定するつらい時期が長く続いたそうです。これまでの不登校経験や、考え方の変化など、お話をうかがいました。 * * * ――ボビンさんの不登校はいつごろから始まったのですか。 小学5年~6年のころにいじめを受けていて、よく学校を休むようになりました。クラスメイトから嫌なあだ名をつけられたり、そのあだ名を使ってわざと自分に聞こえるように悪口を言われたりしたんです。でも、なんとかがんばって週3日くらいは学校へ行くようにしていましたが、正直なところ、週3日でもめちゃくちゃキツかったです。 完全に不登校になったのは中学1年のときです。中学校は、自分をいじめていた子たちとはちがう学区の学校に入学しました。でも、もともと人が多い場所が苦手だったのもあると思うんですが、やはり「学校の雰囲気」がどうしても合いませんでした。休み時間に聞こえるクラスメイトの話し声で、もしかすると自分が悪口を言われているかも、と不安になってしまうんです。小学校のときにいじめられていたので、陰口にすごく敏感になっていたんですね。結局、中学卒業まで、テスト期間とスクールカウンセラーに会うとき以外は、ほとんど学校へ行きませんでした。 居場所になった 支援センター 不登校中、スクールカウンセラーの勧めで、教育支援センターに通い始めました。中学1年の夏休み前のことです。教育支援センターには「学校に戻れ」というプレッシャーがなかったので、無理なく通うことができました。「戻らなきゃいけない」という圧力もなかったので、楽しんで行っていたし、自分の居場所にもなっていました。基本的に週4日は教育支援センター、週1日は塾という生活。不登校だけど、自宅ではなく外ですごす時間が多かったように思います。 高校進学の時期になり、やっぱり全日制の高校は難しいと思ったので、通信制の高校へ進むことにしました。現在の「NHK学園高等学校」に入学したんですが、基本的に授業はインターネットで、スクーリングも3カ月に1回程度。いわゆるキャンパスライフみたいなものはなかったです。でも高校生活を物足りないと思うことはあ... --- ### 「カップ麺ばかり食べていて大丈夫?」不登校の子を持つ親の悩みに栄養士が答えます - Published: 2024-03-13 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/column/1067/ - カテゴリー: コラム, 不登校 - タグ: 会員限定記事, 人気記事, 2024年3月15日号 不登校で家に居るわが子。学校で給食を食べなくても、せめて家で栄養のあるものを食べてほしい、というのが親の思い。でも、毎日のようにカップ麺・インスタントラーメンばかり食べている子もいて、親としては悩んでしまいます。そこで今回は、不登校の子を持つ親であり現役栄養士・めいめいさんに登場いただき、カップ麺・インスタントラーメンを食べることについてのさまざまな疑問に、栄養士として答えていただきました。(イラスト・今じんこ) * * * 質問1 カップ麺・インスタントラーメンは栄養バランスが悪いので、食べさせないほうがいいですよね? 人の活動力になる大きな栄養素は3つ。「炭水化物」、「たんぱく質」、「脂質」です。この3つがないと人間は生きていくことができません。 カップ麺などでは、「炭水化物」と「脂質」の2つが満たされています。問題は「たんぱく質」ですので、それを補う食品を加えてみましょう。そっとチャーシューを添えてみてはいかがでしょうか。親は「食べてもこれならまだマシか」くらいの気持ちの余裕を持ちたいものです。 食品添加物 悪影響は? 質問2 食品添加物の悪影響が心配です。 「明星食品」のサイトを見ると「当社のカップめん、袋めんなどすべての製品について、合成保存料、合成着色料は使用していません」と明記しています。また、日本の食品メーカーでは、厚生労働大臣が「安全である」と定めたものしか販売することができません。 たしかに添加物が気になるお気持ちもわかります。ただ、ラーメンにかぎらず、私たちがふだん食べているもののなかに添加物が含まれていることはよくあります。インスタントラーメンにだけ過敏になる必要はありません。 質問3 子どもはカップ麺・インスタントラーメンだけしか食べず、ほかのものを食べません。 質問1の回答をご参照いただければ、たんぱく質を取ることはできると思います。あとは、ビタミン類も摂取してほしいですよね。野菜をラーメンの上に乗せたり、横にサラダを添えてみるのはいかがでしょうか。 もし残されても親はヘコまず、自分の分として食べてしまいましょう。子どもがごはんを残すことに、くどくど文句は言わず、いつもお野菜を横に用意しておくことが大切です。視界に入ることで、子どもが野菜に興味を持つ可能性が高くなります。 また、毎日インスタントラーメンばかり、ということですが、「ある一定... --- ### 「不登校の子の保護者、5人に1人が離職」子どものために離職をするまえに考えてほしいこと - Published: 2024-03-12 - Modified: 2024-09-27 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1094/ - カテゴリー: 連載, 不登校 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2024年3月15日号 子どもが不登校をしているため、仕事を辞めざるを得ない。そんな悩みを抱えている親御さんはすくなくありません。このとき、親はどうしたらよいのでしょうか。こうした相談にふだんから対応しているNPO法人代表の土橋優平さんは大事なポイントがあると指摘します。(連載「出張版お母さんのほけんしつ」第34回・写真は土橋優平さん) * * * 「不登校の子の保護者、5人に1人が離職」。2月末、衝撃的なニュースとして、ネットメディアを中心に取り上げられました。でもこれを読んでいるみなさんで驚く方はそこまで多くはないと思います。「やっぱりそうなのね」、「わかるよ、仕事から離れる気持ち」、そんな声が聞こえてきそうです。じつはこのニュースの情報リソースは、私が代表を務めるNPOで行なったアンケート調査の結果です。 調査結果を細かく見ていくと、休職6・0%、退職14・8%と出ています。離職するに至った理由では「やはり本意ではなかった」という回答が多くありました。「不安定な子どもを1人にしてまで仕事を続けることはできないと思い、子どもとすごすことを優先して、退職しました」という声も多く、私たちのLINE相談窓口にも「仕事を辞めようかどうか迷っている」という相談が届きます。その際、私たちが見るポイントがいくつかあります。 一番大切なことは、子どもが親といっしょにいることを望んでいるかどうかです。 見守りと見張り 子どもが「お母さん(お父さん)がそばにいないと不安」と言うほか、自傷行為があるなど、明確に心の傷が深いことが想定され、早急にその改善のためにまわりがケアにあたる必要がある場合などは、離職を検討してもよいかと思います。 ただし、注意してほしいことがあります。それは、親御さんが「子どもといっしょにいてあげないといけない」という思いに苛まれているケースです。「親にいっしょにいてほしい」と子どもは言っていないけれど、「こんな不安定な状態の子どもと親がいっしょにいないなんておかしい」という、どこか使命感に近い感覚で離職を検討していないかということです。 これは「親としてこうすべき」という「親の鎧」が生んだ考えなのです。この場合、親御さんの思いが強すぎるあまり、「見守り」が「見張り」に変わってしまい、親子で休まることがないどころか、おたがいがイライラしながらすごすようになることにもつながりかねません。... --- ### 「母のつくった弁当を駅のトイレで食べていた」不登校経験者が通学途中で経験した心のなかの戦い【全文公開】 - Published: 2024-03-12 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1061/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 無料記事, 【連載】前略、トンネルの底から, 2024年3月15日号  通学途中、駅のトイレで母のつくった弁当を食べていた――。バスに乗って駅に向かい、学校へ行く道中の心の葛藤について、古川寛太さんが語ってくれました。 * * *  冬の通学路が苦痛だった理由。まず、バスの発車時刻が決められていること。1限開始に間に合うためには毎日定刻のバスに乗らなければならない。今日は行けるのかどうかを葛藤している早朝に、明確なリミットを外部から定められていることが、当時とてもストレスだった。これが自転車で行くともうすこし融通が利く。「授業開始時刻」に加え「発車時刻」という自分で動かすことのできない数字の発生に、俺の頭はあっという間にキャパオーバーしていた。いまでこそ、そんなことでつまずいていたのかと驚くが、やはりあのころは明らかに容量が小さくなっていた。かんたんにパンクしてしまうほど、もろかったのだ。 二重に発生する決断  もうひとつ、この通学路のいやな点は、途中で駅を経由することである。これは「学校へ行く」という決断が二重に発生することを意味する。自転車で通う際、学校へ向かうためのこの「決断」は、家を出るか否かで成されていた。意を決して家を出てしまえば、すくなくとも学校の前まではなんとか気持ちを保てる。そこから校内に入れるかでまたひと悶着あるのだが今回は省く。これがバス登校に変わるとどうか。仮に家を出ることができても、バスが到着した駅から学校へ向かうまでで、もう一度同じ決断をしなくてはならないのである。これが本当に厄介で、学校や同世代の人間という恐怖の対象が近づいてきたことで、俺は駅で再び立ち止まってしまうことがよくあった。苦い薬を2回に分けて飲むようなものだ。3年間、駅構内で1日をすごした日が何十日もある。奥のほうにある人気のない多目的トイレで、母親のつくったお弁当を食べていた。  何かのまちがいで学校へ行けてしまった日は、終業と同時にクラスの誰よりも早く校内を出た。逆に放課後に呼び出しをされた日には、クラスの誰よりも遅く校内にいた。そしていつだって家まで徒歩で帰っていた。定期券はあったが、それを使って早く家に帰ろうとは思えなかった。考えなければならないことがたくさんある。解決しなければならないことがたくさんある。気温は0度を下回り、しんしんと雪が降る夕闇のなかをゆっくり踏みしめていなければ、俺はやっていられなかった。もうすぐ進級ができなくな... --- ### 「私も不登校経験者でした」作家・森絵都がいま不登校をしている子どもに伝えたいこと - Published: 2024-03-12 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/interview/1082/ - カテゴリー: インタビュー, 不登校 - タグ: 会員限定記事, 人気記事, 2024年3月15日号  「中学校は私にとって戦場でした」と語るのは、作家・森絵都さん。10代に向けた小説を数多く発表してきた森さんも、不登校を経験していました。森さんの半生、作品づくりで大切にしていること、そして不登校に悩む人へのメッセージなど、お聞きしました。 * * * ――森さんは、どんな学生時代をすごしていたのですか?  中学校は私にとって「戦場」でした。学校全体が荒れていて、校内でタバコを吸うことはあたりまえ。先輩がガラスを割っていたり、グラウンドをバイクでグルグル走り回っていたり、もうやりたい放題(笑)。いじめも多く、集団でのいじめやグループどうしの対立など揉めごとが絶えず、巻き込まれないように、どうにか生き延びようと必死でした。それでも巻き込まれてしまうこともあり、戦いの日々が嫌になって、だんだん学校へ行かなくなりました。  家で何をしていたかというと、私と同じように学校に疲れている友だちを呼んで一日中ダラダラしていました。そんな生活なので、勉強なんてほとんどしていませんでした。  高校に入ると周囲も落ち着き、私も自分のペースを取り戻せるようになりました。アルバイトを始め、家と学校以外の居場所ができて楽しかったです。でもすぐに飽きてしまって辞め、また別のアルバイトを始め... ... をくり返していました。  新しい職場に入ると、はじめは自分がいちばん新人になりますが、しばらくするとあとから入ってきた新人に指導する立場になるじゃないですか。私はそれが苦手だったんですよね。高校時代には14カ所くらいでアルバイトを経験しました(笑)。  アルバイトを次々と変えながら高校時代をすごし、3年生になっていよいよ進路を決めなければならないというときに、初めて危機感を覚えたんです。「これからもこんなふうにフラフラとしていたら、たいへんなことになる」と。  そして、よっぽど好きなことを仕事にしないと私の場合は続かない。一生、職を転々としながら放浪の旅を続けることになると焦り、真剣に「自分には何が向いているか」と考えました。  そこで思いついたのが、文章を書くことだったんです。ずっと勉強は嫌いだったのですが、作文を書くことだけは好きで、校則を破ったときなどに先生から課される「反省文」ですら書くのが楽しかったんですね。「作家だったら文章を書くのが仕事だから続けられるかもしれない」、そう思い、作... --- ### 「不登校の子どもが1歩を踏み出すときは?」『不登校新聞』代表が語る心が回復する4つの過程 - Published: 2024-03-12 - Modified: 2024-05-17 - URL: https://futoko-online.jp/contribution/1089/ - カテゴリー: 寄稿 - タグ: 会員限定記事, 2024年3月15日号  子どもが学校を行きしぶったり、不登校になったとき、一番不安なのは「この先、どうなるのか」だと思います。受験や就労という言葉が遠く感じられ、ひきこもりやニートという言葉が一気に近づく。親としては冷静ではいられません。ですが安心してください。不登校の人がたどる道のりがあり、心が回復していく手立てがあります。弊紙代表・石井しこうが、自身の不登校経験から得たこと、20年間の不登校取材で得たことをベースに「心が回復する過程」を解説しました(本記事は2024年1月11日に「親コミュ」内で行なわれた講演の抄録です)。 * * *  こんにちは。全国不登校新聞社・代表理事の石井です。本日の講演で私がお伝えしたいことは、人には不登校が必要なときがある、ということです。これは、400人を超える方々に不登校について取材をしたなかで得られた結論です。   さまざまな理由で学校生活が合わなくなって、なぜ自分が、なぜ自分の子どもが、という疑問は当然生じます。しかし、ムリに学校に留まることはとても大きな苦痛になることもあります。したがって、不登校が必要なときがある、そして、不登校は悪いことではない、ということをお伝えしたいと思います。  そのように考える理由はたくさんありますが、ひとつには、私自身の体験があります。私は小学生のころ、中学受験のため、塾に通っていました。塾ではスパルタ式の教育を受けました。「偏差値50以下は将来がない」と言われ、何時間も続く勉強合宿などもあり、強いストレスのなかで生活していました。 自分にも向いた 差別意識  結果として受験にはすべて落ちてしまいましたが、本当につらかったのは、受験に落ちたことではありません。「勉強がうまくいかなければ人生がない」と思い込まされたことでした。勉強ができない人間はダメな人間だという差別意識が、受験を通して自分に生まれてしまったのです。  差別は、他人に向けられることもありますが、自分自身にも刃を向けるんですね。受験に失敗した私は強い自己否定感を抱くようになりました。進学した公立中学校ではいじめに遭遇し、学校環境にもなじめず、すべてがうまくいかなくなりました。  当時、号泣しながら「学校へ行きたくない」と言ったとき、母はただごとじゃないと思ったのでしょう、「わかった」と言ってしばらく休むことを提案してくれました。このとき、休むという選択... --- ### 「4月から学校へ行くよ」子どもに言われたときに必要な親の準備とは【全文公開】 - Published: 2024-03-11 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/1098/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 2024年3月15日号 「4月から学校へ行くよ」。不登校の子どものなかには今の時期、そんな宣言をする子がいます。親としてはうれしい反面、「本当に行けるのか」、「無理をしているんじゃないか」と悩む方もいます。そもそも、「4月から学校へ行くよ」と言い出す子どもの気持ちはどのようなものなのでしょうか。そして、それを言われたとき、親に必要な心構えと対応は何かについて考えます。 * * * 不登校の子どもにとって、春休み中は、肩の力をすこしだけ抜くことができる時間です。学校が休みのため、昼間に街中を出歩いていても、ふだんよりまわりの目も気になりません。不登校している自分を責めることから解放されるのです。 しかし、不登校の子どもがみな穏やかにすごせているかといえば、そうではありません。3月は卒業・進級や就職など、人が動き出す時期だからです。テレビをつけると、ランドセルやスーツのCMなどが流れ、新たなステージへ踏み出す人たちを応援する雰囲気があふれています。そうしたなか、「1年前と何も変わっていない」、「自分だけ取り残されているよう」などと、不安や焦りを感じる子どももすくなくありません。 子どもの心境 2つのパターン この時期になると、「4月から学校へ行くよ」と言う子どもがいます。このとき、子どもは何を考えているのでしょうか。「函館圏フリースクールすまいる」代表の庄司証さんは2つのパターンが考えられるといいます。 1つめは、覚悟を持った「行くよ」です。高校進学のために出席や成績が必要になり、再登校を決意するというものです。庄司さんは「新たな学校生活への楽しみや希望ばかりではありません。今を乗り切れば苦痛が終わると信じていればこそ、何とかつむぎだした一言ではないか」と指摘します。 2つめは、「4月までは休むことを許してほしい」という意味の「行くよ」です。子どもは親の気持ちや期待をじゅうぶんすぎるほど感じ取っており、休みたいと言い出すことはとても勇気のいる行動だからです。ただし、学校へ行くことが前提となっている休みである以上、「本当に休めているか、気をつけて見ていく必要がある」と庄司さんは指摘します。 直感を信じ 願いは捨てる では、「4月から学校へ行くよ」と子どもに言われたとき、親はどうすればよいのでしょうか。 ここで大切なことは、「信じるべきは親の直感、捨てるべきは親の願い」ということです。庄司さんが指... --- ### 「辞め方を知っておけば怖くない」アルバイトを始める前に知っておきたい5つのコツ【全文公開】 - Published: 2024-02-27 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/1131/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, コラム, 2024年3月1日号 「アルバイトを始めようかな、でもどうしたらよいのだろう」。4月から高校1年生年齢になる不登校の子どものなかには、アルバイトを始めようという気持ちが芽生えます。しかし、焦る気持ちが先走ってしまうと、うまくいかないこともあります。「不登校からのアルバイト」をめぐり、子どもの不安をやわらげ、失敗しないために必要な5つのコツを紹介します。 * * * 4月から高校1年生年齢になる不登校の子どもにとって、大きな選択肢が1つ増えます。それはアルバイトができるようになること。「不登校からのアルバイト」という一歩を踏み出す際、子どもはもちろん、親としても押さえておきたい5つのコツをご紹介します。 辞め方を知る 1つ目のコツは、アルバイトの「辞め方を知ること」です。「始める前になぜ?」と思われるかもしれませんが、これこそが非常口の確保につながります。もしもに備えて辞め方を知っておくことが、子どもの不安をやわらげるために必要な事前準備です。本紙で取材してきた不登校経験者が実体験を通じて培ってきた「アルバイトの辞め方」のポイントは2つ。「辞めると切り出すタイミングは2週間前でOK」、「辞める理由はポジティブなものを事前に考えておく」というもの。後者については、進学や資格試験に挑戦などがあります。 現場を見る 2つ目のコツは、アルバイトの候補先を絞り込んでいく際、その候補先を「自分の目で見ておくこと」。求人誌やネットに書かれている情報だけを鵜呑みにせず、実際に見に行き、そこで働く人たちの雰囲気などを事前にチェックしておくことが重要です。「接客業なんて無理」と考えていた不登校経験者のAさんは、近所のスーパーを実際に見に行き、働く人たちのようすを見て「ここならば、と決心した」と言います。 自宅からの距離 アルバイト先が自宅から近いことは便利な反面、デメリットもあります。もしも、選んだバイト先が自分に合わずに辞めてしまった場合など、プライベートで行きにくくなることがあります。また、バイト先の人と街中でばったり会うなんて可能性を恐れるあまり、子どもの行動範囲が狭まってしまいかねません。自転車で30分、電車で2駅~3駅など、自宅からやや遠いと感じるバイト先を選ぶのが、3つ目のコツです。 空白より大事 いざ、バイトの面接となると、履歴書の提出を求められることが多々あります。その際、年齢によっては履歴書... --- ### 「ふつうの人生」から落ちこぼれないために必死だった俺の高校時代【全文公開】 - Published: 2024-02-27 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1136/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 無料記事, 【連載】前略、トンネルの底から, 2024年3月1日号 進むも地獄、戻るも地獄だった――。そう語るのは、高1で不登校になった古川寛太さん。毎年のように留年の崖っぷちにいたという古川さんに当時の葛藤を率直に書いていただきました。 * * * 俺は日本海に面する雪国の出身だ。「今年は12月に入ってもあまり雪が降らないな」と油断していると、たいてい年明けには大雪になる。朝や夕方になると道が大渋滞するのも、小さいころから見慣れた光景だ。 地元の高校で3年間不登校していた俺のところにも冬はやってきた。布団から出たくない理由が1つ増える季節。寒いのはきらいだ。いつまでたっても適応できない。学生の冬といえば、進級や進学に向けてラストスパートのかかる時期である。同級生が新たな環境を目指して駆け出していくなか、俺はいよいよ迫りくるリミットから逃げ隠れていた。 進級の条件や卒業後の進路など、親や担任からの耳をふさぎたくなる話が時を経るごとに大きくなってくる。校内に貼ってあった「センター試験まであと84日!」という紙を見て、そのまま家に帰ったこともある。 社会全体が寄ってたかって俺の首を絞めてくる。直視したくないし、してみたところで10代の未熟な俺には能力的にも精神的にも、大したことはできない。進むも地獄、退くも地獄だった。問題が身体を押しつぶすように膨張している感覚を、俺は今でも寒さとともに思い出す。やはり、寒いのはきらいだ。 「ふつうの人生」から落ちこぼれないため そもそも、毎年留年の崖っぷちにいたため、その先の進路なんて夢のまた夢の話だった。学校から何かを得ようとする余裕もなく、好きなものや目指すものも見いだせず、ただ「ふつうの人生」から落ちこぼれないことだけを考えて、必死でそこにしがみつくように通っていた。寒さで手がどれだけかじかんでいても、「それ」から手を放すことは文字通り「死」を意味する。冷たい校舎を俺は、絶対につかんでいなければならなかった。 冬がつらい理由はこれだけではない。ふだんは自転車に乗って登校していたのだが、雪が降ってしまうとそれができない。氷でタイヤが滑ってしまうからだ。氷壁によって狭くなった車道に落ちてしまうと一巻の終わりである。 地域の学生は降雪の時期になるとそろそろとバスや電車、車送迎での登下校に切り替える。家から学校まで7キロほどあった俺も、リミットから逃れるためにしぶしぶ登校していた。近所の停留所から駅まで... --- ### 「構造を変えるよりも明るく逃げよう」絵本作家・五味太郎が語る歪んだ社会から逃げることの大切さ【全文公開】 - Published: 2024-02-21 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/interview/1116/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 無料記事, 2024年3月1日号 「この歪んだ社会では『逃げること』以外に貫ける正義はないよ」。『みんなうんち』、『きんぎょがにげた』などの絵本で有名な絵本作家・五味太郎さんはそう語ります。五味さんの言う「社会」、「逃げる」とはどういうものなのか。不登校経験者がお話をうかがいました(※写真は五味太郎さん)。 * * * ――よろしくお願いします。今日は不登校について、お話をうかがいたいと... ... 。 俺ね、今は基本的に、こういうインタビューを受けなくなったんだ。相手に悪いから無下に断るわけにもいかないけどね。20年~30年前の、娘が高校生くらいまでの時期は、学校についてよく考えていたよ。すごく興味が湧いて、『大人問題』や、『じょうぶな頭とかしこい体になるために』などの本にも書いた。いろいろなところに呼ばれて、講演会もずいぶんやったんだ。 「学校ってヘンだよね」という話をすると、みんなが盛り上がってくれて、その場では賛同してくれる。だから「こんなに反響があるなら、学校のシステムも変わっていくのかな」と期待していたんだ。だけど何十年か経っても、基本構造はなんにも変わっていない(笑)。 システムそのものを解体してしまったら、困る人が出てくるからだろうね。学校業界がなくなったら、雇われている先生たちとか、教科書をつくっている出版社の人とかが、食べていけなくなるわけだろう。 物事を深く考えられない人は、「誰かが悪意を持って、悪さをしている」と発想する。だけどひとつひとつの問題で犯人探しをしても、意味がないんだ。結果として「悪」ではあっても、悪意はない。歪んだ社会構造そのものが変わらないかぎり、学校業界の歪みも解決できないよ。 五味太郎さん 学校は子どものニーズに応えて ――学校のどのようなところが、歪んでいるのでしょうか? 「やっていれば儲かる」という業界の構造が、もう歪んでいるよね。学校って、子どもに対するサービス業的な観点がまるでないだろう。仮に、「週5日通わないといけない定食屋」なんてものがあったら、いくらでも儲かるじゃないか。店を開けているだけで、かならず客がやって来る。来ない客がいたら、「客のほうがおかしい」なんてな(笑)。学校は「来ないと卒業させないぞ」と言って、子どもを脅しているわけだろう。商売だったらありえないよね。 町なかで経営している塾は、子どもにちゃんとサービスをしている。授業に出... --- ### 「楽しくてやってるわけじゃない」子どもがゲーム・ユーチューブに熱中する本当の理由 - Published: 2024-02-21 - Modified: 2024-11-30 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1128/ - カテゴリー: 連載, 不登校 - タグ: ゲーム・スマホ, 会員限定記事, 人気記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2024年3月1日号 「勉強したらどう?」、「せめて規則正しい生活を」。スマホやゲームに熱中する不登校の子どもを前に、叱りたくなる親はすくなくありません。そもそも、子どもはなぜスマホやゲームに熱中するのか。フリースクールでそうした子どもたちと日々接している土橋優平さんが理由を解説します。(連載「出張版お母さんのほけんしつ」第33回・写真は土橋優平さん) * * * 「子どもが1日ずっとゲーム、ユーチューブばかりで困っています」という相談を受けることが多くあります。 親御さんとしては「学校は無理して行かなくていい」と思う一方で、「せめて勉強をしてほしい」、「生活リズムだけは崩さないでほしい」という思いもあるなかでの悩みでしょう。私はフリースクールを運営しており、同じような状態にある子どもも大勢います。そんな子どもたちに私がどのような考えのもと、関わっているかについてお話しいたします。 不登校経験者のAさんは当時、学校へ行くことができず、毎日のようにスマホをいじっていたといいます。それを見た母親から言われたのはこの一言。 「またスマホばっかりいじって。時間あるなら勉強しなさい」。その後、親子で口論になったそうです。「Aさんはスマホで何をしていたのですか?」と私が聞くと、あるタレントが「どんな自分であっても大丈夫」、「あなたはただ生きているだけで価値がある」といった内容を語っているユーチューブの動画を観ていたそうです。Aさんは「死にたい」と毎日思うほどつらい生活のなか、「生きたい」という心の奥底の望みを後押しするためにスマホを活用していたのです。しかし、親の目には「またスマホばっかりさわって」と映ります。 また、ゲームに多くの時間を費やす子どももいます。私はあるとき、Bさんに「ゲームってそんなにやってて楽しい?」と聞いたことがあります。するとBさんは「楽しいわけないじゃん」と答えました。意外に思われるかもしれませんが、楽しくないけれどゲームをしている子どももいるんです。 子どもがゲームに熱中する理由の1つに「何もしていない時間があると現実と向き合うことになってつらくなってしまうから」ということが挙げられます。「このままでいいのだろうか」、「どうして自分はほかの子と同じようにできないんだろう」、「自分はダメな子だ」といったことで頭のなかがいっぱいになってしまう。だからほかの何かに熱中する時間をつ... --- ### 「薬の使い方は?」発達障害について教師・医師・学者が解説 - Published: 2024-02-21 - Modified: 2024-10-31 - URL: https://futoko-online.jp/books/1102/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 発達障害, 2024年3月1日号 2000年以降、学校現場で「発達障害」が大きな注目を集め続けています。発達障害の子どもたちを「手のかかる子ども」として孤立させないために親や周囲の大人にできることは何か。教師、児童精神科医、脳神経科学者が語る「発達障害」とは(※画像は『発達障害 学校で困った子?』岡崎勝 編)。 * * * 「発達障害の子どもと周囲の大人との折り合いをつけることを具体的に考えて、それぞれが工夫と覚悟をしてほしい」と語るのは、小学校教員であり、フリースクール「アーレの樹」理事を務める岡崎勝さん。岡崎さんが発達障害をテーマに編集した本書は、発達障害の分類や歴史に始まり、学校・担任・親の立場から子どもとどうかかわるかなど、発達障害の子どもを「学校で手のかかる子」と孤立させないために必要なことをまとめています。 また、児童精神神経科医の石川憲彦さん、脳神経科学者の山口和彦さんが医学的な見地から発達障害について論じています。石川さんが取り上げるのは「薬の使い方」です。 小学生、中学生、高校生以降の年齢の子どもに対し、効果と副作用、また将来を見渡してどのように使うべきかを解説しています。石川さんは「一部の例外を除き、小学生のうちは薬を使用しないのが原則」と言います。例外とは、車の前に飛び出すなど衝動性が高く、命にかかわる危険が高いときなど、使用について目的を絞ると言います。 中学生の場合、自己否定感が強く、その傷が深い場合などに短期間用いることがあると言います。高校生以降の場合、感情の動きがもっとも激しい時期であることを考慮し、その時期を抜けるまでのあいだに最低限の薬を処方することがあり、「いまここ」だけでなく、その後の事態を予測しながら薬を使うと言います。つまり、薬はあくまで対症療法であり、医者として重要なことは「子ども自身がいま困っていることをどう変えていけるか」と、状況を整理することだと石川さんは指摘します。 発達障害をめぐり、歴史、かかわり方、投薬、最新の脳神経科学からわかっていることなどをまとめた本書は、親、教員、学校外の居場所関係者にも多くの気づきを与えてくれます。(小熊広宣) 『発達障害 学校で困った子?』 岡崎勝 編 ジャパンマシニスト社 1980円(税込) (初出:不登校新聞621号(2024年3月1日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない... --- ### 14年の心理士経験を経てわかった「学校へ復帰するよりも大切なこと」 - Published: 2024-02-21 - Modified: 2024-09-30 - URL: https://futoko-online.jp/others/1122/ - カテゴリー: 寄稿, others - タグ: 会員限定記事, 2024年3月1日号 小学生で不登校を経験し、現在は臨床心理士として活躍する伊藤かおりさん。14年間の心理士経験のなかで、不登校の親子に何度も会ってきたと言います。今回は不登校の親に伝えたいことを書いていただきました(※写真は伊藤かおりさん)。 * * * 私は小学生のころに、摂食障害をきっかけに不登校になった過去があります。そのため、不登校については、ひときわ大きな思いいれがあります。当時、精神科でカウンセリングを継続的に受けることができ、約1年後には学校へ行けるようになりました。このように心理的援助を受け、救われた経験から、中学生のころに「心理職を目指そう」と決め、現在にいたります。 心理士として約14年間、行政、教育、福祉分野を中心に仕事をしてきましたが、どの分野で仕事をしていても、かならず不登校の子に出会います。また、元不登校の大学生や成人の方のお話を聞く機会も多いです。 不登校経験者であっても、さまざまな経過をたどって、ご自身に合うスタイルを見つけ、社会のなかで生きている方と接していると感じることがあります。不登校の時期に大事なことは、かならずしも学校に復帰させることではなく、「どんな援助を受けるか、どれだけ子どものことを周囲が理解するか」だということです。 そんな、元当事者でもあり、心理の専門職でもある私が、今不登校の子どもを持つ保護者の皆さんに伝えたいことがあります。 それは「不登校になったとしても、一生、この先、社会のなかで生きていけないというわけではない」ということです。 悲観しなくていい よくスクールカウンセリングでもお話するのですが、「小・中学校ほどつらい社会生活は、この先ほとんどない」と思います。ですので、そこで仮に不登校になったとしても、その先もずっとそうだと悲観する必要はありません。 地元の公立の小・中学校に在籍する場合、住んでいる地域がたまたまいっしょで、同じ年度に生まれたというだけで集められる集団のなかで、社会生活を送ります。そこに気の合う友だちがいる保証はあるでしょうか? 1日5時間も6時間も、授業に集中できる持続力は全員にあるでしょうか? 同じ学年だからといって、学習指導要領にもとづいた学習内容を全員が理解できるでしょうか? 高校に進学すれば、地域、学力、校風など、自分に合う環境が選択できます。社会人になれば、年休が取得できます。仕事内容や上司と合わな... --- ### 「憐れむ目で俺を見るな」高3で中退した男性の自尊心が崩れた出来事【全文公開】 - Published: 2024-02-07 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1196/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 無料記事, 【連載】前略、トンネルの底から, 2024年2月15日号  最後の砦さえ、跡形もなく崩れ落ちた――。高1で不登校になり、高3の秋に高校を中退した古川寛太さんは当時をこう振り返ります。今回は、出席日数を稼ぐためだけに登校していた日々のつらさについて執筆していただきました(※写真は古川寛太さん)。 * * *  高校1年生の春から学校へ行けなくなった。基本的に不登校だったが、進級するための最低限の出席をもらいに登校する機会があった。  友だちはいない。はじめは仲よくしていた彼らも、俺の出席が減るにつれ、腫れ物にさわるように距離をとっていった。1年が経つころにはもう誰も目を合わせてくれなかった。2年生になると、登校した日はクラスメイトのある男子に金魚のフンのようにくっついていた。後で知ったことだが、彼はただでさえ偏差値の高かった当時の高校の中でも1位2位を争う秀才で、卒業後は一橋大学へ進学するほど熱心な勉強家だった。俺のことを特段無視することもなければ気にかけることもない、優しいとも冷酷とも取れる態度で接した。彼とは連絡先の交換さえしていない。きっと俺のことだってもう覚えていないだろう。  勉強はわからない。得意だった勉学も、もうあっという間にわからなくなった。予習が必要な授業で俺は何度も授業の流れを止めた。中学で好成績だった数学はダントツでクラス最下位。計算式の解説では授業時間の大半がマンツーマンの指導になった。それがとても恥ずかしかった。日本史や世界史は追えないほど授業が進み、物理や化学では知らない公式にさらなる応用が加わる。音楽では歌唱テストの連絡を当日知らされるし、体育は準備運動だけで体調が悪くなり、報告なしにトイレの個室に4時間籠城する。もう何もかもがわからなくなった。  まわりからの評判も悪い。優等生だった以前とはうって変わり、「問題児」の烙印を押され続けた。学校へ行くと黒板の左上に自分の名前が複数書かれている。各教科の担当教員から呼び出しのかかった生徒の名前が入る欄。休み時間や放課後を使って各教員のいる部屋をまわり、最後に担任のいる社会科準備室へ行く、というルートをたどる。出席もしなければ課題も出さない俺に説教や小言をする教師が大半だった。何より、彼らの「困った生徒を見る目」や「憐れむような目」が俺の自尊心をこれでもかというほど砕いた。それは、数年前に大人から送られていた目線と明らかにちがったから。  それでも「学... --- ### 「中学3年間はほぼ授業に出ていません」不登校経験者が夢中になれることを見つけたターニングポイント - Published: 2024-02-07 - Modified: 2024-09-17 - URL: https://futoko-online.jp/children/1167/ - カテゴリー: 子どもの体験談, 不登校 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2024年2月15日号  「行けないものはしょうがない。だったら好きなことをやろう」。現在、デジタルハリウッド大学で映像制作やデザインを学ぶ青木裕一郎さん(20歳・仮名)。小学5年生から不登校になり、中学3年間ほとんど授業に出ていないという青木さんが夢中になったのは、ロボット競技でした。世界大会にまで進むなかで学んできたことや、今ふり返ってみて思うことなど、ご本人とお母さんにお話をうかがいました。 * * * ――小学校高学年のころから学校へ行かなくなったとうかがいました。当時のことを覚えていたら教えてください。  本格的に行きたくないと思い始めたのは、小5のときでした。新しく担任になった年配の女の先生が威圧的で、いつも不機嫌な感じだったんです。ほかの子たちも先生がきらいだったんでしょうね。クラスも荒れていました。今でも覚えているのは、先生が入ってくると教室のなかがどんよりした紫色になるっていうのかな、色彩が一段階落ちるような感じがしたことです。  小学5年生~小学6年生の期間は、行ったり行かなかったりでした。好きだった図工の時間だけ出たり、登校しても保健室にいたり。母も「行きたくないなら行かなくていい」と言ってくれていたと思います。僕は、その先生がイヤだっただけで、友だちがきらいだったわけではないんです。だから、行けるなら行きたいという気持ちはあったし、放課後の時間は友だちと遊ぶこともありました。 不登校なんて 関係ない場所へ 当時、学校へ行かずに何をしていたのかというと、ロボットに夢中になっていました。僕は小さいころからロボットをつくるのが大好きで、不登校とは関係なく、小4のときに近所のロボット教室に入りました。  レゴがベースのロボットを組み立てて、自分たちでプログラミングして動かすんです。すごく楽しかったですね。ロボット教室に来ている子たちとも仲よくなりました。不登校のことなんか関係ないから言う必要もないし、ほとんどの子は僕が学校に通っていないことは知らなかったと思います。   中学校へ進んだあとは、制服を着るのがイヤだという気持ちが大きくて、最初からほとんど行きませんでした。かたくるしい服とか、着心地の悪い服を着ることがすごく苦手なんです。  行きたい気持ちがまったくなかったわけではないので、校外学習だけ参加したりしたのですが、結局3年間、授業にはほとんど出ませんでした。「今はロ... --- ### 「不登校の原因を説明できないのはなぜか」不登校経験者が語る「説明できる言葉」が存在しない理由 - Published: 2024-02-07 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/others/1177/ - カテゴリー: コラム, others, 不登校 - タグ: 会員限定記事, 人気記事, 当事者の声, 2024年2月15日号  不登校は「行かない行為」ではなく「『行く行為』の欠損」だ――。詩人・ライターの喜久井伸哉さんはそう言います。喜久井さんが不登校していたころ、大人から不登校の原因・理由を聞かれても、答えられなかったそうです。なぜ、当事者は理由を言えないのか。そもそも不登校とはなんなのか。喜久井さんに書いていただきました(※写真は喜久井伸哉さん)。 * * *  私は、「学校へ行きたいのに、行けない」経験をしてきた。頭では「行きたい」と思っていても、身体が動かないせいで、「行けない」状態になっていた。  そのため、親や教師から、「原因」を聞かれても、答えようがなかった。「行けない」のは、「私の頭(意思)」で考えた結果ではなく、「私の身体」のせいだったからだ。  私が「行けない」ときに起きていたのは、「行かない行為」ではなく、「『行く行為』の欠損」だった。みずから、意思のある「行為」をしていたならば、「なぜ行かないのか」という「原因」を、説明することができただろう。しかし、「行為の欠損」では、説明できない。 吃音の事例から  「行為の欠損」とは、どのようなことか。一例を挙げると、吃音がある。  吃音が起こると、うまく声を出すことができない。それは、「話したいのに、話せない」状況だ。どれほど「話したい」という意思があっても、身体的に「話せない」結果になってしまう。  そのような子に対して、いくら「原因」を聞いても、納得のいく答えは期待できない。意思によって「話したくない」とか、「わざと、どもりながら話そう」という「行為」をしているなら別だ。しかし、身体が「どうしてもそのようになってしまう」状況、つまり、勝手に「行為の欠損」が起きていては、意思による説明があったところで、後づけでしかない。  吃音を持つ子に向かって、会話の重要性を説いたり、「そんなことでは、将来ダメになるぞ」と脅したりしても、効果がない。ある吃音の人は、「身体がストライキを起こす」、と表現した。これは、私の「不登校」の経験とも、通じる感覚だ。 説明できる言葉 存在しない  吃音について理解している子であれば、大人から「うまく話せない原因は何か」、と聞かれても、「吃音のせいだ」と答えられる。意思による「行為」ではなく、身体的な「行為の欠損」が起きていることを、大人に伝えられる。しかし、「学校へ行けない」身体には、この「行為の... --- ### 「不登校からの高校選びに迷っている親へ」現役校長が語る高校選びの際に役に立つ4つの極意【全文公開】 - Published: 2024-02-07 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/contribution/1206/ - カテゴリー: 寄稿 - タグ: 通信制高校, 無料記事, 2024年2月15日号 - ハッシュタグ: 通信制高校  不登校からの進路選択。どのような学校があるのか、何を基準に選べばよいのか、わからないことだらけという方も多いと思います。そこで今回は数々の高校の立ち上げに携わり、不登校の子の進学事情にもくわしい時乗洋昭さん(山手学院中学校・高等学校校長)に「高校選びの極意」をうかがいました(※写真は時乗洋昭さん)。 * * * ――不登校の中学生が高校への進学を考えるとき、本人やご家族はまず何から考えればいいのでしょうか?  お子さんが不登校だと、何を基準に学校を選べばいいのか、誰に相談すればいいのかなど、わからないことがたくさんありますよね。そんなとき何よりも最初にすべきことは、本人に次の2つのポイントを確認することです。  1つ目は、「毎日学校に通う生活に戻りたいのか、現在の通学しない状況を続けたいのか」ということ。2つ目は「今、したいことは何か」ということです。  まず1つ目です。「高校生になったら毎日通うぞ!」と言うお子さんもたくさんいますし、実際に通えるようになるケースも多々あります。ただ、私が見てきたかぎり、環境が大きく変わるなかで不登校に戻ってしまうお子さんもすくなくありません。2度目の挫折は、1度目の挫折に比べて、はるかに大きなダメージになる場合があります。  だから、私としては、通えなくなりそうな心配があれば、無理をせずに通信制高校を検討してもいいのではないかと思います。  2つ目は、「今、したいことは何か」です。もちろん、将来について考えることも大事なのですが、不登校の子の場合は、「今したいこと」にスポットを当てるほうがよい場合が多いです。たとえば、ゲームに夢中なのであれば、とりあえず勉強は横に置いて、ゲームに熱中できる時間を取りやすかったり、環境が整っていたりする高校を探してみるのも1つの手です。 時乗洋昭さん 高校は3種類 どう選べば?  さて、高校は「全日制、定時制、通信制」と大きく3種類に分けられます(図1)。1つひとつはさらに細かく分類されるのですが、どの形態の高校に通うにせよ、卒業資格を得るために必要な条件はただひとつ、「74単位以上取得すること」です。この「74単位」は、全日制高校に毎日通っても、定時制高校に夜だけ通っても、通信制高校でオンライン中心で学んでも取得することができます。  高校選びの際に、相談先がなくて困ることもありますね。私見です... --- ### 「不登校からの大学進学」4000人の卒業生を輩出した個別指導塾代表が語る不登校からの学び直しのコツ - Published: 2024-02-07 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/books/1217/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 2024年2月15日号  不登校の子どもと親にとって、勉強は大きな悩み事の1つ。不登校からの学び直しについて、何から手をつけ、どのように勉強を進めていけばよいのでしょうか。不登校・ひきこもり経験者の個別指導塾を通じ、これまで4000人の卒業生がいる「キズキ共育塾」代表の安田祐輔さんが解説した1冊を紹介します(※画像は『学校に居場所がないと感じる人のための未来が変わる勉強法』安田祐輔 著)。 * * *  不登校・ひきこもり経験者の学び直しのための個別指導塾を運営する株式会社キズキ代表の安田祐輔さんは、発達障害によるいじめ、家庭崩壊などを経験し、偏差値30から大学へ進学した経歴があります。自身の過去、そして個別指導塾で4000人以上の卒業生を見てきた経験をふまえ、不登校からの学び直しにおける重要なポイントをまとめた1冊をご紹介します。  不登校からの学び直しの1つとして、本書では大学進学を見据えた受験勉強において必要となる事前準備や勉強の進め方など、さまざまなコツが紹介されています。  一例を挙げると、「自分に合う勉強法」には①モチベーションを高めるための勉強法、②自分の特性に合った効率のよい勉強法の2つがあり、①については「勉強を始めやすくするルーティンづくり」、「読みやすい参考書選び」、「無理なく続けるためのご褒美」などがあるとのこと。②については、1つの科目を長時間勉強することが得意か、または時間ごとに区切って複数の勉強をすることが得意かというように、本人の特性を生かした勉強を確立することが必要であると、安田さんは指摘します。  また、「ゼロから始める勉強」のコツとして、勉強をするうえで必要となる体力づくり、完璧を目指そうとしないための心得、教材の選び方など、詳細かつ具体的にまとめているのも本書の大きな特徴の1つです。  大学進学にかぎらず、不登校からの勉強の始め方に悩む当事者や親はすくなくありません。その際、「遅れを取り戻さなければ」と焦れば焦るほど、つらくなってしまう場合もあります。3人の不登校・ひきこもり経験者の体験談も交えつつ、本書で紹介されている数々のコツは、不登校からの学び直しにおける羅針盤となります。(小熊広宣) 『学校に居場所がないと感じる人のための未来が変わる勉強法』 安田祐輔 著、1540円(税込) 株式会社KADOKAWA (初出:不登校新聞620号(2024年2... --- ### 「不登校ビジネスにご用心」親の不安に付け込む「不登校ビジネス」に巻き込まれないための心得 - Published: 2024-02-07 - Modified: 2024-10-07 - URL: https://futoko-online.jp/column/1213/ - カテゴリー: コラム - タグ: 会員限定記事, 2024年2月15日号  不登校の子どもを持つ親は日々、さまざまな不安と向き合っています。そんなとき、親は「不登校ビジネス」に巻き込まれないことに気をつけなければいけません。  親の不安をあおるだけあおり、「短期間で不登校を解決する」などの謳い文句で、高額な料金を請求される場合もあります。それらのなかには、効果が少ないばかりでなく、親子関係において逆効果になるものもあります。「不登校ビジネス」に巻き込まれないために気をつけるべき事柄について考えます。 * * *  文部科学省の調査によると、不登校児童生徒数は29万9048人であり、全児童生徒に占める割合は3・2%と、過去最多となっています。不登校の子どもが増え続けるなか、親として気をつけなければいけないことがあります。それは、親の不安に付け込んでくる「不登校ビジネス」です。  わが子の不登校で悩む親の心のスキマを狙い、最終的に高額な教材を買わせようとしてくるなど、注意が必要です。こうした「不登校ビジネス」にかかわらないために必要なことについて今回は考えます。 不登校ビジネス 見極め方は?  「不登校ビジネス」か否かの見極め方はあるのかという話ですが、大事なポイントが1つあります。  それは「不安をあおってくる」ということです。  「早期に対応しないと、将来ひきこもりになります」、「ただ見守るだけではダメです」などと親の不安を掻き立ててきます。そのうえで、「不登校は治せます」、「短期間で不登校を解決する方法を教えます」などと言葉巧みに誘導するようなところには近づいてはいけません。  じつは、ここが「不登校支援」と「不登校ビジネス」の境界線です。前者は親の「不安に寄り添う」ことを大切にしており、不安をあおるような言動はしません。  不登校やひきこもりの歴史をふり返ると、1980年代には「不動塾」や「戸塚ヨットスクール」などで子どもが命を落とす事件があったほか、2000年代には「長田塾」など裁判で争うまでに至った事案があります。また近年でも、ひきこもりの自立支援を謳う、いわゆる「引き出し屋」と呼ばれる団体が大きな社会問題となっています。  そもそも、不登校は病気ではないため、治すというたぐいのものではありません。また、不登校を短期間で解決できる魔法や処方箋などというものは存在しません。そんなものがあるならば、不登校の子どもと親を苦しめるような事... --- ### 「アドバイス通りにできない」と悩む不登校の親に試してほしい2つのこと - Published: 2024-02-07 - Modified: 2024-09-27 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1211/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2024年2月15日号  わが子の不登校で困り相談した際、さまざまなアドバイスを受けます。しかし、アドバイス通りになかなか実行できないと悩んでいる親はすくなくありません。無料のLINE相談「お母さんのほけんしつ」など、不登校の親の相談事業に取り組む土橋優平さんは「そんな悩みを持つ親御さんに伝えたいことが2つある」と言います(連載「出張版お母さんのほけんしつ」第32回・写真は土橋優平さん)。 * * *  「子どものありのままを受けいれてあげましょう」、「子どもに寄り添ってあげることが大切です」。わが子の不登校の悩みを誰かに相談したとき、このようなアドバイスを受けた経験があるという親御さんは多いのではないでしょうか。  どれも正しいアドバイスです。しかし、その場で「はい」と答えても、家に帰ってからそれが実現可能かというと難しいこともあると思います。親御さんのなかには「アドバイスされたことがうまくできない私は親としてふさわしくないのではないか」とまで思い悩まれている方もすくなくないと思いますので、今回はそんな悩みを抱えるみなさんに伝えたいことが2つあります。  1つは、「アドバイザーの方に、具体的に何をすればよいのかを聞く」ということを試してください。「子どもの気持ちに寄り添うこと」というのはアドバイスとして正解です。その点は、みなさんも頭のなかで理解している方が多いと思います。  でも、このアドバイスは具体性に欠けるので、実際に問題が起きたときに何をどうすればよいかわからず、現実の場面で困惑してしまいます。こうしたアドバイスをもらったとき、たとえば「『明日は学校へ行く』と言っていた子どもが、今朝起きてこなかったとき、どう声をかければよいですか?」と聞いてみることが肝心です。  子どもの気持ちを代弁してくれるかもしれませんし、会話のなかから子どもとのかかわり方のヒントも見つけられます。また、どう接することが望ましいかという具体的な方法を教えてくれる場合もあります。相談相手に具体的なケースを伝えて、そのときにどのように行動すればよいかを聞くことで、親としての行動指針がより鮮明になり、結果的に実現しやすくもなります。 ストレス軽減を  もう1つは、「子どもに寄り添う前に、親である自分自身に寄り添ってあげること」です。さきほどのアドバイスも「頭ではわかっているけど、心が追いつかない」という経験をされ... --- ### 「生徒会長から不登校に」優等生だった私が死を望むほどの限界だったあのころ【全文公開】 - Published: 2024-02-01 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1238/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 無料記事, 【連載】前略、トンネルの底から, 2024年2月1日号  「事故で死ねば許されると思っていた」。高校で不登校になったという古川寛太(かんた)さん。今23歳の古川さんが、不登校時代をふり返り、当時の思いをまとめました。(連載「前略、トンネルの底から」第1回)※写真は古川寛太さん * * *  「轢いてくれ」と念じながらよく道路を飛び出していた。みずから死に足をかけるのは、今の俺を虐げてくる「彼ら」からの憐れみを生むだけ。それは負けた気がして嫌だった。事故による不可抗力であれば自分が楽になることも許されるはずで、高校を休んでいることにも正当性が出る。動けない自分を分かりやすく納得させる理由がほしかった。  けれど、平日の昼下がり。死角の多い危険通路といえどもそう都合よく(悪く?)飛び出してくる車体は、結局3年間で一度も現れてくれなかった。  高校で不登校になった。学校へ行きたくなかった。明確な理由があったわけではない。いや、「行きたくない」という意思すらない。ただ、自分の意識とちがうところで唐突に、「行けなくなってしまった」。  中学校まではあたりまえのように学校に通っていた。いたってふつうの生徒だったと思う。まわりとちがうところといえば、同級生よりすこしだけ勉強ができて、同級生よりすこしだけ真面目だったこと。中学校最後の1年間は生徒会長を務めていたりもした。  さて、これは自慢ではない。むしろ自虐である。なぜならすくなくとも以後10年間、こういった特性や経歴が呪いとなってどん底へ沈ませる枷となることを、今の俺は知っているからだ。勉強ができて真面目な自分、そんなセルフイメージができあがっていた中学生の段階で、じつはもう勝負がついていた。無自覚なうちに八方ふさがりとなっていた俺の、症状として表面化した最初の問題が、「不登校」だった。  中学の卒業式で学年代表として答辞を読み、晴れやかに母校を卒業した数カ月後。高校1年生の春。課題提出でいきなりつまづく。小テスト前、数学の課題がまだ終わっていなかった。授業の始まる数十分前に仮病を使って早退。さいわいなことにその場でのおとがめはなかった。しなければならないことをしなかった、そんなことは短いながらも過去15年で何度もあったはずである。けれどこれが響いた。勉強ができて真面目な自分。勉強ができて真面目なこと「しか」能がない自分。それがなくなったら、何が残る? 小学生のころから俺の全体重を... --- ### 「私はずっと孤独でした」不登校の悩みを共有できる味方が見つからず苦しんだ母親に訪れた転機【全文公開】 - Published: 2024-01-24 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/parents/1222/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 通信制高校, 無料記事, 親の思い, 2024年2月1日号 - ハッシュタグ: 通信制高校  「私が心から求めていたのは自分と同じ不登校の親だった」――。兵庫県在住の足立きみかさんの息子さんは、小学5年生から中学3年生まで不登校でした。足立さんはインスタグラムに筆文字作品を投稿し、息子さんの不登校経験で得たことを発信しています。息子さんが22歳になった今も不登校のことを発信する理由は、当時気持ちを共有できる人に出会えなかった寂しさがあるからだと言います(※写真は足立さんの筆文字作品)。 * * * ――今、息子さんはどのようなようすですか?  息子は小学校と中学校で不登校を経験したあと、市外の通信制高校へ進学しました。高校卒業後は専門学校へ進み、そこは学習環境に問題があり1年と経たずに退学しましたが、その後、就職に必要な技術を習得するための高等技術専門校へ入り、今は元気に通っています。この春から地元のメーカーに就職することも決まりました。  不登校だったころ、息子は「死にたい」と言うほど思い詰めていました。しかし通信制高校で信頼できる大人や仲間に出会って安心したのか、自分の世界を広げ、しだいに明るくなっていきました。  ここまで話して、「つらい時期はすぎたんですね」と思われるかもしれません。実際、息子の不登校から5年以上が経ちました。でも私はまだまだ不登校の日々のことを考えてしまうんですよ。  今、ライフワークとして筆文字作品をつくっているのですが、息子の不登校でつらかった過去の自分に声をかけるように思いを綴っています。それは私のなかに「寂しさのしこり」があるからです。息子が不登校のあいだ、私は気持ちを共有できる人がおらず、孤独でした。 ――息子さんが不登校になった当時のことを教えていただけますか?  息子の不登校の始まりをさかのぼると、幼稚園のころからだったように思います。入園して1カ月経ったころから行きしぶりが始まりました。本当は歩いて通園できるところなのに、あまりに行くのをイヤがるので、毎朝車に押し込めて連れて行きました。  幼稚園の裏門へ車をつけると、息子のリュックとごねる息子を抱えて数十メートル先の園舎まで運びました。毎日がそのくり返しだったのに、先生方は誰一人、私たち親子を気にかけてはくれませんでした。その幼稚園は同じ敷地に小学校があり、私と息子が格闘する前を、いつも同じ小学校の先生が横切っていたのですが、その方も「おはようございます」とだけ言... --- ### 不登校からの進路選択 全国をキャンパスに自分のよさを見つける「さとのば大学」の魅力 - Published: 2024-01-24 - Modified: 2024-11-01 - URL: https://futoko-online.jp/others/1234/ - カテゴリー: イベント, others - タグ: 会員限定記事, 2024年2月1日号  「不登校からの進路をどうすれば?」多くの方が悩みますよね。今回は、特定のキャンパスを持たず、日本全国のさまざまな地域に留学するなかで学ぶ市民大学「さとのば大学」を紹介します。2023年11月1日に同学が開催したオンラインイベント「さとのば生に聞く! なぜ通信制高校から旅する大学へ?」の抄録を掲載。通信制高校からさとのば大学へ進学した学生が、進路を決めた思いや今の学びのようすを語りました(※写真左、中山珠緒さん 同右、佐藤花奈さん)。 * * *  こんにちは。さとのば大学・副学長の兼松佳宏(以下、兼松)です。今日は通信制高校出身の2人の学生に、さとのば大学に入った理由や道のりについて発表してもらいます。  さとのば大学は2019年に開校した新しい学校で、現在学生が11名います。一般的な大学とは学びのスタイルがだいぶ異なります。学校へ行って講義を聞くというような受け身の学習や、テストはありません。学生は北海道から九州まで全国15カ所の、さとのば大学の連携地域から暮らしたい場所を選んで地域留学し、自分の目で地域の課題を見つけ、その課題解決に向けた企画を考えることで学びを深めていきます。  メインとして位置づけられている「旅する大学コース」の期間は4年間。1年に1地域に滞在し、4年間で4つの地域を巡ります。ふだんの学生生活では、週に3日、地域共創を専門とする講師とオンラインでディスカッションを交わしながら、地域との関わり方を学びます。そしてそれ以外の時間で町歩きをしたり地元民に話を聞いたりして、自分の興味と照らし合わせながら地域のために何ができるかを考え、実行していきます。  では今から、1年生の佐藤花奈さん(以下、佐藤)と中山珠緒さん(以下、中山)にそれぞれお話しいただきます。まず佐藤さんからお願いします。 佐藤 はい、よろしくお願いします。私はもともと群馬県出身ですが、今はさとのば大学の旅する大学コースで地域留学し、秋田県南秋田郡の五城目町で暮らしています。秋田に来てから私は「道の駅」にとても興味を持ったのでそれを自分の学習テーマとし、実際に施設を巡って特徴を調べています。具体的には、道の駅の立地と店舗の規模について「こんな山奥に大きなお店があるのはなぜ?」と考えたり、店内の観光客向けのお土産コーナーと地元民向けの産直コーナーの比率について考察したりしています。並行... --- ### 「ひきこもりから最初の一歩を踏み出す」ひきこもり経験者が語る大事なこと - Published: 2024-01-23 - Modified: 2024-10-07 - URL: https://futoko-online.jp/books/1240/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 2024年2月1日号  ひきこもり時給2000円。なんとも不思議なタイトルの本が出版されました。著者は、岡本圭太さん。ひきこもり経験者として、若者の就労支援施設の相談員を約20年続けるなかで、岡本さんが執筆してきたエッセイをひとまとめにした本書を紹介します(※画像は『ひきこもり時給2000円』岡本圭太 著)。 就活に失敗し、22歳から約3年間ひきこもった経験がある岡本圭太さん。30歳のときに若者の就労支援施設の相談員として働き始めるかたわら、自身の経験をふまえ、ひきこもりをテーマにした執筆活動を続けてきた岡本さんは以前、本紙でも連載を書いていただいていました。それに加え、他誌への寄稿などをまとめた1冊をご紹介します。  本書の内容は多岐に渡ります。岡本さんがひきこもったきっかけ、医療との関わり、親との関係のほか、働き始めたときのことなど、ひきこもり経験者の気持ちをていねいにまとめたエッセイ集となっています。  ひきこもっていた3年間、毎日死ぬことばかり考えていたという岡本さんが、ひきこもりを脱したきっかけは何か。  それは、ひきこもりという存在を知ったことから始まった」と言います。偶然手にした雑誌のひきこもり特集の記事を読み、「自分と似た境遇の人に会えば何か変わるかもしれない」と考えた岡本さんは、通院を機に、最初の一歩を踏み出します。その際、重要だったのは「自分ひとりで解決するのは無理、誰かに相談したいという気持ちになってこと」と、岡本さんは振り返ります。  若者の就労支援施設の相談員として約20年働いてきた岡本さんは現在、さまざまな理由から仕事を辞め、今の状況を「2度目のひきこもり」と自己分析しています。  「ひきこもりから抜け出たからそれで終わりではない」、「今後も揺らぎ続けるだろうが、それでよいのだ」と語る岡本さん。自身のひきこもり経験、そして数多くの若者を支援してきた経験から紡がれる本音は、ひきこもり当事者を支えるだけでなく、親や支援者の立場の人にもさまざまな示唆を与えてくれます。(小熊広宣) 『ひきこもり時給2000円』 岡本圭太 著 彩流社 2530円(税込) (初出:不登校新聞619号(2024年2月1日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### 「同級生の自殺を機に私の時間が止まった」1児の母親が語る「私の不登校」 - Published: 2024-01-23 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/children/1231/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2024年2月1日号  現在フリーライターとして活躍するゆかさんは、高校生のころに約1年間、不登校を経験したそうです。飲酒・喫煙などで警察に補導されるなどもしたゆかさんですが、「あのころがあったから、今の仕事に就くことができた」と言います。ご自身の不登校体験を書いていただきました(※写真はゆかさんの大好きな本たち)。 * * *  高校1年生の冬の終わりにクラスメイトが自殺をしました。理由はよくわかりませんでした。いじめられているわけでもなく、成績はつねに学年上位でした。何かが彼を死へと追いやり、雪の降る日の朝に電車へと飛び込ませたのです。  私は彼と特別に仲がよかったわけではないものの、席が近かったため勉強をよく教えてもらっていました。にも関わらず、私は彼が死んでしまうほど追い詰められていることにまったく気づきませんでした。もっと優しくしていれば、もっと彼のことを気にしていれば自殺をとめられたかもしれなかったのに。  「自分は生きているかぎり、誰かに何かしらの影響を与える存在なのだ」。その事実に心の底から怖くなりました。そしてそんな私がこれからどのように生きていけばいいのか、人間としてどのような態度でいればよいのか、わからなくなっていました。 私だけ時間が止まっている  でもまわりの先生やクラスメイトを見渡してみると、友人が自殺したにも関わらず、しばらく経つとそんなことを忘れたかのように受験勉強に精を出していました。自殺した当初はこの世の終わりのように大泣きしていた女の子も、ショックで言葉を失っていた男の子も、平気な顔をして模擬試験対策に取り組んでいました。  自分だけが、彼の死の影から抜け出すことができずに時間が止まっているようでした。  母親と不仲だったこともあり、家を出て友人の家に泊まり、そのまま学校へ行かずにフラフラとする日が増えました。そのうちに学校の外の友人と遊ぶようになり、お酒を飲んだりタバコを吸ったりするようになり、食事をろくにとっていなかったことで心身の健康を崩していきました。 みんなから離れちゃったな  体の調子がよく学校へ行ける日があっても、授業の内容についていけないため、おもしろくありません。結局、午前中だけ出席して、タバコを吸うためにすぐに帰宅していました。とはいえ、家にも帰りたくないので、自転車で遠くの町まで行き、夜になり警察に補導されながら、「みんなからず... --- ### 「あえて言います。もう『子育て』をやめてください」親子が信頼し合うために、じつは無責任が大事な理由 - Published: 2024-01-23 - Modified: 2024-09-27 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1229/ - カテゴリー: 連載, 不登校 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2024年2月1日号  「子どもとの信頼関係を育むために、まずは子育てをやめてください」。そう言うのは栃木県で不登校支援に携わる土橋優平さん。子どもを「育てなければ」と思うのをやめ、子どもと友だちのように接することが、信頼関係をはぐくむ秘訣だと言います。(連載「出張版 お母さんのほけんしつ」第31回)※写真は土橋優平さん。 * * *  「子どもが困っていることがあっても話してくれないんです」、「子どもが先生の理不尽な関わりから『大人が嫌い』と言うようになってしまいました」。そんなご相談を受けることがよくあります。  学校へ行かなくなる子どもたちのなかには、大人との信頼関係を築くのが困難になっている子が一定数います。私は常々、学校へ行くかどうかよりも、子どもの身近に信頼できる大人がいるかどうかが大切だと伝えています。  どうしてそれが大切なのか、またその関係を築くためにどんな行動をとればよいのか、今回は書かせていただきます。  実際に私が子どもたちと関わっていても「どうせ大人は話を聞いてくれないもん」と面と向かって伝えてくる子もいますし、つらい思いをしているはずなのに「どうしたの?」と聞いても「別に」、「大丈夫」と返事をする子もいます。  そうした子の多くは、大人に話をじっくり聞いてもらえた実感を持てていなかったり、相談しても的外れなアドバイスや受け流されるような経験から、大人を信用できなくなっています。  大人との信頼関係が大切な理由は、人は1人では生きていけないからです。誰しも生きていくなかで悩みや困りごとと出会います。そうしたタイミングで人に頼ることができるかどうか、というのは幸福感に直結しますし、誰も頼ることができない人生を歩んでいると生きることから逃げたくなることもあります。  学校へ行っていても、たとえ勉強や運動が人一倍できても、頼れる相手がいなければ壁にぶつかったときに一気に絶望の淵に落とされてしまうのです。だから私は信頼関係を重要視しています。 親は悪くない  親御さんのなかには、ご自身のこれまでの子どもとの関わりのなかで信頼関係を築いてこなかったと後悔している方もいらっしゃるかもしれません。でも私はそうした保護者のみなさんを責めるつもりは一切ありません。  どこまでも子育てを親だけに任せてきた社会に責任があると考えているからです。そのうえであえてお伝えしますが、過去のこ... --- ### 小6と中3の子どもを持つ親へ 不登校と卒業式で親がもっとも大事にすべきこと【全文公開】 - Published: 2024-01-15 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/1255/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, いじめ, 2024年1月15日号  小学6年生と中学3年生の不登校の子どもを持つ親にとって、頭を悩ませる最後の学校行事である「卒業式」が近づいてきました。子どもを卒業式に出席させるか否か。それとも親が代理で卒業証書を受け取りに行くか否か。また卒業アルバムはもらうか否かなど、悩みは尽きません。今、わが子の卒業式をめぐり悩む親にとって、大事にすべきことが1つあります。不登校の子どもたちの取材を通じて見えてきた大事なポイントをご紹介します(※画像はイメージです)。 * * *  新年を迎え、最後の学校行事である「卒業式」が近づいてきます。小学6年生と中学3年生の不登校の子どもを持つ親にとって、卒業式の出席をどうするか、卒業アルバムをもらうか否かなど、頭を悩ませる時期です。  卒業式を控えた今、不登校のわが子の卒業式をめぐり、親として大切にすべきことは、たった1つです。それは「子どもの自己決定」です。その理由について、不登校経験者の声から考えます。  小学生のころからいじめを受けていたAさんは、小学校の卒業式には出たものの、中学3年間はほぼ学校へ行かず、卒業式にも出席しませんでした。Aさんの母親は学校に掛け合い、校長室にて校長と母親を交えた3人での卒業式ができる準備もしてくれましたが、Aさんはそれを断ったのです。  なぜ、Aさんはかたくなに卒業式への出席を拒んだのでしょうか。学校へ行くことで、いじめの加害者から「なんでいまさら来たんだ」、「あいつが来た」など、好奇の目にさらされることが、何よりも怖かったとAさんは言います。他方で、葛藤もあったと言います。母親の配慮による申し出を断ってしまったこと、自分の代わりに卒業証書をもらってきた母親が感動していたことなど、気持ちが揺れ動いたそうです。  大人は「最後の1日ぐらい」と考えてしまいがちですが、いじめにかぎらず、Aさんと同様、学校自体に恐怖感を抱いていたり、周囲の視線を気にする子どもはすくなくないと感じています。  子どもに卒業証書を渡すこと、それを受け取る子どもの姿を見ること、そこでほっとしているのはえてして先生や親などの大人です。子どものなかには、そうした周囲の大人の期待に応えるべく、ガマンをする子もいます。ですから、卒業式に出るか否かについては、子ども自身の決定を最優先することがもっとも大切なことなのです。 不登校経験者 80人の本音は  本紙では以前、... --- ### 楽しかった「あのころ」を探す旅へ 帰国子女不登校の僕が母校へ帰った理由 - Published: 2024-01-11 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/children/1312/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2024年1月15日号  「あのころに会いに行きたい――」。幼少期をアメリカですごし、日本に帰国後、不登校になったという馬場貴也さん(23歳)。そんな馬場さんは、幼少期に通っていたアメリカの日本人学校へふたたび出向き、生徒に向け講話をしたと言います。それは馬場さんにとって、自身の半生を総括する時間となりました(※写真は日本人学校で講話をする馬場貴也さん・右端)。 * * *  2023年9月1日、僕は母校であるアメリカのシカゴにある日本人学校(シカゴ双葉会日本語学校全日校)を訪問してきました。日本人学校とは、日本国内の学校における教育とほぼ同等のものを行なうことを目的とする学校です。  僕が通っていた日本人学校は、小学部~中学部合わせて全体で106名の生徒がいます。全日校と補習校に分かれており、全日校は月~金まで授業があり、補習校は、週末だけ開校し、国語と算数を中心に授業をしています。僕は、全日校に2006年~2008年、小学1年生~3年生のあいだ通っていました。 日本に帰国後 不登校に  僕はシカゴに2歳から9歳まで住んでいました。そこは日本ではまず見かけないほど緑豊かで、青空が美しい環境でした。いっしょに遊べる友だちも多く、楽しい日々をすごしていました。  しかし日本に帰国した後、環境が大きく変わったことでカルチャーショックを受け、同級生や先生からの暴行や言葉による暴力などもあり、小学4年生のころに不登校になりました。  その後も中学生から高校生のあいだ、断続的に不登校を経験して体や心を崩し、適応障害や不安障害にかかりました。日本に帰国してから、楽しかったシカゴでの日々を思い出しては、強い喪失感をずっと感じていました。今でも自然が美しいシカゴに僕は強い思いいれがあります。  今、僕は23歳で不登校などの傷は心に残っていますが、自分に何かできることはないかと模索しながら生きています。そして強い思いいれがある日本人学校に、もう一度行って自分のルーツを見つめ直したいと思い、学校に連絡をしました。学校側は快諾してくれ、さらに自分の体験を学級活動の授業で後輩たちに講話してほしいと僕に要望を出しました。  僕は自分の人生を総括するいい機会だと思い承諾しましたが、正直、講話をする前は緊張と不安がとても大きかったです。でも、日本に帰国してからの出来事によって今も苦しみ続けていたので、ここで自分のルーツ... --- ### 「卒業式も出ず、制服もつくっていない」小6で不登校した私が高校進学に挑戦しようと思えた理由【全文公開】 - Published: 2024-01-10 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1440/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 通信制高校, 無料記事, 【連載】私にとっての不登校, 2023年11月15日号 - ハッシュタグ: 通信制高校 「不登校経験は私にとって『挑戦の原点』だった」というのは、小6で不登校を経験した富良野しおんさん。富良野さんの挑戦心は、不登校を通してどのように育まれていったのか、執筆いただいた。(新連載「私にとっての不登校」第1回)。※画像はイメージです * * *  私にとって不登校の経験は「挑戦の原点」だと思う。小学6年生で不登校になってから約3年半、私は学校へ一度も行かなかった。入学式も卒業式も出席しなかったし、制服もつくらなかった。不登校になった直後はそれなりに罪悪感を感じていた。しかし、両親や周囲の支えのおかげで、比較的穏やかな不登校の日々をすごせたと思う。  そんな健やか不登校ライフを送る私に訪れた壁、それは高校進学だった。中学3年生の年、フリースクールの同級生から「みんなは高校どうするの?」と聞かれ、ハッとする。「そうか、私は高校をどうするか考えなければいけないのか」。その日から進学という2文字が私の頭に渦巻いた。  不登校になった私が、学校へ行く意味はあるのだろうか。何度も考え、結果、私は通信制高校へと進学した。毎朝7時に起きて、電車に乗って通学する毎日。文化祭委員をしたり、放課後に友だちと遊んだり、テスト前に焦って一夜漬けで勉強をしたり。ほどよく真面目に、ほどよくサボりながら3年の学校生活を終えた。  私が高校へ進学したのは、挑戦をしてみたかったからだ。将来のために安定がほしかったわけでも、今までの遅れを取り戻したかったわけでもない。不登校で一度ボロボロになった自分が、もう誰とも関わりたくないと心の底から思ったことのある自分が、学校という場所を今どう感じて、どこまでやれるのか。自分で自分を試してみたかった。  挑戦したいという価値観を持っていたことは、高校生活において大きなメリットになったと思う。人間関係の難しさや勉強の壁に当たっても「私は高校に挑戦をしにきたのだから、失敗やうまく行かないことがあってあたりまえ。大丈夫」と思うことができたからだ。うまく行かないことが前提、だからこそ挑戦するのだと自分の軸を保っていられた。  不登校をしなければ、きっと私のなかに「挑戦」という価値観は芽生えなかったと思う。不登校のときのつらさに比べたらこれくらいは大丈夫、あのつらかった時期を乗り越えてきたんだからある程度のことはやれる。そう思えたからこそ、これまで自分が本当にしたい... --- ### 中1で不登校になり絶望していた私が、進学・就職と自分の道を歩めるようになった2つのきっかけ - Published: 2024-01-10 - Modified: 2024-12-21 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1250/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】私にとっての不登校, 2024年1月15日号 「思い描いた中学校生活じゃない」。未来さんは、中学1年生の夏、部活動が原因で不登校になりました。当時はつらさのあまり自分が生きている意味すらわからなくなっていた、という未来さん。今自分の不登校経験をふり返って思うことや、不登校で苦しむ子どもたちへのメッセージを書いていただきました。(連載「私にとっての不登校」最終回)※画像はイメージです * * * 中学1年生の夏、私の不登校は始まった。中学入学を機に、私は好きだったバスケ部への入部を決めた。しかし、当時の顧問は部員にパワハラに近い態度をとる人だった。「1人のミスは連帯責任」というシビアな空気感や、毎日ヒステリックに飛び交う怒号。 そんな部活の環境下で私の心と身体にはズレが生じ始めた。夏休みに入るころには体調を崩すようになり、夏休みが明けた9月1日、ついに学校へ行くことができなかった。その後、起立性調節障害と診断されてからは、ほぼ寝たきりのような生活が続いた。 「怠けているだけだ」とまわりから理解されず、家族と衝突することも多々あった。好きで始めたバスケなのに、今やバスケどころか、学校へも行けない。思い描いていた中学校生活とはまったく異なる自分の状況に、生きている意味すら分からなくなっていた。 そんな私がすこしずつ、自分を取り戻せるようになったきっかけは2つある。 1つ目は、好きなことをやり続けたこと。本を読んだり、楽器を始めてみたり、とにかく好きなことに時間を費やして自分の感性を磨いた。 2つ目は、中学2年生になった春からフリースクールに通う選択をしたこと。同じ経験をした仲間たちに出会えたことで「悩み苦しんでいるのは、自分だけではなかった」と実感できた。 高校は仲間たちと同じ高校へ進学した。学業への不安は尽きなかったけれど、それでもなんとかみんなと合格できた達成感は今でも忘れられない。 高校入学は当時の私にとって、大きなリスタート。入学後は、すぐアルバイトも始めてみた。学業の遅れを取り戻すことと、アルバイトで新たに学ぶことの両立はとてもたいへんだったけれど、不登校になってからの苦しみを考えたら何でもできるような気がしていた。 大人になった今ふり返ってみると、不登校は私にとって、自分が強くなれる試練の1つだったと感じている。 そして、学校で苦しんでいる人には「今、あなたのいる場所だけが選択肢ではない」と伝えたい。 自... --- ### 「15年前の自分よ驚け」30歳の不登校経験者が語る「私にとっての不登校」 - Published: 2024-01-10 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1372/ - カテゴリー: 連載, 不登校 - タグ: 会員限定記事, 人気記事, 当事者の声, 【連載】私にとっての不登校, 2023年12月1日号 筆者である、今日からみやもとさんは約15年前に不登校を経験しました。今日からみやもとさんは、「不登校は贅沢な時間だった」といいます。どんな豊かな時間だったのか、想いを執筆いただきました。(連載「私にとっての不登校」第2回)。※写真は今日からみやもとさん * * *  約15年前の不登校経験は僕にとって「贅沢な時間」だったと思っている。どうにも学校の雰囲気になじめず、僕は高校入学から約2カ月で不登校になった。家から歩いていける範囲にコンビニもなく、岡山県の田舎の実家ですごす日々。「学校へ行かず、近所の映画館や本屋に入り浸っていた」とテレビで語る不登校経験者の有名人が心底羨ましかった。「何もない田舎ではなく、せめて行ける場所がある都会に生まれて不登校になりたかったな」と思いながら、一日一日がすぎていったのをわりと鮮明に今でも思い出せる。  ただ、そんな都会に憧れながら入り浸る場所も見つけられず悶々としてた日々を今ではとても贅沢だったと思っている。そう思う理由は3つ。  1つ目は、親をはじめとする家族の理解があったこと。最初のころは「早く学校へ行きなさい」などと言われたりしたが、しだいに僕の状況を理解して、いい意味で放っておいてくれた。さらに実家のそばに祖父母の家があったことで、両親とすこし距離を置きたいときは逃げ込むことができた。映画館や本屋の代わりに祖父母の家に入り浸ることができたのだ。  2つ目は、実家に自分の部屋があったこと。当時両親は共働きだったので、日中はリビングでテレビを観てすごしていた。しかし、両親が帰宅すると同じリビングですごすのは気まずくて自分の部屋に籠るようにしていた。テレビやパソコンはなかったけれど、好きな音楽やラジオ、本を読んで次の日を待つことができた。自分だけの空間で蓄えた知識や感覚は今の仕事などにいい影響を与えてくれている。  3つ目は、総じて恵まれた環境にあったこと。家族の理解があり、いつでも逃げ込める祖父母の家があり、自分の部屋もあるという、一見あたりまえに見える環境があったからこそ安心して不登校になれたと思っている。「学校へ行かないのなら外で働いて自分の生活費は自分で何とかしろ」と言われてもおかしくなかった。でも両親は何も言わずに僕を待ってくれていた。絶対に心配していたはずなのに、それでも好きにさせてくれたことに感謝しかない。今の自分に... --- ### 「キャラを演じてがんばっていたのに」不登校経験者が語る不登校のきっかけとなった担任の一言 - Published: 2024-01-10 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1314/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 【連載】私にとっての不登校, いじめ, 2024年1月1日号 - ハッシュタグ: 通信制高校  若いときは、自分にとって不登校がどんな意味を持つのかわからなかったという、さゆりさん。同じ経験をした人とのふれあいなどを通じ、自分の不登校がどんな意味を持っていたのか、すこし見えてきたと言います。さゆりさんが見出した不登校経験の意味とは。(連載「私にとっての不登校」第4回)※画像はイメージです * * *  私は、中学3年生で不登校を経験した。私にとって不登校は、どういうものだったのか? 当時は言葉にできなかったが不登校を経験した仲間たちと交流したり、「不登校生動画選手権」にスタッフとして参加させてもらったり、いろんな経験を積んできたことで「私にとっての不登校」がすこし思い描けるようになった。  私は小学校5年生のときにいじめを受けた。ときが経って、中学へ進学するときも、小学校時代のいじめの傷は残ったまま。でも、当時は、いじめの加害者がいない新しい環境へ行って、「いじめられない私」になってやり直したいという気持ちが強かった。だから、家からすこし遠い、小学校時代の同級生が10人ほどしか進学しない公立中学を進学先として選び、私は通うことにした。  中学では、「学校のルール」に逆らわない、口数のすくない子どもを演じた。 本来の自分を封印して、キャラを演じながら学校に通うのは正直つらかった。それでも「本当の自分を出してまたいじめられるなら、まだこっちのほうがマシ」、「こうしないと私はこの世界で生きていけない」と思い、演じることを自分に言い聞かせながら3年生の夏までは中学に通い続けた。 筆者・さゆりさん  しかし、そんな自分を偽る生活が続くわけもなく、夏休み明けから体調を崩すようになり、隔週で学校を休むようになった。そして、中学3年の10月中旬。始業式に遅刻をし、学年主任に「なんで体調管理がきちんとできないの? 甘えてない?」と言われたことが決定打となり、私は不登校になった。「私は自分の身を削ってまでどうして学校へ行っているのだろう。このままじゃ私は本当の自分を見失ってしまう」と感じたのだ。  不登校になってからは他人の望む自分ではなく、「私のままでいること」を心がけた。夢だった芸能界入りを目指すための養成所に通ったり、自分らしいファッションやメイクをいろいろ研究したり。通信制高校へ進んでからは生徒会に入り、学外のイベント団体にも所属し1万人規模のイベントをつくったり。不登... --- ### 「失敗しても大丈夫という体験を」子育てで親が一番大事にすべきこと - Published: 2024-01-09 - Modified: 2024-10-08 - URL: https://futoko-online.jp/others/1243/ - カテゴリー: イベント, others, 不登校 - タグ: 会員限定記事, 2024年1月15日号  不登校の子どもを持つ親との面接を長年続けてきた、臨床心理士の田中茂樹さん。たくさんの親の悩みを聞くうち、子どもに対して「親が本当にできること」が見えてきたといいます。2023年10月21日に行なわれた講演、「不登校の親を笑顔にする講演会~不登校は勇気のある行動である~」(主催・全国不登校新聞社)の抄録を掲載します。(編集・遠藤ゆか、山田由佳里)※写真は田中茂樹さん * * *  臨床心理士の田中茂樹と申します。認知心理学の研究をしたのち、カウンセラー養成の大学院教員の職を経て、現在は自身でカウンセリングを行ないながら、奈良県で地域医療に携わっています。今日は、不登校の現状から、臨床心理士としての活動や僕自身の子育ての経験を通して感じたことなどをお話ししたいと思います。  まずは、不登校の現状をお話しします。近年、不登校の子どもの数は増え続けています。不登校が増えているのはなぜなのか。これは、子ども自身の問題や家庭の問題が要因ではありません。「現在の教育の仕組みが、時代の変化に対応できていないこと」が、不登校増加の背景にあると僕は思っています。  社会の情勢や人の価値観は、時代とともに変化し、多様化してきています。しかし、昔と比べて教育の仕組みには大きな変化が見られません。みんな一律で同じことを学び、一定の能力を求められる。自分の意見を言うよりも、先生の話を黙って静かに聞いて、ただ覚えることを求められる。ほかにも、走らない、じっとしている、大きな声を出したらダメなどと行動を指示されることもあります。  学校では、昔からの教育価値観が変わることなく、ずっと用いられているんです。社会では、LGBTQや発達障害など、さまざまな意志や個性が尊重されつつあります。その時代の変化を考えると、学校教育の変わらない一方的な価値観はいずれ通用しなくなると思います。  そして、その学校の現実に子どもたちや若者のほうが先に気づき始めている。子どもたちは今、多様な価値観に触れているからこそ、学校という教育システムに辛抱できないのではなく、辛抱しなくなったのではないでしょうか。古いままの教育システムから「イチ抜けた」という現象が、不登校を通してすでに始まっているのではないかと思います。  また、子どもたちが、ないがしろにされている状況も、不登校増加の要因だと感じています。今の日本では、学校の... --- ### 児童精神科で800人の子どもと接してきた看護師がまとめた「子どもの心を守る70の方法」 - Published: 2024-01-09 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/books/1322/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 2024年1月15日号 「子育ての正解を知りたい」、「自分なりにがんばっているのにうまくいかない」など、子育てに悩む親に向けて、児童精神科の看護師が自身の経験からまとめた1冊を紹介します。 * * *  子どもに関わるときに大事にしている9つの事柄「おすしさいこうかよ」がSNSで大きな反響を生んだ「こど看」さん。児童精神科の看護師として約800人の子どもと接してきた経験から「子どもの心を守り、ケアする方法」をまとめた著書を紹介します。  子どもの心の傷は誰の目にも見えません。そのうえで、こど看さんは「保護者でなければできないことがある」と言います。  その中身について、「子どもの安心・自己肯定感」、「聞くこと・見守ること」、「子どもとのコミュニケーション」など、5つのテーマに基づく具体的な70項目の対応方法についてまとめています。  一例として、「子どもの自己肯定感を下げない褒め方」について取りあげると、「すごい、えらい、がんばったね」という言葉は子どもが大人の期待に応えたときに出る言葉であり、それをくり返すことでかえって子どもの自己肯定感が低下する場合があると、こど看さんは警鐘を鳴らします。  では、どんな言葉がよいのか。それは「助かったな、うれしいな、ありがとう」など、子どもから受けた影響をそのまま言葉にするというものです。子どもが親の感情にポジティブな影響を与えているということで、子どもの存在そのものをほめることにつながると指摘します。  そのほか、「逃げ道と休憩所は与えすぎることはない」、「子どもへのイライラがおさまる魔法の言葉」、「子どもからのSOSに早く気づく方法」などについても紹介しています。  こど看さんが「子育てに絶対的な正解はない」、「できない自分を責めないで、親はすでに精一杯がんばっている」と指摘したうえで、大人の心の守り方も論じている本書は、子育てに悩む親を温かい目線で支えてくれる1冊です。(小熊広宣) (初出:不登校新聞618号(2024年1月15日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### 「うるせー、くそばばあ」不登校のわが子の暴言に悩む親に試してほしいこと - Published: 2024-01-09 - Modified: 2024-09-17 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1247/ - カテゴリー: 連載, 不登校 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2024年1月15日号  「子どもからの暴言がつらい」。子どものために尽くしても、本人から心無い言葉を投げられる。そんなつらい毎日をすごしている親御さんは多くいます。今回は、暴言を吐く子どもにどのように対応したらよいのか、おすすめのコミュニケーション方法をお伝えします(連載「出張版 お母さんのほけんしつ」第30回)。 * * *  「うちの子、何かにつけて暴言がひどく、私がつらくなってしまうんです」。そんなご相談を受けることがよくあります。子どもは学校へ行かないことをまわりに否定されることで、劣等感を感じることがあります。そして、崩れそうな自分の心を守るため、警戒心が強くなり、周囲に対する攻撃的な態度が強まる。それが反抗期と重なると、親でさえ、その場で泣き崩れたくなるくらいの辛辣な言葉が子どもの口から出てきてしまうのです。  では、そんなとき子どもとはどう関わればよいのか、今回は書かせていただきます。  「ご飯だよ」と声をかけても「うるせー、くそばばあ」と返ってくる。ここには書くことができないような、言葉が毎日のように飛び交っている。そんなご家庭はすくなくないはずです。親御さんのなかには、子どもの辛辣な言葉にガマンできず、思わず怒鳴ってしまう方もいらっしゃると思います。本当は親御さんも怒りたくないですよね。怒りたくないけれど、どうしても感情を抑えきれず言い返してしまい、後々になって「なんで、あんなふうに言ってしまったんだろう」と後悔する。  そんな日々をくり返しているみなさん、ぜひ1度「一方通行なコミュニケーション」を取りいれてみてください。一方通行なコミュニケーションとは、相手の顔を見ず、相手の声も聞かず、ただただ、こちらからメッセージを伝える方法です。一例としては「このみかん、甘くておいしかったよ」という付箋を貼ったみかんを、子どもの部屋の前に置いておく方法などが挙げられます。同じようにみかんをススメようとしても、顔を合わせて声をかけた場合、子どもの機嫌によっては「いらねーし」とイライラしたようすで返事をされ、親子間で言い合いが始まる可能性があります。 苛立ちではなく  でも「一方通行なコミュニケーション」なら、その状況が起こることはありません。みかんを受け取った側の子どもは心のなかでは「なんだよこれ」とは思っても、目の前に伝える相手がいないので、そのまま気持ちは心のなかにしまいます。... --- ### 12年間の相談員経験から読み解く「子どもたちの7つの不登校理由」と「親に必要な3つの心がけ」 - Published: 2024-01-09 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/others/1279/ - カテゴリー: イベント, others, 不登校 - タグ: 会員限定記事, 人気記事, 当事者の声, 2024年1月15日号  不登校の理由を話せないのは「ふつう」。約12年間、相談員として多くの子どもの悩みに寄り添ってきた半村進さん。半村さんは「不登校の理由は子どもたちにとって、とても話しづらいもの」と語ります。不登校理由ごとの分析や理由を受けとめる際に親御さんが意識できることなどが語られた講演、「学校へ行きたくないのはなぜ? 不登校の理由別分析を解説」(2023年10月2日開催)の抄録を掲載します。(編集・遠藤ゆか)※写真は半村進さん * * *  初めまして、半村進と申します。不登校やひきこもり、中退経験のある方に向けた学習塾「キズキ共育塾」で約12年、相談員をしております。私自身も不登校・ひきこもりの経験者です。今日は子どもたちの不登校の理由や、理由を理解するうえでの注意点について、お話ししていきたいと思います。  まずは、子どもたちの不登校理由の分析です。私が考える、子どもたちの不登校のおもな理由は大きくわけて7つあります。  1つ目は「いじめ」です。無視や陰口などに加え、近年はオンラインを起因とした、いじめが特徴的です。ゲームでの失敗やSNSでのリアクションなど、オンラインの領域でこじれてしまったことが、学校などリアルな世界・関係性にまで波及し、いじめの種になってしまうんです。オンライン以外でも、受験の失敗を勝手に言いふらされたり、理由なくいじめられたりするケースも耳にします。いじめは、いじめられた側の身体と心のエネルギーを奪い、人生を根こそぎ変えてしまう恐ろしいものです。しかし、本人はいじめの実態を打ち明けづらい。そして、本人が打ち明けられないことで、親御さんもいじめの存在に気づきづらい。そう考えると、いじめは、実際は多くの人が経験し苦しんでいるのですが、表面化しにくい、つまり「見えづらい不登校の理由」だと思います。  2つ目の不登校理由は「先生との関係」です。担任への不信感や先生に必要以上に叱責され傷ついたケースなどが該当します。また、クラスの誰かが先生に執拗に怒られているのを見ることが、ストレスになってしまったという子も多くいます。たとえ自分が怒られる対象でなくとも、キツい言い方をする人がいる環境そのものに子どもたちは負担を感じてしまうんです。先生との関係というと、まわりは直接的なものを想像しがちですが、他人を叱責する声など間接的なものも本人にとっては負担になり得ます。 ... --- ### 「この人はウォルト・ディズニーだ」はやみねかおるインタビュー体験記【全文公開】 - Published: 2024-01-09 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/interview/1290/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 無料記事, 2024年1月1日号  今号でインタビューを掲載した児童文学作家・はやみねかおるさん。その取材に同行した「不登校ラボ」のなすとうまさんが、取材体験記を書いてくれました。はやみねさんに会って、「泣きそうになった」という、なすとうまさん。初めての取材は、どのような時間だったのでしょうか。 * * *  「最期の時も『今が一番楽しい』と言いたい」とおっしゃったのをよく覚えている。「今『一番楽しい時はいつでしたか?』と聞いてもらえば『今です』と答えますよ」とも。これはすごくうれしい。講談社新館26階、シェラトンのスイートルームのような部屋で1時間。たっぷりなようであっという間、素敵な大人に導かれて今に向き合った時間だった。  はやみねかおるさん、ものすごく失礼なことに、実は取材に行くことが決まるまでまったくのノータッチだった。事前打ち合わせ後に慌てて図書館であとがきを読み漁る。取材まであと3日、さすがに遅すぎるだろう。でもこの短時間に人となりを掴むならそれが最適だと思った。数冊貸し出されてとびとびの『都会のトム&ソーヤ』を含め20冊ほど、17時から閉館まで児童コーナーで本に沈む。  18時ごろ、この人はウォルト・ディズニーなんだと思った。人を喜ばせることが好きで、それ以上に自分が楽しくて楽しくてしょうがない。読者の喜ぶ顔を陰でにやにや眺めている。喜ぶのが好きなのは本当だけど、舐められたらもっと力が入る感じ。とても誠実な方だ。児童文学だからなのか、大人向けの方便はまったく感じない。  2時間くらいあとがきを読んだ。それだけで、はやみねさんのことを好きになってしまった。なんてちょろいんだ。聞きたいことは浮かばなくても、その空間にいられることがとても楽しみになった。  あっという間に時間は迫って当日の取材直前、なんとなんと待ち合わせ時間になっても同行者のライターさんがお見えにならない。電車に乗ったとき、気分が悪くなってしまったとのこと。不謹慎だがこれにはドキドキした。不安20%、楽しみ80%くらいの感じで浮かれてしまう。もし間に合わなかったらプロの編集者不在のまま、不登校ラボのかんたさんと私、2人で取材するわけで、これはこれでわくわくする。編集長の茂手木さんに一報入れるべきか悩んでいたころ、ライターさんから到着した旨の連絡があった。うーん、ほっとした反面ちょっと残念。でもどうしよう、と思えた分は確実に... --- ### 「人生は楽しいと意地でも子どもに伝えたい」児童文学作家・はやみねかおるが語る楽しく生きるためのコツ - Published: 2024-01-09 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/interview/1274/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2024年1月1日号 「子どもたちには『今が一番楽しい』と意地でも言い続けたいんだ」と語るのは、児童文学作家・はやみねかおるさん。はやみねさんは、2人の中学生が推理と冒険をくりひろげる『都会のトム&ソーヤ』シリーズなど多数の作品で人気を集めています。はやみねさんに自身の子ども時代のことや、子どもたちへの思いについてうかがいました(※写真ははやみねかおるさん)。 * * * ――はやみねさんは、どのような子どもでしたか?  本やマンガを読むことが好きな子どもでしたね。手塚治虫が『ブラック・ジャック』の連載を始めたのが、僕が小学生のころです。『週刊少年ジャンプ』や『週刊少年マガジン』、『週刊少年チャンピオン』などのマンガ雑誌を友だちと夢中で読んでいました。当時読んでいた本は今も自宅の屋根裏部屋に並んでいます。高校を卒業するまでは、毎日の風呂焚きが僕の仕事だったんです。五右衛門風呂って知っていますか? 湯おけの下にかまどがあって、薪をくべて火を起こすんです。  火を焚きながらも本はずっと読んでいました。シャーロック・ホームズのシリーズや、年の離れた兄の本棚にあったヴァン・ダインやクロフツ、アガサ・クリスティなど、全盛期と言われている時代のミステリー小説も読み漁りました。勉強もせずに1日1冊くらいのペースで本を読んでいましたね。  大学1、2年生のころも、授業へ行かずに四畳半の部屋にこもってずっと本を読んでいました。毎月アルバイトをして稼いだお金がほとんど本に消えて、家賃も払えなくなるくらいでした。今ふり返るとよく卒業できたなと思います。 ――卒業後、学校の先生になられたのですよね。なぜ先生になろうと思ったのでしょうか?  大学3年生になると教育実習へ行く必要があったんですよ。長かった髪の毛を切って、背広を着て実習先の学校へ行ったんです。すると子どもたちがあたりまえのように僕を「先生」と呼んでくれた。めちゃくちゃな生活をしていた僕のような人間に「先生」と声をかけてくれて、慕ってくれた子どもたちに本当に感動しましてね。先生という仕事を真剣に目指すことを決めました。それからは大学も、ちゃんと通うようになりました。 『都会のトム&ソーヤ(20)』講談社・2023年 小学校の教師に  そうして無事に大学を卒業して、小学校の先生になりました。想像していたよりも毎日が楽しかったです。小学校の担任は、全教科自... --- ### 「不登校、いじめ、自殺が過去最多」子どもに関わる2023年の出来事をふり返る【全文公開】 - Published: 2024-01-09 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/others/1328/ - カテゴリー: コラム, others - タグ: 無料記事, いじめ, 1年を振り返る, 2024年1月1日号  不登校やいじめが過去最多となった2023年は、子どもにとってどのような1年だったのか。国の動き、フリースクールをめぐる議論など、2023年の出来事をふりかえる。 * * * 不登校過去最多 29万人超え  文部科学省は10月4日、「令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」を公表した。 2022年度の小中学校における不登校児童生徒数は29万9048人と、前年度から5万4108人(22・1%)増加し、過去最多を更新。不登校は10年連続で増加している。また、いじめの認知件数は約68万件と、前年度から6万件以上増え、過去最多となった。  不登校に関連する事柄として、文科省は8月、不登校経験のある児童生徒が在籍し、学習指導要領に縛られない「不登校特例校」について、「学びの多様化学校」に名称変更すると発表した。   同校は23年末現在、全国で24校設置されており、文科省は今後300校まで増やす方針を示している。今年4月には「東京みらい中学校」(東京都足立区)が開校を予定しているほか、来春には福岡県福岡市や神奈川県鎌倉市で開校に向けた動きが進んでいる。  学びの多様化を実践できる学校をつくることができるのなら、なぜすべての学校でそれを実践できないのだろうか。文科省が7月に公表した「学校教員統計調査」によると、精神疾患を理由に離職した教員が1052人と過去最多となったことがわかった。同様の理由による休職も5897人と過去最多となっている。文科省はかねてより、「魅力ある学校づくり」に取り組んでいるが、子どもにとっても、教員にとっても、学校が安全・安心な場になっているとは言い難い現状を変える必要があるのではないか。 子どもの自殺は  厚生労働省は3月、2022年の自殺者数を公表した。小中高生の自殺は514人。統計開始以降、過去最多となった。これを受け、こども家庭庁は6月、「こどもの自殺対策に関する関係省庁連絡会議」を設置し、「こどもの自殺対策緊急強化プラン」を取りまとめた。  また、文科省でも7月、児童生徒1人に1台支給されている端末を活用し、子どものSOSの早期把握に努めることなどを盛り込んだ通知を出した。子どもの自殺は長期休み明けに注目されがちであるが、年間の自殺者数が500人を超える今、その対策は待ったなしである。 フリースクール「国家の根幹を... --- ### 親も教師もカン違いしています。子どもが学校を休み始めたら「もう限界」なんです【全文公開】 - Published: 2023-12-21 - Modified: 2024-10-17 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/6029/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】すまいる式 子どものわかり方, 2019年4月15日号  長いこと不登校の活動を続けていると、ありがたいもので、講演の依頼をいただくことがあります。  最近はとくに、学習指導要領改訂によって不登校対応も指摘されたことから、学校の校内研修などでお話する機会もあります。  学校が不登校理解を図ることのうれしさを感じながらも、「不登校」という言葉のインパクトが強く、どうしても、そこに思いが集中してしまうことに対して違和感を覚えていました。  そこで今回は、「子どものわかり方」ならぬ「不登校のわかり方」を書いてみたいと思います。  不登校について、文科省は「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」と定義づけています。 身体症状が出る  これは、毎日毎日休む子どもや保護者の思いの積み重ねであり、休むまでには過程や背景がある、ということだと思います。  また、欠席数は「30日以上」と規定されていますが、29日目の欠席と30日目の欠席の間に断絶はありません。  それは、5月1日から新しい年号になっても、4月30日とさほど変わらない生活が待っているのと同じことです。  そんなのあたり前だと思われるかもしれませんが、「不登校」というテーマ設定になると、不思議なくらい30日に焦点が集まってしまうことが多いのです。  たとえば、病気などのあきらかな理由がなく、数日間休んだ子がいたら、保護者や先生方は、その子のようすの変化に気づくはずです。  教育委員会などが作成した資料を見ても、「不登校の前兆」として身体症状を上げています。身体症状とは「朝起きられない」「頭痛など体調不良」「理由もなく突然泣いてしまう」など。 休み始めがチャンス?  こうした身体症状を伴っていたとしても、休み始めたときは、まさか不登校になるとは周囲も本人も思えません。  こんなとき先生方は「成長のチャンス」だと捉えるケースが多いようです。つまりなんからの心理的な負担はあるけれども「これを乗り越えたら成長できる」と。  教員からその旨を教えられると、「そういうものなのか」と保護者も思うはずです。そこで教員と保護者がいっしょになって登校を促すと、じつは決定的な不信を生む種になることが少なくありません。  というのも、子どもはつらいことを... --- ### 「朝早く起きて」結果だけを求める親の一言で不登校の子どもが変わらない理由 - Published: 2023-12-21 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1746/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2023年5月1日号  学校へ行かない。朝早く起きれない。お風呂に入らない。そんな子どもに親御さんがイライラしてしまう気持ちもわかります。でも子どもの現在の状態にはかならず何か背景があるんです。その背景を想像することで、子どもとの信頼関係を取り戻すことができます。不登校支援にたずさわる土橋優平さんに子どもの背景について、執筆いただきました。(連載「出張版 お母さんのほけんしつ」第13回)※写真は土橋優平さん * * *  新年度に入ってすこし経ちました。「〇年生になったら学校行こうかな」、「4月になったら始業式行こうと思う」。そんなふうに言っていた子どもが、実際に学校が始まってみたらまったく行く気配がない。その背景には朝起きられない、お風呂に入らないなど、いろいろなことが見えてきます。「早く起きなさい!」、「お風呂ちゃんと入りなさい!」。そんなふうに声をかける親御さんもいらっしゃると思います。でもそれが結果につながらない。今回はそんなお悩みのある方に届けたい内容です。  ちょっとイヤな質問をするかもしれません。  もし今これを読んでいる親御さんが「子どもが不登校であることをすべて受けいれてください」と言われたらどう感じられますか。「それができたら苦労しないよ」。そんなふうに感じられる方もいらっしゃるのではないかと思います。じつは親から子どもに対する「朝早く起きなさい」、「お風呂はちゃんと入りなさい」も同じことなんです。  朝早く起きるということに注目してみます。なぜ早く起きることができないのか、考えられる原因は多様です。夜眠る時間が遅い、睡眠が浅い、朝に学校へ行くかどうかを考えることがつらい、朝の親とのやり取りがつらい、登校する同級生の声を聞くことがつらい。   いろいろな背景を考えることができますが、これは1つ1つ解決方法が異なります。たとえば、夜眠る時間が遅いのはなぜなのか。もし遅くまでゲームをしていて脳が活性化しているのであれば、早めにゲームを切り上げることもあるでしょう。体力があり余っているのであれば、昼間の時間に適度な運動を勧めることもあるでしょう。学校へ行くかどうかを考えることがつらいのであれば「学校へ行っても行かなくてもあなたはあなた」、「行きたいと思ったら応援するし、休みたいと思ったらそれで大丈夫」という姿勢で関わることもあるでしょう。 視点を変えて  このように、子ども... --- ### 「ただスマホを見ているわけじゃない」ネット検索から見えてくる不登校経験者たちの迷いと葛藤 - Published: 2023-12-21 - Modified: 2024-11-30 - URL: https://futoko-online.jp/children/1338/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: ゲーム・スマホ, 会員限定記事, 当事者の声, 2024年1月1日号  「一発逆転」、「Fラン大学 その後」、「南国 住むには」... ... 。不登校当時、学生たちは心のモヤモヤを検索欄に投げていました。皆さんはどんな言葉で「検索」をしていましたか? そんな問いから始まった不登校経験者のグループ・「不登校ラボ」の交流会。心のモヤモヤをすこしでもクリアにしたいと、当時の検索ワードをふり返る企画です。発案者のかんたさんに、交流会の模様を書いていただきました。(イラスト・今じんこ) * * * 学校へ行けなかった高校生のころ、不安や焦りからくるモヤモヤとした感情を毎日感じていました。友だちもおらず、かといってSNSに書きこむのも何かちがうと感じた僕は、苦肉の策として日々のモヤモヤをグーグルの検索欄に投げこむことにしました。ノートに書きなぐるかのごとく、思いつくままに出てきた言葉で検索をかけていたのです。  ですから高校時代の僕の検索履歴は見られたものではありません。青くて痛々しい放言ばかりです。検索結果だって、よく分からないまとめサイトに飛ばされたりなど、かんばしいとは言えません。あの検索欄には当時の怨念が取り憑いていることでしょう。  そんなことを思い出したとき、不登校ラボの交流会の企画を思いつきました。題して『世界の検索窓から』。集まったメンバー各々がどんな検索をかけていたのかを共有し、「検索欄」から不登校時代をのぞいてみましょう、という企画です。 検索ツールは?  参加者は、僕を含めた不登校経験者数名に加え、現役で不登校の子どもを持つ保護者もいらっしゃいました。最初の議題は「どういったメディアで検索をしていましたか?」。  まっさきにあがったのが「グーグル」。次点で「ツイッター(現「X」)」、「インスタグラム」、「TikTok」といったSNSでした。話していくなかで、情報や答えを求めるときにはグーグル検索、自分の気持ちに当てはまるような共感できる発信を求めるときにはSNS検索をしていることが分かってきました。他にも「ユーチューブ」での動画検索や、最近ではAIチャットでの相談も困ったときの選択肢に入りそう、と話は広がりました。  次に聞いたのは「どういったワードで検索していましたか?」。日々のモヤモヤを検索窓に投げこんでいた僕ですが、ほかの経験者はどんなワードを投げ込んでいたのでしょうか。以下のような検索ワードがあがりました。「つらい... --- ### 「もうムリだ」自分を殺そうとした少年が自分の「好き」を見つけるまで - Published: 2023-12-20 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/children/1296/ - カテゴリー: 子どもの体験談, 不登校 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 当事者の声, 2024年1月1日号 - ハッシュタグ: 通信制高校 「小学校からガマンし続けきたけど、本当はずっと苦しかった――」。高校1年生のときに約半年間の不登校を経験し、現在は通信制高校に通う新舘徹大(しんたち・てった)さん(17歳)。一時は死を考えたという当時の心境と、そこから約1年経った現在の思いを聞きました(聞き手・編集/茂手木りょうが、藤森優香)※写真は新舘徹大さん * * *  高校1年の秋、僕は自殺を試みました。「もうムリだ」。それが素直な感情でした。 思えばこれまでずっと、ガマンを続けてきた人生でした。小学生のころから親や先生の言うことを素直に聞くいわゆる「優等生タイプ」。問題を起こすような行動はしたことがありませんでした。  小学5年生のときにクラスが荒れ、同級生を誰も止めることができず、学級崩壊寸前の状態になったことがありました。そのときも、できるだけ先生の言うことを聞こうと努力していました。  中学では、近所に住んでいた仲のいい友だちと写真部に入部。はじめは楽しくすごしていたのですが、ちょっとしたことで仲が悪くなってしまいました。それ以来、その友人が中心となって集団でからかわれたり、無視をされたりするようになりました。  その友人と距離を置こうとしたのですが、部活もいっしょだし家も近所だということで、どうしても顔を合わせる機会が多いんです。逃げられないんですね。「明日学校へ行きたくないな」と思うこともありましたが、とてもじゃないけれど「休みたい」と親に言えるような雰囲気ではありませんでした。 両親には 言えなかった  というのも、僕の親は教育熱心で勉強に対して厳しく、高校受験に向けて毎週、塾へ行かせるような人でした。僕のためを思って、いい高校へ行かせるために塾に通わせてくれているのに、ちょっと友人にからかわれているからという理由で学校を休みたいなんて、そんなわがまま言えるわけがなかったのです。結局のところ、家でも学校でも、ガマンをし続けていたわけです。  高校に進学してからは中学時代に僕のことをからかっていた友人とも別の高校になり、心機一転、あらたなスタートを切ることができました。  部活は弓道部に所属。新しい友人もできて、はじめは「これでうまくいく」と思いました。しかし、中学時代と同様に、楽しい日々は長く続きませんでした。  部活のあとみんなでカラオケへ行くことがあったのですが、僕は歌がうまくないので、そ... --- ### 「免許を取り、バイト先で正社員として就職」大学で不登校した子どもが一歩踏み出せた理由 - Published: 2023-12-20 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1301/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2024年1月1日号  不登校やひきこもりを経験したあと「自分の力で生活しようと努力している人」をたくさん見てきた、という土橋さん。今回は、身近でがんばる不登校経験者の姿を書いていただきました。経験者の姿を通して土橋さんが感じたこと、また子どもが1歩踏み出すために大切だと実感したこととは(連載「出張版 お母さんのほけんしつ」第29回)。※写真は土橋優平さん * * *  不登校やひきこもりを受けいれることは、とても難しいことです。それらに関するネガティブな情報が世のなかにあふれていることが、受けいれにくい要因の1つだと思います。しかし、私の身近には不登校やひきこもりを経験したその後、自分の力で生活している人、しようと努力している人が大勢います。今回は今をがんばっている、身近な「彼」のことを書こうと思います。  彼は勉強ができ、通知表の成績はつねによいほうでした。友だちはいるけれど、自己主張をするタイプではなく、大勢でワイワイ楽しむすごし方はあまり得意ではありません。それでも、小学校から中学校までは問題なくすごし、高校からは進学校へと進んだ彼。あるときから家族に黙って学校を休むようになりました。毎朝「行ってきます」と家を出るのに、登校せずに近所をフラフラ。そんな状況でもなんとか高校の単位を取得し、卒業後は大学へと進学します。  しかし、大学1年生が終わるころ、実家の両親に大学から連絡が入ります。「息子さん、しばらく大学へ来ていませんが、大丈夫ですか」。  思いがけない知らせに慌てて息子さんに連絡をとりますが、返事がなく、急遽一人暮らしをする彼のアパートへと向かったそうです。到着すると部屋はゴミが散らかり放題で、本人は抜け殻のような状態。見かねた両親はその場で、大学へ休学届を提出することを決断し、彼を実家に連れ帰りました。  実家へ帰ってからは無理に理由を聞くことはせず、息子さんが安心して家ですごせるよう意識して、生活を送ったそうです。そうして1年ほど経ったころ、息子さんから「もうすこし自力で生活をしたい。自動車免許を取りたいからお金を貸してください」と申し出がありました。教習所に通うことになった息子さんは、免許を取得する過程で社会とのつながりを持てたことが自信になったのか、その後アルバイトを始めます。週1ペースの勤務からスタートし、いくつかの勤務先を転々としたあと、3つ目のアルバイト先に縁... --- ### 「あなたの味方だよ」かつて不登校だった私が、母親として不登校のわが子に伝えたこと - Published: 2023-12-08 - Modified: 2024-09-17 - URL: https://futoko-online.jp/parents/1402/ - カテゴリー: 保護者の体験談, 不登校 - タグ: 会員限定記事, 親の思い, 2023年12月15日号 かつて不登校を経験した宮國実加さんは、ご自身の息子さんが小学1年生で不登校になりました。「困ったな」という思いと同時に「息子はまちがっていない」という思いもあったそうです。かつて不登校をした親として、子どもをどう支えていくか。宮國さんと息子さんのこれまでについて書いていただきました(※写真は家族でのキャンプ中に撮影した1枚)。 * * *  私は4人の子どもを持つ47歳の母親です。「もう小学校なんかやめる」。長男がこう言い放ったのは、小学校へ入学したばかりのときでした。  苦手な野菜があるから食べることができないと言っても、給食をムリやり食べさせる。授業中ちょっとしたことで児童を大声で叱る。小学校へ入学することを心待ちにしていた長男にとって、小学校という場所は毎日通いたいと思える場所ではありませんでした。「学校へ行きたくない」という息子の姿が、子どものころの自分と重なりました。 とことん下がった自己肯定感  私自身、小学校1年生から3年生まで不登校でした。担任の先生はとても親身になってくれましたが、不登校に対して社会の認知も理解もまったくない時代でした。  当時は「登校拒否児」と呼ばれ、学校、地域、親戚、家族から「おかしい子・問題児」という強固なレッテルを貼られて生きるしかありませんでした。周囲の大人たちからのさまざまな言葉の暴力や、毎日叩かれムリやり学校へ連れていかれる経験は「これでもか」というほど私の自己肯定感を引き下げました。  その後、引っ越しを機に転校し、べつの学校へ通うようになりましたが、引き下がったままの自己肯定感が上がることはありませんでした。「私は登校拒否をした、とんでもない問題児」。心の奥に刷り込まれたこの言葉を抱え込んだまま、私は大人になりました。  私は、息子の「学校へ行きたくない」という言葉を聞くたびに「困ったな」という親としての心配と同時に、「息子はまちがっていない」という揺るぎない思いが、心の奥底から湧き上がってくるのを感じました。  どんな理由であれ(たとえ理由を言語化できなくても)子どもが「学校へ行きたくない」と言ったらそれが真実です。最愛の子どもを目の前に、私自身の経験を活かさなければ何のために親として存在しているのか? と自問しました。 今が大事な局面  息子にどう対応すべきか悩むなかで、夫に「今、息子への対応をまちがえると私の... --- ### 「生活費の不安で押しつぶされそう」2人の息子が不登校したシングルマザーが限界の日々を抜け出せた理由【全文公開】 - Published: 2023-12-06 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/parents/1342/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 無料記事, 親の思い, 発達障害, 2023年12月15日号 シングルマザーと貧困、さらには子どもの不登校が重なり、苦しい時間をすごしたという瀬戸陽子さん(仮名)。現在高2の長男・拓也さん(仮名)は小5から中2まで、現在中3の次男・純太さん(仮名)は昨年から、それぞれ不登校です。生活費の不安や息子の暴力・うつに直面し、心身のバランスを崩してしまった陽子さんは、どのようにして長いトンネルを抜けたのでしょうか。 * * * ――陽子さんはシングルマザーとしてお子さんを育てつつ、フリーランスのカメラマン兼編集者として、お仕事に奔走されてきたとうかがいました。  私は子どもが生まれる前から、正社員として編集プロダクションで撮影や編集などの仕事をしていました。次男が生まれてすぐに離婚したので、子どもたちを養うためにも、その会社でずっと働き続けるつもりでいたんです。  ところが、次男が3歳のときに自閉症だと診断されて、週に1回、療育に通わなければならなくなりました。ちょうど会社が傾いて他社と合併するタイミングに重なったせいか、上司から「辞めてもらいたい」とはっきり言われたのもこのころです。子育てのために残業もできず、週1で早退する私を切るよいタイミングだったのでしょうね。  そこからがんばって仕事を探したのですが、小1と4歳児を抱える40歳すぎのシングルマザーを採用したい会社なんてありませんよね。はっきり理由を言われたわけではないのですが、10社以上落ちました。仕事を選ばなければ、なんとかなったのかもしれないけれど、どうしてもこの仕事をあきらめきれなくて。自分で仕事をかき集めて食いつないでいこうと思って、フリーランスとしてやっていくことにしたんです。  私には頼れる親も親戚もいないし、元夫は養育費をいっさい払ってくれません。生活保護の申請をする余裕すらなくて、どんなにギャラが安くても仕事があれば、昼夜問わずどこへでも行きました。食事は支援団体を頼ったり、撮影現場で子どもの分のお弁当も分けてもらったり。情けないけれど、必死でしたね。取材から帰ってきたら締切に向けて夜通し仕事をしないといけないし、週末は週末で撮影が入る。休みたいと思っても、休んでしまうと、生活費の不安で押しつぶされそうになるんですよ。 極限状態の日々  そうこうしているうちに、家に帰るとアルコールを飲まないと家事ができないようになって、自分でも「依存症の一歩手前」だと認識する... --- ### 「学校でのいじめ認知件数が過去最多」いじめが進行する3つのプロセスを精神科医がわかりやすく解説 - Published: 2023-12-06 - Modified: 2024-08-29 - URL: https://futoko-online.jp/books/1414/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, いじめ, 書籍紹介, 2023年12月15日号 2022年度、全国の学校で認知されたいじめ件数は68万1948件と過去最多を更新しました。精神科医がいじめのプロセスをわかりやすく論じており、学校の先生も必読の1冊を紹介します(※画像は『いじめのある世界に生きる君たちへ』中井久夫 著)。 * * *  文部科学省の調査によれば、2022年度に認知されたいじめの件数は68万1948件と、過去最多となりました。いじめ防止対策推進法で重大事態と規定される件数も923件と、こちらも過去最多です。同法の施行から10年が経つなか、学校現場におけるいじめは依然として大きな問題です。そこで今回は、精神科医の中井久夫さんがいじめについて、子どもに向けて書いた1冊を紹介します。  中井さんはいじめを「人間を奴隷化するプロセス」と捉え、「孤立化」、「無力化」、「透明化」という3つの段階を経て進行していくと論じます。次の「無力化」では、「大人にいじめのことを話すことは卑怯なこと」といった加害者の価値観を採りいれることで、被害者もそのように考えてしまうようになります。  最後の「透明化」は、「被害者は孤立無援で、自分自身がイヤになり、自分の誇りを自分でほりくずしていく」と中井さんは語ります。これについては、いじめ防止対策推進法が成立するきっかけとなった大津市いじめ自殺における第三者委員会の報告書にも「少年は『透明化』の段階に達していた」と引用されています。  実際のいじめの被害者のなかには、こうした本を目にすることもつらいという子もいるかもしれません。他方で、中井さんは「子どもの抱える罪悪感や劣等感を軽くしていくこと」をいじめ対策として重視しています。であるならば、本書は子どもやその親のみならず、いじめの対応に現場であたる学校の先生にこそ読んでほしいと思う1冊です。(編集局・小熊広宣) 『いじめのある世界に生きる君たちへ』 中井久夫 著 中央公論新社/1320円(税込) (初出:不登校新聞616号(2023年12月15日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### 「社会に出るまでの練習に」私が1日15分から働けるカフェをつくった理由 - Published: 2023-12-06 - Modified: 2024-10-08 - URL: https://futoko-online.jp/others/1408/ - カテゴリー: インタビュー, others - タグ: 会員限定記事, 2023年12月15日号 「1日15分から働けるカフェ」。そんな場所があるのをご存じですか?愛知県春日井市のカフェ「ワンぽてぃと」では、社会に向けて一歩踏み出すのがこわい、そう感じているひきこもりや不登校の若者たちに、15分から働ける場を提供しています。いつ来ても、いつ帰ってもOK、失敗してもOK。そんなカフェを、娘さんと相談しながらつくりあげたオーナー・小栗加奈さんにお話をうかがいました(※写真は小栗加奈さん(左)と娘さん(右)と、看板犬のオリバー)。 ――まずは、お店の詳細について教えてください。  「ワンぽてぃと」は店名のとおり、看板犬がいつもお店にいて、じゃがいもとさつまいもに特化した料理を出しているカフェです。特徴は、一般のスタッフのほかに、ひきこもりや不登校の若者たちを15分単位で雇用していること。  バイト代として、中学生の場合は一度働くとスタンプ1個。スタンプが20個たまると1000円分のクオカードや図書カードに、お店のドリンクチケットなどをつけて渡しています。高校生以上であれば、愛知県の最低賃金である1027円を4で割った257円が15分の賃金になります。 今雇用しているのは、中学生が2人、高校生以上が2人。「働かせてほしい」という声はたくさんいただいているのですが、お店の規模が小さいのでこれ以上雇うことは難しくて。「無給でもよければ、このカフェを社会に出る練習の場にしてもらってもいいですよ」と言ったところ、10代~30代の方が5人~6人が来るようになりました。 さらに、「空きが出たら働かせてほしい」と、今20人以上が空き待ちをしています。  ちなみに、こうした子たちのことは、「やがて飛び立つために、羽根を休めている」という意味を込めて、「とまり木さん」と呼んでいます。  集まることのできる「居場所」や「フリースペース」と呼ばれる場所はたくさんあるけれど、彼らが安心して働ける場所は全然ありませんよね。しかも、習い事には「無料体験」があるけれど、アルバイトはいきなり本番です。それも、初日から早く覚えることを強いられる。彼らは気分や体調に波があることもあるので、いきなり社会のなかで働くのは、ハードルを感じて当然だと思います。  ひきこもりや不登校の子たちを雇うと決めたときに、彼らの「一歩目」を妨げるものはすべて取り除こうと思いました。心のなかのハードルが下がれば、外に出られる子... --- ### 「安否確認のため、会わせてください」学校の先生から子どもとの面会を求められたときの心構えと対処法 - Published: 2023-12-06 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/column/1364/ - カテゴリー: コラム, 不登校 - タグ: 会員限定記事, 人気記事, 親の心構え・できること・やるべきこと, 2023年12月15日号  学校から「子どもに会わせてほしい」という突然の連絡。聞けば、「安否確認をしたい」とのこと。こうした急な連絡が来た場合、不登校の子を持つ親として慌てず、どのように対応すればよいかについて、解説します。 * * *  学校から「安否確認のため、お子さんに会わせてほしい」と言われて困った経験はありませんか?2019年に千葉県野田市で虐待死事件が起きました。これを受け、文部科学省が学校へ登校していない子どもに対する緊急点検に関する通知を出したことにより、不登校の子どもを持つ親のなかに混乱が生じたことは記憶に新しいところです。ところが、その後も、安否確認を理由に「家庭訪問がしたい」、「子どもと面会したい」という学校からの要請があったという話をしばしば耳にします。  では、学校から実際に連絡が来た場合、親として何を大事にし、どう対応したらよいかについて考えます。 大事なことは 防波堤になる  そもそも、学校から「安否確認したい」と言われること自体、親にとっては大きなプレッシャーです。急な話にとまどいますし、「子どもが担任と会いたがらない」という場合、「担任に会わせることで子どもがつらくなってしまうのではないか」という葛藤も生じます。  このときに大事にすべきは、「どうやって子どもに会わせるか」という方法ではありません。「どうやって子どもの安心を守るか」という意識がもっとも大事なことです。親のなかには「担任がよかれと思ってやってくれていることを無下に断ることに気が引ける」という方もいるかもしれません。また、そうした親の気持ちを子どもが汲み取り、「会ってもよい」と言うケースもあるかもしれません。しかし、子どもからすると、大なり小なり、気持ちが揺らいでしまいます。ですから、親として大事にすべきは、「子どもの防波堤になる」という意識と、その実行です。 具体的な対応法 親はどうしたら  実際に、学校から「安否確認がしたい」と言われたら、親はどうすればよいのでしょうか。じつは、安否確認について、担任の先生が直接面会して確認する必要はありません。冒頭で紹介した通知でも、「学校の教職員による面会」、「教育委員会職員による面会」のほかに「その他関係機関による面会」と書かれています。つまり、地域の民生委員やフリースクール職員、またはかかりつけの歯医者などでも、面会相手として差し支えありません。 ... --- ### 「また不登校になったらどうしよう」子どもが学校へ行くようになったときによぎる親の不安との向き合い方 - Published: 2023-12-05 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1377/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2023年12月15日号 「また、いつか不登校になるかもしれない」。お子さんが再登校するようになったとき、親御さんが密かに抱える不安の1つだと思います。この不安を持ちながら、どのように子どもに向き合っていったらいいのか、フリースクール代表の土橋さんに執筆いただきました(連載「出張版 お母さんのほけんしつ」第28回)※写真は土橋優平さん。 * * *  「最近、子どもが学校へ行く日があるのですが『今日は楽しくなかった』、『友だちとお話しできなかった』と言われます。また学校へ行かなくなったらと思うと、不安でしかたありません」というご相談をいただきました。また不登校になったらどうしよう、という不安はよくいただくご相談の1つです。このような不安に陥ったとき、どのように子どもたちに向き合えばよいのか、書かせていただきます。  まず、不登校かどうかに関わらず、学校生活を送っていれば「今日はつまらなかったな」、「今日はかなり調子がよかったな」と、どの子どもにもよい日と悪い日があります。不登校を恐れるがあまり、お子さんの言葉や思いに敏感になってしまうこともあるかと思いますが、日によっての気持ちの揺れや出来事のちがいはどの子にも起こることなんです。 カラフルなのに  親御さんにかぎらず、学校の先生も私たち支援者も「この子は不登校だから」、「不登校だったから」といつのまにか色眼鏡で子どもたちを見てしまうことがあります。不登校、発達障がい、HSC、そうした世間的にネガティブな印象の強い言葉に引っ張られて、必要以上に心配してしまうのです。色眼鏡というのは人が持つ固定観念であり、先入観でもあります。実際、不登校や特性は、人によって状況が異なりますし、1つにくくることはできません。学校へ行きたいけど行けない子もいれば、そもそも行きたくないという子。集団生活になじめなくとも、没頭するとすさまじい集中力を発揮する子もいますし、大きな声が苦手でも、困っている人を見ると気持ちを察して温かく手を差し伸べてくれる子もいます。  しかし、不登校という色眼鏡をかけて子どもたちを見た瞬間から、彼らの個性や想いは見えなくなってしまいます。子どもたち自身は、本当はカラフルなのに、こちらが色眼鏡をつけて見るがゆえに、「また、不登校になるかもしれない」という心配の色でしか見えなくなってしまうのです。  ではどうすればよいのか。それは「子どもの声... --- ### 【全文公開】「座っていられない、ドライヤーが苦手」発達障害の子どもの特性に合ったカットをする美容院を全国に広げる活動をする美容師の思い - Published: 2023-12-04 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/interview/1392/ - カテゴリー: インタビュー, 不登校 - タグ: 無料記事, 人気記事, 発達障害, 2023年12月1日号 - ハッシュタグ: 発達障害  不登校の子どもたちのなかには、発達障害を抱える子もすくなくありません。そうした子どもたちは学校のほかに、お店や病院などでも「すごしづらさ」を感じていることがあります。今回は障害や気質によって髪を切るのが苦手な子どもに寄り添う「スマイルカット」の活動をする美容師・赤松隆滋さんにお話をうかがいました(※写真は赤松隆滋さん © mao yamamoto)。 * * * ――「スマイルカット」とはどのような活動なのでしょうか?  活動についてお話しする前にまず、みなさんはどんなときに美容室を利用したいと思いますか? 私はかつて、ひきこもりの方の髪を切らせていただいたことがあります。他人との関わりに強い負担を感じているその人が、苦しさを押してまで私にカットをお願いしたのは、「身だしなみを整えたいと思ったから」だったそうです。髪を切ること自体は自分でやったり家族にお願いしたりすることもできます。この方も以前は自分で切っていたそうです。  でも、「外へ出たい」という気持ちが出てきたとき、美容師の手を借りようと思われたそうです。プロに髪を切ってもらって、さっぱりとした姿で社会へ出たいと。お店に電話するのに3回も吐くというたいへんな思いをしながら、私に連絡をしてくれました。  髪を切ってすっきりする、それは誰にでもある当然の権利で、美容室はそのお客さんの期待に応えるためにあります。しかしそれが思うようにできない、すっきりするために美容室に来ているのに逆に不快な思いをさせられて困っているという人たちがいます。  私はそのなかでも、発達障害や感覚過敏の気質などを抱える子どもたちに関わり、子どもたちが髪を切るのが楽しくなるような環境づくりに取り組んでいます。それが「スマイルカット」です。  発達障害を抱える子どもたちのなかには、ドライヤーやバリカンの音が苦手、あるいはイスにじっと座っていることが苦手なために、美容室でのカットが難しいという子がいます。障害の有無に関わらず、髪の毛を触られることに抵抗がある、知らないお店に入ることに不安を感じるという子もいます。  そうした子どもたち1人ひとりの特性に向き合い、けっして無理強いはせず、スモールステップでカットが気持ちよくできるような取り組みを、私を始めとした、全国の「スマイルカット」の講習を受けた美容室・理容室でさせてもらっています(現在全国... --- ### 心がざわつく「朝8時」に話そう 延べ9万人が参加した不登校の親の会 - Published: 2023-11-28 - Modified: 2024-05-17 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1382/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 居場所紹介, 2023年12月1日号  「子どもの不登校で悩む親の味方でありたい」と語る山本りかさんは、毎朝8時に音声SNS「クラブハウス」で親の会を開催している。山本さんを中心に、会ではわが子の不登校で悩んだことや、やらかした話などが交わされています。「不登校の親」たちの等身大のトークは反響を呼び、現在までに延べ9万人が参加。会を運営する思いや悩む親御さんに伝えたいことなど、お話をうかがいました。 * * * ――親の会を毎日朝早くから開催するのには、どのような思いがあるのでしょうか?  「明るい不登校」の会はいつも1時間ほどざっくばらんに話しているのですが、毎日開催にしたのは、直近にあった出来事をすぐ話せるようにしたかったからです。不登校の親の会は全国にあると思いますが、だいたい月1回開催のところが多いですよね。毎度参加するまで長いあいだ待たなくてはなりません。しかも当日参加できなかったら、次回までまたしばらく待つことに。そしたら話したいことが話せないままモヤモヤが溜まってしまいます。  親が不安を溜め込んでいると、それは結局子どもを苦しめてしまうことになりかねない。親の不安がすこしでも緩和されるように、「聞いてください、さっきこんなことがあって」と時間を置かずにすぐ話せるようにと、毎日開催にしました。たとえ話せなかったとしても、「また明日言えばいいや」と思うだけで気がラクになる方もいらっしゃるでしょう。 親にとっても朝はつらい時間  朝8時にしているのも意味があります。  一般的に8時ごろは、ちょうど子どもを学校へ送り出したばかりという時間だと思います。でも不登校の子がいる家庭では、「今日は学校どうするの?」と、親子でひとしきり戦ったあとという場合もよくあります。  子どもが不登校になったばかりの親は登校刺激をしてしまいがちで、朝早くからあの手この手で子どもを学校へ行かせようとします。刺激しないようにと気をつけるようになっても、どこかでまだ「もしかしたら行くんじゃないか」という思いがあり、期待感を持って子どもを見る。  しかしほとんどの場合、結局行かないわが子を目の当たりにするわけで、親はかなり気持ちが沈みます。その時間がだいたい「朝8時」なんです。今感じたばかりのつらさをオンタイムで話していただけたらいいなと、この時間にしているんです。  「うちの子はもう学校へ行かない」と受けいれている親でも、... --- ### 「他人が怖い、でもつながりたい」不登校・自殺未遂から映画監督になることを決めた女性の思い【全文公開】 - Published: 2023-11-22 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/interview/1389/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 通信制高校, 無料記事, いじめ, 2023年12月1日号 - ハッシュタグ: 通信制高校  「あのころの自分が見たかったもの、言ってほしかったことを映画にした」と語るのは、映画監督・武田かりんさん。武田さんは中学でいじめや不登校を経験するなど、苦しい10代をすごした。そんな武田さんの最新作『ブルーを笑えるその日まで』が12月8日から公開される。「今苦しんでいる子にこの映画を届けたい」と言う武田さんに自身の経験と、映画に込めた思いについてうかがった(※写真は武田かりん監督/映画『ブルーを笑えるその日まで』は12月8日、アップリンク吉祥寺にてロードショー、ほか全国順次公開予定)。 * * * ――武田さんの不登校経験について教えてください。   中学1年生の1学期のある日、突然、クラスの女子全員から無視されるようになりました。聞こえるように陰口を言われたり、背中にボールを投げつけられたり。迎えた夏休みでは、新学期が始まるのがとにかく怖かったです。  そうした恐怖からか、夏休みが終わりに向かうにつれ、声が出なくなりました。2学期に入るころには両親と会話することすらできなくなって、紙に書いて思いを伝えていました。  中1の2学期から卒業までずっと不登校で、そのあいだ、ほとんど誰ともしゃべりませんでした。することといえば本を読むか絵を描くかだけで「私はきっと、このまま死ぬんだ」と思っていました。  中3の冬に親の勧めで病院に入院しましたが、この入院もつらかったです。窓もない暗い病室に1人きりで、声が出るまで出してもらえませんでした。泣いたらよくわからない薬を飲まされるし、「こんなところに居たくない、治さなきゃ!」と強く思って、なんとか声が出るようになりました。  不登校や入院期間中の私の逃げ場所は、空想の世界でした。同じ本を何冊も読んで、物語の世界を空想することで、なんとか自分を保っていました。いつか未来から大人になった私がタイムマシーンに乗って、助けに来てくれる。本気でそう思っていました。  その後、進学した通信制高校では友だちはできたものの、私は中学でのことを引きずっていました。だから友だちといくら楽しく笑い合っても自分のなかに何も残らなかったんです。いつもさみしくて、心の穴は埋まらなくて。「一生この気持ちなんだ」と考えたら絶望的な気持ちになりました。そして、自殺をしようとしました。でもうまくいかなかったんです。すごく痛い思いだけして、病院に運ばれました。 映... --- ### 「事実と実践に基づく就労支援」を根拠に「大丈夫、働けます」を伝える1冊 - Published: 2023-11-22 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/books/1395/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 2023年12月1日号 「働く」ということについて、不登校の子どもも親も非常に気になるテーマです。そこで今回は「大丈夫、働けます」と断言する成澤俊輔さんの著書を紹介します。事実と実践に基づく根拠のある「大丈夫」の中身とは(※画像は『大丈夫、働けます。』成澤俊輔 著)。 * * * この本で一番伝えたいことは「大丈夫」というたった3文字です――。そう語るのは「世界一明るい視覚障がい者」を自称する成澤俊輔さん。  20代前半でほぼ目が見えなくなり、大学生時代には2年間ほどひきこもったという成澤さんは、その後に起業し、就労支援に取り組むNPO法人FDAの理事長を務めていた経歴があります。  現在は、経営コンサルタントとして全国を飛びまわっている成澤さんが、働くことに困難さを感じていた若者にどのように伴走したのか。 そして、彼らを受けいれた会社などを、事実と実践に基づいて紹介するのが本書です。  本書では、うつと診断されて入社1年後にひきこもった人、精神障害を抱える人、光に弱く疲れやすいという症状の難病を抱えている人など、さまざまな理由から働くことに困難さを抱えている人が、別の会社で再び働き始めるまでの実例が紹介されています。  発達障害と診断されたAさんが、成澤さんと出会ったのは25歳のとき。人付き合いや同時に複数の仕事をこなすことが苦手だったAさんの強みは、高い集中力でした。成澤さんはそれをAさんの強みとして活かせるように支え、Aさんはある住宅メーカーに就職します。  働くということに不安を抱えるのは子どもだけでなく、親も同様です。そんなとき、漠然と悩むのではなく、就労支援に取り組むNPO法人があることや就労へのリスタートを切った実例を親が知っておくことは、不安を和らげるために必要な情報です。そして、「どんな人にもかならずその人にあった仕事があり、社会のなかであたりまえに働くことができます」など、本書に書かれている成澤さんの一言や視点は、親に安心感を与えてくれます。(編集局・小熊広宣) 『大丈夫、働けます。』 成澤俊輔 著 ポプラ社 1540円(税込) (初出:不登校新聞615号(2023年12月1日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### 「親がしてはいけないこと」20年の記者経験で得た結論 - Published: 2023-11-22 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/column/1354/ - カテゴリー: コラム, 不登校 - タグ: 会員限定記事, 人気記事, 親の心構え・できること・やるべきこと, 2023年12月1日号  不登校の子を持つ親にとって、「親にできること」は何か、ということはとても気になることの1つです。しかし、不登校経験者の取材を20年弱続けてきた記者の経験から、もっと大事なことがあります。それは「親がしてはいけないこと」。今回は不登校経験者の声をもとに、3つの具体例を出して考えます。 * * *  先日、講演会の講師に呼ばれ、不登校について話をしていたとき、参加者の関心がグッと高まるのを感じた瞬間がありました。それは「親にできること」について話し始めたときです。  20年弱、不登校経験者にインタビューしてきた経験から私は1つの結論に至りました。  それは、「親にできること」よりも「親がしてはいけないこと」のほうが重要であるということです。不登校経験者のAさんにインタビューをした際、Aさんは 「たった1回の出来事で、コップの底が割れるように、それまで溜まっていた元気が流れ出てしまうことがある」と言いました。Aさんの一言は衝撃的でした。 「子どもにプラスになる対応を続けていけば、おのずと元気になるはずだ」と考えていたからです。もちろん、子どもが元気になるために「親にできること」はさまざまあります。  しかし、子どもにとってプラスになることばかり考えてしまうと、子どもにとってマイナスに作用してしまう対応に親の意識が向かなくなってしまいます。そこで今回は、私がこれまでの取材を通じて、不登校経験者から聞いた親の対応としてつらかったことをもとに、「親がしてはいけないこと」について考えます。 資料を置く  高校進学などの時期が近づいてきたり、フリースクールなどを考えた際、子どもの目に届く場所に資料をそっと置いておく場合があります。これ自体が悪いわけではないのですが、問題はタイミングです。  子どもに高校やフリースクールなどへの意識が高まっているときであればよいのですが、親のタイミングでこれをしてしまうと、「親は進路を決めてほしいんだな」と子どもは感じ、ただプレッシャーを与えることになりかねないからです。 比較をすること  食事中やリビングでの団らん中に「〇〇ちゃん、今度××高校へ行くんだって」などのように、ご近所さんや親戚の子どもの進路にまつわる話題が出ることがあります。親は比較しているつもりはなくとも、子どもからすると非常につらいものです。  不登校の子どものなかには、「自分は... --- ### 「わが子の不登校は私のせいだ」親が自分を責めないために必要な3つの方法 - Published: 2023-11-22 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1359/ - カテゴリー: 連載, 不登校 - タグ: 会員限定記事, 人気記事, 親の心構え・できること・やるべきこと, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2023年12月1日号 「子どもの不登校は”私のせい”」。そうおっしゃって、相談に来られる親御さんは多くいます。でも、自分を責めてもいいことはありません。今回は、親御さんが自分を責めてしまうときの対処法を3つご紹介したいと思います(連載「出張版 お母さんのほけんしつ」第27回)。※写真は土橋優平さん * * *  「子どもが不登校になったのは私のせいなのでしょうか」。このような相談は、親御さんから多く届きます。今回は「私のせいだ、私が悪い」と自分を責めてしまうメカニズムと、そう感じたときの3つの対処法を書きたいと思います。  まず、トラブルに出くわすと、人は問題の原因を探ります。  予期せぬトラブルは、自分の命を脅かす可能性がある。だから、原因を探り、今後また同じトラブルが起きないよう、解消に努める。これは、人が生きるため本能的にしていることです。  しかし、ぐるぐると原因を考えすぎるうち「私のせいだ」と自分を責めてしまう瞬間があると思います。でも、物事の原因を自分に置くことは、何もよい結果にはつながりません。  きっと、みなさんが自分を責めてしまうことには、さまざまな理由があるはずです。たとえば、まわりに「子どもが学校へ行かないのは、お前のせいだ」と責められたり、努力を認められた経験がすくなく、自分に自信がなかったり。  親の責任論も強い現代社会のなかで、まわりの言葉や価値観に影響されず生きていくのはたいへんです。 自分を変える 3つのコツ  他人を変えることは難しく、変えようと行動すればするほど、自分が苦しくなっていきます。それは相手が子どもであっても、パートナーであっても、学校であっても同じです。  だからこそ、現状を変え、自責のループから抜け出すためには、自分がコントロールできるところから。つまり自分が変わることが一番手っ取り早い方法なのです。ではどう変わるのか。できることは3つあります。  1つ目は、反省はしても自責はしないと決めること。  トラブルに対して「自分のせいだ」と考えるのではなく、「どうすれば、その問題が改善されるのか」と考え方を変換してみてください。  考えの変換が難しいときは、いったん一呼吸置くことも大切です。「自分のせいだ」となっているときは冷静ではありません。心が平穏な状態で切り替えてみてください。  2つ目は周囲に対して「ごめんなさい」ではなく「ありがとう」... --- ### 「ボカロの曲作り、マイクラのプログラミング」その道のプロ1万6000人とともに学び体験するオンラインスクールに込めた思い - Published: 2023-11-08 - Modified: 2024-05-17 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1450/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 居場所紹介, 2023年11月15日号  学校へ行かないことで子どもたちの「学びの機会」が奪われることは、親にとって心配な問題の1つです。子ども学びについてお聞きするため、今回は「遊んで学ぶ」を軸に活動する、オンラインオルタナティブスクール「aini school(アイニスクール)」さんにインタビュー。日々子どもたちの学びに関わる、賈帆帆さん、森さん、大竹まりなさんに「子どもたちの学びのために大人ができること」や活動についてお聞きしてきました(※写真は賈帆帆さん)。 * * * ――まずは、aini school(アイニスクール)さんの取り組みについて教えてください。 賈帆帆(ジャー・ファンファン)(以下・賈) aini schoolは「遊んで学べる」を軸にした、オルタナティブスクールです。不登校や学校へ行きづらさを感じている子どもたちに、オンラインで利用できる学びの場を提供しています。  私たちが活動するうえで大切にしていることは、ずばり「遊んで学べる」環境です。aini schoolはaini(アイニ)という体験プラットフォームを提供する団体を母体としているのですが、そこには約1万6000人のホストさんが在籍しています。国立科学博物館で働く昆虫博士や国立天文台の天文博士、現役のボカロ音楽家さんなど、さまざま道のプロフェッショナルな方がホストとして登録してくれているんです。  ホストの方はみなさん、遊ぶことや楽しむことに全力を注いできた方たちばかり。そんな「遊んで学ぶこと」を体現されているホストさんたちのなかから、賛同してくれた方を講師として招いて、aini schoolで定期的に授業をしていただいています。 興味と好奇心 基盤に  学校では、どうしてもまんべんなく学ぶことが求められますよね。なかなか自分が好きなこと、楽しいと思えることだけを学ぶというのは難しい。だからこそ、せっかくなら学校では学べないこと、子どもたちの好奇心や興味を軸にした学びを提供したいと思っています。  学びの内容や質はもちろんですが、それと同じくらい「楽しそう」、「おもしろそう」という子どもたちの純粋な気持ちが学びを続けるためには必要です。子どもたちの意欲を育むことで彼らの学びをすこしでも支えられたらと思っています。 ――スクールの様子を具体的に教えてください。 賈 aini schoolは基本的に平日毎日、朝9時半~夕方17時... --- ### 「理由を聞かずに味方になれていますか」医師・臨床心理士が問いかける「不登校に向き合うときにおとなが大切にしたいこと」 - Published: 2023-11-08 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/books/1428/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 2023年11月15日号 子どもの不登校と向き合うとき、大人が大切にしたいことは何か。20年以上に渡り、不登校・ひきこもりの相談に応じてきた医師・臨床心理士の田中茂樹さんの考えとは(画像は『子どもの不登校に向き合うとき、おとなが大切にしたいこと』田中茂樹 著)。 * * *  今回は、医師・臨床心理士であり、20年にわたって不登校やひきこもりの相談を受けている田中茂樹さんの講演をまとめた1冊を紹介します。  1章は「子どもの不登校に向き合うとき、おとなが大切にしたいこと」、2章は親の具体的な悩み相談、3章では「不登校・発達障害は増えたのか」をテーマに、不登校・発達障害関連で出版された書籍を絡めながら考える内容になっています。  1章の特徴として挙げられるのが、文末にある田中茂樹さんからの「問いかけ」です。  「学校に行きたくないとお子さんが言いだしたときは、理由も聞かずに味方になる」という、コピーライター・蓑田雅之さん、田中茂樹さんの師である心理学者・河合隼雄さんの指摘を引き合いに出し、その重要性を論じるとともに「理由も聞かずに、誰かの味方になったことはありますか?」と読者に問います。そのほか、「あなた自身、親の価値観に合わない選択をしたことはありますか? そのとき本当はどう接してほしかったですか?」、「子どもが頑張っていないように見えるときがありますか?」など、不登校のわが子と向き合う際に大切にすべきポイントと合わせて示される「問いかけ」は、親自身の価値観を問い直すきっかけになります。  また、2章では、「親がしんどくなってしまったときは?」、「待つしかないのでしょうか?」、「昼夜逆転、ゲームだらけの毎日に不安」、「甘やかしと見守りのちがいがわからない」など、不登校の子どもを持つ親から寄せられた具体的な悩みについて、専門家の立場から回答しています。  巻末には、田中茂樹さんが考案した「アイスクリーム療法」が生まれたいきさつも紹介されており、本書の題名にもある通り、親にかぎらず、不登校の子どもにかかわるおとなに読んでいただきたい1冊です。(編集局・小熊広宣) 『子どもの不登校に向き合うとき、おとなが大切にしたいこと』 田中茂樹 著 びーんずネット/1760円(税込) (初出:不登校新聞614号(2023年11月15日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない... --- ### 「学校とのつながりが切れるのが怖かった」教室に入れない息子と廊下ですごした母の思いを断ち切った夫の一言 - Published: 2023-11-08 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/parents/1420/ - カテゴリー: 保護者の体験談, 不登校 - タグ: 会員限定記事, 人気記事, 親の思い, 2023年11月15日号 「学校や会社とつながることに必死だった」。今回は、不登校の子どもと親の会「Switch」代表の小澤妙子さんにインタビュー。息子さんが小1で突然不登校になり、「真っ暗な穴に落とされた気分だった」と語る小澤さん。息子さんとの怒涛の日々や自身に訪れた変化、「Switch」での活動について、お話しをうかがいました。 * * * ――まずは息子さんの不登校についてお聞かせください。  息子が不登校になったのは、小学1年生のときです。まず、プールなどの習い事に全部行きたくないと言い出して。何かおかしいなとは思っていたんですが、3学期が始まってから「学校へ行きたくない」と言うようになりました。  息子は保育園時代に発達障害のグレーゾーンだと言われていて、かなり敏感な子でした。なので、先生たちの怒鳴り声を聞いたり、怒られている子を見たりすると不安になるし、疲れてしまう。学校生活でいろいろ我慢をしてきて、溜め込んだものが爆発したのだと思います。きっと息子にとって、学校は安心してすごせる場所ではなかったんですよね。 暴れる息子 無理やり学校へ  でも、不登校になったばかりのころ、私は息子を無理やり学校へ連れて行っていました。当時は働いていて、出勤時間までに仕事へ行かないといけなかったからです。家に1人では置いておけないので、暴れる息子を無理やり車に乗せ、先生に引き渡していました。  一度学校へ行ってしまえば先生からは「ふつうにすごしています」と言われるので、「とにかく行かせてさえしまえば」という思いで私は息子に接していたんです。学校へ行かない選択肢は私のなかにありませんでした。  しかし、そんなふうに学校へ無理やり連れていくうちに、息子はご飯を食べられなくなりました。「食べたいのに、口のなかにいれても飲み込めない」と言って泣き出すようになったんです。  好きなラーメンを食べに連れて行ってもダメ。息子がご飯を食べられなくなって、ようやく私は息子に起こっていることの重大さに気がつきました。息子が体調を崩してからは学校どころではなくなり、病院に通うようになりました。  息子に異変が起きてからは、私も一気に体調を崩してしまい、結局仕事を休職することにしました。「今日は学校へ行ったのか」とまわりから聞かれたり、遅刻や欠勤の連絡を職場にしたりするのが、しんどくなってしまったんです。  思い返してみ... --- ### 「周囲からの言葉に親も傷つきます」揺れる親の気持ちを軽くする3つの方法 - Published: 2023-11-08 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1437/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2023年11月15日号 子どもが不登校になってから、心ない言葉をかけられ、傷ついた経験はありませんか?日々親御さんの相談に乗る、土橋優平さんに「心ない言葉から自分を守るための3つの方法」を教えていただきます(連載「出張版 お母さんのほけんしつ」第26回)。※写真は土橋優平さん * * *  すでにみなさんもご存知かと思いますが、ある市長の「不登校の大半は親の責任」発言について。私はこの意見に全力で反対です。親御さんは十分すぎるくらいに毎日がんばってくださっています。感謝されることはあっても、非難される筋合いはないはずです。今回は、まわりから心ない言葉をかけられたときの心構えや対応をまとめてみました。心を軽くするためのヒントになれれば幸いです。  まずは今回の問題発言にもあった「親の責任」論。  もう論外です。時代錯誤も甚だしい。昔あったような祖父母や隣のおじちゃんおばちゃんが子どもを預かってくれるような環境が今は多くありません。共働きの家庭も増え、昔に比べて子どもにかける時間を減らさざるをえなくなってきています。つまり、子育てに関わる大人が減ることと同時に、親も多忙になり子どもに関わる時間が減っているのです。そのなかでなんとかしようと日々奮闘されているのがみなさんです。「親の責任」と言っている人はおそらく子どもに向き合っている人の気持ちや日々を想像できていないのでしょう。そんな人の言葉は右から左へ聞き流してください。 距離をとって  次に「子どもを甘やかしているから不登校になるんだ」という声について。親御さんのなかには、最初から「行かなくていいよ」と言っていたわけではなく、「行け」と言ったり、半ば無理に連れて行ったりしたこともある。でも力づくでなんとかしようとすればするほど、子どもの調子が悪くなり、親子関係にも亀裂が入った。だから書物やネットを漁り調べ尽くした結果、今は子どもを大切にするために、無理やり行かせない選択をしている親御さんが多いのではないかと思います。それなのに「なんでもかんでも子どものことを許し、自由にさせている」とまわりに誤解されるのはつらいですよね。しんどいなと思ったら、どうか距離をとってください。しんどいときには、まわりを理解者だけで固めていいんです。  最後は「学校へ行かせるのが親の義務」という考えについてです。おそらく義務教育のことを念頭に言っているのだと思いますが... --- ### 「ゾン100」から考える子育て 私たちは幸せになるために生まれてきた - Published: 2023-11-08 - Modified: 2024-05-17 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1452/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2023年10月1日号  子どものこれからを想ったとき「これ以上〇〇しないため・〇〇にならないためにはどうしたらいいのか」と、大人はつい考えてしまいます。しかし、数多くの親御さんの相談を受けてきた土橋さんは「幸せになるために何をするかを考えてみてほしい」と言います。(連載「出張版 お母さんのほけんしつ」第23回)※写真は土橋優平さん * * *  最近、私はあるアニメを観ています。『ゾン100 〜ゾンビになるまでにしたい100のこと~』です。主人公は新卒の男性。運の悪いことに彼はブラック企業に入社します。入社初日の歓迎会のあと会社に戻り、朝まで仕事をする始末。パワハラや過重労働など、劣悪な環境で仕事をして「なんのために生きているんだろう」、そんな考えに頭が支配されていたあるとき、突如世界はゾンビだらけに。そのとき彼は「やった! これで会社へ行かなくても済む!」と開放感200%。これから何をしようかと、白紙のノートを手に取ります。彼がノートの表紙に書いたのは「ゾンビになるまでにしたいこと100」でした。  一方、同世代のある女性は、ゾンビの世界で毎日足腰を鍛え、健康を保ち、危険を回避するための環境を整えています。彼女が持つノートの表紙には「ゾンビにならないためにすべきこと」という文字。私はそのとき「これだ」と思いました。私たちは生きていると、なんのために生きるのかと、ときおり哲学的な問いに立ち返ることがありますが、まさにこのアニメは私にとって大きな気づきを与えてくれました。  ふだん、多くの親御さんからご相談をいただきます。  ほとんどの方に共通しているのが、上記で述べた女性と同じ考え方で頭がいっぱいになっていることです。それは「死なないために(不幸にならないために)今何をすべきか」という考えです。「子どもが○○しないようにするためには」、「○○という未来を避けるためには」という考えをベースに、子どもと関わっている親御さんが大勢いらっしゃるように感じています。  私は思うんです。それは本当に幸せなのだろうかと。人は死なないために生まれてきたのだろうかと。人生に絶望する親御さんから相談を受けたとき「子どもも、親御さんも幸せになる権利があります。幸せになるために生まれてきたんです」と、ときどきお伝えします。私たちは「死なないために生まれてきた」のではなく、「幸せになるために生まれてきた」と私自身... --- ### 「不登校は甘え」ではありません 子どもたちはサバイバーです - Published: 2023-11-08 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1483/ - カテゴリー: 連載, 不登校 - タグ: 会員限定記事, 人気記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2023年11月1日号 「学校へ行かないことは甘え。親の甘やかしだ」と、まわりの方から言われることがあります。しかし、本当にそうでしょうか?不登校はたんなる甘えでしょうか?私はそうは思いません。理由を綴りたいと思います。(連載「出張版 お母さんのほけんしつ」第25回)※写真は土橋優平さん * * *  「子どもを学校へ行かせないなんて、親の甘やかしだ。無理やりにでも引っ張って行けばいい」。フリースクールの取り組みをするなかで、私がある方から言われた言葉です。保護者のみなさんからも身近な人から「子どもを甘やかすな」、「子どもに楽をさせるな」といった言葉をかけられたという相談を多くいただきます。  そんな話を聞くたび、私は思うのです。「そもそも、学校へ行かない生活というのは本当に楽なのだろうか」と。  子どもたちはさまざまな理由があり、学校へ行かなくなります。いじめにあった子、先生との関わりで怖い経験をした子、本人の特性もあり環境になじみづらい子、本当に十人十色です。その生きづらさの結果、たどり着くのが不登校という状態です。  不登校とは学校へ行かない、もしくは行ったり行かなかったりすること。不登校になることで子どもたちは、いわゆる「ふつう」(ここではあえて、ふつうと表現します)とは、ちがった環境に身を置くことになります。  「ふつう」を保つことは、人にとって安心材料の1つになります。目立たないようにすること、まわりと同じようにし、突飛な行動をとらないこと、そうした「ふつう」を保つことで危険やトラブルを避けられます。 「ふつう」から外れること  しかし、不登校の子どもたちは、その「ふつう」から外れ、人とはちがった生き方を歩んでいる、もしくは歩まざるを得なくなります。人とちがうことで、きっとまわりからいろいろなことを言われます。  不登校の先を歩んでいる人の存在は見えづらく、将来も不安です。誰かが道を舗装してくれるわけでもないので、これからを自分で考え、決めていかなければなりません。そんなすさまじい環境を日々生きようとしている子どもたちは、まさに現代のサバイバーだと思います。  サバイバーの彼らが学校へ行かないことは、本当にたんなる甘えでしょうか。親の甘やかしでしょうか。私は、まったくそうは思いません。「ふつう」から外れる茨の道を好き好んで選ぶ人はそうそういないはずです。  子どもたちはがんばっ... --- ### 「今は学校が楽しい」小6で不登校、現在大学生の女性に訪れた変化 - Published: 2023-11-08 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/children/1445/ - カテゴリー: 子どもの体験談, 不登校 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 当事者の声, 2023年11月15日号 - ハッシュタグ: 通信制高校 現在大学生のSORAさんは、小学6年生で不登校を経験した。「昔も今もふつうになりたいと思っている」というSORAさんだが、現在の大学生活は楽しいと言う。SORAさんの不登校経験や今の思いなどについて、書いていただいた。 * * * 私は小学6年生のとき不登校になった。そこから不安障害で高校を中退するまでの約4年間、学校には行ったり行かなかったりをくり返していた。  不登校になったきっかけは、私が給食を食べられないことに対する担任の先生からの一言だった。  担任はクラスの人たちの前で「友だちと笑って話せるなら給食も食べられるわよね」、そう言い放ったのだ。大人への不信感だろうか、うまく言い表せないが、もともと学校生活に居心地の悪さを持っていた私にとって、それが決定打であったことは確かだ。 ほしかったのは 目に見える理由  そこから徐々に学校生活に戻ったものの、当時自分の立ち位置はあいまいだった。「まったく行けないわけでもないのによく休む子」、それが私だった。学校を休んでいると、ヘンな目で見られたり、陰口を言われたりした。だから当時、何か目に見える理由がほしかった。私が学校へ行けないのには原因がある。たとえば心の病気として診断がつけば、誰にも何も言われない、そして自分のモヤモヤも晴れるはずだ。だから病院へ行きたかった。しかし、親は病院にかかることには反対していたため、それは叶わなかった。  その後、高校に進学したものの、パニック発作が出るようになり電車に乗れなくなった。通学が困難になった私は家にひきこもるようになり半年で退学。その後数年間かけて心身の回復につとめ、通信制高校に入り直した。  そして今、私は大学で心理学を学んでいる。不登校になった当時、スクールカウンセラーの先生に救われたことがたくさんあった。私も将来、人のために何かできないかという思いからスクールカウンセラーという職業に興味を持ち心理学を学びたいと思ったのだ。  紆余曲折あっての大学生だが、この分野を学ぶために進学を決めた私にとって、心理学の分野はとてもおもしろい。人の心について学ぶため、自分を知り、他人も知ることができる。授業を通して、自分の思考のへだたりに気づけたことはとくに印象に残っている。 ふつうになりたい でも、なれない  私には、不登校のころも大学生の今も変わらない1つの思いがある。それは「ふつ... --- ### 若者の10人に1人が発症 起立性調節障害の子どもに母親ができること - Published: 2023-11-01 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/parents/7098/ - カテゴリー: 保護者の体験談, 不登校 - タグ: 無料記事, 人気記事, 親の思い, 2023年10月15日号  「起立性調節障害」とは、成長期に発症しやすい身体疾患。若者の10人に1人がかかると言われており、起きたくても起き上がれなかったり、頭痛や不眠などのさまざまな不調が生じます。外見からはわかりづらいため、「怠けているだけ」だと言われ苦しんでいる子もすくなくありません。娘さん2人が起立性調節障害であり、昨年、当事者団体を立ち上げた野澤菊枝さんにお話をうかがいました(※写真は野澤菊枝さん、撮影・矢部朱希子)。 * * * ――まず、起立性調節障害とはどのような病気なのか、教えてください。  起立性調節障害は、10代の若者たちの10人に1人が発症すると言われている身体疾患です。「朝起きられない病気」だと表現されることが多いのですが、時間帯にかぎらず、「起きたいときに起き上がれない病気」、「寝たいときに眠れない病気」という表現のほうが正確だと思います。  健康な人であれば、横になった状態から立ち上がったときに自律神経の働きで血管を収縮させて、下半身に下がった血液を心臓や脳に戻すことができます。でも、起立性調節障害の患者さんは自律神経がうまく働かず、血液を心臓や脳に戻すことができません。  そのため、頭痛、めまい、動悸、吐き気、腹痛など、さまざまな不調が引き起こされてしまうのです。原因はおもに、体の急な発育に自律神経の成長が追いつかないことだと言われていますが、べつのきっかけや遺伝的な要因もあるようです。  症状が和らぐ時期の目安は、体の成長が落ち着く20歳ごろでしょうか。発症から回復までの状態は100人いれば100通りです。気合いでどうにかできる病気ではなく、「思うように動けず、心と体がバラバラな状態」が続くことは共通しています。  私たちが子どものころからすでにあった病気ですが、当時は認知度も低く、診断できる医師もすくなかったので、「怠け」や「根性が足りない」などと周囲から言われて、つらい思いをした方も多いと思います。  見た目だけではわからず、調子がいいときには元気に見えるので、いまだに周囲から理解されずに苦しんでいる方がたくさんいる、というのが現実です。 ある日突然... ――野澤さんの娘さんはお2人とも起立性調節障害なのですね。どのような経緯で診断されたのですか?  今21歳の長女は、超ポジティブでマイペース。学校が大好きで、中学時代は吹奏楽部でユーフォニアムという楽... --- ### 「不登校は親子で幸せになるチャンス」仕事人間だった父親が変われた3つのきっかけ - Published: 2023-10-25 - Modified: 2024-09-17 - URL: https://futoko-online.jp/parents/1495/ - カテゴリー: 保護者の体験談, 不登校 - タグ: 会員限定記事, 親の思い, いじめ, 2023年11月1日号  福岡県福岡市で25年近く、不登校の保護者を支援する活動を続けている長阿彌幹生(ちょうあみ・みきお)さん。もともとは仕事人間で家族をかえりみなかったといいます。そんな長阿彌さんが変わるきっかけになったのは、3人の娘の不登校でした。「子どもの不登校は親子で幸せになるチャンス」と語る長阿彌さんが、仕事中心から子ども中心に変わることができた3つのキッカケについてお話しいただきました(※写真は長阿彌幹生さん)。 * * * ――長阿彌さんは、お子さんたちがいずれも不登校や行きしぶりを経験されたそうですね。  そうです。私には娘が3人います。長女は、中学2年生の1学期から体調を壊して、学校へ行かなくなりました。次女は中学1年の1学期から卒業まで不登校。3女は中学2年生の2学期から3学期に不登校になり、その後は卒業まで行きしぶりが続きました。  娘たちが小さいころはよくいっしょに遊んでいたのに、上の子たちが思春期になるころには私も管理職になり、休みも取れず、仕事中心の生活で余裕をなくしていました。  上の2人は同時期に不登校になりましたが、私は娘たちと話もせず、いつ不登校になったのかも知りませんでした。妻から、娘たちが学校へ行ってないことや、不登校の子を対象としたカウンセリングに子どもたちと通っていることを聞いても、「そんなもの、学校へ行こうとしないなら効果ないじゃないか」くらいに思っていたんです。妻の悩みも、娘たちの苦しさもそれほど切実には受けとめていませんでした。 カウンセリングへ  ある日、妻と子どもたちが通っていたカウンセリングの先生から「お父さんも来てほしい」と言われたというので行ってみました。先生から「お子さんが不登校になられた原因を知りたいですか?」と言われたので、「はい」と言いました。そしたら、私を指さされて「お父さん、あなたが悪い」と言われたんです。  そのときは非常に憤慨して、妻にも「あんな失礼なところには二度と行かない!」と話しました。ところが数日して怒りが収まってくると「あなたが悪い」と言われたことだけが思い出されてくるんです。「自分のどこが悪かったんだろう」と考えるようになりました。  それまでは学校へ行かないのは子どものせい、学校のせい、と外部に原因を探していました。「不登校の犯人捜し」です。でも、そこで初めて矢印が自分に向いたんです。当時の私は、職... --- ### 「世の中にはいろんな道がある」2度の中退経験がある児童文学作家・こまつあやこさんが10代の子どもに伝えたいこと - Published: 2023-10-25 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/interview/1470/ - カテゴリー: インタビュー, 不登校 - タグ: 会員限定記事, 人気記事, 2023年11月1日号  今回は、児童文学作家・こまつあやこさんのインタビューを掲載する。こまつさんは今年4月、高校を中退した女の子が主人公の作品『雨にシュクラン』を出版。周囲のまなざしにとまどいながらも、「アラビア書道」を通して出会った人々とのやりとりを経て、自分らしく生きていく主人公の姿を描いた。こまつさん自身も、高校と大学で中退を経験している。ご自身の経験や不登校の子どもに伝えたい思いについてうかがった(※写真はこまつあやこさん)。 * * * ――こまつさんは、高校を中退した経験があるとうかがいました。  中学受験をして中高一貫校に通っていたのですが、高校1年生のときに中退し、翌年に別の高校を再受験しました。入り直した高校は、女子大の附属高校でしたので、そのまま大学へ進学することもできたのですが、自分がやりたいこととのズレを強く感じてしまって、大学も中退しました。その後、別の大学に入り直して卒業したので、高校と大学で2回、中退を経験しました。  最初に通った中高一貫校は、入学してすぐに「学校のカラーが自分とは合わない」と感じました。同級生は「勉強をがんばるタイプ」と「おしゃれに夢中なタイプ」の2つに分かれているように見えたんですね。私はそのどちらでもない「素朴なタイプ」で、なじむことができませんでした。  結局は気の合う友だちもできないまま、中学の3年間は無理をして通い続けました。「高校は別の学校へ進学する」という選択肢もありましたが、踏ん切りがつかなかったんです。 ――その理由は?  中高一貫校は、母が選んだ学校だったんです。中学受験することも母の意思で、私の偏差値を見て母が決めました。高校の相談をしたときも「また受験となるとたいへんだし、もうちょっと待てば学校も楽しくなるんじゃないか」という母の意向もあったので、付属の高校にそのまま進学しました。  でも、「やっぱりだめだ、ちがうな」という思いが払拭できませんでした。「あと3年もここに通うのか」と思ったら「もう無理だ」って気づいてしまって。「自分で選んだ学校なら通えるかもしれない」、「高校生活をもう一度やり直したい」と思い、高校を再受験することにしました。  父は仕事が忙しく、私のことにはほとんどノータッチでしたので、学校の先生との話し合いにはすべて、母が行きました。先生には休学をすすめられましたし、転校できる学校も探しました。... --- ### 不登校から2年「息子を休ませたことは絶対にまちがっていない」と語る母の覚悟 - Published: 2023-10-25 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1487/ - カテゴリー: 連載, 不登校 - タグ: 会員限定記事, 人気記事, 親の思い, 【連載】私の子が不登校になって, 2023年11月1日号 息子さんが小学1年生で不登校になったとき「今まで見たことのないわが子の姿に凍りついた」という、もみじさん(仮名)。「学校を休ませたことは、絶対にまちがっていなかった」と思えるまでの道のりを執筆いただきました。(リレー連載「私の子が不登校になって」第10回)※写真は息子さんの腕に乗るキリギリス * * *  小学1年生の2学期、夏休み明けから息子の行きしぶりは始まりました。ある日を境に身体が硬直して玄関から動けなくなってしまったのです。動けない息子は、今までに見たことのない、こわばった表情をしていました。見たことのないわが子の姿を見た瞬間、私は息子を見ているようで、まったく見ていなかった自分にゾッとしました。笑顔の素敵な息子だったのに、ここまで追い詰めたのは私の責任でしかない。なんとか登校させようとしていた自分を猛省しました。  それから学校を休ませることにはしましたが、私はなかなか家に居る息子をすんなりとは受けいれられませんでした。  寄り添うという気持ちに偽りはないのですが、優しくしようとすればするほど、このままでいいのかと不安に煽られてしまうのです。焦る気持ちから息子に宿題を強要したり、イライラして小言を言ったり、そのたびに私は自己嫌悪に陥っていました。  学校へ行かなくなってから2年。息子は、小学2年生の夏休み明けから週2回フリースクールへ通い始め、冬からはスポーツがしたいと習い事を始めました。何もない日はゲームやユーチューブ三昧。このあいだはフリースクールの友だちと、家でチャットをしながらオンラインゲームをしていました。休み始めたころとはまったくちがう表情で、楽しいという気持ちが顔いっぱいに広がっていました。そんな表情の彼を見られて、私も幸せです。  あのとき息子を休ませたことは、絶対にまちがっていなかったと思います。また、親として不安や焦りの感情を消したら早く楽になれると思っていましたが、それはすこしちがいました。負の感情は打ち消そうとしてもどんどんあふれてくるもので、自分の横にそっと置くイメージで寄り添うくらいがいいのだと思います。遠回りもしましたが、ふり返れば代えがたい経験だったと思いますし、まわりとはちがう景色を見せてくれた息子にも心から感謝しています。   これからは私自身も、やってみたいことをすこしずつ経験したいと思っています。手始めに髪の毛を思... --- ### 【全文公開】「親って本当につらい」『かいけつゾロリ』の作者が子育てに悩むすべての親に伝えたいたった1つの願い - Published: 2023-10-24 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/interview/1387/ - カテゴリー: インタビュー, 不登校 - タグ: 無料記事, 人気記事, 2023年10月1日号  小学生を中心に高い人気を誇る『かいけつゾロリ』シリーズ。35年以上このシリーズを書き続けてきた児童書作家・原ゆたかさんは、ゾロリにどんな思いを込めているのでしょうか。「ゾロリは自立の物語」だと語る原さんを、不登校経験者らが取材しました。(※写真は原ゆたかさん、撮影・矢部朱希子) * * * ――原さんはなぜ子どもの本を書く人になろうと思われたのでしょうか?  もともと児童書作家になろうと思っていたのではありません。子どものころから絵を描くことが好きだったので、絵を仕事にしようと考えていました。映画をつくる仕事にも憧れていたので、演出に興味があり、絵本や児童書ならば、絵でお話を演出できるのではないかと考えて児童書の絵描きになろうと決めました。  最初のころは、雑誌や学習ドリルの挿絵を描く仕事をしていました。そのうちに、作家さんが書いたお話に絵をつける仕事の依頼がくるようになりました。そしてどうしたらもっと楽しんでもらえる本になるかと考えるうちに、「ここは絵を大きく描きたいのですこし文章を削っていただけませんか」などと、作家さんに提案するようになりました。 かいけつゾロリが生まれたきっかけ  そんななかで、作家のみづしま志穂さんとつくっていたのが『ほうれんそうマン』シリーズです。『かいけつゾロリ』は、もともと同シリーズに登場する敵役でした。みづしまさんがシリーズをお休みすることになった際、編集者から「絵だけでなくお話も書けるのではないか。ゾロリを主役にしてお話を書いてみないか」と提案されて、お話も書き始めました。 ――ゾロリの物語を書くにあたって何か意識されたことはありましたか?  意識したことはありませんが、本がキライな子も最後までおもしろく読めるものをつくろうと考えていましたね。私は小さいころ、母に読み聞かせをしてもらっていたので本が好きでしたが、自分で読めるようになったころ、大人に薦められた本がおもしろくなくて本がキライになった時期がありました。  子どもたちの読書は、楽しみではなくて、なぜか文字や難しい言葉を覚えるための勉強のように位置づけられることが多いですよね。でも、本の楽しさを知る前に、難しい本を手渡されたら、本自体がキライになってしまいます。私は本の楽しさと読むたいへんさの両方を知っているので、本が苦手な子に向けて本を書こうと思ったんです。  シリーズ... --- ### 「不登校は親の責任」ではありません【全文公開】 - Published: 2023-10-19 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/1325/ - カテゴリー: コラム, 不登校 - タグ: 無料記事, コラム, 2023年10月15日号  (写真は『不登校新聞』編集長・茂手木りょうが)  報道によると、10月17日、滋賀県東近江市長・小椋正清氏が不登校対策についての会議内で以下のような発言をしました。 「文科省がフリースクールの存在を認めてしまったということに愕然としている」 「フリースクールがあるんだったらそっちの方に僕も行きたいっていうなだれ現象が起こるんじゃないかって、非常に私はその怖さを1つは感じています。」  また同会議後にマスコミの取材に対して「不登校は大半は親の責任。財政支援を国が言うべきではない」とも発言しました。  これに対し18日、滋賀県近江八幡市の「フリースクールSince」は小椋市長に発言の撤回と不登校関係者との協議を求めるオンライン署名活動を開始。半日で1500名を超える署名が集まっています。 フリースクールSinceのオンライン署名 https://chng. it/mvJ22dW7xz 保護者のみなさん、大丈夫です  正直なところ、「まだこんなことを言っている人がいるんだ」というのが最初の感想でした。不登校の子どもと親がどれだけの孤独と苦しみのなか、日々を生きているのかを知っている者からすると、やりきれない気持ちです。  ここで断言させてください。不登校はほとんどの場合「親の責任」ではありません。ここで「ほとんど」と言ったのは、親のネグレクトなどの虐待によって不登校になっているケースが、一部あるからです。  しかし、『不登校新聞』を読んでくださっている保護者の方、また相談をお寄せくださっている保護者の方は、みなさん子どもの幸せを心から願い、子どもの現状を心配してくださっています。  不登校については、ここ10年でずいぶん理解が進んできました。不登校経験者を受け入れる通信制高校やチャレンジスクールの増加や、2016年の「教育機会確保法」制定などもあり、「辛いなら、学校へ行かなくてもいいのではないか」という思いの方が増えてきたかと思います。  しかし、実際に不登校になった子どもや、自分の子どもが不登校になった親の苦しみは、10年前、20年前から変わっていません。子どもが学校へ行かなくなると「ママ友」コミュニティからは離れざるを得ず、1人で情報を求めなくてはなりません。パートナーや親族の理解が得られないこともめずらしくありません。ふさぎこんだ子どもを見て「やっぱり育て方が悪か... --- ### 「好き」が原動力 電車好きの不登校経験者が学びの場をつくるまで - Published: 2023-10-11 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1730/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 居場所紹介, 2023年10月15日号  鉄道会社の「小田急」がオルタナティブスクールを立ち上げる、というニュースを聞いて取材してきました。小田急江ノ島線・善行駅(神奈川県)に誕生した「AOi(あおい)スクール」設立の立役者となったのは、小田急電鉄の運転士、別所尭俊(べっしょたかとし)さん(27)と鷲田侑紀(わしだゆうき)さん(28)。2人ともが不登校の経験者です。「不登校期間中、好きなことに夢中になれたことで救われた」という別所さんに、オープンに先駆けてお話をうかがいました(写真は鷲田さん(左)と別所さん(右))。 * * * ――AOiスクール立ち上げのきっかけと概要について教えてください。  小田急電鉄では2018年に「climbers(クライマーズ)」という社内事業アイデア公募がスタートしました。社会課題を解決するためのアイデアを募るコンテストで、毎回30件~40件のエントリーがあるんです。  今回の企画をいっしょに考えた鷲田運転士とは、以前から「こんなことができたらおもしろいね」といろいろなアイデアを出しあってきた仲。おたがいに不登校経験があるので、「いずれ、不登校に関係する企画を出したいね」という話も前々からしていて、今回のチャレンジにつながりました。自分たちの不登校経験をふり返りながら企画を練り上げていく作業は、すごく楽しかったですね。  スクールのコンセプトは、子どもたちの自主性を重んじること。僕たち自身が不登校期間、自分の好きなことに救われたので、「I’m ok, you are ok. 」をモットーに、誰もがおたがいの「好き」を認め合える場所にしようと思っています。ただ、僕たちは学校を否定しているわけではありません。  学校が自分に合っていてめちゃくちゃ楽しいのだとしたら、素敵なことですよね。でも、学校が合わなかったとき、自分に合う場所をどこかに見つけられる社会であってほしいと思うんです。AOiスクールがそのひとつの選択肢になれたらうれしいですね。在籍校が認めてくれさえすれば、スクールに来ることで在籍校の出席扱いにすることも可能です。  子どもたちの自由度を守りたいので、カリキュラムは決めていません。子どもたちがやってみたいことなら何でも応援できるように、準備を進めているところです。とはいえ、きっと想像もしていないようなリクエストがくるのでしょうね。そう思うと、わくわくします。僕は「支... --- ### 「すみません」は言わなくていい 子どものことで毎日謝る親御さんに伝えたいこと【全文公開】 - Published: 2023-10-11 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1352/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 無料記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2023年10月15日号  子どもが迷惑をかけてしまったとき「ごめんなさい」より「ありがとう」を使ってみませんか?子どもたちに関わる土橋さんは日々「子どもの失敗のすべてが親の責任ではない。親御さんにはもっと肩の力を抜いてほしい」と感じているそうです。土橋さんが伝える「ごめんなさい」よりも「ありがとう」を使うメリットとは。(連載「出張版 お母さんのほけんしつ」第24回) * * *  子どもがわがままを言っている、迷惑をかけている。そんなとき、周囲の人に「ごめんなさい」と言っていませんか? でも、子どものことで「ごめんなさい」と言うのは今日から辞めてみませんか?  すこしやんちゃでゲームが好きな、ある小学生の女の子がいました。あるとき、その子は会うなり「うわ、きっも」、「うえ〜」と私に言いました。でもこのやり取り、じつはいつものことなんです。話しかけてくる彼女はいつも照れくさそうで、しばらく経ってから近くに行くと「おらおら〜」と甘えるように、両手でポコポコ叩いてきます。本当はかまってほしいけど、素直に表現できない。だから相手の気を引くような言葉を発したり、攻撃する素振りを見せる。これは彼女なりの大人へのコミュニケーションなんです。  でもお母さんは毎回「こら! やめなさい! そんなこと言ったらダメでしょ」と彼女を叱ります。「いいんですよ、これが挨拶ですから」と私が笑いながら伝えても、「すみません」ともうしわけなさそうに謝るばかり。謝るお母さんの姿を見るたび、私はもっと親御さんに肩の力を抜いてほしいと感じます。  子どもの失敗は、本当にすべて親の責任なのでしょうか。子どもは1人の人間であり、たとえ親子であっても、すべてを管理することはできません。親の見ていないところでまわりに迷惑をかけてしまうことも当然あると思います。別の人格を持ち、別の場所で生活をしている子どものことすべてに責任を持つことは不可能です。だから、いいんです。「子どもの失敗は親の責任だ」とすべて背負わなくても。  トラブルなどで相手から謝罪を求められることもあると思います。そうした場合、親として謝罪の姿勢を見せることは大切です。でも相手が「大丈夫ですよ」と言っていたら「ごめんなさい」ではなく、ぜひ「ありがとうございます」と伝えてみてください。  「ごめんなさい」と人に言い続けることは、言っている本人のもうしわけないという気持ちを増... --- ### 理解のあるフリをして、本当は「世間体を気にしていた」不登校の子を持つ母の本音とこれからの決意 - Published: 2023-10-11 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1367/ - カテゴリー: 連載, 不登校 - タグ: 会員限定記事, 人気記事, 親の思い, 【連載】私の子が不登校になって, 2023年10月15日号  私は「正しい子育てをしているんだ」と思いたかったんです。息子さんの不登校当初をそうふり返る、キリンノツバサさん(仮名)。7年のときを経て、訪れた気持ちの変化と息子さんに願うことを執筆いただきました。(リレー連載「私の子が不登校になって」第9回) * * *  わが家の不登校は、小1の夏休み明けに「今日から行かない」と息子が宣言したことから始まりました。始めのころは「学校へ行きたくないのなら無理しなくてもいいんじゃないか」と、私は理解のある母親になろうとしていました。私自身も摂食障害で高校時代にすこし不登校を経験していたので、息子を理解したいと思っていたんです。  ですが今思い返すと「私は子どもを学校へ行かせることができない、ダメな母親なんだ」、「私の子育てはまちがっていたんだ」と心の底では世間体を気にしていました。 不登校中は、歩くことは脳の活性化によいと思いこみ、毎日図書館へ歩いて行かせて息子に本を読む習慣をつけさせようとしました。「私は親として正しい育児をしているんだ」と思いたくて、無理やり息子を外に連れ出していたんです。  結局、息子は中学でも「行きません」と宣言し、今年で不登校になって7年目になります。今はゲームを1日10時間以上したり、動画を視聴したり、アイスを食べながらオンラインゲーム友だちと盛り上がる日々を送っています。 心が安心できる居場所で  7年間の不登校中、酷いことを言う人はかならず居て、息子はその度に傷つけられてきました。人間不信に陥ってしまっている息子の苦しみを思うと心配になります。好きなものを夫やまわりに否定され、つらかったこともあると思います。でも、人の痛みがわかる人は世のなかにたくさんいるので、優しい人たちに囲まれて安心して生きてほしい。好きなものを大切にして、心がホッとできる居場所でこれからは生きてほしいと思っています。  世のなかで正しいとされていることが出来ないとダメな人間だと思い込まされてしまうこともあると思います。しかし、本当は生き方にマルもバツもなくて自分がどうしたいのか、自分が心地よいほうを大切にして、自分が幸せだと思う生き方をしていいんだと思います。一度きりの人生、自分らしく生きられない社会っておかしいなと今は思っています。  これからは私も、世にいう正しさ、常識から外れていようとも自分はこれが好き、これが楽しい、こ... --- ### 「ふつう」から外れることが怖すぎて 私が不登校に「なれなかった」理由 - Published: 2023-10-11 - Modified: 2024-05-17 - URL: https://futoko-online.jp/children/1379/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2023年10月15日号  高校3年生のとき「行事のすべてが地獄になった」と言うペンネームN. Sさん。しかし、不登校という選択肢はなかったという。「不登校になれなかった」と語るN. Sさんに、当時の思い、そして今考えていることを書いていただいた(※写真はペンネーム・N. S さん)。 * * *  「学校に通うことが『ふつう』」。いつごろからこのような価値観を信じるようになったのか。「学校に通うこと」を「ふつう」とするならば、私が「ふつう」であったのは小学校入学から高校2年生まで。「ふつう」から逸脱しかかっていたのが高校3年生のころだろう。  高2までは私も自分が「世間並み」、「ふつう」であることを疑っていなかった。それが揺らいだのは高校3年生、受験を控えた年だ。  高3のクラス編成は教科選択によって決まる。いわゆる文系か理系かというアレである。私の希望する進路は美術大学だった。受験対策に必要なのは国語、英語、そして「デッサン」。デッサンは美大予備校で教わるしかないので、消去法で私は「文系」クラスを選んでしまった。  その結果、私は文系というより「ギャル系」クラスに放り込まれることとなった(ギャル雑誌『egg』すら読んだことないのに)。私の高校では文系はギャル(短大、私立文系学部志望女子)が多かったのである。 ギャルクラスに なじめなくて  高校生最後の年を「ノリが合わない」ギャルクラスですごす羽目になり、行事のすべてが地獄だった(前年までは楽しかったのに)。学校に接続していることを「ふつう」だと信じ込んでいたので、そこから逸脱したら終わりだという感覚。だからクラスメイトとまったく打ち解けないままでも、通い続けた。これが私が不登校に「なれなかった」理由である。  ただ、今ふり返ると自分にも問題があったと思う。なんでギャルとは仲よくなれないと決めつけてしまったのか。ギャルにだって、もしかしたら話の合う子がいたかもしれないし、ギャルの世界に触れてみるのも、おもしろかったかもしれない。それに、もしどうしてもギャルクラスがキツかったなら、出席日数だけ確保してあとは予備校に通い、受験に集中するという選択肢もあった。  それでも10代の私にとって「学校へ行かない」という選択はリスクが高すぎた。「ふつう」から外れることが怖すぎて、とてもそんな選択肢はとれなかったのだ。 「学校」と「教育」  これが、今か... --- ### 「あなたたちに協力したい」娘との衝突を経て、祖父母が『孫の不登校』を理解するまで - Published: 2023-10-03 - Modified: 2024-09-17 - URL: https://futoko-online.jp/parents/1432/ - カテゴリー: 保護者の体験談, 不登校 - タグ: 会員限定記事, 親の思い, 2023年10月1日号  わが子が不登校になると、子どもだけでなく祖父母との関係も気になるもの。「親のあなたがもっとしっかりしないと」などの小言を言われ、つらい思いをした親御さんもすくなくないでしょう。親として、祖父母と良好な関係を築き、ともに子どもを支えるためには何ができるのか。今回は、不登校の孫を持つ祖父母のお2人と、その子どもで不登校の子を持つ母親・ななみさんにお話をうかがいました。 * * * ――お孫さんの不登校を知ったいきさつからお聞かせください。 祖母・あきこさん(以下・あきこ)孫のことは娘からよく聞いていました。小学校へ入学してすぐ、学校へ行くのをイヤがっていると。理由は、学校のにおいや音、先生がほかの子を叱る声が気になるからだと。  そう聞いても私はあまり驚きませんでした。孫は保育園のころからまわりの環境に敏感なところがあったからです。 祖父・ひろあきさん(以下・ひろあき)私は行きしぶりの話を聞いたとき、「なんだ、根性がないな」と思いました。当時の私は、世のなかに敏感な気質の子どもがいることを知らなかったですし、昭和の根性論の時代を生きてきた人間ですから、孫は甘ったれていると思ったんです。だから当初、孫に怒ってしまいました。 あきこ しかし、おじいちゃんが説教したところで状況は変わらず。孫はその後、小学2年生から不登校になりました。娘がフルタイムで仕事をしていたため、私たちは交代で娘の家を訪れて孫の子守りをすることになりました。  最初、孫はひどい状態でした。口を開けば、「俺は生きていてもしかたない」、「家族のお荷物だから死んだほうがいい」と暗い発言ばかり。包丁を出すなど過激な行動に出ることも。  まだ小学2年生なのにどうしてこんなに不穏なのだろうと、とまどいました。私たち夫婦は4人の子どもを育ててきましたが、こんなことは一度も経験したことがなく、不安でたまりませんでした。 ひろあき 孫とはあまり会話も続きませんでした。ずっとゲームばかりしていて目も合わせてくれない。外へ出かけると気分が変わるかとドライブもしてみましたが、どんな場所へ行っても表情は晴れず。そのうち誘っても行きたがらなくなりました。 あきこ 私は学習ドリルを買ってくるということをしました。それは、「俺には未来なんかない。ひらがなも書けないし、計算もできないし」という孫の不安を聞き、自信を持つためにすこしでも... --- ### 「不登校の理由は教員との関係」学校回答と子ども回答で約30倍の格差 今考えるべき視点は【全文公開】 - Published: 2023-09-27 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/1400/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, コラム, いじめ, 2023年10月1日号  不登校の要因で、一番多いとされているものはなんだと思いますか?じつは「無気力・不安」なんです。文部科学省が毎年実施している調査結果を見ると、直近の3年間で、不登校の要因が「無気力・不安」と計上された児童生徒は4割~5割にのぼります。しかし、本当にそうなのでしょうか?今月発表される最新の調査結果の発表を前に、不登校の要因について再考します(※写真は本紙編集者・小熊広宣)。 * * * 今月、文部科学省が「令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の結果を公表する。国公私立の小学校、中学校、高校における「暴力行為」、「いじめ」、「自殺」などを調査するもので、「不登校」も調査項目の1つである。 令和3年度の調査結果では、不登校児童生徒数は24万4940人と、前年度から4万8813人(前年度比24・8%)増加し、過去最多を更新した。今月公表される調査結果についても、この数字を上まわると、私は見ている。  ただし、現行の調査内容は今回で終了となる。文部科学省が今年3月に発表した「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)」には、令和5年度より調査内容を見直すと明記されている。  「不登校児童生徒数だけではなく、一人ひとりの児童生徒が不登校となった要因、どのような学びにつながっているか、不登校傾向の児童生徒の規模などを分析・把握するため」というのが、その理由だ。 不登校の要因 無気力・不安  調査内容の見直しを来年に控えた今、あらためて考えたい問題がある。不登校の要因だ。調査によると、不登校の要因としてもっとも多いのが「無気力・不安」だ。直近の3年を見ても、不登校児童生徒の4割~5割が「無気力・不安」による不登校と分類されている。  私は長年、この項目があることは、大きな問題だと考えてきた。子どもは勝手に「無気力・不安」になるだろうか。なにより、「無気力・不安」とすることは、「不登校の要因は子どもにある」と見なすことと同じではないだろうか。子どもが「無気力・不安」にならざるを得ない背景に、学校側の問題があるという視点が欠落していることを如実に語っているのが、「無気力・不安」という項目だろう。 学校と子ども 認識の乖離は   不登校の要因について、もうすこし見ていきたい。「いじめ」や「教員との関係」はどうか。直近の3年間を... --- ### 「不登校中、何観てた?」経験者たちがつくった「最強の番組表」 - Published: 2023-09-27 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/children/1467/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2023年10月1日号  「不登校のころ、あなたはどんなテレビ番組を観ていましたか?」。そんなテーマで交流会を開催したという、不登校経験者のかんたさん。今でこそユーチューブやSNSがありますが、ひと昔前の不登校のおともは、「テレビ」でした。参加者が観ていた番組を集め、あのころ観ていた「最強の番組表」を作成しました。 * * *  学校へ行けなかった日々、みなさんは何をしていましたか?たとえばゲームをするとか、ペットとたわむれるとか。それとも、「テレビを観る」とか。状態や心のようすは人によって千差万別ですが、学校へ行かずテレビを観るというのは、世代や地域に関わらず不登校経験者の大半が共通して持つ経験と言えるのではないでしょうか。  今回は不登校ラボの交流会の一環として、不登校当時、メンバーそれぞれがぼーっと眺めていたテレビ番組をまとめ、全員で一本の番組表を作成する企画を実施しました。ルールはかんたん。  参加者は不登校をしていた当時を思い返し、「こういう番組を観ていた」、「こんな内容だった」などの会話をしていきます。そのなかから、当時の放送時間にあわせた、おもに学校へ行っていなかった時間帯の番組表を埋めていきます。放送局や時代は一切関係なく、参加者それぞれのつぎはぎな記憶から、番組表の完成を目指します。 朝の時間は  まずは朝6時から10時。この時間はテレビを観ている人、観ていない人がはっきり分かれました。当時フリースクールに通っていたAさんは、通学のある日にしっかりと起きられるよう、毎日朝は学校に通う同級生と同じくらいの時間に起きていました。そのため、家族で朝の仕度とともによくテレビを観ていたと言います。それに対して僕は、朝の番組を当時まったく観ていません。朝のリビングという家族共同の空間を避けていたからです。このように、人によって視聴状況には大きな差が見られました。  次に11時から18時、日中の時間帯です。この時間こそ、いわば不登校のゴールデンタイム。学校へ行かない人がみな、ヒマを持てあます時間です。おもな番組として『笑っていいとも! (フジテレビ)』、『ひるおび!(TBS)』といったバラエティやワイドショーが多く名を連ねました。家でお昼ご飯を食べながらこれらの番組を視聴していたという回想が多く、なかには番組で紹介されていた料理をつくりながら見ていたという人まで。さらに「当時のワイドシ... --- ### 「修学旅行の話題が出る保護者会がつらい」高校入学早々に不登校した娘の母に何度も訪れた不安と葛藤 - Published: 2023-09-27 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1423/ - カテゴリー: 連載, 不登校 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 人気記事, 親の思い, 【連載】私の子が不登校になって, 2023年10月1日号 - ハッシュタグ: 通信制高校  なぜ学校へ行かないのか。「行かないわが子を憎く思ったこともあった」という、ひまわりさん(仮名)。高校で不登校になった娘さんに対する葛藤や願い、今思っていることを本音で綴っていただきました。(リレー連載「私の子が不登校になって」第8回)※写真はひまわりさんが大好きな阪神タイガース * * *  娘が学校へ行かなくなったのは、2020年。入学した高校がコロナで休校となり、遅れて行なわれた入学式を休んで以来、登校できなくなりました。  せっかく第一志望の高校に入れたのに「まさか入学早々行けなくなるとは」という驚きとつらさ。そして、よくないことですが、行かないわが子を憎く思う気持ちが私のなかにはありました。  自分で選んだ学校なのに、いじめられたわけでもないのに、なぜこの子は行きたくないのか、疑問が拭えなかったのです。学校の保護者会へ行き、修学旅行など行事の話を聞くたび、わが家には関係ない非現実的な話に聞こえて、不安で泣きたい気持ちになったことが何度もありました。  その後、娘は通信制高校に転校し卒業。今は通信制の大学に通っています。スクーリングはなんとか行っていますが、レポートが難しく、ほとんど手を付けていないようです。友だちもいません。でも、仲よしな兄とはよく2人で話をしています。ユーチューブを観たり、ゲームをしたり、ドラマを観たり、自分のしたいことをして、すごす日々。たまにカラオケへ行ったり、ライブへ行ったり、今度はフェスへも行くそうです。  私としては、昼夜逆転には気をつけてほしいな、もうちょっと勉強してほしいな、好きなことを共有できる友だちができたらな、といろいろな願いがあるのが本音です。でも、娘の笑う姿が増えたことに、今は安心しています。 最初の対応 よくなかった  娘の不登校のことをふり返ってみると、朝に怒鳴って起こしたり、行かないと言われるとため息をついたり、親として最初の対応がよくなかったのだと『不登校新聞』を読んで痛感しています。将来を悲観しないこと、責めないこと、わが家を居心地のよいものにして、娘が笑ってすごせるようにすることが、親として大事なことだったのだと思っています。  小中学校では不登校ではなかった娘ですが、友だちができなかったり、熱血先生が苦手だったり、もともと学校は娘にとってつらい場所だったのだと思います。通信制高校を卒業したり、友だちが... --- ### 「ひきこもりが問題視されない社会を目指して」30年の歴史から考えるひきこもりのこれまでとこれから - Published: 2023-09-26 - Modified: 2024-10-07 - URL: https://futoko-online.jp/books/1459/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 2023年10月1日号  2023年3月に内閣府が公表した調査結果によると、15歳から64歳までの年齢層のうち、「ひきこもり」に該当する人が推計で146万にのぼることがあきらかになりました。その「ひきこもり」をめぐる30年の歴史を、当事者・臨床家・研究者の3者がふりかえり、「ひきこもりが問題視されない社会を目指すこと」についての議論をまとめた1冊を紹介します。  「ひきこもりUX会議」共同代表の林恭子さん、精神科医の斎藤環さん、松山大学教授の石川良子さんが、「ひきこもり」の30年をふり返り、「ひきこもり」の未来について語る1冊を紹介します。  本書ではまず、「ひきこもり」史を整理することから始まります。1980年代から現在にいたるまで、「ひきこもり」をめぐって報道された出来事、行政や市民にどのような動きがあったのか。また、その時々で出版された書籍などが、資料として巻末に一覧表で掲載されています。1980年代、「ひきこもり」は「登校拒否の長期化」として病理的に扱われた歴史があります。  また、2000年に起きた「新潟少女監禁事件」や「西鉄バスジャック事件」などの事件の報道により、「ひきこもり」に対するネガティブなイメージが広がりました。  他方で、「ひきこもり」の当事者会の創設や、当事者自身が情報発信する活動が展開されるなか、2020年には厚生労働省が「ひきこもり支援」に関する通知を出すなど、ひきこもりを取り巻く環境も大きく変化しつつ、現在にいたります。  「ひきこもり」の30年について、当事者・臨床家・研究者として登壇する三者が各々論じるわけですが、三者の「ひきこもり」に関する見解がかならずしも一致しているわけではないにもかかわらず、「『ひきこもり』が問題にならない社会を目指す」という同じ方向を見据えて議論している点が本書の特徴であり、「ひきこもり」の現在地と言えます。  「ひきこもり」に対する社会的認識や行政・医療の支援のありようなどが変化するなかで、「ひきこもり」支援の見直しのみならず、私たち一人ひとりが「ひきこもり」とどう向き合うべきかを論じる本書は、「ひきこもり」を考えるうえで、今の社会を生きるすべての人に気づきを与える1冊です。(編集局・小熊広宣) (初出:不登校新聞611号(2023/10/1発行)。掲載内容は初出時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合がありま... --- ### 「不登校とゲーム・ネット」親の疑問や不安に児童精神科医が解説する1冊 - Published: 2023-09-14 - Modified: 2024-11-30 - URL: https://futoko-online.jp/books/1503/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: ゲーム・スマホ, 会員限定記事, 書籍紹介, 2023年9月15日号 - ハッシュタグ: ゲーム, 書評, ネット, 関正樹 わが子が不登校になったとき、「学校へ行かずにゲームやスマホ三昧で不安です」、「何時間もゲームをしていて、子どもの成長に影響をないのか」など、親はさまざまな不安をおぼえます。また、インターネット上では、ゲーム障害、ゲーム依存症などの記事も散見され、悩んでいる親御さんはすくなくありません。では、不登校とゲーム・ネットの問題をどう考えればいいのか。ゲーム問題に詳しい児童精神科医の関正樹さんが、最新の調査研究や臨床事例を交えて解説する1冊を紹介します。(※画像は『子どもたちはインターネットやゲームの世界で何をしているんだろう? 』関正樹 著)。 * * *  ゲームと一口に言っても、最近はパソコンを使ったオンラインゲームからスマホで手軽に遊べるものまであります。また、インターネットもSNSだけでなく、動画の視聴や配信のほか、小説を投稿するものまで多岐に渡ります。それらを網羅的に解説したうえで、大人がその世界を知るために気をつけたいポイントについて取りあげているのが本書の特徴です。また、関さんが実際の臨床現場で接している子どもたちの事例が載っていることも目を引きます。  小学6年生から不登校になった女子児童は、昼夜逆転し、外出せずに自室でゲームなどをすることが多く、食事も一人で済ませるなど、不安に思った親が子どもとともに外来にきました。そこで関さんが親にしたアドバイスは「娘の好きなことを知るために、親も同じゲームをしてみてはどうか」というものでした。すると、自分の好きなゲームを親も楽しんでくれたことを機に、子どものようすが変わっていきます。コンビニ、ゲームセンター、美術館などへ外出するようになったのです。子どもの好きなことに親が共感し、励ましてくれることで、家庭が安心できる「居場所」になり、チャレンジしたいという思いにつながっていったと、関さんは指摘します。  さらに本書では、「ゲームをすると暴力的になるか」、「ゲームをすると学力は低くなるのか?」、「ゲームをするうえでの約束事をどう決めればいいのか?」など、親が気になる具体的な質問についても、関さんが詳細に解説しています。ゲームやインターネットについて考えたいすべての親におすすめする1冊です。(編集局・小熊広宣) 『子どもたちはインターネットやゲームの世界で何をしているんだろう? 』 関正樹 著 金子書房/2750円(税込)... --- ### 「親がしてはいけないことが2つあります」『不登校新聞』編集長が語る「不登校きほんのき」【全文公開】 - Published: 2023-09-14 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/1515/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, コラム, いじめ, 2023年9月15日号  夏休み明けに増加する、不登校。子どもから突然「学校へ行きたくない」と言われ、とまどってしまう方も多いと思います。そもそも「不登校」とは、一体どのような定義なのでしょうか。不登校の現状や考えられる要因、学校へ行かない・行けない子どもの気持ちから親にできることまで、本紙編集長の茂手木りょうがが解説します。 * * * ――まずは、不登校の定義や現状について教えてください。  文部科学省は不登校児童生徒の定義を「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」と定めています。つまり、病気や経済的な理由以外で、年間30日以上学校を休むと「不登校」となるわけです。欠席数が年間30日以上となっているため、継続的な休みはもちろん、断続的に30日以上休んでも不登校になります。  不登校の数としては、2012年以降、増加の一途をたどっています。最新の2021年度の文部科学省の調査データをみると、小中学生で24万4940人の子どもたちが不登校になっています(下記図参照)。2020年度の調査では19万6127人でした。つまり1年のあいだに、4万8813人もの子どもたちが新たに不登校になったということになります。割合に換算すると、前年比24・9%増となり、不登校は大幅に増加していると言えます。 「令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」より編集部作成 取材で見えた不登校の理由 ――子どもの不登校のおもな理由はなんなのでしょうか?  これまで何人もの当事者・経験者の方を取材してきた実感として、不登校は人それぞれなので、一概に原因や理由を定義することはできません。  その前提のうえで、事例をいくつか挙げるのなら、みんなと同じことをやらされることに苦痛を感じるなど学校環境そのものが要因となっているケース。クラスメイトからのいじめなど人間関係に苦しんだケース。それ以外にも、体罰や叱責など先生との関係がつらかったり、とくに理由はないというケースもあります。  個人的には、近年学校が子どもたちにとってストレス過多の場になってきていることも理由の1つなのではと感じています。昔よりも子どもたちがストレスを感じるタイミングが早まっているよう... --- ### 「不登校は育て方のせいじゃない」不登校の子を持つ親が余裕を持つために必要な2つのコツ - Published: 2023-09-13 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/interview/1499/ - カテゴリー: インタビュー, 不登校 - タグ: 会員限定記事, 人気記事, 親の心構え・できること・やるべきこと, 2023年9月15日号 「親として余裕を持ちたい」。そう思っていても、忙しい日々のなか気持ちの余裕を持ち続けるのは難しいことです。今回は、親子関係コーディネーターの大西りつ子さんに「親が余裕を持つためのコツ」をお聞きしてきました。看護師や養護教諭など色々な立場で子どもたちと向き合ってきた、大西さん。現在までの取り組みやお母さんたちに伝えたいことも、うかがいました(※写真は大西りつ子さん)。 * * * ――大西さんのご経歴からお聞かせください。  看護学校を卒業後、私は外科医病棟や救命救急・ICU、外来など、看護師として26年間勤務しました。看護師時代は、手術をされる方やターミナル期(終末期)の方などいろいろな方の看護に関わらせていただいて、今の自分の活動につながる気づきをたくさんいただきました。  1番印象に残っているのは、救命救急・ICUに関わらせていただいたときの出来事です。当時は、疾患の重い方、集中して管理が必要な方などの看護にあたっていました。そのとき、自殺を図って意識がもうろうとしている、思春期のお子さんの看護をすることがあったんです。病室で話してみると、その子は「自分なんていないほうがいい」、「生きている意味なんてない」と私につぶやきました。衝撃を受けましたね。  それまで私はそういうつらい気持ちを抱えて生きている子に会ったことがなかったんです。だから、なぜ、生まれてまだ十数年しか経っていない子がこんな気持ちにならないといけないのか、悲しさと疑問を感じました。  結局、そのときは病室の外で泣いている親御さんの話を聞くことしかできませんでした。子どもたちがここまで苦しくなる手前で何か私にできることがあるはずだと、強く感じたことを覚えています。いち看護師の立場だったので、できることに限りはありましたが、親御さんや子どもたちに寄り添いたいという気持ちが生まれ、しだいに患者さんの親子関係にも目が向くようになりました。 何かできるはず ――看護師として働かれたあと、学校の保健室の先生に転職されたとお聞きしました。保健室の先生を志したのは、なぜだったのでしょうか?  息子が小学2年生のときのある出来事がきっかけです。息子を学童保育所に預けていたら、ある日「下級生の子にお腹をパンチされるから嫌だ」と息子が私に訴えてきて。私は「息子は自分で解決できる」と思っていたので、「イヤやったら相手の子... --- ### 息子が不登校して2カ月「今の状態は必要なんだ」という確信を母が欲する理由 - Published: 2023-09-12 - Modified: 2024-09-17 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1508/ - カテゴリー: 連載, 不登校 - タグ: 会員限定記事, 【連載】私の子が不登校になって, 2023年9月15日号  ペンネーム・リンクさんの息子さんは、優等生だったのに、中学2年のあるとき突然学校へ行けなくなったと言います。それから2カ月。リンクさんは「今の状態は息子にとって必要なプロセスなのだ」という確信が欲しいと言います。親の本音を書いていただきました。(リレー連載「私の子が不登校になって」第7回)※写真はお気にいりのネコの置物 * * *  現在中学2年生の息子は勉強が得意な優等生でした。しかし今年の春休みから塾を休み始めました。4月からは学校の宿題ができなくなって、提出物も出せなくなりました。ペンを持つことすらできないんです。まるでアスリートのイップスのような状態でした。そして、ゴールデンウィーク明けからは完全不登校になりました。  まさかうちの子が、と思いましたが、すこし休んで元気になれば、また通えるようになると思いました。無理強いさせるのはよくないだろうと、登校の強制はせず、「勉強しなさい」とも言いませんでした。  でも、息子はなかなか元気になりません。朝ごはんも手をつけられない毎日です。  無口になり、部屋にこもってスマホを見たり、布団をかぶってじっとしていたり、家族から孤立しそうでした。このままではいけないと、息子の部屋をのぞいて、声かけをしたこともありました。しかし部屋から出ていくよう息子に言われるなど、失敗ばかりでした。ドラッグストアで不安が和らぐ漢方薬を買って気休めに飲ませました。私もいっしょに「苦い苦い」と飲みました。息子が私に話をしてくれるだけでうれしいので、よく聞くようにしました。否定せず、「うんうん」とただ聞いていました。 不登校から2カ月  この記事を書いている現在、息子が学校へ行かなくなって2カ月が経とうとしています。今も家からは出られません。電話にも出ません。家族以外の人と話すこともできないようです。でも、旅行がしたいとか、市場で魚を買ってさばきたいとか、やりたいことをときどき、ポロポロと口にします。  私としては息子のことや私の気持ちを話す相手がほしいです。そして、「今の状態は息子にとって必要なことだ」という確信がほしいです。確信が得られたら前を向けると思うので。そして前を向けたら、おしゃれをしたり、旅行をしたり、堂々と生きていきたいです。おいしいものも食べに行きたいです。また家族5人で回転寿司や焼き肉を食べたい。息子がまだ小学生だったころ... --- ### 「昔は悩んだけど今は幸せ」と語る不登校の子を持つ先輩パパママが実践してきたこと - Published: 2023-09-12 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1512/ - カテゴリー: 連載, 不登校 - タグ: 会員限定記事, 人気記事, 親の心構え・できること・やるべきこと, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2023年9月15日号 「子どもが不登校になったけど、今は幸せ」。そんな親御さんたちとたくさん話をしたという、不登校支援に携わる土橋優平さん。「今は幸せ」と語る親御さんには、ある1つの共通点があったと言います。(連載「出張版 お母さんのほけんしつ」第22回)※写真は土橋優平さん * * *  先日、不登校の子どもを持つ親御さんたちのお話をうかがいました。子どもの不登校に悩み苦しんだけれど、今はみなさん幸せにすごしています。「学校へ行かなくても大丈夫なんだと気づいたんですよ」と口々におっしゃっていました。どういうタイミングでそう気づくことができたのか。くわしくお話を聞いてみました。  ある方は、3カ月間毎朝旦那さんに「本当に学校行かなくて大丈夫なんだよね?」と聞き続けたそうです。  旦那さんは毎回「大丈夫だよ」と返しました。その言葉を聞いて、「大丈夫なんだ」と自分に言い聞かせていたそうです。でも毎日やっぱりつらいんです。「どうしてうちの子は行けないんだろう」、「私にできることは何があるんだろう」と悩み、考え続ける日々。  あるとき、ふと「どうして私はこんなに苦しいんだろう」と疑問がわきました。自分自身が不安になっていたことに初めて気づき、不安の源泉を知りたいと行動をするようになりました。本やネットを読みあさり、講演会に参加するなど、さまざまな方法を使って情報を得たそうです。  すると、ある本には教育機会確保法のことが書かれていて、学校へ行かないことは問題行動ではないことを国が発表していることを知りました。またある講演会ではフリースクールやホームスクーリングなど学校以外での学びの選択肢があることを知ったそうです。そうした情報を得るたび「あ、学校へ行かなくても本当に大丈夫なんだ」と思えたそうです。  別のある方は、やはり子どもが学校へ行かないことに悩んでいました。表面上は「行かなくてもいいよ」と言いつつも、「いつか行くようになるだろう、そうなってほしい」という気持ちを持ち続けていました。  ときには子どもに気持ちをぶつけてしまう自分や、日に日に元気をなくしていく子どものようすを見て、お知り合いに相談をしたそうです。するとその方が「不登校の親の会」を紹介してくれました。電車を使わないと参加できないすこし距離のある場所でしたが、それでも何かヒントがないかと参加したそうです。 不登校の親の会 参加して... --- ### 「今年も9月1日が来る」子どもの自死を防ぐための4つの原則【全文公開】 - Published: 2023-08-29 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/1523/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, コラム, 2023年9月1日号  「9月1日」は子どもの自殺がもっとも多い日です。つらい気持ちを抱える子どもを前に、大人である私たちにできることは何か。それは「TALKの原則」に沿った対応です(※画像は『TALKの原則』)。 * * *  今年も「9月1日」がやってきます。過去40年間で、子どもの自死がもっとも多い日です。また近年、子どもの自死は増加の傾向にあります。厚生労働省によると、2022年の1年間でみずから命を絶った子どもの数は514人と、統計開始以来、初めて500人を超え、過去最多となりました。  また、「いのち支える自殺対策推進センター」が2021年に公表した調査結果によると、インターネット上で「学校 行きたくない」というワードの検索数が増加したのち、子どもの自死が増加したという関連性があることが明らかとなりました。このことから、「学校へ行きたくない」という子どもの訴えは、命にかかわるSOSだと私は考えています。では、子どものSOSを大人が受けとめるために、何ができるのか。1つの道筋となる「原則」を紹介します。 TALKの原則 ポイントは  つらい気持ちを抱える子どもに対応する際、重要となるのが「TALKの原則」です。これは、①「Tell」(言葉に出して心配していることを伝える)、②「Ask」(「死にたい」という気持ちについて、率直に尋ねる)、③「Listen」(絶望的な気持ちを傾聴する)、④「Keep safe」(安全を確保する)の頭文字を取ったものです。  ここで言う安全確保とは具体的に「緊急時には子どもから目を離さないこと」、「登校させないこと」などが挙げられます。  また、自殺問題に詳しい精神科医・松本俊彦さんは2つのポイントがあると言います。1つめは「Ask」について、「死にたいという気持ちについてたずねることは悪いことではない。瀬戸際にいる子どもの背中を押してしまうことにはならない」と指摘します。  2つめは「Listen」について、絶対にしてはいけないことがある。それは「バカなことを言うな」と子どもの話を遮ったり、「死んではいけない、残された人はどうするんだ」などの正論をぶつけることだと松本さんは指摘します。 今だけじゃない 共通認識として  学校の長期休み明けにあたるこの時期は、子どもの自死に大きな注目が集まります。しかし、子どもの自死は1年を通じて起きているのが現状で... --- ### 「人生が詰んだ」と悩んだ不登校新聞代表が20年の取材活動を経て辿り着いた1つの結論【全文公開】 - Published: 2023-08-29 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/1567/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, コラム, 2023年9月1日号  『不登校新聞』代表・石井しこうは20年間の取材活動を通じて1つの結論にたどり着いたといいます。「学校へ行けなくなって、将来はどうなっちゃうんだろう」と悩むすべての方にお伝えしたい、不登校のその後とは(※写真は『不登校新聞』代表・石井しこう)。 * * *  私が不登校になったとき、ピタリと登校の意欲が消え失せたとき、「ああもう、人生が詰んだ」と思っていました。あれから20年、不登校だったたくさんの友人や取材で出会った人たちを見ると、一つの結論に至りました。  不登校したあと、どうなるのか、それはふつうのおじさんとおばさんになっている、ということです。成しえる人でもなく、何もできない人でもなく、一生懸命、生活のためになんやかんやと忙しくしている人。どこからどう考えても、ふつうのおじさん、おばさんたち。  学校へ行こうが行くまいが、時間を経て人は変わっていく。だからいま、行きたくない人、そしてその親の方に伝えたい。不登校しても大丈夫。なんとかなる。夏になると、よけいにそう思うのです。(本紙代表・石井しこう) (初出:不登校新聞609号(2023年9月1日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### 「自分を責めるのは終わりに」元不登校が「9月1日」以降を生きる子どもに伝えたいこと - Published: 2023-08-28 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/children/1545/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2023年9月1日号  「不登校なんて毎日が夏休みだろ」。自身の不登校中、クラスメートからそんなイヤミを言われたというボビンさん(28歳)。しかしボビンさんは、夏休みは自分にとって「日常を生き抜くために必要な休息期間」だったと言います。そして、今苦しんでいる不登校の子に「どうか、毎日が夏休みのような日々をすごして」と語りかけます。 * * *  最近、出勤のため電車に乗ると、小学生ぐらいの子どもとその母親らしき人が乗車しているのを見かけます。「そうか今は夏休みか」と納得してぼーっと車内広告に目をやるのですが、私には「夏休み」という言葉に付随してよみがえってくる不登校時代の記憶と後悔があります。  中学生の不登校時代、私は塾通いをしていたのですが、そこには同じ学校の同じクラス、つまり私が不登校であることを知っている同級生たちも通っていました。彼らは私の座っている席の近くを通るときに「不登校の奴には夏休みとそれ以外のちがいなんてないからな」なんてことを言うんです。要するに「不登校なんて毎日が夏休みだろ」と言いたいのでしょう。  しかし彼らの言っていたことは的を射てはいません。不登校の人間にとっても、夏休みは重要な期間なんです。 不登校の罪悪感  不登校の人のなかには、平日学校へ行かないことに罪悪感や焦りを覚えている人がいます。「ふつうなら学校にいる時間なんだ。家に居てはいけない時間なんだ」、「ほかの人は授業や部活をしているのに自分は何もしていない。このままでは将来たいへんなことになる」など「ほかの人と同じようにできていない自分はダメ」と自身を責めてしまうのです。  しかし夏休みというのはすべての子どもが学校を休む期間です。「ほかの人」も「ふつうに」学校を休んでいます。つまり不登校の人にとって夏休みとは「ほかの子は学校へ行っているのに」という自己嫌悪と一時休戦して羽根をのばせる時期なんです。それは「いつもと変わらない日々」どころか、過酷な自分との戦いを生き延びて、なんとかたどり着いたひとときの安らぎです。 みんな休んでる という安心  「夏休みアニメスペシャル!」みたいな題目で、昼間からアニメがテレビ放映されているのを見ると「みんな休んでいるんだ、自分も休んでいいんだ!」と、それはもう安心することができました。あのときの気がねなくアニメを見ている感覚は「心の休養」という表現がもっともしっくりき... --- ### 2人のわが子が不登校「なぜ学校へ行かないの?」と母がたずねない理由 - Published: 2023-08-28 - Modified: 2024-09-17 - URL: https://futoko-online.jp/parents/1558/ - カテゴリー: 保護者の体験談, 不登校 - タグ: 会員限定記事, 親の思い, 2023年9月1日号 2人のわが子が不登校だという武山理恵さんは「なぜ学校へ行かないの?」とわが子に言ったことがないと言います。その理由とは何か。自身、不登校経験者であり、現在は支援者でもある武山理恵さんにお話をうかがいました(※写真は武山理恵さん)。 * * * ――武山さんは不登校経験者とうかがいました。  中学2年生の秋に学校へ行かなくなりました。3つの小学校から生徒が集まる大きな中学校で、子どもが多いだけでなく荒れていたこともあって、先生から管理されている空気感がありました。入部した吹奏楽部の先輩から「生意気だよね」と聞こえるように言われたこともありました。  もともと活字が好きで、勉強への苦手意識もなかったので、4月の時点で1年間分の教科書をすべて読み終えてしまっていて。「なんで1年かけて授業を受けなければいけないんだろう」と思っていました。 朝になると 母とのバトル  ある日、母が入院することになったとき「今日は学校へ行かなくても怒られないんだ」と気づきました。ただ、家にいるのは都合がよくなかったので、なるべく人目につかないところを探しまわった結果、近所の河川敷にあった東屋にたどり着きました。そこで朝から夕方まで、教科書などを読みふけっていました。  そんなことをしばらく続けていたら、学校の先生が家庭訪問に来たんです。  母はすでに退院していましたから、私が学校へ行っていなかったことがわかったとたん、母とのバトルの日々が始まりました。朝になると、母との布団の引っ張り合いが始まります。それでも起きようとしない私の枕元で「私の育て方が悪かったからこうなったんだ」、「なんで学校へ行けないんだ」と母が泣くわけです。 ――その後は?  中学3年生のときに、ふたたび学校へ行くようになりました。きっかけは、ある心理カウンセラーとの出会いです。その方が「フリースペース」のような居場所を開いていたんです。夜になると、私のほかにも数人の子どもがやってくるんですが、みな学年がちがうことで安心感がありましたし、勉強1つとっても、各自が思い思いのまま自習する感じでした。  そこが私にとって癒しであり安心できる居場所だったんです。よい感じに放っておいてくれているけど見守ってくれているという実感もありましたね。2021年にフリースクール「ふふふる~む」(宮城県仙台市)を立ち上げたんですが、そこでの経験が「... --- ### 「学校とフリースクールの併用がベスト」居場所支援者が語る理由 - Published: 2023-08-23 - Modified: 2024-06-04 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1527/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2023年9月1日号  フリースクールや子ども食堂など、家庭と学校以外の「第三の居場所」に注目が集まっています。しかし子どもがどういう状態になったら利用すればよいのか、親御さんにはわからないことも多いもの。不登校支援に携わる土橋優平さんは「第三の居場所は学校と併用するのもよい」と言います。土橋さん流、第三の居場所のススメを書いていただきました。(連載「出張版 お母さんのほけんしつ」第21回)※写真は土橋優平さん * * *  夏休みが明けました。ゴールデンウィークや夏休みなど長期休暇明けに不登校になる子どもは急増します。親御さんとしては学校へ行けるようにと日々の声かけや生活を整えてあげるなど試行錯誤されるでしょう。お子さんの不登校が長く続いているご家庭でも、親御さんの頭のどこかに「夏休み明け、学校行ってくれないかな」といった考えが浮かんでいるのではないかと思います。私は今回、学校だけでなく、フリースクールなどの外の場所を利用することを早めに検討してみませんか、という提案をしたいと思います。  以前も書いたように私はフリースクールを運営してもいるので、その宣伝かと思われるかもしれません。しかし、私たちのフリースクールでなくてもいいですし、フリースクールではなく放課後デイサービスでも、個人でやっているような子どもの居場所、子ども食堂などでもよいです。第三の居場所をつくってみませんか。  あるとき、フリースクールへ相談に来てくれたお母さんがおっしゃっていました。「今はまだ週に何日かは学校へ行けているので、完全に行けなくなってからフリースクールにまた来ようと思います」と。多くの親御さんにとっては、フリースクールは「病院の手術室」なのかもしれません。大きな骨折をしたあとに治療をする場です。でも私が考えるフリースクールは、手術室ではなく、マッサージをしてもらう整骨院です。  足のケガにたとえるなら、学校へ行けなくなり始めているというのは、足に痛みが出始めているということです。完全に学校へ行けなくなった、というのは、それはもう骨折をしているということです。「子どもは足が痛いとは言っているのですが、まだ大丈夫だと思うので、骨折してからまた来ますね!」とはなりませんよね。でもいざ不登校となると多くの方がそう考えるようになります。  子どもたちには、身体を休める時間が必要ですし、マッサージを受けることも、と... --- ### 「問われているのは私だった」小5息子の不登校から1年、母と息子の現在地 - Published: 2023-08-23 - Modified: 2024-09-17 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1532/ - カテゴリー: 連載, 不登校 - タグ: 会員限定記事, 【連載】私の子が不登校になって, 2023年9月1日号  ペンネーム・ぼぶさんの息子さんは小学5年生から不登校。ぼぶさんは登校刺激を続けるも、いっこうに効果はありませんでした。しかし不登校から1年。家で元気にすごす息子さんを見て、不登校への考え方が変わってきたと言います。「問われているのは私だったんだ」と語るぼぶさんに、息子との1年間を書いていただきました。(リレー連載「私の子が不登校になって」第6回)※写真はぼぶさんの息子さんが大切にしているお守り * * *  息子は小学5年生に上がったころから、日曜日の夜に「学校がしんどい」と言うなど、いわゆる「サザエさんシンドローム」になった。その後ゴールデンウィーク明けからは、しばらく休んだり、遅刻、早退などをしながら通っていた。しかし結局、「教室にいるとザワザワする」と言い、体育や行事の日だけの登校となった。  これまでも気持ちが不安定になることがあったので、私は正直、おどろかなかった。ただ、最初は不登校の原因を突きつめるのに必死だった。  原因を取りのぞけば行けるようになるんじゃないか、と考えていたからだ。また、多少のプッシュも必要かもしれないと思い、学校へ行けたらご褒美をあげる、などの登校刺激もしていた。  しかし登校刺激をしても息子がよい方向にむかっているとは感じられなかったので、その後は基本的には息子の思うようにさせた。行けそうなら行ったほうがいいけれど、無理に行く必要はないと伝えた。学校へ行くことよりも心や体が元気なことが一番大事だよと伝えた。ただ同時に、学校の友だちと疎遠になってしまうかもしれない、学校でしかできないこともあるから機会の損失にはなるよ、と学校へ行かないデメリットも説明した。 不登校から1年 元気にすごしている  今、息子が不登校になって1年がすぎた。今は家で好きなゲームをするなど、元気にすごしている。最近は体力をつけたいと筋トレをしたり、公園に走りに行くこともある。ただ母親の私が体調を崩すと不安そうにする。敏感なので私の不安感を取り込んでしまうのかもしれない。  最初は「息子をどうにかしないと」、「私が分かってあげないと」と思っていた。でもよくよく考えると息子の気持ちは最初からシンプルで一貫していて、「学校は合わない」ということだった。結局それをどう受けとめるのか、ということが問題なのだ。問われているのは、私のほうだった。そんなふうに考えながら、次... --- ### 「息子の不登校が受けいれられない」正しい子育てと理想の母親像に縛られた私の葛藤 - Published: 2023-08-09 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/parents/1576/ - カテゴリー: 保護者の体験談, 不登校 - タグ: 会員限定記事, 人気記事, 親の思い, 2023年8月15日号  藤本里見さん(仮名)は3人の子どものお母さん。しかし長男と次男は不登校を経験しました。「正しい子どもを育てなきゃ」という思いが強かった藤本さんは、子どもの不登校で自分にもバツがついたように思ったそうです。今では居場所スタッフとして働く長男に思うことなど、藤本さんとお子さんとの軌跡をお聞きしました。 * * * ――長男・新一さんが不登校になった当時のことを教えていただけますか?  新一が不登校になったのは、中1のとき。きっかけは、夏休み、毎日のように部活があって、宿題が溜まってしまったことでした。8月末に徹夜で仕上げたのですが、いざ学校へ行くと宿題をやっていない子が多くて、みんなに「写させてよ」と言われ、イヤと言うこともできなかったようです。  3学期には、誰もがめんどうくさがった学級委員に選ばれてしまったうえ、ふざけている友だちの輪に入ろうとすると、「学級委員はそんな遊びをしちゃダメだろ」とまわりから言われたりして。まじめで、なんでも真に受けてしまうから、からかわれやすいんですよね。  そんなことが重なって「行きたくない」と言い出したのが、中1の2月。中2になって再び行き始めたものの疲れ切ってしまって、5月の連休明けからまったく行かなくなりました。  苦しかったのは、私自身が新一の不登校をなかなか受けいれられなかったことです。  というのも、学生時代の私は無遅刻・無欠席で、校則もきっちり守るようなタイプ。世間の規範から外れず、正しい行ないをすることが安心感につながっていました。  母親になってからもそうした価値観は変わらなくて、「人様に迷惑をかけない正しい子ども」を育てなければ、と思っていたんです。専業主婦だった私にとって、子育ては自分の成果、子どもは自分の作品のような感覚でした。  だから、いつだって新一が失敗しないように、先回りして道をつくってしまっていたんです。それが子どものためだとも思っていました。「学校、行かない」と言われたときは、まさかうちの子が... ... と思いましたね。  自分の子は規則を守る「いい子」だと思っていたから、絶対に不登校にはならないと思い込んでいたんです。今思えば、「親にとって都合のいい子」ということだったのでしょう。  ただ、新一の上の長女には、とくに根拠もなく、「この子が決めることにまちがいはない」と、いろいろなことを自信を... --- ### 「もうすぐ9月1日がくる」樹木希林さんのバトンを受け取ったセラピストが子どもたちに見た希望【全文公開】 - Published: 2023-08-09 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/interview/1617/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 無料記事, 2023年8月15日号  「希林さん、お祈りしていて」。バースセラピスト・志村季世恵さんは女優・樹木希林さんが亡くなる直前まで寄り添いました。9月1日の子ども自殺問題を嘆いていた樹木希林さんの思いをうけ、自身の活動「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」を開催しながら、不登校の子どもたちと交流を続けた志村さん。そこには驚きの発見があったといいます。「ちがいを超えて、人は支え合える」。そう語る志村さんにお話を聞きました(※写真は志村季世恵さん)。 * * * ――志村さんは、ダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」に関わる前から、セラピストとして活動されていたそうですね。女優・樹木希林さんの最期にも寄り添われたとうかがいました。  私は20代のころから、末期がんの方、大切な人と死別した方、出産や育児に悩むお母さんたちなど、さまざまな方のサポートをしてきました。肩書きのひとつである「バースセラピスト」は私の造語。人は亡くなる直前であっても誰かの幸せを願ったり、何かを生み出したりすることができるという思いから、「セラピスト」の前に「バース」とつけました。 樹木希林さん お祈りしていて  樹木希林さんとは、亡くなる3時間前までごいっしょさせていただきました。よく覚えているのは、その3週間ほど前、もうお話もできなくなっていた希林さんがベッドで涙をぽろぽろこぼしながら「もうすぐ9月1日がくる。子どもたちはどうなる? あまりにももったいない命... ... 」と筆談でおっしゃったことです。  樹木希林さんは、以前から9月1日に命を絶つ子どもがたくさんいることに胸を痛めていらっしゃいました。『不登校新聞』(400号)にインタビューが掲載されたこともありましたね。私は希林さんに「お祈りしていて」とお伝えし、「この世にまだ残る私は、子どもたちのためにできることをしてみる」と言いました。そして、希林さんと私は手を握り合いました。これが希林さんとの最後の約束であり、私が受け取ったバトンです。 ――今から23年前、志村さんたちは「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」(以下、DID)をドイツから日本に持ち込みました。これが、ダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」の原型ですね。DIDについて教えていただけますか?  DIDは、暗闇のなかを1時間半ほど歩くエンターテインメントです。考案者であるアンドレアス・ハイネ... --- ### 「よき子育ての圧がエグい」不登校新聞編集長が親になってはじめてわかった事実【全文公開】 - Published: 2023-08-09 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/parents/1606/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 無料記事, 親の思い, 2023年8月15日号 『不登校新聞』編集長の私は小学1年生の娘を持つ父親です。娘の夏休み直前、学校から届いた通知にたいへんモヤモヤしました。このモヤモヤをみなさんにも共有したくて記事を書きました。伝えたいことは1つです。親だって本当にたいへんです。皆さんがんばっていますよ、ということです(※写真は本紙編集長・茂手木涼岳、撮影・矢部朱希子)。 * * *  「いよいよ待ちに待った夏休み。わくわくドキドキしますね。(中略)夏休み明けには『学校、行きたくないな』と思うこともあるかもしれません。でも、先生も友だちも、みんな待っていますよ。とにかく学校に顔を見せに来てくださいね」。  これは、娘が通う小学校で配られた『相談室だより』の内容だ。私の娘は小学1年生。夏休み前の7月末にプリントが配られた。一読してため息をつく。これはヤバい。この相談室には相談できない。私だって相談のプロではないが、10年以上、不登校新聞社に勤めてきた。子どもや親からの相談は何人も経験がある。その際、相談というのは相手の気持ちをじっくり聞いてからスタートするものだと思っている。それが最低限のルールだろうと。けれど、この『相談室だより』では「とにかく学校に来てください」と相談を受ける側が言ってしまっている。相手の話を聞く前から、結論を方向づけてしまっている。これではこの結論に満足できる人しか、相談に来られないだろう。 保護者への通知  びっくりしたのはそれだけではない。この『相談室だより』、別紙で「保護者の方へ」と題したものも配られていた。いわく、「夏休み明け、子どもが登校できるようにするためには、早寝早起きを心がけること」。「ゲームやネットの時間を管理し、長時間させないこと」。「ゲーム以外の遊び、たとえば虫探しやドミノ倒しなどの工作、トランプやすごろくなどのボードゲーム、ラジオ体操やストレッチなどがおすすめですよ!」。  ごていねいにゲームやネット以外の遊びをいくつも挙げていただいているが、こちらもヤバい。子ども向けのおたよりと同じか、それ以上にヤバい。なぜかというと、このおたよりで親は揺れてしまうからだ。やっぱりゲームはよくないのかな、生活リズムは大事なのかな、と自分の子育てへの自信が揺らいでしまうのだ。  実際、私ですら、すこし揺れたのだ。あきらかに無視すべき、よくない通知だ、と職業経験上わかっている。でも、一笑に付せ... --- ### 夏休み明け直前に読んでおきたい不登校の子を持つ親を支える1冊 - Published: 2023-08-09 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/books/1610/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 2023年8月15日号 子どもが不登校になったとき、さまざまな不安から焦りや孤独感を抱く親はすくなくありません。日々の生活のなかで、わが子とどう接したらよいのか。学校とはどのようにコミュニケーションを取ればよいのか。また相談先を探すためのコツとは何か。今回は、こうした親のさまざまな不安について解説する1冊を紹介します(※画像は『不登校・登校しぶり 親子によりそうサポートBOOK』)。 * * *  わが子が不登校になったとき、家でのすごし方、学校とのやりとり、勉強や進路、相談先探しなど、親は多くの悩みにぶつかります。そんなときに親をサポートしてくれる1冊として、埼玉学園大学大学院教授の藤枝静暁さんの新著を紹介します。  本書は全5章から構成され、冒頭で不登校の子どもの状態について、①初期、②安定期(充電開始)、③安定期(長期化)、④再始動期、の4つの段階があると解説したうえで、各々の時期における親の対応および学校とのやりとりにおいて必要なことを整理しています。  親の心のサポートを中心とした1章、2章では、昼夜逆転、きょうだいの不登校、いじめ、ゲームやSNSなどのほか、保健室登校や調査書といった学校にかかわるテーマを具体的に挙げ、親としてすべき対応や声がけなどについて解説しています。  3章では具体的な相談機関を列挙するだけでなく、適切な相談先を選ぶためのコツについても解説しています。また、各学校に配置されているスクールカウンセラーなどの役割にふれ、どのように相談すべきかという活用方法についてまとめている点も本書の特徴です。 4章では学習や進学・進路をめぐり、通信制・定時制高校や高等専修学校のほか、高認についても取り上げています。5章では「起立性調節障害」や「自閉スペクトラム症」など、病気や発達障害についても解説しています。また、各章ごとに「いじめとPTSD」、「思春期の子どもへの接し方」、「保健室登校の1日」などに関するコラムも掲載されてます。 わが子が不登校になったとき、親だけで抱え込まないことが何よりも大切になります。不登校のサポートに特化した本書は、つらい気持ちを抱える親の「今」を支える1冊です。(編集局・小熊広宣) 『不登校・登校しぶり 親子によりそうサポートBOOK』 藤枝静暁 ナツメ社 1540円(税込) (初出:不登校新聞608号(2023年8月15日発行)。掲載内容は初出... --- ### 「不登校と同時に自傷行為も」中2で不登校した娘に寄り添った母が抱く一番の後悔 - Published: 2023-08-08 - Modified: 2024-11-04 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1584/ - カテゴリー: 連載, 不登校 - タグ: 会員限定記事, 人気記事, 【連載】私の子が不登校になって, 2023年8月15日号  中2の娘が不登校、さらに自傷行為まで。悩める母親・みゆきさん(仮名)は、「もっと早く娘を休ませてあげればよかった」と悔やみます。娘さんの不登校の背景、そしてみゆきさんの率直な思いを書いていただきました。(リレー連載「私の子が不登校になって」第5回)※写真は娘さんが好きだったぬいぐるみ * * *  娘は小学校に入学して1週間で「学校行きたくないな」と言い出し、毎週月曜日になると「早く週末にならないかな」と言っていました。人前に立つことが苦手な娘は授業中に挙手は一切せず、日直当番の前日はみんなの前で話をすることがイヤで、めそめそしていました。  そのころの私は娘の性格を受けいれながらも、そのうち平気になるだろうと思っていましたし、娘の「学校行きたくない」もつぶやき程度だったので、そのまま放置してしまいました。私も娘も学校へ行くことは当然だと思い込んでいたので、娘は学校へ「行けない」とは言わなかった、言えなかったのだと思います。 一斉休校明けから 不登校と自傷行為  そんな娘は中学入学後、コロナ禍の一斉休校明けから登校しぶりが始まり、中2の12月から完全不登校となりました。  私は娘がいつ不登校になってもおかしくないと思っていたので、「ついに来たか」と思いました。同時に自傷行為も始まったので、不登校よりもそちらのほうが気がかりでした。  中3時には高校受験をせず、原級留置でもう一度3年生をやりました。学校側が原級留置を提案し、娘がそれを選択したかたちです。しかし、2度目の3年生は最初の2カ月通ったきりで、再び不登校となりました。  その後、定時制高校に合格した娘は、春休み中は不安定な状況で心配だったのですが、入学式以降は毎日学校に通っており、学べることが楽しいと言っています。中断していた塾にも通えるようになりました。学校へ行くようになったことで体力低下を自覚したそうで、走りこんだりして体力づくりもしています。  今思えば小学生のころから学校以外の選択をしていたら、娘を自傷行為に追い込むことはなかったのではないかと悔やまれます。だから、学校は行きたくなかったら行かなくてよい、ということが早く世のなかの常識となることを願っています。ただ、娘が不登校になったことで新たな出会いや私自身の見識が広がったので、悪いことばかりではなかったと思います。娘も不登校になって家にいるあいだ... --- ### 「新しいことにチャレンジを」子どもに求める前に親がすべきたった1つのこと - Published: 2023-08-08 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1593/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2023年8月15日号  子どもたちにとって必要な学びとは、どのようなものなのでしょうか。それは「新しいことに出会うこと」だと、不登校支援に携わる土橋優平さんは言います。しかし、土橋さんが出会ってきた子どもたちの多くは、「新しいことに出会う」ことに恐怖を感じる子が多いのです。子どもが新たな出会い、つまり「学び」へと漕ぎ出すためには何が必要なのか。書いていただきました。(連載「出張版 お母さんのほけんしつ」第20回)※写真は土橋優平さん * * *  私は栃木県でフリースクールを運営しています。日々、子どもたちと関わるなかで「この子たちにはどんな機会が必要なのだろう」と毎日のように考えています。そのなかでもよく考えるのが「学び」です。子どもの学びというと、学校で先生に教えられる「勉強」を指すことが多いですが、私が考える「学び」はもうすこし広く捉えたもので、「生きるために必要なこと」、「幸せになるために必要なこと」です。もっと言えば「何を学んだか」よりも「学びを楽しむこと」のほうが大切ではないかと、子どもたちと関わっていて考えるようになりました。  過去に出会った不登校の小学生にこんな子がいました。いじめや人間関係で大きなトラブルがあったわけでもないので、周囲は彼が不登校になった理由がわからないまま。親御さんは学校へ無理に行かせることは諦めたものの、外とのつながりは持っていてほしいと思い、スイミングや習字などの習いごとに彼を連れて回ったそうです。  どれも長く続くことはなく、あるとき次の習いごとの見学を提案したとき彼は「そこって『教える人』いる?」と聞いたそうです。そう、じつはその子は「教える人」という存在に抵抗を感じていたのです。おそらく彼が出会ってきた「教える人」は「一方的に正解を教え、1人ひとりの理解度に関係なく、どんどん進めていく人」や「わからない人やまちがえる人をときに否定し、成績の良し悪しで相手を評価する人」だったのかもしれません。すくなくとも彼がそう感じざるを得ない環境だったということでしょう。いずれにせよ事実として、彼は「教える人」に抵抗感があり、それを持つきっかけがどこかにあったのです。 新たな出会いが  教わることは、学ぶことであり、学ぶことはつまり新しいことに出会うことです。しかし私が関わってきた子どもたちのなかには新しいことに出会うこと、つまり初めてのことをする、という... --- ### 帰省は希望者だけでOK。お盆の時期に『不登校新聞』編集長からの提言 - Published: 2023-08-08 - Modified: 2024-10-08 - URL: https://futoko-online.jp/others/1624/ - カテゴリー: コラム, others - タグ: 会員限定記事, コラム, 2023年8月15日号  不登校親子にとって帰省はつらいもの。祖父母・親戚に何を言われるかわからないからです。そんな帰省について『不登校新聞』編集長は「帰省は希望者だけでOK」と提言します(※画像はイメージです)。 * * *  お盆ですね。読者の皆さんはご実家に帰省されますか?不登校当事者にとっても、保護者にとっても、帰省はときに頭の痛い問題です。もしかしたら、不登校に理解のない祖父母・親戚に何か言われるかもしれない。「できれば避けたい」と思うのも当然です。  ここは初心に戻りましょう。不登校で苦しんでいる状態の親子にとって、帰省して親族に顔を見せるよりも何よりも大事なこと、それは子どもが安心してすごすことです。そのためには帰省は希望者だけでOKと割り切りましょう。行きたければ自分だけ行けばよいし、子どもだけで留守番が難しい場合は帰省はしなくても大丈夫です。とにかく、ストレスのない環境で、ゆっくり子どもが休むことを大事にしてあげてください。(編集長・茂手木涼岳) (初出:不登校新聞608号(2023年8月15日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### 「不登校でもよいけど、私の支え方はあってるの」子育ての正解に悩んだ母親の葛藤【全文公開】 - Published: 2023-07-30 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/parents/2233/ - カテゴリー: 保護者の体験談, 不登校 - タグ: 無料記事, 人気記事, 親の思い, 2022年9月15日号  光岡優美さん(仮名)の息子・雄一郎さん(仮名)は、聴覚過敏などのストレスから、小学校1年生の9月から不登校になり、以降6年生まで情緒学級や区の支援施設ですごしました。しかしその後、中学校には皆勤で通い、現在は20歳となり専門学校で学んでいます。葛藤を抱えながらも息子さんをのびのびと育てた光岡優美さんのインタビューと、息子・雄一郎さん本人のインタビューとを合わせて掲載します。 * * * ――小学1年生~6年生までの息子さんの不登校をふり返って一番不安だったことはなんですか?  あらためて考えてみると、息子についての不安というより、私自身についての不安のほうが大きかったです。私は息子が不登校なのはしかたがないと思っていて、家で楽しくのびのびすごせればいいだろう、と思っていました。  ただ、それでも「彼がこの先、生きていくために必要な手段を私は正しく選べているのだろうか?」、「私の勝手な思い込みで、彼の可能性を潰していないだろうか?」という不安がつねにありました。子育ての正解がわからなかったのが、苦しかったんですね。 ――息子さんは小学校1年生の9月から不登校とのことですね。当時はどんなようすだったのですか?  息子は幼稚園のころから集団行動が苦手で、ひとりだけ別メニューですごしていました。聴覚が過敏で、不必要な音まで拾ってしまうことも大きなストレスになっていたようです。そんな息子ですから、小学校に入学して、1学期は休みながらもなんとか通っていたのですが、夏休み明けから行き渋るようになりました。暑さや湿気に極端に弱いという性質もあったので、残暑がつらかったのでしょうね。私は、学校へ行かないことを「悪いこと」だとは思いませんでした。集団生活そのものにこんなに負担を感じているのだから、行かせるほうがかわいそうだな、と。葛藤がなかったわけではないのですが、無理に通わせることはせず、そのまま不登校というかたちになりました。  学校の対応は、情緒学級のある学校だったこともあり、他校よりは不登校に対する理解はあったのかもしれません。ただ、情緒学級に入れるのは2年生からだったので、1年生のときは校長先生や担任の先生に対応していただきました。  校長先生はよくわかってくださる方で、息子は何かあると校長室に逃げ込んでいたようです。担任の先生も新任でしたが理解があって、週1回、1時間ほど... --- ### 不登校の子どものために休職した私がフルタイム復帰できた理由【全文公開】 - Published: 2023-07-26 - Modified: 2025-05-06 - URL: https://futoko-online.jp/parents/1597/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 無料記事, 親の思い, 2023年8月1日号  「小1の息子を家に置いておけない」。フルタイムで仕事をしていたななみさんは、小学1年生から不登校になった息子のことで悩みました。仕事に穴をあけたくない。でも息子は「お願い、休ませて」と懇願してくる。一体どうすれば――。葛藤しながら息子さんとどう向き合ってきたのか、お話しいただきました。 期間限定! 無料プレゼント あなたの声を聞かせてください ――息子さんの不登校のいきさつからお聞かせください。  息子は、小学校入学前の1月から「学校へ行きたくない」と言っていました。保育園のころから人がたくさんいる環境が苦手で、学校も集団生活の場ですから、行く前から不安があったようです。また、3歳上の姉が学校の勉強のことでよく父親から怒られていたので、息子のなかで学校に対するネガティブなイメージがふくらんでいたんだと思います。 苦しむ息子 無理矢理学校へ  入学してから息子は日ごとにストレスが重なり、小1の7月にはすごく荒れていました。「学校へ行かないといけないなら包丁で刺して死ぬ」と言って包丁を出そうとしたりして... ... 。その後息子には精神科を受診させ、不安を抑える薬を飲んでもらうようにしました。しばらくすると落ち着いてきたので、薬の効果が出たのかと思いました。でも実際は、学校の夏休みが近づいてきたから落ち着いたのだと思います。  9月になって2学期が始まると、息子はまた学校へ行きたくないと言いました。今度は「頭が痛い」と言ってふとんから出ようとしませんでした。でも私は休ませることはしなくて。息子は学校が合わないのだとわかっていたんですが、当初は先生に配慮してもらって、学校に居られるようにすることばかりを考えていました。  一方で息子は、「ママのほしいものを買ってあげるから、お願いだから休ませて」と言っていました。どうしても行きたくなかったのだと思います。それでも私は息子を学校へ連れて行きました。  私はフルタイムで働いていて、自分が仕事へ行くためにどうしても息子に学校へ行ってほしかったんです。とくに当時は新規プロジェクトの中心メンバーに任命されたこともあり、仕事に穴をあけたくない思いが強くありました。  私は息子をお菓子で釣って外へ連れ出し、手を引いて歩かせ、学校前に着くと電信柱にしがみつく息子の手をはがし、担任の先生に引き渡していました。でも、そうやってムリに背中を... --- ### 「学びたくなったときでいい」元京大総長が語る学びの本質と不登校 - Published: 2023-07-26 - Modified: 2024-10-08 - URL: https://futoko-online.jp/others/1686/ - カテゴリー: イベント, others - タグ: 会員限定記事, 識者の指摘, 2023年8月1日号  「自己肯定と共感力から生まれる学びこそ、人間の特徴だ――」。2023年4月4日、元京都大学総長でゴリラ研究の第一人者、山極壽一氏のトークイベント「人間らしい学びとは何か」が中高生を対象に開催されました(主催・株式会社ポプラ社)。今、10代に必要な学びとは何か。ゴリラ研究の観点から語られた、山極氏の講演を抄録します(※写真は山極壽一さん)。 * * *  こんにちは。今日は「人間らしい学びとは何か」というたいそうなテーマでお話しさせてもらいます。私は人間の本質とは何かを考えるために、長いことゴリラの研究をしてきました。ゴリラと人間の成長過程を比べてみると、人間とはどういう生き物なのかがよくわかります。  人間らしい学び、それは自己肯定感を育むこと、そして人間に備わる共感力を生かして他者と語り合うことです。  まずゴリラと人間の赤ちゃんを比べてみましょう。ゴリラの赤ちゃんは、生まれたときの体重が1・6キログラムほどです。そして3年間は母乳で育ち、うち1年はお母さんが片時も赤ちゃんを腕から離しません。一方、人間の赤ちゃんは3キログラムを超えて生まれてくることが多いです。ゴリラより重たく生まれてくる割には、人間の赤ちゃんもお母さんにつかまれないくらいひ弱です。乳離れは、ゴリラが3年から4年かかるのに対し、人間は1年から2年です。  なぜゴリラは乳離れが遅いのか。それは永久歯が生えるまでお乳を吸うからです。よって離乳したあとは、すぐに大人と同じ固いものを食べられるようになります。でも人間の子どもはちがいます。人間は乳離れが早いにも関わらず、成長はゆっくりで、永久歯が生えるのは6歳からです。人間には、お乳を吸わないのに大人と同じ固いものが食べられない、子ども期という時期が存在します。  ではなぜ人間は永久歯が生えないうちに離乳するのか。それは、人間の祖先が熱帯雨林から離れて暮らすようになったことに起因しているのです。熱帯雨林から草原へ出たことで、人間の子どもは危険な肉食獣にたくさん襲われたと考えられます。  その結果、多産であることが必要になった。人間は一産一子なので、子どもをたくさん産むには出産間隔を縮めるしかありません。次の出産準備のため、赤ちゃんの離乳を早めなければなりませんでした。 山極壽一さん 人間にとって 最初の学び  ところで大人と同じ固いものが食べられないうち... --- ### 「不登校だから〇〇禁止」が親の対応としてNGな理由 - Published: 2023-07-26 - Modified: 2024-09-17 - URL: https://futoko-online.jp/column/1616/ - カテゴリー: コラム, 不登校 - タグ: 会員限定記事, コラム, 2023年8月1日号  子どもが不登校になった際、テレビ禁止・ゲーム禁止・おこづかい禁止など、学校へ行かないことを理由に親がさまざまな禁止事項を子どもと取り交わしてしまう場合があります。じつはこれ、不登校の子どもの対応としてはNGなんです。親のよかれという思いに基づく行動が、子どもを追いつめてしまうことがある理由について考えます(※画像はイメージです)。 * * * 不登校経験者に取材をしていると「不登校だから〇〇を禁止された」という話を聞きます。親としては「わが子のため」という思いから制限をかけることもあるかと思いますが、この対応は、子どもが元気を回復するうえで逆効果であると私は考えています。その理由について、不登校経験者の語りから考えます。 学校を休んだら TV・ゲーム禁止  小1から高3までほとんど不登校だったというAさん。学校を休んだ日は、テレビ・ゲームは禁止されており、家の手伝いをしないと親に怒られたそうです。  「学校を休んだ私が悪いのだからガマンしないといけない。イヤなことは避けて、やりたいことだけやるのはよくない」と自分に言い聞かせていました。しかし、それから何年も経った今でも、「あの生活が自分にとってよかったのか」と、当時を思い返すたびに心のなかに残るしこりに気づき、悶々と考えてしまうことがあると言います。 学校を休んだら おやつ禁止  中3と高3で計2回、不登校になったBさん。Bさんが禁止されたのは、おやつでした。そのため、Bさんは制服に着替えて外出し、外で時間をつぶし、さも学校へ行ってきたかのような顔で帰宅しておやつを食べていた、と言います。当時についてBさんは「おやつ抜きなんて、地味に見えるかもしれませんが、本人からすると、精神的にけっこうしんどくなるんです」と率直な思いを語ってくれました。 みずから課した ラーメン禁止  WEB会議ツール「Zoom」を使い、不登校の子どもの学習支援などを行なっている「オンライン家庭教師さざれいし」の山口真央さんは、中学1年生のときに不登校になりました。  山口さんが禁止していたのは「ラーメン」でした。しかし、上述のAさん、Bさんのように親が制限したものではなく、山口さんみずからが制限をしていたのです。なぜなら、「悪いことをしている」という罪悪感があったからです。「学校へ行かなくていいよ」と親に言われても罪悪感は消えず、「みんなが... --- ### ひきこもり経験者が語る「母にしてほしかったこと」 - Published: 2023-07-26 - Modified: 2024-10-07 - URL: https://futoko-online.jp/books/1675/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 2023年8月1日号  今年6月、自民党のひきこもり支援推進議員連盟は、加藤勝信厚生労働大臣に対し、ひきこもりの定義の見直しを提言しました。現行の定義の「原則的に6カ月以上、家庭にとどまり続けている状態」について、早期支援の観点から期間の短縮を訴えています。厚労省では、2024年度中に新たなマニュアルを策定するとしています。そうしたなか、ひきこもり経験者らがつくる『ひきポス』という雑誌があるのをご存じでしょうか。最新号の特集のテーマは「ひきこもりと母」。ひきこもり経験者が語る「母親にしてほしかったこと」とは(※写真は『ひきポス』13号 HIKIPOS編集部編 500円税込)。  ひきこもりについて、今回は、ひきこもり当事者などがつくる雑誌『ひきポス』をご紹介します。特集が毎号組まれる『ひきポス』の今回のテーマは「ひきこもりと母」。価値観のちがいや距離感、子どもと母のあいだの具体的なやり取り、死別、ひきこもり当事者自身が母になったことで気づいたことなど、ひきこもりと母子関係をめぐり、ひきこもり当事者たちの語りが詰まった1冊になっています。 本書では、不登校・ひきこもりを経験し、現在は一般社団法人ひきこもりUX会議の代表として活動する林恭子さんが、自身の母親と公開討論を行なった際の内容も掲載されています。  注目すべきは、過去の出来事や母子関係における母と娘の認識のズレと一致です。林さんが高校を受験する際、滑り止めとして合格した私立高校の入学金を納めようとしなかったことについて、母は「発破をかけるつもりだった」と言い、林さんは「自分の性格を知っていればありえない、安心させてほしかった」と言います。また、「一時期、親を試すかのような無理難題をぶつけてきた時期がある」という母の指摘に対し、林さんは「記憶にない」と言います。他方、母子関係について「ケンカをしてもすぐに関係は元に戻るため、関係を修復したことはない」と語る林さんに、母も同意します。  また、「ひきこもり当事者が母に望んでいること」と題して行なわれた座談会では、ひきこもりも当事者が実体験をもとに、「ファミコンやテレビなどを制限しないでほしかった」、「安心できる空間を確保してほしかった」、「子どもの育ち方が親の責任という考えを手放して」など、母にしてほしかったことについて語っています。『ひきポス』6号では、父をテーマに特集を組んでおり、合... --- ### 「どうしてそう思ったの?」は魔法の言葉 子どもと対話するコツを解説 - Published: 2023-07-26 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1645/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2023年8月1日号  「子どもが親の言うことを聞かない」、「ネガティブな発言ばかりでこっちがまいっちゃう」。不登校支援に携わる土橋優平さんはそんな相談を受けてきました。こんなとき、親子にとって大切なのは「対話」だと土橋さんは言います。子どもと対話するコツを書いていただきました。(連載「出張版 お母さんのほけんしつ」第19回)※写真は土橋優平さん * * *  「子どもがネガティブな発言ばかり。どんな声をかけても反発されるだけ」、「子どもが親の言うことをまったく聞かないんです。どうしたらいいですか」。そんなご相談をいただくことがよくあります。私はふだん、フリースクールで子どもたちといっしょにすごしているのですが、大切にしていることが1つあります。  それは「対話」です。世間の常識に言わせれば、親を含めた大人というのは、子どもにさまざまなことを教える存在です。大人は正解を知っていて、子どもは正解を知らない。だから大人は「教えてあげないと」と思うようになります。でも考えてみてください。スマホの操作の仕方、SNSの投稿の仕方を子どもに聞いたことはありませんか? IT機器やSNSなどの新しい技術は大人より子どものほうが慣れるのも早く、活用する術を多く思いつくことができます。大人のほうが長く生きている分、私たちから子どもたちに伝えられることもありますが、子どもたちから教わることはもっともっと多くあります。私たちは上下関係にあるのではなく、おたがいにできることに凸凹があるのです。だから教え合うのです。 大人と子は対等  本当は大人と子どもは対等なのです。私はふだん、フリースクールで「教える」ということはしません。するのは「対話」、もっと言えば「相手を知ること」です。私とちがう価値観や考えを子どもが言っていたとしても、1つ目の返事で私の意見を伝えることはありません。「え、どうしてそう思ったの?」、「それ、おもしろいね。もっと聞かせてよ」といった返事をします。相手の考えを深く知るのです。たとえ考え方にズレがあっても自分の考えを正解とせずに、相手の考えを知るために、興味を持って質問をするんです。そうすると今まで見えていなかった子どもの心が見えてきます。  ネガティブ発言の多い子に「どうして自分のことをダメ人間だと思うの?」と聞くと「だって友だちの○○くんは学校にも行くし、勉強もできるしさ」と返事が。「勉強... --- ### 「本当は私も自由な時間がほしい」息子の不登校を通して感じた母としての本音と疑問 - Published: 2023-07-26 - Modified: 2024-09-17 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1656/ - カテゴリー: 連載, 不登校 - タグ: 会員限定記事, 【連載】私の子が不登校になって, 2023年8月1日号  「私が必死に子と向き合うなか、父親は何をしてるの?」。奈津子(仮名)さんの単純な疑問です。息子は小学1年から行きしぶり。中学で不登校になり、現在は中3。この間、奈津子さんはあらゆる努力をしてきました。しかし父親は?奈津子さんの本音を語っていただきました。(リレー連載「私の子が不登校になって」第4回)※奈津子さんの好きな百合の花 * * *  小学1年生の初日から学校へ行きしぶり続けた息子は、以来毎日のように「学校行きたくない」と言い続けていました。吐き気や腹痛など、それまでとはちがった身体症状が出はじめたのは中学1年生の9月。教員からの叱責が直接の原因でした。その後、オンライン授業や別室登校などもがんばりましたが、それもだんだんできなくなり、力尽きて完全不登校になったのが、中学2年生のゴールデンウィーク明けからでした。  私はとにかくできるかぎり登校をうながしました。  「つらかったら早退してもいいから、とりあえず行ってちょうだい」と。行かないと未来は暗いよ、勉強は大事だよ、などと自分勝手な思いを子どもへ伝えてしまいました。その後、不登校関連の書籍やサイトを目につくかぎり読み漁り、すこしずつ不登校への理解を深め、子どもを責めたり追い詰めたりする言動は慎むようになりました。  現在息子は中学3年生。完全不登校となり、ほとんど家にひきこもり状態になってから、1年以上が経ちました。不登校当初のように暗い顔で押し黙っていることはなくなりましたが、学校・友だち・勉強などには関心を示さず、毎日ゲーム&動画ざんまいです。それなりに楽しそうにすごしていますが、心のなかではさまざまな葛藤があるようで、ときどき不安や絶望の言葉を漏らします。体調や心理状態に波があり、回復にはまだ時間がかかりそうです。息子にはこの先、心も身体も病むことなく、できるかぎり幸せに生きていってほしいと心から願っています。  私は私で、本当は自由な時間がほしいです。1カ月くらい入院したいと思うことすらあります。母親が子どもや家庭から完全に離れられるのは、病気で入院でもしないかぎり難しい気がするので。でも、実際は病気になったらたいへんに決まっているから、結局がんばって乗り切るしかないのでしょうね。  ところで、今こうしてふり返ってみてあらためて思うのは、母親が必死になって子どもと向かい合い、あらゆる努力をしている... --- ### 「1週間に30分が働ける限界」そんな私に就労支援はつらかった - Published: 2023-07-26 - Modified: 2024-10-07 - URL: https://futoko-online.jp/children/1665/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2023年8月1日号  ひきこもり経験者で、現在は講演などに従事するひきこもり発信プロジェクト代表・新舛秀浩(しんます・ひでひろ)さん。新舛さんはひきこもり当時、いくつかの支援につながった。しかし、支援を受けてよけい苦しい気持ちになったこともあったと言う。苦しかった支援とありがたかった支援、それぞれについて書いていただいた(※写真は新舛秀浩さん)。  私は現在、ひきこもりを経験をした者として講演などを開催し、不登校の親御さんやひきこもりの親御さんの支援に従事している。そんな私が、かつて複数のひきこもり支援を受けた経験から、受けてよかった支援と、よくなかった支援を書いていこうと思う。  高校に在籍していたとき、私はマスコミを志望した。そのため非常に努力をして大学受験に挑戦し都内の中堅大学に合格した。その後、体調不良や大学との相性により大学を辞めざるを得なくなり「ひきこもり状態」になった。  ひきこもりのあいだ、多くの人と同じように会社で働いて経済的な自立をしたいと、いつも考えていた。  にも拘わらず、私の状態は就職できる状態ではなかった。そのため、まず支援団体にあたってみようと思い複数の支援団体をたずねた。  ある支援団体では、とても就職できる余裕がなかった私に「どのような時間と、どのような内容であれば働けるか」とたずねられた。答えに困った私は「1週間に30分程度であれば働けるかもしれません」と答えた。私としては素直な本音だった。本当に、そのくらい働くことが困難だったのだ。相手の支援者は就労することが本人のためになると信じ切っていたので、週に1度30分程度働ける場所を探してきた。  その仕事は、地域の社会福祉協議会でチラシを分ける仕事だった。先述したように、私は本来マスコミ志望のため大学に入学し、やむなく大学を辞めざるを得なかった。  ほとんど働けない状態になっていた私でも、かつてマスコミを志望し大学に合格した、ということはプライドとしてあった。しかし、チラシ分けという誰でもできる仕事(当時の私にはそう思えてしまった)を紹介されたことで、かすかに残っていたプライドは打ち砕かれた。 無言の圧力が  その支援者はひきこもり状態の人は仕事さえすれば「生きづらさ」が解消すると考えていたようだ。本当は私がひきこもることを選択せざるを得ない背景や経緯を聞いてほしかった。しかし、当時は「大学を卒業した年... --- ### ほしいのは共感?それともアドバイス?相談をする際の3つのコツ【全文公開】 - Published: 2023-07-12 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1735/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 無料記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2023年7月15日号  人に相談しようと思ったとき、あなたがほしいのは「共感」ですか?それとも「アドバイス」ですか? 不登校支援に携わる土橋優平さんは、人に相談する際に3つのルールを守ると、相談がうまくいく、と言います。3つのルールとは何か。解説します。(連載「出張版 お母さんのほけんしつ」第18回)※写真は土橋優平さん * * *  「子どものことを友人に相談したのですが、軽く流されてしまいショックでした」。親御さんからそんな声をいただくことがあります。みなさん、子どもが不登校になってからすくなくとも1度は人に相談したことがあるはずです。でも毎回求めている返事がもらえるわけではありませんよね。私だって悩むことは多くあり、よく人に相談します。そのとき、相談するときの自分ルールがいくつかあります。今日はそれを共有させていただきます。 とりあえず話す  私が人に相談するときに大切にしていることは3つあります。1つは、自分で悩みを整理できていなくても、とりあえず話してみることです。人に相談するときに「ちゃんと整理して伝えないと」と思うことはありませんか? 私は悩んでいるときは整理できなくてよいと思っています。なぜなら、悩んでいるときに、自分のなかで考えを整理しようとしても、なかなかできないものだからです。むしろ「なんでこんなにつらいんだろう」と深みにはまってしまうことすらあります。相談するときはムリに整理をせず「悩んでます」、「つらいです」の一言からスタートでいいと思います。相手の口から出る「そうなんだ、どんなことで悩んでるの?」という言葉を待つスタンスでいいと思うんです。1人で考えずに、全力で相手に寄りかかることも、ときに必要です。  2つ目は、相手に目的を伝えること。大きく分けて「共感してほしい」か「アドバイスがほしい」かです。人に相談したときに「意見を押しつけられた」、「全然ヒントになることが得られなかった」ということはありませんか? それは相手と話すうえで、目指すゴールにズレが生まれてしまっていたからかもしれません。話を聞いてほしいとき、とにかくしんどいときは最初に「共感してほしい」、「何も言わずに頷いてほしい」と伝える。頭のなかに課題が明確にあって、どうすればいいのだろうと考えているときには「アドバイスがほしい」、「あなたならどうする?」と伝える。そうした求めていること、目指したいゴ... --- ### 小4で不登校、適応障害と診断 救いにも苦しみの源にもなったアニメ - Published: 2023-07-12 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/children/1748/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2023年7月15日号  「僕はエレンと同じだ――」。不登校経験者・馬場貴也さんはアニメ『進撃の巨人』の主人公・エレンに深い共感をおぼえました。しかしそれゆえに、苦しくなることもあったといいます。「大人へのステップを踏めていない」と語る馬場さんが、本音を書いてくださいました。 * * *  僕はアメリカのシカゴに2歳から9歳まで住んでいて、そこでは自然環境が豊かでいっしょに遊べる友だちも多く、楽しい日々をすごしていました。  しかし日本に帰国した後、環境が大きく変わったことでカルチャーショックを受け、同級生や先生からの暴行や言葉による暴力などもあり、小学4年生のころに不登校になりました。  その後も中学生から高校生のあいだ、断続的に不登校を経験して体や心を崩し、適応障害、不安障害にかかりました。僕は学校と学校へ行くよう強要する家族から抑圧的なものを感じ、同級生や先生、僕のことを理解してくれなかった親、そして無力な自分自身に強い怒りを抱き続け、とくに中学時代はすさんだ日々をすごしていました。 主人公・エレンに強く没入  そんな中学1年のとき、アニメ『進撃の巨人』に出会いました。人を食べる巨人、それに抗う人類という圧倒的な世界観に引き込まれ、漫画も読むようになりました。主人公、エレン・イェーガーには強い共感を持ち、没入しました。住んでいた居場所を奪われ、巨人に対する強い憎しみを抱いているエレンは、まさに「自分自身と同じだ」と思ったのです。  物語の中盤では『進撃の巨人』というタイトルの真の意味が明らかになります。また、物語のゴールだと思っていた「海にたどり着く」という場面も通過点にすぎなかったことがわかり、『進撃の巨人』という作品のすごさをあらためて思い知り、感銘を受けました。そして物語が転換を迎えた「マーレ編」では、これまで敵側として描かれていたキャラクターたちの視点で物語が描かれ、主人公エレンは悪役として登場するという、作者・諫山創先生の作風には度肝を抜かれました。  僕は不登校で人と関われない期間が続いていたので、この『進撃の巨人』のような漫画や映画、アニメ、ゲームなどを心のよりどころにして生きていました。そういった作品に救われてきたからこそ、今の自分があると言えます。『進撃の巨人』の物語やセリフは自分の思想に大きく影響をあたえました。  しかし作品に没入しすぎて、自分が馬場貴也なのか、... --- ### 「不登校、全然いいよ」カービィ、スマブラの生みの親 桜井政博に聞く「ゲームと不登校」 - Published: 2023-07-12 - Modified: 2024-11-30 - URL: https://futoko-online.jp/interview/1701/ - カテゴリー: インタビュー, 不登校 - タグ: ゲーム・スマホ, 会員限定記事, 人気記事, 2023年7月15日号 - ハッシュタグ: 桜井政博, スマブラ, カービィ  『星のカービィ』、『大乱闘スマッシュブラザーズ』の生みの親である、桜井政博さん。ゲームクリエイターとして大人気作品を手がけてきた桜井さんに、ゲーム制作の裏側から作品に込めた思い、不登校について思うことまで、お話をたっぷりうかがってきました(※写真は桜井政博さん)。 * * * ――まずは、ゲームづくりのプロである桜井政博さんが感じるゲームの魅力をお聞きしたいです。  私のゲームの原体験は、モニターのなかで物が動くのを体感したことです。子どものころ、いわゆる「ブロック崩し」のようなゲームがありまして。手元のパドル(コントローラー)を動かすと、画面のなかでブロック崩しの棒が動くんです。自分がパドルをゆっくり回すと画面上の棒はゆっくりと進むし、速く動かすとガチャガチャと素早く動かすことができる。  自分の動きと棒の動きがリンクすることや、モニターのなかなのに何かがあるということが、とても不思議でした。コントローラーを操作したときに、手に物理的な重たさを感じるんですね。ゲームの双方向性といいますか、自分が画面を見て判断して、手から情報を送るというやりとりそのものが、とても鮮烈だったんです。画面から受ける感触。それは大人になった今でもゲームの魅力の1つだと思っています。  また、結果がちゃんと返ってくることもゲームの魅力だと感じています。ゲームでは、自分が操作したアクションに対して、何かしらのリアクションや結果がかならず返ってきますよね。この循環を通じて、目や耳で受動的に受けるだけの遊びとは全然ちがう感触が得られると思っています。  たとえば『大乱闘スマッシュブラザーズ』を毎日やったとしても、試合の結果は毎回ちがいます。同じ技を使っても負けたり、まったくちがうアイテムを使うことで勝ったりすることもある。そのときにしかないドラマ、と言うと言いすぎですが、遊んでいるときに得られた刺激や感動、発見のなかには、たしかにゲームでしか得られないものがあると感じます。 制作の裏側 ――『星のカービィ』や『大乱闘スマッシュブラザーズ』などの作品を手掛けてきた桜井さんですが、制作の裏側やゲームをつくるうえで意識されていることがあれば教えてください。  たくさんの子どもたちに遊んでもらっていますが、じつは『星のカービィ』や『大乱闘スマッシュブラザーズ』はけっして子ども向けにつくったゲームソフト... --- ### 「なぜ家に居るのに元気にならないの」不登校の子どもの元気を奪う親の言動 - Published: 2023-07-12 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/column/1719/ - カテゴリー: コラム, 不登校 - タグ: 会員限定記事, 人気記事, 当事者の声, コラム, 2023年7月15日号  「不登校して以来、家ですごしているのになかなか元気にならない」。そんな悩みを抱える親御さんはすくなくありません。半年、1年と時間が経っても、子どもが元気にならないのはなぜか。原因の1つとして、親の言動が子どもの元気を奪っているかもしれません。その具体例を挙げながら、親にできることについて考えます(※画像はイメージです)。 * * * 子どもが不登校をしたとき、安心できるわが家ですこしずつエネルギーをためていくことが、子どもがふたたび動き出すうえで欠かせません。他方で、半年、1年と時間が経っているのに「子どものようすが以前とかわらない」という不安を親の方からよく聞きます。家ですごしているのに、子どもが元気にならない理由は何か。不登校経験者と専門家の語りから考えます。 中2で不登校 転校がきっかけ  中学2年生のとき、転校を機に、不登校になったAさん。グループ意識が強かったクラスで孤立し、部外者のようにまわりから扱われるいじめを受けました。しかし、Aさんはそのつらさを両親に打ち明けることができませんでした。  「人に迷惑をかけるな」とつねに言われて育ったAさんにとって、厳格な両親に学校でのつらさを話すことができなかったのです。その後、心身の限界を迎え、しばらく学校を休んで家に居たAさんですが、父親から「世間体があるから学校へ行け」と言われるなど、両親は休むことを認めてくれませんでした。  その結果、Aさんは爆発します。「私は学校へ行きたくない。私と世間のどちらが大事なのか」と、両親の前で泣きながら訴えたのです。その日からAさんの両親は何も言わずに学校を休ませるようになり、学校へ戻すために家庭訪問に来た担任にも毅然とした態度で「子どもが行きたくないと言うので行かせません」と伝えた対応は、Aさんの大きな支えになりました。  Aさんの場合、結果的によかったとふり返ることができるケースです。しかし、もしAさんの訴えの後も両親の対応が変わらなかったらどうなっていたか。または、もっと早い段階で、両親がAさんのつらさに寄り添えていたならば、Aさんが傷つくことを回避でき、より早く元気をためることができた、と考えられます。 今も耳に残る ドアを閉める音  子どもが元気にならない、または元気を奪うのは親の言葉だけではありません。不登校の子どもの父親であり、不登校の親の会やフリースクールに... --- ### 「家でも学べる」は本当ですか 不登校6年目の母親の本音 - Published: 2023-07-11 - Modified: 2024-09-17 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1731/ - カテゴリー: 連載, 不登校 - タグ: 会員限定記事, 【連載】私の子が不登校になって, 2023年7月15日号  「家でも学べると言うけれど、本当ですか?」ふうさんの息子さんは保育園から行き渋り、今年小学校を卒業しました。「今では息子の成長を感じる」と言う、ふうさんですが、それでも葛藤はあると言います。家で子ども見守る親の本音を書いていただきました。(リレー連載「私の子が不登校になって」第3回)※写真は公園で遊ぶ息子さん * * *  息子は保育園の年長から行き渋りが始まり、しだいに身体症状(頭痛、喘息)と自傷(自分の頭を叩く)が出るようになりました。児童精神科を受診し発達障害と診断され、これまで過剰適応してすごしていたことがわかりました。  しかし登園できないということは、私が勤務できなくなるということ。とても困りました。また、私が働いていたために愛着形成がうまくいかなかったのではないか、と自責の念でいっぱいでした。  初めのころは泣きさけぶ息子をムリやり車に乗せて行き、園の先生に「お願いします」と渡していました。  しかし息子の抵抗はどんどん強くなり、朝から押し入れに隠れることもありました。出勤前のこの状況に疲弊しました。  そして、児童精神科の先生から「お子さんはもう限界ですよ」と言われてから、私は仕事を辞め、息子に向き合うことに専念しました。化石掘り、鉱物集め、中古のおもちゃ集めなど、息子がしたいことをいっしょにするようになります。  それから6年半経ちました。小学校は混沌の最中に入学し、最初は荒れていましたが、2年生になるとだいぶ落ち着きました。その後、学校とは家庭訪問のみで、ゆるくつながりながら、今年3月に小学校を卒業しました。  今息子は自宅でゲームとユーチューブざんまいの日々ですが、自分の考えを言葉で表現できるようになり、とても成長を感じます。本人も「早い時期に不登校になったことで、世のなかにはいろんな生き方があることをネットで知ることができた」と言っています。いつのまにか雑学博士みたいになっていて、どんな話題でもおしゃべりできます。英語に興味を持つようになり勉強も始めました。  ただ私としてはいろいろ思うところもあります。「不登校でも家で学べる」という考えがありますが、私は半分肯定、半分は割り切れなさを感じます。たしかに学校や外の学び場に行かなくても学べることはあります。しかしこれには親の時間と経済的な負担が必要です。  また親子ですごす時間が長くなると、私... --- ### 兄弟同時に不登校。見守る母の本心「なぜ、うちだけが」。 - Published: 2023-07-11 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/parents/1759/ - カテゴリー: 保護者の体験談, 不登校 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 親の思い, 発達障害, 2023年7月15日号 - ハッシュタグ: 発達障害, 通信制高校  岡本まゆみさん(仮名)のお子さんは、4人のうち3人が不登校を経験しています。きっかけや道のりもそれぞれちがう、お子さんの不登校に向き合い続けている岡本さん。「兄弟連続で不登校になり、余裕がなくなった」と語る岡本さんに、率直な胸のうちをお話しいただきました。 * * * ――まずは、それぞれのお子さんの不登校について教えてください。 うちには高2の長女、中3の長男、小6の次女、小3の次男と4人の子どもがいます。4人のうち、長女、長男、次男が不登校を経験しています。  長女は中学校の3年間、ほぼ不登校でした。原因は起立性調節障害です。頭痛や吐き気、めまい、動悸息切れの身体の不調に加え、不眠もひどく食欲もありませんでした。長女は私立の中学校へ進学したので、環境の変化についていけない部分があったのだと思います。今は通院しながら、通信制高校に通っています。  長男は、今、絶賛不登校中です。学区外の小規模特認校という中学校に通っていましたが、2年生の11月から不登校になりました。適応指導教室(現・教育支援センター)へ行っていた時期もありましたが、学校や部活にはほとんど行けていない状態です。長男には、ADHD(注意欠如・多動症)とLD(学習障害)という発達障害があります。小学校までは特別支援学級へ通っていたので、中学校での集団授業や環境のちがいが負担だったのかなと思っています。  じつは長男を中学校に進学させるとき、支援学級か通常級かですごく悩んだんです。  うちの子は発達障害の診断を受けてはいるのですが、あまり特性が強くなく、そのぶん、判断が難しくて。学習や生活面が支援学級だと比較的かんたんで、普通学級だと難しすぎるんです。そんな背景があり、さらに支援学級だと記録に残って高校進学に影響する部分もあったので、悩み抜いて最終的には今の中学校への入学を決めました。  でも、この選択肢が正しかったのかは正直わかりません。発達障害は、環境も対応も本人にとってよいものが本当にわかりにくいんですよね。学校の先生と何度も話し合ったり、病院へ行ったりもしていますが、わが家はまだ「これ」という選択肢や対応に出会えずにいます。今もずっと手探り状態です。  ただ、当の本人である長男は、学校の行事でも自分が楽しみなことであれば、前向きになる瞬間があるんです。最近はどうやら修学旅行が楽しみらしくて。この... --- ### 「生きやすさ」を求めて 僕が昼夜逆転した理由 - Published: 2023-07-11 - Modified: 2024-09-17 - URL: https://futoko-online.jp/children/1780/ - カテゴリー: 子どもの体験談, 不登校 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2023年7月15日号  中2の不登校中、絶賛「昼夜逆転生活」を送っていた、スライムさん(仮名)。なぜ、昼夜逆転は起きたのか?執筆いただきました。 * * *  僕は、小学生と中学生のころに数回、不登校になったことがある。1番不登校が長かったのは、体罰が原因で行けなくなった、中学2年生のとき。当時の僕は絶賛、昼夜逆転生活を送っていた。学校へ行かず、夜中はアニメ三昧。一通り気になるアニメを観終わったら、朝の5時に寝て、昼すぎに起きる日々。  まわりの人から見たら、心配になる生活リズムだったと思う。でも、僕にとって昼夜逆転は必要なものだった。みんなが学校へ行っている時間、本来なら自分が学校へ行かなければいけない時間に起きているというのは、なかなかつらい。自分が学校へ行っていない自覚がむくむく膨れあがってくるし、朝から昼にかけては「今から行けばまだ2限目に間に合う」という気持ちと「やっぱり行きたくない」という気持ちのあいだで何度も揺れ動く。そんな時間がつらすぎて、おのずと僕は朝を避けるようになった。  反対に夜は居心地がよかった。みんなが寝静まっている時間に好きなことをするのはストレス発散になったし、何より自分自身を静かに見つめる時間にもなった。昼夜逆転という生活がなければ、僕の心は窮屈で、もっと追い詰められていたと思う。きっと、当時の僕にとって、昼夜逆転は「生きやすさ」につながっていたはずだ。(スライム・20代) (初出:不登校新聞606号(2023/7/15発行)。掲載内容は初出時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### 『暗殺教室』作者の松井優征さんに聞く 弱いまま、逃げながら、どう生きるか【全文公開】 - Published: 2023-07-06 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/interview/1790/ - カテゴリー: インタビュー, 不登校 - タグ: 無料記事, 2023年7月1日号  大ヒット漫画『暗殺教室』の作者で知られる漫画家・松井優征さん。現在は鎌倉幕府滅亡後の動乱のなか、「戦って死ぬ」とは反対の「逃げて生きる」ことを選んだ主人公を描いた『逃げ上手の若君』を連載中だ。松井さんに「弱いままでどう生きていくか、逃げながらどう生きていくか」を聞いたのは、不登校経験者のコミュニティ「不登校ラボ」メンバーの古川寛太さん。激務のなか、メールでのインタビューにお答えいただいた松井さんが語る「逃げる」ことの意味とは(※画像は『逃げ上手の若君』1巻表紙©松井優征/集英社)。 * * * ――この度は取材を受けていただき、ありがとうございます。週刊連載中というご多忙のなか、なぜ私たちの取材を受けていただけたのでしょうか? 自分自身が学校生活から社会生活まで生きづらいと思う場面が多々あり、どこかで同じ思いをしている若い人たちのヒントになればと思い、受けさせていただきました。考え方ひとつ、生きる場所、人付き合いの選び方など一つ変えるだけで格段に気が楽に楽しくなることもあります。 ――『不登校新聞』という名称(※)のためか、取材をお願いする際に身構えられてしまうこともあります。『不登校新聞』の取材依頼があった際、どう感じられましたか?(※初出媒体の名称です)  一目見てどういう媒体かわかるので、とてもいいと思います。売名目的や、暴利をむさぼる団体に思う人はいないでしょう(笑)。大仰な言葉、強そうな言葉、綺麗で格好いい言葉で飾り立てる相手より、ずっと信頼できると思います。  また、名前やコンセプトを一目見て、どういう読み方、どういう接し方をしたらいいかわかりやすい、というのは、漫画をつくるうえでも大事なことだと思います。 ――松井さんの子ども・学生時代のことから聞かせてください。どのような子どもで、どのような学生時代をすごされてきたのでしょうか。  声が小さく、アドリブでパッと言葉が出てこないタイプなので、やはり子どものころはいじめられていました。みなと笑いのツボがちがったり、みなが楽しいと思うことを楽しめなかったり、教科書に書いてある通りのことを答えられなかったり。  もちろん友だちとすごす時間で楽しいものもいっぱいありましたが、メインは1人で遊ぶのが一番好きな子でした。歳をとるにつれ、いくつか人との摩擦を減らすやり方を憶えましたが、根本的には1人が好きなのは今も... --- ### いじめから子どもをどう守るか データで読み解くいじめの実態と具体的解決方法 - Published: 2023-06-28 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/books/1807/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 2023年7月1日号  文科省の最新の調査によると、2021年度における学校のいじめは61万件超と過去最多を更新しました。学校におけるいじめから、いかにして子どもを守るか。調査データや社会理論などのエビデンスをもとに、荻上チキさんが具体的解決法について提言された1冊を紹介します(※画像は「いじめを生む教室 子どもを守るために知っておきたいデータと知識」) * * *  文部科学省によると、2021年度に学校が認知したいじめの件数は61万5351件、いじめ防止対策推進法で規定されている重大事態は705件と、ともに過去最多を更新しました。学校におけるいじめから、いかにして子どもを守るか。  いじめに関する国内外の調査データや理論を紹介しながら、いじめの具体的解決について論じた「ストップいじめ!ナビ」代表理事・荻上チキさんの著書を紹介します。  冒頭でいじめが過去最多を更新したことに触れましたが、荻上さんは「増減について確定したことは言いにくい」と指摘します。なぜなら、文科省の調査はあくまで学校側が認知した報告件数であり、実際の発生件数ではありません。どれだけのいじめが発生しているかという実態を把握しないまま、いじめ対策が議論されている現状の問題点にふれるとともに、適切な調査統計を行なう必要があると指摘します。  また、荻上さんが滋賀県大津市で行なった2つの調査によると、6月と9月から11月にかけて、いじめの発生のピークであるという結果が出ています。この点について荻上さんはさらなる調査が必要と前置きをしたうえで、同様の調査を行なうことにより「どの時期に重点的に見回りをすべきかなど、いじめ対策の行動計画をより効率的に考えられるようになる」と指摘します。  荻上さんはいじめにおける環境改善のアプローチとして「不機嫌な教室をご機嫌な教室に変える」ということを提案しています。ストレスがすくなく、みんなが安心してすごせる教室をつくるために「わかりやすい授業をする」「教師がストレッサーにならず、取り除く側になる」など、7つの取り組みを掲げています。親だけでなく、学校の先生にも読んでいただきたい1冊です。(編集局・小熊広宣) 『いじめを生む教室 子どもを守るために知っておきたいデータと知識』 荻上チキ 著 株式会社PHP研究所 1012円(税込) --- ### 7月18日より出願開始 不登校からの高卒認定 知っておきたい6つのポイント【全文公開】 - Published: 2023-06-28 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/1800/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, コラム, 2023年7月1日号  毎年夏と秋に実施されている「高等学校卒業程度認定試験」。合格することで、高校に通っていなかった人でも、大学や専門学校へ進学することができるようになります。今年2回目の高認の出願期間が7月18日から始まるなか、不登校からの高卒認定試験について、必要な事前準備や実際の受験において大事なポイントについて考えます。 * * *  毎年2回実施されている「高等学校卒業程度認定試験」(以下、高認)。今年度2回目の試験の出願が7月18日より始まります。昨年度は合わせて1万7154人が受験し、全科目合格者は7961人でした。  不登校経験者のなかにも、高認を受験し、専門学校や大学へ進学した人が多くいます。そこで今回は、不登校経験者の語り、学び直しの支援を行なう専門家の指摘をふまえ、不登校と高認における大事なポイントについて考えます。 高1で不登校 19歳で高認を  高1の夏休み明けから不登校になったAさん。出席日数が足りずに留年したのち高校を中退、それから2年ほどひきこもります。Aさんが高認を受けたのは19歳のとき。「社会に戻るためには大学進学しかない」と思ったことがきっかけでした。  東京でひとり暮らしをしながら塾通いを始めたAさんは「勉強がまったく手につかない」という壁にぶつかります。かつて優等生だった自分と現在の自分、大学へ進学している同級生と高認の試験問題さえ解けない自分。さまざまな比較をするなかで「自分だけ取り残されたような感覚だった」とAさんはふり返ります。その後、高認を取得したAさんは21歳で大学に進学。いくつかの会社を経て、教育関係の会社に勤めます。  高認を考えている不登校経験者と周囲の大人に伝えたいことがあるとAさんは言います。それは「エネルギーをためる時間を大事にすること」。勉強する内容ではなく、勉強するスタートラインに立つまでに苦労したAさんは「勉強したいという気持ちが湧きあがってこない自分を責めないでほしい。動き出すためのエネルギーがたまっていないだけで、あなたが悪いわけじゃない」と語ります。 高認の受験で注意すべきこと  キズキ共育塾で学び直しの支援に取り組む半村進さんは「高認を受験するうえで大事なポイントが6つある」と指摘します。  1つめは「出願期間」です。7月18日から始まる出願の場合、試験日は11月4日~5日ですが、出願締め切りは9月8日です。... --- ### 「娘が知らない男性と会っています」そんなとき、親が一番してはいけないこと - Published: 2023-06-28 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1926/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2023年7月1日号  「娘が知らない男性と会っています。とても心配です」。そんな相談を受けたのは不登校支援に携わる土橋優平さん。土橋さんは「一番のNG行動は怒ること」だと言います。では子どもにどのように対応をすればよいのか。土橋さんに書いていただきました。(連載「出張版 お母さんのほけんしつ」第17回)※画像はイメージです。 * * *  「娘が知らない男性とネットでつながって会っているようで、とても心配です。娘にどう伝えたらいいのでしょうか」というご相談を先日受けました。今の時代、ネットやSNSで誰とでもつながることができますよね。こんなとき、どう考えればよいのでしょうか。  一番やってはいけないのは、知らない人とつながることについて「怒ること」です。親御さんの不安な気持ちはわかります。いろいろ想像してしまいますよね。「もし連れ去られでもしたらどうしよう」、「もし体の関係をもって妊娠だなんてことになったらどうしよう」、そんなネガティブな想像が浮かぶから心配になるんだと思います。  ここで「そんなことやめなさい!」と怒ったとします。もしかしたらその後、知らない人と会うようすが一切見えなくなるかもしれません。ですが、じつはそれは「見えなくなった」というだけで、隠れて行なわれている可能性も大いにあるのです。  親は子どもの行動を抑制するために「怒る」ということをします。ですが怒られた側は、その内容についてはほとんど記憶に残らず、怒られたという事実とその恐怖心やイライラだけが記憶に残ってしまうのです。子どもはなぜ怒られたのかを理解していないので、行動をやめようとは思いません。そうなると子どもは、「怒られないようにするために」隠れて、もしくはウソをついてその行動をしようとするのです。「バレなければいいだろう」と頭は理解してしまうのですね。つまり、親が怒っても子どもの行動を抑制することにはならないのです。 信頼関係こそ 何よりも大切  ではネットで知り合った男性と会っていたとき、どうすればよいのでしょう。もっとも大切なのは、何かが起きたときに子どもから話をしてくれるような親子関係を築いておくことです。「何かが起きたときではもう遅いんです」という声が聞こえてきます。わかります。ですが、怒るという行動をとってしまうと、その何かが起きたことすらも子どもは教えてくれなくなってしまうのです。「こんなこと親... --- ### 「ゲームのやりすぎで心や脳はゆがまないの?」5つの親の疑問に児童精神科医が答えます - Published: 2023-06-28 - Modified: 2024-11-30 - URL: https://futoko-online.jp/interview/1935/ - カテゴリー: インタビュー, 不登校 - タグ: ゲーム・スマホ, 会員限定記事, 人気記事, 識者の指摘, 2023年7月1日号 - ハッシュタグ: 関正樹  「うちの子はゲームばかり、脳や心への影響が心配です」、「うちの子はゲームで負けると叫んだり、暴れたりします。親はどうすればよいのでしょうか」。  そんな悩みを抱えている不登校の子を持つ親はすくなくありません。そもそも、ゲームのやりすぎで、脳細胞が壊されるということはあるのでしょうか。  ゲーム問題にくわしい児童精神科医・関正樹さんに、不登校のわが子のゲームで悩む親からの5つの質問にお答えいただきました(※写真は関正樹さん)。 * * * 石井志昂(以下・石井)みなさま、おはようございます。全国不登校新聞社代表理事の石井です。学校の行きしぶりや不登校が始まり、子どもがゲーム漬けになって困っているという話をよく聞きます。 そこで本日は「ゲームのやりすぎで心や脳は歪まないの?」というテーマで、児童精神科医の関正樹さんにお話をうかがいたいと思います。まず初めにお聞きしたいのですが、不登校でゲームにハマる子どもは、やはり多いのでしょうか。 関正樹(以下・関) 実感としては、とても多いです。学校を休み始めると、多くの子どもが後ろめたさを感じます。起きている時間にずっと学校のことを考えてしまうなど、いやな考えが湧いてきやすいです。それを打ち払うために寝てしまうこともあるし、ユーチューブなどの動画やゲームに向かうこともあります。 石井 ゲームと子どもの関わりで困っている保護者のみなさまから事前にアンケートに答えていただき、整理してみました。 これから関さんに、5つの質問についてお答えいただきます。1つめは心の問題です。  「うちの子はゲームで負けると、叫んだり床をたたいたり、悪態をついたりします。集合住宅に住んでいますが『下の階の人に迷惑だよ』と言っても聞きいれません。気持ちの落ち着かせ方や、切り替え方法などはあるのでしょうか」。 関 「近所迷惑になるからやめて」と言われて「しまった」と思える子どもはとても冷静な状態です。でも、実際はお子さんはすでに興奮しています。ですので、「お兄ちゃんが勉強してるんだよ」などと注意されると逆に「俺のゲームの邪魔をするなよ」と反発する気持ちから、より怒りがコントロールしにくくなることが考えられます。負けたときの悔しさや怒りの気持ちが背景にあることを踏まえて「どうやったらお子さんが怒りを抑えたいと思ってくれるか」という視点に立つことが大事になってく... --- ### 「育て方を間違えた。息子を殺して自分も死のう」あれから8年 母と息子に訪れた変化 - Published: 2023-06-28 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1910/ - カテゴリー: 連載, 不登校 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 【連載】私の子が不登校になって, 2023年7月1日号 - ハッシュタグ: 通信制高校  めいめいさんの息子さんは、小学1年生で不登校。当時は「育て方を間違えた。息子を殺して自分も死のう」と絶望したと言います。それから8年、今の息子さんのようすは「学校へ行っている子と同じですよ」とめいめいさん。息子さんとの8年間を書いていただきました。(リレー連載「私の子が不登校になって」第2回)※写真はめいめいさん * * *  息子が不登校になったのは小学校1年の7月。同じクラスの仲よしだった子から暴力を受けたことがきっかけだった。ある朝、起きた途端に「もう学校行かない! 学童も行かない!」とはげしく泣き出した。  保育園までは問題なく通っていた息子が、なぜ行きたくないのか。私は原因を探した。  最初は自転車の後部座席に乗せて、だましだまし学校へ連れて行った。そのうちに本格的に行きたがらなくなったので、休ませることにした。言葉であれこれ説得したが、効果はなかった。  私は息子の将来に絶望した。私が息子を自由に育てすぎたから学校という集団生活になじめなくなってしまったんだ、と自責の念にかられた。育て方をまちがえた。もう息子はおしまいだ。「息子を殺して自分も死のう」とまで思った。今思い出しても、あのとき以上につらいことはない。  あれから8年ほど経った。息子は今、通信制高校1年生。「今の息子のようすは?」と聞かれたら、「学校へ行っている子と同じですよ」と答えるだろう。家族との会話や笑いもあり、旅行にも行く。ゲームが好きで、ゲーム友だちやネットの友だちもいるようだ。ゲームで大騒ぎしている姿は、とても楽しそう。 ひらがなから再学習  勉強は中学校2年生のときに、ひらがなを書くことから始めた。その後、通信制高校へ進学。一度は留年して落ち込んでいたが、今はすっかり元気になっている。よくここまで腐らずやってきたと息子を心から尊敬している。  私は私で、栄養士の仕事をしながら、いずれ不登校に関わる仕事をしたいと思っている。将来は、自宅で「不登校家族が集う食育サロン」を開くのが夢だ。  息子が不登校だった8年間、とくに最初の数年は本当に苦しい日々だった。しかし何事も経験で強くなれる。今思えば、私にとっても息子にとってもよい結果になった。不登校当初は私の体調が悪くなったが、そのおかげで健康を大切にしたり、日々ある喜びを感じることができている。  不登校について思うことは、登校するかし... --- ### 「子どもの信頼を得る」 子どもの話を聞く際に大事にすべき4つのポイント【全文公開】 - Published: 2023-06-07 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/parents/2047/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 無料記事, 親の思い, いじめ, 2023年6月15日号  「傾聴」という言葉をご存じですか?話をただ聞くのはなく「傾聴」することで、相手との信頼関係が深まると言います。今回は傾聴を通して不登校親子をサポートする、傾聴カウンセラー・辰由加さんにインタビューしました。傾聴にとって大事な4つのポイントなどについて、お話しいただきます(※写真は辰由加さん)。 * * * ――息子さんがいじめをうけていたり不登校になったりなど、家族で苦しんだ時期があったとのことですね。  はい。現在すでに成人している長男は小中学校時代を通していじめにあっていて、不登校だった時期もありました。小学1年で学校へ行かなくなったとき、私は「みんなは行くのに、うちの子は行かない」ということにとらわれてしまって。よかれと思って、友だちに誘いに来てもらったり声を荒げたり、学校へ行かせる方法ばかり考えていたんです。  そんなとき、ある方に相談したら「お母さん、子どものこと愛してる?」と言われました。「愛してますよ、もちろん! だから、みんなと同じように学校へ行ってほしいと思っているんです」と答えたら、「誰がそうしたがってるの? お母さんじゃないの?」って。そう、「よかれ」は私にとっての「よかれ」。いつのまにか、子どもではなくて自分が主役になっていたんです。  その後、長男が非行に走って家族との関係も悪化するなかで、どうにかして彼の話を聴けるようになりたいと思ってカウンセリングを学び、そこで「傾聴」に出会いました。傾聴というのは、カウンセリングの技法のひとつ。「どんなあなたでもいいんだよ」、「あなたの正解はあなたのなかにあるよ」と相手を主役にして話を聴くことで、信頼関係が構築されていきます。  そして、話す側はすこしずつ自己肯定感を高めて、自分で意志決定をしながら前を向けるようになっていきます。カウンセラーの世界では、近親者へのカウンセリングは感情が入りすぎてしまうのでNGだとされているのですが、傾聴にかぎっては、私自身が大きな効果を感じました。 傾聴のやり方 ――子どもの話をただ「聞く」のではなく「聴く」、つまり傾聴するために、具体的にはどのようにしたらいいのでしょう?  大前提として、子どもの気持ちが閉じていたり、「お母さんには話したくない!」と言ったりするような状況では、無理に聴こうと思わないことです。「話したくない」というのも大事な自己決定。カチンとくるか... --- ### 今欲しいのは「1人になれる時間」 小2の子どもの不登校を見つめる親の気持ち - Published: 2023-06-07 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1999/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】私の子が不登校になって, 2023年6月15日号  あやさんの息子さんは小学2年生で不登校。当初は「息子が学校に行けない」という事実を受けとめきれず、泣けて泣けてしょうがなかった、とあやさんは言います。息子さんの不登校経験とあやさんの思いを掲載します。(新連載「私の子が不登校になって」第1回)。なお、今号より始まる新連載「私の子が不登校になって」では、読者の方からの寄稿もお待ちしています(※写真はあやさんお気に入りのカップ)。 * * *  小学校2年生の9月後半、息子が不登校になった。「ついに、か」というのが正直な気持ちだった。幼稚園から登園しぶりがあり、いつか不登校になるのではと思っていた。  小学校へ入学して2週間で登校を拒否、毎日教室まで送っていた。やっと学校へ行かなくていいと安堵。それと同時に、今までやってきた送り迎えや励まし、そうしたことがすべてムダだったのかもしれないという思いもあった。覚悟はしていたが、予想以上に受けとめきれなかった。身体に力が入らず泣けて泣けてしかたなかった。  学校へ行かなくなってからはとにかく子どもがリラックスしてすごせるように努めた。学校の話題はなるべく出さない。登校は促さない。朝は起こさない。「どうやったら行けそうか」も聞かない。極度に拒否することはしない。「行きたい」と行ったところへ行き、「食べたい」と言ったものは用意する、甘やかしかもしれないが、息子にはそれが必要なんだと思った。  今、不登校が始まってから半年経った。息子は元気でよく笑うようになった。イヤなものはイヤ、やりたいことはやる。こんな子どもだったな、と本来の息子に戻った感覚。約束していたゲーム機を買ってからは生活に張りが出た。学校の勉強はしていないが、気持ちの折り合いをつけていたり、英語を自然と覚えていたりして、ゲームから学びがあると感じる。  息子の不登校は私の大切にしていた「あたりまえ」をよい意味で壊すきっかけをつくってくれた。私自身、学校へ行くのがつらい時期が何度かあった。がんばって学校へ行っていた自分を否定されたような気持ちになったときもあるが、今は自由にすごす心地よさを息子から教えてもらったような気がする。  私が今ほしいもの、それは1人ですごす時間だ。母子分離が難しく、留守番ができないので、つねにいっしょにいなければならないのがつらい。家のなかでもおなじ部屋にいないと不安そうにすることがある。せめ... --- ### 「親の一番の望みは再登校か」 不登校の子どもに笑顔と元気が戻るために親にできること - Published: 2023-06-07 - Modified: 2024-08-29 - URL: https://futoko-online.jp/column/1992/ - カテゴリー: コラム - タグ: 会員限定記事, コラム, いじめ, 2023年6月15日号  不登校の子を持つ親にとって、一番の望みとは、子どもがふたたび学校へ行くようになることでしょうか?それとも以前のように、笑顔を浮かべ、元気になることでしょうか?今回は、不登校の子どもが笑顔と元気を取り戻すために、今日にでも実践できる「親にできること」を紹介します。 * * *  わが子が不登校になったとき、「ふたたび学校へ行くようになってくれたら」と考える親はすくなくありません。しかし、親にとって、再登校することが一番の望みなのでしょうか。  「笑顔が消えた子どもの表情がまるで能面のようだ」、「親がいないあいだに子どもに何かあったらどうしよう」などと悩む親からは「子どもが以前のような笑顔と元気を取り戻すこと」を切実に望まれている声をよく聞きます。  不登校したわが子が笑顔と元気を取り戻すために、親に何ができるのか。不登校経験者と専門家の指摘から考えます。 「ほめる」より「喜ぶ」が大事  近年、「子どもの自尊感情が低下している」という指摘をよく目にします。そのため、子どもを「ほめる」ことで伸ばしていくという手法や関連書籍が大きな注目を集めたこともありました。  この「ほめる」ということに疑問を呈するのが、発達心理学者の浜田寿美男さんです。浜田さんは「『ほめる』という行為自体が上から目線であり、大人にほめられて素直に喜ぶのは10歳ごろまで。それ以降の年齢の子どもをほめるということは想像以上に難しい」と指摘します。  では、どうすればよいのでしょうか。それは「ほめる」ではなく「喜ぶ」を大事にするということ。子どもが何かすることで誰かが喜んでくれたという実感と経験の積み重ねが、子どもの自尊感情を下支えする土壌につながっていくと、浜田さんは言います。 支えになった 父親の一言は  「喜ぶ」という大切さについて、体験談を紹介します。Aさんは中学2年生のとき、同級生からのいじめによって不登校になります。「周囲と同じようにすごすことができない」と自分を責め続けたAさんは、生きる気力を失い、自殺未遂をはかるまで追いつめられていました。  ある日、Aさんは何気なくご飯づくりを手伝いました。それを食べた父親が笑顔でこう言ったのです。「うん、おいしい、すごくおいしいよ」。この父親の一言が、「私には何もない」と絶望していたAさんの支えとなり、生きる力になっていったのです。Aさんの父親は、単純... --- ### 「叱る」ではなく「伝える」 よい親子関係を築くためのコミュニケーションのコツ - Published: 2023-06-06 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/books/2024/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 2023年6月15日号  親だけが、がんばらなくていい――。ジャーナリスト・岸田雪子さんが「よい親になること」よりも「良い親子関係を築くこと」を大事にするため、親子のコミュニケーションにおける「聴き方」と「伝え方」のコツについて解説した本を紹介します。「ほめるは認めるに変換する」「叱るは伝えるに変換する」という極意とは(※画像は『スウェーデンに学ぶ「幸せな子育て」子どもの考える力を伸ばす聴き方・伝え方』)。 * * * 「よい親になること」よりも「よい親子関係を築くこと」を大切にするため、親子のコミュニケーションにおける「聴き方」と「伝え方」について解説した、ジャーナリスト・岸田雪子さんの著書を紹介します。  本書では、子どもへの体罰を禁止する法律をつくったスウェーデンの子育てやカナダの臨床心理学者と国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン」が開発した親を支援するプログラムについても取りあげています。  そのうえで、「ほめるよりも認める言葉に変換すること」と「叱るよりも伝える言葉に変換すること」の2つを実践していくなかで、親が困る具体的な場面を例に挙げながら親にできることを考えていきます。  「叱る」については、親を困らせている子どもの「行動の理由」に焦点をあてることが重要であり、「怒鳴る・脅す・罰を与える」という叱り方は子どもに恐怖を与え、脳科学の観点からもデメリットがあると岸田さんは指摘します。  「叱る」ではなく「伝える」に変換する言葉がけについて、岸田さんは①子どもの気持ちをキャッチする、②こうしてほしいを具体的に提案、理由もいっしょに、③子ども自身を否定しない、④わかってくれたら認める、⑤まちがえたら親も謝る、の5つのポイントがあると言います。子どもの感情をありのまま受けとめ、「〇〇してほしい」と伝え、子どもを否定する言葉を使わず、子どもの変化を認め、ときに親が謝ることで失敗してもやり直せることを子どもは学ぶと、岸田さんは言います。  不登校の子を持つ親にとって「わが子にどんな言葉がけをすればよいか」というのは悩みの種の1つです。「聴き方」と「伝え方」のコツが詰まった本書をおすすめします。(編集局・小熊広宣) 『スウェーデンに学ぶ「幸せな子育て」子どもの考える力を伸ばす聴き方・伝え方』 岸田雪子 著 三笠書房 1650円(税込) (初出:不登校新聞604号(2023/6/15発行)。掲... --- ### 「休んでもいい」という言葉を受けいれられない子どもにしてはいけない親のNG対応 - Published: 2023-06-06 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2010/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2023年6月15日号  「私は『不登校でもいいんだよ』と言っているのに、子どもは自分を責め続けているんです」そんなご相談をよくいただきます。親がいいよと言っているのに、子どもはなぜ自分を責め続けているのか。そして、そんな子どもに、どのように対応したらよいのか。不登校支援に携わる土橋優平さんに書いていただきました。(連載「出張版 お母さんのほけんしつ」第16回)。 * * *  「もう私は学校へ行かなくていいと思っているんです。でも本人は学校へ行けない自分のことを責めているんです。どうしたらいいのかわからなくて」。そんなご相談を親御さんから受けることがあります。親御さんは子どもの不登校を受けいれているけれど、子ども自身がそれを受けいれられていないという状況でした。同じようなお悩みを抱えている方もいらっしゃると思います。なぜこうしたことが起きるのか、どうしたらよいのかについて書かせていただきます。  なぜ親が不登校を受けいれても、子どもは受けいれることができないのでしょう。それは子どもたちが社会の大勢の人が持つ価値観を素直に自分に取りいれているからです。もちろん親御さんがこれまでの親子のコミュニケーションのなかで「学校へ行きなさい」と伝えたこともあると思います。ですがそれ以上に、学校や社会のなかで「学校を休むのはよくない」、「学校は行かねばならない」といったことを見聞きし、子どもにその価値観が強く残ってしまったのです。  SNSやネットでそうした情報を見た子もいるでしょう。だから親から急に「休んでもいいんだよ」と言われても、すぐに「うん、そうだね」とはならないのです。「え、だって学校は行かないといけないんでしょ」、「学校行かないとダメ人間になっちゃうじゃん」と思ってしまうのです。  こうした価値観にこだわりを持つ背景には2つ理由があります。まずは元々の性格です。真面目な性格で、物事を白黒はっきりつけるタイプの子は「こうあるべき」という考えを強く持ってしまうことがあります。  もう1つは精神的に不安定な状態にいるときです。人はつらければつらいほど、安全安心を第一に求めるため、今の状態から変化することや周囲とちがうことを極端に恐れるようになります。今回で言えば「学校を休む」という大勢の人がしない選択に対して、強く拒絶するようになります。 やるべきことと やらないこと  ではこんなとき、親としてど... --- ### 私のなかのモヤモヤを言葉に 不登校経験者が実体験をもとに読む短歌 - Published: 2023-06-06 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/children/2054/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2023年6月15日号  今年2月、不登校経験者が集まって短歌を詠み合う、前代未聞の「不登校歌会」が開催されました。不登校だからこそ、詠める歌がある。不登校歌会を企画した「不登校ラボ」のかんたさんに、歌会のようすや披露された歌を紹介していただきました(※画像はイメージです)。 * * *  昨年7月、『不登校新聞』が歌人の俵万智さんにインタビューをしました(586号掲載)。僕はその取材に同席こそできませんでしたが、完成した記事を読んでとても感動しました。「自分のなかのもやもやとした感情を、言葉にすることで一度立ちどまって見つめなおすことができる」と俵さんはおっしゃっていました。僕はすでに不登校は明けていますが、そんな今の状態でも大事にしたい言葉だと深く感じました。  よい作品とは、見た人に「自分も何かしたい!」と思わせるものだと言います。僕は俵さんの作品に感化されました。これは自分でもつくるしかない、と考えた僕は不登校経験者数人を招き「不登校歌会」を開催しました。今回は歌会当日に出された作品の一部を、作者の解説とともに紹介していきたいと思います。  * * * * 向かえども 答えの見えぬ 学び舎へ 今日も急げと くぐる踏切(かんた) 【解説】当時、学校に到着するためには、その手前にある線路を横断しなければいけなかった。遅刻して通学していた作者は、行きたくもない学校に不信感を持ちつつ渋々、それでも焦りながら高架をくぐっていた。 家のなか 外の賑わい 聞きながら ゲームにふける 心そこかな(もりっち) 【解説】家が学校に近かった作者は、放課後終業を告げるチャイムと下校しているであろう同級生の喧噪をかすかに聞きながら、意識半ばにゲームと向き合うことしかできなかった。 1階の 犬しかいない リビングで 時計をにらむ 12時半(かんた) 【解説】今日は出席するかどうか、判断の瀬戸際であった12時半に自室から1階に降りると、飼い犬と自分しかおらず、取り残された寂しさを感じていた。 ボロボロに なったワンピース 9巻を 読む君に今日 何があったの(まさき) 【解説】孤独な学校生活から帰宅し、悲しい気持ちを発散させるためにも、『ONE PIECE』の特別感動的な9巻を何度も読み返すことで心の穴を埋めようとした当時の自分。今作者が俯瞰で見て、ついかけてしまいたくなった言葉。 「詰めてくれ」 ステージは学 ... --- ### 「なんとかなると知っていた」娘の不登校に母があわてなかった理由 - Published: 2023-06-06 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/parents/2040/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 会員限定記事, 親の思い, 2023年6月15日号  若者への支援に長く携わってきた臨床心理士・鈴木晶子さんは、昨年、娘さんの不登校を経験した。支援者でありながら不登校当事者の母となった鈴木さんは、不登校はなんとかなると思ったものの、小学生を1人で留守番させられない、という共働き世帯特有の悩みもあったという。支援者と当事者の母という2つの視点を経験して見えてきたものについて、お話しいただいた(※写真は鈴木晶子さん)。 * * * ――鈴木さんは、不登校当事者のお母さんであると同時に、長年にわたってひきこもりや不登校などの支援をされてきた支援者でもあるのですね。  そうですね。小学3年生の娘が去年から学校へ行かなくなり、今はフリースクールに通っています。「行きたくない」と言われたときに思ったのは、「学校へ行かなくても、人生はなんとかなるよ」ということ。学生時代から支援の現場にいて、たくさんの方がひきこもりや不登校を経て社会へ出ていくところを見てきたので、「なんとかなる」ということだけはわかっていたんです。  私が初めて支援の世界に入ったのは、大学院生のときです。大学入試を目指しているひきこもりの男性のご自宅を2年にわたって訪問しました。年齢も近く、家庭教師兼話し相手という感じでしたね。  その後は、横浜市の青少年相談センターで行なわれていた20代のひきこもりの方々の居場所活動に参加しました。日ごろひきこもっている若者たちが週に1回集まって、いっしょにご飯をつくったりしながらすごすのです。ここでは、相談に行っても変わらなかった方々が、温かな居場所を通して変わっていく姿を目の当たりにしました。これまでで一番楽しかった仕事です。 できないことは聞いてみる  その後も若者の就労支援や高校に「校内居場所カフェ」をつくる活動など、さまざまな活動に関わってきました。そのなかで学んだのは、できないことは抱え込まず、ほかの分野の人に聞いてみるということ。支援の世界は縦割りであることが多いのですが、隣の分野の人がノウハウをもっている、というのはよくあることなんですよ。当時、そうした動き方を学んだおかげで、今では「越境の達人」と呼ばれています(笑)。  2017年には夫のアメリカ赴任が決まって、当時3歳だった娘を連れて渡米しました。貧困層への食糧支援に携わったことで、現地の「草の根」の強さを体験できたのは貴重な経験だったと思います。 202... --- ### 不登校の親にとって「ちゃんとさせなきゃ」より「ま、いっか」が大事な理由【全文公開】 - Published: 2023-05-30 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1658/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 無料記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2023年6月1日号 ゴールデンウィークや夏休み明けなど、大型連休明けは子どもが不安定になりやすい時期です。そんなとき、親はつい「ちゃんと学校へ行かせなきゃ」と気負ってしまうもの。しかし、大丈夫。もっと気を抜いていいんです、と不登校支援に携わる土橋優平さんは言います。子どもも親御さんも充分がんばっている。まずは自分を許してあげてください。(連載「出張版 お母さんのほけんしつ」第15回)※写真は不登校の子を対象にしたイベントのようす * * *  ゴールデンウイークなどの長期休暇後には、やはり学校へ行きたくないと言う子が増えてきます。不登校だっだけれど進学・進級のタイミングで学校に通うようになったという子も、ここで力尽きたように不登校に戻ることも。この時期は、子どもが不安定になりやすいです。あらためて今の時期だからこそ、私たちに何ができるのかを考えたいと思います。  先日、こんな質問を受けました。「学校だけでなく、フリースクールなど多様な学びの選択肢があることを、もっと世のなかに広めていくためには、私たちは何ができると思いますか」。たくさんのことが頭のなかをめぐりましたが、出た答えはシンプルでした。  それは「私たち大人が自分自身を許すこと」です。一見、質問に対する答えとしては遠いように感じるかもしれません。私も今こうして活字で見てみるとそう感じています。でも私のなかでは合致したんです。  これを読んでいる保護者のみなさんは、「どうしたら子どもは学校へ行くようになるのだろう」、「どうしたらこの子が笑顔になれるのだろうか」といったそれぞれの目標を描きながら日々子育てをされていると思います。ゲームをしているようすが目に入れば「せめて30分でも鉛筆を握ってくれたらいいのに」、「ゲームは1日2時間って決めたのにどうして守らないの」。そんな気持ちが沸き上がってきます。「明日は行く」と言っていた子どもが翌朝になっていっさい起きる素振りがないと「昨日約束したのに」とショックを受けます。  その気持ちが生まれることは自然なことです。親として子どもに期待を持つことはごくごく自然です。でも私はこのイライラやショックの背景には、隠れたパワーワードがあると思っています。それは「ちゃんと」という言葉です。 呪縛のワード  ちゃんと勉強はしないといけない、ちゃんとルールや約束は守らなければいけない、といった考え方です... --- ### 追悼・芹沢俊介 若者の「言葉にならない思い」の代弁者 - Published: 2023-05-24 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/contribution/1670/ - カテゴリー: 寄稿 - タグ: 会員限定記事, 識者の指摘, 2023年6月1日号 2023年3月22日、評論家・芹沢俊介さんが亡くなった。享年80歳。芹沢さんは『引きこもるという情熱』、『「存在論的ひきこもり」論』などの著書に見られるように、ひきこもりについて当事者の側から考える思想家でもあった。また本紙論説委員を務め、過去何度も寄稿、また取材をさせていただいた。あらためてご冥福をお祈りするとともに、今回は不登校・ひきこもり経験者・喜久井伸哉さんが書いた追悼文を掲載する(※写真は芹沢俊介さん)。 * * *  芹沢さんは、若者の「言葉にならない思い」を代弁しました。文芸評論家として活動を始めましたが、90年代以降は、とくに家族や少年犯罪に関する社会時評で論陣を張った方です。2000年前後の著書を回顧すると、当時の日本社会が、いかに若者をめぐる鳴動の激しい時代であったかと思います。  『子どもたちはなぜ暴力に走るのか』(1998年)にくわしいですが、1997年の一時期にかぎっても、4月に宮崎勤への死刑判決、5月に酒鬼薔薇聖斗事件の発生、8月に永山則夫の死刑執行がありました。若者の犯罪とその報道が過熱し、家族とは何か、教育とはどうあるべきかが、根底から問われていった時代です。家庭内暴力や、ときに「親殺し」にまで至る少年犯罪は、理解不能な精神異常と見る向きが社会にはありました。教育現場に混乱が起き、「しつけ」の厳罰化を訴える声も起きていた。芹沢さんはその渦中にあって、若者の「言葉にならない思い」をとらえていた人です。 大人の「子殺し」  芹沢さんは、子どもによる「親殺し」の前に、大人たちによる「子殺し」が先んじていると指摘しました。  家庭や教育の場で居場所を失くし、子どもたちが追い詰められることで、非行に走ってしまう。犯罪という結果だけを見るのではなく、その背後に「どれほど子どもを傷つける環境があるか」を見つめていました。そのまなざしは『「孤独」から考える秋葉原無差別殺傷事件』(2011年)や、元農水事務次官長男殺害事件(2019年)についての発言でも、終生ブレることがありませんでした。 不登校中の私 15歳で出会い  私が最初に芹沢さんのことを知ったのは、図書館で見かけた『引きこもるという情熱』(2002年)です。私は8歳からの「不登校」で、中学時代には、同世代とまったく交流せずにすごしていました。当時15歳だった私は、他人事でない「ひきこもり」に... --- ### 子どもと向き合う際の極意 精神科看護師が10年の臨床経験から編み出した9つの合言葉【全文公開】 - Published: 2023-05-24 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/interview/1628/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 無料記事, 2023年6月1日号  「お寿司最高かよ」。いやいや、食べるお寿司ではありません。このフレーズは子育てをするうえで極意となるキーワードなのです。このキーワードを提唱したのは児童精神科病棟で働く「子どもの精神科看護師@こど看」さん。こど看さんは日々の経験をもとに、ツイッターとユーチューブで子どもへの関わり方について発信しています。こど看さんが「お寿司最高かよ」に込めた思い、子どもと向き合ううえで大切にしていることを聞きました。 * * * ――こど看さんはどんなお仕事をされているのでしょうか?  私は児童精神科の入院病棟で働いていて、入院している子どもたちの生活を支えるのがおもな仕事です。入院するということは何かしら診断が下っているということなのですが、発達途中である子どもへの診断はあくまで仮のものです。統合失調症や摂食障害など、さまざまな診断の子がいますが、子どもを診断の枠に当てはめて見ないようにしています。  ふだんの対応でも特別なことはしません。朝起こして、ご飯を食べてもらって、学校へ行くのを見送ったり院内ですごすのを見守ったりして、どの子にもふつうの生活を送ってもらいます。そのうえで、その子が困っている症状に介入していきます。 試行錯誤を重ねた10年  入院する子どもは家族と離れて慣れない場で暮らすので、最初は警戒しています。子どもの精神安定のために、私たち看護師は子どもと信頼関係を築くことが何より重要です。私は約10年間現場で子どもへの接し方を試行錯誤してきました。その結果意識するようになったことをまとめたのが、ツイッターで反響をいただいた「お寿司最高かよ」です。 ――「お寿司最高かよ」を拝見したとき、不登校の子どもを見守るうえでも極意になると感じました。あらためて、くわしく教えてください。  「お寿司最高かよ」は、「おびやかさない」、「すぐに助言しない」、「叱責しない」、「最後まで話を聞く」、「(子どもの)意向を軽視しない」、「子どもが使う言葉を使う」、「疑わずにいったん信じる」、「(子どもの)感情を否定しない」、「余計な一言を言わない」という9つの頭文字を取った言葉です。  「おびやかさない」は、子どもを危険にさらさないことです。そんなのあたりまえだ、と思うかもしれませんが、子どもをかんたんにおびやかせてしまうのが大人です。たとえば「(私に)そういうことを言うんだ?」という一... --- ### 現在の「不登校」対策にひそむ3つの問題点 - Published: 2023-05-24 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1664/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】今「不登校」を問うために, 2023年6月1日号 連載「今『不登校』を問うために」は今回で最終回となります。現在、「早期発見」や「チーム学校」での対応など、さまざまな「不登校」対策が唱えられています。しかし、現在の不登校対策には大きな問題が3つある、と中島浩籌(ひろかず)さんは言います。(連載「今『不登校』を問うために」第10回)※写真は中島浩籌さん * * *  最終回となる今回は、現在の「不登校」対策と新しいあり方への模索について考えます。現在、休養の大切さや自分を見直すことの大切さが唱えられています。またコロナ禍でデジタル化が進み、通学への圧力が緩んできているようにも感じられます。しかし逆に、デジタル端末を利用した早期発見やデータ管理、そしてスクールカウンセラー、ソーシャルワーカー、教員などがチームを組んで組織的に対応する傾向も見られます。この動向には大きく3つ問題があります。  1つ目は生徒個人がどんなタイプなのかを分類してデータ化するということです。「発達障害や愛着障害はないか」、「自己肯定感に問題はないか」などを調べ、どういう傾向がある生徒なのかを分類して記録し、それに基づいて支援計画を立て実行していくのです。  たしかに個々の特性などを知ることは大事でしょう。しかし、そこから個々人への対策をマニュアルのように方向づけてしまってよいのでしょうか。人はそんなかんたんに分けられはしないのです。昨年レコード大賞を受賞した『Habit』(SEKAI NO OWARI)の歌詞にあるように、「君たちったらなんでもかんでも分類、区別、ジャンル分けしたがる」。でも「それはそんなシンプルじゃない。もっと曖昧で繊細で不明確なナニカ」なのです。  2つ目の問題は、各分野の専門家・場と連携を組み統一して生徒を導こうとすることです。フリースクール等ともチームを組もうとしているのです。こうなると学校的な価値観がさらに広がっていくことになりかねません。まさに学校化が社会に深く浸透していくことになってしまいます。しかし、「不登校」生にとって大事なのはさまざまな価値観と出会うことです。ある考え方に出会い、ハッとして新しいあり方へと踏み出していくことも多いのですから。  3つ目、なにより問題なのは生徒の生き方をある方向へ導こうとしていることです。「どう生きていったらいいのだろう?」、「人間関係をどう築くべきなのか?」など、正解のない問いに... --- ### 同士がほしい 私が「さくらももこ展」と『不登校新聞』で気がついたこと - Published: 2023-05-24 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/children/1689/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2023年6月1日号  不登校中、さくらももこさんの著書を読んでいたという、ゆうまさん。先日「さくらももこ展」を訪れたそうです。展覧会をめぐり、ゆうまさんに芽生えた思いとは。 * * *  4月の終わり、「さくらももこ展」へ行ってきた。不登校初期の小学校3年生~6年生、人生で一番本を読んでいたあのころ、よく彼女のエッセイを読んでいた。自分で買った本はこの人とシャーロックホームズくらい。中学生になってからはほとんど読んでいなかったが、懐かしくなって足を運ぶことにした。展覧会をまわり、彼女の原稿を見て気がつく。  自分のなかに、この人の血が流れている。視点も文体も全然似ていない。当然本で触れた以外の関わりは無い。無いのだが、15年越しに恩師から手紙を受け取ったような感覚があった。  4月中旬、初めて『不登校新聞』の取材に同行した際にわかったことがある。私は同士がほしい。志はまったく別物でいいから、自分に誠実であろうとする探究者、そういう感性の人と話がしたい。きっと、10歳の私も無意識にその感覚を辿って本を読んだのだろう。  展覧会からの帰り、電車に揺られながら思う。「さくらももこ」と直接お話してみたかった。さながら期限切れのかんづめを開けたような気持ちだ。いなくなってなお、輝きが漏れ出ている。それは私のありたいと願う姿そのもの。だからこそ話ができるうちに伝えに行きたい。大切な人から思いを受け取り、大切な人に伝える機会を大事に掴みたい。そう思った。  その日の夜、それと次の日は、その機会をたぶんうまく、大事に掴めたはずだ。手の届く範囲ですこしずつ。それをただ、くり返していきたい。(ゆうま) (初出:不登校新聞603号(2023年6月1日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### 「風がそよそよ」がわからない 外国ルーツの子どもたちの生きづらさ - Published: 2023-05-23 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/interview/1678/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2023年6月1日号  「風がそよそよ吹く」の「そよそよ」って何? 東京都新宿区にある小中高生を対象とした、交流や学習の居場所「みんなのおうち」には、おもに外国にルーツを持つ子どもたちが通っています。そんな子どもたちにとって、生きづらさの源となるのが「語彙力の壁」です。今回は「みんなのおうち」代表の小林普子さんに、外国出身の親のもとに生まれ、日本で暮らす子どもたちの特有の事情や生きづらさについて、お話しいただきました(※写真は小林普子さん)。 * * * ――「みんなのおうち」に来ている子どもたちのことから聞かせてください。  「みんなのおうち」は新宿区の大久保地域で、雑談したり、学習したり、ご飯を食べたりなど、いろいろなことに使える居場所として運営しており、多様なルーツを持った子たちが通っています。もともと新宿区は都内でも外国籍住民の割合が高く、公立小中学校における外国ルーツの子どもの在籍数も多いのです。その割合が6割を超えている学校もあるくらいです。  私たちのところにはおもに、中国やフィリピン、タイ、ミャンマーなどアジアにルーツがある子がやって来ます。みなそれぞれ日本で暮らすようになったタイミングはバラバラで、ある程度大きくなってから来た子や、幼いころに来た子、日本で生まれた子もいます。親の母国と日本を行ったり来たりしている子もいますね。  また「外国ルーツ」と言っても、かならずしも外国籍ではなくて、日本国籍を取得している場合もあります。名前が日本名の子もいて、言われなければ外国にルーツがあるように見えないことも。しかしその「見えない」ことが、学校で生きづらさを感じる要因になっていたりするんです。 「みんなのおうち」のようす  「みんなのおうち」に来ている子たちで不登校をしている子はあまりいないのですが、学校が苦しくなって行けなくなる子もゼロではありません。過去には、「死にたい」とまで思いつめてしまった子もいました。学校へ行っている子たちのほうも、何も悩みがなく行っているわけではないです。親との関係や経済状態から、家にずっと居ることができない子もいるんです。それに学校へ行けば、自分と似た境遇の人たちに会うことができます。仲間の存在があるからまだ学校生活を乗り切っていけるのです。 ――外国ルーツの子どもたちは学校でのどんなことが生きづらさにつながっているのでしょうか?  さまざまな問... --- ### 「この先、何十年も生きてたくない」学校で傷ついた14歳を癒した言葉【中川翔子が聞く】 - Published: 2023-05-12 - Modified: 2024-10-24 - URL: https://futoko-online.jp/children/3326/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, いじめ, 2020年11月15日号 - ハッシュタグ: いじめ メイン画像:中川翔子さん 不登校をしているリサさん(14歳)にお話をうかがいました。リサさんは学校でどんな思いをしていたのか、何が心の支えになったのか。自身も学校で苦しんだ経験のあるタレント・中川翔子さんが聞き手になり、お話をうかがってきました。 * * * ――はじめまして。中川翔子です。今回は10代の当事者に直接、お話をうかがうことで、いっしょに不登校を考える時間にできればと思い、取材をさせていただくことになりました。まずはリサさんの不登校の経緯を教えていただけますか?  私が不登校になり始めたのは中1の夏休み明けの9月でした。きっかけは入部したバスケ部です。部活の顧問が厳しい人で、ルールを守れなかった場合、水を飲むことも許されず、真夏の炎天下で立たされ続けたこともありました。また、私はルールを覚えるのが苦手で、みんなと同じようにうまくできないため、顧問からは「なぜできないんだ」とよく声を荒らげられました。そんな私は試合にも出してもらえず雑用ばかり。先輩や一部の同級生からも強く当たられるようになりました。それは部活の時間だけではなく授業中にもありました。ある日、英語の授業中に「お前なんて生きている意味ねぇ」「死ね」と同級生から言われたこともありました。あまりの暴言に、すぐにでも教室を飛び出したかったのですが、そのときは涙を必死にこらえて座っているのが精いっぱいでした。 ――なんてひどい。まわりに助けてくれる人はいなかったのでしょうか?  本当は誰かに助けてほしかったのですが、同級生や先生さえも見て見ぬふりをしていました。授業が終わると、みんなはまるで何事もなかったかのよう。私はそのあと、トイレに駆け込んでひとりで泣いていました。ほかにも、同級生からは足を引っかけられたり、ハサミで髪を急に切られそうになったりしたこともありました。あのころは学校のなかのどこにいても、安心できる居場所がなかったです。 いじめよりも先生の対応が ――想像を絶するほどに恐ろしい環境で言葉を失います。つらかったですね。  もちろん、いじめや暴言、陰口はつらかったです。でも、何よりも信じられなかったのは先生の対応でした。目の前でいじめが起きているのに、まるで先生には関係がないような感じで助けもしてくれませんでした。とくに部活の顧問は「できない人が悪い」というような考えを持っている人で、私を含... --- ### 「子どもを救おう」はなぜダメか 「斜めの関係」が意味するもの - Published: 2023-05-09 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1708/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】今「不登校」を問うために, 2023年5月15日号  先生―生徒といった「縦の関係」でもなく友人といった「横の関係」でもない「斜めの関係」が重要だ、とよく言われます。不登校という問題に長く関わってきた中島浩籌(ひろかず)さんはこの斜めの意味を掘り下げます。当事者との関係性が斜めなだけではなく、社会的な要請にたいしてもまた、斜めに関わることが求められるのです。(連載「今『不登校』を問うために」第9回)※写真は中島浩籌さん * * *  前回までは「問い」について考えてきましたが、今回は「問い」を「ともに考えていくこと」について書きます。問いを1人で考えていくことも大事です。しかし、自分を責めるかたちで考えてしまう人はすくなくありません。その場合には、ほかの人たちと「ともに考えていくこと」が大きな力を持ちます。では、どんな人たちと話しあっていけばよいのでしょうか。  教育相談などでは以前から「斜めの関係」が大事と言われています。親子関係や先生―生徒といった「縦の関係」ではなく、同じクラスの友人たちといった「横の関係」でもない関係、悩んでいることに詳しそうだけれどつき合いは浅い人との「斜めの関係」が重要ではないか、と。  親子関係や友人関係はおたがいを思いやっているだけに本音が言い合える関係だと思われがちです。しかし、その思いやりの強さが、「こういう人間になってほしい!」などといった要望の強さにつながり、冷静に相手の話を聞くことを難しくしてしまうことが多いのです。それに対して、「斜めの関係」は希薄な関係だけに、逆に何かにとらわれることなく冷静に相談しあえる関係なのです。  さらに精神科医の笠原嘉は「時代や社会の要請に対しても斜め」であることの重要性について述べています。つまり「学校に通えるようになってほしい」とか「社会的に自立できるようになってほしい」といった社会からの要請に対して斜めにかまえられる関係、「救おう」とか「自立できるように支えよう」といった思いから距離をおくことができる関係においてはじめて、相談する側もされる側も相手の意向を自由に受けとめ考え合うことができるようになるのです。  私も「社会的要請から離れて考え合うこと、これがもっとも大事なことだ」と考えて、生徒たちと話し合ったり、雑談しあったり、遊んだりしてきました。生徒たちより私のほうが立派な生き方をしているとはとても言えませんし、生徒からの「ふつう」のあり... --- ### 「社会で通用しないぞ」 不登校の父親の失敗談から考える「父親だからできること」【全文公開】 - Published: 2023-05-09 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/1699/ - カテゴリー: コラム - タグ: 通信制高校, 無料記事, コラム, 2023年5月15日号 - ハッシュタグ: 通信制高校  「不登校と父親問題」は、今も昔も、不登校を語るうえでしばしば話題になるテーマです。問題と言ってしまうと、まるで父親が悪いように思われるかもしれませんが、そんなことはありません。多くの父親が悩み、葛藤しています。その一方で、父親がよかれと思った言動により、わが子を追いつめてしまうということもすくなくありません。では、実際にわが子が不登校になった父親は、何に悩み、何に葛藤し、それによって子どもをどう追いつめてしまったのか。その反省から見い出した「父親だからこそできること」とは何か。実例から考えます。 * * *  不登校の取材を続けておよそ20年、不登校経験者や母親から「父親としばらく話していません」、「書籍を渡しても読んでくれないので困っています」といった話を何度も聞いてきました。他方で、父親も葛藤し、悩んでいるという話も数多く聞いてきました。そこで今回は、不登校の子を持つ父親の語りから「父親にできること」について考えます。 わが子の不登校 父親の葛藤とは  わが子の不登校に直面したとき、父親はさまざなことに葛藤します。これまでの取材では「社会に出て通用するのか?」、「不登校を認めてしまってよいのか?」など、父親としての本音を聞いてきました。  Aさんの息子が不登校したのは中学2年生のとき。問題を解決したい一心から息子にあれこれ話しかけ続けたことで、息子は自室にこもり、Aさんが外出するとリビングに出てきて食事をするという生活が2カ月続いたと言います。  あるとき、先行きの見えない焦りからAさんは「このままだと社会に出て生きていけないぞ」と息子に言ってしまいます。うつろな目をした息子の返事は「僕は生きていて意味があるの?」というものでした。  息子のためにしてきた行動が息子を全否定し、生きる意味を奪っていたことに気づいたAさんは「わが家を安心できる場所にすること」を決めました。すると、もともとパソコンが好きだった息子は「将来はパソコンにたずさわる仕事がしたい」と言うようになり、みずから通信制高校への進学を決めました。  Bさんの息子は小学6年生のとき、不登校になりました。「学校が楽しくてしょうがなかった」というBさんにとって、息子の不登校はまったく理解できず、「無理して行かなくてよい」という妻の言動に、いらだちさえおぼえたと言います。  そんなBさんはある日、クローゼ... --- ### 「甘やかしていると思われたくない」 不登校の息子のためにがんばり続けた母が重ねた失敗 - Published: 2023-05-09 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/books/1716/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 2023年5月15日号  今、小学生の不登校が急増しています。10年前と比べておよそ4倍になっています。そうしたなか、今じんこさんの長男も小学校入学早々から不登校になりました。そんな今じんこさんが、親子で不登校に悩み苦しんだ3年間の実体験を、シリアスかつコミカルに描いた本が出版されました。小学生の不登校の子どもを持つ親にとって必読の1冊をご紹介します(※画像は『学校に行かない君が教えてくれたこと 親子で不登校の鎧を脱ぐまで』今じんこ 著)。 * * *  今回ご紹介するのは、SNSを通じて家族の日常を発信している今じんこさんの初の著書です。今じんこさんの長男は小学校入学直後に不登校になります。長男の不登校をめぐり、混乱・迷走・成長・脱皮という段階を経て、親子で不登校の鎧を脱ぎ、自分たちの道を生きられるようになるまでを追った実録のコミックエッセイです。  本書の最大の特徴は、今じんこさんが「やってしまった・失敗した」と思うエピソードをこれでもかというほど赤裸々に描いているところにあります。今じんこさんが最大のミスと考えているのは「おうち学校」を始めたとき。  「甘やかしていると思われたくない」「周囲からの心配や同情を跳ねのけたい」という思いから、家で学校の時間割通りに勉強させたり、同伴登校もしていました。長男もがんばりたいと言うようになり、学校へ行けて喜んでいると感じていました。しかし、もし一度だけ過去に戻れるならば、この時期に戻りたいと今じんこさんは言います。そして、過去の自分に「長男が喜んで見えたのは学校へ行けた達成感ではなく、学校へ行けたら母が喜ぶからだと伝えたい」という後悔を率直に吐露します。また、長男に対してきつい物言いで当たり、親子でつらくなってしまったこと。「生まれ変わったらいい子になりたい」とまで長男に言わせてしまった自分を責めたことなど、 親の多くが共感できるエピソードが出てきます。  他方で、今じんこさんは「いい母親」や「固定観念」など、すこしずつ手放すなかで本当に大事なものが何かに気づいたと言います。「親子でおたがいに失敗したり、笑ったり、転がりながら、自分が脱ぎたいものを脱いで歩んでいきましょう」というメッセージで締められた本書は、不登校の子どもを持つすべての親に読んでほしい1冊です。(編集局・小熊広宣) 『学校に行かない君が教えてくれたこと 親子で不登校の鎧を脱ぐま... --- ### 「不登校を黒歴史にしてほしくない」 子どもの「やりたい」を支える居場所スタッフの思い - Published: 2023-05-09 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1666/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 居場所紹介, 2023年5月15日号 「子どもたちが過去の不登校の肯定できたら」と語るのは、「NPO法人キリンこども応援団」代表の水取博隆さん。市役所の職員を辞め、大阪府泉佐野市で子ども食堂やフリースクールを運営する水取さん。さまざまな居場所に関わる水取さんに、子どもたちにとっての居場所の意義や居場所とのつながり方についてお話をうかがいました(※写真は水取博隆さん)。 * * * ――キリンこども応援団は、どんな活動をされているのでしょうか?  私たちは2018年7月、子ども食堂を起点に居場所づくりを始めた団体です。活動の軸はおもに3つあります。1つめは、「さのだい子ども食堂キリンの家」です。はじめは泉佐野市立佐野台小学校の保護者の方たちと月に1回、集会場を借りて活動をしていました。しかし、コロナ禍になって集会所を借りられなくなってしまいまして。活動を一時休止したあと、空き店舗をリノベーションし、2020年12月に自分たちの拠点を構えるようになりました。今は、平日の夕方16時~18時のあいだ、子どもたちといっしょにご飯を食べたり、集ったりできる場として活動しています。  2つめは、2021年11月から活動している「キリンのとびら」。不登校の子どもたちのための対面型フリースクールです。平日の10時から16時まで開けていて、今は小中学生が14名来てくれています。キリンのとびらでは、午前は子どもたちがそれぞれのペースで学べる学習の時間。午後は体育・美術・音楽、そしてグループワークといった多様なカリキュラムを導入しています。  また、最近はキリンのとびらに来ることで学校の出席扱いになったり、定期テストも私たちの施設で受けられたりと、サポート体制を整えています。私の前職が市役所の職員だったので、行政関係では先方の事情も理解できる部分があるんです。なので、それぞれの学校や行政とうまく連携しながら子どもたちを支えられる環境をつくっています。  3つめは、2022年10月から始めた、「オンラインフリースクールclulu(クルル)」です。oVice(オヴィス)というバーチャル空間を使って、平日12時から16時まで学習や部活動などの活動を行なっています。cluluを始めた理由は、キリンのとびらの活動を通じて、スクールのドアの前までは来られてもなかに入れず帰ってしまう子どもたちの姿を目にしてきたからです。家から出ることに不安... --- ### 「せめて運動だけでも」 親が心配しても不登校の子どもが動こうとしない理由 - Published: 2023-05-09 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/children/1705/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2023年5月15日号  小学校から高校までの不登校期間中、自身の体力に不安を抱えていたという、木原ゆいさん。そんな木原さんは「あとからでも体力は挽回できた」と言います。木原さんが今ふり返って過去の自分と健康に思うこととは? * * *  小学生から高校生までの期間、ほとんど不登校だった私は運動とは縁遠い生活を送ってきた。不登校になると学校へ行かないぶん、家にいる時間が増え、おのずと体力も落ちてゆく。  私の場合は身体が頑丈でないこともあり、小学校高学年のころには階段を上がるだけで動悸が起こり、外出するだけで腰が痛み、身体がなまりのようにしんどくて寝込むようになった。心配から親は運動させようとしたが、当時そんな気力はまるでなかった。 心労のサイン  運動不足もあっただろう。でも、不調は心の疲弊の表れでもあったかなと思う。心がボロボロな状態では動く気力も湧かないし、身体の不調も出やすい。そんな私が動き出したのは、たくさん休養をとって心が回復し、友だちとの出会いをみずから求めるようになってからだ。結局は自分が必要性を感じるようになれば、エネルギーは自然と湧いてくるのだと思う。疲れては休み、また動き出す。そんなことをくり返して、すこしずつできることを増やしていった。  気づけば私は30歳目前になった。今も運動はしないが、あのころより心も身体も元気で、むしろ若返ったと思うくらいだ。もし過去の自分に会うとしたら「よく頑張ったね」というねぎらいと、「体力はあとからどうにでもなるから、今は安心して休んでね」と伝えたい。(木原ゆい) (初出:不登校新聞602号(2023年5月15日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### ゲームに飽きたら心が回復したサイン 不登校経験者から見た「ゲームと不登校」 - Published: 2023-05-09 - Modified: 2024-11-30 - URL: https://futoko-online.jp/children/1691/ - カテゴリー: 子どもの体験談, 不登校 - タグ: ゲーム・スマホ, 会員限定記事, 当事者の声, 2023年5月15日号  中学2年で不登校になって以来、家でずっとゲームをやっていたという、しろとりゆうきさん。しかしゲームをやっていたからこそ心が回復できたと言います。現在は大学生のしろとりさんが、「ゲームと不登校」について書きました。 * * *  不登校になるとゲームに熱中する人は多いでしょう。遊んでばかりいてよいのか、と問いたくなるかもしれません。でも、ゲームをするくらいしか心の余裕がなく、そしてゲームがその人にとっての回復手段であることも、多いのではないかと思います。すくなくとも、僕の場合はそうでした。  僕は勉強や部活、人間関係など、さまざまな苦悩やトラブルが原因で中学2年の9月に不登校になってから、どんなことに対してもやる気が起きませんでした。家に届けられる宿題はやらず、外へ出て体を動かそうともしない日々が続きました。  しかし何もしないのはつまらないので、とりあえずゲームをやり始めました。ゲームソフトは数個ほどしか親に買ってもらえなかったこと、新しいゲームを始める気分ではなかったこともあり、元々持っていて、すでにクリアしているゲームを始めました。  おもに遊んだのは有名なRPG作品で、いわゆる「やり込み」や「エンドコンテンツ」と呼ばれる、ストーリークリア後に遊べる要素に熱中しました。もっとも長く遊んだゲームは「ポケットモンスター ブラック2」。強いポケモントレーナーたちと戦える「バトルサブウェイ」という施設でひたすらバトルをくり返していました。  初めはありあわせのポケモンだけで挑戦していましたが、それでは到底敵わなくて、なかなか勝てずにいました。太刀打ちできる強いポケモンを育成する方法をインターネットで調べて実践し、バトルそのものよりも、バトル用ポケモンの準備をすることに時間を費やしました。  「ドラゴンクエスト9 星空の守り人」では宝の地図を集めて示されたダンジョンに潜り、大量の経験値を稼いでレベルを上げたり、最強の武器や防具をつくるための素材をひたすら集めたりしました。そして自分が納得するまで強化できたら、特別な地図で登場する歴代ドラクエシリーズの魔王たちとの勝負で力試しをしました。  また、パーティーゲームにもはまっていて「マリオパーティーDS」や「いただきストリートDS」も遊びました。どちらもサイコロを転がしてマップを進むすごろく形式で、疲弊している不登校中でも気... --- ### 「4月から高校へ進学」 中1で不登校した娘を見守り続けた母の3年間に起きたこと - Published: 2023-05-09 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1676/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2023年5月15日号 - ハッシュタグ: 通信制高校  親が不登校について学ぶこと、親が元気になること、人に頼ること、そして子どもを信じること。中学1年で不登校になり、現在は通信制高校に通うお子さんを持つお母さんからのメッセージを紹介します。(連載「出張版 お母さんのほけんしつ」第14回)※写真は不登校の子を対象にしたイベントのようす * * *  今回はいつもとちがい、あるお母さんの手記をご紹介します。私の法人で運営しているフリースクール「ミズタマリ」に来てくれていた子どもの母親です。その子はこの4月に通信制高校へと進みました。とくに後半のメッセージは私も同じ思いです。読者のみなさんのヒントになればと思い、引用します。 * * *  私の娘は中学1年で不登校になりました。当初は体調不良もあったため、私もずっと家で見守りました。でも不登校して数カ月、同年代の子と生きた会話をしてほしい、そう思ってフリースクールを探しました。  複数見学して「ミズタマリ」に決めた理由は、雰囲気のよさでした。子どもたちが安心してのびのびしていること。スタッフさんの温かさ。ボランティア大学生さんの、大人とも子どもともちがう距離感のよさ。  同じ年ごろの子どもが怖く、外に出るのをイヤがっていた娘でしたが、週2日(当時)のフリースクールの日を楽しそうに待ちわびていました。そんなわが子を見て、エネルギーが溜まっているのがわかり、こっちもうれしくなりました。 娘がミズタマリへ行っているあいだは、私も自分の時間ができ、徐々に親のほうの気持ちも落ち着いてきました。不登校の親どうしのお茶会も楽しく、私自身もたくさんのエネルギーをもらいました。  不登校を乗り切るには枯渇したエネルギーを溜めることが大切と言われていますが、たしかにそれは子どもとって、そして親にとっても大切なことでした。溜まったエネルギーのおかげで、娘は自分で調べて学校見学へ行き、通信制高校を選択しました。「入学が待ち遠しい」、「プレスクールで話しかけて4人友だちになったよ」、「不安もあるけど楽しみのほうが大きいよ」。それが今、わが子の口から出る言葉です。 子どもの自信に  不登校であったこの3年間が、子どもの人生にとってどんな意味があったかは、おそらく数十年後に答えが出るんだろうと思います。でもこの3年間を多くの人に支えられながら乗り切れたことは、きっとわが子の人生で大きな自信になると思いま... --- ### 「本当のこと言っていい?」不登校について糸井重里が今考えていること【全文公開】 - Published: 2023-04-26 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/interview/1740/ - カテゴリー: インタビュー, 不登校 - タグ: 無料記事, 2023年5月1日号  「本当のこと言っていい?不登校、なんとも思ってないんだよね」。今号で創刊25周年を迎える『不登校新聞(※初出時の媒体です)』。25周年記念号として、ほぼ日代表・糸井重里さんにインタビューしました。糸井さんには22年前にも『不登校新聞』で取材させていただいたています(第70号掲載)。糸井重里さんの不登校観、そして「おもしろく生きるコツ」とはなにか。不登校経験者とともにお話をうかがいました。(聞き手・古川寛太、茂手木涼岳、編集・茂手木涼岳、撮影・矢部朱希子)※写真は糸井重里さん * * * ――まずは、今回なぜインタビューを受けてくださったのか聞かせていただけますか。  とても懐かしかったんですよね。「不登校新聞、まだあったんだ」と思いました。以前インタビューに来てくれたときから約20年。それだけ経てば、団体がなくなっていてもまったくおかしくないわけです。でもまだ続いているというのは、続いているだけの理由があったのだろうと思うし、続かせてきた人たちが、たくさん苦労したりがんばったりしてきたからこそなのだろうと思います。そうした道筋に興味があったので、インタビューをお受けしたんです。 ――22年前に取材させていただいた際、遅刻してしまったにもかかわらず、不登校の子どもたちに「来てくれてありがとう」、「不登校を楽しんで」と言ってくださいました。今あらためて、不登校についてどのように思いますか。  本当のことを言いますね。なんとも思っていないんです。本人や親や教員にとってはすごく重たい問題なのだと思うのですが、じつは第三者はそんなに大きな問題だとは思っていない。正直にそう言ったほうがいい気がします。知り合いの息子さんが学校へ行っていない、というような話はよく聞きます。でも「へえ、そうなんだ」でおしまいです。他人にとっては、そんなものなんですよ。  ただ、「不登校」という名前には違和感がありますね。別の名前がいいというわけでもなくて、そもそも名前なんてつけなくていいんじゃないか、と。 取材のようす(株式会社ほぼ日にて) 問題でも なんでもない  病名がついたら治療法が模索されるのと同じで、名前をつけてしまうと、名前がひとり歩きしてしまう。ただ一時期学校へ行かない、それだけのことじゃないですか。問題でもなんでもないんですよ。そして行きたくなったなら、いつでも学校へ行ったらいい。... --- ### 「母親としてできたことは」 2度の不登校を経験した息子が大学進学するまで【全文公開】 - Published: 2023-04-25 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/parents/1925/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 通信制高校, 無料記事, 親の思い, 2023年3月1日号 - ハッシュタグ: 通信制高校  「あなたが死ぬなら私もいっしょに死ぬよ」。今までいちばんつらかったのは、不登校の息子が「死にたい」と泣いて訴えたときと語るのは、母親の坂上美雪さん(仮名)。そんな坂上さんの息子は4月から大学へ進学します。息子の不登校で悩み、葛藤し、自分を責め続けた坂上さんは、そのつらさをどうやって乗り切ってきたのか。そして、大学進学を自ら決めた息子に対し、どう接してきたのか。お話をうかがいました。 * * * ――お子さんが不登校したいきさつからお聞かせください。  最初に息子が不登校になったのは、小学4年生の2学期でした。きっかけは、担任の対応です。息子のことばかり叱っていたようで、1学期のころから「学校へ行きたくない」と言っていました。ただ、「学校へ行くのがあたりまえ」と思い込んでいた私は、とくに理由も聞かず、学校へ行かせ続けてしまいました。  2学期になり、親が学校へ迎えに行くという避難訓練がありました。そのときの息子のことは今も忘れられません。顔色が真っ青だったんです。親の直感で「これはよくない」と思い、翌日から学校を休ませることにしました。「もう学校へ行かなくていい」と私が話すと、息子の表情は緩み、家でゆっくりすごすようになりました。  小学5年生になると担任も代わり、息子は遅刻しながらでも登校するようになりました。勉強もするようになったし、新しい友だちもできたようで、私としてもホッとしました。でも、その後の中学校で登校したのは最初の4日間だけ。卒業までほとんど学校へ行っていません。 同級生の一言 再び不登校に ――中学校で何があったのでしょうか?  同じ小学校から来ていた子が、息子の不登校について、みんなの前で言いふらしたそうなんです。「他校から来た子に自分の過去が知られてしまったら、みんな仲よくしてくれないんじゃないか」と、息子はひどくショックを受けていました。「学校へ行きたくない」と言うので、息子の意思を尊重しました。小学校の避難訓練のときの息子のことが脳裏をかすめ、極端に聞こえるかもしれませんが、「生きていてくれさえすればいい」と、思ったんです。  とはいえ、葛藤もありました。「学校へ行かなくていい」という私の気持ちにウソはありません。ただ、頭のどこかで「学校へ行ってくれたら... ... 」という思いもあって、気持ちが揺らぐ瞬間が何度もありました。  そういう... --- ### 「不登校の先が見えなくてつらい」 小6で不登校した私を支えた大人の対応【全文公開】 - Published: 2023-04-25 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/children/1751/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 通信制高校, 無料記事, 当事者の声, 2023年5月1日号 - ハッシュタグ: 通信制高校  小学校6年で不登校し、「中学校へは行きません」と両親に宣言した富良野しおんさん。富良野さんにとって、不登校とは学校へ行かないままどう生きていくかを模索する時間だったと言います。富良野さんの半生や救いになったことなどについて、書いていただきました(※写真は富良野さんの支えになったミニチュアダックスフンド)。 * * *  私は学校が得意ではありませんでした。クラス内でグループができて、グループごとにもめごとが起こる環境が、苦手だったからです。とくに小学校高学年にもなると女の子どうしの関係はどんどん難しくなっていきます。  小学6年生のころ、ある子に依存されるようになりました。別のグループの子と話していると「何話してたの?」とか「もう話さないでって言ったじゃん」と言われるようになったのです。  その子の執着心は強く、学校にいるあいだは、いつ、どこで、誰と居ても、つねに見張られているような気がしました。そうして精神的に追い詰められるうち、体調が急激に悪くなり、夏休み明けに私は「うつの一歩手前」と診断されてしまいました。もうあの子たちのところには戻れないと感じた私は「中学校へは行かない」と両親に伝え、不登校を続けました。  転機が訪れたのは、中学2年生の秋ごろ。すこしづつ体調が回復していた私は「学校じゃないところなら行けるかも」と、フリースクールに通い始めます。フリースクールで自分と同じ境遇の子たちと出会えたことは、私に「不登校でも生きていけるんだ」という確信をあたえてくれました。その後、通信制高校に進学し、今は出版社で働いています。 あのまま いっしょだったら  自分の不登校をふり返ってみると、もう1つの道を選ばなくてよかったと、心から思っています。もう1つの道とは、小6で私をいじめたり、クラス内で対立をしたりしていた子たちと、その後もいっしょに時間をすごすという道です。もし、あのままあの子たちといっしょに居たら、流されて私も誰かをひどくいじめてしまっていたかもしれないし、もっとちがう人間になっていたかもしれません。きっとそれが一番不幸なことだったなと。彼女たちと時間や日常を共有しなかったことが、私にとってはとても大きなことだったと思います。  また、不登校というのは「学校へ行けない」という、たんなる現象ではなく、人生に関わることだとあらためて思います。不登校当時、私は... --- ### 不登校のきっかけが不幸な出来事とはかぎらない - Published: 2023-04-24 - Modified: 2024-08-29 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1758/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】今「不登校」を問うために, いじめ, 2023年5月1日号  「不登校になったんだから、なにかつらい出来事があったにちがいない」。多くの人はそう考えると思います。しかし、不登校のきっかけが不幸な出来事とはかぎらないと、中島浩籌(ひろかず)さんは言います。苦痛だけではなく楽しい出来事との出会いからも不登校はおこり得るのです。(連載「今『不登校』を問うために」第8回) * * *  前回は「問い」と「出来事」の関連について書きましたが、今回は出来事とトラウマについて考えます。「不登校」と「出来事」を関連付けて考えるとき、すぐに想起されるのは「いじめ」や「パワハラ」との関わりです。  トラウマになってしまうような出来事によって強い心的負担を受け、学校へ行けなくなってしまったのではないか、と。実際、いじめやパワハラに出会って苦しんだ人はすくなくありません。またそのことが問う、学校の人間関係や教師のあり方などへの問いは非常に重要です。  しかし、「不登校」経験者が出会う出来事はトラウマや心の傷を起こすようなことだけとはかぎりません。場合によっては楽しい出会いもあるのです。そして苦/楽と単純に区別できないけれど、本人に大きな影響を与えていく出来事も多いのです。  「自分の心はいつも他人から読み取られている気がする」と感じていた人が、そのことをある場所で話したところ、「私もときどきそう感じる」と応じてくれた人がいたそうです。そのことから「ああ、私の感覚を隠して生きていかなくてもよいのだ、受けとめてくれる場所があるのだ」と思い、学校よりもその場所に惹かれ、「不登校」になった人がいました。  この出会いは苦痛なものではありません。むしろ楽しいものでした。このように「不登校」の契機となる出来事はさまざまなのです。不幸な出会いとはかぎらないのです。  にもかかわらず、周囲の人たちは「不登校」をトラウマ的な出来事と関連づけようとします。学校に通えなくなった生徒を見て、「いじめがあったの?」と問い、そうではないと知ると、「いじめもパワハラもないのに、どうして学校へ行けないの?」と本人を問い詰めてくることもあるのです。「ただ甘えているだけではないの?」と。  要するに、「不登校」は不幸な出来事との遭遇によって心に強い負担が強いられたために起こったという図式で捉えられることが多いのです。しかし、そうとはかぎりません。「不登校」はいろいろな出来事に会い、そ... --- ### 相談先から進路まで 不登校の気になる点を網羅した1冊 - Published: 2023-04-24 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/books/1754/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 書籍紹介, 2023年5月1日号 - ハッシュタグ: 通信制高校  子どもが不登校になったとき、子どもの年齢や状況により、親はさまざまな悩み事に直面します。そのとき、不登校に関する知恵と経験と情報が網羅された書籍があればと思ったことはありませんか? 不登校の親にとって、大きな支えとなる1冊をご紹介します(※画像は『NPOカタリバがみんなと作った不登校 親子のための教科書』)。 * * *  高校生向けキャリア学習プログラム、経済的事情を抱える家庭への学習支援のほか、2021年にメタバース(仮想空間)上の教育支援センター「roomーK」など、さまざまな教育活動に取り組んでいる認定NPO法人カタリバ。同法人の代表理事・今村久美さんが不登校に特化して執筆した新刊をご紹介します。  わが子が不登校になったとき、親はさまざまな疑問に直面します。  子どもへの寄り添い方や学校や先生とのかかわり方はどうすればよいのか。わが子の不登校について相談できる機関や支援施設はどこにあるのか。夫婦間での意見の不一致や昼夜逆転など、日々起こる具体的な問題にどう対応すればよいのか。そして、不登校その後の進路選択をどのように考えたらよいのか。  こうした親の疑問について、複数のケースを取り上げつつ、具体的な対応策について解説したのが本書の大きな特徴です。そのなかでも「不登校の子の進路選択」は、多くの親が気になるポイントです。本書では高校進学をめぐり、全日制・定時制・通信制について、それぞれ解説しています。近年は出席日数が足りなくても進学できる全日制公立高校が増えていること、多様化する定時制高校の実状、通信制高校のメリットや注意点のほか、「通信制高校選びのチェックリスト」なども紹介しています。  また、「高校卒業程度認定試験」のほか、大学受験におけるコツについても解説しています。不登校の子どもの年齢や状況によって、親の悩みも変化します。そんなとき、不登校に関する知恵と経験と情報を網羅した本書は、親を支えてくれる伴走者です。手に取っていただきたい1冊です。(編集局・小熊広宣) 『NPOカタリバがみんなと作った不登校 親子のための教科書』 今村久美/1540円(税込) ダイヤモンド社 (初出:不登校新聞601号(2023年5月1日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### 「見守る」ができないほどつらいときは子どもを放置して逃げてください - Published: 2023-04-24 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1892/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2023年4月15日号 「見守りと放置のちがいってなんでしょうか」。不登校支援にたずさわる土橋優平さんが受けた相談です。土橋さんは「見守りは子どもを信じること、放置は子どもを諦めること」と言います。しかし、放置が正解になることもあるとのこと。それはどんなときなのでしょうか。(連載「出張版 お母さんのほけんしつ」第12回)※写真は土橋優平さん * * * 「見守りと放置のちがいってなんでしょうか?」。あるとき、こんなご相談を親御さんからいただきました。「ある人に相談したら『子どもを見守ってあげてください』と言われたのですが、日常に戻ったときに『これは見守り? それともただの放置?』と迷ってしまいました」と。今回は私なりの解釈をまとめてみようと思います。  まず大きなちがいとしては、見守りは子どもを信じること、放置は子どもを諦めることだと思います。これだけ聞くと、放置はダメのように感じる方が多くいるかもしれませんが、私は状況によっては放置が正解になることもあると思っています。順に説明していきます。  具体例を出してみましょう。たとえば、子どもが学校へ行かなくなって2カ月が経ちます。理由は本人の口からは聞いていないけれど、学校の先生の話やこれまでの子どものようすを見ていて、おそらく友だち関係にあるのではないかと推察されます。不登校になって最初のころは暴れてばかりだったし、心も不安定でよく泣いたり怒ったりしていました。でも数カ月経って、親も学校へ行くかどうかではなく、まずは子どもの安心できる時間をつくろうとすこしずつ意識を変えていきました。でもここ数週間ずっとゲームばかり。夜寝る時間も遅くなってきて、親は困っています。そんな状況のご家庭があるとします。  こうした場合、「子どもを放置する」とは、何もせず、本人がゲームしていることにいっさい関与しないことです。親としては「どうせ声をかけても苛立たせるだけだし」と諦めている状態ですね。 見守ると放置 そのちがいは  一方、この場合の「子どもを見守る」とは、お子さんのようすを観察し、タイミングを見て適切な声かけをします。「ゲーム楽しそうだね」、「今のって相手を倒したの? すごいね」と。そのとき親は「今は心のエネルギーをためている期間。この子には今ゲームが必要なんだ」、「すこしでもこの子に楽しさを感じてもらうためには何ができるだろう」という気持ちだと思いま... --- ### 人に問いをもたらす「不登校という出来事」 - Published: 2023-04-10 - Modified: 2024-05-16 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1889/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】今「不登校」を問うために, 2023年4月15日号 「不登校という出来事」が起こると、人は「何が起こったのだろう」という問いを立てずにはいられません。「これからどう生きるのか」「ふつうとはなんだろう」という強い問題提起力をもつ「出来事」について、「不登校という問題」に長くかかわった中島浩籌(ひろかず)さんと考えます。(連載「今『不登校』を問うために」第7回)※写真は中島浩籌さん * * *  今回は「問い」と出会いや「出来事」との関係について書きます。いろいろな出来事に遭遇し考え悩んでいるうちに「不登校」になった、そう語る人たちと出会うことが多くあります。  また、福島原発の事故やコロナパンデミックといった大きな出来事との遭遇によって感覚が変化してしまい、そのことが「不登校」につながったと語る人もいました。出来事や出会いが持つ力は大きいものです。  「亡くなってしまった友人が書き残したものを読み、その人の短いながら充実した生き方を考え、自分のあり方を見つめ直しているうちに、学校に通えなくなってしまった」と話してくれた人がいました。「大学を卒業したらこんな職業に就こうとがんばってきたけれど、それになんの意味があるのかわからなくなってしまい、いったん学校から離れて自分のあり方を見つめ直したいと考えるようになった」と。  また、長く家族の介護をしていたが、そこに対して「たいへんだね」としか見ないまわりの見方に嫌気がさしたと言った人もいました。「ケア」はたいへんと見られてしまうが、それだけではない。楽しいこともあったのだ、そんな単純ではない、と。  また「ある人と出会い、その人が好きになってしまった、それから自分の性的指向はゲイなのでは、と考え始めた」と語っていた人もいました。 強い問題提起力  「出来事」の意味が持つ力は大きく、自分のあり方をも考え直させるような力を持っているのです。それだけに「何が起こったのだろう?」と「問い」を立てざるをえません。「これから自分はどうすればいいのだろう?」、「どう考えたらいいのだろう?」と。今までの生き方や「ふつう」のあり方をも根底から問うような、強い問題提起力を「出来事」は持っているということです。  ということは「何が起こったのだろう?」、「これからどうすればいいのだろう?」という問いへの「解」もかんたんには見つけにくく、分かりにくくもあるということなのです。それだけ出来事はじっくり... --- ### 大学1年生で不登校 未来の自分が苦しむとわかったうえでひきこもった理由 - Published: 2023-04-10 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/children/1904/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2023年4月15日号 高校で不登校を経験したかんたさんは、大学でも不登校に。迫りくるテスト期間のなか、かんたさんがとった行動は、「今のしんどさを無視せずに、テストを休む」というものでした。「責任は未来の自分にとってもらおう」。そんな無茶振りの結果は。 * * * 僕は現在22歳。不登校だった高校時代を経て、地方の私立大学に入りました。今でこそ親にもうしわけなさを感じていますが、当時は地獄の状況から抜け出すためにとにかくどこか進路先をと、かなり適当な理由で大学を決めました。よくないんだろうなと思います。いまだに感謝というより謝罪の気持ちが大きいです。  地元を離れ、知らない街に着いたとき、「地獄の延長線上に立っている」と思いました。春の晴れやかな空とは裏腹に、足元にはまだ薄暗い自分が、そこにいました。ふり切るように大学で人と出会い、新しいことに挑戦してみました。しかしどれも長くは続かず、3カ月後には惨めさだけが残りました。  焦りや不安がのしかかった7月。弟の部活の県大会を見に行きました。自軍の選手が放った8回裏逆転2ランホームランと、それに沸く目の前の補欠部員。マネージャー。OB。昨年離任した先生。応援にきたサッカー部。メガホン。帽子。水筒。この球場にあるものは自分の人生に何も無い、と感じてしまいました。ふたたび糸が切れてしまった。僕はまた、こもります。 いきなりピンチ  7月にこもってたらキツイですね。  だってテスト期間ですもん。どんだけ毎日授業に出ても、テストを受けないと単位は取れません。単位を取らんと卒業できません。結果、1年生の前期は単位0。後期も後期でろくに動けず、気づいたころには履修登録期間が終わっていて。大学1年間で計10単位しか取得できませんでした。卒業には4年間で124単位が必要です。いきなり大ピンチです。  ただ、今回書きたかったのは、これだけじゃありません。こもっていた7月のテスト期間。もちろん罪悪感はありました。と同時に、めずらしく開き直ってもいたのです。「テストを休んだら、どう考えても未来の自分が苦しむ。それでも今しんどいのを無視しないようにしよう。未来の自分に責任取ってもらおう」という、めちゃくちゃなパスを僕は放ったのです。不登校をしていた高校時代にはできない投てきでした。  不登校時代は「先延ばしは絶対ダメ。今の自分がすべて抱えて、がんばらなきゃ」と苦しく... --- ### まずは「辞め方」から知っておこう 不登校からアルバイトを始めるコツ【全文公開】 - Published: 2023-04-10 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/1874/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, コラム, 2023年4月15日号  高校生年齢を迎える不登校の子どもにとって、アルバイトができるようになるというのは、とても大きな変化です。不登校からのアルバイトという一歩を踏み出す際、親にとってできることは何か。それは、「アルバイトぐらい気軽に」「あれこれ考えるより、まずは動いてみよう」という声がけではありません。不登校からのアルバイトにおいて、大事な事前準備とコツをご紹介します(※画像はイメージです)。 * * * 新年度を迎え、高校生年齢になった子どもは、アルバイトができるようになります。このとき、「学校へ行かないなら、アルバイトをしなければ」と焦ってしまう場合があります。そこで今回は「不登校からのアルバイト」をめぐり、事前準備やコツなど、不登校経験者の話をふまえて考えます。 まずは「辞め方」  アルバイトを始める際、まず考えるべきは「アルバイトの辞め方」です。なぜなら、「アルバイトの辞め方」を知ることは、非常口の確保につながるからです。映画館や劇場など、もしもに備えた非常口があることで、私たちは安心してその場所に長時間滞在することができます。アルバイトも同様です。もしもに備えて、「アルバイトの辞め方」を事前に知っておくことが、アルバイトに挑戦する際の後押しの1つになります。  本紙ではこれまで、不登校経験者のアルバイト体験談を数多く取材してきました。彼らの多くが実体験を通じて培ってきた「アルバイトの辞め方」のコツを2つ紹介します。  1つめは、「辞めると切り出すタイミングを知っておく」こと。法律では2週間前に辞職の申し出をすればよいと定められています。2週間という目安を把握しておくことが重要です。  2つめは、「辞める理由を考えておく」こと。ポイントは、ポジティブな理由を挙げること。たとえば、「進学することになった」や「資格試験に挑戦する」などです。たとえ、それがウソであったとしても、本当の理由を話そうとしてつらくなり、自分を責めてしまっては、元も子もありません。仮にその職場が自分に合わなかったとしても、ほかでも働けないかと言えば、そんなことはありません。 不登校経験者が語るアルバイト  不登校経験者のAさんがアルバイトをしようと思い、無料で配布されている求人誌を読みあさることから始めました。しかし、どれもしっくりこない。そんなとき、「実際に見に行ったら?」という母の一言がきっかけとなり、近... --- ### 「遅刻するくらいなら休む」 完璧主義の息子の不登校を見守り続けて - Published: 2023-04-10 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/parents/1814/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 会員限定記事, 親の思い, 2023年4月15日号  高校生の長男と小学生の次男・三男、3人の息子がみな不登校を経験したという橋本絵美さん(仮名)。迷いと葛藤のなかで3人の息子を育てました。最近の悩みは受験生の長男が過去の不登校経験を全否定していること。「息子を信じて見守りたい」という橋本さんに、お話を聞きました。 * * * ――3兄弟のなかで長男・大吾くん(仮名)が最初に不登校になったのですね。当時のことを教えていただけますか?  朝、「学校へ行けない」と泣きわめくようになったのは、中1の5月でした。まじめで完璧主義、0か100かで考えがちなタイプな長男は、たとえ理由があっても「遅刻するくらいなら休む」と言ったり、内申点を気にするあまりノートまとめに時間をかけすぎたり。中学生になって急にしなければならないことも増えて、きつかったのでしょうね。  初めての中間テストは、泣きながら行きました。当時、友だちからのいやがらせもあって、それが不登校の直接的なきっかけになったのかもしれません。でも、先生があいだに入って解決してくれたあとも学校へ行けませんでした。もう、いっぱいいっぱいだったのでしょう。そんなようすを見て、わりとすぐに「しばらく学校を休ませよう」と決めました。勇気のいる決断でしたが、体まで壊してしまったらたいへんですから。でも、「一度休んだら、どんどん堕落していくのでは」という親としての葛藤はずっとありました。  それからしばらく大吾は、ソファでぐったり横になって、ユーチューブを観たりゲームをしたりしていましたね。でも、3カ月ほどたったころから、すこしずつ変化が見えてきたんです。  最初の変化はゲームをしながらケラケラ笑ったこと。そのうちにギターや筋トレを始めました。元気になるにつれて、自然とユーチューブやゲームから離れる時間が増えてきました。ああ、動きたいんだな、やっぱり「生きもの」なんだな、と思いました。今思うと、ユーチューブやゲームは大吾にとっては精神安定剤のようなものだったんだと思います。 フリースクールへ  そろそろ人に会わせてみるのもいいかもしれない、と思ったのが中1の冬。大吾も面識のある若者支援の方が関わっているフリースクールへ連れて行ってみました。好きなようにすごしていい場所なのですが、何をしたらいいのかわからないから、私は逆に居心地が悪くて(笑)。だから、本人の口から「帰りたくない。明日からで... --- ### 「不登校に追い詰められないで」 中卒で社会に出た不登校経験者が伝えたい思い - Published: 2023-04-10 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/books/1884/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 2023年4月15日号  不登校した後、どのような人生を歩むのか。不登校の子どもを持つ親であれば誰しもが気になる「不登校その後」。今回ご紹介するのは、現在、会社員として働く風芽美空さんの新刊です。7年間の不登校ののち、中卒で働き始めた風芽美空さんの半生とは、どのようなものだったのか。不登校のわが子の将来に悩む親に読んでほしい本書を紹介します。 * * *  現在、会社員として働く風芽美空さんは、不登校経験者。担任の体罰を機に、小学3年生から中学3年生までの7年間、不登校でした。中学卒業後の進路として、風芽さんは高校へ進学せず、地元のレストランで働き始めます。その後は、アニメの声優にあこがれて専門学校へ進学するも、1年でふたたび不登校に。23歳で上京して会社員務めをするなど、風芽さんの不登校や「不登校その後」の半生を追った1冊をご紹介します。  本書の特徴の1つとして、その時々のエピソードが風芽さんの気持ちとともに克明に書かれています。  不登校当時の「学校が怖かった」という本音、23歳で上京して声優の養成所に通えなくなった自分を「努力が足りない」と責め続けたことなど、1人の不登校経験者の体験談として、とてもていねいにつづられています。不登校関連のイベントなどで、自身の不登校体験を話す機会があるという風芽さんは、中卒で働き始めたことについて「よく働けましたね?」、「仕事に行けないとか、逃げ出しちゃいそうなときはなかったんですか?」などの質問をされることがよくあるそうです。  それに対し、風芽さんは「学校へ行くよりも働くほうが私に合っていた」と言います。また、中卒という学歴について風芽さんは「そんなに不幸になっておらず、ゆるゆると生きている人がいるから大丈夫。不登校というものに追いつめられなくていいということを伝えたい」と語ります。不登校のきっかけが十人十色であるように、「不登校その後」も十人十色です。不登校のわが子の将来は親であれば誰しも不安になります。そんなとき、「不登校その後」の実例を知って安心するためにも、本書を手に取っていただけらと思います。(編集局・小熊広宣) (初出:不登校新聞600号(2023年4月15日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### 「不登校という概念がない社会を」 不登校を経験した支援者が考える不登校の現在地と未来 - Published: 2023-04-10 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/interview/1912/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 識者の指摘, 2023年4月15日号  『不登校新聞』は今年で創刊25年。600号の節目を迎え、約25年前に不登校となった前北海(まえきた・うみ)さんを本紙編集長・茂手木涼岳(もてぎ・りょうが)が訪ねました。先輩の支援者たちに対する問いや、不登校をアイデンティティとして生きてきた自分に対する否定など、この25年間のなかで考えてきたことについてうかがいました(※写真は前北海さん)。 * * * 茂手木 『不登校新聞』創刊当時(1998年)、前北さんは中学2年生。不登校をし始めて間もない時期でしたね。その後、フリースクールネモを立ち上げ、千葉県フリースクール等ネットワーク代表を務めるなど、不登校支援の活動に尽力されています。この25年をふり返ってみていかがですか? 前北 『不登校新聞』が創刊されるころまでは、支援者が不登校当事者の権利を守るために学校や行政などを相手に闘う時代でしたよね。学校は、今よりもはるかに不登校への理解がなくて、不登校を子ども本人の問題や、親の育て方の問題に矮小化してしまう見方が強かった。  でも「不登校の子は悪くない。学校や社会に問題があるんだ」と、僕らよりも上の世代の支援者たちが闘ってきた。そうした歴史のおかげで、僕が2010年に「フリースクールネモ」を立ち上げるころには、もう「闘いの時代」は過ぎ去ろうしていて、2016年に教育機会確保法ができると、「子どもを中心にして、みんなで支えあいましょう」と、よりいっそう支援者と学校や行政が連携するようになったと思います。学校や行政と闘うのではなくて、行政とも協力できるところは協力していこう、という流れができてきたのです。 先駆者を見て感じたこと 茂手木 「闘いの時代」をつくってきた先輩の支援者たちを見ていて感じることはありますか?  個人的には、支援に携わる人の世代によって、不登校に対するアプローチや活動に対する考え方がちがうように感じています。仮に、80年代にフリースクールを立ち上げた人たちを第一世代、90年代に支援に関わり始めた人たちを第二世代、90年代には10代で、今40歳前後の僕たちを第三世代、そして今、30歳前後で支援に関わっている人たちを第四世代とします。こう考えたとき、私たちの世代は第一世代、第二世代の人が闘ってつくってくれた下地があるからこそ活動ができている。その一方で、上の世代の方法論に対し、違和感を覚えることもあったの... --- ### 「母ちゃん、ひま」小3の息子に訪れた、一歩を踏み出すサイン【全文公開】 - Published: 2023-03-22 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/parents/1819/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 無料記事, 親の思い, 2023年4月1日号 不登校の子どもが、疲れていた心を休め、エネルギーが溜まってきたときに発する言葉があります。それは「ひま」。「ひま」と言い出したら、気持ちが外に向かっているサインなのです。現在小学3年生の息子を持つ母親・カナコさんも、息子が元気になったサインを待ち続けたと言います。カナコさんはどのように息子さんと向き合ってきたのか、語っていただきました。(聞き手/編集・本間友美、イラスト・今じんこ) * * * ――お子さんの不登校のいきさつからお聞かせください。  息子は小学1年生の2学期から「お腹が痛い」と言って学校へ行きしぶるようになりました。当初は「そんなこともあるか」とあまり気にしていなかったです。でも3学期になっても行きしぶりが続いたので心配になり、スクールカウンセラーの方に相談しました。そしたら「学校へ戻しましょう」と言われて。思えばこの一言で私は、学校へ行かないのはいけないことだという認識になってしまいました。専門家が言うのだから、息子には努力させなきゃいけないと思い込んでしまったんです。  一方で息子は疲れが溜まっていったんでしょう。昨年4月、2年生に進級した翌日に「学校へ行きたくない」と言いました。それが息子の不登校の始まりです。その日はすぐに担任の先生と面談することになりました。先生は息子と対面すると真っ先に、「何がイヤなの?」と聞いてきました。息子はぽつぽつと、宿題がイヤ、漢字の書き取りがイヤなどと答えました。そしたらその先生はすぐ判断するタイプの人で、「宿題がなかったら来られる? だったらやらなくていいよ」と言ったんです。だから明日からおいでよ、と翌日、息子は登校しました。でも次の日にはまた、「行きたくない」と言って。結局昨年の4月から6月まで、行ったり行かなかったりのさみだれ登校が続きました。  息子が行きたくないと口にしてからも私は、毎日のように先生に会い、どうしたら学校へ行けるようになるかを話し合いました。学校側は、放課後でも学校に足を踏みいれたら出席扱いにすると言ってくれ、息子には学校を休んだ日でも放課後に登校してもらいました。でも本人はイヤイヤで、体を丸めて抵抗することもありました。  それならオンライン通学はどうかと、自宅のリビングと学校をビデオ通話でつなげて、家にいながら出席することも試しました。本当は病欠の児童に向けた取り組みなのですが、学校... --- ### 「あのころの自分を抱きしめたい」 不登校経験者が苦しかったころの自分に伝えたいこと - Published: 2023-03-20 - Modified: 2024-08-29 - URL: https://futoko-online.jp/children/1836/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, いじめ, 2023年4月1日号 「もし今、一番苦しかったころの自分に会いに行けるなら、どんな言葉をかけたい?」というテーマで不登校経験者3名が執筆しました。大人になった今、昔の自分に伝えたいこと、それは「抱きしめたい」「まちがってない」など、「あなたは大丈夫だよ」という思いでした。 * * * ただただ 抱きしめたい  私は小学4年のころ、給食が食べられなくなったことをきっかけに学校へ行くのがつらくなり、小学6年生で不登校になりました。その後、中学校には進学するのですが、給食に対する苦痛は変わらず、授業中も集中できない日々が続きました。  授業がしんどいとき、私は窓の外や廊下のほうを見ていたのですが、そのとき、教室のドアや窓の向こうに、未来の自分がひょっこり現れてくれないかな... ... と、よく想像をしていました。  当時は自分の本音やつらい気持ちをまわりに話すことができず、ずっとひとりで苦しんでいたので、何も言わず、ただ側にいてくれる人が身近にいてくれたら、とても救われていただろうと思います。なのでもし、今の私が当時の自分に会いに行けるとしたら、具体的な言葉をかけるのではなく、ただ寄り添って抱きしめてあげたいなと思います。(SORA・20代) 好きなこと 存分に楽しんで  私は中学1年の秋から不登校になって、中学卒業後1年間は家ですごしていました。16歳と19歳のときに高校進学を試みたのですが、いずれも1週間足らずで行けなくなってしまい、そのショックで私は寝込んでしまいました。そのとき、「自分は、このまま学校にも社会にも出られずに一生を終えてしまうのではないか?」という絶望感に襲われ、毎日悩み続ける日々が続きました。とても苦しかったし、つらかったです。だけど、そのとき、私の救いになっていたものが2つありました。1つめはゲームです。ゲームに夢中になることで、苦しくてつらい現実から、すこし気を紛らわすことができました。また、私はゲーム雑誌をよく読んでいたのですが、その雑誌を通して、ゲームをつくっている人の思いや情熱を知ることができたのが、すごくうれしかったです。  そして、2つめはアニメです。アニメの作品のなかで描かれる人間模様をとても興味深く見ていました。そのなかでも、とくに私が好きだったのは、「銀河英雄伝説」という長編のアニメです。人間関係がすごく細やかに描かれていて、当時はセリフを覚えるほ... --- ### 「困った子」は「困っている子」 フリースクールスタッフが伝える子どもとの向き合い方のヒント - Published: 2023-03-20 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1830/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2023年4月1日号 「うちの子は困った子だな」そう思う前に、すこし立ち止まってみてください。子どもの行為には必ず理由があります。それを見ていくと、子どもは「困った子」ではなく「困っている子」であることがわかります。今回は不登校支援にたずさわる土橋優平さんに、親の見方を変えて子どもと接する重要性について、書いていただきました。(連載「出張版 お母さんのほけんしつ」第11回)※写真は土橋優平さん * * *  「子どもとどう関わっていいのかわからない」。そんな相談にお答えするべく、前回はフリースクールスタッフとして子どもとどう関わっているかをご紹介しました。前回ご紹介したのは「子どもの安心から始めること」と「NOと言える関係性をつくること」の2つです。ですがもう1つ、みなさんにぜひお伝えしたい点があります。  私がふだん子どもたちと関わるなかで大切にしていることの3つ目は、子どもを「『困った子』にしないこと」です。ある子はフリースクールでトランプをしていて、突然床を叩き始めました。トランプ中には出ることのない音量です。もしこれが学校で起きたら「まわりに迷惑かけないで!」となるかもしれません。家で起きたら「静かにしなさい!」となるかもしれません。しかし、子どもたちの行動にはかならず何か理由があります。  ようすを見てみると、床に座りながらやっていたので、トランプが床に張りついてうまく取れなかったのです。その子は困っていました。「あ、取りづらかったんだね」と伝え、座布団を敷いて解決です。子どもたちは困っていても助けを求めることが得意ではありません。そして、困っている子の姿は、しばしば大人の目には「困った子」に映ってしまいます。  ある子は忘れ物をしやすい子でした。忘れ物をすると「すみません」と親御さんからそのたびに連絡が来ます。でも私たちは「あ、○○さん! これ忘れてるよ。もうほんと○○さんは~」と笑いながら対応します。  すると、あるときからその子はわざと忘れ物をするようになりました。座布団の下にマンガ本を隠したり、その日は近づかなかったはずの棚の上にキーホルダーを置いたり。そのたびに私たちは同じく笑いながら声をかけ、ときには「今日はない! ? ほんとのほんとに? 目を見て頷ける?」とおたがいにニヤニヤしながら目と目を合わせて笑い合うんです。 忘れ物をしても 楽しめる場に  忘れ物は学校では... --- ### 「自分のなかにいつも母が居た」 僕が不登校を通して自分の主張をできるようになるまで - Published: 2023-03-20 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/children/1824/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 当事者の声, 2023年4月1日号 - ハッシュタグ: 通信制高校  現在、システムエンジニアとして働く不登校経験者のゆうまさん(26歳)。ゆうまさんは不登校当時、親の「よかれによる支配」を受けていたと言います。しかし大人になったゆうまさんが壁にぶち当たったとき、突破するヒントをくれたのも、また親だったと言います。不登校を「自分の人生が大きく変わる経験だった」と捉えているゆうまさんに、体験談や親子関係についてお話しいただきました。 * * * ――ゆうまさんの経歴から教えてください。  私は小中で不登校を経験したあと、通信制高校を経て大学へ進学し、新卒で就職しました。クライアントの要望を聞きながらシステム設計をしたり、システムの実行環境を整えたりするシステムエンジニアとして働いています。 この職業を選んだのは学生時代にキャリアカウンセラーの方に勧められたからでした。「ゆうまさんは人の話を聞くことに長けているし、物事をルールに沿って整理する力もあるから、お客さんの要望を汲み取ってシステムをつくる仕事が向いているよ」と言われたんです。実際にその指摘は当たっていたようで、今の職場では顧客対応と技術の両面を評価していただいています。 ディズニーでもシステムに注目  ちなみに、私は年間パスポートを買うほど「ディズニーリゾート」が好きなんですが、そこでもシステムに注目して楽しんでいるんです。「ここに柵があるからキャスト(スタッフ)がいなくてもきれいな列ができるんだな」とアトラクションを待つお客さんの並ばせ方を考察していて(笑)。仕事はお金を稼ぐためにやるものだと思っていますが、それでも興味のないことだと続きません。私はこの仕事を同じ会社で約4年続けられているので、やっぱり自分に合っているんでしょうね。  ただ、「不登校関連の仕事をするのが天職だったんじゃないか」と悩んだ時期もありました。それは私にとって不登校が、自分の人生を深く考える転機だったからかもしれません。 ――どのような不登校を経験されたのですか?  私は小学3年生の3学期から不登校になりました。  理由としては、もともと学校が苦手だったことが挙げられます。教室のなかがいつもやかましくて、うんざりしていて。でもその気持ちをまわりに伝えることはできず。自分が感じていることをどんな言葉で表したらいいのかがわからなかったんです。自分の意見や欲求を主張することがまったくできない子どもでした。 ... --- ### いじめで学校へ行きたくない 権利から考える子どもの悩みの解決策をまとめた1冊 - Published: 2023-03-20 - Modified: 2024-08-29 - URL: https://futoko-online.jp/books/1840/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, いじめ, 書籍紹介, 2023年4月1日号 「悩み」や「困った状況」に直面したとき、どうすればよいのか。「子どもの権利」という視点をふまえ、子どもがどのような行動を取ればよいか、解決のためのアドバイスをまとめた1冊を紹介します(※画像は『きみの人生はきみのもの 子どもが知っておきたい「権利」の話』)。 * * * 今回ご紹介するのは、法学者で大阪芸術大学客員准教授の谷口真由美さん、評論家でNPO法人「ストップいじめ!ナビ」代表理事の荻上チキさんが「子どもの権利」について取り上げた1冊です。本書では、「学校の校則を変えたい」「SNSでいやがらせを受けている」「自分の性別に違和感がある」「お金がなくて高校・大学に通えない」など、子どもが直面する24個の悩みや困った状況を取り上げ、解決するためのアドバイスが書かれています。また、子どもにどんな権利があるのかについて、日本国憲法や子どもの権利条約などの解説とともに、具体的にどんな行動をとればよいのかということを提示しています。さらに、助けを求める相談先として、行政機関やNPO法人などの連絡先も掲載されています。  では、いじめにあっていて、学校へ行きたくない場合、どうすればよいのか。  最初にやってほしいこととして「記録をとること」を挙げています。いつ・どこで・誰から・どんな被害を受けたのかを可能なかぎり記録しておくことは、大事な証拠になるだけでなく、子ども自身の気持ちの整理にもつながるためです。また、学校へ通報するよう指摘します。  いじめにより、重大な被害を受けたまたは不登校になった場合は「重大事態」にあたると法律で規定されています。学校は専門の対策チームをつくり、解決までの役割をはたす必要があるのです。  また、今年3月には文部科学省が「重大事態が起きた場合には速やかに同省に報告すること」を求める通知が全国の教育委員会に通達されており、その運用が今月4月から始まります。本書は子どもに向けた本であるとともに、子どもの味方になるうえで、親にも知っておいていただきたい「子どもの権利」に関する知識や問題解決のヒントが詰まった1冊です。(編集局・小熊広宣) 『きみの人生はきみのもの 子どもが知っておきたい「権利」の話』 谷口真由美、荻上チキ/1540円(税込) NHK出版 (初出:不登校新聞599号(2023年4月1日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・デ... --- ### 不登校は選んだ行為か 選択の議論よりも大事なこと - Published: 2023-03-20 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1847/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】今「不登校」を問うために, 2023年4月1日号 「不登校は選んだ行為なのか?」不登校について考えるとき、よく議論されるテーマです。ですが、両者には大きな共通点があると「不登校という問題」に長くかかわった中島浩籌(ひろかず)さんは言います。(連載「今『不登校』を問うために」第6回)※中島浩籌さん * * *  今回は、「『不登校』は選んだ行為なのか?」というテーマについて書きます。これまで、社会・学校への問い、「ふつう」の人間関係への問い、自分自身への問いなどについて書いてきましたが、それを読んで、「『不登校』経験者は社会・学校教育を批判し、『不登校』を選んだのだ」と理解された方もいらっしゃるかもしれません。  もちろん、選んだ人もいます。でも私が出会った多くの人は、理由がはっきりとわからないまま、とにかく学校がイヤになり通わなくなっています。では、選択することと、よくわからないまま「不登校」になることのちがいはどこにあるのでしょうか。  この議論は以前からありました。「不登校」を選択した者のほうが社会への批判性・問いかけが強いという見方もあります。しかし、私は両者に大きな差はないと考えています。とくに、「問い」を立てるという点に関してはちがいはありません。  「不登校」を選択するということは1つの「解・生き方」を選ぶということです。「学校に通ったほうがよいのかどうか?」という「問い」への1つの「解」の選択なのです。 どんな人でも問いを立てている  他方で、理由のわからないまま「不登校」になった人たちも、いくつもの問いを立てています。わからないだけに、「なんでいけなくなったのだろうか?」、「学校のどこが合わなかったのだろうか?」、「学校のどんなところが嫌なのだろうか?」などと問いを立てて考えざるをえないのです。  学校を離れてから、さまざまな問いを立てて真剣に思考している人と私は出会っています。ゆっくり考えるようになってから、自分が通っていた学校は女性差別的だったと気づいたという人もいれば、「あのクラスのどんなところが嫌だったのだろか?」と考えるなかで、自分の性自認に気づいたと語る人もいます。  要するに、「問い」について考えるとき、「『不登校』は選んだ行為なのか」どうかはあまり問題にならないということです。 そして、そのことを考えるよりも、「問い」の中身をどう考え、どう受けとめたらよいのか、そのことをともに考えて... --- ### 現在の「不登校当事者」が問いかけているものは - Published: 2023-03-13 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1897/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】今「不登校」を問うために, 2023年3月15日号  現在の「不登校生」たちは、それぞれどのような「問い」を発しているのでしょうか。それは、社会や学校一般への問いではなく、各個人が置かれた具体的状況に対する問いである、と「不登校という問題」に長くかかわった中島浩籌(ひろかず)さんは言います。(連載「今『不登校』を問うために」第5回)※写真は中島浩籌さん * * *  今回は現在の「不登校生」が持つ「問い」の中身について書きます。80年代にあった社会・教育そのものへの問いは、現在では、より多様化し具体化しています。  LGBTQ+に対する差別、女性差別的状況、異文化への差別感、経済格差など、「不登校」経験者はそれぞれの問題が交差しあった状況のなかで生き、学校教育の問題性を強く感じ、具体的に「問い」を発しているのです。  10代のLGBTQの52・4%が「学校へ行きたくない」と感じていて、中学生の22・1%、高校生の14・9%が「不登校」を経験しているという調査があります(認定NPO法人ReBit 2022年)。それだけ学校現場では性的指向や性自認に関する偏見・差別が強いということなのです。  問われているのは学校の人間関係だけではありません。フリースクールや私塾も同様に問われています。必要もないのに男・女を区別し、「男らしさ」「女らしさ」を押しつけるような習慣が今も続いているからです。意味がないのにアンケート的なものに性別記入欄を設けたり、「~くん」「~さん」と男女を区別して生徒を呼んでしまうなど、アンコンシャス・バイアスと言われる無意識的、無自覚的な偏見にもとづいた行為が問題となっています。その行為に直面して悩み苦しんでしまう人はすくなくありません。そして「男らしさ」「女らしさ」が持つ差別性に苦しみ、フェミニズム的視点から男性優位の社会を問うている「不登校」経験者もいます。 具体的状況への問い  それだけでなく、異文化交流に関わる問題、環境問題に関わる問いなど、具体的な状況から学校教育、社会のあり方への問いに出会うことが多くなっています。まさに私たちの「ふつう」の人間関係・生き方が非常に具体的なかたちで細部にわたって問われているのです。  ただ、こう書いてくると、「不登校生」の多くがさまざまな状況から強い意識を持って学校教育を批判し、その結果「不登校」になったと理解されてしまうかもしれません。しかし、私が出会う生徒の... --- ### 不登校の専門家会議委員が監修 豊富な情報量で不登校を解説する1冊 - Published: 2023-03-10 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/books/1901/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 2023年3月15日号  不登校児童生徒数が過去最多を更新するなか、文部科学省および「不登校に関する調査研究協力者会議」において、総合的な不登校対策の議論がすすめられています。そうしたなか、豊富な情報量をもとに、不登校を解説する書籍が出版されました。本書の監修をされたのは、奈良女子大学教授の伊藤美奈子さん。伊藤さんは現在、上述の専門家会議の委員も務めています。学校とは何かを問うことを通じ、不登校について考える、親や教員必読の1冊をご紹介します。 * * *  まず本書で目をひくのが、マンガやイラストのみならず、グラフなどの図を多く用いて、学校や不登校について解説している点です。また、不登校経験者、現役の校長先生、臨床心理士などのインタビューのほか、文科省が発出した通知や調査研究、子どもの相談先一覧や不登校に関する書籍・映画を掲載するなど、情報量が非常に豊富です。  本書は5つの章から構成されています。なかでも第4章「不登校になったらどうなる?」については、子どもも親も気になる「将来」について取り上げています。不登校になった場合、学校以外にどのような場所があるのか。不登校特例校や教育支援センターのほか、塾や予備校、フリースクールやオルタナティブスクール、習い事、ホームエデュケーションなど、実在の団体の活動写真や実例をもとに解説されています。また、「学校へ戻りたい」と思ったときはどうすればよいのか、不登校経験者はその後どのような人生を歩んだのかなど、たんなる情報提示と解説に留まらず、実例を多く取り上げている点も特徴的です。  不登校児童生徒数が過去最多となったいま、「つらいときは心と体を休ませることが大切」「『学校へ行くべき』という人がいても気にしないで」と、子どもの側に立ち続ける伊藤さんの指摘を踏まえた本書は、学校の先生にこそ読んでいただきたい。また、「不登校の関する本が多すぎて、どれから読めば」と悩まれている親にも、手に取っていただきたい1冊です。(編集局・小熊広宣) 『「学校」ってなんだ? 不登校について知る本』 監修:伊藤美奈子/5280円(税込) 株式会社Gakken (初出:不登校新聞598号(2023年3月15日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### 私の通知表はオール1 いじめで不登校になった私が同じ立場の子に伝えたいこと - Published: 2023-03-09 - Modified: 2024-08-29 - URL: https://futoko-online.jp/children/1875/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, いじめ, 2023年3月15日号  新学期前のこの時期になると、ふと思い出す光景がある。それは、オール1が並んだ中学の通知表だ。テストも授業も受けていないのだからオール1なのは、しょうがない。それでも中学生だった当時は、なんとも言えない感情が湧き上がってきた。 「私をいじめた子は自分よりもいい成績をもらっているんだろうな」、「いじめている人のほうが評価されるってどういう世界なんだろう」。いじめた相手は責められることもなく、何も変わらず学校へ行けているのに、いじめられた自分は学校へ行けなくなっている。  オール1という評価以上に、その現実に理不尽さと行き場のないやるせなさを感じていた。かつての私のように、今この瞬間にも学校からの通知表で心が揺れている人は居ると思う。そんなあなたに伝えたいのは「学校からの評価があなたのすべてではない」ということだ。  学校からの評価が低かったからと言って、あなたが苦しんできたこと、自分に向き合ってきた時間が無意味だなんてことはない。学校からの評価は、あくまであなたの一部分に対する評価。人としての、ましてやあなたの人生や生き方に対しての評価では絶対にない。どうか、そのことを心に留めておいてもらえたらうれしい。(富良野しおん・30歳) (初出:不登校新聞598号(2023年3月15日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### 親が力むと子どももつらい 不登校支援の専門家が語る親のつらい気持ちの手放し方 - Published: 2023-03-08 - Modified: 2024-05-16 - URL: https://futoko-online.jp/children/1852/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2023年3月15日号 「1度レールから外れると戻れない社会はつらい」と語るのは、不登校・ひきこもりの経験者である、NPO法人「D. Live(ドライブ)」代表の田中洋輔さん。「誰もが『ありのままの自分でいい』と思える社会」を目指し、子どもたちの自尊感情を育む田中さんに、団体を立ち上げたきっかけや取り組み、さらに子どもと関わるうえでのコツをうかがいました(※写真は田中洋輔さん)。 * * * ――田中さんは、不登校とひきこもりを経験されたとお聞きしました。ご自身の経験について教えてください。  僕が最初につらさを感じたのは、中学3年生のときです。もともと小学生のときから、学校が苦手で誰も自分のことを理解してくれない感覚があったんです。たとえば、小学生から野球をやっていて自分なりに栄養学を勉強したり、トレーニングプログラムを考えたり、僕は自分自身を管理をしていました。でも、そういう努力は理解されなくて。「田中くんはすごいから」、「頭がいいから」と表面的な一言で片付けられてしまうんです。行動や結果の奥にある僕の意図や意思を誰にも見てもらえていない、理解してもらえていない気がして。誰とも心で会話ができない感覚っていうんですかね。そんなつらさや孤独感が積もり積もって糸が切れてしまったのが中学3年生でした。  そして、高校1年生の夏に不登校になりました。昔から続けていた野球を極めたくて高校へ入学したのですが、うまく行かず心が折れてしまったんです。入学した高校は甲子園にも出ている強豪校で、同級生は僕よりはるかに野球が上手で。まわりと自分を比べて自信を失くし、失敗することが怖くなってしまったんですよね。中学までは勉強などで結果が出せていたのに高校でまわりのレベルが上がった途端、自分には何もないと感じてしまい、ダメでした。  高校へ行かなくなってからは、家に居てもしょうがないので、河川敷へ1人で行って、お昼を食べて、夕方に家に帰る生活を送っていました。この先どうやって生きていけばよいのかわからず、「何をしたいかわからないまま、自分は死んでしまうんじゃないか」と不安でいっぱいだったのを覚えています。自分のやりたいことを見つけるため大学にも進学しましたが、結局見つからず。しだいに大学へ行く意味がわからなくなり、家ですごす時間が増え、徐々にひきこもるようになりました。 ――そうした経験が、現在の活動にどのように... --- ### 「ここならば私は救われた?」不登校経験者が教育支援センターを見学してみた - Published: 2023-03-08 - Modified: 2024-05-16 - URL: https://futoko-online.jp/children/1881/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2023年3月15日号  高校1年生のとき不登校を経験した中島佳子さん(20歳・岐阜県在住)は、先日、岐阜県内に教育支援センターが新設されたことを知った。不登校当時、支援を受けることができなかった中島さんは、「この場所があれば、当時の私は救われたのだろうか」という興味から、教育支援センターを見学することにした。※写真は「さくらまえみや」のようす * * *  先日私は岐阜県各務原市にある教育支援センター「さくらまえみや」を見学した。不登校経験者の私に教育支援センターはどう映ったのか、書いてみようと思う。私が教育支援センターを見学したのには理由がある。私は高校1年生のころ、不登校になった。そのとき、教員は私に、不登校支援施設の紹介などはしてくれなかった。そのため、不登校になって行政や制度からも見捨てられたと思い、私はさらに孤立を深めてしまった。なんで学校へ行けなくなっただけで、こんなにも不自由にならなければいけないのか。もっと行政が支援の場や機会をつくるべきだ、とそのとき強く思ったのだった。  それから3年。各務原市に教育支援センター「さくらまえみや」が開設したことを知った。行政がやっている不登校支援とはどのようなものなのだろうか。そしてこの支援は、当時の私を救ってくれるものなのだろうか。それを知りたくて、見学へ行ってみた。 ※「さくらまえみや」のようす 目指しているのは「社会的自立」  教育支援センター「さくらまえみや」は2022年10月に開所した。以前は保育所として使われていた施設だ。「家から一歩踏み出して、好きなこと、やってみたいことを自分で決めて自分のペースで行なう」ことを通じて、安心できる居場所で、自分のよさや可能性に気づき、社会的に自立することを目指しているとのことだ。  利用者は、開館して2カ月間で約30名。小学生の利用者が多いとのこと。週5日開室しているが、利用頻度については規定を定めておらず、毎日来る利用者もいれば、月に2回程度しか来ない人もいる。利用にあたっては、市内在住の小中学生であれば特別な申請は必要ないとのことだ。学校はイヤだが人には会いたい、勉強はしたい、といった子どももいるだろう。そうした子にとっては、事前申込みなしでいつでも訪れてよい、というのは、すばらしい仕組みであるように思った。  利用者は、思い思いにすごすことができる。たとえば、自由画や自由工作、ボード... --- ### 社会や学校そのものを問わない現在の不登校支援 - Published: 2023-03-08 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1939/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】今「不登校」を問うために, 2023年3月1日号  学校や社会に適応する力を養う、という現在の不登校支援の問題点は、学校や社会そのものを問う視点がないことだ――。「不登校という問題」に長くかかわった中島浩籌(ひろかず)さんは言います。不登校という問いの歴史について、解説していただきました。(連載「今『不登校』を問うために」第4回)※写真は中島浩籌さん * * *  前回は1980年代の不登校をめぐる「問い」のあり方について考えてきました。今回は現在について書きます。今は「不登校」を「心の病」として捉える見方はほとんどありません。文科省も休むことは大事であるし、自分を考え直す機会であると肯定的に述べています。また通信制高校など、「不登校」経験者の進路なども整いつつあります。しかし他方で、「不登校」は社会的自立へのリスクが高いマイナスな状態であるという見方も依然として強いのです。  そのため、なるべく早期に発見し早期に対応すべきとする施策もとられています。3日間学校を休んだだけで対応されてしまうこともあります。「おぼれてしまう前に、泳ぎ方を教えるべきだ」という予防的言い方があります。「不登校」をおぼれた状態と見立て、そうならないために今の学校・社会での泳ぎ方・生き方を教えなければならない、と。これは現在の社会・学校に「適応する力」を養うことを意味します。 適応指導の落とし穴  「適応」とは、「その場の状態・条件などによく当てはまること」(大辞泉)です。つまり、「適応力を養う」とは、ある状態に当てはまることを目指す考え方です。しかし「(この社会・学校に)どう適応するのか?」という問いには、「そもそもこの社会・学校でよいのか?」という「問い」はほとんど含まれていません。  要するに、適応力を育成しながら、これからの社会で自立していくために進むべき道をいくつか用意し支援していく、しかし「社会や人間関係への根底的問い」は考えていない。これが現在主流となっている「不登校」の受けとめ方なのです。  では現在、学校・社会への問いはまったくなくなってしまったのでしょうか。もちろん、社会を問う議論は今もさかんに行なわれています。ただ、その問いの中身は変化しています。  LGBTQ+の問題と学校教育のあり方、女性差別と学校文化、アメリカやアジアなどで学んだ後に日本の学校に通い始めたときに感じた文化のちがい、経済格差と学校などなど、さまざま... --- ### わが子への接し方に悩んだら 年間300家庭のサポートをする支援者が語る2つの具体的方法 - Published: 2023-03-08 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1860/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2023年3月15日号 「子どもとどう関わっていいのかわからない」そんな相談がもっとも多いと、不登校支援にたずさわる土橋優平さんは言います。今回は「子どもとの関わり方」について、土橋さんがフリースクールの実践などを通して意識している2つの極意を紹介します。(連載「出張版 お母さんのほけんしつ」第10回)※写真は土橋優平さん * * *  「子どもとどう関わっていいのかわからない」。そんな内容の相談がもっとも多く届きます。傷つきやすい子、親や先生の言うことにNOと言えない子、自分の考えをおもてに出さない子、「どうせ」が口癖の子、暴言暴力が日常的になっている子、外では明るくふるまい疲れきって帰ってくる子など、さまざまな気持ちの状態が性格となっておもてに出てきます。学校へ行くかどうかの前に、まずこの子とどう接したらよいのだろうか、と悩む親御さんがほとんどではないかと思います。今回はフリースクールのスタッフとして、ふだん私がどのようなことを意識して子どもたちと関わっているのかを、2つだけご紹介します。  1つ目は、解決ではなく安心をスタートにすること。子どもたちと初対面のとき、最初から「何がつらいの?」、「悩んでいることは?」と聞くことはしません。親御さんが同席する面談であっても、聞くのは「ふだんは家で何をするの?」、「好きなアニメある?」など本人が好きなことを中心に話を聴きます。どうしても大人は子どもの抱える問題を解決したいと思ってしまいますが、子どもが求めているのは解決ではなく、まず今を安心してすごせることです。  不登校になる前にしんどい思いをしていたときは「助けてほしい」、「この悩みを解決したい」だったかもしれません。でもそれから時間も経ち、そのつらさを感じる学校とは距離を置いている状態のとき、悩みは「私はどうして学校へ行けないんだろう」、「自分なんてどうせ」といった心のなかのモヤモヤに変わります。求めているのは、過去に学校で抱えていた悩みの解決ではなく、今ここにいる自分を肯定してもらうことなのです。その際、「大丈夫だよ」という抽象的な言葉を伝えるよりも、子どもの興味関心を聴き、いっしょに楽しむ時間をすごすことが大切です。そうすることで、「この自分でもいっしょにいてくれる人がいる」、「こんな自分でもいいんだ」といった気持ちが子どもの心に育まれていきます。 NOを言える 関係性をつくる  2... --- ### なぜ学校への連絡が必要なのか 元校長が明かす学校の仕組みと親の負担を減らすコツ - Published: 2023-03-08 - Modified: 2024-10-08 - URL: https://futoko-online.jp/others/1866/ - カテゴリー: イベント, others - タグ: 会員限定記事, 識者の指摘, 2023年3月15日号  毎日の出席連絡や学校からの配布物など、不登校中の悩みの種になる学校対応。元公立小学校校長の福田晴一さんは「親御さんは、もっとストレスのない学校対応を選んでいい」と語ります。40年以上教育現場に携わってきた福田さんに学校の公務的な理屈を踏まえ、不登校の親のための学校対策をお話しいただきました。2023年1月12日に行われた福田さんの講演(主催・全国不登校新聞社)を抄録します。(編集・遠藤ゆか)※写真は福田晴一さん * * * 石井志昂(以下・石井) 本日、司会を務めさせていただきます、全国不登校新聞社代表の石井志昂です。はじめに福田さんに自己紹介をお願いできればと思います。 福田晴一(以下・福田) みなさん、初めまして。福田晴一と申します。まずは、私の経歴をお話しできればと思います。私の教員人生には個に応じた教育というものが深く関わっています。  約20年間、東京都の小学校教諭を務めたあと、私は管理職として特別支援学校で働き始めました。もともと大学で特別支援教育については学んでいたのですが、言語障害や肢体不自由などさまざまな障害を抱えた子どもたちと実際に向き合うなかで、真の個に応じた学校・教育というものをあらためて学びました。  ご縁があってアメリカの在外教育施設(海外に在留する日本人の子どものための教育施設)の校長も経験しました。当時、現地の小学校に通っていた娘から「ジョンは頭いいからもう中学の数学の勉強をするんだって」、「トムは勉強ができないからもう1回2年生をやるんだって」と話を聞いたことがとても印象に残っています。年齢や学年にとらわれないアメリカの柔軟な教育を肌で感じることができたのは貴重な経験でした。  そうして、日本の特別支援学校で4年、アメリカの在外教育施設で3年とさらに経験を積み、日本の公立小学校の校長になったのが2007年のことです。不登校に疑問を抱き始めたのもこのころでした。文部科学省が毎年実施している問題行動調査に不登校が含まれているのを見て「え、何これ?」と感じたことが始まりです。「不登校は問題行動ではないし、むしろ問題にしている日本教育のほうに疑問を抱いた」というのが当時、校長としての私の率直な感覚だったんです。その後は、不登校のセミナーに参加したりしながら、子どもたちと関わってきました。このセミナーで石井さんにも初めてお会いしました。  ... --- ### 「学校をやめます」 小1の娘の不登校を機に夫婦で決断するまでに大事にしたこと - Published: 2023-02-28 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/parents/1909/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 会員限定記事, 親の思い, 2023年3月1日号  「うちは学校をやめます」。小1の娘が不登校したとき、母親の天棚シノコさんは夫との話し合いのすえ、学校から撤収するという決断をします。その後、天棚さんの娘はプレーパークやホームエデュケーションで育ち、高校生年齢になるいま、オルタナティブスクールに通っています。そんな天棚シノコさんが、学校とのやりとりや夫との話し合いのなかで心がけたのは「敵にしない」ということ。その真意とはいかに。また、学校や夫とのやりとりのなかで行なった具体的な方法やコツについて、うかがいました。 * * * ――天棚さんのお子さんが不登校をした経緯からお聞かせください。  娘は、小学1年生の6月ごろから、学校を休む日がすこしずつ増えていきました。ただ、私はとくにあわてることはありませんでした。というのも、いじめや自殺など、学校で苦しい思いをしている子どものニュースを見るたびに「はたして、学校は子どもにとって最適な場所と言えるのか」と、疑問を抱いていたからです。学校を1つの組織として見た場合、あれほど不祥事を出し続けているところもないのではないか、と。  ですから、「娘がイヤと言うのであれば、学校はやめてもいい」と考えていました。実際に娘が行きたくないと言い出したときは、ラッキーとさえ思ったほどです。「よし、学校から撤収するぞ」と(笑)。  また、理由を娘に問うこともしませんでした。「もう学校、いい」と、しんどそうに、絞り出すように話してくれた娘の姿を見て「イヤという気持ちを伝えてくれたことを、そのまま受けとめたい」と思ったんです。 私にとって 一番のショック  娘は幼稚園時代から自主保育で育ち、プレーパークにもかかわっていました。まわりのお母さんからも頼りにされるような、いわゆる「しっかり者」。また、「〇〇くんがこんなことをしてね」と、ふだんから今日の出来事を楽しそうに話してくれる子でした。そんな娘が学校を休むようになったある日、私にとって、一番ショックな出来事がありました。  「〇〇くんはバカだよ」と、娘が友だちをバカにするようなことを言い出したんです。小学校に入るまで、そんなことは一度もなかったのに。今思い出しても、胸が苦しくなります。誰かをバカにするような子にはなってほしくなかったし、そんなことをさせるために学校へ行かせたんじゃないって。だから、娘にはもう学校へ行ってほしくないと思ったんです... --- ### 「不登校という名称がイヤ」 不登校経験者が代わりの言葉を探してみたら - Published: 2023-02-27 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/children/1943/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2023年3月1日号  「不登校」という言葉はどうも硬い。もっといい言葉はないの?そんな疑問を持った不登校経験者・かんたさん(22歳)は、不登校経験者どうしで「不登校」「学校」などの言葉を言い換えてトークしてみました。たくさんの新語が生まれ、新しい発見があったと言います。 * * *  「不登校という名称が気にいりません」という方がいました。「登校」こそあるべき正しい行為だという雰囲気をこのワードから感じるから、だそうです。たしかに不登校をしていた当時の自分も、そういった呼ばれ方をすることにどこか悲しさを感じていたので、この意見には納得です。  では、どんな名前がいいのか? 「登校拒否」は重すぎるし、最近よく聞く「ホームエデュケーション」もちょっとまじめです。不登校経験者が集まる子ども若者編集部のメンバーはどんな名称がいいと思うのか聞いてみたいと考えた僕は、12月の編集会議で「不登校にまつわるいくつかの名前を変えてみよう」というテーマのもと、参加者と勝手に新しい名前を決めてみました。 学校を連想しないように  当日、参加者は性別も年齢もバラバラな不登校経験者7人。まずは「不登校」をチェンジしていきます。最初に出た意見は「在宅生」。一時期呼ばれていたそうですが、こちらもなかなか硬いようです。「フリー○○」といったよく使われる造語も考えてみましたが、あまり当てはまるものが見つからず。すると参加者から、学校を連想するようなワードをいれたくない、という指摘がありました。  たしかに学校を基準に考えると、どうしても否定的な意味にしかならないなと気づきます。それでは苦難を耐え忍ぶ、鍛錬の意味あいで考えるとどうか。「修行僧」、「トレーニングチルドレン」、「フリートレーナー」、「充電期間」などが挙がりました。かっこいい名称ですが、成長や努力することが義務だと感じてしまうような名前も、きっとよくないのでしょう。  さまざまな案が出ましたが、そのなかでも、閉じこもりながらも成長している、というイメージの「さなぎ」は、キャッチーかつ不登校の状態を見事にあらわしていて秀逸でした。しかし、そもそも当時の状態を成長過程だと思っていない、むしろあのころの自分が完成形だ、という猛者も現れ会議は混沌へ。最後には、「不登校」の持つ硬くネガティブな印象を取りのぞくべく、「不・登・校」の頭文字をとって「ふのこ」に決まりました(... --- ### 「小学校中学年までは勉強より遊びが大事」遊びの豊かさについて考える一冊 - Published: 2023-02-27 - Modified: 2024-05-16 - URL: https://futoko-online.jp/books/1934/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 2023年3月1日号  「プレーパーク」という子どもの遊び場をご存じでしょうか。日本全国に300カ所以上あるとされており、火遊びなど、子どもの「やりたい」を実現できる場所です。そんなプレーパークの第一人者・天野秀昭さんは「遊びが育むのは子どもの「生きている実感であり、教育でその実感は得られない」と言います。子どもの「学び」にばかり注目が集まるなか、子どもの「遊び」について考える1冊をご紹介します。 * * *  「小学校の中学年までは勉強より遊ぶことのほうが大事」と語るのは、天野秀昭さん。天野さんは1981年、日本初となる官民協働による冒険遊び場「羽根木プレーパーク」にプレーリーダーとして着任しました。以来、40年以上に渡って、日本各地のプレーパークの開設など、子どもの遊びの環境づくりを支援する活動を続けてきた第一人者です。  プレーパークとは、火遊びや木のぼりなど、子ども自身の「やってみたい」を実現する遊び場です。NPO法人日本冒険遊び場づくり協会によると、全国に300カ所以上存在します。天野さんは20年以上前から「遊育」という考え方を提唱しています。  遊びの本質は子どもの「やってみたい」という唯一無二の動機であり、それは「私の世界」につながっていく。つまり、「遊育」が育てるものは「私の世界」であるということです。そのうえで天野さんは「『私の世界』を生きることで初めて子どもは『私が生きている実感』を得られる。教育でその実感を教えることはできない」と指摘します。天野さんがプレーパークで接してきた子どもたちの「僕は学校で仮面をつけている」「今までの僕は生きてきたけど生きてなかった気がする」という言葉は、そのことを如実に表すものと感じます。  内閣府が2018年に行なった調査によると、「自分自身に満足している」と答えた子どもの割合は諸外国と比べて最も低いことが明らかになっており、「自己肯定感」の低さが問題視されています。また、不登校についても、小学生の不登校はこの10年で3倍以上に増えています。不登校をめぐる対策が新たに議論されている今だからこそ、「学び」だけでなく、「遊び」の重要性についても再考する必要があると思います。(編集局・小熊広宣) (初出:不登校新聞597号(2023年3月1日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### 「親の責任だ」には耳を貸さないでください みなさんは十分がんばっています【全文公開】 - Published: 2023-02-22 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1916/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 無料記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2023年3月1日号  「子どもに寄り添って」。そうたくさんの人が親にアドバイスします。しかし、「子どもに寄り添うのをやめてください」と不登校支援にたずさわる土橋優平さんは言います。なぜなら、親はこうあるべきという価値観が、親をしばり、苦しめてしまうからです。親御さんはもう十分がんばっている、「親の責任だ」なんて言葉には聞く耳を持たないでください、と土橋さんは訴えます。(連載「出張版 お母さんのほけんしつ」第9回)※写真は土橋優平さん * * *  「子どもといっしょに居るのが正直つらくて」。「本当は親も弱音を吐きたい」。そんな声が私たちのところに数多く届きます。つらそうな子どものようすを見ている親御さんも苦しいですよね。  そこで大切なのは、子どもに寄り添うのをやめることです。「子どもに寄り添ってと言われ続けてきたのに」、「親としてそれってどうなの」。そんな声が聞こえてきます。「親はこうあるべき」というその価値観が、親御さんの心と頭をしばり、余裕をなくしてしまっているのです。私はそれを「親の鎧」と言っています。  子どもが生まれてからというもの、ずっと子ども中心の生活をされてきたと思います。成長につれて子どもはできることが増え、関わる人も増えていきます。親としては「これはできてほしい」という子どもへの期待がだんだんと膨らみます。じつはこの「期待」には、ある考えが隠れています。それは「子どもがちゃんとできるかどうかは親の責任だ」という考え方です。  子どもがいつまで経ってもトイレを1人でできない。保育園に入ったのに大人数で遊ぶことができない。小学生だけど授業中イスにじっと座れない。漢字も計算もほとんどできない。そんなさまざまな壁が目の前に立ちはだかると、「あなたの子育てが悪い」と言われているかのように親は感じます。まわりに助けを求めたときに、直接そんな言葉をかけられた方もいるでしょう。  たしかにいっしょに暮らす親がどう在るかは、子どもの成長に大きく影響を与えます。ただ子どもたちは生まれた瞬間から大勢の人に囲まれて生きています。生まれた病院の先生や看護師に始まり、家族、親戚、保育園、地域クラブ、ご近所さん、学校、近所の駄菓子屋さんだって、子どもに影響をあたえる1人。1人の大人が子どもにかける「元気?」、「こんにちは」、「よくがんばったね」という声が、子どもの心に1つまた1つと積みあがって... --- ### 不登校になるまで追い詰められた3つの理由 - Published: 2023-02-22 - Modified: 2024-10-28 - URL: https://futoko-online.jp/children/3134/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, いじめ, 2021年2月15日号 - ハッシュタグ: いじめ  僕の不登校は、中学2年生の始業式から始まりました。当時は自分でもわからなかった不登校の理由が、歳を重ねて言葉にできるようになったので、今回は僕の不登校の理由について書いてみたいと思います。  僕は、突然学校へ行けなくなったわけではなく、おもに3つのことが積み重なって不登校になりました。それは、「先生」「勉強」「友だち」です。 まずは、先生です。僕の小学4年生の担任は、とても威圧的で狙った生徒をいじめるような人でした。  先生はテストで答えがあっていたとしても「とめ・はね・はらいが、ちがっている」という小さな理由をいくつもつけて、特定の生徒の点数だけ減らすことがありました。また、テストでまちがえた生徒の頭を教科書の角で殴ったりもしていました。テスト以外でも忘れ物やちょっとした不注意をすると、先生は生徒に暴力をふるっていました。 僕自身はなぜか優遇され、ターゲットになることはありませんでした。しかし、友だちは先生から殴られていました。たとえ自分は大丈夫でも、仲のよい友だちが理不尽にいじめられている状況は、当時の僕にとって恐怖でしかありませんでした。  最終的に、僕はだんだんと先生が信用できなくなり、先生がいる校舎に対して嫌悪感をおぼえるようになっていきました。  2つ目は、勉強です。先生がきちんと教えてくれないなどの影響もあり、小学校中学年のころから、僕は学校での勉強がまったく、わからなくなりました。  当時、なにより苦しくてしかたなかったのは、授業中、先生に当てられたとき「わかりません」と答えることでした。どの授業にもついていけなかったので、授業が始まるたびに「わかりません」と言う覚悟を決めるのですが、いざ答えるときになると「ほかの子は、答えがわかるのに」と悔しくてたまりませんでした。  一度、「わからないなら授業が終わるまで立っていなさい」と先生に言われたときには、「なんで僕だけ立たされないといけないのだろう」、「ほかの子だったら立たされなくて、すむのに」とまわりと自分を比べ、悔しくて号泣してしまいました。勉強ができないことで、僕は自分に対しての自信をなくしていきました。 ついに仲間外れ  最後、3つ目の理由は、友だちです。僕は、勉強はできなくても、運動神経はよいほうでした。そのおかげで、小学生のころは勉強ができて明るくおもしろい子がいる、いわゆるスクールカースト... --- ### 発達障害のグレーゾーンかもしれない僕。見つけた生きるヒント - Published: 2023-02-22 - Modified: 2024-10-31 - URL: https://futoko-online.jp/children/2949/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 発達障害, 2023年6月15日号 - ハッシュタグ: 発達障害  今回の執筆者、鬼頭信さんは「自分は発達障害のグレーゾーンなのかもしれない」と思ったことがあるという。小学校から今までのご自身の経験を書いていただいた。 * * *  発達障害には「グレーゾーン」という層があるらしい。発達障害はグラデーション状の障害で、「ここからが障害」と線引きがむずかしく、その境界線上の人をグレーゾーンと言うみたいだ。ところで僕はこれまで「3つの学校」へ行っている。その経験をふり返ったとき、自分もグレーゾーンかもしれないこと、そして、そんな自分との付き合い方も見えたような気がした。  1つ目の学校は小学校や中学校などいわゆる義務教育の学校。初めに自分に違和感を覚えたのは小学校の帰りの会だった。先生が明日の予定と持ち物を黒板に書くのだが、僕は時間内にノートに書き写すことができなかった。たいして長い文章でもないのに、先生が黒板を消すのに間に合わず、書ききれないのだ。  思えば、僕は授業中もノートを取るのがまわりの子よりも遅かった。たくさん文字を書く先生の授業は何度も黒板を確認しないと漢字が書けないのでたいへんだった。授業中は写すことに必死で整理ができず、僕のノートはいつもぐちゃぐちゃ。あとで見返しても復習ができないノートしか書けないので、しだいに勉強についていけなくなり、小学3年生のころのテストの点数は10点以下にまで落ちてしまった。  2つ目に行った学校は、約10年間の不登校とひきこもりを経験したあと、23歳で通った自動車学校。  座学では小学校と同じように、ホワイトボードを使いながら授業が進められた。自動車学校の先生たちは、板書が追いつかないと待ってくれる優しい人ばかりだった。しかし、その環境でも僕はノートを写しきれず、先生に急かされるようになった。苦肉の策で漢字を書くことをあきらめたら、なんとか写せるようにはなった。しかし、小中学校のときよりも圧倒的に文字の量が少なく、書いてある内容もかんたんなのに「こんなこともできないのか」と僕は自分が恥ずかしくなった。  3つ目の学校は、聴覚障害者へ通訳をする「パソコン要約筆記」という資格を取るために通った。ここでは資格取得のため1年間みっちり授業を受けたのだが、さいわいパソコン作業が主だった。手書きだったら挫折していたかもしれないが、ノートもパソコンで取ればいいので、板書にもつまずかなかった。 講師に呼ば... --- ### 「不登校だったように見えない」と言われるのが私はイヤだった - Published: 2023-02-20 - Modified: 2024-10-28 - URL: https://futoko-online.jp/children/3165/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, いじめ, 2021年2月1日号 - ハッシュタグ: いじめ この記事は、全編有料です。  さゆりさんは、自分の不登校経験に対する周囲からの言葉にずっと、とまどいを感じていたという。心のうちを書いていただいた。 * * * 「え、不登校だったの? ぜんぜん見えないよ~」 「一軍女子!って感じで毎日、楽しそうだよね~」。これは私が不登校を経験してから今まで、まわりからずっと言われてきた言葉だ。私は、この言葉をかけられるたびに、「うれしいけどなんかイヤだな」と、ずっと違和感をおぼえながら生きてきた。  私は、中学3年生で不登校になった。小学生のころに同級生から受けたいじめのトラウマで「ありのままの自分でいたら、またいじめにあうにちがいない。だからできるだけまわりに合わせなければ」と中学生だった私はかなり無理をしていた。しだいにまわりに合わせた自分で居続けなければならない環境に耐えられなくなり、中学3年の夏休み明けに体調を崩した。そして、そのまま私は不登校になったのだ。  不登校になってからは、落ち込むこともあったが正直ラクに感じる部分もたくさんあった。もう、まわりの目を気にしなくてよくなったことが大きかったのだろう。むしろ、「なんでもっと早く学校へ行かない選択をしなかったのだろう」と後悔したくらいだった。  中学で不登校になったあとは、通信制の高校に進学した。高校ではありのままの自分で仲よくできる友だちに出会えたこともあり、感情を隠さずに、すごすことができた。そのおかげか、自分でもわかるくらい見た目も性格も明るく社交的になり、へだたりなく同級生とも話せるようになった。 言われたのは  しかし、このころから私は周囲からの言葉に違和感をおぼえるようになっていった。それは、高校の同級生と中学時代の話になり「中学では本当にひとりぼっちで、不登校だったんだよね」と私が自分の過去を話すと、決まって同級生から「そんなふうには見えない」と言われるようになったからだ。 もちろん、同級生はイヤミで言っているわけではないし、今の自分を見て素直に言葉をかけてくれただけだと思う。でも、どこかで私は同級生の言葉に引っ掛かりを感じていた。  高校卒業後は、専門学校に進学したのだが、新しい環境にうまくなじむことができず、私はまた不登校になった。そして、不登校やひきこもり当事者のための居場所やフリースペースなど、自分と似た境遇の子に出会える場所へ行くようになった。... --- ### 「誰も助けてくれず心が壊れた」私が不登校になった理由 - Published: 2023-02-19 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/children/6068/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 無料記事, 当事者の声, いじめ, 2020年8月1日号 - ハッシュタグ: いじめ  一口に「不登校」と言っても、不登校になった理由や負った傷のかたちは人それぞれです。不登校経験者たちはどんなことに苦しみ、どんなきっかけで不登校になったのでしょうか。今回は、さゆりさん(19歳)の「不登校になった理由」を書いていただきました。 * * *  私が不登校になった理由は、5年生のときに同じクラスの男子から受けた、いじめです。バイ菌扱いされたり、給食のときに自分の机だけ離されたり... ... 。言葉や態度によるいじめをずっと受けていました。  いじめを受けながらも、しばらくはがんばって学校に通っていたのですが、しだいに私は「教室に入ったら、今度は何をされるんだろう」と恐怖心を抱くようになりました。  教室におびえる毎日に疲れ切った私は、ある日、ワラにもすがる思いでクラスでのことを相談室の先生に相談することにしました。  でも、先生は「そんなことに負けてどうするの? 逃げるの?」と言い、怖がる私を無理矢理、教室に連れて行こうとしました。  今ふり返ると、私をいじめていた人たちは外面のよい、いわゆる「よい生徒」だったし、私が身体的な暴力を受けていたわけでもなかったので、先生には小さな生徒どうしのトラブルに見えたのかもしれません。  でも、当時の私にとって、いじめは本当にツラいできごとで、先生に話したことも私なりの必死のSOSでした。  「誰も助けてくれないんだ。いじめられる自分なんか死んだほうがいいのかもしれないな」と、いじめに加え、まわりが自分のツラさを受けとめてくれなかったことが重なり、私の心はどんどん壊れていきました。  中学はいじめてきた同級生とはちがう学校に通ったのですが、結局、私は中学でもいじめのトラウマからクラスメイトに心を開くことができませんでした。  いじめられたことは、私の心の一生の傷になっています。19歳になった今でも、ときどき当時のことを鮮明に思い出し、フラッシュバックを起こしてしまうほどです。  不登校になって悪いことばかりではありませんでしたが、あのいじめがなければ、「私の人生は変わっていたのかもしれない」と思うと、複雑な気持ちです。(さゆり・19歳) --- ### 中学と専門学校、2度不登校をした私が、親にしてほしかったこと - Published: 2023-02-19 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/children/6041/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 通信制高校, 無料記事, 当事者の声, 2019年8月1日号 - ハッシュタグ: 通信制高校 執筆者・さゆりさん  今回は、母親との関係や、母にしてほしかったことについて、不登校経験者のさゆりさんに書いてもらった。 * * *  私は先日、人生で2度目の不登校になった。中学3年生のときに不登校し、通信制高校では楽しくすごしたものの、この4月から入学した専門学校に、入学後2週間で行けなくなってしまったのだ。  クラスの人間関係はすごくピリピリしていて、その場にいるだけで緊張しっぱなしだった。実技やテストなど課題も多く、自分の発達障害という特性上、まわりとペースが合わなかった。  専門学校に行けなくなってからしばらくして、私は母に「どういうふうにしたら専門学校へ行けていたと思う?」と聞かれた。  この質問をされたとき、答えるのにすごく迷った。自分でもどうしたらよかったか、わからなかったからだ。  もちろん母は、私がどうすれば専門学校に行きやすくなっていたかを純粋に考えてくれたんだと思う。私はそれに答えることができなかったことを申し訳なく思った。  だけど、同時にこんなことも思った。「また学校の話題を出すの?」「学校に復帰させようとしているんじゃないの?」。  母はただ心配で言ってくれたのかもしれない。でも私にとっては「母の心配」がものすごくプレッシャーだったのだ。 親に甘えられず  私は親に上手に甘えることができない。私が中学で不登校になったとき、母は何も言わずそっとしておいてくれたが、内心は不安でいっぱいだったのだろう。  私はあのとき迷惑をかけてしまったことへの罪悪感があったし、これでまた不登校になったら同じ負担を与えてしまう。  それに中学のころとちがい、せっかく払ってくれた高い学費をムダにできない。「今度こそ期待に応えなくては」と思っているうちに、なんとなく母に専門学校のことを話しづらくなっていた。  「ここで逃げたらもう終わりだ、がんばって行かなくちゃ」という思いと、「専門学校に対する違和感や『行きたくない』という本当の気持ちに嘘をつきたくない」という思い、いろいろな気持ちがループしてなんとか2週間耐えていたが、それも限界になり、パタリと行けなくなった。  「ああ、私はなんて親不孝な娘なんだ」と毎晩のように自分を責め続け、ついには自傷行為に走ってしまい、それを母に見つかってしまった。  だけど、自傷を見つかったことがきっかけで私の本心を母に言わざるを得... --- ### 地元の同級生から逃げ続けていた私が成人式に出席して感じたこと - Published: 2023-02-19 - Modified: 2024-08-29 - URL: https://futoko-online.jp/children/2650/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, いじめ, 2022年1月1日号 この記事は、全編有料です。  同級生と顔を合わせることになる、成人式。不登校当事者、経験者にとっては大きな壁となりえる。小学校、中学校と不登校を経験したさゆりさんは、昨年、実際に地元の成人式に出席したという。同級生と街中で会えば逃げていたという、さゆりさんが成人式に出席しようと思った理由は。また、出席したことで実感したこととは。覚悟と思いを執筆いただいた(※写真は振袖姿のさゆりさん)。 ***  私は昨年、20歳になり、地元の成人式に出席した。不登校をしていたときの自分からみれば、こうして無事に20歳を迎えられるなんて。ましてやイヤな思い出がたくさんある地元の成人式へ行くなんて、想像もしていなかった。今回は小学校、中学校と不登校を経験した私が、成人式への出席を決めるまでの覚悟と出席して実際に感じたことを素直に書いていこうと思う。  私の不登校は小学5年生のころ。クラスメイトの男子数人からのいじめが原因だった。バイ菌扱いをされたり、係の仕事を一方的に押し付けられたり。明らかにいじめられているのにも関わらず、ほかのクラスメイトは助けてくれないどころか、いじめを見て笑われたりしたこともあった。そんな経験から小学生時代は周囲全員が敵に見え、自分から壁をつくってばかり。中学に入るころには、私は完全に人間不信になり、中3で2回目の不登校を経験した。友だちに対する恐怖心は地元から離れた高校へ進学しても変わらなかった。だから、ばったり街中で出くわすようなことがあれば悪口を言われるかもと恐れ、私はいつも同級生から逃げ続けた。 再会が転機に  だが、そんな私の恐怖心は高校卒業後、中学のクラスメイトとたまたま地元で鉢合わせたことで大きく変わった。  出くわした瞬間は「どうしよう」という気持ちいっぱいで、今までのように見なかったふりをして私はその場から逃げ出そうとした。しかし同級生は「さゆりちゃん?」と私が不登校だったことなど関係なく「やっぱり! ひさしぶり! 会えてうれしい」と言葉をかけてくれたのだ。思いがけない同級生の反応にふれ、うれしくなった私は恐怖心がありながらも本当はどこかで同級生と関わりたいと感じている自分に気がついた。だから、家に帰ってからもう1度学生時代をふり返ってみることにしたのだ。すると、私のなかに1つの問いが生まれてきた。  それは、いじめのトラウマから壁をつくってい... --- ### 不登校で入院させられた 解決策が「治療」だった80年代の不登校とは - Published: 2023-02-08 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2019/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】今「不登校」を問うために, 2023年2月15日号  70年代から80年代にかけて、不登校の解決策は「治療」でした。そうした国や行政への批判から、オルタナティブスクールやフリースクールが設立されていきます。「不登校という問題」に長くかかわった中島浩籌(ひろかず)さんに当時を解説していただきました。(連載「今『不登校』を問うために」第3回)※写真は中島浩籌さん * * *  前回でも書きましたように、私はここ40年間、多くの「不登校」経験者と出会い、話し合ってきました。そこで感じたのは、いくつかの問いの絡み合いのなかで悩んでいる人が多いということです。「競争をあおる学校教育ってなんだろう?」、「男らしさ、女らしさを押しつける学校の人間関係って何?」などといった学校教育や社会・人間関係への問いと、「どうして自分だけが学校になじめないの?」といった自分自身への問いが重なりあい、考えこんでいるのです。  こういった問いに正解はありません。だからこそ悩んでしまうのです。 70年代後半から80年代においては、解決策として「治療」がとられていました。  学校を長期にわたって休むだけで「登校拒否症」、「情緒障害」などと診断され、精神病院や施設に入所させられてしまうということが実際に行なわれていたのです。  治療的対策は「学校に通うべき」という価値観を前提とし、不登校を個人の「心の問題」として対応していくものでした。いわば社会は現状維持のまま、「不登校する個人」だけを問題視するものだったのです。当然こういった受けとめ方への批判が高まります。問われているのは個々人の心ではなく、学校教育ではないのか、学校的価値が浸透してしまっている社会のあり方ではないのか、と。 フリースクールの誕生  そして「学校に通うべき」という価値観そのものを問う運動や討論会などがさまざまなかたちで広がっていきました。こうした運動・批判のなかから、学校とはまったくちがう教育を行なおうとするオルタナティブスクール、フリースクールなどが設立されていきます。また、学校に通う人/通わない人で分けない居場所としてのオープンスペースもつくられていきました。  運動の力もあって、「不登校者」を精神病院に入院させるという動向は弱まっていきます。しかし、「不登校」を個人の「心の問題」として捉えようとする動向は依然として続いていくのです。学校に不満があったとしても、自暴自棄にならないよ... --- ### 「息子のことがわかりません」不登校する理由がわからず自分を責め続けた母が決めた覚悟 - Published: 2023-02-07 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/parents/1948/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 会員限定記事, 親の思い, 2023年2月15日号  「この11年間、どうして行きしぶるのか、息子の気持ちがわからないまま。わかってあげられないことが何より苦しいですね」と語るのは、佐々木はるかさん(仮名)。息子の翔太さん(14歳・仮名)は幼稚園のころから行きしぶりが始まり、中学2年生の現在は不登校となっている。11年にわたって見守ってきたはるかさんに、長いトンネルのなかで考えてきたことや、昨年起きた気持ちの変化についてうかがった。 * * * ――現在、中学2年生の翔太さんが不登校だとうかがいました。今、どのようなことに苦労されていますか?  翔太のことは、「何もわからない」というのが正直なところです。わからないことが苦しくて、「せめてSOSを出してくれたら... ... 」と何度思ったかわかりません。  うつ状態でもないし、昼夜逆転もしていないし、部屋に閉じこもるわけでもないんです。いつもリビングでゲームをしたりユーチューブを観たりしていて、私と話をすることもあります。要するに元気なんですよね。でも、学校へ行けない。幼稚園のころから行きしぶりが続いていて、中学校は入学式にも行けませんでした。  家族としても3つ上に兄がいるのですが、小さなころからあまりコミュニケーションをとらない兄弟だったので、兄から何か働きかけることはありません。夫も登校を急かすようなタイプではなくて、月に1回、基礎英語のテキストを買ってくるくらい。あとは見守っていますね。だから、家のなかは穏やかで、淡々と時間が流れています。  私としては、翔太が何かに困っているのなら理解して、助けてあげたい。でも「どうして学校へ行かないの?」と核心にふれるようなことを聞くと、心のシャッターを下ろしてしまうんです。 息子の学び 私が奪っている?  学校へ行けば、いろいろなことを経験できるでしょう? そう思うと、学校へ行けるように仕向けられない自分が不甲斐なくて... ... 。翔太がたくさんのことを学んだり、体験したりするチャンスを私が奪っているような気がして、ずいぶん長いあいだ、自分を責めていました。 ――幼稚園に入ったころから行きしぶりが始まったのですね。  はい。通園バスに乗ってしまえば大丈夫で、先生にも「園では楽しそうですよ」と言われていました。でも、朝になると「行かない!」とだだをこねることが、年長さんになっても続いていたんです。いやなことがあるのか... --- ### 「避難者であることを隠して生きよう」原発いじめに苦しんだ小学生の決断【全文公開】 - Published: 2023-02-07 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/children/2009/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 無料記事, 当事者の声, いじめ, 2023年2月15日号 福島第一原発事故からまもなく12年。避難を余儀なくされた子どもたちのなかには、避難先でいじめにあい、不登校になったケースがすくなからずある。鴨下全生(かもした・まつき)さん(20歳)も、過酷ないじめを経験した1人だ。「早く天国へ行きたい」と思うほどの苦しさから「避難者であることを隠して生きる」と決めた鴨下さん。これまでの経緯や今伝えたいことについてうかがった(※写真は鴨下全生さん)。 * * * ――小学校2年生の3月11日に東日本大震災が起きるまでは、福島県いわき市で暮らしていたのですね。どんな毎日でしたか?  友だちとクワガタを捕まえたり、泥団子をつくったりして遊ぶのが大好きでした。春になると、僕が摘んできたツクシを母が甘い佃煮にしてくれるのを楽しみにしていましたね。海も近かったので、家族で潮干狩りに出かけることもありました。アサリの砂抜きをするためにしゃがみ込んで、青い桶をのぞき込んでいる父の後ろ姿をよく覚えています。 ――震災直後、どのようなことが起こったのですか?  大きな揺れが来たとき、僕はピアノ教室へ行くために玄関を出たところでした。船酔いするような揺れに立っていられなくなった僕を、母が抱っこしてくれました。  夜は停電したのでろうそくを灯してすごしたのですが、明け方、母が僕と弟を起こして「今から車で横浜のおばあちゃんの家へ行くから、好きなおもちゃを3つだけ持って」と言ったんです。弟が3つに決められないと言うから、僕は2つにして、弟に4つ選ばせてあげました。 横浜に着いたのは次の日の夜中の1時ごろでしたね。母からは「いわきには体に悪い毒があるから、すこしのあいだ離れるんだよ」と言われました。そのとき、僕は「1週間くらいで帰れるのかな」と思っていたような気がします。  原発が爆発したのは、僕たちが横浜に向けて移動していたときでした。両親ともに理系で、原発や放射線についての知識もあったので、爆発を予想して早めに避難したそうです。 ――その後、避難先の東京の小学校に転入したのですね。  学年末ギリギリで、えんぴつ3本以外ランドセルも教科書も持っていなかったけれど、新しい小学校ではみんなが温かく迎えてくれました。でも、3年生になった4月なかば、クラスメイトから突然「金を盗った」「金を返せ」と言われるようになりました。図工の時間につくった作品に「ばか」「しね」「... --- ### 新学期・クラス替えで心機一転 再登校を期待する親に伝えたい不登校の子どもの心 - Published: 2023-02-07 - Modified: 2024-08-29 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1965/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, いじめ, 2023年2月15日号 「もうすぐ新学期だし、学校復帰にちょうどいい」親としてはそんな希望を持ちますよね。しかし、不登校支援にたずさわる土橋優平さんは、「子どもにとって、新学期などの環境の変化が登校の後押しになるかは別問題です」と言います。学校へ行かない子どもの心のなかでどんな葛藤があるのか。親としてどんなことに気をつければよいのか。土橋さんが解説します。(連載「出張版 お母さんのほけんしつ」第8回)※写真は土橋優平さん * * *  「もうすぐ新学期だし、学校復帰にちょうどいい」、「クラスも変わるから、学校へ行けるはず」。そんな気持ちをお持ちの方、いらっしゃるのではないかと思います。たしかに特定の人、たとえば友だちや担任の先生が苦手という子にとって、クラスが変わるというのは大きな変化です。新学期になるということも、親御さんにとっては「気持ちも切り替わって学校へ行けるようになるかな」と期待をしますよね。でも子どもにとって環境の変化が登校の後押しになるかはまた別の問題なのです。  たとえばクラスにいじめてくる子がいる。それがつらくて学校へ行きたくなくなったけど、最近は保健室であれば登校できている。そんな状況であれば、「クラスが変われば登校できる」と親御さんが思うのは自然だと思います。でも子どもの心の内をのぞいてみると、ちょっとちがった世界が見えてくることもあります。  クラスの1人にいじめられている子を想定してみましょう。はじめのうち、子どもにとって抵抗があったのは、あくまでいじめてくる子だけ。しかし「イヤだな」という思いは日に日にエスカレートしていって「怖い」という感情に変わっていきます。まわりの先生や友だちは味方してくれず、親にも話せないまま。徐々にその「加害者」だけでなく、先生や友だちに対しても暗い感情を持つようになっていきます。「どうして助けてくれないの」という悲しみと怒り。それが積み重なるなかで、最初は特定の子どもだけがイヤだったのに、段々とまわりの人に、そして学校という場所全体に対しての嫌悪感にまで発展していきます。  「きっかけは?」と問われれば「友だちからのいじめ」なのですが、「学校へ行かない理由は?」と問われれば返ってくるのは「学校が怖い」なのです。大人は、特定の友だちがイヤなだけだったのにどうして、と頭を抱えますが、子どものなかにはさまざまなつらさがあるのです。 大人への... --- ### 「いっしょにごはん食べないか?」高校3年間の不登校が終わるきっかけは父からのメールだった - Published: 2023-02-07 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/children/1970/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2023年2月15日号  高校三年間不登校だった僕が変わるきっかけになったのは、家族と晩ごはんを食べることだった――。構成作家として働く今日からみやもとさん(30歳)は、不登校当時、部屋にこもり、家族と目を合わさないようにしてすごしていました。そんな家族関係が変わったのは、父親からの1本のメールでした。晩ごはんをいっしょに食べる、それだけのことが僕に安心感をくれた、そう語る今日からみやもとさんに当時を振り返っていただきました(写真は今日からみやもとさん)。 * * *  不登校が終わる理由やきっかけは人それぞれだと思います。私の場合は、家族と「晩ごはんを食べること」がきっかけでした。高校3年間不登校だった私は、両親や弟と顔を合わせないように生活していました。いじめなどもなく、ただ学校へ行きたくなかっただけの私は、両親に「ちゃんとした理由もないのに休むなんてダメだ。学校へ行きなさい」と言われることが怖かったのです。  だから、家族が仕事や学校で家を出たあとに自室を出て、リビングで日中の時間をすごし、夕方になって「そろそろみんなが帰ってくるころかな」と思ったら再び自室にひきこもるという生活サイクルでした。そのため、当時はご飯を食べるタイミングが不規則でした。  朝食は11時くらいに、母がつくったお弁当の残り物のおかずを冷蔵庫から出してチンして食べる。昼食は15時前後くらいの、お腹が空いたタイミングでインスタントラーメンをつくって食べる。ただ麺を茹でるだけだと味気ないと思ったので、卵を1つ入れてみたりしていました。そして夕食の時間は23時以降、家族が寝室に入ったタイミングでコソコソと起きてお風呂に入り、夕食の残り物を食べて再び2階の自室に戻って寝る。このようなサイクルでした。 食べた形跡を残したくない  食器や割った卵の殻など、食べた形跡が残りすぎると、それらを見た両親に「食欲があるということは元気なはず。だからもう学校へ行けるはずだ」と思われてしまいそうな気がして食欲を抑えていましたが、お腹は空いてしまいます。どうしようか考えた私は「生ごみや洗いものが出ないような食事ならバレないのではないか」と思い、母親が買っていたであろう菓子パンや冷蔵庫の奥底に眠っていたプリンなども夜中に食べたりしていました。どんなにガマンしても腹は減ります。そういった不規則な時間に偏った栄養バランスの食事をとる日々が影響... --- ### 「このままでは卒業できません」学校からの通知に慌てる前に知っておきたいこと - Published: 2023-02-07 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/column/1959/ - カテゴリー: コラム - タグ: 会員限定記事, コラム, 2023年2月15日号  卒業や進級・進学など、社会全体があわただしく動くなか、不登校の子どもだけではなく、親にとっても、焦る気持ちが出てくる時期がやってきました。そこで、この時期に親が焦ってしまいがちな3つのポイントとその際の対応について考えます。 * * *  年度末が近づいてくると、出席日数の不足を理由に学校から「このままでは卒業できません」といった連絡が来ることがあります。しかし、ここで焦ってはいけません。小・中学校の場合、法律上、出席日数は卒業・進級の要件と定められていないからです。つまり、学校に1日も通っていなかったとしても、校長の裁量によって、卒業・進級が認められます。  ただし、校長によっては「このままでは卒業証書は渡せない」などと、かたくなに認めようとしない場合も起こりえます。ここでもあわててはいけません。  「卒業証書授与台帳」に子どもの名前が記載されていれば、卒業が認められたことになります。つまり、卒業証書の授与はたんなる儀式であり、卒業証書をもらわないと卒業できないなんてことはありません。学校が子どもの登校を催促するようなことがあれば、上記の事柄を伝えるなど、親が毅然とした態度で子どもの防波堤になることが重要です。 なんとか学校へ  出席日数への懸念に加えて「学校へ行ってほしい」という親の思いも絡んで、子どもを車に乗せて学校まで連れて行った、という話をよく聞きます。これは今の時期にかぎったことではありませんが、子どもを追い詰めてしまう対応の代表格です。  小学校3年生で不登校をしたAさんも、親とともに車に乗って登校した経験があると言います。ある日、Aさんが取った行動は、赤信号で停車中の車のドアを開けて逃げ出すというものでした。さいわい大きな事故にはいたらず、事なきを得ましたが、子どもの意志に反して登校させようとすることがどれだけ子どもを追い詰めるかということを示すエピソードの1つです。子どもの意志に反して登校させようとすることは、百害あって一利なしと言っても過言ではありません。 進学やバイト  この時期になると「進学先が決まった」「アルバイトを始めた」といった話が親の耳に入ってきます。「うちも何かしなければ」という親の焦りから学校のパンフレットやアルバイト情報誌などを子どもの目につく場所に置こうかと悩まれる親御さんもいます。そんな焦りが出てきたら、まずは深呼吸をして... --- ### 親がするべきは「子どもを信じること」と断言する医師が解説する育児の具体的な方法 - Published: 2023-02-07 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/books/1978/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 2023年2月15日号  医師・臨床心理士の田中茂樹さんは、診察や面談を通じて、不登校の子どもの親と数多く接してきました。親の取るべき態度は「子どもを信じること」と断言する田中さんが実例をもとに親がどうするべきか、育児に関する具体的な方法を提案する1冊を紹介します。 * * *  不登校、ゲームなど、子どもをめぐるさまざまな親の悩みごとについて、親の取るべき態度は「子どもを信じること」と断言するのは、医師・臨床心理士の田中茂樹さんです。本書では、「子どもを信じること」という方針に基づいた育児の具体的な方法を提案しており、田中さんが診察や面談などを通じて向き合ってきた親子の事例が多数紹介されています。  不登校に悩む親との面接の際、田中さんがまず伝えるのは「不登校は、子どもが自分を守るために、勇気を出して選んだ大事な行動である」ということ。そして、「勉強の遅れや生活習慣はひとまず目をつぶってでも、子どもが外に出ていけるように元気が回復することを一番の目的にすべき」と指摘します。  また、再登校のタイミングについては「子どもが自分で決めることが大事である」と強調します。なぜなら、その決断は子どもにとって、その後の長い人生のなかで活きてくる自信につながり、親にとっても子どもの勇気を信じて待つことができたという重要な経験になるからです。そうした親子のやりとりは、その後の親子関係において貴重な絆になると、田中さんは言います。  とはいえ、「子どもを信じる」というのは、口で言うほどたやすいことではありません。では、どうすればよいのかというと「子どもに小言を言わず、やさしく接する」ということに尽きるというのが田中さんの考えです。具体的には「〇〇しなさい、××してはダメ」といった指示や禁止の言葉がけをできるだけ控えてみることをすすめています。  本書はテーマごとに45の章立てから構成されていることもあり、親が興味を持ったところから読んでみるということもできる1冊になっています。(編集局・小熊広宣) 『子どもを信じること』 田中茂樹 3080円(税込) さいはて社 (初出:不登校新聞596号(2023年2月15日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### 「あいつと関わるな」 僕の一言で友だちの態度が一変 中2で不登校した帰国子女の体験談 - Published: 2023-01-25 - Modified: 2024-05-16 - URL: https://futoko-online.jp/children/2073/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2023年2月1日号  「僕を救ってくれたのは、ただのおしゃべりだった」。中学2年生のときに不登校になった彦田ブランドンさん(28歳)はそう話します。現在は英語講師をしながら不登校の子どもに関わっている彦田ブランドンさんに、不登校経験をお聞きました(※写真は彦田ブランドンさん)。 * * * ――まずブランドンさんの現在について教えてください。  僕は今、フリースクールで週3日、非常勤スタッフとして働きながら、個人でオンラインの英会話スクールを開いています(こちら)。英会話の仕事を始めたのは、英語が自分の世界を広げるのによいツールだと思っているからです。インターネットで検索する際、日本語で検索すると日本の情報しか出てきませんが、英語で検索するといろんな国の情報が出てきます。つまり、たくさんの文化や考え方を吸収することができるんです。人間関係など何かに悩んだときも、英語を使うことができれば、世界中の人の考えを知ることができます。そうやって多くの情報を得ることは、自分らしく豊かに生きるための力になると考えています。人生を楽しくするお手伝いができたらいいと思って、英語を教えているんです。  ただ、教えるといっても、文法を細かく説明するようなことはしません。生徒さんが興味のあるテーマで純粋におしゃべりを楽しみます。おしゃべりを大切にしているのには理由があります。不登校だったときに僕は、「ただのおしゃべり」に心から救われました。その経験からレッスンでもおしゃべりを中心にしているんです。 ――どんな不登校を経験されたのでしょうか?  14歳の10月、僕は7年暮らしたアメリカから日本へ帰国し、地元の中学に転入しました。その後、2月に不登校になりました。理由は、「ここでは自分が自分でいられない」と感じたからです。その違和感は帰国して空港を出た瞬間から感じ始めていました。日本で暮らす家へ行くまでの電車やバスのなかで、「みんな同じようなかっこうをしているな」と気になったんです。みんな同じような色の服を着ていて、髪型も似ていると思いました。その光景は自分がアメリカで見てきたものとはまったくちがっていて、まるで別世界に来たような気分でした。  地元の中学へ転入すると今度は、みんなが同じようなことばかりを口にしているのに驚きました。  ゲームもアニメも、みんな同じものが好きだと言うんです。「そんなの本音なわけがな... --- ### 「勉強を全然しません」不登校の親の悩みにフリースクール代表が語る学びの本質【全文公開】 - Published: 2023-01-25 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2084/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 無料記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2023年2月1日号  「不登校してたら勉強が遅れてしまう」不登校の親にとって、子どもの勉強をどうするかは心配の種です。不登校支援にたずさわる土橋優平さんは、学校の勉強よりも、その子自身の「好き」からたくさん学ぶことが大切だと言います。(連載「出張版 お母さんのほけんしつ」第7回)※写真は土橋優平さん * * *  「子どもが勉強をまったくしないんです」、「ほかの子はどんどん進めているのに、うちの子だけ遅れていってしまって」。そんなご相談をよくいただきます。親としては、子どもが勉強せずにいるのは大きな心配の種ですよね。  私が代表を務めるNPOではフリースクールも運営しています。本人の希望があれば勉強を教えることもありますが、実際に勉強に取り組んでいる子は1割に満たないのが現実です。でも、子どもたちは勉強をしなくても日々「学んで」います。  そもそも勉強することで何が得られるのか。私は自分自身によく問いかけます。国語力を身につけて、他人とコミュニケーションをうまく取れるようになる。計算のしかたを学んで、日々の生活に困らないようになる。「いい学校」へ行って、「いい会社」へ就職する。人によってその解は異なってくるでしょう。  私が大勢の子どもたちとの関わりのなかから編み出した答えは「初めての事柄との出会いを楽しみ、自分の人生に積極的になる」でした。キーとなるのは「好き」、「楽しい」ということです。まず「勉強」という言葉ですが、一般的にイメージされるのは、学校の授業や教科書学習です。でも私はそうした意味の「勉強」ではなく、より広い視野で見た「学び」のほうが大事だと考えます。 好きから学ぶ  たとえばある不登校の小学生はゲーム「マインクラフト」にドハマりしています。毎日6時間以上費やし、ついにはゲーム機では飽き足らず、パソコンを購入してまでやるように。すると数カ月も経たないうち、にその子はローマ字打ちをマスターしていました。大人の力をいっさい借りずに。本人は好きなマインクラフトのために、みずからユーチューブやネット上の情報からスキルを得たのです。  たとえばある不登校の中学生は、海外生活を長くしていたこともあり、日本に来てからも家族で英語を話すのが日常でした。話せるだけでなく、日本語と英語の文章校正や単語1つ1つの意味、そこから見えてくる文化のちがいといった点に関心を強く持ち、「言語」が好きでし... --- ### 「この人に会えたら変われる気がした」7年ひきこもりした男性が憧れの人に出会うまで - Published: 2023-01-25 - Modified: 2024-10-07 - URL: https://futoko-online.jp/children/2086/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2023年2月1日号 「この人に会えたら、僕は変われるかもしれない」。7年のひきこもり経験を持つ瀧本裕喜さんは、自身が『不登校新聞』で企画した植松電機社長・植松努さんの取材(本紙570号掲載)が忘れられないと言う。取材を終えて、「自信のない自分を認められるようになった」と語る瀧本さんに、取材の過程をふり返っていただいた(※写真は瀧本裕喜さん)。  『不登校新聞』の「子ども若者編集部」には、雑談や交流がベースの「編集会議」とは別に、企画や記事を本気(ガチ)でつくっていく場として「ガチ会議」がある。  ガチ会議では、自分が考えた企画や書いた原稿を参加者たちで読み合わせて、フィードバックをし合い、企画・記事の完成度を高めていく。今回は、そんなガチ会議に僕が参加して、あるインタビュー企画を立ち上げた、いきさつについて書こうと思う。  最初は、インタビューしたい人がいても、どのように企画書にまとめたらよいのかわからなかった。まず読者が読みたい企画で考えてみた。きっと読者はこんなことを知りたいのではないか。あんなことを知りたいのではないか。いろいろと仮説を立ててみる。しかしそうやって考えた企画は、自分の思いに根差した企画ではないから、どこかしっくりこなかった。そもそも僕が取材をする必要があるのだろうか。そんなことを考えるようになった。転機となったのは、「自分が救われるために企画書を書いてください」という編集者の一言だった。  はっとした。    読者ではなく、僕自身が興味のある人に会いたいと言っていいんだ。今、僕が一番会いたい人は誰だろう、と考えた。すぐに答えが出た。それは植松電機社長の植松努さんだ。植松さんは、子どものころから、飛行機やロケットに関わる仕事をしたくて、夢中になって勉強してきた。しかし、そこで得られた知識は、テストではまったく出題されず、点数はよくなかった。  「どうしてその人に会いたいのか?」と心を掘り下げていく。企画書を書くためには、もっともっと、自分の思いを言葉にしなきゃならない。どうして植松さんに会いたいと思うのか。僕は自問自答した。「お前なんかムリだ。できるわけがない」と、まわりの人からたくさん言われても、夢をあきらめなかった植松さん。同調圧力に屈しないところに、強くあこがれた。  心で感じていることを、言葉にするのは難しい。でも僕が植松さんを通して、心が揺さぶられた経験を... --- ### 「寄り添う」の落とし穴 大学准教授が語る「してあげる」でなく「いっしょに考える」大切さ - Published: 2023-01-25 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/interview/2094/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2023年2月1日号  「寄り添う」とは、いっしょに考えること――。「スカートをはいた大学教授」としてSNSなどで話題の兵庫教育大学准教授・小川修史さんはそう語ります。小川さんは「障がい者のために」という意識から離れることが当事者の尊重につながると、みずから考案したユニバーサルファッションを着用して思いを発信しています。人を尊重し、寄り添うとはどういうことなのか。不登校の子どもをどう支えるか、という観点からも示唆の多い取材となりました(※パリでボトモールをはく小川さん)。 * * * ――小川さんはどのような思いからスカートをはくようになったのでしょうか?  私の思いをお話しする前に、まず私が着用しているスカートについてご紹介させてください。私がはいているのは、「ボトモール(bottom’all)」という身体障害のある方の声を起点に開発した商品になります。かたちはいわゆる巻きスカートで、腰に巻いて、前をファスナーやスナップボタンなどで留めるしくみとなっています。身体障害があり車いすを利用する方は、パンツをはくハードルが高く、お尻を浮かさないとうまくはくことができません。そのため衣料品店で試着するのも人の手を借りないと難しく、ある当事者は「おしゃれをあきらめている」と漏らしていました。  そこで、車いすの座席に広げて、座って腰に巻くだけでかんたんに着られるボトムスを、私が所属する「一般社団法人日本障がい者ファッション協会(代表理事・平林景)」のメンバーとともにつくりました。ただ、私たちはこの商品を「障害がある人のためのボトムス」にはしたくありませんでした。「障害がある人のために」と言ってしまうと、障害のない人が障害のある人に「つくってあげた」という上から目線が生じてしまうからです。  それでは対等でないし、障害のある人を尊重することにはなりません。だからこの商品は誰もがおしゃれに感じるようにと意識してつくりました。それで名前が、「ボトム」と「オール(全員)」を組み合わせた「ボトモール」というわけです。私自身がボトモールを着用しているのも、障害や性別に関係なく魅力を感じるデザインを発信するためです。  実際、ボトモールを着用し始めてから「先生、おしゃれになりましたね」とまわりに言っていただけるようになりました(笑)。こうやって障害の有無に関わらずすべての人が魅力に感じることが、障害者への本当... --- ### 「つぎに生まれるなら虫がいい」学校に苦しむ子どもの本音に触れる一冊 - Published: 2023-01-25 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/books/2099/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 2023年2月1日号 教育相談員として、教育支援センターに20年以上勤務する林千恵子さん。これまで800人以上の不登校の子どもたちと向き合ってきた林さんが、彼らが書いた作文とともに、不登校の思い込みをほぐすことの大切さを語った1冊を紹介します。 * * *  今回ご紹介する1冊は、林千恵子さんの新刊です。林さんは教育相談員として教育支援センターで20年以上勤務されており、その間に出会った不登校の子ども・保護者・教員などはそれぞれのべ800人に及びます。本書では、自身について、「不登校支援のひよっこだった」と語る時期に生徒からかけられた一言でショックを受けたことなど、教育支援センターに通っている子どもとの日々のやりとりが克明に書かれています。  なかでも、私が本書の核の部分と感じたのは、子どもたちが書いた作文です。  子どもたちが教育支援センターに通うなかで、後輩に向けて、また10年後の自分に向けてなど、その都度のタイミングで子どもたちが自身の思いをつづった作文に目を奪われます。  子どもたちが教育支援センターに通うことになった背景もじつにさまざまです。ゲームばかりで生活習慣が乱れている子は林さんとの面談で「ゲームでもしていなければ、みじめでみじめでやってられないんだ」と怒りをあらわにします。人間関係に悩みながらも学校へ戻ることを決めたのちに再び教育支援センターに戻ってきた子は「人間はつらすぎるから、つぎに生まれてくるのなら虫になりたい」と絞り出すように話す子もいます。その後、前者は専門学校へ、後者はデザイン系の仕事に就く夢を持って一歩を踏み出すわけですが、彼らが書く作文を読んでいると「不登校の子どもの成長物語」などのありきたりな言葉で片付けられないほど、子どもたちが感じている痛みや悲しみ、喜びや決意などが感じられます。  不登校の子どもを持つ親のなかには「うちの子が何を考えているのかわからない」と悩まれている方もいるかと思います。そんなとき、手に取っていただきたい1冊です。(編集局・小熊広宣) (初出:不登校新聞595号(2023年2月1日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### わが子の卒業式に今悩んでいる親へ 親が大事にすべきことが1つあります【全文公開】 - Published: 2023-01-25 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/1949/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, コラム, 2023年1月15日号 「卒業式には出ますか?」「卒業アルバムの写真はどうしますか」といった学校からの確認連絡を受け、どうしたものかと頭を悩ませている親御さんも多いのではないだろうか。そもそも、不登校経験者は卒業式に出席したのか、欠席したのか。出席・欠席したことをふり返って、今どう思っているのか。不登校経験者80人に行なったアンケート結果から見えてきた、わが子の卒業式を控えた親が大切にすべきこととは。 * * *  冬休みが明けました。小学6年生や中学3年生のお子さんを持つ親御さんのもとには「卒業式に出るか否か」「卒業アルバムの写真はどうするか」など、学校からの連絡が来ている場合もあるかと思います。不登校と卒業式をめぐり、親が大事にすべきことが1つあります。  それは子どもの「自己決定」です。「最後ですから」という担任の言葉に親の気持ちが揺らいだという話も聞きますが、卒業式で卒業証書をもらう子どもの姿を見て「ひと区切りついた」と安心するのは大人です。卒業式に出る・出ない、卒業アルバムをもらう・もらわないについては、子ども自身で決めることが何よりも重要です。その理由について、本紙で以前、不登校経験者80人に実施したアンケート結果から考えます。 80人の本音は  不登校経験者80人を対象に行なった卒業式に関するアンケート結果を見ると、「出席した」と答えたのは62%、「欠席した」と答えたのは38%でした。 興味深いのは「卒業式に出席(または欠席)してよかったか?」という質問に寄せられた回答です。  出席者のうちもっとも多かった回答は「どちらともいえない」で4割を超えました。この点については「後悔したくないと思って出たが周囲の対応に傷ついた」「居心地が悪かった」といった意見が寄せられました。また、「最後だから」という周囲の期待に応じるかたちで出席を決めた人からは「卒業式に出るという経験ができたことはよかったが、後悔もしている」という意見もありました。  他方で、欠席者のうちもっとも多かった回答は「欠席してよかった」というもので、8割に達しています。逆に欠席したことを後悔する声は1割に満たなかったのです。  回答者からは「もう学校へ行きたくなかったから」という声があったほか、卒業アルバムについても「学校からは何ももらいたくない」との理由で受け取らなかったという声もありました。子どもが考え、自身で決め... --- ### 「信じて待つ」が難しい 経験者と専門家の語りから考える不登校の親の理想的な「待ち方」 - Published: 2023-01-24 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/column/2079/ - カテゴリー: コラム - タグ: 会員限定記事, コラム, 2023年2月1日号  「子どもを信じて待つ」と言われても、どうやって、いつまで待てばよいの? そんな悩みを抱えている不登校の子を持つ親に、「待つ」ことの具体例やポイントとコツ、またやってはいけないNGについて、本紙記者のコラムです。 * * *  不登校の親向けのアドバイスとして「子どもを信じて待つ」ということがよく言われます。しかし、どうやって待てばよいのか、いつまで待てばよいのか、と悩まれる方はすくなくありません。そもそも、親の「待つ」という行為は、子どもの目にはどう映るのでしょうか。年度末が近づく今、あわただしくなる周囲の動きに親が翻弄されないために、不登校経験者や専門家の語りを軸に「待つ」ということについて考えます。 どうやって待てばいい?  Aさんが不登校をしたのは小学2年生のとき。Aさんの親は登校を促すなど、急かすようなことはしませんでした。一見すると、Aさんの親は「待つ」ことができているように見えますが、「まったく待てていなかった」とAさんは言います。なぜなら、Aさんが「学校へ行く」と言えば喜び、朝になって「やっぱり行けない」となればガッカリした親の姿を見たからです。「待つとは、子どもが親の望み通りになるのを待つことではない」と、Aさんは言います。  そんなAさんが「これが待つということかもしれない」と感じたときがありました。  それは、Aさんが高校へ入学したとき。親が自身の趣味を優先して家を空けるようになったのです。これについてAさんは「親がいきいきしているのは、子どもにとってもまちがいなくよいこと。親が外出先での出来事を楽しんでいる姿を見ることで、社会的なものが喜びをもたらすことを私に感じさせた」と言います。Aさんの親が、わが子のことを気にかけつつも、親自身の好きなことを大事にしてすごした結果、Aさんにとって自分が問題にされない毎日がすぎていくことになり、心が休まったと、Aさんはふり返ります。 いつまで待てばいい?  冒頭でもふれた通り、「いつまで待てばよいのか」と、しんどくなっている親御さんもいます。これについて、児童精神科医の高岡健さんは「いつまで、と考えないほうがよい」と指摘します。期限を区切ってしまうと、その期限が近づいてきたとき、親も子も焦りにさいなまれるだけだからです。  そのうえで高岡さんは「待つ」ことの趣旨は「子どもがエネルギーを蓄えて元気になることを... --- ### 私は不登校教員になった 6年目で高校を辞めた元教員が不登校の子どもからの問いを受けとめ続けた40年 - Published: 2023-01-24 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2090/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】今「不登校」を問うために, 2023年2月1日号  教員として高校に勤めながら、勤務先の学校へ行けなくなってしまったことがあるという中島浩籌(ひろかず)さん。「不登校教員」となってから、不登校の子どもとのさまざまな出会いを通して、不登校とはなんなのか、学校とはなんなのか、考え続けてきました。(連載「今『不登校』を問うために」第2回)※写真は中島浩籌さん * * *  こんにちは。以前「不登校50年証言プロジェクト」などでお話をさせていただいた中島浩籌です。私は1977年から6年間、東京の都立高校で教師をしていました。学校は楽しかったのですが、何人かの「不登校」生徒と出会い、学校を長期にわたって休むことを「問題」と捉えてしまうような学校教育への疑念がだんだん積もっていきました。  6年目の4月、新しい学校に赴任した際、自身の身体にもそれが現れてきたのです。朝、脱力感が強まり、起きられなくなり、私が出会った「不登校生徒」と同じ症状が出てきてしまったのです。  そこで「これは辞める以外ない」と思い、辞職しました。言わば「不登校教員」になり、学校を「中退」したということです。その後1年間は無職でした。つれあいと共稼ぎであったので経済的にはなんとかなりましたが、仕事を放り出した自分を責めることもあり、苦悩が多い時期でした。  しかし、だんだん新しいかたちで教育に再度関わりたいと思うようになり、ちょうどその時期に設立されたフリースクールで働くことができたこともあって、高校、大学、私塾などでも自分なりに新しいかたちで「教育」に関わるようになりました。そして多くの「不登校」経験者と出会い、ゼミや読書会を通じて、さまざまな問題について、ともに考えてきました。 当事者からの「問い」  「不登校児童生徒」からの問いかけはいろいろでした。成績を上げるために競争し続けるような学校教育ってなんだろう? 男女を区別し、男らしさ・女らしさを押しつけるような規則・習慣を持つ学校って何? 学校を休んだりクラスになじめないだけで「〇〇障害」や「〇〇症」と分類する社会って何? そこについていけない私はダメな人間なのか? はっきりした理由がわからないまま「不登校」になるのは甘えているのだろうか? などなど。  私はそういった問題・論争に長く関わり考えてきました。こういった問題には正解はありません。また、その問いは私たちのあり方、人間関係、社会のあり方に直接... --- ### 偏差値37から大学へ 実体験から考える不登校からの勉強で大事なこと - Published: 2023-01-13 - Modified: 2024-11-29 - URL: https://futoko-online.jp/children/2405/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, いじめ, 2022年6月15日号 小学4年生から始まった過酷ないじめ。困窮を極めた家庭生活。そんなどん底の生活のなか、希望になったのはなんと「勉強の楽しさ」だった――。現在大学院で学ぶ徳永竜備さん(27歳)にインタビューしました。「勉強が生きがい」とまで言う徳永さんですが、不登校の子を持つ親御さんにどうしても伝えたいことがあると言います(※画像は徳永さん)。 * * * ――徳永さんが不登校になったのは、いじめが原因とのことですね。 そうです。小学4年生のときにいじめにあいました。当時僕が住んでいたのは、佐賀県の小さな町でした。電車の駅もないような田舎町です。 子どもの数もすくなく、通っていた小学校では、男子はほとんど全員が野球クラブに入っていました。 僕もみんなと仲よくなりたいという気持ちで野球クラブに入ったのですが、そこでいじめのターゲットになりました。 ある日、たまたま体調をくずして数日練習を休んだんです。そしたら「あいつはずる休みした」という言いがかりをつけられ、そこからいじめがスタートしてしまいました。 ――具体的にどんないじめがあったのですか。 上履きを隠されたり、教科書を破られるのはあたりまえ。体当たりされたり石を投げつけられたり、掃除のときに飼育小屋に閉じ込められこともありました。 朝学校へ行くと、みんなが僕に「帰れ、帰れ」とコールするんです。今でこそ、こうして話せるようになりましたが、当時は本当につらかった。希望がなく、毎日死にたかったですね。 当然、学校へは行きたくないので、ポツポツと休んでいました。もっとたくさん休み続けたかったんですが、それはできませんでした。 というのも、実家がかなりの貧困家庭で、電気やガスを止められることもしょっちゅうあるような状態でした。父親は出稼ぎで家にいないことが多く、母親は子どもの面倒を見ずに遊びに行っちゃうような人で、父が働いて得たお金も、母が使い切ってしまっていたんです。 そんななかで僕が家にいると、食費がかかる、と。だから休むことは許されませんでした。 しかたがないので学校へ行くふりをして、母にばれないように1日中、実家の裏山ですごしていたこともありました。もし、「いじめられているんだ」と訴えることができたら、母は欠席を許してくれたのかもしれません。 ただ、いじめを受けていること自体がとても恥ずかしくて、親に言うことができませんでした。もしか... --- ### 自分の「隠れ発達障害」が40歳目前で発覚 不登校新聞代表にもあった「差別意識」【全文公開】 - Published: 2023-01-11 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/others/2027/ - カテゴリー: コラム, others - タグ: 無料記事, 発達障害, 2023年1月15日号 - ハッシュタグ: 発達障害 1年ほど前、40歳を目前にして自分が「大人の発達障害」だと発覚しました。発達障害は脳の特性の1つですが、その生きづらさゆえに不登校になる人もいます。また、私のように長いあいだ、自分の特性がわからなかった「隠れ発達障害」の人も多いでしょう。なぜか学校に合わない。それを解明する手段の1つに発達障害の診断はなりえます。今回は取材だけではわからなかった、診断を受けるなかで感じたことをお伝えしたいと思います。 * * *  まず、そもそも発達障害とは何かを説明します。発達障害とは生まれつきの特性で「できること」と「できないこと」の能力に差が生じ、日常生活や仕事に困難をきたす障害のことを言います。 発達障害は3種類に大別されます。 ADHD(注意欠如・多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)、LD(限局性学習症/学習障害)の3種類です(上記イメージ図参照)。 代表的な症状を紹介すると、ADHDは「不注意」「落ち着きがない」など。 AASDは、「周囲とのコミュニケーションが苦手」「こだわりが強い・変化が苦手」など。 LDは知的発達の遅れがないにもかかわらず、読み書きや計算が苦手など。 3種類のうち「これだけが当てはまる」という人は、ほとんどいません。障害の程度や出方は人それぞれちがうので、苦手なことも個々にちがいます。また、発達障害かそうでないかのちがいについても、あいまいな部分が多く、発達障害の「グレーゾーン」で悩んでいる方もいます。 新幹線に乗って コートを忘れる  以前から「私はADHDではないか」と思っていました。というのも、子どものころから忘れ物が多く、顕著なのは傘。雨の日、出かけて帰って来るあいだに傘を失くしてしまうのは、ほぼ毎度のこと。未使用のまま電車に傘を置き忘れたこともあります。ほかにもスマホや財布の忘れ物もたびたびありますし、新幹線のなかにコートを置き忘れて震えながら帰ったことも何度かあります。人からもらった本革の名刺入れをなくしてひどく怒られたこともありました。「気が散りやすい」という特性のせいか、日程調整をしくじってダブルブッキングもよくやらかします。 コロナ禍でストレス爆発  そんな私が診断を受けたきっかけは忘れ物ではなく、「洗濯機と乾燥機の音」が原因でした。コロナ禍でストレスがたまったせいか、突然ある日、洗濯機の音を聞くと耐えられないほどにイライラし、と... --- ### 不登校からの高校進学 わが子と話をする際に大事な5つのテクニック - Published: 2023-01-11 - Modified: 2024-10-08 - URL: https://futoko-online.jp/others/1842/ - カテゴリー: インタビュー, others - タグ: 会員限定記事, 講演録, 2023年1月15日号  不登校の子どもは進学の話を拒みがち。新しい学校で心機一転を図りたい気持ちがある一方で、進学に向けて自信を失っていたり、不安があったり。そんな子どもの気持ちがわからず、親は焦ってしまいます。  そんなときに学校から「進学の話は」と言われたら、もうたいへん。進路を迫ってしまい、子どもとの溝が深まることも。  一方で、フリースクールでは毎年、子どもがスタッフと個別に進路の話をします。どうやって子どもの本音を引き出すのか。子どもに無理のない進路をどう決めていくのか。フリースクール「クレイン・ハーバー」代表・中村尊さんに、不登校の子と進路の話をする技術をうかがいます。 * * *  「話をする」という場合、「話したいことがあるとき」と「相手の思いを聞きたいとき」の二種類があります。子どもと進学の話をする場合は、おもに後者でしょう。  しかし、子どもの思いを聞くつもりが、つい「自分の思いを伝えたい」になることもすくなくありません。すると、子どもは「聞かされている」と感じ、こちらの思いは伝わりません。もっと言えば「お説教が始まったよ」とさえ受け取ることもあります。  自分の思いを話すときは、「聞かされている」と相手が受け取らないように話すことが必要です。そして、「言わせよう」と相手を誘導しないことも大事です。  理由は、誘導すると心を閉じてしまうからです。  たとえば「学校は行くの?」「いつから行くの?」と聞いたら、これは誘導です。押し問答になるのが嫌で、子どもは「明日から行く」と言うかもしれません。でも、本心とはちがいます。その結果、明日になっても学校へ行かないということになります。  また、相手の思いを聞き出そうとするのもNGです。事情聴取をされているように感じたら、言いたくなくなるのも無理はありません。 子どもは本心をなぜ言わない?  「進学について本人の考えがわからない」、そう困っている親御さんも多いと思います。子どもが自分の考えを言わないのは、親が望む進路を察しているため、という場合も多いです。それが自分の考えとちがうと、なかなか言い出せません。  進路についての考えは、親子で一致しないことが多いのですが、その場合、本人の意思と思いを尊重するのが大事です。そして、子どもの思いを実現するために、親もいっしょに考えること。これは今後にも大きく影響します。  たとえば「高校... --- ### 今、「不登校」を考えるために必要な言葉とは - Published: 2023-01-11 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1997/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】今「不登校」を問うために, 2023年1月15日号  今、不登校について考えるために、どんな言葉が必要なのだろうか。どんな「問い」が必要なのだろうか。かつてと今とでは、不登校についての語りにどんな違いがあるのだろうか。今不登校について考えるために必要な言葉を、読者とともに探していきたい、と語る『不登校新聞』編集長によるコラムです。(連載「今『不登校』を問うために」第1回)※写真は本紙編集長・茂手木涼岳 * * *  かつて、不登校を考えることは、「社会と自分を問う」ということだった。社会に対しては既存の教育の問題点を指摘し、別のかたちの教育を模索するという問いを、自分自身に対しては「なぜ自分はこうなったのだろう。不登校からどのように生きていけばいいのだろうか」という問いを投げかけることだった。  しかし現在はどうだろうか。通信制高校が不登校の受け皿となり、教育機会確保法によって不登校が社会のなかにポジショニングされたことで、不登校は「個人の生き方の問題」となった。不登校が「ひとつの選択肢」とされた社会では、個々の学校の不適切対応は批判されても、社会そのものを問う視点は弱まっていく。  また、自分自身を問うという点にも変化を感じる。ここ数年で私が出会ってきた不登校経験者は、「不登校を経験したからこそ、今不登校で苦しんでいる人の役に立ちたい」、「自分の不登校経験を活かしたい」と口々に言う。まるでそうすることのみが、不登校という経験を「浄化」する唯一の道であるかのように。  こうして今では、不登校からどう生きるのか、という問いに「模範解答」が与えられた。  もちろん「模範解答」のウラには、彼らの言葉にならない思いがある。しかし、彼らは、「模範解答」以外に自身の不登校を問うための言葉が見つからず、右往左往しているように見える。不登校という問いが、継承されていないのだ。 「問い」の歴史  1980年代、不登校を「病気・異常」と見なす行政などに対して、親や支援者を中心とした問い返しの運動があった。フリースクールやオルタナティブスクールが多くつくられ、「不登校でも生きていける」、「不登校は子どもたちが学校教育への批判として選んだ生き方だ」と不登校を肯定した。  しかし2000年代のはじめ、今度は不登校当事者たちからの問い返しが始まる。「私たちはけっして不登校を主体的に選んだわけではない」。「親にとって都合のよい物語化はやめてくれ」... --- ### 自信が持てないときの「音ゲーのすすめ」【不登校経験者コラム】 - Published: 2023-01-11 - Modified: 2024-11-30 - URL: https://futoko-online.jp/children/2032/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: ゲーム・スマホ, 会員限定記事, 当事者の声, 2023年1月15日号 - ハッシュタグ: ダンレボ 人間関係や勉強、将来など自分に自信が持てなくなったとき、不登校経験者の神内真利恵さんは「音ゲー」を勧めたいという。神内さんが感じている「音ゲー」の魅力とは?執筆いただいた。 * * *  音楽ゲーム、あるいはリズムゲームというゲームジャンルをご存知だろうか。音楽に付随する指示に合わせ、タイミングよく体を動かしたりするゲームのことだ。有名な音ゲーである「太鼓の達人」では画面に表示されるタイミングに合わせバチで太鼓を叩き「ダンスダンスレボリューション」では自分の足元のパネルを踏んだりするのである。ちなみに私のお気にいりの1つは指を使ってプレイする「Arcaea(アーケア)」である。楽曲がスタイリッシュで、爽快感を感じられる。  音ゲーにおいてレベルアップしていくのはゲームキャラクターではなく、自分自身だ。  プレイを重ねるにつれクリアできる曲数が増えたり、以前ミスをしていた箇所でミスをしなくなりスコアを上げられる。  私は音ゲーは自分のレベルアップをダイレクトに楽しむことができるツールだと思う。他人と比べると上手くないとしても、過去の自分と比べると着実に成長しているという事実が、何事も努力は実を結ぶのではないかと思わせてくれ、ポジティブな気持ちにさせてくれるのだ。  テストの点数が上がらない、人付き合いがうまくいかないなど、自分を信じることができず、暗い気持ちになってしまうときは「音ゲー」をしてみるのはどうだろうか。楽しみながら、自分を信じる力が生まれてくるかもしれない。(神内真利恵) (初出:不登校新聞594号(2023年1月15日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### 子どものSOSをどうキャッチすればよいか【書籍紹介】 - Published: 2023-01-11 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/books/1971/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 2023年1月15日号 学校教育における「SOSの出し方教育」が推進される一方で、近年の子どもの自死は増加傾向にあり、不登校は統計開始以来、初めて20万人を超えた。大人は子どもの「助けて」という声を受けとめられているのか。そもそも、なぜ子どもは「助けて」と言えないのか。特別企画として、大学教授・精神科医・フリースクール関係者など、各分野の専門家が支援者と当事者に向けたメッセージをまとめた1冊を紹介する。 * * *  2016年に自殺対策基本法が改正されたことを機に、学校現場において、いわゆる「SOSの出し方教育」と呼ばれる取り組みが推進されてきました。子どもからのSOSである「助けて」という声を大人は受けとめられているのか。そもそもなぜ「助けて」と子どもは言えないのか。子どものSOSを聞くために大人はどうすればよいのか。  本書では「SOSの出し方教育」の現状や、自傷・ゲーム・大量服薬など、声にならない子どものSOSについて、大学教授、精神科医などが、支援者および当事者に向けたメッセージとして寄稿したものを特別企画としてまとめています。  小学校教員であり、愛知県にあるフリースクール「アーレの樹」の理事でもある岡崎勝さんは、「不登校や登校しぶり、それ自体が子どもからの『助けて』である」と言います。その際、「がんばって学校へ行きなさい」と親に言われることは、一番頼れるはずの親からの拒否であり、結果的に親以外の他者に助けを求めづらくなると指摘します。わが子の不登校に悩む親が「がんばって学校へ行かせなさい」と言われたらどう思うかという問いかけは、子どもの気持ちを考えるうえで忘れてはならない視点です。  また、岡崎さんは支援者の立場でできることとして、①親の「助けて」を受けいれること、②登校を目標にせず、子どもの気持ちや考えをゆっくり聞くこと、③「学校へ行ってあたりまえとは考えない」ところから子どもや親との対話を始めること、④時間と手間をかけて安易に子どもと親の気持ちを満たそうとしないこと、の4点を挙げています。教員や学校外の居場所関係者はもとより、岡崎さんが指摘する通り、子どもにとって、一番頼れるはずの存在である親にも読んでほしい1冊です。(編集局・小熊広宣) 『こころの科学226号』 1496円(税込) 日本評論社(03-3987-8621) (初出:不登校新聞594号(2023年1月15日... --- ### 子どもが昼夜逆転する理由 背景にある子どもの本音 - Published: 2023-01-11 - Modified: 2024-05-16 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/1986/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2023年1月15日号 「子どもの昼夜逆転、どうしたら?」不登校の相談で、とくに多いのがこうした生活リズムに関するものです。不登校支援にたずさわる土橋優平さんは、「昼夜逆転にはそうならざるを得ない背景がある」と言います。その背景とはなんなのか。また昼夜逆転を解消したいときに気をつけるべきポイントなどについて解説します。(連載「出張版 お母さんのほけんしつ」第6回)※写真は土橋優平さん * * * 「子どもが昼夜逆転していて夜もずっとゲームばかり」、「朝起きるのが苦手で昼近くまで毎日寝ているんです」。そんな相談を受けることがあります。このような「生活リズム」に関する相談は、ほかのテーマに比べても多いように思います。  そもそも昼夜逆転が悪いのかというと私はそうは思いません。世のなかには昼に睡眠をとり、夜に生活して(働いて)いる人もいます。問題の本質は昼夜逆転ではなく、その背景にあります。 昼夜逆転の背景にあるのは、昼間の時間に起きて生活していることのデメリットです。  朝起きると元気に登校する同級生の声が聞こえてくる。子どもたちのなかには「なんで自分はみんなと同じようにできないんだ」、「学校へ行きたいのになぜか行けない... ... 自分はどこかおかしいのかな」といった気持ちを抱きながら生活している子もいます。そうした子にとっては、何気ない登下校の子どもたちの元気な声も、自己否定のスイッチをオンにするきっかけになります。  ほかにも、家族に「今日は学校行けそう?」、「学校へ行かなくてもいいけど、勉強くらいしたら?」と声をかけられること。先ほど伝えたような自己否定をする状態にある子どもにとって、このような声かけはとてもしんどいものです。「親と顔を合わせるとまた何か言われるのではないか」という不安感から、朝目が覚めても起きていないふりをし、親が仕事に出かけてから布団を出る子もいるでしょう。起きたとしても顔を合わせたくないからと、ご飯を食べる時間をずらし、それによって身体のリズムも変わっていき、睡眠時間に影響が出ることもあるでしょう。  このように昼夜逆転をする背景に何があるのかを理解することが必要です。でも、「どうして昼夜逆転しているの?」と本人に直接聞いても答えは出てこないでしょう。できれば第三者に相談をし、状況を見極めながら判断していくことをお勧めします。 困りごとは複数  もしそれが難しい... --- ### 優等生の僕に起きた異変 突然の体の不調は「もう限界」のサイン - Published: 2023-01-11 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/children/2014/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2023年1月15日号 いわゆる「優等生」だったしろとりゆうきさん(21歳)は中学2年生のある日、突然の体の不調に苦しみます。まったく手足が動かなくなるという謎の異変。学校へも行けなくなってしまいます。しかし今しろとりさんは「不登校を後悔していない」と語ります。どのような気持ちの変化があったのか、執筆いただきました。 * * *  中学2年生の9月のある土曜日。家で軽く寝転がり、部活へ行こうと起き上がったところ、突然手足に力が入らなくなり、体が動かなくなりました。これまで経験のないことで、何が起きたのかわかりませんでした。その日は1時間くらいでおさまりましたが、この謎の脱力はその後、学校や部活動中など、あらゆる時間に発生するようになりました。  兆候もなく、突然足が動かなくなるので学校では先生に事情を説明し、イスを持って来てもらうか背負ってもらい移動をしていました。手に力が入らなくなったときは、ペンも持てないので、授業をただ聞いているだけでした。謎の脱力はやがて家でも生じるようになり、とくに朝起きた直後に起こることが増え、遅刻や欠席が重なり始めます。  そのような日々が続くなか、周囲の生徒の僕に対する態度は不快なものへと変化していきました。自分だけ座っていると指をさされたり、無理やり歩かされたり。  がんばって行くだけ損だと感じられ、症状がないときでも学校へ行かなくなりました。それが中2の10月ごろ。僕の不登校生活の始まりです。  僕の体を内科や脳神経外科で診てもらったものの、とくに異常はないと言われました。体ではなく心に何かが起こっているだろうと、児童精神科を紹介してもらい、通院を始めました。精神科では、自分の気持ちや脱力時のようす、いつ脱力が起こるか、学校生活はどうかなど、今までの自分について聞かれました。  これを機に僕自身も自分をふり返る日々が始まっていきます。学校へ行っていなかった分、1人で考える時間は多く取れたので、自分の性格や小学校からの人間関係、中学校からの変化など、さまざまなことに思いをめぐらせました。やがて思い浮かんできたものは、自分のなかに巣食い続けた焦りや無力感、劣等感でした。  とりわけ大きかったのが劣等感。元々体が小さくて弱かった僕は苦手なことが多くてまわりに引け目を感じていたのですが、せめて頭のよさだけでも抜きん出ようと、小学生のころは勉強に力をいれていました... --- ### ニュースで振り返る不登校 2022年の子どもをめぐる出来事を総括 - Published: 2023-01-11 - Modified: 2024-10-08 - URL: https://futoko-online.jp/others/2255/ - カテゴリー: コラム, others - タグ: 会員限定記事, いじめ, 1年を振り返る, 2023年1月1日号  不登校・いじめの過去最多、広がるメタバース支援や校則の緩和など、不登校の子どもにとって、2022はどのような1年だったのか。あらためてふり返る。 * * *  文科省が10月に発表した「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、2021年度、小中学生の不登校児童生徒数は24万4940人。前年度比24・9%の大幅増となった。20万人を超えたのは初めてだ。  これに先立ち文科省は6月、「不登校に関する調査研究協力者会議」で取りまとめた報告書を提出した。「誰一人取り残されない学校づくり」、「支援ニーズの早期把握」、「多様な教育機会の確保」、「社会的自立を目指した中長期的支援」の4つの政策提言を盛り込んだ。こうした支援策が、短期的な学校復帰ではなく、学校で苦しんでいる子どもの心からの安心につながるかどうか、ひき続き注視していきたい。 デジタル化とメタバース化  1月、政府は学習履歴など個人の教育データについて、2025年ごろまでにデジタル化して一元化する仕組みを構築することを発表した。収集された教育データは学校や教育機関に共有される。  こうした動きはデータ共有によるスムーズな支援の移行が期待できる一方で、国家による個人の管理強化につながる危険がある。今なお、不登校は「リスク」と見なされる社会のなかで、不登校した子どもへの偏見を強める結果にならないか、今後も注視が必要だろう。  他方、オンライン上の仮想空間「メタバース」を使った不登校・ひきこもり支援が注目を集めている。7月、埼玉県戸田市はNPO法人カタリバと連携協定を結び、小中学生向けのメタバースを使った不登校支援を発表した。オンライン上につくられたゲーム画面のような「学校」のなかを、自身のアバターが自由に移動できる。仮想空間のなかで学習を行なった場合、指導要録上の出席扱いとなる。  こうした「メタバース不登校支援」は埼玉県戸田市のほか、岐阜県大垣市の中学校などでも採用されている。またメタバースをつかったひきこもり支援も検討されるなど、広がりをみせている。 不適切対応と校則の見直し  文科省によると2021年度のいじめ認知件数は61万5351件。前年度比19%増となった。文科省はいじめ認知件数が多い学校について、「いじめを初期段階のものも含めて積極的に認知し、その解消に向けた取り組みのスタート... --- ### 学校へ行かない子のゲームの制限をどこまですべきか 専門家が解説 - Published: 2023-01-11 - Modified: 2024-11-30 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2003/ - カテゴリー: 連載 - タグ: ゲーム・スマホ, 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2023年1月1日号  ゲームばかりのわが子。「このままゲーム依存になったらどうしよう」と親の悩みは尽きません。しかし、もし子どものゲームを制限したいと思っても、ただしい手順をふむことが大事、と不登校支援にたずさわる土橋優平さん言います。ゲームとの上手なつき合い方を執筆いただきました。(連載「出張版 お母さんのほけんしつ」第5回) * * *  子どもたちのなかには学校へ行かなくなると、ゲームやユーチューブに熱中する子が多くいます。親としては「このままゲーム依存になったらどうしよう」、「学校へ行っていないんだから、せめてゲームはガマンしてほしい」と思いますよね。多くのご家庭で悩まれているテーマです。  じつは子どもたちがゲームなどに熱中することは、心の防衛本能ではないかと私は考えています。  言い換えれば、向き合いたくないつらい現実から目を背けるために、没頭できる何かを探した結果、ゲームにたどりついたということです。  1日何時間もスマホやゲームをし、そのあいだ子どもたちは笑ったり悔しがったり。ご家庭によっては「いっしょにやろうよ」と楽しげに誘ってくる子もいると思います。その表情を見ている親御さんは「学校の話をすれば気分が悪そうなのに、なんだ、元気じゃん」と思ったこともあるのではないでしょうか。  たしかに熱中している時間は元気そうに見えるかもしれません。ですが、いざゲームやユーチューブがないときには、子どもは何もすることがなくなり、その時間は、さまざまなことが頭のなかを駆け巡るようになるのです。「学校であの子にこう言われたのつらかったな」、「あの先生の怒る声がこわい」、「どうして自分は行けないんだろう」、「自分の人生はお先真っ暗だ」。そんなネガティブな考えで頭がいっぱいになるのです。  「やることがないなら、勉強すればいいのでは?」と思った方もいるでしょう。勉強をうながすことは、子どもが勉強好きなのであれば問題ありません。ですが、勉強に楽しさや意義を感じられない子どもにとっては、学校のつらい出来事を思い出させることにつながってしまいます。  子どもたちはゲームに夢中になることで、よけいなことを考えず、楽しくいられる時間をすごしたいのです。それが子どもなりに編み出した安心して生きる方法です。  ゲームを制限したい場合は  一方的にゲームやスマホを没収することや制限をかけることはお勧めしま... --- ### 不登校中、居場所はゲームの世界 僕を支えた両親の対応 - Published: 2022-12-21 - Modified: 2024-11-30 - URL: https://futoko-online.jp/children/2037/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: ゲーム・スマホ, 会員限定記事, 当事者の声, 2022年12月15日号 中1で不登校し、偏差値25から大学受験に成功した高橋翼(19歳)さん。そんな高橋さんにとっての心のよりどころは「ゲーム」でした。eスポーツに魅了され、選手を経験し、今ではeスポーツを利用した不登校支援の事業を始めた高橋さんに、お話を聞きました(※写真は高橋翼さん)。 * * * ――不登校になったのはいつごろからですか?  中学校に入学してすぐの5月でした。僕が入った学校は、野球が強くて有名な中高一貫校でした。野球が大好きだった僕は、小学生のときからその学校にあこがれていたんです。野球部のルールや先輩後輩関係などはかなりきびしくて、「正直つらいな」とも思っていたのですが、念願かなって入学できたのだから、がんばろうと思っていました。しかし、担任の先生との関係がきっかけで、学校へ行けなくなりました。  あるとき友だちとふざけていたんですが、だんだんエスカレートしてしまって、殴られたんです。それを後ろで見ていた先生から、「あなたが先に手を出した」と言われて、僕もその子も停部になって部活に出られなくなってしまったんですね。あこがれの野球部に入れたのに、野球ができなくなってしまいました。「暴力じゃないんです」と先生に言ったのですが、わかってもらえませんでした。反省文を書かないと部活に出られない、というので、本当は悪いと思ってはいなかったのですが、しょうがないので反省文を書きました。  同時期に、僕は別の子からもよく手を出されていました。こちらも暴力やいじめではなく、コミュニケーションの一種だったとは思いますが、僕はそれが本当に嫌だったんですね。先生に「自分はやってもいない暴力で停部になった。だけどあの子は僕に暴力を振るっているのになぜ停部にならないんだ」とずっと伝えていたんでが、なかなか理解してもらえませんでした。こうした先生に対する不信感から嫌気がさしてしまって。それが学校へ行かなくなったきっかけです。  それからはまったく学校へ行かないまま、1年生は終わりました。その後もすこし登校した時期はあったものの、基本的に中学3年間は不登校のまま卒業しました。 言い合いから仲よくなった ――親御さんの対応はいかがでしたか?  やっぱり最初は学校へ行かせようとしていました。でも僕は苦しくて部屋から出られないこともしょっちゅうで、毎日のように揉めていました。あるとき、何かをきっかけに激... --- ### 不登校の子どもが一歩を踏み出すときにつぶやく「ひとこと」 - Published: 2022-12-21 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/contribution/2247/ - カテゴリー: 寄稿 - タグ: 会員限定記事, 識者の指摘, 2023年1月1日号  「学校へ行きたくない」と子どもから言われたとき、親はまず何をすべきなのか。実際に学校を休み始めたあと、親はどう対応すればよいのか。そもそも、不登校の予兆となるSOSにはどのようなものがあるのか。そして、不登校で傷ついた子どもの心はどのように回復していくのか。これら、不登校の子どもを持つ親が抱える疑問や不安の1つひとつについて、これまで400人以上にインタビューしてきた全国不登校新聞社の石井志昂が解説します(※写真は石井志昂さん)。 * * *  本日は、これまで編集者として不登校当事者の話を聞いてきた立場から、不登校の子どもを持つ親の悩みと現状についてお話ししたいと思います。「子どもから学校へ行きたくないと言われたら、どうしたらいいのか」と質問されることがあります。これは、はっきりと答えが出ています。「行きたくない」と本人が言ったら、その日は「わかった」と言って休ませてほしい。NG行動は「なんで行きたくないの?」などと聞き返すこと。なぜなら、理由を尋ねられると、子どもは追い詰められてしまうからです。  子どもが不登校になると、親は将来のことを心配します。しかし、不登校をあなどらないでいただきたいと思います。通学適齢期の6歳から18歳までの子どもが何月何日に亡くなったかという調査(図1)によると、2015年までの40年間で一番飛び抜けて多かったのが9月1日です。9月1日というのは、おおむね夏休み明けの当日です。「学校へ行くくらいなら死んだほうがましだ」と追い詰められた子どもがこれだけの数、存在するということです。未来のことなど憂いている場合ではありません。学校へ行くことが今、本人の命を脅かす問題に発展しかねないということをおぼえておいてほしいです。  当日は休ませるとして、その後はどうしたらいいでしょうか。  これまでの取材経験から考えると、休みの期間は風邪と同様が目安です。風邪をひいて熱があるときに「また休むの」とは言いませんよね。子どもの心が充分に回復し、元気になるまでは、しっかり休む必要があります。ところが、心の問題となると親は焦ってしまいます。先ほども話したとおり、親が「今日も休むの」と聞くことは、子どもにとっては多大なプレッシャーです。親にできることは、本人が元気になることを待つことです。  不登校の予兆についてですが、精神的な不調は体から出てくることが多... --- ### 「僕には何もない」大学卒業を控えて焦る不登校経験者に専門家がかけた言葉 - Published: 2022-12-21 - Modified: 2024-10-08 - URL: https://futoko-online.jp/others/2244/ - カテゴリー: インタビュー, others - タグ: 会員限定記事, Q&A, 2023年1月1日号 【相談者】古川寛太さん(22歳)  突然ですが、人生相談してもいいですか。私は高校3年間不登校でした。中学生まではまわりの期待に応えようと、まじめに勉強し、生徒会長もこなしましたが、優等生でいることが苦しくなって学校へ行けなくなりました。  不登校のあいだは自分が何をしたいのかわからなくなり、心がふさぐ毎日でした。ですが、大学に入学後は生きづらさから立ち直ろうと、自分なりに考えて行動しました。その結果、内的な自信はある程度ついた気がします。しかし、それにも関わらず、社会的な価値や能力が身につかないまま大学を卒業しそうです。職も立場もお金も友だちも恋人もスキルも資格もないです。なぜなのでしょうか。もうずっと焦って不安なのですが、この先どうすればよいのでしょうか。経験豊富な方だからこそ、お聞きしたいです。よろしくお願いいたします。 【回答者】中村尊さん(※写真は回答者の中村尊さん)  フリースクールのスタッフをしている中村尊です。勇気を持ってご相談いただき、ありがとうございます。「いろんなものがない」という思いを抱えつつ、大学卒業を迎える不安と焦りがあるとのこと、読ませていただきました。これまでの経緯もふまえ、私なりに感じたことをお伝えしますね。  相談文を読んだときの印象として、「優等生であること」がまだどこかに染みついているのかもしれないなぁ、と思いました。他者と比較すると、社会的な価値や能力を求めたくなりますが、あまり難しく考えなくていいと思いますよ。  まず、スキルはそうかんたんには身につかないし、「身についた」と思っているスキルって、案外、自己満足だったりします。あると思わず進歩をすることが、スキルにつながるんじゃないかな。それから資格をほしがるのも、他者の評価をほしがることにつながりますので、そんなにいらないですよ。資格武装している人、私は真に受けないかなぁ。  それよりも「お年寄りに席を譲る」、「ゴミをポイ捨てしない」、「働いている人(店員さんなど)に『ありがとう』や『ごちそうさま』が言える」とか、そういうことって、じつは社会的に大切ですごく価値があることだと思うんです。 能力よりも大切なもの  どんなにお金を稼いでいる人でも、博識高学歴の人でも、礼節を持って向き合えていない人って社会に悪影響さえ与えかねません。売上や何かの実績も無になりそうなくらい(笑)... --- ### 迷いはまだまだあるけれど、今を楽しんで生きていこう 不登校の母の決意 - Published: 2022-12-21 - Modified: 2024-10-07 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2238/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】不登校は幸せへの道, 2023年1月1日号 「まだ子育ての迷いは消えない。それでも楽しんで今を生きていこう」。不登校の息子と12年、いっしょに歩いてきた後藤誠子さん。その物語が完結します。問題は解決していない。けれど、問題があっても、幸せに生きていける。後藤さんが最後に伝えたいこととは。(連載「不登校は幸せへの道」最終回)※※写真は後藤誠子さん(左)と息子さん  約2年にわたり書いてきた私たち親子の物語を無事に終わらせることができた。読者の皆さまには本当に感謝している。しかし、やり切った感が湧いてこないのはなぜだろう。つい先日のことだ。次男がふとした拍子に言った。「先のことなんかまったく考えられないよ」。その言葉に私はとてもショックを受けてしまった。 次男がいるのはまだそこなのかと思ってしまったから。次男は今年28歳、きっと同年代の人たちは結婚したり子どもができたりする年ごろだろう。でも次男は今を生きることで精一杯で、先のことを考えるのが怖いのだ。不登校・ひきこもりだったからにちがいない。そう思ってしまった私がいた。次男のおかげで幸せだ、などと大見栄を切っておきながら、私こそ、まだそんなところにいた。次男の何気ない言葉に勝手にショックを受けたり心配したり。変わっていないのは私だった。  私自身も、やりたいことをやってはいるが、楽しいことばかりではない。どんなに言葉を尽くしても行政や教育の現場に思いが伝わらず、悔しくて眠れない日もある。ついカッとなって激しい言葉を口にしてしまうこともある。そんなときは次男に話を聞いてもらう。以前は私の話をうなずきながら聞いてくれていた。でも最近は「本当にそうなの? あなたの言葉が足りなかったんじゃないの?」と言われることもある。  ワラタネスクエアでの言動についても次男から指摘を受けることがある。「あんな言い方ないんじゃない?」、「当事者の気持ちを考えてないよね」。次男の言う通りだと納得するときもあれば、2人で言い合いになることもある。次男が厳しい言葉を言ってくれるのは、私を親としてではなく、1人の人として見てくれているから。この人なら何を言っても大丈夫と信頼してくれているから。対して私はどうだろう。次男の態度や言葉に不安を感じ、そのたびに子離れできていない自分に気づく。  腹を立てたり、不安になったり、ぶつかり合ったり、ときにはいっしょに大笑いしたり。いろんな感情が出てくるの... --- ### 在籍生徒の8割が不登校経験者という学校の校長が語る「これからの学校」【全文公開】 - Published: 2022-12-21 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/interview/1953/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 無料記事, 2023年1月1日号  不登校は問題行動ではなく、子どもが今の学校教育のどこに問題があるかを知らしめてくれる問題提起行動である――。そう語るのは、立花高等学校(福岡県福岡市)の校長・齋藤眞人さん。同校の在校生の8割が不登校経験者だという。文科省の専門家会議の委員も務める齋藤さんは、不登校に関する調査のあり方に疑問を呈する。長年、学校現場の第一線で不登校経験のある子どもたちに寄り添い続け、専門家会議でも数々の問題提起をしてきた齋藤さんは、不登校が24万人を超えた現状をどう見ているか。また、今の学校教育に足りないものとは何か。お話をうかがった。 * * * ――文部科学省の調査により、不登校が24万人を超えました。また、不登校の要因を見ると、半数が「無気力、不安」とされています。齋藤さんの所感からお聞かせください。  不登校が増えるであろうことは多くの方が予想されていたことでもあり、私としては淡々と受けとめています。ただし、潜在的な数を含めれば、不登校の子どもはもっと多いと考えていますので、24万人という数字はあくまで氷山の一角というのが私の認識です。  「無気力」については、これだけで2時間~3時間は話せますね(笑)。私は「無気力」という項目があること自体、おかしな話だと思います。不登校を子どものせいにしてしまっているわけですから。  子どもはなぜ「無気力」になっているのか。大人の想像力や分析力の奥行きというものが、この言葉からはまったく見えてきません。仮に「無気力」という項目をなくしたとき、どうなるでしょうか。大人にとって使い勝手のよい言葉になってしまっていることに怒りさえおぼえます。子どもが勝手に「無気力」になるのではありません。背景にはかならず学校側に問われるべき問題があるはずですから、調査において不要な項目だと考えています。  もうすこしお話しすると、不登校は「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」のなかで統計が取られています。文部科学省みずから「不登校は問題行動ではない」としつつも、いじめや暴力など、問題行動と位置づけられるカテゴリーの調査の一環として不登校をカウントしていることにも疑問を感じています。  そもそも、不登校は「問題行動」ではなく、「問題提起行動」であると捉えるべきです。今の学校教育のどこに問題があるかを知らしめてくれている行動であり、ある意味... --- ### 親だって休んでいい 子どもを支えるために必要な「がんばらない」時間 - Published: 2022-12-14 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2056/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2022年12月15日号 子どもの不登校は親にとってもつらいもの。「なぜうちの子が」、「どう支えればいいの?」と悩みは尽きません。そんなとき、「親だって休んでいい。ひとりの時間をつくってください」と、不登校支援にたずさわる土橋優平さんは言います。親が休むことが、子どもを支えることに直結するのだ、と言う土橋さんに執筆いただきました。(連載「出張版 お母さんのほけんしつ」第4回)※写真は土橋優平さん * * * 子どもたちが学校へ行かなくなると、「なぜうちの子が不登校に... ... 」、「どうすれば行くようになるの」、「私が仕事を休んでいっしょに居てあげたほうがいいのかな」など、親としては悩みが尽きません。ときに自分を責めてしまったり、これまでの子育てを後悔してしまったりといったこともあります。私たちの相談窓口では、「まずは親御さん自身のための時間をつくってください」と伝えています。  お子さんが不登校になってからのことを思い出してみてください。朝は子どもが起きるかどうかが気になり、学校へ行かないと家でのすごし方が気になり、会話をすると元気がなさそうな印象で心配になり、夜はご飯をいっしょに食べない、寝るのが遅くなっている。そんなことがくり返される毎日で、お子さんのことで頭のなかがいっぱいではないでしょうか。それも考えていることのほとんどが、不安、心配につながっていませんか。  頭のなかを「散らかった部屋」にたとえてみましょう。部屋が散らかっているときは、新しい家具を入れようにも置く場所に困りますよね。家族が家具を買ってきても「今はそんなの置く場所ないよ!」と、いらだつ気持ちにもなりますよね。もし部屋が片づいていれば、「どこに置こうかな」とむしろワクワクしながら配置を考えることもできるのに。  学校の先生やカウンセラーさんに相談したとき、「こうしてみてください」とアドバイスされても「でも、うまくいくはずない」とか「今はそんなこと考えられない」と感じることはありませんか。散らかっている部屋にあらたな家具が置けないように、子どものことで頭がいっぱいいっぱいになっている親御さんは、適切なアドバイスを受け取ることがむずかしいのです。 がんばるために「がんばらない」  そんな方はいったんその部屋を出て休む必要があります。課題と向き合うことは大切です。ですが、その課題を解決しようとがんばるためには、がんばら... --- ### 息子の不登校から12年「私はいま幸せです」と母が断言できる理由【全文公開】 - Published: 2022-12-14 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2046/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 無料記事, 【連載】不登校は幸せへの道, 2022年12月15日号 息子が不登校になって12年、さまざまな苦しみを息子とともに経験してきた母・後藤誠子さん。しかし後藤さんは「息子が不登校したおかげで、私は今とても幸せです」と言います。どうしてそう思えるようになったのでしょうか。(連載「不登校は幸せへの道」第31回)※写真は後藤誠子さん(左)と息子さん * * *  「あなたは今幸せですか?」。その問いに、私は迷うことなくこう答える。「はい、とても幸せです」。もう一言、かならず付け加える言葉がある。「すべて次男のおかげです」と。  次男が学校へ行けなくなった夏から12年が経ち、私は今、本当の意味で自分の人生を生きている。次男の苦しみを知ろうとするなかで、自分の生きづらさに気づいた。どうやら自分の思いに正直なあまりに、まわりの人たちとかみ合わない。なんとかかみ合うようにと自分なりに努力すればするほど孤立する。そんなことのくり返しで何度も転職し、自分に合う職場など1つも無いとあきらめかけていた。  だが、みずから居場所を始めたことで、自分が自分のままでいてよい場所を見つけたのだ。ラジオや講演などで話す機会が増え、自分の思いを表現することの楽しさも思い出せた。不登校・ひきこもりの子どもを持つ母親でありながら、こんなに楽しく発信している人はいない。しかも、それを聞いて喜んでくれる方がたくさんいる。自分が楽しくてやりたいことをやっているだけなのに、まわりの人も楽しんでくれる。これは私にしかできないことだと思った。 ラジオでの発信を始めたばかりのころに私を取材してくれたジャーナリスト・池上正樹氏から言われた言葉がある。「息子さんがあなたの一番の応援者なんですね」。  私が次男のことを語るのを、次男は初めから許してくれていた。それは私を応援してくれているからだと池上氏が教えてくれた。次男に対してあんなにひどいことをしてきた私を? まさかそんなはずはない。信じられなかった。だが今なら信じられる。次男にはきっとわかっていたのだろう。自分の母親が自分の人生を生きていないことが。次男の苦しみは、自分の人生を生きなさいと私に伝えるためだったのではないか。  次男は母親のために不登校・ひきこもりになったというのか? 自分に都合のいいことばかり言うなと批判されるかもしれない。だが、次男だけではないのだ。今までに出会ってきた不登校・ひきこもり経験者の多くは口をそろ... --- ### 不登校その後の学びの場を網羅 学校以外の選択肢がわかる1冊 - Published: 2022-12-13 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/books/2067/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 書籍紹介, 2022年12月15日号 - ハッシュタグ: 通信制高校  子どもが学校へ行きたくないと言ったとき、学校以外の学びの場として、どのような居場所があるのか。フリースクールやホームスクール、通信制高校、不登校特例校などの取材から見えてきた実状とは。 * * *  今回ご紹介する1冊は、教育ジャーナリストとして、教育や育児に関する現場の取材を重ねている、おおたとしまささんの新刊です。子どもが学校へ行きたくないと言ったとき、どこか別の居場所を探す親御さんは多くいます。  現在はフリースクールやフリースペース、ホームスクール、学習塾、通信制高校などのほか、文部科学省が整備拡充に注力している不登校特例校、教育支援センターなど、さまざまな居場所があります。そうした居場所の取材を重ね、実状を網羅的にまとめたのが本書の特徴です。  1章で不登校の現状を整理したうえで、2章では平日昼間に開設している居場所やホームスクール。3章では公設民営および校内に設置されたフリースクールのほか、ネット上の仮想空間で学びの場を提供しているNPOの取り組み。4章では不登校特例校や全国から不登校児童生徒が集まる学校。5章では全国に260校あり、21万人以上が在籍している通信制高校など、実際の団体名・学校名のほか、家でもできるオンライン教材の具体名も出てきます。  おおたさんは本書を通じて「学べる場所がこれだけある。『学校』へ行かなくてもいきなり詰んだりはしないと伝えたい」と語ります。また、「学校」以外の居場所を選択する際の経済的負担や格差の問題は依然として深刻であるとの認識を示しつつも、「学校は1つの選択肢でしかないとみんなが思える社会にするなかで、学校に依存しすぎるのをやめましょう」と提案します。  本書は、たんに居場所紹介を通じて、不登校で悩む親に多様な選択肢があることを教えてくれることにとどまらず、「不登校20万人時代」を迎えた今、これからの学びのあり方についても問う1冊です。(編集局・小熊広宣) 『不登校でも学べる 学校に行きたくないと言えたとき』 おおたとしまさ/1265円 集英社新書(03-3230-6391) (初出:不登校新聞592号(2022年12月15日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### 不登校まっただなかの10歳の日常 家で学び育つ1週間を密着取材 - Published: 2022-12-13 - Modified: 2024-05-16 - URL: https://futoko-online.jp/children/2050/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2022年12月15日号  小学生の不登校が増えているなか、わが子を家でどうすごさせればよいのか、お悩みの方も多いのでは? そこで、小学4年生の鈴村れいさんと母親の結さんに取材しました。れいさんは、小学1年生の夏休み明けに不登校。以来、家庭を拠点とした「ホームスクール」に切り替え、現在小6の兄、小1の弟とともに、家を中心にすごしています。ホームスクールを始めた経緯、ふだんどのような日々を送っているのか、ご紹介します。(文・木原ゆい) * * *  れいさんが不登校になったのは、小学1年生の夏休み明けでした。食欲が徐々に落ち、学校を休みがちになったのです。しだいに体重も減少するほど、心は追い込まれていきました。もともとれいさんはひといちばい刺激に対して敏感な「HSC」の特性の持ち主。母親の結さんは、「そうした気質ゆえ、エネルギー切れしたのだろう」と当時をふり返ります。  じつは結さんも不登校経験者のひとり。また、すでに長男がホームスクールをしていたこともあり、れいさんにも本人の意志を尊重する姿勢でいることを伝えました。れいさんは、最初こそ学校へ行くべきか迷いましたが、それは自分の変化に追いつけず、とまどっていたからなのでしょう。  数週間学校を休み、れいさんの心がすこしずつ回復してきたタイミングで、結さんは「学校との距離をどうしたい?」と尋ねました。すると、れいさんは自分の気持ちを小さな声でこう伝えてくれたそうです。 「えっとね、基本的には行かない。それで、行きたいなーと思うときだけ行くのがいい」。結さんはその勇気ある言葉を受けとめ、ホームスクールへと切り替えました。家に居て大丈夫だと、心から思えたれいさんは、すこしずつ元気を取り戻していくことができたのです。   1週間のようす  現在はホームスクール4年目と、すっかりベテランなれいさんに、最近すごした1週間のようすを教えてもらいました。ホームスクールの方針は家庭によって異なりますが、鈴村家では、①「夕食はみんなで食べる」、②「20時に寝る」、③「好きな家事をする」と、約束事は3つのみ。それ以外はすべて本人にお任せ。起床時間もゲームの時間も各自自由なので、きょうだいによってすごし方はバラバラです。  両親は共働きのため、朝からきょうだいだけですごします。れいさんの場合は、7時前後に起床。結さんが用意してくれた朝食を食べたら、まずはゲームやユー... --- ### 【全文公開】部屋にこもり親を遠ざける息子 固く閉ざされた心を溶かした父の対応 - Published: 2022-11-29 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/parents/2188/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 無料記事, 親の思い, 2022年12月1日号 「あのころは自分が不登校の親であることが恥ずかしかった」。率直に過去を振り返る松本雅彦さん。ですが、あるきっかけから不登校の息子を受けいれることができたと言います。そのきっかけとは、自身の仕事でのつらさ。「キツイ仕事に行きたくない」という気持ちが、学校へ行けない息子さんに重なったのです。今は不登校支援に携わり「まつぼん」の愛称で親しまれる松本雅彦さんに、息子さんとの関係についてお話を聞きました(※写真は松本雅彦さん)。 * * * ――お子さんの不登校のいきさつからお聞かせください。  息子が不登校になったのは中1の7月からです。全校集会の途中でお腹が痛くなったことが始まりでした。学校から息子の具合がよくないと連絡があり、妻が迎えに行ってその日はそのまま病院の内科で診てもらいました。でも、どこも悪くないと言われて。  当初、私は「もともと活発な子だし、ちょっと体調を崩しただけだろう」とあまり重く考えてはいませんでした。その日は木曜日だったので、次の日休んで、土日もゆっくりすれば回復するだろうと思っていたんです。ところが月曜日になっても息子はお腹が痛いと言って学校へ行かず。この日から不調を訴えて行きしぶるようになりました。  私も妻もきびしく子育てしてきたため、最初は息子を無理矢理にでも学校へ行かせようとしました。学校は行かなきゃいけないものだと思っていましたし、一度学校へ行けたらまた以前のように毎日登校する生活に戻れるだろうと考えていたんです。でも息子は布団をかぶって一向に部屋から出てこようとしませんでした。なんとか行かせようといろんな方法を試しましたよ。力ずくで体を引きずったり、泣き落としを演じたり。といっても、息子が行きしぶるようになった翌週から私は長期出張で家を空けることになり、それ以降息子のことは妻に任せきりでした。出張中は毎朝妻からLINEで、今日は行けたかどうかの報告を受けていました。ときには息子も観念して学校へ行くことがあったようです。でも、半年経って私が出張から帰るころになっても、結局息子は「学校へ毎日行く生活」には戻りませんでした。むしろ状況は悪くなって、息子は私たち親を遠ざけるようになりました。自分の部屋に閉じこもって会話をしようとしないし、いっしょに食事を取ることもしなくなってしまったんです。 ――まつぼんさんは当時、どのような気持ちでしたか?... --- ### フリースクールは何を基準に選べばよいか 6つのポイントを紹介する1冊 - Published: 2022-11-28 - Modified: 2024-05-16 - URL: https://futoko-online.jp/books/2209/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 2022年12月1日号  「フリースクールを探してみよう」と思ったとき、フリースクールの良し悪しやかかる費用など、何を基準に選んだらよいか迷ったことはありませんか?フリースクールを考えたとき最初に読むべき1冊をご紹介します。 * * *  今回ご紹介するのは、「フリースクール」について、弊社代表理事の石井志昂が自身の経験と20年以上に及ぶ取材をふまえてまとめた1冊です。文部科学省の調査によると、フリースクールは全国に約500カ所あり、約4200人の子どもが通っているとされています。しかし、不登校が20万人を超えた今、数として足りているとは言い難く、またフリースクールを必要としている人に情報が届いていないという実状もあります。  そうしたなか、フリースクールの良し悪しについて、何を基準に選べばよいのか。本書では、大切な視点として以下の6つを挙げています。 ①学校復帰を前提としていない、②子どもたちの意見が運営に反映されている、③入会する前に相談や体験ができる(マンガやゲームが置いてある)、④入会金や月謝が適正な設定である、⑤通っている子どもの半数以上が所属する学校で「出席認定」されている、⑥信頼できて相談しやすいスタッフがいるかどうか、の6点です。  なかでもフリースクールを考える際、一番のネックになるのがお金の問題です。ひとくちにフリースクールと言っても、法的な規定があるわけではないので玉石混交ですし、かかる費用についてもまちまちです。ただし、基準があります。ある調査によれば、フリースクールに入会する際の入会金は5万3000円、月謝は3万3000円が平均との結果が出ています。これをひとつの目安にしてほしいと石井さんは指摘します。  そのほか、フリースクールに関するQ&A、実際にフリースクールで育った子どもやその親の体験談、ミニコラムなど、フリースクールに特化した本書は、「フリースクールを探してみようかな?」と考えた際の大きな手助けとなる1冊です。(編集局・小熊広宣) 『フリースクールを考えたら最初に読む本』 石井志昂/1540円 主婦の友社 --- ### 不登校で不安障害だったサッカー選手が不登校の子に伝えたいこと - Published: 2022-11-28 - Modified: 2024-08-26 - URL: https://futoko-online.jp/children/2198/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2022年12月1日号  小学生の「将来なりたい職業」のトップに輝いたサッカー選手(日本FP協会2021年調べ)。不登校の子どもたちのなかにもその夢を抱いている人もいるかもしれません。今回は、不登校経験者で現在はスペインでサッカー選手をしている菅野将馬さんに、自身の経験とサッカー選手に一歩近づく方法を書いてもらいました。 * * *  菅野将馬です。現在、スペインの4部リーグでサッカー選手をしています。僕はかっこいいゴールを決められるわけでもないし、スーパープレーを出せるわけでもありません。チームで1番声を出して、身体を張って、泥臭くプレーする選手です。  日本人選手でスペイン4部リーグに在籍している選手はごく数名と、めったにない環境でサッカーをしている僕ですが、親の転勤などで環境になじめなかったことをきっかけに、小学2年生から高校2年生にかけて不登校を経験しました。 人目を恐れてサッカーできず  僕は物心つくころからサッカーをしていて、いつか選手になることを夢みていましたが、不登校になってからは、サッカーができる環境は減るばかり。人目を恐れていたため日中は家のなかですごし、学校が終わる夕方になってから公園でサッカーをするという生活を続けていました。どんなに学校へ行きたくても行けず、勉強も苦手なため手につかない。将来が不安で、このままだと立派な大人になれないんじゃないかと思い、苦しい毎日でした。  そんななか中3のときに転機が訪れます。    それは「スペイン留学」です。進学する高校が決まり、入学までに時間があった僕は、スペインへ行ってみようと思い立ちました。スペインといえば、世界屈指のサッカー強豪国。いつか行ってみたいと思っていました。今ふり返れば、自分を変えたいという気持ちもあったのだと思います。親に伝えたところ快く受けいれてもらい、1カ月間留学しました。  スペインでは言葉を理解することも話すこともできませんでしたが、スペインの人々はそのままの僕を受けいれてくれました。そのうえでまわりの評価を気にせず、もっと目の前のことを楽しんでいいということを教えてくれたのです。「いつかスペインで暮らしながらサッカーをしたい」という夢を持つようになったのは、このころからでした。  しかし、順風満帆とはいきませんでした。いざ高校へ進学するも、学校生活になじむことができず、不安障害になってしまったので... --- ### 不登校・ひきこもりを経て28歳になった息子 母を驚かせたある行動 - Published: 2022-11-28 - Modified: 2024-10-07 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2181/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】不登校は幸せへの道, 2022年12月1日号 不登校・ひきこもりの息子との葛藤の日々を歩んできた母親・後藤誠子さん。しかし今、息子は28歳となり、やっと親子で笑い合える日がやってきました。母親の髪を切ってくれるほどに関係が回復した2人。関係改善の理由はなんだったのでしょうか。(連載「不登校は幸せへの道」第30回)※写真は後藤誠子さん  今年、次男は28歳になった。週に3日しか働かず、ほぼ家からも出ない次男を世間の人たちはなんと呼ぶのだろう。ニートかフリーターかひきこもりか。「まともに仕事もできないなんてかわいそうに」と思われるかもしれない。世間の見方なんてまだまだそんなものだ。  一方で次男が着実に変わってきていることに気づいてくれる人たちもいる。  ひさしぶりに次男に会った人がおどろいて言った。「表情がやわらかくなりましたね」。表情だけではない、行動もすこしずつ変わってきている。1人で出かけることなどほぼなかったのに、今ではちょっとした買い物や食事も1人で行くようになった。  ある日、1人で昼食を食べに行った次男が「最近の牛丼屋はすごいな、全部機械で注文できるんだよ」とすこし興奮気味に私に話しかけてきた。「人と話したくない人にとってはありがたいだろうね」。「それな!」。そんな些細なことで親子の会話が弾む。家のなかはいつも笑いでいっぱい。じつは、この1年ほど私の髪を次男が切ってくれている。それだけでもうれしいし、なんていい親子関係だろうと思うが、切ってもらっているあいだの2人の会話も本当に楽しい。他愛もないことで笑い合えることをしみじみ幸せと思う。  最近では、私の講演会場に次男もついてきてくれる。物販や活動の周知を手伝うためだが、先日は次男のある行動で会場の雰囲気があたたかくなった。講演中、次男の写真がスクリーンにうつらなくて慌てた私は思わず、「次男が後ろにいます!」と言ってしまった。会場中の人たちの視線を受け、一瞬、とてもおどろいた顔をした次男だったが、すぐに立ち上がって会場を見渡し、腰に手を当てて芝居がかったポーズを取りニヤッと笑った。その動きや間が絶妙だった。会場は笑いに包まれた。部屋から出るのもやっとだった次男がこんなに臨機応変に動けるようになった。人から笑いを引き出せるまでになったのだ。  かたくなだった次男の心がやっと和らいできたのを感じる。きっかけは母親である私が、「次男は次男のままでいい」と心... --- ### 学校の話題は絶対NG 不登校のわが子を支える2つのポイント - Published: 2022-11-28 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2175/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2022年12月1日号 「不登校の子どもにどう接していいかわからない」「何を話題にすればいいのか」。親御さんからよく聞かれる悩みです。不登校支援に携わる土橋優平さんは、2つのポイントがあると言います。(連載「出張版 お母さんのほけんしつ」第3回)※写真は土橋優平さん * * *  「子どもが学校へ行かなくなってから、どう接してよいかわからないんです」。そんなご相談をいただくことが多くあります。不登校になってから子どもの笑顔が減ったり、話しかけてもリアクションがなかったりすると、親としてはどうしていいか、悩みますよね。  ポイントは2つです。  1つは「学校についてふれないこと」、もう1つは「子どもの今に目を向けること」です。くわしく説明していきます。子どもが学校へ行かなくなると、どんな親だって不安を感じます。そして子どもに言います。「明日は学校行くよね?」「どうして学校行かないの?」。ですがその質問によって、子どもは学校だけでなく、親に対しても強く不安を感じ、距離を取ろうとします。話しかけても返答をしなくなり、昼夜逆転があれば、より顔を合わせる時間も減っていきます。  「学校行くよね? 学校行かないの?」の声かけは、子どもの自己肯定感を下げていくことにもつながります。親御さんがため息をついているのを、子どもは見ています。自分が学校へ行けないから親を不幸にしているのだと感じています。子どもにとって親は唯一無二の存在。そんな親を不幸にする自分自身を「ダメな子なんだ」と責めてしまうのです。  本人の意思がないなかで学校へ行かせても、安心するのは親だけで、子どもはどんどん心がやつれていってしまいます。私は、そういう状況にある子が向き合うべきは、学校ではなく、人だと思うのです。「どんな状態の自分もそのままに受けいれてくれる人」こそ、苦しい状態にある子どもにとって必要なのです。 子どもの「今」を話のネタに  では親はどうすればいいのか。学校以外の部分に目を向けてあげてください。学校は、子どもを構成する要素の一部でしかありません。お子さんが最近、関心を持っていることはなんですか? ゲームでしょうか。だとしたら、「ゲームばっかりで困る」と思う方もいるかもしれません。でもお子さんがハマっているそのゲームがどんなゲームなのか、純粋な気持ちで聞いたことはありますか。  人は誰しも、自分が好きで取り組んでいること... --- ### 中学は生徒会長、高校は不登校 苦しさの根底にあった父親の呪縛 - Published: 2022-11-28 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/children/2070/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 当事者の声, いじめ, 2022年12月1日号 - ハッシュタグ: 通信制高校 勉強ができ、中学では生徒会長もつとめた中村勇樹さん(仮名・22歳)。しかし高校入学後、不登校になりました。勉強も部活も「ちゃんとやる」がモットーだった中村さんは「できない自分」に絶望します。そして苦しみの果てに中村さんが見出したのは、自分を苦しめているものの正体でした。それは、両親との関係性だったのです(※画像はイメージです)。 * * * ――まずは、小・中学生のときのことを教えてください。  僕は、もともと勉強ができるタイプの子どもで、小・中ともに学校では、わりとよい成績を取っていました。中学では生徒会長をやらせてもらったり、卒業生代表として答辞をやらせてもらったり、いわゆる優等生タイプの生徒だったかなと。  部活で同級生にいじめられたりした時期もあったので、何もトラブルがなかったわけではないのですが、不思議と小・中学校のころは「学校へ行きたくない」と思ったことはありませんでした。ただ、対照的に家での苦しみは小さいころからあったなと思うんです。  僕の家は父が小学校の先生、母が保育園の先生として働いていたので、わりときっちりとした家庭で。「自分が興味のあることをやらせてもらえない」「ガマンしている」という感覚が幼いころからずっとありました。たとえば、まわりの同級生がゲームやスマホを持つようになっても、持たせてもらえず、いくら頼んでも買ってもらえませんでした。あと弟に食物アレルギーがあったので、食事にも制限がありました。状況的にしかたがないことではあるのですが、食べたいものがあってもガマンしないといけない環境だったんです。どれも人から見たらささいなことかもしれませんが、自分の意志が通らず、ガマンを強いられるな、と小さなころから感じていました。 ――そうだったんですね。中村さんは、高校生で不登校になったとのことですが、不登校当時のことを教えてください。  高校1年生の2学期から僕は本格的な不登校になりました。最初に自分の心に違和感を覚えたのは、高校の入学前でした。当時の僕が通っていたのは進学校で、入学前から学校から出された課題に取り組まなければいけませんでした。でも、なぜだか身が入らず、「課題をやりたくない」と思い始めるようになって。結局、出された課題を終わらせられないまま高校生活がスタートしてしまいました。   自分をごまかし 保健室ですごす  その後も気持ちは改... --- ### 【全文公開】小中高すべてで不登校した私が高認に合格するまでの10年間 - Published: 2022-11-14 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/children/2103/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 通信制高校, 無料記事, 当事者の声, 2022年11月15日号 - ハッシュタグ: 通信制高校  小学5年生のときに不登校になった山下優子さん(仮名)。「ふつうになりたい」とこだわり続け、勉強も部活もがんばろうとした山下さんは中学でも高校でも不登校になります。そんな山下さんは20代になり、高認に挑戦。今年8月に全科目に合格しました。「ふつうになりたい」と悩み続けた10年を振り返りつつ、高認に気持ちが向いたきっかけや実際に受験してみてわかった高認のメリット・コツについて、お話をうかがいました。 * * * ――不登校のいきさつからお聞かせください。  最初に不登校したのは、小学5年生のときです。クラス替えがあって、新しいクラスメイトとの人間関係がうまくいかなくて。また、クラブ活動でも厳しい上下関係やポジション争いがありました。人間関係につまづいた感じがして「もう学校へ行きたくない」と思ったんですね。  9月からは教育支援センターに通い、6年生の4月から学校へふたたび行くようになりました。というのも、小学5年生の終業式の直前に、クラスメイトから電話があったんです。その日だけでも来ないかって。私自身、いつかは学校へ戻らなければいけないと思っていたので、それを機に学校へ戻りました。 ――中学校は?  入学式から毎日通えていたんですけど、中学2年生の夏休み明けからまた不登校になりました。きっかけは、起立性調節障害です。私の場合、朝は起きられないし、頭痛やめまいもある。しかも、朝にかぎらず、一日中体調が悪い日が多くて、とてもつらかったですね。  その後は学校へ行ったり行かなかったりをくり返していましたが、身体だけでなく、精神的にもしんどい時期でした。そのときには「学校へ行きたくない」という気持ちはなかったからです。もっと言うと、「私は絶対に学校へ行くんだ」という思いでいっぱいでした。親は私の体調を気づかって「そんなにつらかったら、無理して行かなくていいよ」とまで言ってくれていたんですが、私はかたくなに譲りませんでした。 ――なぜそこまで強い思いを抱いたのでしょうか?  「ふつうになりたい」という思いが強かったんです。学校へ行かないとちゃんとした大人になれない、だからみんなと同じじゃなきゃダメなんだって。体調がよい日は学校へ行ってみるんですが、帰宅すると倒れ込むように動けなくなってしまうことがしょっちゅうでした。学校へ数日行っては数日休むという感じで、ときには1カ月丸々休む... --- ### 「なぜ学校へ行きたくないの?」子どもが答えてくれない理由 - Published: 2022-11-14 - Modified: 2024-05-14 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2108/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2022年11月15日号  「なぜ子どもが学校へ行きたがらないのか、その理由がわからない」。不登校の子を抱える親のほとんどがそのように感じたことがあるのではないでしょうか。しかし「なぜ行きたくないの?」は禁句だと、執筆者・土橋優平さんは語ります。親として子どもを支えるために何ができるのか、書いていただきました。(連載「出張版 お母さんのほけんしつ」第2回)※写真は土橋優平さん * * * 親御さんから「うちの子がどうして学校へ行きたくないのか、その理由がわからないんです」という相談を受けることがよくあります。私の肌感覚では、不登校の子どもを持つ親御さんの半数以上がこのようなことで悩んでいると感じます。   一方で理由がわかっているとおっしゃるご家庭でも、本人の言葉ではなく、学校の先生の話や親御さんの想像で「おそらくこうだろう」と考えているケースもあるので、多くのご家庭では子どもの口から不登校の理由を聞くことはあまりないのではないでしょうか。  前提として、100人いれば100通りの「背景」があることは理解していただきたいと思います。たとえばいじめが原因だとしても、どのようなかたち、程度のいじめか、そして子どもはどのように感じているかなど、どれも異なっています。特定の型にはめて解釈するのではなく、その子自身がどう感じているのかを見ることが必要です。   さて、「学校へ行きたくない理由を子どもはなぜ言わないのか」。それには、大きく2つの理由があります。1つは本人も行きたくない理由をわかっていない・向き合いたくないという、本人を起因としたものです。とくに小学校低学年など、まだ自分の考えを言語化することに慣れていない子は、頭のなかに景色は浮かぶけれど、どう伝えてよいかわからない場合が多いのです。大人でも、本当に苦しいときは他人にその苦しさを説明することは難しいですよね。子どもも同じです。またなかには、その苦しい体験と向き合うことを避けている子もいます。思い出すだけで自分の心が傷ついていくから、言いたくないんです。 あきらめと不安   なぜ学校へ行きたくないのか、子どもが話してくれないもう1つの理由は、みじめな姿を見せたくない・言ってもどうにもならないだろうという、親や他者に対しての気持ちを起因としたものです。弱い自分をさらけ出すことにハードルを感じる子、それを見せることによってまわりに味方がいなくな... --- ### 「他人にどう思われるかは考えなくていい」不登校の僕に刺さったアドラーの教え - Published: 2022-11-14 - Modified: 2024-05-14 - URL: https://futoko-online.jp/children/2113/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2022年11月15日号  勉強が追いつかなくなり、高校1年生で不登校になった三宅勇也さん(仮名・19歳)。他人の評価で悩んでいたが、1冊の本と出会ってからは、自分と他人を切り分けて行動できるようになったという。 * * *  他人から認められたい、という欲求は誰しもあるだろう。私は幼いころから承認欲求が人いちばい強く、高校生になるころには、学校のみんなからすこしでも認めてもらおうと、毎日「がんばっているアピール」をしてすごすようになった。入学直後に学級委員を務め、複数の部活に所属し、週末に開かれる講習には毎回参加した。  しかし、しだいに自分のキャパを超えるようになった。夏休みを終えるころには、テスト勉強にも身が入らなくなり、成績はみるみる下降。中間試験の化学では、ついにクラス内で最低点を取ってしまった。最高点を取った友だちは、クラスメイトから称賛の声を浴びている。私は悔しさと恥ずかしさのあまり、答案用紙を机のなかにグチャっとしまい込んだ。だが、点数を必死に隠そうとする気持ちとは裏腹に、クラスメイトからは私が最低点を取ったことを勘づかれていた。いつしか、私を認める人はいなくなり、私は学校内で「ふつうの人」になっていた。学校がつまらなくった私は、仮病を使って学校を休みがちになった。新型コロナ感染拡大による休校も重なり、家でユーチューブを呆然と観る日が続いた。 胸を打たれた「課題の分離」  ある日、1つの動画が目に留まった。  それは『嫌われる勇気』(岸見一郎・古賀史健著/ダイヤモンド社)という本の紹介動画だった。他人の評価に悩んでいた私は、気づけばオンラインストアで購入していた『嫌われる勇気』は心理学者のアルフレッド・アドラーが提唱した自己啓発について解説した本だ。アドラーによると、すべての悩みは人間関係の悩みであり、その悩みは「課題の分離」という考え方によって解消できるという。人が何かを悩むのは、自分が下した選択について「他人の意見」を気にするからである。自分がどのような行動をとるかを判断するのは「自分の課題」であるが、自分の行動について他人がどう思うかは「他者の課題」だ。「自分の課題」と「他者の課題」を分離し、他者の課題には介入せず、自分の課題のみに専念する。そうすればおのずと悩みが消えてゆく、ということらしい。他人の言動や評価ばかりを気にしていた私は、稲妻が突き抜けるような衝撃を覚えた... --- ### 「身内だからこそ許せない」 最悪の兄弟関係に終止符を打った兄の一言 - Published: 2022-11-14 - Modified: 2024-10-07 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2117/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】不登校は幸せへの道, 2022年11月15日号  不登校・ひきこもりをしている次男を責める長男。兄弟の仲はずっと悪いままでした。しかしあるとき、2人の関係性が変わる瞬間が訪れます。母親・後藤誠子さんの体験をつづるエッセイです。(連載「不登校は幸せへの道」第29回)※写真は後藤誠子さん  この物語もそろそろ終わりに近づいてきた。最悪だった長男と次男の関係がその後どうなったのか、物語を閉じる前に伝えておきたい。長男の次男への暴言はすくなくなっていったが、2人の仲は何年も冷たいままだった。話はすこし戻る。次男が実家に戻ってきて3年ほどたったころ、就職して実家から離れた地で暮らしていた長男が、正月休みで帰ってきた。その長男が突然、大きな声で宣言した。  「俺はもう、お前のことをずるいとは思わない」。次男はだまって下を向きながら話を聞いていた。長男は続けた。「今まで俺はお前のことをずるいと思っていた。いつも母さんに甘えて学校も行かなくていいし、仕事も行かなくていいなんてずるいって。だけど、もうずるいとは思わない。だって、仕事も行けて、友だちもいっぱいいて、好きなところに行って、楽しいこともいっぱいしている。俺のほうが幸せだからな!」。  あまりにもまっすぐな長男の言葉に何も言えなかった。次男への思いをどうしたらいいのかわからず、長男もずっと1人で苦しんでいた。長男なりに、弟はラクしているわけではないと、わかったのだろう。そして自分は今幸せだ、と思えたことで、気持ちを整理できたのだろう。次男がどう思ったか、あとで聞いてみた。「兄貴は正しい。あの理解でいい。ずるいと思われるよりずっといい」。すくない言葉で絞り出すように答えた。ずるいと思われていることも長男の葛藤もすべて、次男は感じていたのかもしれない。次男にとっても長男にとっても苦しい年月だった。  その日から長男の次男への態度がすこしずつ変わってきた。次男をけなすことはなくなり、優しい言葉もかけてくれるようになった。長男なりに次男のことを理解しようとしているように見えた。  翌夏、長男の招待で家族みんなで旅行に出かけた。旅館で卓球台をみつけた長男が次男を誘って卓球を始める。はじめは乗り気でなかった次男も、長男につられて本気で喜んだり悔しがったり。長男が鋭いスマッシュを決めて「よっしゃー!」と片手を突き上げる。かと思えば際どいところに球が入って次男がガッツポーズ。まるで子ども... --- ### もっとするっと不登校になればいい 不登校の専門家が考える4つの理由 - Published: 2022-11-14 - Modified: 2024-05-16 - URL: https://futoko-online.jp/interview/2121/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2022年11月15日号  現在、千葉県フリースクール等ネットワーク代表やフリースクールのコンサルティング業務など、さまざまなかたちで子ども支援に取り組んでいる前北海さん。そんな前北さんは「もっとするっと不登校になればいい」と提唱します。前北さん自身が不登校経験者として、また不登校支援に長年関わってきた経験から「もっとするっと不登校になればいい」と考える4つの理由を解説します(※写真は前北海さん)。 * * *  前北海と申します。不登校経験者です。「千葉県フリースクール等ネットワーク」の代表など、不登校をはじめ、子ども支援に取り組む団体に関わっています。また個人として「うみけるのフリースクール屋さん」という事業もしていて、現在は4カ所ほどのフリースクール支援もしています。  僕の自己紹介はこれぐらいにして、本日ご参加いただいているみなさんのこともすこし知りたいです。子どものころ、何で遊んだかをチャットで教えていただけたらと思うのですが... さっそく書き込んでいただいていますね。ファミコン、お人形さんごっこ、ゴム跳び、缶蹴りなど、いろいろ出ましたが、みなさんの「あたりまえ」は、ほかの方とちがいがありましたか?  ここで、あたりまえという幻想について考えたいと思います。たとえば「家族がいてあたりまえ」。そうじゃない人もたくさんいます。シングルの家庭もあれば、そもそも親を知らないという人もいます。  また、非行傾向のある子に夜な夜な家を出ていく理由を聞いてみたら「お母さんの彼氏が来るから」と話す子もいれば、「ご飯がないから万引きをしなければいけない」と話す子もいます。このように、世間で「ふつう」とされているあたりまえが、あたりまえじゃない子どもがいるんです。誰もが結局、自分の経験というフィルターを通して世界を見ているんです。  よく「子どもが話をしてくれない」と相談されますが、じつは大人のあり方に課題があることが多い。  たとえば「学校へ行ったほうがいい」と考えている大人に、不登校の子どもは相談しません。そりゃそうですよね、ジャッジされちゃうんだから。つまり、大人が「自分のなかのあたりまえは本当なのだろうか」と問い、自身のあり方についてしっかり整理することがまず大切だと思います。 不登校傾向 1割は妥当  つぎに、不登校の現状についてお話しします。子どもの数が減少し続けるなか、2020年度の不... --- ### 【全文公開】私のゴールは不登校による差別をなくすこと いじめ、不登校を経験した市議会議員の思い - Published: 2022-10-31 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/interview/2143/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 無料記事, 当事者の声, いじめ, 2022年11月1日号  「今日、不登校経験者のみなさんと会えて、本当にうれしい」。埼玉県富士見市議会議員・加賀ななえさん(31歳)の言葉です。小・中学校で不登校、高校では中退を経験しながらも、25歳の若さで市議会議員に当選し、現在3期目を務める加賀さん。政治の世界に身を置きながらも、今も生きづらさと戦っている加賀さんが、不登校経験者に語った半生とは。(編集・茂手木涼岳、協力・神内真利恵、撮影・矢部朱希子)※写真は加賀ななえさん * * * ――不登校の経緯を教えていただけますか?  小学校5年生のときに不登校になりました。原因はいじめです。暴力をともなうひどいもので、指を骨折するなどのケガをしました。とても苦しかったです。中学校でも出席したのはごくわずかで、基本的には家でインターネットゲームをしたり、イラストを描いたりしていました。  不登校でつらかったのは、両親に泣かれてしまったことです。いじめが原因だったこともあってか「ウチの子は本当にかわいそう」と泣いていたんです。私としては、いじめはもちろんイヤでしたが、どこかで「これで学校へ行かなくてもいい理由ができたぞ」という気持ちもあったんです。それなのに親があまりにも悲しんでいるので本当にきつかったです。  もうひとつ、先生とわかり合えなかったこともつらかったですね。忘れられないエピソードがあります。ある日、ひさしぶりに中学校へ行ってみたら、学級会議が開かれていました。黒板に大きく「加賀さんの問題について」と書かれているのを見て「なるほど、『私の問題』か」と。私の不登校が「問題」と見なされていることや、私のことで学級会議まで開かれていることが、きつかったんですね。先生は演説していました。「加賀さんだってこんなにつらいなか、歯を食いしばって学校へ来ているんだから、みんな、ほめてあげよう!」。こういうふうに、はれ物扱いされるのが一番つらいんですよ。ほっといてほしいですよね(笑)。  現状、教職を選ばれる方の多くは、かつて学校が好きだった方が多いように感じています。だから、いくら普通教育機会確保法で「不登校は問題行動ではない」とされても、「学校はよいところだ」「学校に来ることが子どもにとって幸せなんだ」という気持ちを持ってしまう先生が多いのではないでしょうか。埋められない溝を感じました。  勉強は、そこまで嫌いではなかったので不登校中も続けてい... --- ### やっと見つけた、ひきこもりの息子にしかできないこと - Published: 2022-10-31 - Modified: 2024-10-07 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2139/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】不登校は幸せへの道, 2022年11月1日号  不登校・ひきこもりの息子を持つ後藤誠子さん。親子ともに、これまで数えきれないほどの苦しさと戦ってきました。しかし初めて、息子のことを心から誇りに思えるような日が訪れたのです。(連載「不登校は幸せへの道」第28回)※写真は後藤誠子さん  私が始めた、何もしなくてもよい居場所「ワラタネスクエア」に、行政の予算がついた。場所も広くなり、たくさんの人に来てもらえる。うれしいことだが、人員も必要になる。誰でもいいわけではない。訪れる人たちを「あなたのままで大丈夫」という思いで迎えられる人でなければ。  「ワラタネスクエアでいっしょに働いてくれる人なんているかなぁ」。つぶやいた私の言葉に次男が反応した。「俺、やろうか?」。おどろいて、すぐには返事ができなかった。すこしずつ私の活動を手伝ってくれるようになっていた次男だが、働くと言い出すとはまったく予想していなかった。 「かんたんには休めなくなるよ。報告書つくったり、今よりやることが増えるよ。それでもいいの?」。「できるでしょ」。たったの一言。いやはや、親子そろって苦しんできた日々がこんなにあっさり終わるなんて。以前の私ならきっと、大喜びしたあとで本当に働けるのかと心配になっていただろう。でも不思議と喜びも心配もなかった。働けるなら働けばいい、無理なら辞めればいい。次男の思う通りにやってみればいい。  1カ月後、ワラタネスクエアのリニューアルオープン日。開所式に次男の姿もあった。その日は市長が来るというのでスーツ姿の人たちでごった返すなかに、いつもの利用者さんたちもやってきていた。人混みが苦手な彼らは、どうしたらいいのかわからず不安そうにしていた。彼らに声をかけなければと思ったとき、誰かがすっと彼らのとなりに立った。次男だった。その場には支援の専門家と言われる人たちがたくさんいた。なのに、彼らを気にかけたのは次男だけ。しかも助けていると悟られないように静かにそこに立っていた。助けられるとかえって気をつかってしまう彼らのことをちゃんとわかっている。お見事と言うほかない。初めて次男を心から誇らしく思った。「こんなことができるのは世界中でうちの次男だけだ」と叫びたいくらいうれしかった。多くの人にとって価値があるとされる仕事はできないかもしれない。しかし、次男にだけ見えるもの、次男にしかできないことがたしかにある。何年も何年も苦しんだす... --- ### 【新連載】親だってラクになってほしい 私たちが味方です - Published: 2022-10-31 - Modified: 2024-06-19 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2133/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】出張版 お母さんのほけんしつ, 2022年11月1日号  新連載「出張版 お母さんのほけんしつ」を掲載します。子どもが不登校になると、親だってつらいもの。しかし、ひとりで抱えこまなくても大丈夫です。私たちが味方です。そんな思いをこめて書いていきます。お子さんのこと、これからいっしょに考えていきましょう(連載「出張版 お母さんのほけんしつ」第1回/企画・茂手木涼岳)※写真は土橋優平さん * * *  はじめまして。NPO法人キーデザイン代表の土橋優平と申します。栃木県に拠点を置き、フリースクールやホームスクール(家庭教師)、全国の保護者を対象とした無料LINE相談窓口「お母さんのほけんしつ」などの活動をしています。  7年前、私が大学生だったころ、よく身近な友人・知人から相談を受けることがありました。「大学へ行きたくない。じつは過去にいじめを受けたことがあって、それから人が怖くなった」「家族と不仲で、誰も信用できずにこれまで生きてきた」。  彼らに「死にたい」とまで思わせるその背景には何があるのだろう。大切な人がこんなにも苦しんでいるのはいやだ。なんとかしたい。そんな思いから「生きづらさを解消し、安心して自分でいられるつながりをつくれる社会にしたい」と活動するようになりました。  その後、不登校支援を始めることになり、多くの子どもたちや親御さんと出会い、じっくり話をしていくなかで、気づいたことがありました。  それは、子どもが元気になるためには「親御さんも余裕を持った状態で元気でいられること」が大切だということです。  私が関わりを持っていたある子は、出会った当初に比べて、とても表情が明るくなりました。ですがあるとき、もとの元気のない表情に戻っていたのです。どうしたのか聞くと「家でいろいろあって」と言っていました。親御さんに聞いてみると「学校へ行ってほしい気持ちがぬぐえなくて、ついプレッシャーをかけてしまった」と。  はっとしました。家庭の外にある場所や家族以外とのつながりも大事ですが、子どもたちの帰る場所はやっぱり家。外で楽しくすごせても、家で窮屈な思いをすると、子どもの安心感は育っていきません。親との関わりが子どもに大きな影響を与えることに気づきました。 親も戦っている  そして何より、親御さん自身がとても苦しんでいるようすを目の当たりにしたことも、支援に踏み切るきっかけでした。子どもの居場所を運営していた当時も、よく... --- ### 人の目が怖くて不登校した僕が、路上マジックで成功した理由 - Published: 2022-10-31 - Modified: 2024-05-14 - URL: https://futoko-online.jp/children/2129/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2022年11月1日号  人の目が怖くて不登校になったのに、路上に出てマジックを披露した――。そんな異色の経歴を持つマジシャン・神崎茶々丸さん(21歳)。起立性調節障害に苦しみ、中学2年から不登校。それでも路上マジックにチャレンジしてから、人生がひらけたという(※写真は神崎茶々丸さん)。 * * * ――神崎さんは、中学2年生の前半から遅刻や欠席をするようになったとうかがいました。どんなきっかけがあったのですか?  僕はもともと、朝起きるのが苦手だったんです。目が覚めても、体が動かなくて布団から出られないことがよくありました。後々、起立性調節障害だということがわかったのですが、当時は自分が悪いのだから、なんとかして改善しなくちゃといけない、と思っていました。毎朝、間に合うかどうかと肝を冷やして、学校へ着いてやっと落ち着くという感じでしたね。  中学2年になったころからすこしずつ遅刻が増えていき、秋ごろには遅刻する日のほうが多くなってしまいました。学校って、朝に1分遅れで登校しても、午後から出かけて最後の1コマに出るだけでも、まったく同じ「遅刻」という扱いなんですよね。「1分遅れることがそんなに悪いのか?」、「間に合うことがそんなに大事なのか?」という、学校に対する不信感みたいなものも生まれてしまいました。 人目を気にして ――その一方で、当時から手品が好きで、学校でもみんなの前で披露して注目を浴びるような一面があったそうですね。  僕は目立つのが好きで、手品や小ネタを人前で披露するようなこともしていたので、校内では有名な存在でした。そうした注目を浴びる側の人間であるにも関わらず、「遅刻が多い」という負のレッテルを貼られることに罪悪感があって、精神的に追い詰められていった部分もあります。  もともと、人にどう見られているかがすごく気になって、「このひと言を言ったら、みんなからどう思われるんだろう」と考えるようなタイプです。その延長線上で、「遅刻したらどう思われるんだろう、何を言われるんだろう」と悪いほうにばかり考えて、誰のことも信用できないような気持ちになってしまったのかもしれません。遅刻のことで、直接誰かに責められたわけではないんです。ただ僕が、まわりの目を気にしていたんですね。  そんな状態でしたので、無理して学校へ行った日よりも、休んでしまった日のほうが苦しかったですね。それに、1日休... --- ### 「死にたい」と子どもに言われたとき 親がしてはいけないこと - Published: 2022-10-31 - Modified: 2024-05-16 - URL: https://futoko-online.jp/column/2125/ - カテゴリー: コラム - タグ: 会員限定記事, コラム, 2022年11月1日号  死にたい――。わが子からそんな言葉を聞いたとき、親であれば誰しもとまどい、ショックを受けます。ただ黙って話を聞くだけでよいのか。それとも、優しい言葉で励ましたり、命の大切さを説いたほうがいいのか。「正解」の見えない問いに悩む親御さんはすくなくありません。では、親はどのように対応すればよいのか。不登校経験者に行なったアンケートから「死にたい」という言葉の裏側にある本音を考えるとともに、専門家が指摘する親の対応に必要な3つの原則について紹介します。 * * * 自分で自分を責めた結果...  本紙では以前、不登校経験者19名を対象にアンケートを実施しました。    19名中17名が「死にたいと考えたことがある」と回答し、そのうちの6割が「10回以上考えたことがある」という結果でした。つぎに、どのようなときにそう思うのかを聞いたところ、もっとも多かった回答が「自分で自分を責めてしまうとき」でした。また、「学校へ行きなさいと周囲から言われたとき」「学校へ行っていないことで周囲から注意・叱責されたとき」という回答もあり、不登校の子どもに対する注意や叱責、また何気ない一言などの周囲の言動が、つらい気持ちを抱えている子どもをさらに追いつめてしまう場合があることに、あらためて注意する必要があると感じます。 相談したか否か 子どもの本音は  アンケートでは「死にたい」という気持ちについて、誰かに相談したか否かについてもたずねました。「相談した」と答えたのは17名中3名のみ。回答者の大半が「相談しなかった」のです。その理由でもっとも多かったのは「誰(どこ)に相談してよいかわからなかったから」という回答でした。また「私の気持ちを理解してくれそうにないから」「誰かに迷惑をかけたくないから」「自分ひとりで解決しなければいけないと考えていたから」という声もあり、子どもがひとりで抱え込んでしまうケースが多いことにも注意が必要です。  一方、「相談した」と答えた3名にその理由を聞くと、3名とも「私の気持ちを理解してくれそうだから」と回答しており、相談した結果、「つらい気持ちが楽になった」と回答しています。 親にできること 専門家の指摘は  では、実際に「死にたい」と言われたとき、親は子どもの気持ちをどう理解し、どう対応すればよいのか。精神科医の松本俊彦さんは3つの原則を指摘します。1つめは「告白... --- ### 【全文公開】手洗いや長時間の入浴 強迫神経症に悩む子どもに親ができること - Published: 2022-10-11 - Modified: 2024-11-22 - URL: https://futoko-online.jp/column/2147/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 2022年10月15日号  不登校経験者のなかには「手洗いが止まらない」「カギ閉めの確認を何度もする」など、強迫神経症の症状で悩んだという方がいます。「無理にでもやめさせるべきか」「病院へ連れて行くべきか」と悩んでいる親御さんもいると思います。不登校経験者と医師の語りから考える「親にできること」とは。 * * *  不登校経験者のなかには「不潔に思えて何度も手を洗う」「ガスの元栓やカギの戸締まりを何度も確認する」など、強迫神経症の症状で悩んだ、という方がいます。今回は、ある不登校経験者の実体験をもとに、親にできることを考えます。 ベッドの上だけ  Aさんが不登校したのは小学6年生の2学期。中学受験のための塾通いをするなかで体調を崩すようになり、夏休み明けから不登校になりました。そんなAさんに異変が起きたのは中学2年生のときでした。  最初のきっかけは「地面が汚れている」と感じるようになったこと。これが強迫神経症の始まりでした。外出先の汚い地面にふれたズボンを着ていると、家のなかまでどんどん汚れていくように思えてしまい、しだいに家具にもさわれなくなってしまったのです。  手洗いも止まらなくなり、明け方まで何時間もお風呂に入るようになってしまいます。また、調理器具が汚れていると感じるようになってからは、ご飯さえ満足に食べられなくなりました。最終的に、自分のベッドの上にしか居られなくなる状態が約1年続きました。  そんな状況のなか、Aさんは「現状を無理に変えようとするのではなく、今はこういう時期と受けいれたほうが楽になるのではないか」と考えるようになります。この状態が今後何十年も続くことはないだろうと開き直ったのです。その結果、気持ちもだいぶ楽になり「自分が居られる場所をベッドの上から広げてもよいかも」と、しだいに思えるようになったと言います。 医療への関わり  子どもに過度の手洗いや長時間の入浴などの症状が見られる場合、親御さんのなかには「無理にでもやめさせるべきか」「病院へ連れて行くべきか」など、悩まれている親御さんもいらっしゃると思います。  他方で、児童精神科医の高岡健さんは「親が最初にすべきことは、家風を切り替えること」と指摘します。これは、子ども自身が学校へ行かないで暮らすことが当然と思えて安心できるように親の発想を切り替えるということです。  もちろん、家風を切り替えたとしても、Aさ... --- ### 「強く育てないと」「楽になりたい」不登校の娘と母に起きたすれちがい - Published: 2022-10-11 - Modified: 2024-10-08 - URL: https://futoko-online.jp/others/2151/ - カテゴリー: イベント, others - タグ: 会員限定記事, いじめ, 2022年10月15日号  不登校という同じ状況においても、娘と母で見えることはちがってきます。今回は、2022年5月27日(金)に開催された『「不登校について知る」~不登校経験親子からのメッセージ~』の講演抄録を掲載(主催・NPO法人キーデザイン)。講演には不登校を経験した娘とその母が登壇。親子ゆえのすれちがいやおたがいの思いが語られました。(編集・遠藤ゆか/渡邉身衣子)※写真は右から母の野澤かなえさん、娘の野澤こなつさん * * * 土橋優平(以下、土橋) 司会を務めさせていただきますNPO法人キーデザイン代表の土橋優平です。登壇者のお2人に自己紹介をお願いできればと思います。 野澤こなつ(以下、こなつ) 野澤こなつと申します。19歳です。小学生で不登校になり、今はフリースクールのスタッフとして働いています。 野澤かなえ(以下、かなえ) 母の野澤かなえと申します。長女のこなつ・中3の次女・中1の長男と3人の子どもがおり、全員不登校を経験しました。 土橋 さっそくですが、不登校当時のことについて教えてください。 こなつ 私は小1から行きしぶりがあり、小2で本格的に不登校になりました。小学校に入学して2週間ほど経ったころ、年間のカリキュラムが決まっていることに、まず違和感を覚えたんです。自分が1年間かけてやることがすでに決められていて、それがこの先ずっと続いていくと思うと窮屈さを感じてしまって。  ほかにも先生によってルールが決められ細かく注意されたり、クラスメイトの男の子にいじめられたりして「学校ってつまらない場所だな」と思っていました。そうした、いろいろな思いが重なって、不登校になったんです。 かなえ 小2のころのことは私もよく覚えています。朝になると娘はお腹が痛い、気持ちが悪いと訴えるようになったんです。でも、当時の私は背中を押してまで娘を学校へ行かせていました。男の子からのいじめについても相談されたのを覚えていますが、小さいうちはよくあることだと思い、真剣に話を聞いてあげられませんでした。娘が深く傷ついていると気づけなかったんです。当時は娘の心に寄り添うことよりも、子どもたちに規則正しい生活を送らせることを私は優先していたんですよね。仕事をしながらの育児に追われるなかで「子どもを強くきちんと育てること」が親の重要な役割だと思っていました。だから、学校へ行けないと泣く娘を見ても「休んで... --- ### 成績で順位づけし管理する教育にNO 通知表がない自由の森学園 - Published: 2022-10-11 - Modified: 2024-05-16 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2169/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】不登校その後の居場所, 2022年10月15日号  埼玉県飯能市にある私立自由の森学園。建学の理念は、「点数序列主義への異議申し立て」だという。点数評価をせずに生徒を評価するために、生徒の自己評価に教員が言葉で応答する、という独自の方法をとっている。自由の森学園の実践と目指す学びのあり方について、高校校長の菅間正道さんにうかがった。(連載「不登校その後の居場所」最終回/企画執筆・茂手木涼岳)※写真は自由の森学園 * * * 〇団体の概要・理念 自由の森学園は1985年に埼玉県飯能市に設立された中高一貫の私立学校です。建学の理念は、点数序列主義への異議申し立てです。生徒を成績に応じて順位づけし、管理する。そうした教育にNOを言いたくて、新しい学校をつくったわけです。  「点数評価をせずに、どうやって成績をつけるんですか?」と聞かれることがよくあります。私たちは、いわゆる「通知表」をつくりません。  そのかわり、授業ごとに生徒自身が自分の学びを自己評価する「評価表」を記入します。生徒の自己評価に対し、教師も文章で応答します。そうして、教師と生徒との対話が「評価表」としてまとまっていくのです。点数やABCといった記号で生徒を評価するのではなく、言葉で応答するわけです。こうした対話を通じた学びのあり方を私たちは重視しています。  もうひとつ私たちが大事にしていることは、リアルな出会いと学びの場であることです。授業や行事は教師と生徒がいっしょにつくりあげていきます。他者との関係性のなかに身を投げいれて、うまく距離を取ったりすれちがったりすることも大事な学びです。イヤな人も気の合う人もいるところで成長していけるというのは、通信制などでは得られにくいものかなと思います。 〇子どもの安全配慮のために気をつけていること  教員の新人研修で、自由の森で過去に起きた暴力事件や、人権侵害事件をきちんと共有しています。自由教育といっても、つねに理想的なことばかりではありません。再発防止のためにも、私たちにとって痛苦の経験を教員間で共有することが大事だと思っています。  また自由の森は校則のない学校ではありますが、「タバコ・お酒・暴力」はぜったいNGです。これらは他人や自分自身を傷つけることになってしまうからです。生徒たちが安心してこの場所に居るためには、教師も生徒も「安心できる場」を意識的につくっていかなければならないと思っています。  も... --- ### ひきこもる息子のことを考えない日が来るとは 母と息子に訪れた変化 - Published: 2022-10-11 - Modified: 2024-10-07 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2203/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】不登校は幸せへの道, 2022年10月1日号  息子さんの不登校から数年。長い苦しみの果てに「自分の人生を楽しんで生きていいんだ」と悟った母親・後藤誠子さん。この気づきから、ついに心安らぐ日々が訪れます。(連載「不登校は幸せへの道」第26回)※写真は後藤誠子さん  やっと文章を書く楽しさを思い出した私。ブログに次男との日々をつづることで、心が動き始め、次から次へとやりたいことが見つかるようになった。なかでも一番のチャレンジだったのは、地元のコミュニティFMでラジオ番組をつくったこと。番組のタイトルは「一人じゃないから」。不登校・ひきこもりでつらい思いをしているのはあなた一人じゃない、ここに私がいるよと伝えたかった。親の会に初めて参加したとき、自分一人じゃないとわかってどれほど安堵したことか。  あの思いを一人でも多くの人に味わってほしいと思ったのだ。初めはものすごく緊張して固い話しかできなかったが、3カ月、半年と経つうちにだんだんと楽しくなってきて、小さいころ、一人でずっとしゃべっていた自分を思い出した。文章を書くことも話すことも、私は自分を表現することがこんなにも大好きだったんだ。  不思議なことに、やりたいことを楽しんでやっていただけで、いろんな人が集まってきた。メディアにも取り上げられるようになった。海外メディアが私たち親子を取材するためにわざわざ岩手県までやってきたこともあった。  そうして、とうとう朝から晩まで次男のことを一度も考えない日がやってきた。あんなに何をしていても次男のことが頭から離れなかったのに。外では自分のやりたいことに一生懸命になり、家に帰れば次男と心安らぐ時間をすごす。ずっとこのままでもいいかもしれない。そう思うほどおだやかな毎日。その日々を変えたのは、次男だった。  ある日突然、かぎ針編みを始めた次男は、1カ月ほどで小物をつくれるくらい、うまくなった。そんなとき、多機能型事業所から「うちに来てかぎ針編みをしませんか」と誘われる。以前に見学をして、「自分には必要ない」と、行かないことを決めた事業所だった。ところが、「事業所のプログラムには参加しなくていい、編み物をしているだけでいい」と言われた次男は、病院の診断書や市役所での面談など、福祉サービスを受けるための面倒な手続きをすべてクリアして、週に2回、送迎付きで自立支援訓練に通うことになる。  病院へ行くことをかたくなに拒んでいた次男... --- ### 「ひきこもったままでもいい。息子の人生は息子に任せる」と決めた私に訪れた出来事 - Published: 2022-10-11 - Modified: 2024-10-07 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2166/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】不登校は幸せへの道, 2022年10月15日号  不登校・ひきこもりの息子を持つ後藤誠子さん。親子ともにさまざまな苦しみを経た末に、「たとえ一生ひきこもっていても、それが息子の選んだことなら、それでいい」とまで思えた後藤さん。そう思えたきっかけはなんだったのでしょうか。(連載「不登校は幸せへの道」第27回)※写真は後藤誠子さん  次男が多機能型事業所へ通い始めたころ、私も新しいことを始めた。居場所をつくったのだ。次男が元気になってきたのだから、家や事業所のほかに、もっといろいろなの人たちと関われるような居場所があれば社会に出るきっかけになるのではないか。そんな欲が湧いてきたのだ。次男が行ける居場所がほしい。ないなら私がつくってしまおう。そうして始めたのが、月に1度の居場所「ワラタネスクエア」だ。  ワラタネスクエアには予定もプログラムもない。何をしてもしなくても、ただそこにいるだけでいい居場所だ。年齢や立場もいっさい制限しない。もしかしたら誰も来ないかもしれない。それでもいい、と思っていたのに、当日は10人を超える人がやってきた。しかもみんな口々に「こんな場所がほしかった、ありがとう」と感謝してくれる。ただ雑談をするだけの居場所なのに、どうしてこんなに人が来るんだろう。  じつはワラタネスクエアを始めて1年以上、次男はまったく寄りつかなかった。  「自分には必要ない」と言って。それでも私は居場所を開ける日を増やしていって、しまいには仕事も辞めて居場所を本業にするようになった。次男のために始めたことなのに、いつのまにか私にとって、居場所がなくてはならないものになっていた。  ワラタネスクエアには本当にたくさんの人たちが来てくれた。誰とも話せなかった青年が「ここに居ていいんだ」と安心したことで、人と話せるようになった。表情すらなかった小学生がお母さんといっしょにやってくるようになって、笑顔を見せてくれるようになった。ずっとひきこもっていた50代の男性が「ここへ来て話ができて、初めてこんな自分でも生きていていいんだと思えるようになった。ありがとう」と言ってくれた。  「自分のままでいていいんだ」と思えることこそが生きる力になる。頭ではわかっていたが、なかなか実感として思えなかったことが、彼らと日々接することで私のなかに自然に浸透していった。  次男の人生は次男に任せよう。1度はそう思ったのに、まだ変わってほしいと思って... --- ### 3名の不登校経験者が語る 高校・大学へ進学しようと思ったきっかけ - Published: 2022-10-11 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/children/2156/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 当事者の声, 2022年10月15日号 - ハッシュタグ: 通信制高校  子どもが不登校になったとき、「勉強」や「進学」など将来のことは、親として不安に思ってしまうもの。今回は、2022年7月30日(土)に開催された「子どもの声を聞いてみよう! 不登校からの中学・高校卒業後の進路の選び方」の講演抄録を掲載します(主催・多様な学びプロジェクト)。講演には不登校からの進学を経験した学生3名が登壇し、もう一度学校へ通おうと思った理由や勉強への取り組み方など、それぞれの進学への道のりが語られました。(編集・遠藤ゆか) * * * 生駒知里(以下・生駒) 本日モデレーターを務めます、多様な学びプロジェクト代表の生駒知里です。今日は登壇者として不登校経験者3名の方にお越しいただきました。まずはそれぞれ自己紹介からお願いできればと思います。 岩崎茉緒(以下・茉緒) 岩崎茉緒と申します。私は小学6年生で学校へ行けなくなり、中学卒業まで不登校でした。その後は通信制の高校へ進学し、現在は法政大学の社会学部に2年生として在籍しています。 押田健生(以下・健生) 押田健生です。僕は高校1年生の冬に不登校になり、その後、中退を経験しました。高校中退後は高卒認定試験を経て進学し、今は大学で2年生として臨床心理学を学んでいます。 櫻原楓(以下・楓) 櫻原楓です。僕は小学2年生という、わりと幼い時期に不登校になりました。不登校後はフリースペースに通いながら定時制高校へ進学し、今も昼間はフリースペース、夜は高校に通う生活を送っています。 生駒 ありがとうございます。さっそくですが、まずはかんたんにみなさんの不登校経験から教えてください。不登校の状態から「もう1度学校へ戻ろう」と思ったきっかけも併せて教えてもらえるとうれしいです。 楓 僕は小2で不登校になったのですが、じつはこれといった明確な理由はないんです。同年代との集団生活に苦痛を感じていた部分はあったのですが、やはりはっきりとした原因は今でもよくわかりません。  不登校になったあと、僕は親の紹介で川崎市子ども夢パーク内の「フリースペースえん」という居場所へ行くことになりました。そこでの生活がもう1度学校へ通うきっかけにつながりました。フリースペースで友人やスタッフの人とふれ合っていくうちに、段々と「自分が暮らす世界の幅を広げてみたい」という気持ちが湧いてきたんです。  勉強をする楽しさに気がついたことも、大きかった... --- ### 不登校を経験したパティシエが語る 好きなことを仕事につなげるまで - Published: 2022-10-11 - Modified: 2024-05-16 - URL: https://futoko-online.jp/children/2162/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2022年10月15日号  小学生のころ不登校になった黒田千遥さん。不登校のときに始めたお菓子づくりが、パティシエを目指すきっかけになったそうです。不登校から現在に至るまでの経緯、パティシエになるために家でできることについて、執筆していただきました。(撮影/矢部朱希子)※写真は黒田千遥さん * * *  黒田千遥です。「自由なパティシエ」という肩書で、お菓子づくりをしています。2018年に、店舗を持たず百貨店の催事やネット販売をする「焼菓子屋カトルカール」を開業。東京都国立市内での委託販売などで人気店になりました。また、21年9月に国立市社会福祉協議会の運営するカフェ「喫茶わかば」の店長に就任。現在は焼菓子屋カトルカールを続けながら、しょうがいなど、さまざまな働きづらさを抱えた方とともにお菓子をつくっています。  私がお菓子づくりに興味を持ったのは、小学校低学年のときです。入学当時から集団行動になじめず、学校を休みがちになっていた私は、家にあったレシピ本と道具をきっかけにお菓子づくりを始めました。  小5の秋から完全に不登校となり、フリースクールへ通い始めるのですが、学校とちがってカリキュラムが決まっていないので、好きなことに没頭しても叱られることはありません。そのおかげでお菓子づくりにのめり込むことができ、また、つくったお菓子を、みんなにほめてもらえたことで自信がつきました。こうした経験から、パティシエを目指すようになりました。 好きなことなら楽しく学べる  中学・高校もあまり好きになれず、勉強も苦手だったので休みがちでしたが、製菓専門学校へ行くことが目標にあったので、がんばれたのだと思います。その後、希望していた専門学校に合格。大好きなことだけ勉強できる、今までで一番楽しい学校生活でした。  しかし、就職活動で挫折を味わいます。  ずっと憧れだった「街のお菓子屋さん」で研修を受けたのですが、いざふたを開けると、シェフの言うことが絶対な雰囲気で、ハラスメントもあれば、研修中は無給という始末。あまりにも過酷な環境がトラウマとなり、パティシエの夢は、はかなくも崩れ落ちてしまいました。  その後数年間フリーターとしてすごしましたが、あるとき転機となったのが、「シェアキッチン」との出会いでした。シェアキッチンとは保健所の許可を得た厨房をレンタルできる施設のこと。従来の働き方に縛られずに、自分のペー... --- ### 【全文公開】朝起きられなくて学校へ行けない 起立性調節障害から考える不登校 - Published: 2022-09-26 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/2197/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, コラム, 2022年10月1日号 朝起きられなくて、学校へ行けない。このとき、大人はつい「怠けているだけではないか」と考えてしまいますが、そうともかぎりません。起立性調節障害と診断された不登校経験者や専門家の語りから、不登校と起立性調節障害をめぐり、親にできることは何かを考えます。 * * * 不登校とセットで語られることの1つに「起立性調節障害」があります。今回は、起立性調節障害の診断を受けた不登校経験者の語りから、親にできることを考えていきます。 症状、治療法は 一般社団法人日本小児心身医学会によると、起立性調節障害のおもな症状としては「朝起きられない」「立ちくらみ」「頭痛」などが挙げられます。 また、治療方法として、水分・塩分摂取による非薬物療法、血圧を安定させる薬による薬物療法のほか、子どもの心理的ストレスを軽減する環境調整などが効果的とされています。 他方で、起立性調節障害に悩んだ不登校経験者に話を聞くと、服薬などの薬物療法ではまったく効果がなかったというケースもあります。 必要だったこと Aさんは中学1年生の秋ごろ、朝、目が覚めると、頭痛や立ちくらみがあり、立つことさえできない状態がお昼すぎまで続いたと言います。いくつかの病院を転々とするなかで、起立性調節障害と診断されます。 Aさんが血圧を測ったところ、上が80、下が60前後であることがわかり、血圧を上げる薬が処方されました。しかし、いくつかの薬を試してみたものの、効果を実感できないどころか、手足のしびれなどの副作用に悩まされるようになったと言います。 そもそも、Aさんにとって、朝の起床がなぜつらかったのか。それは、部活内でのいやがらせが発端でした。一番苦しかったのは「起立性調節障害ではなく、学校へ行ける状態ではないのにガマンして登校しようとがんばっていたこと」とAさんはふり返ります。 その後、周囲の理解や高校で書道と出会ったことをきっかけに、Aさんの状況は改善。低血圧は変わらずとも、服用することなく、朝早く起きる仕事もこなせているとのこと。 Aさんは「私にとって必要だったのは起立性調節障害に関する周囲の理解と環境の変化」であると語っています。 Bさんも、起立性調節障害に悩んだ不登校経験者の1人です。毎朝血圧を測る、よいとされる食事の成分を摂る、寝る姿勢を整える、薬の服用など、効果があるとされることはすべて試したものの、改善しませんでし... --- ### やすむことがなぜ大切か 不登校経験者を救った2つの勇気 - Published: 2022-09-26 - Modified: 2024-05-16 - URL: https://futoko-online.jp/books/2192/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 2022年10月1日号  不登校だった自分を救った2つの勇気について語るのは、小学1年生で不登校した塩生好紀さん。理学療法士として、現在は会社を経営する塩生さんが不登校の子どもやその親に伝えたい2つの勇気とは。 * * *  現在、福岡県で個人・団体への健康支援や子どもの運動教室のほか、不登校支援などの事業を行なう会社を経営する塩生好紀さんは不登校経験者です。小1で不登校し、小学校はほぼ通わずに卒業。その後、中学・高校・専門学校へ進学して理学療法士の資格を取得後、27歳で株式会社を立ち上げ、現在に至ります。  不登校のきっかけの1つとなったのは何か。それは、23歳のときに判明した学習障害でした。  1行目を読んでいたのに3行目に目が飛んでしまうなどの読字障害があり、小1のころから、授業中の音読に困難さを抱えていたと言います。  本書では、塩生さんの不登校とその後の半生をふり返りつつ、現在取り組んでいる不登校支援のなかで対応してきた事例なども紹介しています。本書を通じて伝えたいことは「不登校でも社長になれる、不登校でも大丈夫ということではない。学校ですごすことが苦しい子ども、学習障害で悩んでいる子どもがいることを知り、見守る大人が増えてほしい」と語ります。  タイトルにもある「やすむ勇気」について、塩生さんは「皆勤」について疑問を呈します。「自分の意志や感覚をしっかり持って、必要に応じて適度に休めるようになることも、長い人生において大切な能力である」と、子どもが「やすむ勇気」を持つことはもっと評価され、広がってほしい文化であると指摘します。  また、塩生さん自身が学校や教育委員会所管の公的なフリースクールに合わなかった経験をふまえ、「学校でなくても元気に目的をもってすごせる場所があるなら、子どもにとってはそちらのほうがいいこともある」と、親御さんに対して「やすませる勇気」を持つことの大切さを訴えます。親にも先生にも読んでいただきたい1冊です。(小熊広宣) 『やすむ勇気・やすませる勇気 不登校だった僕を救った2つの勇気』 塩生好紀 著/1650円(税込) 梓書院(092-643-7075) (初出:不登校新聞587号(2022年10月1日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### 不登校から旅立ちまでをサポート フリースクールみなもの実践 - Published: 2022-09-26 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2185/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 【連載】不登校その後の居場所, 2022年10月1日号 - ハッシュタグ: 通信制高校  大阪市にある「フリースクールみなも」は「楽しい」を追求するフリースクールだ。理事長の今川将征(まさゆき)さんは、最近の子どものようすを見ていて、気づいたことがあるという。以前に比べ、自由という状況にとまどう子が少なくないと言うのだ。(連載「不登校その後の居場所」第8回/企画執筆・茂手木涼岳)※写真は居場所のようす * * * 〇団体の概要・理念 「フリースクールみなも」は2004年に創立したフリースクールです。フリースクールと親の会から始まり、2009年からは通信制高校と提携したサポート校事業、2013年からは個別指導の学習塾事業も行なっています。理念として「子どもたちの不登校から旅立ちまでをサポートする」ということを大事にしています。フリースクールなどによって子どもたちが元気になっていく一方で、その子たちがいかに社会に旅立って行けるのか、という点にも着目しています。フリースクールはあくまで、社会に旅立つまでの中継点ですから、「その先」まで見据えた支援をしたいのです。 〇1日の流れ 週4日、11時から16時半まで開室しています。活動の内容は、午前午後それぞれで大まかに決まっています。月曜の午前は学習、午後は運動。火曜の午前は手芸、午後はボードゲーム、という具合です。活動内容をあらかじめスタッフが決めるというスタイルは、去年の11月から始めました。それまでは、プログラムはとくになく、「何をするのも自由」でした。  ところが、そういう自由な場で子どもたちのようすを見ていると、自由という状況にとまどう子もすくなくありません。反対に「今日はこれをするよ」というふうにスケジュールが決まっていたほうが安心してすごせる子も多くいます。学校には行けず代わりの場を求めてはいるけれど、皆が皆「自由な居場所」を求めているわけではないのかなと思ったのです。正直、この体制変更には葛藤もありました。しかし自由な場でどうもイキイキしきれない子がいるなか、思いきって変えることにしました。  ただ、日々の活動は決まっていますが、参加する・しないを選ぶ自由はありますし、子どもたちの提案を活動に取り入れたり、いっしょに企画することで活動づくりに参画するなどはできます。 居場所のようす 〇子どもの安全配慮のため気をつけていること 子どもだけにしておくことはせず、つねにようすを見る、声をかけるなどの留意を... --- ### 高3なのにレポートが手つかず 通信制を卒業するために私がしたこと - Published: 2022-09-26 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/children/2178/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 当事者の声, 2022年10月1日号 - ハッシュタグ: 通信制高校  入学式も出ないまま、通信制高校で不登校になってしまった木原ゆいさん。在籍は続けたものの、卒業するためにはレポートの山をこなさなくてはならない。どうしてもレポートが進まなかった木原さんだが、ある「独自ルール」をつくってから、状況が一変したという。 * * *  小学校・中学校ともに不登校だった私は、進路選択を見送り、中学卒業後1年間、何もしないことを決めた。理由はいたってシンプルで、進路を考える気力がまったくなかったからだ。  しかし、いざ「何もしない1年間」が始まると気持ちは急変。漠然とした将来への不安感と、何もしていない後ろめたさに追い詰められた。きわめつきは祖父からの「あんたダメでしょ」の一言。気持ちはブレにブレ、半年後には、母のすすめで通信制高校を受験していた。入試は面接のみですんだため、すんなり合格。所属できる場が見つかり、ほっとしたのを覚えている。  しかし、安堵したのもつかの間、入学前の時点で私は再び不登校になった。  入学前のある日、学校を一度訪問する必要があったのだが、自宅から10メートル歩いたところで、心の奥底で押し殺していた不安が一気に爆発。とたんに涙があふれ出てしまったのだ。そして、そのとき頭のなかで浮かんだ言葉は、「やっぱりまだ何もしたくない」だった。  結局周囲の目を気にしていたから入学を決めただけであって、「何もしたくない」が私の本音だったのだ。とはいえ10メートルが限界だなんて... ... 。すっかり怖気づいた私は、入学式も出ないまま不登校になった。  さいわい担任に相談したところ不登校対応に慣れているからか、卒業に必要なレポートだけ渡され、「ひとまず好きなことをしたら」と言ってもらえた。その言葉に救われた私は、とりあえず通わない前提で在籍する道を選ぶことにした。  その後2年間は今まで通り自宅ですごしたり、フリースクールに通ったり、気の向くままにすごした。ひたすら自由に時間を使ったのがよかったのだろう。好きなことをする分には元気にすごせるし、高校も担任との面談や興味がある授業には出席できるようになった。  とはいえ時がすぎるのは早いもので、あっというまに高校3年生を迎えた。これまでは頭の隅っこに追いやっていたレポートの存在も、そろそろ意識し始めなければならなくなる。そう、1年生のころに渡されたレポートだ。卒業のためには最低限こなさ... --- ### 「このままでは親子で共倒れだ」小1で不登校した娘との闘いの日々 - Published: 2022-09-26 - Modified: 2024-05-16 - URL: https://futoko-online.jp/interview/2173/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 親の思い, 2022年10月1日号  「こいのうた」「浮舟」など、2000年代に数々のヒット曲を生み出し、日本武道館や海外でのライブツアーを成功させたスリーピースロックバンド「GO!GO!7188」。バンドでベースを担当してた野間亜紀子さんは、自身のお子さんが小学1年生で不登校になったと言います。およそ3年に及ぶわが子との闘いの日々をふり返りつつ、昨年、不登校の子どもの居場所として立ち上げた「ともそだち」についてもお話をうかがいました。母として、またミュージシャンとして抱えた不安や葛藤とは(※写真は野間亜紀子さん)。 * * * ――お子さんの不登校のいきさつからお聞かせください。  娘が小学校入学式の2日後に「もう学校へ行きたくない」と言い出したのが始まりでした。当初は、私や夫が学校まで付き添ったり、娘を抱えて教室まで行き、そのまま先生に預けるなんてこともありました。娘が小学2年生のとき、学校へ行きたくない理由について「学校は先生のために働いている気持ちになるからイヤだ」と話してくれました。しかし、「学校へ行かなかったらどうなってしまうのか」という焦りがあり、また「学校へ連れて来てくれれば、あとはなんとかします」という先生の一言を信じて、なんとか学校へ行かせようとがんばり続けていました。  しかし、学校へ行く時間がどんどん遅くなり、行けない日も増えてくると、朝が怖くなってくるんです。目が覚めるたびに「あぁ、また朝が来ちゃった」って。1日のエネルギーの大半を娘とのやりとりで使ってしまい、自分の仕事も思うようにできない。下の子の育児もあるのに、朝からヘトヘトでイライラも募るばかり。もちろん、娘も同じように疲れ切っている。このままだと親子で共倒れしてしまうと思い、そこでやっと「学校へ行かせることをやめよう」と決心しました。それを学校に伝え、娘は小学3年生の2学期から不登校をしています。 ――野間さんにとって、何が一番の不安だったのでしょうか?  「遅れる」ということです。とくに、中途半端に学校と関わっているときって、まわりとの差をどうしても感じてしまうんです。PTAの会合に出ても、まわりの親御さんの話がなんだか次元のちがう話に聞こえてしまって。漠然とした不安でいっぱいでした。 生まれたときはただ喜んだのに  そして、私自身、ずっと葛藤し続けていました。娘が生まれたときは「元気に生まれてくれてありがとう」と... --- ### 子ども2人が不登校 宿題を無理強いさせたこと、後悔しています - Published: 2022-09-21 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/parents/2208/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 親の思い, 2022年10月1日号 - ハッシュタグ: 通信制高校  2人のわが子が不登校したことについて、「後悔することばかり」と話す渡邊美樹さん。悩み、学ぶなかで「親として揺らがない軸」を見つけたと話す渡邊さん。親としての葛藤のほか、今年始めた「国分寺の不登校を考える会」や今後の活動の展望についてもお話をうかがいました。 * * * ――お子さんの不登校のいきさつからお聞かせください。  現在、小学6年生の娘が、小学3年生の4月から不登校になりました。じつは上の息子も中学2年生の9月から卒業するまで不登校でした。息子は今、通信制高校に通っているのですが、きょうだいそろって不登校になったことに悩んだ時期もありましたね。  最初に不登校になったのは娘でした。小学2年生の3学期ごろからお腹が痛いと学校へ行きしぶるようになったのです。当時、娘にとって、学校での生活がいろいろとうまくいかなくなっていた時期でもありました。給食で口のなかがかゆくなったり、成長痛のせいで体育の授業を見学しなければいけなくなったり、と。  しかし、私の頭のなかは「学校へ行くのがあたりまえ」という価値観でいっぱいでしたから、お腹が痛いなら病院で診てもらおう、口のなかがかゆくなるなら食物アレルゲン検査をして給食で対応してもらおうなど、なんとかして学校での生活がうまくいくように、と必死でした。今となっては後悔することばかりです。 ――後悔とは具体的に?  とくに宿題について、私はいつも娘を叱ってばかりでした。私が教えても「わからない」と怒り出すので「宿題はみんなするものなの。わからないところがあるなら先生に聞きなさい」とガミガミ言ってしまい、毎日が娘とのバトルでした。「勉強がイヤだと言っているのに、なんで勉強させるの?」という娘の言葉を受けとめず、不登校になってからも家庭教師を雇うなど、無理強いさせたせいで、娘が勉強嫌いになってしまったことは本当に後悔しています。 今度は息子が不登校になり  娘の不登校から1年ほどがすぎ、私も娘もすこしだけ落ち着いてきたかなというタイミングで、今度は息子が不登校になりました。息子も友人関係に悩んでいたようですが、私は娘にかかりっきりになってしまっていて、全然かまってあげられていなかった。それなのに、息子にはゲームの時間を制限していて。ある日、息子が爆発したんです。「なんで妹は家で好きにすごしているのに、俺だけゲームを制限されるんだ」っ... --- ### 子どもに関わるすべての大人に観てほしい映画「ゆめパの時間」 - Published: 2022-09-13 - Modified: 2024-10-08 - URL: https://futoko-online.jp/others/2364/ - カテゴリー: 書籍等紹介, others - タグ: 会員限定記事, 映像紹介, 2022年7月1日号  7月9日(土)より、ドキュメンタリー映画「ゆめパのじかん」が全国順次公開される予定です。2001年4月1日に施行された「川崎市子どもの権利に関する条例」をもとに、官民共同でつくられた「川崎市子ども夢パーク」には、全国各地から視察が相次いでいます。その「川崎市子ども夢パーク」を追った本作には、不登校の子どもたちも登場します。泥だらけになって遊ぶ子どもの笑顔、自身の将来に真剣に悩む子どもの姿。「川崎市子ども夢パーク」で流れる「こどものじかん」を追った本作をご紹介します。 * * *  神奈川県川崎市高津区にある「川崎市子ども夢パーク」の日常を追ったドキュメンタリー映画『ゆめパのじかん』が7月9日(土)より、全国で順次公開される。約1万平米の広大な敷地を持つ夢パークには、たき火や泥遊びができるプレーパーク、音楽スタジオ、創作スペースのほか、不登校の子どものための居場所「フリースペースえん」も開設されている。映画には、小学1年生のときに半年だけ学校へ行った子、ノートに写すだけの勉強が嫌いだったという子など、不登校の子どもたちも登場する。 進路に悩む姿  「不登校の理由を明確に答えられる人なんているのかな」。そう語るのは、サワ(15歳)だ。  制服を着て玄関に向かったものの、そこで身体が動かなくなったという。そんなサワが熱中しているのが木工だ。映画後半では、サワが進路に悩みつつ、寺の修繕などを請け負う建設会社へ行き、職人にインタビューする場面がある。自分の好きなことや将来に思い悩む姿をありのまま映す印象的なシーンだ。  本作を観て、もっとも感じたことは、子どもが子どもの時間を思うがままにすごせるということが、いかに豊かな経験であるかということ。夢パークのスタッフは、子どものやることに余計な口出しはしない。また、子どもを未熟な弱い存在として扱うこともしない。対等な人間として向き合うことを徹底している。他方で、こうも思う。なぜ学校ではこうした大人と子どもの関わりができないのか、と。映画に出てくる子どもたちを見ていると、そんな疑問が浮かんでくる。親や教員のみならず、子どもに関わる多くの人に観てほしい映画だ。(小熊広宣) 『ゆめパのじかん』 2022/日本/90分/日本語/カラー/ドキュメンタリー/【監督】重江良樹/【企画・製作】ガーラフィルム/ノンデライコ/【配給】ノンデライコ ... --- ### つらいなら、迷わず誰かに頼って NPO代表が10代に伝えたいこと - Published: 2022-09-12 - Modified: 2024-05-16 - URL: https://futoko-online.jp/books/2257/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 2022年9月15日号  チャットにより無料相談窓口を運営するNPO法人「あなたの居場所」理事長の大空幸星さんの新刊を紹介します。いま、死にたいと思うほどつらい思いをしている子どもたちに向けて、かつて自身も2度、本気で死を考えたことがあるという大空さんが伝えたいメッセージとは。 * * *  タイトルにもある「死んでもいいけど、死んじゃだめ」というメッセージは、かつての自分自身に伝えたかった、そして今、死を考えざるを得ないほど孤独でつらい思いをしている人に知ってほしい言葉。そう語るのは、本書の著者であり、チャットによる無料相談窓口を運営するNPO法人「あなたのいばしょ」の理事長・大空幸星さんです。大空さんは複雑な家庭環境に育ち、本気で「死にたい」と考えたことが2度あると言います。 メッセージに込めた思いについて「『死』を心のなかに置いたままでも、とにかく生きていてほしい。そうやって生き続けてさえいれば、どんなに苦しい状況でも、誰かとつながることで孤独が癒やされ、前に進む気力が芽生えるから」と、大空さんは言います。  本書は「14歳の世渡り術シリーズ」の1つとして、10代に向けて、自分の心を守るためのヒントを紹介するものです。本書の内容も「進路や受験」「恋愛問題」「先生との関係」「いじめや虐待」「SNSとの付き合い方」「休み明けに学校へ行きたくない」など多岐にわたり、悩みを苦しみに変えないためのヒントを紹介しています。なかでも、第2章「孤独を感じたら、迷わず誰かに頼ってほしい」に、10代の子どもたちに向けて、大空さんが本書を通じて伝えたいことが詰まっています。大空さんは「孤独や生きづらさを感じるのは恥ずかしいことでも、弱いからでもない。将来への不安や心の重苦しさを感じているのであれば、迷わず誰かに頼ってほしい、それが本書で伝えたいこと」と言います。  子どもの自死については、この数年、メディアでも大きく取り上げられるようになりました。しかし、子どもが死にたいと思うほどつらく苦しい気持ちですごしているのは、長期休み明けばかりではありません。親はもちろん、今がつらい子どもたちにも届いてほしい1冊です。(小熊広宣) 『「死んでもいいけど、死んじゃだめ」と僕が言い続ける理由』 大空幸星 著/1562円(税込) 河出書房新社(03-3404-8611) (初出:不登校新聞586号(2022年9月15日... --- ### 「私は私の人生を楽しんで生きていいんだ」不登校の母がやっと見つけた答え - Published: 2022-09-12 - Modified: 2024-10-07 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2273/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】不登校は幸せへの道, 2022年9月15日号  「息子と私は別の人間」「私は私の人生を楽しんで生きていいんだ」。不登校の息子との関係に悩み続けて数年、母親・後藤誠子さんは、とうとう「幸せへの道」へと歩みだしました。(連載「不登校は幸せへの道」第25回)※写真は後藤誠子さん  次男と私は別の人間。次男の人生は次男が生きる。私は私の人生を生きよう。そう思って最初にしたこと、それは次男に質問することだった。「これからオカンは、外に出て自分のやりたいことをやって楽しもうと思うんだけど、それでもいいかな?」。  スマホをいじっていた次男が、私の質問にほぼかぶせ気味に言った。  「あたりまえだ。どんどんやれ。家にいて暗い顔していられたら気持ち悪いわ」。口数のすくない次男にしては長いセリフだった。しかも自分の気持ちをきっぱりと言ってくれた。そうか、次男はずっと待っていたんだ。私が楽しもうという気持ちになるのを。何度も次男から「心配するな」と言われてきた。その意味がやっとわかった。  さぁ、これからなんでも好きなことをやるぞ! と勢い込んでみたが、そこで止まってしまった。やりたいことが何も浮かんでこないのだ。これまでずっと「自分はなんて運が悪いのだろう」と思ってきた。自分の人生がイヤなことばかりなのを次男のせいにして、自分から何かしようと思わなくなっていた。止まっていたのは次男じゃない、むしろ私のほうだった。  家族相談会などいろいろな場所で言われてきたことがある。親が心に余裕を持って、その余裕の部分で子どもに寄り添いましょう、と。冗談じゃない。余裕なんてあるわけがない。心配のしすぎで何をしても心が動かない状態になっているのだから。楽しいと感じられないくらいにガチガチに固まっている心を柔らかくする、まずはそこからやってみるしかない。  友だちとランチへ行く。おいしそうなスイーツを買ってくる。お酒を飲みに行く。旅行する。楽しそうだと思うことをいろいろやってみた。楽しいけれどなんだか疲れる。心を動かすってこんなことではないんじゃないか。楽しもうと思わなくても自然にやってしまう。そんなことがあったはずなのに。  そこでやっと思い出した。文章を書くことだ! 心に浮かんできたことを書いて、誰かに読んでもらうのが、あんなに楽しみだったじゃないか。小学生のころからずっと書いてきたのに子育てや仕事が忙しくなり、いつのまにか忘れていた。ブログを... --- ### 生きるとは夢中を探すこと 歌人・俵万智が子どもたちへ届けたい思い - Published: 2022-09-12 - Modified: 2024-05-16 - URL: https://futoko-online.jp/interview/2217/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2022年9月15日号  「最後とは知らぬ最後が過ぎてゆくその連続と思う子育て」(『未来のサイズ』2020年)。歌人・俵万智さんの歌だ。昨今は母親として日常生活に根差した歌をつくり続けている。そんな俵さんにあこがれるのは、7年間のひきこもり経験を持つ瀧本裕喜さん。気持ちをうまく言葉にできない、と悩んでいた瀧本さんは、どうすれば言葉にできるのかを「言葉のプロ」俵さんに聞いてみることにした。言葉とは、短歌とは、そして子育てとは。俵万智さんのインタビューを掲載する(※写真は俵万智さん)。 * * * ――心のなかのモヤモヤした気持ちを言葉にできなくて苦しいです。俵さんのように心のなかのものをうまく言葉にできれば、生きやすくなると思うのですが。  たしかに言葉って、心のなかのモヤモヤした気持ちを見える化する道具ですよね。どうすればモヤモヤを言語化できるのか。私は2つのことが重要な気がします。  ひとつは、言葉をなるべくたくさん自分のなかに持っていること。そしてもうひとつは、言葉の組み合わせの仕方をたくさん知っておくことですね。だから、一般的な答えになってしまうけれど、本や新聞をたくさん読んで、たくさんの言葉を知って、自分のなかに「言葉の貯金」をしていくというのは、すごく大きな財産になると思います。  あとね、いきなり手前みそになってしまいますが、短歌をつくるのは思いを言葉にするという点で、すごくよいトレーニングになりますよ。五・七・五・七・七というかぎられた音のなかでいかに自分の思いを伝えるか、ということですから。  言葉は見えないものや現実には存在しないものを残すことができますね。心象風景や、心が感じたことを残せます。しかも、言葉は古びません。短歌は1000年以上前からつくられていますが、私たちは1000年前の短歌でも、読むことができます。1000年前なんてはるか昔で、人も風景も建物も今とはまったく変わっているでしょう。でも言葉は1000年前の鮮度のまま、今によみがえることができます。そのとき見たもの、感じたことをそのままの鮮度でパッケージできる。言葉って最強ですよ(笑)。 俵万智さん 解釈ちがいもありがたい ――俵さんにとって、短歌をつくるとはどういうことなのですか? 短歌って、読む人が参加して完成するようなところがあるんです。読む人がどう解釈するかも含めてひとつの作品、というか。たとえば私の... --- ### 「学校へ行ってくれたらな」息子の不登校から1年、迷い続ける母の本音 - Published: 2022-09-01 - Modified: 2024-05-16 - URL: https://futoko-online.jp/parents/2280/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 会員限定記事, 親の思い, 2022年8月1日号  「本当にこれでよかったのかな」、「もっと登校を促すべきだった?」。明石和美さん(仮名)の息子さんは現在小学4年生。昨年6月から不登校になりました。息子さんを見守ってきた明石さん自身、不登校経験者でありながらも、この間ずっと迷ってばかりだと言います。息子さんと和美さんの1年あまりの軌跡を『不登校新聞』代表・石井志昂が聞きました。 * * * ――息子さんが不登校になって1年。この間をふり返っていかがですか?  1年間、ずっと迷ってばかりですよ。もし不登校が始まったころに「行こう、行こう」と促していれば、学校へ行っていたのかな、と。でも、今は楽しそうにしているから、「これでよかったのかな」とも思います。そうしたことをずっとくり返し考えています。本人にとって、何がよかったのだろうか。その答えがまだ見えないんですよね。 ――そうなのですね。息子さんが不登校になったころはどんなようすだったのですか?  現在小学4年生の息子のようすがおかしくなったのは、去年のゴールデンウィーク前後でした。連休前、息子は胃腸炎になってしまって、「学校へ行きたくないな」と話していました。ふつう胃腸炎は1週間くらいで治るんですけれども、なかなか治らなくて、完治するのに3週間かかったんです。そのあいだは学校の先生と相談しながら、ある程度元気な日は午前中だけ行ってみるとか、うどんなどの消化によいものを持たせてみるとか、工夫をしながら行っていました。  けれども、体調が完治してからも息子は「行きたくない」と言っていて。そしてその後は登校しぶりをくり返して、6月からは完全に行かなくなりました。  もともと1年生のころから、行きしぶったり、同級生とコミュニケーションがうまくいかなくて癇癪をおこしてしまったりということがありました。たとえばカゼで休んだあと、お友だちが「ここ知らないでしょ? 教えてあげるよ」と言ってくれたのに、それがイヤで怒ってしまったり。そういう子だったので、今回も何か理由があるんだろうな、とは思いました。ただ、はっきりとした理由は息子からは聞けなかったです。 背中を押せば行けるかな ――不登校っていろいろなことが重なって起こるので、一言で理由を説明するのは難しいんです。でも、親としては原因が気になってしまいますよね。  そうですね。いじめとか、そういうはっきりとした理由ではなさそうでした。... --- ### 不登校の最大の問題は自己否定 子どもの自己肯定感を育む4つのステップ - Published: 2022-08-29 - Modified: 2024-10-08 - URL: https://futoko-online.jp/others/2606/ - カテゴリー: イベント, others - タグ: 会員限定記事, 居場所紹介, 2022年9月1日号  2022年5月11日、ワオフル株式会社代表・辻田寛明さんによる講演『~大人の反応で子どもは変わる~ 学校が合わなくても人生が面白くなる「夢中」教育論』が行なわれました(主催・ハチドリ電力、ハチドリアカデミー)。辻田さんは不登校の子どもたちを対象としたオンラインの学び場「夢中教室」を主宰しています。講演では不登校問題の本質や子どもたちが抱える苦しみ、夢中教室で実践している子どもたちの自己肯定感を高める4つのステップなどが語られました(※写真は辻田寛明さん)。 * * *  初めまして。ワオフル株式会社代表の辻田寛明と申します。私は「夢中教室」という不登校の子どもたち向けのオンライン学習塾を運営しています。2020年から活動をはじめ、現在では約70名の子どもたちに利用してもらっています。夢中教室ではいわゆる学校のテストのための勉強はしません。子どもたちと1対1で向き合うなかで、その子ならではの「やりたいこと」を見つけ、いっしょに探求することを軸としています。そんな私たちが大切にしている「子どもの自己肯定感を育む4つのステップ」を今日はお伝えします。しかしそのまえに、まずは不登校の子どもたちが抱えるつらさについてお話できればと思います。 さまざまな背景  日々子どもたちと接していると実感しますが、不登校になる原因や背景はじつに多様です。  繊細な気質を持っていてクラスメイトが先生に怒られているのを見てつらくなり、学校へ行けなくなった子。発達障害の1つである「識字障害」を抱えていて、字を見ることのストレスから勉強がイヤになり行けなくなった子。あるいは友だちとの関係がこじれて行けなくなった子など、夢中教室に参加してくれている子たちだけでも、さまざまなケースを見てきました。特性や人間関係、教室環境、学習状況など、いろんなものがかけ合わさり不登校という状況は生まれます。100人いたら100通りの不登校があるんですね。  不登校を生み出す背景として、私は日本の画一的な義務教育と子どもたちとの相性の問題があると考えています。一定の教育水準をキープできるなど、画一的な義務教育にもよい面はあると思います。しかし、なんらかの特性や事情を抱えた子に柔軟な配慮がしきれなかったり、変化のスピードが遅かったりなど、デメリットもある。今の教育のかたちでは、定められた枠のなかにおさまりきれない子はど... --- ### 小2の夏休み明けから不登校 家で学んだ「学校では教えてくれない休み方」 - Published: 2022-08-25 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/interview/2604/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 親の思い, 2022年9月1日号  もっちんは、現在小学4年生の9歳。小2の夏休み明けから不登校になり、その後も学校へ通っていませんが、のびのびと楽しく暮らしているそうです。それは、もっちんが編み出した「ごきげんになる方法」があったから。「ごきげんになる方法」とはなんなのか。母親である、エッセイ漫画家・今じんこさんともっちんにお話をうかがってきました。(聞き手・編集/木原ゆい、石井志昂)※画像はゴロゴロセラピーを試したもっちんのようす(絵/今じんこ) * * *  もっちんの行きしぶりが始まったのは、小学1年生のころ。母親の今じんこさんによれば、運動会での高圧的な指導や集団行動に苦しんだそうです。それでもなんとか学校へ通い続けましたが、ついに小2の夏休み明けに限界を迎え、完全に不登校になりました。  不登校になった直後、じんこさんが強く感じていたのが「責任感」でした。  家に居るからには「私が勉強を見なければ」と思っていたのです。しかし、同時にその責任感から心が押しつぶされそうにもなりました。  ある日、同じ不登校の子を持つママ友に苦しい胸の内を明かしました。するとママ友からは「勉強はやらせていないよ」と、思わぬ返答が返ってきたのです。しかも、「これでいいんだ」と話すママ友の表情は、とても幸せそう。じんこさんはこの話を聞いて、「もう、やらせなきゃと思うことはいっさいやめよう」と決意。  以来、じんこさんは勉強を無理強いせず、もっちん本人の興味・関心に合わせた教材を用意するだけにとどめました。また、ユーチューブやゲームなどにも制限をかけず、とことん本人に任せるようにしたそうです。 好きなことで学びを得る  もっちんはユーチューブを観たり、ゲームをしたり、家族や友だちとすごしたり、自分の好きなことをするようになりました。すると、ユーチューブやゲームで漢字の読み方や英語の単語を覚えたり、動物について詳しくなったり、好きなことから新しい学びを得るようになったのです。一般的に勉強とは、学校や教育機関が用意したもので、人によっては苦しく感じることもあります。しかし、もっちんの学びは楽しみながら知識や感性を伸ばしていくもの。先進的な海外の学校や日本のフリースクールでも行なわれているこうした学びを、もっちんは家庭で実践しているようです。  とはいえ、もっちんのこれまでは楽しいことだけではありませんでした。不登校にな... --- ### 不登校になったわが子に「なぜ?」と聞くのは厳禁 まず親がすべきことは【全文公開】 - Published: 2022-08-25 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/2219/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, コラム, いじめ, 2022年9月1日号  子どもが不登校をしたとき、まわりの大人がついやってしまう「不登校の原因探し」。じつはこれ、不登校の子どもたちをよりしんどい気持ちにさせてしまう場合があることをご存じでしょうか。「不登校の原因探し」をする前にすべきことは何か、不登校経験者と専門家の語りから考えます。 * * *  長期休み明けの今、新たに不登校になる子どもがいます。そんなとき、まわりにいる大人がついやってしまうことがあります。「不登校の原因探し」です。親からすれば、わが子が何に困っているのかを知りたいでしょうし、それが解消できるものならば払拭したいと考えることも当然です。ただし、ここに1つの「落し穴」があります。不登校の原因は複数重なっている場合もあれば、これといった原因が不登校中にわからない(または後々にわかる)場合もあります。また、原因を探す行為自体、「今のままではダメだ」という負のメッセージを子どもに送ることになってしまう場合もあります。何より、原因を取りのぞけば、再び学校へ行けるようになるともかぎりません。したがって、親や先生がよかれと思って「不登校の原因探し」をすること自体、子どもを傷つける可能性があることに注意が必要です。では、「不登校の原因探し」ではなく、何をすればよいのか。不登校経験者と専門家の語りから考えます。 つらさの共感 救いになった  中学1年生で不登校になったAさん。きっかけは、いじめでした。ある日、自分の机にチョークの粉がまかれていたことを機に、学校へ行かなくなりました。当時の周囲の対応についてAさんは「担任が頻繁にいじめについて聞いてくることがつらかった。それって結局、原因探しですから」と言います。  では、Aさんが望む対応はどのようなものだったのか。じつは、Aさんの隣の席の生徒が取った行動がそれでした。その生徒はAさんの机を見て「誰だ、こんなことをしたのは」と、すごい剣幕で怒ったのです。その瞬間、「私の気持ちに共感してくれる人がいる」と感じ、気持ちが楽になったと言います。つまり、Aさんにとっては「何があったのかという原因探し」ではなく、「今つらいんだという気持ちに共感してくれたこと」が救いになったということです。 原因の究明を望んでいない  東京都三鷹市で25年間、不登校の子どもを支援している「フリースペースコスモ」のスタッフ・佐藤真一郎さんは「子どもは親に不登校の原... --- ### 「うつ病の一歩手前」と診断 夏休み明けに不登校した私を救った一言 - Published: 2022-08-25 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/children/2213/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2022年9月1日号  「夏休みの終わりが近づくにつれ、胸がキリキリと締めつけられて苦しくなっていった」と語る不登校経験者のは富良野しおんさん(仮名・29歳)。富良野さんは小1から何度か行きしぶりをくり返したのち、小6の夏休み明けから不登校になりました。今回は富良野さんに、夏休み中の思いや不登校直後のまわりの対応でイヤだったこと・ありがたかったことなど、お話をうかがいました(※写真は富良野さんが当時使っていたランドセルと通学バッグ)。 * * * ――不登校のいきさつから聞かせてください。  私が不登校になったのは小6の夏休み明けからです。でもそれ以前にも小1・小3・小5と、2週間から2カ月くらいの間隔で学校へ行かなくなることがありました。もともと学校が得意じゃなかったんですよね。教室という1つの空間に同い年の子どもがたくさん集められて、比べられる環境が苦手で。とくに、同級生が「あの子のほうができる」「自分はこの子より上だ」とおたがいを意識して競い合っている雰囲気がイヤでした。  私自身がクラスの人間関係に敏感だったことも、つらさの要因だったと思います。クラスではいつも誰かしらがケンカやいがみ合いをしていたので居心地が悪くて。クラスを俯瞰して見ている部分がある子どもだったので、必要以上に同級生の些細な感情の波やトラブルを察知してしまっていたんです。  「またあの子たちケンカしているな」とか「今あの子イラッとしたな」と思うたび放っておけず、仲裁に入ったり話を聞いてあげたりすることもありました。だから、学校から帰るといつもクタクタ。毎日気疲れを感じていました。そして疲れがたまって耐えられなくなってくると「学校へ行きたくない」という気持ちが生まれてきて。学校へ行く、クラスでの競争や人間関係にふれる、気疲れするというループが積み重なって、当時はポツポツ学校を休んでいたのだと思います。でも完全に行かなくなることはなく、学校は行かなきゃいけないものだと思っていました。 息がつまる人間関係 ――その後、小6の夏休み明けから完全な不登校になったのは、何か決定的な出来事があったのでしょうか?  はい。友人関係でトラブルがあり、行けなくなってしまいました。私は小5のとき家の都合で転校を経験したのですが、しばらくは穏やかにすごしていたんです。でも6年生でクラス替えがあり、気が強い女の子グループと同じクラスにな... --- ### 私の不登校・いじめ体験 16人が漫画で語るその後の生き方のヒント - Published: 2022-08-25 - Modified: 2024-08-29 - URL: https://futoko-online.jp/books/2597/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, いじめ, 書籍紹介, 2022年9月1日号  不登校・いじめを経験した人は、その後をどのように生きてきたのか。16人の経験者が語る不登校・いじめの体験談、そしてその後を生きるヒントを漫画にした1冊を紹介。 * * * 本書は、不登校・いじめなどを経験した16人の語りを漫画化したものです。著者は自身も不登校経験者である漫画家の棚園正一さん。本書には、芸人のキンタロー。さん、演出家の宮本亞門さんなどの著名人が名を連ねています。ただし、それだけではありません。  NPOや一般企業で働く経験者、不登校の子を持つ親など、さまざまな立場、さまざまな仕事に就く人たちが、不登校やいじめのこと、葛藤のすえに見つけた答えをもとにどう生きてきたのかについて語っています。  中学1年生で不登校した佐倉由紀さん(仮名)の居場所は保健室でした。現在、養護教諭として学校で働く佐倉さんのもとには、かつての自分と同様、不登校の子どもがやってきます。同じ経験をしたからこそわかることがあるとしつつも「不登校でも大丈夫とかんたんには言えない」と佐倉さんは語ります。そのうえで「学校へ行きたくない理由をうまく言葉にできなくてもよい。モヤモヤした気持ちを信頼できる人に話してほしい」とメッセージを送ります。  発達に特性がある小学生の息子を持つ赤沼美里さん。不登校に悩み、息子に合う居場所を必死に探すなか、発達障害の子どもを受けいれているフリースクールと出会い、赤沼さん自身の価値観も変わっていきます。「その子に合う居場所はかならずある」との思いから、現在はフリースクールを運営するなどの活動をされています。  今不登校をしている子どものなかには「自分とはちがう、特別な人たちの身に起きた話」と感じて読むのがつらくなってしまう子もいるかもしれません。しかし、本書で語られている苦しみの根っこは、けっして特別なことばかりではありません。不登校やいじめを経験した16人が語る生き方のヒントを知ることができる1冊です。(小熊広宣) 『マンガで読む 学校に行きたくない君へ』 棚園正一 著/1540円(税込) ポプラ社(03-5877-8101) (初出:不登校新聞585号(2022年9月1日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### 「ひきこもりの親を楽しんでしまえ」母親の価値観を大きく変えた出会い - Published: 2022-08-25 - Modified: 2024-10-07 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2601/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】不登校は幸せへの道, 2022年9月1日号  「ひきこもる次男のことをわかっていたつもりになっていた」と話す後藤誠子さん。次男は私とは別の人間と、自分と切り離して考えることができるようになったという後藤誠子さんは、知人の一言により、ある答えにたどり着いたという。その答えとは(※写真は後藤誠子さん)。  次男が発した「家に居るのがうらやましいと思うなら、ひきこもってみろ」という言葉がきっかけとなり、私は親なのに自分の子どものことがまったくわからない、という事実にたどり着いた。  次男に対して私は何をしてきた? 学校へ、仕事へ行ってほしい、それらは全部私の願いだった。なぜもっと早く次男を知ろうとしなかったのか。なぜわかったつもりになっていたのか。なぜ、なぜ、なぜ。そのとき、それまでに聞いたさまざまな言葉や情報が一気に頭のなかを駆けめぐって、急にあるべき場所にスッと収まった。  わからなくて当然だ、なぜって別の人間なんだから。次男と私はまったく別の人格だ。好きなことや嫌いなこと、やりたいこと、やりたくないこと、全部ちがう。ちがう人のことをかんたんにわかるわけがない。あたりまえのことじゃないか。  やっと次男と自分を切り離すことができた。真っ暗な穴の底で上を見上げたときに見えたもの、それはまぶしいくらいの青空だった。自分の頬が濡れていることに気づいておどろいた。こんなに静かな心で泣いたのは初めてだった。急におかしくなってきて、ひとりで笑ってしまった。まだ誰も到達していない真実の扉を開けたような気分だった。ふと、ある人のことを思い出した。  数年前に知り合ったSさんは、病気の後遺症で半身不随の状態なのに、いつも誰より笑顔で幸せそうだった。病気になる前には、重度身体障がい者の娘さんの介護も楽しんでやっていた。なぜ楽しむことができるんだろう。私なら絶望して何もできないだろう。Sさんは言っていた。「重度身体障がい者の親なんて経験、なかなかできることじゃないよ。毎日実験しているみたいで楽しかった」。  娘さんを亡くし、寝たきりになったSさんに医師が活をいれたという。まだ命があるのに使わないのかと。医師の思いに触れ奮起したSさんはリハビリを始め、数カ月で半身が動くようになった。  「次男さんは生きてるんでしょう。きっと大丈夫。生きてるだけで充分よ」。にっこり笑ったSさんの顔が浮かんだと同時に、なぜあんなにいつでも楽しんでいたのか... --- ### 親から承認されたかった 優等生の私に起きた挫折と不登校 - Published: 2022-08-09 - Modified: 2024-05-16 - URL: https://futoko-online.jp/children/2385/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2022年8月15日号  進学校で勉強が追いつかなくなり、高校1年生で不登校になった三宅勇也さん(仮名)。塾の先生に教わった「モチベーショングラフ」がきっかけで、苦しみの正体に気づけたという。当時のようすや心境の変化を執筆していただいた(※画像はイメージです)。 * * *  人と比べて、自分がまわりより優れていると感じること。それは僕にとっては何よりのモチベーションであり、重荷だった。僕は小学生のころから勉強が得意で、目立ちたがり屋だった。中学生になってからは同級生より優秀な高校に入ることだけを目的に、勉強や生徒会活動に打ち込んだ。その甲斐あって進学校に合格。入学後はいち早く英検2級に合格し、みんなから評価され、ますますモチベーションが上がった。誰よりも優秀になろうと、たくさんの部活にも所属した。出だしは好調に見えた。  しかし、順風満帆だった高校生活はしだいに陰りを見せ始めた。  部活が忙しく なるにつれて勉強がおろそかになり、定期テストで思うように点数を取れなくなったのだ。学年順位はどんどん下がっていく一方。そこへ追い打ちをかけるようにスピーチコンテスト落選、英検準1級不合格、留学の面接の落選が重なり、完全に自信をなくしたのだ。 あんなに高かったモチベーションはもろくも崩れ、定期テストの勉強すらまともにできなくなった。 三宅さんが当時つくったモチベーショングラフ 仮病を使い休みがちに   このころから僕はすこしずつ仮病を使って学校を休むようになった。最初は月に1回程度だった仮病休みも、日に日に増えた。仮病といっても元気なわけではない。その日は布団からまったく起き上がることができず、ただただ何もできないのだ。ご飯も1日1食しか食べられなくなり、1週間ぶりに学校へ行ったときには「痩せた?」と聞かれた。そうして学校へ行ったり行かなかったりをくり返すうちに、新型コロナウイルスの影響で休校になった。「明日から学校へ行かなくてよい」。そう思うとホッとする自分がいた。その後、学校へは行かない日が続いたが、転機が訪れた。高校2年生のとき、進路で思い悩んでいたところ、自分の価値観を大きく変える塾の先生と出会ったのだ。その先生は、いわば他人軸ではなく自分軸に合わせることが、何よりも大事と教えてくれた。そのうえで将来やりたいことを見つけるため、自己分析を勧められた。そこで出会ったのが「モチベーショングラフ... --- ### 「無理して学校へ行かなくていいよ」母の言葉に小3の私が反発した理由 - Published: 2022-08-09 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/children/2397/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2022年8月15日号  うちの家族はおかしい。小学3年生で不登校したゆうごさんは「無理して学校へ行かなくてよい」という母の一言に救われた一方で、そんな疑問を抱いたと言います。当事者として教育支援センターへ通い、大学生時代にはメンタルフレンドとして教育支援センターに関わった経験を持つゆうごさんに、自身が感じた教育支援センターの変化についてお聞きしました(※写真はゆうごさん)。 * * * ――不登校になったいきさつからお聞かせください。  私が不登校をしたのは、小学3年生のときです。きっかけは担任で、しょっちゅう大声で怒鳴る先生でした。忘れ物を1つでもしようものなら、みんなの前でこっぴどく怒られます。実際、私が忘れ物をしたときも大声で叱責されて、「明日、忘れ物をしたらどうしよう」という恐怖心がどんどん大きくなっていきました。怒られたくない一心で、時間割を見ながらランドセルに教科書を積めてはひっくり返してまた積めなおす、ということを母とともに何度もくり返すようになっていました。  不登校した日のことは今でもよくおぼえています。登校する道すがら、涙が止まらなくなり、家に折り返したんです。そのとき、小学1年生の下級生とすれちがったんですけど、その光景が鮮明に記憶に残っています。  「小1の子が学校へ行けているのに、なぜ自分は行けないんだろう」と。帰宅すると、母が「そんなに行きたくないなら、無理していかなくてよい」と言ってくれたこともあり、それから不登校になりました。母は電話相談の仕事を長年していたからか、私が学校へ行かないことを受けいれてくれました。 ゆうごさんが取り組んだ自由研究『ぼくの不登校2年半』 夏の自由研究 ぼくの不登校  今回のインタビューを受けるにあたり、実家に戻って母といろいろ話をするなかで、こんなものを見つけました。小6の夏休みの自由研究で取り組んだ『ぼくの不登校2年半』です。内容は、不登校当時の私の気持ち、うれしかった周囲の対応、友人や先生からのコメント、文科省が公表している不登校関連の資料のほか、母からもA4で2ページほどの文章を寄稿してもらいました。あらためて読み直すと、「自分の子育ての何が悪かったのか」と母が自分自身を責めている部分もありました。「私の不登校を母はわりとすんなり受けいれてくれたように思っていたけど、悩み、葛藤していたんだな」って気づかされました。 ――中... --- ### 「母親なのに息子の気持ちがわからない」と私が自覚した日 - Published: 2022-08-09 - Modified: 2024-10-07 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2377/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】不登校は幸せへの道, 2022年8月15日号  「お前もひきこもってみろ!」ひきこもりの息子の本音を聞いた母親・後藤誠子さん。息子さんの独白は、後藤さんに大きな気づきをあたえます。そしてそれは後に後藤さんを大きく変えることになるのです。(連載「不登校は幸せへの道」第23回)  次男は翌年からも夏が来るたびに桑茶工場のバイトへ行き、3年目には非常勤職員にならないかとありがたい言葉をかけてもらった。じっくりと考えたうえで「自分にはまだ荷が重い」という答えを出した次男を、うれしく感じる自分がいた。断わることすらできなかった次男が断れるようになった。これまでの私なら小さく感じていたであろう変化が、とても大きく見えた。私もすこしずつ変わってきていた。だが、本当に大きく私を変えたエピソードがある。  ある日、いつものように昼近くに起きてきた次男が私に言った。「昨日、ものすごく腹が立って、人を殴るところだった」。おどろいて次男を見ると、怒りで全身が震えている。  何をそんなに怒っているのだろう。前日の夜、次男は友だちのKくんと居酒屋へ行った。そこで初めて会った青年から「今、何をしているの?」と聞かれ、次男は正直に、何もしていないこと、母親のお金で生活していることを伝えたという。  「そしたらそいつが言ったんだよ。うらやましいなぁって。俺もそんないいご身分になりたいもんだって」。吐き捨てるように言った。そのときの私には、なぜ次男がそんなに怒っているのかわからなかった。ラクしていると思われたってしかたがない。実際、何もしないで家に居るのだから。さて、どうやって次男をなだめようかと思っていたとき、次男が続けて言った。「本当はそいつに言いたかった。そんなにうらやましいならやってみろよ。お前もひきこもってみろ! そう言って殴りたかった」。  「できなかったけどね」と小さな声で言って、次男は何も言えないでいる私を残して行ってしまった。「うらやましいならやってみろ」、どういうことだろう。家にただ居るのがそんなにたいへんなのか?そこまで考えて、あっと声をあげそうになった。私もずっと次男のことをラクしているだけと思っていた。しかし、ラクどころか、家に居ることがつらくてたまらないのだとしたら? 次男の怒りは私に向けたものでもあった。  次男がいったいどんな思いでいるのか、知りたい。次男が何を見て、何を感じて、どうつらいのか、想像してみなくては。... --- ### 「考える力」が重要 独自カリキュラムで学びを支援する「考学舎」の実践 - Published: 2022-08-09 - Modified: 2024-05-16 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2368/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】不登校その後の居場所, 2022年8月15日号  東京都渋谷区にある「考学舎」は学習塾でもあり、進学塾でもあり、フリースクールでもある、という。いったいどんな居場所なのか、塾長・坂本聰さんにうかがった。連載「不登校その後の居場所」第6回/企画執筆・茂手木涼岳) * * * ◎団体の概要・理念 考学舎は1999年にスタートした学習塾兼フリースクールです。現在は東京の青山と田園調布に教室を持っています。小学生から高校生まで、在籍者は約50名。そのうち不登校傾向の子どもは13名ほどです。  考学舎設立のきっかけとなったのは「若者が『考える力』を学ぶ場をつくりたい」という思いでした。  学校へ行っているにしても行っていないにしても、若者にとって「考える力・理解力」はとても重要だと考えています。よく社会に出ていくときに必要なのはコミュニケーション力だ、という話を聞きますけれども、コミュニケーションだって、根本に理解力や思考力がないと成立しません。学校へ行けなくなった際のハンディキャップの解消に一番役立つのも、「考える力」だと思っています。では「考える力」をどう学ぶのか。考学舎では、国語・算数・理科・社会といった科目で分けて勉強するわけではありません。そのかわり、「社会へ出るために必要な8つの力」を、知識語彙力、理解力、読解力、表現力、想像力、共感力、思考力、体力と定義し、どこを重点的に学ぶか、生徒と相談しながらカリキュラムを決めています。 塾長・坂本聰さん  体力というと意外に聞こえるかもしれませんが「座っている力」や「集中して取り組む力」をつけることも大事だと考えます。これらの能力を学ぶために基本となる学習は「全文書き取り」です。200字~300字程度のテキストをスタッフが読み上げ、それを生徒が書き取ります。生徒によってテキストは変えますが、この書き取りを行なうことで語彙力や理解力、想像力など、多くの力を育むことができます。また、絵を文章で説明したり、文章を絵で説明するなどの学習もやっています。  こうした学習は、真剣に取り組んでいただかないと「考える力」が学べません。そのため学習に対しては、ある程度きびしく求めさせていただいています。もちろん、生徒一人ひとり、学習の状況や意欲、発達段階などにちがいがあります。ただそうした状況・ニーズを把握したうえで、「現状の半歩先」を提示し続けたい、という思いがあるのです。考える力は誰... --- ### 「学校をやめる」と選択した親子の6年間の道のり - Published: 2022-08-09 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/books/2363/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 2022年8月15日号  小学1年生の6月ごろから学校を休みがちになったある家族は、1つの決断をします。それは「学校をやめます」というもの。全国に300カ所以上あると言われている「プレーパーク」の子どもを行かせながらホームエデュケーション(家を中心とした子どもの学びの実践)を続けてきた天棚シノコさん。天棚さん家族が歩んだ6年間の軌跡を追った1冊をご紹介します。 * * *  今回ご紹介するのは、小学1年生の秋に不登校になった娘と、その両親が歩んだ6年間を追った1冊です。著者で母親の天棚シノコさんが見てきた娘の成長が学年ごとにまとめられています。また、夫との話し合いで大事にしたことや学校や親戚との付き合いなどで苦労したエピソードなども軽妙に書かれていて読みやすいと感じます。  小学1年生の6月ごろから学校を休みがちになり、今後どうするか、天棚さんは夫との地道な対話を数カ月くり返したと言います。  「もう学校、いい」と話す娘、「学校をやめるなんてリスキーすぎる、せめて勉強は」と葛藤する夫。そして、「不登校の理由はわからなくても、イヤだという気持ちを表現した娘を信じたい」と考える天棚さん。家族で出した答えは「学校をやめます」というものでした。  不登校をするなか、娘が通った場所が「プレーパーク」でした。プレーパークとは、火遊び、ものづくりなど、子どものやってみたいことを実現する遊び場のことで、全国に300カ所以上あります。天棚さん自身がプレーパークの運営に関わっていたこともあり、娘を1歳のころからプレーパークに通わせつつ、家庭を中心に子どもを育てる「ホームエデュケーション」を実践されてきました。  「学校をやめるなんて、とんでもない」「ホームエデュケーションなんて難しい」と感じている方もすくなくないかもしれません。しかし、天棚さん自身、娘が小学5年生のとき、具体的な治療方法もない病気で入院し、てんかん発作や言語障害などでたいへんな経験をされながらも、わが子に寄り添い続けました。娘が中学生になり動き出したことについても「1度も待ってはいない、家族でこの時間を楽しんだだけ」と言います。娘のこれまでと今、そして、夫とのやりとりで大事にしたコツなど、ぜひ手に取って読んでいただきたいです。(小熊広宣) 『学校が合わなかったので、小学校の6年間プレーパークに通ってみました』 天棚シノコ 著/1980円(税込... --- ### 夏休み明け直前の今 すべての親に知っておいてほしい子どものSOS【全文公開】 - Published: 2022-08-09 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/2357/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 2022年8月15日号  夏休み明け直前の今は、不登校の子どもにとっても、それまでがんばって学校へ行っていた子にとっても、非常につらい時期です。そんなとき、子どもが自身の限界を訴えるために発するSOSをご存じでしょうか。子どもの命を守るために、親御さんに知っておいていただきたい対応の原則について考えます。 * * *  夏休みにあたる8月は、不登校の子どもにとって、すごしやすい時期と言われます。しかし、お盆がすぎると、だんだんと2学期の足音が近づいてきます。フリースクール関係者に話を聞くと、夏休み明け前後は相談や体験見学などの問いあわせが増えると言います。不登校をしている子どものみならず、1学期のあいだ、必死にがんばって登校していた子どもにとっても苦しくなってしまう時期でもあります。そこで今回は、夏休み明け直前の今、親に知っておいて頂きたいことについて考えます。 カウントダウン  Aさんは、中学1年生の夏休み明けから不登校になりました。理由は夏休みの宿題が終わらないこと。2学期初日から1週間休んだことにより、勉強が遅れてしまったと感じたAさんは、その後いっさい行けなくなったと言います。また、小学5年生の夏休み明けから不登校になったBさんも夏休みの宿題が終わらせられなかったと言います。当時の気持ちについて「2学期が始まる直前は、『行きたくない』って毎日思いながら、始業式までの日にちをカウントダウンしていました」とふり返っています。Aさんは進学校に在籍し、Bさんは中学受験に向けて塾通いをするなど、勉強もでき、何事もなく学校へ通えていたと親の目には映っていたと思います。  AさんとBさんに共通している「夏休みの宿題が終わらない」というのは、子どもが発する大事なサインです。宿題の量がたんに多すぎるということでなく、「宿題をしようとしても手につかない」という場合、これこそが子どもからのSOSだと私は考えています。「このまま不登校になっては困る」と思い、なんとか宿題を終わらせるよう働きかける親もいるかもしれませんが、それでは子どものSOSを見落としてしまうかもしれません。子どもが「学校へ行きたくない」と言ってきたり、宿題が手につかない場合、それは限界を知らせる合図です。親はどうか、その子どもの訴えや言葉にならないSOSを受けとめて頂き、無理をさせないということを第一に考えていただければと思います。 2... --- ### 不登校の約1割が通う公的施設 教育支援センターとはどんな場所か - Published: 2022-08-09 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/column/2349/ - カテゴリー: コラム - タグ: 会員限定記事, 2022年8月15日号  不登校児童生徒が在籍する公的施設に教育支援センターがあります。最新の文部科学省の調査によると、不登校児童生徒のおよそ1割にあたる2万1436人が在籍しています。文部科学省がこれまで出してきた通知や実態調査の結果、また不登校問題に関する調査研究協力者会議の報告書などをもとに、教育支援センターの実状と今後について、本紙記者が解説します。 * * *  今号では、教育支援センターへ通った不登校経験者2名の方にお話をうかがいました。教育支援センターとは不登校児童生徒の学校復帰を目的とし、児童生徒に対する指導や相談を行なう場として、文部省時代の1990年から全国的に設置がすすめられた公的機関です。  また、1992年の通知により、教育支援センターへの出席を指導要録上の出席扱いにすることができるようになりました。以前は「適応指導教室」と呼ばれていましたが、2003年に文部科学省が出した通知により、教育支援センターを国としての標準的な呼称とすることになりました。呼称をめぐっては、「不登校に関する調査研究協力者会議」が2022年6月10日にまとめた報告書にもあらためて同様の指摘が盛り込まれていますが、現在も適応指導教室という呼称を使用している自治体もあります。 さらに、2019年10月に文部科学省が示した「教育支援センター整備指針(試案)」によると、教育支援センターの設置目的から「学校復帰」という文言が外され、「不登校児童生徒の集団生活への適応、情緒の安定、基礎学力の補充、基本的生活習慣の改善等のための相談・指導(学習指導を含む)により、その社会的自立に資することを基本とする」とされています。 調査から見る教育支援センター   教育支援センターの実態については、文部科学省が調査を行なっています。2019年5月に公表された調査結果によると、1142の自治体で教育支援センターが設置されていることが明らかになりました。これは全自治体のうち、およそ63%にあたります。設置していないと答えた676の自治体のうち、およそ41%が設置予定(検討含む)としています。  在籍者は小学生4001人、中学生1万6567人で、合計2万568人。調査時点の不登校児童生徒数が14万4031人ですので、約14%の不登校児童生徒が在籍していることになります。本調査では、教育支援センターにおける援助目標として重要... --- ### 支えになった対応は 小6で不登校した私の教育支援センター体験記 - Published: 2022-08-09 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/children/2261/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 当事者の声, 2022年8月15日号 - ハッシュタグ: 通信制高校  小学6年生で不登校した松田佳純さん。その後に通った教育支援センターについて「教育支援センターは私を守ってくれて、認めてくれた居場所」と語ります。教育支援センターへ通うことになったきっかけや当時の気持ちを聞きました。また、教育支援センターの職員のこんな対応が大きな支えになったということについてもうかがいました。 * * * ――不登校になったいきさつからお聞かせください。  私が不登校したのは、小6の10月でした。ただ、これが決定的な理由ですと言えるものがなくて。学校からの帰り道、いつものように友だちと話しながら帰宅していたときに「ここはなんかちがう、私のいる場所じゃない」と、ふと思ったんです。その翌日からパタッと行かなくなりました。  いろんな人から「どうして学校へ行けないの?」と聞かれましたが、なぜ行けないのか、自分でもよくわからないので、理由を問われるたび、つらかったです。両親からも「何か理由はあるでしょ?」とよく聞かれましたが、はっきりしない私の答えに「じゃあ今日は休むか」と、しぶしぶ納得する感じでした。両親には「学校を休むことは悪」という思いがあったのか、私のことを毎朝起こして学校へ行かせようとしていましたし、玄関でうずくまる私を引っ張っていこうとすることもありました。  状況が変わったのは、年が明けた2月ごろ。母の友人に教員をされている方がいて、その方のすすめで教育支援センターへ通うことになりました。 ――当時の気持ちは?  「あまり行きたくないな」というのが本心でした。それでも行ってみようと思えたのは、カウンセラーがいると聞いたからです。学校へ行かなくなって4カ月あまり、家族以外の誰かと話がしたいと思っていたんです。しかも、年の近い子どもではなく、大人に対して、私が今感じていることや考えていることをぶつけてみたいなって。 不安でいっぱい でも楽しいかも ――初めて行ったときのことはおぼえていますか?  はっきりおぼえていますね(笑)。通い始めた当初は、1人で塗り絵などをしてすごすことが多かったんですが、カウンセラーとやりとりをするうちに「ほかの子どもたちが集まっているスペースへ行ってみないか」という話になりました。  行ってみると、年上の中学生が多く、10人ほど集まっていたんですが、「私はここに入ってうまくやっていけるのか」と、不安でいっぱいでした。た... --- ### 生徒の7割が不登校経験者 親元を離れて再スタートする利点 北星余市高校 - Published: 2022-08-09 - Modified: 2024-05-16 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2309/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】不登校その後の居場所, 2022年8月1日号  北海道余市郡にある「北星学園余市高等学校」の生徒は、7割が不登校経験者、2割が非行経験者です。しかし、子どもたちと向き合っていると、非行も不登校・ひきこもりも根はひとつだということがわかってきたと言います。北星学園余市高等学校の今堀浩校長にお話をうかがいました。(連載「不登校その後の居場所」第5回/企画執筆・茂手木涼岳)※写真は北星学園余市高等学校 * * * 〇団体の概要・理念 「北星学園余市高等学校(以下、北星余市)」は1965年に開校しました。もともとは高校進学に行き詰まった子どもの行き場所でしたが、今は全国から子どもたちが集まってきます。そのため多くの生徒は寮で暮らしています。  授業は生徒の適正に合わせた「わかる授業」を心がけています。北海道の自然を活かした体験授業もあります。ヨット体験やスキー研修、ワイン用のブドウを育てる講座もあります。育てたブドウはワインになり、生徒が卒業し20歳になったころに、届けられるのです。 今堀浩校長 〇子どもの特徴 生徒約200名のうち、不登校経験のある子が7割、非行経験のある子が2割ほどいます。過年度生(18歳、19歳)も一定数います。本当に、さまざまな子がいますね。  ただひとつ共通点があるとするなら、おとなしい子も、やんちゃだった子も、中学校までは周囲とのコミュニケーションに苦労していた子が多いということです。変わり者として浮いていたり、いじめられていたり。でも北星余市に来ると、よい意味で目立たなくなるんです。まわりがみな、個性的な子ばかりですからね(笑)。  とはいえ、生徒どうしでトラブルになることもあります。そのようなとき、私たち教員は処分前提で指導することはしません。「君がこれから生きていくうえで、相手とうまくやっていく力は必要だと思うよ」というふうに、ていねいに話をしていきます。もちろん生徒の話もじっくりと時間をかけて聞きます。  そうして話を聞いてみると、非行も不登校・ひきこもりも、根はひとつだということに気づかされます。自分が理解されないつらさ、親子関係の苦しさ、そうした生きづらさの出力のしかたが、外に吐き出すと非行になり、自室にこもって人間関係を遮断するとひきこもりになる、そのちがいだけなんですね。  ほかに北星余市の特徴としては、ほとんどの子は地元を離れてやってくるという点です。過去につらい経験を持っ... --- ### 政治家・寺田静さんに聞く「不登校しても政治家になれる?」【全文公開】 - Published: 2022-07-27 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/contribution/2305/ - カテゴリー: 寄稿 - タグ: 無料記事, 当事者の声, 2022年8月1日号  「政治家」というと遠い存在に感じる方が多いかもしれません。「ましてや不登校の自分が政治家という職業につくなんてありえない」と思いがちでは? じつは参議院議員の寺田静さんは不登校経験者の1人なんです。今回は寺田さんにご自身の不登校経験や政治家になるために家でできることについて、執筆していただきました(※写真は寺田静さん)。 * * *  寺田静と申します。私が不登校になったのは中学3年生のときです。「学校へ行きたくない」と両親に話したら、「じゃあ家で勉強したらいい」とあっさり言われ、そのまま卒業まで1日も登校しませんでした。もちろん両親に打ち明けるまでは苦しい時間と葛藤がありましたし、その後も「ほかの子は行けているのに... ... 。やっぱり行けない私がダメなのでは」と弱気になることもありましたが、理解ある両親のおかげで「学校は嫌いだけど勉強は別に嫌いじゃない」と切り分けて考えることができました。  その後、高校中退も経験しましたが、最終的には大検(現在の高認)を取得し、大学へ進学。卒業まで楽しくすごすことができました。  現在は参議院議員として、社会を変えるために働いています。不登校経験者の私にとって、すべての子どもたちに学びと育ちの場の選択肢があるように日本の教育を変えていくことが、私のライフワークです。 私だからできる不登校支援を  今国会で成立した児童福祉法の改正では、居場所支援を盛り込んでもらうことができました。また、フリースクールや不登校家庭への独自支援をしている自治体と制度について、全国の実態調査を求め、昨年末に実施されました。政治なんて誰がやっても同じだと言われますが、こうした経験を通じて「そんなことはない」と実感できるようになりました。  そのほかにも、子どもたちを取り巻くさまざまな課題、子育てまわりのこと、男女平等のことなどについて取り組んでいます。子どもにまつわる課題を突き詰めて考えると、日本ではあまりにも子どもの権利が軽視されていると感じます。そうした「社会のおかしさ」をしっかり変えられるように、日々がんばっています。  ちなみに私が「社会のおかしさ」に初めて気づいたのは、学校での経験からでした。当時マンモス校であった転校先の中学校では、(今となってはありえないですが)ムチを持つ先生がいたり、忘れ物をすると体罰があったりと、理不尽なことがた... --- ### 不登校経験のある大学准教授が語る 不登校後を生きる3つのポイント - Published: 2022-07-27 - Modified: 2024-05-16 - URL: https://futoko-online.jp/books/2301/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 2022年8月1日号  不登校経験者の岩手大学准教授・樋口くみ子さんの新著『不登校後を生きる』を紹介します。不登校その後を生きた不登校経験者として、また社会学者として、不登校後を生きるうえで大事な3つのポイントとは何か。 * * *  今回、紹介する書籍の著者は、岩手大学准教授の樋口くみ子さん。じつは、不登校経験者です。中学と高校で不登校し、高校も中退。中卒フリーターとして、17歳から21歳まで親元を離れ、各地を転々としながら働いていた、という経歴の持ち主。不登校中は1日17時間ゲームをしていたが、それが当時の自分を支える財産になったというエピソードも書かれています。  樋口さんは、自身が不登校後を生きるなかで右往左往してきた経験から「どうすれば自分を活かすような人生を送れるのか、その手掛かりがあれば、もっと楽な人生が送れた」と語ります。その思いから、将来についての不安やモヤモヤを減らすコツ、不登校に対する負のレッテル貼りをされる生きづらさに対応するためのヒントなどを紹介しています。  本書は、3つのポイントから構成されています。①私たちが生きる社会に関する学問(社会学)のうち不登校経験者や高校中退者に役立つ知識、②私自身が不登校研究を行なうなかで得た知識、③私自身やほかの人の人生を振り返って「これは役に立った」「もっと早く気づけばよかったのに! 」と思うこと、です。  また、不登校の子を持つ親には、第4章がおすすめ。社会学者の視点から、労働環境・自立・結婚など、日本の社会を取り巻く変化を整理したうえで、「過去の戦略がうまくいくとはかぎらない」「時代の特徴をふまえたうえで、新しい戦略を練ることが重要」と樋口さんは言います。将来について考える際、これまで通用した常識からいったん距離を置く必要があるということです。マンガも使いながら、今の社会を変化をわかりやすく論じる本章は、子どもの将来に悩む親に読んでいただきたいです。(小熊広宣) 『不登校後を生きる』 樋口くみ子 著 1540円(税込) 学びリンク(03-5226-5256) (初出:不登校新聞583号(2022年8月1日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### 不登校の子どもの心が元気になるために 親の対応で最も大切なこと - Published: 2022-07-27 - Modified: 2024-05-16 - URL: https://futoko-online.jp/others/2295/ - カテゴリー: others - タグ: 会員限定記事, 講演録, 2022年8月1日号  「不登校は心のケガ」と話す不登校専門カウンセラー・阿部伸一さん。心のケガを癒し、安心してすごすために必要なのは、「否定しない」ことだと言います。子どもを否定せずに支えるために、親として何ができるのか、実例をまじえて語られた講演「不登校でも大丈夫」(2022年2月20日、主催・ぽくるーむ)のもようを抄録します(編集・飯田友美、茂手木涼岳)※写真は阿部伸一さん。 * * *  こんにちは、阿部伸一です。不登校の子どもや親を対象に、カウンセリングや学習支援の会社を立ち上げ、活動をしています。不登校を考えるときに「早く元気になって学校へ行けるようになろうね」という発想があります。しかし、僕はこの発想は好きではありません。問題は学校へ行かないことではなく、子どもが元気でいられないことだと思っているからです。  学校へ行くか行かないかは正直、どちらでもよい。お子さん自身が自分で学校へ行く、行かないを決められるくらい元気になってくれればそれでよい。それに今の時代は、不登校の経験があったところで将来にあまり影響はないですし、彼らが活躍する10年後20年後を考えたら、今以上にまったく影響はなくなるのではと考えています。  僕は不登校を「心のケガ」というふうに例えています。  学校へ行くことができないお子さんのほとんどが、ストレス・プレッシャー・イヤな思いを抱えているか、かつて抱えていたかのどちらかです。こうしたマイナスな思いによって、子どもたちは心のなかが傷ついている状態なのです。  ふだんケガをしたとき、みなさんはどうしますか?ケガをした箇所を休ませますよね。骨折したら骨がくっつくまで休ませて回復させます。それにならえば、不登校の子は学校を休むことで心の傷が回復するということになります。ですが、「うちの子は学校を休んでいるけれど、回復しません。ケガなら休ませれば治るはずなのに、なぜ治らないのでしょうか」というご相談が非常に多いです。  もう一度考えてみてください。ケガをしているのは心です。学校を休んではいても、本人の心が本当の意味で休んでいなければ意味がないのです。心が休まらない状態は、ケガを長引かせてしまいます。腕のケガや足のケガなど、見えるケガならわかりやすいのですが、心のケガは見えません。見えないのでわかりづらいのです。  それでは心のケガを治すにはどうしたらよいのか。一番... --- ### バイトに10分遅刻して給料から天引きされたのに親子で感謝したわけ - Published: 2022-07-27 - Modified: 2024-10-07 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2290/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】不登校は幸せへの道, 2022年8月1日号 ひきこもりの息子がバイトへ行った!うれしさがこみあげる母親・後藤誠子さん。そしてバイト先のスタッフさんは、後藤さん親子にとても大切なことを教えてくれるのでした。(連載「不登校は幸せへの道」第22回)※写真は後藤誠子さん  バイト初日、次男は1人で起きてきて、まるでそれまでもずっとやってきたかのように玄関に立っていた。「車に気をつけて行きなよ」。細くて頼りない背中に向かって、それだけを言った。言いたいことはもっともっとあった。だが言葉にできたのはその一言だけ。そんなに喜んじゃいけない。わかっていても、これまでの3年半を思うとうれしさがこみ上げてきて止められなかった。  1週、1週とすぎるうちに、なぜ次男がこのバイトを選んだのかわかってきた。  バイトから帰ると、次男は工場でのようすを身振り手振りをまじえて話してくれる。「もっと手を抜いていいよと言われた」、「いっしょに作業をしたおばちゃんがヨォって手を振ってくれた」と些細なことばかり。しかし工場の誰もが次男をひとりの大人として扱い、ふつうに接してくれているようすがうかがえた。母親である私にはできなかったことを工場のみなさんはしてくれている。なんとありがたいことか。  1カ月がすぎたある日、こんなことがあった。次男が10分ほど遅刻したのだ。その前日から「気が重い。行きたくない」と言っていた。私は「ちょっとくらい遅れてもいいから行っておいで」と促した。帰ってきた次男に話を聞くと、「10分遅刻した分の給料を引かれた」とのこと。「10分くらい、いいじゃないか」という口ぶりだった。  ふだんあんなに親切な人たちが、なぜそんなことをしたのだろう。10分を時給計算すると125円。わざわざ計算して、次男の日給から125円を引いた額を渡したのだ。なぜそんな手間がかかることを? 次男がひきこもりだったことを知っていて雇ってくれたはずなのに。  そのとき、はっとした。次男をひきこもりとしてではなく、1人の労働者として扱ってくれたのだ。次男が遅刻して行ったとき、ただ黙って許すか遅刻した分を引くか、悩んだろう。彼らは手間がかかるほうを選んだ。手間をかけてでも、仕事に遅れれば、その分お金はもらえないという、あたりまえのことを次男に教えてくれたのだ。  それにくらべて私は今朝、次男になんと言った?「ちょっとくらいなら遅れてもいいよ」。次男を特別扱い... --- ### 親だってしんどい 不登校の先輩パパママが実践した心が折れそうな時の乗り切り方【全文公開】 - Published: 2022-07-27 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/2286/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, コラム, 2022年8月1日号  親だって、しんどいんです――。わが子の不登校に直面したとき、そう感じる親御さんはすくなくありません。親は誰しも、がんばっているからです。しかし、何をやってもうまくいかないときもあれば、他人の何気ない一言で心がかき乱されるくらい苦しい思いをすることもあります。親の気持ちがしんどくてたまらないとき、ほかの親はどのようにして乗り切っているのでしょうか?長年の取材を通じて得た「不登校先輩パパママのしんどいときの乗り切り方」をご紹介します。 * * *  不登校でもっともつらい思いをしているのは子ども自身です。ただし、親には親のしんどさがあるものです。取材を長年続けるなか、「親だってしんどい」という話を何度も聞いてきました。「あなたの育て方に問題があったのではないか」と言われて傷ついた親もいます。子どもから「死にたい・消えたい」と言われ心がつぶれそうになった親もいます。「街中でうちと同世代の子どもが学生服を着て楽しそうに歩いている姿を見て涙が出た」という話を聞いたことも、1度や2度ではありません。そこで今回は、しんどい気持ちになったとき、どうやって乗り切ってきたのか。先輩パパママが実践した方法を紹介します。 物理的な距離と感情の吐き出し  しんどい気持ちの乗り切り方として、親からよく聞くことが2つあります。1つは「子どもとの距離を物理的にあけること」、もう1つが「自身の本音を誰かに話すこと」です。子どもが不登校した際、仕事や趣味のサークル通いなどを辞めてしまう親がいます。子どもが小学校低学年など、そうせざるを得ない場合もありますが、子どもからは「親が家に居ない時間があることでのんびりすごせた」と歓迎する声も聞かれます。親子それぞれの時間をすごせるという意味で「親は元気で留守がよい」ということです。  また、不登校で悩む親どうしが話し合うことで「私だけじゃないんだ」と思えて気持ちが軽くなったという親もいます。しんどい気持ちがたまっていく心のコップから水がこぼれる前に吐き出すことで、親の心に余裕が生まれます。 同時に、「ほかの人の話を聞くことも大事だった」と話す親もいます。自分のなかで堂々めぐりしていたことが、ほかの家庭の話を聞くことで、それまでとはちがった視点で考えられるようになるということです。 日記を書く 映画を観る  他方で、外出もままならないし、不登校の親の会も近所に... --- ### 「昼夜逆転、親は何もしなくて大丈夫です」児童精神科医が断言する理由【全文公開】 - Published: 2022-07-13 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/2321/ - カテゴリー: コラム, 不登校 - タグ: 無料記事, 人気記事, 2022年7月15日号  子どもが不登校になると「昼夜逆転する」「お風呂に入らない」「ご飯を食べない」ということが往々にして起こります。「せめて規則正しい生活を」と願う親にとっては大きな悩みの1つですが、なんとか直そうとがんばっているうちはうまくいかないこともしばしば。不登校経験者と児童精神科医の語りから大事な「コツ」を考えます(※画像はイメージです)。 * * *  子どもが不登校になったとき、昼夜逆転する・お風呂に入らない・ご飯を食べないなど、今までできていたことが急にできなくなることがあります。「せめて規則正しい生活だけは」と悩まれている親御さんはすくなくありません。このとき、親はどんな声がけや対応をすればよいのか。2人の不登校経験者の事例と精神科医の指摘から考えます。 朝がつらい理由  小学4年生の夏休み明けから不登校になったAさんは、週1で適応指導教室へ通いながらがんばり続けていました。しかし、その緊張の糸がある日、パチンと切れてしまいます。昼夜逆転し、お風呂も入らず、ご飯を何も食べない日もあり、自宅でひきこもるようになります。 不登校で昼夜逆転するというのはよくある話で、Aさんの場合は「朝は社会が動き出す時間だからイヤだった」とのこと。同学年の子どもが登校する声が聞こえてきたりするのもつらかったそうで、その時間をやりすごすために、昼夜逆転したわけです。  食事に関しては、Bさんの体験談を紹介します。中学1年生で不登校になったBさんは、学校へ行けない自分が許せないという思いから、しだいにご飯が食べられなくなり「摂食障害」になります。もっとも痩せてしまったときには、体重が30キロを切ってしまったそうです。  では、お二人の親はどうしたのか。結論から言うと、特別なことは何もしなかったのです。Aさんの母は朝食をつくりながら、深夜のラジオ番組の内容をしゃべる娘の話を「そうなんだ」と聞くばかり。また、「お風呂に入ったら」とはいっさい言いませんでした。Bさんの母は、やせ細る娘を前に「生きた心地がしない」と思いつつも、食事することを無理強いしなかったと言います。  親の対応について、Aさんは「母がすべてを受けいれてくれたので、落ち着きました」、Bさんは「ありのままの私の存在を認めてくれている」と感じたと言います。その後、Aさんはフリースクールのスタッフに、BさんはNGO団体の職員として働いてい... --- ### なぜ6割の子が楽しいと語るのか「きのくに子どもの村学園」の教育実践 - Published: 2022-07-13 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/interview/2441/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2022年6月15日号  クラスがない、テストがない、宿題も校則もない。「きのくに子どもの村学園」はそんな不思議な学校です。1月24日に行なわれた創立者・堀真一郎さんの講演(主催・多様な学び保障法を実現する会)を抄録します。堀さんに影響を与えたさまざまな先人たちの教えや、「きのくに子どもの村学園」の実践などについてお話いただきました。(編集/茂手木涼岳・湯浅大輝)※画像はきのくに子どもの村学園の子どもたち * * *  こんにちは。「きのくに子どもの村学園」の理事長・学園長の堀真一郎です。今日は「体験学習が学校を変える」というテーマで、私たちの学園の特徴を、私が影響を受けた3人の教育家の例を引きながら、お話をさせていただければと思います。  私は1992年から、和歌山県、福井県、福岡県、山梨県、長崎県で計11の小中学校と高等専修学校を運営しています。たくさん学校はあるのですが、ひとつひとつの学校は定員72人から120人とそんなに大きくありません。「学校は大きすぎてはいけない」とすら思っているくらいです。  私が学校づくりを始めた原点は、福井県勝山市の山奥にあった、元小学校の分校です。母親がその学校に勤務していたのですが、そこで目にした風景が頭から離れなかったのです。緑ゆたかな山に囲まれたその分校では、先生と子どもたちがいつも自然でさわやかな関係のなかで暮らしていて、村の人たちとの距離もとても近く、本当に楽しそうでした。映画「二十四の瞳」に出てくるような学校だったのです。  私は、僻地の教師になろうと思って京都大学の教育学部に入学しました。  そして大学3年生のときに後述するA・S・ニイルとジョン・デューイの思想と実践に出会いました。その後、大阪市立大学に勤めるようになったのですが、いろいろとデータを調べていると、あるときたいへんショッキングな事実に出会ってしまいました。  農村部と都市部の学校に通う小学生の生活実態調査を行なったところ、「学校での学習が楽しい」と回答した子どもが、農村部で5%、都市部ではたったの2%でした。そのショックがもとで、「せめて『学習がいちばん楽しい』と答える子どもが30%以上はいる学校をつくろう」と思って、仲間数人と学校づくりに取りかかりました。  まず参考にしたのが、卒業論文以降も研究を続けていたイギリスの教育家であるニイルです。ニイルは「サマーヒル・スクール」... --- ### どうしたら家が居場所になるか 居場所代表が提案する2つのポイント - Published: 2022-07-13 - Modified: 2024-10-04 - URL: https://futoko-online.jp/interview/2337/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2022年7月15日号  「子どもにも親にも第3の居場所が必要」と語るのは、新潟県三条市で活動する「フリースクールヒュッゲ」代表の関口健志さん。ヒュッゲは「その子がその子らしく生きられる居場所」として2019年から活動しています。長年教育にたずさわり、不登校の家族の立場も経験した関口さんに、居場所設立をこころざしたきっかけや居場所に必要なことなど、お話をうかがいました(※写真はフリースクールヒュッゲですごす子どもたちのようす)。 * * * ――関口さんは、どのように不登校やひきこもりの子どもたちと関わるようになったのでしょうか?  大学卒業後「教育関係の道へ行きたい」という思いがあったので、私は家庭教師や塾講師の仕事に就くことにしたんです。そこで、子どもたちと関わるようになりました。  当時、受け持っていた生徒のなかには、いろんな事情で学校へ行けない子が多くいましてね。仕事を通して、さまざまな苦しみを抱える彼らとふれ合ううちに、自然と学校へ行けない子どもたちに「何かしたい」と思うようになりました。  また、私には弟が2人いるのですが、1番下の弟が不登校になったり、真ん中の弟がひきこもりになったりと、私自身が不登校・ひきこもりの家族としての経験もあったんです。そのことも不登校に意識を向けるきっかけになりました。 抱えたジレンマ  家庭教師として働いていた当時は「学校はなんのために行くところなのだろう」とジレンマを感じました。  不登校の子どもたちに出会うまでは、私は学校に対して信頼度が高く、とくに疑問を抱いたこともなかったんです。毎日学校へ通っていましたし、部活もそれなりに楽しかったし、人間関係で苦しみを感じたこともほとんどなくて。  でも、家庭教師の仕事を通じて、学校からの対応で傷つく親御さんや学校とのやりとりに苦しむご家庭のようすを目の当たりにするうちに、学校の存在に疑問を持つようになりました。  受け持っていた生徒のなかには、不登校ではなくても、苦しい気持ちを抱えながら学校へ行っている子もいましたし、ちょうどそのころはわが家も弟の学校とのやりとりに苦しんでいた時期だったので。  なので、余計に自分のなかにあった学校像みたいなものがみるみる崩れて、「苦しい思いをしてまでも、学校は本当に行かなきゃいけないところなのか」と、学校の存在意義を根本から考え直すようになったんです。 ――なるほど... --- ### 忘れ物1つで先生の怒声が響く教室 小中9年間不登校だった僕の本音 - Published: 2022-07-13 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/children/2313/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 当事者の声, 2022年7月15日号 - ハッシュタグ: 通信制高校  小学校1年生から中学3年生まで不登校だった中村隼人さん(21歳)。高圧的な態度の担任や学校とは合わなかったそうです。その一方で教育支援センターでは「信頼できる人との出会いで大人への思いが変わった」と語ります。現在は大学で学んでおり、卒業後はシステムエンジニアになるそうです。不登校当時の心境を中心にお話をうかがいました。 * * * ――隼人さんが不登校になったきっかけはなんだったのでしょうか?  僕は小学1年生の3学期から学校へ行かなくなったのですが、きっかけとしては、学校という環境が自分に合わなかったことや担任の先生との相性が悪かったことがあると思います。保育園のころから行きしぶりはあったのですが、僕はもともと物事を自分の好きなように進めたいタイプの子どもだったんです。興味のあることを好きなタイミングで気がすむまでやりたいというか。だから「みんなと同じことを決められた時間にやらなければいけない」という学校の雰囲気やシステムがはじめから苦手でした。自分の行動やふるまいを指定されるのが、とても窮屈に感じていたんです。  加えて、小学1年生のときの担任の先生が上から物を言うような高圧的な人で。当時の出来事で強く記憶に残っているのは、クラスメイトの女の子が怒られていたこと。学校への持ち物であるポケットティッシュ1個を忘れてしまっただけなのに、先生は彼女をクラス内で怒鳴りつけたんです。  怒鳴り声が響くクラスの環境に不快感を覚えました。そして、僕は「この人はなんでこんなに毎日怒るんだろう」「なんで僕たちを型にハメようとしてくるんだろう」と先生に疑問を抱くようになったんです。その後も、先生の高圧的な態度を目にする機会が続いて、徐々に学校という場所へ行くことがイヤになりました。クラスには仲のよい友だちもいたので、友人関係での悩みやトラブルはありませんでした。しかし、先生によくわからない理由で怒られることや、みんなと同じことを決められた時間にやらなければいけないことがとにかく苦痛でした。自分を管理されるような環境にストレスを感じていたのだと思います。 3つの選択肢 ――小学1年生で学校へ行かなくなってからは、どのようにすごされていたのですか?  小学2年生から4年生くらいまでのあいだは、小学校、教育支援センター、祖母の家と3つの場所を転々としながら毎日をすごしていましたね。イヤ... --- ### 知人からのアルバイト依頼 ひきこもる息子が出した意外な答え - Published: 2022-07-13 - Modified: 2024-10-07 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2332/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】不登校は幸せへの道, 2022年7月15日号  ひきこもりの息子に「うちで働かない?」と、願ってもない話が来た。母親の後藤誠子さんは、ドキドキしながら息子さんの返事を待ちます。これまでバイトをすすめても耳も貸さなかった息子さん。はたして息子さんが出した答えは。(連載「不登校は幸せへの道」第21回)※写真は後藤誠子さん  私が次男から「もう1回だけがんばってみたら」と言われた職場で、ある出会いがあった。がんばってはみたけれど、やはり無理ということで退職届を出そうとしていたころだ。  職場の休憩室で初めて会ったFさんに、私はお弁当を食べながら次男がひきこもり状態であることを話してみた。どんなリアクションがくるかなと思っていたが、Fさんは「うちの工場で働いてみない?」。なんのこだわりもなく、さらりと言った。  「桑茶をつくる工場で7月から9月までの3カ月しか稼働しないの。だから働いてくれる人を探すのがたいへんで」。  返事を迷う私に、「見学だけでもしてみれば? 見学してみて、できそうだったら来ればいいよ」。誰かに次男のことを話して、「うちで働いてくれ」と言われたのは初めてだった。今の次男を必要としてくれている人がいる。それがとてもうれしくて、うれしい気持ちのまま次男を工場の見学に誘ってみた。  すると、それほど考えるでもなく「いいよ」と次男。大喜びしたいのをぐっと抑えてFさんに連絡し、その週のうちに見学に行く約束をした。桑茶工場は車でも15分はかかる場所にあった。そんなところに免許も持っていない次男が通えるはずがない。見学に来られただけでも充分。何度もそう思おうとした。それでも工場の人の説明を熱心に聞く次男のようすを見ていると、ここで働けるのでは、とつい思ってしまう。「週に2、3回でもいいからさ、ぜひ来てよ」。若い男の人の言葉に、次男はあいまいにうなずく。「ちょっとでもいいからさ、考えてみて」。彼はにっと笑って手をふった。なんだかとても安心する、そんな笑顔で。  帰りの車のなかで、努めて明るく言ってみた。「いい人たちだったね。でも遠すぎるなぁ。さすがに自転車で通うのは難しいよね」。「それな~」。苦笑いしながら、次男が言う。しかし「すこし考えてみる」と言ったときは本当におどろいた。今までバイトをすすめても耳も貸さなかった次男だ。即答で断るだろうと思っていたのに。  数日後、次男が決めた答えは「バイトをする」だった。バイ... --- ### 生きづらさを解消するには 不登校経験者がバイト先で実践した3カ年計画 - Published: 2022-07-13 - Modified: 2024-05-16 - URL: https://futoko-online.jp/children/2341/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2022年7月15日号  古川寛太さん(21歳)は、不登校が終わったあとも続く「生きづらさ」を解消するために、自分なりの「居場所」づくりを始めた。3年間にわたる試行錯誤の末、見出した答えとは。当時の思いと経緯を書いていただいた。 * * *  「高校3年間あなたは何をしていましたか」と問われると、「ひとり家で泣いていました」としか答えられない。同級生が汗水たらして青春を謳歌しているなか、僕は涙ぐみながら時計の秒針を見つめていた。  不登校になった始まりはあれこれあるようで、21歳になった今でもよくわかっていない。ただ終わりははっきり覚えている。大学へ入学して一人暮らしにも慣れてきた、1年生の秋。いまだに僕と向き合おうとしてくれない親のLINEを見て、パチン! と何かが頭のなかで弾けた音がした。  僕の不登校は終わった。「さよなら不登校! こんにちは楽しい人生!」となればよかったが、案の定そんなことはなく、それどころかむしろ根本に眠る「生きづらさ」のようなものは悪化していた。  なぜそう感じたのか。当時は言葉にできなかったが、今ならすこしわかる。そもそも僕は繊細な性格ということもあって、社会と交わろうとすると、人一倍疲れることが多かった。それにも関わらず、うまくやるために周囲の状況を敏感に察知しては、本心を押し殺して、表面的な部分を取り繕ってきた。そんな自分が不自由だった。加えて不登校という空白期間も重くのしかかった。高校3年間、積み上げられたと思えるものが何もない。同世代の常識や空気感を共有しづらいのもしんどいし、レールから脱線したことへの後ろめたさばかりが残る。不登校が終わっても過去や世間体に引きずられ、以前にも増して自分を見失っていた。 どうすれば楽になれる?  僕は考えた。では、この「生きづらさ」をどうすれば解消できるのか。もっと楽に生きるためにどうすればよいのか。「好き勝手できる居場所をつくって、ありのままの自分を表現できればよいのでは?」という答えにたどり着いたのは、大学1年生の冬だった。僕は「居場所」をつくり始めた。  1年目は、「居場所」づくり。舞台はバイト先のパン屋さんである。なんとなく雰囲気のよさに惹かれて軽い気持ちで働き始めたのだが、うれしい誤算に恵まれた。高校時代には欠けていて求めていた温かいものが、そのパン屋さんにはあったのだ。同世代との会話、上司からの評価、お客さ... --- ### ひきこもりって悪いこと?2人の専門家に聞くひきこもりの現在地 - Published: 2022-07-01 - Modified: 2024-10-08 - URL: https://futoko-online.jp/others/2396/ - カテゴリー: インタビュー, others - タグ: 会員限定記事, 識者の指摘, 2022年7月1日号  ひきこもりは悪いことか。ひきこもりをめぐる状況はこの20年でどう変わったのか。ひきこもり支援の現状はどうなっていて、今後の課題としてどのようなことがあるのか。20年以上に渡り、ひきこもりに関わり続けてきた一般社団法人「ひきこもりUX会議」共同代表の林恭子さん、松山大学人文学部教授の石川良子さんは昨年末、それぞれひきこもりに関する単著を出版された。今回はそのお二人をお招きし、ひきこもりの現在地、今後の課題をめぐり、お二人はどう捉えているのか。ひきこもりのこれまで、これからを語っていただいた(※写真左から石川良子さん、林恭子さん)。 ――著書を通じて伝えたかったことからうかがいます。林さん、お願いします。 (林恭子、以下林)ひきこもりに関する誤解や偏見を解きたいというのがもっとも伝えたかったことです。そのために「当事者の思いを知ってほしい」「ニーズに合った支援をしてほしい」ということを、当事者の周囲にいる家族や支援者に向けて「発信」したかった。ただし、葛藤もありました。『ひきこもりの真実』という本の見出しがストレートすぎるうえに、私はひきこもりの代表でもなければ、私ごときが真実なんて語れるわけがないと思っていたからです。 しかし、私が共同代表を務める「ひきこもりUX会議」の実態調査を通じて届いた1686人の声はどれもその人にとっての真実だし、私自身の不登校・ひきこもり経験について書いた内容も1つの真実です。その意味で、迷いはありつつも、当事者の思いを「発信」することを大切にしました。 ――石川さんはいかがでしょうか? (石川良子、以下石川)私自身、ひきこもった経験はありませんが、これまで話を聴いてきた当事者は同年代の方も多く、「共感」がそもそものスタートにありました。当事者の話を20年聴き続けてきたなかで「私は何者なのか」とつねに考えてきましたが、最近では「傍らに居続ける人」というのがしっくりきています。その私にできることは、当事者の声を「聴く」ことの大切さを発信することだ、と考えたんですね。当事者の声がどれだけ発信されていたとしても、周囲の人間の聴く耳が養われてなければ意味がないな、と。  また、著書では当事者の「語れなさ」についても書きました。当事者のなかには、自身が感じる痛みについて語っても相手に聞きいれてもらえなかったり、甘えや怠けと否定されてしまった経験を持... --- ### 不登校と「勉強の遅れ」塾探しの前に親がすべきたった1つのこと【全文公開】 - Published: 2022-06-28 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/2356/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, コラム, 2022年7月1日号  子どもが不登校になると、親としても心配になるのが「勉強の遅れ」。親のなかに「せめて高校ぐらいは」という思いがあれば、なおさら焦ってしまうテーマでもあります。そもそも、勉強の遅れは取り戻せるのか。また、親としてどのような心構えで子どもと向き合い、やるべきこと・やってはいけないことにどのようなことがあるのか。専門家の指摘をもとに考えます(※画像はイメージです)。 * * *  「勉強の遅れ」は、不登校の子どもだけでなく、親にとっても大きな悩みの1つだと思います。そこで今回は「勉強の遅れ」について考えていきます。学校へ行かなくなると、勉強の時間は往々にして減ります。その間、学校では容赦なく授業が進んでいきますから、「同級生と比較して自分は遅れている」と子どもは焦ります。だからと言って、すぐ勉強が手につくかと言えば、そうではありません。高1の夏休み明けから不登校になった田中ありすさんもその1人。  卒業が近づくなかで、田中さんは塾に通い始めますが、当初は机に向かってペンを握ることすらままならなかったと言います。もともと勉強が得意で優等生だった田中さんにとって、同級生だけでなく、かつての自分と今の自分を比較することで苦しくなり、涙が止まらなかったという胸の内を語ってくれました。 取り戻せるのか  そもそも、「勉強の遅れ」は取り戻せるのか。この疑問について、臨床心理士として15年以上に渡り、子どもの支援に携わってきた緒方広海さんは「もちろん取り戻せます」と言います。緒方さんが見てきたなかには、小学校6年間と中学校1年の計7年間、不登校をしていたお子さんがいました。小学校の勉強はまったくやらず、中学2年生から高校受験の勉強を始めたその子は、希望する学校に無事合格できたとのこと。「勉強の遅れ」を取り戻す期間は人それぞれですが、たとえば3年分の遅れを取り戻すのに同じ年月を要するわけではない、ということが言えます。また、緒方さんは勉強をする習慣について「本人がやる気になった時点からで大丈夫」と断言します。また親にとって大事なことは「今、その子にとって必要な学力とは何か」を考えることであり、必要のない勉強を嫌々やらせることで勉強嫌いになってしまうと警鐘を鳴らします。   雑談の時間を  親御さんのなかには「勉強してほしい」という気持ちをグッとこらえている方もいるのではないでしょうか。で... --- ### 先生に知ってほしい、別室登校中の子へのNGワード - Published: 2022-06-28 - Modified: 2024-05-16 - URL: https://futoko-online.jp/children/2350/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2022年7月1日号 今回は、現在、別室登校をしているという中学2年生のAさんにもお話をうかがいました。Aさんのお話を聞くなかで、先生が「よかれ」と思って子どもにかける「ある一言」が、逆に子どもを追い詰めてしまうかもしれない事態に直結する可能性が見えてきました。その「ある一言」とは?(※画像はイメージです)  今回は現在、別室登校をしているという中学2年生のAさんにもお話をうかがいました。「大人数でザワザワとした教室の雰囲気が苦手だった」というAさんは週に1回、保健室登校をしています。養護教諭の先生と雑談をしたり、趣味の折り紙などをしてすごしているそうです。  先生から『今度、教室へ行ってみない?』と言われたことはありますか、とお聞きしたところ、中学では1回もないそうです。 なぜなら、Aさんの母親が「教室へ戻そうとするなど、登校刺激となりうることはしないでほしい」と、学校側に事前に伝えていたからとのこと。このように、親御さんが前もって防波堤を築いておくというのは、子どもの安心という観点からすると、非常に大事なことだと思います。  ただし、体育祭や文化祭などの学校行事へのお誘いはあったようで「何を言われても出ないと決めていたので大丈夫でした」と語るAさんに力強さを感じました。とはいえ、断る際にはかなり苦労されたそうです。  本紙同号でお話を聞いた立花由紀さんもおっしゃっていたように、先生からの「〇〇してみない?」という提案は、子どもからすると非常に断りづらいもの。先生にとっては、よかれと思っての声がけだったとしても、子どものしんどさに直結しうるということに留意していただきたいと思います。  また、今回のアンケートでは、教育支援センターに通っていたという不登校経験者の声も寄せられました。教育支援センターでどのようにすごしたのか。当時の気持ち、よかった対応・悪かった対応など、教育支援センターに通った不登校経験者の体験談はまたあらためて特集を組みたいと思います。(編集局・小熊広宣) (初出:不登校新聞581号(2022年7月1日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### 「次は教室へ」先生の一言が別室登校中の子の安心感を奪う理由 - Published: 2022-06-28 - Modified: 2024-05-16 - URL: https://futoko-online.jp/children/2345/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2022年7月1日号  教室に入れない・入りたくない不登校の児童生徒が自身の教室以外の場所ですごす「別室登校」。保健室、相談室、図書室など、対応は学校ごとにさまざまです。日本学校保健会の調査によれば、「保健室登校がある」と答えた割合は、小中高校それぞれ3割を超えています。今回お話をうかがったのは、小4で不登校をした立花由紀さん(仮名・30代)。小学校と中学校でそれぞれ別室登校をした経験があります。当時はどんな気持ちだったのか。そもそもなぜ別室登校しようと思ったのか。そして、途中で別室登校できなくなってしまったきっかけとなった先生の「働きかけ」とはどのようなものだったのか。お話をうかがいました(※画像はイメージです)。 * * * ――不登校のいきさつからお聞かせください。  私が不登校になったのは、小学4年生のとき。5月の連休明けからでした。決定的なきっかけとなったのは、男子と追いかけっこをしていたら、クラスで問題になってしまったことでした。私としてはちょっとした悪ふざけのつもりだったんですけど、周囲には何かたいへんなことがあったんじゃないかと重く受けとめられてしまった。なんだか今までとはちがう空気が流れているように感じてしまったんです。 やりたいことを ――別室登校をすることになったいきさつは?  小学生のころは保健室へ通い、中学生になると相談室へ通いました。小学生のときは「教室へ行けないなら保健室へ行くのはどうだろう」という先生からの提案を受けて行くことにしました。保健室ではスケッチブックに絵をかいたり、給食を食べたり、保健室の先生と話をするなどしてすごしていました。小学5年生になると、ほぼ毎日通っていました。「給食の時間に間に合わないかも」と思って自転車で学校へ行ったら、先生に渋い顔をされたというのは、今ではよい思い出ですけど(笑)。  ちなみに、勉強はほとんどしなかったです。当時は家で「進研ゼミ」をやっていたので、保健室では私のやりたいことをひたすらやっていたという感じでした。ただ、6年生になると、ほとんど行かなくなりました。 ――急に行かなくなるというのは、何かあったのでしょうか?  きっかけは先生からの頼み事です。「絵を何枚か描いてほしい」と頼まれたんです。教科書に載っている挿絵で、それを黒板に貼って授業をしたいから、ということでした。模写をするのは苦手だったんですけど、「引... --- ### 不登校の息子の気持ちが初めてわかった日 - Published: 2022-06-27 - Modified: 2024-10-07 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2380/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】不登校は幸せへの道, 2022年7月1日号  不登校でひきこもりの息子。「なんでこんなことに」となげく日々が続いた母・後藤誠子さん。しかし、ふとしたきっかけから、ついに「息子の気持ち初めてわかる日」がやってくるのです。(連載「不登校は幸せへの道」第20回)※写真は後藤誠子さん  次男との信頼関係を再び築こうともがいていたなか、私自身にも大きな出来事があった。私は新しい仕事を始めて2カ月。仕事をなかなか覚えられず、毎日疲れきっていた。その朝、職場の入り口で私の足はまったく動かなくなった。早く中へ入らなければならない。しかしムリに足を動かそうとするとはげしい動悸が起こり、涙が勝手にあふれてきた。いったい何が起こっているのか。  職場の人たちに抱えられるようにして、地下の小さな部屋に寝かせられた。涙と動悸はすこしずつおさまってきた。突然、ものすごい恥ずかしさがおそってきた。 こんな歳になって私は何をやっているんだ。仕事がイヤで泣いて休む? なんて恥ずかしいことをしてしまったんだろう。恥ずかしすぎて誰にも会えない。もう消えてなくなりたい。職場から逃げるようにして帰った。  玄関のドアを開けて、いつものように明るく「ただいま」と言おうとして言えなかった。あろうことか、次男の顔を見たとたん、また涙があふれてきた。次男がおどろいて「どうしたの?」と聞いてくれて、私はその日のことをすべて次男に話した。次男は静かに私の話を聞き、一言。「よぉーくわかるよ、どんな気持ちだったか」。それからにっと笑って「こちらの世界へようこそ」と言った。  ああ、やっとわかった。高校へ行けなくて布団のなかでちぢこまっていた次男。静かに涙を流していた次男。今日の私と同じじゃないか。あのとき、どんなにつらかったろう。今、私には気持ちをわかってくれる次男がいる。でもあのときの次男には誰もいなかった。  「本当に不思議なんだけど、どんなに動かそうとしても足が動かなくて」。「だよね~わかる、わかる」。「この世から消えてなくなりたいって思った」。「たった1日でそこまで思っちゃうのはすごいな。でも俺も、『もう誰にも会えない』とは思ったよ」。次男とこんなに話したのは初めてかもしれない。  話が途切れたとき、次男が言ってくれた。「あと1回だけがんばってみたら? 1回だけがんばってみて、ダメだったら辞めればいいよ」。1回だけ。その言葉に私は心がすうっと軽くなるのを感じ... --- ### 子どもの9割が発達に特性 鈴蘭学園がしている「配慮」 - Published: 2022-06-27 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2371/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 【連載】不登校その後の居場所, 発達障害, 2022年7月1日号 - ハッシュタグ: 通信制高校  神奈川県相模原市にあるフリースクール鈴蘭学園理事長・中村鳴美さんにお話をうかがった。通う子どもの9割が発達に特性を持っていると語る中村さんは、こうした子どもたちがすごしやすくなるよう、ある工夫をされているという。(連載「不登校その後の居場所」第4回/企画執筆・茂手木涼岳)※写真はフリースクール鈴蘭学園のようす * * * 〇団体の概要・理念  鈴蘭学園は相模原市にあるフリースクールです。今年で設立15周年を迎えました。通ってくるのは小学生から20歳くらいの子どもたち。この場所が子どもの心のよりどころになればいいなと思いながら、日々活動しています。  鈴蘭学園の特徴は、子どもたちや保護者のために、たくさんの活動をしていることだと思います。フリースクール(生徒数11名)のほかにも、不登校の子だけの「放課後等デイサービス」(生徒数26名)、親御さん向けのカウンセリング、個別学習、訪問支援、医療とのつながりなど、立ち上げから15年かけてすこしずつ事業を育ててきました。今では小規模ながらも教育・福祉・心理・医療をひとまとめでケアできる、総合的な居場所になることができたと思っています。  立ち上げ当初は「フリースクールがあるから子どもが学校へ来なくなるんだ」と学校関係者から言われたこともありました。それから15年、ようやくここまで来たという感じですね。  これからは、もっと学校と連携していきたいです。もともと私たちは相模原市と協力して年3回、「不登校相談会」を実施しています。これはフリースクールや市の教育委員がブースを設けて、親御さんの相談を受ける会です。私の目標は、この取り組みをもっと進めて、学校のなかで不登校相談会を開催することです。 鈴蘭学園理事長・中村鳴美さん 〇子どもの安全配慮のため気をつけていること  鈴蘭学園へ通う子どもの9割が発達に特性を持っています。なかにはパニックを起こしてしまう子もすくなくないんです。ですから、なぜパニックが起こるのかを考え、配慮しています。たとえばある特定のお菓子が好きで、それがないとパニックになってしまう子がいる場合、そのお菓子はいつでもかならず置いておくようにします。子どもたちの特徴を事前に把握し、その子にとってすごしやすい環境をつくるような配慮を大切にしています。 〇卒業した子どものその後  中学年齢の子はほぼ100%高校へ行きま... --- ### 子育てがしんどい親を守る3つのバリア【全文公開】 - Published: 2022-06-14 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/2417/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 2022年6月15日号  不登校のわが子に対し、親は何ができるのか。不登校の子の親にとって、誰もが気になることです。個別の具体的な方法を考えることも大切ですが、その前に親御さんに実践していただきたいことがあります。それは親の「溜め」を厚くするということです。なぜなら、子どもと向き合う際には「子どもを支える親の支えを増やすこと」は欠かせないからです。親を支えてくれ、時としてバリアの役目も果たしてくれる親の「溜め」について、今回は3つご紹介します(※画像はイメージです)。 * * *  不登校の親にできることは何か。取材先でもよく話題にのぼり、また講演会などの質疑応答でも聞かれるテーマです。これについて、私からお伝えしたいことがあります。親の「溜め」を厚くしてほしいということです。個別の具体的な対応を考える前に、子どもを支える親自身の土台部分をしっかりさせることが重要だと私は考えています。  「親が変われば子どもも変わる」とよく言われます。実際、私が取材してきた15年間をふり返っても、親の一言で気持ちが楽になったという不登校経験者の話をよく聞きました。だからこそ、子どもの支えとなる親自身が多方面で支えられていることが重要だと考えています。  そもそも、親の「溜め」とは何か。これは親のまわりを覆うバリアのようなものをイメージしていただければと思います。不登校の子どもを持つ親にとって、学校、親せき、ご近所づきあいなど、さまざまなやりとりがあります。ときに「あなたの子育てがよくなかったんじゃないか」と、心ないことを言われることもあります。そういうことがあるたび、親自身は傷つき、気持ちも揺れてしまいます。そんなとき、親のまわりにバリアがあれば、ダメージはゼロにできなくとも、最小限に抑えることができます。それゆえ、バリアとなる親の「溜め」は厚ければ厚いに越したことはありません。 親を守るバリア 3つの「溜め」  つぎに、親の「溜め」の中身について、3つ紹介したいと思います。まず1つ目の「溜め」は、「人間関係」です。たとえば、かつて不登校の子どもを持つ親だった先輩たちとのつながりなどが該当します。わが子の不登校で悩む親にとって、もっとも避けるべきは孤立です。誰にも相談できず、親だけで抱え込んでしまっていては、親がつぶれてしまいます。そんなとき、支えになってくれるのが先輩の親御さんです。先輩の親御さんは①す... --- ### 「ここが学校だったら」子どもの声を実現したあすなろ高等専修学校 - Published: 2022-06-14 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2422/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 【連載】不登校その後の居場所, 2022年6月15日号 - ハッシュタグ: 通信制高校  鳥取県の「あすなろ高等専修学校」理事長と校長にお話をうかがった。同校では「クラーク記念国際高等学校」と提携し、高卒と高等専修学校卒、2つの卒業資格が得られる。「高校へ行きたくても行けない子を救わねば」との思いから始まった同校の取り組みとは。(連載「不登校その後の居場所」第3回/企画執筆・茂手木涼岳)※画像はあすなろ高等専修学校 * * * ◎団体の概要・理念  私たちの学校は、もともとは中卒浪人のための予備校でした。おもに中卒後、高校に在籍しながら、もっとよい高校へ行くために勉強している再受験生を指導していたのです。  しかし、私たちが関わった子のなかには、中学で不登校だったために高校受験をしていない子も多くいました。そうした子のなかには、指導すると学力が目覚ましく伸びる子もいます。しかし、不登校だったために内申点がもらえず、高校へ行けないのです。「子どもたちの学ぶ場を確保して、行き場のない子どもを救わなきゃいけない」。それが、私たちのテーマでした。  私たちの予備校は授業のある日以外でも、いつ来てもよい学び場でした。学校へ行けなかったり、学校で苦しんでいた子たちが「ここが学校だったらいいのにね」と言ってくれました。そうした思いを受け、予備校から専修学校へ、専修学校から高等専修学校へ、というかたちで、数年がかりですこしずつ「学校化」を進めていきました。  不登校の生徒のための学校をつくると言っても、かんたんではありませんでした。「そういう学校ができると不登校を助長するんじゃないか」、と周囲によい顔をされなかったのです。しかし、1998~1999年、鳥取県が不登校発生数で全国1位になりました。このニュースによって、状況が変わりました。 2000年、私たちは通信制高校の「クラーク記念国際高等学校」と提携します。この提携により、私たちの高等専修学校で学ぶと、同時に「クラーク記念国際高等学校」の単位も認められることになりました。卒業時には高等専修学校と高等学校、両方の卒業資格が得られます。「ここが学校だったら」という子どもの思いに、やっと応えられたのです。 ※横井理事長(左)・青山校長(右) ◎入学後は  週5日通うコース(生徒数150名)と週1日だけ通うコース(生徒数44名)の2つのコースがあります。高等専修卒と高卒の2つの卒業免許がとれるのは、週5コースのみです。2つ... --- ### 不登校取材歴20年のノウハウを集約 親にできることを徹底解説した1冊 - Published: 2022-06-13 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/books/2437/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 2022年6月15日号  「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき、親ができることにはどのようなものがあるのか。『不登校新聞』の記者・編集長として20年、不登校経験者・親・著名人など、およそ400名に取材をしてきた石井志昂さんの著書をご紹介します。20年の取材経験をもとにしたノウハウがこれでもかと詰まった1冊であり、石井さんが取材してきた実例をもとにした提言の数々は、不登校の子どもを持つ親にとって必見です(※画像は書籍と石井志昂さん)。 * * *  今回は、『不登校新聞』編集長の石井志昂さんが出した書籍をご紹介します。中学2年生の冬、石井さんは「もう学校へ行きたくない」と泣きながら母に伝えます。そこから石井さんの不登校と向き合う日々が始まります。  19歳で『不登校新聞』の職員になって20年、石井さんは不登校経験者、親、著名人など、およそ400名の方々の取材を今日にいたるまで続けてきました。本書にはその20年の経験から紡がれたノウハウが詰まっています。  本書ではタイトルにもある通り、子どもが「学校へ行きたくない」と言ったときに、どんなことが親にできるのかという視点に立ち、これまでの取材経験をもとにした石井さんの提言がまとめられています。  一例を挙げると、「子どもの代表的な5つのSOS」「なんで学校へ行けないの?、もう少しがんばってみようはNGワード」「子どもが言われてうれしい2つの言葉」など、親にできることや逆にそれをすることで子どもを追いつめてしまうことについて指摘しています。  そのほか、「ネットのルール」「昼夜逆転」など、不登校でよく話題に上がるテーマに関するミニコラムや、白梅学園大学元学長の汐見稔幸さんと、自己肯定感や社会性などをテーマにした座談会の抄録なども掲載されています。  最後に、本書から石井さんの指摘を1つ挙げます。それは「不登校から20年、30年経って大人になると、みなふつうのおじさん、おばさんになる」というもの。たしかに、石井さんのそばで15年、透明感が年々失われ、ふつうのおじさんになっていく石井さんを私は見てきました(笑)。半分おもしろおかしく書いてしまいましたが、数多くの「不登校その後」を見てきた石井さんだからこその指摘だと思います。(編集局・小熊広宣) 『「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること』 石井志昂 著/979円(税込) ポプラ社... --- ### 「今頃わかったの?」息子の信頼を再び失ってしまった私の失敗 - Published: 2022-06-13 - Modified: 2024-10-09 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2428/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】不登校は幸せへの道, 2022年6月15日号  「絶対、ムリヤリ朝起こしたりしない」。岩手県在住の後藤誠子さんは、ひきこもり中の息子さんについて、そう硬く決心していました。ムリヤリ起こしても関係が悪くなるだけだということを、これまでイヤというほど思い知っていたからです。ですが、後藤さんはまた、やってしまうのです。後悔から息子さんに謝る後藤さんに、息子さんがつぶやいた一言とは。(連載「不登校は幸せへの道」第19回)  弁当配達のボランティアを次男と始めて半年、すべて順調に進んでいるかに見えていたある朝、私はまたやってしまうのだ。時間になっても起きて来ない次男を無理やり起こそうと必死になってしまった。次男の腕を力まかせに引っ張り、金切り声で叫んだ。「頼むから起きてよ。ひとりじゃ行けないよ」。  突然、次男がむくっと起き上がって、ジャマだというように私の手を振り払った。  ああ、よかった、行く気になってくれた。ちょっと疲れただけだったんだ。もう大丈夫。次男が起きてくれた、それだけで私はすっかり安心した。「急いで! 急げば間に合うよ」。ついつい早口になって急かしてしまう。次男は一言も口をきかない。わざとじゃないかというくらいゆっくり支度をして、それでもなんとか配達の時間に間に合った。私はその日1日、とにかくよかったとそればかり思っていた。  しかし、何もよくなかった。翌日になってやっと、まちがいに気づいた。そう、私はまたやってしまったのだ。ボランティアを始めたとき、自分に誓ったことがある。それは、「次男がもし朝に起きられなくても、絶対に無理には起こさない」ということ。無理やり起こすなんてことをしたら、次男が不登校だったときの対応と何も変わっていないことになる。いや、私だってあれからいろいろな出会いを経て変わった。もうそんなことはしない、はずだった。甘かった。あいかわらず自分のことをまったくわかっていなかった。  「あのさ、昨日、悪かったね」。夕飯を食べようと食卓についた次男に話しかける。次男は「なんのこと?」というように私を見た。「ボランティアだよ。無理やり起こしてしまって悪かったと思って。無理にはやらせない。休んでもいい、途中でやめてもいいよって言っていたのにね。本当にオカンは嘘つきだ」。次男は何も言わずに静かに聞いている「何も変わってないのはオカンのほうだったよ。本当にごめんね」。すこしの間を取って、次男がにやっと... --- ### 「学校は毎日通わなければ」と思っていた私が自分のペースで学校と付き合えるようになるまで - Published: 2022-06-13 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/children/2433/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 当事者の声, 2022年6月15日号 - ハッシュタグ: 通信制高校  中学2年生から不登校を経験した私は、昨年春、専門学校に入学し、1年間通い続けることができました。毎日学校に通えるようになるなんて、不登校だった当時からは考えられない変化です。この変化には、これまで「学校へ行かなければいけない」というプレッシャーを感じていたこと、そしてそのプレッシャーから解放されたことが大きく関係していることに、最近気づきました。私が当時をふり返って気づいたことを執筆します。(石垣愛香) * * *  私は中学2年生のとき友人関係につまずき、不登校になりました。家にいるあいだは母とけんかをすることが多く、学校にも家にも安心できる居場所がなかったことから、ひきこもる時期もありました。とはいえ、私としても「このままではいけない」という焦りはあったので、周囲からすすめられた全日制高校へ入学。進学を機に一からやり直す気持ちで臨みました。  ところが、入学後1週間で再び学校へ通えなくなってしまったのです。 何度も学校へ行こうと試みるものの、次の1歩が踏み出せず、登校を断念する毎日をくり返していました。今ふり返ると「学校には毎日通わなければならない」という思いが、自分へのプレッシャーとなり、登校への壁をつくってしまったのだと思います。なぜ「毎日通わなければ」とプレッシャーを感じていたのか、理由は2つありました。  1つは、「勉強の遅れ」です。「1日でも学校を休んだら、授業についていけなくなる」という恐怖心が、当時はつねにつきまとっていました。また、友人関係でのトラウマを持つ私にとっては、みんなから遅れをとるのは、なんとしても避けたかったことでした。 励ましの言葉 こころの負担に  もう1つは、「周囲からの期待」でした。不登校のあいだは学校の先生や家庭教師、親が何度も励ましの声をかけてくれました。「自分のペースでいいから高校に向けてすこしずつできることを増やしていこうね」、「今は不安かもしれないけど、環境が変わると行けることもあるかもしれないよ」。励まし自体はうれしかったものの、そうした言葉がけをもらううちに、「今の自分ではだめだ」「まわりの期待に応えなければ」という気持ちにすり替わってしまったのだと思います。  そうした理由から高校に通えない日も気持ちは休まらず、つねに自分へ圧力をかけているような状態でした。また、これ以上休んでしまったらプツンと糸が切れそうに... --- ### まさかわが子が不登校になるとは。不登校の子を持つ父の葛藤と心境【全文公開】 - Published: 2022-06-10 - Modified: 2024-11-18 - URL: https://futoko-online.jp/parents/2715/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 通信制高校, 無料記事, 親の思い, いじめ, 2022年3月1日号 - ハッシュタグ: 通信制高校, 不登校の親  家族が不登校で困っているとき、父親としてどのように関わればよいか。子どものようすを横目で見ながら、そんな悩みを抱いている父親の方、じつは多いのではないでしょうか。父親どうしで不登校について話し合える場をつくりたい、という思いから「ぼちぼち・ちちの会」を立ち上げた市川明さんにインタビューをしました。市川さんも息子の不登校に悩んだ父親のひとり。「ぼちぼち・ちちの会」を立ち上げた経緯や、父親ならではの葛藤、心境の変化について語っていただきました(※写真は市川明さん)。 * * * ――なぜ、父親向けの親の会を始められたんですか?  不登校のわが子が安心して家ですごすためには、父親の協力も不可欠だと思うからです。しかし、残念ながら一般的に父親はふだん仕事で家を離れることが多いですから、子どもの状況が見えない分、理解するのに苦労します。本当はどうにかしてあげたいと思っていても、父親目線で不登校について共有したり理解したりできる場って、現状として非常にすくないんです。 父親の存在 どこにもない  実際に不登校関連のイベントや親の会に参加すると、ほとんどの場合が母親なんですね。どうしても母親のほうが子どもと接する機会が多いですから、母親どうしがつながり、支え合う場は必要だと思います。ただ、そうなると父親は肩身が狭いというか、参加するのも勇気がいるんですね。親の会に慣れている僕でさえ、まわりに1人も父親が居ないと、シュンとしますから(笑)。ハードルが高いのも無理ないな、と。だから父親どうしで話す場があってもいいのかな、とはずっと思っていたんです。  そんなとき、多様な学びプロジェクト代表の生駒知里さんにお声がけいただいて、「じゃあやってみようか」と企画を立ち上げることになりました。そして誕生したのが、「ぼちぼち・ちちの会」。なぜこの名前にしたかというと、不登校といったセンシティブなテーマだと、父親って「否定されるのではないか」と身構えてしまって、参加するのを躊躇しがちだと思うんです。そうではなくて、肩の力を抜いて「ぼちぼちいきましょうよ」、と。そういう思いから名付けました。  これまでに計6回オンライン開催しましたが、若い父親をはじめ、不登校関係の支援者など、さまざまな人が参加してくださっています。なかには父親目線を知りたいという母親など、女性の参加もちらほら。いろんな視点から情... --- ### 不登校から東大、リクルートへ ありがたかった母の対応【全文公開】 - Published: 2022-05-29 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/others/3046/ - カテゴリー: インタビュー, others - タグ: 無料記事, 当事者の声, 2021年4月15日号  4月17日(土)午後7時56分から日本テレビ系列で放送される「世界一受けたい授業」)の『無理やり「学校に行け」はもう古い!「不登校」という生き方』にて、不登校から東大へ進学した不登校経験者の森崎晃さんが紹介されます。森崎晃さんは不登校から東大へ進学。現職の株式会社リクルートにて、不登校の子どもが通う名古屋市の適応指導教室などで、タブレットを使ってオンライン学習ができる教材「スタディサプリ」を用いた学習支援事業のプロデューサーをされています。『不登校新聞』503号(2019年4月1日号)にて掲載した森崎晃さんのインタビューを再掲します。 * * *  「幼稚園へ行きたくない」という感情が出たのは、年中のころだったと思います。ある日のこと、僕は園内で転んでコンクリートに打ちつけ、前歯2本を折る大けがをしました。  幼かったので転んだことを誰かのせいにしたような気もしますが、ずっと泣き叫んでいた記憶は、今もはっきりあります。  救急車を待つあいだ、担任とはちがう強面の女性の主任教諭がやってきて、血をだらだらと流しがら泣きわめく僕を立たせると、迫力満点の形相でこう言いました。  「男なら泣くな!」。  「転んだことも、歯を折ったこともおまえが悪いんだろ!」。  今思えば、園児に治療を要するけがをさせてしまい、先生も気が動転していたのかもしれません。  責任の所在を明らかにすることで園を守ろうとしたのか、あるいは男としての強さやガマンの精神を学ばせたかったのか。その真意はわかりません。  抜歯などの治療を終え、翌週には幼稚園に復帰したものの、その先生を見ると胸が苦しくなる自分がいました。 そのとき頭をよぎったのが、「幼稚園に行きたくない」という感情です。  抜歯をすると熱が出ることもあるので、それからはちょっと体調が悪いと言っては、幼稚園を休むようになりました。  母はすぐに仮病を見抜き、これは登園拒否だなと気づいたようです。 登園拒否肯定した両親  幸いなことに、母は子どもとの対話を惜しまず、登園拒否についても肯定してくれました。夫婦間でどのような会話があったかはわかりませんが、父もそれを受けいれたようです。  幼稚園の年度替わりのころ、あれはたぶん三者面談のときだったと思います。主任教諭の先生が母に「今の時代、幼稚園に通うことができないなんて、将来ろくな大人になりません... --- ### ボランティアを半年続けられた息子に起きたまさかの出来事 - Published: 2022-05-25 - Modified: 2024-10-09 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2471/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】不登校は幸せへの道, 2022年6月1日号  「よかれ」と思ってやらせようとしたことで、かえって本人を追い詰めてしまう。そんな経験ありませんか?岩手県在住の後藤誠子さんも、不登校・ひきこもりの息子さんに対し、そんな失敗をくりかえしてきました。今回はその1つを書いていただきました。(連載「不登校は幸せへの道」第18回)  「よかれ」と思ってやらせようとして、かえってひきこもりの次男を追い詰めてしまったことがたくさんある。その1つがボランティアだ。親の会で、高齢者のお宅に弁当を配達するボランティアを次男といっしょにやってみたらどうかと勧められた。それまでにも次男をボランティアに誘っては断られていたので、あまり期待せずに「やってみないか」と声をかけた。すると思いがけず次男が「やってみる」と言うではないか。たまたま気が向いたのか、理由はわからないが、とんとん拍子に話は進み、弁当配達へ行く朝がやってきた。  次男は起きてくるだろうか、心配でよく眠れないまま朝を迎えた私だったが、意外にも次男は私より早く起きてきた。私も慌てて飛び起き、次男の後を追いかけ思わず口走った。  「どうしたの? こんなに早く起きて」。「なんで? 起きたら悪いの?」。次男がにっと笑って言った。その日の次男の行動はまさに百点満点だった。弁当を運ぶだけではなく、初めて会う高齢者の方にきちんと挨拶し、おしゃべりにも付き合い、笑顔もときおり見せていた。私は、そんな次男の姿が誇らしかった。知らない人に会って、話す。それは次男にとって、どんなに大きな壁だったろう。次男はその壁を超えた。しかも軽々と。  帰りの車のなかで、私は静かに次男を褒めた。心理士の方から「くれぐれも大喜びしてはいけない、ひきこもりの親はどーんと構えて子どもの成長を見守るのみ」と言われていたから。とはいえ、心のなかでは踊りだしたいくらいうれしかった。きっと次男にはそんな私の気持ちはお見通しだったろう。月2回の弁当配達のボランティアを始めて半年。毎回次男は自分から起きてくる。順調すぎて、私はすこし油断していた。  その朝、次男は起きてこなかった。私は軽い気持ちで部屋まで起こしに行った。「起きてね、ボランティア行くよ~」。次男は腕で頭を抱えて布団から出て来ない。「あれ? ちょっと、何やってんの? 起きて、起きて」。声が大きく、きつくなるのが自分でもわかった。次男の腕を強くつかんでぐいぐいと引っ張... --- ### 映像会社で働く僕が不登校経験を「こんなもん」と思えた理由 - Published: 2022-05-25 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/interview/2474/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 当事者の声, 2022年6月1日号 - ハッシュタグ: 通信制高校  構成作家の「今日からみやもと」さん(29歳)にとって、不登校はずいぶんと重い「十字架」だったという。しかし、30歳を目前にした現在、心境に変化があったそうだ。不登校で苦しんでいた当時のようす、不登校に対する心境の変化について、執筆していただいた(※写真は「今日からみやもと」さん)。  地元の高校で中退、隣町の高校へ移ってもう一度中退。あわせて2度の中退を経て、僕は不登校になった。 約15年前のことだ。地元は非常に狭い田舎だったので、自分くらいしか不登校の子がいなかった。だから、よけいに目立ってしまったのだろう。僕の不登校のうわさはすぐに知れ渡った。「学校なんて行きたくない」と思っていたけれど、自分が不登校であることには引け目を感じていたから、堂々とはできなかった。  思い返せば、このころから僕にとって不登校は「十字架」そのものだった。「みんなと同じではない自分」が嫌になっていたのだ。だから友だちはおろか、家族ともろくに顔を合わすことができなかった。共働きの両親が家にいないあいだに居間で食事をすませ、みんなが寝静まったころに風呂に入る。  それ以外の時間は自室にこもるといった生活が、正味2年ほど続いた。 バイトと成人式 無力感だけが  その後すこしずつ外へ出るようになったが、気づけば同級生たちは高校を卒業し、どんどん先を進んでいた。焦りを感じた僕は、地元のホームセンターでアルバイトを始めたが、そううまくはいかなかった。知り合いがお店にくるたびに、顔を合わせるのが嫌で店のバックヤードに逃げてしまうことがあったのだ。見兼ねた社員が裏方の仕事にまわしてくれたおかげでその場をしのげたが、当時は無力感でいっぱいだった。  成人式でも現実を突きつけられた。せっかくだからと勇気を出して参加したものの、いざまわりを見渡すと、同級生たちは大学進学や就職を経験していて、ずいぶんと大人に見えた。すこしずつ社会になじもうとしていた自分とちがい、同級生たちはすでに社会へ溶け込んでいる。それに対して僕はただ歳をとって成人しただけ。みんなと同じようなスーツを着ているはずなのに、自分だけが幼く見える。途端に恥ずかしさでいっぱいになった。そうした無力感や羞恥心が、「十字架」をより重くさせた。  しかしこのとき、1つの転機があった。両親から「せめて高校だけは卒業してほしい」と言われたのをきっかけに、2... --- ### 富山県で不登校支援20年の実績を持つフリースクール「はぁとぴあ21」 - Published: 2022-05-25 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2510/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 【連載】不登校その後の居場所, 2022年6月1日号 - ハッシュタグ: 通信制高校  富山県の不登校支援団体「NPO法人はぁとぴあ21」にお話をうかがった。フリースクールと通信制高校、放課後等デイサービスなどを合わせて150名の子どもが在籍する「はぁとぴあ学園」とは、どのような居場所なのだろうか。(連載「不登校その後の居場所」第2回/企画執筆・茂手木涼岳) ※写真ははぁとぴあ学園「フリースクールフレンズ」のようす * * * ◎団体の概要・理念 私たちは1994年に富山県射水市に不登校の親の会を立ち上げるとともに、子どもの居場所事業も始めました。現在は、フリースクール、通信制高校との連携、放課後等デイサービスなどを運営し、これら3つを合わせた「はぁとぴあ学園」には、計150名あまりの子どもたちが在籍しています。  私たちのウリは20年近く不登校支援を続けていることです。  私たちは広域通信制高校の「さくら国際高等学校」と提携しており、私たちのフリースクールで学びながら高校卒業資格を取ることができます。このような「サポート校」は全国にありますが、ほかの通信制高校・サポート校とちがい、私たちには20年間の不登校支援の実績がある分、親も子も安心してくださることが多いです。 ◎入学/転編入の流れ フリースクールは①親の見学、②子どもの見学、③通所(初月は無料)というプロセスです。サポート校は入試を行ないますが、試験は作文と面接のみ。学力テストは行ないません。面接では本人の「卒業したい」という意思を重視します。転入は、11月ごろまで受け付けています。なお、中学へまったく行かなかった子と、ある程度行けた子で、クラス分けを行ないます。そうしないと学力的な面でなかなか難しいからです。ただし、クラスは自分で選んでもらいます。学力テストなどをしてふり分ける、ということはありません。 ◎入学費用や年間の学費 フリースクールの利用は1回来るごとに1000円です。月謝はありません。月謝がないのには驚かれるかもしれませんね。正直なところ、私たちの住んでいる地域は、まだまだ「学校へ行くのがあたりまえ」という価値観が根強いです。「フリースクール」というものを知らない人も多いです。そんななか、公立小中学校は無料なのに、フリースクールは月謝何万円いただきます、というのは、なかなか通用しないんです。ここは苦しいところですね。  サポート校を利用する場合の費用は、本校である「さくら国際高... --- ### 不登校のSOSを見逃さず受けとめるための2つのポイント【全文公開】 - Published: 2022-05-24 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/2465/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, コラム, 2022年6月1日号  「学校へ行きたくない」と考える子どもが発するSOSには、どのようなものがあると思いますか?ときに言葉で、ときに行動や身体症状で出されるSOSに対し、親としていち早く察知して受けとめるために、どんなことに気をつければよいか。不登校取材歴15年の本紙記者が親御さんに知っていてほしい2つのポイントをご紹介します(※画像はイメージです)。 * * *  ゴールデンウィークが明けました。新年度が始まり、すこし落ち着いたこの時期は、フリースクールなどへの問い合わせが増えるなど、新たに不登校になる子どももいます。そこで今回は、不登校の子どものSOSについて考えます。  まず、もっともわかりやすいSOSは「学校へ行きたくない」と子どもが言ってきたときです。このときの親の対応はただ一つ、「わかった」と伝えて、実際に休ませることです。なぜなら、子どもが言葉にして伝えてきたというのは「限界」を知らせるSOSだからです。子ども自身、不登校してよいなどと最初から考えていることはまれですし、そんなことを言ったら親はどう思うかと悩み続けています。葛藤し続け、しかし、もうどうにもならないタイミングがやってきたとき、その一言が出ます。つまり、軽い気持ちで言っているわけではないのです。  このときによくあるのが「わかった。でも、もうすこしがんばってみよう」と子どもの背中を押すというもの。学校の先生が「一度休むと、不登校が長引くから」との思いから子どもを励ます事例も聞きますが、これは逆効果というより、百害あって一利なしと言っても過言ではないと私は考えています。自身の限界を感じ、やっとの思いで発した一言を受けとめてもらえなかった子どもの気持ちを考えると、とても残酷な対応ではないでしょうか。「休みグセがついたらたいへん」と言う人もいますが、私の経験上、「休めないグセがついたほうがたいへん」です。子どもが自身の痛みを周囲に隠しながら登校を続けることでできた傷が癒えるには、長い時間を要する場合があるからです。 言葉にならない  子どもが発するSOSは言葉だけではありません。行動や身体症状などのかたちであらわれる場合もあります。代表的なものを挙げると、「昼夜逆転や不眠」「玄関でうずくまって動かない」「トイレから出てこようとしない」というものから、「頭痛や腹痛」などの身体症状のほか、笑顔がなくなって能面のような表... --- ### 全国の不登校の居場所情報が載った親必携の1冊 - Published: 2022-05-24 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/books/2503/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 書籍紹介, 2022年6月1日号 - ハッシュタグ: 通信制高校  うちの子が通える居場所はどこにあるのか。わが家の不登校について相談できる窓口はないか。そんな悩みを持つ親御さんにおすすめしたい本があります。全国545カ所の居場所や相談先を網羅している本書の内容とともに、活用する際の注意点についてもご紹介します。 * * * 今回ご紹介する書籍『全国フリースクールガイド』は、フリースクールやオルタナティブスクールなどのほか、教育支援センター・不登校の親の会・相談窓口など、日本全国にある545カ所の小中高校生年齢の子どもたちの居場所情報を取りまとめた1冊です。 フリースクールと一口に言っても、NPO法人が運営するところもあれば、学校法人や一般社団法人が運営するところもあるなど、じつに多様です。  また、活動内容ひとつとっても、通所型や自宅訪問型のほか、寮で共同生活する場合など、多岐にわたります。本書では、こうしたフリースクールの基本的な概要についておさえつつ、誰もが気になる費用についても紹介しています。  このほか、中学卒業後の進路として、高校生年齢を受けいれているフリースクールのほか、通信制高校やサポート校、高等専修学校や技能連携校、高卒認定試験などの解説も載っています。本書を活用するにあたって1点、親御さんにお伝えしたいことがあります。「本書は親御さんが読むものである」ということです。まちがっても、本書をリビングに置いて子どもが読むようにお膳立てするようなことはやめていただきたいと思います。それはたんなるプレッシャーにしかなりません。  私が本書を親御さんにご紹介する目的は「親の溜めをつくること」にあります。溜めの多さと厚みは、親の心のゆとりに直結します。そんな溜めの1つが情報です。親が困ったときの相談先として〇〇があるということを親が事前に知っておくこと。そして、子どもが動き出そうとするときに「〇〇があるよ」と子どもに伝えることができる。そうした情報の溜めは、親自身の漠然とした不安を解消するために必要です。親の懐にそっと忍ばせておく1冊としておすすめします。 (編集局・小熊広宣) 『全国フリースクールガイド~小中高・不登校生の居場所探し』 学びリンク株式会社 2750円(税込) (初出:不登校新聞579号(2022/6/1発行)。掲載内容は初出時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### 不登校の息子の対応で夫婦が同じ方向を向くようになったきっかけ - Published: 2022-05-24 - Modified: 2024-10-09 - URL: https://futoko-online.jp/parents/2485/ - カテゴリー: インタビュー, 保護者の体験談 - タグ: 会員限定記事, 親の思い, 2022年6月1日号  今回インタビューしたのは、金子あかねさん・金子純一さんご夫妻。小3で息子さんが不登校になった当初、お2人の考え方には溝があったそう。しかし、ある出来事をきっかけに同じ方向を向き、今では不登校の子を持つ親が学べる場「びーんずネット」を主宰しています。お2人の不登校観やちがう考えを持つ人どうしが歩み寄るコツなど、経験から得られたポイントをうかがいました(※写真は金子夫妻)。 * * * ――息子さんが学校へ行かなくなった経緯を教えてください。 金子あかね(以下・あかね)もともと息子は幼稚園のころから、友だちにからかわれて手洗いがとまらなくなるなどの繊細さが見られ、小学校でも友だちとのトラブルを抱えていました。  また、文字を書くことに強い苦手意識もあったようで。小3の夏休みの終わりに「漢字のない世界へ行きたい」と突然号泣したことがあったんです。  そうしたら数日後には「学校に行きたくない」と書かれたメモがテーブルに置いてあって。その後、2学期から学校を休むようになり、11月ごろには完全に行かなくなりました。  私としては、息子の不登校に対して、驚きやとまどいよりも「やっぱり」という思いのほうが強かったですね。 学校へ戻そう ――当初はご夫婦で不登校への考え方に隔たりがあったとうかがいました。 金子純一(以下・純一)妻とは対照的に、僕にとって息子の不登校は晴天の霹靂というか「まさかの出来事」だったんです。自分の息子が学校へ行かなくなるなんて思ってもいなくて。  当時、友だちとのいさかいがあることを息子から聞いていたので、僕はそれが問題の中心だと見ていました。「友だちとの問題を解決できさえすれば、息子はそのうちまた学校へ戻る」と思っていたんです。  だから、妻とは別のベクトルで学校へ行けるようにと、そのためのアドバイスや励ましを息子にしていました。 あかね 私は息子の状態を思うと、このまま学校へ通い続けるのは厳しいだろうなと感じていました。なので、わりと早い段階から学校以外のフリースクールの情報などを集め始めたんです。  当時、担任の先生とは週に一度くらい連絡帳や電話で連絡を取っていたのですが、そのなかで、なかなか思いが伝わらないと感じたことも学校外の場所へ目を向けるきっかけになりました。  たとえば「息子のやる気をこれ以上失わないよう、トメ・ハネ・ハライなど漢字の細かい... --- ### 団体の理念、会費、卒業後の進路は 不登校その後の居場所を紹介「フリースクール地球子屋(熊本県)」 - Published: 2022-05-16 - Modified: 2024-11-01 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2894/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】不登校その後の居場所, 2022年5月15日号 - ハッシュタグ: フリースクール  新連載「不登校その後の居場所」を掲載します。不登校の子の居場所となりうる、フリースクールや通信制高校などを毎号1つずつとりあげます。第1回は「フリースクール地球子屋」です。代表の加藤千尋さんにお話をうかがいました(企画・文/茂手木涼岳)※画像はイメージです * * * ◎団体の概要・理念 「フリースクール地球子屋」は1996年に不登校の子の保護者が中心となり、熊本市に設立した子どもの居場所と学びの場です。ここの特徴は3点あります。 1つ目は「保護者の支援」です。保護者が子どもをどう支えるべきなのかを理解しないと、子どもが元気になることが難しいことから「子どもの支援は、まず保護者の支援から」と考えています。  2つ目は「あえて教育理念を掲げない」ということです。  どんな教育理念でも、大人が上から押しつけたら学校と変わりません。子どもに「何かをしてほしい」と求めず、自分で考え行動することを後押しします。  3つ目は「不登校の子だけではなく、地域の大人や子どもたちも集まる場」だということです。「不登校」というだけで子どもたちを分断してはならないと考えています。子どもの成長に必要な環境をつくることが地球子屋の使命です。 ◎子どもの年代や特徴 小学1年生から30代の若者まで、20人です(小学生5人、中学生8人、高校生4人、それ以上3人)。男女比は6対4くらいで、男性のほうがすこし多いです。 ◎1日の生活の流れ 月曜日~金曜日の週5日、13時~19時まで開所しています。13時~15時までは「体験活動」です。料理・お菓子づくり、バドミントン、科学実験、地球子屋環境美化活動などを行ないます。  15時からおやつ、16時半から17時半は地域の子どもも受けいれ、地域の人たちといっしょにすごす「地域活動」です。自由に遊べるようにTVゲーム、マンガ、ボードゲーム、運動遊具など自分たちで遊べる環境を重視し、家庭環境が複雑になるなか、子どもが孤立しないようにしています。 ◎入学/転編入の流れ 生徒は随時募集中です。受けいれは①保護者面談、②親子で見学・体験、③通所です。ただし、通所にあたっては、子どもの本人の意思を何より尊重しています。 ◎子どもの安全配慮のために気をつけていること 意見の相違や、相手を許せないときにどう対処するか、また自分の意見をどう伝えるか、ということを「対立から学ぼう... --- ### 自動車免許を取ると言いながら動かない息子を追い詰めてしまった私の一言 - Published: 2022-05-16 - Modified: 2024-11-01 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2918/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】不登校は幸せへの道, 2022年5月15日号 - ハッシュタグ: 不登校の親, ひきこもり, 引きこもり  不登校を経験し、自宅ですごす息子。「自動車免許を取る」と宣言したものの、一向に行く気配が見えません。焦った母親の後藤誠子さんは、ついNGワードを言ってしまいました。それは息子さんにとって、もっともキツい一言だったのです。(連載「不登校は幸せへの道」第17回)※画像はイメージです  「よかったこと探し」が私たち親子の生活に光を与えてくれたと前回書いたが、その光はまだまだ小さな光でしかなく、ときとして消えてしまうこともあった。  東京から帰ってすぐ、次男が自動車免許を取ると宣言し、2人で張り切って入学の手続きへ行った。ところが次男が自動車学校へ行けたのはたったの1日だけ。その後はなんだかんだと理由をつけてまったく行かない日が続いた。  自動車学校は半年で卒業するという規定があり、卒業できなければ払い込んでしまった入学金や教材費などがすべてムダになってしまう。1カ月、2カ月とすぎるうちに、私はまた不安になってきた。  「そろそろ自動車学校行かないとね」。  軽く言ったつもりだが、次男には私がイライラしているのが伝わっていたと思う。初めのうちは「はいはい」と面倒くさそうに応えていた次男だが、だんだんとそれもなくなり、私が自動車学校のことを口にするたび表情が無くなっていった。  卒業期限まで2カ月を切ったある日、私は言ってしまった。「ねぇ、もう期限まで2カ月ないよ。自動車学校どうするの? 行くの? 辞めるの? そろそろ決めないと... ... 」。最後まで言い終えないうちに、次男が突然テーブルの下に頭を突っ込み、後頭部をテーブルにはげしく打ちつけ始めた。ゴンゴン、ゴンゴンと何度も何度も打ちつける。私は驚いて次男をとめようとした。  「やめなさいよ、痛いでしょ、ケガするよ」。それでも次男はやめない。無表情でテーブルに頭を打ち続ける。「ごめんなさい、ごめんなさい、もう言わないから、やめてよ、やめてよ」。ゴンゴンという音を打ち消すように大声で怒鳴った。次男がケガをするのも心配だったが、それよりも頭を打ちつけるという行動の異常さに恐怖をおぼえていた。次男が私の知っている次男ではなくなってしまう。精神に異常をきたしてしまったのではないかと、とても怖かった。  そのあとのことはよく覚えていない。次男の行動があまりにも衝撃的だったからだろうか。何年もたってから、やっと気づいた。あれは自傷... --- ### 6年間関わり続けた私にとっての不登校・ひきこもり当事者会 - Published: 2022-05-13 - Modified: 2024-10-29 - URL: https://futoko-online.jp/children/2938/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2022年5月15日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり  不登校経験者のザンヌさん(20代)は、長いあいだ他者に心を開けずにいたが、ひきこもりの当事者会に参加したことをきっかけに、自分や他者とあらためて向き合うことができたという。その後も不登校・ひきこもりの当事者会に6年間足を運んでいたが、関わり続けるなかで、しだいに「居場所」に対する捉え方にも変化があったそうだ。当事者会に関わるきっかけや心境の変化を執筆していただいた。  私が自分の極度に自閉的な内面を見つめ、ひきこもりの経験者が集まる当事者会に参加し始めてから、すでに6年ほどが経とうとしている。当時21歳だった私は、幼少期の家庭での虐待、それが原因となった不登校や高校中退などの過去の混乱から、どうしてもいたたまれなくなり、1年ほど、バックパッカーとして世界を放浪したあとだった。  旅をしているあいだは、時間があればキンドルで買った電子書籍を読み、自分の張り裂けそうになる心の原因を必死で探しあぐねていた。心理学や虐待に関する本を読んでいくうちに、自分には他人に心を開けない要素があるということに気がついた私は、帰国後、同じような苦しみを抱える人たちが集まるひきこもりの当事者会に参加するようになった。  実際私にはひきこもりの経験はないが、当事者会には私のように過去に多くの困難を抱えた人たちがいて、しだいに私も自分の内面の苦しみを打ち明けられる場となった。人づてにほかの当事者会も紹介され参加していくうちに、定期的に通う場所もいくつかできた。そこでの人々との関わりは、すべてが美しいものではなかったにせよ、自分の内面への理解に大きく貢献した。  しかし、定期的に通う場所を見つけはしたものの、私は本当の意味で当事者会を「居場所」と感じることはできなかった。  その原因のひとつは、それらの「居場所」で受けいれられているという実感を、当時の私が持てずにいたことにある。というのも、ひきこもりや不登校というテーマで集まる居場所では、世間が持つイメージのように、自分は暗く静かにその場で振舞わなくてはいけないという、学校や一般社会とはまた異なる、目に見えない同調圧力を感じたからだ。はたから見れば私は、世界を旅し活動的に見える部分もあり、また当時は髪の色も明るかったため、自分の混沌とした内面とは真逆の印象を他人に与えていたことが壁となっていたのだと思う。  また、私自身がほかの参加者に対して... --- ### 不登校で数カ月外に出られず 転機はカメラとの出会い - Published: 2022-05-13 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/children/2928/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 当事者の声, 2022年5月15日号 - ハッシュタグ: 通信制高校  本紙で写真撮影をお願いしている、写真家の矢部朱希子さん。じつは不登校経験者なんです。高校1年生のころにカメラと出会ったことが、写真家を志すきっかけになったという矢部さん。当時の出来事や、写真家になるまでの道のりなどを執筆していただきました(※写真はイメージです)。 * * *  初めまして。写真を撮っている矢部朱希子と申します。ときどき、『不登校新聞』のインタビュー記事で撮影をさせていただいています。たぶん、自分が不登校だったとはっきり話すのは、これが初めてではないでしょうか。社会に出て、不登校は好意的にはとられないという実感を持ち、自分を守るためにも信頼できる人以外には話さないでおこうと思っていました。  それから時がたって『不登校新聞』の石井さんに出会う機会があり、『不登校新聞』で写真を撮影させていただくことなりました。撮影の依頼を受けたとき、「結局ここに戻ってくるんだな」「それならばこれが自分の仕事なのかもしれない」と覚悟のような思いを持ちました。  私が写真を撮るきっかけ。それは私自身の不登校ともつながっています。  中学3年生のときに引っ越しのため転校をし、新しい学校になじめず、そのまま不登校になりました。最初に登校した日にクラスの全員から無視され、いないものとして扱われ、自分としてもどうしていいのかわからなくなりました。学校へ行かないという明確な意志があったわけではなく、自分でもわけがわからず、ただただ体も心も学校へ行くことを拒んでいました。学校へ行けなくなった私は、外にも出ることができなくなり、今となってはどのぐらいの期間か覚えていないのですが、すくなくとも何カ月ものあいだ、家から一歩も外に出られなくなってしまいました。そのころはまだ不登校という呼び名ではなく「登校拒否」と呼ばれていて、学校へ行かない子どもはいきなり精神科を受診させられるようなこともある時代でした。 矢部朱希子さん カウンセラーへ  私はある施設のカウンセラーのところへ通っていたのですが、その人はいつも私の話を否定せずに、「あっこちゃんはおもろいわ~」と言って聞いてくれていました。当時の私は自分がこれからどうなるのか不安でいっぱいで、生きていてもいいのかもわからず、ずっと死にたいと思っていました。そんな私が唯一のびのびと話せるのは、その人と話をしているときだけでした。今となってはそう... --- ### 離島における不登校の現実、親のしんどさ 奄美大島に誕生した「フリースクールMINE」 - Published: 2022-05-12 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/interview/2935/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 2022年5月15日号 - ハッシュタグ: 通信制高校, フリースクール, 不登校の親  2021年、初の民間フリースクールとなる「フリースクールMINE」が鹿児島県奄美市に誕生しました。代表を務める林花穂さんは自身、不登校の子を持つ母親でした。わが子の不登校をめぐって「最初は不登校を受けいれられなかった」「せめて高校ぐらいはと葛藤し続けた」と語る林花穂さんは、母親としてわが子の不登校とどう向き合ってきたのか。そして、みずからフリースクールを立ち上げるに至った背景にはどのような思いがあったのか。「不登校の概念をなくしたい」と語る林花穂さんに、お話をうかがいました(※写真はフリースクールでのようす)。 * * * ――林さんの不登校とのかかわりからお聞かせください。  子どもが3人いまして、真ん中の娘と末っ子の息子が不登校でした。当初は子どもの不登校をなかなか受けいれることができなかったんですが、2013年に「一歩の会」という不登校の親の会を、あるスクールソーシャルワーカーが立ち上げてくれました。「一歩の会」の世話人は現在、私が引き継いでいまして、これが私の転機であり、また原点でもあります。 ――「フリースクールMINE」を立ち上げたいきさつをお聞かせください。  東京で開催されたフォーラムに娘といっしょに参加した際、フリースクールやホームエデュケーションで育った子どもたちの話を直接聞く機会がありました。そんな育ち方があるのかと、まさに目からうろこ。親子そろって衝撃を受けました。 親の会、娘の一言が後押しに  それからフリースクールについて調べ、フリースクールスタッフ養成講座に参加するなかで「奄美にもフリースクールがほしい」と思うようになりました。 親の会メンバーからも「子どもが集まれる居場所があったらいいね」という声がありましたし、「私と同じように不登校で苦しむ子どもをこれ以上増やしたくない」という娘の一言も後押しとなり、2021年9月に「フリースクールMINE」を立ち上げました。奄美では初の民間のフリースクールとして、現在は週2日で活動しています。  奄美市は人口4万人ほど。地域のなかには優しい方も多くいる一方で、ひと昔前の感覚で不登校を捉えている方もいます。平日に子どもが街中を歩いていると、子どもに直接声をかけるのではなく、学校へ通報するという話も聞きますし、図書館にいた子どもが追い出されてしまったということもありました。  フリースクールがあれば... --- ### 母・支援者として見てきた不登校の20年、親子で大丈夫と思えるために必要なこと【全文公開】 - Published: 2022-05-11 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/parents/2666/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 無料記事, 親の思い, いじめ, 2022年5月15日号  かつては不登校の子を持つ親として、その後は不登校の子どもや親を支援する団体「結空間」(大阪府富田林市)の代表として、20年に渡り、不登校を見続けてきた中尾安余さん。「不登校でつらい思いをする子どもと親の苦しみの根本は変わっていない」と言う中尾さんに、わが子の不登校とどう向き合い、何に救われたのか。そして今、不登校で悩む親へ向けて伝えたい思いとは。中尾さん自身の20年を振り返りつつ、お話をうかがいました。 * * * ――中尾さんの2人のお子さんも不登校を経験されたとうかがいました。経緯を教えてください。  息子はひどいいじめにあい、学校へ行けなくなりました。幼稚園のときから近所の子どもたちから、いじりというか、いじめというか、からかわれるようなことを、ずっと受けていました。息子が小柄だったせいもあったのかと思いますが、それは小学校へ上がっても続きました。  息子が小学4年生のとき、学校へ行きしぶるようになりました。当時は息子を車に乗せて無理やり登校させるということもしていました。息子は教室へ行き、学校できちんと1日すごして帰宅するのですが、かなりの無理をさせてしまったと思います。今思い出すと、自分の無理解さに身を切られる思いがします。 命に関わる息子へのいじめ  不登校になって何年か経ち、殴る・蹴るなどの暴力以外にも、命に関わるいじめを受けていた事実を初めて聞きました。登下校の際、歩道を歩いている息子を車が来るのを見計らって車道に突き飛ばす、教室がある3階の窓から突き落とそうとする、というものでした。  小学6年生のときに、修学旅行の際の出来事を息子が文集に書きました。読んだ保護者数名から「これはいじめでは?」という問い合わせが学校にあったのです。文集は回収され、担任教師は「事実じゃないから、書き直せ」と言ってきました。しかし、息子は「事実だから書き直しは嫌だ」と、頑として譲りませんでした。私も学校へ呼び出されて「書き直すよう説得してほしい」と言われましたが、当然断りました。  その後、どうなったかというと、担任が息子の文を編集して、新しい文集を配り直したんです。先生が勝手に子どもの文をカットしてつぎはぎするなんて、なんてとんでもないことをするのかと思いました。これが大きなきっかけとなり、息子はいっさい小学校へ行かなくなりました。 中学でもいじめの事実は認めず ―... --- ### 当事者の声を聴き続けて20年、ひきこもり支援とは何かを問う1冊 - Published: 2022-05-11 - Modified: 2024-11-18 - URL: https://futoko-online.jp/books/2699/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 2022年5月15日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり  「語る」ことと「聴く」ことはセットになって初めて成立する――。ひきこもり当事者らの集いに20年にわたり参加し続けている松山大学教授・石川良子さんは、そう語ります。そのうえで、「聴く」ことの重要性とともに、ひきこもり当事者が抱える「語れなさ」に注目した本書。たんなるひきこもり「支援マニュアル」ではなく、ひきこもりにおける支援とは何かを掘り下げる1冊をご紹介します。  本書の著者である松山大学教授・石川良子さんは、ひきこもり当事者らの集まりに参加するなかで約20年、当事者の声を「聴く」ことを続けてきた研究者です。本書はその「聴く」を切り口に、支援のあり方を論じています。  石川さんは「語る」ことと「聴く」ことはセットになって初めて成立するものと指摘します。  それをふまえ、当事者の経験を理解するうえで重要な「語れなさ」に注目していることが本書の核であると感じます。「語れなさ」とは、自身の気持ちをうまく言語化できないというだけではありません。「聞き手のニーズに沿うことしか語れなくなる」「<働かなければ生きていけない>と言われて話が通じない」「共感のつもりで発した<みんなしんどい>という一言で言葉を封じ込められる」などの場合があると石川さんは言います。  これは、不登校にも通じるものです。私自身、不登校経験者に話を聞く際に「なぜ不登校になったのか、今でもよくわからない」と言われることがあります。また、不登校経験者が登壇するシンポジウムなどの取材を通じ、何人もの当事者の声を聴いてきました。しかし、それは聴いたつもりになっていたのかもしれないと、あらためて内省するきっかけにもなりました。  石川さんは「聴く」ことにおいてもっとも重要なことは「相手をジャッジしないこと」であり、「聴く」ことは「語った人の生を支える行為」と言います。つまり、当事者のまわりにいる人間が「聴く」耳を持つことが重要ということです。さらに言えば、それはひきこもり支援という枠組みにとどまらないことであり、本書のタイトル『ひきこもりから考える』の「から」という部分に、石川さんのそんな思いが込められているように感じます。立場を問わず、多くの方に読んで頂きたい1冊です。(編集局・小熊広宣) 『「ひきこもり」から考える―<聴く>から始める支援論』 石川良子/筑摩書房 858円(税込) (初出:不登校新聞578号(2... --- ### ゲームの制限や勉強はどうしていた?不登校の親に聞く「8つの質問」その2【全文公開】 - Published: 2022-04-26 - Modified: 2024-11-30 - URL: https://futoko-online.jp/parents/3473/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: ゲーム・スマホ, 無料記事, 親の思い, 2022年5月1日号 - ハッシュタグ: 不登校の親  高2の9月から息子さんが不登校になった、木元香織さん(仮名)。ゲーム時間の制限や家での勉強、学校への欠席連絡などはどのようにされていたのでしょうか。不登校の親の多くが気になっている「8つの質問」をしてみました。(聞き手・茂手木涼岳、編集・棚澤明子) * * * ――現在22歳の息子さんは、高2の9月から半年間不登校だったとうかがいました。どのような状況だったのですか?  小学生のころから吹奏楽をがんばっていた息子は、吹奏楽部が有名な県立高校に入学しました。ところが、その部活は勝利至上主義で、部員どうしのマウンティングもひどいし、要するに「ブラック」だったんです。結局、勉強との両立も人間関係も行き詰まって、退部しました。そうしたら、学校そのものに居場所がなくなってしまったんですね。  そんなある日、「電車に飛び込んじゃおうかと思った」と息子が打ち明けてくれたので、「ちょっと休んだほうがいいよ」と話して、休み始めました。それが高2の9月です。その後10月には学校を辞めること、高3の4月からは公立の定時制高校へ行くことを自分で決めました。  転校までの半年間で、すこしずつ元気が戻りましたね。転校後は登校できるようになって、現在はアルバイトをしながらプラモデル製作のプロを目指しています。 ――ゲームやネット、スマホの使用時間は制限していましたか?  小学生のころからゲームが好きだったのですが、夫がとても厳しくて、ゲーム機を取り上げて捨てたり、バキッと折って破壊したり... ... 。息子はつらかったでしょうね。私もゲームはあまりさせたくなかったのですが、「不登校の子が元気を取り戻すためには、好きなことをやらせるほうがいい」と本やネットから知識を得て共感したので、制限することをやめました。正確には、制限することをあきらめた、ということかもしれません。 ――不登校になって、生活リズムに変化はありましたか?  昼夜逆転して、午後3時ごろに起きることもありました。ゲームやプラモデルを夜中にやっていたのかもしれません。元気が戻ってきて高校2年の12月ごろからバイトを始めましたが、そこからは生活リズムがととのっていきました。 ――おこづかいはどうしていましたか? 不登校になる前と後で変わらず月額5000円でした。バイトを始めてからは、渡していません。 祖父母の圧力 私が防波堤に ――... --- ### 7人による不登校インタビュー事例集出来、経験者・親・支援者が語る不登校 - Published: 2022-04-26 - Modified: 2024-10-23 - URL: https://futoko-online.jp/books/3457/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, いじめ, 書籍紹介, 2022年5月1日号 - ハッシュタグ: いじめ  不登校について、経験者・親・支援者など、7人によるインタビューをまとめた書籍を紹介します。僧侶、表現者、NPO代表など、さまざまな立場から語られる不登校当時のつらさ、転機となったきっかけ、不登校その後とは――。 * * *  今回ご紹介する1冊は、不登校で悩む親向けのセミナーやイベントを開催している「びーんずネット」が半年ごとに発行している不登校インタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』の最新号です。本書に登場する7人は、不登校・ひきこもり経験者のみではありません。わが子の不登校を機に現在は不登校の相談事業や親の会などの活動に取り組んでいる父親や母親のほか、フリースクールの運営や訪問活動などを通じて不登校の親子への支援活動に取り組むNPO法人代表など、多岐に渡ります。  現在、役者やダンサーのほか、ラジオパーソナリティとしても活動する井野口さやさん。荒れたクラスやいじめなどにより、小5、小6、中2と、3度の不登校を経験しました。なかでも、2回目の不登校のきっかけになったエピソードは目を疑いました。夏休み明け初日、クラスの女子3名に「いじめるほうか、いじめられるほうか選んで」と言われたのです。さやさんは翌日から不登校することになりますが、このことは親にも話せず、人前で話せるようになったのは高校2年生だったと言います。現在は子どもたちにダンスを教える仕事もしており、「今の教育に足りないのは自分の意見を表現すること。その気づきが今の仕事につながっている」と、さやさんは語ります。  また、巻末には今回登場する7人に対し、4つの同じ質問をしています。なかでも、「つらかったころ(または10年前)の自分に伝えたいメッセージは?」という質問について、「道は1つだけじゃない」「1人でがんばるな」などの言葉に込められた思いを読んでいくと、不登校で今この瞬間もつらい状況にいる子どもたちに向けられたメッセージでもあるように感じます。(編集局・小熊広宣) 『雲の向こうはいつも青空vol. 7』 びーんずネット 1100円(税込) https://beans-n. com/behind-the-clouds/ (初出:不登校新聞577号(2022年5月1日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### よいとこさがしに必死だった私、まちがいに気づいたことでひきこもる息子に戻った笑顔 - Published: 2022-04-26 - Modified: 2024-10-23 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3464/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】不登校は幸せへの道, 2022年5月1日号 - ハッシュタグ: 不登校の親  息子さんの不登校・ひきこもりに悩み、心療内科医の勧めで相談会へ行った後藤誠子さん。相談会でどうしても苦手だったのは、「よかったことを話す時間」でした。しかしこの「よかったこと探し」がきっかけで、暗い日々を送っていた後藤さんに光が差し始めることになるのです。(連載「不登校は幸せへの道」第16回)※画像は後藤誠子さん  「こんなに明るいひきこもりの母親はいない」と私を評した心療内科医が、相談室を出ようとする私に言った。「うちの病院の家族相談会に来てみたらいいんじゃないかな」。そこは私がすこし前から行くようになった地域の親の会とはちがい、心理士や保健師の方も参加し専門的なアドバイスを受けられるとのことだった。私はすぐに参加を申し込んだ。  病院の家族相談会に月に1度通うようになって、私は本当の意味で自分と向き合い始める。そのきっかけとなったのが相談会で毎回行なわれる「よかったこと探し」だ。  自己紹介をかねて最近自分にあった「よかったこと」をみんなの前で発表するのだが、通い始めて数カ月間、私はこれが本当に苦痛だった。ほとんど部屋から出てこない次男との生活のどこに「よかったこと」などあるというのか。それでも何か話さなければと探し続け、あるときの相談会で、ほかの母親が話した一言にはっとさせられた。「今日ここに来られたことが一番よかったことです」。  「あっ」と声を上げそうになった。そうか、それでいいんだ。そんなことならいくらでもあるじゃないか。天気がよくて洗濯物がよく乾いたこと。近所のスーパーでトイレットペーパーの特売をしていたこと。なんでもいいのに、なぜあんなに苦しんでいたのだろう。やっとわかった。私は次男のことしか見ていなかったのだ。次男の状態によかったことを探そうとばかり考えていた。次男からすこしでも目を離してみれば、よかったことなんてたくさんあるのに。  そう気づいてからよかったこと探しがどんどん上手になってきた。しだいに次男の状態にもよかったことを見つけられるようになった。「私の言葉にうなずいてくれた」、「ご飯を食べておいしいと言ってくれた」、「食器を洗うのを手伝ってくれた」。以前はすこしもよいと思えなかった次男の小さな行動ひとつひとつに目が行くようになってきた。次男がほかの人と同じように朝起きて学校へ行ったり仕事へ行ったりする。それができないなら、よいことなんか... --- ### 毎日の欠席連絡は地獄です。不登校の親に聞く「8つの質問」その1 - Published: 2022-04-26 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/parents/3471/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 親の思い, 2022年5月1日号 - ハッシュタグ: 通信制高校, 不登校の親  中1の5月から娘さんが不登校になった、岡本まゆみさん(仮名)。ゲーム時間の制限や家での勉強、学校への欠席連絡などはどのようにされていたのでしょうか。不登校の親の多くが気になっている「8つの質問」をしてみました。(聞き手・茂手木涼岳、編集・棚澤明子) * * * ――今春、通信制高校に入学された娘さんは、中学校時代は不登校だったとうかがいました。どのような状況だったのでしょうか。  小学校高学年のころから体調を崩しがちだったのですが、本格的に登校できなくなったのは中1の5月からです。受験を経て入学した私立中学校だったのですが、知り合いがほとんどいないうえに授業中もさわぐ子が多かったので、人見知りの娘にとってストレスが大きかったのかもしれません。頭痛や食欲不振で中1の2学期から保健室登校になって、その後は週1回程度の登校になりました。同じころ、起立性調節障害の診断をもらい、通院もしていました。また学校以外に、市の教育支援センターに週に1回通っていました。 ――ゲームやネット、スマホの使用時間は制限していましたか?  パソコンでのゲームやインターネットは制限なし、テレビとスマホは1日1時間まで、と夫が管理していました。いやがるかなと思いましたが、本人いわく「生活のスケジュールが組みやすいから、このままでいい」とのこと。本人はゲームやテレビより読書のほうが好きですね。また、クラスメートが学校で勉強しているあいだにゲームをするのも、気が進まないようでした。 ムダな時間をすごしたくない ――不登校になって、生活リズムに変化はありましたか?  起立性調節障害でしたので、深夜まで眠れない日や体調が悪い日は、午後2時ごろまで寝ていることもありました。私が在宅勤務なので、娘のお腹がすくタイミングで食事の用意をできたのはよかったです。  ただ、勉強する時間やゲームをする時間など、1日のスケジュールはすべて本人が決めていました。予定を詰め込んで、そのとおりに動くのがわりと好きみたいです。私としては、ボーっとする時間も必要なのではと思うんです。ですが、本人としては「ムダな時間をすごしたくない」と思っていたようです。 ――おこづかいはどうしていましたか?  子どものころから毎月「年齢×100円」です。なので中1で1200円になるはずですが、キリが悪いから2000円にしました。それ以降、値上げ... --- ### 不登校の僕が漫画家になるまで。おうちで実践した3つの方法 - Published: 2022-04-26 - Modified: 2024-10-23 - URL: https://futoko-online.jp/children/3469/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2022年5月1日号  「漫画家になりたい」という夢を持つ人は不登校のなかにも多くいます。そこで小学生から中学生にかけて9年間不登校をし、現在は漫画家として活躍している棚園正一さんに、漫画家になるまでの道のりや、漫画家になるためにはどんなことを学べばよいのか、不登校の人も漫画家になれるのか、執筆していただきました(※画像は棚園正一さんの著書)。 * * *  僕が漫画を描き始めたきっかけは、不登校になる前の小学1年生のころ、風邪で休んでいたとき、母親が暇つぶしにと買ってきてくれた漫画『ドラゴンボール』を読んだことです。それまでもアニメ版は大好きで観ていたのですが、原作を読んでびっくり。「なんてカッコイイ絵なんだ! ! 」と衝撃を受けたのです。  もともと絵を描くことは好きだったのですが、「自分もこんな漫画を描いてみたい‼」と思うようになってからは、一気に絵の世界にのめりこむようになりました。最初はドラゴンボールの模写から始まり、だんだんオリジナルの漫画を描くようになっていきました。  本格的に描き始めたのは中学1年生からです。  思いがけないご縁で、ドラゴンボールの作者・鳥山明先生にお会いしたことをきっかけに「僕も漫画家になろう」と志し、一気にやる気が爆発しました。とはいえ当時はネットで調べることもできなかったので、どのように漫画を学べばよいのかわからず、手探りの日々。あれこれ買うお金もないので、いろんな漫画の描き方の本を本屋で立ち読みしたり、文房具屋で原稿用紙やペン先、スクリーントーンなどをすこしずつ買いそろえたりするなど、試行錯誤しながら漫画を描きました。 10年結果が出ず  そして中学3年生のころ、完成した作品を漫画雑誌に投稿したら、なんと担当編集者がついたのです。まさかの出来事に、「このままプロになれるかも‼」と期待に胸を膨らませながら、作品づくりに励みました。  ところが、そこからは思ったように実績を重ねることができず、いくら描いてもボツの連続。いつのまにか、そのまま10年あまりが経ちました。まわりの同年代は就職など社会人として自立していくなか、取り残されるような気持ちになり、何度もあきらめかけましたが、「自分にはこれしかできない」「ずっと描いてきた漫画で結果が出せないと人生の辻褄が合わない」と勝手に思い込み、コンビニや飲食店、出版社、映像会社などでアルバイトをしながら、しがみ... --- ### 寝るでも逃げるでもいい、つらさを乗り切る「術」を見つけて - Published: 2022-04-26 - Modified: 2024-10-23 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3459/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】元当事者からの不登校対応マニュアル, 2022年5月1日号  かつて不登校だった僕から、最後に伝えたいことがある――現在は不登校支援員をしている古豊慶彦さんの連載「元当事者からの不登校対応マニュアル」。最終回は、古豊さんが今つらい気持ちで生きている子に向けて、メッセージを語ります。「きつかったのは不登校していたからじゃなかった」という古豊さんのメッセージとは(※画像はイメージです)。 * * *  私が初めて学校へ行けなくなったのは、もう20年ほど前のことになります。その当時と今とでは環境のちがいも多く、相談を受けるなかで理解や共感が難しいこともすくなくありません。しかしそんななかでも、子どもたちの言動の端々にある「どうせ大人にはわかってもらえない」という思いは、そういえば自分もそう思っていたよな、と私自身をほんのすこしだけ当時に引き戻してくれます。  ふり返ってみれば、不登校当時の私は、親や親戚に対して、ただただ「わかって」と訴え続けていたように思います。  それは明確な何かについての訴えではなく、本当に漠然とした「わかってもらえていない」という感覚からの言動でした。ですから、親はとても困ったと思います。  不登校の記憶は薄らいでいますが、当時はけっこうきつい日々だったでしょう。あれから時が経ち、大学へ進学してひとり暮らしを始めたとき、「あぁ、きつかったのは不登校していたからではなかったんだ」と気づきました。私にとっての不登校はあくまでも私自身のいわゆる「生きづらさ」を表現した言動のひとつであり、根底にある「生きづらさ」は不登校ではなくなっても、34歳になり相談を受ける仕事をしている今でも、姿かたちを変えてずっとつきまとっている、と思うのです。  生きるって難しいな、と本当に思います。街中を歩いているとき、周囲を歩いている人たちがみな立派に見え、どうやったらそう立派に生きることができるのか、と考えます。他者と比較し、いわゆる「ふつう」でありたいという思いに縛られ続けながら生きるということが、私にとっての生きづらさなのかもしれません。 術を見つけて  そんな私がえらそうに言えることではないですが、どうか今日1日を生き抜いて。過去の理不尽も未来の不安もすべてフタをして、とりあえず今日、今をどうにか乗り切ってほしいです。そして乗り切るための「術」を見つけて。叫ぶでも寝るでも話すでも食べるでも逃げるでもなんでもいいです。その術がな... --- ### 2年で15万件以上の相談に対応、今つらい人が頼れる逃げ場をつくる意味 - Published: 2022-04-26 - Modified: 2024-10-23 - URL: https://futoko-online.jp/column/3455/ - カテゴリー: コラム - タグ: 会員限定記事, コラム, 2022年5月1日号  「つらいとき、頼れる人に出会えることを『偶然』ではなく『必然』にしたい」。そんな思いを持つ大空幸星(おおぞら・こうき)さんにインタビューしました。大空さんは一昨年、24時間365日、無料でチャット相談ができるプラットフォーム「あなたのいばしょ」を立ち上げました。開設の経緯や相談を受けるうえで大切にしていることなどを、不登校経験者の伊藤歩さんがうかがいました(※画像は「あなたのいばしょ」トップページと大空幸星さん)。 * * * ――なぜチャット形式での相談窓口を始めようと思ったのでしょうか?  私が相談窓口をつくろうと最初に思いついたときから、チャット以外の選択肢は考えていませんでした。これまで、自殺に関する相談支援は電話が主流でした。しかし、今の子どもたちや若者は、日常的に電話を使うことはほとんどありません。総務省が毎年9月に出している「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」というデータによると、若年層はスマホの電話機能でさえ、あまり使わなくなっている。固定電話にいたっては令和2年の統計では使用時間は0分でした。  それに対して、SNSの1日の平均利用時間は1時間を超えています。ふだん、ごく近しい人や友人とコミュニケーションを取るときも、電話ではなくSNSがよく使われます。そしてSNSは、インスタグラムなど写真がメインになっているものもありますが、LINEやツイッターなど、多くは文字を使います。つまり現在のコミュニケーションは活字がメインなんです。子ども・若者からすれば電話や対面で話すよりも、文字にして投稿するほうが、かんたんなのですね。  また電話や対面での相談は、話す内容を考えながらでないと、うまく話せません。ですがチャットなら自分のペースで思いつくままに書いて、すぐに消すこともできます。そもそも若者にとって深刻な問題を、使いなれない電話で相談するのはミスマッチです。電話をメインに使っている相談支援者と子どもとのあいだでギャップが起きていると感じます。昨今、多くの年代で自殺者が減っているのにも関わらず、子どもや若者の自殺が増えているのには、こうしたギャップも理由の1つだと思います。 10代20代の相談内容は ――10代20代からの相談内容はどのようなものが多いのですか?  「今すぐにでも命を絶ちたい」というものが多いです。そうした相談に対し... --- ### 今の仕事の原点にも。私の人生の軸を変えた不登校 - Published: 2022-04-12 - Modified: 2024-10-17 - URL: https://futoko-online.jp/children/3993/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2022年4月15日号 不登校になり、部屋にこもって寝てばかりの我が子を見ると「この先、この子はどうなってしまうんだろう」と親御さんは将来が不安になると思います。でも、不登校になったとしても、その先にちゃんと道は続いていきます。今回、不登校のその後をテーマにお話しをうかがったのは「不登校によって、人生の軸が変わった」という不登校経験者。どのように人生の軸は変わったのか、そして、不登校その後の歩みとは(※画像はイメージです)。 * * * ――不登校になったのはいつごろからでしょうか?  中学3年生の夏休み明けから卒業するまでのあいだ、不登校でした。きっかけの1つが部活の終了でした。私は吹奏楽部の副部長をしていましたが、夏休み中のコンクールで引退したんです。その後は人間関係が教室内だけになってしまい、居づらさを感じていました。というのも女子グループの悪口が頻繁だったからです。表面上は、いっしょに行動してなかよしなんですが、すこしでも、その場にいなければ悪口を言われる。そういう環境に、ちょっと適応できなかったんですね。  また、受験に対しても疑問を感じていました。3歳年上の姉が通っていた学校は、私も「行くべき」とされていた進学校でした。地元では有名な学校でしたが、美大へ進みたい姉は学校と並行して美術の勉強もしていたんです。でもそういう姉の行動は、あまりよしとされず学校では「勉強もしない、どうしようもない奴」という扱いを受けていたそうなんです。それがわかったとき、いやだなあと。もしも受験に成功しても勉強の「できる」「できない」だけで判断される高校へ行くのか、と。そう思うと、だんだん学校から気持ちが離れていくんですが、その気持ちまでは当時は言語化できなかったですね。ひとまず「お腹が痛い」とウソをつくところから始まり、だんだんと休みが長引いていったという感じでした。 みじめな自分 ――学校へ行かないあいだ、どんな生活を送っていましたか?  とにかく寝ようとしていました。起きていると、今女子グループからどんなことを言われているんだろう、自分の将来はどうなるんだろう、と。そういうことを悲観してしまうんです。みんなが活動している昼間はとくにつらいので、いわば昼夜逆転をして、放送がなくなる深夜までテレビをずっと観ていました。  また、みずから昼夜逆転を始めた気もしますが、体は逆のことを求めていました。起きよ... --- ### 発達障害の当事者22人が語る生きづらさの本音をまとめた1冊 - Published: 2022-04-12 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/books/2522/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 発達障害, 2022年4月15日号  発達障害の当事者が抱える生きづらさにせまった書籍『私たちは生きづらさを抱えている~発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』をご紹介します。一口に発達障害と言っても、直面する課題や抱える生きづらさは、じつにさまざまです。発達障害の当事者が語る本音とは――。 * * *  本書は、自身も発達障害の当事者であるフリーライターの姫野桂さんが、発達障害の当事者22人への取材を通じて、当事者が抱える生きづらさについてまとめた1冊です。  本書で紹介されている事例は「思っていることをすぐに口に出してしまい、職場の人間関係が悪化してしまった」「時間の逆算や雑談の強要が苦手で、自傷行為などの二次障害に苦しんだ」「発達障害の当事者どうしで結婚した夫婦」「勉強はできた一方で、就職先で仕事が覚えられずに3度の転職を経験した」「家族内の人間関係に悩みながらも、現在は放課後等デイサービスで働いている」など、当事者それぞれが抱えている生きづらさの中身や、現状についても多岐にわたっています。  本書には、不登校を経験した方の事例もあります。現在、IT企業でシステムエンジニアとして働くヨシヒコさんは、小学生のときに「自閉スペクトラム症」(ASD)と診断されました。  小学4年生から不登校したあとは、ひきこもりになりました。そんなヨシヒコさんが出会ったのが、プログラミングでした。  複数の仕事を同時にこなすのが苦手と語るヨシヒコさんは、やることのリストをつくり、一つひとつ確認しながら集中して取り組むと、早く正確に仕事がこなせると言い、子どものころに生きづらいと感じていた発達障害について、プラスに捉えていると語っています。  本書を読むと、発達障害の当事者が抱える生きづらさは、じつにさまざまであることに気づかされます。発達障害について解説した書籍は数多く出版されていますが、発達障害の当事者が語る本音から考えることの重要性をあらためて実感する1冊です。(編集局・小熊広宣) 『私たちは生きづらさを抱えている~発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』 姫野桂/1650円(税込) イースト・プレス(03-5213-4700) (初出:不登校新聞576号(2022年4月15日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### 不登校の子どもの心が回復するために必要な3つの対応 - Published: 2022-04-12 - Modified: 2024-10-23 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3475/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】元当事者からの不登校対応マニュアル, 2022年4月15日号  子どもが家に居ても、じゅうぶん休めていなければ、心の回復にはつながらず、再び動き始めることも難しいです。子どもが心から休めるためにはどうすればいいのでしょうか。「それには3つの対応が必要です」と自らも不登校経験者で、現在は支援員の古豊慶彦さんが教えてくれました(連載「元当事者からの不登校対応マニュアル」第15回)。※画像はイメージです * * *  「学校へ行けない」ということをさまざまな言動で表現する子どもは、その時点で心も体もボロボロで、疲れきっています。「学校へ行き続けると自分自身がおかしくなる」「もう耐えられない」など、思いはさまざまですが、ギリギリのところで「助けて」というメッセージを発した点では同じです。そういった子どもたちにとって大切なのは、まず休むこと、回復することです。では、子どもたちが回復しやすい環境とは、どういうものなのでしょうか。  まず理解していただきたいのが、子どもたちは休みたいから休んでいるのではなく、休まざるを得ないということです。  疲労が限界まで達した心と体は、休むことしかできない状態なのです。しかし休むことは、じつはかんたんではありません。行かなければならないとされている場所に行けない自分自身を責める子ども。家に居ながらも学校で受けた傷がよみがえり、苦しみ続ける子ども。期待や希望が打ち砕かれ、将来が見えずに真っ暗闇のなかにいる子ども。親の期待に応えられずに、「学校へ行けなくてもうしわけない」と謝る子ども。学校を休んで家に居ても子どもがそのような状態であれば、順調に回復することはできません。  子どもが回復する環境をつくるために、私が重要と考えるキーワードは「せかさないこと」、「待たないこと」、「今をいっしょにすごすこと」の3点です。  「とりあえず1週間休もうか」など期限を決めたり、「休んでもいいけど勉強だけはしておくように」など条件をつけることが「せかすこと」にあたります。子どもは「期限までに回復しなければ」、「勉強しないと休めない」という思いから、自分のペースで休むことができません。  「休んでも、がんばれば遅れをとり戻せるよ」とか、「学校へ戻れるように回復を待つ」など、回復後のあり方を押し付けることが「待つこと」にあたります。子どもは「どこかへ行く」「何かをする」など、ある目的のために回復するのではありません。何かを始め... --- ### お父さんだからこそ、できることがあるんです。わが子の不登校と向き合うためのヒント【全文公開】 - Published: 2022-04-11 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/others/3490/ - カテゴリー: イベント, others - タグ: 無料記事, 親の思い, 2022年4月15日号 - ハッシュタグ: 不登校の親  子育ての話題では、お父さんがどうしても置いてきぼりになりがちです。不登校への理解は、お母さんよりもお父さんのほうが苦労しやすいとも言われており、夫婦ですれちがいが起きることもしばしば。でも、本当はお父さんだからこそ、できることだってあるんです。今回は講演会「不登校対応の大原則~不登校とお父さん~」(主催・ひきこもり発信プロジェクト)の抄録を掲載します。講師は蓑田雅之さん。蓑田さんは昨年、お父さん向けに『「とりあえずビール。」で、不登校を解決する』を出版。講演では、不登校に関する2つの問題を切り口に、お父さんにできる取り組みのヒントについてお話されました(※写真は蓑田雅之さん)。 * * *  蓑田雅之と申します。これまで私は不登校とは無縁の生活を送ってきましたが、わが子が自由な校風の「東京サドベリースクール」に通い始めたことをきっかけに、保護者の立場から教育や学校、そして不登校について考えるようになりました。現在は不登校で悩む親子を一人でも多くなくしたいという思いから、「おはなしワクチン」という親向けの講演活動を行なっています。  「おはなしワクチン」の活動をするなかで、気づいたことがあります。参加者のなかにお父さんがいないのです。たとえ土日に開催したとしても、お父さんはほとんど来ません。ごくまれに1、2人来てくれたらよいほうです。  なぜお父さんは参加しないのか疑問がわくとともに、率直にもったいないなと思いました。それ以来、お父さんにも不登校を考えてもらいたいという思いが日に日に強くなり、その結果『「とりあえずビール。」で、不登校を解決する』を出版するに至ったのです。今回は本書の内容をベースに私の考えをお伝えするとともに、お父さんがどのように不登校と向き合えばよいのか、そのヒントを提示できればと思います。 不登校からの二次災害とは  さて、そもそも不登校とはなんでしょうか。ずばり不登校は「子どもが学校へ行っていない」という事実、それだけのことなのです。しかし「学校へ行っていない」という事実をマイナスとして捉えるがゆえに、「不登校の二次災害」に苦しむ家庭が多いんですね。  「不登校の二次災害」として考えられる問題は2つあります。1つ目は「家庭不和」、2つ目は「子どもの自己肯定感の低下」です。そして、この2つの問題には、じつはお父さんの存在が深く関わっています。順を... --- ### ひきこもり相談で心療内科医に言われた意外すぎる一言 - Published: 2022-04-11 - Modified: 2024-10-23 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3485/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】不登校は幸せへの道, 2022年4月15日号 - ハッシュタグ: 不登校の親, ひきこもり, 引きこもり  息子の不登校・ひきこもりに悩み、保健所へ相談に行った後藤誠子さん。説明を黙って聞いていた医師が後藤さんに伝えたのは、とても意外な言葉でした(連載「不登校は幸せへの道」第15回)。※写真は後藤誠子さん  地元の親の会に参加したのとちょうど同じころ、保健所でもひきこもり相談があることを知り、今度は迷うことなく申し込んだ。1人では次男を助けられないとやっとわかったから。3カ月待ってやっと順番がまわってきた。相談室で待っていたのは白髪交じりの男性の心療内科医だった。事前に保健師さんに相談した内容を確認していたのだろう。医師は穏やかな表情で「20歳の息子さんのことでしたね」と問いかけてきた。  私は大きくうなずいて学校にも仕事にも行けない次男のことを話し出した。途中、思いがあふれて涙ぐむことも。30分以上も話しただろうか。医師に見せようと次男の手書きのメモを持参していたことを思い出した。次男がギター工房のOさんに当てて書いたメモだ。  医師はじっくりとそのメモに目を通し、私の顔を見て言った。  「典型的な社会的ひきこもりですね」。やっぱりそうか。はっきり言われたことでほっとしたような気もする。しかし同時にその言葉の持つ重さに一気に不安が押し寄せてくる。複雑な思いだった。  医師は淡々と続けた。「本人は本当はあれもしたい、これもできると思っている」、「でも実際にやってみて、できない自分を受け入れるのが怖い」、「理想の自分と現実の自分との差が大きすぎて調整が難しい状態だから動けないのだ」、という説明だった。メモを見ながらの具体的な説明なので、とても納得がいった。  「それにしても」医師が笑みを浮かべて言った。「明るいお母さんですね」。「え? そうですか?」。たしかに医師の問いかけに、ときどき笑って答えてはいた。自分の印象をよく見せたいという気持ちもあったかもしれない。  「ひきこもりの相談に来られる方でこんなに明るい方は初めてですよ」。そんなことを言われるとは予想していなかった。たしかにもともと明るい気質でどんなにつらいときでも、ついおもしろいことを言ってしまうが。「それで私はどうしたらいいんでしょう」。「え?どうしたらって、どうもしなくていいですよ」。  とまどう私に、「むしろそのままでいてください。今のままの明るいお母さんで」。医師は笑顔で断言した。それで終わりだった。やっ... --- ### 小学6年生で不登校を経験した私が、学校で教えてほしかったこと - Published: 2022-04-11 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/children/3488/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 当事者の声, いじめ, 2022年4月15日号 - ハッシュタグ: 通信制高校, いじめ  学校で学べることとは、どんなことでしょうか。学問や友達付き合いなど学べること、学びたいことは人によって様々だと思います。今回の執筆者は、人生における大切なことのほとんどを学校の外で学んできたという富良野しおんさん。不登校を経験した彼女は「1つだけ学校で教えてほしかったと思うことがある」といいます。 * * *  私はクラスメイトからのいじめをきっかけに小学6年生の夏休み明け、不登校になった。それから中学卒業まで学校へは1度も通わず、高校は通信制高校へと進学した。小学6年生までのあいだにも1年生、3年生、5年生とすこしずつ不登校になっていたので、義務教育の9年間のなかで学校へ通った期間は半分もないかもしれない。  そんな経歴なので、人生のほとんどのことは学校の外で学んできた。人との付き合い方や言葉のマナー、他人を思いやることなどは、全部学校の外で教えてもらった。学校で学んだことといえば、基本的な漢字や計算、あとは同級生との人間関係の難しさだけかもしれない。  それでも学校を恨んでいないし、自分の不登校も後悔はしていない。ただ、私には学校で教えてほしかったなと思うことが1つだけある。  それは「人には相性がある」ということだ。 「全員笑顔で」心の負担に  小学生時代、私はクラスの人間関係に悩むことが多かった。陰口やケンカなど自分に関わることはもちろんイヤだったが、それ以上にクラスメイトどうしが、いがみ合っているのを聞いたり、クラスで誰かがあからさまに仲間外れにされているのを見たりするのが本当に苦痛だった。私が苦痛を感じていたのには、きっと2つの理由があると思う。1つは人を痛めつけるような環境には居たくないと思っていたから。そしてもう1つは、クラス内での不協和音を私自身が「どうにかしなければ」と思っていたからだ。  私の小学校にはクラスごとに目標を掲げる風習があった。新学年になってクラス替えがあるたびに、担任によっていくつかクラス目標が決められる。そして、その目標はクラスで大切にしたいこととして教室内に1年間貼り出された。そんなふうに学年があがるとともに新調されていく目標だったが、唯一、どの学年でもかならず掲げられる目標があった。それは、「クラスみんなで仲よく」「クラスみんなが笑顔で」というものだった。  クラス全員でのよい関係を促す言葉にふれるあいだに、小学生だった私... --- ### 心療内科医が語る、子どもに必要な「いい甘え」とは【全文公開】 - Published: 2022-04-01 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/interview/2638/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 無料記事, 2022年1月1日号  2021年もコロナが猛威を振るった年でした。コロナ禍は子どもの心にも大きな影響を与えており、昨年度は小中高生の自殺や不登校が過去最多を更新。今の子どもたちの状況をどう認識し、大人はどう向き合っていくのがよいのでしょうか。心療内科医・明橋大二さんにお話をうかがいました(※画像は明橋大二さん)。 * * * ――2021年もコロナ禍で揺れ動く一年でした。子どもたちはどんなようすだったのでしょう。  2020年度の不登校児童生徒数は過去最多を記録しましたが、2021年度はそれを上回るだろうというのが、心療内科医としての現場感覚です。コロナ・ストレスの一つのサインだと感じるのは、子どもの強迫性障害の相談が増えたことです。  もともとの気質が心配性であったり、人一倍いろいろなことを気にしたりするタイプの子が、コロナによって、さらに不安が強まり、不潔恐怖やバイ菌恐怖となって、手洗いを必要以上にくり返すのが典型的な症状です。 止められない長時間の手洗い  家族にうつしたらいけないと言って、学校から帰ると手が真っ赤になるまで何時間も洗い続けてしまう。服にバイ菌がついたのではないかといって、家に帰ったら、服をすぐ脱いでシャワーを浴びる。2021年はそういった子どもがすくなからず見られました。 ――コロナ禍では逃れようのないストレスを子どもも感じているのだと思います。どうやって子どもの気持ちを発散させたらよいのでしょうか?  やはり「子どもの話を聞く」、これに尽きると思います。2020年には自殺者の数が11年ぶりに前年を上回りました。なかでも女性と子どもの自殺が増加しています。背景の一つとして考えられるのは、コロナによるコミュニケーションの遮断です。ママ友とおしゃべりをして、日ごろのストレスを発散していたお母さん方も多いでしょう。子どもたちにしても、友だちと話をしたり、体を動かしていっしょに遊ぶことは、ストレス発散の大事な手段です。  しかし、コロナ禍ではそれができなくなってしまいました。だからこそ大人はしっかりと子どもの話に耳を傾けてほしいと思います。  子どもは不安を感じると「甘える」という形でサインを発します。具体的には「親にベタベタする」「スキンシップを求める」「夜、親の布団に入ってくる」などです。こういう甘えを受けとめることは、子どもに安心感を与え、ストレスを軽減するために... --- ### 発達障害当事者がまとめた、上手に勉強するための書籍を紹介 - Published: 2022-03-29 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/books/2566/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 発達障害, 2022年4月1日号 - ハッシュタグ: 発達障害  「ADHD(注意欠陥・多動性障害)」「ASD(自閉スペクトラム症)」「LD(学習障害)」など、発達障害の当事者が勉強する際に、ちょっとしたことでうまくいくコツをまとめた書籍が出版されました。著者の安田祐輔さんは、ご自身も発達障害の当事者。現在は、学びなおしの学習塾を全国で展開されています。発達障害の当事者にもその親御さんにも読んでほしい1冊を紹介します。 * * *  今回ご紹介するのは、発達障害の当事者が勉強するうえで、どのように取り組めば勉強しやすくなるかについて解説した1冊です。本書では「ADHD(注意欠陥・多動性障害)」「ASD(自閉スペクトラム症)」「LD(学習障害)」に絞って、発達障害の当事者が勉強するうえでのコツやノウハウなどを紹介しています。  著者の安田祐輔さんは「ADHD(注意欠陥・多動性障害)」と「ASD(自閉スペクトラム症)」の当事者です。子どものころから「整理整頓ができない」「花火の音などが極度に苦手」「授業をきちんと聞けない」などの特性がありました。  転機となったのは、大学受験。  高校卒業後に大学合格するまで2年を要しましたが、悩むなかで自分なりの勉強方法が見えてきたと言います。安田さんは現在、不登校・発達障害などの方を対象とした学習塾「キズキ共育塾」を全国展開するなど、学びなおしに関する取り組みを続けており、そのなかから生まれた方法を紹介されています。  本書では、「スケジュール・段取り」「過集中・寝起き」「理解力・集中力」「継続力や環境づくり」「忘れ物・プレッシャー」など、5つの場面ごとにわけ、事例紹介→原因→解決法の順で解説します。  たとえば「スケジュールが立てられない」という場合、スケジュールを立てる手順を紹介するだけでなく、グーグルカレンダーを使った管理など、パソコンやアプリなどを用いた方法についても紹介しています。  安田さんは、発達障害において必要なことは「変えられるもの」と「変えられないもの」を見極めることであると指摘します。発達障害の当事者が勉強するうえでのコツが集約された1冊です。(編集局・小熊広宣) 『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本』 安田祐輔 1760円(税込) 翔泳社(03-5362-3705) (初出:不登校新聞575号(2022年4月1日発行)。掲載内容は初出当時の... --- ### 中1で不登校をした私が「不登校ガイドブック」をつくりたい理由 - Published: 2022-03-29 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/children/2564/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2022年4月1日号  2021年7月18日、『不登校新聞』子ども若者編集部はイベント「経験者でつくる不登校ガイドブック」を開催した。今回はイベントの立案者である、すみれさんに自身の不登校経験も交えつつ、イベント内で実際に出た意見をまとめて執筆いただいた。イベントを通して、すみれさんがあらためて実感したこととは。 * * *  中1の夏休み明けから中学卒業まで不登校を経験した私は、不登校で苦しんだ人たちの経験談や声が載った「不登校ガイドブック」をつくりたいと、ずっと思っていました。それは不登校当事者、経験者の経験は「学校がつらい人たちの支えになる」と思うからです。行きたくないと思いながらもまだ学校へ通っていたころ、私は不登校という選択をするか、しないか、不登校になったとしたら、その先にはどんな道があるのか、自分の心のなかで疑問や不安が浮かぶものの、誰にもその答えを聞けないもどかしさを感じていました。でも、学校がつらい状況で今後の選択を迷ったり、不安に襲われたりするのは私だけではないはずです。そんな思いから「学校がつらい人がすこしでも安心できるような情報や選択肢が載ったガイドブックをつくりたい」と私は思うようになりました。そして、ガイドブック作成の第1歩として、みなさんから不登校経験談をつのるイベントを私は昨年『不登校新聞』で企画しました。今回はそのイベントで参加者のみなさんから集まった、いくつかの経験談と私が感じたことをまとめたいと思います。  イベント当日は、不登校前、不登校中、不登校後とそれぞれの段階を意識して「学校へ行くか迷ったときに、まずどうしたか」「不登校のあいだのすごし方」「不登校の経験から得られたもの」という3つのテーマでみなさんに話し合ってもらいました。  まずは1つめのテーマ「学校へ行くか迷ったとき、まずどうしたか」。  いただいた経験談には「そもそも朝、ベッドから起き上がれなかった」「学校へ行こうとすると涙がでてきて、これはまずいと思い行かなくなった」など、行くかどうかの前に、まず自分の体が反応したという意見が多くありました。なかには「体温計の温度をあげて仮病を使っていた」と学校へ行かなくてよい理由をみずからつくっていたという方もいました。私自身は学校へ行くか行かないか迷った時間が長かったのですが、迷う余地も与えられず気がついたときには追い込まれてしまっている人も非常... --- ### 帰省した息子が動き出さない。焦る母が取った行動は「弟子入り」 - Published: 2022-03-29 - Modified: 2024-10-09 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2561/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】不登校は幸せへの道, 2022年4月1日号  バイトをすると言ってもしない、自動車免許を取ると言っても続かない。そんな不登校経験者の息子。母親の後藤誠子さんはどうしたものかと悩んでいました。しかし、あるきっかけから、息子さんの本音を知ることになります。長続きしないことについて、一番強く罪悪感を感じていたのは、ほかならぬ息子さん自身だったのです(連載「不登校は幸せへの道」第14回)。※写真は後藤誠子さん  「もうすこしだけ東京にいさせてほしい」という次男の望みのため、学費と生活費を払い続け約1年。結局、次男は東京でほとんど部屋にひきこもっていた。3月、次男を岩手に連れて帰ってきた。そのときの次男は、以前に東京で会ったときよりもずっと元気そうに見えた。「まずバイトをするよ。その前に自動車の免許取らないと」。自分からそう言ってきて、実際に自動車学校入学の手続きもした。私が仕事から帰ると夕飯の準備をしてくれていたこともあった。今度こそやる気なんだ。きっと大丈夫。  ところが、自動車学校へ行く気配がまったくない。バイトも探さない。「バイトを探したら」と私が言うと、「自動車の免許を取ってから」とボソッと言うのみ。なんだかおかしい。私はまた焦り始める。  そんなとき、同じ岩手県に世界的に有名なギターづくりの職人さんが工房を開いていることを知った。これはなんとしても次男を連れて会いに行かなければ。 知人のつてを頼ってギター工房のOさんに連絡し、次男と工房を訪れた。それがきっかけで次男がまたギターをつくる道に進むのではという親の勝手な欲からだった。  工房でOさんは奥様といっしょに私たち親子の話を聞いてくれ、自分の話もしてくれた。休日にわざわざ次男を誘って出かけてくれたりもした。私以外の人と出かける、しかもOさんと。私はまた期待してしまっていた。 ある日、次男が言った。「Oさんが住み込みで弟子にならないかと言ってくれた」。そのときの私は、「もうこれで助かった。次男はすぐに社会復帰できる。ああ、よかった」、それだけだった。はっきり顔にも出ていたろうと思う。次男は下を向いたまま、もうしわけなさそうに続けた。「今はムリだからってメールしようと思うんだけど、この文章でいいかな」。次男が渡してきた紙、そこには次男の思いが切々と綴られていた。  弟子にと言ってもらえてうれしかった。しかし自分はやり始めたことが1つも長続きしない。せっかく弟... --- ### 父親・母親が語るわが家の不登校、つらい時期をどう乗り切ったのか - Published: 2022-03-29 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/parents/2552/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 会員限定記事, 親の思い, 2022年4月1日号  わが子が不登校になったとき、親としてどんなことがつらかったか。また、不登校に対する考え方や子どもへの対応をめぐり、夫婦間でどのようなすれちがいがあったのか。今回は不登校の子どもを持つ父親2人と母親の3名による座談会を企画。父親目線、母親目線で「わが家の場合の不登校」について、本音を語っていただきました。 * * * ――まずは自己紹介とともに、お子さんが不登校になった経緯をお聞かせください。 A山 2人の息子の父です。現在中1の長男が小4の秋ごろから体調不良になり、学校へ行かなくなりました。うちは次男も不登校で小学校に入学して3日目に「学校へ行きたくない」と宣言しまして、長男ともども、フリースクールネモにお世話になっています。 B田 高1と小5の子どもの父で、下の子が不登校です。生きしぶりが始まったのは小1の5月でした。運動会の当日、急に行きたくないと言い出しまして。小2のとき「発達障害」と診断され、2学期からはネモに通っています。 C木 私は3人の娘の母です。現在、中1の三女が小5から不登校しています。冬休み明けから腹痛などの体調不良が始まりました。「もう行かない」と言って、不登校になりましたが、理由は本人にもわからない状態でした。 ――不登校は親にとってもつらいものであると思います。みなさんはどんなときにつらいと感じましたか? A山 僕は福祉の仕事をしており、そのひとつが不登校の支援です。長男のようすを見て「学校へ行きたくないんじゃないの?」と問いかけても、長男は「そんなことはない。学校には行きたい」の一点張りでした。顔が青白いなど、「行きたくない」ということを体のシグナルで出しているのは明らかなのに、本人はかたくなに認めない。でも、まったく元気がない。その攻防をしているときがいちばんつらかったですね。 B田 うちは共働きなので、小1の次男をひとりで留守番させないといけないのが気がかりでした。低学年の子どもが家でひとり、ゲームをしているなんて、あまりに不憫な気がしたんです。学校を休むにしても、最低限の勉強はしてほしいし、あまり自堕落な生活をされても困る。親としては学校へ行っている子どもと同じような生活リズムですごしてほしいなど、こうしてほしいという思いを要求するけど、それが飲めないから次男も荒れてしまう。小2~小3のころは、そんな毎日のくり返しで、親も子も毎日... --- ### 進級進学でまわりが動き出す4月、親がつぶれないためにできること【全文公開】 - Published: 2022-03-29 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/2549/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, コラム, 2022年4月1日号  4月は不登校やひきこもりの子ども若者にとって、心がしんどくなる時期だということをご存じでしょうか。そして同時に、親御さんにとっても心が落ち着かない時期でもあります。いま、心がギュッと潰れそうになるくらい、つらい気持ちを抱えている親御さんに向けて伝えたいことがあります。不登校取材歴15年の経験をもとに、親が潰れないために必要な2つの大切なことをご紹介します(※画像はイメージです)。 * * *  4月になりました。日ごと春の到来を感じる今日このごろですが、4月というのは、不登校やひきこもりの子ども若者にとって、心身ともに落ち着かない時期でもあります。なぜなら、4月は進級進学・就職など、世間があわただしく一斉に動き出す時期だからです。  スマホでSNSをやっていれば「4月から〇〇高校へ行く」という同級生の近況報告を目にすることがあります。何気なく観ていたテレビからは入学用・新卒用のスーツのコマーシャルが流れてきたりします。  それらを見聞きするたび、本人は現在の自分と比較してしまい、気持ちがしんどくなってしまうことがあります。取材を重ねるなかで「自分だけ周回遅れ、取り残されているような気がする」「1年前の自分と何も変わっていないと感じた」など、4月のつらさを語ってくれる経験者の話を聞いてきました。 4月から行くよ   また、この時期によくある話として「4月から学校へ行く」と子どもが言っている、または親子でその約束を交わしている、ということがあります。もし約束というかたちで話がまとまっているならば、この瞬間も子どもにプレッシャーがかかっています。始業式までの残り日数をカウントダウンするなど、日に日にしんどさが増しているかもしれません。子どもが動き出すタイミングは、まわりの動きに合わせるのではなく、子ども自身の「今」に合わせていくというのが基本であると考えています。 親の気持ちは  一方、4月は親にとっても、心がしんどくなる時期です。今これを読んでいる方のなかには「着ないかもしれないけど」と思いながら制服を新調された方もいるかもしれません。わが子と同年齢の制服姿の子どもを街中で見かけて心がギュッと押し潰されそうになっている方もいるかもしれません。   自分の気持ちが潰れそうになっている親の方に伝えたいことが2つあります。1つは「自分の本音を自分だけで抱えないでほしい」とい... --- ### 心はひきこもったまま。不登校を経験した私が巡り合ったもの - Published: 2022-03-29 - Modified: 2024-10-07 - URL: https://futoko-online.jp/children/2547/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2022年4月1日号  ピースボートのスタッフとしてこれまで数十カ国への船旅を経験し、現在はひきこもり女子会の開催などにも携わっている恩田夏絵さん。幅広く活動する恩田さんも、小学校2年生で不登校になり、その後はひきこもりを経験、自傷行為をしていた時期もあると言います。恩田さんは不登校・ひきこもりのその後をどのように生きてきたのか。恩田さんと10年の付き合いがある石井志昂・本紙編集長が、その半生を追いました(※写真は恩田夏絵さん)。  「着物は日本の文化ですが、『赤は縁起がよい色』というのはアジア共通です。日本のお正月文化を楽しんでもらいたいと思い、『赤』を指し色にして文化の交差点をテーマにコーディネートしてみました」。写真はバリ島に向けて航行する船の上で撮った一枚。選んだ着物のテーマを、恩田夏絵さんはそう説明してくれました。大胆な柄の着物にインパクトのある小物を合わせるなど、なかなかの着こなし上手です。  そんなおしゃれな恩田さんの愛称は「ブイちゃん」。見た目がわりと派手な人に見え「ブイブイ言わせていそう」という印象からついたあだ名です。私が出会ったのは10年前、これまで何度も取材をし、いっしょに仕事をさせてもらいましたが「納得のあだ名だな」と感じています。  「いわゆるひきこもりのイメージとはちがうな」と思われそうですが、こんなもんじゃありません。職場は世界一周の船旅でおなじみの「ピースボート」です。自身は「おうちが好きだし新しい場所へ行くのはしんどい」と語っていますが、仕事で旅した国々は数十カ国。これまで地球5周分の船旅をしてきました。  ちなみに巡り巡った都市のうち、好きな地域のひとつと言っていたのが「ドバイ」。理由は「ドバイという街の持つダイナミックさが、これまで訪れた中東の地域とはまたちがった印象だったから」。あんなにも高層ビルが立ちならび、未来都市とも言われるところが好きだなんて、いよいよひきこもりとは無縁のように感じられるかもしれません。ところがブイちゃんも、ひきこもり経験者なんです。その半生を紹介します。 小2で不登校 ひきこもりに  ひきこもりのきっかけは不登校でした。  学校への行きしぶりが始まったのは、小学校の2年生のとき。ブイちゃんは「学校とは合わないなあ」となんとなく感じていたそうです。友だち付き合いや学校の授業に対して、言い表せない違和感を抱えていました。しか... --- ### 不登校・ひきこもりの子どもと話をしたいと思ったとき - Published: 2022-03-29 - Modified: 2024-10-07 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2556/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】元当事者からの不登校対応マニュアル, 2022年4月1日号  「子どもになんて声をかけたらいいかわからない」。そんなご相談を受けたことがあります。将来の話題は子どもが避ける。かといって子どもの趣味はわからない。こんなとき、どうすればいいのか。「じつは、意外なことから話題が広がります」と言うのは、自らも不登校経験者で、現在は支援員の古豊慶彦さん。子どもと話す際の注意点も含めて、書いてくれました(連載「元当事者からの不登校対応マニュアル」第14回)。※画像はイメージです  不登校やひきこもりの相談を受けるなかで、親や祖父母から「子どもになんて声をかけていいのか、わからない」と聞くことがあります。家のなかにずっといて、過去のことやこれからのことを話しても、なかなか会話にならない。かといって子どもの趣味の話にもついていけなくて、話題がなくなってくるのかなと思います。べつにムリして会話をしなくてもよいと思いますが、いっしょに住んでいるのに無言の時間ばっかりだと「このままでいいのかな」と考えてしまうかもしれません。  たいした提案ではないのですが、そういうときに私は会話のきっかけとして食べ物の話をネタにするのはどうですか、と言うことがあります。不登校やひきこもりで子どもが家にいると、親の知らないうちに間食していることがあります。カップ麺やお菓子などの買い置き食品が、親の外出中にいつのまにかなくなっている。であれば、この点が会話のネタになり得ます。買い置き食品のなかに、新商品や期間限定商品を紛れ込ませておくのです。テレビやSNSなどで話題になっている商品は、家にずっと居る子どもも知っているかもしれません。  買い置きのなかからなくなっていたら、「あれ、おいしかった?」というのが話のきっかけになるかもしれません。いつまでもなくならない商品は、「買ったんだけど、食べないの?」と話すきっかけにできます。 食品のなかには「これ、おいしいのかな?」と思うような奇をてらった商品もあるので、子どもとしても感想を共有したいかもしれません。親としても「ウチの子はどんなものに興味を持つかな」と考えると、すこし楽しくなるかもしれませんね。 頼みごとをする  もうひとつ、子どもに頼みごとをする、というのも会話のきっかけになります。よくあるのがPC関連の困りごとを子どもに尋ねるというもの。スマートフォンの使い方を教えてもらうのもよいかもしれません。家庭で何かを買う... --- ### 「学校へ行きたくない」と子どもから言われたら、親はどうすればよいのか【全文公開】 - Published: 2022-03-14 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/2588/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, 2022年3月15日号  ある日突然、「学校へ行きたくない」と親に相談する子どもはめずらしくありません。文科省の調査によれば、2020年度に不登校した小中学生は約19万人。少子化で子どもの数が減るなか、8年連続で不登校は増え続けて過去最多を更新しました。  しかしそれも氷山の一角です。不登校にはカウントされないものの、学校で苦しんでいたり、教室に入れなかったりする子どもも多いからです。そうした子どもたちは「隠れ不登校」とも呼ばれており、日本財団の調査では中学生の1割、推計33万人いると言われています。  増加の背景には、コロナ禍で生活環境が変わったこと、いじめの低年齢化などが指摘されています。どんな子どもでも、どんな家庭でも、不登校は起きます。子どもから「行きたくない」と言われたときの対応は、親のみならず、先生や祖父母など、子どもが周囲にいる大人たちには知ってほしいことです。  そこで、今回はもしものときに備えて、状況に応じた対応のしかたをお伝えしたいと思います。 「行きたくない」と言われたら  やることは、ただひとつです。「わかった」と言って、その日は休ませてあげてください。逆に子どもを追い詰めてしまうNGワードは「ようすを見てみよう」や「明日だけ、がんばってみよう」です。「行きたくない」と子どもが伝えるときは限界まで我慢したときです。崖から飛び降りるような気持ちであり、命に関わるSOSなのです。親は「休み癖がつくかも」と心配しますが、休ませる勇気が必要です。  多くの子どもの場合、「わかった」と言われれば安心して数日間は休み、また学校へ通い始めます。「疲れたら休もう」と思えれば、心に余裕をもって通えるからです。逆に「休みたい」と言ったタイミングで無理をさせると、子どもは追い詰められてしまいます。  数日間の休みのあいだはどうすればよいのか。「かぜをひいた時と同じように」を心がけてください。家の中で遊んだり、友だちと会うのは問題ありません。勉強は自主的にやる分はさせてもいいですが、勉強を強いると休みが長引きます。ゆっくり休めんでリフレッシュするのが大事だからです。 「行きたくない」と言われる前に親ができること  「行きたくない」と子どもが言う前に、その兆候に気づきたい人は多いはずです。  ところが、それは意外と難しいのです。まず子ども自身は、自分のストレスに気づきづらいです。ただし言葉に... --- ### 親の会で号泣した私、息子の命のために「変わらねば」 - Published: 2022-03-14 - Modified: 2024-10-09 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2581/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】不登校は幸せへの道, 2022年3月15日号  息子から「死ねなくてごめん」と告げられた母親、後藤誠子さん。息子の絶望にようやく気づき、「命がかかっている」とわかった後藤さんは、変りはじめます。後藤さんが訪れたのは不登校の親の会。「親の会へ行くほど落ちぶれていない」と思っていた後藤さんでしたが、そこで出会ったのは、一生忘れられないほどの「救い」でした(連載「不登校は幸せへの道」第13回)。※写真は後藤誠子さん  東京駅で次男が言った「死ねなくてごめん」という言葉は、次男の苦しみの深さを私に教えてくれた。後に次男から聞いたことだが、私と連絡が取れなくなっていた5日間、次男は死に場所を探して都会をさまよっていたそうだ。踏切の前まで行って何度も死のうとした。しかしどうしても最後の一歩が踏み出せなかったと。死なないでくれて本当によかった。今、心からそう思う。  次男の生死がかかっている。もうこれは私ひとりでどうにかなることではない。なんとかしなければ。  岩手に帰る深夜バスのなかで考え続け、やっとたどり着いた答えが、親の会へ行くことだった。不登校ひきこもりの親の会があることは、次男が不登校になってすこし経ったころに調べて知っていた。自宅からほど近い場所で開催されていることも。だが私は行かなかった。そんな会へ行く必要はない。なぜなら自分はそこまで落ちぶれていないから。しかし次男の命がかかっているとわかったとき、私の小さなプライドはきれいに消し飛んだ。  初めて親の会へ行った日、そこにいたのは初老の男性と5人~6人のお母さんたち。もちろん初めて会う人たちばかりだった。「なんでも話していいんですよ」と言われて、次男の不登校のことからぽつりぽつりと話し出した。話しているうちに止まらなくなった。今まで誰にも言えずに悩んでいたこと。どうしたらいいのか、不安でたまらないこと。涙があふれてきて、泣きじゃくりながら話した。自分の育て方が悪かったのではないかと話したとき、ひとりのお母さんが言ってくれた。  「自分を責めることないですよ。あなたのせいではけっしてないです」。静かに、しかしきっぱりと言ってくれた。ほかのお母さんたちも頷いている。気づけば私ひとりでずっと話していた。「私ばかり話してすみません。泣いてばかりいてすみません」。涙をぬぐいながら言う私に、なおも優しく言ってくれた。「泣いていいんですよ。みんな、初めは大泣きしたんです」。... --- ### あざや傷あと「見た目問題」から考える自分に合った生き方とは - Published: 2022-03-14 - Modified: 2024-11-20 - URL: https://futoko-online.jp/interview/2586/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, いじめ, 2022年3月15日号  「見た目問題」って知っていますか?顔のアザや傷あとなど、「見た目を理由とする差別や偏見などによって生じる問題」のことです。この「見た目問題」の解決に取り組むNPO法人マイフェイス・マイスタイル代表の外川浩子さんにインタビューしました。聞き手となる本紙記者もじつは「見た目問題」の当事者のひとり。差別や偏見のない社会に向けて何が大切なのかをうかがいました(※写真は当事者と外川浩子さん)。 * * * ――「見た目問題」とはなんですか?  「見た目を理由とする差別や偏見などによって生じる問題」のことです。生まれつき、もしくは事故や病気によって、目立つ症状を顔や体に持つ人たちは、差別や偏見によってさまざまな困難にぶつかります。「気持ち悪い」「化け物」と心ない言葉で傷つけられ、いじめのターゲットになりやすいなどの問題を抱えています。  NPO法人マイフェイス・マイスタイルでは、見た目に症状を持つ人たちがぶつかるさまざまな困難を「見た目問題」と名づけ、見た目に症状を持つ人たちを「見た目問題当事者」と呼んでいます。ですから、一般に「外見にコンプレックスがある人」というよりは、もうすこし範囲を狭めて、「身体に具体的な症状がある人」が、私たちの活動対象です。 ――「見た目問題」に苦しんでいる人は、どんなことに悩んでいるのですか。  見た目問題とひと口にいっても、生まれつきのアザ、脱毛、麻痺、傷あと、体の一部を失った人など、さまざまなかたちがあります。しかし「なんらかの症状が隠しにくい部分にあることで、人から奇異の目で見られたり排除されたりする」ということは、共通している問題です。  顔だけではなく、腕や足、体のさまざまな部分に症状を持っている人たちもたくさんいます。服で隠れる場所に症状がある人の場合、学校のプール授業や温泉など、自分の全身を見せるシーンが難しいこともあります。たとえば、脱毛症でふだんはカツラを使っている人は、お風呂でほかの人に症状を見られることを恐れて修学旅行へ行けないことも。「見える場所だから」「隠れる部分にあるから」という点だけでは、つらさや問題の深さは測れません。 「見た目問題」と不登校の関係 ――「見た目問題」当事者で不登校を経験している人はいるのでしょうか?  「見た目問題」に関してほとんど実態調査が行なわれていないため、実際のところ不登校経験者の具体的な... --- ### 迫りくる新学期に揺れる心。私たちが新学期に思っていたこと - Published: 2022-03-14 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/children/2584/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2022年3月15日号  1つの区切りとなる新学期は、不登校の子どもにとって思いが揺れやすい時期。今回は不登校経験者のSORAさん、町田和弥さん、結花さんの3名に新学期を目前に感じていた不安や心のうち、また周囲からの救われた対応、傷ついた対応について執筆いただいた。 * * * 言わなくても察してよ  私は元々新しい環境が得意ではなく、慣れるのに人一倍時間がかかります。なので、新学期前はクラス替えがあるというだけで、不安な気持ちになりました。担任やクラスメイトが入れ替わることで、それまでつくりあげてきた自分の環境が一変してしまうことが負担だったのです。不登校だった小学6年生のころは環境が変わることで「もしかしたら不登校状態から抜け出せるかも」と新学期への期待もすこしはありましたが、やはり「この先、私の環境はどうなっていくのか」というプレッシャーのほうが勝っていました。なので、夜眠れなかったり、ご飯があまり喉を通らなかったり、新学期の前後は体調もよくありませんでした。  今思うこととしては、学校には前年度からの引きつぎをうまくしてほしかったなと思います。それは担任の先生が変わるたびに、今の自分の状況や不登校の経緯を毎回イチから自分で説明しなければいけなかったからです。事情を聞かれることは仕方のないことだと思うのですが「どうして?」と理由を聞かれることや学校でのイヤなことを思い返すこと、また、当時の私は自分の思いを包み隠さず話すことができなかったので、詳細を聞かれることで、よけいに心が苦しくなってしまいました。「言わなくても、わかってよ。察してよ!」と内心思っていたので、その気持ちと新学期が始まるたびに自分のことを説明しなければいけない現実とのギャップがつらかったです。 (SORA 10代) これからを聞いてくれた母  日常的に怒鳴る担任への恐怖心がきっかけで、中学1年生の3学期から中学卒業まで僕は不登校になりました。小学生のときも不登校になりかけたことがあり、そのときはがんばることでなんとか学校へ通えたので、中学でも自分がガマンさえすれば、新学期から学校へ行けると思っていました。  でも、僕は行くことができませんでした。多くの人は学校へ通えているのに、両親は学校へ行ってほしいと願っているのに、それでも学校へ行けない事実に当時の僕は打ちのめされました。両親の期待に応えられなければ家にも居場所が... --- ### 学校行くと言うけど行かない、不登校の子の言動が矛盾する理由は - Published: 2022-03-14 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2578/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】元当事者からの不登校対応マニュアル, 2022年3月15日号  「新学期からは学校へ行く」と言ったのに行かない。「働く気はある」と言うのにバイトしないなど、子どもには言葉と行動がともなっていないことがあります。子どもの矛盾する言動の裏側には、どんな気持ちがあるのでしょうか。自らも不登校経験者で、現在は支援員の古豊慶彦さんが書いてくれました(連載「元当事者からの不登校対応マニュアル」第13回)。※画像はイメージです * * *  今回は「子どもの矛盾する言動」をどう考えればよいかについて書きたいと思います。「そろそろ学校へ行こうと思う」と言ってもぜんぜん行かなかったり、「進学したい」と言ってもぜんぜん勉強しなかったり、「働く気はある」と言いながらもぜんぜん動かない、というように、子どもには言葉と行動がともなっていないことがあります。口で言っていることと実際の行動とが一致していない、むしろ逆行しているように見えるということもすくなくないと思います。  私自身、高校で不登校になっていたころ、「勉強するために塾に通いたい」と言ったことがあります。そのときは本気でそう思っており、母と見学へ行ったあと、入塾しましたが、結局1日しか行けずに辞めてしまいました。自分で「やってみよう」と思ってのことだったので、続けられなかったことや、入学金などのお金をムダにしてしまったことに強いショックを受けました。 親の安心のため  「進学したい」や「働く気はある」と口には出すのに行動がともなわないことには、いくつか理由が考えられます。  自分に対して言い聞かせていたり、親を安心させようと思って言っていたり、その場しのぎで言っただけだったり。「親を安心させるため」とか「その場しのぎ」で言っているのであれば、相手に合わせて相手が望むであろうことを口に出しているということなので、行動がともなわなくて当然です。子ども自身が「できる」「やるぞ」と思っていない状態で言葉にしたのであれば、行動がともなう場合のほうがすくないでしょう。  また、「そろそろ学校へ行こうと思う」と子どもが言ったとき、本当に学校へ行きたいと思っているのではなく、「学校は行かなければならない」「学校へ行く自分であらねばならない」という考えのもとで口に出た、と取ることもできます。  だとすればそこにあるのは「やるぞ」と思っている子どもの姿ではなく、「そうあらねばならない」と自分を追い詰めている子ども... --- ### 小2から不登校の息子が中学行かない宣言、母から見た息子の変化 - Published: 2022-03-14 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/parents/2576/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 会員限定記事, 親の思い, 2022年3月15日号  この春進学する中学校に「行かない宣言」をした息子。母親である川辺恵さん(仮名・島根県在住)は「それでも息子は大丈夫」と考えているそうです。しかし、夫や両親の無理解や、教師とカウンセラーとの板挟みなど、川辺さんが「大丈夫」と思えるまでの道のりは、とても苦しいものでした。これまでの歩みと今後について聞きました。 * * * ――今、息子さんは小学校6年生だそうですが、不登校になったのはいつごろですか?  息子が不登校になったのは、小学2年生のときのことです。とくにきっかけになるような大きな出来事はなかったのですが、入学して1年がすぎたころに「なぜ学校へ行かないといけないのか」「なんのために勉強をしないといけないのか」と、いろいろなことに疑問を持ったようです。  そのうち「なんでなの? なんでなの?」と、疑問をぶつけてくる回数がだんだんと増えてきて。私はその都度、「大人になるために必要だからだよ」とか「友だちと遊ぶために行くんだよ」といったことを答えていました。でも、それには反応がなかったですね。腑に落ちなかったのか、学校という社会が理解できなかったのか、わかりません。  本人は納得できない状態で登校を促されることがつらかったのでしょう。しだいに、体に異変が現れてきました。最初は胃腸炎。何日か休むと体は回復しますが、学校へは行けませんでした。当初は私も「休まないで行ってほしい」と思っていたので、なんとかして通わせようと、なかば強引に連れて行くうちに、目に見えてようすがおかしくなっていったんです。元気がないというか、いつもぼうっとしていて、どこを見ているのかわからないような目をしていたり、テレビの画面をうつろに眺めているだけだったり。話しかけても耳に入っていないときもあり、会話もできないような状態になってしまって。大好きな外遊びもしなくなり、ご飯も食べなくて、元々痩せ型の息子が、さらに痩せ細っていきました。  そんな息子のようすを見て「これはただごとではない」とようやく気づきました。「私のしていることは、まちがっているんだ」と。学校へ行かせようとするのは、ひとまずやめにしました。それが小2の6月から7月くらいのことです。 方針のちがいにとまどって ――お子さんも川辺さんも、おつらかったでしょうね。そのとき相談できる方はいましたか?  どうしたらよいかわからない、という混乱... --- ### 「だましたな、嘘ばかりだ」息子が叫ぶきっかけになった学校の対応 - Published: 2022-03-02 - Modified: 2024-11-18 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2739/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】不登校は幸せへの道, 2021年10月15日号 - ハッシュタグ: 不登校の親, ひきこもり, 引きこもり  あの夏から、私はいろいろなものと戦い始めた。まずは、学校へ行けなくなった次男との戦い。  朝は体力勝負。私より身体の大きい次男を力ずくでベッドから立たせようと必死だった。かたや次男、立たされまいと抵抗し、それでも私があきらめないとわかると今度は身体中の力を抜く作戦に変更。腕も足もぐにゃぐにゃになって、約70キロの体重が私の身体にのしかかってくる。人間ってこんなに重いんだなとヘンなところで感心する。その間、次男は終始無言、無表情。私だけが声をからして叫んでいた。  「起きなさいよ、学校行かないと」。 「頼むから学校行ってよ!」。  夜は夜で静かな戦い。夕食を食べに部屋から出てきた次男に、さまざまな言葉で学校へ行くよう説得を試みた。  「高校ぐらい卒業しないと、あなたが困るのよ」。「今がんばればきっとあとで楽になるからね」、などなど。今思えば次男の身になってかけた言葉は、ひとつもなかった。  次男は「明日は絶対行く」と約束するときもあれば、何も言わず部屋に戻ってしまうこともあった。毎日毎日そんなことのくり返し。  学校とも戦った。初めのうちは毎朝学校へ電話するのも、先生が家に来るのもまったく苦痛ではなかった。むしろ先生は私の味方、次男を学校に戻してくれる救世主だと思っていた。先生からのすすめで近所のクラスメイトが朝、迎えに来てくれることもあった。それがますます次男を追い詰めるなんて夢にも思っていなかった。  しかし、いつからか学校は私たち親子の共通の敵となった。久しぶりにがんばって登校した次男にひどいことを言う担任。「試験を受けなければ即留年」と冷たく言う学年主任。  ある朝、たまたま電話に出た副校長が「とにかく連れて来てくれさえしたら出席にしますよ」と。それならばと車に乗ってくれた次男を連れて急いで学校へ。しかし出迎えた副校長は「教室に入らなければ出席とは認められない」の一点張り。次男の顔色がみるみる変わっていく。「だましやがって。みんなうそばっかりだ!」。次男が怖い顔をして叫んだ。  なんとかして高校を卒業させたい。それしか頭になかった私は、次男の言葉に込められた絶望感にまったく気づいていなかった。たまに怒鳴ったり壁を殴ったりという怒りの感情を出すだけで、ほとんど言葉を発しなくなっていく次男。その顔からはすべての表情が消えていった。(後藤誠子) 連載「不登校は幸せ... --- ### 勉強を無理強いせず、本人の自信につながるサポートを目指して - Published: 2022-03-01 - Modified: 2024-11-18 - URL: https://futoko-online.jp/children/2723/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2021年10月15日号 - ハッシュタグ: 学びなおし, 学び直し, 勉強  インターネットを通じた「家庭教師」や「カウンセリング」のサービスがあることをご存じですか。今回はWEB会議ツールなどを用いて、不登校の親と子の支援を行なう、山口真央さんに取材。オンラインサービスの取り組みや、自身の不登校経験についてうかがいました(※写真は山口真央さん)。 * * * ――山口さんは、オンラインで家庭教師をされているんですね。  「オンライン家庭教師さざれいし」で、学校には通っているけど勉強が苦手という子や、不登校だけど勉強をがんばりたいという子を対象に家庭教師をしています。対象年齢は小学5年生から高校生です。WEB会議ツール「Zoom」を使って授業を行なうので、ネット環境が整っていれば全国どこからでも利用できます。 ――基本的な流れと料金プランを教えてください。  まずはお子さんに体験授業(完全無料/最大2回)を受けていただき、本人の意思を確認したうえで入会という流れになります。その後は親御さんも交えて相談し、曜日や日時を決めて、翌月からコース開始となります。コースは月4回、60分コースと80分コースがあります。本人の希望があれば宿題も出します。 学力の取り戻し、短期間でも可能 ――不登校の期間が長くて、まったく勉強していない、という場合も大丈夫でしょうか?  まったく問題ありません。「さざれいし」で大切にしていることは勉強に自信をなくして不安になっている子に寄り添い、「やってみよう」とチャレンジする気持ちをつくることです。  不登校の子を持つ親御さんの多くは、勉強の遅れをどうしても心配しがちですが、あまり気にしないで大丈夫だと思います。学校を3年間休んだからといって、勉強を取り戻すのに丸々3年かかるわけではありません。学校の勉強のなかでも、その子にとって必要な部分を取捨選択しながら取り組むことを大切にしています。  また、勉強の取り組み方は人によってさまざまです。「学校へ行ったり、行かなかったりをくり返していたので、授業を受けられなかった部分だけ教えてほしい」という子もいれば、「通信制高校に通っているけど授業についていけないから、中学の基礎から学び直したい」という子もいます。  いずれにしても、その子に合ったペースや進め方でサポートするので、心配はいりません。ガッツリ学力アップを保障するというわけではないですが、授業への理解をすこしずつ深めて、... --- ### 起立性調節障害と不登校、中学3年間の不登校とその後を漫画化 - Published: 2022-02-28 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/books/2611/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 書籍紹介, 2022年3月1日号 - ハッシュタグ: 通信制高校  不登校の理由として近年、起立性調節障害に対する関心が高まっています。中学生のときに起立性調節障害と診断され、中学3年間はほぼ不登校だったというマンガ家・月本千景さんが自身の体験談をまとめた「学校に行けなかった私が漫画家になるまで 起立性調節障害とわたし」というマンガをご存じでしょうか。朝起きられない・立ちくらみ・だるさ・頭痛・腹痛などの症状について、「怠けている」「気合が足りない」と自分を責めている不登校当事者、そしてその親に読んでほしい1冊として紹介します。 * * *  今回ご紹介するのは、中学生のときに「起立性調節障害」と診断され、中学3年間はほぼ不登校だったというマンガ家・月本千景さんが実体験をマンガ化したもの。月本さんが診断を受けた国立成育医療研究センターのホームページによると、「起立性調節障害」とは、自律神経系の不調により、朝起きられない・立ちくらみ・だるさ・頭痛・腹痛などの症状が出る、思春期の子どもに多く見られる病気とあります。  月本さんが体調の異変を最初に感じたのは小学6年生のとき。当初は意識の途切れや軽いめまい程度だったため、風邪でもないかぎりは、学校へ通ったと言います。しかし、中学1年生の2学期になると、ほぼベッドのうえですごす生活を余儀なくされます。「怠けている」「気合いが足りない」と周囲から言われて自己嫌悪に陥っていた月本さんの支えとなったのが月本さんの母親でした。 母親も中高生のころ、同じような症状で悩んでいた時期があったためです。  不登校経験者にお話を聞くなかで、「起立性調節障害」という話が出ることがあります。以前、本紙でインタビューした方の事例では、服薬による治療の効果を実感したことはほとんどなく、助けになったのは「起立性調節障害」に対する周囲の理解と環境の変化だと語ってくれました。  月本さんはその後、通信制高校、マンガが学べる芸術系の大学に進学しますが、あることをきっかけに心身の調子を崩して「気分障害」と診断されます。今も体調がすぐれないなか、マンガを描き続けている月本さん。本書に描いたことが正解ではないとしつつ、同じ病気に悩む方のヒントになればとの思いを発信する月本さんのマンガは「起立性調節障害」で悩む親子にいくつものヒントをくれる1冊です。(編集局・小熊広宣) 『学校に行けなかった中学生が漫画家になるまで~起立性調節障害と... --- ### 私が実感した、不登校中の親子間のコミュニケーションの大切さ - Published: 2022-02-28 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/children/2713/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2022年3月1日号  不登校中の子どもとのコミュニケーションは親にとって大きな悩み。どう接したらいいのか戸惑う親御さんも多いと思います。不登校経験者の神内真利恵さんは「親御さんには、なるべく子どもといっしょの時間をすごしてほしい」と言います。神内さんが親子のコミュニケーションが大切だと思う理由。また、されてイヤだったことやうれしかったことなど、ご両親との実際のエピソードを書いていただきました。 * * *  不登校の子どものために自分の時間を犠牲にする保護者もいれば、そうでもない保護者もいる。以前『不登校新聞』でお笑い芸人の山田ルイ53世さんの取材に同行したとき、山田さんは母親が趣味のテニスを自分のために辞めたのがイヤで、続けてほしかったと言っていた。奇遇なことに私の母もテニスが趣味だ。しかし母は中学で不登校だった私のためにテニスを辞めるなんてことは、まったくなかった。なんなら今でも続けている。私がもう不登校でない今になって「あのころ、もうすこし子どもに時間を割いていればよかったかな」なんて言っているくらいである。  保護者は不登校の子どものために何かを辞める必要はないと私は思っている。 でも親が子どもの味方であることを示し、いっしょに時間をすごしたり、コミュニケーションを取るのはとても大事だと思うのだ。 欠けていたもの  私が不登校だったとき、父は毎日往復4時間ほどかけて職場に通っていた。そのうえ土曜も不定期ではあるものの出社していた。言うまでもなく私と父のコミュニケーションは多くはなかった。その後、私が大学に入り上京するころには職場が変わった影響で父の通勤時間は減り、現在はリモートワークをしている。家に居る父の姿を見ると私が不登校だったときにこそ、もっと家に居てほしかったなと思う。そうすれば、おたがいのことをもっと知る機会が持てたかもしれない。  思い起こせば両親とコミュニケーション不足だったと思うことはほかにもある。  私が不登校になったとき、環境を変えたくて「転校か引っ越しをしたい」と両親に言ったことがあった。でもそのときに両親がしたのは四国にある、それぞれの祖父母の家に私を1カ月ほど行かせることだけだった。両親からは「気分転換になるよ」と言われたが「ずっと家に居る私が負担で厄介払いしたいんだろうな」と私は子ども心に感じていた。結局子ども用の飛行機格安チケットを買ってもらい、言... --- ### 勉強しない子どもは将来大丈夫?そんな不安をやわらげるコツ - Published: 2022-02-28 - Modified: 2024-11-18 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2684/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】元当事者からの不登校対応マニュアル, 2022年3月1日号 - ハッシュタグ: 学びなおし, 学び直し, 勉強  不登校の子の親としては、子どもの勉強が気がかりです。しかし、不登校中、積極的に勉強する子どもは多くありません。それは子どもたちが勉強ぎらいだからなのでしょうか。「そうではない」と答えるのは、自らも不登校経験者で、現在は支援員の古豊慶彦さん。本人を支え、ムリなく将来を歩んでいくために、勉強とどう付き合っていけばいいのかを書いてくれました(連載「元当事者からの不登校対応マニュアル」第12回)。※画像はイメージです * * *  不登校中でも勉強をしてほしいと考える親の方は多いと思います。進学や復学などに大きく影響しそうなことですし、気になるのは当然のことです。私も不登校していた当時、親から「基礎的な勉強はどこへ行くにしても必要だし、何より勉強していないと将来の選択肢が狭まる」というようなことを言われました。聞いていて「そのとおりだなぁ」と思いましたが、勉強に身がはいることはありませんでした。  勉強に取り組むには向き不向きなどの個人差や本人が置かれている環境などさまざまなことが影響すると思いますが、個人的には精神的な余裕があるかどうかが、とても重要だと考えています。仮に不調な状態で勉強に取り組んだとしても、集中は長く続かず、記憶もしにくいことが多いと思うので、机に向かっていても身になっているかは疑問です。  人によっては、不登校の子どもたちは勉強から逃げている、または勉強が苦手だ、というイメージを持っているかもしれませんが、私の実感はそうではありません。勉強がイヤだから学校へ行きたくないという相談はこれまでほとんど受けたことがなく、また不登校の子どもの多くが、「勉強は取り組む必要があるもの」と認識しています。  まったく勉強していない状況に対しては「勉強ぎらいなのかも」という視点も必要かもしれませんが、それ以上に「本人は今、勉強ができるような状態ではないのかもしれない」という見方をする必要があります。  「ムリして勉強しなくていいけど、まったくしなくてよいのか」「それ以外のことばかりやっていてよいのか」と心配になるかもしれません。前記したように勉強をするということは進路に関わってくるので不安なのだと思いますが、その場合は目線をすこし上げてみてください。 余裕を持って  たとえば中学生で不登校している場合、高校進学を想定すると「1年~2年のうちに勉強させなければ」と思う... --- ### わが子の不登校悩んだ末に見つけた日常をゆるっとすごすコツとは - Published: 2022-02-28 - Modified: 2024-05-15 - URL: https://futoko-online.jp/interview/2608/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2022年3月1日号  子どもが学校から離れると「子育てへの重圧」は増すもの。これまでつながっていた学校や塾は頼れず、親だけが「教育の責任者」と思ってしまいがちです。子どもも親も、背負いこんだ重圧を下ろして笑顔で日々を暮らしていくためにはどうしたらよいでしょうか。今回は、長男・もっちん(9歳)の不登校のようすを、ブログやSNSで発信している今じんこさんに取材。現在に至るまでの道のりや、子育てで大切にしていることをお聞きしました(※画像は今じんこさんのイラスト)。 * * * ――お子さんが不登校になったのはいつからですか?  息子のもっちんが学校へ行きしぶり始めたのは、小学1年生の運動会がきっかけでした。それまですごしてきた保育園とは真逆のような環境にギャップを感じたようで、集団への厳しい指導や納得できないことに対し、恐怖心や不安が大きくなっていたのだと思います。それからは週に1回のペースで休むようになり、3学期ごろまでは学校へ行ったり、行かなかったりをくり返していました。  学校を休むことがあっても、登校は続けていたので、そのときはそれほど深刻に考えていませんでした。だから学校へ通えた日は「やったね!」といった接し方をしていましたし、先生も「えらい!」と褒めていたようです。今ふり返ると、こうした大人たちの対応が、本人に「学校は行かなければいけないもの」という強迫観念を刷り込ませてしまったのかもしれません。  小学2年生になると、もっちんはみずから「学校へ行きたい」と言うようになりました。今ならそれが本心ではないとピンと来ます。でも、当時は本人の意思を汲みたい、という考えから学校復帰させたのです。 夏休みが明けて、しだいに異変が  状況が変わったのは、小2の夏休み明けです。コロナで休校になったことも重なって、すでに限界が訪れていたのかもしれません。私が付き添いをしながら別室登校しないといけないほど、もっちんは情緒不安定になり、事態はどんどん悪化していました。  学校に到着すると「あとは自分で行けるから、お母さんは帰っていいよ」と言うのですが、3秒後には「やっぱり行かないで」と泣き出すようになったんです。あるときは廃品回収車が家の近くを通ると「大事なものが奪われそうで怖い」とおびえたり、「窓から誰か入ってくる」と言い出したりすることもありました。もっちんのようすは、とてもふつうとは言えない... --- ### 「死ねなくてごめん」不登校の息子から言われた衝撃的すぎる一言 - Published: 2022-02-28 - Modified: 2024-11-18 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2702/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】不登校は幸せへの道, 2022年3月1日号 - ハッシュタグ: 不登校の親, ひきこもり, 引きこもり  高校に続き、東京の専門学校でも不登校になってしまった息子。岩手で暮らす母親の後藤誠子さんは、心配で息子さんに会いに来ました。親子2人、穏やかな時間が流れます。しかし帰りぎわ、息子さんから出てきた言葉は衝撃的なものでした(連載「不登校は幸せへの道」第12回)※写真は後藤誠子さん。  次男が専門学校に入学して2年目の5月、やっとまとまった休みが取れた私は次男に会うために東京に向かった。2人で休日をゆっくりすごそう、それできっと次男は元気になる。あれほど次男のことを心配したというのに、もうそんなふうに軽く考えていた。  待ち合わせの原宿駅はきらきらした若者たちでいっぱい。その向こうに静かにたたずむ次男の姿があった。だらしなく伸びた髪に無精ひげ、しわの寄ったトレーナー、スニーカーには穴が空いていた。  あまりのよれよれさにかける言葉もない。なぜこんな場ちがいなところに次男を来させたんだ。申しわけなくて涙がこぼれそうになるのをぐっとこらえて、「床屋くらい行きなよ」と軽口をたたくが、次男の表情は変わらない。  人ごみを抜けて明治神宮へと向かう。鳥居をくぐると、そこはまるで別世界。外の喧騒が嘘のように静かで、神の領域に入ったのを感じる。あたりさわりのない話をぽつりぽつりとしながら砂利を踏みしめて奥へと。ようやくたどり着いた拝殿前。大きな神木がそびえ立っていた。2人で神木を見上げていると、おや、このかたちは。「この木、ブロッコリーに似てない?」。「たしかに」。こんもりした緑のシルエットが、まるでブロッコリー。「もはやブロッコリーにしか見えないね」。「ご神木がブロッコリーって」。  次男の顔にうっすらと笑顔が浮かんでいた。「笑えるってことはまだ大丈夫」。「きっと大丈夫」。自分に言い聞かせた。  拝殿前のイスに座って行きかう人々を眺める。時間がゆっくりとすぎていった。こんな何気ない時間を私とすごしてくれる次男が、とても愛おしかった。2日間の滞在のあいだに次男から告げられたことは、もう今の学校には行けないことと、まだ岩手には帰りたくないということ。東京に居ればまた何かやりたいことが見つかるかもしれない、その次男の言葉に乗っかってしまった。世間体を気にする私は、何者でもない次男が岩手に帰ってくることをなんとか避けたかったのだ。  深夜バスで帰る私を、次男は東京駅まで送ってくれた。駅地下の... --- ### 不登校と安否確認、実例から考える親として知っておきたい対応策 - Published: 2022-02-28 - Modified: 2024-10-08 - URL: https://futoko-online.jp/interview/2613/ - カテゴリー: インタビュー, 寄稿 - タグ: 会員限定記事, コラム, 2022年3月1日号  子どもの担任から「お子さんの安否確認のため、子どもに会わせてほしい」と言われて困った経験はありませんか? 不登校している子どもの保護者に対し、学校からこのような問い合わせがあるのは、虐待の有無を調査するための安否確認ですが、子どもがどうしても会いたがらないなど、困惑されている親もいらっしゃるかと思います。では、学校からこうした問い合わせがあった場合、親としてどう対応したらよいのでしょうか。こうしたケースに実際に対応したことがある「フリースクールネモ」理事長・前北海さんに、対応における具体策やコツについて解説していただきます(※写真は前北海さん)。 * * *  担任の先生から「子どもに会わせてほしい。面会しないとダメなんです」なんてことを言われたことありませんか。今まで何も言われなかったのに、会うことへの急なプレッシャーに困惑した経験がある方もいるのではないでしょうか?  驚かずに聞いていただきたいのですが、これは虐待の有無の調査のための安否確認(緊急点検)の場合があります。虐待の事件が大きく報道されるときに、緊急対応として学校を休んでいる子ども全員を対象に、先生たちが虐待の有無を含めて調査しなければいけないという背景があります。  しかしながら、結論から言うと、安否確認は学校の担任の先生が直接面会して確認する必要はありません。  安否確認の方法は「学校の教職員による面会」「教育委員会職員による面会」「その他関係機関による面会」とされており、その他関係機関とは、民生委員、児童委員、フリースクール職員等と記載されているからです。フリースクール職員「等」となっているので、本人と関係があれば誰でもよいということになります。かかりつけ医や児童館・子ども食堂のスタッフでも可能です。目的は虐待の有無なので安否確認でかならず学校の先生と面会しなければいけないという事実はありません。  フリースクールネモでも安否確認を行ない、学校と連携した実績もあるので、その事例を紹介します。担任から面会を求められているが、子どもが拒否をしていて板挟みになって困っていると、不登校の子を持つ母親から相談を受けました。担任の先生に事情を聞くと教頭が絶対に面会しなければいけないと言っているとのことで、教頭先生と直接交渉をすることになりました。絶対に会わないといけないことはないので、理は完全にこちらにあ... --- ### 不登校は、ときに必要です。精神科医が語る子どもの今【全文公開】 - Published: 2022-02-15 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/others/3369/ - カテゴリー: イベント, others - タグ: 無料記事, 講演録, 2022年2月15日号  不登校でも本当に大丈夫なの?不登校の子どもを持つ親であれば、誰しもが抱える悩みの根本について、精神科医・松本俊彦さんは「不登校は子どもたちが生き延びるための戦略であると捉えることが重要」と指摘します。松本俊彦さんが語る「不登校の意味と必要性」について、松本俊彦さん自身の研究調査を踏まえて解説するとともに、「まずは親が大丈夫」と思えるようになるためのコツについても紹介します(※写真は松本俊彦さん)。 * * *  本日は「不登校でも本当に大丈夫なの?」というテーマについてお話するわけですが、私は「不登校でも大丈夫」という前に「不登校はときに必要である」と考えています。その点について、いくつかのデータを示しながらお話したいと思います。 【スライド1】  まずは、スライド1を見ていただければと思います。  これは2016年から2020年までの児童生徒の自殺者数を示した折れ線グラフです。上から総数、高校生、中学生、小学生の順です。みなさんご承知の通り、わが国の自殺者数は1998年に年間3万人を越え、10年以上に渡ってそれを下まわらない状況が続きました。2012年に3万人を切ってからは減少傾向にありますが、それはあくまでトータルの話です。折れ線グラフを見ていただくとわかる通り、子どもの自殺はじわじわ増え続けています。しかもコロナ禍以降、急激に増えています。とくに2020年、高校生の女子生徒の増え方は前年比の2倍です。  そうしたなかで、週刊誌でも特集が組まれるなど、社会問題となっているのが「トー横キッズ」です。コロナ禍でステイホームが叫ばれるなか、以前から家族関係が悪かった子どもたちが居場所を失い、新宿・歌舞伎町の新宿東宝ビル近辺に集まっているんです。子どもたちはそこでリストカットをしたり、市販薬を乱用したりしています。なかには、死にたいと思う者どうしで意気投合し、集団自殺をする事件も起きており、安心してすごせる居場所がない子どもたちの存在が大きな問題になっています。 10代の薬物依存、市販薬が約6割  つぎに、私の専門が薬物依存症ですので、さきほどお話した市販薬の乱用をめぐる子どもたちの現状についてお話したいと思います。私は2年に1回、全国の精神科で治療を受けている患者さんの資料をすべて収集して研究する取り組みを続けています。そのなかで10代の患者さんのみに絞り、どんな薬... --- ### 今悩んでいる子を支えたい。フリースクールの現状と展望 - Published: 2022-02-14 - Modified: 2024-10-24 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3394/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2022年2月15日号 - ハッシュタグ: フリースクール  「フリースクールって最近よく聞くけど、どんなところなの?」「フリースクールではどんなことをしているの?」「学校の出席日数との関係は?」など、名前は聞いたことがあってもよく知らないという方も多くいます。そこで今回、栃木県小山市に2016年に誕生した「小山フリースクールおるたの家」代表の稲葉祐一朗さんに、フリースクールの立ち上げ経緯やふだんの活動などについてうかがいました。フリースクールを知って、見て、触れてほしいと語る稲葉祐一朗さんの思いとは(※写真は「おるたの家」日常のようす)。 * * * ――フリースクールを立ち上げるいきさつからうかがいたいのですが、そもそも稲葉さんに不登校の経験はあったのでしょうか?  いえ、不登校の経験はありません。ただ、学校というものに抵抗感があって、なかでもいちばん苦しかったのは中学生のときでした。友人ともそれまでふつうに話せていたのに「彼は本当に私のことを友人だと思ってくれているのか」と、いろいろ考えたりするようになってしまって。なんというか、うまく言葉にできない鬱々とした思いを一人で抱え込んでしまっていた時期でしたね。担任ともうまくいってなくて「不良でもなく、勉強もできるのに、なぜこの子はほかの先生とよく衝突するのだろう」と、担任もとまどっていたと思います。ある日、担任がスッと私から離れていったのを肌で感じたときに思ったんです。どうやら大人は子どもの心の機微はわからないらしいから、私は大人になっても今の自分が感じている感覚を絶対忘れたくない。そして、将来そういう子どもに出会ったらきちんと向き合いたいなって。 2度の海外留学  教育に携わることが好きかもしれないと思ったのは、大学在学中でした。教職課程の授業が楽しかったからなんですが、とはいえ卒業後すぐに先生になるとことにも違和感があり、就活せずに1年間、カナダへ語学留学しました。 ――帰国後は?  勉強を教えることは好きだったので、神戸の進学塾で5年ほど講師をしていました。県立上位の高校に入りたい子どもたちを対象にしていた進学塾だったので、授業後もみな居残りで勉強していくんですけど、ふとしたタイミングでポロっと子どもたちが悩みを話してくれるんです。  まるで過去の自分を見ているようでした。かつての自分と同じように今悩んでいる子どもたちと向き合い、味方になり、支えることが僕のやりたい... --- ### 納得できる不登校の本が見つからない。そんな父親に必読の1冊 - Published: 2022-02-14 - Modified: 2024-10-24 - URL: https://futoko-online.jp/books/3398/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 2022年2月15日号 - ハッシュタグ: 不登校の親  父親のために、父親が書いた不登校の本があるのをご存じでしょうか。「父親がわが子の不登校を理解せずに困っている」「父親が不登校の親の会に参加してくれない」などの悩みを抱えている母親のみならず、「不登校に関して具体的に書かれた本を探している」という父親にとっても、大きな助けとなる1冊をご紹介します。 * * *  今回ご紹介するのは「父親のために、父親が書いた不登校の本」です。著者は自身のお子さんを「東京サドベリースクール」に通わせていた蓑田雅之さん。蓑田さんは不登校の問題の核心は「学校へ行けないこと」ではなく「子どもの自己肯定感が下がること」であると指摘します。そのうえで、キーマンとなるのは父親であり、夫婦のチームワークを大切にしつつ、不登校をロジカルに考えていく方法について、父親視点で解説しています。  自己肯定感をめぐり、蓑田さんは2つの選択肢を提示します。  A「子どもをなだめすかして、無理にでも学校に行かせる」か、B「無理やり行かせるのはやめて、不登校の状態を認める」か。これについて蓑田さんは「B」を選択すべきと断言します。この場合、子どもの将来への不安は残るものの、子どもの自己肯定感がこれ以上、下がることはないからというのが蓑田さんの考えです。  ただ、これでは問題の先送りに感じる方もいるかもしれませんが、ここで登場するのが本書のタイトルにもある「とりあえずビール。」です。居酒屋で最初の1杯を頼む際、日本酒や焼酎などもあるなかから選ぶことをいったん保留し、あれこれ考えることを後まわしにするこの作戦が不登校の子と向き合うときに使えると蓑田さんは指摘します。つまり、「無理に行かなくていいよ」と伝えることで子どもの自己肯定感を下げずに不登校を認めることが、長い目で見た場合に得策だということです。このように不登校について、居酒屋のメニューで考えていくのも、本書の特徴です。  父親が不登校の親の会に参加してくれず困っている母親、また不登校に関するどんな本を読んだらよいか迷っている父親、双方におすすめしたい1冊です。(編集局・小熊広宣) ◎書籍詳細 『「とりあえずビール。で、不登校を解決する」』/蓑田雅之 1430円(税込) 出版:びーんずネット https://peraichi. com/landing_pages/view/toriaezu-beer/ (初出:不... --- ### 「不登校の子こそ向いています」家で始めるプログラマーへの道 - Published: 2022-02-14 - Modified: 2024-10-24 - URL: https://futoko-online.jp/column/3391/ - カテゴリー: コラム - タグ: 会員限定記事, コラム, 2022年2月15日号  近年、子どもの憧れの職業として人気が高まっているプログラマー。「プログラマーになりたい」という夢を持つ人は不登校のなかでも多くいます。そこで現役のプログラマーであり、数々のアプリ開発を手掛け、アプリ関連の書籍も執筆したエヌ次元株式会社代表の澤良弘さんに、プログラマーになるためにはどんなことを学べばよいのか、不登校の人もプログラマーになれるのかを書いてもらいました(※写真は澤良弘さん)。 * * *  僕が最初にプログラミングを覚えたのは、小学校5年生のときでした。パソコン上のプログラミングで自分の考えたゲームがつくれるということがわかったからです。ゲームが大好きだった僕にとって、とても魅力を感じました。あのころは時間があればパソコンに向き合っていました。家族や友だちと遊ぶよりパソコンと話していた覚えがあります。迷路を自動的につくってくれるソフト、風船が壁にぶつからないように飛ばすゲームなどをさまざまにつくっては改良してをくり返していました。  今では僕は、プログラミングを仕事としています。プログラマーとかソフトウェアエンジニアと言われる仕事です。これまでにはゴルフ中継を楽しく観られるアプリ、フリマなどショッピングのアプリ、アイドルの人気投票や認知症に関するアプリなどもつくってきました。プログラマーという仕事は、人を楽しませたり、人の悩みを解決したりする難しい仕事でもありますが、やり終えたときの達成感はひとしおです。ぜひこの機会にみなさんもプログラミングに興味を持っていただけたら、うれしいです。 第一歩には  みなさんはScratch(以下・スクラッチ)というウェブサイトはご存知でしょうか。日本をはじめ世界中で親しまれているプログラミング教育のサイトです。スクラッチがプログラミングを習得するうえでよいと言える理由が3つあります。  1つめは、環境に左右されないこと。パソコンやタブレットなどに関係なく、インターネットさえあればどこでも動かせます。もちろん、学校や習いごとに通う必要もありません。  2つめは、おもしろい物語、ゲーム、アニメーションが世界中から集まっていること。よいプログラミングをするためには、よいものを知ることから始まります。  3つめは、自分がよいなと思った作品のプログラムはすべて閲覧できること。作品をプレイしてみて気になるものがあれば「中を見る」とい... --- ### 「息子は自殺してしまった」そう思い込んだ私の行動 - Published: 2022-02-14 - Modified: 2024-10-24 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3386/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】不登校は幸せへの道, 2022年2月15日号 - ハッシュタグ: 不登校の親  高校に続いて、専門学校でも不登校になってしまった息子。その事実にショックを受けた後藤誠子さん。息子はつらい気持ちを抱え、自殺してしまったのではないか、とまで考えた後藤さんは、つい思いがけない行動をとってしまいます(連載「不登校は幸せへの道」第11回)。  東京で専門学校へ行けなくなってしまった次男。私はあまりのショックで、TVで流れた人身事故のニュースを観て、「次男は自殺してしまったにちがいない」と思い込んだ。 「次男はもう生きていないんだ」。その場にしゃがみ込んでぼうっとしていると、急にある歌が頭に浮かんできた。そのころ、朝ドラの主題歌だった「にじいろ」という歌が。「あっ、そうだ。この歌を歌って次男に聞かせてあげよう」。なぜ突然そんなことを思いついたのか、今となってはまったく思い出せない。しかも、私は自他ともに認める音痴なのだ。  たぶん、極度のパニック状態だったのだろう。自分でもよくわからない行動をしてしまっていた。でも、この歌を聴いたらきっと次男は連絡をくれる。そう強く思い込んだ私は「にじいろ」を携帯電話に向かって歌い、次男に送信した。「よかった、これでもう大丈夫」。なぜだかそう安心して、床に横たわり、うとうとしてしまった。  気がつくと、もう部屋は真っ暗。あわてて携帯を見た。既読がついている。  続いて「なに?」という言葉が画面に現れた。次男からだ。「よかった、生きてた」。私はすぐに次男に電話をした。このことがきっかけで次男とまた連絡が取れるようになり、私は次男に会いに東京へ行くことになる。  じつはこの話には続きがある。何年もたって次男との関係もだいぶよくなったある日、テレビから「にじいろ」が聴こえてきた。「あ、この歌覚えてる? 母さんが歌って送ったよね? あのとき、歌に感動して返信してくれたんだよね?」。私はなんの疑いもなく次男にそう聞いた。私の歌が次男の凍った心を動かした。そう思っていた。  ところが、次男は首を振って言ったのだ。「ちがうよ」。「え?じゃあなんで電話に出てくれたの?」。次男は真面目な顔をして話し出した。「真夜中に、真っ暗な部屋のなかで、まちがって携帯を触ってしまったんだよ。そしたら突然あれが聴こえてきた。初めは何が聴こえてきたのかわからなかった。そのうち歌だとわかった」。そしてとても怖そうな顔をして続けた。「恐ろしかったね。呪いの歌だ... --- ### 好きなことを見つけてほしい。不登校の子の親が注意すべき原則は - Published: 2022-02-14 - Modified: 2024-10-24 - URL: https://futoko-online.jp/others/3376/ - カテゴリー: コラム, others - タグ: 会員限定記事, コラム, 2022年2月15日号 - ハッシュタグ: 不登校の親  学校へ行かなくてもよいから、なにか夢中になれることを見つけてほしい。そう考える親御さんは少なくありません。不登校のわが子が好きなこと・やりたいことを見つける際、親にできること・親がしてはいけないことについて、本紙記者が解説します(※写真はイメージです)。 * * *  「学校へ行かなくてもよいから、何か夢中になれるものを見つけてほしい」「子どもが好きなことを見つけるために、親に何ができるでしょうか」といった相談や質問をいただくことがあります。「子どもに好きなこと・やりたいことを見つけてほしい」と考えたことがある親御さんはすくなくないと思いますが、その際に親が注意すべき点について今回は2つご紹介します。 親子のズレ  まず、親御さんにお伝えしたいことは「好きなこと・やりたいこと」を見つけてほしいという親の思いが往々にして親が安心できる「好きになってほしいこと・やってほしいこと」にすり替わってしまう場合があるということ。子どもが家から一歩も出ず、家族以外の誰とも交流していないとなると、親であれば誰しも心配になります。そうなると「好きなこと・やりたいこと」が見つかれば、気持ちも身体も外に向くのではないかと考え、子どもに積極的に働きかけたり、きっかけ探しに奔走してしまいがちです。しかし、この時点ですでに子どもの思いと親の思いにズレが生じています。 子どもはスマホでSNSを見たり、ゲームやユーチューブ鑑賞など「今この瞬間」に自分の気持ちが動くものに時間を割きます。親の目には何もしていないような、ポジティブな行動には映らないかもしれませんが、その時間こそ、子どもが心のエネルギーを溜めていく過程において欠かせません。ゆえに、その時間を肯定できずとも、否定しないだけでも、子どもにとっては救いになります。 打算的な考え方、見透かされます  子どもの将来を案じるあまり「好きになってほしいこと・やってほしいこと」にすり替わってしまうことは、子ども自身にも影響します。たとえば、ゲームについて、私は「子どもが好きなゲームを親もいっしょになって楽しんでほしい」と考えています。ただし、ここで誤解してほしくないのは「学校へ再び行かせるため・外へ出ていくモチベーションづくりのため」などと考えないでほしいということ。目的はあくまで、子どもの「今が楽しい」という時間と場を親子で共有することにあります。... --- ### いつまで待てばいいの?不登校の子を持つ親が回避すべき落し穴 - Published: 2022-02-14 - Modified: 2024-10-24 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3381/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】元当事者からの不登校対応マニュアル, 2022年2月15日号 - ハッシュタグ: 不登校の親  「不登校の子を支えるために親がすべきことは、信じて待つこと」。とてもよく聞かれる言葉です。ですが、親としては子どもが心配で、「いったいいつまで待てばいいの?」と思ってしまいます。「子どもを待つ」とはどういうことなのか。自らも不登校経験者で、現在は支援員の古豊慶彦さんが「待つ」ことの本当の意味を教えてくれました(連載「元当事者からの不登校対応マニュアル」第11回)。※写真はイメージです * * *  不登校やひきこもりの子どもと関わるとき、大切なのは「待つこと」だと耳にした方は多くいらっしゃると思います。「信じて、まかせて、待つ」とあわせて聞いた方もいるのではないでしょうか。待つというのは本当に重要で、不登校やひきこもりの子どもと関わるとき、その根幹となり得るものだと考えています。  しかし、この「待つ」、非常に難しいと思います。ここでは私なりの解釈をお伝えしたいと思います。待つことがなぜ難しいのか。  それは、「待つとは手段ではなく結果」であるからです。何かのために意識的に待っているのでは、本来の「待つ」にはならないと私は考えています。  たとえば不登校の子どもに対して「待つ」ことを考えてみましょう。そのとき待っている親(もしくは身近な大人)は、何を待っているのでしょう。学校へ行けるようになるのを待っているのか。友だちをつくることを待っているのか。部屋から出てくることか。元気になることか。 何かのために待つのではなく  「何かのために意識して待つ」ということは、相手に変化を求めることです。子どもは、「自分が(相手にとって)よい変化を起こすように待たれている」と感じます。「あなたが変化するまで待っているからね」ということです。意識して待つことは言い換えれば、「よい変化をしてほしい」というメッセージであり、それは結局、「今のあなたではなく変化したあなたのほうがよい」という、いわば現状を否定していると子どもに捉えられてしまうことが多いのです。  では「待つ」とはなんなのか。親の会などで、親の方が「いろいろ試してきましたがうまくいかず、結局待つことしかできませんでした」と言うのを耳にします。子どものためにと、親はいろいろ試します。医療機関を頼ったり、専門家の話を聞いてみたり、ときには背中を押してみたり、いろんな手段を紹介したり。なんでもかんでもしてみたけれど、のれんに腕押... --- ### 実際に通った生徒3名が語る「通信制高校」の体験談 - Published: 2022-01-27 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/children/2621/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 当事者の声, 2022年2月1日号 - ハッシュタグ: 通信制高校  それぞれの進路が決まってくる2月。近年、通信制高校は多くの子どもたちの進学先として存在感を高めている。今回はそんな通信制高校に在学中のすみれさん(16歳)、SORAさん(10代)と卒業生のさゆりさん(21歳)にインタビューを行なった。通信制高校を進学先として選んだ理由から実際に通って感じる通信制高校のメリット・デメリットまで。不登校経験者から見える通信制高校の姿をお聞きした。 * * * ――みなさんは、今どんな通信制高校に通っているのですか? ふだんの学校生活を教えてください。 すみれ 私はA高校の1年生です。通学型も含めてA高校にはいくつかコースがあるのですが、私は通学日数がすくなく自分のペースで学習を進めていけるネットコースに所属しています。年に数回ある対面授業以外は基本的に学校に登校することはありません。単位取得のためのレポートやクラス内のホームルームなども、すべて自宅のパソコンを通してネット上で行なっています。学校のことはほとんどネット上ですむので、ふだんは家やバイトの合間などに勉強をしながらすごしています。 SORA 私が通っているB高校もよく似ていてオンライン学習を基盤にしています。私もオンラインコースの2年生なので、スクーリングなどの特別な日以外は自宅で黙々と学校のレポートに取り組んでいます。担任やクラスメイトとはチャットアプリを使いながら、コミュニケーションを取っています。B高校では部活動などもアプリ上で行なっているので、結構ひんぱんに連絡が来るんです。それ以外にも先生と月1回電話で話したり、2カ月に1度、ZOOM面談が必須になっているので通学機会はすくないですが、学校とは定期的にコミュニケーションを取っています。 通学を基本に さゆり 私はおふたりとちがい、通信制高校ではあるものの「通学ベース」のC高校に3年前まで通っていました。選ぶコースによって通学日数に差はありましたが、登校日は基本的に朝から夕方までみっちり授業があったので、通信制といっても全日制高校とほぼ変わりありませんでした。私は自分の体調や精神面に合わせて週3日~週5日のペースで通学していました。学校の授業では必須科目以外にもメイクの授業だったり、ダンスの授業だったり自分の興味のある授業を取ることもできました。 ――進学先として、それぞれの通信制高校を選んだ理由を教えてください。 す... --- ### 不登校からの勉強。がんばりすぎないための5つの心構え - Published: 2022-01-26 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/column/2630/ - カテゴリー: コラム - タグ: 会員限定記事, コラム, 2022年2月1日号  不登校による悩みの1つが勉強です。今回は、高校への進学を目の前に葛藤する不登校当事者の疑問をもとにオンライン家庭教師・山口真央さんに「遅れた勉強を取り戻す5つの心構え」をお聞きしました(※写真は山口真央さん)。 * * * 【質問】中学3年生の女子生徒から「みんなはどうやって勉強を進めているのか」という悩みを聞きました。彼女は中学に入ってから不登校。4月には通信制高校への入学が決まっています。進学に先立ち、やっていなかった勉強をしようと取り組むのですが、どうにも続かないそうです。彼女のほかにも新しい環境に進む前に勉強を始めようとして挫折する子の例を見てきました。入学前に「すこしでも『ふつう』に戻っておきたい」という気持ちがあるような気もします。勉強を進めるためにはどうすればよいのでしょうか。(編集部) 壁はいきなり 【回答】これまでの遅れを取り戻そうとしたり、不登校でも「勉強だけはやろう」と思う人は多くいるはずです。私自身、不登校のころは勉強の遅れをとても気にしていました。しかし、いざやろうと教科書を開いてみてもさっぱりわからないし、どこから手をつけていいのかすら、わからない。しかも教科書を見るだけで学校のことを思い出してイライラやモヤモヤがあって結局は長くは続かなかったという思い出があります。そんな私が今オンライン家庭教師として勉強を進めるにあたり、大切だと感じた「心構え」をお伝えしたいと思います。 ①できなくても当然の心を  いざ勉強を始めると、かんたんなはずの問題もわからない。そんな壁にぶつかって落ち込んでしまうかもしれません。しかしそれは「習ってないんだから、わからなくてあたりまえ」です。みんなが学校で習ったことを自分は習っていないのです。だからわからなくてあたりまえ、わからないことに落ち込む必要はありません。それでも「学校へ行っていればわかったのに」と落ち込んでしまう人もいるかもしれませんが、行かなかったことはあなたにとって必要だったことです。今から1つずつ学んでいきましょう。勉強を始めるのに遅いということはありません。 ②中学のすべてをやろうとしない  みんなに追いつこうとすべての教科の中学範囲をやろうとしてはいませんか。それはとても膨大な量で、考えるだけでぐったりしてしまいます。まずは数学なら正負の数の計算問題、英語ならアルファベットや単語からなど1... --- ### 親が「休んでいい」と言ってもムリして登校する子の本音 - Published: 2022-01-26 - Modified: 2024-05-15 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2626/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】元当事者からの不登校対応マニュアル, 2022年2月1日号  不登校気味の子のなかには、親が「ムリしてまで行かなくても... 」と伝えているにも関わらず、「がんばって学校へ行こうとする子」もいます。そうした子たちがムリしてまで登校する背景にはどんな思いがあるのでしょうか。自らも不登校経験者で、現在は支援員の古豊慶彦さんが教えてくれました(連載「元当事者からの不登校対応マニュアル」第10回)。※画像はイメージです * * *  私には中学・高校での不登校経験があります。ときどきその経験を話してほしいと言われることがありますが、私自身は不登校の理由をはっきりと「これです」と言うことが今もできません。私のなかでは「学校という場所に合わなかった」という表現が一番しっくりきています。そのような経験からか、不登校支援に関わるようになったころ、私は「学校は命を懸けてまで行くところではないし、学校以外の場所で育つこともできるから、ムリして行かなくてもいい」という考えで活動していました。今でもその思いは変わりません。  しかしこの仕事を続けていくなかで、一部の子どもは「こんなにも学校へ行くことを求めているのか」と思わされる事例にたくさん出会ってきました。そのなかで私は「ムリして学校へ行かなくてもいい」という考えとともに、「通いたいと思っている人がムリなく通える学校になっていくために何ができるか」と考えるようになりました。私自身の不登校経験から言えば、学校を休むということは、そのままラクになるということにはつながりませんでした。むしろ学校へ行かない日が増えるごとに、だんだん苦しくなっていったと思います。 もちろん学校へ行くということも当時の私にとっては苦しいことでしたから、その苦しみを和らげるという意味では私の不登校には意味がありました。しかし休んだら休んだで、また別の、休むことによる苦しさに直面しました。  私が感じた休むことの苦しさというのは、学校を休んでいる自分を自分自身で受けいれることができないという思いでした。それが周囲から置いていかれるという思いなのか、勉強がわからなくなるという思いなのか、あたりまえのことをできない虚しさだったのか、正直に言えばわかりません。学校へ行くという苦しみはないけれど、休んでいる自分を受けいれられない、認められないという新たな苦しみはついてくることがあると思います。  明らかに苦しそうにしていながらも「学校... --- ### 「お金あげるから学校行って」不安と恐怖から言ってしまった言葉 - Published: 2022-01-26 - Modified: 2024-10-09 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2628/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】不登校は幸せへの道, 2022年2月1日号  高校で不登校した息子さんが専門学校に行きはじめ、「これで何もかもうまくいく」と思い込んでいた後藤誠子さん。しかし、息子さんは2度目の不登校になってしまうのです。強い不安と恐怖心から、後藤さんが息子さんに言ってしまった言葉とは(連載「不登校は幸せへの道」第10回)。※写真は後藤誠子さん  イヤな予感は当たった。2月初旬、次男から電話が来た。来学期の授業料を全額振り込んだ数日後だった。電話なんてめずらしい、どうしたのだろう。電話の向こうの次男は口が重く、なかなか話し出さない。「どうした? 何か話したいことでもあった?」。「じつは」と次男。12月ぐらいから専門学校へあまり行っていない。今はまったく行っていない、そして、もう二度と行けないと思う。ぽつり、ぽつり、と次男は話した。  私は頭が真っ白になって、次男が高校生だったときの、あの地獄のような日々がよみがえってきた。「何言ってんの? 楽しそうにしてたじゃん。進級できるって言ってたよね? またなの? もうイヤだよ、あんなこと。ちゃんと学校行くって約束したよね? ねぇ聞いてるの? 学校行ってよ。学校行きなさいよ」。  次男は何も言わない。私だけが電話に向かってまくし立てていた。次男からの答えはない。ならばとすこし優しく言ってみた。「仕送りもっと増やそうか? バイトなんかしなくてもいいから、とにかく学校行きなよ。あと1年で卒業できるんだから」。  さらに、ふと思いついて言ってみた。「お金あげるよ。1日学校行ったら2000円、2日行ったら4000円って学校行くたびにお金払うよ。だから行ってよ。お願いだから学校に行ってよ。もしもし? ねぇ聞いてるの?」。  気がつくと、もう電話は切れていた。その後、何度電話をかけても次男は電話に出なかった。LINEしても既読にすらならない。落ち着け、落ち着け、次男だってバカじゃない。何百万とお金がかかっているのも知っている。二度と学校へ行かないなんて、そんなことはないはずだ。自分に言い聞かせてなんとか冷静でいようとした。  翌日も翌々日も次男とは連絡が取れなかった。心配になった私は、ようすを教えてもらおうと寮の管理人に電話した。管理人の答えは冷たかった。「食事はとっているようだ、それ以上は関われない」と。  それから丸5日。朝から晩まで電話をかけ、LINEをし続けたが、反応はなかった。心配するこ... --- ### ゲーム、スマホ、SNS・・・依存症の専門家による親必読の1冊 - Published: 2022-01-26 - Modified: 2024-11-30 - URL: https://futoko-online.jp/books/2635/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: ゲーム・スマホ, 会員限定記事, 書籍紹介, 2022年2月1日号 - ハッシュタグ: ゲーム, 松本俊彦, 依存症, 書評  子どもが不登校になったとき、ゲームやスマホにハマったり、リストカットなどをする子どもたちがいます。彼らはなぜ、モノや行為に依存するのでしょうか?薬物依存症が専門の精神科医・松本俊彦さんが中学生の実例をもとに、依存症のしくみやかかわり方を解説した書籍が『世界一やさしい依存症入門』。親や学校の先生必読の1冊をご紹介します(※画像は松本俊彦さんと書籍)。 * * *  本書は14歳に向けて、薬物依存症が専門の精神科医・松本俊彦さんが依存症のしくみと関わり方について書いた入門書です。扱われるテーマはエナジードリンクや大麻などのほか、リストカットやゲームなど多岐に渡り、モノや行為に依存する中学生たちのエピソードが詳細に紹介されています。  名門私立中学に進学したものの、テストなどの成績に悩む中学1年生のカイト君がハマったのは、スマホのゲーム。寝る間も惜しんでやり続け、課金も高額になっていました。怒った両親がスマホを没収しようとすると、暴力をふるうこともありました。ゲームなど、ある特定の行為に依存することを「行為依存」と呼びます。  松本さんによれば、ゲームに引き寄せられる10代には、リアルな人間関係につまずいている子、自分に自信を持てずにいる子など、さまざまなタイプがあるといいます。しかし、彼らを依存症という言葉でくくってしまうことは拙速だと指摘します。日々の生活の息苦しさを抱える子どもたちにとって、ゲームは心のバランスを取るための道具だからです。  カイト君のその後ですが、両親がかかわり方を見直すようになると、本人もだんだん落ち着いていき、自信も取り戻し、転校先で友だちもできたとのこと。ゲームも以前ほどやりたいと思わなくなったそうです。「行為依存」はかならずしもエスカレートするものではなく、リアルな生活の風向きが変わると自然と自分から手を放していく場合があると松本さんは指摘します。  本書は、依存症のしくみと歴史、松本さんのコラムのほか、困ったときの相談先一覧も掲載されています。親や先生に対するメッセージも書かれており、子どもたちの背景を理解し、寄り添い方について考えるうえで、専門的かつ具体的なアドバイスをくれる1冊です。(編集局・小熊広宣) 『世界一やさしい依存症入門~やめられないのは誰かのせい?』 松本俊彦/1562円(税込) 河出書房新社(03-3404-1201)... --- ### 不登校の親だってつらいんだ。親の支援にも取り組むNPOの思い【全文公開】 - Published: 2022-01-26 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/interview/2615/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 無料記事, 2022年2月1日号  自分の子どもが不登校になったとき、頼れる場所はそう多くはありません。栃木県で活動するNPO法人キーデザインの代表・土橋優平さんは「不登校の子を持つ親御さんの味方でありたい」と言います。フリースクールなどで不登校の子どもの支援するほかに「お母さんのほけんしつ」という親御さんの悩みと向き合う取り組みも行なっている土橋さん。不登校の子の親御さんにも支えが必要だと感じた理由や今悩んでいる親御さんに伝えたいことなど、お話をうかがいました(※写真は土橋優平さん)。 * * * ――「お母さんのほけんしつ」は、具体的にどのような取り組みなのでしょうか?  「お母さんのほけんしつ」は、不登校の子どもを持つ親御さんへ向けた、無料のLINE相談サービスです。お子さんへの接し方など不登校全般についての悩みを、メッセージのやりとりを通して、いっしょに考えていきます。不安でいっぱいになっているお母さんお父さんに、モヤモヤした気持ちを吐き出してもらいたい、悩みを共有してもらっていっしょに前に進んでいきたいと考え、始めた取り組みです。 ――なぜ、親御さんへの支援を始めたのですか?  それは、当事者である子どもたちと接していて、子どもが元気になるためには「親御さんも余裕を持った状態で元気でいること」が大事だと感じたからです。きっかけは、ある子どものようすでした。私が関わるなかで徐々に表情が明るくなっていった子が、あるとき、もとの元気のない状態に戻っているということがありました。どうしたのかと聞くと「家でいろいろあってさ」と言ったんです。親御さんに確認すると、「学校へ行ってほしい気持ちが拭えなくて、ついプレッシャーをかけてしまった」とのこと。  はっとしました。家庭の外にある場所や家族以外とのつながりも大事ですが、子どもたちの帰る場所はやっぱり家。だから、家でのすごし方も支援を考えるうえで外せないことだと思いました。フリースクールやホームスクールなどでストレスをやわらげたり気分を変えたりできても、家で窮屈な思いをすると、子どもの安心感は育っていきません。接し方によっても子どもの状況は変わると認識し、親御さんに目を向けていくようになりました。 親御さん自身がとても苦しんでいるようすを目の当たりにしたことも、支援に踏み切るきっかけでした。親御さんたちはいつも揺らいでいます。子どもがどうしても学校へ行く... --- ### 子どもの悩み相談に弁護士が対応 無料のLINE窓口を知ってる? - Published: 2022-01-26 - Modified: 2024-10-08 - URL: https://futoko-online.jp/others/2623/ - カテゴリー: 寄稿, others - タグ: 会員限定記事, いじめ, 相談先, 2022年2月1日号  いじめられている、学校へ行きたくない、両親がケンカばかり――。子どもたちの悩みに弁護士がLINEで相談に応じる取り組みが始まっています。相談料は無料で週3日の19時から2時間、全国どこからでも相談を受けつけています。いま、しんどいあなたの味方になってくれる弁護士がいます。「弁護士子どもSNS」について、弁護士の黒松百亜弁護士にお話をうかがいました(※画像はイメージです)。 * * * 「弁護士子どもSNS相談」は第二東京弁護士会の有志からなる「子どもの権利委員会」が主催する取り組み。週3日、19時~21時にかけて、子どもたちからの相談に弁護士が対応する。相談を受けるのは、「子どもの権利委員会」のほか、法教育の推進や障害者支援などの委員会に所属する弁護士。相談料は無料で、全国どこからでも相談が可能だ。相談の対象者はおもに子ども。学校生活、友人関係、家族関係などといった身近な悩みから、虐待、学校事故、SNS上のトラブルといった悩みに関する相談内容にも応じる。  20代以上の成人からの相談も内容によっては受けつける予定だという。現在、想定している20代以上の相談は、①生きづらさを抱える20代の若者自身からの相談、②福祉関係者や保護者などの子どもの支援に関わる大人からの相談など。 子どものSOS 迅速な対応を  「子どもの権利委員会」委員長を務める黒松百亜弁護士は「2020年の緊急事態宣言を受け、今この瞬間に相談先を探している子どもたちがたくさんいる。子どもたちのSOSを迅速にキャッチし、権利擁護につなげるための相談窓口の設置が急務と判断した」と、「弁護士子どもSNS相談」を立ち上げた経緯についてふりかえる。  常設化に先立ち、「弁護士子どもSNS相談」は2020年4月~10月にかけて、また同年の冬休み中にも期間限定で設置された。当該期間中には1日平均8・6件の相談があり、相談者の約98%が子ども本人だった。相談内容については「学校生活」「友人関係」「家族関係」の悩みが多く、そのほか「SNSでのトラブル(加害・被害いずれも)」なども寄せられたという。   子どもに行なったアンケートによると、相談してみようと思った理由(複数回答)については「無料だから」という回答がもっとも多く、「秘密を守ってくれるから」「信頼できそうだから」「弁護士がやっているから」などが挙げられた。また... --- ### 家を居場所にすることで、不登校の子どもが動き出す1歩になる理由 - Published: 2022-01-16 - Modified: 2024-05-15 - URL: https://futoko-online.jp/column/2667/ - カテゴリー: コラム - タグ: 会員限定記事, コラム, 2022年1月15日号  わが家を安心できる居場所にすることが大切――。不登校の子を持つ親御さんのなかにそんなアドバイスをされた経験がある方はいませんか?「なんとなくわかるけど、具体的に親としてどうしたらよいかわからない」と迷っているあなたへ。不登校取材歴15年の記者が、不登校の子どもにとって家を安心できる居場所にする必要性と親にできること・してはいけないことの2点について解説します(※画像はイメージです)。 * * *  不登校の子どもを持つ親へのアドバイスとして「家庭を安心できる居場所にすることが大切だ」とよく言われます。今回はこのテーマについて考えます。  そもそも、家庭を安心できる居場所にすることがなぜ大切なのか。その理由を1つ挙げるならば、家庭で得た安心感こそが、進学やアルバイトのみならず、子ども自身が好きなことをするために動き出す最初の一歩の土台になるからです。  では、安心感の中身とはなんでしょうか。  これも1つ挙げるならば「わが家には何があっても自分を受けとめてくれる味方がいる」という実感です。たとえば、子どもが何かしようと思ったとき、期待する結果が得られないこともありえます。そのとき、子どもが「うちの親なら何も言わないかな」と思うか「失敗したことをあれこれ言われるかもしれない」と思うかでは雲泥の差です。後者の場合、私が子どもの立場であれば「何もしなければ失敗もしないので、このまま、このまま」と考えるでしょう。安心感に基づく土台がないまま「新しいことに挑戦してみようかな」というエネルギーを外に向けることは容易なことではありません。  こういう話をすると「家庭の居心地がよくなると、ますます外に出て行かなくなってしまう」という指摘をいただくこともありますが、すくなくとも私がこれまで取材してきた経験で言えば、まったく逆だと感じています。子どもにとって家庭がたんなる「ハウス」ではなく「ホーム」になることが、子どもが動き出す際の最初の一歩に必要なことだと考えます。 判断基準は誰の安心感か  では、そのために親は何をすればよいのか。また何をしてはいけないのか。その際の判断基準として「それをすることで安心するのは子どもである」ということが重要になります。親に何ができるかを考える場合に「何か特別な関わり方を」と考えてしまうかもしれませんが、そうではありません。「いつもと変わらずご飯をつく... --- ### 人と比べられる世の中。子どもたちに必要なのは「人と比べない自信」【全文公開】 - Published: 2022-01-14 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/interview/2633/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 無料記事, いじめ, 2022年1月15日号 「どうしても自信が持てない」。7年間のひきこもり経験があり、現在も生きづらさをかかえる瀧本裕喜さんは悩んでいました。そんな瀧本さんの目に留まったのは植松電機社長・植松努さん。植松さんは幼いころから宇宙にあこがれ、現在はロケット開発などに携わっている。また学校での「ロケット教室」や講演活動によって、子どもたちに自信をつけてもらうための活動をしているとのこと。「この人にならば自信を持つ秘訣が聞ける」と考え、お話をうかがいました(※写真は植松努さん)。 * * * ――植松さんは子どものころ、「飛行機やロケットに関わる仕事がしたい」と思ったところ、まわりの大人から「お前なんかにムリだ。できるわけない」とたくさん言われたとのことです。そんななかで、なぜチャレンジを続けることができたのですか?  それ、前に小学生にも質問されました。「どうしてだろう?」と自分でも思いました。よくよくふり返ってみると、僕には相談できる人がいたんですね。僕の相談相手は、伝記に書かれている人でした。実在の大人は、「できない理由」しか教えてくれなかった。「すごく頭がよくないとムリだ」、「お金もすごくかかるぞ」と。しかも、こんなふうに否定してくる大人は、全員、飛行機やロケットをつくったことがない人たちでした。ところが、伝記を読めば、ライト兄弟など、実際につくった人が「こうやったらできるよ」と教えてくれます。何もやっていない大人ではなく、実際にやっている伝記のほうが真実だと思いました。僕は伝記の人たちに励まされて、生きてきたんです。でも最近の中学生、高校生の相談を受けていると、彼らはまわりの大人の言うことを信じすぎているように思います。もっといろんなものを読んだり、見たりすればいいのに。みんなまじめなのか、見ている世界が狭いんじゃないかなという気がするんです。 黒歴史こそ大事  中学生のころって、からだと心が一気に成長して、ホルモンも出てきて、ぐちゃぐちゃになりますよね。そして詩を書いてみたり、マンガを描いてみたり、小説を書いてみたり、歌をつくってみたり、そういうことをやらかすようになる。たいていは「黒歴史」ですけれどね(笑)。でも、こういう黒歴史を経験しておかないと、まずいんじゃないかと思うんです。頭のなかをぐちゃぐちゃにしながら成長する時期が中学生だとしたら、その時期にまじめに勉強と塾通いばかりでよい... --- ### 「僕を捨てて」小2で不登校した息子を追いつめた褒める子育て【全文公開】 - Published: 2022-01-13 - Modified: 2024-11-18 - URL: https://futoko-online.jp/column/2690/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, コラム, 2022年1月15日号 - ハッシュタグ: 不登校の親  子どもに対しては、できなかったことよりもできたことを指摘して褒めよう。肯定的な言葉をシャワーのように浴びせて自己肯定感をはぐくもう。そんな「褒める子育て」が流行っています。しかし、「褒めていたつもりが子どもを追い詰めてしまった」ということもあるそうです。本紙編集長が解説します(※写真は本紙編集長の石井志昂)。 * * *  「褒めていたつもりが子どもを追い詰めていた」と教えてくれたのは、あるお母さんでした。そのお母さんには小学5年生の長男がいます。登校しぶりが始まったのは小2のとき。ある日、玄関で泣き始めてから学校へ行かなくなりました。なんとか登校ができるようにとお母さんは厳しく接したり、励ましたりしましたが、まったくダメ。  最後の手段として「褒める対応」に徹したそうです。1時間でも、2時間でも学校へ行った日は褒める。教室に入れなくても学校へ行くだけで褒める。学校へ行けなくても宿題をしただけで褒める。「小さな成功体験を積むために」と必死で褒めたそうです。できることを褒めるのが、悪い方向に働くと思う人はすくないでしょう。また、このような手法を推奨する教員や支援者も多くいます。 褒めていたのに、息子は自己否定  ところが息子さんの状況は悪くなりました。褒められても気分はよくならず、逆に強烈な自己否定感を身にまとってしまったのです。学校へ行こうと思うと、前夜から腹痛に見舞われ、泣き出す。そして、あるとき、こうこぼしたそうです。  「次に子どもが産まれたら僕を捨ててね」。  息子さんは本当に捨ててほしかったわけではありません。強烈な自己否定感ゆえに出た言葉です。なぜこうなってしまったのか。それは部分的な登校などができることを「小さな成功体験だ」と思っていたのが親だけだったからです。メッセージの受け取り手である子ども本人は、それらのことを「失敗体験」だと思っていたのでしょう。1時間だけ学校へ行けても、本人は「ほかの時間は行けなかった」と思ってしまう。宿題ができても「学校へは行けなかった」と思ってしまう。「みんなにはできて、自分にはできないということを確認させてしまう日々だった」とお母さんはふり返っています。  「僕を捨てて」という言葉にハッとしたお母さんは登校させることをすっぱりあきらめます。その後、意識したことの1つが「雑談」でした。親子で何気ない会話をすると、暗かった... --- ### 小学校の入学式直後から不登校も問題がなく大学へ進んだ道のり - Published: 2022-01-12 - Modified: 2024-11-18 - URL: https://futoko-online.jp/parents/2703/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 会員限定記事, 親の思い, 2022年1月15日号 - ハッシュタグ: フリースクール, 不登校の親, 勉強  息子が入学式の次の日から学校へ行けなくなってしまったという、小林由美さん(仮名)。小林さんにとって小学校低学年で学力がとまってしまった息子はたいへん心配でした。しかし高校受験の時期にあることがきっかけで勉強の不安が解消されます。 * * * ――息子さんは小学1年生から不登校されたと聞きました。  そうです。息子は入学式の日に「行かない」と言いました。もともと入学前の就学時検診と面談のあとで、すでに息子には思うところがあったのか「学校へ行かないで家で勉強する」と言ったことがありました。でも私には「学校へ行かない」という選択肢はありませんでしたから、入学式の日は無理やり連れて行きました。だけど、次の日からはなんともならなかったです。朝は起きるのですが、玄関から動かない。引っ張っても何をしてもビクともしなかったです。「なんで子どもがこんなに重いんだろう」と思うほどでした。  そのときはこのままではたいへんなことになると思いました。だって、まだ入学式のほかは1日も行っていないんです。「校門の前までなら行けるんじゃないか」、「保健室だったらよいかもしれない」と思って連れて行こうとしました。先生は「給食だけでもいいよ」と言ってくださいました。夫も仕事を遅刻してまで、朝、校門まで息子といっしょに行く、ということをやっていました。とにかく学校に慣らすために必死でした。しかしそれでも、息子は登校しませんでした。  そういう毎日でしたので、息子が不登校になって1カ月くらいで親のほうがヘトヘトになってしまいました。そんなとき、フリースクールの合同説明会があるということを新聞で見て、すぐに参加しました。どこでもいいから通ってほしかったんです。小学生が通える場所が1つだけあったので、すぐに息子を無理やり連れて見学に行きました。そうしたら、スタッフのお兄さんと意気投合して、「ここに通う」と本人が言ってくれたので、ほっと一安心でした。 フリースクール、あくまでつなぎ  しかし、私のなかで、フリースクールはあくまで学校に戻るまでの「つなぎ」でした。  このまま息子が学校へ行かなかったら、読み書きもできない子に育ってしまうのではないかと心配だったからです。 息子は楽しそうにフリースクールへ行っていました。息子より親のほうが不安でいっぱいだったと思います。とりあえず小1のあいだは学校に戻すことはあ... --- ### 不登校の息子が専門学校へ「やっと終わった」と思った母の本音 - Published: 2022-01-12 - Modified: 2024-11-18 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2682/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】不登校は幸せへの道, 2022年1月15日号 - ハッシュタグ: 不登校の親, ひきこもり, 引きこもり  不登校だった次男が東京の専門学校へ。「これでもう大丈夫、不登校からは卒業できたんだ」、そう思っていた後藤誠子さん。しかし、専門学校が始まって約1年、「なんだかイヤな予感がした」と後藤さんは語ります(連載「不登校は幸せへの道」第9回)。※写真はイメージです  あんなに学校へ行けなかった次男が、卒業式には参加した。体育館でほかの生徒と座り、名前を呼ばれると大きな声で返事もした。うれしくて私は泣くのだろうと思っていたが、不思議と泣く気にはなれなかった。やっと長い戦いが終わった。明日からはもう戦わなくていい。ほっとする思いだった。  3月、次男は1人で東京へ旅立った。専門学校でギターづくりを学ぶために。学生専用の寮で暮らすことになった次男。もちろん家を離れて生活するのは初めて。生活に必要な物は近くで買えばよいと何も持たずに行ったものだから、最初からつまずいた。「あれはどうすればいい、これはどこで買うの」と何度も連絡が来た。  4月に入り学校が始まると、やっとすこし落ちついてくる。 寮の先輩に食事に連れて行かれた、クラスの子たちと遊びに行ったと知らせてくれるLINEの文字が楽しそうに踊って見えた。 秋に行なわれた学校の文化祭には、仕事を休んで駆けつけた。そこには友だちとたこ焼きや焼きそばをつくる次男の姿があった。何人かの友だちも紹介してくれた。都会のどまんなかでキラキラした青春を謳歌している次男。きっともう大丈夫。不登校からは本当に卒業できたのだ。  クラス展示で次男がつくったギターを見るのを楽しみにしていた。だが、いくら探しても次男の名前はない。制作が遅れていて展示に間に合わなかったと次男が説明してくれた。何事にもまじめに取り組む次男らしい。ギターが見られなかったのは残念だが、楽しみが先に延びただけ。そう思った。もう何も心配していなかった。  秋から冬にかけて次男からの連絡はすくなくなっていった。学校やバイトで忙しいのだろう、よいことだ。  「ほかの人たちに追いつくために毎日夜遅くまでギター制作に励み、土日も学校へ行っている」。あるとき、電話でそう教えてくれた。さらにバイトまで。すこしがんばりすぎじゃないかな。そう思ったが、心のなかでつぶやくだけにしておいた。  1月、次男からのLINEにこう書かれていた。「明日の進級試験の準備をしているんだけど、どうも前向きになれない。... --- ### 不登校のわが子をどこかに通わせたい。親が注意すべきポイントは - Published: 2022-01-12 - Modified: 2024-05-15 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2675/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】元当事者からの不登校対応マニュアル, 2022年1月15日号  「学校は休んでもいい。でもせめて、どこかに通ってほしい」。そう思う親御さんは多いのではないでしょうか。居場所に子どもを誘うとき、どんなことに気をつければよいのでしょうか。居場所へ行きたがらない子どもの気持ちとは。自らも不登校経験者で、現在は支援員の古豊慶彦さんが教えてくれました(連載「元当事者からの不登校対応マニュアル」第9回)。※画像はイメージです * * *  子どもが不登校やひきこもり状態でずっと家にいるとき、学校や職場ではなくても、どこか行ける場所がないかと探す方は多いと思います。フリースクールやフリースペースと呼ばれるような、いわゆる「居場所」が候補になると思います。  私が中学1年生で学校へ行けなかったとき、母親から不登校の子どもの居場所へ行ってみないかと誘われたことがあります。母が行っていた親の会が運営している、週に1回開かれている場所でした。しかしそのとき私は断りました。当時の私には、「不登校の子どもの居場所なんて負け犬のたまり場で、自分はそういう人たちとはちがう」という思いがあったからです。高校生になってまた不登校になった際に、母親から再度同じ場所に誘われ、初めてその場所へ行ってみました。  中学では拒否したのに、なぜ高校生のころには行ってみようと思ったのか。それは、「出会い」のためでした。そのころの私は家族以外で話せる人が地元にまったくいなかったのです。だから「新しい出会いのためにはこの機会しかない」と思ったのでした。  居場所へ行ってみるかどうかは本人次第ですが、その誘い方はとても難しいと思います。私も相談などで出会った人たちに居場所への参加をすすめてみることがありますが、ほぼ拒否されます。  しかし、一度誘って断られたからといって、子どもが一生その場所へ行かないかというと、そうではありません。伝えたことは子どものなかには残っており、ずっと選択肢の1つとして存在し続けると思います。ですから定期的に(といっても半年に一度くらいのペースで)誘ってみることは大切です。しかし誘いかけて拒否されたときにはすぐに引いたほうがよいです。ダマしたようにして無理やり連れて行っても、子どもを追い詰めるだけですから。 定義はさまざま  居場所というと前記した不登校やひきこもりの人を対象とした物理的な場所のイメージが強いと思いますが、それだけにかぎらないと思います。... --- ### ひきこもりに20年関わってきた当事者が語るひきこもりの真実 - Published: 2022-01-12 - Modified: 2024-10-07 - URL: https://futoko-online.jp/books/2670/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 2022年1月15日号  10代で不登校を経験し、30代まで断続的にひきこもりをくりかえしてきた経験を持つ林恭子さんが初となる自著を出版しました。不登校やひきこもりだった当時のこと、母親との確執などといった自身の半生に加え、ひきこもり1686人に行なった実態調査も紹介。そんな林さんが提言する、ひきこもりの子どもを持つ親にしてほしいことが読める1冊を紹介します(※写真は林恭子さん)。  本書の著者である林恭子さんは不登校・ひきこもりの経験者。現在は一般社団法人ひきこもりUX会議代表理事や東京都ひきこもりに係る支援協議会委員を務めています。  このように書くと、たいへんだった過去を乗り越えて、現在は精力的に活動している「成功例」のように思われるかもしれませんが、そうではありません。林さんの半生を読んでいると、今日にいたるまでの道のりがいかに綱渡りのような状態であったかがうかがえます。  わが子のひきこもりで今悩んでいる親御さんには5章「家族にどうしてほしいのか」を、ぜひ読んでいただきたいと思います。親の悩みの1つに「どのように声がけをしたらよいか」というものがあります。  そのヒントとして林さんは「NGワード」と「OKワード」を紹介しています。「NGワード」の具体例として挙げたのは、同世代の友人や知人との比較です。就職や結婚など、本人の背中をすこしだけ、よい意味で押すつもりで親は声がけをしてしまいがちだが、脅しにしかならない、と林さんは言います。 逆に「OKワード」の具体例は、社会問題となっていることや本人の趣味についての話題だと言います。そのほか、「わかり合えないから始める」「本人のことは本人に聞く」など、ひきこもりに20年以上関わり、当事者の声を聞き続けてきた経験に基づくアドバイスが詰まっています。  また、本書では林さんのひきこもり経験を語るうえで外せない母親との関係のほか、ひきこもり当事者ら1686人に調査した結果についてもまとめています。自身のひきこもり経験に誠実に向き合い、今もそのスタンスを崩さずに当事者の声を伝える活動を続けている林さんが語るひきこもりの真実。ひきこもり支援に携わる関係者にも読んでいただきたい1冊です。(編集局・小熊広宣) 『ひきこもりの真実~就労より自立より大切なこと』 林恭子/924円(税込) 筑摩書房(03-5687-2601) (初出:不登校新聞570号(... --- ### 不登校・いじめ・子どもの自殺、ニュースでふり返る2021年 - Published: 2021-12-24 - Modified: 2024-10-08 - URL: https://futoko-online.jp/others/2642/ - カテゴリー: コラム, others - タグ: 会員限定記事, いじめ, 1年を振り返る, 2022年1月1日号  少子化が進むなかで不登校や子どもの自殺が過去最多となった2021年。不登校をめぐっては不登校特例校の設置やフリースクールへの支援の拡充などの動きが全国で見られるなど、状況は刻々と変化しつつあります。他方、「大津いじめ自殺」から10年という節目であったことも忘れてはなりません。子どもにまつわるニュースや全国各地の行政と市民の動きなどのおもな出来事を一覧表にまとめつつ、2021年は子どもにとってどのような1年だったのか、ふり返ります(※画像は8月に文科省にて記者会見に臨む石井志昂本紙編集長)。 * * *  10月、文部科学省が公表した「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、不登校児童生徒数は19万6127人と、統計開始以降、過去最多となった。コロナウイルス感染拡大による全国一斉休校などを受けて実施された調査であり、「新型コロナウイルスの感染回避」を理由に年間30日以上欠席した児童生徒が2万905人だったことも明らかになった。 不登校特例校  4月、不登校特例校として、岐阜県岐阜市に岐阜市立草潤中学校、東京都大田区に大田区立御園中学校「みらい教室」が開校した。  不登校特例校とは、文部科学大臣の指定を受け、不登校の児童生徒を対象に、年間の授業時数を一定程度すくなく設定できるなど、特別な教育課程を編成できる学校のこと。2021年12月現在、8都道府県に17校(公立8校、私立9校)が開設されており、2022年4月には宮城県富谷市に東北初となる不登校特例校が開設される予定だ。そのほか大阪市など、不登校特例校を設置する動きが全国に広がっている。 子どもの自殺  文部科学省や厚生労働省によると、2020年の小中高生の自殺は499人(前年比25%増)と過去最多となったことがわかった。なかでも女子児童生徒は219人と前年から65%増えており、喫緊の課題となっている。子どもの自殺については、2021年上半期が2020年上半期のペースを上まわっており、強い危機感を持った弊社は8月、文部科学省内で記者会見を開き、緊急アピールを発信。学校へ行きたくないという訴えは命に関わるSOSであり、「TALKの原則」に沿った対応の必要性を指摘した。 「大津」から10年  「いじめ防止対策推進法」のきっかけとなった「大津いじめ自殺」から10年目となる2021年。遺族が元同... --- ### 「お約束の展開」とはちがう、ひきこもり男性の話【全文公開】 - Published: 2021-12-24 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/children/2652/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 無料記事, 当事者の声, 2022年1月1日号  「ひきこもり」はひとくくりに語られがちですが、当事者一人ひとりにはさまざまな背景があり、ストーリーがあります。本紙でも連載していた中村秀治さん(35)は、誠実で温厚で物静かな青年です。その一方で、ひきこもりのさなかに東日本大震災のボランティアへ行ってきたというエピソードも持っています。しかも、そのボランティア生活を通して意外なものを持ち帰ってきました。今回は中村さんが手にいれたものを紹介します。(本紙編集長・石井志昂)※画像は中村秀治さん(写真・ぼそっと池井多) * * *  中村さんがひきこもりを始めたのは20歳ごろです。小学校6年生で不登校をし、高校は夜間高校へ進学。卒業後は長崎県内の会社に正規雇用が決まりました。ところが殺伐とした職場にあたってしまいました。職場内の会話は世間話よりも同僚に向けた悪口がメイン。仕事での足の引っ張り合いもあり、トラブルが発生すると噂話で盛り上がる。そんな悪意が飛び交う職場で、ストレスを感じた同僚が血の混じった胃液を吐くこともあったそうです。悪口を聞くのも言うのもイヤだった中村さんは、職場内で孤立。居心地は悪くなる一方のため、入社から10カ月後に退職しました。 自責の日々  退職後、ひきこもり生活に入りますが、「悪い職場にあたってしまった」とは思わず、自分を強く責めたそうです。不登校も克服したのに、職場もダメにしてしまった。「自分は社会不適合者だ」「逃げてどうするんだ」。そんな言葉が、言われてもいないのに、勝手に心に突き刺さってきました。親や兄弟、社会に対しての罪悪感が芽生え始め、出勤する母の姿を見ては、心のなかで毎日、謝っていたそうです。「生きた心地がしないし、生きている理由も見つけられない」、そんな日々が6年も続きました。  2011年3月11日、東日本大震災が起きます。地震や津波で倒壊した街並みがテレビに映し出され、毎日のように原子力発電所の事故に関する報道がされました。25歳になった中村さんはニュースを見て、ある決意を母親に伝えます。  「被災地でボランティアをしたい」。  自分にはツテがないので、ボランティアへ行けるよう母に頼んだのです。一方で、複雑な心境でした。被害状況を見て「何か手伝いたい」という思いと、「何が自分にはできるのか」という思いがある。それ以前に人に会うのも怖いし、外出も怖い。でも、行きたい... ...... --- ### 飛び跳ねるほどうれしかった、不登校の息子からの言葉 - Published: 2021-12-23 - Modified: 2024-10-09 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2648/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】不登校は幸せへの道, 2022年1月1日号 次男が不登校になり、一時は「子どもを殺して自分も死のう」とまで考えた後藤誠子さん。そんな次男がやっと動き出した。将来の夢まで語ってくれた。本当にうれしかったと後藤さんはいいます。しかしまだ後藤さんの連載は続きます。このあと、さらなる困難が後藤さん親子に訪れるからです(連載「不登校は幸せへの道」第8回)。※画像はイメージです  次男が新しいことを始めた。動けなくなっていた次男がまた動き出した。ギターを弾けるようになった次男は高校の軽音部に入部。部員の女子たちに請われてバンドも組んだ。なんと文化祭のステージで演奏もした。地域のお祭りでギターの弾き語りをしてお金までもらった。授業に出られる日はすくない。それでも充分楽しそうに高校生活を送っている次男。私が思い描いていた理想とはすこしちがっている。それでもいい、このまま笑っていてほしい。祈るような思いで次男を見ていた。  「ギターをつくる人になりたい」。ある日、次男は言った。高校3年生になっていた。「自分にギターを弾く才能がないのはよくわかった。でもギターをつくって誰かに喜んでもらうことはできるかもしれない。だからギターをつくることを学びたい」、と。  この言葉を聞いたときの私の気持ちを想像してもらいたい。  次男の人生はもう終わったものだと勝手に思いこんでいた。その次男が自分の将来を口にした。ちゃんと考えていたのだ。うれしくて飛びまわりたいくらいだった。さっそく次男とギターづくりを学ぶにはどんな道があるのか探し始め、東京に専門学校が何校かあることがわかった。高校卒業の資格さえあれば入学できる学校だった。  ところが、進路面談で担任が言ったひと言で次男はまたやる気を失ってしまう。「専門学校? 自分の人生をそんなにかんたんに決めてしまっていいの? そんなことより大学受験でしょ。人生の選択肢を増やそうよ」。考えて考えて今度こそ自分のできることを見つけた。やっとこれだ! というものを見つけたのに、まさか担任にそんなことを言われるなんて。  翌日から次男はベッドから出られなくなった。ひどいことを言った担任が本当に憎かったが、今はそんなことはどうでもいい。次男がやっと見つけた道になんとかして進めるよう支えなければ。「とにかく卒業さえすればいいんだから、ムリしなくていいよ。行けるときにすこしでも行こう」。声のかけ方に気をつかい、励まし、... --- ### 子どもに「将来の話」をする前に知っておいてほしいこと - Published: 2021-12-23 - Modified: 2024-10-07 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2646/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】元当事者からの不登校対応マニュアル, 2022年1月1日号  不登校の子どもに切り出しにくい話題、それは「将来の話」。「高校どうするの?」「そろそろバイトでもしたら?」など、言われた子どもの機嫌が悪くなってしまうこともよくあります。将来の話をするとき、どんなことに気をつければいいのでしょうか。自らも不登校経験者で現在は支援員の古豊慶彦さんが「ケンカにならない話し方」を教えてくれました(連載「元当事者からの不登校対応マニュアル」第8回)。※画像はイメージです  学校へ行けずに家ですごす子どもに対して、「これからの話」(つまり将来の話)をすることは、かんたんなことではありません。これからの話をしようとすると、子どもが不機嫌になったり、自室に戻ってしまうということも、めずらしくありません。  前提として理解しておいてほしいのは、学校へ行っていない子どもにとって、これからの話をされるのは、キツイことだということです。なぜキツイのかと言えば、自分がなじめなかったり、理不尽な攻撃を受けたりした学校という場所に、「結局、戻るのか戻らないのか」という話がほとんどだからです。 たとえば中学生の子どもに「これからの話」をする場合、「高校はどうするか」、「転校する道もある」などの提案をしたりするわけですから、周囲の大人は「今までの学校へ戻れ、という話ではないんだよ」と思っているかもしれません。しかし、苦しんでいる子どもにとっては、別の学校とは言っても、かつて自分が苦しんだ学校の印象がぬぐい切れないわけです。そんなにかんたんに割り切れません。また、全日制ではなく、通信制を紹介する場合もあると思います。毎日通学がない通信制なら子どもにとってハードルが低く、納得しやすいのではないか、と。  しかし子どもからすれば、「全日制よりはラクな通信制はどう?」と聞かれれば、自分がふつうに学校へ通うことを親があきらめたように感じることもあります。  また、親としては前向きな提案のつもりが、子どもにとっては「このくらいならさすがにできるでしょ」と言われたように受けとめられてしまう場合もあります。そうなってしまっては通信制のメリットの部分に、子どもが価値を見いだせなくなってしまいます。 いっしょに考える  では「これからの話」をするとき、何を大切にすればよいのでしょうか。それは「子どもといっしょにこれからを考えていく」という姿勢です。子どもが将来何をしたいのか、まずは... --- ### 見たかったのは息子の笑顔。それを奪っていたのは私のこんな対応でした - Published: 2021-12-23 - Modified: 2024-10-09 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2681/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】不登校は幸せへの道, 2021年12月15日号  「息子が不登校したのは、あの友だちのせいじゃないか」。そんなふうに息子の友だち「K君」を見ていた後藤誠子さん。しかしそのK君こそ、後藤さん以上に息子を支えていたのでした。不登校ママ・後藤誠子さんが語る、失敗と再生の歴史(連載「不登校は幸せへの道」第7回)。※画像はイメージです  長男による次男への暴力は、長男からのSOSだったのだ。今まで次男ばかり見ていた私は、初めて長男を助けなければと強く思った。私がしっかりしなければ誰も助けることはできない。悲しんだりイライラしたり、その思いを子どもたちにぶつけるのはもうやめよう。そう思うことで私自身の気持ちもすこしだけ落ち着いた。  目線が変わったとでも言えばよいだろうか。それまでも見えていたはずなのに、見ようとしていなかった次男のつらそうなようすにやっと気がついた。やせ細って表情のない能面のような顔。私は何をやっていたのだ。子どもたちの笑っている顔が見たかったんじゃないのか。学校、学校と騒ぐのはもうやめた。騒いでも何もよいことはないと、やっとわかったから。それがよかったのか、次男のようすもすこしずつ変わってきた。  次男には中学から仲よくしている友だちが1人いた。K君だ。部活もちがう、住んでいる地区もちがう、服装もチャラチャラしていて坊主頭の次男とは見た目もちがう。  なのにいつも次男にまとわりついている、それが私の印象。だから、次男が高校に合格したとき、「もうK君とは会うな」と命令した。進学校での勉強に、K君との付き合いはジャマになるだけ。よい大学に入るために、妨げになるものはすべて排除しなければ。学校へ行けなくなった当初は、K君のせいで行けないのではないか、とすら思っていた。  しかし私の思いなど構わず、K君はその後もずっと次男とつかずはなれずの存在でいてくれた。ギターも歌もプロ並みに上手なK君が、学校へ行けなくなり野球部も辞めてしまった次男にギターを教えてくれるようになった。毎日のように家に来てくれるK君に、ありがたくて心のなかで手を合わせていた。 宝物になった言葉  じつは、K君にちゃんとお礼を言うことができたのは何年も経ってから。無職で収入のない次男を食事や遊びに連れて行ってくれるK君に言った。「いつも次男といっしょにいてくれて本当にありがとうね。あなたのおかげで、あの子は社会と切れずに生きてこれているよ」。 K... --- ### わが子は3人中2人が発達障害。学び育つなかで見つけたコツ【全文公開】 - Published: 2021-12-14 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/parents/2656/ - カテゴリー: 保護者の体験談, 不登校 - タグ: 無料記事, 人気記事, 親の思い, 発達障害, 2021年12月15日号 - ハッシュタグ: 発達障害  「子育てするうえで大事なのは、親自身も人間としての幸福感を持つこと」と語るのは、千葉県在住の熊谷亜希子さん。親子がともに豊かになれる教育を求め、たどり着いたのが家庭を拠点にした「ホームエデュケーション」だった。今回はホームエデュケーションを実践するなかで得た気づきや子育てのヒントについてお話をうかがった(写真は熊谷亜希子さんとお子さん)。 * * * ――ホームエデュケーションを始められたきっかけを教えてください。  一番のきっかけは、第3子の出産です。それまでは第1子を幼稚園まで送り迎えをしていたのですが、第2子と赤ちゃんの面倒を見ながら送り迎えをするのがキツくなってしまって。しだいに、「それならいっそのこと、おうちをベースに子育てがしたい」と考えるようになりました。そのうえで私がホームエデュケーションなどのオルタナティブ教育に興味を持つようになった原体験は、2つあります。  1つ目は、20代のころの体験です。私は第1子を出産するまで採用コンサルタントとして働いていたのですが、自分が受けてきた教育と現実の社会に大きなギャップを感じていました。というのも、いろいろな業種・業界の人事の方や社長と話をする機会があったのですが、どの方も「勉強できる人間じゃなくて、仕事ができる人間がほしいんだよね」と口をそろえておっしゃるんです。私は学歴主義のもとで育てられてきたけど、これからの時代に必要なのは、偏差値や学歴を追う教育ではない、とそのとき強く感じました。 2つ目は、30歳のときのモンテッソーリ教育(※)との出会いでした。モンテッソーリ教育は、「子どもには自分で自分を教育する、育てる力がある」という「自己教育力」の考えを根底にすえた教育法です。大人が一方的に知識を注ぎ込むやり方ではなく、子どもの環境を整えてあげることで、その子の生まれ持った可能性を伸ばす方針に、「すごくいいなぁ」と感銘を受けたんですね。  実際に子育てをしていくなかで、わが子たちにどんな大人になってほしいかと考えたときに、「お金を稼ぐことを目的とした生き方ではなく、ひとりの人間として幸福を感じられる心を持ってほしいな」と思ったんです。そうした思いもあって、自分の教育研究も兼ねて、トライしてみようと、2011年からホームエデュケーションを始めました。また、同じ時期には「共育ステーション 地球の家」という小さな... --- ### 私が苦しんだ「自意識」から解放されるまで【18歳の不登校当事者手記】【全文公開】 - Published: 2021-12-14 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/children/2691/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 無料記事, 当事者の声, 2021年12月15日号  自分を否定してしまう、自意識に苦しむ人は多い。塾での人間関係のトラブルをきっかけに、中学、高校と不登校をした凛さん。凛さんも「〇〇してはいけない」という自意識に苦しんできた1人だ。塾で経験したトラブルや悩みとは、いったいどんなものだったのか。凛さんなりの自意識の捉え方とは。執筆いただいた。 * * *  私は小学生のときに通っていた塾での行きしぶりをきっかけに、その後の中学や高校で不登校を経験しました。思い返してみると、当時の私の苦しみの根本には、他人からの評価を気にしたり、自分の感情を否定したりする「自意識」があったと思います。  私が人目を気にするようになったきっかけは、小学6年生のころ、塾で特進クラスに進級したことでした。はじめは進級がうれしかったのですが、いざ特進クラスへ通うと私の成績はほぼ最下位。成績で決められる席順では、最後列に座るようになりました。それまで塾は私にとって周囲にすすめられ、なんとなく通う場所でした。しかし、しだいに自分の順位に恥ずかしさと絶望感を覚え、私はまわりの子たちとの成績の差ばかりを気にするようになっていきました。  また、新たに人間関係でも悩むようになりました。特進クラスに、まわりの人を見張っては陰口を言うような子がいたのです。クラスも今までとちがいヒリついている雰囲気で、私はしだいに人目を気にするようになっていきました。その後、塾へ行くたびに人目を気にする気持ちはふくらみ続け、最終的に私は悪口を言われていないか、つねにクラスメイトのようすを目で確認しないといられない状態になってしまいました。そして目で追うようになったことで「あの子、じろじろ見てきてうざい」と特進のクラスメイトに言われるようになり、私は塾へ行けなくなりました。  思えば行けなくなるまでも、塾や塾のクラスメイトがイヤで行きたくないと思ったことは何度もありました。でも私は休むことはできませんでした。それは「行かないといけない」「他人をきらってはいけない」という意識が私のなかに強くあったからです。その後、塾から離れても、私のその意識は変わりませんでした。他人を気にすることも目で追うこともやめられず、それが原因で塾と同じような人間関係のトラブルを中学や高校でも経験しました。 先生との出会い  そんなふうにずっと苦しみを抱えてきた私でしたが、カウンセリングの先生からのある... --- ### 小・中・高で不登校した私が「ふつう」の呪縛から自由になるまで - Published: 2021-12-14 - Modified: 2024-11-18 - URL: https://futoko-online.jp/children/2696/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2021年12月15日号  「あのころの私は、がんばりすぎなくらい、がんばっていた」。小・中・高と不登校を経験した村瀬なつきさん(仮名)はずっと「ふつうにならなきゃ」と思っていた。しかし、20歳を越えたあたりから考えが変わってきたという。起立性調節障害や体調不良に苦しみながらも10代を生き抜いてきた女性が語る、「ふつう」の呪縛から自由になるまでの10年間とは。 * * * ――最初に不登校になったのは、小学5年生のときとうかがいました。  そうです。クラス替えで親友と離れてしまったこと、ブラスバンド内での厳しい上下関係やポジション争い、パワハラに近い高圧的な顧問の指導、それにクラスが学級崩壊気味で、クラスメイトが担任の先生をいびっていたこと。そうしたことが重なって「行きたくないな」という思いがどんどん大きくなって、学校へ行けなくなりました。休みが続くと学校からは教育支援センターをすすめられました。1年ほど通っていたのですが、ショックな出来事がありました。バス停に立っていると、年配の女性に話しかけられて、「今日学校は?」と聞かれたんです。私にはそのことがすごくショックで、バスに乗りながら号泣しました。「この時間に小学生がいるのは、おかしいことなんだ」と。 やり直したくて  小学校を卒業後、中学校に入学するときは、地元からすこし離れた学校に越境入学をしました。小学校での人間関係をリセットして、新しくやり直したかったんです。「中学には絶対に行くんだ」と思っていました。でも、うまくいきませんでした。中学は小学校以上に、集団行動が重視され、まわりに合わせなきゃいけない空気感のなかで、スクールカースト上部の人におびえる生活でした。先生の指導も厳しいし、時間割も忙しすぎて、本当にたいへんでした。  しだいに学校へ行くことで、体調がどんどん悪くなっていきました。病院で起立性調節障害の診断をもらったのですが、「朝、起きられない」という症状にかぎらず、1日中体調が悪かったです。勉強をしようと机に向かっても、めまいなどでフラフラしてしまいイスに座っていられませんでした。  起立性調節障害に効くとされていることはすべてやったつもりです。毎朝血圧を測る、よいとされる食事の成分をとる、寝る姿勢をととのえる、薬の服用など。でも一向に改善しませんでした。それで朝、ほとんど眠れないまま新聞配達員のバイクの音を聞いて、「ああ、... --- ### 正月の帰省や親戚の集まり。わが子を苦しめないための親の心得 - Published: 2021-12-14 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2663/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】元当事者からの不登校対応マニュアル, 2021年12月15日号  年末年始、不登校の子どもにも親にとってもゆううつなのは、「親戚の集まり」です。「自分はどう思われるんだろう」、「いとこと比べられるんじゃないか」など、不安は尽きません。そんな親戚の集まりにどう対処したらよいか、自らも不登校経験者で現在は支援員の古豊慶彦さんが「攻略法」を語ります(連載「元当事者からの不登校対応マニュアル」第7回)。※画像はイメージです * * *  不登校やひきこもっているときに、親戚との関わりを嫌う、避けたがる子どもはすくなくありません。自分の現状を親戚に知られたくない、何か言われたらどうしようと考えるなど、不安材料は多いです。また親としても、そもそも子どもの現状を親戚にどう説明するのか、どこまで、誰にだったら言えるのかなど、悩むこともあるかもしれません。そんなときどうすればよいのでしょうか。  まず何より子どもと事前にじっくり話すことが大切です。「〇月〇日に〇〇で親戚の集まりがあるんだけど、行く?」と確認してみましょう。このとき、即答でYES、NOの返事が来るとはかぎりませんので、返答に時間をかけられるように余裕をもって伝えたほうがよいですね。その際、「誰が来るのか」「何をするのか」「何時から何時までなのか」などいろいろ聞いてくるかもしれません。できるだけ細かく答えてあげてください。詳細な情報が得られれば子どもは親戚の集まりをイメージしやすくなり、安心につながる場合もあります。  子ども自身が興味を持ち、「行きたい」となった場合は、もし話せるようであれば、不登校しているという現状をどのように伝えようか、と子どもに相談してみてください。「すべてを隠してほしい」、「理解がありそうな人には事前に伝えておく」、「嘘をつく(不登校中なのに学校へ行っているようにふる舞う)」などなど、さまざまな対策をともに練ることができます。  大切なのは、親自身がちゃんと子どもの味方であり、相手が親戚であろうと、それは揺らがない、という関係性を築けているかどうかです。ふだんなかなか会わない親戚が、過度な心配ゆえ、また無理解ゆえに、子どもにとって苦しくなるような言動をとってくる可能性は否定できません。そんなとき、親が自分の味方になってくれると思えれば、子どもは心から安心できるのです。 自宅に親戚が集まる場合は  また、そもそも自宅が集まりの会場になっている場合は、行きたくな... --- ### SNS相談窓口の代表に聞いた「不登校向け相談マニュアル」 - Published: 2021-12-02 - Modified: 2024-11-13 - URL: https://futoko-online.jp/interview/2751/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2021年12月1日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり  私は小学1年生から10年間不登校だったのですが、不登校だった当時、悩んでいたのが「相談の仕方がわからない」でした。「気軽に相談して」と言われても、どんなタイミングで何を相談したらよいのかわからない。結局は、ひとりで抱えこんでいました。きっと、同じような思いをしている10代も多いでしょう。LINE相談「ユキサキチャット」を立ち上げたNPO法人D×P(ディーピー)理事長・今井紀明さんに「ユキサキチャット」の詳細や相談の仕方について、お話をうかがいました。(聞き手・編集 木原ゆい) ――本日はよろしくお願いいたします。  D×P理事長の今井紀明と申します。D×Pでは不登校・中退・家庭内不和・経済的困難を抱える10代を対象に支援活動を行なっています。大人と子どもの狭間にいる10代は、セーフティネットから抜け落ちやすい存在です。身動きが取れず行き詰まる彼らをひとりにしないことを目的に活動しています。おもな活動としては、定時制高校での居場所事業や仕事体験ツアーなど、本人たちの困りごとに寄り添い、サポートにつなげる取り組みを行なっています。また、2018年から気軽に相談できるLINE相談を開始し、2020年からは「ユキサキチャット」として本格始動しました。 ――「ユキサキチャット」について教えてください。  不登校や中退をはじめ、経済的・社会的問題を抱えている13歳~19歳を対象としたSNS相談窓口です。平日午前10時~午後7時のあいだ、LINEにて無料で相談を受け付けています。子ども・若者向けの相談機関が増えていますが、ユキサキチャットの特徴としては3つあります。 「これから」をともに考える  1つめは、進路・就職のサポートに特化していることです。  進路や就職について考えたいと思っていても、何かしらの問題や困難を抱えている場合、ひとりで解決するには限界があります。ユキサキチャットでは、本人の状況をきちんと聞きながら相談員がいっしょに考え、悩みを解決できるようなお手伝いをしています。  2つめは、相談にはリアルタイムでかならず返事を約束していることです。ユキサキチャットが定める対象者およびルールの範囲内であれば、寄せられた相談には、できるだけその日のうちにお返事します。ですから、「せっかく相談してみたのに、つながらない」という心配はありません(※1)。  3つめは相談員が担当... --- ### いじめにより中2で不登校、今も残る私を傷つけた一言と支えた一言【全文公開】 - Published: 2021-11-30 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/children/2779/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 無料記事, 当事者の声, いじめ, 2021年12月1日号  中2で不登校を経験した星川葉さんは、両親からの言葉に傷つき、また支えられたという。両親の言葉とはどんなものだったのか、ご自身の経験を執筆いただいた(※写真は星川葉さん)。 * * *  中学2年生の秋ごろ、私は転校を経験した。地元の中学や友だちが大好きだったので「転校したくない」と私は両親に訴えた。でも、家の事情や学区の縛りでどうすることもできず、田舎の中学への転校が決まってしまった。  そして転校を機に私の地獄の日々は始まった。新しい学校での生活は、とまどいの連続だった。学年のクラス数は倍以上に増え、制服もリボンの結び方さえわからないセーラー服になった。なかでも1番つらかったのは友人関係だった。まわりの子に声をかけ、私は必死にクラスになじむ努力をしたけれど、うまくいかなかったのだ。クラスメイトからの誘いを1度断っただけで、あからさまにイヤな顔をされ次の日からは声をかけても無視をされた。 ほかの子に話しかけてみても、一応仲間には入れてはくれるものの部外者の私は空気のように居ない存在として扱われるだけだった。  グループ意識が強く輪にも入れてくれないクラスに私はしだいに疑問を感じるようになった。そして、私はクラスから孤立した。1日中誰とも話さなくなり、学校ではただ時間がすぎるのを待つだけ。息苦しい毎日をこなすたびに「転校さえしなければ」という後悔だけが、私のなかで膨らんでいった。  それでも、私は自分の心のうちを親に話すことはしなかった。それは、両親から「人に迷惑をかけるな。正しいことをして、胸を張って生きなさい」とつねに言われていたからだ。厳格な両親に学校のつらさと不満を話すなんてできなかった。  しかし状況は変わらず、私は限界を迎えた。毎朝お腹が痛くなり、どうしても学校へ行けなくなったのだ。しかたなく両親に話して、しばらく学校を休ませてもらったけれど、やはり両親は休むことを認めてくれなかった。「世間体があるから学校へ行け」と父は言い、母も「学校は行っておいたほうがよいのよ」と私に言った。 ぶちまけた本音  でも私の心と身体は、とっくに限界だった。そして私はある日ついに本音をぶちまけた。「私は学校へなんか行きたくない。こんな地獄をあなたたちは味わったことがあるのか。私がこんなにつらいって言っているのに世間体のほうが気になるの? 私と世間と、どっちのほうが大事なのよ... --- ### 「私の代わりに責めてくれる」ひきこもりの次男に長男が暴力を - Published: 2021-11-30 - Modified: 2024-11-18 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2729/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】不登校は幸せへの道, 2021年12月1日号 - ハッシュタグ: 不登校の親, ひきこもり, 引きこもり  高校へ行けなくなってしまった次男に、大学生の長男からの暴言・暴力が。そんなとき、母親はどう感じたのでしょうか。「私の言いたいことを長男が言ってくれている」と感じ、暴力を止められなかった母親の、赤裸々な本音(連載「不登校は幸せへの道」第6回)。※画像はイメージです  今回は私の長男について書こうと思う。次男が学校へ行けなくなった夏、長男は大学1年の夏休みだった。帰省してきた長男、始めは次男に優しく接してくれていた。「あの学校、本当に課題が多くてイヤになるよな」。「すこしゆっくり休んだらいいさ」。  自分も同じ学校に通っていたから次男のたいへんさもわかるのか、私とはちがう声かけをしてくれたり、友人との遊びに連れて行ってくれたりもした。だが次男の状態はまったく変わらず、ほどなく次男への暴言が始まった。  「学校も行けないなんて恥ずかしい」。「お前なんて弟じゃない」。  私は止めることができなかった。私の代わりに長男が言ってくれる。次男を責めてくれる。それで次男は学校へ行く気になるかもしれない。長男の暴言はどんどんエスカレートし、朝から晩まで、次男の顔を見るたびにひどい言葉をかけるようになった。次男は何も言い返さず下を向いてじっと耐えるばかり。あのとき、次男は何を考えていたんだろう。やがて暴言は暴力に変わった。殴る、蹴る、突き飛ばす。それでも次男は逃げない。こんな扱いを受けても当然だと自分を責めていたのだろうか。それとも逃げてもムダとすべてをあきらめていたのか。  次男は長男のことが大好きだった。いつでも長男のあとをついていき、長男のマネばかりしていた。そんな大好きなお兄ちゃんから受けるひどい扱い。いったいどれほど次男は傷ついていたのか。どれほど次男の心を壊したのか。あのとき、次男の思いにすこしでも心を寄せることができていたなら。  ある日、長男の顔つきが変わっていることに気がついた。怖い顔をしていた。とくに目が。顔の真んなかに真っ暗闇の穴が開いているように見えた。底のない真っ暗闇。あんなに明るくておもしろいことばかり言っていた長男。このままでは次男の人生だけではなく長男の人生までもダメにしてしまう。とっさに長男の腕をつかみ軽く揺すぶった。こちら側に帰ってきて、怖いところに行かないで。 長男の目が私の目をとらえた。もう怖くはなかった。むしろ悲しそうだった。  はっとした。... --- ### どうして不登校の子は外出前から疲れ果ててしまうのか - Published: 2021-11-30 - Modified: 2024-11-18 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2741/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】元当事者からの不登校対応マニュアル, 2021年12月1日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり  「不登校の子どもがお風呂に入らなくて困っている」そんなときどうすればいいのか。お風呂に入らない原因や、どう支えたらよいのかなど、不登校経験者であり、現在は支援員である古豊慶彦さんが書きました(連載「元当事者からの不登校対応マニュアル」第6回)。※写真はイメージです * * *  「子どもがお風呂に入らない」という話をときどき耳にします。私は不登校やひきこもりの人の家に訪問することがあるのですが、「本人は先ほどまでお風呂に入っていた」ということで、本人に会う前に玄関先やリビングですこし待つことがあります。誰だってそうですが、人に会う前には「準備」が必要です。お風呂に入るというのも、その「準備」のひとつです。  私から見れば不登校・ひきこもりの人がお風呂に入らない姿というのは、「まだ家族以外の人に会いたくない(会えない)」、「まだ外に出たくない(出られない)」というように、動き出す「準備」がまだできていない姿に見えます。「訪問の直前にお風呂に入っている」と聞くと、その子は私と会うことをギリギリまで迷っていたのだろうな、と思うのです。  不登校やひきこもりの人のなかには人に会う、外に出る、ということに抵抗を感じる場合があります。  お風呂などの「準備」は、「人に会う」ことや「外出」とは別ですが、準備の先に困難が待っていると思うと「準備すること」自体が苦しいこととなり、できない、または準備だけで疲れはててしまう、ということになります。  準備ができるかどうかは本人の置かれている状況を測るひとつの目安にもなると思います。準備段階ですでに苦しい場合は、準備のその先に待つものに、かなりの抵抗感があり、準備時点で体力や精神力を消費してしまっているということを周囲は理解する必要があります。逆に準備がスムーズにできる場合には、その先への抵抗感が多少軽減していると見ることができます。 目的と準備  難しいのは、多くの場合、周囲の人は準備の先にある「目的」を気にし、「準備」にはあまり関心がないのに対し、本人は「目的」を達成するためにも「準備」にきわめて気をつかう、ということです。人と会うために風呂に入る、外に出るために服を買う、学校へ行くために宿題を終わらせる、他人に迷惑をかけないために時間どおりに到着するなど。本人にとってこれらの「準備」は絶対に必要なプロセスだと感じられることも多く、... --- ### ひきこもり当事者と支援員の7年間、部屋から出てくるまでの「物語」 - Published: 2021-11-30 - Modified: 2024-11-13 - URL: https://futoko-online.jp/books/2766/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 2021年12月1日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり  ひきこもる当事者を訪問し、ふすま1枚を隔てた向こう側に話しかけ続ける支援員がいる。山梨県の保健福祉事務所に勤務する芹沢茂喜さんだ。大卒後にひきこもった男性との7年間の物語、そしてふすまが開いた先にある親子の和解について書かれた1冊をご紹介します。  本書の著者である芦沢茂喜さんは、山梨県の峡東保健福祉事務所に勤務し、これまで100人以上のひきこもりの人たちと向き合ってきた方です。本書は、両親からの相談を受け、大学卒業後にひきこもった男性との7年間におよぶやりとりをまとめたもの。芹沢さんがふすまを1枚隔てた向こう側の自室にいる男性に話しかけ続けるなか、ある日ふすまが開き、男性が出てきました。訪問から3年半が経っていました。  男性が自室から出るようになって半年、男性はひさしぶりに母と顔を合わせます。男性が母にたずねた最初の質問は「俺のことをどう思っている?」でした。自分のことが邪魔だと思っているのではないかと言う息子に「思ってない、出てきてくれてうれしい」と涙声で母が語ります。その後、男性は母といっしょに晩御飯を食べ、日中もすこしずつ動くようになり、母の誕生日には靴をプレゼントするようになりました。  そのようすを見た芹沢さんは「和解」という言葉が浮かんだと言います。芹沢さんはうまくいかない親子関係について「わかり合えないことがわかることが大事」だと指摘します。親子の場合はえてして、相手と同じになることを求めてしまうが、親子だからこそ、わからない・わかりたくないということもある。親子のあいだでわかり合うことをあきらめ、新たな関係を築いていくことが「和解」に向けた一歩になる、と言うのです。  本書のなかでは、父の死という大きな出来事のみならず、携帯電話の解約にゆれる男性の気持ちなど、いくつものエピソードが書かれています。支援者として当事者と関わっている人のみならず、ひきこもりで悩んでいる親御さんにも読んでいただきたい1冊です。(東京編集局・小熊広宣) 『ふすまのむこうがわ~ひきこもる彼と私のものがたり』 芹沢茂喜/税込2200円 生活書院(03-3226-1203) (初出:不登校新聞567号(2021年12月1日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### 学校再開後に強まる「元どおり」内田良氏が提言する登校以外の道 - Published: 2021-11-30 - Modified: 2024-08-29 - URL: https://futoko-online.jp/contribution/2717/ - カテゴリー: 寄稿 - タグ: 会員限定記事, いじめ, 識者の指摘, 2021年12月1日号  不登校の数が3年連続、過去最多を更新して19万人超になりました。増加の背景には何があるのか。教育社会学者・内田良さんが、その背景を指摘しつつ、今後、議論すべき点を挙げくれました。 * * * 現在の学校の仕組みを考えると、一定数の子どもが不登校になるのは自然なことです。ですから、学校へ行かない子も学校へ行っている子と同じように学べたり、フォローアップされたりする環境はあるべきです。その意味では不登校数の増加自体は問題だとは思っていません。ですが、これだけの急増があったことや自殺件数も増えてきたこともあわせて考えると、見すごせない状況が広がっているのではないかと思います。  理論的に考えれば、昨年は学校による「負荷」が減った年でした。一斉休校の影響により、出席日数が減り、学校行事や部活も減りました。文科省も、いじめ認知件数が減った要因の1つに「出席日数の減少」を挙げていました。一方、学校による負荷は減っても不登校は増えました。これをどう考えたらよいのかは、まだ悩んでいます。もしかしたら、子どもたちは新たな負荷に苦しんでいるのかもしれません。学校から切り離されることで、新たな不安を抱えているのではないか、と。昨年1年間、部活や学校行事がなくなり、楽しみが奪われ、帰属意識が薄くなって苦しんでいた子も多かったのかもしれません。また、新たに生まれた「負荷」という面で考えると、授業のペースにも問題があったのかなと思います。  昨年の春ごろは9月入学という話もありました。それは2カ月も授業が遅れたらリカバリーが難しく、思い切って「みんな9月入学にしてしまおう」という案でした。休校明け、9月入学を求める声は高まると思っていました。なぜならば「リカバリーが難しい」と現場が切実に感じるだろうと思ったからです。ところが不安視する声は一掃されてしまいました。それは不安が解消したからではないと思うんです。学校では、部活や行事が削られ、宿題が増え、授業数が増え、授業のピッチも上がっていく。こうした対応で表面上の遅れを取り戻したのではないでしょうか。これは子どもたちに負荷がかかります。  ふり返れば学校がないことで負荷を感じていた人、授業の急ピッチで負荷を感じていた人、さらには未知のウイルスに対する不安感もあいまって、学校で苦しんでいた人は多い1年だったのかもしれません。  そう考えると再開す... --- ### 直近5年で倍増した小学生不登校背景にある生きづらさの低年齢化 - Published: 2021-11-30 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/contribution/2711/ - カテゴリー: 寄稿 - タグ: 会員限定記事, 識者の指摘, 2021年12月1日号  不登校の増加を現場はどのように感じているのでしょうか。不登校の子どもたちが集まるフリースクールを運営し、フリースクールのネットワーク団体の代表を務める江川和弥さんに見解を伺いました。江川さんは大人に突き付けられた課題として「居場所の貧困」と「理解力不足」を挙げています。 * * * 私たちが運営するフリースクールでは不登校の子が増えてきたことを実感していました。時期としては昨年の夏休み明けごろからでしょうか。要因の1つに挙げられるのはコロナ禍です。コロナの影響で昨春、多くの学校が休校しました。子どもたちにとって春というのは「学校に慣れる期間」です。学校での集団生活、同級生や先生との人間関係、勉強などに慣れる期間です。その期間もなく、いきなり学校生活の本番が始まりました。多くの子が苦しんだと思います。その結果が不登校増にもつながったのではないでしょうか。  また、今回の調査で特徴的なのが小学生の不登校増でした。小学生の不登校が前年度から1万人増と大幅に増加しました。これが意味するのは「生きづらさの低年齢化」です。これまで生きづらさを抱える子どもは、思春期に入った中高生だと思われていました。ところが、小学生も、同級生や教師らとの人間関係、学校生活での生きづらさを感じる子が増えています。  それが小学生の不登校増加、まだ、子どもの自殺増加にまでつながっていく背景ではないかと思っています。  不登校の増加について、私たち社会に与えられた課題は2つです。1つめは「大人の理解する力が不足していること」です。小学生の子どもたちは直感的に学校というものを拒否します。「なんかいやだ」「とにかく行きたくない」など、大人からすれば不充分だと思うような理由で学校を拒否します。「不充分な理由」だと判断されてしまった子は、不登校の理由を「生活リズムの乱れ」や「ゲーム依存」などに特定されがちです。文科省の調査でも、不登校理由の1位が「無気力」になっていました。こうした結果では不登校は本人や家庭の責任にされてしまいます。 子どもの声、よく聞くと  直感的に学校を拒否する子どもたちに対しても、よくよく子どもの話を聞くとその心情は見えてきます。ある子は先生からのいじめを受けていたり、ある子は同級生間でトラブルを抱えていたり。そもそも学校制度の持つ矛盾に幼いころから気づいている子もいます。小学生であっ... --- ### 「お母さんはもう無理です」逃げ出そうとした私に息子が書いた文字【全文公開】 - Published: 2021-11-12 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2847/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 無料記事, 【連載】不登校は幸せへの道, 2021年11月15日号 - ハッシュタグ: 不登校の親, ひきこもり, 引きこもり  当時やってしまった数々の行ないのなかでも、とくに後悔していることがある。離婚した元夫、つまり次男にとっての父親に助けを求めてしまったことだ。次男が不登校になったので、なんとか力を貸してほしい、と。  しかし、次男が小学校3年生のころからすでに家庭内別居状態で、小学6年生のときにやっと離婚が成立した。その後は一度も会っていない。次男にとって父親はほとんど会話もしたことのない、よく知らない人。そんな人と次男を会わせてどうするつもりだったのか。白状しよう。私は次男を誰かほかの人に渡してしまいたいと思うようになっていた。目の前から次男がいなくなれば、もうこんなに考えなくていい。もう苦しまなくていい。次男を放り出して逃げ出したい。それだけだった。  私の要請にこたえて約4年ぶりにやってきた父親は、「学校へ行かなかったら、たいへんなことになる」と次男を脅すばかり。声はどんどん大きくなっていき、次男は布団をかぶって小さくなっていた。そのころ、すこしでも次男とコミュニケーションを取ろうと思った私は、ノートに思いを書いて、毎朝次男の部屋の前に置く、ということをやっていた。次男は読んでいたのかどうか。帰宅するとテーブルの上にノートは置かれ、ときどきページの下のほうに小さく「○」が書かれていた。  ある朝、ノートにこう書いた。「学校へ行かないなら、お父さんのところへ行ってください。お母さんはもう無理です」。次男はどう反応するだろう。その時点でひどいことを書いてしまったという後悔はひとつもなかった。帰宅後、いつもと同じ場所にノートは置かれていた。そっとノートを開く。次男の字が見えた。小さく弱弱しい、かすんで消えそうな字でそれは書かれていた。  「ゆるしてください。ここにいさせてください。あしたは学校にいきますから」。  それを目にしたときの思いを正確に表現する言葉を、私は持っていない。次男に本当にひどいことをしてしまったという思いが急に湧いてくる。ゆるしてもらわなければならないのは私のほうだ。それでもいっしょにいたいと言ってくれるのか。力が入らない手で、やっとの思いで書いたであろう言葉に込められた次男の思いが痛いくらいに伝わってきた。同時に、「もう逃げられないんだぞ」と言われた気がして恐ろしくもあった。ノートはそこで終わっている。これ以上、次男を苦しめてはならない。それぐらいは私にもわか... --- ### 「死にたい」と悩む子どもへの声がけは3つの手順を - Published: 2021-11-12 - Modified: 2024-11-01 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2874/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】元当事者からの不登校対応マニュアル, 2021年11月15日号 - ハッシュタグ: 不登校の親  不登校やひきこもりの人はときに「死にたい」という言葉で自身の苦しさを表現する場合があります。言葉としてはかなり強烈で、親にとってはひどく動揺したり、受けとめられないと感じる方もいると思います。  私自身のことで次のような話を母から聞いたことがあります。不登校していたころ、電車の脱線事故で多くの方が亡くなるというニュースを見て、私は母に「事故で亡くなった人と代わりたい」という話をしたそうです。 思い返せば不登校期間中、自分の死について考えることはよくありました。自分1人しか家にいないときに「この家だけにミサイルが落ちてこないかな」と考えたり、図書館で自殺や死に関する本を借りてきたりした記憶があります(気持ち悪くなって読めなかった)。死にたいと考えたときによく思っていたのが、意味のある死でありたいということでした。ただ死ぬのではなく、私の命とひきかえに誰かの命が助かるのなら、と考えていたのです。  今、不登校やひきこもりの人たちと関わりながら感じるのは、「死にたい」という言葉はたしかに強烈だけど、その思いを言えるという状況はネガティブなものではないということです。  そしてその言葉の背景には、「自分は毎日こんなにも苦しいなかですごしている」、「自分の生は無意味だと感じながら生きている」ということをわかってほしい、知ってほしいという無意識の思いがあるのだと思います。  「死にたい」という言葉はストレートな表現のため、周囲の人はその言葉のみに焦点を当てがちですが、それを言葉にする背景を想像することは大切です。 返す言葉は見つからないが  「死にたい」と似たような意味で「消えたい」という表現をする人もいます。以前訪問していた20代の青年は「周囲の人の自分に関する記憶を全部消したうえで消えたい」と話してくれたことがありました。テーブルをはさんで向かい合って座っている青年は下を向いて話していました。無言の時間がながれ、私は頭のなかで必死に返す言葉を探しました。候補が浮かんでは消え、浮かんでは消え、出てきた言葉は「そうか」でした。そのような言葉を聞いたとき、返す言葉は見つかりません。  ただ、「死にたい」と言われたときに意識していることはあります。①肯定も否定もせずに聞くこと、②どうしてそう思うのか尋ねること、③そして何より「私はあなたに生きていてほしいと思っている」ということを... --- ### 社会人で経験した挫折。救いになったのは不登校だったときの自分 - Published: 2021-11-12 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/children/2945/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 当事者の声, 2021年11月15日号 - ハッシュタグ: 通信制高校  仕事探しで苦労し、何度も転職を重ねてきたユウミさん(31歳)。どん底から兆しを見出したのは、不登校したからこそでした。有名企業に就職するわけでも、一芸に秀でた有名人になったわけでもない。「等身大の私を見てほしい」という思いを語ってくれました。 * * * ――今、ユウミさんはどんなお仕事をしているんですか?  約2年前からライターの仕事と不登校などで学習や生活に困りごとを抱える子どもたちを支援する仕事をしています。  ライター業では、企画を立案したり、お話を聞きたいなと思った人にインタビューをしたり、自分の興味のあることを軸に記事を作成しています。学習支援の仕事では、勉強を教えたり悩み相談に乗ったりと、不登校を含むさまざまな事情を抱えた子のサポートをさせてもらっています。  どちらの仕事も楽しくやりがいを感じているのですが、じつは今の職にたどり着くまでが私はたいへんで。急遽、就職することが決まったり、退職を経験したり、山あり谷ありでした。 ――具体的に、どんな道のりだったのでしょうか?  まず、大学卒業後は大学院に進学したかったのに、急に就職を目指すことになったんです。もともと私は学生のときから、働きたくないと思っていました。学校を卒業したらあたりまえのように社会に放り出されることにすごく抵抗があって。自分の意思じゃない行動をさせられるのが、イヤだったんです。でも父がうつ病で働けていなかったことをきっかけに、親から「就職してほしい」と言われてしまって。そこで大学院への進学はあきらめ、私は就職することにしました。  働くことが決まってからは、自分の思いを具現化できる企画制作や文学部の経験が活かせる司書など、自分が興味のある職に就職することを考えました。どうせ働かなきゃいけないんだったら「せめて自分がやりたいと思える仕事に就きたい」と思っていたからです。なので、会社のOLさんなどいわゆる王道の安定した職には目もくれず、とにかく自分の気持ちを優先して仕事を探しました。  最終的には公共の教育施設で働くことが決まり、それから5年間くらいは何度かの転職を経ながら、社会教育や芸術文化に関わる仕事を続けました。そして3回目の転職のとき、念願だった企画の仕事に就けるチャンスが巡ってきたんです。イベントやワークショップを企画するなど、自分のアイディアを形にできる企画の仕事は私のあこ... --- ### うつ病には日光浴が効果的だけど注意してほしい当事者への配慮 - Published: 2021-11-12 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/children/2936/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2021年11月15日号  「部屋のカーテンは勝手に開けないで」と願っていたuniさん(28歳)。小1から不登校が始まり、「光のない部屋」が唯一の安らぎだったという。 * * *  「うつ病には日光浴が効果的だ」という説をよく耳にする。日光を浴びると、うつ病に効能があるセロトニンが分泌され、予防や改善につながるそうだ。たしかに医学的にはよいのかもしれない。でも、言葉どおりにそれを受け取って周囲が対応することには安易に賛成できない自分がいる。そこには不登校当時の私自身の経験が関係している。  私は小学生1年生のころから10年間ほど不登校を経験した。長年の不登校経験のなかで、うつ病にも苦しんできた。そんな私に対して両親がつねに心配していたことがある。それは生活習慣だった。とくに「日光を浴びない生活は心身の健康を損ねる」という理由から不登校になっても規則正しい生活を送ることが、わが家の絶対条件であった。  両親としては私の心身の健康が損なわれたり、将来に支障が出てしまったりすることを心配したのだろう。「早く寝なさい」「健康によくないからなるべく日光に当たりなさい」「身体は鍛えておいたほうがよいから運動しなさい」と、ことあるごとに口酸っぱく言われ続けた。  ところが、困ったことに私のうつ症状は悪化するばかりだった。  何をするにも気が沈むようになり、布団に横たわることが増えてしまったのだ。どうにかして起き上がろうと何度も試みたが、次の瞬間には気力を失ってしまい、再び寝込むというような日常をくり返した。  しかし、そんな状態でも両親に言われ続けてきた言葉と約束がどうしても頭のなかにチラついた。「なぜ私は寝ていることしかできないのだろう」と心が痛み、自責の念に駆られた。当時小学5年生だった私は自分の思いを言語化する術を持っておらず、誰にも心のうちを打ち明けることはできなかった。ひたすら感情を飲み込み、ただただ流れゆく毎日をやりすごすしかなかったのだ。 唯一の居場所  そんな日々のなかでカーテンを閉め切った暗い部屋のなかですごすことが私の唯一の安らぎであり居場所であった。誰にも見せられない感情も、暗闇なら静かに受けとめてくれる。自分の泣いている顔も見られなくてすむし、何よりも安心感を得られたのだ。だから本当に疲れはてたときは、部屋を暗くしてひっそりすごすようにしていた。  しかし当然ながら親の反応は相反す... --- ### 不登校の原因、本人と学校で回答に差がある現状を問い直したい - Published: 2021-11-03 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/children/2749/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 当事者の声, いじめ, 2021年11月1日号 - ハッシュタグ: 通信制高校  私は現在、大学院で教育学を学んでいる。先日、受講した「教員・心理職を目指す学生向けの授業」でスクールソーシャルワークの必要性が話されていた。「なるほどね」と聞いていると講師が急に不登校について語り出した。  文部科学省の調査(※)をもとにした講師自作のグラフを提示し、講師は話を続けたのだが、私はイヤな予感がしていた。講師が用いた文科省の調査は専門家から問題視されていた調査だからだ。この文科省の調査は、学校の「担任」をおもな回答対象者にしているもので、不登校の理由などが「実情と大きく食いちがう」と指摘されている。案の定、講師は自作のグラフを指しながら「不登校の原因のなかでもっとも多いのは本人の『無気力・不安』であり、次いで『親子関係』である」と強調した。そして「不登校のほとんどは本人に問題があり、家庭環境に問題がある。現代ではその傾向が強まっているので、スクールソーシャルワークが必要である」とつなげていた。スクールソーシャルワークの必要性には疑問を持たないが、その理論構成には違和感がある。  授業終了後「何か違和感を覚えなかったか?」と私はほかの受講生に質問してみた。 すると「いじめを原因とした不登校がすくなすぎて体感とはちがう」と、ほかの学生も疑問を感じていたようだった。すこしホッとしたが、この授業は、現役の教員や教員を目指す人たちが受講している。教員養成の場で不登校は本人や家庭に問題があり、学校にはほとんど問題がないかのようなデータが無批判に使われていることは、遺憾だ。  文科省の調査が疑問視されている理由の一端を紹介したい。2019年の『不登校新聞』(507号)では、中学生に直接聞いた不登校理由が文科省の調査結果と大きな隔たりがあったと報じている(上図参照)。『不登校新聞』によれば、NHKは2018年度に「不登校」もしくは保健室登校などをしている「不登校傾向」であった中学生1968人にLINEを通してアンケート調査を実施。アンケートでは、対象者に「不登校の理由」も聞いており、「いじめ」「教員との関係」「部活動」などの項目から複数選択できる。同じ質問を、文科省も学校に対して行なっている。ようするにNHK調査でわかるのは「本人に聞いた不登校の理由」で、文科省調査でわかるのは「学校に聞いた不登校の理由」なのだ。 本音とかけ離れ  本人の思いと学校の思い、その2つを比... --- ### 「不登校」は心の問題なのか。河合塾講師が考えた末の結論 - Published: 2021-10-25 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/contribution/2735/ - カテゴリー: 寄稿 - タグ: 会員限定記事, 識者の指摘, 2021年11月1日号  「不登校」と聞くと「何かつらいことがあったんだな」とマイナスイメージで捉えがちです。しかしそのような見方だけでよいのでしょうか。寄稿いただきました。 * * *  私が「不登校」問題に出会ったのは1970年代後半でした。そのころ私は高校教師でした。しかし、6年間勤めたあと、教員としてのあり方に行きづまってしまい、教師を辞め、その後は塾やフリースペースに関わっておよそ40年になります。この数十年間、行政や教育・心の専門家たちのあいだでは、「不登校」はメンタルの問題と捉え続けられています。「心の病」とみられた時期もありました。最近では心理面以外の多角的な観点から言及されるようにはなりましたが、それでも「教育機会確保法」では「不登校児童生徒」を「心理的な負担その他の事由により就学が困難な生徒」であると定義しています。今も依然としてメンタル面が注視され続けているのです。  心的ストレスを重視し、「何か学校生活でつらいことがあったのでは」とうかがう見方や、3日休んだだけで早期に対応しようとする予防的なまなざしも浸透しています。しかし、「不登校」をメンタルの問題として捉えてしまってよいのでしょうか。 「不登校」生はそれぞれちがった状況を生きています。すべての「不登校」生がみな、メンタルの問題で苦しんでいると認識することは、何かを見落すことにならないでしょうか。  たとえば、あるミュージシャンとの楽しい出会いのあと、学校がつまらなくなり、辞めた人がいます。フリースペースでゆっくりとすごしたあと、音楽を学ぶ方向へと進んでいきました。この人のように、学校を辞め、「ふつう」のコースから外れていくきっかけとなった出会い・出来事は苦悩をもたらすものだけとはかぎらないのです。出会い・出来事はトラウマ的なものとはかぎりませんし、学校を休む、辞めるという行為は心理的負担の結果だとは言い切れないのです。また、「不登校」になった理由がはっきりわからない、という人もすくなくありません。でも、はっきりしないからといって、そのことが問題なわけではありません。理由がわからなかったとしても、学校から外れて物事を考え、ちがう道を模索していく、そのこと自体が本人にとってはとても貴重な経験であり、けっしてマイナスなことではないのです。  ストレスとの関係で捉えようとするまなざしは「不登校」生に苦悩をもたらすことも... --- ### 「子どもを殺して自分も死のう」ギリギリまで追い詰められた私が取った行動【全文公開】 - Published: 2021-10-25 - Modified: 2024-11-18 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2724/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 無料記事, 【連載】不登校は幸せへの道, 2021年11月1日号 - ハッシュタグ: 不登校の親, ひきこもり, 引きこもり  次男が学校へ行けない。そんなことは恥ずかしくて誰にも言えなかった。スクールカウンセラーは「まず本人を学校へ連れてきて」としか言わない。県の教育センターに相談しても「生活リズムを整えて」と、あたりまえのことしか言ってくれなかった。離婚をして母子家庭だった私には、相談できる身内といえば離れて住む両親しかいなかった。  「今日も学校へ行ってくれなくて」と私が言うと、母は「何言ってるの。わがまま言ってるだけでしょ。引きずってでも学校へ連れて行きなさい」と大きな声を出す。そんなことを言ってほしいんじゃない。毎回電話するたびにおたがいケンカ腰になり、疲れ果てて電話を切った。「遠くの寄宿舎のある学校に入れたらどうか」、「お祓いしてもらったらいいんじゃないか」。そんなことまで言われるようになった。私はどんどん孤立していった。  近所のスーパーに買い物に出かけるのも怖くなった。次男の同級生の親に見つかって次男のようすを聞かれるのがイヤで、隠れるようにして買い物をした。通勤中に見かける楽しそうな学生たち。彼らの姿を見るだけで情けなくて涙が出た。なぜ自分の子どもはあの子たちと同じことができないのだろう。どこか悪いところがあるのではないか。病院の診断書があれば長期欠席あつかいにはならないと学校から言われて、精神の病院に次男を連れて行ったのもこの時期だ。学校には行けないのに病院にはすんなり行けた次男に、医師ははっきりと告げた。「どこも悪くない。診断名は付けられない」と。帰宅した次男が一言だけつぶやいた。  「病気ならよかったのに」。  私はこのときも次男の言葉に込められた思いにまったく気づけなかった。私自身、気持ちを病んでいたのだと思う。次男との朝の戦いのあと、私はひとりで学校へ行くようになった。先生方に現状を訴える。アポなしで校長に会いに行き、なんとかしてくれと迫ったこともある。学校からしたら相当なモンスターペアレントだったろう。もう次男の人生は終わってしまった。元のレールには戻れない。次男を殺して自分も死のう。深夜、包丁を片手に次男の部屋に行き、枕元に立つ。日中は能面のような顔の次男が穏やかな表情で寝息を立てている。急にもうしわけない思いが湧いてくる。次男の人生を壊してしまったのは私だ。泣くことすらできずに、ただ静かに部屋を出た。(後藤誠子) 後藤誠子さん ■筆者略歴/後藤誠子(ごとう... --- ### 甘やかすか厳しくするか。迷ったらコレをしてください - Published: 2021-10-25 - Modified: 2024-11-18 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2712/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】元当事者からの不登校対応マニュアル, 2021年11月1日号 - ハッシュタグ: 不登校の親  子どもが不登校やひきこもりになると、どう接してよいかわからず、とまどう親は多いと思います。不登校であれば、まずは在籍校に、ひきこもりであれば専門の相談先や医療機関などに相談したり、講演会に参加してみたり、本やインターネットで情報収集してみたり。私の母親は私が不登校になったころに登校拒否を考える親の会に参加したそうです。  そのようなさまざまな機会では、いろいろなアドバイスをもらう場合があります。でもそのアドバイスはときにバラバラで、なんなら正反対のアドバイスをされることもあり、どれを信じてよいかわからなくなることもあると思います。  よく聞くのが、あるところでは、①「家を居心地のよい場所にすることが子どもにとって重要」と言われ、別のところでは、②「家の居心地がよすぎるから子どもが外に出なくなる」と言われた、というものです。  そのようなアドバイスにふりまわされないために大切なのは、親として何を大事にしていくのかを見極めることだと思います。  こうした正反対のアドバイスに対して、「学校へ行けなくても、子どもの気持ちを大事にしたり、親子関係が悪くならないことを目指す」場合は、①のアドバイスを採用することになるでしょう。一方、「子どもが多少苦しんだとしても、とにかく学校へ行くことを目指す」場合は、②のアドバイスを採用することになると思います。  ようするに、親として何を大事にするのかが定まっていれば、その「目的」に近いアドバイスを採用すればよいわけで、さまざまなアドバイスに思い悩むことはなくなるのではないでしょうか。 関係性を軸に  では、選択肢がたくさんあるなかで何を「目的」とするべきか。私は「子どもとの関係性を悪化させないこと」を目的にするとよいのではと思います。  まず前提として②のような「学校へ行ったほうがよい」というアプローチは、学校へ行けない子どもにとっては圧力となり、追いつめる可能性が高くなります。また、子どもからすれば、圧力をかけてくる相手とはよい関係性を築くことはできません。つまり、②のアドバイスを実行する場合、学校へ行く可能性は高くなるかもしれない反面、子どもを追いつめる可能性も高く、親子間の関係性の悪化にもつながりやすくなります。  一方で①のアドバイスでは、学校へ行くことよりも家の居心地をよくすることが重要なので、子どもに圧力をかけないように接す... --- ### 不登校で気になる10個の疑問、ある親に全部、聞いてみました【全文公開】 - Published: 2021-10-14 - Modified: 2024-11-18 - URL: https://futoko-online.jp/parents/2748/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 無料記事, 親の思い, 2021年10月15日号 - ハッシュタグ: 不登校の親  子どもが不登校になると、親としては気になることがたくさん出てきます。そこで今回は、大分県に住む高原元子さん(仮名)に、質問をぶつけてみました。 * * * ――今日は「不登校になったら気になる質問」を10個、お聞きしたいと思います。そのまえに、お子さんがいつから不登校になったのかを教えてください。  息子は中1の6月終わりごろに体調を崩し始め、7月ごろには学校へ行けなくなりました。もともと真面目な性格なので、学校になじもうと一生懸命で、それまでは所属するバスケ部でもバリバリやっていたんです。  ところが、朝になると「とにかく気持ちが悪い」「きつい」という感じで、顔も唇も真っ青になっていて... ... 。あとになって起立性調整障害と診断されましたが、最初はどこが悪いのかわからなかったです。とにかく学校へ行けるような状態ではないことはわかりました。  今は中学3年生になりましたが体調もよくなり、今年6月からはフリースクールに通っています。 ――それでは1つ目の質問です。不登校になってから「ゲームやスマホの使用時間」は制限していますか?  息子がやりたいと言ったことは、なるべくできるようにしてやりたいと思ったので、制限はまったくしていません。とにかく元気になってもらいたかったですし、本人が唯一、楽しそうにやっていることがゲームだったからです。  一方、スマホを持たせるようになったのは、体調を崩して、息子が家に居るようになってからです。連絡手段として持たせたのがきっかけで、もちろん、ゲームをさせようと思って与えたわけではありません(笑)。でも結果的には、すごくよかったと思っています。息子がハマっていたのはグループで戦う銃撃戦のオンラインゲームでした。いつも決まった人といっしょに対戦していて、グループ内のメンバーには大人も多かったようです。今思うとゲームを楽しんでいるというより、会話をしながら人とのつながりを感じて、気持ちが落ち着いたのでしょう。ゲームを通して、だんだんと笑顔が増えていきました。  ただ、フリースクールに通うようになってからは、不思議とオンラインゲームをしていません。ほかのことで充実しているからかもしれませんね。 生活リズム、コロコロ変わり ――不登校になって「生活リズム」に変化は?  起立性調整障害の診断を受けた息子は、午前中はすごく体調が悪いけど、夕方... --- ### 他人の目がずっと怖かった。不登校を経験した私が今思うこと - Published: 2021-10-14 - Modified: 2024-08-29 - URL: https://futoko-online.jp/children/2744/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, いじめ, 2021年10月15日号  小6でいじめからの不登校を経験した、富良野しおんさん。不登校中に考えたのは、他人の目を気にする意味だったという。当時の思いや今の考えを執筆いただいた(写真はイメージ画像です)。 * * *  幼いころ、私はまわりの人からの視線に怯えていた。まわりから自分がどう見られているのかが気になって、怖くてしかたなかったのだ。  とくに学校では、神経をとがらせた。クラスメイトの顔色をつねに気にしながら、相手を不快にさせないよう行動していたのだ。クラスで何かを決めるときはまわりの意見に合わせたし、音楽の授業で誰かとやりたい楽器が被ったら譲ったりしていた。  今思うと必要以上に他人を優先していたように思う。そんなふうにまわりからの評価を気にしながら、私は生きてきた。  しかし、今は相手を気づかうことはあっても、他人からの評価を気にすることはなくなった。相手の顔色をうかがって、自分の言葉を飲み込んだり、行動を変えたりすることもない。私の変化の根っこには、不登校経験がある。あのとき感じた疑問と経験が今の私の一部をつくっていると思うのだ。  クラスメイトからのいじめをきっかけに、私は小学6年生の夏休み明けに学校へ行けなくなった。  不登校になってからは、ひとり自分の部屋で自問自答をする時間が増えていった。どうしてこうなってしまったのか、私の何がいけなかったのか、そんなことを考え続けるだけの苦しい毎日だった。  答えの出ない問いをひとり考えているうち、私はだんだんと1つの疑問を感じるようになった。それは「他人の目を気にして、ずっと誰かに気にいられるようにすごしてきたけれど、それにはなんの意味があったのだろう」という疑問だった。  いじめてきたクラスメイトの顔色を私はつねにうかがってきたし、その子の意見に合わせて自分を押し込めたことだって何回もあった。でも結局きらわれて、いじめられて、私は学校へ行けなくなってしまった。あんなに他人の目を気にして生きてきたけど「意味はなかった」と思ったのだ。  周囲の顔色をうかがってきたことも、きらわれないようにがまんしてきたことも、自分がしてきたことのすべてが無意味に思えて、自分のこれまでを後悔した。 押し込めるなんて損だ  それからしばらくは自分を情けなく思うだけだった。しかし、自分と向き合っていくうち、私の心境に変化が生まれてきた。情けなさが開き直りに... --- ### 社会復帰の一歩としてアルバイトへ。その発想が罠になりやすい理由 - Published: 2021-10-14 - Modified: 2024-11-18 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2734/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】元当事者からの不登校対応マニュアル, 2021年10月15日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり  私が高校で不登校だったとき、母親から「アルバイトしてみたら?」と言われたことがありました。私としても学校は行けないけど時間はあるし、何かやらなければという思いから、何度か募集元に電話をしましたが、その時点で断られ、面接にすらなりませんでした。  不登校中、すこしずつ気持ちが外へ向き出したときに、社会復帰へのいわゆる「スモールステップ」のひとつとして考えられているのがアルバイトです。しかしアルバイトへの挑戦というのは、みなさんが思っているほど「スモール」な一歩ではありません。  私は経験者からいろいろな声を聞いたことがあります。「アルバイト先へ電話をするのが怖い」「履歴書に何を書いたらよいかわからない」「面接で『不登校はよくないと思うよ』と諭されたことがある(結果は落選)」「雇用されても数日で行けなくなってしまったことがあり、次への気持ちが向かない」「辞め方がわからない」などなど。  アルバイトをするという大きなステップのなかに、バイト先の選択、電話、履歴書の準備、面接などさまざまな小さなステップがあり、ひとつひとつに疲弊してしまうのです。 いっしょに働いて  私は2018年ごろから、ある事業者と提携し、不登校やひきこもりの経験者たちといっしょにアルバイトをするという事業に取り組んでいます。  仕事内容は月に数回の発送作業です。発送作業と聞くとかんたんな作業に思えるかもしれませんが、多いときは1名当たりの発送物が10種類以上あったりして、発送期限までに終わらせるのは、たいへんなこともあります。  私は不登校経験者たちと同じ立場で雇用され、いっしょに働いています。働いている人のほとんどはこの事業が初めての就労経験です。この事業では雇用に際して履歴書は必要なく、私と希望者が会って話をしたのち、挑戦してみるかどうかを本人に決めてもらいます。それがいわば面接のようなものです。 その際、私が意識しているのは、事前の説明をしっかり行なうということです。雇用条件などの基本事項はもちろん、作業場の間取り(トイレの場所などもくわしく)、どんな人たちが働いているか、休憩時間のすごし方などなど。「トイレにウォシュレットはありますか?」と聞かれたこともあります。バイトするにあたって気になっていることは人によってさまざまなので、ていねいに説明するように心がけています。  あたりまえですが、み... --- ### ひきこもりは「ムダだった」と語る芸人・山田ルイ53世の深い思い - Published: 2021-10-14 - Modified: 2024-11-18 - URL: https://futoko-online.jp/books/2730/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 2021年10月15日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり  今回紹介する書籍は、お笑い芸人・山田ルイ53世さんが、幼稚園時代から結婚して1児の父となる現在までの半生をふり返る1冊です。自身の不登校・ひきこもり経験を取りまとめた書籍はいくつもありますが、これほどまでに痛快な笑いと同時に痛みまで感じさせる書籍は他に類を見ません。  山田ルイ53世さんは中学2年生の夏休み明け、不登校になります。以来、20歳で大学受験に挑戦するまでの約6年間、ひきこもる生活をすることになります。幼少から優等生だった山田ルイ53世さんは、自身の希望で地元の進学校へ進みます。  しかし、片道2時間かかる通学、お弁当を食べる時間に感じた同級生との経済的格差などがダメージとして心に積もっていく。そして、夏休みに入る前に事件が起こります。  その日、お腹の調子がよくなかった山田ルイ53世さんは、通学途中に粗相をしてしまうのです。  そして、2学期が始まる朝、自分を起こしに来た父に向かって「学校行くのがしんどい。もういやや」と伝えます。返ってきたのは、父のドロップキックと「お前みたいな、親の言うこと聞かんやつは、もう知らんからな!」という一言でした。その後もふだんの生活やアルバイトなどをめぐり、両親や兄との衝突がたびたび起こります。  本書のなかで、私がもっとも印象的だったのは「あの6年間は完全にムダでしたね」と言い切る山田ルイ53世さんの思いです。「あくまで自分の場合は」と前置きしたうえで、そう断じる理由を「ムダを許せない空気感こそが人々を追いつめている」と指摘。「ムダがあってはまずい、本人がムダと思っていても『それを糧に』と意味づけしようとする世間の価値観」に問題提起をしているわけです。  山田ルイ53世さんには本紙554号でもインタビューさせていただきました。親の方にぜひとも読んでいただきたい1冊です。 (編集局・小熊広宣) 『ひきこもり漂流記(完全版)』 山田ルイ53世/税込748円 角川文庫(0570-002-301) (初出:不登校新聞564号(2021年10月15日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### その後の不登校につながった「わが子の異変」とは - Published: 2021-09-30 - Modified: 2024-11-13 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2797/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】不登校は幸せへの道, 2021年10月1日号 - ハッシュタグ: 不登校の親, ひきこもり, 引きこもり  「何してんの? 早く起きなさいよ!」。登校時間が迫っても部屋から出てこない次男にイライラして何度も怒鳴った。次男は起きてこない。さすがに遅刻すると思った私は階段を駆け上がり、ノックもせずにドアを開けた。  気温30度にせまろうとする暑さのなか、次男はタオルケットを頭までかぶってちぢこまっていた。「こら、こら、起きなさいよ。遅刻するよ」。キンキンした私の声を聞きたくないのか、次男は腕で頭までをおおってしまう。その腕にふれておどろいた。ものすごく力が入っていたのだ。なんとしても動くまいとしているかのように。  そのとき私が感じていたのは気持ち悪さだった。  私より身体の大きな次男がベッドの上で力いっぱい固まっている。それが異様に見えて心底恐ろしかった。  その春、地元の進学校に入学した次男。三者面談では学力が足りず合格はむずかしいと言われ、べつの高校を勧められた。一度だけ、次男が遠慮がちに言ったのを覚えている。「私立は無理だよね?」。  次男が親友と同じ私立学校へ行きたがっていたのは知っていた。だがどうしても進学校に入れたかった私は、私立に入れるお金なんかないと取り合わなかった。夏休み中から受験まで次男に付きっきりで勉強させ、その甲斐あってギリギリで合格できた。私はただただ大喜び。長男と同じ校に入学できて、次男も喜んでいる。万事順調、そう思っていた。  一学期中からおかしいなと思うことはときどきあった。課題にまったく手を付けない。テスト勉強をしない。さんざん文句を言いながらもちゃんと課題をやっていた長男とつい比べてしまう。  「なんで勉強しないの? せっかく進学校に入れたのに」。どんなに言っても次男は勉強をしない。私の質問には貝のように口を閉じて答えない。何かがおかしい。  ある日、仕事から帰宅すると、次男が先に帰っていた。野球のユニフォームを着たまま居間に横になっている。「どうしたの?」「何かあったの?」「体調でも悪いの?」。耳元で怒鳴っても次男は答えない。それどころか、いびきをかき出した。眠っている。  まさか、人が話しかけているのに眠ってしまうなんて。幼い子どもみたい。それとも何かの病気なのか。目の前の次男の状態がふつうではないと感じた。それを認めるのが怖かった私は「大丈夫、大丈夫、こんなのたいしたことじゃない」と何度も何度も自分に言い聞かせていた。  次男が学... --- ### 原因不明の体調不良から不登校。苦しんだことと息子のその後【全文公開】 - Published: 2021-09-30 - Modified: 2024-11-13 - URL: https://futoko-online.jp/parents/2777/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 無料記事, 親の思い, 2021年10月1日号 - ハッシュタグ: 不登校の親  愛知県にお住まいの小倉裕子さんにインタビューした。小倉さんの息子さんは中学1年から不登校。学校や考え方のちがう夫とどう向き合ったか、何が支えになったのかなどをお話しいただいた。インタビュアーは同じ愛知県在住で、自身も中学2年から不登校を経験した鬼頭信さん(写真はイメージ画像です)。 * * * ――息子さんが中1で不登校されたということですが、どういうきっかけでしたか?  中学1年生の1学期時点からすでに中学校になじめなかったようです。自然が大好きな子で、小学校のときは毎日のように友だちと山や川に遊びに行っていました。けれど中学生になったらみんなが外遊びをパッタリ辞めてしまって、塾へ行きだしたんです。  というのも、私たちが住んでいた地域はニュータウンとして開発された地域で、学力志向が強かったんです。よい大学へ行くことを目指す家庭のほうが多かったと思います。PTAの方からは、「中学1年生で英検の4級くらいはできていないと」なんて言われてしまうほどで、塾へ行かない中学生はかなりめずらしかったんです。  息子は友だちを遊びに誘うと、「そんなことやってたらだめだよ」と言われてしまって。そのため、自分も塾へ行かなきゃいけないと思ったようです。しかし、実際に塾へ行くと、自分と合わなかったようで、結局行かなくなりました。息子が言うには、塾の先生はバイトの大学生だし、教える内容はテストの点を取るためだけの勉強で、つまらなかったそうです。 夏休み明け、体調不良に  夏休み中も「学校へ行きたくない」と言っていた息子は、夏休みが終わる数日前には顔から笑顔が消えてしまいました。  今思えば、学校が始まることに相当プレッシャーを感じていたんだと思います。それでもガマンして登校していると、体調がどんどん悪くなっていきました。朝トイレから出てこなくなったり、帯状疱疹が出たり、血圧もすごく上がったので、とにかく病院に連れて行きました。かかりつけの小児科や、耳鼻科へ行き、精密検査もやりました。先生たちは「こういう症状は、ストレスからきていることが多い」とおっしゃっていました。  そんな息子が学校へ行かなくなったのは、中1の11月の半ばでした。  息子はその日、給食当番でした。当日に、前の当番から給食係が使う白衣をもらったんです。そのため、そのまま洗濯していない白衣で配膳をしていたら、みんなに「汚... --- ### ゲームやスマホを没収すべきか? それ、子どもをより追いつめます。 - Published: 2021-09-30 - Modified: 2024-11-30 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2790/ - カテゴリー: 連載 - タグ: ゲーム・スマホ, 会員限定記事, 【連載】元当事者からの不登校対応マニュアル, 2021年10月1日号 - ハッシュタグ: スマホ依存, ゲーム依存, ひきこもり, 引きこもり  不登校やひきこもりの相談を受けるなかで、「子どもがゲームばかりしているが、このままでいいのか」という話を聞くことがあります。ゲームだけでなく、ネット、おもに動画視聴やSNSに多くの時間を割いている子どもの姿を家のなかで目にすると、ついつい「いいかげんに... ... 」と口に出てしまう人は多いのではないでしょうか。  私自身、不登校当時は家にいるときゲームをしてすごしている時期がありました。うちでは不登校かどうかに関わらず、ゲームをする時間が決められており、中学生だったころは「1日1時間」でしたが、私は日中は親が仕事で家に居ないこともあり、守っていませんでした。  なぜゲームをしていたのかと聞かれれば、「ヒマだったから」と「現実逃避」が大きな理由だったと思います。子どもや青年に支援的にかかわっている現在、私はこの「現実逃避」をとても大切にしています。現実逃避と聞くと、現実から目を背け、何も考えていない、ダメな姿に思えるかもしれません。しかし私は現実逃避は、不登校の子が生きるために必要な方法なのだと考えています。  ゲームとはすこし話がズレますが、中学で不登校中だった私は、妄想にハマっていました。  夜、布団に入っても眠りたくなかった私は、妄想の世界に飛び込みます。その当時、モーニング娘というアイドルグループのなかのひとりのファンだった私は、妄想のなかでその方とお付き合いをしていました。妄想のなかでは私も大成功をした芸能人であり、その方とお忍びでお付き合いをし、わが家にも招待して親へ紹介したり、家族ぐるみで旅行に行ったり、たがいの芸能活動を支え合う関係でした。 現実がつらくて  ゲームでもネットでも妄想でもなんでもいいですが、それらにハマるという時間は、現実を忘れられる、見なくてすむ時間だと思います。不登校やひきこもり中は多くの場合「現実の自分=ダメな自分」なので、現実を見るのは本当につらいことです。  でも現実って見ないようにしていても勝手にどんどん飛び込んでくるんですよね。やることをちゃんとやっている家族、ダメな自分にも与えられる食事、同世代の有名人を取り上げるテレビ番組、誰に会うわけでもないのに行なう無意味な歯磨きや入浴、移りゆく日々、すぎていく時間。それらの現実はすべて私自身に「ダメな自分」を何度も何度も見せつけてくるのです。そのすべてを直視すると自分自身を... --- ### 小学4年で不登校に。僕が行きたくないと言った理由【全文公開】 - Published: 2021-09-30 - Modified: 2024-11-13 - URL: https://futoko-online.jp/children/2756/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 無料記事, 当事者の声, 2021年10月1日号 - ハッシュタグ: フリースクール  熊本県在住のムクムクさん(中学1年生・男性)にインタビューしました。学校の先生の言動に疑問を抱き、不登校になったというムクムクさん。不登校になった経緯やこれからどう生きていきたいと考えているのかなどを、率直に話してくれました(写真はイメージ画像です)。 * * * ――ムクムクさんはいつから学校と距離を置くようになったのですか?  小学4年生の夏休み明けからです。理由は、先生の命令でみんな合わせて行動しなければならないことがイヤになったからでした。体育の授業で、みんながんばって運動していたのに、急に先生に止められてダメ出しされたときなどは、「どうして体育座りさせられてだまって聞いていなきゃいけないの?」と疑問に感じました。「自分たちで考えて行動したってよいはずなのに」と思って。  また、あるとき先生に怒られることがあり、反発して言い返したら、「子どもは先生に逆らえないんですよ」と言われたんです。自分たちを押さえつけようとする発言に大きなショックを受けました。  その後も学校や先生への不信感が膨らむばかりで、しだいに休む回数が多くなっていきました。最初のころは2週間に1回程度だったのが、1週間に1回かならず休むように。具合が悪かったわけではないですが、モヤモヤが取れなくてつらかったんです。かといってそのモヤモヤを言葉にすることは当時できず、親にはただ「学校へ行きたくない」とだけ言っていました。 親の提案を受け、フリースクールへ ――親御さんの反応はどうでしたか?  よくため息をついていました。でも、僕の姉も不登校をしていて、親にはそのときの経験があったからか、ムリに学校へ行かせるようなことはせず、フリースクールへ行くのはどうかと提案してくれました。何カ所かいっしょに見学にまわって、僕の居場所を探してくれたんです。そのなかのひとつ、川遊びなど自然体験ができるスクールに興味を持ち、3学期から入学することにしました。  ただ、フリースクールもよいことばかりではなかったです。体験入学のとき、初めて会った子にいきなり竹でたたかれました。突然のことでびっくりしましたが、もっとおどろいたのは誰もその子を注意しなかったこと。あとから先生に「気性が荒い性格だからしょうがないの。みんな受けいれているんだ」と言われました。自分としてはその子とは仲よくなれないと思いましたが、「まあ僕みたい... --- ### 子どもも親も縛られない「ホームエデュケーション」という子育て法【全文公開】 - Published: 2021-09-20 - Modified: 2024-11-13 - URL: https://futoko-online.jp/parents/2760/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 無料記事, 親の思い, 2021年9月15日号 - ハッシュタグ: ホームスクーリング, ホームスクール 学校のみに頼らず家庭を拠点として学ぶ「ホームエデュケーション」。現在、全国で約2000家庭以上が実践していると言われています。今回取材した原田雅代さんもその一人。原田さんは3人のお子さんを、シングルマザーで育てられてきました。ホームエデュケーションを始めたきっかけや子育ての思いについてうかがいました(画像は原田家の家族全員そろっての記念写真)。 * * * ――ホームエデュケーションを始めたきっかけを教えてください。  そもそも私自身、子どものころから学校があんまり好きではなくて、受け身から始まる教育に疑問を抱いていたんです。たとえば起立や礼、休め、三角座りなど、先生から言われたことに対して、集団で従わなければいけない雰囲気に、子どもながらどうも納得できずにいました。「なぜみんなと同じでなければならないのだろう」と思いながら、学生時代をすごしたことを今でも覚えています。  大人になってからも世のなかにただよう生きづらさを感じていました。みんなと同じような生き方をするのが「ふつう」という空気感が、やっぱりどこか息苦しくて。「なぜこんな生きづらい世のなかなんだろう」と考えたとき、元をたどれば学校が始まりなのかもしれないなと気づいたんです。  当時は20代後半で、田舎暮らしをしたくて佐渡島に移住し、長女を妊娠したタイミングでした。そうしたことも重なって、これからの生き方や子育てのことなどを考えていくうちに、「親も子も自分の感覚を信じて、自由に生きられるような方法を探したい」という思いが強くなったんです。 私が納得できる子育てをしよう  そんなとき、「自然育児友の会」という団体が出している冊子で、京都でホームスクーリングをしている方の記事を目にしました。私と同じような考え方で子育てされているようすを見て、すごくいいなと思って。  私たちも理想を追って田舎暮らしを始めたことだし、それなら徹底して自分が納得できる子育てをやっちゃおう、と。そこで決心がついたんですね。地域内で価値観の合う仲間とともに「自分たちで子育てをしよう」と、自主保育を始めたんです。  その後、小学校に上がるときにわが家はホームエデュケーションに移行しました。小学校に通うかどうか決める際には、小さな娘とも向き合って、しっかり話し合いをしました。親が学校へ行かなくてもよいと思っていても、「やっぱり行かせたほうが... --- ### 長引くひきこもりで家計が心配。お金の不安を解消する3ステップ【全文公開】 - Published: 2021-09-15 - Modified: 2024-12-20 - URL: https://futoko-online.jp/others/2824/ - カテゴリー: イベント, others - タグ: 無料記事, 講演録, 2021年9月15日号 - ハッシュタグ: 不登校の親 子どもが長期間ひきこもっていると、気になることの1つにお金の問題があります。子どもがこのまま家にると家計は大丈夫なのかと不安に思う方も多いのではないでしょうか。 そこで今回は日野市ひきこもり対策支援事業のオンラインセミナー「ひきこもりとお金の話2~お金を介して家族と会話するヒント~」の抄録を掲載します。 講師はファイナンシャルプランナー(以下、FP)の中森順子さん。「お金」を切り口にすると親には何ができるのか。3つのステップにわけて、お話されました。(写真:日野市提供) * * * お金の問題は、誰もが人生で一度は考えるテーマです。人にはそれぞれの状況や段階に応じてライフイベントが発生しますが、その都度何かしらのお金が必要になります。 ですから、これからどのような生活をしていきたいのか、そのために、どのようにお金を使っていきたいのかを考えることは重要です。 一方で、お金のことってセンシティブだし、気軽にふれにくい話題というイメージをお持ちの方も多いですね。ですが、そうした理由からお金の問題を避けてしまうのは、非常にもったいないことです。 漠然とした不安、取り除く道具に なぜかといえばお金というのは捉え方を変えれば、家庭の風通しをよくする道具にもなりますし、生きやすくなるための道具にもなるからです。 ひきこもりも同じで、お金という切り口から考えることで、将来に対する漠然とした不安が整理されることがあります。 そのためには、まず親自身が頭のなかにある固定観念をまっさらな状態にして、「暮らし」という視点から考え直してみることが必要です。今回は、親ができる実践を3つのステップに分けてお伝えしていきましょう。 1つ目のステップは、「自分自身がどのように暮らしたいか」という視点から考えてみることです。 ポイントは、金銭的なことはいったん置いておいて、まずはあなた自身がどうしたいのかを考え、書き出してみることです。 どういう暮らしが理想か、どういう食生活をしたいか、これから行きたいところ、やりたいことなど「誰が、いつ、何をしたいのか」を書き出してみましょう。その際に「問題となることや不安なこと」「そのためにできること」も併せて書き出すとよいですね。 また、家族それぞれに本当はどうしてほしいかという正直な思いも、書き出してみましょう。夫にはどうしてほしいのか、子どもにはどうしてほし... --- ### 不登校を機に「自分が嫌いになった」17歳がぶつかった理想と現実 - Published: 2021-09-15 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/children/2813/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2021年9月15日号  不登校という状況になり、苦しい思いをするのは親だけはない。ときに、子ども自身も学校へ行けない自分を責め、嫌悪感に苛まれることがある。今回の執筆者Y. Yさんも「中学2年生で不登校になったとき、自分への嫌悪感に毎日苦しんだ」という1人だ。「どうしても自分を好きになれず、生きていたくなかった」というY. Yさん(17歳・女性)が、自分を好きになろうと思ったきっかけや、好きになるため重ねてきた努力と葛藤を道のりを書いていただいた(画像はイメージです)。 * * *  中学2年生のとき、私は学校へ行けなくなったことがあります。きっかけは部活でのプレッシャーや高校受験への焦りなどで余裕がなくなったことでした。余裕がなくなっていくにつれ、仲のよかった友だちとすれちがうことも増えました。そんな環境にどうしようもない疲れを感じるようになり、学校へ行かなければならない明日が怖くなってしまったのです。  不登校になると、私は自分に対して強い嫌悪感を抱くようになりました。以前は長所に感じていた部分さえも、短所にしか感じられなくなって。親や友だちなど、まわりの人がいくら認めて励ましてくれても、自分の悪い部分にしか目が向けられなくなりました。  しだいに嫌悪感に追いつめられ、ある日私は「自分のことがどうしようもなくきらいで、もう生きていたくない」と母に伝えてしまいました。 私の言葉を聞いた母は本当に悲しそうな顔をしていて、その瞬間「自分を大切にできないこの感情は私だけでなく、まわりの人も傷つけているのだ」ということに気がつきました。「もう母を悲しませたくない」と後悔した私は、母との出来事を境に自分を好きになるための方法を探すことにしました。  自分を好きになるための努力として私が始めたのは自分が好きな人や周囲から好かれている人のよいところを見つけて、マネをしてみるということでした。  対人関係では目標とする人の話し方や表情を参考に「こういうとき、あの人だったらこう回答するだろう」と想像してマネてみました。すると、徐々に相手の顔色をうかがうことがなくなって、周囲の人と会話がスムーズにできるようになり、人と話すことを楽しめるようになりました。まるで前向きに生きる理想の自分になれたような気がして、以前よりほんのすこし自分のことを好きになることができました。 理想を追うほど  でも、誰かのマネをす... --- ### なぜ不登校の子は朝がつらいのか。元当事者が語る理由と具体的対応 - Published: 2021-09-15 - Modified: 2024-11-13 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2803/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】元当事者からの不登校対応マニュアル, 2021年9月15日号 - ハッシュタグ: 昼夜逆転, ひきこもり, 引きこもり  新連載「元当事者からの不登校対応マニュアル」を掲載します。元不登校であり、現在はひきこもり支援員である執筆者が語る不登校対応のしかた、初回は「昼夜逆転」についてです(画像はイメージです)。 * * *  初めまして。長崎市を中心に不登校やひきこもりなどに関わる活動をしている古豊慶彦と申します。私自身は中・高で不登校の経験があり、高校は退学しています。  不登校に関わる活動をするなかで、昼夜逆転についてのお話をよく耳にします。学校から「まずは生活習慣から直そう」とか、「朝起きられるようになりましょう」と言われたという話や、「学校は行けなくてもいいけど、朝はちゃんと起きてほしい」という親御さんの声も聞いたことあります。  私自身不登校していたとき、昼夜逆転していました。そのとき親からは「学校へ行かなくても、朝ご飯は家族いっしょに食べよう」と言われ、一時期はちょっとしたルールのようになっていましたが、私にとって不登校中の家族との朝食の時間は居心地の悪い時間でした。  たとえば家族の「行ってきます」という声も当時の私にとっては「お前は今日ずっと家に居て、何をするんだ?」と責められているように聞こえましたから。  私が昼夜逆転していた理由は「朝になってほしくない」という思いでした。朝は私にとってはとてもイヤな時間でした。朝になると自室のドアの向こうからいろいろな音が聞こえました。親が起きて廊下を歩き階段を降りる音、家族の誰かがトイレのドアを開ける音、階下からの話し声。ゴミの日には父親が無言で部屋に入ってきて私の部屋からゴミを収集していきました。  それらすべてが、「学校へ行けていない、本来やるべきことをやっていない、子どもとしてあるべき姿ではない私」を私自身にイヤでも見せつけてくるのです。朝はそのような時間でした。  夜布団に入って寝てしまえば、またすぐに朝が来る。みじめで情けない自分にたくさん出会う朝が来る。カーテンから差し込む光も、息苦しい布団のなかも、何の変化もない今日も、誰も居ない食卓にポツンと残っている朝食(朝昼兼用)も、ぜんぶ朝が連れてくる。そのような思いでした。  そんな夜は何をしていたのか、あんまり覚えていませんが、ずーっと自室の天井の隅っこを見つめていた記憶があります。その時間は私にとっては、朝が来ることをギリギリまで遅らせようとする、必死の抵抗だったのか... --- ### 子の不登校でどん底だった私が11年経って今、心から思うこと【全文公開】 - Published: 2021-09-15 - Modified: 2024-11-13 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2809/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 無料記事, 【連載】不登校は幸せへの道, 2021年9月15日号 - ハッシュタグ: 不登校の親, ひきこもり, 引きこもり  新連載「不登校は幸せへの道」を掲載します。「私は最悪な母親でしたが、不登校になった息子のおかげで今は一番幸せです」と語る後藤誠子さん。そう思えるようになるまでの軌跡を書いていただきます。 * * *  私が「不登校・ひきこもりの子を持つ母親」という看板をかかげて活動を始めてから、もう3年が経とうとしている。今、行なっている活動は本当にさまざまだ。ブログを書く、ラジオ番組をつくる、イベントを開催する、不登校・ひきこもりの親からの相談を受ける、親の会の運営、誰でも来られる居場所の運営、不登校・ひきこもり関連の講演などなど。  しかし、次男が不登校になったばかりのころの私は、まさかそんな日が訪れるとは夢にも思っていなかった。学校へ行かないなんてありえない。次男の人生はもう終わってしまった。なぜ自分だけがこんなひどい目にあうのだろう、自分が一体何をしたというのだろうと、そればかり思い、挙句の果てには次男を殺して自分も死のうと何度も考えた。  学校へ行けない次男の思いなどいっさい知ろうとはせず、ただ自分をあわれみ、学校や世間を憎み、私を困らせる次男を恨んだ。世界で一番不幸な母親は私だと心の底から思っていた。  ところが今の私はどうだろう。53年間生きてきて今が一番幸せと断言できる。不登校・ひきこもりの親なのに。いや、不登校・ひきこもりの親だから幸せなのだ、と胸を張って言える。次男が不登校・ひきこもりになってくれなかったら、今の私はいない。次男には本当に感謝している。  最悪な母親だった私が、なぜ、どうやって変わってきたのか。何があって今のような心境にたどり着いたのか、それをこれからつづっていこうと思う。  過去に起きたことを思い出し、掘り起こしていく作業は、もしかすると楽しいことばかりではないかもしれない。むしろつらい作業かも。それでも私は書きたい。ひとりでも多くの人に「あなたはひとりじゃない、きっと大丈夫」と伝えたいから。私たち親子の物語が誰かの心のよりどころになれたなら。そんな思いで書いていく。  あの夏、私たち親子に何が起きたのか、書くならやはりそこからだろう。あたりまえの毎日にヒビが入った日。あれは11年前、暑い暑い夏の日だった。(つづく・後藤誠子) ■筆者略歴/後藤誠子(ごとう・せいこ) 次男の不登校・ひきこもりを経験したことから、当事者を地域で支え合う「笑いのた... --- ### 23歳で高校を卒業した僕。社会の学歴の「当たり前」に感じた疑問 - Published: 2021-09-01 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/children/2848/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 当事者の声, 2021年9月1日号 - ハッシュタグ: 通信制高校, 中退, 高校中退  「高校は3年で卒業するべきという社会の当たり前」に疑問を感じている、みやもとたかひろさん。幾度の入学と卒業を経験して23歳で高校を卒業したみやもとさんは、卒業後に受けたアルバイト面接で社会の価値観の壁を感じたという。不登校経験者が感じる壁の正体はどんなものなのか、またそこから浮かんでくる社会の常識への疑問を書いていただいた。 * * *  私は高校生のとき不登校になり、高校を中退した。そこから再び高校生になったのは20歳のとき。夜間の定時制高校に入学し、翌年には通信制高校へ転入した。そして、無事23歳で高校を卒業することができた。  中学卒業から23歳で高校を卒業するまでの約8年のあいだに、僕は計3度の入学と2度の退学、そして1度の転入を経験している。   おかげで履歴書の学歴欄は「入学」と「退学」の文字だけが多くなってしまったけれど、それだけ「リスタートする機会があった」と今では思っている。だからこそ、なんとなく社会全体であたりまえになっている「最初に入学した高校を3年間で卒業するべき」という風潮は変えられないものかと思ってしまう。  僕が23歳で高校を卒業したとき、まわりの大人たちが「20歳から高校に通い直して卒業するなんてすごいね。これからがスタートだよ。応援している」と言ってくれてうれしかったし、その言葉が、これからの人生を生きる励みにもなった。  同世代の人たちとちがう年齢での卒業に当時の僕は若干気まずさを感じていたが、周囲の言葉に「不登校やひきこもりを経験しようとも、いつでも、何度でも、自分の生き方を再構築できる社会はあるのだ」と心が軽くなった。 立ちふさがる壁  しかし、そんな社会はあくまでも建前でしかなかったということを、高校卒業後のアルバイトの面接で気づかされた。  僕の履歴書における学歴欄の入学と退学の多さは、採用側からすると「10代で、3年間で卒業すべき高校を何回も辞めて不登校になった人」という評価になる。きっと、「採用しても、すぐ辞めるんじゃないか」という不安と懸念があったのだろう。大半が書類審査で落ちて、なかなか面接まで進めなかった。  やっと面接をしてもらえたとしても、「なんでこんなに学校辞めてるの?」とストレートに聞かれて返答に困ったこともある。「なんで?」と聞かれても、明確な理由なんて自分でもよくわかっていなかった。それでも聞かれた... --- ### 「勉強だけが特別ではない」学び直しのプロが伝えたいこと - Published: 2021-08-31 - Modified: 2024-11-13 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2805/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】不登校からの勉強のススメ, 2021年9月1日号 - ハッシュタグ: 学びなおし, 学び直し, 勉強 連載「不登校からの勉強のススメ」最終回  不登校からの勉強をめぐり、「やっぱり勉強しなくちゃいけないのかな」「高認や大学受験を考えられない自分はダメなのかな」と感じているお子さんもいると思います。また、保護者のなかにも「そろそろ勉強させないと」と焦っておられる方もいると思います。  現在、キズキ共育塾で不登校経験者などの学びなおしの支援をしている半村進さんは勉強をするうえで、大事な前提条件があると言います。その前提条件とは。 * * * いよいよ最終回となりました。これまでの記事では、「不登校と学びなおし」というテーマのもとに、勉強をやりなおすときに何から始めたらよいか、高卒認定試験の内容、最近の大学入試の傾向などについて語ってきました。  この連載を読んで、すこしでも気持ちが軽くなったり、役に立ったと感じてくださった方がいるなら、たいへんうれしく思います。  でもその一方で、気が重くなってしまったり、かえって自分を責める気持ちが強くなってしまった方もいるかもしれません。  「今の自分はできてないけど、やっぱり勉強をしなくちゃいけないのかな」「高卒認定とか大学受験とか、受ける気になれない自分はおかしいのかな」「うちの子にも、そろそろ勉強させなきゃいけないのかしら」など、そんなふうに悩んでしまったお子さん、また親御さんもいるのではないでしょうか。 「勉強はよいこと」、その前提として  世間にはたしかに「勉強するのはよいことだ」という風潮があるように思います。ただ、今になって自分が心から思うのは、この「勉強するのはよいことだ」という言葉の前に、大事な条件があるはずだということです。  「心身のコンディションに無理のない範囲で、勉強するのはよいことだ」。これがより適切な言葉ではないでしょうか。なんだか今の世の中では、「勉強」という言葉に特別な色がついてしまったように思います。   「体を壊すくらいがんばって勉強した」とか「寝る間も惜しんで受験勉強した」というのが、よいことのように受け取られる雰囲気があるのではないでしょうか。「体を壊すくらいがんばってショッピングをした」とか「寝る間も惜しんで散歩をした」とはずいぶん受け取られ方がちがうように思います。  「勉強というのは何か特別なこと、大切なこと、やらなければいけないことだ」という感覚が、かえって勉強を気軽に取り組みにくい... --- ### 誰にも否定されず、落ち着ける「安心できる居場所」がなぜ必要か - Published: 2021-08-31 - Modified: 2024-11-01 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2842/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】居場所の現在地, 2021年9月1日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり 連載「居場所の現在地」最終回  一般社団法人ひきこもりUX会議共同代表の林恭子さんは、不登校・ひきこもりの経験者です。当時、「こんなダメな人間は自分だけだ」「こんなことをしている人は世界で自分しかいないのではないか」と思い詰めていたと語ります。  現在、全国で居場所を開催する活動をしている林さんに、生きづらさを抱える当事者が安心と希望を感じるのために何が必要か、コラムを執筆していただきました。  ひきこもりや生きづらさを抱える人の居場所についてのリレーエッセイ「居場所の現在地」も最終回となりました。ひきこもりUX会議(以下、UX会議)のメンバーが、それぞれの活動から見えてきた、また感じている居場所について、つづってきました。コロナ禍でオンラインで開催する居場所ができたこと、でもやっぱりリアルで会いたいと思うこと、「アジール」(避難所)としてのゴールデン街の話、そして、居場所に大切な風通しのよさについて。  みなさんは、居場所と聞いたとき、どのようなイメージを持たれるでしょうか? 今あなたに居場所はありますか?  本来、居場所というのはわざわざつくるものではなく、なんとなくそこにいたら、いつのまにか自分にとっての居場所になっていた、というものかもしれません。それが、家庭であったり、学校やフリースクール、フリースペースであったり、職場や趣味の場であったり。近所の公園やカフェ、飲み屋さんが居場所かもしれません。  居場所の種類は多種多様ですが、大切なのは「安心できる場かどうか」ではないでしょうか。誰にも否定されず、批判されず、思うようにふる舞い、語ることができる。そこにいるとちょっと呼吸が楽になって、身体も軽くなるような気がする。そんな場が「安心できる居場所」ではないかと思います。  また、居場所があれば、すこしがんばらなくてはいけないほかの場所や、気が向かないことをしなくてはならないときも、居場所を思ったり、終わったら居場所へ行けると思ってがんばれたりと、「こころの避難所」にもなるように思います。そう考えると、かならずしも人のいる場でなくてもよいのかもしれません。本や映画、音楽やゲーム、その世界にひたれることで心が解放されるなら、それは立派な居場所ですね。  UX会議では今年度も各地で居場所の開催を予定しています。ひきこもりや生きづらさを抱える人は、かつての私がそうであ... --- ### 自分の性別にずっと違和感が。性同一性障害に出会うまで - Published: 2021-08-31 - Modified: 2024-05-14 - URL: https://futoko-online.jp/children/2793/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2021年9月1日号  今日も自分だけ女装して学校へ行くんだ――。そう語るのは、不登校経験者のはるきさん(20代)です。小学3年生のころから自身の性に違和感があったというはるきさんは、18歳で「性同一性障害」の診断を受けます。はるきさんの提案のほとんどを却下した学校の対応、中学2年生で不登校になった当時の気持ち、母親との関係のほか、現在は不登校支援やLGBTQの相談員をしていることなど、はるきさんにお話をうかがいました。 * * * ――不登校になったきっかけを教えてください。  中学校に入学後、女子の制服を着なければならなくなったときに、どうしても着られなくなったのがきっかけです。もともと、自分の性別に対する違和感は小学校のころからありました。  最初に意識し始めたのは、小学3年生のころ。男女で遊び方が分かれる時期で、ずっと仲のよかった男友だちが「お前、女だから」と遊んでくれなくなったんです。そのあたりから「ああ、そうか。自分は女の子だから女の子として生きなきゃいけなかったんだ」と、性別を意識し始めました。  小学校高学年になると、生理が始まり、胸が膨らんできました。自分の身体にも、居心地の悪さを感じるようになりました。ただ、当時は「性同一性障害」という概念も知らなかったので、口に出さないだけで、みんなも同じような感覚なんだろうと思い、女子としてすごしていましたね。  しかし中学では、それまでのようにはすごせなくなったんです。入学した学校は、ワンピースみたいな制服を着て登校することが義務づけられていました。  最初のうちはなんとか通えていたんです。しかし、しだいにパジャマから制服に着替える時間が長くなっていきました。始めのうちは20分から30分ほどでした。しかし2年生になったころには、朝4時くらいに起きて「今日も自分だけ女装して学校へ行くんだ」と覚悟を決める時間が必要でした。  なんとか登校できても、男女別の授業にもつまずきました。生徒たちの男女差も顕著になっていく時期です。一方、自分は「女子生徒」であること自体、違和感があったわけです。学校に、どんどんなじめなくなっていきました。ついには制服を着て通学するだけで、吐くまでになったのです。そんな状態ですから、登校できるのは週に1日~2日でした。そして、中学2年生の夏休み明け、ついに限界がきて、完全に学校へ行けなくなりました。 先生につら... --- ### 小6で不登校になったきっかけは、みんながいる教室での担任の一言 - Published: 2021-08-17 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/children/2810/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 当事者の声, 2021年8月15日号 - ハッシュタグ: 通信制高校  小学校では不登校。中学と高校でも学校生活に苦しんだSORAさん(10代)。高校中退後はパニック症状もあいまって外出すらも困難になったなか、苦しさの対処法がようやく見えてきたと言います。SORAさんが周囲に「ずっと前から求めていたこと」とは、なんだったのか。不登校の経緯から現在に至るまでのお話をうかがうなかで、見えてきたものがありました。 * * * ――SORAさんの不登校経験を教えてください。  私が最初に学校を休みがちになったのは、小学4年生です。給食が食べられなくなったことがきっかけでした。ある日の給食の時間、1人の同級生が突然教室で吐いてしまったことがあったんです。  私はその子の近くの席だったので、介抱をしたり先生を呼びに行ったりしました。しばらくすると保健室の先生が来て、その場はことなきを得たのですが自分の席に戻った途端、私はどうしたらいいのかわからなくなってしまったんです。「今給食を食べたら、私も同じように吐いてしまうのではないか」と急に恐怖心が込み上げてきて。  思えば、それが起こったのはクラス替えをして間もない時期で、私自身まだクラスになじめていませんでした。安定しない環境のなか突発的なことが起きて、パニックのような状態になってしまったのだと思います。  結局、その日を境に私は恐怖心から給食が食べられなくなりました。月に1回~2回ほど学校を休むようになり、保健室へ行く回数も増えました。  当時は給食の時間が本当に苦痛でしたね。4時間目まではずっと緊張しっぱなしで、給食ワゴンの音が聞こえてくるとずっしりと心が重くなりました。お腹も空いているはずなのに、給食の時間になるとなぜか空腹を感じませんでした。  「給食があるから学校へ行きたくない」と思ったことは正直何度もありました。ただ、親が学校を休むことに肯定的ではありませんでしたし、何より友だちや先生のことは好きだったので、いっしょに学校生活をすごしたいという強い思いがあったんです。 不登校の決定打  でも結局、小学6年生の4月、私は学校へ行けなくなってしまいました。原因は担任のひとことです。  新しいクラスになって初めての給食のとき、友だちと談笑をしていると先生が「なんで食べていないの? 笑って話せるんだから、給食くらい食べられるでしょ」と言ってきたのです。  クラスメイト全員の前で突然一方的に向けら... --- ### 「ひきこもりだったから」という固定概念。僕が抜け出したきっかけ - Published: 2021-08-17 - Modified: 2024-11-01 - URL: https://futoko-online.jp/children/2817/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2021年8月15日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり  自分の身に起きたネガティブなことも、ポジティブなことも「僕はひきこもりだったから」と、なんでもひきこもり経験につなげて考えてしまう。そんな自身の思考回路のクセを「ひきこもりフィルター」と瀧本裕喜さんは呼んでいるそうです。「ひきこもりフィルター」とは、どんなものなのか。当事者にしかわからない心境を執筆してくれました。  僕は、18歳から25歳の7年間ひきこもっていた。自分の部屋から抜け出し、外の世界に出るようになって15年。最近、自分の価値観に関して気づいたことがある。それはどんなことも、ひきこもりと関連づけてしまう「ひきこもりフィルター」が僕のなかにあるということだ。思い返してみると「ひきこもりフィルター」はこれ以上自分が傷つかないよう、ずっと盾の役割をしてくれていたように思う。 面接での経験  ひきこもりから立ち直ったころ、アルバイトの面接を受けたことがある。7年間ひきこもったことを面接中に打ち明けると面接官は驚いて、しだいに僕と目を合わせなくなった。打ち明けるまでは穏やかに会話が進んでいたので、急に対応が変わったことに僕は激しく動揺した。  結局、その面接には受からず「ひきこもりだから面接に通らないんだ。社会復帰するには、ひきこもりを隠さないといけないのか」と当時の僕は強い違和感を覚えた。アルバイト面接での経験を思い返すたびに「僕にひきこもりの経験があるから、面接官は目を合わせてくれなくなったのだ」と、僕はつい最近まで思っていた。  しかし、そんな僕の価値観は変わることになる。それは、記事執筆のため『不登校新聞』のある会議に参加したときのことだった。  その会議で僕が出したのは、ひきこもりに対する社会のイメージに疑問を投げかける企画書だった。当時の僕は知人からかけられた何気ない言葉に「ひきこもりの経験があるから、こんなことを言われるのだ」とモヤモヤしていたのだ。  しかし、会議の参加者の1人から思わぬ意見が飛んできた。それは「ひきこもりの経験があるから言われたわけではないと思う。相手の言動とひきこもり経験をつなげてマイナスに捉えすぎてしまう『ひきこもりフィルター』のようなものが、瀧本さんのなかで働いてしまっている部分もあるのではないか?」というものだった。 自分の見方は正しいのか  参加者の率直な意見を聞いて、僕は「そんな見方があるのか」と新鮮さと驚きを覚えた... --- ### 焦り、葛藤した娘の不登校。母親が感じた「待つことの意味」【全文公開】 - Published: 2021-08-12 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/parents/2830/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 通信制高校, 無料記事, 親の思い, 2021年8月15日号 - ハッシュタグ: 通信制高校, 不登校の親 メイン画像:当時使っていた娘さんの連絡帳。夏休み明けから続く欠席について担任とのやりとりが書かれていた。  不登校の子に対して「周囲は焦らずに待って」というアドバイスは、よく目にするものです。ところが親にとって「待つ」というのは至難の業。「いつまで待てばと」と不安がついて回ります。夏休み明けから突然、娘の不登校が始まったという花さんも「待つ」に苦しんだ母親の一人です。3年半、葛藤を重ねた末、行きついた結論は、不登校にかぎらず親にとって大事な気づきがそこにありました。 * * * ――お子さんが不登校になったときのことを教えてください。  娘が不登校になったのは、小学6年生の夏休み明けでした。朝起きてきて、学校へ行く時間が近くなると「お腹が痛い」と言うようになって。夏休み明けからパタリと学校へ行かなくなりました。  学校へ行かなくなると娘の体調は、みるみるうちに悪くなっていきました。ご飯がまったく食べられなくなって痩せていき、お風呂にも入らず、歯も磨かない。ふつうの生活ができなくなって、無気力状態になってしまったんです。  性格の面でも以前はどちらかというと明るく、よく笑う子だったのですが怒りっぽくなり、家でもあまりしゃべらなくなりました。仲のよかった弟にも手を出すようになり、ちょっとしたことでケンカをするようになりました。日を追うごとに昼夜逆転状態になって、一日中ひきこもって自分の部屋から出てこないことも多かったと思います。  はじめのうちは「どこか悪いのではないか」と身体の心配していたのですが、病院で血液検査をしても胃カメラをしても、異常は見つかりませんでした。「身体ではないのなら、もしかして精神的なものなのではないか」と思い、しばらくして自宅近くのメンタルクリニックを受診すると、娘はそこで適応障害と診断を受けました。  不調の原因がわかり安心した反面、私にとって娘の診断はショックでした。当時は精神的な病気の知識もありませんでしたし、「精神病は誰でもなり得るもの」という社会の認識もうすかったので、すごく不安になったのを覚えています。 同級生と比べて焦る気持ちも ――娘さんの不登校をどのように受けとめていましたか?  夏休み以降、転げ落ちるように体調が悪くなったので、学校へ行かないことに対しては「この状態じゃ、行けないよね」と思っていました。学校へ行く以前の話という... --- ### 居場所に大切なのは、「風通しのよさ」だと思う - Published: 2021-08-12 - Modified: 2024-11-01 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2851/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】居場所の現在地, 2021年8月15日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり 連載「居場所の現在地」第5回  ひきこもり当事者や経験者が集まる居場所が全国で開かれています。そのひとつ「ひきこもり女子会」の運営に携わる恩田夏絵さんは、自身が不登校とひきこもりの経験者です。  「すでに関係性が出来上がっている居場所に入っていくことはハードルが高かった」と語る恩田さんは自身の経験から、居場所づくりには風通しのよさが欠かせないと言います。多様な人が集まりかつ同調圧力のない居場所づくりとはどのようなものか、コラムにまとめていただきました。  小学2年で不登校デビューし、さみだれ登校をくり返していた私は、義務教育期間の半分も学校に通っていません。不登校と並行して経験したひきこもり期間には、1カ月間お風呂に入らなかったこともありました。身近な学校や地域が「居場所」になったことがないので、「居場所的なもの」が苦手です。ヨーイドンで友だちをつくっていくこと、すでにできあがっている関係性のなかに入っていくのは、ハードルがかなり高いのです。  そんな私が、今ではさまざまなかたちで居場所の運営をしています。UX会議では、2016年から続く「ひきこもりUX女子会」(以下「女子会」)をはじめ、ひきこもりや生きづらさに関する場を開いています。女子会でつねに意識しているのは、参加者の幅を広くしながら安心できる環境をつくること。たとえば、参加対象者は「ひきこもり状態にあったり、人間関係に難しさなどを抱えている女性自認の当事者・経験者」としており、これにより参加者の状態にバラつきがでます。さらに言えばひきこもり経験は必須ではありません。  初めて参加する方が半分、2回目以上の方が半分。年齢層は20代~60代までといった感じです。  UX会議のほかに、国際交流の船旅をコーディネートするNGOピースボートでも働いています。船旅には日本全国のみならず、アジアの国々からも乗船者が集います。ピースボートの船上は「旅がしたい」という乗船者どうしの共通の目的以外は、年齢も国籍もバックグラウンドもバラバラ。女子会と同じように、多様な人々が集まる空間が広がっています。  私は、居場所をつくるうえで「風通しのよさ」こそが大切だと考えています。共通の目的や共感できる話がその場にある。けれども、入口の幅は広くする。参加者層を狭めないことで多様な人が集い、多様性があることでその場の同調圧力は弱まります。... --- ### 不登校から大学進学を目指す際、知っておきたい5つのポイント【全文公開】 - Published: 2021-08-12 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2821/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 無料記事, 【連載】不登校からの勉強のススメ, 2021年8月15日号 - ハッシュタグ: 受験, 大学受験, 大学入試  不登校その後の進路として「大学受験」を考えている方もいらっしゃると思います。近年、大学入試は多様化しており、英語や国語といった学力試験によらない方法で大学に入学するという方法もあります。いま、大学入試はどうなっているのか。キズキ共育塾の半村進さんに、大学入試の現状とともに大学入学後の不安を払拭するための方法など、親が知っておきたい5つのポイントを解説していただきました。 * * *  不登校であったとしても「大学へ行ってみたい」と考えているお子さんはたくさんいらっしゃると思います。大学入試は近年、受験科目のみならず、入試制度そのものも多様化しています。そこで今回は、不登校から大学進学を目指す際、お子さんと親御さんに知っておいていただきたい5つのことをご紹介します。 1つめは「今の大学入試では必要科目数が少なくなってきている」ということです。「大学入試」と聞くと、大量の科目を勉強するというイメージがあるかもしれません。しかし最近では、2科目や3科目だけの入試が多くなりました。「受ける科目は3科目だけど、そのうち上位の2科目だけの合計点で勝負する」という入試も広がってきています。しかも国語で古文や漢文を出題しない大学が増えています。「たくさんの科目を勉強するのはちょっと... 」という方でも、チャレンジしやすい環境になってきたと言えるのではないでしょうか。  ただそうは言っても、科目の勉強自体に自信が持てないという方も多いことでしょう。そこで2つめの「大学に入る方法はたくさんある」ということをお伝えします。不登校を経験した方のなかには、総合型選抜入試(学力試験よりも面接や文章を重視する入試)を受けて大学に入学することができたという方も増えてきました。「科目の勉強はきついけど文章を書くのは好き」という方にはちょうどよいと思います。総合型選抜入試をまず受けてみて、そのあと一般選抜(学科試験中心の入試のこと)を受けることも可能です。  3つめは「科目を自分で選ぶ余地が増えてきた」という点です。高卒認定試験とやや似ているのですが、以前は「社会科目であれば世界史Bか日本史Bのなかから1つ選ぶ」というかたちでしたが、今は「社会科目は世界史B、日本史B、地理B、政治経済のなかから1つ選ぶ」といった具合です。受験科目の選択肢が増えることは、本人にとってすこしでも抵抗感のない科目を選び... --- ### マンガで読める「摂食障害」。親や教員に読んでほしい1冊を紹介 - Published: 2021-08-12 - Modified: 2024-11-01 - URL: https://futoko-online.jp/books/2826/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 2021年8月15日号 - ハッシュタグ: 摂食障害  「摂食障害」というものを聞いたことがあるでしょうか。「拒食」と「過食」に大別される障害で、思春期に発症しやすく、近年では小学生など低年齢化しているという指摘もあります。また、不登校の当事者や経験者にも「摂食障害」を抱える方がいます。その摂食障害について、自身も「摂食障害」で苦しんだ経験を持つマンガ家のおちゃずけさんが、マンガでわかりやすく紹介した本があります。監修には専門家として医師もかかわっています。「もしかして?」と思ったとき、保護者や学校関係者など、幅広い方に読んでほしい1冊をご紹介します。 * * *  今回ご紹介する書籍は「摂食障害」について取り上げた1冊です。著者のおちゃずけさん(マンガ家)は、かつて自身が摂食障害だった経験をふまえ、摂食障害に関して知っておいてほしい知識や具体的なケースについてマンガで紹介しています。また、獨協医科大学「子どものこころ診療センター」の作田亮一医師が監修に携わっています。  本書の特徴は大きく3つあります。1つめは、摂食障害のケースについて、マンガでわかりやすく紹介されていること。ダイエット、クラスメイトの何気ない一言、学校の給食、発達障害など、さまざまなきっかけにより摂食障害になった事例が紹介されています。2つめは、摂食障害から回復した経験者4名の体験談が掲載されていること。  写真付きで優しく語りかけるその内容は、摂食障害で今苦しんでいる当事者にとって大きな支えとなると感じます。3つめは、摂食障害に関して知っておくべき知識を、作田亮一医師がQ&A方式で解説していること。摂食障害は「拒食症(食べる量を減らす、自分が許せる物しか食べない)」と「過食症(大量に食べる、過食後の嘔吐)」に大別されるという基本から始まり「思春期に発症しやすく、近年は小学生など低年齢化」「摂食障害が疑われるときにどうすればよいのか」「通院・入院治療の流れ」など、わかりやすく解説されています。  摂食障害は、不登校経験者のインタビューでも聞かれるテーマです。私が以前取材した方は「私は存在してはいけない」という自責の念から食べなくなり、中学1年生で体重が30キロを切ってしまった、と語ってくれました。 本書は親や養護教諭に向けて書かれた章もあります。子ども本人はもちろんのこと、保護者や学校関係者などにも読んでいただきたい1冊です。(編集局・小熊広宣) ... --- ### 居場所がない奴ぁ俺んとこへ来い 俺もないけど心配すんな - Published: 2021-08-10 - Modified: 2024-11-01 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2890/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】居場所の現在地, 2021年8月1日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり 連載「居場所の現在地」第4回  安心できる居場所とは何か。「権威や同調性などから隔絶された居場所で息継ぎができたから、かろうじてメンタルを保てた」と語る川初真吾さん(一般社団法人COYOTE代表)が語る居場所論とは。(冒頭の写真はイメージ写真です)  根城にしている新宿ゴールデン街(以下「G街」)での一献は、何ごとも長続きしない僕の、上京以来20年あまり続いている唯一の習慣である(酒場通いが習慣ってそりゃお前ただのアルコホリックじゃないか... と思われても無理はないが、家ではほぼ一滴も飲まない)。しかし現在、もはや4度めとなった「飲み納め」を経て緊急事態宣言下の蟄居に甘んじている。  現代に残るアジール――いわゆる「逃れの街」であり権威や同調性と隔絶された特異点としてのG街で息継ぎをすることで、僕はかろうじてメンタルを延命させてきたといってもいい。  闇市や青線をルーツにするこの街では、もらい酒で渡り歩く流浪人や、ぱっとしない自由業者(僕のことだ)から、ビジネスエリートや文化人まで、そのステータスや財力などによる序列や非対称性はまず前景化しない(そんなつまらないことを鼻にかける野暮は「田吾作」認定である)。店にも客にも不登校経験者や元ひきこもりがめずらしくない。 それぞれの固有の経験と、どちらかといえば「ダメさ加減」に敬愛の念を寄せて酒の肴にしてしまうカルチャーが根づいている。  したがってG街は「生きづらさ」と相性がいい。毎日「死にたい」とつぶやく人を連れ出したり、UX会議のワークショップ合宿を抜け出して地方からの参加者と飲み明かしたり、10年ほど前に立ち上げた対話交流の場「ひきこもりフューチャーセッション 庵 IORI」で出会った当事者と酒場の一角から夜通しラジオ配信をしたり、ひきこもり経験者どうしの婚姻届の証人欄にカウンターでサインしたこともある。UX会議のイベントやワークショップのデザインのほか「庵」のコンセプトメイクにも、そんなG街のエッセンスがかならず意識の根底にあった(なお8月1日にはちょうど50回目の庵をオンライン開催しています。間に合えばぜひ!)。 安心できる居場所  6月にUX会議で発刊した『ひきこもり白書2021』では、「生きづらい状況が軽減した変化」としては「就職したとき」(18・3%)などを引き離して「安心できる居場所が見つかったとき」が... --- ### 「動画を見てたいから学校へ行きたくない」と言った子の真意【小学生からの不登校】 - Published: 2021-08-02 - Modified: 2024-11-30 - URL: https://futoko-online.jp/children/2919/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 通信制高校, ゲーム・スマホ, 会員限定記事, 当事者の声, 2021年8月1日号 - ハッシュタグ: 通信制高校  小学生の不登校は「理由がわかりづらい」と言います。不登校に至る複雑な心境を言葉にすることは本人にとっても難しいからです。ましてや小学生であればなおのことでしょう。ヒョウゴさんは、小3のころ、両親に「動画を見てたいから学校へ行きたくない」と訴えたそうです。親としては受けいれがたい訴えかもしれませんが、その裏には本人なりの思いがありました。16歳の高校生になった今、小学生当時の心境を語ってもらいました。 * * * ――小学校3年生のころから不登校になったそうですが、学校へ行きたくない理由を親にどう説明していましたか?  理由については、いろんな言い方をしましたが、「学校は楽しくない。家で動画を観ているほうが楽しい」と言ったこともあります。 ――親としては受けいれがたい理由だったかもしれませんね。  こちらの思いをまったく受けとめなかったわけではありませんが、お父さんは認めてはくれませんでしたね。強引に車に乗せられて学校へ連れていかれたことも何度かありますし、めっちゃ怒鳴られて泣きながら通ったこともありました。母親からも「行きたくない気持ちはわかるけど、学校は行きなさい」と。  そんなことを続けていたら持病のぜんそくが悪化して入院しました。そのあとは無理にでもいいから「行け」と言われることはなくなったんです。 授業の内容、楽しくない ――今ふり返ると、なぜ行きたくなかったのだと思いますか?  そもそも小学校1年生のころから「学校って楽しくないな」と思っていました。学校で教えてくれることは、だいたいユーチューブなどの動画を観ていたら知っていることばかりです。僕はゲームの実況動画や攻略などを見ていたので、かんたんな算数や国語の力はついていたんだと思います。だからすでに知っている内容をずっと授業中は説明される。それがつらかったですね。 今、話していて思い出しましたが、小学校1年生のときの先生は、けっこう怒鳴る先生だったんです。怒っている内容は「うるさい」とか「静かにしなさい」とか基本的なことばかり。ただ、いきなり怒鳴り声が聞こえると、僕はすごくびっくりするというか苦手なんです。 ――ヒョウゴさんはちがうかもしれませんが、怒鳴り声が苦手だというのは「HSC(人一倍敏感な子)」の人に多いエピソードですね。  ああ、もしかしたらそういう面もあるかもしれませんね。小学2年生以降は、... --- ### 兄弟全員が不登校。小1からフリースクールに通った僕の現在地【小学生からの不登校】 - Published: 2021-08-02 - Modified: 2024-11-01 - URL: https://futoko-online.jp/children/2926/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2021年8月1日号 - ハッシュタグ: フリースクール  4人兄弟全員が不登校であり、フリースクール育ちだというコウタロウさん(14歳)。不登校による苦痛が少なかったコウタロウさんは、人とは変わった「不登校からの世界」を見ていました。 * * * ――学校へ行かなくなったきっかけを教えてください。  俺は4人兄弟の末っ子で兄弟全員がふつうの学校には通ってないというか、フリースクールに通っているんです。というのも、両親がフリースクールのスタッフだったのと、一番上の兄が小学生のころに不登校をしたみたいなんです。その当時、俺は小さかったので記憶にないんですけどね。  なので気づけば兄弟のみんながフリースクールに通っていたから俺も小1から通い始めたんだと思います。今でもそうですが制服を着て学校へ行く人たちよりも、フリースクールに通っている人のほうが身近だったんです。 ――なるほど珍しい例ですね。まったく学校に通ったという記憶はありませんか?  じつは最近になって中学校へ行ってみたんです。昨年の6月ごろ、緊急事態宣言が明けて休校措置が解除されたときです。俺宛てに「学校に通えるようになりました」という通知が来たので、行ってみました。 休校明け、学校見学へ ――なぜ、そのタイミングで行こうと思ったんでしょうか?  なんていうか... ... 、近所でスーパーが開店したら1度は行く。そういう感覚だったんですよね。わざわざ手紙で「通えるようになりました」と伝えてくれたのだから、じゃあ行ってみようかな、と。 ただ、そのときちょっと恥ずかしいことがありましてね。ずっとフリースクールに通っていたので「制服」という存在がすっぽ抜けていたというか、持ってないんです。ですから今日、着ているスポーツウェアを着て学校へ行ってきました。そしたら学校では生徒全員が制服で、俺だけは私服という状態。ある生徒がこちらを見ながら「どうしたんだろう、制服を盗まれちゃったのかな」と相談しててね。彼らに悪気はないと思うんですけど恥ずかしかったです(笑)。 ――異次元の感想ですね。これほど学校化社会から縁遠い感覚を聞けるとは思いませんでした(笑)。ところで、学校に通わないことで、コウタロウさんが困ったことはありましたか?  あまりないと思います。「学生証を出してください」と言われたこともありません。きっと学力不足なのだろうと思いますが、それでパニックになるような困ったことも... --- ### 不登校になってから会社を設立した子に起きていたこと【小学生からの不登校】【全文公開】 - Published: 2021-08-02 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/children/2835/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 無料記事, 当事者の声, いじめ, 2021年8月1日号 メイン画像:ハルユキさん  小学生の不登校は直近5年間で倍増しています。当事者は、どんな思いで学校から離れていったのでしょう。小学校2年生と5年生の二度にわたり不登校をした14歳のハルユキさんに、その当時の心境を語ってもらいました。 * * * ――学校へ行かなくなった時期を教えてください。  小学校2年生のときと小学校5年生からです。 ――小学校2年生で行かなくなった理由はなんでしたか?  ふつうにいじめが始まったからです。いじめっ子みたいな人が1人いて、その子を中心とした数人のグループから標的にされてしまったんです。上履き袋を盗まれたり、遊ぶときには「お前は参加するな」と言われたり。  なぜいじめが始まったのか。きっかけはわかりませんが、彼らからヘイトを集めてしまったみたいなんです。それで1カ月間ぐらいは休んだり、行ったりをくり返していました。 ――すごくハキハキと話していますが、つらかったですよね。  イヤでしたね。いじめられると泣きたくなるんですが、泣くってすごく恥ずかしい。だから泣きたいのに涙をこらえなきゃいけない。それが悲しいというか、悔しいというか、なんとも言えない気持ちでした。  苦しいことを学校の先生にも相談しましたが、解決はしてくれませんでした。先生は子どもどうしで話をさせましたが、あれってホントに意味がないですよね。一応、いじめたほうからは謝られましたが、そのあと、もっと標的にされちゃいました。  母親にも相談し、そこからは毎日のように2人で話し合ったんです。お母さんは「悲しかったよね」「次はどう対応したらいいかな」「どう考えてみたらいいのかな」と、いろんな話をしてくれました。そういう話をしているうちに「考え方を変えて乗り越えていこう」としたんです。小学校2年生の際は、それで乗り切れました。 時計の針が進まない ――その後、小5になってまた行かなくなったのは、なぜでしょうか?  今度はシンプルに学校の授業がきらいになったからです。  授業は知っていることでも、ずっと説明されます。毎日、あれが続くのは本当に苦痛でした。早く終わらないかなと思って時計を見てすごしましたが、時計の針もなかなか進まない。授業中は気持ちが悪くなるぐらい、つらかったんです。それで、もうこれはダメだと思い、お母さんに「行きたくない」と相談しました。 ――今度は、お母さんも納得... --- ### こぼれた「明日、学校へ行きたくない」の言葉。14歳の心の底とは【全文公開】 - Published: 2021-07-30 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/children/2866/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 無料記事, 当事者の声, 2021年7月15日号  「明日、学校へ行きたくない」とこぼす子どもの心境はどんなものか。コロナの影響で揺らぐ学校に通っていた女子中学生のあやかさん(14歳)が、この1年で起きたことを率直に語ってくれました(冒頭の写真はイメージ写真です)。 * * *  ――いつから学校と距離を置くようになったのでしょうか?  中学2年生、つまり昨年の10月下旬からです。でも、小学校高学年あたりから学校に抵抗があって、イヤだとは思っていたんです。「朝、起きるのがちょっとめんどくさいなぁ」とか、「宿題やらなきゃいけないのかぁ」とか。でも、みんな自分と同じくらい学校がイヤなのかなと思っていましたし、抵抗があるのはふつうだと思っていました。宿題をがんばった先にはテストがある、よい点を取らなきゃいけないって考えてもいましたね。  私の両親は厳しいところがある人で、それがプレッシャーになっていたのだと思います。テストの結果を見せると、「学校でもうすこしまじめにしていれば」、「テレビを観たり、友だちと遊んだりしていなければもっとよい点が取れたんじゃない」、と言われることがありました。  私は保育園のころから絵を描くのが好きで、今でもイラストを描いているんですが、「そんなことをしていないで、勉強したらよかったんじゃない」と言われたりもしていましたね。そう言われてしまうと、成績はどこまで求められているんだろうとか、もっとテストの点は高くしなきゃ、と自分で自分を責めてしまう。そんなことが積み重なっていました。 ――コロナで一斉休校になってからは、どんな授業を受けていましたか?  昨年3月にコロナで一斉休校が始まった際に、春休みごろから6月ごろまでの宿題が一気に出されて、オンライン授業も始まりました。ただし、宿題を見てみると、本当に大事なところや基礎的なことしかテキストには書かれておらず、自主学習で補うことが前提になっていたんです。だから、わからないところは教科書を読むなりして、自分で調べて理解しなければいけませんでした。 頼りたいけど誰にも頼れず  塾へ行っていたので、わからないところを塾で聞いたりもしていたんですけど、私にとっては塾で聞くことはプレッシャーでした。塾の先生は親切な先生ですが、もともと誰かに聞くのが私は得意じゃないんです。だから、自分で勉強しなければいけないのに、積極的に質問もできない。これで点数が落ちたら... --- ### 大量の課題、突然始まったいじめ。今だから話せる一斉休校の影響【全文公開】 - Published: 2021-07-30 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/children/2860/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 無料記事, 当事者の声, いじめ, 2021年7月15日号 - ハッシュタグ: いじめ  コロナ禍で突然に始まった全国一斉休校。大人も揺れるなかで不登校になったいちごさん(13歳)。学校で受けたいじめと、その後、自分の夢に向かって中学受験をすることになったきっかけを話してくれました(冒頭の写真はイメージ写真です)。 * * *  小学校低学年のころは、友だちと騒いだり、男子と鬼ごっこをして走りまわったりして遊ぶような、どちらかといえば私は活発なタイプでした。4年生~5年生からは、友だちの影響で韓国アイドルにもハマりました。  学校生活が大きく変わったのは5年生の2学期から。新型コロナウイルスの感染が広がってからです。教室内ではペアでくっつけていた席を床板10枚分は離す、友だちと話すときもソーシャルディスタンスを取る、体育の授業では接触しないようにするなどといった感染対策が行なわれました。一方で、咳やくしゃみをしたり、熱を出して休んだだけでも、「コロナじゃないか」と、ささやき合うようにもなりました。私が残念だったのは、密を避けるために、遊びの内容までも制限されてしまったことです。 休校中の宿題 夏休みのような  そして昨年の春には約1カ月間、休校になりました。当初、不安の種は、勉強の進み具合でした。「5年生で習ったぶんをできるところまで全部、復習して」という感じで、学校からプリントやドリルが休校開始の前日に一気にドバッと渡されたんです。春休みの宿題と合わせてだったので、夏休みの宿題くらいの量になっていました。量の多さにはとまどいながらも、提出物を全部出してから提出不要のプリントもこなすなどして、自分なりに段取りをつけて勉強を進めていました。ただ、ずっと休みが続いたのでなかなか集中もできず、ダラダラしている時間を省くと、1日30分程度、長くても2時間程度しか勉強できませんでした。  そうして、6年生に進級。 「はたしてこんな状態で、卒業するまでに勉強が終わるのか」という不安がわいてきました。そもそも休校になった時点で、5年生で教わる算数と国語は全部を教わらないまま中断され、その続きは6年生に入ってから教わったんです。「6年生のうちにまた休校があると終わらないのでは」「わからないまま中学校へ行くことになるのか」などと、次々にいろんな不安が襲い掛かってきました。  一方、友だち関係は、休校中はとくだん変化を感じていませんでした。休校期間中は思うように友だちと会... --- ### 死にたいと思うほど心が疲れても私が学校へ行き続けた理由【全文公開】 - Published: 2021-07-29 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/children/2910/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 無料記事, 当事者の声, いじめ, 2021年8月1日号 - ハッシュタグ: いじめ 統計上は「不登校」ではないものの、学校で苦しみ、不登校がしたくてもできない子もいます。日本財団の調査によれば「不登校傾向にあると思われる中学生」は中学生全体のの10. 2%。推計33万人の子どもは、なんらかの理由で学校で苦しんではいるものの、不登校してない子たちがいると分析していました。今回、17歳の子が「不登校をしたくてもできなかった」という当時の心境を記してくれました。(企画立案/子ども若者編集部・さゆり) * * *  私は、小学4年生から5年生にかけて、物を取られたり、髪を乱されたり、仲間はずれにされたりといったいじめを同級生7人から受け続けていました。  毎日のように続く陰湿ないじめに耐え切れず、私の心は日に日にすり減っていきました。トイレに駆け込んで泣いたり、誰にも気づかれないように死のうとしたりすることも何度もありました。そんなことをくり返していくうちに、私のなかから「つらい」「苦しい」という感情すら消えていきました。  しかし、死にたいと思うほどに心が限界を迎えていても、私は「学校を休む」という選択肢を選ぶことはできませんでした。  なぜなら、学校へ行かず不登校になってしまったら、親に自分が「いじめられていること」がバレてしまうと思ったからです。自分が不登校になれば、親以外の人にも「あの子は、いじめられている子なんだ」と思われるような気がして、怖くなりました。 弱い子だと思われる  「学校へ行きたくない」と本当は思っていても、まわりから自分がどう見られるのかを考えると不安になり、私は不登校になることができませんでした。  結局、私はギリギリ心のラインを保ちながらどうにか学校に通い続けました。キラキラと学校生活を楽しんでいる友だちの横で、必死で「がんばれ」と自分に言い聞かせながら、まわりに合わせながら学校での時間をすごしました。今思い返しても、あのころはつらかったなと思います。  学校がつらくても不登校にはなれない子は、私だけではないと思います。かつての私のように学校を休むという選択をしたら、まわりからどう思われてしまうのかわからない不安や、不登校になることで弱いというレッテル貼られるのではないかと恐怖を感じている子もいると思います。  死にたいほど苦しい状況になっても「周囲の目を気にして、ひとりで抱え続けている子どももいるのだ」ということを、知ってい... --- ### つらくても学校へ行くのはえらいの? 私の本音は「行きたくない」 - Published: 2021-07-29 - Modified: 2024-11-01 - URL: https://futoko-online.jp/children/2900/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, いじめ, 2021年8月1日号 - ハッシュタグ: いじめ  小・中・高といじめを受け、専門学校に入ったものの「これまでで一番ひどい」といういじめを受けているSさん。罵声を浴びせられながらも、学校を「休めない」という本人の心境を書いてくれました。(企画立案/子ども若者編集部・さゆり) * * *  今回は、学校で苦しい思いをしたものの「不登校はできなかった」と語る2名の体験談を掲載します。学校へ通い続ける日々と学校へ行きたくない気持ちのあいだで揺れた率直な胸のうちを書いていただきました。 私は小学生のころからずっといじめを受けてきました。「死にたい」「消えたい」と思ったことも1度や2度ではありません。それでも休むことなく、小中高と学校へ行き続けました。現在は専門学校に通っているのですが、そこでもいじめがあり、しかもこれまでで一番ひどい状況です。 クラスメイト全員から無視をされたり、勝手に撮られた写真をバラ撒かれたり、事実ではないことを言いふらされたり、目の前で「キモイ」「目障り」「死ね」と暴言を吐かれたり... ... 。本当につらくて苦しい毎日です。「まわりからこれ以上、きらわれたくない」という一心で、心を許せる友だち以外の前では目立たぬよう、自分を押し殺しながらすごしています。 甘えるな  私がつらくても学校へ行き続ける理由は、親が不登校について、いっさい理解してくれていないからです。もっと言えば両親は「学校を休むこと=甘え」だと思っているんです。  学校を休みたいと言うと「今どれだけの子が学びたくても学べない環境にあると思っているの?」と他人の状況を持ち出して、私の気持ちを受けとめてくれないだけでなく、否定するような話を延々としてきます。「休む」という単語を発するだけで怒り出し「甘えるな、学校へ行け」と怒鳴られることさえあります。  そんな両親に逆らえず、私は今でも泣きながら専門学校へ通っています。つらくても学校を休まずに行き続けることは、そんなにえらいのでしょうか?「学校を休まないで、がんばり続けてえらいね」とほめられても私はまったくうれしくありません。「学校へは行きたくない」、これが私の本音です。(Sさん・20代) (初出:不登校新聞559号(2021年8月1日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### 高認について知っておきたい6つのポイント - Published: 2021-07-29 - Modified: 2024-11-01 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2870/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】不登校からの勉強のススメ, 2021年8月1日号 - ハッシュタグ: 高卒認定試験, 高卒認定, 高認 連載「不登校からの勉強のススメ」第4回  「高等学校卒業程度認定試験」(以下、高認)という制度があるのをご存じでしょうか。8月と11月に年2回実施されている試験で、受験科目は6教科14科目からなります。その「高認」について、親御さんとして知っておいていただきたいことがいくつかあります。「キズキ共育塾」で学びなおしの支援に携わっておられる半村進さんが「高認で知っておくべき6カ条」について解説します。(冒頭の写真はイメージ写真です) * * * 不登校のお子さんを持つ親御さんのなかには「高等学校卒業程度認定試験」(以下、高認)が気になっている方も多いと思います。とても便利な試験なのですが、注意すべき点や意外な点も多いので、今回は「高認」についてお話したいと思います。  1つめは「出願時期に気をつけよう」ということ。高認は8月と11月の年2回受験できるのですが、8月の試験を受ける場合は5月上旬までに、11月の試験を受ける場合は、例年8月前半(今年は9月前半まで申し込み可)までに申し込みをすませておかなければいけませんので注意が必要です。  2つめは「高校に在籍していても高認は受験できる」ということ。意外にこの点を知らない方が多いです。じつは高校に籍を置いているお子さんでも、「ひょっとしたら高校を卒業できないかも」と思ったら、とりあえず高認に出願をしておくという手も使えます。 選択科目で迷ったら「A」  3つめは「どの科目を選ぶか」ということ。 高認は6教科14科目からなり、必修科目と選択科目があります。とくに選択科目は幅が広く、社会や理科で何を選べばいいのか迷ってしまう方も多いことでしょう。 迷った場合、社会では「BではなくA」とおぼえておきましょう。「A」のほうが出題範囲が狭いので少し楽になります。とくに日本史Aと日本史Bなどは顕著なちがいがあります。理科に関しては、少しでも自分が親しみを持てそうなものにしましょう。生き物が少しでも好きなら生物基礎、星や空が好きなら地学基礎、という具合です。 高認の試験範囲  4つめは「高2や高3の範囲はほぼ出題されない」ということを知っておいてください。「高等学校卒業程度認定試験」という言葉を見て、「高校卒業程度の学力がないとダメなんだ」と落ち込んでしまう方が多くいます。  ところが、実際の試験問題はどうかというと、英語は「中学3年の... --- ### 子どもから死にたいと言われた時、大人の対応に必要な3つの原則 - Published: 2021-07-29 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/books/2886/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 2021年8月1日号  2020年、子どもの自殺は499人と過去最多となりました。不登校経験者のインタビューのなかにも「死にたいと考えたことがある」という話がしばしば出ます。では、親として、子どもの支援者として、子どもから「死にたい」と打ち明けられたとき、大人はどう向き合えばよいのか。薬物依存症や自傷行為などが専門の精神科医・松本俊彦さんは「3つの原則」があるとおっしゃいます。その「3つの原則」とは。 * * * 今回ご紹介する書籍は、子どもの自傷について取り上げるとともに、子どもの自殺予防について、大人が考えるべきこと、すべきことについて、精神科医の松本俊彦さんがまとめたものです。本書には、松本さんが考える「子どもに関わる支援者のみならず、親にも知っておいてほしいこと」が詰まっています。  子どもから「死にたい」と告白されたときに必要な対応は何か、松本さんは3つの原則を紹介しています。 1つめは、告白に感謝すること。子どもの訴えを軽視せずに真剣に向き合い、共感・支持・思いやりのほか、支援を約束する姿勢が伝わるようにすることが重要だということです。その際に大切なことは、落ち着いた態度で子どもの告白をねぎらい、「自分の気持ちを正直に語ることはよいことである」というメッセージを伝えることであると松本さんは指摘します。  2つめは、「自殺してはいけない」はいけないということ。安易に励ましたり、逆に子ども批判・叱責したり、強引な説得をすることはむしろ有害であると松本さんは強調します。それにより、子どもが自身の思いを語ってくれなくなり、結果として子どもの危機を察知できなくなってしまうためです。  最後は、「死にたいの意味を理解する」ということ。「死にたい」という告白は「困難や苦痛のせいでそう考えてしまうぐらいつらいが、苦痛が軽減されるのであれば本当は生きたい」というメッセージとして理解することができるというのが松本さんの考えです。  整理すれば、「死にたい」と告白された際の大人として望ましい対応は「落ち着いた態度で、正直に告白してくれたことをねぎらい、死にたいくらいつらいことがあったことに共感する」ということになります。これは、子どもと関わるすべての大人に必要なことであると思います。(編集局・小熊広宣) 『自傷・自殺する子どもたち』 松本俊彦/税込1650円 合同出版(042-401-2930) ... --- ### 小2の娘が休校明けに登校しぶり。親を追い詰めた言葉、救った言葉 - Published: 2021-07-15 - Modified: 2024-11-01 - URL: https://futoko-online.jp/parents/2873/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 会員限定記事, 親の思い, 2021年7月15日号 - ハッシュタグ: 不登校の親  小学校低学年での不登校は、親にとって大きなショックを受けるものです。それもコロナの影響で生活基盤が揺れるなかで不登校が始まったという吉田さんに、母親の立場から現在のようすを書いてもらいました。周囲の対応によって「親も困ってしまった」こともあれば、逆に支えになった対応もあったそうです(冒頭の写真はイメージ写真です)。 * * *  娘は保育園のころから登園しぶりがあり、慎重かつこだわりも強い性格だったこともあって、「小学校6年間、何事もなく通うのはむずかしいはず!」と、どこかで覚悟はしていました。入学してからも帰宅後にランドセルを放り投げて怒り出したり、「宿題ができない!」とパニックを起こして大騒ぎをしたりしながら、本人なりのスピードで学校に慣れていきました。なんとか慣れてきたかと思った9月ごろに「給食をのどに詰まらせてから、飲み込むのが怖い」と言い出し、小児科で「心因性の嚥下困難」との診断を受け、担任や養護教諭、特別支援コーディネーターなどに面談も行ない、ようすを見ながらすごすことに。思い返せばあのころから娘にとって学校は「楽しいけど疲れる場所」であると、私自身感じていました。 休校明けの変化  小1の2月末よりコロナ禍による休校が始まり、小2の6月に通常登校が再開すると、娘のようすに変化がありました。  6月中は、どうにか1時間目のうちに滑り込んでいましたが、7月には朝、登校しようとすると「お腹が痛い」と動けなくなることが続き、ほとんど登校しないまま夏休みに突入。当時の担任からは「1時間目が始まる前も反復学習を行なっているので、勉強が遅れてしまうのが心配」「テストができていないので心配」とたびたび心配を訴えられ、こちらも毎日のように「申し訳ありません」と謝る日々でした。夏休み明けから担任が産休のため変わりましたが、新たな担任は無理強いをせず、ていねいに接してくれる先生だったことと、スクールカウンセラーが「本人が『今日は休んで明日は行く』、『今日は2時間目から行く』と決めて、そのとおりに行動できているのであれば大きな問題はありません」と言ってくれたことが私にとって大きな支えとなり、穏やかに見守ることにつながったと感じています。  一方で、夫は娘の不登校、登校しぶりに強いストレスを感じていました。夫は「何があっても学校には行け」と親から言われており、教師からいじめに... --- ### 不登校の子が勉強を再開するとき、間違えてしまう目標の据え方とは - Published: 2021-07-14 - Modified: 2024-11-01 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2877/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】不登校からの勉強のススメ, 2021年7月15日号 - ハッシュタグ: 学びなおし, 学び直し 連載「不登校からの勉強のススメ」第3回  不登校の子どもが「勉強してみようかな」と思い立ったとき、いくつかの悩みにぶつかります。そのなかでも今回は「どんな教材を使えばよいのか」「勉強するうえで目標はどう立てたらよいのか」について考えていきます。  解説してくださるのは、不登校・中退・ひきこもり・再受験など、もう一度勉強したい人のための個別指導塾「キズキ共育塾」の半村進さん。今回は半村さんに「教材選びの際の3つのパターン」とともに、親御さんにも知っていてほしい「目標を立てる」うえでの大事なポイントをご紹介します(冒頭の写真はイメージ写真です)。 * * *  今回は、不登校のお子さんがひさびさに勉強をスタートするときによく聞かれる具体的な悩みについて考えていきます。  ひとつは「どんな教材を使って勉強すればよいのかわからない」というもの。いざ勉強するというとき、実際にどんなものを使っていけばよいのかとお子さんが悩んだときには、以下の3つのパターンを参考にしてください。  パターン①は「1つ手前のものから始める」ということ。お子さんが中学生相当の年齢であれば小学校終わりくらいのレベルのものから、高校生相当の年齢なら中学レベルのものから始めてみるという方法です。その際、「自分の実年齢より低いものをやっている」ことで本人が落ち込んでしまうという場合には「大人でも学びなおしするときは中学レベルからやったりするよ」と一言かけてあげることが大切です。  パターン②は「厚さで決めてみる」ということ。冊子の教材を使いたい場合には「薄めなほうがやりやすい気分? それとも厚めでも1冊ですむほうがよさそう?」とお子さんに聞いてみるとよいでしょう。この問いにはっきりとした答えが返ってこなかった場合は、薄いものから始めておくとよいことが多いです。  パターン③は「動画も活用する」ということ。昔は数学や理科でも、白黒の静止した印刷物で学ぶしかありませんでした。しかし今なら、動画を観て学ぶこともやりやすい時代です。もしお子さんが「動きがあったほうが頭に入る」という場合には、選択肢のひとつとして検討していただけたらと思います。 目標に優劣なし  学びなおしのときの悩みとしては「目標をどうするか」ということもよく聞かれます。目標を立てるうえで参考となる方法をご紹介するとともに、もうひとつ大切なこと、つ... --- ### ひきこもり当事者の居場所。対面での開催にこだわり続ける理由 - Published: 2021-07-14 - Modified: 2024-11-01 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2883/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】居場所の現在地, 2021年7月15日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり 連載「居場所の現在地」第3回  コロナ禍における緊急事態宣言により、ひきこもり当事者の居場所もオンラインで開催されているケースが増えています。そうしたなか、オフライン、つまり対面式の居場所の開催にこだわる動きもあります。そのひとつが「ひきこもりUXラウンジ」。昨年度、全国5カ所で開催された同イベントに携わった室井舞花さんが語る「当事者・家族・支援者が同じ場に集まる」ことの意味と可能性とは(冒頭の写真はイメージ写真です)。  昨年度、ひきこもりUX会議は、ひきこもりや生きづらさの当事者・経験者、家族と支援に携わる人が相互につながることのできる「ひきこもりUXラウンジ」(以下、ラウンジ)というイベントを全国5カ所で開催しました。前半ではひきこもり経験のある当事者の体験談、後半は「ひきこもり当事者」「ひきこもり女子」「家族および支援者」に部屋を分けて交流をするという内容です。ラウンジは、群馬、東京、大阪、香川で実施しましたが、多いところでは80名以上の参加がありました。  しかし、ラウンジの時期は2度目の緊急事態宣言と重なり、直前までシリアスな状況が続きました。ラウンジは各地の自治体、民間団体の方々といっしょに準備を進めましたが、関係者の方から何度も「オンライン開催に振替する方向で考えられますか」と聞かれました。  それでも、私たちは会場での開催にこだわり続けました。この企画の柱である「ひきこもりや生きづらさを抱える当事者、その家族、ひきこもり支援に関わる人が、同じ場に集まり出会う」というコンセプトがオンラインでは成立しえないと考えていたからです。  ひきこもりUX会議は、これまでにも女性自認の方だけで集まることのできる「ひきこもりUX女子会」や、当事者や支援者がともに支援や居場所を考える「ひきこもりUX DAY CAMP」などを企画してきました。かたや参加条件を限定して安心感を担保する当事者会、かたや立場のちがう人と交流できるワークショップ。企画ごとに対象や場の大きさを変えながら、つねに人と人が出会う場をつくってきたUX会議にとって、今回のラウンジは限定的でもありながら誰でも参加できるという、どちらの要素も兼ねたチャレンジでした。  ラウンジに参加した人からは「コロナの影響で当事者会や居場所が休止になるなかで開催してくれたことがありがたかった」「この機会を逃すとどこにも... --- ### 子どもたちに届けたい言葉がある。不登校だった17歳の自分との対話 - Published: 2021-07-14 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/books/2887/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 書籍紹介, 2021年7月15日号 - ハッシュタグ: 通信制高校, ひきこもり, 引きこもり, 学習障害, ディスレクシア  20年前、当時17歳で不登校だった自分と、現在の自分との対話を通じ、今を生きる子どもたちに言葉を届けたいとの思いを込めて出版された南雲明彦さんの新著『この自分で、どう生きるか』をご紹介します。不登校とひきこもりを経験し、21歳で「ディスレクシア」(読み書き障害)と判明した南雲明彦さんが子ども、そして大人に届けたいメッセージとは。 * * *  南雲明彦さんは、17歳のときに不登校、ひきこもり、精神科病院への入院などを経験しています。21歳のときには「ディスレクシア」(読み書き障害)であることが判明します。これは「学習障害」のひとつで「文字がゆがんだり、にじんだり見える」「枠内に文字を書くのが苦手」などの特徴があります。 「今でも、胸に引っかかっているのは、17歳の時のことだ。大人になっても、この時期のことはよく考える」と語る南雲さんが「子どもでもない大人でもない時期を生きる子どもたちに言葉を届けたい」との思いで書いたのが今回紹介する書籍です。 本書は「17歳の自分」と「現在の自分」の対話というかたちになっていることに最大の特徴があります。当時17歳だった南雲さんが何を考え、現在の南雲さんはそれにどう答えるのかという双方向のやりとりで進みます。  内容は「学校」「つながり」「疑ってみよう」「考えてみよう」という4つのテーマごとに分かれており、「周囲の人の目」「きょうだい」「相談」「居場所」などトピックごとに30の対話が掲載されています。 高校2年生の夏休み明けに不登校になった南雲さんはその後、高校を3回転校し、4校目の通信制高校で卒業しました。21歳のときです。  まわりから遅れを取らないように、と必死だった当時について「自分は何と闘っていたのか、周りのことはいったい誰のことか、本当に向き合わなければいけなかったのは自分自身でした」とふり返ります。 ひとくちに不登校と言っても、その捉え方や周囲の対応にどんなことを感じたかなど、じつにさまざま。不登校がいかに多様であるかを教えてくれるとともに、南雲さんから子どもたちに向けたエール、そして大人には17歳そのものを感じてほしいという思いがつまった1冊です。(編集局・小熊広宣) 『この自分で、どう生きるか。』 南雲明彦/税込1760円 ぶどう社/03-5779-3844 (初出:不登校新聞558号(2021年7月15日発行)... --- ### 他者との「ちがい」から考える、自尊感情を高める教育とは【全文公開】 - Published: 2021-07-01 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/others/2917/ - カテゴリー: イベント, others - タグ: 無料記事, いじめ, 識者の指摘, 発達障害, 2021年7月1日号 - ハッシュタグ: 発達障害, いじめ メイン画像:門眞一郎さん オンライン講座「発達障害といじめ、そして不登校~他者の違いをプラスに考える~」(主催/NPO法人あくしゅ)の講演抄録を掲載する。講師は児童精神科医の門眞一郎さん。門さんは長年にわたり自閉症の子どもや不登校の支援を続けてきた。いじめを引き起こす教育の問題点や、わが子が不登校になったときの対応について語られた。(編集・木原ゆい) * * *  今日はいじめ、発達障害、不登校の3つについて、お話します。それぞれ異なるテーマではありますが、これら3つは相互に関係しています。まずは、いじめについてお話します。  みなさんは2011年10月に起きた「大津いじめ自殺事件」を覚えていますか。滋賀県大津市内の中学2年生の男子生徒がいじめを苦に自殺するに至った、たいへん痛ましい事件です。  この事件を契機に、国は児童生徒を自殺に追い込むような状況を変えなければいけないと、13年にいじめ防止を目的とする組織の設置などを学校に求める「いじめ防止対策推進法」という法律を制定しました。ところが17年には全国の小中高校で約41万件のいじめが把握され、過去最多を記録。現在もいじめは増え続ける一方です。 いじめとは「ちがい」の否定  そもそもいじめとは、なんでしょうか。いじめの定義に関しては、さまざまな見解がありますが、私は以下のように捉えています。いじめとは、「相手に自分とのちがいを見つけ、そのちがいにマイナスのラベルを貼り、相手に攻撃・排除・否定・無視などをすること」。  ようするに人それぞれが持つ個性や特性といった「ちがい」を、マイナスに捉えて、相手を否定する行為です。法的な対策を整備しても、いじめが絶えないのは、「ちがい」をよくないものとする考え方を、学校教育がつくり出していることに原因があると私は考えます。  従来の学校教育は「唯一正解主義」の世界です。正解は一つだけであり、わずかでもちがえば誤答であるという考え方です。こうした考え方を小学1年生からたたき込まれるわけですから、ちがいをマイナスなものとして認知してしまうのも無理ないですし、それを人間関係に応用すれば、いじめに発展するのは至極当然なことだと思うのです。  ですから「ちがい」を否定する教育から、肯定する教育に転換しなければいけません。子どもたち一人ひとりが持つ「ちがい」のよさをていねいに発見し、ほめて、... --- ### 不登校からの「学び直し」ぶつかりやすい2つの壁とは - Published: 2021-07-01 - Modified: 2024-11-01 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2912/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】不登校からの勉強のススメ, 2021年7月1日号 - ハッシュタグ: 学びなおし, 学び直し 連載「不登校からの勉強のススメ」第2回  不登校の子どもがいよいよ勉強をスタートしようとする、まさにそのタイミングでご本人に立ちはだかる「壁」があります。 壁その①「何から手をつけたらよいのかわからない」。  勉強から遠ざかっていた場合、何からやればよいのか途方に暮れてしまうのも当然です。そんなときは、以下の3パターンから選んでみるとよいでしょう。  パターン①は「とっつきやすい科目から始める」とういこと。「今思えば、この子は日本史だけは好きだった。とはいってもその日本史ももうずっとやってないけど」などという場合は、「手をつけやすい科目から始めてしまう」ことをおススメします。ほかの科目のことが気になるかもしれませんが、まずはそちらは置いておき、「少しでも手をつける」ことを優先してしまうとよいでしょう。  パターン②は「本人が無駄と感じにくいものから始める」ということ。本人にとっては、日常で使うかどうかもよくわからない英語や数学、社会などにくらべて「漢字や日本語の語彙を増やす」ことなら「たしかに役立ちそうだ」と感じやすいかもしれません。  そういう場合は、漢字や日本語の語彙をつけることから始める、つまり少しでも本人が無駄と感じない分野からスタートするのはよい手です。「将来だまされたくないので数字には強くなっておきたい」と考えて数学から始めたお子さんの例もあります。  パターン③は「切り分けをしやすい分野から始める」ということ。 理科の「植物の細胞」についてはまったくやっていないとしても、「月の満ち欠け」はあんがい理解できるかもしれません。数学でも「方程式はやってないが、円周角の問題は解けるようになる」ということはよくあります。  このように単元ごとに内容がはっきり分かれている場合は「次のテストに必要な単元はここだけだから、ここだけ切り分けてやっちゃおう」というのもおおいにアリです。 一歩前進した証という意識を 壁その②「自分のできなさにショックを受ける」。  昔は得意だった(はず)の数学の問題を見なおしてみることから始めてみたら、さっぱり解けなくなっていた。「やっぱり俺はもうダメなんだ」と思い、本人が沈み込んでしまう... 。こんなことも勉強を始めたときにはありがちです。お子さんが落ち込んでしまうのは無理のないところですが、親御さんには「これは勉強を始めたからこそ起こ... --- ### 子どもの命を奪った「風の子事件」から見える、現代社会への問い - Published: 2021-07-01 - Modified: 2024-10-08 - URL: https://futoko-online.jp/others/2904/ - カテゴリー: コラム, others - タグ: 会員限定記事, 識者の指摘, 2021年7月1日号  1991年7月30日、広島県三原市の小佐木島にあった民間施設「風の子学園」で、同学園に通っていた当時14歳の少年と16歳の少女の2人が熱中症により死亡する事件が起きた。事件発生から30年、「風の子学園」事件をふりかえりつつ、不登校の今を考える。 * * *  「風の子学園」は不登校や非行などの子どもを対象にした宿泊型施設だった。親元を離れ、自然に囲まれた環境のなか、座禅をしたり、 馬などの動物を飼育する体験活動ができると呼びかけ、入園者を募っていた。  そうしたなか、事件は起きた。喫煙の懲罰として、少年ら2人は手錠をかけられ、園内にある鉄製の貨物コンテナ内に監禁された。真夏の炎天下、窓もない密閉されたコンテナ内の温度は40度以上に達していたとされており、そのなかに40時間以上にわたって監禁され、命を落とした。  「風の子学園」で行なわれていたのは、教育や指導とは名ばかりの虐待行為であり、けっして許されるものではない。  ただし、子どもを矯正する目的で活動していた民間施設において、子どもが死亡する事件は「風の子学園」にかぎった話ではない。「不動塾」「戸塚ヨットスクール」「アイ・メンタルスクール」などがある。 「首縄」は過去か  「風の子学園」事件を考える際、もうひとつふれておきたいことがある。不登校の歴史のひとつとして「首縄時代」と呼ばれていた時期がある。1980年代のことだ。「首に縄をつけてでも学校へ戻すこと」がよしとされ、自宅から子どもを強引に連れ出す事例があいついだ。  過去のこと、と思われるかもしれないが、愛知県半田市で昨年12月、市内の小学校の女性教諭が不登校だった男子児童を無理やり学校へ連れ出していたことが今年6月に報道された。不登校に対する社会の認識は変わりつつあると見る向きもあるが、子どもの声を無視した「学校ありき」の対応がなくなったわけではない。  不登校をどう捉えるか。またその際の視点として重要なことは何か。それは「子どもの命の側に立つこと」である、と私は考えている。  昨年、子どもの自殺が過去最多となったことを受けて行なわれた調査によると、子どもの自殺が増える前に、インターネット上で検索された関連する言葉は「学校 行きたくない」だったという。これは子どもからのSOSである。  他方で、国も動いている。不登校も対象となる「こども庁」創設の検討が現... --- ### ひきこもり当事者の居場所、オンライン開催で感じる問題点 - Published: 2021-07-01 - Modified: 2024-11-01 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2908/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】居場所の現在地, 2021年7月1日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり 連載「居場所の現在地」第2回  コロナ禍の当初、オンライン飲み会が一時期流行ったが、徐々に下火になり、今ではあまり開催されなくなった。それはきっと「心地よくない」からだろう。  私は一般社団法人ひきこもりUX会議の理事のほかに、当事者発信メディア『ひきポス』の編集長としても活動している。コロナ禍以前は、月に一度、執筆陣で公民館に集まり、特集の方向性、座談会、生きづらさ問題について話し合う編集会議を行なっていた。そこにコロナ禍が訪れ、編集会議はオンラインで開催することとなった。  一言で言えば、オンラインはむずかしい。まず物理的な点で言えば、回線状況がそれぞれちがうので、会話のタイミングが対面で行なわれるのとくらべるとズレが生じやすい。同時に話し始めたり、リアクションが遅れたりというだけで、会話の心地よさが削がれる。また、雑音が入ったりするので、発言者以外は基本的に音を出さないようにしている。なので発言への反応がわからず、対面のときにあったような「場の盛り上がり」のようなものが生まれにくい。  とくに編集会議は20人前後で行なっているので、よりそれがむずかしくなっている。また、対面のときの休憩時間はいろいろな人と語るよい機会であったが、オンラインでの休憩時間は各人がひとりで取るので、つながりが持ちにくい。  そして何より、話が通じる人と、対面で話すのはそれだけで心地のよいものなのだということを認識させてくれる。人がリアルで会うというのは、根源的に力強さがあるのではないか。オンラインだと、どうしても情報交換以上の感覚を得にくい。これを欠くからなのか、信頼関係や仲間意識を築くのがむずかしくなった。編集会議のおもしろさは減少してしまったが、それでも参加してくれる執筆陣には感謝しかない。  オンライン開催での工夫としては、せめてファシリテーターはリアクションをはっきり伝える。会話に入りにくいので、順番に発言してもらう。疲れやすいのでこまめな休憩。時間の制約がなく延びがちなので、設定時間内に終わらせる。会の終了後に、少人数でおしゃべりする雑談タイムを設けるなどを行なっているが、まだまだうまくいってるとは言えない。  オンラインでの利点もあり、調子がいまいちでも参加できる、距離的な制約がないので、日本中から参加できるというのもある。とくに後者のおかげで「ひきこもりと地方」といった... --- ### 中1で不登校になった僕。母の「好きにしなさい」の言葉が救いに【全文公開】 - Published: 2021-07-01 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/interview/2892/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 無料記事, 2021年7月1日号 メイン画像:俳優・ゆうたろうさん  多くの若者から支持を集める俳優・ゆうたろうさん(23歳)に取材しました。「学校へ行く意味がわからなくなった」と言うゆうたろうさんに、不登校になった中学1年生から現在に至るまでのお話をうかがいました。 * * * ――不登校になった当時の状況を教えてください。  中学1年生のなかばから学校へ行く意味がわからなくなり、不登校になりました。入学当初から、クラスになじめないと置いていかれるような空気感があったので、男子数人とグループ行動をしていたんです。ですが、移動教室や休憩時間など、つねにみんなで行動しなければいけなくて、なんとなくしんどさを感じるようになりました。  それと、深夜のバラエティ番組のようなお笑いネタや下ネタをふって、みんなで盛り上がるような独特の男子のノリが苦手だったんです。テレビの世界をそのまま持ち込むと、いじめとまではいかなくても過激ないじりになることがあるし、それをイヤと言えない雰囲気にも疑問を感じていました。最初は僕もみんなに合わせていたのですが、だんだんグループから離れるようになりました。  それからは学校では一人行動をすることが増えたのですが、そうしているうちにふと思ったんです。「僕は学校に何をしに来ているんだろう」、と。将来の目標や夢があるわけでもなく、学びたいことがあるわけでもなく、友だちをつくりたいわけでもない。 学校へ行く意味わからなくて  今後生きていくなかで、10代の時間ってすごく大事なはずなのに、24時間の3分の1を学校に費やすのって、「はたしてなんの意味があるのだろう」、という疑問が湧いてきたんです。  そう考えるようになったら、学校に対する意欲が急に冷めてしまって。しだいに学校から気持ちが遠のき、遅刻する日が増えていきました。先生からは「学校に来てくれるだけでいい」と言われていましたが、遅刻してまで学校へ行く意味すらわからなくなってしまって、中1のなかばにはプツンと糸が切れたように行かなくなりました。 ――不登校になってからは、どのようにすごされていましたか?  家にずっと居ましたね(笑)。外出は月に1回くらいしかしませんでした。家族以外とは関わりもなく、自分を認めてくれるような居場所がほかになかったわけですから、どこか外の世界が怖くなっていたと思います。自分のことがきらいだったので外出する... --- ### 親の対応で救われたこと、傷ついたこと。現役大学生が語る不登校【全文公開】 - Published: 2021-06-15 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/children/2942/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 通信制高校, 無料記事, 当事者の声, 2021年6月15日号 - ハッシュタグ: 通信制高校  4月10日に行なわれたオンラインシンポジウム「不登校からの卒業~あの頃が思い出に変わるとき~」(主催・NPO法人ここ)の講演抄録を掲載する。登壇者は、中学と高校で不登校を経験した現役大学生の安部ひかりさん(20歳、以下、安部)と柴田陸玖さん(21歳、以下、柴田)。司会は同法人職員の上岡拓矢さん(以下、上岡)。 * * * 上岡 本日は「不登校からの卒業~あの頃が思い出に変わるとき」というテーマでシンポジウムを開催します。私を含め、登壇者はみな不登校経験者です。「当時はいろいろあったけど、いま私たちはこんなに元気だよ」というのを感じていただけたらと思っています。 まずは私から自己紹介したいと思います。フリースクールここ南吹田校【いどばた】責任者の上岡拓矢です。僕は中学1年生の2学期から不登校になり、中学2年生の2学期までの1年間、ひきこもっていました。不登校のきっかけは、部活の顧問と合わなかったことでした。その後、中学2年生の夏休み明けに適応指導教室に通うようになり、そこから高校・大学と進学し、現在に至ります。 柴田 柴田陸玖です。僕は中学3年生と高校3年生の計2回、不登校になりました。中学生のときは部活の顧問とモメたこと、高校生のときは体調を崩してしまったことが不登校のきっかけです。現在は大阪の大学に通っています。 安部 安部ひかりです。私が不登校になったのは、高校1年生の夏休み明けでした。夏休み中に体調を崩してしまい、その後に「起立性調節障害」と診断されました。高校2年生に進級するタイミングで全日制から通信制に転校し、ギリギリで高校を卒業しました。その後は1年浪人して、現在は大学生です。 上岡 ありがとうございます。今日は2人ともNGなしということなので、いろいろ聞いていこうと思います。不登校のきっかけについて、もう少しうかがいたいんですが、では、柴田さんから。 柴田 僕はサッカー部に所属していたんですけど、顧問の先生が昔ながらのスパルタ教師という感じでした。僕は忘れ物が多い生徒だったので、いつのころからかターゲットになってしまって。怒られるときに胸倉をつかまれたり、パイプ椅子が飛んできたこともありました。  中2のとき、ある出来事が起きたんです。僕の中学校の文化祭の催し物って、部活単位で準備するんです。そのときにはすでに部活に出ていなかったので、僕は部活のミー... --- ### 「無理やり行かせたほうが恨むよ 」小1で不登校した息子と母の思い - Published: 2021-06-15 - Modified: 2024-10-29 - URL: https://futoko-online.jp/others/2965/ - カテゴリー: イベント, others - タグ: 会員限定記事, 親の思い, 2021年6月15日号 - ハッシュタグ: フリースクール, 不登校の親  2021年5月8日、「フリースクールトレーラー」(福島県郡山市)開設1周年を記念して開かれたオンラインシンポジウム「不登校について話す~今だから言えるこどもの立場、今だから聞ける親の立場」(主催・NPO法人寺子屋方丈舎)の講演抄録を掲載する。登壇した4名のシンポジストのうち、不登校の子を持つ母親の佐山さん(仮名)と島田さん(仮名)のお話を掲載する。司会は主催団体代表の江川和弥さん(以下、江川)。 * * * 江川 まずはお子さんの不登校について、お話いただけたらと思います。 佐山 私には中学3年生の娘がいます。娘は中学1年生の1学期に体調を崩したものの「友だちに会いたい」という一心で保健室登校を続けていました。でも、2年生に上がると「学校を休みたい」と言ってきました。娘と話し合って「じゃあ休もうか」となったのですが、それで万事解決とはなりませんでした。友だちと会えないことだけでなく、学校を休んでしまっている自分が許せないと娘は葛藤するようになりました。話しかけてもそっけない態度で、うまくコミュニケーションが取れない時期が続きました。  そのとき、私は2つのことを心がけていました。家で楽しめることを試行錯誤して実践すること、そして娘が外出できそうな場所にいっしょに出かけることです。そうしたなか、娘が自分で自分を責めることはしだいに減っていきました。  ただ、最近びっくりしたことがあって。4月から娘がいきなり学校へ行き始めたんです。学校には今も通っていて「ちょっと今日はつらい」という日は学校を休んで家ですごすなど、娘は自分の心と体と相談しながら調整しているという感じです。 島田 私は小学5年生と1年生の息子の母親です。長男が小学1年生の夏休み直前に不登校になりました。行きしぶりから始まり、下痢・嘔吐・じんましんなどの症状があったので「がんばっていた疲れが出たのかな」と、最初は考えていました。ところが、体調がよくなり、いざ学校へとなったとたん「学校を休みたい」と長男が言い出したんです。  そんなことは絶対ダメだと思っていた私は、長男を無理やり学校へ連れて行きました。泣いている息子の脇を担任といっしょに抱えて校舎に入ったこともあります。というのも、担任から「休ませるとどんどん来られなくなってしまうので、とにかく連れてきてください」と言われていたので、当時の私は「とにかく学... --- ### ひきこもり当事者にとって居場所の役割とは何か - Published: 2021-06-15 - Modified: 2024-10-29 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2960/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】居場所の現在地, 2021年6月15日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり  コロナ禍において、ひきこもり支援などを行なってきた「居場所」は今、どうなっているのか。今号より全6回のリレー連載を始める。  3回目の緊急事態宣言が6月20日まで延長されました。ひきこもりについての催しや居場所が開催できない状況はまだしばらく続きそうです。ひきこもりの「居場所」「当事者会」「自助会」(以下「居場所」)と呼ばれる場は、昨年の春以降その多くが中止を余儀なくされています。オンラインで開催するところも予想以上に増えた感はありますが、やはりリアルで会いたい、ネット環境が整わない、家族がいるので話しづらい、などの課題も見えてきています。  私はおもに「一般社団法人ひきこもりUX会議」という団体で活動をしていますが、ほかに当事者・経験者、家族、支援者、関心のある人が対等な立場で話し合いをする場「新ひきこもりについて考える会」、神奈川県内の親の会を主催する人たちのグループ「ヒッキーネット」でも活動をしています。  「新ひきこもりについて考える会」では人数を制限し感染予防対策を行なったうえでリアルで開催したり、緊急事態宣言中はZOOMを利用しての開催とするなど、その都度、世話人で協議をしますが、どちらも一長一短あり毎回すぐには決まりません。  「ヒッキーネット」はメンバーが固定のため、コロナ以降はZOOMを使って定例会を行なっていますが、個人的には、実際に会えないことのさびしさや気軽な雑談が難しいことのストレスを感じています。  オンラインは、会議や、一方的に話す講演会などには適しているように思いますが、「居場所」という、人と人とが出会い、おたがいに少しずつそっと歩みよりながら言葉を発していくような場にはあまり適していないように感じています。もちろん、ふだんは参加できない遠方の人や、外出困難な人、実際に参加する前にようすを見てみたい、というような人へのメリットはあると思います。ですが、「居場所」というのは、そこにたどり着くまでにも「居場所」の役割があることに、最近気がつきました。  「居場所」の開催日に合わせて体調や気持ちを整え、身支度をして電車に乗り、慣れない場所までたどり着く。そこで緊張や不安を抱えつつも人の輪に入り、いつもとは少しちがった時間をすごしてみる。そういったことも含めての「居場所」ではないかと思うのです。今後、オンラインとリアルな場の両方が設定され、... --- ### 50カ所の「居場所」を追ったルポ。「居場所」とは何かを問う1冊 - Published: 2021-06-15 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/books/2962/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 2021年6月15日号  本書は「居場所」をテーマに、難民、多文化、性的少数者など、さまざまな社会問題の支援に関わる人やその当事者が集まる50カ所の「居場所」を取材したルポルタージュ。  不登校やひきこもりなど、子ども若者に関する「居場所」も取りあげられており、神奈川県立田奈高校の図書室で開かれている「ぴっかりカフェ」もその一つ。地元で活動するNPO法人「パノラマ」が運営する「居場所」として週に1度、お昼と放課後に生徒たちがやってきて、無料のジュースを片手に思い思いの時間をすごすことができます。同団体代表理事の石井正宏さんによれば、学校内にカフェ形式の「居場所」をつくる動きは2012年に大阪市で始まり、現在では新潟や静岡など数十カ所あるとのこと。  「居場所」について考えるとき、私はある不登校の子どもにインタビューしたことをいつも思い出します。その子の「居場所」となったのは、近所のカードショップでした。年上に交じって遊び、大好きなカードゲームについて共感し合える友だちができたことが、つぎの一歩を踏み出すきっかけになったと話してくれました。  私が思うに、親の立場であれば、カードショップに足しげく通うより、塾で勉強してくれたほうが安心できるのではないでしょうか。しかし、子どもが安心を得たり、元気をためる場は、かならずしも親の思いと一致するとはかぎりません。  本書にはさまざまな「居場所」に、さまざまな人たちがそれぞれの思いを持って集まるようすが書かれています。コロナにより「居場所」のありように変化が求められて、はや1年が経ちますが、本書に登場する人々の思いを読んでいると、「居場所」の重要性はもちろん、「居場所」に対する私たちの捉え方についても問いを投げてくれる1冊です。(編集局・小熊広宣) 『わたしの居場所』(2000円+税) 共同通信社取材班/03-5379-0307 (初出:不登校新聞556号(2021年6月15日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### 不登校の子が勉強すると言った時。親が知っておくべき3つの心構え - Published: 2021-06-15 - Modified: 2024-10-29 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2958/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】不登校からの勉強のススメ, 2023年6月15日号 - ハッシュタグ: 学びなおし  「不登校と勉強」は親子双方にとって大きなテーマ。今号より「学びなおし」に関わっている半村進さんの連載を開始します。 * * *  私は10年ほど、不登校やひきこもりなどを経験した方の学びなおしをお手伝いしてきました。そのなかで「学びなおしをするうえで意識しておいたほうがいいこと」が見えてきた気がします。そのなかには「学びなおしを見守る周囲の人たちが意識しておいたほうがいいこと」も含まれます。その「周囲の人たち」の筆頭が親御さんです。この記事では、まずどの親御さんにも知っておいてほしい3つの心構えについてお話します。 ①本人が続けやすいスタイルが一番の正解である。  「学習」や「勉強」という言葉を聞いたとき、どんな姿がイメージされるでしょうか。イスに座っている姿でしょうか。単語帳をめくり続ける姿でしょうか。おそらく寝転がりながらスマホをいじっている姿ではないと思います。  しかしここで大切なのは、どんなやり方であれ、「本人にとって続けやすいスタイル」がまずは正解であるということです。寝転がってスマホで漢字をちょっと見ているだけであったとしても、それが本人にとって続けやすい学び方なのであれば、立派な「学習」と捉えていただきたいと思います。 ②一度にいろいろなことを変えなくても良い  昼夜逆転しているお子さんがちょっと勉強を始めようとしているとします。親御さんは喜ぶと同時に、つい「せっかく勉強するなら明るい時間帯にやったら?」と言ってしまうかもしれません。  ただ本人には「ちょっと勉強してみる」ということ自体が一大決心かもしれません。それだけでもたいへんなのに、そのうえ生活リズムまで一度に変えられるでしょうか。そして「本人が続けやすいスタイルが一番の正解である」という言葉を思い出してみてください。昼夜逆転しているお子さんにとっては、まずは夜に学びなおしをしたほうが、ずっと頭に入るかもしれないのです。  親御さんはついつい「いろいろなことをこの機会に改善してもらおう」と意気込みがちですが、一度にひとつで充分すぎるくらいなのだということを忘れないでほしいと思います。 ③「勉強してみる」という言葉を喜びすぎない  「本人にとって続けやすいスタイル」が正解と申し上げましたが、どんなやり方であったとしても、勉強から遠ざかっていた方にとって、少しでも勉強してみるというのは楽なことで... --- ### 栄養不足でうつになり不登校に? 児童精神科医が語る「落とし穴」 - Published: 2021-06-15 - Modified: 2024-08-02 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2953/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】児童精神科医に聞きました, 2023年6月15日号 【質問】先日参加した親の会で、ある方が「不登校に必要な栄養」について話をされていました。聞けば「不登校の子は太陽を浴びていないのでビタミンDが必要」「セロトニンが不足してうつなどになる」とのことで、栄養とサプリで元気になれるという話でした。私としては半信半疑なんですが、医療の専門知識もなく、どう考えたらよいのか悩んでいます。 * * *  親の会で「ある方」が話されたご意見とは、いくらなんでも「栄養不足が不登校を引き起こす」といった、荒唐無稽な主張ではないでしょうね。  そうではなく、「うつ」「元気」などの言葉が使われているところから推測すると、おそらく「栄養不足→うつ病(の結果としての不登校)」という、ご意見なのでしょう。  まず、ビタミンDに関していえば、たしかに季節性うつ病と呼ばれる病気については、ビタミンDとの関連が指摘されています。  しかし、これには日照時間の短い冬から春にかけて症状が現れるという特徴があります。また、重症のうつ病に関してはビタミンDの投与が有効だとする、少数の研究があります。  しかし、これには当然にも、登校できないこと以上に、興味・喜びの減退や自殺企図といった、さまざまな抑うつ症状が伴います。こういった諸症状を見落として学校へ行かないことだけを問題視するなら、それは誤診ですし、またサプリメントだけでうつ病の治療を行なうなら、医療過誤になってしまうでしょう。  もちろん、骨密度に与える影響を考えると、太陽を浴びる時間が少ない人はビタミンDを多く摂取すべき、という意見はありうるでしょう。でも、それは外出の少ない子どもにかぎっての話ではなく、オフィスワーカーでも緯度の高い場所で暮らす大人でも同じです。 セロトニンとうつの関係性  つぎに、セロトニンについてですが、うつ病はセロトニン不足のために起こるという一種の神話が、まことしやかに流れていますね。このような神話が一部で出現したのは、アメリカのゴア元副大統領夫人(どんな人かはネットで検索してください)あたりが広めたからのようです。  反対に、イギリス精神薬理学会事務局長だったヒーリーという人は、「今日に至るまで、うつ病でのセロトニン異常が証明されたことは一度もない」と述べています。考えてもみてください。うつ病はセロトニン不足のために起こるといった単純な話が事実なら、製薬会社が抗うつ薬の開発競... --- ### 「握った手がほどけない」不登校の子が登校時に感じた緊張感【全文公開】 - Published: 2021-06-01 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/children/2970/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 通信制高校, 無料記事, 当事者の声, 2021年6月1日号 - ハッシュタグ: 通信制高校 メイン画像:小林直央さん 群馬県在住の小林直央(なおひろ)さん(19歳)は中学1年生から中学卒業まで不登校だったそうです。不登校の経緯や不登校中のこと、今に至るまでの胸のうちをうかがいました。 * * * ――小林さんが不登校になったのはいつですか?  中学1年生の10月です。2学期が始まったある朝、食事を終えて学校へ行こうとしたら、吐いてしまったことがあったんです。すると、その日を境に毎朝吐くようになってしまいました。いつも通り、朝ご飯を食べて「さあ、学校へ行こう」と思うと気持ち悪さを感じて、トイレにこもる日々が続いて... ... 。「ああ、もうこれはダメだ」と思いました。  しかし、体調を崩すようになってからも、「学校は行かなきゃいけない」という思いが強かったので、休むことはせず、母に車で送ってもらいながら僕は学校に通い続けました。  通い続けるうちに、体調はよくなるどころか、ますます悪化していきました。しまいには、学校へ着いても母の車から一歩も動けないような状態になってしまって。今思うと、無理して学校へ行き続けることに対して身体が拒否反応を起こしていたのだと思います。  車のなかで力んで握った手がほどけなくなったり、足が硬直してしまったり。日が経つにつれ、僕の身体にはさまざまな症状が出るようになりました。  先生からの提案で2カ月ほど保健室登校をしてみたこともありました。保健室の先生が毎日、駐車場まで迎えに来てくれるのですが、体調が悪い僕は保健室に10分居るのがやっと。結局、長くは通えませんでした。  当時は、どうにもならない自分の状況がとてつもなく苦しかったです。どんなにがんばっても学校には居られないし、家に帰って来ても「行けなかった自分」を責めるだけ。体調もいっこうによくなりません。そんな日々をくり返していくなかで「ああ、きっと俺は学校には戻れないんだな」と実感するようになりました。  毎日僕を車で送ってくれる母にも申し訳なくて、どんどんイヤになってきて。「もう、学校いいや」とあきらめるような、半分開き直るような気持ちになっていきました。そんな僕を見かねた保健室の先生が「一度休んだほうがいい」と提案してくれたことをきっかけに、僕は完全に学校へ行けなくなりました。 将来のルート ――小学生のころはいわゆる「優等生」だったそうですね。  勉強は得意なほうでし... --- ### 自分のことが嫌いな母親たちへ。子どものためにも自分を愛して - Published: 2021-05-31 - Modified: 2024-10-29 - URL: https://futoko-online.jp/interview/2975/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2021年6月1日号 - ハッシュタグ: 不登校の親 メイン画像:社会学者・品田知美さん  社会学者の品田知美さんにインタビューしました。品田さんは昨年、現代の親子関係をテーマにした『「母と息子」の日本論』を出版。日本社会にまん延する女性蔑視が、子育てにも悪影響を与えていると指摘しました。「母と息子」の関係にひそむ問題とは何か。自身の息子さんの不登校経験も交えて、お話をうかがいました。 * * * ――品田さんが昨年出版された『「母と息子」の日本論』は、このように始まります。「もしあなたが女性で息子がいたなら、まずは自分を愛してください。それさえできれば、息子のことはきっと愛せます。自分のことが嫌いなのにいくら息子を愛しているふりを続けても、どこかで間違います」。 不登校やひきこもりなどを含む日本社会のさまざまな問題の根っこには、女性たちが「自分を愛せていない」ことにあると私は思いました。日本の母親たちは、きびしい女性蔑視の環境のなかで生きてきました。  2018年には、女性の受験者の点数を不正に低く操作した医大入試問題が発覚しています。最近も、五輪・パラリンピック組織委員会の会長だった、森喜朗氏の「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります」という趣旨の発言がありました。  母親たちは、「女性はダメだ」というメッセージを発し続ける社会のなかで子どもを育てないといけない。しかし、母親が「自分は自分のままでいい」と思えていないと、子育てにも悪影響がおよびます。  私がとくに注目したのは、「母と息子」の関係でした。私自身は、息子と娘の2人の子育てを経験しています。そのなかで、まわりにいたお母さんたちから、「息子がかわいくてしょうがない」という声を何度も聞きました。 強く根付く息子への愛  なぜか娘よりも、息子に向かう愛情が異常に強いのです。私は息子でも娘でも、「かわいい」という感情に変わりはないので、正直に言って、性別によって「かわいさがちがう」という感覚はよくわかりません。  しかし社会学の調査で、「親は性差を意識して子育てをする」という研究がいくつもあります。実感から言っても、子どもがケガをしたときに、とくに「息子に対する母たちの反応」が激しいと思いました。息子がケガをしたとわかったら、まるで「母親は何もかも後まわしにして、一刻も早く駆けつけねばならない」という決まりがあるかのようです。  強い「息子愛」は、子ど... --- ### 環境を変えることは「逃げ」ではなく、次への一歩にもなり得る - Published: 2021-05-31 - Modified: 2024-10-29 - URL: https://futoko-online.jp/children/2980/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2021年6月1日号 - ハッシュタグ: 中退, 高校中退  今回の執筆者m.k.さんは「高校1年生で学校を中退したが、おかげで新しい一歩を踏み出せた」という。環境を変えるまでの葛藤と、その後を書いていただいた。 * * *  私が自分の不登校経験をふり返り思うのは、環境を変えることは「逃げではなく、次への一歩になりえる」ということです。  私は高校1年生の冬に高校を中退しました。理由は学校の勉強についていけなくなったからです。苦手科目である数学や化学がちんぷんかんぷんになったことをきっかけに、徐々に全科目の授業についていけなくなりました。  中学までは勉強についていけていたので、私はどんどん自信を無くしていきました。授業に追いつこうと努力もしましたが、一度開いた差は埋められず、クラスメイトから遅れていくばかり... ... 。そのまま2学期の試験で赤点を取ったことが決定打となり、私は学校へ行けなくなりました。  不登校になったあとは、「勉強の遅れを取り戻したい」とは思うものの、どこから手をつけたらいいのかわからず、何も行動することができませんでした。学校へ行かなくなったことで、自分の将来が見えなくなり、絶望感も増していきました。  しかし、不安な毎日をすごしていくなかで「このままではどうにもならない」と感じるようになりました。勉強から逃げ出したい瞬間は正直何度もあったのですが、それ以上に当時の私には「将来のために大学へ行きたい」という強い思いがありました。「とにかく今の環境をいったんリセットして、もう一度ゼロからやり直してみたい」と思いがふくらみ、最終的に私は高校を中退し、新しい学校に入り直すことを選びました。 自分で中退することを決めたものの、当時はそれが正しい選択なのか、迷いがありました。環境を変えたとしても、勉強の遅れを取り戻せるとはかぎらない、という不安があったからです。「転校することは、今のつらい状況やできないことから、ただ逃げているだけなのではないか」という後ろめたい気持ちもありました。それでも、「今、失うものは何もない。失敗してもいいじゃないか」と自分に開き直り、環境を変えることを選びました。  結果的に、私は環境を変えることを選んで、よかったと今は思っています。それは、自分を支えてくれる先生や安心できる場に出会えたからです。 イヤな顔をせず  最初に通っていた高校や塾の先生は、私が初歩的な質問をすると、「そ... --- ### 自虐ネタで幸せになれない、ふたつの理由 - Published: 2021-05-31 - Modified: 2024-10-07 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2988/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】仮説なんですが, 2021年6月1日号 連載「仮説なんですが... 」vol. 52  子どものころからテレビがきらいだった。とくに、テレビ好きな家族と食事をいっしょにとるときなんかは、観ざるをえなくて、すごくイヤだった。  「食事のときはテレビを消しましょう」というプリントが学校で配られたとき、「そんなことってあるんだ!」とおどろいて、そのプリントを家族に見せ、テレビを消そうと提案したこともあった。もちろん却下されたけれど。  テレビ番組のなかでも一番イヤだったのは、親が観ているバラエティ番組だった。今でこそ、批判されて減ってきていると思うが、人の外見をはじめとした特徴を「イジる」ことで笑いを取ることが、とても不愉快だったのだ。   「それなら、自分で自分の要素をバカにするのならいいではないか」とある人は言うかもしれない。私も最近までそう思っていた。いわゆる「自虐ネタ」ならOKじゃないか、と。でも、「やっぱりちがう」と考えをあらためた。自虐ネタでは誰も幸せになれない。そう考えた理由は、2つある。  まず第1に、自分だけをバカにしているつもりでも、ほかの人を結果的にバカにすることになっているからだ。太っている人が、自分が太っていることを笑いにしたとしよう。その人は、自分が太っていることを笑われるのは構わないし、むしろオイシイと思っているかもしれない。お笑い芸人であれば、それが収入につながることもあるだろう。だがそれは、そのほかの太っている人をも勝手にネタにしていることにならないだろうか。  そして2つ目の理由は、自分で自分をバカにするのは、その人の自尊心を削ることになると思うからだ。「人から言われたらイヤなことも、自分で言えばイヤじゃない」って、そんなことあるだろうか。人から言われるときは急に言われるけど、自分で言うときは心の準備ができているから大丈夫とか、そのような理由で受けるダメージが相対的に少なくなっているだけなのではないか。  「うちの子はダメで」言っていませんか  最後に、自虐ではないが、親が子どもを謙遜のつもりでバカにすることもやめたほうがいい。子どものころ、「うちの子はダメでねえ」などと、親が自分のことをほかの人に対してバカにして話している場面を見聞きした経験がある読者も多いのではないか。  それを聞いて、うれしかっただろうか。私はまったくうれしくなかった。人前でもほめてくれたほうが、うれし... --- ### 中2の5月に不登校になった僕が中学校で直面した3つのギャップ  - Published: 2021-05-31 - Modified: 2024-10-29 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/2985/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】私がぶつかった中学校の壁, いじめ, 2021年6月1日号 - ハッシュタグ: いじめ, 中1ギャップ メイン画像:新舛秀浩さん 連載「私がぶつかった中学校の壁」最終回  私がぶつかった「中学校の壁」は、「小学校とのギャップ」だった。  小学校高学年のときの鮮明な思い出が3つある。1つ目は、朝礼で校長先生が言った言葉だった。それは「通知表はテスト結果のみを評価するものではなく、掃除や委員会、学校生活全般を評価したものです」というものだ。2つ目は、担任が出張に行っていたときに出されたテスト。そのテストはとてもゆるくて、カンニングも、教科書を見ながら問題を解くのもOKだった。3つ目は、新入生の歓迎会。高学年の私が入ってきたばかりの新入生を見守る、優しい親のような関係がそこにはあった。  身近に中学生がいなかったため、中学生活に向けて準備したことは何もなかった。通う場所が変わることによる不安はあったものの、あくまで小学校の延長線上に中学校は存在すると信じて疑わなかった。  しかし、現実はまったくちがった。私が通うことになった中学校は非常に荒れていた。授業中、いたずらで非常ベルが鳴るのは日常茶飯事だった。また、小学生のころには存在しなかった「上下関係」があった。先輩と後輩とのあいだには絶対的な権力の格差があったのだ。なぜたった1年早く生まれただけで優劣がつくのか、私にはわからなかった。  そして、小学校ではあれほどゆるかったテストも、中学校では一転した。定期テストはその結果が内申点に影響することから、中学に入学した初日からすでに、「高校受験」が始まっていた。試験中はみんなが極度の緊張におかれ、鉛筆が落ちれば、誰もがその音に反応するくらい、緊迫した雰囲気だった。  そんな環境だったから、クラスメイトのストレスも相当なものだったのだろう。ストレスが高まれば、はけ口が求められる。私がそのはけ口となり、いじめを受けた。音楽室に移動する際には、私の持ち物は、サッカーボールのように蹴られ、ホコリまみれになった。私がカッターで机につけた小さなお気にいりのマークは、同級生によってぼろぼろにされた。 何をやってもうまくいかない  教師に相談すると、「お前もいっしょになって騒いでいたじゃないか」と言われ、取り合ってくれなかった。また、勉強にもついていけず、塾に通ったものの、ふり分けられたのは一番下のクラスだった。何をやっても劣等生だった。  そのころの私は中学校から帰宅したら、かならずカレンダー... --- ### 「過敏さ」をブームを紐解く6人の解説【書籍紹介】 - Published: 2021-05-31 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/books/2982/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 2021年6月1日号 - ハッシュタグ: HSP, HSC  この数年、「HSP」「HSC」(人一倍敏感な人/子ども)という言葉を目にする機会が増え、呼び方も多様化するなか、新しいカテゴリーとして急速に広がっているのを私は感じます。  本書は「過敏さ」について、神経生理学者や児童精神科医など6人の専門家が最新の研究などを交えながら、ひも解いていく内容になっています。たんなる解説にとどまらず、当事者と周囲のあいだに新たなとまどいや誤解などをもたらす可能性について問題提起をしている点も特徴のひとつです。  「新しいカテゴリーが誕生した背景にはニーズがあり、既存のものには収まらない人々の苦悩があったと思われる」と語るのは、社会福祉学者の三島亜紀子さん。三島さんは「発達障害」を引き合いに出します。子ども本人の怠け、親のしつけが悪いなど、周囲からの理解がなかなか得られないなか、「発達障害」という診断がつくことで、子どもやその親が救われる側面があった、と。一方で、カテゴリーにあてはまる人のなかにも濃淡があるなど、限界があると指摘します。  児童精神科医の石川憲彦さんは、診断名がつくことによる救済について、2つの罠があると指摘します。ひとつは、診断名がついて安堵を得る代わりに障害のある当事者として生きなければならないこと、もうひとつは治療対象として子どもが管理の対象になること、です。「時代の先行きへの不安に病的になりすぎている大人の過敏さこそ問題」と指摘する石川さん。  新しいカテゴリーが出るたび、私たちはそこにどんな救済を求めているのか。新しい概念だからこそていねいに考える。そのきっかけになる1冊です。(編集局・小熊広宣) 『「過敏さ・繊細さ」解体新書』 1760円/ジャパンマシニスト社 0120-965-344 (初出:不登校新聞555号(2021年6月1日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### 9人家族の私たちが学校に頼らず「ホームスクール」を始めた理由【全文公開】 - Published: 2021-05-14 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/parents/2998/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 無料記事, 親の思い, 2021年5月15日号 - ハッシュタグ: フリースクール, ホームスクーリング, ホームスクール メイン画像:「フリースペース えん」で工作をする生駒家の子どもたち  生駒知里さんは、ホームスクールで子育てをされているお母さんの一人です。お子さんの人数は、なんと7人。なぜ生駒家では、ホームスクールを始めたのかをうかがってきました。(聞き手・石井志昂/編集・小山まゆみ) * * *  一時は子どもたち全員が家に居ましたが、今は完全に家に居るのは14歳の長男だけ。10歳と8歳の子は週4日は神奈川県川崎市にある「フリースペースえん」(以下「えん」)に通っていますし、12歳の子も週に半分は「えん」へ。4歳と3歳の子は保育園に通っています。わが家の学齢期の子どもたちはみな、おもには学校外の学びの場で育っています。  ホームスクールを始めたきっかけは、長男の不登校です。小学校1年生の秋に、「学校って、やめられないの?」。そう言われたのが始まりでした。そのときはさらりと流して終わったのですが、1週間~2週間すると「自分に合わないところだとわかったから、やめる」と言われ、これはたいへんだと思いました。  長男はやりたいと思ったら、自分で納得するまでやり通すタイプ。親からのかんたんな説得では納得しないだろうと予測できたからです。学校のどういうところが嫌なのかを尋ねると、彼の言い分はこうでした。  「自分の学びたいことを、自分の学びたい量、自分の学びたいときにやりたい。強制されるのは好みじゃないんだ」。  好みじゃない... ... ね。返す言葉が見つかりませんでした(笑)。学校は、自分とちがう同級生から社会性を学ぶ場所だよと諭す私に対して、「弟と僕とはちがう性格だよね。学校へ行かなくても兄弟からだって学べるよ」。これが彼の主張です。  私としても反論のしようがなかったのですが、ほかに通える場も近くになく、学校以外で行く場所がありません。けれども夫は「とにかく、学校は行くものだ」と言い、休ませることに反対しました。無理に学校へ連れて行くうちに、長男は9月なのに「寒くてたまらない」と言うようになりました。 限界に達したわが子の叫び  これはまずい。そう思っていたある日、長男は学校から帰ってくると包丁を出してこう言いました。 「俺を刺してくれ」。  本気だったと思います。長男はもともと性格が激しく、癇癪を起こす子でした。以前にも、イライラが募ると鉛筆をボキボキ折ったり、2階から飛び降り... --- ### どうして守ってくれないの?眼前の体罰を見過ごされて不登校に - Published: 2021-05-14 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/children/3021/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2021年5月15日号  今回の執筆者、スライムさんは、学校での経験をきっかけに「大人を信頼できなくなった時期がある」という。ご自身の経験と当時の心のうちを書いていただいた。 * * *  僕が不登校になったのは、中学1年生の冬。きっかけは、部活の先生でした。入部した運動部の顧問の先生が日常的に生徒に体罰をしていたのです。入部から半年ほどが経つと、僕も先生から体罰を受けるようになりました。練習のやり方を少しまちがえてしまったことで、「そんなふうにやれって言ってねえだろ」と言われ、靴を履いたまま蹴られたのです。  先生からの暴力はショックでした。しかし、それ以上に副顧問の先生が蹴られていることを知っているにもかかわらず、その場で何も言ってくれなかったことに僕は傷つきました。  平気で生徒に体罰をする先生と、それを知っているはずなのに何も言わず生徒を守ってくれない先生。その両方の存在に気づいたとき、僕は大人への信頼を失いました。先生から暴力を受けたことで「きっと先生たちは、生徒や子どもを大人に従うべき存在として見下しているんだろうな」とも思うようになりました。それから先生という大人が信じられなくなり、僕は学校へ行かなくなりました。 不登校になってからも、一度失った大人に対する信頼は戻りませんでした。そんなときに僕が出会ったのが、ネットを通して知り合った大人たちでした。  当時、僕はゲームが好きで週2~週3回ほどネットでゲームの生配信動画を観ていました。最初は動画を観るだけでしたが、観る回数が増えるにつれ、ほかの視聴者とチャットを使って話すようになりました。おたがいにゲームのことを質問したり、攻略法を教え合うようになったのです。  動画をきっかけに他人とコミュニケーションを取るようになったのは、自分でも予想外でした。人とあまり話をしていない時期だったので、正直、人とふれ合うことへの怖さもありました。  しかし、僕の怖さとは裏腹にチャットの人たちは、相手を否定したり攻撃したりせず、穏やかに話をしてくれるいい人たちばかりでした。しだいに、僕は彼らとチャットで話すことに心地よさと楽しさを感じるようになっていきました。 拭えない不安  しかし、僕には一つだけ気がかりがありました。それは、僕がチャットで話しているのは、みんな年上の大人の人たちばかりということでした。  「この人たちは体罰をした先生とはちが... --- ### 働くことがずっと怖かった私が見つけた「楽しく働くための条件」 - Published: 2021-05-14 - Modified: 2024-10-29 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3018/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】仮説なんですが, 2021年5月15日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり 連載「仮説なんですが... 」vol. 51  約10年前、私は統合失調症という病気になった。ご存じの方も多いだろうが、現在の医学では治りにくい、やっかいな病気だ。症状の程度や中身は人それぞれで、私の場合、頭がうまく働かなくなって、たとえば「6+7」のようなかんたんな足し算ができなかったり、子ども向けの漫画のストーリーが難しすぎてわからなかったりした。「このまま一生治らない」、そんなふうに考えて絶望とともに日々をすごしていた。  当然、働くことなんて考えられない。どうやったら自分がこの先、生きていけるか、わからなかった。すべてを失ったと思った。希望がほしくて、統合失調症の数学者ジョン・ナッシュの半生を描いた映画なんかも見たけれど、感想としては「なんだかんだで生きていられて、私よりもぜんぜんマシじゃないか、こんちくしょう」と思ったのを覚えている。  働くということが私はずっと怖かった。何度バイトをしても仕事ができない。叱責が怖くて続かない。聞こえよがしに嫌味を言われたり、客のいないところで怒鳴られるなんてざらだった。だから、学生時代から、就職して働くことは自分には無理なんじゃないかとずっと不安を抱えていた。 4年ほど前、時間の経過とともにだいぶ病状が改善されたころ、主治医の許可が出て「就労継続支援事業所B型」に通い始めた。仕事のためのリハビリとしてかんたんな作業をまかされるところだ。思えばそれが私のなかで転機になった。  その作業所は、どれだけミスをしても、「やる気が出ない」みたいな理由で休んでも、いっさい怒られなかった。学生時代、バイトをくり返していたころの経験から考えると、信じられないほど、ゆるかった。「ここでなら続けられる」、そう思った。 働くことで居場所が  日々作業所に通うなかで、気づいたことがある。それは「働いていると、社会から存在を認めてもらえる」ということだ。仕事をしていれば、社会のなかに居場所ができる。  それはとても幸せな感覚だ。安心して生きていられる。ふつうに暮らしていればあたりまえのことかもしれないが、私にとってはおどろくような経験だった。昔の私のように、働くことが壁になっている人は多いと思う。ただ、自分が許される環境でさえあれば、働くことは怖くないと思う。  もちろん、不安がないわけではない。私が働く作業所では、1カ月働いても、よくて1万円く... --- ### 中1の夏休み明けに学校を辞めた15歳が語る学校という名の洞窟 - Published: 2021-05-14 - Modified: 2024-10-29 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3011/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】私がぶつかった中学校の壁, 2021年5月15日号 - ハッシュタグ: 中1ギャップ 連載「私がぶつかった中学校の壁」vol. 8  私が不登校になったのは中学1年生の夏休み明けです。私にとっての中学の壁は制服でした。私は制服がキライでした。自分はもともとはっきりとした性格であり、服装もパンツや黒い系統のものが好きでした。しかし制服は男子はズボン、女子はスカートと、性別で分けられています。そのことに疑問を抱き、まずスカートを履くことに反抗心を持ちました。   制服はとても重く、ボタンも上までとめねばならず、窮屈なものでした。学校は、制服を着ることにより統一感を出したかったのでしょうが、この「みんないっしょにする」といった風潮にも私は反感を覚えました。  加えて当時の私は思春期特有の変化で小学校高学年から急に太り始めました。制服は体格の差が顕著にあらわれることもあり、クラスメイトに指摘されることもありました。性格を指摘されても、「私はこういう人間なのだからしかたがない」と割り切れました。しかし、体格のことは当時の私にとって1番のコンプレックスだったため、割り切ることができなかったのを覚えています。 校則もきびしい学校でしたし、勉強も授業の情報量が増え、教科の得意不得意の差がだんだんと開きました。こうした小学校からの急激な変化にとても疲れたのをよく覚えています。  私は本を読むのが好きです。とくに心理学や哲学・伝統工芸などに興味を持った私は、それらを学べない学校での授業に価値を見出だせなくなりました。また、ひとりでいるのが好きだったため、友人との付き合いも積極的にしていませんでした。  そのため、しだいに学校に通う必要性も理由も見当たらなくなりました。他方、制服や校則といった教師や学校に対する反抗心は積もる一方でした。その結果、私は学校に通うのを辞めました。 洞窟の囚人   プラトンという哲学者が考えた「洞窟の比喩」という思考実験があります。洞窟の奥に囚人たちが手足をしばられています。生まれたときからこの状態で、囚人たちにとっては洞窟が世界のすべてです。ある日、囚人のひとりが外の世界に引っ張り出され、本当の世界を知ります。そこでみんなを外に出そうとしますが、みな、「外の世界などあるわけがない」と、出ようとはしませんでした。  プラトンは「私たちは世界の本質を知らない」と唱えたのです。この洞窟の比喩は現代社会のいたるところに見られるように思います。学校では... --- ### ずっと逃げてきたと語る絵本作家・ヨシタケシンスケさんの逃げ論 - Published: 2021-05-04 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/books/3025/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 2021年5月15日号  本欄では不登校やひきこもりを主たるテーマに扱った書籍を紹介してきましたが、今号は少し趣向を変えて、1冊の絵本を紹介したいと思います。  本書『にげて さがして』は今年3月に出版された新刊で、著者は絵本作家のヨシタケシンスケさん。本紙でも2019年11月1日号にてインタビューを掲載いたしました。その際、ヨシタケシンスケさんは「いやなことからは、ずっと逃げてきましたね。最初に入った会社も半年で辞めています」と語っています。  また、ヨシタケシンスケさんは「言葉にはたくさんの意味があり、その意味を自分でつくり出すこともできる。他人が批判的に使う『逃げる』ではなく、オリジナルな『逃げる』が生み出せたらいいですね」と語っています。本書はそのひとつの答えなのではないか、と私は感じています。 「逃げる」にはふたつの役目があると本書では描かれています。ひとつは、自分を守るため。もうひとつは、自分を理解し、守ってくれる人を探すため。その人は近くにいるかもしれないし、まだ生まれてないかもしれない。本や映画のなかにいるかもしれない。だからこそ「にげて、さがして、うごいて、うごいて」と、ヨシタケシンスケさんは訴えます。  この数年、「逃げてよい」というメッセージをあらゆるところで目にするようになりました。しかし、それを否定的に捉える見方も根強く、「一度逃げたら、逃げグセがつくのではないか」という意見もあります。しかし、私としては「我慢グセ」がつくことのほうがよっぽど、子ども本人の生きづらさに直結すると考えています。  本書は絵本なので、小学校低学年で不登校をしているお子さんとともに親子で読めるのはもちろんのこと、「逃げる」ということの意味を問い直す1冊でもあると思います。(編集局・小熊広宣) 『にげて さがして』 ヨシタケシンスケ 著/990円 赤ちゃんとママ社(03-5367-6592) (初出:不登校新聞554号(2021年5月15日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### 有名私立中学への受験合格後に不登校、山田ルイ53世に起きたこと【全文公開】 - Published: 2021-05-04 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/interview/2991/ - カテゴリー: インタビュー, 不登校 - タグ: 無料記事, 2021年5月15日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり  お笑い芸人・山田ルイ53世さんも「長期休み明けの不登校」だったそうです。山田さんに不登校のきっかけや、過去の記憶から解放されていった経緯をうかがいました。 * * * ――山田ルイ53世さんは、いつから不登校だったのでしょうか?  本格的に不登校が始まったのは中2の夏休み明けだったと思います。トリガーになったのは通学中にうんこを漏らすという悲しい事件(笑)。と言っても夏休み中は、何もなかったようにいつもどおりにすごしていたので、親には少々気の毒なことをしたなと。なんせ「急に」ですから(笑)。「学校へ行こうとしない息子の姿」を親が目にしたのは、その夏休みが明けたタイミング。そこが初めてだったと思います。 ――学校へ行きたくない理由を、どう説明されていましたか?  一応、「夏休みの宿題をやっていないから」と説明してましたね。実際やってなかったですし。今日から2学期だという朝、「どうしよう... ... 」と気持ちは焦るものの、ベットから出られず。  そのうち父が2階の僕の部屋へやって来て、「早く起きないと学校間に合わないぞ!」と。しばらく「う~ん... ... 」とかなんとかモゴモゴ言ってはぐらかしていましたが、最終的に、「行かへん」と絞り出すように伝えました。親はショックだったと思います。  それ以前は運動も勉強も優秀な子で、テストの成績も学年で10番以内。まるでカフカの小説『変身』のように、ある朝、人間だったわが子が芋虫になった、そんな感覚だったかもしれません。僕自身も、そんなふうに感じていましたし。 がんばりすぎが、疲れはてた原因 ――なぜ夏休みの宿題ができなかったのでしょうか?  中学受験以来、部活も勉強もちょっとがんばりすぎて、疲れ切っていたのが一番の原因かなと思います。あと、これはひきこもり始めて以降の話になりますが、僕が「ルーティン地獄」と呼んでいた、強迫神経症のような儀式の数々に悩まされていたんですね。  たとえば、勉強をする前には机の上のノートの角をすべて揃えなければならない、とか。ノートを揃えたら今度は本棚。ぴしっと横一列に本を並べなければならない。  部屋の掃除も毎回、窓拭きまでやってましたから、ほぼ大掃除と同じです。部屋が片付いたら、今度は自分の掃除。粘着テープがついたコロコロのやつで全身をきれいにする。そうしないまま勉強をしても意味がない、と... --- ### やりなおしがきかないのは「歯」、5年ひきこもった経験者の実体験 - Published: 2021-04-29 - Modified: 2024-10-29 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3010/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】仮説なんですが, 2021年5月1日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり メイン画像:半村進さん  突然ですが、私には歯が6本ありません。事故やケガのせいではなく、ひきこもっているあいだにあまりにも歯の手入れを怠ってしまっていたため、しまいにはボロボロと歯が砕けて、なくなってしまったのです。  私は20代のときに5年半ほどひきこもっていた経験があります。自分がまさにこもっている最中は、歯を失っても気にしていませんでした。「どうせ外に出たり、誰かと楽しくすごすことはこの先、一生ないだろうから、歯がなくなっても別にいいか」という感覚でした。もちろん入浴や洗髪、そのほかの身体のケアもまったくできていませんでした。自分に対して価値を感じられず、自分自身の健康や生活に気を配らなくなってしまう状態のことを「セルフネグレクト」と呼びます。私もまさにセルフネグレクトにおちいっていたと言えるでしょう。  ところがその後、ひきこもり状態が軽くなり、30歳で人生初のアルバイトをすることになりました。歯を失ってしまったことを痛切に後悔したのはこのときです。同僚といっしょに食事をしているときにはつい相手の歯並びが気になってしまいます。電車などでも歯のキレイな人を見ると、うらやましくなったり、引け目を感じてしまいました。もちろん、食事の楽しみが減ってしまうことは言うまでもありません。 やり直しがきかないからこそ  歯はほかの体の部分とちがって、あとで「やり直し」がききにくいです。また、「こんな歯じゃ外へ行けない」という感覚があると、ひきこもりから脱し、動き始めるときの障害にもなります。とはいえ、自分にエネルギーがないときに身体のケアに力を注ぐことはなかなか難しいと、実体験から思います。そこで「ひきこもっているときにもできる歯のかんたんな守り方」を仮説として提示したいと思います。  1つめはマウスウォッシュ(洗口液)の利用です。いちいち食後に歯をみがくという行動は取れなくても、ときどき液体を口に含むくらいなら比較的ラクに行なえるのではないでしょうか。1日数回、口をゆすぐだけでも効果はあると思います。  2つめは、目が覚めたときに水をひと口飲む、というものです。口内の乾燥が歯には大敵です。起床時に水分を補給することで乾燥を防げ、しかも眠りからの目覚めにも役立ちます。歯医者さんから見たら理想的ではない手法でしょうが、なるべくハードルが低そうで、しかも効果のありそうな方法を... --- ### 中学で人間関係に苦しんだ僕、見つけたのは自分を守れる術【全文公開】 - Published: 2021-04-28 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3089/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 無料記事, 【連載】私がぶつかった中学校の壁, 2021年5月1日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり, 中1ギャップ メイン画像:瀧本裕喜さん  2019年度の調査では、小中学校の不登校約18万人のうち、小学生は約5万人、中学生は約13万人でした。中学校に上がると、勉強がむずかしくなったり、部活で上下関係ができたりと、小学校に比べさまざまな変化があります。不登校経験者たちはどんな「中学の壁」にぶつかり、どのように感じたのでしょうか。 * * *  僕にとっての「中学校の壁」は、人間関係でした。  僕の通っていた中学は、管理教育が徹底されていて、部活動の参加を強制させられました。僕は、音楽の成績がよかったので、吹奏楽部を考えました。しかし男子は、体育会系の部活に入らないといけない、そんな空気が学校のなかにありました。僕はしかたなくテニス部に入部しました。3歳から習っていたピアノのレッスンのために部活を早退すると、「さぼりやがって」と同級生から嫌味を言われました。中1の最初の個人面談のとき、「クラスになじめない」と担任の先生に言ったところ、「どうしてそんなことを思うんだ」と叱られました。集団に溶けこめない僕は、人の心に興味を持つようになり、心理学の本を手に取るようになりました。母が大学時代に心理学を専攻していたので、自宅にはその手の本はたくさんありました。読み進めていくうちにわかったことがあります。現実はひとつではなく、人の数だけ見え方が存在すること。そして少数派の場合、同じ感覚を持っている人が少ないこと。だから、僕はまわりに理解されなかったんだと。今の状況が客観視できると、ほんの少し心が軽くなりました。 また、そのころからファンタジー小説にのめり込むようになりました。ファンタジー小説は、イヤな現実を忘れさせる力があります。ファンタジーの世界には、人間以外の種族のキャラクターが登場するので、多様な価値観にふれることができます。生まれ育った環境によって、形成される価値観はちがう。何が正しくて、何がまちがっているのか、一概には言えない。そのことが実感としてわかるようになりました。 転機になった言葉との出会い  そんななかで出会った、あるファンタジー小説に出てくる言葉が、僕に生きるヒントをくれました。その言葉は「自分の意見を出してしまうと、他人の意見を受けいれるのがむずかしくなる。どうしても、自分の意見が他人よりも優れていると思ってしまうからだ」、というものでした。僕はそれを読んで衝撃を受け... --- ### 5人に1人は「とても繊細な人」繊細さは幸せにつながる素敵な感性【全文公開】 - Published: 2021-04-28 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3017/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 無料記事, 2021年5月1日号 - ハッシュタグ: HSP, HSC メイン画像:HSP専門カウンセラー 武田友紀さん  ここ数年で広く知られるようになってきた「HSP」(Highly Sensitive Person とても敏感な人)。HSP専門カウンセラーの武田友紀さんは、親しみを込めてHSPを「繊細さん」と呼びます。武田さんの繊細さんへの思いや、繊細さんが生きやすくなるためのヒントなどを、子ども若者編集部のメンバーがうかがいました。 * * * ――武田さんが「繊細さん」という言葉をもちいるのには、どのような思いが込められているのでしょうか。  HSPはアメリカの心理学者エレイン・アーロン博士が提唱した概念です。アーロン博士の調査により、「生まれつき繊細な人」が約5人に1人の割合で存在することがわかりました。近年、日本でもこの概念が浸透し、関連書では「敏感すぎる人」などと訳されてきましたが、私は「すぎる」という表現には「不適切だ」というニュアンスが入ると考えました。  「繊細さ」は生まれ持った気質であり、病気ではありません。背の高い・低いがあるのと同じように、本人の資質であり、個性です。自身もHSPである私は、誤解をまねかない表現として「繊細さん」をもちいることにしました。「繊細さん」という言葉には、「繊細さはいいものだ」という思いもこめています。繊細な気質を持った方は、ほかの人が気づかない小さなことにもよくに気づくのでストレスを感じやすいです。  そのためいろいろな悩みからネットで検索したのがHSPの存在を知るきっかけ、という方も多くいます。「生きづらい」というイメージが付きがちなHSPですが、決してそうではないんです。  外が晴れているだけでうれしくなったり、カフェの店員さんのちょっとした優しさに気づいて、じーんと感動したり。繊細だからこそ、毎日の小さな「いいこと」をキャッチでき、深く味わうことができます。「繊細さん」の繊細さは、めいっぱい幸せを味わうためのとても素敵なものです。 働けなくて自分を責めた私  私自身、繊細さを長所と捉えたことで肩の力が抜け、幸せをたくさん感じられるようになりました。  以前、メーカーに勤めていた私は、会社でストレスが積み重なり休職していたことがあります。忙しくてもタフに働く同僚と自分をくらべ、「働けなくなった私がいけないんだ」と自分を責めてばかりいましたが、アーロン博士の著書『ささいなことにも... --- ### 今こそ休むことの価値を見直す、精神科医が唱える休ませる方法 - Published: 2021-04-28 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/books/3105/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 2021年5月1日号  今回は「自分を休ませる方法」をテーマにした精神科医・井上祐紀さんの書籍をご紹介します。  井上さんによれば、昨春の緊急事態宣言中も、心身の不調を訴えて来院する子どもの数は減らなかったといいます。コロナの影響がいまだ続く不安定な社会状況のなか、子どもたちが自分自身を守り、力を蓄えるためも「休むことの価値が見直されるべきで、堂々と休むことができるよう『休み方』を提案したい」という井上さんの思いから、子どもたちに向けて書かれたのが本書です。  自分を助けるために役立つ「3つのステップ(整理する→つながる→対処する)」の解説や「窓口となる相談者を見つけること」など、つらさの整理や子どもが一人で抱え込みすぎないために必要なことなどについて解説しています。  本書には「大人たちへ伝えたい」という番外編もあります。ここで注目すべきは大人から子どもへの「3つの期待」として挙げられている「休まずがんばること」「文句を言わずにがんばること」「ひとりでがんばること」です。こうした期待を大人が子どもにかけ続けることで、子どもは「休むこと」に対して罪悪感などのネガティブな感情を持ってしまい、さらなる苦しい状況に追いつめられてしまうわけです。  じつは、文科省調査によると、昨年8月の子どもの自殺は前年同月と比較して約2倍に増えています。風邪とちがって、心の不調はまわりにはわかりづらいため「休むことの主導権を子どもにゆだねるべき」というのが井上さんの出した結論です。  また、「学校を休むのは楽なことではない」という井上さんの指摘も重要です。その意味で、本書はたんに子どもだけでなく大人にも、また場合によっては親子でともに読める1冊だと私は思います。(編集局・小熊広宣) 『学校では教えてくれない自分を休ませる方法』 井上祐紀/1430円 KADOKAWA 0570-002-301 (初出:不登校新聞553号(2021年5月1日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### 不登校経験者が聞く先生のホンネ「不登校、どう思っていますか?」 - Published: 2021-04-28 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/others/2996/ - カテゴリー: イベント, others - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 2021年5月1日号 - ハッシュタグ: 通信制高校 メインイラスト・伊藤歩  2020年12月20日に開催されたオンラインイベント「不登校経験者と教員が本音トーク 不登校の悩み 先生の悩み」(弊社主催)のトーク内容を抄録する。当日は現役の学校教員2名と不登校経験者が対話した。不登校に対する教員の思いや、不登校経験者がしてほしかった対応などが語られた。(企画・子ども若者編集部、編集・茂手木涼岳、協力・本多寿行) * * * しょうた 本日の司会をつとめます、しょうたです。僕は小学校と高校で不登校を経験しました。さっそく先生おふたりにうかがいます。おふたりの担当するクラスに不登校の子がいたらどんな思いを持ちますか? 松永(仮名・以下、松永) 中高一貫校で教員をしている、松永です。僕のクラスに不登校の子がいたら、やはり「大丈夫かな」とか、「つらいのかな」と思いますね。「なんで学校へ行きたくないの?」と聞きたくなっちゃうと思います。でもそう聞かれても、苦しいときは言葉にするのも難しいですよね。だから、正直どうやってアプローチしたらいいか、迷います。また、「何かマズイことしちゃったのかな」と自分を責める気持ちにもなりますね。 みどり(仮名・以下、みどり) 小学校教諭、みどりです。不登校の子というのは、私にとっては忘れ物をしがちな子、人当たりの強い子などの、さまざまな子どもの状態のひとつです。それ自体をネガティブなものだとは思っていません。  ただ、私も自分のクラスに不登校の子がいたら、やっぱり学校へ来てほしいという思いはあるので、「どうして?」と聞いてしまうと思います。答えてもらえるかどうかはわからないけれど、本人が抱えている問題が解決できるものであれば、力になりたいと思うんです。 さゆり 中学と専門学校で不登校を経験したさゆりです。私も不登校になったときに、先生に、「なんで来られなくなったの?」と理由を聞かれましたが、明確な理由なんて自分でもわからないから説明のしようがなかったんです。先生は理由があったほうが安心しますか? みどり 教員としては「解決したい」という思いがあるので、理由が見つからないとアプローチのしかたがわからなくなってしまうんですよね。自分たちがやっていることが本当に正しいことなのか、正直、迷う気持ちもありますが、もし本人に語れる何かがあるのであれば、解決のためにも知りたいとは思います。 クラスにいたらどう対... --- ### 学校で習う女の子とはちがう。私が感じていた気恥ずかしさの正体 - Published: 2021-04-28 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/children/3095/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2021年5月1日号  今回の執筆者、真利恵さんは、自分や自分の好きなことに「ずっと気恥ずかしさを感じていた」という。ご自身の経験と心のうちを書いていただいた。 * * *  昨年、通販でアニメに登場する女性キャラクターのラバーストラップを買った。そして、堂々と実家の自分の部屋の壁に飾った。  考えてみれば、私が人目を気にせず、好きなアニメグッズを部屋に飾ったのは初めてだった。今まで飾ることができなかったのは、好きになるのがマイナー作品ばかりで、そもそもグッズ展開がされなかったから。そして、女性キャラクターを好きな自分に、私自身が気恥ずかしさを感じていたからだ。私の気恥ずかしさの根っこには、学校での経験と、母との関係が大きくある。  私は小学校の高学年になるまで、女性の私が女性と恋愛すること、女性を好きになることは自然なことだと思っていた。当時の私には好きな女の子もいたし、とくに女性が女性を好きになることに対して、疑問を抱いたことも、意識したこともなかった。そんな私が、自分の感覚に迷いを感じ始めたのは、担任の教員と教科書がきっかけだった。  小学校高学年のころ、担任の教員は、同性どうしが仲よくしているとクラス全員の前で冷やかしてバカにしたり、「LOVEは好きな異性に対して使う言葉だ。ほかはぜんぶLIKEだ。恋愛は異性間だけだ!」などと、しきりに言い張ったりしていた。学校から配られた、保健の教科書にも「成長すると異性を意識する。好きになる」とはっきりと書いてあった。  今なら「LOVE」は好きな異性に対してだけ使う単語ではないし、恋愛も異性間に限定されるものではないと言い返すことができる。しかし、当時の私は「学校の言うことはすべて正しいはず」と盲目的に思い込んでいた。だから、担任の言葉や教科書の内容に疑問と不満を抱きつつも、何も言うことができなかった。  そして、私はしだいに女性や女性キャラクターが好きな自分のことを不安に思い始めた。「教科書や先生の言う女の子と自分は、なんかちがうな」と感じたのだ。自分自身と自分が好きなものにとまどいを感じ始めた瞬間だった。  小学校を卒業するころには、私はメディアを通して、女性どうしの恋愛もべつにふつうであるし、国によっては結婚もできることを知った。しかし、学校で習ってきた内容とはちがうし、日本という国においては「ふつう」ではないので、なんだかんだ自分に... --- ### 他人の目を恐れてた中学生の自分に28歳になった今伝えたいこと - Published: 2021-04-27 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3067/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】私がぶつかった中学校の壁, 2021年4月15日号  中学のとき、僕に立ちはだかった「壁」は、「自信の持てない自分自身」だった。まわりの人の反応を気にして、自分の気持ちに正直になれなかったのだ。今でもおぼえているのは体育の先生からの「もっと自分に自信を持ってほしい」という言葉だ。僕は運動が好きだったけれど、自分よりも運動神経のよい同級生たちを見ると、彼らと比べられるのが怖くて、わざとヘタなふりをしていた。それが先生には、ばれていたのかもしれない。通知表に「もっと自信を持って」と書かれたのだ。  その後も「自信を持てない自分」は中学生活のいたるところで僕を苦しめた。あるときは生徒会長選挙での立候補だ。生徒会の活動には興味があったので、会長でなくとも役員のメンバーには入りたいと思っていた。しかしみずから立候補する勇気が出ない。頭にふと、「どうせ内申書の評価をよくしたいから立候補するんだろ」と言う同級生の顔が浮かんでしまう。困っていると、担任が僕を推薦してくれた。だから友だちにも「先生に言われたから立候補する」と言うことができた。選挙に立候補できたのは、担任の推薦のおかげだった。 またあるときは文化祭だ。文化祭では、各クラスが劇を披露するのが決まりだった。僕はずっと舞台に興味があったので、どんな役でもいいから出演したいと思っていた。ルールとして、クラス全員がなんらかの役割をひとつ担当しなければいけなかった。全員が劇に積極的ではないので、裏方業務、セリフの少ない役、という順で、担当が決まっていく。必然的にセリフの多い役が残るが、これは僕にとって願ってもない状況。しかしここでもまた、脳裏に同級生の声が聞こえてくる。「自分からセリフの多い役をやるって、どんだけやる気なんだよ」。  もちろん、誰もそんなことは言っていない。むしろセリフの多い役をやりたがる人がいることは、同級生からすればありがたいことだ。需要と供給を満たす、僕にとっても渡りに船な状況だった。それなのに、選挙のときと同じくみずから立候補することができなかった。どうしても他人の目を気にしてしまい、自分の本当の気持ちを表現できなかったのだ。ここでも、誰かが僕を推薦してくれるのを待った。そして友だちが「主役やれよ」と言ってくれたことで、僕は舞台に出ることができた。  「自分の意思じゃなくても、結果的に、やりたかったことはできているからいいじゃん」と言われそうだ。たしかにそう... --- ### 【世界一受けたい授業出演特集】わが子を信じて腹をくくろう、あなたの子どもは大丈夫です【全文公開】 - Published: 2021-04-17 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/others/3042/ - カテゴリー: イベント, others - タグ: 無料記事, いじめ, 講演録, 2021年4月15日号 - ハッシュタグ: 不登校の親  4月17日(土)午後7時56分から日本テレビ系列で放送される「世界一受けたい授業」)の『無理やり「学校に行け」はもう古い!「不登校」という生き方』にて、認定NPO法人「フリースペースたまりば」の理事長・西野博之さんが紹介されます。「フリースペースたまりば」は1991年、学校や家庭・地域の中に自分の「居場所」を見いだせない子どもや若者たちが集う「学校外の育ちと学びの場」として開設しました。『不登校新聞』544号(2020年12月15日号)にて記載した西野博之さんの講演抄録を再掲します。 * * *  こんにちは、西野です。今日は、みなさんに「大丈夫」を手にいれてほしいと思っています。「いやいや大丈夫じゃないです。子どもが不登校になって、この先が心配でたまりません」という声も、もちろんあるでしょう。でも、今日の話を聞いて、「大丈夫だ」という気持ちになっていただけたら、うれしいです。  まずみなさんと共有したいのは、この社会はここ数十年のあいだにどんな変化があったのか、ということです。あれは1980年代だったでしょうか。中学生が学校でタバコを吸いながら校舎を歩いていました。窓ガラスを割りまくっていました。校庭をバイクで走りまわっていました。そんな時代がありました。今では中学生も高校生もすっかりおとなしくなりました。先生を殴らない。窓ガラスなんか割らない。だけど、自分より弱い生徒に暴力を向ける。そんな社会になっています。  いじめの数は、文部科学省にまで届いただけでも年間約61万件です。先生が気づかないいじめなんていくらでもありますから、これは氷山の一角です。そして61万件のいじめのうち、約48万件は、小学校で起きているんです。しかも重大事態の発生件数は約720件。命にかかわるようないじめが、年間720件も起きている、ということです。  小中学生のなかでいじめが一番多いのは何年生かわかりますか? 正解は、小学校2年生。いじめが驚くほど低年齢化しています。小さなころから、子どもたちはストレスをためている。社会のありようや、目に見える子どもたちのありようは変わっても、子どもが抱えている生きづらさは変わっていない。むしろ強まっているように見えます。  では、なんで子どもたちは苦しんでいるのか。苦しんでいる子どもたちの特徴のひとつに「自己肯定感の低さ」があります。令和元年版の「子... --- ### 【世界一受けたい授業出演特集】「生きててごめん」不登校の息子を追い詰めてしまった私の一言【全文公開】 - Published: 2021-04-17 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/others/3039/ - カテゴリー: イベント, others - タグ: 無料記事, 講演録, 2021年4月15日号 - ハッシュタグ: 不登校の親, ひきこもり, 引きこもり 4月17日(土)午後7時56分から日本テレビ系列で放送される「世界一受けたい授業」)の『無理やり「学校に行け」はもう古い!「不登校」という生き方』にて、後藤誠子さんが紹介されました。2021年1月31日、イベント中に開催された後藤誠子さんによる基調講演「なぜひきこもり当事者の親が幸せになれたのか」の抄録を再掲します(編集・本間友美) * * *  こんにちは、岩手県在住の後藤誠子です。私の息子は高校1年の夏から不登校・ひきこもりとなり、26歳の現在もその状態です。今日は私と息子の歩みから、何かひとつでもこれからを生きていくヒントを得ていただければ幸いです。  息子は夏休み中に不登校になりました。進学校のため、休暇期間でも学校で講習会があったのですが、ある朝ベッドから出てこず、その日から登校をしぶるようになりました。私は子どもが不登校になったことを受けいれることができませんでした。数年後に聞いたのですが、中学のころから息子は「まわりと同じようにできない自分」に悩んでいたそうです。息子の苦しみを知ろうともせず、私は学校へ行かせることばかりを考えました。体を引きずることもしました。「レールから外れてほしくない」と必死だったのです。  無理やり高校を卒業させたあとは、息子がみずから「ギターをつくる職人になりたい」と言ったことから、東京の専門学校へ進学させました。「一度はふつうから外れてしまったけれど、これでレールに戻れる」と私は安心しました。上京のためにとてもお金がかかることもわかっていましたが、「人なみに生きてくれるなら」と惜しみませんでした。しかし息子を送り出して1年も経たないうちに、私はまた驚かされることになります。2年に進級する前の2月、息子から電話がありました。 苦しそうに絞り出すような声で、「12月から学校へ行っていない。もう二度と学校へは行けない」と息子は言ってきました。天国から地獄へ突き落されたようでした。何が起こったのかわからない。混乱しながらも私がとった行動はまたもや、「学校へ行くよう説得する」でした。「やっとレールに戻れたのに」で頭がいっぱいの私は、「お金をあげるから、お願いだから学校へ行ってくれ」と、いきすぎた発言もしてしまいました。その瞬間、電話は切れました。5日間音信不通になりました。「死んでしまっていたらどうしよう」。何度も不安がよぎりました。... --- ### 「生きててごめん」不登校の息子を追い詰めてしまった私の一言【全文公開】 - Published: 2021-04-17 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/others/3116/ - カテゴリー: イベント, others - タグ: 無料記事, 親の思い, 2021年3月15日号 - ハッシュタグ: 不登校の親, ひきこもり, 引きこもり  2021年1月31日、イベント中に開催された後藤誠子さんによる基調講演「なぜひきこもり当事者の親が幸せになれたのか」の抄録を掲載します(編集・本間友美) * * *  こんにちは、岩手県在住の後藤誠子です。私の息子は高校1年の夏から不登校・ひきこもりとなり、26歳の現在もその状態です。今日は私と息子の歩みから、何かひとつでもこれからを生きていくヒントを得ていただければ幸いです。  息子は夏休み中に不登校になりました。進学校のため、休暇期間でも学校で講習会があったのですが、ある朝ベッドから出てこず、その日から登校をしぶるようになりました。私は子どもが不登校になったことを受けいれることができませんでした。数年後に聞いたのですが、中学のころから息子は「まわりと同じようにできない自分」に悩んでいたそうです。息子の苦しみを知ろうともせず、私は学校へ行かせることばかりを考えました。体を引きずることもしました。「レールから外れてほしくない」と必死だったのです。  無理やり高校を卒業させたあとは、息子がみずから「ギターをつくる職人になりたい」と言ったことから、東京の専門学校へ進学させました。「一度はふつうから外れてしまったけれど、これでレールに戻れる」と私は安心しました。上京のためにとてもお金がかかることもわかっていましたが、「人なみに生きてくれるなら」と惜しみませんでした。しかし息子を送り出して1年も経たないうちに、私はまた驚かされることになります。2年に進級する前の2月、息子から電話がありました。 苦しそうに絞り出すような声で、「12月から学校へ行っていない。もう二度と学校へは行けない」と息子は言ってきました。天国から地獄へ突き落されたようでした。何が起こったのかわからない。混乱しながらも私がとった行動はまたもや、「学校へ行くよう説得する」でした。「やっとレールに戻れたのに」で頭がいっぱいの私は、「お金をあげるから、お願いだから学校へ行ってくれ」と、いきすぎた発言もしてしまいました。その瞬間、電話は切れました。5日間音信不通になりました。「死んでしまっていたらどうしよう」。何度も不安がよぎりました。あまりにも追い詰められ、私はヘンな行動を取ってしまいます。LINEの音声メッセージでヘタな歌を送ったのです。すると真夜中に息子から「何?」と返事がきました。  とにかく息子が反応を... --- ### 「学校は無理に行くところじゃない」と現役教員が思う理由【全文公開】 - Published: 2021-04-15 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3064/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 無料記事, 【連載】仮説なんですが, 2021年4月15日号  私は学校教員を約20年間勤めている。学校教育とは、子どもたちが学ぶことによって「自由」を獲得するためのものであると考えている。ここでいう「自由」とは、子どもたちが自分の力で考えながら進む道を選択し、人生を切りひらいていける力のことだ。では、「学校へ行くか、行かないか」を選択する「自由」は、子どもたちにはないのだろうか。教員は担任するクラスに不登校の生徒がいると、「どうすれば学校へ来られるようになるだろうか」と考えがちである。  しかし、そもそも学校は「来なければならない」場所なのだろうか。憲法上、保護者には「教育を受けさせる義務」はあるが、児童・生徒には「教育を受ける権利」しかなく、「教育を受けなければならない義務」はない。それにも関わらず、学校に「来させたい」という発想が働くのは、学校現場に「~せねばならない、~するべき」という社会の風潮が強く反映されてしまっていることが原因なのではないだろうか。  とくに昨今、社会が以前にもまして抑圧的になっているように感じる。そして、学校という社会基盤は、多くの人たちにとって人生の一時期をすごした共通のプラットフォームであるため、学校に対する社会の目は必然、厳しいものになる。  「わいせつ教員」や「あだ名禁止校則」など、ごく一部の事例をことさら大きく取りあげる近年の報道には、もちろんそのような教員や学校に問題はあるが、いち教員としては、社会からの学校に対する悪意すら感じることがある。 社会へのアンチテーゼ  そのようななかで不登校になる生徒は、現在の社会の抑圧的な雰囲気を敏感に感じ取り、生きづらさを感じ、「あるべき姿を他人に強制する社会」に対するアンチテーゼを、「学校へ行かない」という態度で示しているのではないだろうか。  このように考えると、不登校の児童・生徒は「学校へ行かない」という「選択」をしたのだから、それで十分に教育の成果は出ているのだ。自分の進む道を「選択」し生きていく力を育てることが、学校教育の意義であるからだ。したがって、彼らの不登校は肯定されてもよいのではないか、と私は考える。  私は、大人も子どもも、自身の人生を「選択」できる社会を構築していきたい。仕事は辞めたければ辞めればいいし、学び直しをしたくなったら学び直せばよい。同様に、学校で学ぶかどうかも、各自が決めればよい。そのような社会の雰囲気をつくるため... --- ### 不登校時の趣味を仕事にした漫画家が描く「僕の不登校その後」 - Published: 2021-04-15 - Modified: 2024-05-14 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3070/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2021年4月15日号 今回お話をうかがったのは、漫画家の棚園正一さん。棚園さんは小中学生のときの不登校体験を2015年に漫画化。その続編となる新刊を今年3月に出版した。新刊に込めた思いなどを語っていただいた。 * * * ――前作『学校へ行けない僕と9人の先生』から6年、続編を書くに至るいきさつからお聞かせください。  『学校へ行けない僕と9人の先生』を出版したあと、ありがたいことに不登校関係の講演会の講師としてお声がけいただくようになったんです。前作では小学校1年生で不登校したきっかけから中学生までの9年間の実体験を漫画にしたわけですが、講演会での質疑応答では「その後はどうなったんですか?」という声をいくつもいただきました。後日談も描きたいなと思っていたところ、前作を出した双葉社からオファーをいただき『学校へ行けなかった僕と9人の友だち』を出版する運びになりました。 ――講演会のことは新刊の第1話でも描かれていますが「もっと具体的な解決策が聞きたかった」「棚園さんは運がよかっただけ」といった声もあったとあります。  そうですね。そういう意見は全体の1割にも満たないんですけど、よい意味で、僕のなかでひっかかる部分があったのはたしかです。ただ、以前と今とでは、そうした声の受けとめ方が僕のなかで変わってきました。  講演会で僕の不登校体験を話し始めた当初、さきほどのような声がアンケートで届くたび、無力感に近いものを感じていました。僕の話はあくまで僕個人のものでしかないんだなって。もちろん不登校は千差万別だし、僕のケースが広く一般化できるものと理解していたわけではありませんが「もっと気の利いたことを話さなくてはいけないのではないか」「どういう言葉を返せばみなさんの力になれるのだろう」と悩んだこともありました。 一方で今はどうかというと「僕に何ができるんだろう」「寄り添うってなんだろう」と考えぬいたひとつの答えが今回出版した『学校へ行けなかった僕と9人の友だち』でした。 自分の母親を思い出した  先日、オンラインの集まりに参加したんですけど、あるお母さんが不登校をしている娘さんのことを話し始めたんです。「フリースクールにも連れて行ったし、家庭教師も頼んだけれど、娘はどれも合わず、どこにも通えない。この先どうすればいいのか、このままじゃ毎日が苦しい」と。ほかの参加者が「焦らないで」とアドバイスする... --- ### 小6の私の心に突き刺さったのは、担任からの思いがけない言葉 - Published: 2021-04-15 - Modified: 2024-10-29 - URL: https://futoko-online.jp/children/3053/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, いじめ, 2021年4月15日号 - ハッシュタグ: いじめ  今回の執筆者、富良野しおんさんは「小学校6年生のとき、先生に言われた言葉が苦しかった」という。当時の思いを書いていただいた。 * * *  小学6年生のとき、私はクラスメイトからいじめを受けていた。悪口や無視など、いろいろなことをされたが、私を責める言葉ばかりが書かれた手紙を自分の席に貼られることが一番つらかった。手紙に書かれている言葉もさることながら、ほかのクラスメイトに手紙の存在を知られることが、とにかく私はイヤだったのだ。「ああ、この子また手紙書かれている」とまわりから冷ややかに見られているかもしれないと思うと、恥ずかしくて、しかたなかった。 家に来ることに  だから、クラスメイトにも先生にもバレないように、手紙が置かれているのを見つけたら、すぐに自分の机のなかに隠すようにしていた。しかし、結局私はいじめに耐え切れず、夏休み明けに不登校になった。 不登校になって2カ月ほど経つと、担任の先生が今後の話をするため自宅に来ることになった。先生が来る日の前日、そのときすでにクラスメイトからの手紙の存在を知っていた両親からは「先生に手紙のことも話してみるね」と言われていた。両親の言葉を聞きながら、「先生は手紙の存在も、いじめのことも何も知らないだろうから、話してもあまり意味ないだろうな」と私は心でぼんやりと思った。  しかし、そう思った直後、いじめの事実を知って先生がなんと言うのか聞いてみたい気持ちが私のなかで膨らみ始めた。「もしかしたら、事実を知ったら先生はいじめていたクラスメイトのことを叱ってくれるかもしれない。そうしたら、私の心の傷も少しは癒えるかもしれない」と淡い期待を抱いたのだ。 そして、迎えた先生の家庭訪問当日。「自分の部屋に居ていい」と両親からは言われていたが、2階の階段から私はこっそり両親と先生の会話を聞くことにした。出席日数や今後の話を一通り終えると、両親は先生にいよいよ手紙のことを話し始めた。 先生が両親に言ったのは  「こんな手紙をずっと本人はもらっていたみたいなんです」と両親が実際の手紙を先生に見せると、一瞬の沈黙がながれた。そして、沈黙のあと先生は「手紙の存在は知っていました。でも、富良野さんが乗り越えなければいけない壁だと思って、本人には声をかけませんでした」と両親に言った。  予想もしなかった先生の言葉を聞いた瞬間、私はひとり自分の部屋に... --- ### 「このままでは死んでしまう」不登校の息子に送った9通の手紙 - Published: 2021-04-15 - Modified: 2024-10-29 - URL: https://futoko-online.jp/parents/3049/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 会員限定記事, 親の思い, 2021年4月15日号 - ハッシュタグ: 不登校の親  千葉県山武郡にあるNPO法人みんなの居場所ありのまま理事長の内田美穂さんにお話をうかがった。内田さんのお子さんが不登校になったのは中学2年生のとき。親子の会話がゼロというなか、内田さんはわが子に9通の手紙を書いた。不登校の子を持つ母としての本音や現在の取り組みに至る思いなど、お話しいただいた。 * * * ――お子さんが不登校になった、いきさつからお聞かせください。  息子が不登校したのは中学2年生の3学期です。卓球部のエースとしてがんばっていた息子が肩を壊してしまったのを機に、息子のようすが少しずつ変わっていきました。朝になっても起きてこないし、ご飯も食べないし、何より顔に生気がない。それまで張りつめていたものがプツンと切れたようでした。  「このままでは息子は死んでしまう」と思い、私はとにかく病院へ連れて行こうとしました。病院で薬さえ飲めば、ちょっとずつ元気を取り戻すのではないかと思っていたんです。でも、息子は断固として拒否し続けました。  ある日、私と口論になった息子が過呼吸になったんです。「しめた」と思った私は救急車を呼んだわけですが、救急車で搬送される息子は「俺はふつうだ」「俺は病気じゃない」と泣きながら訴えていました。その姿はいまも脳裏に焼きついていて、本当に申し訳ないことをしたと後悔しています。 不登校から半年、手探りの毎日を  息子が不登校になり、最初の半年間は私にとってつらい毎日でした。心療内科をたずねても初診まで数カ月待ちと言われ、行政の相談機関に問い合わせても話は聞いてくれるけど、具体的なアドバイスをくれる人がいない。とにかくつらくて、孤独でした。  私自身の気持ちも「休ませるべきか否か」の狭間で揺れつづけ、息子への対応も右往左往しました。周囲から「このままでよいのか」と言われたこともあり、息子を突き放してみたこともあります。「もし高校へ行かないならバイトして家にお金を入れて」「大学へ行かないなら就職して家を出て行って」と息子に話をしました。その直後、息子とはいっさい会話ができなくなりました。「早く自立してほしい」という私の願いだったわけですが、いま思えば、当時の息子はそれを受けいれるだけの精神状態になかったんです。 ――その後は?  息子は自室にこもるようになり、LINEも削除されたので、息子とコミュニケーションを取れる手だてが何もない状況... --- ### ちゃんとした大人にならなきゃ、不登校その後の「呪い」が晴れるまで【書籍紹介】 - Published: 2021-04-04 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/books/3126/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 2021年3月15日号 小学1年生から中学生にかけて不登校を経験したマンガ家の棚園正一さん。自身の経験をマンガにまとめた『学校へ行けない僕と9人の先生』を出版してから5年、その続編となる『学校へ行けなかった僕と9人の友だち』が3月27日に出版されます。  今作のキーワードは「ちゃんとした大人にならなきゃ」という棚園さん自身の思いです。前作のキーワードだった「フツウにならなきゃ」という思いと地続きにつながっており、これこそが「不登校その後」の棚園さんを苦しめ続ける根っこ、言い換えれば「呪い」のようなものになっていたのではないかと、読みながら感じました。 今作では、中学生時代から現在までのおよそ四半世紀をふりかえります。中学校時代、中退してしまった定時制高校、上京した際のバイト先、イラスト講師などの仕事に就くなかで出会った9人の友だちとのやりとりを通じ、「ちゃんとした大人にならなきゃ」という思いから自由になるまでの過程が描かれています。「僕は不登校を『乗り越えた』わけじゃない」と棚園さんは言います。「フツウ」や「ちゃんとした大人」というものを自分のなかで勝手につくり上げてしまっただけなのではないか、と。  不登校経験者のなかには、不登校した過去を否定的に捉え、マイナス分を取り返すかのようにがんばりすぎて焦ってしまう子がいます。そうした子どもの気持ちを知るうえで、「フツウ」や「ちゃんとした大人」という自分の中に湧いてくる気持ちと向き合い、腑に落ちるまでを描いた今作は、大きなヒントをくれる1冊です。(編集局・小熊広宣) (初出:不登校新聞550号(2021年3月15日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### 精神薬の「やめ方」と使い方を児童精神科医が解説【書籍紹介】 - Published: 2021-03-31 - Modified: 2024-05-14 - URL: https://futoko-online.jp/books/3104/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 2021年4月1日号  心療内科や精神科などで処方される薬は現在100種類ほどあると言われていますが、その薬をめぐって悩まれている親は多くいらっしゃいます。  不登校の取材を続けるなかでも「学校から受診をすすめられた」というケースもあり、 「本当に子どもに服用させてよいのか」「薬の副作用が心配」などの声を聞くことがあります。今回ご紹介するのは、その薬について、やめ方と使い方に焦点をあてた1冊です。  著者で児童精神科医の石川憲彦さんは「薬はすべて毒」と指摘します。食べ物とちがい「必要量」がないためです。また「薬の作用はすべて副作用」とも指摘します。たとえば、鼻水止めを服用すれば鼻水が止まって快適になる一方、湿気によって守られていた粘膜を保護する物質の分泌を止めてしまうためです。  では、石川さんは薬を全否定し、自身が診ている患者に処方していないかというと、そうではありません。心療内科や精神科で薬が漫然と処方されている現状に警鐘を鳴らすとともに、もっとも大事なことは「投薬治療によるゴールを明確にすること」であると言います。  本書は精神科で処方される薬の分類やその副作用、薬の使い方・やめ方など、5章立てで構成されており、第3章では「子どもの成長と薬の関係」について取り上げています。  石川さんによると、子どもの脳は8歳ぐらいまで、その大きさや機能が変わっていくそうです。成長とともに変化するのは臓器なども同様であるがゆえに、子どもに薬を使用する際には、脳の発達だけではないさまざまなことを考慮しなければいけないと石川さんは言います。そのほか、本書では「薬を使うときに守るべき11の原則」や「薬をやめる際に大切な3つのこと」なども紹介。薬に関する「きほんのき」を知るうえでも、把握しておきたい知識がつまった1冊です。(編集局・小熊広宣) (初出:不登校新聞550号(2021年3月15日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### 発達障害の「グレーゾーン」をご存じでしょうか【全文公開】 - Published: 2021-03-31 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3094/ - カテゴリー: インタビュー, 不登校 - タグ: 無料記事, 発達障害, 2021年4月1日号 - ハッシュタグ: 発達障害 メイン画像:ライター・姫野桂さん  今回お話をうかがったのは、フリーライターの姫野桂さん。姫野さんは自身も発達障害の当事者として、発達障害に関する書籍のほか、当事者が直面する生きづらさを解消するためのライフハックを紹介・執筆している。姫野さんの子ども時代のエピソードや困っている子にどう接するべきか、うかがった。 * * *  「発達障害」という言葉は、ここ数年でさまざまなメディアに取り上げられてきました。私も発達障害についての書籍を数冊刊行しましたが、反響をいただくたびに、あらためて発達障害という言葉の広まりを感じています。  そもそも発達障害とは、生まれつきの脳の特性で、できることとできないことの能力に差が生じ、日常生活や仕事に困難をきたす障害のことを言います。発達障害は、ADHD(注意欠如・多動性障害)、ASD(自閉スペクトラム症)、LD(学習障害)の3種類に大別されています。  かんたんに症状を紹介します。  「ADHD」は、不注意が多かったり、落ち着きがない、多動・衝動性が強い。  「ASD」は、コミュニケーション方法が独特だったり、特定分野へのこだわりが強い。  「LD」は知的発達の遅れがないにもかかわらず、読み書きや計算が苦手。  なお、3種類のうち「これだけが当てはまる」という人はほとんどいません。障害の程度や出方は人それぞれちがうので、苦手なことも個々にちがいます。 算数があるから行きたくない  私自身も発達障害の当事者です。不注意が優勢のADHDと、計算が苦手なLDの特性を持ち合わせていて、幼いころから生きづらさを抱えてきました。  とくにLDの特性は顕著で、くり上がりやくり下がりのある暗算やパーセントの計算がパッとできません。速さや距離を求める計算も、紙に書いて電卓を使わないと解くことができないんです。  小学1年生から、みんながあたりまえに満点を取れるような計算テストでも、60点くらいしか取れませんでした。「こんなにがんばっているのに、なんでできないんだろう」という劣等感を抱え続け、小学4年生で算数の授業についていけなくなくなりました。  母親には「算数があるから学校へ行きたくない」と言っても理解してもらえず、学校は休ませてもらえませんでした。算数ができないのは発達障害のせいだとわかったのは、大人になってからです。  一方、コミュニケーションが... --- ### 期待を抱いていた中学校生活で私を待ち受けていたのは - Published: 2021-03-31 - Modified: 2024-10-29 - URL: https://futoko-online.jp/children/3090/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2021年4月1日号 - ハッシュタグ: いじめ, 中1ギャップ  今回の執筆者、腹痛が痛いさんは「中学へ行きたかったけど、行けなかった」という。不登校になるまでの経緯や当時の苦しみを書いていただいた。 * * *  小学校を卒業して間もないころ、「今よりきっと楽しいはず」と私は中学校生活に期待を持っていました。友だちの幅が広がることや、あこがれの吹奏楽部に入ることを楽しみにしていました。しかし、部活でのいやがらせや家族からのプレッシャーが原因で、私の中学での楽しい時間は長くは続きませんでした。  中学に入学してすぐ、私は念願だった吹奏楽部に入りました。第一希望だった打楽器を担当できることになり、うれしさでいっぱいでした。しかし、当時の私には一つだけ気がかりなことがありました。それは、小学5年生のとき、私にいやがらせをしてきた同級生も同じ楽器の担当になってしまったことでした。  最初のうちは、いっしょに登下校をしたり、楽譜の読み方を教えてあげたり仲よくやれていました。しかし、しばらくすると楽器を隠すなど、また私にいやがらせをしてくるようになりました。おそらく演奏の実力で私に置いていかれることが不安になったのだろうと思います。  いやがらせに苦痛を感じてはいましたが、当時の私はそれ以上に「たかだか同級生のせいで、あこがれだった部活を辞めるのは絶対にイヤだ」という強い思いを持っていました。コンクールの選抜メンバーにも選ばれていたので、早退や欠席をくり返しながらも、なんとか意地で私は半年間、部活に通い続けました。  しかし、しだいに朝起きることすらもツラくなり、結局、私は学校を休むようになってしまいした。学校を休みがちになると、同級生のいやがらせはますますエスカレートしていきました。「楽器がヘタで恥ずかしいから部活に来ない」「サボりだ」など部活で私のうわさを広め始めたのです。うわさが広まると、ほかの人からも私はいやがらせを受けるようになりました。  それでもどうしてもコンクールにだけは出たかったので、私は部活をがんばり続けました。そして、迎えたコンクールの当日。無事に出場はできたものの、本番の移動時に先輩から足を故意に引っ掛けられ、私はステージ上でつまずいてしまいました。  その翌日からいやがらせを受け続けることが怖くなり、部活どころか、学校すらも行く気にならなくなりました。そして、そのまま私は不登校になりました。  当時の私は部活動だ... --- ### 高校へ行ってと親は言うけれど、私は通える自信がなかったんです - Published: 2021-03-31 - Modified: 2024-10-29 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3080/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】私がぶつかった中学校の壁, いじめ, 2021年4月1日号 - ハッシュタグ: いじめ 連載「私がぶつかった中学校の壁」vol. 5  私にとっての「中学校の壁」はたくさんありましたが、そのひとつは「高校受験」でした。  私は中学に入ってから、中学卒業後のことまでは考えていませんでした。将来やりたいこともありませんでした。だけど時間は待ってくれず、あっというまに中3になり、進路希望の紙をくばられるようになりました。  私にとって、中学校はいじめを受け、友だちもできず、とても苦しい3年間でした。ただ生活しているだけで苦戦をした私が、高校へ行って、また3年間生活を送るのは、すごく不安でした。  また、勉強もできなかった私は通っていた塾でも「行ける高校はないよ」と言われていました。いろいろな不安を持ったまま進路の紙になんて書けばいいんだろうと悩みました。でも、思いつきません。三者面談のときも「進路、どうするの?」と聞かれましたが答えられないままでした。  自分がこのあと、どうしていきたいかがわからない。母親には「高校へ行ってほしい」と言われていました。でも自分には高校へ行ける自信がないし、行きたいと思う高校もありませんでした。中学での経験から、自分にはこれ以上、学校生活をおくることが想像できなかったのです。高校へ進学してもすぐ行かなくなるんじゃないか、という気もしていました。行かなくなるのにお金を払って入学しても意味ないな、とも思い、中学3年になっても1度も高校見学へ行かずに夏休みを迎えてしまいました。 でも夏休みも後半になったある日、ネットで調べていたら、「この高校なら行きたいかも」と思える高校が出てきました。それは私が得意でずっとやってきた、そろばんの部活がある高校でした。その高校には「文化・スポーツ推薦」というのがあり、そのなかにそろばん推薦で3名、入学できる枠があったのです。 1校だけを受験 合格したけれど  私はこの推薦入試に惹かれて、「この学校へ行きたい」と思い、三者面談で先生に伝えました。私の場合は、家にお金がなかったので、親から「学費が出せないので、都立高校一本にしぼって受験しなさい」と言われていました。だから私は、そろばん推薦のある学校1校だけを調べて、受験を決めました。  その後、無事に合格することができました。そのときはとても、うれかったのですが、同時に対人関係や勉強など、中学で苦しんだことに、また悩まされないかどうか不安でした。 結局... --- ### フリースクール代表が仮説を提言「実は不登校は増えていない」説 - Published: 2021-03-31 - Modified: 2024-10-07 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3101/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】仮説なんですが, 2021年4月1日号 連載「仮説なんですが... 」vol. 48  「じつは、不登校数は増加していないのではないか」。調査結果では、たしかに毎年不登校数は増加しています。しかし、その実情はちがうのではないか、というのが私の仮説です。  そう考える理由がふたつあります。ひとつ目は、長期欠席の項目が不分明であること。ふたつ目は、「不登校」という文科省定義自体の不十分さ、です。  まず、長期欠席の項目についてです。30日以上学校を休むことを「長期欠席」といい、その理由として「病気」「経済的理由」「不登校」「その他」の4つの項目から、学校はひとつを選択して回答することになります。  そうなると、複合的なケースはどうなるのでしょうか。2017年までの調査では「欠席理由が二つ以上あり、主たる理由が特定できない者」は「その他」に該当し、「不登校の要因を含んでいる者」の人数が出ていました。翌年にはその文言が消え、「その他」の人数が2000人ほど減ったのです。 ほかにも「病気」は、「自宅療養を行うことが適切であると児童生徒本人の周囲の者が判断する場合も含む」とあります。「その他」は、「保護者の教育に関する考え方、無理解・無関心」などの家庭の事情などが具体例としてあげられています。つまり、保護者が「休ませよう」と考えたら、「病欠」や「その他」にもなりうるのです。  これらに加えて、おそらく来年度の調査結果には、コロナ禍による出席停止扱いに含まれるべきはずのものが一定数あるかもしれません。 不登校の定義 現状では不十分  次に、「不登校」の定義の不十分さについてです。「不登校」は、「何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況にある者」と定義されています。これには、本人の明確な意思で学校を選択しない、という意味合いは含まれているのでしょうか。このようなことは、古くは(認可外の)インターナショナルスクール入学などでも問われてきました。  私たちのフリースクールに来る子は、ともすれば長期欠席のすべての項目に当てはまる場合があり、対応は日々複雑化しています。「不登校」という狭い範囲には収まりきれません。  あらためて、注目が集まりがちな不登校数ですが、本当に「不登校」は増えているのか。つまり、長期欠席の理由が「不登校」(だけ)なのかどうか、考え... --- ### 新学期目前、今の子どもの心境は。4つの行動パターンと対応方法【全文公開】 - Published: 2021-03-31 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3073/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 通信制高校, 無料記事, 2021年4月1日号 - ハッシュタグ: 通信制高校  新学期を直前に控えた今、不登校をしていた子はどんな心境を抱えているのでしょうか。不登校の子とともに歩んできた中村尊さん(フリースクール「クレイン・ハーバー」代表)に、子どもたちの心境と周囲に求められる対応をうかがいました。 * * * ――不登校の子どもたち、そして学校へ通ってはいるものの苦しさを抱えている子たちは新学期を前にどんな心境になっているのでしょうか?  小中学生の子どもたちに占める不登校の割合は2%弱です。また、学校へ行くのがつらい、苦しい子たちを「苦登校」と僕は呼んでいますが、苦登校の割合は3割や4割、あるいは半分くらいにものぼるんじゃないでしょうか。  「子どもは一人ひとりちがう」という大前提を忘れてはいけませんが、不登校と苦登校の子は、新学期を前にやる気や希望よりも不安や心配のほうが大きいと感じています。ただし置かれている環境で心境は少し変わるようです。  卒業などで環境が変わる子は、喜びだけでなく不安があります。不登校の子が過去を消化できていないと「学校へ行ってなかったから、これからの勉強についていけないかもしれない」と不安になってしまいます。苦登校の子は、これまでのつらい環境から解放されて、気持ちが少し楽になっているかなとも思います。しかし、新しい環境で「また同じような苦しみが待っていたら」と悩んでいるかもしれません。  一方、学年が変わるだけで環境が変わらないように見える場合であっても、不登校の子は、まわりが進んで自分だけが変化しないように感じてしまい、落ち込んだり自己嫌悪に陥ったりすることがあるんですね。苦登校の子も、いじめられている子なら「クラスが変わってもいじめられたらどうしよう」と不安を感じていますし、4月からもいじめという環境が変わらなければ、新しい1年も長く苦しいものとなってしまいます。 SOSは見逃しやすい ――不安を感じている子たちは、どんな行動をとるのでしょうか?  前提としてお伝えしたいのは、大人って「子どものSOSやサインを、見逃してしまうもの」ですし、「子どもの行動を、都合のよいように解釈するもの」なんですよ。そのことは子どもとの関わりのなかでは、いつも頭にとどめておいてほしいなと思います。そのうえで「環境を変えたくない子」「否応なしに環境が変わる子」「周囲からの期待を重く感じている子」「比較・評価されるのが苦しい子... --- ### 子どもの人権を守るために、子どもの居場所で取り組むべき4つのこと【全文公開】 - Published: 2021-03-15 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3111/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 無料記事, 2021年3月15日号 メイン画像:重松和枝さん  子どもに対する暴力や人権侵害は、いつ、どこでも起こり得ます。それは「学校外の居場所」も例外ではありません。フリースクールなどの「学校外の居場所」において、大人はいかにして子どもの安心と安全を守るべきか。子どもへの暴力防止に取り組むNPO法人「CAPセンター・JAPAN」の重松和枝さんにうかがいました。 * * * ――「学校外の居場所」にとって、子どもの安全を守るために、どのような取り組みが必要なのでしょうか。  大きく4点を挙げたいと思います。1つめは「子どもの安全を守るための共通の定義・認識を持つこと」。2つめは「子どもの安全を守るための正しい知識とスキルを持つこと」。3つめは「『もしも』に備えること」。4つめは「安心・安全な関係性のモデルをつくること」です。  以上の4点をひとつずつ、細かく見ていきたいと思います。まずは「子どもの安全を守るための共通の定義・認識を持つこと」。  とくにNPOなどの団体においては子どもの権利や安全について「組織としてどう認識するか」という点があやふやで、各スタッフがバラバラに認識していることもあるかと思います。子どもへの安全配慮が「個人の良識」に任されているわけです。そうではなく、団体としてしっかりと共通認識を持つことが必要です。  そのために、まずは「子どもの権利」という概念について団体全体でしっかりと考えることです。みなさん「子どもの権利」のために活動されていると思います。しかし、「権利」という言葉は非常に抽象的で、多くの大人が実体験を伴うかたちで学んできていないので、認識が各人でバラバラになってしまいがちなのですね。  また、大人だけが考えればいいのではありません。大人とともに、子ども自身が学んで考える機会をつくる必要があると思います。子どもは子どもだけのコミュニティをつくっていますから、そのコミュニティが安全な場であるためにどうすればいいか、ということを、子どもといっしょに考えていく。そうすれば、大人と子どもたちとで共通の定義や認識を持つことができ、何か問題が起きたときに、大人も子どもも「これは、おかしいよね」と気づくことができるのです。 小さな芽から気づけるように  加えて、「子どもの権利侵害」ということを広く捉える必要があります。「いじめ」「虐待」など、名前のついているものだけが権利侵害だ... --- ### 中学1年で不登校した私、新しい人間関係が壁に - Published: 2021-03-15 - Modified: 2024-05-10 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3119/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】私がぶつかった中学校の壁, 2021年3月15日号 連載「私がぶつかった中学校の壁」vol. 4  私の「中学の壁」は「新しい人間関係」です。  私の中学校は、4つの小学校から生徒が集まっていたので、新しい人間関係が生まれやすい環境でした。  入学式の日、となりの席の、ほかの小学校から来た男子(以下A)が、さりげなく私から自分の机を離しているのを見つけました。そのときは「たまたまかな」と思っていたのですが、その日以降も机を離され続けました。それと同時に、Aは私を避ける言動をするようになりました。廊下で鉢合わせになったときは引き返されたり、私が近くにいたら「うわっ、キモい」と言われたり、テストのときにAが私の席に座ることになったときは、当然のようにほかの人のイスと取り替える、など。Aはクラスのなかでリーダー的存在だったので、このことが広まって、ほかの人にも避けられるかも、と毎日不安でした。  小学校のときに仲がよかった友だちはちがうクラスになってしまい、距離が遠くなった気がして、相談はできませんでした。  それからもAからのいやがらせはずっと続いていました。そして中1の2月、いつもいっしょに帰っていた女子に校内で会ったので声をかけると、私を無視し、鋭い眼光でにらみつけてきました。今までは、会うと何かしら会話をしていたのですが、その日だけ急に態度が変わったのです。 しかし、下校前に会ったときはさっきの態度がウソのように「いっしょに帰ろう」と誘ってきました。コロコロ変わる態度にとまどいながらも断れずいっしょに帰ると、その帰り道は私とは、いっさい口をきかずに私を置いて帰っていきました。私は、自分はやはり嫌われているんだと感じました。そこで「もうあんな場所ですごしたくない!」と思い、次の日から学校へ行かなくなりました。 同級生が怖く  小学生のころは仲のよい友だちが何人かいて、休憩時間は外で遊んだり、男子含め多くの人としゃべったりして、楽しく充実した学校生活を送っていました。でも中学校に入ると、Aからのいやがらせなどによって「自分はキモい、避けられるような人間なんだ」と自分を否定するようになり、同級生と話すことが怖くなりました。  結局、Aが私を避けた理由は正確にはわかりませんが、おそらく私の容姿や態度が気にいらなかったのだと思います。それ以来、自分はどういうふうに見えるのかを今まで以上に気にするようになりました。「とりあえず... --- ### なぜ現在の支援は不十分なのか、ひきこもり経験者が考えてみた - Published: 2021-03-15 - Modified: 2024-10-28 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3141/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】仮説なんですが, 2021年3月15日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり 連載「仮説なんですが... 」vol. 47  私は不登校・ひきこもりを経験し、今は講演活動などに従事している。昨年「不登校が最多を更新」というニュースが流れたが、不登校・ひきこもりはなぜ増えたのか、そして今、どのような支援が求められているのか、私なりに考察したいと思う。  私は、不登校・ひきこもりが増えた理由を解くカギは、「バブル以前と以後での価値観の変容」にあるのではないかと考えている。   あくまで私見だが、バブル以前は、「他人にどう見られるか」を軸とした「他人軸」が価値観の中心にあったのだと思う。「他人からよく見られたい」「賞賛されたい」という思いから、みなが物質的な豊かさを求めたり、親は子を塾へ行かせ、偏差値の高い大学へ行かせたがった。高学歴であること、たくさんお金を稼ぐことが賞賛の対象となり、みながそこを目指した。 また、同調圧力のなか、他人とちがうことをしないようにして波風を立てないようにするといった行動規範もあった。このような他人を中心とした「他人軸」の価値観では、学校は非常に役に立った。同質的なサラリーマンを多数、育てるためにふさわしい場であったからだ。総じてバブル以前とは、同質性を前提として、その土台のうえで他人から賞賛されることを目指す時代だったのではないだろうか。 他人軸から自分軸へ  一方で、バブル崩壊以降、現在にいたるまでの価値基準は「自分軸」であると思う。物は飽和し、価値観は多様化した。そういった時代にあって、学校を経てサラリーマンになるといった教育に違和感をおぼえる人が増えてきた。さらに、若い人のなかでフリーランスや起業する人が増えている。お金や物質的豊かさを追求するための仕事ではなく、自己実現をするために仕事をする。そんな人が増えている。  このような価値観の変容が起きているにも関わらず、学校教育や支援のゴールはサラリーマンのような同質的な社会参加にとどまっている。このような「他人軸」を推奨して支援をする制度側と、「自分軸」で生きたいと思っている当事者のミスマッチが不登校・ひきこもりが増えている理由ではないか。  私は、これからの支援は当事者それぞれの自己実現を支援するものでなければいけないと思う。当事者が思いつくままに、好きなことを試し、それらをどのように収益化すべきかといった観点からの支援が必要だと思う。 ■筆者略歴/新舛秀浩(... --- ### 離縁するつもりで生きてきた私が15年ぶりに親と食事をした理由 - Published: 2021-03-15 - Modified: 2024-10-15 - URL: https://futoko-online.jp/children/3123/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2021年3月15日号  今回の執筆者、喜久井ヤシンさんは「15年ぶりに両親と食事をした」という。食事に至るまでの経緯や葛藤など、心のうちを書いていただいた。 * * *  私は、親と離縁するつもりで生きてきた。8歳で学校へ行かなくなったことを契機として、両親は大切な存在だったはずの私に手をあげ、子供の私を丸ごと否定するかのようなふるまいをした。  両親を含め周囲の大人たちは、私が学校へ行くか行かないかによって、態度が豹変したのだ。私という人間は同じであるのに、社会的な判断基準によって、人との関係が断絶される経験だった。  この経験は私に、どれほど優しい相手であっても人を信頼してはならないという、生涯の戒めを残した。私は同世代とほとんど交流のない10代を経て、20代には実家を出て一人暮らしを始めた。30代になった現在は自身の収入のみで生活している。  一人暮らしを始めてからは、両親とは年に2度~3度、事務的なメールをやりとりする程度だった。幼少期から抱え続けた両親に対する私の怨恨は根深く、まともに顔を合わせることなどできなかった。 だがその両親から、ある年の冬、「一度顔を見せに帰ってきてほしい」と連絡がきた。私は悩みながらも、帰省を承諾し、実家へおもむくことにした。  私が再会を選んだのは、両親と距離を置きつづけることが、日常生活に支障が出るほどの負担になっていたからだ。  親子関係は不規則な磁場のようなもので、無理に離れようとしても、うまくいかない。私は現在でも、幼少期の記憶にさいなまれることがある。親に対する怒りのせいで、真夜中に急に目を覚まし、寝付けなくなることもあった。  「このままでは、絶縁しても、死別をしても、両親の存在は私の人生の遺恨になる」。そう感じた私は、両親と再会することを決めた。別離したうえで苦痛を味わうよりも、再会したうえで苦痛を味わうほうが、まだしも耐えやすいように思えたのだ。  結果、私は両親と15年ぶりに食事をともにした。実家はおぞましい孤独をすごした現場であり、幾度となく自殺を考えた自室もあった。私は情緒不安定になる精神を抑え、実家に1時間程の滞在をした。他人からすれば短い時間に思えるだろうが、私には悲壮な勇気のいることだった。  両親とは他人行儀ながらも、表面上はたあいもない雑談をし、実家への短い帰省は終わった。口論になるようなことはなく、そして「和解」と... --- ### 「不登校で人生が終わった」と思っていた私が経験してきたこと - Published: 2021-03-02 - Modified: 2024-10-25 - URL: https://futoko-online.jp/children/3231/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2021年3月1日号  今回執筆したハヤトさんは、「不登校になって人生が終わったと思っていたけれど、そうではなかった」と言う。当時から今にいたる経緯や思いを書いていただいた。 * * *  私は、中学で不登校になったとき「自分の人生は終わった」と思っていました。しかし、不登校になったからといって、私の人生は終わりませんでした。そして、不登校から生きながらえた先で、私は体罰や友人の自死を経験しました。  中学3年生のゴールデンウイーク明けから、私は学校へ行けなくなりました。部活動で初めて副部長になり、責任の大きさに耐え切れなくなったこと。高校受験という未経験のプレッシャーに飲み込まれたこと。そして、新しいクラスにまったくなじめなかったことなど、不登校になった理由はいくつかあります。  当時はそれらの苦痛が合わさったことで憂鬱になり、何もかもが手につかなくなりました。両親の「勉強して『よい高校』へ行くべき」という期待に応えられない自分にも大きく失望しました。  学校へ行かず、自分の部屋で日々、もんもんとすごしながら「私は何もできない。思い描いていた、よい高校への進路もなくなった。不登校になって、私の人生終わったんだ」と心の底から思っていました。 結局、志望していた高校への受験はあきらめ、確実に受かる進学先を探しました。そして、私は不登校の子を受けいれている高校へと進学しました。 不安はあったが  高校に入学した当初は、毎日通えるか不安でいっぱいでした。しかし半年の不登校のブランクがありながらも、高校の授業に問題なくついていけたことで、自然と不安は消えていきました。  学校での生活に慣れ、「不登校で人生終わった。お先真っ暗と思っていたけど、あんがいそんなこともないのかも」と私は自分に対して思うようになりました。  しかし、そんな矢先、入部した部活で教師から体罰を受けるようになりました。  運動部だったので厳しい環境になることは、ある程度覚悟のうえでした。しかし、部活内では人格を否定されるような暴言や、指示通りに動けなかったときには暴力も振るわれました。「度を越えている」と私は感じ、毎日の部活動を苦痛に感じるようになりました。 そして高校時代のもっとも大きな出来事は、高校の友人の自死でした。はじめのうちは、友人に対し「どうして」という思いが拭えませんでした。私と会っているときは笑顔でいることが多... --- ### 無視、暴力、SNSでの悪口、経験者3名が語るいじめの昔と今 - Published: 2021-03-01 - Modified: 2024-10-28 - URL: https://futoko-online.jp/children/3214/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, いじめ, 2021年3月1日号 - ハッシュタグ: いじめ  文科省の最新の調査によると、小中高校で認知されたいじめは約61万件(19年度)と過去最多を更新し、6年連続で増加している。また今年1月には「大津いじめ自殺」をめぐる民事訴訟が結審した。今号では10代から30代の不登校経験者3名にご協力いただき、オンライン座談会を開催。経験者の語りから、学校におけるいじめについてあらためて考えたい。(司会・小熊広宣) * * * ――本日は3名の不登校経験者にお集まりいただきました。まずは自己紹介からお願いします。 ゆら 高校1年生、16歳のゆらです。いじめがきっかけで、中学2年生のときに不登校をしました。 みか みかと申します。28歳です。小学校で養護教諭をしています。私がいじめを受けたのは小学6年生のときですので、当時を思い出しながらお話できればと思います。 とし 私は中学生のときにいじめを経験し、不登校になりました。高校中退後、10年ほどひきこもった経験もあります。年齢は37歳で、としと申します。 ――ありがとうございます。つぎに、みなさんが経験されたいじめについて、お聞かせください。 ゆら 私の場合は部活内でのいじめでした。  私が住んでいたのは小さな町で、転校生でもやってこないかぎり、保育園から中学卒業までメンバーが変わりません。小中と同じ部活に入っていたんですけど、小学5年生のころから部活内で無視をされたり、陰口を言われるようになりました。  このときはまだ「いやがらせをされているな」という程度にしか考えていなかったんですが、中学に入って状況が変わりました。顧問や先輩に気にいられて、1年生でキャプテンを任されたんです。それから、いやがらせが過激になっていきました。LINEなどのSNS上で私の悪口が書き込まれるということもあったし、部活後の掃除を一人でやらされるということもありました。最初は耐えていたんですが、2年生の夏ごろには心も身体もズタズタになっていました。そこでやっと気づきました。「これはいやがらせじゃない、いじめだ」って。 みか 私のクラスには、女子のグループに1軍、2軍というランク付け、いわゆるカーストがあって、1軍の頂点にいる女子には誰も逆らえないという雰囲気がありました。  きっかけはよく覚えていないんですが、ある日、教室に入って「おはよう」と言ったら、クラスの女子全員から無視されたんです。「あ、なんか空気... --- ### 「不登校の理解が広がると同時に分断も深まる」説 - Published: 2021-03-01 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3237/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】仮説なんですが, 2021年3月1日号 連載「仮説なんですが... 」vol. 46  状態に呼び名がついてそれが定着すると、理解や支援が広まると同時に分断や差別も深まることがあるのではないかと考えています。  学校へ行けていない状態がいつからか「不登校」と呼ばれ、そして呼び名としての「不登校」が増えていきました。家や部屋から出られない状態がいつからか「ひきこもり」と呼ばれ、そして呼び名としての「ひきこもり」が増えていきました。 分断線になる定義  それらはあるときから定義されるようになりました。「病気や経済的な理由なく年間30日以上欠席した者が不登校」、「6カ月以上続けて自宅にひきこもっている状態がひきこもり」。支援体制を整えるために必要だった定義が、「不登校」や「ひきこもり」と、そうでない人とを分かつ線となり、定義のために必要だった呼び名が、あたかもその状態(や症状)にある個人を表している言語のように定着していきました。 「不登校」支援が広まると、学校へは行っているが苦しんでいる、いわゆる「苦登校」の人もいるという声を耳にするようになりました。今まで「不登校」と「そうでない人」で分かれていたものが、「不登校」と「苦登校」と「そうでない人」という3者に分けられるようになるのでしょうか。なんのために?誰のために? 「発達障がい」、「グレーゾーン」、「ニート」、「LGBTQ」、「○○依存」、「HSP」等々、病名や状態や症状がいり乱れて呼び名だけが氾濫し、テレビなんかでそれを見た私は何かわかったような気になっているのです。 そして、世の中にはこういう人もいるのかぁ、私とはちがうなぁと思ったりして、「そうではない人」だと思っている私は知らず知らずに線を引いていきます。「自分とはちがう」という線を。  その線は私の意識外で濃くなり、ただの呼び名を特定の個人に当てはめながら、よかれと思って無意識に分断し、理解しているようにそのことを話します。ただの呼び名なのに。相手はひとりの人間なのに。 救いになる定義  一方でそういった呼び名の定着は、知らなかった世界を知る機会となります。似たような思いを抱えている人たちと出会う機会になります。支援の充実につながります。その呼び名に出会うことで救われる人たちもいるのだと思います。  わかりやすい呼び名、必要な定義、わかります。でもその呼び名を口にするとき、本当に理解して呼んでいま... --- ### 「学校が求めるよい子にはなれない」軍隊のような校則になじめずに【全文公開】 - Published: 2021-03-01 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3226/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 無料記事, 【連載】私がぶつかった中学校の壁, 2021年3月1日号 メイン画像:町田和弥さん  文科省の調査によれば、不登校は約18万人。そのうち小学生は約5万人、中学生は約13万人です。中学校に上がると、勉強がむずかしくなったり、部活で上下関係ができたりと、小学校に比べさまざまな変化があります。不登校経験者たちはどんな壁にぶつかり、どのように感じたのでしょうか。不登校経験者に自身の経験を執筆してもらいました。 * * *  私がぶつかった「中学校の壁」は「校則」です。  私が登校していた、東京の西中学校(仮名・以下「西中」)では、朝の登校時間に毎日、しかめつらした先生たちが校門前にあらわれます。「おい、えりあしが長いぞ!」「耳に髪がかぶっているじゃないか、髪を切れ!」。朝から怒鳴り声が飛びかいます。そう、ここ西中では男子の頭髪はスポーツ刈りと決められているのです。  地元の床屋で「西中刈り」と言えばスポーツ刈りにしてくれるほど有名な校則でした。小学生のときはいつも床屋さんに「髪がサラサラできれいだね」とほめられていたものだから、「西中刈り」にとても抵抗を感じていました。  西中では頭髪以外にも、「大きな声であいさつをすること」「下着や靴下は白で統一」など、小学生のときにはなかった決まりがたくさんありました。身だしなみやあいさつなど規律を守ることを徹底的に指導されるものだから、「西中の生徒は礼儀正しくていいわね」と地域の住民からの評判は上々です。 連帯責任で説教  逆を言うと、規律を乱した生徒には容赦なく、生徒指導という名の怒鳴り声が飛びます。5時間目の終わり、帰りの学活でひとりでも校則違反の生徒がいれば、注意をしないみんなも悪いと連帯責任で延々とお説教が始まって、最後には決まって「けじめをつけろ」と怒鳴って終わり。シャツが腰からはみ出すことが、髪が耳にかぶることが、そんなに悪いことなのでしょうか。  戦場で戦う軍隊のように、ひとりの規律違反が全隊員の命の危険を招くという状況であれば、規律を守る意味も理解できるのですが、学校でそこまで規律を強制する必要はなかったように私は思います。私はこの軍隊のような学校の雰囲気に耐えられず不登校になりました。不登校の原因はもちろんそれだけではありませんが、少なくとも西中が求める「いい子」という型におさまることができず、毎日学校へ楽しく通うことは当時の私にはできなかったのです。  こうして私は学校と... --- ### 学校へ行かない息子を信じて待てなかった理由 - Published: 2021-03-01 - Modified: 2024-10-28 - URL: https://futoko-online.jp/parents/3201/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 会員限定記事, 親の思い, 2021年3月1日号 - ハッシュタグ: 不登校の親 「不登校の自分を受けいれてくれた。優しく接してくれ、葛藤がないように見えた」と息子は思っているようだ。今はよい関係、自然体で付き合えるので、よい記憶しか残っていないのではないかと思う。親が「信じて待てる」ようになったのだと思ってくれているのかもしれないが「信じて待つ」というのは、それほどかんたんなことではなかった。  息子は中学2年から学校へ行けなくなった。私自身、息子と関係する先生や学校に対する不信感が強かったので、学校へ行かないことに反対はしなかった。一方で、家にいる息子とどう接したらよいのかわからなくなっていた。家にずっといると社会に出るきっかけもなくなってしまい、よくないことだとも思っていた。少しでもヒントがほしいと思い、不登校の親の会に参加した。「何気ない世間話、あたたかい食事をいっしょに食べるなど、特別なことではなく『日常生活』をするとよい」と言われ、とにかく実践してみた。 待てなかった  不登校が始まってから1年、暴力やひどい幼児返りも収まり、不安定な状態から抜けられるかというころ、高校進学がチラついてきた。「定時制や通信制の資料だけでも集めるから」と言う担任の助言もあり、ついに居間のテーブルに高校の資料を置いた。あとから思うと、子どもが高校へ行きたいと言ったわけではないのに、私の都合でやってしまった。「待てなかった」のだ。 今でも忘れられないことがある。私が参加しているボランティアのワークショップの勉強会後の懇親会に参加したときのこと。隣に座った大学生に、私はなぜか不登校でひきこもっている息子の話をし始めたのだ。その大学生から「お母さん自身は子どもに対してどう考えているの?例えばどんな職業についてほしいと思う?」と聞かれた私は「分野はなんでもよいけれど、データを集めて調べたりする研究者がよいかな」と答え、涙があふれて止まらなくなった。飲み会の席なのに。「高校には行かない」と言っている息子にそんなことできっこないと思ったのか。初めて会う人にカミングアウトしてしまった私は大丈夫かと思ったのか。正直よくわからない。まわりの人たちは「たいへんだね、がんばったね」と慰めてくれた。私の答えが「息子がやりたいことをすればよい」ということでなかったのは、やはり「信じて待つ」ことができていなかった証拠だった気がする。  中学卒業後、息子は高校へ進学しなかった。しかし、... --- ### 「こんなのもわかんねーの」 先生の一言が今も胸につかえてます - Published: 2021-02-12 - Modified: 2024-10-17 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3931/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】私がぶつかった中学校の壁, 2021年2月15日号 - ハッシュタグ: 中1ギャップ 連載「私がぶつかった中学校の壁」vol. 2  私の「中学の壁」は「先生からの一言」です。  小学3年生のとき、担任の先生からの体罰により私は不登校になり、そのまま中学に上がりました。中学校入学という新しい環境に気分も変わり、1カ月くらいは休まずに通っていたと思います。  けれど、小学生のときにまったくやっていなかった勉強の遅れが埋まらず、わからない授業が多いのが苦痛でした。そして入学後、数週間が経った数学の時間に、先生から「忘れられない一言」が放たれたのです。  わからないまま進んでいく授業がイヤで、授業中、私の席の近くに先生が来たときに勇気をふりしぼって聞きました。「すいません、『四則演算』ってどういう意味ですか?」と。体中に汗をかくほど緊張しながら聞いたことをおぼえています。足し算や割り算といった言葉なら知っていましたが、「四則演算」という四字熟語はまったく知りませんでした。そのうえ、クラスメートたちは当たり前のように使っていた言葉だったので、「この言葉を知らないと、たぶんこの先ずっと、ついていけなくなる」と感じたからです。  先生からの返答は衝撃的なものでした。冷ややかな表情で「こんなのもわかんねーの」と言われたのです。緊張の汗が一瞬で冷えて、体中が冷たくなって泣きたくなったことをおぼえています。騒がしい教室のなかで、ひとりだけ落ちこぼれのような、自分がみっともないバカみたいな存在になったような、孤独感を感じました。  私は「怒られることに対し、異常なほど恐怖を感じる」という特性を持っていました。小学校のころから心に蓄積されていったダメージがそうさせていたのだと思います。だから大人に対しては、心にバリアーを張っていました。「何を言ってもムダ」とか「何か言えば怒られる」と思い、怒られないように生きてきたのです。しかし、中学の先生の一言はまったく予想していなく、無防備な心をまるごとえぐられたかのようなダメージを受けました。 心の傷に長く苦しみ  その後、「怒られることへの恐怖」に私は長く苦しみました。中学卒業後、声優になることを夢見て、専門学校や養成所に通い、プロとしてゲームに出演することもできました。しかし、「怒られることへの恐怖」から、結局夢を追うことを中断しました。  「怒られることへの恐怖」の捉え方が変化していったのは24歳のころ、自身の不登校時代と向き... --- ### 新年度直前でも入学受付可。過去最多を更新した通信制学校の人気とは。【全文公開】 - Published: 2021-02-12 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/others/3120/ - カテゴリー: インタビュー, others - タグ: 通信制高校, 無料記事, コラム, 2021年3月1日号 - ハッシュタグ: 通信制高校, 不登校の親  新型コロナウイルスの影響により、2020年度は学習環境が激変した一年だった。そうしたなか、学習が思うように進まず、進路に不安を感じている中学生も多い。はたして、新年度を2か月後に控えた今、このまま全日制高校に進学・進級していいのかどうか、と。そんなとき、一つの選択肢として挙がってくるのが通信制高校だ。通信制高校は、自宅など学校以外でも学習ができるため、通学の機会は少ない。通信制に通う生徒には不登校を経験した生徒も多いが、「時間を有効に使いたい」と考えるスポーツ選手や芸能活動を行なう生徒なども進路先として選ぶようになっている。文部科学省の調査によれば、通信制高校に在籍する生徒は5年連続で増加。ここ2年は連続で過去最多を更新し、高校生の15人に1人が通信制高校に在籍していることがわかった(2020年5月時点)。では、通信制高校は全日制高校とどうちがうのか。今から検討して願書を出しても来年度入学に間に合うのか。通信制高校などを10年にわたり取材している北澤愛子さんにお話をうかがった(編集長・石井志昂)。 ●通信制と全日制高校のしくみの比較 文部科学省「平成29年度 学校基本調査」より作図(通信制高校ナビ作成)   ●「通信制高校ナビ」北澤愛子さんに聞く ――通信制高校とはどのような高校なのか、その魅力や全日制高校とのちがいを教えてください。  高校は大きく分けて全日制高校、定時制高校、通信制高校と、おもに3つの教育課程があります。全日制高校は、平日は通学して朝から夕方まで授業を受ける形式。定時制高校は、おもに夕方から夜の時間帯に通学して授業を受けるスタイルで、日中は勤労している学生もいます。通信制高校は、通信教育による自宅学習がメインとなり、必要な通学日数が全日・定時よりも少ないのが最大の特徴です。  さらに、「サポート校」という通信制高校を卒業するための機関もあります。通信制高校は自宅学習がメインになるぶん、期限までにレポートを出さないと単位が取れないなど、自己管理能力が求められます。そこで、卒業に向けて勉強や精神面をケアしてくれる「サポート校」にも併せて通う生徒も多いです。サポート校は法律上、塾と似たような位置づけ。サポート校に通う場合は、塾に通いながら高校にも通うのと同じですから、そのぶん、別途学費がかかります。通信制高校が国や自治体からの就学支援金を受けられる一... --- ### 「よい場には、ちょうどいいゆるさが必要である」説 - Published: 2021-02-12 - Modified: 2024-10-07 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3140/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】仮説なんですが, 2021年2月15日号 連載「仮説なんですが... 」vol. 45  全国不登校新聞社には不登校やひきこもりの当事者・経験者でつくるグループ、「子ども若者編集部」がある。僕はその担当者として、5年ほど運営に関わってきた。  「子ども若者編集部」は当事者の生の声を紙面に反映すべく、メンバーによる月1回の編集会議を行なうほか、専用SNSでの交流などもしている。『不登校新聞』発刊当初から存在し、最初のメンバーは現・編集長の石井志昂ら。立ち上げたころは、会議に集まるメンバーが2名~3名という時期も、長くあったそうだ。  2年前から、「子ども若者編集会議」はプチリニューアルを行なっている。それまでは毎回、ほとんどなんの準備もせず、集まったメンバーと雑談をし、そのなかから企画が生まれてくればいいなあ、という感じの場であった。  今は、「どうやったらいい時間になるか」「どうやったら企画を気軽に提案しやすくなるか」など、毎回、数時間かけて検討している。約4時間にわたる編集会議のタイムスケジュールもしっかりつくる。おかげで、密度の濃い会議ができているように感じる。 密度の濃い場「劇場化」の懸念も  しかし、問題もあった。準備に時間をかけて、密度の濃い、よい場をつくろうとすればするほど、参加者にとってはただ「スタッフが提供するものを受け取るだけの場」になってしまうこともあったのだ。いわば、場が「劇場化」してしまう側面があった。せっかく不登校新聞社に来たのだから、参加者には、子ども若者編集部という場を使って、自由に記事を書いたり、企画を考えたりしてもらいたい、と個人的には思っている。『不登校新聞』という名前を使えば、あこがれの有名人にインタビューできるかもしれない。自分の不登校経験を記事にしたら、何千もの人に読んでもらえるかもしれない。しかしそれが、密度の濃さのおかげで阻害されているとしたら... ... 。  みんなが楽しく、おのずから発案や創意工夫が出てくるような場には、おそらく「ちょうどいいゆるさ」があるのだろう。決まりきった型がなく「私が自由にふるまっても許される」と思えるような「隙」のようなものが必要なのだ。これまでも意識してきたけれど、これまで以上に、そのゆるさをどう生みだそうか... ... 。いやいや、ちがう。意図的にゆるさを生み出すのでは、これまでと変わらない。計算せず、準備せず、メンバーに... --- ### ゲーム障害やネット依存症に不安を抱える親に読んでほしい1冊 - Published: 2021-02-12 - Modified: 2024-11-30 - URL: https://futoko-online.jp/books/3145/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: ゲーム・スマホ, 会員限定記事, 書籍紹介, 2021年2月15日号 - ハッシュタグ: スマホ依存, ゲーム依存, ネット依存, 書評, 吉川徹  わが子の不登校をめぐり、親を悩ませる問題のひとつに「ゲームやインターネットとの付き合い方」がしばしば話題にあがります。最近では依存や障害という言葉とセットで取り上げられることも多く、その危険性や予防方法などを指摘する記事や書籍も散見されます。「悪者扱い」されがちなゲームやインターネットですが、本書の著者である吉川徹さんは、これまでとはちがったポジティブな方向からこの問題に取り組むとおっしゃっています。  児童精神科医である吉川徹さんがいま夢中になっているのが「ポケモンGO」。この一言だけでも私個人は惹きつけられます。ゲーム好きの大人がゲームを擁護しているからではありません。大人として子どもが好きなゲームのことをよく知っているからです。  ゲームをめぐっては近年めまぐるしく変化しています。わが子が夢中になっているゲームについて、親はどれだけ把握しているでしょうか。たんにゲームとひとくくりにし、頭ごなしに否定してはいないでしょうか。本書の第1章では、多種多様なゲームのジャンルやプレイスタイルなどについて整理しており、具体的な作品名も挙げていることから、第1章を読むだけでも「子どもが好きなことの中身を知る」という上での大切な一歩になります。  つぎに私が注目したのは、大人と子どもで取り交わす「約束」です。「おしまい」の決め方や睡眠時間の確保といった10のコツが紹介されているほか、「ネットやゲームについての約束は子どもには守れないという前提で関わることが大事」「約束には副作用もある」という指摘も各家庭にあったかたちで「約束」を築いていく際の大きなヒントになると思います。(編集局・小熊広宣) 『ゲーム・ネットの世界から離れられない子どもたち』/吉川徹/1800円(税別)/合同出版/(TEL)03-3294-3506 (初出:不登校新聞548号(2021年2月15日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### ひきこもりながら働いています。ひきこもりを雇うIT会社の挑戦【書籍紹介】 - Published: 2021-02-02 - Modified: 2024-10-28 - URL: https://futoko-online.jp/books/3194/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 2021年2月1日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり  「ウチらめっちゃ細かいんで」。通称「めちゃコマ」。なんとも不思議な名前ですが、れっきとした株式会社の社名です。「めちゃコマ」とは、いわゆるIT関連の会社ですが、スタッフの主体はひきこもり当事者や経験者。現在は完全な在宅勤務で30名近い人たちが働いているというちょっとめずらしい会社です。「ひきこもり×在宅×IT」を通じ、生きづらさを感じているけど仕事はしたいと思っている人たちが安心して働けるように、との思いで設立されました。  「めちゃコマ」を立ち上げた佐藤啓さんには、ひきこもりのいとこが2人いて、そのことがいつも頭の片隅にひっかかっていたと話します。そして、ひきこもりの当事者会や経験者の集まりやイベントに何度も足を運び、あることに気づきます。  ひきこもり当事者・経験者の細やかさです。「その細やかさは重箱の隅をつつくようないやらしいものではなく、仕事をすすめるうえで本質的に必要なもの」という考えから社名にまでしてしまったわけです。  「めちゃコマ」ではスタッフを採用する際、履歴書の提出や面接などは行なっていません。「履歴書の空白」や「面接での緊張」を気にする当事者の安全と安心を担保するための方針で、その代わりに1カ月程度のボランティア研修を実施しています。また、在宅勤務ゆえ体調やメンタルに関する報告も天気予報の降水確率のようなパーセントで表してもらうといった、独自の取り組みも本書で紹介しています。働き方も「正社員」のみならず「単価制アルバイト」「時給制アルバイト」「単発の業務委託」「契約社員」など、自分のペースで働けるような枠組みを設けているのも特徴のひとつです。コロナにより、働き方そのものが問われるなか、いろいろな取り組みをしている会社があることを知っていただければと思います。(小熊広宣) 『株式会社ウチらめっちゃ細かいんで』佐藤啓 1500円(税別) 株式会社あさ出版 (TEL)03-3983-3225 --- ### 「仕事がまるで続かない」漫画家・永田カビが見つけた苦しみの源【全文公開】 - Published: 2021-02-01 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3181/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 無料記事, 2021年2月1日号  生きづらさを抱えてきた漫画家の永田カビさん。「誰かに抱きしめられたい」という思いや、自身の葛藤と体験、家族関係までを赤裸々に描いた漫画『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』は生きづらさを抱える多くの人から共感を得ました。なぜ自身の人生を包み隠さず漫画に描くことができたのか、永田さんが漫画に込めた思いを、不登校経験者の伊藤歩さんが聞きました。 * * * ――永田さんはなぜ、ご自身のプライベートを漫画に描こうと思ったのですか?  最初からプライベートを描こうと思っていたわけじゃありません。自分のことを漫画にするまでは何をやってもうまくいかなくて、追いつめられた結果、自分の話を描くことにしたんです。  最初は自分のことではなく、物語を描く漫画家になりたくて、漫画雑誌の新人賞に投稿していました。ですが、かすりもしなかったんです。  当時は大学を中退したあとだったので、漫画家としてデビューしたいと思いながらも「何かしら働かなくてはいけない」とは思っていました。それでアルバイトをするんですけど、これもまったくうまくいかなかったんです。最初は楽しく働くことができました。でもしだいに働き続けることがつらくなってきて、遅刻・早退が増えて、結局やめてしまったり、面接にすら行くことができなかったりすることを何度もくり返していました。  また、アルバイトのほかにも、正社員になるために就職活動をしていた時期もあります。というのも、正社員にならないと、一人前の大人として母から認められないと、私は思っていたからです。私は他人からの評価でしか自分を認めることができませんでしたので、とくに母から認めてもらうために、就活を一生懸命がんばりました。だけど、自分のやりたいこともわからないまま面接に挑んでいたためか、結局、正社員として採用されることはありませんでした。 ※「さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ」(イースト・プレス)より  バイトは続かない、正社員にもなれない。「自分は何もできないんだ」という思いから、私は心身ともにボロボロで「もう限界」という状態になってしまいました。  どん底の状態で生きているうちに、自分のなかで「私には〇〇する資格がない」「〇〇したらバチがあたる」という気持ちが生まれてきました。成人しても「私なんかがお酒を飲むなんて、してはいけない」、買い物に出かけても「私なんかが... --- ### 中学に上がると不登校は倍増、経験者がつづる「中学校の壁」 - Published: 2021-02-01 - Modified: 2024-10-28 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3170/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】私がぶつかった中学校の壁, 2021年2月1日号 - ハッシュタグ: 中1ギャップ  今号より不登校経験者によるリレー連載「私がぶつかった中学校の壁」を掲載いたします。2019年度の調査では、小中学校の不登校約18万人のうち、小学生は約5万人、中学生は約13万人でした。中学校に上がると、勉強がむずかしくなったり、部活で上下関係ができたりと、小学校に比べさまざまな変化があります。不登校経験者たちはどんな壁にぶつかり、どのように感じたのでしょうか。 * * *  私の「中学の壁」は「制服のスカート」です。  私の通った地元の公立中学校には、ご多分に漏れず、制服がありました。硬くて、ひざ下まである長いスカートと、硬い上着です。上着のほうは、肩が少しだけ動かしづらいだけでした。でも、スカートは、本当にたいへんでした。  硬くゴワゴワしていて、気持ちが悪かったし、なんだかチクチクして、かゆかったのです。なによりつらかったのは、スカートをはいていると、よく転ぶようになった、ということです。  小学生時代の私は「運動能力証」という、運動能力が優れている証をもらえるくらい、運動ができたのです。とくに持久走などでは、負け知らずと言っていいほどでした。 しかしそんな私でも、制服の長いスカートをはいていると、信じられないほどよく転んだのです。登下校中に転びすぎて、スカートの膝の部分が破れたので、親などにいじめを心配されたほどです。  小学生のときは、動きやすいズボンか、たまに短い膝上丈のスカートを履いていました。しかし小学校4年生のときに一度、スカートを履いて転んだことがあったので、それ以降、スカートは履かないようにしていました。 制服を着て歩くときは、転ばないだろうかということを心配して、精神的にも、体力的にも非常に消耗しました。そして制服を着て学校へ行くことが憂鬱になりました。私が中学1年生の1学期で学校へ行かなくなったのは、制服だけが理由、というわけではないのですが、制服も確実に理由のひとつに数えることができます。 私だけじゃない 制服のツラさ  私はだいぶ不器用なほうでしたから、それでよく転んだのだと思います。だから「もしかしたらスカートの制服がツラかったのは自分だけだったのでは」と思うこともありました。でも、大学の授業で、制服の是非についてクラス全体に問われたとき、ほとんどの女性の学生は、スカートの制服は動きづらいし寒いし痴漢にあったりしてイヤだったと言ってい... --- ### 「もう行きません」15歳の少女が学校と決別した理由【全文公開】 - Published: 2021-02-01 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/children/3148/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 無料記事, 当事者の声, 2021年2月1日号 「学校へ行くことはきっぱりやめました。何もわだかまりはありません」とすがすがしく語る15歳のすみれさん(仮名)。すみれさんが「学校をやめる」と決めた理由、今をどのようにすごしているか、これからやりたいと思っていることなどをうかがいました。 * * * ――すみれさんが学校へ行かなくなったのは、いつごろからですか?  中学1年生の2学期からです。もともと、小学校のころから学校がキライでした。小3のときにクラスが荒れはじめ、いつもさわがしい子たちがいて、「うるさいなあ。もう、うんざり」と思っていたんです。それでも中学生になったら環境が変わるかもしれないという淡い期待がありました。  しかし、中学にもうるさい人たちはいて、教室は荒れていました。そのうえ、「先生に従うのが絶対」という雰囲気があり、生徒への締めつけがきびしい。入学してからがんばって通いましたが、1学期の終わりごろには、嫌気がさしてきたんです。  また、人間関係を割り切ったことも、学校と決別した理由の一つです。小学生のときからずっと仲がよかった女の子の親御さんから、「本当はあなたの言動で傷ついていた」と言われたことがありました。そうしたトラブルがあると、「人間関係ってたいへんだな、うまくいかないな」と私はいちいち引きずって悩むタイプでした。しかしあるとき「もういいや」と吹っ切れるきっかけがありました。  それは、あまり人間関係のトラブルに巻き込まれていない子がどんなふるまいをしているのか、気づいたことです。その子をよく観察していると、誰にでも同じ態度をとっていました。本人に話を聞いてみても、「とくべつ親しい人とか、キライな人とかはいない」と言うんです。そのとき、「人間関係に悩まない人もいるんだな。私は、人と上手に付き合うことができないタイプだ」と思いました。そして「人間関係をつくることがヘタな星のもとに私は生まれたんだから、うまくやろうとするのはもうあきらめよう」と思ったんです。  夏休み中に、あらためて自分に学校は必要かどうか考え、「学校をやめる決断」をしました。結局、私にとってたしかだったのは「もうあの場にはいられない」ということだったのです。 もう行きません ――「学校をやめる」ということを、親や学校にはどのように伝えたのですか?  ストレートに、「もう学校へは行きません」と言いました。さいわい、親は不登... --- ### 皆勤賞だった僕が不登校になるまでに起きたこと - Published: 2021-01-19 - Modified: 2024-10-28 - URL: https://futoko-online.jp/children/3150/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2021年1月15日号 - ハッシュタグ: フリースクール メイン画像:たいきさんが通っている「フリースクールネモ」のようす  2020年11月23日に開催されたオンラインシンポジウムの講演抄録を掲載する。主催は「フリースクールネモ」。小学生と中学生の子どもが自身の不登校やフリースクールに来てからのことなどを語った。 * * *  はじめまして。名前は、たいきです。15歳です。僕が不登校になったのは小学5年生の冬休みに入る直前でした。それまでずっと皆勤賞だったので「あぁ、途切れちゃうな」と思ったのをおぼえています。  小学校でソフトボール部に入っていたんですけど、先生の期待がだんだんプレッシャーになってきてしまって。まわりに気軽に相談できるタイプじゃなかったから、自分のなかにどんどんストレスが溜まっていってある日爆発した、という感じです。「爆発した」と言っても、モノを投げたりということはけっこう時間が経ってからでした。最初のころは、とにかく怖かったんです。朝起きた直後に「学校へ行きたくない」って思っちゃう。皆勤賞がチラつくから、なんとかがんばろうと思うんだけど「怖い」という気持ちがぬぐえなくて。 身体が重くて  中学生になり、4月なかばごろまでは中学校に通っていたんですが、しだいに行けなくなりました。  まわりは優しいし、小学校のときのような理由もなくなったけれど、身体がだんだん重くなっていく感覚がずっとあって。「明日は学校だ」と考えるだけで気がめいってくるんです。なぜ学校へ行けないのか、その理由は今でもよくわかりません。  フリースクールという場所があるということは知っていたんですけど「イヤだ、絶対に行きたくない」と思っていましたね。ただ、中学1年生の終わりごろに「行ってもいいかな」ってふと思ったんです。「フリースクールネモ」の体験見学に行った日に「あ、僕はここに通うだろうな」ってすぐに思いました。それまではずっと家に居て、学校や将来のこととか暗いことばかり考える毎日だったんですが、「ネモ」ですごすことでそういう時間が少なくなるんだろうなって。  「ネモ」に来た当初は緊張しっぱなしだったんですけど、同年代の人たちが話しかけてくれるうちに、しだいとまわりとも打ち解けられたと思います。ただ、いま思うのは、いちばん大事だったのは「時間」だったんじゃないかなと思います。「どっか行ってみようかな」とか「人と話すのが楽しいな」と思えた... --- ### 「息子たちの不登校はギフト」出世コースも諦めて感じた豊かさ - Published: 2021-01-15 - Modified: 2024-10-28 - URL: https://futoko-online.jp/parents/3186/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 会員限定記事, 親の思い, 2021年1月15日号 - ハッシュタグ: 不登校の親  今回は、2人のお子さんが不登校をしているという、むらきちさんにお話をうかがった。不登校について、父親としてどう向き合ってきたのか。率直な本音をうかがった。 * * * ――お子さんが不登校したいきさつは?  長男が学校へ行かなくなったのは小学4年生の12月ごろでした。きっかけとしては、宿題が苦痛だったことが大きかった。もともと漢字の書き取りが大好きな子だったんですが「とめ、はね、はらい」に厳しい先生が担任になってからというもの、何度も何度もやり直しさせられる。長男がその理由を聞いても先生は答えてくれないことも納得できなかったんでしょうね。  また「落ち着きのなさ」という特性もあったせいか、長男の席はいつも教卓の横でした。長男にとって非常に屈辱的だったと思います。そうした先生のやり方や学校システムに対する不満や疑問がずっと蓄積していたんだろうと思います。 ――その後、お子さんから「学校へ行きたくない」と?  いえ、その一言が長男はなかなか言い出せなかったんです。「足が痛い」「お腹が痛い」などシグナルは出していました。なにより元気がなくなり、顔も青白くなっていく。4年生の授業参観のときのことを今でも覚えているんですが、授業に対しても消極的で楽しそうじゃないことが手に取るようにわかる。  もしかしたら「学校へ行きたくないなんて言ってはいけない」という思いが長男のなかにあったのかもしれません。「行きたくない」という学校に対する「NO」をなかなか言えない長男をどう支えるか。じつのところ、そのほうがたいへんでした。  僕は福祉職で、不登校の子どもたちとも接していましたし、フリースクールなどの学校外の居場所があることも知っていたので「本当は学校へ行きたくないんじゃないの?」と問い続けました。その後やっと不登校になるわけですが、長男はすぐさま「フリースクールへ行きたい」と言い出しました。不登校になる以前にいっしょにテレビで見ていたのを覚えていたんです。学校の代わりとなる居場所がほしかったのかもしれません。 ――お子さんがフリースクールに通い始めてからは?  フリースクールのことはすぐに気にいったみたいですね。長男自身、悩みに悩んで絞り出した学校への「NO」をきちんと受けとめてくれる居場所に出会ったこと、これが大きかったんだと思います。  そういえばあるとき、長男が「僕さ、学校にい... --- ### 「都会の人ごみがうらやましい」田舎で始まった僕の不登校 - Published: 2021-01-15 - Modified: 2024-05-13 - URL: https://futoko-online.jp/children/3182/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2021年1月15日号 メイン画像:地元で写真を撮るみやもとたかひろさん  僕は岡山県の田舎で育ち、高校1年生のとき不登校になった。僕が住んでいたのは、家のまわりが畑や田んぼばかりで、車がないとコンビニにすら行けないような、ど田舎だった。そんな田舎で不登校になるって、本当にめんどくさい。  僕の田舎は、相手の苗字を聞くだけで、その人の三世代上のおじいちゃんの名前までわかってしまうような狭いコミュニティだった。僕の苗字「みやもと」を聞くと、地元の人たちは決まって言う。「みやもとくん? ひょっとして、お父さんは○○に勤めてる? おじいちゃんは昔、○○で仕事をしてたでしょ?」。 ... ... 当たっている。すべて当たっている。ほかにも、みやもと姓の世帯は何軒かあるのに、まちがわれたことがない。おそらく地元の人たちの頭のなかには、僕の家だけではなく、ほかのみやもと世帯の家族構成までもインプットされているのだろう。  何も話していなくても、たとえ僕が相手のことを知らなくても、相手はすでに僕のことを知っている。これだから田舎は怖い。僕はこういう田舎の狭さを経験するたびに「都会で生まれたかったな」と心底、思っていた。 隠し通せない  コミュニティの狭さは、地元の友だちに関しても同じだった。僕の中学校の同級生は50人ほどで、幼稚園からずっといっしょだった。地元には大学もあったので、人によっては高校や大学まで同級生として同じ時間をすごす。そんな全員が幼なじみのような環境で、自分の不登校を隠し通すことは不可能だった。  僕は高校の授業カリキュラムについていけず、高校に入学して2カ月で不登校になった。すると、すぐに「みやもと、学校へ行ってないらしいよ」と僕の話はまたたく間中学の同級生のあいだで広まった。  不登校になってからしばらくと経つと、僕の不登校情報を聞きつけた友だちが突然、家にやってくるようになった。彼らは、こちらの事情はお構いなし。話せば元気になるとでも思っていたのだろうか。「早く学校来いよ」と言われ、「うん、まぁ... ... そのうちな」とあたりさわりない会話をする。  僕は玄関先で会話をすませ、けっして友だちを家のなかには入れさせないようにしていた。会話も極力広げないように努めた。家が聖域と言うとおおげさかもしれないが、侵されたくないテリトリーの境界線が玄関だった。田舎の狭いコミュニティや学校... --- ### 「不登校」ではなく「不来校」を問題にすべき説 - Published: 2021-01-15 - Modified: 2024-10-28 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3195/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】仮説なんですが, 2021年1月15日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり 連載「仮説なんですが... 」vol. 43  「不登校」は何十年も前から、子どもの側に問題があるかのように捉えられてきた。統計調査やニュースでも、「不登校が最多を更新」というと、問題児が増えたように感じられる。私は小学校からの「不登校」で、自分の経験を何回も考えてきたけれど、やはりこの捉え方はおかしいと思う。  社会が取り組むべきなのは、「不登校」ではなく「不来校」の問題だと思う。「登校しない子ども」に、問題があるとはかぎらない。自宅でいきいきとすごしている子もいれば、フリースクールで学習している子もいる。 義務教育とは  文科省も、2016年に「不登校は問題行動ではない」と明言している。義務教育は、「大人が子どもに教育を受けさせる義務」のことで、「子どもが学校へ行く義務」ではない。ひとりの子どもの「不・登校」自体に問題はないはずだ。  それでも問題にされてしまうのは、子どもが学校へ行かないことで、就学や就労の格差が広がってしまうためだろう。ひとりの子どもだけの話ではなく、大勢の子どもたちが、適切なかたちで「学校に属せない」ことが問題視されている。 これは大人が用意した教育制度(学校)に、「大勢の子どもたちが来校しない」こと、つまり「不・来校」の問題ということだ。 責任の所在 個人から制度へ  取り組むべきなのは、「不登校」ではなく「不来校」だ。メディアは子どもの側に「不登校の原因」を聞くのではなく、大人の側に「不来校の原因」を聞いてほしい。「不登校」の原因が「いじめ」だとしても、「不来校」の原因は「いじめを生み出す学級制度」であるとも考えられる。「不登校児が約18万人いる」というニュースも、「不来校が約18万件ある」と言い換えるだけで、教育制度の課題だということがわかる。  「不登校」を問題視するかぎり、不登校の子が18万人いても、一人ひとりの子の責任、一人ひとりの親の子育ての責任になりかねない。しかし「不来校」は社会全体で取り組むべき課題であり、ひとりの子、ひとりの親が責を負うものであるはずがない。責任を負うべきなのは「不来校」の問題を生みだす日本社会のはずだ。   「不登校」の解消ではなく「不来校」の解消へ。この言い換えは、ちょっとしたコペルニクス的転換だと思う。 ■筆者略歴/喜久井ヤシン(きくい・やしん) 詩人・ライター。ひきこもり当事者メディア『ひきポス... --- ### 子どもの「社会的自立」のために大切にしたい2つのこと - Published: 2021-01-15 - Modified: 2024-10-28 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3175/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】すまいる式 子どものわかり方, 2021年1月15日号 - ハッシュタグ: 不登校の親 連載「すまいる式 子どものわかり方」最終回  今回が連載最終回となります。貴重な機会をいただきましたこと、読んでくださった多くの方々に感謝申し上げます。ありがとうございました。  さて、今回のテーマは「社会的自立」です。文科省の「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(2019年)において、不登校児童生徒への支援は、社会的に自立することを目指す必要がある、と記されています。  では、「社会的自立」とはなんでしょうか。これについては、2005年に内閣府から出された『若者の包括的な自立支援方策に関する検討会報告』に概念が示されています。それによると「社会的自立」とは、職業的・精神的・経済的自立とあわせて、日々の生活や社会に関心を持って公共に参画しているかどうかなど、多様な側面を含むものだとしています。そのうえで「人々の生活様式や価値観が多様化した現代の我が国においては、自立の在り方は一様ではない。すなわち、自立しているかどうかは、個人個人について、その置かれた家庭環境、経済状況等の社会的状況などに応じて判断されるべき問題であり、また、自立に向けた支援の必要性やその程度についても、個々に判断されるべきことがらである」。「若者の自立についてみる際には、常に若者一人ひとりにとってふさわしい在り方を考える必要がある」としています。  「一人ひとり」ということを考えたとき、私は、近代の思想家・内村鑑三を思いうかべます。彼は、「独立」というユニークな言葉をもちいて、「独立」に必要なことをふたつ挙げました。ひとつは、自己に頼ること。もうひとつは、人を信じることです。 頼る・信じる  では、どうやって自己に頼ることができるでしょうか。それは、まず自分自身を受けとめることです。内村は「外に目を向けず内なる宝があることを知りなさい」そして、「自分は弱くないことを知りなさい」と言います。不登校で否定的になっている子にとっては難しい考え方かもしれません。でも、一歩を踏み出した子は、そこに気づき、揺るがない芯を持ち得るのです。  また、人を信じられる子になるにはどうしたらよいのでしょうか。内村が「信頼は信頼を生む」と言うように、子どもは、誰かに信じられてこそ、人を信じることを知るのだと思います。「信頼をもって接すれば信頼をもって応ずる」。信頼にもとづく対等の関係です。そのように、近すぎ... --- ### 「信号待ちの間に車から逃げた」11歳が語った自分の不登校 - Published: 2021-01-15 - Modified: 2024-10-28 - URL: https://futoko-online.jp/children/3157/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, いじめ, 2021年1月15日号 - ハッシュタグ: フリースクール  2020年11月23日に開催されたオンラインシンポジウムの講演抄録を掲載する。主催は「フリースクールネモ」。小学生と中学生の子どもが自身の不登校やフリースクールに来てからのことなどを語った。 * * *  小学5年生のはるとです。11歳です。「ネモ」には2020年の8月から通っています。  僕は小学3年生の終わりごろから本格的に学校へ行かなくなりました。きっかけはいじめです。1年生のころから悪口を言われたり、ボールを投げつけられたり、ずっといじめられていて、学校が怖いという気持ちがどんどん大きくなってしまいました。それだけじゃなくて、自分以外の人がいじめられているのを見ているのもつらかったです。いじめられるつらさはすごくわかるから。  学校へ行かなくなってからの1年間は、家でゲームづくし(笑)。  赤ちゃんのイヤイヤ期のように、外へ出ることも拒否して、家にひきこもっていました。  そんな僕のことを親はいつも心配してくれました。気持ちがモヤモヤして、自分ではどうにもならなくなってしまって暴れちゃうこともあったけど、親はとにかく「大丈夫だよ」「大丈夫だから」と言って慰めてくれました。  ただ、最初のころには親に連れられて車で学校へ行ったこともあります。絶対に行きたくなかったから、信号待ちで停車しているあいだにガチャとドアを開けて逃げたこともある。親もいろいろ心配してくれているのはわかるんだけど、無理やり連れて行かれたことはイヤでした。 自由にできる すごくいいな  「ネモ」に通うようになって、いちばん感じているのは「自由にできるって、すごくいいな」ということ。「ネモ」では何かするのも、どこかに出かけるのも、みんなで話し合って決めていくんです。  でも、学校だとやることが決まっているから、あまり話もせずに「はい、みんなでやりましょう」ってなっちゃう。やりたいことを自分たちで決める、これがすごく気にいっています。  「ネモ」で楽しいことと言えば、やっぱりゲームですね。みんなで協力しながらやるゲームが楽しいし、「この人はどんなプレイをするんだろう」というのを見られるのも楽しい。ほかには、マンガも読めるし、ドラムやギターなどの楽器もあるから、ちょっとやってみようかなって思える。そういうワクワクがあるんですよね。  「ネモ」に通うようになってまだ数カ月だけど、自分を責めることが... --- ### 「1日でも早く学校に戻さねば」私のやり方は逆効果でした - Published: 2021-01-15 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/parents/3164/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 親の思い, 2021年1月15日号 - ハッシュタグ: 通信制高校, 不登校の親  息子は現在20歳の大学1年生です。不登校が始まったのは中学2年生になってすぐのころでした。  中学生というのは成長にともない、気持ちが不安定になり、人間関係やいろんなことで悩む時期。ときに親子でぶつかることもあるだろうと覚悟はしていました。  しかし、不登校になるとは思ってもいませんでした。とにかく、この子を1日も早く学校に戻さねばと家族も、学校の先生たちも、一生懸命でした。 学校からどんどん遠ざかる息子の足  ですが、息子の足は学校からどんどんと遠ざかっていき、学校へ戻る気配はありませんでした。こんな状況にうんざりすることもありました。結局、中学校には戻れないまま卒業。もちろん卒業式にも出席しませんでした。  卒業後は通信制高校へ進学。最初はがんばって登校していましたが、1年生の終わりごろにはまた行かなくなり、次年度は休学することになりました。  高校休学時は以前の私のように、無理に学校へ戻ってほしいとは思いませんでした。というより「あきらめた」と言ったほうが正しいかもしれません。まわりがジタバタしたところで何かよくなるわけではないことは、ここ数年のことでわかってきました。学校へ戻すことより、元気のない息子が少しでも楽しく、前向きにすごせることを考えました。  そのためには、まずは親の私が抱えているこの暗い気持ちをなんとかしなくてはと思い、友人と出かけたり、趣味を楽しんだりしました。  また、家にいる息子をたびたび誘い出し、2人でドライブやランチに出かけたりもしました。家にばかりいるのに飽きたのか、食べ物に釣られてか、息子も出かけることはいやがりませんでした。私もいっしょにランチに行く相手ができて、さいわいでした。 高認から大学受験 本人に任せてみた  そんな日々をすごしていくなか、息子も少しずつ今後を考えているようでした。通信制高校を休学して半年ほど経ったころ、高卒認定試験を受験し合格。通信制高校を退学し、浪人生活を経て大学受験をしました。  どちらの受験のときも、するもしないも本人にまかせてそっと見守るようにしました。  そして昨年、新型コロナウィルスの流行が始まったなか、大学生になりました。大学へ行くのは週2日程度、あとは登校せず自宅でリモート授業を受けています。  学校で授業を受けるというあたりまえだと思っていたことがこのコロナ渦で大きく変わりつつありま... --- ### 不登校からの進学、親として考えるべきポイントは - Published: 2020-12-24 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3203/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 【連載】すまいる式 子どものわかり方, 2021年1月1日号 - ハッシュタグ: 通信制高校, 不登校の親 連載「すまいる式 子どものわかり方」vol. 39  今回のテーマは「高校進学で『どこに行くか』よりも大事なこと」です。  次のような相談がありました。「中学3年の娘がいるのですが、学校の進路指導で、通信制高校を勧められました。私もいろいろと調べてみると、すてきな学校が多いことがわかりました。また、今のわが子の状態では、全日制高校の学校生活を送ることはむずかしいと感じているので、ある程度、自由にできる通信制には賛成です。しかし、娘はあまり乗り気ではないようです。そうかといって、志望校を聞いてもはっきりしません。このままでは進学できるか心配です」。  この相談についてのポイントは2点です。そもそも高校進学をどう捉えるのか。そして、通信制高校について、です。  まず、高校進学について。文科省の諮問機関「中央教育審議会」(中教審)の1991年答申に次のようなことが書いてあります。「高校進学が社会的強制となっている現在、かなりの数の不本意入学者が出現するのはある程度避けられないが、中学校、高等学校や親の側にも責任の一半があることは否定できない」、「偏差値に大きく依存した(中略)進路指導は、反面、余りに夢のない不自由な現実を生徒や親に強いることとなり、高等学校への不本意入学者を生み、ひいては学校不適応者や中途退学者を増大させる一因となっている」。  この答申は、約30年前のものとは思えないほどに今でも通じる内容です。高等学校への進学率がほぼ99%である今日では、高校進学そのものに意味を見出す機会さえないほどに、進学は「あたりまえ」になっているのかもしれません。 悩むこと自体、大事な時間に  しかし、だからこそ、進路について悩むこと自体が、子どもにとってとても大事な時間なのです。「自分は高校へ行くべきなのか、なんのために行くのか」そう考える自由、そして自分の望んだ進路にチャレンジできる自由が守られるべきなのです。  次に、通信制高校について考えてみたいと思います。1955年に生まれたこの制度は、当時、勤労青少年が高等学校教育を受けやすくするためのものでした。  近年では全日制の生徒数が減少しているのに対して、通信制は増加し、とくに私立が増えています。その理由としては、通信制高校が、さまざまなニーズや事情、背景のある子に対して、多様で柔軟な学習環境を用意してきたからだと思います。... --- ### 「葛藤が生まれたとき、その答えも生まれている」説 - Published: 2020-12-24 - Modified: 2024-10-28 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3210/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】仮説なんですが, 2021年1月1日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり メイン画像:『ひきポス』編集長/石崎森人さん 連載「仮説なんですが... 」vol. 42  「学校へ行かなきゃいけないのに、行く気がしない... ... 」。「起きなきゃいけないのに、起きる気力がわかない」。みんなこうして葛藤しますよね。何も悩まず生きられればいいのに、葛藤なんて人生のムダだ。そう思っちゃいますよね。だけど最近、あることに気づきました。  葛藤が生まれたとき、すでにその答えは、自分自身の心の奥にあると。  葛藤は、大きくわけると、3つの要素に分解できると考えます。「ありたい自分」「そのためにやらなきゃいけないこと」「本当にやりたいこと」です。  たとえば、「働かなきゃいけないのに、何もする気が起きない」の場合だと「ありたい自分」はバリバリ働いてまわりに「認められている自分」。「そのためにやらなきゃいけないこと」は「働くこと」、「本当にやりたいこと」は「休息すること」。葛藤状態は、この一連の状態のどこかに、本心では望んでいないことが入っているから起きるんです。  あとは、心の奥底に答えを授かったと信じ、できるだけしっくりくる、元気がでるような考え方をしたり、価値観を見直したり、行動の選択をしていくだけです。何度もトライ・アンド・エラーをくり返していくと、いつかきっとしっくりくる答えにたどり着きます。 不安や恐怖に注意  注目すべきポイントは、自分のなかの意識されていない不安や恐怖です。こいつは見栄や嫉妬や焦りを生み、本心から離れたことを考え始めます。本心を隠し、望んでいないことを想定し、それが葛藤というかたちで現れてくるのです。  葛藤の答えは人の数だけ、葛藤の数だけあります。なぜなら、答えはその人の心のかたちをしているから。そして心のかたちに言葉や行動があてはまったとき、、葛藤は解消されます。つまり、自分の本心がすべて言葉にできたとき、葛藤は終わるのです。  本心を言葉にすることは、その人が本来もつ心のかたちと、現代社会の仕組みに乖離ができていて、そこに生まれた溝に架け橋をかけるには必要なことなんだと思います。  葛藤が深ければ深いほど、答えは出にくいものです。しかし、それがすべて言葉にできたときには、その深さのぶんだけ、大きな発見となります。だから葛藤はムダではないのかもしれません。 ■筆者略歴/石崎森人(いしざき・もりと)。24歳から2年半ほど... --- ### 不登校になってよかったか否か。究極の2択に経験者277名が回答【全文公開】 - Published: 2020-12-24 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/3223/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, コラム, 2020年12月15日号 回答者 不登校経験者277人(本紙アンケート調査)  不登校当事者・経験者に本紙がツイッター上でアンケートを実施したところ「不登校になってよかった」と答えた人が半数を超えていたことがわかりました。しかし、本人の思いは「よかった」「悪かった」と、ひとくくりにできるものではありません。アンケートを取りまとめた管理者Y・Yさんがその結果と届いた声を紹介します。 * * *  こんにちは! 「子ども若者編集部」ツイッター管理者Y・Yです。今回、不登校当事者・経験者を対象にアンケートを行ないました。質問項目は「不登校になってよかったですか?」または「不登校にならなければよかったと思いますか」の二択です。意図的に「どちらでもない」という選択肢はつくりませんでした。というのも、このような質問には「どちらでもない」と答える人がもっとも多くなるだろうと予想し、「しいて言えばどちらか」を本人に踏み込んで判断してほしいと思ったからです。  このアンケートには、なんと277人もの不登校当事者・経験者が回答してくれました。結果は「不登校になってよかった」が53%(147人)、「不登校にならなければよかった」が47%(130人)でした。  アンケート実施後、何人かの方からコメントをもらいました。二択の選択肢では表しきれない不登校の思いが詰まっていましたので、その一部を紹介します。 * * * 【なってよかった】  私が不登校になってよかったと思う理由は、心理カウンセラーの方と関われたことです。その方は私の話をじっくり聞いてくださったので、とても安心できました。  今では私も将来その人のようなカウンセラーになりたいという夢を持っています。不登校にならなければその方にも出会わなかったと思うので、不登校してよかったと思っています。(16歳・女性) 【ならなければよかった】  不登校にならなければよかったです。私は中2で不登校になってから、まわりの人から腫れ物あつかいというか、「触れてはいけない人」のように扱われてしまったからです。そこからうつ病にもなってしまいました。  今でも完全には治っていないので、「あのとき不登校になっていなければ... ... 」と思うことが多いです。でも不登校になってなかったら、たぶん私は死んでたと思います。不登校は自分を守るために選んだ方法だったのかもしれません。(16歳... --- ### 不登校は法律違反ではありません。教育研究者が子どもに伝えたいこと - Published: 2020-12-24 - Modified: 2024-10-24 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3429/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, いじめ, 2021年1月1日号 - ハッシュタグ: いじめ  子ども向けに法律を解説した『子ども六法』を発刊し、注目を集めるようになった教育研究者・山崎聡一郎さん。今度は「学校で苦しむ子ども」に向けて書籍をつくるという。その思いをうかがった。 * * * ――KADOKAWAから出版される新著『明日、学校へ行きたくない 言葉にならない思いを抱える君へ』に込めた思いと、出版までの経緯について教えてください。  2019年にニコニコ生放送番組「明日、学校へ行きたくない」の出演者として呼んでいただいたのがきっかけですね。子どもの自殺が1年でもっとも多くなる9月1日を前に放送された番組で、視聴者からの投稿について他の出演者の脳科学者・茂木健一郎さんと心理学者・信田さよ子さんとともに語るというかたちをとっています。その後、KADOKAWAさんと書籍をつくる話になったときに、この番組の書籍化を提案し、実現することになりました。「学校へ行きたくない」と悶々としている子どもたち、かつてそうだった大人たちの生の声を、まずはじっくり聞いてみようというのが、番組のコンセプトでした。 著・山崎聡一郎ら/2021年刊/KADOKAWA アドバイスより悩んでる姿を  相談されたら解決してあげたいという思いがあるから、大人は答えを示しがちなんですよね。だけどそうじゃなくて、まず番組では悩みを聞いて「ああじゃない」「こうじゃない」「こうだと思うんだけど、どうなんだろ」と、専門家でもいろいろ悩んで考えている姿を見せられればいいなと思ったんです。  書籍でも、生放送で専門家がウンウンうなっているようすを、できるだけリアルに再現することを目指してつくっています。この本を読んでくれた子どもが、答えを少し見つけられるとか、自分と同じように悩んでいる人がいると知ってもらえればうれしいですし、大人の読者に対しては、ムリに答えを示さなくてもいいんだと伝わればいいですね。 ――前著『こども六法』では、ご自身も学校でいじめを経験されたと書かれていました。  僕自身も小学校の高学年でいじめにあって、中学受験をしました。殴られる・蹴られる・悪口を言われるという犯罪になるような内容でしたね。後ろから蹴られたりして、骨折することもありました。法律を学んでから、あのとき法律を知っていたら自分で自分の身を守れたのにという後悔があったんです。それで前著『こども六法』を書こうと思い立ちました... --- ### 「学校へ行きたいけど行けない」子どもの訴えを受けとめるコツ - Published: 2020-12-24 - Modified: 2024-10-28 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3218/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】すまいる式 子どものわかり方, 2020年12月15日号 - ハッシュタグ: 不登校の親 連載「すまいる式 子どものわかり方」vol. 38  今回のテーマは「学校へ行きたいけど行けない」です。どの保護者の会に参加しても、かならずといってよいほど「子どもは『学校に行きたい』って言うんです。それなのに行けない。それを見ているのがツラくて... ... 」と相談される方がいます。それほどよく話題になるテーマなのですが、いったいどう捉えたらいいのでしょうか。  まず、そのような言葉を発するのは「学校へ行くことをとても大事だと考えている子」や、休むまで「毎日楽しく学校に通っていた(ように見える)子」が多いと思います。おそらく、休むまでの過程でかなりストレスがかかっていたはずです。子どもには、休むという選択肢はなかったのかもしれません。それでも休まざるをえなくなってしまったということは、充分に登校をがんばった結果として、文字どおり「行けない」のです。 休みはじめは限界  そのような状況を、私は「休みはじめは『限界』だ」と考えています。ストレスが限界に達したから休んでいるのであって、明日から再び学校へ行けるような手立てを講じる段階ではないということです。親御さんがそのことを理解し、子どもが、家で心も身体も休めることができるかどうかは、とても大きなポイントだと思っています。  休息の確保は、子どもにとって、自分で決めるための「考える」時間を持つことでもあります。不安にともなう苦しみや迷い、あるいは安心感を求め期待を抱くこと。そんな思いをもっている「自分」に気がつくことや、自分の思いに納得すること。そんな時間を、不安と安心の「狭間の時間」と私は呼んでいます。そして「狭間の時間」をすごすなかで、子どもは自分と向き合い、徐々に不安だった気持ちが落ち着いてくることがあります。そうして落ち着いてくると、登校復帰も含めて、活動を始める子が多いです。  登校については、文部科学省の『学習指導要領解説』にも書いてあるように、「自らの意思」が大切です。親御さんの焦りは禁物です。子どもが登校しそうなようすを見せたときは、慎重に子どもの意思を確認しながら、子どもとともに動き出す準備をされるのがいいと思います。『解説』にも、学校が配慮や支援を行なうことが記されています。ひとつの例として、保護者と学校が話し合い「計画的さみだれ登校」(行ったり行かなかったりをくり返すこと)を始めた、というケース... --- ### 小学生からの受験ストレスが18歳で爆発したドラマーの苦悩〜UNISON SQUARE GARDEN・鈴木貴雄さん(PACAOさん)インタビュー - Published: 2020-12-15 - Modified: 2024-10-14 - URL: https://futoko-online.jp/interview/6430/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 人気記事, 2020年12月15日号  YouTubeチャンネルにてPACAO(パカオ)名義でゲーム実況者として活躍している鈴木貴雄さんにインタビューした。鈴木さんは不登校を経験し、バンドUNISON SQUARE GARDEN( ユニゾン・スクエア・ガーデン)のドラマーとしても活動中。不登校当時の心境や、自分にとってゲームとはどのようなものなのか、18歳の不登校経験者がインタビューした。 ――どんな子ども時代をすごしていましたか。  「勉強をしてよい学校へ行く」という大多数の人が歩むレールに、とことん苦しんだ子ども時代でした。小学校高学年のころから、いつのまにか「中学受験をするのは当たり前」というような雰囲気が家族のなかにありました。塾で勉強していたので、夜11時くらいまで家に帰れないというくらい、勉強づけの毎日を送っていました。  しかし、自分がしている勉強にどんな意味があるのか、まったくわかりませんでした。「勉強のその先」に何があるのかはまったく教えてくれないくせに、ただえらそうに勉強だけをさせるのは理不尽だなと、親や先生に対し、反抗心を覚えていました。「この道に進みたい、そのためにはこの勉強が必要だ」ということなら、がんばって取り組めるんです。でもゴールがわからないまま、ただ勉強をやらされるのは不安だし、やる意味がわからないですよ。そして塾から家に帰ったら帰ったで、両親はいつも大声でケンカしていて、兄弟仲も悪い。そんな家族だったので、学校にも家にも居場所がなかったんです。  そのころから、塾が終わったあとに、親からもらった食事代で友だちとゲームセンターに入り浸るようになったんです。家と学校に居場所がなくなって、それ以外の場に居場所を求めていたんだと思います。だからゲームセンターで友人や店長さんとコミュニケーションしたり、一人でゲームに没頭することが 自分にとって大事な居場所でした。それ以来、学校へ行ったり行かなかったりをくり返すようになって、高校3年生のころはほとんど行かなくなっていました。  それでも、社会からの「勉強せよ」という無言の圧力 はやみません。そして18歳のとき、自分のなかのストレスが極限になり、幻覚や幻聴が見えるまでになってしまったんです。それが、完全に学校へ行かなくなるきっかけでした。 不登校中は孤独と不安が ――不登校中の心境は?  学校という「大多数の人が進むレール」から外... --- ### わが子を信じて腹をくくろう、あなたの子どもは大丈夫です【全文公開】 - Published: 2020-12-15 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/others/3183/ - カテゴリー: イベント, others - タグ: 無料記事, 人気記事, 親の心構え・できること・やるべきこと, いじめ, 講演録, 2020年12月15日号 - ハッシュタグ: 不登校の親, いじめ 2020年10月11日、愛知県豊田市にて「フリースペースたまりば」理事長・西野博之さんの講演が行われた(主催・不登校を考える豊田の会まちあいしつ)。講演では昨今の社会状況をふり返りながら、親はどうやって子どもを支えていけばよいかがテーマとなった。抄録を掲載する。 * * *  こんにちは、西野です。今日は、みなさんに「大丈夫」を手にいれてほしいと思っています。「いやいや大丈夫じゃないです。子どもが不登校になって、この先が心配でたまりません」という声も、もちろんあるでしょう。でも、今日の話を聞いて、「大丈夫だ」という気持ちになっていただけたら、うれしいです。  まずみなさんと共有したいのは、この社会はここ数十年のあいだにどんな変化があったのか、ということです。あれは1980年代だったでしょうか。中学生が学校でタバコを吸いながら校舎を歩いていました。窓ガラスを割りまくっていました。校庭をバイクで走りまわっていました。そんな時代がありました。今では中学生も高校生もすっかりおとなしくなりました。先生を殴らない。窓ガラスなんか割らない。だけど、自分より弱い生徒に暴力を向ける。そんな社会になっています。  いじめの数は、文部科学省にまで届いただけでも年間約61万件です。先生が気づかないいじめなんていくらでもありますから、これは氷山の一角です。そして61万件のいじめのうち、約48万件は、小学校で起きているんです。しかも重大事態の発生件数は約720件。命にかかわるようないじめが、年間720件も起きている、ということです。  小中学生のなかでいじめが一番多いのは何年生かわかりますか? 正解は、小学校2年生。いじめが驚くほど低年齢化しています。小さなころから、子どもたちはストレスをためている。社会のありようや、目に見える子どもたちのありようは変わっても、子どもが抱えている生きづらさは変わっていない。むしろ強まっているように見えます。  では、なんで子どもたちは苦しんでいるのか。苦しんでいる子どもたちの特徴のひとつに「自己肯定感の低さ」があります。令和元年版の「子供・若者白書」では「自分自身に満足をしているか」という質問に対して、堂々と「満足している」と答えられた日本人は10%しかいません。  「子どもの自信を奪っているのは、いったいなんなんだ」。これが私のライフテーマでした。ずっと考え... --- ### 教育学者・内田良が「校則はもっとゆるくていい」と考える理由 - Published: 2020-12-15 - Modified: 2024-10-25 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3233/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】仮説なんですが, 2020年12月15日号 連載「仮説なんですが... 」vol. 41  2020年度は新型コロナウイルスの感染拡大により、私たちは連日にわたって子どもの安全・安心を考えつづけました。学校のさまざまな教育活動は、縮小や廃止などの対応を迫られることになりました。  校則もその一つです。学校にはたくさんの理不尽な規則があります。それがコロナ禍のなかで「ゆるく」なりました。  最初にゆるくなったのは、マスクの色でした。校則ではしばしば、身に着ける物の色が指定されています。派手な色は「華美なもの」であり、子どもの生活や学校の秩序が乱れることにつながっていくと懸念されるのです。  マスクについては、白のみとする学校が多くありました。ところが2月半ばごろから、全国各地でマスクの入手が困難になりました。もはや色柄を選んでいる場合ではありません。  数カ月を経た今、マスクの種類はおどろくほどに多様化しました。学校でもさまざまな色柄を見ることができます。さて、子どもの生活は乱れ、学校は荒れ放題となってしまったでしょうか。  そのほかにも、たとえば制服については、制服以外の服装も許容されるようになりました。6月に全国で学校が再開された際に、ウイルスが付着する可能性を考慮して、毎日洗濯することが難しい制服ではなく、ジャージや体操服、私服での登校を認めた学校があります。  夏にかぎっては熱中症対策として、制服以外の服装を推奨した学校もあります。いずれにしても、それで学校が荒れてしまったという話は、今のところ私は聞いていません。  コロナ対策や熱中症対策として、子どもがより学校生活を安全に、また快適に送ることができるよう、校則がゆるくなりました。でも、何も起きませんでした。  問題は、この先です。コロナも熱中症も一時的なものでしょうから、多くの学校が厳しい校則を復活させることでしょう。  校則にはもちろん、よい側面もたくさんあります。ただ現状ではあまりにも細かいところまで子どもを拘束し、学校生活を窮屈にしているように、私には見えてしまいます。  新型コロナウイルス感染症という大災害が、校則をゆるくするという壮大な実験をもたらしました。そして「ゆるくていいじゃん」という仮設は今、その正しさが認められようとしています。 ■筆者略歴/内田良(うちだ・りょう)。名古屋大学大学院准教授。学校でのスポーツ事故、いじめや不登校の教... --- ### ひきこもり経験は人それぞれ、16人の語りをまとめた1冊【書籍紹介】 - Published: 2020-12-15 - Modified: 2024-10-25 - URL: https://futoko-online.jp/books/3239/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 2020年12月15日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり  内閣府によると、ひきこもりとされる人は全国でおよそ100万人いるとされています。2019年には東京と神奈川で凄惨な事件が相次ぎ、「女性のひきこもり」や「8050問題」など、ひきこもりに関する注目が近年、高まりつつあります。最近でも、テレビドラマを始めとする特集をNHKが組んでいます。  本書は「いまこそ語ろう、それぞれのひきこもり」と題し、ひきこもり経験者ら16名が各々の立場から実体験などをもとにした語りを集約しています。  本書の特徴は、30代から50代までと幅広い執筆者をそろえたことにあります。不登校経験がある人もいれば、ない人もいます。ひきこもった期間も数カ月間という人もいれば、数年間という人もいます。10代でひきこもった人から離職後に30歳前後でひきこもった人もいます。  現在についても、ひきこもりの当事者団体を立ち上げるなど支援者として活動している人から、ひきこもり当事者としての経験を活かしたアート作品をつくり続ける活動など、さまざまな「ひきこもりその後」があることも知ることができます。  香川県で就労移行支援や相談支援を行なっている一般社団法人「hito. koto」代表の宮武将大さんは小6で不登校になり、20歳までひきこもった経験があります。「家族の支えがなければとっくに死んでいた。家族の愛情によって安心してひきこもる生活を送ることができた」と宮武さんは言います。  親御さんのなかには「ひきこもっている人の気持ちが知りたい」と考えている方も少なくないと思います。執筆者のなかには宮武さんのほかにも、自身との親子関係についてふり返っている人もおり、「うちの子の気持ちそのまま」は見つからずとも、推してはかる際のヒントが詰まっています。  また、単著・共著を出している方もいますので、本書を読んだ後で気になった方の本を読んでみる、というのもおすすめです。(小熊広宣) (初出:不登校新聞544号(2020年12月15日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### 「私の学歴はキレイじゃない」不登校経験者が面接で直面した壁 - Published: 2020-12-15 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/children/3221/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 当事者の声, 2020年12月15日号 - ハッシュタグ: 通信制高校  今回の執筆者、ホンマトモミさんはバイト面接で不登校経験について聞かれることが怖かったという。当時面接で実践していた方法を含め、思いを書いていただいた。 私は高校1年の5月下旬に不登校になった。しかし、学校が夏休みに入ったころから「このままではまずい」と自分の状況に焦り始め、夏休み明けの9月1日に通信制高校へ転入学した。  高校へ転入して2カ月ほどで新しい生活にも慣れ、気持ちに余裕が生まれてくると、しだいに私はバイトに興味を持ち始めた。友人のバイト自慢に影響されたのもあるが、単純にお金がほしかったのだ。ものすごく稼げなくてもいい。自分で使う文房具や好きなマンガくらい、自分で買えたらいいなと思った。 さっそく地元の求人情報フリーペーパーを手に、バイトを探し始めた。「よし、応募してみるか」と腹が決まると次は履歴書の準備。しかし、ここで私は愕然とした。自分の学歴が「キレイじゃない」と感じたのだ。履歴書の書き方見本と比べると、私の学歴欄は行が一行多い。  中学卒業の後に、最初に進学した高校を書き、さらに一行下に「○○高等学校転入学」と書かなければならないからだ。高校を入り直したことによって増えた一行が「ふつうの人とはちがう道に行った」ということを表しているようで、負い目に感じた。私の不登校期間はたったの3カ月だったが、短期間でも一度学校をドロップアウトしたという事実が重くのしかかり、学歴欄は私のコンプレックスになった。 もし聞かれたら  実際のバイト面接で、履歴書がきっかけで自分の不登校経験を話さざるを得ない状況になることを私は恐れていた。面接官が私の履歴書を見て、学歴欄のあたりで目が止まると、ドキリとした。面接官からもし「半年で学校が変わっているけど、どうして?」と聞かれたら最後。自分が不登校だったことを話さなければならない。そうすると不登校になった理由も話さないといけなくなる。  自分が不登校になったときのことを他人に話すのが、私はイヤだった。いっしょに働くことが決まっているならまだしも、まだ上司でも同僚でもない赤の他人に自分の身の上話をする気が起きなかったし、なによりどんなに言いつくろっても他人には、自分の不登校は「怠慢」としか伝わらないような気がしていた。  そもそも、なぜ不登校になったのかなんて、自分では説明がつかなかった。集団行動を重んじる校風が合わなかったから... --- ### お正月に帰省するか否かで悩み中、不登校家庭の3つのやり方を紹介 - Published: 2020-12-15 - Modified: 2024-05-13 - URL: https://futoko-online.jp/column/3197/ - カテゴリー: コラム - タグ: 会員限定記事, コラム, 2020年12月15日号  今年はコロナの影響から「お正月は自宅ですごそう」というご家庭も多いと思いますが、毎年この時期になると急浮上してくるのが「実家への帰省をどうするのか」という問題です。不登校の親御さんに取材をしていると、お正月に実家に帰るか否かで悩んだという話をよく聞きます。  子どもが学校へ行っていないことを祖父母や親戚に話しているご家庭もあれば、そうではないご家庭もあります。不登校の話をしていたとしても「まだ学校へ行っていないのか」と面と向かって言われたら親だってしんどいですし、「〇〇は4月から大学生か」なんて親戚の子どもの話題が出れば、なんとなく心がモヤモヤします。年に1度のこととはいえ、そうした場に居ることは親にとって非常に苦痛です。 帰省の仕方 3つの事例  では、「お正月の帰省問題」をめぐり、不登校の子どもを持つご家庭ではどう対応しているのか。私が過去の取材などから得られた事例をもとに、乗り切り方のヒントを探ってみたいと思います。  ひとつは「祖父母や親戚一同に事前に話をしておき、家族が集まる場では不登校の話題にいっさい触れないようにした」というもの。つまり先手を打っておく、という方法です。  もうひとつは「親だけで帰省する」というもの。じつは、この問題は親だけでなく、子どもにとっても頭の痛い問題です。事前策をどれだけ講じたとしても、祖父母が心配するあまり、またお酒に酔った勢いなどで、ぽろっと話題に出されてしまうこともありますから、そうした可能性があるうちは子どもは連れて行かないというのも、ひとつの手段です。  とはいえ、まったく顔を出さないというのは難しい場合もあると思います。これに関連するものとしては「宿を別に取って帰省した」という事例を聞いたことがあります。ある母親が長男の嫁として長年苦しんだ経験から編み出した秘策で、お財布的には厳しくとも精神的にずいぶん楽になった、と。宴会も外、宿泊も外となると、経済的な問題が大きくなってしまいますが、これも一案と思います。 親子の信頼関係  「お正月の帰省問題」は子どもにとってもつらいという話をしましたが、子どもの立場から考えると、いつ学校の話題が飛び出すかわからないという状況は気が気ではありません。そうした場に居ることは、針のむしろに座っているようなもので「そんな思いをするくらいなら、家で留守番をしているほうがマシ」と考える子... --- ### 小1から14年ひきこもった女性がキャバクラで働いて気づいたこと【全文公開】 - Published: 2020-12-01 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3263/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 無料記事, 【連載】仮説なんですが, 2020年12月1日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり  私は小学校1年生から不登校、20歳までひきこもり、その後バイトを始めてからも極度のコミュ障で人見知り、とにかく生きづらい人生だった。  24歳のころ、キャバクラで働き始めた。人見知りをなおして、たくさんの人と話したかった。そして酒を飲んで金をもらいたかったからだ。  最初はお客さんにすごく気を使って、どもりながら話していたが、何年も働いているうちに初対面の人ともフランクに話してバカ騒ぎできるようになった。そこで話すことは本当に他愛のない日常のこととか、仕事のグチとか、好きなゲームの話とか、中学生みたいな下ネタとか、こんなことでお金をいただいていいんだろうかと思う内容だ。  キャバクラに遊びに来る人は社会的に成功して、お金のある人たちだ。そんな人たちがわざわざ高いお金をはらって酒を飲みに来る理由が最初はわからなかった。立派な大人は同じように立派な大人と「建設的な話」がしたいんじゃないのかしら、と。でも最近は、お客さんたちの気持ちもわかるような気がする。  お客さんたちはお酒を飲みながらくだらないお話をひとしきりすると、笑顔で帰っていく。きっとふだんの「立派な社会人」や「よき夫」「優しいお父さん」に戻るんだろう。  でも、「立派な大人」をつねに演じているのはしんどい。生きていればどうしたってイヤなことはあるし、ムカつくことも、悔しいことも、苦しいこともあると思う。そんなとき、「くだらない」と思われるかもしれないグチをうんうんと聞いてくれたり、いっしょに酒を飲んでバカ騒ぎして、心のモヤモヤを発散させてくれる場所があったら... ... 。  人はみんな心にキャバクラのような「はけ口」を持つべきだ。とくに不登校・ひきこもりの人には「はけ口」が必要だ。もちろんキャバクラでなくてもいい。相談できる友だちでも医師でもカウンセラーでもなんでもいい。肯定される会話、傷つかないコミュニケーションができる場。そうした場所が必要なのだ。  心にキャバクラを持たざる者はトイレの無い部屋に住んでいるのと同じだ。自分から出た色んな感情でどんどん心が汚れてしまう。よけいなものは出さなきゃいけない。自分なりの「はけ口」を見つけてほしいと思う。心がスッキリすれば、自分に必要なものも見えてくるし、楽しいことを考えたり、仕事をがんばる余裕もできるかもしれない。そしてもし、お金があるのなら、うちのキャバク... --- ### 【中川翔子が聞く】いじめられても絶対に学校を休まなかった子どもの心境 - Published: 2020-12-01 - Modified: 2024-10-25 - URL: https://futoko-online.jp/children/3260/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, いじめ, 2020年12月1日号 - ハッシュタグ: いじめ  高校時代のいじめにより、不登校はしなかったものの学校で苦しんでいたという高田みどりさん(19歳・仮名)に取材。学校でどんな思いをしていたのか、今もなお続くトラウマなどについて、自身も学校で苦しんできたタレント・中川翔子さんが聞き手になり、お話をうかがった。 ――はじめまして。中川翔子です。今回も、10代の当事者に直接話をうかがえる機会があると聞き、取材させていただくことになりました。みどりさんは不登校はしていなものの、学校でとても苦しい思いをされてきたそうですね。  そうなんです。私は通っていた高校でいじめにあい、学校へ通うのが苦しくなりました。ただ、私の場合は不登校になる勇気がなく、休むことができなかったんです。 なんとか3年通い続けて卒業し、今年の春から大学1年になりましたが、いまだ高校時代のトラウマから抜け出せず困っています。 ――学校に行きづらくなった経緯をよりくわしく教えていただけますか?  小中学校は地元の公立に通っていましたが、高校からは都心にある有名大学の付属校に入学しました。田舎の公立から都会の私立に進学となると、当然ながら環境がまったくちがうので、そのギャップにとまどいました。  しかも小学校から大学まである附属学校なので、エスカレーター式で高校に進学してくる子がほとんどで、クラス内の人間関係はすでにでき上がっていました。急によそから入学してきた私にとっては、入学開始時点でかなりアウェイな状態でのスタートでした。  そういったこともあり、なじめずに浮いた存在として見られやすかったので、早い段階からいやがらせは受けていました。だから、なるべく目立つような行動は避けて大人しくすごし、その場をどうにか切り抜けていたんです。  でも、高2になってからは、だんだんそれも通用しなくなって、クラスの男子生徒から本格的にいじめられるようになりました。 男子優位のクラスカースト ――当時のことをくわしく教えていただいてもいいですか?  そもそもクラス内でのカーストとして、男子生徒と女子生徒の力関係の差が大きく、男子生徒の言うことには逆らえない空気感が漂っていました。たとえば、「宿題を代わりにやってきてよ」と男子生徒からせがまれて、少しでもイヤだと抵抗したら、それだけで男子生徒から攻撃の的になってしまうんです。だから男子生徒から気にいられるかどうかで、クラス内の立... --- ### フリースクールの選び方において、大事なポイントは3つあります - Published: 2020-12-01 - Modified: 2024-10-25 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3257/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】すまいる式 子どものわかり方, 2020年12月1日号 - ハッシュタグ: フリースクール 連載「すまいる式 子どものわかり方」vol. 37  今回のテーマは「フリースクール(居場所支援等)の選び方」です。保護者の相談は次のとおりです。  「子どもが不登校になってしばらくたちました。今では家で元気にすごすようになり、最近はフリースクールに少し興味が出てきたようです。親としても、家にずっといるよりは、そろそろどこかへ行ってもいいのではないかと思っています。そこで、いろいろと調べてみたのですが、活動内容などがぜんぜんちがっていて、どこがよいのかわかりません。検討するうえで、何かポイントがあれば教えてください」。  この相談の答えは、「『よいところ』はきっと子どもが知っている」です。そして、親として大事にしたいポイントが3点あります。「子どもがどこにいたいのか知ること」、「子どもの気持ちを大事にすること」「子どもの安心安全を確保すること」です。 可能性のひとつ  まず、「子どもはどこにいたいのか」を考えてみると、フリースクールにかぎらず、あらゆる可能性があると思います。それまで絶対的な存在だった学校も同じように、可能性のひとつとして捉え直すことができた子もいます。ほかにも塾や習い事、図書館などの公共施設、家庭のなかも含めて、子どもが「居たいな」と思える場がどこなのかをしっかりつかむことが一番大切なのだと思います。  ふたつめのポイントは、子どもの「気持ち」を大事にすることです。フリースクールも、しっかりとしたコンセプトや多彩なプログラムを謳う魅力的なところが増えています。しかし、子どもがそれに合うかはわかりません。ですから、体験入学などを通して、子ども自身が利用するかどうか決める。親としてはその決断を尊重し、ただ見守ることです。  子どもが「やっぱりやめる」と言うとガックリ来てしまう親御さんもいるかもしれませんが、子どもがガマンしてすごすのは、本意ではないように思います。ちなみに、函館市には、私たち『すまいる』以外にフリースクールはないのですが、当然『すまいる』が合わない子も多いですし、利用をやめる子もいます。そして、まだまだフリースクール自体に抵抗感がある子もいるのです。  最後に、子どもの安心安全の確保です。日常の防災という点では、私たちも北海道胆振東部地震に見舞われ、その難しさを改めて実感しました。また、フリースクールのさまざまな暴力事件が明るみに出るこ... --- ### 学校を休む子に規則正しい生活をさせようとすればするほどうまくいかない理由 - Published: 2020-12-01 - Modified: 2024-10-25 - URL: https://futoko-online.jp/column/3254/ - カテゴリー: コラム - タグ: 会員限定記事, コラム, 2020年12月1日号  学校へ行きづらくなったり、不登校になったりすると、昼夜逆転をしたり、お風呂に入ろうとしなかったりと、それまでこなせていたことができなくなることがあります。  「無理に学校へ行かなくてもよい」とは思いつつも、「朝はきちんと起きたら」「お風呂ぐらい入ったら」と、つい言いたくなってしまうのが親の想い。規則正しい生活をしたほうが健康的で親としても安心するわけですが、親からの「〇〇したら」という提案は、子どもからすると拒否したくても拒否しづらいものとして伝わっていることがあるんです。 朝がつらいワケ  昼夜逆転は不登校の子どもによく起こることですが、なぜ朝の時間帯を避けるのか。取材を通じてよく聞かれた理由は「朝は動き出す時間だから」というものです。朝早く起き、朝食を食べ、子どもは学校へ行く。これが世間一般の「フツウ」です。しかし、子どもからすると、そうした動きの慌ただしさを肌で感じることがつらいときがあるんです。ある不登校経験者は「自分の家の前が通学路になっていて、班ごとに登校するときの声が聞こえたりすることがつらい。みんながあたり前にできていることができない自分を再確認することになるから」と語ってくれたことがあります。  みんなが学校へ行っている時間なのに自分は行けない。そんな自分を責めずにはいられない。いうなれば、朝は自分で自分を否定する感情と向き合わなければいけない時間帯なんです。一方、夜は静かです。家にいる自分だけが「トクベツ」ではありません。そう考えると、昼夜逆転というのは子どもにとって、自分の気持ちを守るひとつの手段だと言えます。 お風呂に入らず  お風呂については、小学4年生で不登校をしたAさんの事例を紹介します。Aさんは小学6年生のとき、昼夜逆転はもちろんのこと、お風呂に入らなかった時期もあり、家にひきこもっていたと言います。  そのとき、Aさんの母親はどうしたのか。何もしなかったんです。「お風呂に入ったら」ということも、いっさい言わなかったそうです。昼夜逆転についても、朝食の準備をしている母親にAさんが夜中のテレビやラジオ番組の内容を話すと、「そうなんだ」「へぇ」と言って、ただ聞いてくれただけ。しかし、その対応がAさんにとってよかったんです。「親が私を受けいれてくれた」という実感につながり、気持ちも落ち着いていった結果、ひきこもりやお風呂に入らないことなど... --- ### 「自立するにはどうすれば?」ひきこもる息子が祖父母を頼った理由【全文公開】 - Published: 2020-12-01 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/parents/3250/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 無料記事, 親の思い, 2020年12月1日号  息子は覚えているでしょうか。  幼かったころ、誕生日会を開くとお友だちが押し寄せて超満員になるほどでした。  土曜日になれば、かならずと言っていいほどお友だちの家に泊まりたいと言い出し、実際に泊まってきてしまいました。それだけでなく、夏休みになれば、お友だちどうしでのキャンプ、プール、お祭り... ... 。  あるときは、お友だちが自転車のカギをなくしたため、みんなで自転車を担いで帰って来たこともありました。あまりに帰りが遅くなったので、私は叱りながらも「お友だち思いだな」と感じていました。中学に入れば部活動が忙しく、休みもなく朝7時から家を出て行きました。 笑わなくなった息子  本当によくがんばっていたと思います。なのに急に中学2年生から学校へ行けなくなりました。外へ出られなくなり、お友だちにも会わなくなり、笑わなくもなりました。 原因もわからず慌てた私は、とにかく息子を変えようとがんばりました。だって学校へ行かずゲームばかりなんです。  朝、起きない息子を蹴とばしたり、叩いたり、下心から優しい言葉を使ってみたり。そんなことをしても息子は責められている気持ちになるばかりで意味のないことでした。  息子が頼ったのは、私の両親、息子にとっては祖父母でした。ある日、息子は祖父母に「家を出て暮らすにはどうしたらいいのか」「どれぐらいのお金が必要なのか」と聞いたそうです。 祖父の息子を見る眼  祖父母は息子の要望を聞いて、それに見合った職種を一つひとつていねいに説明してくれたそうです。  その後、息子は面接へ行き、働くようになって2年目になりました。祖父母はいつも、息子はとても素直な子で、おかしいのは母親の私だと言います。あんなにも怖くて厳格だった祖父は、優しいおじいちゃんになり、息子については「こんなにかわいくていい子はいない!」と言います。そういう眼で見ていたから、息子も祖父母を頼る気になり、変わるためのアドバイスを受けいれたのだろうと思います。(愛知県・平井雅美) (初出:不登校新聞543号(2020年12月1日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### 理由を求める私たちに警笛、わかりにくいのが人間ですよ - Published: 2020-12-01 - Modified: 2024-10-25 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3244/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2020年12月1日号  今回インタビューしたのは、フリーライター・武田砂鉄さん。武田さんは『わかりやすさの罪』などの著書を通じて「わかりやすいメッセージ」が持つ危うさについて発信している。なぜ「わかりやすい」ことが危ういのか、お話をうかがった。 *** ――私には不登校の経験があるのですが、先生から何度も不登校の原因を聞かれました。しかし、わかりやすい説明ができず、つらい思いをしてきました。  人って、わかりやすい理由を見つけることで安心するんですよね。子どもの不登校の原因を、「〇〇だから登校しない」というわかりやすい理由に絞り込み、先生はそれをどうにかしようとする。先生にとっては、ほかの子が不登校にならないための改善策なのかもしれませんが、子どもからすれば複数の理由があるかもしれないし、言葉の奥にある本心を先生が取りこぼしているかもしれない。わかりやすい理由のみがすくい上げられて、ほかの理由が排除されているとしたら、暴力的なことです。  自分が小学生のころにも、クラスに1人か2人は不登校の子がいました。クラスのなかでなんとなく、「あいつは〇〇だから不登校になった」という理由づけもされていました。それはもちろん論証されたものではなく、たんなる決めつけです。「本当はどうなのか?」という疑いもなく、そのままなんとなく、クラス全体の理解として広まっていく。自分自身もそういったなんとなくの理解に対して、異議をはさむことはありませんでした。今思えば、それはとても乱暴なことだったのではないかと思います。 わかりやすさを求める社会  今は世の中のあれこれが「わかりやすさ」に向かっています。あらゆるメディアで「わかりやすいものがよい」とされています。逆に「わかりにくい」という言葉は、しばしば批判として使われています。  たとえば、「わかりにくい」小説はネット書店のレビューでの評価が低い。作品の欠点として「わかりにくいです」と言われる。「どうして私にわからせてくれないのか」という批判がおこる。でもそれは「なぜ理解できなかったのか」という自分への問いや「理解できるように努力する」という姿勢に欠けていて、感想というよりクレームです。  テレビでも、池上彰さんの番組のように、わかりやすさを重視した企画が人気ですよね。複雑な歴史を持つ出来事でも、3つくらいのポイントにまとめて、箇条書きで紹介されていく。  そうい... --- ### 「自分はなんで生きているんだろう」BiSHアイナが語った不登校の理由 - Published: 2020-11-15 - Modified: 2024-10-25 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3314/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2020年11月15日号  若者から圧倒的な支持を集めつつある、楽器を持たないパンクバンド「BiSH」。なかでもアイナ・ジ・エンドさんは、その歌唱力で存在感を示している。そんなアイナさんも学校へ行きづらかった経験を持つ1人。今回は不登校や高校中退をした2人の女性が聞き手となり、「いま自分が悩んでいること」を軸にお話をうかがった。 * * * ――私は、がんばり続けることがやめられなくて困っています。私には友だちもいるし、学校やアルバイトにも行けます。はたから見れば病んでいるように見えないかもしませんが、すごくがんばって今の状態を保っているんです。がんばり続けないと自分を保てず、素の自分ではいられなくなっちゃう。ただ、がんばっているから、ある日、疲れがどーっと出て来て動けなくなってしまう。大学も2度中退しました。どうしたらいいんでしょうか?(21歳・女性)  がんばり続けてないと、しんどいという気持ち、よくわかります。ただ、素の自分でいればよい、とは私は思わないです。  だって「彼氏ができた」、「今日はデートだ」とか、なんでもあけっぴろげに言われても聞いたほうが困ります。  人前で取りつくろっていたり、自分に無理をしていたり、ウソをついてもよいと思うんです。作家・太宰治は、そういう行為を「道化」と呼んでいました。 道化だっていいじゃない  太宰治は、時代の先端を歩いていた文豪ですが、一方で、人前ではおどけてウソをつくなど道化をせずにはいられない人でもありました。  太宰治の自伝的小説『人間失格』などを読んだとき、「私もウソでつくられてきた」ってすごく共感したんです。  だから、人前で素の自分を見せる必要はありません。道化だっていいんです。そのほうが私は魅力や奥行きを感じます。  一方で「がんばり続ける」こと自体は、すごくしんどいことですよね。私もコロナ禍の前までは多忙すぎるスケジュールをこなしていた時期がありました。  2時間ぐらいしか寝れないときや、ライブも多いのに声が枯れ始めてすごく焦ったときもあります。そんな生活をしていたら全身に帯状疱疹ができてしまったんですね。  そうなると、もう歩くだけで痛い。今はふつうの生活をしていますが、正常な感覚がちょっとずつ戻ってきました。ご飯ってこんなにおいしかったんだとか、ごみを捨てると、さっぱりするなとか。  私の場合は極端ですが、がんばり続けるってよ... --- ### 不登校になった子はもっと学校を責めていい説【仮説なんですが】 - Published: 2020-11-15 - Modified: 2024-10-24 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3323/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】仮説なんですが, 2020年11月15日号 メイン画像:まつむしさん 連載「仮説なんですが... 」vol. 39  私は小学校の教員を6年間経験し、今はWEBライターをしている。教員になる前、不登校についての私の考え方は「不登校の子は学校になじめない、変わっている子」というものだった。  しかし、教員になってみて不登校に対する考え方が180度変わった。「不登校は誰にでも起こりうる」と思うようになったのだ。  なぜなら、人間関係に困っていたり、生活が苦しかったりしても楽しそうに学校へ来る子がいた一方で、同じ状況でも不登校になる子もいたからだ。  ある程度、教員をやっていると、どのクラスにも不登校になりそうな子が存在することがわかる。  具体的には、個性的な子だったり、人とはちがうものの見方をしているような子どもである。  でも、実際にその子が不登校になるかどうかは学校のしくみや教員や友だち関係に大きく影響されると思う。  学校に不登校の子に対する理解があれば、担任や友だち関係の配慮をしてくれる。しかしそのような子どもに対し、なんの対応もしない学校も少なくない。  私が勤務した学校は、校長と、勤続年数の長い教員の意見が重要視される職場だった。  校長やベテラン先生が優しい人なら学校の雰囲気はやさしくなるが、厳しい人であれば、学校の雰囲気も自然と殺伐としていくのだ。学校とは、それほど気まぐれな存在なのだ。  何が言いたいかというと、「不登校になった子はもっと学校を責めていい」ということだ。学校の対応しだいで、子どもが安心して通えるかどうかが決まるのだから。 学校に提案したい担任の選択制  これからの学校を考えるうえで私がひとつ提案したいのは「担任の選択制」だ。担任の先生を生徒たちが選べるようにすれば、生徒は安心だし、先生側はより緊張感をもって仕事にのぞむと思う。  しかし担任の選択制が採用されないのには理由がある。それは、先生たちはとにかく平等であることを好むからだ。  担任の選択制が採用されれば、あるクラスでは人気の先生だから40人学級、あるクラスは人気のない先生だから10人学級、となる可能性も出てくる。  私としては、「実力のない先生はクラスの人数も少なくなって当然」と思うのだけど、そうは思わない先生が多いのだろう。  いずれにせよ、学校はこれからどんどん意識改革をしていく必要がある。(元教員/ライター・まつ... --- ### 安心してひきこもるために、僕が実践している5つのこと【全文公開】 - Published: 2020-11-15 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3320/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 無料記事, 【連載】ひきこもって見えてきた道, 2020年11月15日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり  僕は今でもひきこもり生活を続けている。ひきこもれば学校や仕事のしんどさから離れることはできるが、しんどさから完全に解放されるわけではない。  今は仕方がないと思いつつも、将来への不安や社会への罪悪感で押しつぶされそうになる。  そんな気分が晴れない日が続いていたある日、ひきこもり支援研究者・山本耕平教授が地元・長崎のフリースペースに来てくれた。  前述のようなひきこもり生活への不安を山本先生にぶつけると、先生はニコッと笑って「安心してひきこもれ」と言った。言葉の意味が僕にはわからなかった。  ひきこもり生活で安心できたことはない。「安心」と「ひきこもり」のふたつは矛盾していて、けっして両立はできないはずだ。  そうは思っていたのだが、ひきこもりを続けるうちに、家にいても安心を手にいれられることを知った。  そこで僕自身が実践していること、忘れてはいけないことを書き留めておきたい。もちろん、これは僕自身のことなので、ひきこもりは、かならずこうしなければ、というわけではない。 安心のために必要な五カ条 第一条「怒っても他人に怒りをぶつけない」 怒ってもそれをすぐ他人にぶつけない。これまでの経験上、怒って問題が解決したことはない。怒りを爆発したこと自体に後悔をし、雑念をひきずってしまうからだ。親や家族に対しては、怒りをぶつけず冷静になること。 第二条「思ってくれる人が身近にいることを忘れない」 ひきこもりでも自身を思っている人がいること、共感してくれる人がいることを忘れない。  ひきこもりは孤立しやすいが共感してくれる人はいる。一方で家族や親戚など身近な人との対立はできるだけ避けたい。  大きくなった怒りは家族どうしのケンカや家庭内暴力など心の削り合いになってしまう。謝ることも大事にしよう。 第三条「何かをしなければ、と思わない」 焦る気持ちは大きなプレッシャーになる。「ひきこもった分だけ、いつか大成しよう」「一発逆転をしてやろう」などの気持ちを持たないこと。  それよりも充分な睡眠と食事に重きを置く。ひきこもり生活は「ぼちぼち」でよい。また世間に対して罪悪感や負い目は感じなくてよい。他者の一人ひとりに意見を聞いたわけではないからだ。  ネガティブな思考には気をつけること。ネガティブな思考は肥大化されやすく自分の心が押しつぶされてしまう。 第四条「ひきこもる意味を見つけ... --- ### フリースクールも保健室もダメ、私は私の不登校理由がわからない【全文公開】 - Published: 2020-11-15 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/children/3317/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 通信制高校, 無料記事, 当事者の声, 2020年11月15日号 - ハッシュタグ: 通信制高校  今回執筆いただいた、ぱっちんさん(ツイッター・@paccchin4)は、自身の不登校に「理由がない」という。当時や今の思いを書いていただいた。 * * *  不登校に関する本やブログなどで書かれている「不登校を乗り越えた」という言葉に、私は違和感を感じるときがあります。それは、きっと私が理由のない不登校を経験しているからだと思います。  私は小学1年生のときに不登校になりました。不登校になった当時、まわりの人から「どうして学校に来ないの?」とよく聞かれましたが、自分でも学校へ行けない理由がわかりませんでした。  思えば、幼稚園のころから行きしぶりはじめ、そして、流れるように不登校に。親の仕事の都合で小学2年生のときに転校し、環境の変化で少しだけ通えるようになったものの、数カ月後にはまた不登校になりました。  フリースクールや保健室登校を試みた時期もありましたが、どこも楽しくなく、結局通うことはできませんでした。 とくに学校へ行けなくなった理由もきっかけも、思いあたらないまま、私は高校まで不登校を続けました。  しかし高校2年生のとき、ちょっとした変化が訪れました。「どうせ、自分には学校に通うのは無理だ」とあきらめ、通信制高校に転校したのです。  きっかけは、ぼんやりと、これまでの自分をふり返ったときに「私は小学校も中学校も行けなかった。なのに、高校になったからと言って急に通えるようになるわけではないよな」と思ったことでした。  「今までできなかったことは、きっとこれからもできない。だったら、できないことを無理にがんばるより、できることを見つけたほうがいいのではないか」と、自分に対して思ったのです。  転校した通信制高校はほぼ自宅学習で、登校するのは週1~2日だけ。自宅でひとり、勉強を進めていくのは、たいへんではありましたが、毎日学校に通おうと努力することに比べると、ラクに感じました。  また、高校とは別に美大受験用のデッサンや油絵などを習うため、私は予備校に通いました。予備校は、夜間のみと拘束時間が短かったおかげで、無理なく通うことができました。  自分と同じように美術が好きな人たちが集まっているということもあり、クラスメイトも気が合う人が多く、楽しくすごせました。  そして、そのまま私は美術系の大学へ進学しました。大学に進学してからは、人付き合いや授業の取り方な... --- ### 不登校経験を活かして役に立たなくてもいい説【仮説なんですが】 - Published: 2020-10-29 - Modified: 2024-10-24 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3338/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】仮説なんですが, 2020年10月1日号  本欄「仮説なんですが... 」は、リレー連載です。不登校・ひきこもりについて「もしかしてこうなんじゃないか」「今はこんなふうに考えてます」という「仮説」を紹介し、読者とともに考え合っていきたいと思います(本紙512号以来、約1年ぶりの再開です)。 連載「仮説なんですが... 」vol. 36  私はふだん不登校経験者と関わっているのだが、彼らからこういう話を聞くことが多くなった。「自分は不登校だったから、その経験を活かして、苦しんでいる人の役に立ちたい」。  きっと、「自分にも何かできることはないか」と探しているのだろう。それ自体はすばらしいことだし、心から応援したい。「できること」はかならずあるよ、と。しかし、一方でこうも思うのだ。「べつに、人の役に立たなくてもいいんじゃない?」。  不登校経験者たちが「役に立ちたい」と言うとき、その言葉の裏側に「私は社会にとって有用な存在でありたい」という思いを強く感じる。  まるで彼らにとって不登校は人生の大きな欠損であり、「役に立つ」ことで埋め合わすことができるものであるかのようだ。  もちろん、このような「不登校経験を活かして誰かの役に立つ」というような語りは、以前からもあった。しかし、この数年とりわけ多く聞くようになったと感じる。  しかもこのような語りは、ほとんどの場合フリースクール出身者よりも、通信制高校出身者から聞くことが多いように思うのだ。  はたして不登校は、埋め合わせなければならない負債、取り戻さなければならない欠損なのだろうか。  私は、不登校だった子どもが、「不登校を経験したからこそ私も何者かにならなければ」と焦り、その結果、生きづらさを抱えてしまった例を知っている。  「不登校でも〇〇できる」というかたちで「不登校埋め合わせの物語」を内面化してしまい、苦しんでいる子どもたちがいる(本紙もそのような物語から自由になれているか、自問自答し続けなければならない)。  「がんばっている子の気持ちをそぐな」と言われるかもしれない。でも、私の主観だけを子どもたちに言うとすればこうなる。「なにも、取り戻さなくてもいいじゃないか」。  不登校は社会に還元しなければならない負債ではない。不登校経験者は不登校経験者のまま、生きていっていい。埋め合わせないまま、「逆転」しないまま、ノロノロと生きていっていい。  そしてそう... --- ### 私たちは自分の欲求や感覚にしたがっていない説【仮説なんですが】 - Published: 2020-10-29 - Modified: 2024-10-25 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3303/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】仮説なんですが, 2020年10月15日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり 連載「仮説なんですが... 」vol. 37  最近、ネットで買い物をする機会が増えました。ポチポチと買い物をしていると、たくさんの広告が出てきます。  そして気づいたら広告に誘われるまま、買う気もないのに別のショッピングアプリを開き、興味のなかったはずの商品をついつい見入ったりしてしまいます。  でもあるとき、「自分のほしいものはなんだったんだろうか?いや、そもそもほしいと思ったんだろうか?」。  そう思ったことがありました。自分で選んでいるようで何かに決められている? 自分の意思ってなんなんだ? と。  ところで、今ぼくは子どもの保育や遊びにたずさわっていますが、これから大切なのは「非認知能力だ」なんて言われています。  すごく平たく言えば「自分で考えて自分で行動する力」のようなものです。幼い時期には非認知能力が育まれるような環境が大切! とされているですが、大人の生活といったら、気づいたら「あなたにオススメ」が目の前に広がっている仕組みにどっぷりです。そんな大人の示す非認知能力は、子どもたちに伝わるのでしょうか?  ぼくがたずさわっている遊び場(プレーパーク)は「何をしてもいい場」なんですが、「誰かに何かをしてもらう場」ではないので、初めて来た人が何をしたらいいのかわからず、とまどってしまうことがあります。  遊び場は、堅い言い方をすれば、遊びを通して、つねに自分自身が何を求めているのか、問い直される場であると思います。  遊びのなかで子どもたちは自分の感覚に気づき、とまどい、葛藤しているのだと思います。しかし私たち大人はそんな子どもたちに寄り添うことができているでしょうか。  奈良県立大学客員教授の林尚之さんは次のように述べています。  自分が何を求めているのか、自分のなかに胎動するものを感じて、それがなんであるのかを認識しようとする過程を経験することと、しないことでは大きな溝がある。現代の子どもたちの「遊び」で奪われているのは、その場所だけではなく「遊び」を通じて出会う欲求や感覚といった自己の内なる声ではないか(林尚之「自由」と「共同性」・梅田直美編『子育てと共同性』収録)。  私たちの暮らしのなかで奪われている「内なる声」は遊びだけでなく、学び、働き方など、あらゆる分野にわたっている気がします。みなさんも自分の「内なる声」にしたがってみませんか。(子ども... --- ### 子どもが不登校気味なのに両親は共働き、そんなときに考えたい3つの視点 - Published: 2020-10-29 - Modified: 2024-10-25 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3269/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】すまいる式 子どものわかり方, 2020年11月1日号 - ハッシュタグ: 不登校の親 連載「すまいる式 子どものわかり方」vol. 36  今回のテーマは、「共働き世帯の不登校」です。以下のような相談をいただきました。  「わが家には小学校低学年の子がいます。もともと学校には行き渋りがありましたが、コロナ禍の休校明けから、ますます登校することがつらそうに見えます。親としては、学校を休ませること自体はネガティブに捉えていないのですが、共働きで周囲に子どもを見てくれる人がいません。そうかといって、まだ小さい子を日中ひとりで留守番させることにも抵抗感があります。どうしたらいいのか悩んでいます」。  筆者自身も共働きで、低学年の子どもがいます。もし子どもが不登校でも、子どもの自由な思いを尊重したいし、それを実現するためには親として自分はどうすべきか、あるいはどういう制度や資源を活用できるのか。そう考えるなかで、大切にしたいと思うポイントが見えてきました。  それは、「安全面」、「生活面」、「学習面」の3つです。  まず、「安全面」は、子どもの安心や安全の確保をどうするか、ということです。防犯対策などはイメージしやすいですが、家庭が子どもの居場所になりうるか、という家庭における基本的な問題も含んでいます。  とくに相談のケースだと、家がゆっくり休める場かどうか。もし日中、家に子どもといっしょに大人がいるとしたら、その大人が不登校に寛容で、子どもがストレスを感じないような対応ができるかどうか、も重要です。  次に、「生活面」ですが、基本的生活習慣などを身につける、いわゆる「家庭教育」をどうするか。  2006年の教育基本法改正では「家庭教育」が新たに加わり、「生活のために必要な習慣を身に付けさせる」ことが保護者の責任として明記されました。支援の活用という点では、文科省がすすめる地域の「家庭教育支援チーム」には、不登校の「訪問型家庭教育支援」があります。  しかし、内容としては相談を受けたり情報提供を行なったりする程度で、個人的にはどこまで有効か疑問です。 家で学べる教材  最後に、「学習面」とは、基礎的な学習環境や習慣をどうするのか、ということです。  最近は、コロナ禍の影響もあり、オンラインなどの魅力的で取り組みやすい多様な教材が出てきました。また、遊びから得るいろいろな知識や経験も大切です。それを整理すると、ホームエデュケーションのかたちのひとつといえそうで... --- ### 私をいじめていた「あの子」に15年ぶりに会って感じたこと【全文公開】 - Published: 2020-10-27 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/children/3273/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 無料記事, 当事者の声, いじめ, 2020年11月1日号 - ハッシュタグ: いじめ  今回執筆いただいた富良野しおんさんは、思いがけず自分をいじめていた同級生と再会したという。そのときの心の内を書いていただいた。 * * *  去年の冬、私は私をいじめていた同級生と15年ぶりに再会しました。あれは仕事帰り、最寄り駅に着いたときのこと。  改札へと向かっていると、ふと反対側のエスカレーターに乗っていた、1人の女の人と目が合いました。  「どこかで見たことある人だな」と思い、よく見てみると、その人は小学生のころ私をいじめていた同級生でした。  「あの子だ」と認識した瞬間、使い慣れたはずの駅が急に冷たく感じて、私の心に彼女とのイヤな思い出が一気によみがえりました。 自分を否定され  私は小学6年生の夏休みの終わりに不登校になりました。学校へ行けなくなったきっかけは当時、同じクラスだった彼女からのいじめでした。  彼女からは「あの子と話しちゃダメ」と行動を制限されたり、ほかの子と話すたび「私の悪口言ってたんでしょ?」と責められたりしました。私を否定する言葉ばかりが書かれた手紙を机に置かれたこともありました。  はじめのうちは「あまり気にしないでおこう」と思っていたのですが、彼女の言動は日に日にエスカレートしていきました。  しだいに彼女の存在に耐えられなくなり、気づいたときには、私は学校へ行けなくなっていました。  学校へ行けなくなった原因である、彼女のことを恨んでもおかしくなかったと思うのですが、なぜか私は不登校中、彼女のことを思い出すことがほとんどありませんでした。  別に彼女のことを許したわけでも、彼女からされたことを無理に忘れようとしたわけでもありません。きっと、当時の私は自分が生きていくことに必死だったのです。  不登校になった原因よりも、これからの生活への不安のほうが大きくて「もう二度と会うつもりのない、彼女のことを考えている時間がもったいない」と心のどこかで思っていたのだと思います。  彼女のことを思い出さない日々が続き、年齢を重ねるごとに彼女の存在は私のなかでどんどん小さくなっていきました。  いや、小さくなっていっているのだと、15年ぶりに彼女に会うまで、私は思っていました。 消せない存在  しかし、実際はたまたま駅ですれちがっただけで、彼女との思い出がよみがえるくらい、私は彼女を覚えていました。  「今も、彼女は私のなかで消えていないん... --- ### 不登校してから私が歩んだ道は、夢が叶わずとも悔いてない道のり【全文公開】 - Published: 2020-10-27 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/children/3266/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 通信制高校, 無料記事, 当事者の声, いじめ, 2020年11月1日号 - ハッシュタグ: 通信制高校  中学1年生から不登校になった、あおとりさん(24歳)。声優を夢見て声優養成コースのある通信制高校に入学したものの、途中で夢をあきらめることに。現在は「自分に向いている仕事は裏方だ」と事務職の仕事を目指している。夢に挫折したあと、どのような心境の変化があったのか。お話をうかがった。 * * * ――あおとりさんの不登校はどのようなものでしたか?  中学1年生の冬に不登校になりました。理由はいじめです。クラスメイトに無視されたり、教室に入ったら自分のイスがなかったりしました。  学校の相談室で相談しましたが、解決はしませんでした。それどころか相談内容が担任の先生に伝わってしまうこともありました。  あるとき、職員室で担任の先生が「あおとりさんがいなければね... ... 」とぼやいていたのを聞いてしまったときの衝撃は今でも忘れられません。  そんなこともあり、私は学校に対して不信感と反抗心を持つようになりました。  一方でいじめはだんだんエスカレートして別のクラスにも伝わっていき、ついには学校中の生徒から無視されるようになりました。  「学校はコミュニケーションを学ぶところ」とよく言われますが、当時はコミュニケーションどころの話ではありませんでした。  勉強なら家でもできますし、しだいに「学校へ行く意味がない」と思うようになりました。そして中1の冬には、ぱったりと学校へ行かなくなりました。  不登校になってからは、親と「学校へ行く・行かない」でもめましたね。私は何があろうと学校には行きたくなくて、トイレや自室に立てこもったりしていました。  親は当初、なんとか行かせようとしていましたが、スクールカウンセラーさんと話をして考えが変わったようで、1カ月ほど経つと「家にいてもいいよ」と協力的になってくれました。 支えはアニメ  不登校中、私の心を支えてくれたものはアニメでした。とくにテレビで再放送されていた水木しげる原作の『悪魔くん』はキャラクターがすごく魅力的でした。  たくさんのアニメを見ていくうちに「私もキャラクターを演じてみたい、声優さんになりたい」と思うようになっていったんです。  また当時、『不登校新聞』の「子ども若者編集部」で活動していた私は、声優の高山みなみさんにインタビューを申し込みました。  高山みなみさんは有名な方なので、応じてくれるか不安でしたが、な... --- ### コロナ禍によって新しい不登校像が生まれてくる説 - Published: 2020-10-27 - Modified: 2024-10-25 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3284/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】仮説なんですが, 2020年11月1日号 連載「仮説なんですが... 」vol. 38  新型コロナウイルス感染症の流行に政府は一斉休校を命じました。これが解除された後に不登校になる児童生徒が増えているらしい、という話が出てきています。  これは考えてみれば至極当然なことです。一斉休校が終わり学校が始まるというのは、言うなれば国を挙げての登校圧力がすべての児童生徒に降り注いでいるものです。  もともと学校へ行きたくないなか、がんばっていた人にとっては、コップから水があふれる最後の一滴を与えられたようなものです。  さて、これは仮説ですが、この増えた不登校児童生徒のなかに、これまで登校に抵抗はなかったが、一斉休校中に学校へ行かなくても毎日の生活ができると気づいて学校へ行くのをやめたというケースが、かなりあるのではないでしょうか。  今般の不登校の増加は、ここ数年の増加とは質が異なる可能性があると思うのです。  これは不登校を積極的に選択したということではありません。一斉休校の期間に、学習も遊びもご飯を食べるのも友人とのつき合いも家族とのつき合いもすべて、学校へ行かなくてもできることに気づいて、学校へ行かないことを自分のなかで肯定しやすくなる、さらに、親の視線も、同じようにこれまでよりもいくぶんか肯定的になる。  そうすると「あれ、なぜ学校へ行かねばならないと思っていたのだろう」と疑問が出ることもあるでしょう。これまでうまく適応していた人ほど、葛藤が強く生まれているかもしれません。これが質が異なると言ったゆえんです。 不登校の増加を問題視する報道に  すでに「不登校の増加は問題」とする報道が始まっています。私が運営する「訪問と居場所 漂流教室」にも、そうした話を聞きたいとマスコミから取材がありました。  当事者や支援者がネットで発信している意見を見ても、そうした意識があるようです。おそらく、不登校の数が増えるという話は統計を待たなくてもたぶん当たっているでしょう。  これから先、不登校の数をめぐる話がたくさん出てくるはずです。そんななかで、昨年来、「文科省は不登校を『問題』として扱わないことになった」と一部の支援者たちは訴えてきました。  であるならば、そのような支援者たちは不登校の増加を「問題」として語る報道などに加担するべきではないと思います。  数を問題にせず、コロナウイルス感染症流行や一斉休校のような施... --- ### ひきこもりの僕が感じた親がやがていなくなる不安 - Published: 2020-10-24 - Modified: 2024-10-25 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3291/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】ひきこもって見えてきた道, 2020年10月15日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり 連載「ひきこもって見えてきた道」vol. 5  僕は小学5年生のころに学校へ行くことが苦痛になっていた。父の説教で嫌々ながら登校していたが、その後、両親が離婚した。  父親には子どもは任せられないと、僕たち3人姉弟を母がひきとった。そして厳しい父から解放され僕は不登校となった。  母は学校へ行かない僕に「行きなさい」とは言わなかった。日常会話はするが学校に関することはとくに何も言わなかった。それが僕にとっての救いだった。  毎朝、母が働きに出かける際に玄関の扉が「バタン」と閉まる音を聞くたびに僕は心のなかで「今日も学校に行けなくてゴメンナサイ」と母に謝った。  そのことは後々になるまで母親本人には伝えなかった。言えばつらい思いをするのは母だとわかっていたからだ。  そして母が「学校へ行きなさい」と言わなかったのは、僕が今、もっともつらい状況であることがわかっていたからだと、だいぶあとになって聞いた。  母は看護師として働きながら僕たち姉弟を育てた。その後、姉は東京に出て主婦として働き、兄は四国で就職し結婚した。  一方、僕は職場の人間関係に疲れて退職し、再び家にひきこもった。今度は不登校のように立ち直ることができなかった。  母は病院に30年以上も勤めていて、社交的であり、山登りのサークルにも入っていた。だからこそ、まわりから子どもの近況など何度も聞かれただろう。そのたびに肩身のせまい思いをしたはずだ。  ときは流れて数年前の話になるが、体調の異変に気づいた母が病院の検査を受けたところ、初期の癌が見つかった。  それを母から聞いたとき、家族ではない他人事のように思った。無理矢理にでもそう思わないと心が耐えられない気がした。  手術は成功し、しばらくのあいだ、母は入院することとなった。母が入院しているあいだ、母の友人が何度もお見舞いに来たり、姉が東京から帰って来て母を励ましたりしていた。  しかし僕は病院へお見舞いに行くことはできなかった。 親がいなくても生活できるのか  当分の生活費はもらっていたが、ひとりですごすことへの不安が渦巻いた。その不安は退院までの期間だけで終わりではない。ずっと続くものだった。  親はやがていなくなる。その不安をまざまざと突きつけられたような気分だった。親がいなくなったとき、はたしてひきこもりの僕がひとりで生活できるだろうか。  ひきこも... --- ### 僕が居場所を見つけるまで。ひきこもり青年が安心できた理由 - Published: 2020-10-24 - Modified: 2024-10-24 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3359/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】ひきこもって見えてきた道, 2020年9月15日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり 連載「ひきこもって見えてきた道」vol. 4  東日本大震災が起きてから被災地でボランティアをしていた僕は、現地で出会った人から、長崎県の佐世保にある「フリースペースふきのとう」(電話0956・25・6222)という場所を教えてもらった。  ひきこもりには家にしか居場所がないと思っていたので、家の外でも支えてくれる場所があるのは驚きだった。その後、地元の長崎に帰った僕は、その足で、「フリースペースふきのとう」に向かった。  そこでふきのとうの代表である山北真由美さんと初めて会った。山北さんは娘さんの不登校をきっかけに、親の会「ふきのとう」を立ち上げた。  その後も不登校・ひきこもりの集まりを開いたり、ふきのとうをNPO法人化してフリースペースを開所したり、現在に至るまで当事者のために精力的に活動されてきた方だ。  山北さんとは初対面だったが、僕はつらかった体験やこれまでの気持ちを、自然と吐き出すことができた。  山北さんは意見を挟むこともなく、僕を見守るような眼差しで、ただ「うん、うん」とうなずいて聞いてくれた。家族に話すには重くて忍びない胸の内を、ちょうどよい距離感を保って受けとめてくれた。  僕はまたひとつ、居場所を見つけられた。  以来、僕はふきのとうに通うようになった。ふきのとうでは不登校やひきこもりを経験してきた利用者との出会いもたくさんあった。  ときにはぶつかりあうこともあったが、対話するなかで、おたがいの経験や思いを共感することができた。  数年が経ったころ変化があった。今までともにすごしてきた利用者らが、アルバイトを始めたり大学に進学したりするようになったのだ。  一方、僕だけは家とふきのとうを行き来するだけで、まったく動けなかった。働かなければとは思っていたが、気持ちが追いつかず無理だろうとあきらめていた。  かといって開き直れたわけでもなかったので、ほかの利用者から仕事や大学のようすを聞くたびに、内心焦りを感じていた。  いつしか僕自身もふきのとうへ行くことが減っていたころ、東北でのボランティア体験を思い出すことが増えた。  あのときに見た光景や出来事を文章にするのはどうだろうと思いついた。労働や学業には結びつかないかもしれないが、「やってみたい」、と強く思った。  その日から僕は執筆を始めた。あくる日、完成した体験記をコピー用紙に印刷して山北... --- ### 心療内科では何も変わらず、不登校の親の会で心がほぐれた - Published: 2020-10-23 - Modified: 2024-10-24 - URL: https://futoko-online.jp/parents/3353/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 会員限定記事, 親の思い, いじめ, 2020年9月15日号 - ハッシュタグ: 不登校の親, ひきこもり, 引きこもり  現在、息子はハタチです。学校や会社には所属せず、週4日アルバイトをしています。  バイト以外の時間は家でゲームをしています。朝までゲームをしていた日も、遅刻もせず、休むことなくバイトへは行くので、えらいもんです。  息子が不登校になったのは、中学2年生のとき。「明日から学校へは行かない」と言ったきり行かなくなりました。  原因は担任からのいじめだとわかり、私自身とてもショックを受けましたが、息子は何も言いませんでした。  その後、息子は高校に進学しました。出席日数は少なかったのですが、学校も責任を感じて推薦してくれたため、かんたんに入学させてもらえました。  今考えると、これがよくなかったなあと思っています。 高校生活は少しずつ  高校1年生のときは、本人もやる気になり、休むことなく勉強もがんばり、先生にもホメられ友だちもできました。  ですが、高校2年生のクラス替えで、今までの先生も友だちも変わり、「クラスになじめない」と、また休むようになりました。  こうなると「もしかすると不登校は家庭に問題があるのか」と親が考えるようになります。そういうかんちがいをしていたからでしょう。高校3年生になってからは、ますます休むようになりました。  中学とちがって高校は単位を取らなければいけません。学校へ行かなければ大学受験も難しくなります。  そのため、朝から「今日は休む!」「休むな!」と親子で大ゲンカ。息子を蹴とばしたり、叩いたりもしました。なんとか卒業できましたが、大学受験は1年間、見送るということで浪人しました。  そのあいだは、勉強もせずゲーム三昧の日々。昼夜逆転生活のひきこもりとなり、1年後の大学受験も落ちました。 わかってもらえた  一番つらかったとき、私は、心療内科やカウンセリングに行きましたが、何も変わりませんでした。  ですが、不登校の親の会はちがいました。本気で悩んで子どもと向き合ってる人たちに会えて、やっと私の頭と心がほぐれていきました。  「やっとわかってもらえた!」と気持ちがすごく楽になりました。そんな親の心の変化が息子との関係をも変えました。  具体的には「ひと呼吸」を置けるようになったのです。息子が遅刻しそうなとき、忘れ物をしたとき、そっと見ておく。  息子はどうするんだろう、と。すぐに私が解決しようと行動するのではなく、見ておくと子どもは自分で... --- ### 相談者の選定方法や心の整理法、児童精神科医が綴る心の護身術 - Published: 2020-10-14 - Modified: 2024-10-25 - URL: https://futoko-online.jp/books/3306/ - カテゴリー: 書籍等紹介 - タグ: 会員限定記事, 書籍紹介, 2020年10月15日号  本書は『10代から身につけたい ギリギリな自分を助ける方法』というタイトルの通り、中学生から高校生年齢の子どもたちを読者対象としています。  友人、恋愛、家族、自分自身などのテーマごとに章立てされており、子どもたちがつらいと感じたとき、それを解決するヒントになる考え方や行動などについて紹介しています。  著者で児童精神科医の井上祐紀さんは、つらいと感じた自分を助けるためには3つのステップを試してほしいと提案します。  それは「整理する」「つながる」「対処」するという流れです。  その3つのステップのなかでもっとも大切な「整理する」の基本として「起こった」→「感じた」→「どうなった」の順に洗い出し、書き留めていくということでした。  友だちから無視されたという場合は、「突然、無視されるようになった」→「私が何か悪いことをしたかな」→「無視されたことを考えるだけでも涙が出る」という整理になります。  本書を読んでいくうちにこれは親御さんにも読んでほしいと感じる部分がいくつかありました。なかでも「安全な相談者」と「距離を置くべき相談者」という部分です。  子どもにとって「安全な相談者」とは、(1)結論を押し付けない、(2)あなたの感情を否定しない、(3)あなたのほうが多く話すことができる。  これら3つを満たす人だと、井上さんは指摘します。つまり、そのどれかが欠けている人は「距離を置くべき相談者」ということです。  井上さんは「自分は守られるべき存在だ」ということをすべての子どもたちに思い出してほしい、と訴えます。  では、私たち大人はそうした実感を子どもたちが得られるように関わっているだろうか。そう考えなおすきっかけになる一冊です。(東京編集局・小熊広宣) 『10代から身につけたい ギリギリな自分を助ける方法』 井上祐紀 著/1300円(税別) KADOKAWA (TEL)0570-002-301 (初出:不登校新聞540号(2020年10月15日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### 日章学園九州国際高等学校の卒業生に聞く【記事広告】 - Published: 2020-10-13 - Modified: 2024-10-25 - URL: https://futoko-online.jp/children/3300/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2020年10月15日号 佐賀県庁で心理専門職として働く日章学園九州国際高等学校の卒業生・田中賢志さんにお話をうかがいました。  中学に入ってから、教室で「ひとりぼっちだな」と感じることが多くなりました。なんでか理由はわかりませんが、友だちが離れていくんです。僕も積極的に声をかけてみたり、明るく振るまったりしましたがダメでした。  ひとりですごす学校はとてもつらく、当時は勉強に没頭することで自分を保っていました。勉強ができれば「このクラスの人たちとは高校で別れられる」と。ゲームもせず、アニメも見ず、朝9時から夜11時まで、ご飯やお風呂の時間以外はずっと勉強していました。両親は「がんばりすぎじゃないか」と心配するときもありましたが、まさか悩んでいたから勉強しているとは思っていなかったみたいです。  こうした勉強により高校は進学校へ進みましたが、そこでも人間関係に悩みました。何をしても人が離れてしまう。いよいよ精神的には追いつめられ、自分で髪の毛を抜いてたときもありました。その後、不登校になり、日章学園九州国際高等学校に転校したのは高校3年生からです。すごくありがたかったのは先生の対応でした。ふだんからよく声をかけてくれたので話しやすかったし、ヘルプも出しやすかったです。とくに助かったのが、担任の先生が、クラスメイトに「教室を移動するときとかは田中くんに逐一、声をかけてあげて」と言ってくれたんです。この一言には本当に助けられました。自然に声をかけてもらえるので、そこから仲よくなれたからです。  日章学園九州国際高等学校ですごした1年間は、クラスメイトとたあいもない話ができたり、放課後にみんなでサッカーをしたり、そんなふうに楽しむのって小学生以来だったんです。全日制だからこそ同級生や先生とのよい人間関係ができたのかなとも思っています。僕にとってはその後の進学や就職につながる転機の1年間になりました。(了) (初出:不登校新聞540号(2020年10月15日発行)。掲載内容は初出当時のものであり、法律・制度・データなどは最新ではない場合があります) --- ### 日本初の変わったフリースクールが福島県郡山市に誕生 - Published: 2020-10-13 - Modified: 2024-10-25 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3287/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2020年10月15日号 - ハッシュタグ: フリースクール メイン画像:小関翼さん  2020年5月12日、福島県郡山市に新しいフリースクールが誕生した。その名も「フリースクールトレーラー」。コロナ禍において新たな居場所をつくることに踏み切った思いについて、スタッフの小関翼さんにお話をうかがった。 * * * ――「フリースクールトレーラー」とはどのようなものなのでしょうか?  福島県郡山市にある「福島コトひらく」という施設にトレーラーハウスがあるんです。タイヤを修理し、けん引できるトラックさえあればいつでも動かせる本物のトレーラーハウスです。そこを借りて今年5月からフリースクールを始めました。  福島県には「ビーンズふくしま」(福島市)や「寺子屋方丈舎」(会津若松市)など、20年以上活動しているフリースクールがありますが、県全体で見た場合、フリースクール自体の認知度はまだまだ低いというのが実状です。  郡山市内で話を聞いてみても「フリースクールって都会のものだよね」「そんなにやっている人はいないから」という反応がとても多かったんです。  こうした状況を少しでも変えようと思って始めたのが、インターネットで寄付を集めるクラウドファンディングでした。  たんに資金集めというだけでなく「フリースクールという居場所が全国にあって、それを郡山市で新たにつくります」ということを広く知ってもらう機会にできないかなって。  結果的に60人の方に支援していただき、そのなかには郡山市内の方もいました。地元に応援してくれる方がいるという状況で始められたことが何よりうれしかったですね。 関心でなく監視 ――活動を始めてみて、どういったところに難しさを感じますか? 「フリースクールトレーラー」のことを地元情報誌に取り上げてもらったんですが、残念ながらまったく反応がありませんでした。  じゃあ不登校の子どもがいないかというとそうではない。データを見るかぎり、郡山市内の不登校は増えていて、年間30日以上の長期欠席者の半分は不登校としてカウントされています。  郡山市にかぎった話ではないと思いますが、「学校へ行っていない」とか「フリースクールに通っている」ということを表に出すことがはばかられる空気感がまだ根強いのだと思います。  「地域の人は子どもに関心を寄せているのではなく、監視している」なんていう声を聞くこともありますから。  不登校の子どもがいないわ... --- ### 「あなたは不登校を克服しましたか」不登校経験者36名の回答【全文公開】 - Published: 2020-10-13 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/children/3297/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 無料記事, 当事者の声, 2020年10月15日号  不登校経験者のインタビューを読んでいると「私は不登校を乗り越えた・克服した」という切り口で「不登校その後」が語られていることがあります。そう感じている人もいると思いますが、「不登校を乗り越えたか否かというあいだには、じつは不登校経験者のさまざまな思いがあるのではないか」と思い、今回は子ども若者編集部を対象にアンケートを実施。率直な本音を聞きました。 * * *  9月18日から25日にかけて、本紙「子ども若者編集部」にアンケートを実施しました。10代から40代にかけて、計36名から回答をいただきました。  まず始めに、自身の不登校を乗り越えた・克服したと感じているか否かについてたずねました。  「とても感じている」「やや感じている」と答えたのは8名(22・2%)、「どちらとも言えない」と答えたのは10名(27・8%)、「あまり感じていない」「まったく感じていない」と答えたのは18名(50・0%)と、不登校を乗り越えた・克服したと「感じていない」という人が半数という結果でした。続いて、その理由を聞きました。 「克服したと感じる」進学などで  不登校を乗り越えた・克服したと「感じている」人は、いつどんな場面でそう実感したのか。  「定期テストをすべて受けられたとき」「23歳で高校を卒業したとき」「遠方の高校に進学したとき」「同級生と何かいっしょに行事をしたとき」「海外の高校に転学したとき」などの理由が挙がりました。  8名の回答者全員が現役高校生もしくは高校を卒業していることから、進学や学校行事などへの参加が「私は不登校を乗り越えた・克服した」と感じるきっかけのひとつになっていることがうかがえます。  一方、「不登校になった真の理由に気づけたときに自分自身の過去と向き合うことができた」「自分自身のありのままを受けいれられたとき」という声もありました。  自問自答のすえに出した気づきが、そうした実感を得るきっかけになっていることがうかがえます。 「どちらとも」就活中に質問も  「どちらとも言えない」と回答した10名のうち、現役高校生および高校卒業者は7名でしたが、先ほどとは少し異なる意見が集まりました。  「精神的にも年齢的にも成長して余裕ができたと思うが克服とはちがうと思う」「不登校でうつ病になり、今もまだ症状が完全には治まってない」「大学にも進学したが学生生活が思う... --- ### 「不登校だからうまくいかない」私の意識が変わったきっかけは【全文公開】 - Published: 2020-10-13 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/children/3294/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 無料記事, 当事者の声, 2020年10月15日号 今回執筆いただいた、ひなさんは中学生のときに不登校を経験した。不登校が終わったあとも、「自分が不登校だったこと」に苦しんだという。ひなさんに、ご自身の思いを書いていただいた。 * * *  中学1年生の終わりごろから卒業するまでのあいだ、私は不登校でした。中学を卒業したあとは、中学時代の知り合いが誰もいない、不登校の子を受けいれている全日制の高校に進学しました。 新しい自分に期待していた  「今までマイペースに別室登校していたのに、ちゃんと通えるのだろうか」「また学校へ行けなくなるときが来るんじゃないか」と高校生活への不安はありましたが、あこがれていた、かわいい女子高生になれるかもしれない、という期待も私は同時に感じていました。  そして、何より「もう不登校じゃない自分になるんだ」と新しい生活に意気込んでいました。でも、結局、私は高校で「不登校だった自分」に苦しむことになったのです。  高校に入学してから、しばらく経つと、ささいなことで友だちとケンカをしたり、失恋をしたり、たくさんの人間関係の壁にぶつかりました。  友だちから少しキツい言葉を言われたり、指摘をされたりするだけで、すぐ落ち込んでしまっていたのです。  なぜちょっとしたことで落ち込んでしまうのか、私はその原因を考えてみました。そして、「原因は私が不登校だったからだ」と思うようになったのです。  「不登校だったとき、私は自分に優しくしてくれる大人としか、すごしていなかった。まわりの人から厳しい言葉を投げられることに慣れてない。だから私の人間関係は、うまくいかないんだ」と。  それ以来、人間関係で何か少しでもうまくいかないことがあると「不登校だったからだ」と考えることが、私のクセになっていました。  自分に落ち込みながらも、私はなんとか無事に高校を卒業することはできましたが、「不登校だからうまくいかない」という自分の価値観は、結局、高校を卒業するまで変えることはできませんでした。 不登校は私のすべてではない  しかし私は今、不登校は、あくまで自分にとってカゼをひいたような出来事のひとつにすぎず、私自身を表す、すべてではないと思っています。そう思えるようになったのは、社会に出てからの経験が大きく影響しています。 今、私は病気や身体の障害で不自由を抱えた患者さんのリハビリのお手伝いや心のケアをする、作業療法士と... --- ### 「すべてがストップしてしまう」息子が不登校になって心配だったこと - Published: 2020-09-29 - Modified: 2024-10-24 - URL: https://futoko-online.jp/parents/3335/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 会員限定記事, 親の思い, 2020年10月1日号 - ハッシュタグ: 不登校の親  息子は中学1年生のとき、学校へ行かなくなった。  このころ私は「行かせなきゃ」という思いばかりで、子どもの気持ちを考えていなかったのだと思う。息子も私も必死で、かなり荒れていたので手や言葉の暴力が出て闘った。  スクールカウンセラーに現状を話したり、不登校の親の会に参加したりして、気持ちを吐き出すことで少しずつ私自身が落ち着き、いつのまにか学校へ行ってほしい気持ちはあっても「行かせなきゃ」とは思わなくなった。私がそう思えたころからは息子も落ち着いてきた。  私が「行かせなきゃ」と思っていたのは、まわりの目を気にし、体裁や自己満足のため、息子を支配していただけだった気もする。 体育大会が見たくて息子を無理に学校へ  よく思い出すのは中学3年生の体育大会。  夫と私は無理に息子を学校へ連れて行った。体育大会を見たいという私の気持ちが強かったからなのだが、息子はつらい気持ちになったのか、車の陰でシクシクと泣いていた。今、思い出しても胸が痛む。  ゲームのことも悩みの種だったが、今となっては、やめさせなくてよかったと思っている。息子は不登校になる前からオンラインゲームが好きで、私はそれを何度もやめさせようとした。  しかし、オンラインゲームでつながった友だちもいるようで、今でもときどき、話をしているみたいだ。話すのは地域や年齢もいろいろな人たち、なにより家族以外の人と話す機会になっているのはよいことだろう。  最近は私も介護やほかの家族のこと、仕事などで息子ばかりに目をやることがなくなってきた。  すると、息子は親の支配下から解き放たれ、自分のことは自分で考え、進路についても悩んだりしているようだ。  気がつけば、ゲームの時間も減っていて、お昼ご飯も自分でなんとかしている。手や口を出しすぎて過干渉になっていた私を、息子が変えてくれたと思っている。  「こうでなければダメ」から「こんなふうでもいいよね」に考え方が変わったのだ。 子どもも親も少しずつ成長  現在、息子は19歳。とにかく学校という存在が苦手で高校にも行かない選択をした息子。アルバイトについても「今はできない」と正直に話してくれる。  助けを求められたら話を聞いたり、アドバイスしたりしているけど、本人の気持ちを優先して無理強いはしないようにしている。  子どもが不登校になると、その時点で「すべてがストップしてしま... --- ### 将来を考えると焦りがちな子どもの勉強。その前に向き合うべき心構えとは - Published: 2020-09-29 - Modified: 2024-10-24 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3347/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2020年10月1日号 - ハッシュタグ: 高校受験, 受験, 大学受験, 高卒認定試験, 高卒認定, 大学入試  不登校や高校中退者を対象とした学習塾「河合塾COSMO」。そのCOSMOで10年以上にわたり、子どものサポートをしてきたのが高岡利州さん。休校の余波で「勉強の遅れ」に対する心配の声が広がるなか、勉強について親がどう考えたらよいかをうかがった。(本紙編集長・石井志昂) * * * ――3カ月に及んだ休校とその余波を受けて、この間、「勉強の遅れ」を心配する声をたくさん聴いてきました。高岡さんは現状をどう考えていますか?  勉強の遅れを心配する保護者の声を私も聞きますし、私自身も一人の親ですからお気持ちもわかりますが、結論から言えば「不安にかられてもしかたがない」と考えています。  そもそも、子どもの学習環境を考えても、親が不安になってもいいことは一つもありません。「子供・若者白書」(内閣府発行)によれば、半数以上の子どもが自分を否定的に捉えています。  その子どもたちに、親が不安や焦燥感から「勉強しなさい」「将来のためになるんだから!」などと急かしてしまうのは逆効果だと言えます。 そう言われた子は、「勉強ができないと、やっぱりダメなんだ」「どうせ自分は... ... 」などとさらに不安や自己否定感を膨らませ、「親は何もわかってくれない」と絶望感を強めてしまいかねません。そんな状態では机に向かおうとはしませんし、机に向かったところで効率は上がりません。  もうひとつお伝えしたいのは、国の教育方針が変わり、「学力」の定義が変わったことです。  今までは、暗記や計算など「知識・技能」を重視していましたが、これからの「学力」とは、「知識・技能」だけでなく「考える力」や「表現する力」、「主体性」を含めたものになりました。  つまり「考える力」や「主体性」を育むことも勉強なのです。大学入試も、この方向へと大きく変わっています。  そして、「暗記」「計算」「考える」などを勉強する際に、土台となるのが「安心感」です。不安になれば集中できませんし、集中できなければ「暗記」も「考える」こともできません。  大人でも、不安な気持ちで仕事に取り組むとミスをしてしまうでしょう。それと同じです。 ――「勉強してほしい」という思いから出そうになる言葉を、グッと飲み込まなければならないのですね。  そうですね。ただし、うまく飲み込めたとしても、子どもは空気を読むので、親の焦りはビンビン伝わってくるは... --- ### 「1話せば10わかってくれる」不登校の親どうしでつながるススメ - Published: 2020-09-29 - Modified: 2024-10-24 - URL: https://futoko-online.jp/column/3332/ - カテゴリー: コラム - タグ: 会員限定記事, コラム, 2020年10月1日号 - ハッシュタグ: 不登校の親  不登校の子どもを持つ親に取材をしていると「悩んでいるのは私だけじゃないんだと思えたことで気持ちが楽になった」という話題が出ることがあります。同じように不登校で悩む親とつながれたことで、「私はひとりじゃない」と実感できた、と。  私はこれまでの取材を通じ、親にとって、この実感が子どもと向き合う上での大事な「出発点」になると考えています。  不登校でつらいのは、言うまでもなく子ども本人です。しかし、誤解を恐れずに言えば、親には親のつらさがあるものです。だからといって、そのつらさを子どもにぶつけることがあってはいけませんので、そんなときに大きな助けになるのが、同じ経験をした親の存在です。  私はよく「親がひとりで抱え込もうとせず、わが家の不登校についてとことん話せる人や場所を見つけてほしい」とおすすめしています。 共感と失敗談 親どうしでつながることをおすすめする理由は大きく2つあります。  1つ目は「『1』話して『10』わかってもらえる安心感」です。親の悩みは「昼夜逆転している」「家から出ない」といった子どもの生活事情から「近所のスーパーで買い物しづらい」「部活帰りの学生の集団を見かけると胸が締めつけられる」といった親の気持ちなど多岐にわたります。  ところが、そうした悩みはほかの家庭でも直面しているものなんです。悩みを打ち明けたとき、あれこれ説明せずとも「うちの子も昼夜逆転だったわよ」「私もわざわざ車で30分かけて買い物に出かけていた時期がある」なんて返事がある。言葉に詰まってしまっても、相手は何も言わず待ってくれている。  私自身、「不登校の親の会」を取材するなかで何度か目の当たりにしたことがありますが、その瞬間に広がる共感こそ、親が安心感を得る始まりだと感じられました。  2つ目に「実例を知ることができる」ということ。ほかの家庭では、子どもとどう向き合ってきたのか。そこには成功談もあれば失敗談もあります。  これもよく言われていることですが、大事なのは失敗談のほうです。「通信制高校のパンフレットを机の上にそっと置いてみた」「パソコンやゲーム機を没収した」などの結果、かえって子どもが荒れてしまった、という話から、大事なポイントが見えてくる瞬間があります。  もちろん、成功談を全否定するわけではありませんが、それらは結果論であることも少なくありません。  あとで振り... --- ### 不登校の兄と登校する弟、兄弟の関係をどう支えたら? - Published: 2020-09-29 - Modified: 2024-10-24 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3341/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】すまいる式 子どものわかり方, 2020年10月1日号 連載「すまいる式 子どものわかり方」vol. 35  今回のテーマは「不登校になった兄と登校を続ける弟」です。相談は次のとおりです。  「兄が不登校になり、子どもが休むことを親として受けいれられるようになってきました。しかし、弟は変わらず登校を続けています。私が兄を休ませるようになると弟は納得がいかないような顔をし、弟と楽しく学校の話をすると兄がさみしそうな顔をします。兄弟とも同じように気をくばって接しているつもりですが、どうしたらいいのか悩んでいます」。  「兄弟間の対応について」は、たくさんの保護者の方から相談をいただくテーマです。このテーマを考えるうえで、私は以下の3つのポイントが重要だと思います。  それは、「適切な距離感を保つこと」「相談相手を増やすこと」そして、「親の思いを伝えること」です。  まず「適切な距離感を保つこと」。兄弟を含め、家族間の距離は年齢などによって変化し、そのときどきにふさわしい距離感があるのだと思います。  不登校も距離感を変化させる機会になり得ます。そこで理解を深めるために近づいてみたり、衝突を避けるためにあえて遠ざかったりする場面も必要なのです。  それから、「相談相手を増やすこと」。子どもも親も、自分の思いを話せる相手がいることが重要です。  そしてときにはそれを外部に求めてもいいと思います。例えば、兄にとってはフリースクールが、弟にとっては学校が、親にとっては保護者の会が、その役割を担うことができるように思います。  最後に「親の思いを伝えること」。適切な距離を保ち、相談相手をつくることによって、親には心の余裕が生まれます。  その余裕があって、ようやく親はうまく思いを子どもたちに伝えることができます。そんな思いが伝わる安心感のある家庭が理想です。  これらのポイントは、すべての子育てに有効であることを私自身も感じています。不登校にかぎらず、そんな子育てをいつも積み重ねていけたら、と思います。 理解の「始点」を  しかし、そうは思いながらも、保護者にとって子どもの「不登校」が大きなできごとであることは言うまでもありません。そこで大事なのは、保護者自身が不登校についてどう思っているか、自分の考え方を理解することだ、と私は思います。  今回の相談でいえば、不登校についてどう思っている(いた)か。そして、なぜ「子どもが休むことを受... --- ### 学校での同調圧力が僕はずっとツラかった - Published: 2020-09-29 - Modified: 2024-10-24 - URL: https://futoko-online.jp/children/3344/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2020年10月1日号  今回執筆いただいたのは、高校1年生で不登校になった、みやもとたかひろさん。みやもとさんは20代になってから、自分が学校での同調圧力に苦しんでいたことに気づいたという。ご自身の思いを書いていただいた。 * * *  僕は学校を卒業して、大人になってから気づいたことがある。それは、学校には「同調圧力」が存在しているということだ。僕自身、ずっとその存在に苦しんできたように思う。  僕が最初に同調圧力を感じたのは、中学校での部活動だった。僕の中学では、新入生はかならず何かの部活に入部しなければいけないという決まりがあった。  部活動をやりたくないわけではなかったけれど、入部を強制されることに当時の僕は違和感をおぼえた。でも、部活に入らないという選択肢はない。結局僕は、ソフトテニス部に入部することにした。  入部したソフトテニス部のなかには、同調圧力に似た、暗黙のルールなるものが存在していた。新入生が使えるラケットのメーカーがあらかじめ決められていたのだ。  しかし、新入生だった僕は入部前に暗黙のルールの存在を知らず、たまたま先輩が使っているメーカーと同じラケットを買ってしまった。  意図せずルールに逆らってしまってからの部活動は最悪だった。先輩の目にとまるたび「ほかの1年生とちがっていいラケット使ってるね」とからかわれ、プレーでミスをすれば「あれ、どこのラケット使ってるんだっけ?」と笑われた。  「みんなと同じ」を守ることは自分の身を守ることでもあるのだと思い知った出来事だった。 たかがラケット  今思えば、たかがラケットのメーカーだし、何より、おかしなルールだったなと思う。でも、同調圧力が働く部のなかでは、おかしなルールも絶対のルールになっていた。  たとえ自分がおかしいと感じても、「おかしい」とは口に出せないような雰囲気も漂っていた。自分の違和感を言えない同調圧力はツラかった。  中学生になるまでは、「みんなと同じでいること」をあたりまえのように受けいれていたけれど、部活動での出来事を経験してからは、みんなといっしょをよしとする学校に、僕は疑問を持つようになっていった。  高校生になっても「みんなと同じ」に対する僕の違和感は膨らんでいった。きっかけは、高校1年生で不登校になった当初、両親と先生からかけられた言葉だった。  両親からは「ほかの子はみんな学校へ行っているん... --- ### 「治せない弱さが持ち味になった」俳優・佐藤二朗が伝えたいこと【全文公開】 - Published: 2020-09-29 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3329/ - カテゴリー: インタビュー, 不登校 - タグ: 無料記事, 2020年10月1日号 - ハッシュタグ: 強迫性障害  俳優としてテレビや映画で活躍する佐藤二朗さんにインタビュー。かつては劣等感から自分に自信が持てず、「暗黒の20代」をすごしていたという。夢と現実の狭間で葛藤し、苦しみの末に見出した思いをうかがった。 * * * ――俳優を目指そうと思ったきっかけは?  僕が覚えているかぎりの最初の記憶は、小学4年生の学習発表会での劇です。そのとき僕は脇役を演じたはずなんですが、なぜか僕のセリフの量は劇全体の7割を占めていてね。  たいへんでしたが喋るたびに、みんながすごく笑ってくださったんです。そこから「お芝居ってなんて楽しい世界なんだ」と思ったんです。  また、ちょうど同じ時期に、脚本家の山田太一さんや倉本聰さんのドラマをかじりつくように観ていたので、その影響も大きかったですね。  そうしたことからお芝居の世界に夢中になり、しまいには「僕は俳優になる」と思いこんでいました。  今考えると頭がおかしいとしか言えないんですが、「俳優になるのが夢? いやいや、なる運命だから」と本気で考えていたんです。バカですね(笑)。  でも一方で「そんなの無理に決まっている」と否定する自分もいました。僕は田んぼ畑が広がる片田舎に住んでいたので「大東京にひとりで上京して、役者で飯なんて食えるわけがない」とも思っていたんです。  結局は俳優の道に進む勇気が持てず、大学を卒業してリクルートに就職しました。ところが、1日で辞めてしまったんです。 ――そうだったんですか!  もちろんリクルートさんには非がないし、僕も辞める気はなかったんですが、入社式でいっしょに働く同僚や熱意あふれる上司の話を聞いているうちに「この人たちと10年も、20年もいっしょに仕事するんだ。このまま俳優をあきらめるんだな」と実感したのね。  気づいたら入社式のあと、寮にある荷物も置いたまま、ふわ~って鈍行に乗って、地元に帰ってしまいました。  こうなったら俳優に挑戦するしかないと思って、その後、2つ養成所に通いました。でも、現実は厳しくて劇団員になれませんでした。「僕には適性がないんだ」とショックに打ちひしがれ、やむなく広告会社に就職したんです。  あのころは俳優への気持ちを打ち消すことに必死でした。がむしゃらに働いたので、営業成績も悪くなかったんですけどね。  でも、ふとした瞬間に「俳優になる運命だ」と言っていた過去の自分がよぎるん... --- ### 学校の代わりになる場所を4年間、探し続けた末に私が求めたこと - Published: 2020-09-23 - Modified: 2024-10-24 - URL: https://futoko-online.jp/children/3439/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2020年9月1日号  今回執筆いただいたのは、木原ゆいさん。木原さんは不登校になってから4年間、「学校の代わりになる場所」を探し続けたという。当時の思いを書いていただいた。 * * *  私が不登校になったのは、小学1年生のころ。なぜ不登校になったのか、はっきりとした理由は思い出せない。  ただ何事にも敏感な気質を持つ私は、学校の集団生活に耐えきれなくなり、しだいに学校へ行きしぶるようになった。朝になっても布団から起き上がれず、玄関からは足が一歩も進まない。  「学校へ行かなけなければ」と、頭ではわかっているのに、身体がまったく動いてくれなくなった。  母に付き添ってもらいながら登校を試みたこともあったが、学校に近づけば近づくほど心が重たくなり、いつも通学路の途中で足が止まって、結局は家に引き返えした。  何日経っても「学校へ行けない」という結果は変わらず、私はどんどん学校から遠ざかり、不登校になった。  しかし、学校へ行かなくなっても、私の苦しい日々は終わらなかった。学校へ行かなくなってから半年が経ったころ、母は私を外に連れ出すことが多くなった。  保健室、職員室、フリースクール、フリースペース、遊戯療法、適応指導教室、塾、習い事... ... 。  母に連れられ、私はありとあらゆる場所へ行った。母は「学校の代わりになる場所」を探そうとしていたのだ。  どの場所も、私が本心から行きたい場所ではなかった。でも、当時の私には「このままではいけない」という漠然とした焦りがあった。  だから次から次へと出てくる「この場所へ行ってみない?」という母の提案に、私は「うん」とうなずくことしかできなかった。  それぞれの場所に通っているあいだ、楽しいと感じられる瞬間はあったし、ちょっとしたことを話せる人もできた。  しかし結局、私はどの場所にも長く居続けることはできなかった。それは、いつも突然、私のなかで何かがプツっと切れて限界が来てしまうからだった。  いろんな場所に行きすぎたがゆえの、「燃え尽き症候群」のようなものだったのかもしれない。一度自分のなかで限界を迎えてしまうと、学校へ行けなくなったころと同じことのくり返し。朝は起きられなくなり、身体も動かなくなった。  「学校の代わりになるはずの場所」へ行きしぶるようになると、母からは毎朝泣きそうな顔で、「今日は行けるの? 行けないの?」と聞かれた。... --- ### 過干渉な母との20年、解放のきっかけは夫の一言 - Published: 2020-09-15 - Modified: 2024-10-24 - URL: https://futoko-online.jp/children/3365/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2020年9月15日号 - ハッシュタグ: 過干渉  翻訳家・ライターの林真紀さんは、幼いころより母親との関係に苦しんできた。現在は、これまで向き合い続けてきた生きづらさについて書籍やネットなどで発信している。同じく母親との関係に苦しんでいる子ども若者編集部記者・ゆりなさんが取材した。 * * * ――ゆりなと申します。私は家族とたがいに充分な信頼関係が築けておらず、とくに過干渉な母との日々の生活は、心が押しつぶされそうになります。林さんも母親との関係で苦労されたとお聞きしましたが、どのようなご家庭だったのですか?  私の家族は、「高学歴な学校に行かせれば、それで子育ては成功」という人たちでした。逆に言えば、「頭のいい学校へ行けなければ子育ては失敗」ということです。  とくに母は何かにつけて人の話をするときは、学歴の話題を最初に持ち出すような人でした。私は「頭のいい学校に入らないと見捨てられる」、そう思ってずっと怯えながら生きてきました。  家庭内での学歴差別もありました。兄弟でも頭のできがよければしっかり面倒を見るし、できの悪いほうは家の外では会話にも出さない。  私は、そういうことを目の当たりにして生きてきたので、「差別する・される」現場を毎日、家のなかで見続けていたことは、深く心の傷として残っています。  そして当然のように、母は私に中学受験をさせました。中学受験は私にとって、ものすごくキツかったです。  母はほかの子と遊ぶことも、友だちを家に連れてくることも禁止しました。また夜11時まで私に勉強をさせたのです。塾にも通わされ、勉強ができる子と毎日比べられる生活で、私はつねに身体から力が抜けず、とうとう体調を悪くしてしまいました。  そんな日々のなかで、私は母の価値観を内面化し「頭のいい学校へ行かなければ、私には価値がないんだ」と思い込むようになりました。 アメリカ留学で母に違和感を ――母親の価値観に違和感を持ったのはいつごろですか?  20歳のときにアメリカで1年間留学した経験が、母との関係に大きな変化をもたらしました。  大学生までは母とケンカはするものの「母に愛されなくなるくらいなら、母の意思に従おう」、「母に嫌われないためにがんばろう」という考え方で進路選択をしてきてしまいました。  しかし初めて母から離れたところで生活し、自分の意思で物事を決めていく過程で、自分のなかに内面化された母の存在に気づき始... --- ### 「親ってほんとに子どもが心配なの」加藤登紀子が語る子離れの瞬間【全文公開】 - Published: 2020-09-15 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3350/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 無料記事, 2020年9月15日号  歌手・加藤登紀子さんは今年で歌手生活55周年を迎えた。戦後から現代へ、歌い手として生き抜いてきた加藤さんに、生きにくさや自由について、また、子育てについてお話をうかがった。 * * * ――私をふくめて多くの人にとって、現代は生きにくい社会になっていると感じます。加藤さんはどう思われますか。  こんなことを言ったらひんしゅくを買っちゃうかもしれないけれど、あえて聞きますね。どうして生きにくいの?  昔と比べると、たくさんの物が手に入るようになって、生き方の選択肢が格段に増えたはずですよね。生きにくいって言うけど、「どうしてなの? 誰が生きにくくしてるの?」って、聞きたくなっちゃうんですよね。  でも、この国の戦後の歴史を考えると、今の人が「生きにくい」と感じるのもわかる気がします。日本は経済的に成長し、豊かな国になりました。しかしそれにともなって、閉塞感が出てきたんだと思います。  うちの一家は終戦をハルビン(旧満州。現中国東北部)でむかえて、命からがら引き揚げてきました。そのため、私には「こう生きなければならない」というモデルがありませんでした。財産を受けつぐとか、代々続いてきた家を守るとか、そういった縛りがなかったのです。  日本という国はまだ未成熟で、社会的な決まりごともできていませんでした。家にはだいたい一人は居候がいたり、失業者が転がり込んできたり。  わけのわからないことがたくさんありましたけど、それがあたりまえだったんです。どこの家も貧しい暮らしをしていましたが、不思議と、暗くはありませんでした。  以前、南アフリカに行ったことがあります。巨大な黒人居住区があり、見渡すかぎりの丘に家々が広がっていました。そこではたくさんの子どもたちが走りまわり、大きな声で空に向かって歌っていたんです。  一方、白人たちの居住区には、大きな家が立ちならんでいましたが、どこも高い壁で囲まれていました。なかに住む子どもたちは、自由に外出することができないようでした。 広がった閉塞感  日本が貧しい時代から経済成長していくにつれて、いわば南アフリカの黒人居住区のような環境から、白人居住区のような環境に生活が変わっていったんだと思います。  私はマンションで子育てをしてきましたが、隣にどんな人が住んでいて、何をやっているのかもわかりませんでした。機能的にはすべてが整備されてい... --- ### 今こそ問われる自己責任の社会、ひきこもりと生きる権利 - Published: 2020-09-15 - Modified: 2024-10-24 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3356/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】西村秀明のコラム, 2020年9月15日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり 西村秀明のコラムvol. 3  2019年11月に起きた筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性に対する嘱託殺人事件は、日本中に衝撃が走った。ALSはいまだ原因が解明されておらず根本治療がないものの、人工呼吸器を着装することで生存期間を延ばせるという。  ところが、ALS患者の7割の方が「周囲に迷惑をかけて生きることになる」という理由から、人工呼吸器を着装せずに亡くなられていると知って、なお衝撃が走った。現代社会のなんと無策なことか。  人間はみな迷惑をかけ合って生きていることが、当然でなくてはならぬ。1959年デンマークの社会運動家バンク=ミケルセンは、「障害のある者(マイノリティ)も一般市民も、この社会でともに生きるのがノーマルである」と主張し、人はどんなに障害が重くてもノーマルライフを送る権利があり、社会はそれを保障する責任があるという「ノーマライゼーション」を提唱した。この理念は全世界に拡がり、1975年の「障害者権利宣言」へとつながった。  一方で第2次産業革命以降の経済社会は、労働力に見合わない者を排除する構造的要請が支配してきた。  学校教育は一部のエリート選別のための細分化を進めた結果、障害と見なされた者はすべからく普通学級から姿を消され、子どもたちは「障害」を異質なものとして理解することを当然のように学ばされた  現代においてもこうした排除の構造は残されたまま、世界の経済戦略に勝ち残っていくための仕組みとして受け継がれてきた。 熟考すべき声が  しかし、これに疑問を投げかけた人たちがいる。いわゆる中高年の「ひきこもり」である。  彼らは、経済的活況のなかで心身とも疲弊した「経験」を語ってきた。社会は彼らの声に真摯に耳を傾け、日本の将来の在り様について熟考していくべきである。  現在、世はコロナ禍において、時の指導者は国民の身を守るために「ひきこもれ」と宣言した。にも関わらずコロナの侵略は留まることなく、経済は低迷の一途をたどり、生活に困窮する人が続出している。  経済社会への依存がいかに脆く崩れゆくものであるかを見せつけられた。皮肉にも「安心してひきこもって生活できる」仕組みが社会に用意されていないことが仇となったのだ。  これは従来からの「障害者対策」や「ひきこもり対策」にも重なってくる。日本の福祉は「自立支援」という言葉が踊り、結局は「自立」、つまり... --- ### 不登校経験者4名が綴る。「私はこの言葉に救われ、支えられた」【全文公開】 - Published: 2020-09-15 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/children/3362/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 無料記事, 当事者の声, 2020年9月15日号  ツラいときや苦しいとき、まわりの人から言われた言葉で不思議と心が軽くなることがある。今回は不登校経験者4名に、自分が救われ、支えられた言葉について執筆いただいた。 * * * 不登校の私も  私は中学2年生で不登校になったのですが、中学3年生のころから、ある劇場が定期的に開催していた演劇ワークショップに参加していました。  いろんなものになりきれるワークショップに参加することで、私は少しずつ自信を取り戻すことができました。そして、徐々に学校へ行くようになりました。  ある日、ワークショップのおかげで学校へ行けたことを、私は劇場のスタッフさんに伝えました。  すると、もともと私が不登校だったことを知っていたスタッフさんは「学校へ行けたあなたも、もちろん大好きだけど、学校へ行けなかったあなたも変わらずに大好き」と言ってくれました。  このスタッフさんの言葉に私は救われました。それは、「学校へ行けない自分に価値はない」と当時の私は感じていたからです。  しかし、「学校へ行けた私も、行けない私も、変わらずに好きでいてくれる人がいるのだ」と、スタッフさんの言葉で初めて実感することができました。  「学校へ行けなかった私」も認めてくれた言葉のおかげで、私はここまで生きてこられたし、これからも生きていけるのだと思います。(矢陽有莉(やぴ ゆうり) 16歳) いい加減に生きてみる  中学3年生のころ、私は友人関係でつまずき、人との距離の取り方が、わからなくなったことがありました。  いくら考えても、どうしたらいいのか自分では答えが見つけられなかったので、当時お世話になっていた相談室の先生に相談をしました。すると、先生は「いい加減に生きようよ」という言葉をかけてくれました。  先生の言葉を聞いて「今まで物事や人に対して私は真正面から向き合いすぎていた。でも、それってすごく疲れちゃう。もっと適度に力を抜いても生きてもいいんだ」と私は思うようになりました。  先生からの言葉は一歩引いて物事を考えるきっかけになり、今生きてくうえでの私のモットーにもなっています。(あかり 27歳) 信頼できた先生からの一言  高校3年生のとき、学校へ行くことに対しても、大学受験に対しても、私は自暴自棄になっていました。  「私がまわりの人の心の奥底がわからないように、私の抱えている葛藤なんて誰にもわからな... --- ### ひきこもりの僕が被災地で見た同じ苦しみを抱える人たち - Published: 2020-09-11 - Modified: 2024-10-23 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3447/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】ひきこもって見えてきた道, 2020年9月1日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり 連載「ひきこもって見えてきた道」vol. 3  小学6年生で不登校をし、20歳のころの就職を機にひきこもりをしていた僕は、家族や社会に罪悪感を持ちながら生活していた。  そんななか、2011年の東日本大震災が起き、悩みながらも被災地のボランティアセンターへ赴くことになった。  僕の活動は、ボランティアセンターに寝泊まりしながら、仮設住宅に訪問して被災者の要望を聞き取り、必要な物資を被災者に届けるというボランティア活動だった。  他人と接するのが以前から苦手だった僕は、緊張しながらも訪問活動を続けていた。  とある仮設住宅に訪問したとき、ひとり暮らしをしているおばあちゃんと出会った。僕はおばあちゃんに「何か必要な物資はありますか?」と尋ねると、おばあちゃんは涙を流して、こう言った。  「今まで多くのボランティアに支援物資をいただいているので、けっこうです。それよりも今は、ただ、誰かが私に会いに来てほしい。私のまわりには知り合いがいないし、外にも出ることもできないんです。まるで陸の孤島にいるよう。だから今あなたが来てくれたことが、とてもうれしいんです」と涙をこぼしながら声を詰まらせて伝えてくれたのだ。  そのとき僕は、初めて出会った目の前のおばあちゃんの苦しみが痛いほどわかった。ずっと孤独だったひきこもりの僕と同じ苦しみを、被災者も抱えているのだと知ったのだ。  おばあちゃんには「がんばってください」と言う人もいるけど、そのとき僕は何も言えなかったし、きっと聞くだけでよかったんだと思う。  その後も多くの被災者と出会ったが、震災によって家族や地域住民とのつながりを絶たれた方は、みんな同じように、人とのつながりを求めていた。  しかし、「ほかの被災者は復興のためにがんばっているのに、がんばれない自分」に対する罪悪感からつながりを持てず、仮設住宅で孤独に暮らしていた被災者も少なくなかった。  僕自身ひきこもりを経験してわかったことは、ひきこもりは、家にいても、けっしてラクをしているわけではないということだ。  いじめや貧困、介護疲れや家庭内暴力など、人はさまざまな事情からしんどさを感じ、しだいに動くことができなくなって、ひきこもる。そして、誰にも頼れず孤独のなかでつねに心のしんどさを抱えてしまうのだ。  そうした状況にも関らず、まわりから『ひきこもるとダメになる』と脅すよう... --- ### ガチひきこもりのまま、震災現場で働いた日々のこと - Published: 2020-09-11 - Modified: 2024-10-24 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3412/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】ひきこもって見えてきた道, 2020年8月15日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり 連載「ひきこもって見えてきた道」vol. 2  長崎の県北で生まれ育った僕は、小学6年から不登校になった。原因は今でもわからないが、学校生活を送るなかで強いプレッシャーを感じていたのだと思う。  そんな僕に母は学校へ行くことは強制しなかった。中学校はほとんど行かずにひきこもり、高校は定時制に通ってなんとか卒業し、県内の企業に就職した。  だが職場での人間関係に悩み1年もたたずに退職。20歳のころ、ふたたび家にひきこもった。  その後は数年間、家でひきこもりながら「自分は社会の役に立たないダメな人間だ」「誰からも必要とされない無価値な存在だ」と思うようになった。  僕は母と2人で暮らしており、母が仕事に出かける際、扉の音がバタンと閉まる度に心のなかで母に謝り続けた。  そんな家族や社会に罪悪感を持ちながらひきこもり生活が5年ほど続いたころ、2011年の3月11日に、あの大震災が起こった。 被災地に赴いて  大津波が街を襲う映像に衝撃を受け、僕はその日を境に、ふだんはまったく目にしなかったテレビや新聞などの報道を見るようになった。  そして全国から駆けつけた多くの人が被災地でボランティア活動をしているということを知った。  震災から数カ月経ったある日、僕が母に震災ボランティアへ行きたいということを話すと、その言葉を否定せず受けいれてくれた。  なぜ行きたいと思ったのか、不登校になったときと同じく明確な理由はわからなかった。それでも意を決し、僕は同年9月に宮城県内の被災地に赴いた。  仙台市内のボランティアセンターに寝泊まりして、日中は住宅内の泥のかき出しや農業用具の清掃作業をした。  慣れない肉体作業はたいへんだったが、ひさしぶりに汗を流して気持ちよかった。不安だったセンター内の人間関係は、あいさつ程度の会話ですんだので、さほど苦ではなかった。  ほかのボランティアは1泊2日で帰る人が多かった。  僕自身、1週間で帰るつもりだったが、予定を変更してその後も活動を続けた。そんなある日、仙台でのボランティア依頼の件数が減ってきたため、同県内の塩釜市のボランティアセンターへと僕は移った。  そこでの活動は仮設住宅を訪問し、被災者に「必要な物資はないか」と聞いて要望のあった物資を届けるというもの。  作業を依頼されたときは「大事な仕事だ」とは思いつつも、他人との接触が苦手な僕に... --- ### 不登校の息子に対して私が実践した3つのルール【全文公開】 - Published: 2020-08-31 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/parents/3452/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 無料記事, 親の思い, 2020年9月1日号 - ハッシュタグ: 不登校の親 メイン画像:野田さんのノート「言葉の宝物」の1ページより  「ドアの向こうで息子が死んでいたらどうしよう」と不安に思う日もあったという野田麻里さん。野田さんの息子さんは、中1から不登校になったが、現在は専門学校生。野田さんには、不登校で苦しんだ時期に見つけた3つのルールがあるそうです。 * * * ――息子さんが不登校になったときのことを教えてください。  息子が学校へ行かなくなったのは、中学1年の10月からです。原因は同級生からのイヤがらせでした。  ある男の子からイスを蹴られるなどのいやがらせを入学式の日から受けていたようです。それが苦痛で息子は学校へ行くのがつらくなったのです。  イヤがらせは受けていましたが、病気でもないのに学校を休むのは悪いことだと息子は感じていたようで、「休みたい」とは言いませんでした。  その代わりに「今日はお腹がいたい」とか「なんだか体がだるい」と言って、私のようすをうかがってくるんです。  「じゃあ休む?」と私が聞くのを待っているんですね。「休む?」と私が聞くと、申しわけなさと安心とが入り混じったような表情で「うん」と息子は答えていました。  しばらくのあいだは、毎朝こうしたせめぎあいが続き、休む回数が増えていきました。そして中学1年生の10月、合唱祭を終えたところで限界に達したようです。以降は卒業式の日まで1日も学校へ行くことはありませんでした。  当時、私は息子の不登校を受けいれることはできませんでした。「少しくらいイヤなことがあっても社会に出たらもっとイヤなことがある」「学校ってイヤなことを克服する場所なのに」。そんなふうに思っていました。  なんとか学校へ行かせようと無理やり制服に着替えさせようとして取っ組み合いになったことも多々ありました。  そんなふうにしてまで学校へ行ってほしかった理由は、結局のところ私が世間体を気にしていたからだと、今は思います。  私はPTA役員もしていましたので、同級生の親御さんやご近所さんに対して「うちの子は不登校じゃないですよ」という顔をしたかったんです。  私が考えていたのは「今から学校へ行けば3時間目には間に合う」とか、「明日から学校へ通い始めれば、不登校としてカウントされないな」とか、息子の気持ちをまったく無視したことばかりでした。 ――その後、お母さんの気持ちに変化があったんですよね。... --- ### 増加する「発達障害」に思うこと【コラム】 - Published: 2020-08-30 - Modified: 2024-10-31 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3450/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】西村秀明のコラム, 発達障害, 2020年9月1日号 - ハッシュタグ: 発達障害 西村秀明のコラムvol. 2  「発達障害」と診断される人たちが、増加の一途をたどっている。  厚生労働省によれば2014年の「患者調査」では「発達障害」と診断された人の推計値は39万人、2016年の「生活のしづらさなどに関する調査」では推計値は48万1000人であった。  また、発達障害に限定されてはいないが、特別支援教育を受けている子どもたちの数は、近年猛烈な勢いで伸びている。  20世紀初頭にヨーロッパ諸国で公教育が始まるなか、心理学者アルフレッド・ビネーは学習を効率よく進めるために知能検査を考案し、知的についてこられない子どもたちを教室から排除した。  発達心理学の芽吹である。「完璧に発達した人物像」を描けない発達心理学は、社会が要請する能力や役割・期待を年齢段階的に発達課題として設定し、そこに達していない負の偏りを異質なものとして分断していくための絶好の物差しとなった。  さて、現代医学はたいへんな躍進を遂げてきた。しかし、一部の疾患をのぞいて精神科領域では「症候群」いう病気がほとんどである。  つまり、○○や△△のような状態にある者は××と診断する、という約束から成立している病気(障害)である。  それが、これまで時代の推移とともに何度も書き換えられてきた「診断基準」というもので、「基準」は改訂されるごとに細分化されていった。 2つの誤診  ところで、医師には2つの誤診がある。ひとつは病気でないのに「病気」という誤診。もうひとつは病気であるのに「病気でない」という誤診。どちらを恐れるか。  もちろん、「病気であるのに病気でない」という誤診である。こうして「診断基準」の変遷とともに「発達障害」としてあぶり出される人たちが増加していったように思えてならない。  アメリカのある医学者らは「診断基準が病気をつくる」と批判した。そもそも人間という同じ生命体において、こんなにも年を追うごとに「発達障害」なるものが誕生するものだろうか。  以前に比べて診断の精度が高まった結果であるという見解もあるが、にわかには信じがたい。  1世紀前の排除の構造は巧みに進化を遂げて現在に至り、「社会が求める人物像からの規格外」を大量にはじき飛ばすことになっただけのように映る。  かつてから、学校の選別教育の推進にいち早くアレルギー反応を起こして背を向けたのが不登校であった。  いまだ... --- ### 「これからどうする」と聞かれても親だって困る【祖父母と孫の不登校】 - Published: 2020-08-30 - Modified: 2024-10-24 - URL: https://futoko-online.jp/parents/3442/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 会員限定記事, 親の思い, 2020年9月1日号 - ハッシュタグ: 不登校の親 祖父から届いた父への手紙  息子が不登校になってから数カ月後のこと。近所に住む祖父が父親に「どうなっているのか?」といろいろと聞くようになった。  父親にとっても不登校のことは受けいれがたい状態。今後、息子はどうなるのかと迷っている真っただなかで、説明を求められたり、方針を聞かれたりしても、まともに話すことすらできない。  母親である私も同じような状態なので、私たち家族は祖父母と距離を取ることにした。すると祖父から父親への手紙が届いた(下記の写真参照)。  手紙を読むと、祖父が心から心配していることはわかるが、「ひきこもりは薬で治るそうだ」など誤解も多い。手紙は「会って今後のことを話したい」という趣旨なのだが、私たちはどうしても冷静に話せる状態ではないのだ。  そこで「息子との関係づくりや生活のケアを今はしている、これからどうするかはまだ決められないし言えない」という趣旨を伝えて、再度、会わないことを伝えた。  結局、義務教育期間が終わるまでは、親子ともども祖父母に会わずにすごした。用事があれば電話ですまし、冠婚葬祭など必要なときは父親だけが帰った。  そのあいだ、息子は不規則な食事でガリガリに痩せ細り、昼夜逆転生活とゲーム漬けの生活を送っていたが、そんなことは祖父母にとても言えなかった。  ただし、この期間に息子はしっかりとひきこもって自分を取り戻すことができた。ひきこもることで笑顔を取り戻し、元気に暮らせるようになっていったのだ。  息子のひきこもり生活は計8年間。進学もせず、アルバイトもしなかったが、声優さんのイベントや『不登校新聞』にも関わり、少しずつ暮らしぶりは変わっていった。  ふり返ってみれば、祖父から「近隣の市へ転校してはどうか」「心療内科を受診してはどうか」という提案もあったが、本人が「学校は行かない」「病気ではないから病院には行かない」と意思を示し、それを支持したのがよかったのだろう。  息子が元気になってからは、お正月やお盆に祖父母宅で食事をするようにもなった。ただ、息子のことをどう思っていたのだろうか。  祖父は本心を語ることなく、数年前に亡くなった。「会うことはできない」と拒絶されても、私たち父母を責めることもなく、待ち続けてくれたことはよかったと思う。(愛知県・弘子) (初出:不登校新聞537号(2020年9月1日発行)。掲載内容は初出当... --- ### 不登校からの高校進学が不安な方に知ってほしいこと - Published: 2020-08-30 - Modified: 2024-10-23 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3445/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】すまいる式 子どものわかり方, 2020年9月1日号 連載「すまいる式 子どものわかり方」vol. 34  今回のテーマは「不登校からの高校進学」についてです。  「不登校傾向だった子どもが、コロナ明けから不登校になってしまいました。今は学校にも行けず、勉強にもまったく手をつけていません。現在、中3なので高校受験に間に合わないだけではなく、入学できる高校すらなくなってしまうのでは、と心配しています」という保護者の方からの相談です。  これについての典型的な回答は、「(不登校でも)高校に進学はできる」です。  文部科学省の「不登校に関する実態調査」(2014年)によれば、中学での不登校経験者のうち約85%の人が高校に進学しています。  また、さまざまなスタイルの通信制・定時制高校も多くなり、「高卒認定試験」を目指す方もいます。こうした現状を知れば保護者としての心配はいくらか緩和されるのではないでしょうか。  ただし進学の相談は、それこそ古くから存在し、廃れることがありません。なぜ残っているのかというと、2つの要素が絡み合っているからだと私は考えています。  2つの要素とは、「学習の遅れ」という目に見える課題と、「子どもが抱いている不安感」という把握しにくい心情です。  遅れと不安はつながってはいますが、片方を解消すればもう片方もなくなるわけではありません。そこに難しさがあるのだと思います。  「とりあえず勉強だけはなんとかしたい」と思う方は多いと思います。しかし、遅れを取り戻すことができても、学校への恐怖心など本人の根本的な悩みが未解消ではつまずくこともあります。  逆に不安感を取りのぞけても、「遅れ」については別途、向き合わなければなりません。  「遅れ」については本紙前号で公認心理師・緒方広海さんが、子どもの意欲や興味関心を大切に、その子のペースに寄り添った学習が有効であることがていねいに解説されていました。  そこで、私は「不安感」のほうから考えてみたいと思います。子どもは「不安感」を抱えていると「(今は)高校に行きたくない」と思っていたり、進路について考えられなかったりするものです。  それにもかかわらず、周囲の雰囲気に押されて「〇〇高校『で』いい」と言ってしまう子がいます。  「志望校は聞けましたが心配なんです」という保護者の声もよく聞きますが、そこには子どもの「投げやり」や「あきらめ」を感じてしまっているから... --- ### 「不登校は予防できない」大切にしたい3つの前提 - Published: 2020-08-30 - Modified: 2024-10-24 - URL: https://futoko-online.jp/column/3437/ - カテゴリー: コラム - タグ: 会員限定記事, コラム, 2020年9月1日号 - ハッシュタグ: 石井しこう メイン画像:石井志昂  多くの学校で夏休みが明けました。子どもが登校に関して悩む時期です。20年間、『不登校新聞』で取材したなかで、この時期に周囲の大人が気をつけてほしい「3つの前提」がありますので、紹介します。 不登校は予防できない  どんな子どもでも不登校になります。20年間、私が取材した不登校の子は、優等生や秀才と言われていた子、運動が得意だった子、クラスのまとめ役だった子など、本当にさまざまなタイプがいました。タレントの中川翔子さんなども昔は不登校をしていました。  不登校は誰にでも起こりえますし、その要因は、いじめなど大人たちの見えない領域でも発生します。不登校の予防は非現実的なことです。  むしろ大事なのは予防ではなく、不登校になっても、本人が傷つかずに支えられる対応です。 勉強の「遅れ」は取り戻せる  心に負荷がかかりすぎると、自分の意思に反して勉強が手につかなくなる子がいます。「かたちだけでもいいから」と無理をさせて周囲が勉強をさせようとすれば、子どもを追い詰めてしまうことがあります。この点は本紙前号でもふれさせてもらいました。  私が取材したケースでは、小学校1年生から不登校になり、中学3年生まではほぼまったく勉強をせず、中3から勉強を始めて高校・国立大学へと進学した例もありました。また、私自身も中学2年生から、まったく学校の勉強はせずに今日を迎えています。 子ども時代は準備の時間?  発達心理学者・浜田寿美男さんは、現在の子育て観を次のように批判しています。  「今の子育て観、教育観では『子どもは大人になるための準備の時代』であるかのように思われていますが、そもそも人生に準備の時代というものがあるでしょうか。子どもは『子どもの今』という本番を生きています」。  「子どもを大人にする」のが子育ての目標だと感じる大人は多いです。しかし、浜田さんが指摘するように、子どもは、今を生きているわけです。  大事なのは、子どもが今、幸せかどうかです。死にたいほど行きたくない学校へ行くことや、まったく手につかない宿題をするのは、あまりに「今」が犠牲になっています。  まとめると、3つの前提とは「不登校は予防できない」「勉強の遅れは取り戻せる」「子どもは今を生きている」でした。  これが子どもと向き合うためのとても大事なことだと私は思っています。(本紙編集長・石井... --- ### 子どものストレス反応、親と子どもで認識に大きな開き【全文公開】 - Published: 2020-08-30 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3435/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 無料記事, いじめ, コロナが広がる中で, 2020年9月1日号 メイン画像:「子ども×コロナアンケート」より  新型コロナウイルスが、子どもの心にどんな影響を与えているのか。国立成育医療研究センターが、子どもにアンケートを行なったところ、7割の子どもにストレス反応が出ていたことがわかった。 * * *  国立成育医療研究センターが、7歳から17歳までの子どもや保護者6800人のアンケート回答を取りまとめた(第2回コロナ×子どもアンケート)。  調査は今年4月の第1回調査に引き続き、2回目の実施となったが、前回同様、7割以上の子どもにストレス反応が見られた。  調査を行なった半谷まゆみ医師は、7割を超えたストレス反応について「予想よりも多かった」と話す。  不登校にくわしい明橋大二心療内科医も、調査結果を受けて「東日本大震災時も同様の調査をしているが、子どもにストレス症状が出た割合は43%だった。震災時よりも多くの子どもに影響が出ている」と語る。  また、広範囲の子どもにストレス反応が出ていたことと併せて、半谷医師と明橋医師が懸念していたのが強いストレス反応を見せていた子どもたちの回答であった。  「自分の体を傷つけたり、家族やペットに暴力をふるうことがある」と回答した子どもは9%。「この項目に該当する子はとくに強いストレスがかかっている」と半谷医師は分析しており、自傷や他害傾向は周囲の大人からも理解されづらく、注意が必要だと訴えた。  明橋医師は、自由記述から、チック、夜泣き、爪噛み、赤ちゃん返りなど典型的なストレス症状が散見されたことを重視。  アンケートで、保護者にも強いストレスがかかっている結果も出ており、「保護者の心のケアも、子どもと同じくらい喫緊の課題」だと指摘した。  今年4月に実施された「第1回コロナ×子どもアンケート」(国立成育医療研究センター調査)の調査によれば、子どものストレス反応に気がついた保護者は24%以下。  一方、子ども自身は7割以上がストレス反応を示しており、子どもと保護者の認識には大きな開きがあった。  半谷まゆみ医師は、子どもと保護者で質問項目がちがうなど「単純比較はできない」と前置きをしつつも、「子どもがストレスを感じているのに親はそれに気がついていない現状の一部が見てとれる」と指摘した。  『不登校新聞』では、親に悟られないまま子どもが学校で苦しんできた事例を何度も報道してきた。  靴に残飯... --- ### 特攻「回天」の基地跡で思う現代教育との共通項【8月15日号企画】 - Published: 2020-08-27 - Modified: 2024-10-24 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3422/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】西村秀明のコラム, 2020年8月15日号 西村秀明のコラムvol. 1  山口県の周南市には徳山湾に浮かぶ大津島という小さな島がある。そこには「回天」の基地跡がひっそりと海辺にたたずんでいる。 「回天」とは太平洋戦争の末期、戦局の悪化に伴い考案された人間魚雷と呼ばれる兵器である。  潜水艇の機首には巨大艦も一撃で沈める威力のある爆薬がしっかりボルトで固定されていて、脱出装置はない。  人間ごと敵艦に体当たりして爆死するか、失敗すれば自爆あるいは自沈という選択肢しかない究極の特攻兵器であった。終戦までの9カ月間で145人の命が海のなかに散っていった。  出撃せず終戦を迎えた「回天」部隊に志願した方の証言――「この戦争は必ず負けると思っていた」が、「戦争批判は口にできなかった」。  それは「不遜な考え」であり、「世間で一番厳しいタブーを犯すことになる」という信念であったという。  教育は、死をもって国に尽くすのが民の義務と教えた。彼らは特攻について、「洗脳されたのではない」、「国や家族を守るための選択」であったと述懐している。  こうして特攻を志願するのであるが、「大義」のもとではほかに選択肢はなく、その暗黙の強制力によって支配されていたのである。 誰からも疑われないが  さて、現代の教育はどうであろうか。社会経済の躍進・経済戦略を核に据え、学校はこれに組み込まれる良質な歯車の生産と選別を託されたファームと化した感がある。  そして偏差値による序列化の文化を形成していった。それが現代社会ではあたりまえであり、社会人として成長するためには不可欠の試練であると考えて誰も疑わない。  国民にすべからく蔓延していった現代社会の価値観である。  多様な学びに枯渇する子どもたちに別の選択肢はなく、教育社会の閉塞感に歪められた感情は「いじめ」へと向かった。  「大津市中2いじめ自殺事件」をはじめ、「岐阜中2少女首つり自殺」ほか、あとを絶たない。  そればかりか、日本では多くの若者の自死が増加の一途をたどっているという現実がある。  警察庁の統計によると、2019年間で10~20歳の自殺者数は659人にのぼり、原因・動機では「学校問題」として355人が計上された。  無念にして世を去った「回天」の悲愴な歴史と重なる。諸外国では見られない現象である。  文部科学省の中央教育審議会ではこのような事態を「生きる力の不足」と捉え、以降... --- ### 家族や学校から孤立していた私が「生きづらさ」の先に見えた世界 - Published: 2020-08-18 - Modified: 2024-10-24 - URL: https://futoko-online.jp/children/3419/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, いじめ, 2020年8月15日号 - ハッシュタグ: いじめ, 過干渉, ひきこもり, 引きこもり  社会人2年目でひきこもりになり、現在ひきこもり当事者が発信するメディア『ひきポス』で記事を執筆しているゆりなさん(26歳)。過干渉な母との関係やいじめの経験で苦しんできたゆりなさんに、ひきこもりの経緯や生きづらさと向き合った過程について話をうかがった。 ――ゆりなさんはひきこもり経験はあるものの、不登校したことはないんですね。  不登校経験は一度もありません。現役で大学まで進学し、栄養士と臨床検査技師の資格を取り、健診会社に就職しました。ひきこもりを経験したのは社会人2年目の年明けです。  ひきこもりになるまでの経歴をお伝えすると、順風満帆なように聞こえるかもしれませんが、子どものころからずっと生きづらさを感じていました。  「私には生きている価値なんてない」と、自己否定をし続けて生きてきたんです。  ――自己否定の背景には、何があったのでしょうか?  家族との関係、とくに母の影響が大きかったです。わが家は4人家族で、公務員の父に専業主婦の母、5歳上の姉と私という、世間一般から見れば「ふつう」の家庭で育ちました。  ただ、父は仕事ばかりで子育てには無関心。姉は歳が離れていたこともあって会話も少なく、私はいつも母と行動をともにしていました。  母はつねに世間体を気にする人で、大の世話好き。人前に出るときは「足を閉じて座りなさい」、「お行儀よくしてなさい」と強く言われ、いつも品良く接するようしつけられました。  幼いころは母の価値観が絶対に正しいと思っていたし、世話を焼いてくれることは私を大切にしてくれている証だと思っていたので、母の言うことはなんでも疑わずに受けいれていました。  それが、親に対する子どもとしてのあるべき姿だとも信じていたんです。  ところが、母との関係を揺るがす出来事がありました。小6のとき、中学受験のためにリビングで母といっしょに勉強をしていたのですが、私は算数のある問題が解けなかったんです。 怒り出す母に首を締められ  するとイライラを募らせた母が、「なんでこんな問題も解けないんだ」と、とつぜん怒鳴り始めて。  ボールペンを机に突き立てたあと、私の首を絞めてきたんです。あまりの急な出来事に、ただただ衝撃でした。  当時から母は父と関係が良好ではなかったので、そうしたストレスを私にぶつけてしまったのだと思います。  でも、われに返った瞬間思ったん... --- ### 「かたちだけやっても学力はつかない」半年以上の勉強の遅れを取り戻す方法【全文公開】 - Published: 2020-08-17 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/column/3403/ - カテゴリー: コラム - タグ: 無料記事, コラム, 2020年8月15日号  多くの保護者から「勉強の遅れ」を心配する声を以前より聞いてきました。休校によりその声は、不登校の家庭以外にも広がっています。保護者の安心のために今、この点を紙面化することが必要だと感じました。そこで、さまざまな子どもを支えてきた緒方広海(ひろうみ)さんに「勉強の遅れ」についてお話をうかがってきました。(石井志昂) ――不登校や休校の影響で勉強が遅れてしまった場合、学力は取り戻せるのでしょうか?  もちろん取り戻せます。休校に絞っていえば、休校が原因で学力が遅れることはないんですね。  「学力の遅れ」ということをあえて言えば、子どもがその年代でどの位置にいるのかで判断するので、みんなの学習進度が全体的に遅れれば、自分の立ち位置や学習の進度も変わりません。  だから休校になってみんなが遅れているのに、個人だけが遅れることはないと思います。  「うちの子の勉強が遅れている」と感じるのは、とくにこの間、親御さんどうしで情報交換をする時間がなかったのも大きい要因かもしれません。「うちの子は勉強していない」と心配した方もたくさんいらっしゃったと思います。  でも学校が再開されて情報交換ができれば、ほかの子もそこまで家で勉強していなかったことに気づかれたのではないでしょうか。  まずは休校だけで勉強が遅れてしまうことはないと知って安心していただきたいです。 個人のペースで学習は追いつく  それに学校の授業は、集団のスピードに合わせて学習が進んでいくので、個人の理解度に合わせた学習よりもどうしても学習効率に差が出ます。  ですから個人が自分の学習進度で学んでいく場合には、いつかは学校の進度に追いついていくものです。  もちろん個人差はあるものですが、たとえ半年や1年くらい遅れていたとしても、基本的にはそんなに大きな差にはなりません。 ――たとえば半年以上遅れた学習を取り戻したい場合、どれくらいの期間が必要なのでしょうか?  取り戻すのに必要な期間はひとくくりにできませんが、自分なりのペースで学習を進めていけるのであれば、どこかの時点で追いつけます。  今まで支援をしたお子さんのなかには、小学校6年間と中学1年の計7年間を不登校だったお子さんがいました。  小学校の勉強をまったくやっていなくて、中学2年生くらいから高校受験の勉強を始めたんですが、自分の希望の学校に合格できたというこ... --- ### 小2から不登校だった私。「失敗」を重ねたら生きやすくなった - Published: 2020-08-15 - Modified: 2024-10-24 - URL: https://futoko-online.jp/children/3416/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2020年8月15日号  小学生から不登校だった喜久井ヤシンさんは、「失敗を体験したこと」によって生きやすくなったと言う。喜久井さんにとって「失敗体験」とはどんなものなのだろうか。執筆いただいた。  「不登校でも成功できる。だから大丈夫」というメッセージをよく目にする。でも、私はむしろ、「不登校でも失敗できる。だから大丈夫」と伝えたい。  成功体験の大切さはよく言われるが、失敗体験の大切さはあまり言われない。私は小学2年生から不登校なのだが、自分に欠けていると思うものがいくつかある。学歴や基礎学力、それと「失敗の体験」だ。  学校へ行けなかった私は学校で得られたかもしれない「失敗体験」にあこがれがある。  友だちとの関係がうまくいかなかったり、テストで思った点数が取れなかったり、授業で大事な場面にかぎってミスをしたり。  「失敗」というとネガティブなイメージを抱きがちだが、失敗には大きな意味があると私は思う。  それは、失敗は経験することで、自分は何が苦手で、どのようなことができないのか、自分を学べる機会になると思うからだ。  「成功体験を積むだけ」ではなく、「成功体験と失敗体験の両方を積める」ところに、人生の豊かさの秘訣があるのではないだろうかと思っている。  今では、失敗に大きな魅力を感じている私だが、昔は失敗が怖かった。とくに就職を考え始めた10代後半のころ、私は心の底から「失敗をすること」を恐れていた。 自分にはもうあとがない  家族との関係も悪く、助けを求められる友だちもいなかった私は、学校でも人間関係でもつまづいてきたうえ、さらに就職で失敗しては、自分の人生にトドメがさされてしまうと思っていたのだ。  「失敗したら、自分にはもうあとがない」と思っていたから、「もし面接に落ちたら」「もし仕事でミスをしたら」と考えると恐ろしくなり、動きだすことができなかった。  何かヒントがあるかもと、自分と同じ不登校経験者の体験談を読んだこともあったが、起業や独自の活動によって「不登校を乗り越えて成功した」という華々しいものが多く、当時の私の励みにはならなかった。  むしろ、「自分も成功せねばならない」という重荷になっていたくらいだった。  自分の経験をふり返ってみると、何か新たな挑戦をしたり、一歩を踏みだすためには「成功する力」以上に、「失敗できるだけの余力」が必要なのだと思う。  失敗を恐れ... --- ### 学校へ行かない娘の一日を、くわしく記録してわかった大事なこと - Published: 2020-08-13 - Modified: 2024-10-24 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/3406/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】わが家の場合ですが, 2020年8月15日号  今回は、不登校中の娘(小5)の生活のようす、とくに平日の日中をご紹介したいと思います。  その日、目覚めたのは朝6時ごろ。ほかの家族がまだ寝静まるなか、娘は6時半ごろまで布団のなかでぬくぬくしていたそうです。  その後、起き出して洗顔。ちなみにウチの家族で朝、顔を洗うのは娘だけ、というのはここだけの秘密です。  朝食は7時30分ごろですが、朝食が始まるまではYoutubeでお気に入りのゲーム「あつまれどうぶつの森(以下・あつ森)」の実況動画を漫然と視聴していました。  食事のあいだは動画やゲームはしないでもらっていますが、こちらが要求しなければ食事中でも動画やゲームをやめないのだと思います。朝食がすんだら、しばらくゴロゴロと怠けています。  私が出勤する8時半ごろに「第一次興奮ピーク」とでも言うべき時間帯が到来。玄関先で「いってらっしゃい」の熱烈なハグ攻撃を私にします。  迷いのない直球の愛情表現をすることで、何か気持ちがすっきりするのかもしれません。  さて娘は平日、電車に乗ってフリースペースに通っているのですが、私が出勤してから娘が家を出るまでは約1時間ほどあります。  そのあいだ、まずは30分ぐらいは着る服のコーディネートなど身支度の試行錯誤に時間を費やし、残りの時間は、ゲーム、動画、漫画、ママの布団のにおいをかぐなどしてすごすそうです。  娘は「ママのにおい」が大好きで、それは「使い古したにおい」だからだと。  なお、フリースペースへ行く際は電車の乗り換えもありますが、小1からひとりで通っています。  もちろん災害時のことはいつも心配ですが、目的意識があるとすんなり行るようです。逆に目的意識を失えば、徒歩で行ける学校にもかたくなに行きません。  フリースペースでは10時半ごろから17時ごろまですごします。自由に遊べる公園「プレーパーク」も隣接しているので、友だちが来ていれば鬼ごっこなどの外遊びもたっぷりするそうです。屋上でひとりぼんやりするのもお気に入りとのこと。月例で催されている講座に出ることもあります。  最近では電子顕微鏡で観察する講座がおもしろかったようで、紫玉ねぎを100倍に拡大した写真を興奮したようすで私に見せてくれました。  フリースペースから帰宅するのは18時ごろ。帰宅するとすぐにシャワーを浴びます。汗でベタベタした状態がきらいなのと、コロ... --- ### 親の会で『お母さんも楽しんで』と言われても楽しみ方がわからなかった - Published: 2020-08-13 - Modified: 2024-10-24 - URL: https://futoko-online.jp/parents/3410/ - カテゴリー: 保護者の体験談 - タグ: 会員限定記事, 親の思い, 2020年8月15日号 - ハッシュタグ: 不登校の親  わが家には自称「自宅警備員」が2人います。節約家でロン毛の「にぃに」、おしゃれと居間が大好きな妹。彼らと私と主人の4人で暮らしています。  娘は明るくて集団が不得意な子です。小3のなかごろには、私は娘が学校へ行きたがるときにしか登校させなくなっていました。無理やり学校へ連れ出されることがなくなり、娘は元気を取り戻しました。  そんなころ、小5の息子の元気がなくなり始め「このままでは息子まで行けなくなってしまうかも!」と、とても不安になりました。  そして、ネットで検索しまくり「不登校の親の会」を見つけ、勇気を出して参加しました。そこには同じような経験をされたお母さん、子どもを支援する立場の方がいました。 初めての親の会で  私は話を聞いてもらい、共感してもらい少し安心しました。先輩ママさんのお子さんが「進学した」、「結婚した」と聞き、また少し安心しました。  子育てに協力的でないと思っていた夫も親の会に参加しているあいだは子どもたちを預かってくれ、半日以上パート以外で家を空けることができたことも私にはかすかな自信になり、「私にもまだやれることがあるぞ!」と勇気が湧きました。  でも、帰りの電車のなかで1つ、大きな疑問を抱えながら帰宅したのを今でも覚えています。  お話のなかで「まずお母さんが笑顔で楽しんで!」というようなことを言われ、その場では「そうなんだ! そうしよう!」と思ったのですが「でもどうやって?」「どのようにしたら自然に笑顔になれるの?」と。  私はその後、いろんな行動をしました。ただ夢中に、がむしゃらに。  これを書いている今の私は、腹の底から笑顔になれるようになりました。 ◎ありのままを大切に  今までの自分のことを思い返してみて、「すぐに楽しめるようにならない自分を責めたり、楽しめない自分って本当にだめなのか?」と感じたり、自分の直感を忘れないで、楽しめない自分と向き合ってきたことが、心から笑える自分に、素のままの自分を好きになれた大きな要因だと思います。  人それぞれ持っている素敵な部分はちがうんだってことも受けいれられるようになって、やっと心の底から子どもたちのことを応援できるようになれたんだと感じています。(縁) ■著者/(えん)2児の母(息子20歳と娘17歳)、ほどほどの田舎に在住。 (初出:不登校新聞536号(2020年8月15日発行)... --- ### ゲームに熱中する子に対して、してはいけない3つのタブー - Published: 2020-07-16 - Modified: 2024-11-30 - URL: https://futoko-online.jp/interview/6062/ - カテゴリー: インタビュー, 不登校 - タグ: ゲーム・スマホ, 無料記事, 人気記事, 2020年7月15日号 - ハッシュタグ: ゲーム依存  子どもがゲームばかりで親としてどう向き合えばいいのか、不登校の子を持つ親の長年の悩みだ。最近はオンラインゲームも普及し親の心配は増えるばかり。ゲームに熱中する子どもに対し、親ができることは何か。ゲーム問題にくわしい児童精神科医・関正樹さんにお話をうかがった。 * * * ――関さんご自身もゲーム好きだとうかがいました。  ゲームウォッチのパックマンから始まり、小学校低学年のころはファミコンの「スーパーマリオ」や「ドラゴンクエスト」などをよくやりました。  ゲームは今でもよくやります。「スプラトゥーン2」や「あつまれどうぶつの森」など、子どもといっしょに遊ぶことも多いですね。  わが家では寝る時間は決めていますが、それ以外でゲームに関する約束事はとくに決めていません。 ――ゲームに関して、不登校の子を持つ親から相談を受けることも多いのではないでしょうか?  臨床においては「学校へ行かないのにゲームばかりでよいのか」「ゲームのしすぎで学習成績が下がるのではないか」といった相談は多いですね。  親が「ゲームをやめたら学校へ行くんじゃないか」という期待を持っている場合、どうしたってネガティブな側面に目が向いてしまいます。  とくに、学習成績はゲームとセットで語られることが多い論点ですが、「ゲームと学習成績を結びつけて語ることは、親子関係において何もよい方向に働かない」というのが私の考えです。  むしろ、悪影響を及ぼす可能性のほうが高いな、と。「ゲームをやめないと成績が下がって困るわよ」という親の一言で勉強するようになる子どもはごく一部です。 たいていの子どもは勉強がきらいになる方向に強化されてしまい、親の望むかたちにはなりえません。  また、ゲーム時間と学習成績に関する調査もいくつかありますが、それらはあくまで両者に相関関係がありそうだということを指摘しているにすぎません。  ゲームをしたから成績が下がったという因果関係を論じるものではない、ということもきちんとおさえておく必要があります。 子ども主体で ――ゲームの約束事という話が出ましたが、困っている親も多いと思います。  ゲームに関する約束事を親子間で決めておくことはとても大切です。その際、ポイントとなるのは「子ども主体で考える」ということです。  子どもが幼い場合、本人の守れる力と親自身の守らせることができる力など... --- ### 「学校へ行きたくないときは僕にも」坂上忍が不登校の子に語った本音 - Published: 2020-03-31 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3499/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 無料記事, いじめ, 2020年4月1日号  「自分の悩みを本気で打ち明けてみたい人は誰ですか」。そう聞いてみたら不登校当事者から、こんな答えが返ってきました。「俳優・坂上忍さんです。坂上さんみたいな大人になりたいからです」。彼女の思いをベースに取材依頼したところ、なんと快諾。テレビの生放送直後にお話をうかがいました。(東京編集局・石井志昂) * * * ――私は「一生に一度でいいから、坂上忍さんに人生相談をしてみたい」と思っていました。私はまわりの人にすぐ流されてしまい、自分の意見も押し殺してしまいます。坂上さんは、批判されるようなことでもブレずに主張されていて、すごく憧れます。どうやったら、坂上さんみたいな大人になれるのでしょうか。(15歳・女性)  いや、僕みたいにはならないほうがいいと思いますけどね(笑)。僕は気質的にネガティブな人間で、悩んでいた時期もありますよ。  でもいろいろ経験させてもらって学んだのは、「人に流される」必要はないけど、「人に合わせる」のは絶対に大事だってことです。  バラエティ番組でもお芝居の仕事でも、現場はすべて共同作業です。僕が出演している『バイキング』という番組には、100人以上のスタッフが働いています。  その全員が言いたいことを言い合っていたら、収拾がつかなくなりますよね。僕は小さなころからお仕事をさせてもらっていますが、自分の意見を主張しすぎて何度も失敗してきました。  それこそ、さんざん怒られてきましたよ。それで本音をぶつけるんじゃなくて、「言い方を変えてみよう」とか「こういう順番で伝えるべきだったな」などのことを、たくさんの人から勉強をさせてもらいました。  一方、僕は今、子役のスクールをやっていて、いろいろな個性をもった子がやって来ます。積極的に前に出てくる子やはっきり意見を言う子は、スクールのなかでも目立ちます。  しかし「人に合わせる子」はどうしても隠れがちになってしまいます。劇の配役をするとき、積極的な子を主役に選ぶのはかんたんです。  だけど僕が配役をできるときには、全員が主役になれる場をつくるようにしています。あえて消極的な子をメインに置いたら、自分の主張が出てくるかもしれないし、恥ずかしい思いをしても主役の立場がわかれば、それも経験になるでしょう。  ふだん目立っている子も、「俺が、俺が」と前に出るだけじゃなくて、誰かをサポートできる力が必要です。... --- ### 不登校のわが子の将来が不安、親が心がけるたった1つのこと - Published: 2020-02-20 - Modified: 2024-10-16 - URL: https://futoko-online.jp/others/6083/ - カテゴリー: コラム, others - タグ: 会員限定記事, 2020年1月15日号 - ハッシュタグ: 不登校の親 ※文科省「平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」より  文科省の最新調査によれば、不登校の子どもは16万人を超えました。小学生の不登校は直近の2年でおよそ1・5倍に増えました。中学生は10万人を超え、1クラスに1人いる計算になります。  そうしたなか、不登校経験者を対象とした教育特例校や通信制高校も増えました。20年前、30年前と比べ、「不登校その後」という意味においては、さまざまな進路が考えられるようになってきました。  その一方、親御さんのお話を聞くなかで、ずっと気になっていることがあります。  不登校の子を持つ親の不安自体は、今も昔もさほど変わっていないのではないか、ということ。「先が見えなくて不安になる」という悩みもそのひとつです。  「無理して学校へ行かなくてよい」とは言うものの、「このまま家にいたら社会性が育たないんじゃないか」とか「せめて高卒資格くらいは取らないと」という考えが脳裏をかすめるたび、「今のままで本当に大丈夫なのか」「この状況がいつまで続くのか」という「将来」への不安が湧いてきます。 親の不安、子どもの不安  では、不登校の子どもはどうか。不登校の真っただ中にいるとき、子どものなかにも「将来」への不安を感じる子はいます。  ただし、それと同等もしくはそれ以上に子どもがつらいと感じているのは「現在」であることが多いというのが私の実感です。  ほかの子が学校へ行っているのに行けない自分、そのことで親や祖父母に心配をかけている自分。  「ふつうになりたかった」と語る不登校経験者の話には、そうした自分自身の「現在」を否定してきた苦しみが含まれていました。  そう考えると、不登校で同じように悩んでいる親と子であっても、その悩みの時間軸にはちがいが生じる場合があります。  親が抱える不安と子どもが抱える不安をいっしょくたにしてはいけない理由のひとつがここに潜んでいるわけです。  だからこそ、私が親御さんにすすめているのは「誰か一人でいいから、信頼して相談できる人をみつけてほしい」ということ。  もし、「本当は学校に行ってくれると私は安心するんです」という本音を抱いているなら、それを必死に隠そうとするのではなく、信頼できる人にだけ打ち明ける。  そうしたところで何も変わらないように見えるかもしれませんが、親のつらさを... --- ### 不登校の人が毎朝、起きる時と起きない時の心境 - Published: 2020-02-14 - Modified: 2024-10-16 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/6086/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】すまいる式 子どものわかり方, 2020年2月15日号 連載「すまいる式 子どものわかり方」vol. 24  今回は「朝、起きてこない子に思うこと」をテーマに書いてみたいと思います。いただいた相談は、次のとおりです。 「親として、不登校はしてもいいと覚悟を決めました。でも、最低限、朝は起きてほしい。体力低下や不規則な生活による体調不良などが心配です。どうしたら、朝、起きてくるようになるのでしょうか」。  まず私が感じたことは、子どもにとってはすごくつらいだろうな、ということです。  「覚悟を決めた」と言ってますから、それまで長い時間の葛藤が保護者にあったと想像しますが、子どもも学校との関係に悩み続けたのではないでしょうか。  不登校の子は、自分のなかの「しなければならないが、できない苦しみ」を抱えてしまうことがあります。  朝、起きるというのは、簡単そうに見えますが、「行かなければ」に押しつぶされそうな子どもにとっては新たな負荷を強いることにもなってしまいます。  子どもにとっては、起きるにしても膨大なエネルギーが必要です。起きないにしても、起きてほしい保護者の思いを受けても起きないようにがんばらないといけません。  家族との関係を悩む環境をつくってしまうこともあります。たとえば、子どもから「学校には放課後、行くから寝ててもいい? 先生も放課後に顔見せるだけで出席にするって言ったから」と言われたとします。  その際、保護者は、子どもの言葉を額面どおりに受けとるのではなく、子どもの気持ちを察して「学校は行かなくていいんだよ」と言えるでしょうか。  子どもが「親の本音は『学校へ行ってほしい』なのだろうか」、「きちんとしていない自分を受けいれてくれるだろうか」と考えるうちは、プレッシャーから解放されることがなく、心は休まりません。  このように「朝起きる」にかぎらず、学校は休んでもいいけど、これはしなければいけないとか、あれはさせたいというのは、不登校の対応としてあまり有効ではないと思います。  では、どうしたら子どもが朝起きるようになるのか。  よく聞くのは「フリースクールで友だちと遊びたくて起きる」とか、「学校行事やイベント参加のときは起きる」といったように、結果として起きられるようになった、ということです。  また、起きたい思いを強く持ちながらも、難しいケースもあるかと思います。そのひとつとして思い浮かぶのが「起立性調節... --- ### 嫌なことはしないで生きる「レンタルなんもしない人」の覚悟 - Published: 2020-02-14 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3510/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 無料記事, 2020年2月15日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり  「なんもできませんが僕を貸し出します」というツイートが、瞬く間にネット上で話題になった。ツイートしたのはレンタルなんもしない人さん(36歳)。貸し出し費用は1万円と交通費実費。何もしない仕事(サービス)が話題となり、「依頼が殺到した」という。お金をもらって「なんもしない」とはどういうことなのか。そもそもなぜ「なんもしない」を仕事にしようとするだろうのか。 * * * ――これまで、どんな依頼を受けてきましたか?  依頼内容は人によってさまざまです。たとえば「ライブや舞台に付き合ってほしい」、「ひとりで入りにくい店にいっしょに入ってほしい」など、僕がそこにいるだけでいいような依頼を受けています。  僕がやっているのは「人間ひとりの存在を一時的に貸し出す」というサービスなので、ごく簡単な受け答えのみで、それ以外はなんもしません。 仕事を受ける判断基準は  僕が仕事を受けるか受けないかの判断基準は、「イヤなことはしない」ということ。  それは仕事だけでなく物事を判断するうえでの基準にもなっていますが、どんなに自分がその仕事をおもしろく感じても、がんばらなきゃいけない依頼の場合は、しんどくなるので、できるだけ避けています。そういう意味での「なんもしない」です。  とはいえ、基本的になんでもおもしろいと思いながら仕事をしています。仮につまらない依頼であったとしても、「こんなことでよく呼び出せるな」というつまらなさが、逆におもしろいですからね。  ――「イヤなことはしない」ってとても潔いですよね。私の場合は大人になるにつれ、何かをしなきゃいけない重圧を感じ、イヤなことも飲み込んでいかないと、冷たい目で見られるのではないかと不安に感じてしまいます。レンタルさんが「なんもしない」と思えるようになったのは、何か経緯があるのでしょうか?  メディアから取材を受けるようになって、今のスタイルに至るまでの経緯をよく聞かれるんですけど、自分でもよくわかっていません。  まだ取材に慣れていないころは「気の利いたことを言わなければ」と思って、今の活動に行き着かせるための過程をわかりやすく説明するようにしていましたが、たまたま自然とこういう活動に至ったにすぎないです。 大学生のとき、ひきこもり状態  話していて思い出したのですが、僕と『不登校新聞』の共通点を探すならば、僕も大学生のとき、ひきこも... --- ### 外出できる「ひきこもり」は9割、議論されない問題の核心 - Published: 2020-01-18 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/contribution/6059/ - カテゴリー: 寄稿 - タグ: 無料記事, 識者の指摘, 2020年2月1日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり メイン画像:社会学者・関水徹平さん  ひきこもりをめぐる問題とはなんなのか。ひきこもりの研究を続ける社会学者・関水徹平さんに執筆いただいた。関水さんは今号と次号で掲載予定。 * * *  学校では、先生や同級生との人間関係に気をつかうし、いじめもふつうにある。仕事も、自分に合う職場にめぐり合えるとはかぎらない。そこでも人間関係はついてまわる。  今の日本社会で生きていたら、学校へ行きづらくなったり、仕事へ行きづらくなったりすることは、いくらでもあると思う。  人よりも繊細だったり、曲げられない主張を持っていたりしたら、なおさらだろう。  内閣府の調査によれば、ひきこもり状態の人は15歳から64歳の年齢層で、推計100万人以上いる。さらに、その3倍ほどの人たちが、過去にひきこもり状態を経験している。  現にひきこもり状態にある人、過去にひきこもった経験のある人は、合わせて400万人以上いるという計算になる。  とはいえ、そのほとんど(9割)は、自宅や部屋に閉じこもっているわけではなくて、趣味の用事やコンビニには出かけるという。  また、過去にひきこもり状態を経験した人たちも、その多くは、家の外とつながるきっかけをつかんでいるようだ。  内閣府の調査では、過去にひきこもりを経験した人の5割~7割は、3年以内にひきこもり状態から抜け出している。  だが、なかには、ひきこもり状態が続く人もいる。その状態から抜け出すのに7年以上かかったという人も1割~2割いる。  そのまま抜け出せていないという人もいるだろう(現在ひきこもり状態にある人のうち、その状態が7年以上続いている割合は3割~4割である)。  ひきこもりとは言っても、内閣府調査によれば、「家からまったく出ない」という人は1割しかいなかったように、多くの人が直面しているのは、じつは家から出ても(学校・会社以外で)誰かとつながることの難しさである。  それには、複合的な事情があるだろう。親の理解のなさや経済的困窮のために、家の外につながるために必要な金銭的なサポートが得られない、学校・会社に所属がない人への偏見などである。  家族以外とのつながりをつくりにくいのは、ひきこもり状態にある本人だけではない。家族も、わが子の状態を自分たちで何とかしなければと「親としての責任」を一身に背負ってしまうように見える。  なぜ、本人も、... --- ### 7年ぶりに部屋から出た僕に、母が言った意外な一言 - Published: 2019-11-01 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/children/6054/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 無料記事, 当事者の声, 2019年11月1日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり 現在の瀧本さん(撮影・堀田純) 25歳当時の瀧本さん  7年間のひきこもり経験を持つ瀧本裕喜さん。部屋から出たあと、ひきこもっているあいだに太ったことを知った瀧本さんは、ダイエットに取り組んだという。 * * *  25歳のある日、僕は「7年ぶり」に鏡を見た。そう、僕は18歳から7年間、自室にひきこもっていた。その日、7年ぶりに部屋を出たのだった。  鏡を見ておどろいた。髪は伸び放題で、ストレスからか、ところどころ白髪がある。そしてなにより、太っていた。  15分間ほど、直立不動のまま動けなかった。信じられなかった。10代のときは、レディースの服が入るくらい、身体が細かった。  でも今は自分が知っている自分じゃない。絶望的なまでに太った長髪の男、それが僕だった。  おそるおそる体重計に乗ってみると、目を疑った。何回計り直しても、「エラー」と表示された。  7年前の体重が62キロだったことは覚えている。あとで知ったことだが家の体重計は100キロを超えるとエラー表示になるのだった。  玉手箱をあけておじいさんになってしまった浦島太郎のように、僕は7年ぶりに部屋から出たら100キロを超えた体重になっていた。  その事実がのみ込めなかった。完全に狼狽した。太ったからか、汗が噴き出してきたので、何はともあれ風呂に入った。 どうして裸?  入浴後、体に合う服が何ひとつなかったので、裸にタオルを巻いて居間でピアノを弾いた。得意だったピアノも、7年のブランクがある。思うように指が動かず、初歩的な曲も満足に弾けない。  昔は何時間練習しても疲れなかったのに、30分間弾いているだけで、お尻が痛くなってきた。そのうちに母が帰ってきた。僕を見るなり母が言った。「どうして裸なの?」。  母は変わり果てた僕を見ても、まったく動じなかった。7年間、一言も話してないのに、つい昨日会話したばかりのような対応で、それがなんだか、うれしかった。  「これから何がしたい?」と母が言った。「とりあえず痩せたい」。僕は答えた。  それからしばらくは真夜中に母と散歩をするのが日課になった。他人に見られたくなくて、深夜なのにサングラスをかけた。ボクシングの亀田兄弟が愛用していたサウナスーツを着て、脂肪を燃焼させた。  7年ぶりの散歩。5分歩くだけで、足に痛みが走った。仮に体重が100キロになっていたとしたら、以前... --- ### 「イヤなことからは逃げてきました」絵本作家が見つけた生き方の極意 - Published: 2019-11-01 - Modified: 2024-10-22 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3516/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2019年11月1日号  不登校経験者の子ども若者からも人気を集める絵本作家のヨシタケシンスケさん。取材では不登校経験者らとともに、絵本作家になるまでの背景や作品に込めた思いをうかがった。 * * * ――絵本作家として活躍されていますが、イラストがご専門だったそうですね。  僕は絵本作家になれると思ったことがないし、なりたいと思ったこともないんです。  イラストレーターになったいきさつとしては、僕が大学を出たあと、社会人になるのがすごくいやだったんです。  それでも就職はしましたが、毎日上司の悪口にいろいろなイラストを描き添えて、ストレスを発散させていました。すぐ後ろを同僚が通るので、見つからないように片手で隠しながら(笑)。  だけどあるとき、経理の女性にイラストが見つかってしまったんです。そうしたら信じられないことに、「絵がカワイイ」と褒めてもらえました。  それまで絵を人に見せたことがなかったから驚きました。僕は人から怒られるのは大嫌いですが、褒めてもらえるのは大好き(笑)。  絵を認めてもらえたことがうれしくて、勢いで今までに描いていたイラストをまとめて、同人誌をつくりました。  300部くらい刷りましたが、当然ながら無名の僕の本は全然売れません。大量の本を自宅に置きっぱなしにしているのもジャマだったので、あまっていた本はどんどん人に配っていました。  そうしたらたまたま出版社の人の手に本がわたり、それが縁で30歳のときにイラスト集を出させてもらいました。  その後、本を見た方からイラストの依頼をぽつぽつといただけるようになり、結果としてイラストレーターになったんです。  絵本のデビュー作になった『りんごかもしれない』(ブロンズ新社)も、編集の人から「絵本を描きませんか」というお話を受けてつくりました。  なのでイラストレーターも絵本作家も、自分から強く「なりたい」と思ったことはないんです。 取材中のようす。写真左からヨシタケシンスケさん、フリースクールに通うちーくん(小3) ふつうの子が描きたかった ――デビュー作の『りんごかもしれない』は、どんな思いで描かれたのですか?  どんな絵本をつくりたいかを考えたとき、「自分がいやだと思った絵本の要素は絶対に入れたくない」と思ったんです。  子どもだったころ、最初の数ページだけで「これは途中からつまらなくなるやつだぞ」とすぐにわかる本... --- ### 30歳をすぎてわかった 不登校した私に必要だったことは - Published: 2019-10-15 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/children/6080/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 無料記事, 当事者の声, いじめ, 2019年10月15日号 - ハッシュタグ: いじめ  執筆者の鯨井啓子(くじらいけいこ)さんは小学1年生のとき不登校になった。自分はなぜ苦しかったのか、当時、何が必要だったのかは、大人になってからわかるようになったという。 * * *  私は現在36歳の、いじめ・不登校の経験者です。  今年も9月1日を迎え、メディアが子どもの自殺抑止の報道で一色になるなかで、あのころ、私には何が起こっていたのか、どう生き延びてきたのか、大人になって、どんな介入が必要だったと感じるのか。自分自身の不登校経験をふり返ってみたいと考えました。  私が初めて学校へ行けなくなったのは、小学1年生のときです。あたたかな大人たちに囲まれ、日々をのびのびとすごしていた幼稚園から管理型の小学校に進級。  学校生活そのものが私には大きなストレスで、2学期が始まるころエネルギー切れになり、そこから2学期は丸々学校を休みました。  その後も小学3年生や4年生のころはいじめっ子に絡まれることもありました。 中学1年生になると部活の先輩後輩関係が始まったり、高校受験に向けて生徒どうしの学力マウンティング合戦が始まりました。  そうしたときには、完全に学校へ行けなくなるということはありませんでしたが、3、4日続けて休むということはよくありました。 不登校の仕組みはとてもシンプル  学校でのストレスに加え、わが家では家庭内ストレスもとても大きなものでした。  私が幼いころから父は、仕事から帰るとお酒を飲み、大声を出すということを毎晩のようにくり返していました。  ただでさえ学校でのストレスが大きいのに、家庭でもストレスが多くかかれば体力を使いはたして学校に行けなくなる。今ふり返ると、私の不登校の仕組みは非常にシンプルでした。  このように、私がいじめ・不登校の体験について、自分が置かれていた状況を分析し、納得がいく結論を導けたのは30代に入ってからでした。  そのくらい自分を見つめることには時間と体力が必要だということなのだと思います。まわりにストレスをかけてくるものがあればよけいに、自分自身に集中することは難しくなります。  だから、不登校当時、私にいちばん必要だったのは、心身を休められる、静かな環境だったのではないかと思います。  心の平安を取り戻し、おいしいものでも食べ、ゆったりと眠れてはじめて、まわりの人に助けを求めたり、解決策を探したりできるようになる。... --- ### 難を受けてこそ人生よ 樹木希林さんに聞く不登校 - Published: 2019-09-19 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3804/ - カテゴリー: インタビュー, 不登校 - タグ: 無料記事, 人気記事, 2014年12月15日号 人は不自由さに仕えて成熟していく  400号記念インタビューは女優・樹木希林さん。「最近、ほとんど取材は受けていません」と言う樹木さんに、不登校経験者がお話をうかがった。 石井志昂(以下・石井) 今日はありがとうございます。まずは一番気になっていることからお聞きします。なぜ『不登校新聞(※初出媒体の名称)』に出ていただけるんですか? 樹木希林(以下・樹木) いやあ~、こんな新聞があるんだな、と。私も年を取りましたけど、まったく知りませんでしたから。最近はほとんど取材を受けてないんですが、ぜひ新聞をつくっている人に会えたらと思ったんです。ただ、読んでみたらなんてことはない、私もその傾向があったなと思います。小さいころからほとんどしゃべらず、じーっと人影から他人を見ている、自閉傾向の強い子でした。当時は発達障害なんて言葉はなかったけど、近かったと思います。 夫・内田裕也はありがたい存在 石井 私が取材したいと思ったのは、映画『神宮希林』のなかで、夫・内田裕也さんについて「ああいう御しがたい存在は自分を映す鏡になる」と話していたからなんです。これは不登校にも通じる話だな、と。 樹木 あの話はお釈迦さんがそう言ってたんです。お釈迦さんの弟子でダイバダッタという人がいます。でも、この人がお釈迦さんの邪魔ばっかりする、というか、お釈迦さんの命さえ狙ったりする。お釈迦さんもこれにはそうとう悩んだらしいですが、ある日、「ダイバダッタは自分が悟りを得るために難を与えてくれる存在なんだ」と悟るんです。  私は「なんで夫と別れないの」とよく聞かれますが、私にとってはありがたい存在です。ありがたいというのは漢字で書くと「有難い」、難が有る、と書きます。人がなぜ生まれたかと言えば、いろんな難を受けながら成熟していくためなんじゃないでしょうか。  今日、みなさんから話を聞きたいと思っていただけたのは、私がたくさんのダイバダッタに出会ってきたからだと思います。もちろん私自身がダイバダッタだったときもあります。ダイバダッタに出会う、あるいは自分がそうなってしまう、そういう難の多い人生を卑屈になるのではなく受けとめ方を変える。自分にとって具体的に不本意なことをしてくる存在を師として先生として受けとめる。受けとめ方を変えることで、すばらしいものに見えてくるんじゃないでしょうか。 病気になって年を取って... --- ### 学校へ行けない僕の心を救ったお父さんの一言 - Published: 2019-08-30 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/6044/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 無料記事, 【連載】学校へ行けないみんなのキモチ, 2019年9月1日号   【解説】お父さんの言葉はなぜ救いになったのか  連載「学校に行けないみんなのキモチ」では、当事者の経験談を漫画化してお届けします。今回は不登校の男の子の心を救った「お父さんの一言」を漫画化してもらいました。この話、もちろん実話です。  不登校の人のなかには「学校へ行けないなら、せめて働かねば」と焦る人も多いです。私自身も不登校中は「バイトをせねば」という焦りは強いものでしたし、今回、漫画で登場した男の子そうでした。  しかし、男の子の場合は問い合わせても働き口がありませんでした。ふつうならば、ここで「だめならしょうがない」と思うものですが、男の子の場合はよけいに焦っています。なぜなら男の子が焦っていたのは「働かなければ親に認めてもらえない」と思っていたからです。働くという結果だけが必要だったんです。  焦る男の子に対して、周囲は「焦らなくてもいいんだよ」や「やれる範囲でいいんだよ」と言っても焦りは深まるばかりです。ところが男の子のお父さんは、本人が感じている真意を掴んで、親の本心を伝えました。その言葉で男の子の気持ちは楽になり、自分なりに歩んでいくことができたそうです。  不登校にかぎらず、お父さんが子育てのなかで「救いになる場面」は残念ながら聞くことが少ないです。でも、子どもに親自身がどんな思いでいるのか、それをていねいに伝えると状況はよくなっていくことわかるエピソードでした。(『不登校新聞』編集長 石井志昂) --- ### 死にたいあなたへ今伝えたい「生きててよかった日は必ず来る」【中川翔子】 - Published: 2019-08-30 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3530/ - カテゴリー: インタビュー, 不登校 - タグ: 無料記事, いじめ, 2019年9月1日号 - ハッシュタグ: いじめ  9月1日は、1年のなかでもっとも子どもの自殺が多くなる日だ。学校で「夏休み明け」を迎え、学校へ行くのが苦しい子たちによる自殺が増えていると見られている。そこで、学校で苦しんでいる人へのメッセージをもらおうと、不登校経験者10名でタレント・歌手の中川翔子さんにインタビューを行なった。中川さんもまた、いじめを受け、学校へ行くのが苦しかった経験を持っているからだ。 * * * ――今日は「生きる理由」をお聞きしたいと思っています。私は今、中学2年生で不登校をしています。中学に入ってからは、ずっと学校へ通うのがつらかったです。今は、ほとんど家にいます。友だちもいないし、ゲームをしてもアニメを観ても楽しくないし、この先も不安です。私には生きる理由がわからないです。死んじゃったほうが楽になるんじゃないか、とも思います。でも、きっとこの世界は楽しいはずだという思いもあります。だから、中川さんの「生きる理由」をお聞きしてみたいです。(14歳・アオイ)  今、真夜中のまっただなかにいる感じなんだね。  私も13歳のころ「思い描いていた自分の未来じゃない」と思っていました。心のなかでの口グセは「どうせ私なんか」でした。  中学に入ってから、いじめを受けていたからです。靴を隠されたり、キモイって目の前で言われたり、今思い出しても、すごくつらくて、悔しいことがたくさんありました。  いじめてきた人に「言い返してやればよかった」「仕返しをしてやる」とか、そんなふうに思いながらも、教室に入るのが怖くて学校へ行けなかったことがあります。  学校へ行けなくなってからも苦しい日は続きました。「学校へ行きなさい」と言う母親とドア越しに怒鳴り合ったこともありました。親と言い合うのって、すごくつらいですよね。  学校へ行けない日は自分の部屋で朝までネットをして、お風呂にも入らずダラダラして、でもなんだかイライラしてきて、拳で壁に穴をあけて「何やってんだろう」ってうなだれたりしていました。 大人の言葉は届かなかった  そんなとき、まわりの大人はよかれと思って「卒業しちゃえば楽になるから大丈夫だよ」と言ってくれました。  そういう大人に当時の私は「無責任なことを言いやがって」と心のなかで悪態をついていました。子どものころは学校と家がすべての世界。  それ以外の場所や世界なんて想像ができないです。大人はすぐに... --- ### 『どうか生きてください』樹木希林が亡くなる直前、娘につぶやいた9月1日への思い - Published: 2019-08-09 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3539/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 無料記事, いじめ, 2019年8月15日号 - ハッシュタグ: いじめ  樹木希林さんが亡くなる直前まで心を痛めていた9月1日の子ども自殺。その思いを突然、聞かされた娘・内田也哉子さんは「何かできることは」と思い立ち、識者や当事者との対談を行ない、樹木希林さんへの本紙インタビューなどとともに一冊の本にまとめられた(『9月1日 母からのバトン』(8月1日発行/ポプラ社))。今号はその対談のひとつ、本紙編集長・石井志昂との対談を再編集し掲載する。 * * * 内田也哉子(以下・内田) 私が初めて「9月1日」について聞いたのが、母が亡くなる2週間前、2018年9月1日でした。  入院中だった母が病室で窓の外を眺めながら「死なないで、ね... ... どうか、生きてください」と絞り出すようにつぶやいていたんです。  あまりに突然の出来事に驚きましたが、母は「今日、死ぬ子がたくさんいるのよ」って説明してくれたんです。 石井志昂(以下・石井) そこまで樹木さんが心を砕かれていたのは、なぜなのでしょうか。 内田 あそこまで打ちひしがれていたのは、やっぱり今まさに自分が「死」に向かっていたからなのかな... ... と。もう長くないことは、お医者様からも伝えられ、1カ月の入院期間中には何度も危篤状態になっていました。  死が現実的に迫ってきたときに、子どもたちが命を絶っていること、そして、たぶん自分の孫や子どもを持って、命の尊さみたいなものが身をもってわかったからこそ、こんなに理不尽な、もったいないことはない、と。 石井 そういうことだったんですね。 樹木希林の最期 内田 じつは、母は亡くなる直前、急に「家に帰る」と言い出したんです。私は「いやいやムリでしょ」と思ったんですが、主治医の先生からは「本当に帰りたいなら、今を逃したらもう帰れないです」と。  そこで病院にも協力をいただき、2日後には家に帰りました。そして母は、家に戻ったその12時間後に息を引き取ったんです。 石井 ええ... ... ! ! 内田 「日常のなかで死にたい」とずーっと言っていた願いが叶えられたんですよね。本当に見事な最期でした。  ただ、あのタイミングで「家に帰りたい」と言ったのは、母が理屈ではなく「今だ」と感じることへの感度がすごく高かったからかな、と。  もしかしたら私を育てているときも、いろんな壁にぶつかったんだけど、そのたびに「これは大丈夫」「ここまでは大丈夫」というの... --- ### 元ひきこもりの問い「生きることはなぜ苦しいの?」小島慶子の答えは - Published: 2019-07-30 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3553/ - カテゴリー: インタビュー, 不登校 - タグ: 無料記事, 2019年8月1日号  タレント、エッセイストとして活動する小島慶子さんのインタビューを掲載する。小島さんは、幼いころから母親との葛藤に苦しんできたことを著書『解縛(げばく) 母の苦しみ、女の痛み』で書いている。どのような苦しみがあったのだろうか。聞き手は、ひきこもり経験者で、自身も親との関係に苦しむ、子ども若者編集部員・飯塚友理さん。 * * * ――飯塚友理と申します。現在25歳で、ひきこもり経験者です。今も生きづらさを抱えながら暮らしています。とりわけつらいのが、母親との関係です。自身の価値観で私をしばろうとしてくる過干渉の母に悩みながらも、私自身、家族から独立できるような収入も自信もない、ということを思うと本当に今、苦しいです。小島さんはご著書『解縛』のなかで、幼少期から家族、とくに母親との関係に苦しんだ経験についてたくさん言葉にされています。どんなことがつらかったのでしょうか。  母は自分が見たいものを見たいように見て、自分が聞きたいように聞く人でした。入ってきた情報をすべて、自分の都合のよいように書き換えてしまうんです。  だから、私が母に伝えたいことを何時間も説明しても、こっちの思いが届かないんです。  しかも、私の家族のなかで、「母とうまくいかない原因は私にある」ということになっていました。私の性格が悪くて、ひねくれ者だから、家のなかがこんなにたいへんなんだ、というストーリーになっていたんです。  だから、大人になってからカウンセリングを受け、「私がいけなかったんだ」という記憶を、そうではないストーリーに編み直すまで、すごく時間がかかりました。  カウンセリングによって、家庭内の不和は、私が悪いのではなく母の子育てに問題があったんだと気づき、最初は「ママはこんなにひどかった」と、母への怒りがバーンと噴き出しました。  しかし、しだいに「彼女も完全な人間ではないんだよな」と思えるようになりました。  彼女は生い立ちも過酷だし、偏りのある物の考え方をする人なので、人間関係で苦労しただろうな、だから自分の娘に思い入れが強くなってしまったのもしょうがないのかな、と。  ただ、それを受けた私はたまらなかったから、距離を取ることにしたんですけどね。 偏見がひどくて ――現在、母親との関係はいかがですか? 相変わらず、難しいですよ。「年老いた母を大事にしなきゃ」と思う気持ちはあるんです... --- ### 優等生から不登校になった私に起きたこと - Published: 2019-06-27 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/children/6024/ - カテゴリー: 子どもの体験談, 不登校 - タグ: 無料記事, 人気記事, 当事者の声, 2018年12月15日号  不登校経験者・田中ありすさん(31歳)にお話をうかがった。田中さんは高校1年生の夏休み明けから学校へ行けなくなった。当時つらかったことや、現在の気持ちなどを話していただいた。  * * * ――不登校になったときは、どのようにすごしていましたか?  高校1年の夏休み明けから学校に行けなくなって、それから最初の1年間は本当につらくて、あまり記憶がありません。  「こんなことをしていました」と人に話せるようなことは何ひとつありませんでした。  ただ部屋にこもって、スナック菓子を食べて、ずっと泣いているだけでした。それからストレスでアトピーが出て、ひたすら体をかきむしっていました。  私はもともと勉強が好きで、中学までは成績もよく「優等生」だったんです。それが不登校になったことで、今まで積み上げてきた「優等生」というアイデンティティが完全に崩れてしまったんです。 部屋からも出ず  近所の目も苦しかったです。私の実家は地方だったからみんな顔見知りで、外に出たら「あそこの家の○○ちゃん、学校にも行かずに何しているのかしら」となる。  だから一歩も外に出られませんでした。家では親のことも拒絶していたから、部屋からもほとんど出ずにすごしました。  いろんな危機が一度に来て、もう絶望なんです。何をよりどころにして生きていいのかわからない。かといって「死のう」という意志もない。生きることも死ぬこともできない状態でした。 厳しい学校生活が ――学校のどういうところがきつかったのですか?  どの生徒にも画一的な授業をするところが嫌いだったんです。それでも中学校まではがんばって通っていて、高校は地元で一番の進学校に入学しました。  ところが、その高校が江戸時代の藩校から続いている伝統のある学校で、そのせいかすごく保守的で、部活も受験対策も厳しかったんです。  学校が終わるのが夜の8時。それからバスに乗って家に帰るのが夜の9時~10時。帰宅後も課題がたくさんあって、毎日ヘトヘトでした。睡眠時間が減り、すぐに体調が悪くなってしまいました。  また、両親の仲が悪く、家庭環境もよくなかったんです。思春期と重なって、精神的にも追い詰められていました。そうした事情から、学校に行けなくなったんだと思います。 ――つらい経験をされましたが、その後は?   両親と先生が話し合って、いろんなことを試されまし... --- ### 中学生に直接聞いた不登校理由、国の調査と大きな隔たり - Published: 2019-05-29 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/others/6037/ - カテゴリー: コラム, others - タグ: 無料記事, いじめ, 2019年6月1日号   NHKは5月3日~9日、2018年度に「不登校」もしくは「不登校傾向」があった中学生1968人のアンケート調査結果を発表した(調査協力・LINEリサーチ)を実施した。  1968人の内訳は「不登校」(年30日以上の欠席者)が378人▽「不登校傾向(教室外/部分登校)」(保健室など別室登校をしている者)が965人▽「不登校傾向(仮面登校)」(教室にはいるが、毎日通いたくないと思っている者)が625人だった。  不登校の調査には、文科省が毎年実施している「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」がある。文科省調査では不登校の要因について、「本人」と「学校および家庭」に大別されており、回答するのはおもに学校の教員だ。  今回のNHK調査は、文科省調査と比較もできるよう、質問項目等をそろえて実施。文科省調査とのちがいは、回答者が子どもであること。つまり、不登校の要因について、教員と子どもの認識のちがいを検証することが可能だ(上図参照)。  なかでも顕著なのが「教員との関係」と「いじめ」だ。  文科省調査において、「教員との関係」が不登校の要因として挙げられた割合は2・2%だったが、NHK調査では23%と、20ポイント以上の開きがある。  また、「いじめ」についても、文科省調査では0・4%となっているが、NHK調査では21%だった。文科省が把握している以上に、 「教員との関係」や「いじめ」などを不登校の要因として挙げる子どもが多いことがわかる。 大きな開きは部活動や校則も  そのほか、「部活動」18・3ポイント、「決まりや校則」17・5ポイント、「進路」15・1ポイント、「学業」14・2ポイントと、NHK調査の結果が文科省調査のそれを上まわった。  一方、逆の結果が出ている項目もある。不登校の要因に「家庭」を挙げている割合は文科省調査では30・8%であるのに対し、NHK調査では21%と、文科省の調査結果を下まわった。  なお、不登校の要因について「答えたくない」と回答した子どもは1%だった。(東京編集局・小熊広宣) 【MEMO】問題行動調査  正式名は「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」。文科省が、今後の生徒指導上施策推進の参考とするために毎年実施。不登校のほか、暴力行為、いじめ、出席停止、高校中退、自殺などを集計。不登校は「... --- ### 「不登校はズル休みじゃない」16歳の当事者が今伝えたいこと - Published: 2019-05-28 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/children/6077/ - カテゴリー: 子どもの体験談 - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 当事者の声, 2019年6月1日号 - ハッシュタグ: 通信制高校, 中1ギャップ  今回執筆した相良(さがら)まことさんは、不登校に対する差別や偏見が当事者に罪悪感を与え、苦しめていると感じている。相良さんの思いを書いてもらった。 * * *  「新しい元号は令和であります」。私はこの歴史的瞬間を見届け、「新元号、いいね」「いや微妙」「次の仮面ライダーは令和ライダーか」など、世間の反応を眺め、楽しんでいた。  そんななか、元号も変わったというのに、なぜ世間はいまだに不登校というワードに「ズル休み」「悪いこと」というイメージを持っているのか、との思いが私の頭をよぎった。  「うつ病は甘え」と同様にこの凝り固まった風潮は根強いと思われる。それゆえに学校でつらい思いをする子どもに対しても親は登校を促し、「学校復帰」を押しつけ、そして子どもはようやく不登校になっても罪悪感に悩まされてしまうのだ。  「学校はつらくてもがんばって行く場所」との考えや状況がつくり出され、子どもは「せっかく休んだのに心が休まらない」ことになっていると、当事者としては感じる。 中1ギャップで  私は、小学校時代、不登校という概念さえも知らずにいた。しかし、中学入学で環境が変わり、いわゆる「中1ギャップ」から、入学してまもなくパニック症を患った。  当時はまだパニック症も知らず、わけもわからず起こる発作に困り、苦しみつつ登校していた。  それから1年後、自分でも身体と精神を病んでいるのがわかってきたころ、そのようすを悟ったのか、当時のカウンセラーが「学校を休んでみたら」と提案してくれた。  そのころの私は「学校を休む」という選択肢自体、心になかったので、目からウロコで、中2の秋から本格的な不登校生活が始まった。  しかし、それでも心はいっさい休めず、自宅や塾、適応指導教室での勉強も体がついていかず自滅。今思うとマジメすぎたがゆえの罪悪感なのだろう。  ただ、私の中学校では同学年100名中10名、つまり1割が不登校だった。何人もの同志がいたにもかかわらず、私は「不登校」に対する世間の偏見からくる罪悪感に苦しめ続けられていた。  これはたんに「私はマジメすぎたから」で片づけてよい問題ではない。不登校はめずらしくもズルくも甘えでもなんでもないのだ。  私と同学年の友人、さらに全国の不登校の同志たちが何を思い不登校を決断したかは、知ることができない。  ただ、令和をともにする同志たちや今現... --- ### 「どんな子が不登校になりやすい?」フリースクール代表の答え - Published: 2019-05-28 - Modified: 2024-10-17 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/6073/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 会員限定記事, 【連載】すまいる式 子どものわかり方, 2019年6月1日号 連載「すまいる式 子どものわかり方」vol. 11  「不登校になる子をイメージしてください」と質問されたら、どんな子どもをイメージするでしょうか。私も「どんな子が不登校になりやすいですか」と聞かれるのですが、返答に窮してしまいます。 不登校する前は  子どもが休み始めたあとにどんな状態になるかは、これまでの調査研究や経験上からおおよそ検討はつきますが、子どもが不登校になる前に、不登校になりうるような“何か”を持ちえているのかはわかりません。  まさに、「なんらかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により登校しない、あるいはしたくともできない状況にある」という文科省の定義のとおりです。  実際、私たちのフリースクールを利用している子たちだって、一人ひとりがまったくちがいます。また、不登校の全国大会などに参加すると、いろんな子どもがたくさんいて、ひとくくりにすることはできません。  しかし、少しネット検索するだけでも、「不登校になりやすい子」とか「子どもが不登校になりやすい保護者」といったような記事がかんたんに出てきます。  そういった内容は、科学的根拠に基づかないものも多いのです。不登校要因として「無気力」や「不安」、「家族関係」をとりあげて、子ども自身や保護者に起因しているような報道をするマスコミもあり、それを目にしてつらくなった子どもや保護者の方は少なくないと思います。  そのような不登校要因については、子どもがフリースクールや家で見せる表情とはあまりに乖離しているので、しばしば反発を招いていますが、最近、私はあながちまちがってはいないのかもしれない、と思うようになりました。  学校が、その児童生徒を見て、無気力や不安感が強いと感じているということは、子どもが学校生活に対して抵抗感を抱き、しだいに疲弊していくなかで、安心もできなくなっていく姿を学校に見せていたからではないか、と思ったからです。 優等生でも皆勤賞でも  子どもがそうなる前の話を聞いていると、活発で、学校を休んだこともなく、勉強ができたり、部活で活躍したり、クラスの友だちとも仲がよい。  委員も一生懸命で、先生からの信頼も厚く、期待されていた。何より、学校に行くのが楽しそうだった。こういったことはよく耳にする話です。「だから、まさか不登校になるなんて思いもよらなかった」と。  学校は多か... --- ### 「少しだけでも学校へ」の一言が地雷、登校圧力はなぜリスクなのか - Published: 2019-05-15 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/serialization/6033/ - カテゴリー: 連載 - タグ: 無料記事, 【連載】すまいる式 子どものわかり方, 2019年5月15日号  休みが増える傾向になるタイミングのひとつが、5月の連休明けです。新年度からがんばろうという気持ちが強すぎて、エネルギーが切れてしまったり、思いと現実のズレが出てきたりするのかな、と思います。  それまでがんばっていた子どものようすからは、学校へ行くことがとてもつらくなっている、ということを想像するのは難しいかもしれません。 ホントに行くの?  先生や保護者の多くが「子どもは学校へ行きたいと言っているんです」と言います。そして、子どもがなんとかふたたび行けるように力を注いでしまいます。  「数日休むだけなら、みんなに遅れないですむ」とか「この状況を乗り越えたら、自分の殻を破るチャンスだ」といったように、学校の先生や保護者は、なんとかしてまた学校へ行かせてあげたいという思いが強く働くのです。  今回は、そのような「登校圧力のリスク」について書いてみたいと思います。まず考えたいのは、子どもが「学校へ行きたい」と言いつつ休み始めたことについてです。  私がここから判断できるのは、子どもが学校へ行くということを意識しながらも、それができない状況にあるということ。強いプレッシャーが本人にかかっていることは、想像に難くありません。  以前「休み始めは『限界』だ」と書きましたが、コップの水が表面張力でかろうじて保っているような状態です。 そこに、たとえ一滴でも加えたら、コップから水はあふれてしまいます。つまり、たとえ緩やかな働きかけであっても、子どもが受けいれることができるプレッシャーを超えてしまう可能性があるのです。  登校圧力と言うと、ひと昔前のような無理やり学校へ連れて行くといったようなことをイメージするかもしれません。  しかし、どのようなかたちの登校圧力であっても、子どもが大きく崩れてしまうことがあります。ですから、その働きかけが本当に子どもにとって必要なのか、十分に配慮することが求められます。  むしろ「ゆっくり休んで大丈夫だからね」の一言が救いになるかもしれません。 学校の体制は  もうひとつは、仮に復帰したとしても、「安心して学校生活を送ることができるような支援体制」をつくる余裕が学校にあるのか、ということです。  不登校の復帰指導を一生懸命していても、登校復帰をするのは25%(H29年度問題行動等調査参照)ですが、そこには多大な時間と労力を要します。  家庭訪問... --- ### 「理由はとくにないみたい」漫画家が語った私と娘の不登校 - Published: 2019-05-14 - Modified: 2024-10-21 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3566/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, いじめ, 2019年5月15日号  シングルマザーの母親と不登校の娘を描いた漫画『たそがれたかこ』(講談社)。『このマンガがすごい!2018』第4位にランクインした本作の作者・入江喜和さんにお話をうかがった。 * * * ――子育てでたいへんだったことはなんでしょうか?  ママ友との付き合いが一番つらかったですね。娘が習いごとをしていて、決まりで1回は役員をやらされるんですが、そこのお母さんたちがとくにひどかった。  大人なのにスクールカーストみたいなものがあって、一部のお母さんたちに特権意識があったんです。娘を人質にとられているようなものなので、嫌なことがあっても逆らえません。  いっしょに作業をしないといけないときに、「わかりません」とか「できません」とか言うと、すぐにいじめてくる。はっきり無視してきたり、「ふん」っていう態度をあからさまに出してきたりするんです。  ママ友ってこんなに露骨ないじめをしてくるのかと驚きました。「ママ友」と言っても、もう「友」でもなんでもないですけどね。  ただ、本当にひどいと思える相手でも、一対一になってみれば、そこまで悪い人ではありません。グループになるとものすごい圧をかけてきても、一人ひとりはたいしたことがない。  幼稚園や学校でも多少はこうした人もいたと思いますが、優しい人もたくさんいて、今でも付き合ってくださる方が何人かいます。  私はそもそも、集団でまとまっているものがきらいですね。「文句があるならひとりで来いや」という反抗的な気持ちがあります。 娘の不登校は  一方、娘は不登校でした。中学2年生の終わりごろから、中学を卒業するまでは、教室へほとんど行っていません。  学校に小部屋が用意されていて、ひとりだけで勉強して帰るんです。送り迎えは私がしていました。行かなくなったのは、とくに大きな理由はないみたいです。  原因究明なんて、たぶん本人にもできないのではないでしょうか。いつのまにかいろいろなことが積み重なって、気がついたら、がんじがらめになっているものなのだと思います。 ――学校に行っていないときに、娘さんとはどのように向き合っていたのでしょうか。  娘には、「学校でつまずいても全然心配いらない」、と何度も言いました。  「学校は練習の場所だから、練習段階でどんなに失敗したって全然問題ない」と。言葉が娘に届いていたかどうかはわかりませんけどね。  た... --- ### いじめ問題を取材して20年 報道から見たいじめ調査の問題点 - Published: 2018-10-18 - Modified: 2024-10-21 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3574/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, いじめ, 2018年10月15日号 - ハッシュタグ: いじめ  今回は、日本テレビ報道キャスターの岸田雪子さんのインタビューを掲載する。岸田さんは報道キャスターを務めるかたわら、いじめなどの教育問題を長年取材し続けている。6月に出版した新著のほか、いじめを取り巻く環境の変化などについて、お話をうかがった。 ――著書『いじめで死なせない~子どもの命を救う大人の気づきと言葉』を出版するいきさつからお聞かせください。  いじめについては20年以上取材を続けていますが、過去の事例から知識や教訓として積み重ねるべきものが社会全体で共有されていないという危機感をずっと持っていました。  私はテレビ一筋、報道一筋の人間です。いじめ問題もテレビを通じて伝えてきたつもりですが、より多くの人と知識を共有するためには、書籍化というのもひとつの手段ではないかと思ったのがきっかけです。  「死なせない」というタイトルにしたのも、いじめで子どもが死なずにすむ社会を大人はどうしたらつくれるのか、そこが問われているとの思いからです。ですので、子どもに「死なないで」と伝えるのではなく、あくまでこの本で訴えたい相手は大人なんです。 ――この20年間、いじめを取り巻く環境で変化を感じるところはありますか?  ふたつあって、ひとつは「手段」です。  子どもの多くがSNSを使うようになり、「LINE外し」のように、仲間外れの手段とされてしまうことも増えました。ネットいじめは、加害意識が低いままに参加してしまう子も多いので、同調圧力という点については、インターネットがない時代と比べて強まっていると思います。  もうひとつは「家庭」です。  共働きの家庭が増える一方、仕事と子育ての両立はかんたんではないのが実状です。結果として、子どもを見守る社会の眼が減っているのではと危惧しています。  こうした社会の変化によって、いじめの被害のみならず、いじめの加害についても気づきにくくなっているように思います。 愛するがゆえに心配させまいと ――本書に登場する若者が、いじめの事実を親に話せない理由として「親を心配させたくないから」と語っています。これは私が取材してきた子どもたちとも重なりました。  この20年間をふり返ったとき、ほとんど変わっていないこともあります。そのひとつが、子どもたちの根底にある「親に心配をかけたくない」という気持ちです。  子どもの親に対する愛情は親の場合と同... --- ### 批判されたらヘコみませんか?荻上チキに不登校経験者が聞く - Published: 2018-09-28 - Modified: 2024-10-17 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3825/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2017年5月1日号  企画者であり、不登校経験者(25歳)が自身の気になっていることについて、評論家・荻上チキさんに取材を行なった。 ――憧れの人って荻上さんにはいますか?  だれかを理想にしたことはないですね。この業界って特殊で、評論家は10年に1人出るか出ないか、なんです。しかも、先輩評論家に牙をむくかたちでデビューするというのがこの世界のならわしなんです(笑)。もちろん尊敬している人もいますけど、「こうなりたい」というロールモデルはないんです。 ――僕にとっては荻上さんが憧れの人です。僕は荻上さんがラジオで、いじめや不登校関連の発言をされているのを聞いて、「よく言ってくれた!」と気持ちが楽になったんです。  ありがとうございます。僕はメディア論を研究してきたんですが、たとえばテレビで「オネエ」をいじることによって同性愛差別が拡散していくとか、メディアにはそういう危険性がつねにあります。だから、僕は僕自身のメディアでのふるまいにはとても気をつかっています。たとえば放送中に同性愛的なものをからかうようなフレーズをポロって言ってしまう人がいたら、「同性愛者の権利は重要ですよね」という一言をはさむ、とか。大きく社会を変えられなくても、ちょっとした発言や態度を変えていくことはできますからね。 ――批判を受けることもあると思います。僕だったら、批判されたらすぐにへこんでしまいますが、発言し続けるエネルギーはどこから湧いてくるんですか?  僕のエネルギーは人より少ないと思いますよ。よくへこむし、うつ病もちだし。最近は趣味に割く時間もなくなっているし、心身ともに不健康です。  人の生きづらさの問題を考え続けてきた一方で、自分の生きづらさを30年以上放置してきたので、いまさら、友だちをつくらなきゃと思い始めているくらいです(笑)。 自己肯定感と自己効力感  「自己肯定感」と「自己効力感」という言葉があります。僕は自分自身を肯定する力は昔から弱かったんですけど、この仕事をしていて、自分が人の役に立てるという経験をしました。そうした自己効力感から自分が生きる力を調達している、と言えると思います。仕事で失敗したら、また仕事で取り返すぞ、というふうに。自己循環的にエネルギーを得ているんですね。  ただ、これには危険な面もあるんです。いわゆる「団塊リタイヤ問題」というものです。サラリーマンでバリバリ働いて、... --- ### 宮本亜門 生まれ変わっても学校へ戻らない - Published: 2017-12-11 - Modified: 2024-10-21 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3604/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2017年5月15日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり 今回、お話をうかがったのは演出家・宮本亜門さん。高校生のときに不登校、ひきこもりをした宮本さんに当時の心境をうかがった。 ――宮本亜門さんも不登校だと聞きましたが、当時の状況を教えてください。  そもそも幼稚園から集団生活が苦手でした。学校へ行かなくなったのは高校2年生からで、ずっと苦しんでいました。次の人生があったとしても、学校には戻りたくないですね。  僕が生まれ育ったのは、銀座の新橋演舞場のすぐ前にある喫茶店です。街には、いつもどこからともなく三味線や小唄が聞こえてきて、人力車に乗った芸者さんが来たりする、言わば大人の雰囲気に満ちた場所でした。そんななかで、和物に興味を持った僕は、学校に行っても誰とも話が合いませんでした。  まわりがテレビで見たお笑いや、話題にしていることに興味がない。だからみんなのなかにいると孤独を感じる一方で、仲間外れになるのが恐くて、適度にニコニコしながすごしていました。でも、そういう自分がきらいでした。そんな矛盾が自分自身を否定し、ついには自殺未遂をしたこともあります。 悪循環から抜け出せない  そして約1年間、ひきこもったわけです。当時は本当につらかった。「学校へ行ってほしい」という両親や周囲の気持ちもわかるけど、行けない。そのうち、学校が怖くなり、同世代の眼が怖くなり、街を歩いただけでぞっとしてくる。生きていても、ただ不安が募るばかりで、何が自分に起きているのか、うまく説明できない。社会のレールに乗れない自分が悪いんだと思い、それを感じている自分がまた切なくなる。そんな悪循環から抜け出せなかったんです。「学校だけが人生じゃないはずだ」と思いたくて道を探すんですが、答えが見つからない。僕が、ひきこもりをしたのはそれが理由でした。 ――40年以上前のお話ですが、いまの10代も同じようなことを話してくれます。  僕はひきこもりの先駆者世代だから(笑)。ひきこもって数カ月してからNHKで「登校拒否症」についての番組を観たことがあります。  NHKが初めて登校拒否について報道したものだと思います。少なくとも「登校拒否症」という言葉があるのを僕が知ったのはそのときでした。番組内容はあまり覚えていませんが、「登校拒否症」という言葉に、不登校が病気だと決めつけられたようなショックを受け、わけもわからずに泣いてしまったのを覚えています。 ――テレビ... --- ### 「ふつうとの付き合い方」不登校経験者が宮本亜門さんに聞く - Published: 2017-12-11 - Modified: 2024-10-17 - URL: https://futoko-online.jp/interview/4037/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2017年5月15日号  宮本亜門さんには本紙「子ども若者編集部」のメンバーも質問した。各々の不登校経験を皮切りに、現在、自分自身が直面している悩みや問題についての意見をうかがった。 ――私はLGBTで不登校もしました。10代のころから「ふつう」であれば気にかけない学校や異性の世間話についても二重三重の嘘を重ねなければなりませんでした。宮本さんは、どうやって「ふつう」と付き合ってきたのでしょうか。(29歳・男性)  「ふつう」なんてありません。それは誰かが勝手につくり出した空想です。 人は全員、顔も考え方もちがうのに「ふつう」をつくりあげてしまうんです。なぜなら自分がほかの人とちがうのが不安だから。僕も「ふつう」に苦しめられてきました。  だからこそ思うのは「いつか人類は進化するんだ」と。LGBTもちょっと前では考えられないほど認知度が広がってきました。人類の誕生から現在までという大きな流れのなかで私たちは生まれ、マイノリティになりました。それはやがて多くの人に受けいれられていきます。いま、受けいれられていないだけです。あきらめてはいけません。  大げさに言えばマイノリティを背負っている私たちは「人類にとって大切な前例」です。お話を聞くとつらい経験を重ねられたと思いますが、その思いを一つずつ、語れるときに語っていかれるのがいいのではないでしょうか。そういう使命を誰しもが持っているんだと思います。 不安がる自分を否定しないで ――私は学校で友人関係がうまくいかなかったことなどが重なり18歳で不登校をしました。いまは通信制大学に入学し、心理学を学びたいと思っています。ただ、周囲から「またつまずくんじゃないの?」と言われ、不安でいっぱいです。(20歳・女性)  あなたの「学びたい」という思いの裏には「誰かを救いたい」「自分自身のことを知りたい」という欲求があるのだと思います。それはすごくいいことです。僕が舞台をやっているのは自分のことを知りたいから。  それに「周囲」というのは何事にも反対するものです。僕が29歳で演出家になったときは全員から反対されました。唯一の支えは生前、母が「お前は大丈夫」と言ってくれたこと。これだけです。きっとあなたも大丈夫です。  だってこれまで痛みを経験してきたはずです。職種はちがうかもしれませんが痛みを経験してきた役者さんはいい仕事します。もう一つ、つけ加えるならば... --- ### オレも5年こもってた リリー・フランキー - Published: 2017-12-11 - Modified: 2024-10-21 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3751/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 識者の指摘, 2010年10月15日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり ――学校が好きでしたか、キライでしたか? つねに学校には行きたくなかったです。小中高とちゃんと定時に行ったことがあるのかと思うぐらいずっと遅刻してました。学校のすぐ近所に住んでましたけど。 大学に行ってからはもっとひどくて、どんどんゆるい生活をしていたから、就職先を決めないまま卒業後はプーになりました。卒業してからも5年間はなんにもしてませんでした。 ――ひきこもっていたんですか? 働いたのは月に何度かしかない。当然、なんにもしないから金がなくなって、親からも、友だちからも、サラ金からも金を借りて生活をしてました。それでも金がなかったから電気もガスも止まったままでしたけど。 まわりにいる人からは「働いたほうがいいよ」とずっと言われてましたが、オレにはどこに行く気力もなかったんです。日雇いの仕事ならいくらでもあったけど、バイトに行こうと思っただけで三日ぐらい徹夜した気分になってましたから。 当時、ひきこもるっていうのは、いまと「一人度合い」がちがうんです。いまなら携帯やインターネットもあって薄く人とつながれるでしょ。とくにインターネットがあると、同じような境遇の人を見つけて安心したり、俺がここにいるっていうアイデンティティをなんとか保てるかもしれない。それが人の悪口を言うだけであってもね。でも、それもない。一人になりきれるからいまよりも昔のほうが楽だと思うけど、当時は完全に自分のことをクズだなと思いながら生きてました。 ――罪悪感も感じていましたか? 当然あったし、さっき言ったような自分を責める気持ちもあったんですが、それがどんどん「無痛」の状態になっていくんです。飛び降り自殺をすると、飛び降りている最中に気を失うって言うでしょ。あれと同じだと思うんですが、無気力度がどんどんアップしていって、痛みのスイッチを切るんでしょうね。 それでオレがやったのは大学生のときに彼女に電話したこと。飯が食いたくてしょうがなくて、公衆電話から昔の彼女に「ちょっと会いたい」みたいなことを、色っぽく言ったんです。その公衆電話代の10円も友だちから借りた金なんだけど。 彼女はオレの家に来てすぐわかったんでしょう。弁当を買ってくれて、帰り際、2000円を胸ポケットに入れてくれました。そこまでされたら、人は「情けないな~」って感じると思うでしょ。でも貧乏を5年もくり返してたら「ラッキー!」としか... --- ### マジシャン マギー司郎さんに聞く - Published: 2017-12-11 - Modified: 2024-10-22 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3526/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2008年1月1日号  お正月号の特別インタビューは、マジシャンのマギー司郎さん。子ども編集部のメンバーが、マギーさんに子ども時代の思い出や「おしゃべりマジックスタイル」の誕生秘話などをお聞きした。 ――どんな子ども時代を過ごしていましたか?  僕は生まれつき左目が斜視でほとんど見えなかった。勉強もできなかったし、運動も全然。いつも端っこにいるような子だったんだよね~。  唯一、得意だったのが知恵の輪。小学3年生のころ、こっそりお金を貯めて、知恵の輪を買ったの。知恵の輪には説明書がついてるでしょ。それを見て練習すれば、誰でもスイスイできるようになる。みんなの前で知恵の輪を解いて「司郎ちゃん、すごい」って言われる時間が、唯一自分の時間だった。あれがあったから、イヤな学校時代も乗りきれたんだと思う。  ただ、家が貧しかったから、知恵の輪なんか見つかったら、親に「返してきなさい」って怒られるだろう、と思ってた。だから隠してたのに、ある日、見つかっちゃったんだよね。そしたら、不思議なもんで母親は何も言わなかったんだ。本能だけで生きてたような母だから、わかってたんじゃないかな。これは大事なもんだって。 ちがいが大切なんだよね~ ――子ども時代は苦労されたんですね。  子どものころだけじゃなくて、大人になってからも、僕は人とちがうところだらけだったの。そのちがいが、悪いことでも、自分にとってはプラスなことが多かった。僕は斜視だったから、初対面の人と話すのが苦手だったの。まともに初対面の人と話せるようになったのは58歳を過ぎてからかな。いま62歳だから、つい最近のこと(笑)。それもあって、長く芸能界にいるのに、友だちは3人ぐらい(笑)。でも、それでもいいんだよね。  僕の芯の部分にある「弱い部分」は、治らないの。仕事を受けても、いつも「本当にできるかな」って心配になるし、なかなか強くはなれない。でも、それはそれでいいの。弱さと優しさって、見分けがつかないものだから。  頭がよくて、なんでもできる人には、できない人の苦労がわからない。そういう「強さ」よりも、弱さのほうが大事かもしれない。弱くて、キツイ経験が、人を優しくするんだと思う。 ――いまの「おしゃべりマジック」のスタイルになった理由は?  正直に言って僕は手品がヘタなの(笑)。舞台に上がったら、できるよ。だって、できるものだけ選んでるからね。それ... --- ### さなぎの季節(千葉講師) - Published: 2017-12-05 - Modified: 2024-04-11 - URL: https://futoko-online.jp/column/498/ - カテゴリー: コラム - タグ: 会員限定記事 キズキ共育塾・講師の千葉です。朝晩の冷え込みも目立ってきました。模試も本格化してきて、結果によっては気持ちの面でも落ち込むことが多いかもしれません。身も心も温かくありたいものです。 行動の「意味」について 秋の夜長は物思いにふけることが多いです。 最近は中学高校時代の自分をよく思い出します。 部屋の壁を殴りつけて穴だらけにしていたり、カッターで体を切りつけていたり。 その他にも、結構いろいろあった気がします。 勉強自体は好きな方だったので、成績は上の方だったのですが、 あのころの精神状態は笑っちゃうくらい荒れていたものです。 そんなとがった時代も10年以上前の昔話となってしまいましたので、あのころの自分の感情や、自分がとっていた行動の「意味」を、最近はよく考えます。 さなぎの季節 思い返してみると、中学時代・高校時代・大学時代の自分の心の荒んだ時期は、 自分が社会に出ていくために必要な時間だったのかと思います。 自分が最近読んだ本の言葉でいうなれば、 「さなぎの季節」とでも言うべきでしょうか。 これから広い世の中に出ていくために、 心の暗い部分に引きこもって、より大きな自分になるためのエネルギーを得ていく休息の時間。 人間にはそんな時間が必要なのではないかと、自分の体験を通して常々思わされます。 僕たちは強くはないので、一足飛びには世の中に羽ばたいていけない。 羽ばたくための力をじっくりとたくわえていく、「さなぎの季節」が必要なのでしょう。 この記事を読んでくださるあなたもまた、「さなぎの季節」を過ごしているのではないでしょうか。 行動の「意味」について 「さなぎの季節」を過ごしているときは、 周囲の人がうらやましく思えたり、自分自身に罪悪感を感じたり、早く世の中に出たくて仕方がなかったり、色々なもやもやが胸の内でうごめきます。 うずうずしたり、情けなくなったり、絶望感に打ちひしがれたり、 あなたにもそんな体験があるのではないでしょうか。 僕がアドバイスらしいアドバイスを言えるとしたら、「あせるな」という一言でしょうか。 どんなにあせっても、悩みごとは尽きないのですから。 受験という乗り越えなければならない課題もあります。 「人付き合い」というもう一段解難しい課題も残っています。 脅かすようで申し訳ないですが、社会に出てからも大変なことはまだまだたくさんあるのでしょ... --- ### 見えない悩みを見てみた(宮川講師) - Published: 2017-12-05 - Modified: 2024-04-11 - URL: https://futoko-online.jp/column/491/ - カテゴリー: コラム - タグ: 会員限定記事 悩みには2種類ある! 悩みというのはいつになっても尽きないもので、一つ解消されてはまた一つ、新しい悩みがでてきて私たちを困らせます。 私は、悩みの種類には2種類あると思っていて、それを根源的な悩みと創造的な悩みに分類しています。(もちろん勝手に。笑)これはマズローの欲求段階を元にしています。というのも、悩みを解消したいと思う要因は欲求を満たせるかという精神状態と近似していると思うからです。 では、そもそもマズローの欲求段階とはなにか?——— マズローは、人間の欲求の段階は5つに分けられるとしています。下から数える3つの欲求は人間が生きる上で必要となる基礎的な欲求、上位に位置する欲求はよりよいものを追求していく欲求、自己の尊厳を保とう、高めようとする欲求です。例えば、他者に受け入れられたい、尊敬されたい、認められたいという欲求です。 どちらがよく悩む? このように基礎的な欲求に照らし合わせた悩みを根源的な悩み、よりよいものを追求する欲求に対応する悩みを創造的な悩みと考えたわけです。 では私たちが抱える悩みはどちらが多いでしょうか。 おそらくほとんどの人は創造的な悩みと答えることと思います。豊かな社会では衣食住を満たすことは難しくなく、困ったときに支えてくれる制度も整っていて、根源的な悩み自体が有限に思えるからです。 そのため、人々は次第に高次の悩みへシフトしていきます。創造的な悩みは、実現の形態が無限で揺らぎやすく、資源があっても解消されないかもしれない不安定さを持ち合わせていることになります。 「じゃあ、結局悩みなんて一生解消されないじゃん」 確かに前述したように、多くの人が直面する創造的な悩みは解消するのが難しい。でも1つだけ、根源的な悩みよりもよい点があると思うんです!(ビックリ!) それは悩みをコントロールできる、という点です。仕事にしても生活にしても勉強にしても、よりよい方向にシフトしようという主体性と権限(ownership)を持っているのは他でもない自分です。 根源的な悩みは資源がないと実現することはほぼ不可能だし、基礎となる物質的なものを獲得することが目的なので、コントロールも効きにくい。でも「隣の芝は青く見える」ような悩みはどうしようもないようにみえて、自分のコントロール下で修復が効く。資源は足りなかったら誰かからもらえばいいし、借りれば事足りる。 ... --- ### なぜ勉強するのか?―その理由は今は分からなくても大丈夫です(太田講師) - Published: 2017-12-05 - Modified: 2024-04-11 - URL: https://futoko-online.jp/column/488/ - カテゴリー: コラム - タグ: 会員限定記事 こんにちは。はじめまして。 キズキ共育塾・講師の太田です。 さて、今日は「なぜ勉強しなければならないのか」ということについて、私なりの経験や今の心情から書いていきたいと思います。 勉強する意味... 今はわからなくてもいいと思います! 多くの人は、必ず一度は「なぜ勉強しなければならないのだろう」と自問することがありますよね。特に、今、中学・高校に通っているくらいの歳の子、社会の流れのままに受験の渦中にいる子は、つきあたって悩んでしまうテーマなのではないでしょうか。 かくいうわたしも、中学、高校生の頃は悩んでいました。数学で二次関数・図形・証明をやって、生物で遺伝の仕組みをやって、「覚えたり勉強したりすることって面倒だ!」「大人になっても必要ないじゃないか!科学者になるわけでもないのに」って。 今になって思うことは、「学生の当時にはわからないことがたくさんある!」ってことです。自分がどんなことがわからないのかもわからないんです。いや、大学生になった今でさえ、まだまだ未知の世界はたくさんあるのだろうから、偉そうなことは言えませんが。 でも、まだ10年と少ししか生きていないから、わからないことがたくさんあるのは自然なことだと思うんですよね。「勉強する内容」というより、勉強して考えることで、精神的にも歳をとることになるのかなあとも思っています。 勉強していた当時は気づかなかったことですが、学生の時勉強していた内容やその勉強をする過程は、人の性格とか考え方とかを構成する断片になっているような気もしています。大学に入って面白いことや刺激的な新しいことにふれ、たくさんの人に出会い、歳をとるごとに様々な経験をしていく中で初めて、勉強してきた断片的なことがつながっていくような。 だから、勉強する意味がまだわからないのは普通で、無理にわかろうとしなくても良いと思います。 自分の「好き」から始めましょう! そんなこといっても、「意味も分からずに勉強できないよ」と思う人がいるかもしれません。 でも、私はこう思うんです。「人間」という生物に生まれて勉強して考えることができる仕組みを手に入れたっていうことは、とても幸せなことで、それが人間の使命というか性質なんじゃないかって。人は潜在的に好奇心っていうものを誰もが持っていて、それは色々な知識や出来事にも通ずることだと私は思っています。 でも、多... --- ### 「みんなちがっていい世界はどこに?」不登校当事者が聞くロバートキャンベル取材 - Published: 2017-11-01 - Modified: 2024-10-21 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3586/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2017年10月1日号  ロバート キャンベルさんは、大学生時代、アジアの人々と交流するなかで文化や習慣のちがいに関心を抱き、以来、日本文学を研究する道を歩き続けている。いわば「ちがい」に魅せられた人だ。一方、不登校当事者は好むと好まざるにかかわらず、「人とちがう自分」を背負って生きている。「ちがい」をテーマに当事者がキャンベルさんにお話をうかがった。 ――金子みすゞさんの詩で「みんなちがって、みんないい」という一節は有名ですが、「みんなちがっていい世界」なんて私は見たことがありません。不登校をしたら、「みんなとはちがう」と差別をされ、私もずっと、ずっと大人から「みんなといっしょに」と注意されてきました。「ちがう人」は差別されるのではないでしょうか?(13歳・女性)  今の社会では、たしかに「ふつう」はおよそ一つしかなく、人との「ちがい」が明確に見えるかもしれません。しかし私が研究している江戸時代には「それぞれのふつう」がありました。江戸時代には「士農工商」という明確な身分があり、身分によって、衣服、言語、住居のつくり、それに持っている本の大きさまでちがっていました。身分だけでなく男女でもちがいます。それぞれの「ふつう」をみんなが生きていたのです。  それに私が好きな文学は、いつも「ふつう」から出ていった人の話です。 向こう側の“ふつう”があった  たとえば『雨月物語』を書いた上田秋成は、商家を継ぐために養子になった人ですが、商人になるのがどうしてもイヤで飛び出しています。平賀源内もそうです。  彼は武士の生まれですが、武家を継ぐのがイヤで浪人になり研究を重ねました。つまり、さまざまな「ふつう」があるので「向こう側のふつう」へとスライドできたんです。用例はたくさんあります。  さまざまな人が「向こう側のふつう」へスライドし、そこで何が生まれたのかと言えば「文化」でした。今、クールジャパンと呼ばれているもの、私たちが「ああ日本的でいいなあ」と思うものは、彼らのような「ズレていった人」がつくってきたものです。  もちろん江戸時代は厳しい身分格差により悲劇もたくさん起きました。「昔はよかったけど今はダメ」という話ではありません。しかしあなたが感じている「確固たるふつう」という世界が成立したのは戦後にかぎってのことでしょう。  いつ、どこで、どんなときに「ふつう」が判断されるかは時代や社会によって... --- ### ロバートキャンベルが語る不登校 自身のいじめ経験を背景にした提言とは - Published: 2017-09-29 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3593/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 無料記事, いじめ, 2017年10月1日号  アメリカ出身の日本文学者・ロバート キャンベルさん。豊富な知識に裏打ちされたコメントがTVでも人気を集める学者だ。キャンベルさんほど日本を外と内から見つめてきた人はいないかもしれない。子どもを取り巻く現状や不登校について、お話をうかがった。 不登校は当たり前に認められる権利 ――日本には不登校の子が12万人います。この現状について、どう感じられているでしょうか?  不登校は日常のなかに置かれたハッチ(非常口)だと思っています。ハッチに向かうかどうかは、自分の体と時間の使い道を自立的に決定するということですから、当たり前に認められる権利です。  一方、国際的な調査に照らしてみると日本の公教育は優秀です。アメリカのように格差を生まずに「みんなが同じように」を心がける制度になっています。しかし、「ちがう人」への眼差しや待遇はけっしていいとは言えません。いま大切なのは不登校だけなく、家庭や学校のなかでさまざまなハッチを子どもから見えるようにすることではないでしょうか。 いじめが突如、始まった ――「ハッチが大事」という指摘はご自身の経験も背景になっているのでしょうか?  生まれ育った環境から「ハッチを探す習慣」は私自身に身に着いていますが、一度だけ「まったくハッチが見えない」という経験をしました。それが学校のいじめです。  中学2年生のころ、突如としてそれまで仲間だと思っていた同級生から攻撃を受けるようになりました。待ち伏せされてボコボコに殴られたり、物を盗まれたりすることが続きました。いじめが始まった理由は今でもわかりません。  どうやっても逃げようがなく、まったく出口が見えない地獄のような日々をすごしましたが、突如、母が何かを悟って引っ越しを決めてくれたことで救われました。 魅力的な「ハッチの先」を周囲が示す必要性が  一方で、ハッチが見えていたことによって救われた経験もあります。高校生時代、勉強が手につかず、教室に居づらい時期がありました。しかし、学校外でダンスに打ち込んでいる仲間が見つかって、そこでやりがいを見出していたので気は楽だったんですね。  中学生時代と高校生時代でのちがいは、ハッチが見えたか否か、そしてハッチの先に魅力的な場があったかどうかです。  そうした経験から言えるのは、不登校という大きなハッチだけでなく、あらゆるレベルのハッチが子どもたちから見え... --- ### ひろさちやさんに聞く「新学期自殺」 - Published: 2017-08-23 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3775/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 無料記事, いじめ, 識者の指摘, 2012年9月1日号 - ハッシュタグ: いじめ ――いじめ自殺の報道を見るたびに複雑な思いを抱えます。死にたがっている人になにか救いの言葉がないだろうか、と考える一方、私自身、死んでしまいたいという気持ちがよくわかるからです。ひろさんは、いま死にたい人へどんなメッセージを送りますか?  「橋から飛び降り自殺しようとする人に、どんな言葉をかけるのか」、これは哲学者・アランが哲学の試験問題として使っていた問いです。難しい問題ですね。きっとみなさんは、世間でよく言われる言葉のことごとくが「おためごかしだ」と思っているのでしょう。だから、なにか救いの言葉はないのか、と。結論から言えばどうしようもありません。その「どうしようもなさ」が、わからないとダメです。私は宗教評論家ですから、私の立場から言えば、人を救えるのは絶対者(神や仏)だけ、人は人を救えません。私たちには未来に対する権限がないから救えないんです。 なんのために生きているのか  質問のなかで「死んでしまいたい」ということを言われましたね。それは「自分はなんのために生きているのか」という疑問を持っているからでしょう。これもまた難しい問題です。サマセット・モームは小説『人間の絆』のなかで、こんな物語を書きました。 「東洋のある王様が『人間の歴史を知りたい』と言い出した。学者は国内外から500巻の書物を集め王様に献上した。しかし、王様は政治に忙しく『短くしろ』と学者に命じた。学者は20年間かけて500巻の書物を50巻にまとめた。ところが王様はすでに老いて気力を失い、さらなる圧縮を求めた。学者はさら に20年間をかけて1冊の本に人間の歴史をまとめた。その本を持って王様にのもとへ行くと、すでに王様は臨終間近、一冊の本すら読めない。しかたなく学者 は王様の耳元で『人は生まれ、苦しみ、そして死にます。これが人間の歴史です』と言った」。 人の歴史を一言で表すなら、ただそれだけになってしまうんです。仏教のお釈迦さんも「生まれ、老い、病み、死ぬ、その苦しみからは、みな逃れられない」と言っています。そう考えると「人は苦しむために生きている」というのが答えなんです。 ひきこもりでも、病気でも、苦しくても そのまんま、そのまんま ――苦しむために生きてるなら、いますぐ飛び降りますよ。そしたら、ひろさんはなんて言いいますか?  うーん... ... 、答えを求めちゃいけないんだな。だって人間... --- ### 楽しく学ぼう!世界史の勉強の仕方について - Published: 2017-05-06 - Modified: 2024-04-11 - URL: https://futoko-online.jp/column/257/ - カテゴリー: コラム - タグ: 会員限定記事, 特集記事, 受験, 勉強 キズキ共育塾・講師の高橋です。 「世界史って暗記科目でしょ?」 「そんなにいっきに覚えられない」 「歴史の流れがわかならい」 「そもそも興味がわかない」 キズキ共育塾の授業中にも、私が受験生だったときにも、よく耳にする言葉です。今回はそんなやっかいな科目と思われがちな「世界史」の勉強の仕方についてご紹介します。 世界史の勉強の仕方(基本編) 「ただ聞いているだけだとつまらない!」と授業を聞き流している方が多いのではないでしょうか。でも、最初は講義を「聞く」ことからはじめればよいと思います。 もちろん、授業を1回聞いただけで年号や名前をすぐに覚えるなんて、ほとんどの人はできません。 授業で聞いた部分について、一問一答式の簡単な問題集を繰り返し(2回以上!)解いてみてください。誰でも初めは間違えだらけで、間違えたところに正解を書き込んだ真っ赤なノートができあがります。でも、回数を重ねるごとに「赤丸」で真っ赤になっていきます。 そうしているうちに、自分が身につけた知識と、授業で先生が話すことがだんだん繋がってくるようになります。 すると、授業での「聞く」も、「ただ聞く」から「内容を理解して聞く」へと、自然に変わってきます。先生が何を話しているのかわかるようになり、世界史への理解がどんどん深まっていき、成績も上がります。 世界史の勉強の近道は、繰り返し同じ問題集を解いて、同じ教科書を読むことです! 世界史への興味関心の抱き方(リラックスしながら編) 「そんなことを言われても、そもそも世界史に興味ないし... 」と思った方もいるのではないでしょうか?そんな方でも「楽」して学ぶ方法はたくさんあります! まずは、【映画鑑賞】。好きな映画を観るだけでOK。映画には、歴史を題材にしているものがたくさんあります。 例えば、『レッド・クリフ』、『ベン・ハー』、『十戒』、『ハムナプトラシリーズ』、『ラスト・エンペラー』などなど。最近ならレンタルショップに行けばワンコインで借りられますし、ネットで見られるものもあります。「勉強している時代 / 世界史 / 映画」とネットで検索するなどして探し、好きそうだなと思った映画を観てみてください。 「いやいや、映画を2時間も観てられないよ... 」という方には、テレビの【ドキュメンタリー番組】や【報道番組】をおススメします! NHKでは『歴史秘話ヒスト... --- ### コミュニケーションのコツ! - Published: 2017-05-06 - Modified: 2024-04-17 - URL: https://futoko-online.jp/column/253/ - カテゴリー: コラム - タグ: 会員限定記事 キズキ共育塾・講師の高崎愛子です。 今回は、「コミュニケーション」についてお話しします。 私は、キズキ共育塾の講師をしはじめるまで、「営業」の仕事をしていました。「営業」の先輩方から教わったコミュニケーション術を、皆さんに伝授いたします! 初めて会う人との会話に詰まったときや、何を話せばいいかわからなくなったときにぜひ試してみてください。 【会話手法・態度・意識するポイント】の3つに絞って記載します。 1. 会話手法:オウム返し⇒相手が話した言葉をそのまま返す! 例)「今日、塾に来る前に牛丼を食べて来ました。」⇒「牛丼?」 オウム返しをすると相手は自分の発言に興味があると感じます。上の例だと、相手は食べた牛丼について語り始めるかと思います。まずは、相手の話を聞く。そして、キーワードをオウム返しする。繰り返す中で、自然と会話が盛り上げることができます。 2. 態度:リアクションを派手に取る 語り手は、聞き手の態度を見て、興味関心が自分に向いているかどうか判断しているそうです。疑問なら首を少し傾る。面白い話なら身を乗り出してみる。自然にみなさんが行っている行動だと思いますが、意識してリアクションを派手に取ってみると、相手の反応にも変化が見られるかと思います。 3. 意識するポイント:相手の名前を呼ぶ 人の名前をよく忘れてしまう!という方は多いのではないでしょうか。私も、営業の仕事をしていたとき、初めてお会いした方の名前をその場で忘れてしまうケースがよくありました。対策としては、相手の名前を逐一呼ぶことがオススメです。 例)「今日、塾に来る前に牛丼食べて来ました。」⇒「お、○○君牛丼食べて来たんだ!」 名前を呼ばれた方は、相手が自分のことを認知していると感じ、相手に好意を抱く傾向にあるそうです。 コミュニケーション不足でお互いに理解しあえなくて、喧嘩になることはありませんか。喋るのが苦手... という方は聞き上手タイプかもしれません。ぜひ、私が営業の先輩から教えていただいたポイントを試してみて、周りの人とたくさんコミュニケーションを取ってみてください。 高崎講師の講師紹介はこちら --- ### もっとも多い不登校の原因、「がんばりすぎ」の3タイプと対応方法(保護者さま向け) - Published: 2017-05-06 - Modified: 2024-05-17 - URL: https://futoko-online.jp/futoko/146/ - カテゴリー: 不登校 - タグ: 会員限定記事, 事例紹介 キズキ共育塾スタッフの宮野唯です。 不登校の原因は様々です。主要な原因11パターンについては、弊塾の深山講師がこちらで紹介しています。 そこで今回は、その11パターンの中でも、私がお会いしてきたキズキ共育塾の生徒さんの中でもっとも多かった主要な原因である、「がんばりすぎてしまう」タイプについて詳しくお伝えします。 不登校のお子さまを持つ保護者さま向けに、「がんばりすぎてしまう」3タイプを多い順に、まとめました。それぞれの特徴と解決のきっかけ、最後に、キズキ共育塾の生徒さんの具体的なお話をご紹介しています。 これまでがんばってきたように見えるお子さまが不登校になった、不登校になりそうな保護者さまのご参考になれば幸いです。 「がんばりすぎ」が原因の不登校①完璧主義タイプ 「がんばりすぎ」の中でももっとも多いのが、自分のあるべき姿を追いかける「完璧主義」タイプです。 「こうでなければいけない」 「これができないならやる意味がない」 「これができない自分はもうダメだ」 物事に対して、架空の「あるべき姿」のためにがんばりすぎ、「あるべき姿と遠い自分は何もできない」と落ち込み、身動きがとれなくなってしまっている状況です。 勉強の例では、「英単語は絶対に1回で全部覚えなければならない」というあるべき姿に対し、1回で覚えらなかったときに、「もうダメだ。自分は勉強ができない。こんなんじゃ勉強以外も何もできるはずがない」となります。 さらに、完璧主義の考えに陥ると、現状である「今」の自分が置き去りになります。 「こんなんじゃ目標の大学に入れない」という「未来」 「毎日20個やるはずだった英単語の暗記が今日は10個しか進まなかった」という「過去」 に意識がとらわれて、「今」の自分の首をしめてしまうのです。 完璧主義はうまく働くと大きな結果に結びつきますが、知らず知らずのうちに自分を苦しめていることに気づけないことがあるのが厄介なところです。 このタイプの方は、「人生は必ずしも理想通りでなくてもよい、と力を抜くこと」をきっかけに、「今」に応じた行動をとれば、状況が好転することがあります。 具体的なお話として、「他人からアドバイスをもらって、自分自身を客観的に見つめるようになった生徒さん」のエピソードを後ほどご紹介します。 「がんばりすぎ」が原因の不登校②ためこむ性格タイプ 次に多いのが、「... --- ### 問題は不登校ではなく通学偏重主義 荻上チキ - Published: 2017-04-28 - Modified: 2024-10-17 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3831/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, いじめ, 2017年5月1日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり  今号は評論家・荻上チキさんのインタビューを掲載する。本欄では不登校・学校制度・ひきこもりなどについて荻上さんの考えをうかがった。 問題は不登校ではなく学校制度 ――不登校について、どうお考えでしょうか?  僕の身近には不登校当事者が多いし、僕自身、小学校から中学校のあいだ、いじめにあったり、仮病を使ったりして、学校をちょくちょく休んでいたんです。そういう経験もあり、問題意識を持って取り組んでいます。  まず前提として、不登校になる人にはそれぞれの事情が個別にあるのですから、そういった個別の児童に対しても平等に教育の機会が確保されなければならないと思っています。ただ、いまこの国は、「通学中心主義」になっていて、通学以外の形で教育機会を提供するということが弱いんです。教育機会確保法が成立して、夜間中学やフリースクールも重要だ、というふうになりましたが、これまではずっと見落とされてきました。 通学偏重主義からの脱却を  これまでの行政の支援というのは、いわば「通学支援」なんです。実際はそれぞれの学校で、「無理して学校に行かなくてもいいよ」と現場の職員が言ってくれるところもあったり、発達障害などの当事者に対して必要な支援をしていこう、という場も少なくはありません。ですが、行政の態度としては、あくまでも通学をサポートする、という態度になっています。  憲法上は、教育機会の確保の手段はなにも学校にかぎられているわけではありません。親には学校に行かせる義務があるのではなくて、教育を受けさせる義務があるんですね。しかし、この国の教育は通学による学校教育というものに著しくかたよっています。その結果、クラスという集団の中の一人になって、黒板に向かって45分間ノートをとり、休み時間は同世代の友だちとわちゃわちゃする、という「あのスタイル」にミスマッチな児童というのが想定されないまま、教育制度が進んできてしまったわけです。ほかにも通信教育とか放送教育とかいろいろな形があるんですが、あくまで「サブ」ですよね。平等に選択肢が用意されていないのが現状です。その状況をまずは是正しなくてはいけないと思います。 学校に行かない その先の提示を  加えて言うと、いじめ自殺問題などが起きると、有識者が「学校へ行かなくていいよ」「逃げてもいいんだよ」と発言することがあります。僕はこの発言には半分は賛成なん... --- ### 萩尾望都さんに聞く不登校 あなたの感動を羅針盤に - Published: 2017-04-12 - Modified: 2024-10-17 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3809/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2015年1月1日号  今号のインタビューは少女マンガの第一人者・萩尾望都さん。萩尾さんには、ご自身の経験について、不登校についてのお考えをうかがった。 ――最初の質問からなんなのですが、子どものころ手洗いが止まらなかったという話を聞きましたが本当ですか?  そうなんです。小学校の高学年ぐらいから中学1年生にかけてぐらいだったと思います。いくら洗っても手が汚れているような感じがして、休み時間のたびに手を洗っていました。自分でも「おかしいなあ」とは思っていましたが、ベトベトしたものが手にくっついているような感覚があったんです。 ――萩尾さんの出身中学校は、数多くのマンガ家を輩出した学校ですが、もしかすると同じマンガ好きの人に出会えたことで、手洗いが収まったということはありますか?  それはあるかもしれませんね! こういうものは収まってしまうと何も考えないんですが、同じマンガ好きに出会えたことは大きかったかもしれません。 ©萩尾望都 "私の喪失を止めるものに" ――『一瞬と永遠と』(2011年刊)では、萩尾さんが17歳のとき手塚治虫さんの『新撰組』(63年連載)を読んで「私の喪失を止めるものにめぐりあった」と感動し、マンガ家を目指されと書いています。萩尾さんが「喪失」していた中身はなんだったのでしょうか?  自分が好きだと思ったことがずっとダメだと言われていたことじゃないでしょうか。当時の学校は今よりも画一的な教育でしたし、なにより母が教育ママでした。私は小さいころから絵を描くのが好きで、マンガも大好きだったんですが、母はまったく認めませんでした。母の考えを極端に言えば「テストはいつも満点」「教科書以外は読まなくていい」「勉強さえできれば友だちはついてくる」というもの(笑)。  多くの人がどこかで学校や親との価値観のギャップを乗り越えるんだと思いますが、私の場合はそのギャップにすごく疲れていたんだと思います。  ですから、手塚治虫さんの『新撰組』を読んだとき、なにか確実なものを手にいれた、と。『新撰組』を読んでから、ずーっとそのことが頭と心から離れない。読み返すたび、思い返すたびにその読んだ感動が差し迫ってくる。こんな世界に私も行きたい、とそう思ったんです。 両親はつねに「いつ辞めるの? 」 ――萩尾さんが育った福岡県大牟田市の炭鉱街では教育熱心な親が多かったと聞きます。炭鉱が廃れていくなか... --- ### ラッパー・R-指定 今ならわかる、「なにもできない時間」が必要だったって - Published: 2016-10-28 - Modified: 2024-10-17 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3819/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2016年11月1日号  今回お話をうかがったのは、ラッパー・R-指定さん。リズムに合わせて二人のラッパーが交互に即興でラップをしあい、相手を言い負かせたかどうかを競う「MCバトル」の世界で有名なラッパーだ。取材企画者は不登校経験者・山本龍仁郎さん。山本さんは、ラップを趣味にしながらも、自分に自信を持てないことから、「MCバトル」のステージにはまだ立てていない。今回、心からあこがれる人、R-指定さんに、10代のころ考えていたことや、ステージに上がる恐怖などについてうかがった。 ――どんな子ども時代を送ってきましたか?  一言で言えば「イケてない子ども」でした(笑)。ラップをしている人は「不良っぽい」と思われるかもしれませんが、俺はまったく不良ではなかったです。とはいえ優等生だったわけでもない。勉強はできないし、運動神経も悪いし、コミュニケーション能力も低くて、学校という世界のなかではかなり下のほうの人間でした。みんなが当たり前のようにできていることが自分にはできなかった。そのことに無力感を感じて「自分にはなんもないな」と思っていました。  そんなときにふとラップを聞いたんです。それまでは俺自身も「ラップなんて自分とは無縁の世界や」と思っていたんです。ところがよく聞いてみると「この曲のメッセージって、不良だけに向けたものじゃないな」とわかってきたんです。俺にも「お前、そのままでいいぞ」と言ってくれているように感じました。だから、「不良じゃない俺でも、もしかしたらラップはできるかも」と思ったんです。  でも学校ではラップの話はできませんでした。なにしろ俺が中学生だった2005年ごろって、売れているラップといえば恋愛ソングとか「親に感謝」みたいな歌ばかりで(笑)。かっこいいと思うラップは売上チャート上にはほとんどないような状況でした。こんななかで「俺ラップ好きやねん」と言っても、鼻で笑われるなと思って。だから家でひっそり歌詞を書いたり、1~2人のごく少数の友だちのなかだけで共有しあっていました。 ”外”の世界の人との出会いが  転機になったのは高校2年のときに大阪・梅田のサイファー(路上でラッパーが集まりセッションをする集会)に行ったことです。そこで感じたのが、「いろんな人がいるんだな」ということ。俺はそれまでは、頭のいいやつは大学に行く、ヤンチャなやつは高校を卒業して働く、そんな典型的な2つの... --- ### 森達也監督に聞く 主演・佐村河内守氏の『FAKE』を撮り終えて - Published: 2016-06-14 - Modified: 2024-10-17 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3814/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, いじめ, 2016年6月15日号  今回はドキュメンタリー作家の森達也さんにお話をうかがった。森さんは最新作『FAKE』で、ゴーストライター問題で話題となった作曲家・佐村河内守さんを被写体にしたことで注目が集まっている。 ――なぜ作曲家・佐村河内守さんをテーマにドキュメンタリー映画を撮ろうと思ったのですか?  初めて会ったときに、「この人、絵になるな」と思ったからです。それと同時に、彼と奥さんとの関係を撮りたいと思いました。佐村河内さんがいま、なにをよすがに生きているのか。それを撮りたいと思ったし、そのためには奥さんとの関係を撮る必要がありました。 怒りは個別的 悲しみは根源的 ――映画の冒頭、森さんが「僕が撮りたいのは、佐村河内さんの怒りではなく、悲しみです」とおっしゃったのが印象的でした。  怒りでは映画にならないと思います。怒りは個別的な感情で、人それぞれでちがいます。僕自身、佐村河内さんの怒りについては、強くシンパシーを持てなかった。でも悲しみというのは、根源的な感情で、多くの人がシンパシーを持てると思いました。――僕は『FAKE』を、自分の仕事とリンクさせながら観ました。森さんは自然のままの佐村河内さんを撮るのではなく、彼に介入していきますね。僕が新聞をつくるうえでいつも悩むのは、「当事者への介入」なんです。当事者の原稿に手を加えることがあるのですが、そうすることで、書き手のリアルな思いが失われてしまうのではないか、とよく考えます。森さんは対象に介入するときに気をつけていることはなんですか。  自分自身の「加害性」ですね。それを覚悟して作品をつくるということです。  たとえばこの新聞にしても、読んで傷つく人が絶対いない、とはだれも保証できないです。情報にはつねに加害性があります。それを恐れていては表現や報道ができなくなる。だから傷つけることはしかたがない。ただしその覚悟をすべきです。覚悟のないままに傷つけるのだったら、それはちがうだろうと思います。 ――覚悟があればいいんですか?  覚悟があれば抑制します。なにかを表現するときに、「これは人を傷つけるかもしれないけれど、それでも伝えなきゃいけないことなんだ」といった葛藤が生まれるでしょう。  それがないままに、無自覚にやるよりはずっといい。そういう意識を伝える側は持つべきです。  よく酒の席で話すのは、「ドキュメンタリーは鬼畜にならなきゃ撮... --- ### 中学教師に聞く不登校、クラスの子の現状は? - Published: 2016-05-12 - Modified: 2024-10-17 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3812/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2016年5月15日号  公立中学校教員を9年間、務めている高畠敦子さん(仮名)。「多忙」と言われる教員の仕事内容、クラスの子どもたちのようす、そして、不登校の子どもに対してはどう感じ、どう対応しているのかをうかがった。 ――まずは高畠さんのこれまでの経緯を教えてください。  私は大学在学中に公立教員の採用試験を受け、卒業後に正規教員として働き始めました。最初の1年間を含む、2年間は副担任を務めましたが、それ以外の7年間はずっと担任を持っています。これまで勤務した学校は3校で、すべて公立中学校です。 残業時間は月140時間 ――1日のスケジュールはどんな感じなのでしょうかか?  朝7時30分に出勤し、学校を出るのはだいたい9時ごろ。学校行事があれば、もっと遅くまで残業したり自宅に仕事を持ち帰ったりもします。一度、残業時間を計算したところ、平均140時間ほどでした。 ――厚生労働省が警告する「残業の過労死ライン」が月80時間なので、はるかに上回っていますね。  そうなんですが、私と同じ30代~40代ぐらいの教員で、そういう状況の人はほかにもいます。同世代の同僚と深夜まで働いて「あと7時間後に出勤ですね」と話したこともあります。  授業は夕方前に終わりますが、その後、部活、保護者への連絡、事務作業、明日の授業準備などがあり、どう考えても定時には終わりません。そうしたことが続いて体を壊す人も多いです。 ――それでは子どもたちの現状について聞きます。高畠さんが受け持ったクラスの子たちは、どんな子が多かったのでしょうか?  誤解の多い言い方ですが、いわゆる「ふつうの子」が7~8割程度です。不登校は30人学級だとクラスに1人程度なので3%ぐらいでしょうか(※編集部注・中学校における不登校の子の割合は全国平均3%)。ただし、「不登校になるリスクの高い子」や大人の目から見て「気になる子」はクラスに6人~10人、2割~3割程度います。 ――具体的に「気になる子」とは?  自閉症スペクトラム(発達障害)、非行、育児放棄などが背景にある子たちです。ときにはこれらが絡み合って不登校になる場合も、虐待が起きる場合もありました。  自閉症スペクトラムの子を見ていて思うのは、自らの特性を親も本人自身も受けいれられず、ムリに学校の学級集団に合わせようとして本人がきつくなってしまう。そういうことが多くありました。  非行も... --- ### 不登校を制度上に位置付ける 亀田徹 - Published: 2016-03-09 - Modified: 2024-10-22 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3550/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2008年11月15日号  亀田徹さんは今年5月、「不登校を制度上位置づける」とする趣旨の論文「多様な選択肢を認める『教育義務制度』への転換~就学義務の見直しに関する具体的提案」を発表した(本紙243号参照)。ご自身の不登校観や提言の具体的中身について、うかがった。 ――不登校がほぼ一貫して増加した理由はどこにあると考えていますか?  不登校の存在が社会的に認められてきたことも挙げられるでしょうし、そのほかにもさまざまな要因をあげることもできるでしょう。  不登校の場合、その原因追及は、あまり意味がないと考えています。原因を子どもに聞いてもわからないケースが多々あるからです。重要なことは原因の特定よりも、いまつらい子どもたちが元気になれるよう、どういう支援が必要なのかを考えることだと思います。 ――それを踏まえて発表された論文では「不登校を制度上、位置づける」という提言をされました。その具体的手段として「教育委員会による面接・指導」「中検の実施」を挙げていますね。  論文で示した面接・指導を担当するのは教育委員会の指導主事です。この面接を持つ意味は、担当の教育委員会と保護者が、子どもの現状について話し合い、保護者にアドバイスする機会を設けることにあります。もちろん、その場に子どもも同伴できればよいのですが、無理強いは考えていません。論文では、親の「就学義務」から「教育義務」への転換を提言しているので、あくまでも保護者が対象です。 実現可能な具体案として   アドバイスの内容で考えられることは、学習・生活指導などさまざまです。指導というと一方的で監視的な印象を受けるかもしれませんが、支援・サポートといった取り組みです。その趣旨のもと、年に3回程度、教育委員会事務局が面接・指導を行ないます。  具体的には、学習についての相談が出た場合、各市区町村で基礎教材をつくっているところもあるので、それらを渡して自宅で取り組む方法もとれるでしょう。  生活面で言えば、ひきこもりや心の問題などの訴えが出ることが予想されますが、これらは教育委員会のみでは抱えきれない問題ですから、児童相談所や心理カウンセラーなどの各専門家と連携して対応する必要があります。  なお、学校に行かないという選択については、私の提案では保護者からの申し出を尊重します。ただし、先日、札幌で発覚した監禁事件のような場合がないとは言い切れない... --- ### 漫画家・鬼頭莫宏さんに聞く - Published: 2015-11-11 - Modified: 2024-11-04 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3778/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, いじめ, 識者の指摘, 2012年9月15日号 学校はたんなる入れ物 不登校でも人生困らない  今回お話を聞いたのは、漫画家の鬼頭莫宏さん。鬼頭さんの作品は子ども若者編集部内でも人気があり、インタビュー取材に応じていただいた。漫画家としての活動のほか、大津に端を発するいじめ自殺など、編集部員自身のそれぞれの思いをぶつけた取材となった。 ――漫画家を目指そうと思ったきっかけは何だったのでしょうか?  絵を描くのは子どものころから好きでしたが、「漫画家なんて、たんなる夢だ」と思ってました。  ところが大学生のとき、投稿した作品で賞をいただいたんです。夢だと思い込んでたことに少しだけ近づけたことで葛藤しました。就職せずに夢の世界へ突っ走るか、それとも地に足つけて就職するか、と。悩んだ結果、まずは地に足つけて3年間働いてから結論を出すことにしました。サラリーマンとして3年間働いた後に会社を辞め東京に出てきました。  自分で言うのも何ですが、私の人生ってじつに平々凡々としたものなんです。ただ、世の中の出来事に対して「何でだ? なんかおかしいぞ?」と、いろんなことに疑問を持つ子どもでした。デビュー当初は、そうした部分を漫画にすることも多く、漫画家としての原動力になっていたと思います。 ――「みなそれぞれ、かけがえのない存在」という社会の風潮に息苦しさを感じています。  最近はあまり言われなくなったのかもしれませんが、「命は地球よりも重い」っていう論調、私はすごく疑問を感じるんです。そんなことないだろうって。 自分の存在価値に悩んでいればいるほど「命は地球より重い」とか「かけがえのない命」という言説に一喜一憂してしまいがちですが、そこから離れたほうがいいというのが持論です。価値というと語弊があるかもしれませんが、それって結果ですから。 自分の価値をゼロに置く  もっと言えば、その価値自体のよし悪しも「自分の心のなかの満足感」で決まるんだと思うんです。他人と比較して、自分の価値や位置づけを決めるのではなく、まずは自分の価値をゼロにおく。というのも、「誰かの期待に応えなきゃ」という呪縛に縛られているうちは、自分の満足感に拠ることは難しいんです。  「あなたはかけがえのない存在だから」と言われるのがしんどいというのは、よくわかります。しかも、同じセリフでも身近な人に言われるのと、どっかの雑誌で書かれていることではだいぶ変わってきます... --- ### 不登校経験者、現・書道家 成田真澄さんに聞く - Published: 2015-03-12 - Modified: 2024-10-22 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3503/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2007年7月1日号  今回は、成田眞澄さん。小学校のときに不登校になり、現在は書道家として、手書き筆文字にこだわった掛け軸やウェルカムボードなどの制作および販売を、自身のホームページ「筆字屋」を通して行なっている。  「私は書道に救われた」と話す成田さんに、不登校のいきさつや自身にとっての「書道」とは何か、うかがった。  成田さんが不登校になったのは、小学校3年生のとき。通っていた私立の女子校での学習の進め方に疑問を抱いたことがきっかけだった。  「勉強に非常に力を入れていた学校で、テストの点が10点下がっただけで、親が呼び出されるほどでした。宿題も多くて、寝るのが深夜になることもざらでした。『こんなのおかしいって』って、ずっと疑問を感じてて。『学校に行きたくない』って思うようになり、しだいに発熱や頭痛といった身体症状が出始めるようになりました。親に連れられて病院のカウンセリングにも通いましたね」。  勉強一辺倒の教師、さらには女の子グループどうしの確執。周囲になじめないと感じ不登校となるなかで、親に頼んで家庭教師を雇ってもらった。勉強が遅れることがとてもイヤで耐えられないという理由からで、書道教室もそうした習い事のひとつだった。書道のどのようなところに魅了されたのだろうか。  「鮮明に憶えているのは『墨のかおり』ですね。小学1年生のとき、母に連れられて行った書道教室中から感じる墨が、本当にいいかおりだなって。その墨で字を書くって、じつはすごいおもしろそうなことなんじゃないかって思ってしまって、見学したその日から『やりたい』って大騒ぎして(笑)」。 魅せられた墨の香り  6歳から続けている書道。やめようと思ったことはないのだろうか。  「あまりないですね。不登校でつらかった自分を救ってくれたのが書道でしたから。学校には行かなくても、書道教室にはかならず通っていました。たぶん、書道がなかったらいままで生きてなかったでしょうね。当時は、それぐらい学校に行けないことを思いつめていましたから。その意味では、不登校ってまったくムダなものになってないんですよ。つらい時期があったからこそ、書道を続けていくことができて、いまがある。私のなかでは、すべてつながっているんです」。  高校中退後に書道家となる決意をし、自身の作品の制作販売を行なうホームページ「筆字屋」を19歳のときに立ち上げた。  「私の仕... --- ### ノンフィクション作家 吉岡忍さんに聞く - Published: 2015-03-12 - Modified: 2024-10-22 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3495/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2007年7月1日号  今回のインタビューはノンフィクション作家の吉岡忍さん。酒鬼薔薇事件をはじめ、昨今の取材から子ども・若者が置かれている状況をどう見られているかをお聞きした。 ――酒鬼薔薇事件(注)についてどう思われたでしょうか?  酒鬼薔薇事件の彼は学校でも家のなかでも反抗的ではなく、まったくおとなしい子でした。お母さんは、気持ちの上下幅が大きい人で、彼自身、適応するのが大変だったと思います。その反発を内向させて、彼は自分のなかにさまざまなキャラクターを生み出すようになりました。  そもそも「酒鬼薔薇」自体が彼がつくりだしたキャラクターですし、ほかにもグロテスクな女の子や凶暴な犬などさまざまなキャラクターが彼のなかにいます。このキャラクターを生むこと自体は、さほど特異なことではありません。すべての創造の原点は、現実の誇張であり、矮小です。すべての芸術家が頭のなかのイマジネーションを表現と結びつけるわけです。ところが彼の場合、攻撃的なイマジネーションがストレートに現実に向かってしまいました。それは彼自身の周囲の環境が表現のほうに向かうような文化的・知的な豊かさを持っていなかったことも理由の一つです。その後、彼は自分のつくったキャラクターに乗りうつるようにして犯行に及びました。  この事件の最初の契機は小学生のころです。彼は人間の皮を剥いだような気味の悪い粘土細工をつくりました。非常に抽象的な表現だったので、教師もわからなかったんでしょうね。「こんなものをつくっちゃいけない」と本人に注意し、親にも注意しました。それ以降、彼は自分の内部にあるイメージを外に出さないようになります。そして、前述したように見かけはものすごくおとなしい子になっていった。とっても不幸なことでしたね。 ――大人が葛藤やイマジネーションに付き合う環境がなかったと?  残念ながらいまの学校教育は、国語、数学、社会など、いろんなことを教えますが、すべてテクニカルな教えだけです。社会のなかで自分がどんな存在なのか、もっと言えば自分が存在しなくても社会が存在することを教えません。いつまでも「あなた次第」「世界の中心はきみだ」というメッセージばかり送っています。だから、いい学校、安定した就職、快適な生活をするために「勉強してがんばりなさい」と。物を知ることのすべてが打算的になります。そんなものは教育でもなんでもない、と僕は思う... --- ### いまの日本にとって「貧困」とは - Published: 2015-03-05 - Modified: 2024-10-22 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3511/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2007年7月15日号 - ハッシュタグ: 貧困  今回は、湯浅誠さん。NPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」の事務局長として野宿者支援を行なうなかで、反貧困のためのネットワーク構築にも力を入れている。現在の日本社会における貧困とは何か、うかがった。 ――「貧困」という言葉を全面に出して活動されていますが。  昨今、「格差」という言い方がよくされますが、これは相対的な言葉で、何でもちがいがあれば「格差がある」と言えるんですね。いまではその意味合いも薄まっていて、貧困とは無縁な場合にも用いられます。それに対して「貧困」という言葉は非常にストレートで、問題の所在がはっきりする言葉なのです。さらに、格差という言葉には価値観が伴っていません。たとえば、格差には善悪がないわけです。しかし貧困の場合、「あってはならない」という価値観が明確にあります。 ――日本社会でいう貧困とは?  日本では貧困といった場合、ホームレスの人たちを思い浮かべやすいかもしれませんね。  しかし、一方で「好きであの生活をしている」とする考えもあり、彼らは貧困だと見なさず、支援対象と見なさない人たちも少なくありません。ある貧困観調査で、民生委員や児童相談所の職員などに「ホームレス状態は貧困ですか」という質問をしました。結果は「そう思う」と答えた人は25%、「そう思わない」と答えた人は37%いました。福祉職といわれる分野で仕事をしている人たちのなかにも、「ホームレス状態は貧困状態ではない」という認識があるのです。それはちょうど、フリーターという存在が社会的に注目されるようになったときの、「彼らは好きで企業に縛られない気軽な生き方をしている」というまなざしとおなじです。 ――具体的に、どのような状況が貧困にあたるのでしょうか。  日本には、貧困に関する明確な基準や調査がありません。そのため日本では、貧困基準と生活保護基準(※1)はイコールになっています。したがって、生活保護基準(最低生活費)がすべての日本の社会保障の土台となっています。  現在、その生活保護基準を下げようという動きがあります。派遣社員などで休みなく働いて、寮費や光熱費などを差し引かれて手取り10万円なんていう話はけっして珍しいことではありません。そんななか、都道府県別で差異はあるものの、10数万円支給される生活保護費の支給状況に対して、もっと下げるべきという声があがっています。しか... --- ### 一つでも魂の休める場を 松崎運之助 - Published: 2015-02-24 - Modified: 2024-10-22 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3514/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, いじめ, 2007年8月1日号 - ハッシュタグ: いじめ  今回お話をうかがったのは松崎運之助さん。30年以上にも渡り夜間中学校に勤め、山田洋次監督の映画「学校」で西田敏行さんが演じた主人公のモデルにもなった。いつ入学してもいい、一律の指導要領がない、年齢も国籍も境遇もバラバラ。そんな「学校」にある学びとは何なのか。夜間中学校のころのお話をうかがった。 ――夜間中学はどんなところなのですか?  夜間中学は公立ですがいろんな人たちを受けいれています。年齢は10代から80代ぐらいまで。人数は80人ぐらいで、半数以上は外国籍の方たちです。夜間中学はいつ入学してもかまいません。なによりも自分から行こうと思う気持ちが大事だと思っていますから、それが9月だろうが、2月だろうが、いつだって、思いたったときが、その人にとって一番いいスタートになると思っています。 ――どんな人が通っていましたか?  本当にさまざまですね。おせっかい好きのオモニ(朝鮮語で「母」の意)たちや、がらっぱちなおっちゃんたちも、中国の残留孤児の孫やタイやフィリピンからやってきた子たちもいます。親がサラ金に追われて、いっしょに逃げまわりまったく学校に通っていなかった子や、児童擁護施設を脱走して暮らしていた子も、最近は増えてきましたね。  そういう人たちが時期を問わずに学校を訪れてくれます。同じような年齢や境遇の人たちだけなら、人間関係にしても、勉強の進み具合にしても、なんとか想像がつきますが、こうなるとさっぱり想像がつかない(笑)。 予想できないおもしろさ  僕も30年間、やってましたが毎度、驚かされていました。ただ、この「ちがい」こそ夜間中学の宝だと思っています。まったく自分とはちがう人と出会うこと、想像もしていなかった人たちと出会うこと、そのなかで自分の眠っていたものを呼び起こされるようなドラマがあります。 ――どんな授業になるのか想像しづらいですね。  そうなんですよ(笑)。ネットで情報通の子から、ひらがなも書けないけど耳学問でたくましいおっちゃんもいる。まず一律の指導要領はありえません。教員がつくっていくしかないんです。  それにいろんなことがあるんです。ある日、僕がみんなにやってもらうためのプリントを持って、教室に入ると、教壇の上にまんじゅうが置いてありました。「えっ? 何?」って聞くと、おばあちゃんが「今日は娘の命日で... ... 」と。聞けば一人娘だっ... --- ### いじめ対策法作成の中心人物・馳浩議員に聞く - Published: 2015-02-16 - Modified: 2024-10-17 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3787/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, いじめ, 識者の指摘, 2013年7月1日号 - ハッシュタグ: いじめ  今国会で成立した「いじめ防止対策推進法」。法案作成時から中心的な役割を担ってきたのが馳浩議員(自民党)。法案成立から3日後の6月24日、馳浩議員に本紙が単独取材を行なった。法制定に向けて、なにをポイントにしていたのか、いじめによる不登校は、どう位置づけられたのか、などについてお聞きした。 ――制定に向けて大事にされた点はなんでしたか?  たくさんありますが、やはり「見て見ぬふりをさせない」ということです。そのためには、学校を密室化させず、教員がチームを組み、継続的に見守っていく体制をつくっていくこと。国や地方公共団体は財政的に支援し、社会全体にアナウンスメントしていく。こうした点を盛り込みました。  そもそもいじめは大人社会にもごまんとあります。自民党にだってあります。いじめは誰にだって起こりえます。でも、そのいじめで心身が傷つき自殺に至る事案だってたくさんあるわけです。「その程度のことで」と切り捨ててはいけません。一方、誰もがいじめる可能性を持っています。それが人間社会の宿命ですし、だからこそセーブしていく、見て見ぬふりをせずに体を張って守っていく、そういう正義感を育てていくべきだと思っています。 学校外の場 認定の検討を ――条文では「重大事態」として「いじめによる不登校」が位置づけられました。  不登校の原因がいじめだと明確にわかった場合、ていねいに対応しなければいけません。  「ていねいに」という意味のなかには、当然、学習権の機会確保が含まれます。条文には附則第2条には「当該児童等の学習に対する支援の在り方についての検討を行なう」と書かれています。残念ながら、いまの制度では学校を選べません。いくらいじめられた側が謝罪を受けてもその学校に通えないこともあるでしょう。そうであるならば、子どもの学習権を、適応指導教室や塾、あるいはフリースクールのような場所で確保してもいいわけです。子どもが現在、安心して通っている場が、学習指導要領に基づいていれば、それを認定する必要があります。それを行政がつくろうと思ったら、新しい学校をつくることになりますが、正直、イタチごっこになるでしょう。いまの場を認定するかどうかの問題です。  そういう意味では、この条文は文科省に対する挑戦でもあるわけです。「もっと踏み込んだ議論を」と。検討結果は議員を通じて国会や地域の議会の場で、ぜひ聞... --- ### こわれ者の祭典代表 月乃光司さんに聞く - Published: 2015-01-08 - Modified: 2024-10-22 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3519/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 当事者の声, 2007年11月1日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり  「ひきこもりになってよかった!!」「アル中でありがとう!!」と詠う月乃光司さん。月乃さんはみずからの経験を詩にしたため、イベントや「こわれ者の祭典」で朗読している。今回は、月乃さんに、これまでどんな経験をされてきたのかをうかがった。 ――現在の活動内容を教えてください。  私たちがとり組んでいるのは「こわれ者の祭典」です。「こわれ者の祭典」は02年に新潟からはじまった「病気」の体験発表&パフォーマンスイベントで、これまでノイローゼ、うつ、過食症、ひきこもり、脳性まひ、リストカット、自殺未遂、パニック障害、性同一性障害などの体験者が出演しました。基本的には「病気」でどう苦しみ、どう回復したかを表現しています。  私自身も、団体の代表として詩の朗読などのパフォーマンスをしていますが、ふだんは、フルタイムの会社員をしています。なので生活費はそちらから得ていて、イベント活動はどちらかというと赤字ですね(笑)。 ――いつ不登校をしたのでしょうか?  高校1年生の15歳のときです。中学時代は友人もいましたが、高校ではまったく友人ができなかったんです。というのも醜形恐怖症になりました。醜形恐怖症は自分の顔が醜いと思いこむ神経症です。私が気にしたのが唇の厚さで、唇を気にして人と話せなくなり、学校に行きづらくなり、行っても図書館にいることが多かったです。 死にきれない毎日だった ――親の反応は?  私が布団からなかなか出ないので、心配していました。  そもそも父はエリート志向の人で、私に高学歴・高収入を望んでいました。小さいころ、部屋には高卒と大卒の収入差が書かれたグラフが張ってあって、いかに学歴で収入格差があるか、「幸せ」に開きがあるか、それを刷り込まれてきました。  いま考えれば、中学生のころもきつかったんだろう、と思います。3年生のときには、家庭教師と塾が週6日も入っていましたし、軽い神経症も出ていました。  そんなわけで、がんばって高校に入ったけれども、友だちはいないし、醜形恐怖症にもなるし、成績はどんどん下がっていく。とくに成績が下がるのは、すごく絶望感がありました。父がつくってくれた収入格差表の「ダメな人生ルート」、つまり高卒ルートからさえも外れてしまうのか、と。自殺願望を抱え始めたのも、この時期です。  結局その後、高校は、まだらに通いながら卒業し、一浪後に大学に入学... --- ### 不登校・自己否定からの生き延び方 雨宮処凛 - Published: 2014-12-12 - Modified: 2024-10-17 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3807/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, いじめ, 2014年12月15日号  400記念インタビュー第2弾は作家・雨宮処凛さん。「私も生きづらさを抱えている」と語る一方で、若者や貧困などの問題に長年取り組んできた。活動にかける思いなど、子ども若者編集部がうかがった。 子ども若者編集部・田子つぐみ(以下、田子)  私は摂食障害やリストカットやオーバードーズなど、いろんなことに依存して生きてきました。雨宮さんの本を読むと、私と同じようにたくさんの依存をくり返してきたんじゃないかと感じたのですが。 雨宮処凛(以下、雨宮)  わたしもずっと小さな依存をくり返してなんとか生きています。今は何に依存しているかというと、活動と書くこと。それはリストカットやオーバードーズよりも生産性があって、人に怒られないし、収入にもなっています(笑)。  でもそれは全部自分のためにやっていることなんですね。「人のためにえらいね」と言われますけど、他人のためにはやっていません。結局は自分が「楽になりたい」「必要とされたい」そういう思いのみでやってますね。だから依存体質は昔から変わっていないんじゃないかな。  ただ、親とか友だちとか恋人とか、依存対象を「人」にするのは危ないからやめたほうがいいというのは強く言いたいですけどね。 田子 どうやって生産性のある、よい依存に対象をシフトできたんですか? 雨宮 それは本当に偶然で、「本を出さないか」と言われたからですね。それまでも、ものを書いたりなにかを表現したりしていましたけど、どんなに表現してもだれにも認められなかったので、どんどん自分を否定していくという負のスパイラルのような状態でした。たまたま人に「本を書かない?」と言われたことで、以前と同じことをしていても、それが収入にもなり人とつながる手段にもなり、生きていくことにつながるんだな、と思いました。 子ども若者編集部・石崎森人(以下、石崎)  僕も10代から20代のときにいろいろな活動をしていたんですが、僕はちょっと失敗したらすごく落ち込んで、身動きがとれなくなってしまうんです。雨宮さんも自己否定感が強かったのに、どうやって失敗を乗り越えてきたんですか? 雨宮 私はあきらめが早かったですね。中学でいじめられ、大学受験に2浪して、バイトはしょっちゅうクビ、バンド活動もダメ、右翼活動もダメで、全部が失敗だったんです(笑)。だから失敗したら、すぐ次のことをやるようにしていました。落... --- ### 僕も不登校 元ブルーハーツ梶原徹也 - Published: 2014-11-12 - Modified: 2024-10-22 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3529/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2008年2月15日号  「不登校をしていたときの自分が現在の核になっている」。そう話すのは、ロックバンド「ザ・ブルーハーツ」の元ドラマー、梶原徹也さん。現在もプロのドラマーとして第一線で活躍する梶原さんに、自身の不登校経験の経緯や現在の思いなどをうかがった。 ――不登校の経験があるとうかがいましたが?  高校2年生のとき、1年くらい学校に行ったり行かなかったりをくり返していて。その間のほとんどを家で過ごしてたんだ。地元でも有名な進学校に通っていた当時の僕は、学級委員長などをすぐ引き受けてしまうような優等生タイプでね。ただ、器用なわけじゃないから、一つこなすのに時間がかかってしまうことも多くて。そのうち、勉強にもついていけなくなって何事も完璧にこなそうとする自分と、学校に行けない自分とのあいだの葛藤がしだいに大きくなってきてしまったんだよね。それで、体調も崩してしまって「もうダメだー」と、学校に行くことを投げ出してしまったんだ。 ――周囲の反応は?  父親は銀行員をしていて、「まじめにコツコツが人生の美徳」が信条だった人でね。しょっちゅう「学校に行かないなんて、人間のクズだー」って怒鳴られてたよ(笑)。 布団のなかはロンドン!   中学1~2年生のときに「Rock」に出会って、強烈にビートルズに憧れたね。それから高校2年生で行かなくなったころには、「俺はプロのドラマーになる」って思い込んで、重ねた座布団をひたすら叩いてた。学校に行かずに家にひきこもって昼夜逆転の生活。やっと起きてきたと思ったら、夜中にメトロノーム鳴らして座布団をドンドン叩くわけでしょ。すると親父がドガーンと部屋に入ってきて、「おまえなんか人間のクズだー」と、また怒られるわけだ。  親としては「こいつは将来、どうするんだ」って本気で心配だったんだと思う。でも、本人としてはひたすら前向きで、布団かぶってパンクを聴きながら「いま、俺の布団とロンドンはつながってるぜー」って、1人で盛り上がってたなぁ(笑)。 ――音楽があったから自分を肯定できたと?  それも紙一重なのかな。「不登校」という言葉もなかった当時、学校に行かない僕はすべてを否定されていたから。そのなかで、ロックは自分の前に垂れていた「一本の糸」のようなもので、選択肢が少ないというより、1つしかなかったからこそ必死でしがみついてたんだ。その意味では、ポジティブとも言えるけ... --- ### ヴィジュアル系バンドjealkbに聞く - Published: 2014-11-12 - Modified: 2024-10-22 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3533/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2008年3月1日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり  今回、子ども編集部が取材したのは、jealkbのメンバー。jealkbは、haderu(ロンドンブーツ1号2号/田村淳)らお笑い芸人が本気で音楽をするために結成されたバンド。jealkbのメンバーに芸人になるまでの経緯やひきこもりについての考えなどをうかがった。(文中・敬称略) ――みなさんが芸人を目指された理由から教えてください。 chaos  みんなそうだと思うけど「天下を獲ったるぞ!」 みたいな夢を持って飛び込んだんじゃないんだよね。もっと単純に、目立ちたいとか、モテたいとか、そんな気持ちからだよね、スタートなんて。  でも、そのうちにこの世界の難しさやおもしろさに気づいていった人しか残らないんだけど。 mofto  中学のとき、友だちとケンカをして、全然、口を聞いてくれなくなったことがあるのね。それから半年後ぐらいかな、別の友だちと遊んで楽しそうにしてたら、そいつが自分のところへ戻ってきた。そんときにお笑いの力というか、おもしろいことの持つ力って「すごいな~」と。その後にこの世界に入ったんだけど、契機は中学生のときにあったと思う。 方向性が見えなくても haderu  オレもお笑いをやりたいと思ったのは中学のとき。漫才みたいなのを人に見せたとき、みんなが笑ってくれた。それは、学校のクラスのなかだけっていう、すごく小さい世界だけど、そのときにつかんだ感覚が自分にとってはすごく楽しいものだった。だから、この感覚をずっと持っていたい、人を笑わせてメシが食えればベストだなって。だから、この世界に飛び込む人は、お笑いの力に助けられたり、人を笑わせてうれしかったり、そういう経験があった人たちだよね。 ――「やりたいことを見つけないと」という焦りを感じたことは? hideki  自分のやりたいことを見つけなきゃって思うと、窮屈になると思う。もし自分がやりたいことが見つかったら、そのときには夢を叶えるための道を考えればいいんじゃないかな。 chaos  それに10代だったら、自分の方向性なんて決まってなくていいと思うよ。オレなんか、キミと同じ、16歳のころは、ずーっと自転車に乗って夕陽を追いかけてたから(笑)。全然、たどり着かなかったけど(笑)。 ediee  僕なんか、ずっとチョコばっかり食べていて、歯を腐らせたし(笑)。 haderu  「やりたかったこと」も、いざ始... --- ### ゲイアクティビスト砂川秀樹さんに聞く - Published: 2014-10-29 - Modified: 2024-10-22 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3543/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2008年3月15日号 同性愛の当事者とその親や教師との合計19通にもおよぶ往復書簡が収められた著書『カミングアウトレターズ』。今回はその共同編集者である砂川秀樹さんに、本書に込めた思い、同性愛問題の現状、また不登校との関係についてうかがった。 ――本を出版するきっかけは?  私はゲイであることを公言して活動していますが、カミングアウトをするときに渡せる本がほしいとつねづね考えていました。  というのも、自分がゲイやレズビアンなどの同性愛者であるとうち明けるとき、直接的な会話だけではなかなか説明しきれない部分があるんです。相手に心の準備ができたときに、相手の意志で読めるものとしては本がもっとも適切だと考え出版にいたりました。  私が初めてカミングアウトしたのは、中学2年生のとき。親友に「好きな子がいて、男なんだ」と話したんですね。泰然とした子で、淡々と私の話を聞いてくれ、受けいれられたと感じました。最初にカミングアウトする相手の反応というのは重要です。その反応が、その後自分を受けいれられるかどうかに大きな影響を与えるからです。 ――反応の多くが、不登校の子どもを持つ母親の場合と似ていますね。  本書では母親と子、教師と生徒の合計7組のカミングアウトしたときのことをふり返る手紙とそれに対する返事が収められています。カミングアウトを受けたときのことを多くの人が「頭が真っ白になった」と語っています。なかには、「私の育て方がいけなかったのではないか」と、みずからを責める母親もいます。  なぜなら、親の多くは学校に行って、結婚して、子どもをもうけて家庭を築いてきました。それが「社会の規範」であり、自然なことだと信じてきました。当然、自分の子どももそういった道を歩むものだと思い込んでいたにもかかわらず、「私は同性愛者である」という一言で、その土台はすべて崩れてしまうわけです。  そうした「社会の規範」とは非常に画一的なイメージを刷り込み、それから逸脱するということは、世間一般では「ふつうではない」ということになります。  異性愛を当然視する社会のなかで、同性愛であるということは「ふつうではない」人間としてつねに問われ続けることになります。  同性愛の当事者が抱える生きづらさや苦しみの起点はそうした「社会の規範」にあるわけで、「不登校」についても同様なのだと思います。そうしたなかでカミングアウトをするこ... --- ### だけど不安に負けないで 女優・高山みなみさんに聞く - Published: 2014-09-05 - Modified: 2024-10-21 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3768/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 識者の指摘, 2011年3月15日号 日本声優界を第一線でひっぱってきた女優・高山みなみさんのインタビューです。インタビュアーは、不登校当事者である「子ども・若者編集部」のメンバーです。 ――高山さんが役者の道を目指されたきっかけはなんだったのでしょうか? 一般家庭よりも芸能界に近かったのと、母が私の芸能界入りを考えていたこともあり、小さいころからバレエ、日本舞踊、声楽などの習い事をしていました。ただ、私がなりたかったのは「警察官」。卒業文集の将来の夢を書く欄には、いつも「警察官になりたい」と書いていました。 ――『名探偵コナン』のコナン役をしていますから、半分はその夢は果たされているかもしれないですね。 まあ半分はね。でも逮捕はできないですから(笑)。 ――たしかに(笑) 芸能界に足を踏み入れたのは、中学生の時です。母から「警察官になるなら芝居心も必要なのでは」と、いま考えると「あれ? 」と思うことを言われて(笑)。それが児童劇団に入るきっかけだったんです。 最初はそんな始まり方でしたが、好きだったんでしょう。劇団に入る頃には本気で演技を勉強したいと思っていました。でも今度は環境が壁になってきたんです。 高校生のときには勉強と劇団の両立が難しくて辞め、演劇の専門学校に入ったときは「本気でプロになりたい」という思いが強く空回りしてしまい半年間ぐらいで辞めました。 これはさすがに、お金を出してくれた親に申し訳なくて「芝居の道はあきらめます」と、ふつうのOLになったんです。 でも、やっぱりあきらめられなかったですね、やりたいと思っちゃったことは。OLを始めてから一年半ぐらいでOLを辞め声優の養成所に通い、ご縁もあっていまの事務所に所属しました。遠回りはしたけど、結局やりたい仕事に就けたんだと思っています。 体温を伝える声の仕事 ――声優の仕事をするうえでこだわっていることはなんですか? アニメや映画は基本的に平面の世界です。いま3Dも出てきていますけど、ほとんどは2次元ですよね。声の仕事はその平面の世界に、奥行きや空気間を感じさせる仕事なんです。体温を感じてもらいたい、と言い換えてもいいかもしれません。 ですから、キャラクターどうしの物理的な距離感やどんな状況で話し合っているのか、そういう当たり前の自然なことをいつも考えています。 ――役作りをするうえで気にされていることはありますか? 事前の役作りはしない... --- ### 摂食障害、どうすれば? - Published: 2014-08-29 - Modified: 2024-10-17 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3802/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2014年9月1日号 - ハッシュタグ: 摂食障害 (つるだ・ももえ)1962年、生まれ。NABA共同代表。精神保健福祉士。10代半ばから摂食障害を経験。20代後半で「NABA」につながる。  今回、お話をうかがったのは摂食障害自助グループ「NABA」共同代表の鶴田桃エさん。取材したのは、本紙の「子ども若者編集部」メンバー・田子つぐみさん。田子さんは小学生から不登校、21歳からは摂食障害に苦しんできた。 聞き手・田子つぐみさん(以下・田子) 鶴田さん自身も、摂食障害の当事者だとうかがいましたが、どんな経験をされてきたのでしょうか? 鶴田桃エ(以下・鶴田) 15歳のときに過食になり、その後、拒食、過食嘔吐に移行しました。大学卒業後は就職して、一時症状が治まっていた時期もありましたが、20代半ばでぶり返してひきこもりました。食べ吐き、万引き、家庭内暴力で、両親も私をおいて家出してしまって人生が極まったという感じでしたね。  ただ、今ふり返ってみると症状が出る前のほうがよっぽど病的だったと思います。これは私だけでなく、「NABA」の多くの仲間たちの実感でもあります。きっと不登校も同じだと思いますが、ひきこもり、自傷、依存、摂食障害... ... 、その根底には「このままの自分じゃダメだ」「見捨てられてしまう」という気持ち、自己否定感があるんです。  だから必死に「いい子」を演じたり、親や社会から期待される女性像みたいなものに沿おうとがんばるんですが、一方でそういう自分に虚しさを感じ、「自分には本当は何もない」という不安感や絶望感を抱えています。そういう意味では、摂食障害はやっとつかみ取った「命をつなぎとめるための手段」だったんです。あのころの私は、食べ吐きでもしないとつらくて生きていられなかった。 田子 「命をつなぎとめるための手段」という話、不登校、ひきこもりもまったく同じです。 生きづらさ その背景に眼を 鶴田 不登校と摂食障害は表現方法がちがうだけだと思います。いじめ自殺のニュースを見ると、どんなにつらくても逃げずに学校に行き続けた人が自殺に追い込まれていますよね。不登校も自分の命を守るための、子どもなりのなけなしの知恵だと思うんです。  子どもが摂食障害になると、親も周囲も自分自身も、「はやく元に戻らなくちゃ」「甘えてないでがんばらないと」と焦ります。私もそうでしたが、でも、無意識の部分で「もうそんなのやってらんな... --- ### 芸術家・横尾忠則さんにインタビュー - Published: 2014-08-21 - Modified: 2024-10-17 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3800/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2014年7月1日号 触れた芸術家・横尾忠則さんへのインタビュー記事を本紙100号より再掲します。 ――絵はいつごろから?  ものごころついたころから好きだったね。自分が描きたいのを片っ端から描いていく。当時から模写ばっかりしていて、自分でモノを考えたり、かたちを想像して描いたりすることはできなかった。  今でも、僕のやっていることは模写です。贋作づくりをしてるような気持ちでやってる。それは、その人の技術とか精神に近づくことでもあって、それが僕にとって創造的で、そこに歓びを感じる。 ――絵を描くのに大切なことは?  好きになることが、まず第一だよね。仕事になるかどうか、受けるかどうかより、描くことが好きかどうか。そうでないと、どうしたって、つまらなくなるし、キツくなる。  その絵に価値があるかどうかは第三者が決めることで、作者はその場所にいない。展覧会に並んでいるのは過去の作品で、アトリエで描いている絵が「いま」という瞬間なんだよ。たった今という瞬間が一番大事。「いま」という瞬間に、自分がどれだけ充足しているか。  それから、僕は、孤独になって、一人だけの世界に没頭して描くのが好きなんだよね。孤独を恐れちゃいけない。孤独を味わうこと。孤独になっているときこそ、自分が成長するチャンスだよ。ボーっとするなら、徹底してボーっとしなきゃ。「今日はゴロゴロするぞ」って意識して決める。なんとなくゴロゴロしてると、夕方ぐらいになって「何してたんだろ」って、わけのわからない罪悪感にかられるからね。 ――社会と自分との関係をどのように考えてますか?  誰だって、社会のなかで生きているわけだけど、まずは自分がある。メシを食ってるのは、世の中や会社のために食ってるわけじゃない。自分の体を持続するために食ってる。まず、自分、自分の体だよ。 頭デッカチになりすぎ  だけど、ほとんどの人は、頭が先に行っちゃってる。頭は過去に戻って考えるのが好きだから「ああでもない、こうでもない」と迷う。体は全然迷わない。眠いと思ったら迷わず眠るし、腹減ったと思ったら、迷わず食う。頭で考えて、止めようとしても、生理的なこと、体が求めることは基本的にはどうしようもない。  ところが、世の中に出ていくと、だんだん、そうではなくなる。常識や慣例といったものが、目に見えない力で自分に制約を加えていく。そこで、体の要求しているものを頭の考えに... --- ### 記事 実業家・都知事選出馬 家入一真さんに聞く - Published: 2014-05-23 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3797/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 無料記事, 2014年5月15日号 - ハッシュタグ: ひきこもり, 引きこもり  今回のインタビューは不登校・ひきこもり経験者の家入一真さん。現在は実業家としてだけでなく、2014年の都知事選にも出馬するなど、活動の幅を多方面に広げている。家入さんに「原点」をうかがった。 ”ひきこもり、超いいじゃん” ――まずは不登校のきっかけから教えてください。 中学2年生のころの出来事がきっかけになっています。いきなりこんな話でなんですが、当時、すごく仲の良かった子から「オレ、ちん毛が生えた」って相談されたんですね。で、「誰にも言わないでほしい」と。だけど、その5分後かな、みんなに僕が言いふらしてしまったんですね(笑)。いまでこそ、笑い話ですが、この日を境に一人ぼっちになりました。まわりから「信用できない」と思われたんでしょう。誰とも話せず、どうやって笑えばいいのか笑い方もわからなくなりました。そういう場には行きたくなくて家の近くの納屋に一日中隠れていたこともあります。もちろん、すぐにばれて親には叱られました。 親は不登校を知って何度も行かせようとしましたが、中学3年生の後半からは、ほとんど家から出られなくなっていました。 この件は10年ぐらい僕のなかでは引きずってました。「あれが分岐点になって、悪いほうの人生を歩んでしまった」と。 運動会を裸足で逃げ出して ――高校には? 行きました。クラスのメンバーはちがうし、ふつうの子になりたかったし、親には心配をかけたくなかったからです。いわゆる高校デビューですよ、高校ならやり直せると思っていました。 でも、実際に行ってみると、やっぱり人の目は見られないし笑い方もわからない。すぐに行かなくなりましたが、親は何度も無理に連れて行こうとし、先生も迎えに来てくれたことがありました。決定的になったのは高校1年生の運動会です。親は「どうしても運動会だけは」と思っていました。僕も親を喜ばせたかったし「運動会だけはちゃんと行くよ」と。父も母もすごく喜んでくれてね。一家総出でお弁当をつくって見送ってくれました。運動会当日、学校に着き、トイレに入るとなぜかまったく外に出られなくなったんです。先生もトイレにまで来てくれましたが出られない。どうしようもなくなって窓から裸足で逃げ出しました。体操着のまま電車に乗り、さびれた駅に降りてひたすら歩いたのをよく覚えています。歩いている途中、なぜか鼻血も出てくるし、涙は止まらないし、情けない気持ち... --- ### 棋士・羽生善治さんに聞く - Published: 2014-05-12 - Modified: 2024-11-05 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3555/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 通信制高校, 会員限定記事, 2009年1月1日号 - ハッシュタグ: 通信制高校  今回の1面インタビューは、棋士の羽生善治さん。羽生さんには子ども時代のようすや将棋にかける思いについて、子ども編集部のメンバーがうかがった。 ――羽生さんはどんな子どもでしたか?  ふつうの子でしたね。勉強の成績は真ん中くらいだし、目立ったこともしないし、可もなく不可もなく、つつがなく過ごしてました(笑)。 ――将棋を始めたのはいつごろからですか?  家族では誰も指す人がいなかったので、友だちに教わったんです。小学校2年生から週末に将棋教室へ通い始めましたが、それも親の都合というか、「買い物のジャマだからあずけちゃおう」と思ったのが、きっかけだったみたいです(笑)。 ――プロ棋士を目指したのはいつですか?  プロ棋士養成機関の「奨励会」に入ったのが12歳のとき。まだ小学生でしたから、はっきりと将来のことを考えていたわけじゃありませんが「将棋を続けていけたらいいな」とは思っていました。  しかし、「奨励会」には26歳までに四段にならないと退会しなければならないという年齢制限があります。お世話になった人たちが去っていくようすを目の当たりにし、子どもながらに「遠足気分で来るような場所ではないんだな」というのを肌で感じました。 ――将棋をすると相手の性格がわかることってありますか?  これはよくわかります。どうしてかというと、指した手はウソをつけないからです。向こうもこちらも一手ごとに意味があり、その読み合いをするわけです。タイトル戦などで長時間、向き合っているとホントによくわかってきます。 意識してアクセルを ――対局中に勝負の分かれ目を迎えたときに心がけることは?  プロ棋士になって22年がすぎ、対局数も1000局を超えました。必然的に勢いだけではなく、経験に基づいた将棋を指すことが多くなってきました。ただ、それはかならずしもいいことばかりではありません。「経験がある」がゆえに、失敗を避けようと無意識でブレーキを踏むことが多くなってしまうからです。重要な局面であればこそ長く考えて迷ってしまう。迷ってもしょうがないこともあるんです。そこで心がけているのは、「意識的に少し強くアクセルを踏む」ということ。リスクを覚悟して攻めていく。たとえ、その一手で負けてしまっても、いずれ糧になる。失敗してもいいんだと思って指すことが多いです。 ――羽生さんは20代と30代で将棋との向き合... --- ### スクールカーストとは 鈴木翔さんに聞く - Published: 2014-03-14 - Modified: 2024-10-17 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3795/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2014年3月15日号 - ハッシュタグ: スクールカースト  2012年に出版された『教室内カースト』はあらゆるところで反響を集めた。とくに強い反応を示したのが現在、あるいは少し前まで学校に通っていた子ども若者。誰もが教室内で感じていた違和感は「スクールカースト」と名づけられ、その構造が明らかにされていった。今回、『教室内カースト』の著者・鈴木翔さんにお話をうかがった。 ――まず最初に「スクールカースト」の概要を教えてください。  同級生どうしで、地位・身分差、力の差をみんながなんとなく共有している状態を「スクールカースト」と私は呼んでいます。誰が指名したわけでもなく「上位グループ」「中位グループ」「下位グループ」がクラス内で形成され、みんながそのグループごとに与えられたキャラ、役割を生きていく。たとえば、野球部やギャルグループといった「上位グループ」が教室内で幅を利かせ、一方でおとなしい子たちの「下位グループ」は公然とバカにされたりする雰囲気がある、というようなことです。  まだ研究が進んでいる分野ではないので正確な定義はありませんが、調査では、こうした「力の差を感じたことはない」と言った人は一人もいませんでした。 根拠のない序列化  問題なのは「力の差・身分差」よりも、その序列化が理にかなっていないことにあります。たとえばですが、野球部は体育祭のときだけ仕切っていればいいのに、なぜか文化祭でも修学旅行でも彼らが仕切っている。そもそも、なぜ野球部、サッカー部、バスケ部が中心メンバーに選ばれ、卓球部やバドミントン部だと端っこに追いやられるのかはまったく謎です(笑)。研究資料は『教室内カースト』(光文社新書/12年刊)にまとめましたので興味のある方はお読みください。 鈴木翔さん著書 各年代とのちがいは? ――いわゆる「ガキ大将」がいた時代とはなにがちがうのでしょうか?  各年代ごとにスクールカーストのような「力の差」があったのかを測る資料はほとんど残っていません。特別、問題視されていなかったからです。ただ、「学校が荒れていた」と言われる70年代からは状況が読み取れる資料は散見されます。  70年代は腕っ節の強い、いわば「番長」があきらかに尊敬を集めていました。同級生からも敬語を使われることも多かったようです。しかし、そこには目的や実利がありました。学校間抗争などでは番長がいなければ学校が負けてしまう。「あの学校には〇〇がいるか... --- ### 東ちづるさんに聞く まぜこぜの社会を - Published: 2014-03-06 - Modified: 2024-10-17 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3793/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 2014年1月1日号  今号のインタビューは、女優・東ちづるさん。2012年より、一般社団法人「Get in touch」の理事長としても活動している東さんに、「まぜこぜ」の社会を目指す思い、不登校への考えについて、うかがった。 ――「Get in touch」という活動を始めるきっかけは何だったのでしょうか?  「骨髄バンク」や「ドイツ平和村」などのボランティア活動を続けて、今年で22年目を迎えました。社会のありようが少しずつ見えてきたかなと思っていた矢先、3・11が起きました。  あのときの被災地の避難所は、「日本社会の縮図」でした。避難所には子どもから老人まで、また目に見える障害のある人、発達障害やセクシャルマイノリティなど分かりにくい障害のある人などあらゆる人がいました。ただでさえ、ストレスの多い避難所生活において、ふだんは接点を持たない人たちどうしが支え合うということがいかに難しいか、社会が不安に陥ったとき、マイノリティがより追いつめられる現実があったのです。 これまでの方法で社会は変わるのか ――なぜ法人を立ちあげたのでしょうか?  これまで、ずっと個人として活動してきました。周囲にも「私はどの団体にも属さない」と明言していました。日本には多くの当事者支援団体がありますが、えてして団体どうしがあまり手をつないでないという現実があります。何かしたいと思ったときにはその都度、個々の団体や地域の人たちとつながりをつくっていくほうが、私のスタイルにも合っていると思っていたんです。  でも一方で、「このままのやり方で、社会は本当に変わっていくのかな」という思いがずっと心に引っかかっていたのも事実です。 講演会やシンポジウムにスピーカーとして呼ばれることもあるのですが、そうした場に集まるのは意識や関心の高い人たちばかり。私よりくわしい人だって大勢います。  講演会で話を聞いて知識を得ることは大切だけど、社会を変えたいという場合、大事なことは「私には関係ない話だ」と思っている人をいかに巻き込むか、ではないかと。必要なのは「正しい知識」や「理解」より「誰も排除しない」ということ。私たちが目指すのは、どんな状況、どんな状態であっても「いっしょに居る」、ちがいをハンディにしない、特性としてアドバンテージにできる、「まぜこぜ」の社会です。そのつながりをどんどん広げていきたいと考えています。 ――活... --- ### 生きづらさの歴史 小熊英二 - Published: 2014-01-29 - Modified: 2024-10-22 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3562/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 識者の指摘, 2009年10月15日号  今回は社会学者の小熊英二さんにお話をうかがった。小熊さんには、不登校についての考え、若者が「生きづらさ」を抱えている現状についての考えについてなどを、お話しいただいた。 ――不登校についてのお考えを聞かせてください。  まず学校の歴史をふり返ると、日本の場合は、明治5年(1872年)に学制発布をして、現在とほぼ同じぐらいの学校を設置しました。それは諸外国を見ても、かなり強引なやり方で、学校の設置費や維持費は地元負担が原則でした。 当時の日本では、学校というのは村への出先機関だったんです。先生というのは、特権を持った存在であり、村の重要な行事は学校の校庭で行なわれるのがふつうだったわけです。そしてもう一つ、学校は軍隊の養成機関でもありました。西南戦争(1877年)のあと、明治政府はふつうの人間を徴兵しても身体的な訓練ができていない、と判断し軍隊式の体操を学校に持ち込みました。こうして西洋の近代化よりも急激に近代化を遂げ、識字率90%を超えるなどの成功を収め、一方では近代化してしまった悲劇を生んだわけです。 いずれにせよ、政府は学校を更生機関として一貫して非常に重要な位置づけをしてきました。 ただし、子どもにとって、学校という場はある時期まで苦痛を伴う場ではありませんでした。社会全体が貧しかった時代は、子どもは、学校に行けば家業を手伝わなくてよくなるので、学校を喜び、親は行かせたがらなかった。いまでも発展途上国に行くとそうです。1950年代の日本、たとえば1957年の乳幼児死亡率は全国平均で4%、岩手県の山間部では14・5%にのぼっていたわけですから、給食も喜んだ。ちなみにアフガニスタンの乳児死亡率は14・9%(2000年~2005年統計)です。 こうした状況が逆転したのは高度経済成長期以降、子どもが働く必要がなくなった時期からです。1960年時点では高校進学率が57・7%だったのが74年には高校進学率が90%を超えた。このころから学校は目を輝かせていく希望の場から、落ちこぼれるのがイヤだから行くしかないという場に変わったわけです。 戦後の指導要領をずーっと見ていくと、授業内容をどんどん簡単にしているのがわかります。数年前に、ゆとり教育が騒がれましたがそれ以前から基準を下げ続けていたんです。そうでないと人口の90%以上が受かるわけないですからね。 ほとんどの人が行く学... --- ### いじめの構図は 赤坂憲雄 - Published: 2014-01-22 - Modified: 2024-10-21 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3569/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, いじめ, 識者の指摘, 2009年11月1日号 - ハッシュタグ: いじめ 今回取材したのは、赤坂憲雄さん。赤坂さんは東北文化研究の第一人者として有名だが、1986年に『排除の現象学』にて、変わりゆく子どもたちの「いじめの構図」を鋭く指摘していた。赤坂さんには、いじめ、いじめ自殺についてのお考えを聞く一方で、民俗学の視点からも語っていただいた。 ――まずは『排除の現象学』で指摘された「いじめの構図」についてお願いします。  教育現場からは、ずいぶん離れてしまっていますから、現状については疎いということを前提にお話しします。 私が「いまのいじめは変わったのかな?」と思ったのが、1980年代前半です。私は20代の終わりごろから、10年ぐらい塾の先生をしていました。塾で働いていて見えてきたのが、いじめる子といじめられる子がクルクル変わっているという状況です。はじめに、それを気づいたのは、ガキ大将タイプの子が、みんなにシカトされて、めいってる姿を見たときでした。 『次郎物語』(第一部1941年刊・下村湖人著)には、子どもたちによる壮絶ないじめが描かれています。村の有力者の息子が中心になって、貧しい小作の少年をいじめるという古典的な構造です。こういう、ある集団の全員が一人をいじめる構図は「全員一致の暴力」と呼ばれています。 全員一致の暴力の標的となるのは、明らかな「差異」を持っている人です。当然、差異があるからといっていじめの標的にされる正当な理由にはなりませんが、とにかく、身体的な障害などの目に見える差異がありました。 均質性の高い分身状態 ところが、80年代からのいじめは「相互暴力の関係」のなかで生まれています。集団のなかの誰もが、誰にでも暴力を振るい、逆にその標的にもな るという関係。的になったら今度は全員一致の暴力が振るわれる。しかし、標的になる子どもには、あきらかな差異がありません。これを「分身の状態」と呼ん でいます。ほとんど差異がない均質・均一性の高い分身状態の集団だからこそ、微細な差異や「空気が読めない」などということが致命傷になってしまうわけで す。一見、均質的な集団、分身状態というのは、安定すると思いがちなんですが、じつは不安定な集団なんです。 ――なぜ「差異」がない状態で、いじめが起きるのでしょうか? いろんな背景があると思います。一つには1960年代に日本社会は大きな転換が図られ、その後、経済的に裕福になったことです。みんなが... --- ### 上野千鶴子さんに聞く - Published: 2013-12-20 - Modified: 2024-10-17 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3781/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 識者の指摘, 2013年1月1日号  2002年、上野千鶴子さんは著書『サヨナラ、学校化社会』のなかで「学校化社会は誰も幸せにできない」と指摘した。出版から10年、現状をどう捉えているのだろうか。 ――まずは上野さんが『サヨナラ、学校化社会』で指摘された点をお願いします。  学校化社会とは、学力・偏差値の競争社会のことです。ネオリベ(新自由主義)が登場する前から、学校はタテマエ競争社会でした。学校とは、競争をさせて人に序列をつけて勝者と敗者を生んでいく選別のシステムです。底なしの競争は、たとえ勝者であっても評価されることにおびえ続けることになります。つまり、敗者は不満を、勝者は不安を感じる社会。どちらも不幸です。だから「学校化社会は誰も幸せにしないシステムだ」と書きました。 学校化社会が強化した理由  しかし、学校化社会はちっとも終わっていません。むしろかつてより強化されました。要因の一つは学校化社会で育った子どもたちが、今度は親になったからでしょう。昔の親はもう少し多元的な価値を持っていました。「うちは魚屋なんだから勉強なんてできなくてもよい」「うちにはうちの流儀があるから、よその子と同じでなくてよい」なんて言う親は、もうほとんどいません。競争はどこにでもありますが、競争の価値が多元的ならばもう少し緩やかでしょう。ところが、学校化社会では価値は成績という一元尺度です。そのなかで育ち、その価値をしっかりと内面化した人たちが親になった。そういう親たちのもとで、子どもたちは競争に参加させられています。 もうひとつの要因は、親だけでなく世間も一元的な価値観の競争社会になったという点です。学校社会というのは明治以来100年以上のあいだ、唯一の公正な競争の社会だと思われてきました。世間では世襲や差別があるけれど学校の競争だけは公平な能力主義だ、と。ところがネオリベになって、世間でも能力主義の競争が激化しました。そのじつ、学校的な能力というものが生育歴によって大きな影響を受けることは実証されているのですけれどね。 子どもたちにとっては高校卒業があたりまえになり、大学進学率もおよそ半数を超しました。「誰もが行くなら」と大学へ行き、その後の就職状況はどうなったか。不況になってから企業による選別は厳しさを増す一方です。学歴格差に加えて学校間格差が拡大しました。かつて廃止が叫ばれた指定校制度(企業が新卒雇用者の出身大学を... --- ### 映画監督 押井守さんに聞く - Published: 2013-12-20 - Modified: 2024-10-21 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3575/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 識者の指摘, 2010年1月1日号 2010年、最初のインタビューは映画監督・押井守さん。押井さんは映画「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」「スカイ・クロラ」などで、社会が抱える問題を鋭く提起し、若者を中心に支持を集めている。取材したのは子ども・若者編集部の15名。 ――作品には犬がよく登場します。私は犬に特別な思いがあるんですが、押井さんも特別な思いが? 犬がほかの動物とちがうのは、人間のそばに積極的にいようという意思を持っているところだと思う。猫もよく人間のそばにいるけど、猫は呼んでも来ないでしょ。共生はしても寄り添いたいと思っているわけじゃない。犬だけが人間を求めてくる。それはとても貴重なことだと思う。もちろん、それは人間がそうつくりあげてきたからなんだけどね。犬は大人にならない幼体成熟の動物で、子どもの状態をそのまま保存しているから、人といっしょに暮らせる。その意味では犬と人間の関係は猫よりも特殊で、人間には責任がある。僕も特別な思いがあるといえばある。 ただ犬や猫と付き合うのは覚悟が必要なことだと思う。長生きな犬でも20年ぐらいだから、だいたいは自分たちより早く死ぬ。そこらへんが犬や猫と暮らす意味なのかなって気もするけど、やっぱり死ぬとつらい。3年前にバセットハウンドのガブリエルが死んだ。新しい子たちもいるけど、いまでもぼっかり胸に穴が空いている。それは何があっても埋まらない。 でも、あるときから「それでいいんだ」って思った。胸に穴ぼこがあるから、あの子は僕のなかでまだ生きている。穴ぼこが埋まったら忘れちゃったってこと。忘れたら本当にあの子は死ぬんだ。僕が死ぬまで穴ぼこは開いていていい。そう思えて初めてあきらめがついた。 僕が死ねば 作品も死ぬ それは作品もいっしょ。どんなに世間的に有名になっても、僕が死ねば、僕の映画はすみやかに忘れられる。でも、それでいい。小説も映画も、結局 は同時代の産物なんだから、同時代の読者・観客がいなければ、かたちには残っても作品としては死ぬ。ただ、その人がつくり続けているあいだは、昔の作品も 生き続ける。だから、いまは、何をつくるかより、つくり続けるほうが大事だと思っている。 ――私が高校中退したとき、押井さんの作品に出会ってすごく共感して、救われた気持ちになりました。 僕も高校のとき、不登校だった。初年度の半分ぐらいは、ほとんど行かなかった。理... --- ### 漫画家・山田玲司さんに聞く「ひきこもるのは まともだから」 - Published: 2013-12-20 - Modified: 2024-10-17 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3790/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 識者の指摘, 2013年9月15日号  週刊ヤングサンデーに連載されていたドキュメンタリー対談漫画『絶望に効くクスリ』(著・山田玲司)。03年から連載が開始され、若者を中心に共感を集めた。子ども若者編集部では作者の山田さんに漫画家になる経緯や親子関係についてうかがった。山田さんが見つけた「絶望に効くクスリ」とはなんだったのだろうか。 ――まずは漫画家になった経緯からお聞かせください(茂手木)。  典型的な漫画少年でした。オレが生まれたのは1966年、「ウルトラマン」の初回放映年と同じ年です。この世代は最後の手塚治虫世代というか、まわりはほとんど漫画好きでした。オレもごたぶんにもれず、小学6年生ぐらいのときから「漫画家になろう」と。そのまんま、いまに至っています。 ――そうスムーズにいかない人が多いと思いますが(茂手木)。  いま、漫画家と言えば狭き門というイメージもありますが、なんにも考えていませんでしたから(笑)。同業者を見渡しても条件や状況を考えて行動する人よりも、「やっちゃえ」みたいなエネルギーで動いていく人のほうが多いですよ。 ◎全面肯定されたエネルギーが  それと、うちは親がまともだったんです。すごく愛してくれたし、言うことだって「みんな本当はいい人」だとか「最後は大丈夫」だとか、まともなことしか言わない。  それと、よくホメられてもいました。「お前はすごい」「天才だ」って(笑)。だいぶ洗脳されたんで、小学生のころはまわりに対して「俺だけはステージがちがうから」って思ってましたから(笑)。ホントはみんな同じことを内心では感じていたと思いますけどね。  とにもかくにも、自信があったんですが「じつは俺、絵が下手だな」とか「まわりの気持ちも考えなきゃ」とか反省の歴史をその後、歩むことになります。それでもやはり、ひたすらに全面肯定されて元気でバカな子に育った、そのエネルギーでいまも生きているなあと感じてます。 ――私の場合は逆で、親子関係が、ほとんどトラウマになってます(じゃっく)。  それは苦しい旅を続けてこられたでしょう。親からの愛情を感じない、逆に傷ついていく。そう感じる人は多いと思いますが、自分を責める理由はまったくありません。1%だってない。だって自分が選んだわけじゃないから。まずは自分を責める気持ちはトイレに流しちゃいましょう。親は心のなかで殺しちゃう。そうしないと、親か自分、どちらかを実... --- ### 俳優・田口トモロヲさん聞く「オレの10代は、ど暗かったな~」 - Published: 2013-12-20 - Modified: 2024-10-21 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3578/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, いじめ, 識者の指摘, 2010年2月15日号 - ハッシュタグ: いじめ  今回、子ども若者編集部が取材したのは俳優・田口トモロヲさん。田口さんには10代のころの話などをお聞きした。というところまでは、いつも通りだが、1時間のインタビューが終わってから、数日後、田口さん本人から「もうすこし、ちゃんと話したい」と、新聞社に連絡が入り、再度取材。5時間にも及ぶインタビュー&雑談となった。掲載されたインタビュー記事は2日間のインタビューから抜粋したものである。 ――田口さんはどんな10代をすごされていましたか?  え~っと、みなさんといっしょで、ほぼ不登校(笑)。父親の仕事の関係で引っ越したのをきっかけにいじめられはじめて... ... 、あれっ? あれは三鷹の中学校だったかな。あの時代は、自分のなかの暗黒期だから、心理的に記憶を封印したいのか、よく覚えてないんです。とにかく中学・高校は学校と家に居場所がなくて、映画館の暗闇に逃げ込んでなんとかやりすごしていた時代です。それが高じて映画を好きになったんですが、好きで映画を見始めたわけじゃありませんでした。 ただ、その当時、ちょうど映画が変革期を迎えていて、それまでの美男美女のヒーロー・ヒロインが活躍する映画が廃れ、もっと現実路線のアメリカ映画が増えてきたころです。ああいう映画を見られたこと、それとパンクに僕は救われたんです。だから、大げさに言えば、僕は映画に恩返しをしたいんです。 ――印象的だった映画は?  ダスティン・ホフマン主演の「真夜中のカウボーイ」(1969年作)とか「わらの犬」(71年作)、それからサムペキンパー監督の「ワイルドパンチ」(69年作)は、本当に好きな映画で、いまでも見返します。ダスティン・ホフマンやアルパチーノって外国人のなかにいたら小さく見えるでしょ。僕もチビだったからすごく自己投影できたんです。 あきらめると肯定は同じ  当時は現実路線を目指して暗いストーリーの映画が増えてきたんだけど、僕が救われた映画はそのなかでもとくに暗い話(笑)。ドロップアウトした人間たちが、現実に翻弄されながら、仕方なく争いに巻きこまれて戦っていく。けれども大きな力には勝てずに、最後は押しつぶされて、ぶざまに死んでいく。そういうまったく希望のないストーリーに僕は救われたんです。「ああ、これでもいいんだ」「負けてもいいんだ」「人生は何でもありだ」って思えた。「大事なのは結果じゃなくて過程なんだ」... --- ### 評論家 山田五郎さんに聞く - Published: 2013-12-20 - Modified: 2024-10-21 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3585/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 識者の指摘, 2010年6月15日号  今回、子ども若者編集部が取材したのは編集者・評論家の山田五郎さん。子ども若者編集部の8名が取材をし、山田さんの少年時代について、働くことについてなどをうかがった。 友だちはひとりでも十分 ――山田さんはどんな少年時代をすごしてましたか? 10歳以降は、暗かったですよ(笑)。70年代は暗いことがブームでしたしね。 今は前向きで明るいことがブームですが、思春期の本質は今も昔もあんまり変わらないんじゃないでしょうか。自分のなかのドロドロとしたものが次々に湧いてきて、めんどくさい年ごろですよね。恋愛やら受験やら、めんどくさい問題だらけだし、何より自分自身が一番めんどくさい。思春期って、誰もが多かれ少なかれそんな感じでしょ?  俺の場合はさらに、東京から大阪に引っ越したことも大きかったと思います。 いろいろあって、中2から中3にかけての2年間ぐらいは、ほぼ誰とも話さず学校が終わると速攻で帰って本ばかり読んでました。それでも高校に入ると、5人くらいは友だちができましたけどね。今の感覚だと少ないと思うでしょうが、5人もいれば十分でしょ。うちの娘なんかは「友だちは多いほうがえらい」みたいな価値観だけど、俺は1人でもいいから本当に信用できる友だちがいたほうがいいですね。 仕事というのは「好き」を見つけること ――いつごろから博学になったのでしょうか? いまテレビで話しているような一般的な知識を身につけたのは、会社に入ってからですね。それまでは、ヘンな美術やヘンな音楽にしかくわしくなかった(笑)。 講談社に就職して、最初に配属されたのが「ホットドッグ・プレス」という情報誌。編集の仕事というと、取材したり記事を書いたりを思い浮かべるでしょうが、 情報誌の場合はそれ以上に「なんでも本気で好きになる」ことが大切なんです。どんなものでも自分が本気で「いい」と思って紹介しなければ、読者の心はつか めませんから。 「好き」という気持ちって、受動的というか、自然と湧いてくるしかないと思われがちですが、そうでもない。どんなものでも、がんばって好きになろうとすれば、かならずどこか好きになれる部分が見つかる。で、好きになれば嫌でもくわしくなる。そんな感じで、仕事をしていくなかで、自然といろんな知識を得ることができたんです。 ――山田さんでも、まだ「知って驚く」ってことがありますか? たくさんありますよ、... --- ### なんでみんな学校に行くの? 西原理恵子 - Published: 2013-12-20 - Modified: 2024-10-21 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3759/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, いじめ, 識者の指摘, 2010年10月15日号 - ハッシュタグ: いじめ 300号記念特別インタビューには、マンガ家・西原理恵子さんが登場。Fonte(※初出時の媒体名です)子ども若者編集部が自身の悩みや思いなどを打ち明けながら、西原さんに不登校について、親子関係について、働くことについて、などのお考えをうかがった。 ――不登校についてはどう思われていますか? なんでみんなは学校に行ってるのかな~、って不思議なんです。そもそも、公立だろうが、私立だろうが、アルバイトより勉強になる学校ってないでしょ。 ただ、学校に行かない人が、学校に行きたい人と争っていてもしょうがない、とは思ってます。やっぱり学校に行かなければ、マイノリティだからいじめられます。横から「こうあるべき」ということ言ってくる人がいるでしょう。そういう人と言い争っても不毛ですよ。「学校がなにより大事」って思っている人は、もうそういう文化を持っている人ですから。 そういう人と争うのは、先祖の供養中に「幽霊なんていないんだ!」って、仏壇をひっくり返すことといっしょ(笑)。行かない人たちどうしで力を持つのが一番じゃないかな、と思っています。 ――不登校の子を持つ親については? 親御さんに対して多く思うのは、子どもより先に親が何を不安がっているのかを解決したほうがいい、と。何を言ってもお母ちゃんが「そんなことないです! ちゃんとやってます!」ってギャーギャーしちゃうことが多い(笑)。 小児科で働く看護師さんに聞くと、「まずはお母さんを落ち着かせるのが仕事」だと言ってました。親がつらいと子どももつらいでしょうね。だから、ある程度の年齢まで、ちゃんとひきこもって親を拒否している子もいますが、それはそれでアリだと思うんです。 ただ、たいがいの親はしょうがないかな。人間って、みんなバランスが悪くて、どっかしら病気なんです。とくに母親の場合は、子どもに何かあったら、世界中から「母親が悪かった」と言われる。だから、「母親」という病気を持ってしまうんです。 だから、子どもは、三食を食べさせてもらってることに感謝しつつ、ある程度の年齢まではお母ちゃんを拒否して、その後、親を捨てて出ていく。それが一番じゃないですか。 ――私の父はお金がなくてもギャンブルをし続けてます。どうしたら? 私も最初の父親をアルコール依存症で、二番目の父親はギャンブル中毒で亡くしました。二番目の父親は、私の貯金まで全部持っていき... --- ### イラストレーター 安齋肇さんに聞く - Published: 2013-12-20 - Modified: 2024-10-21 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3764/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 識者の指摘, 2010年11月15日号  今回のインタビューは、安齋肇さん。イラストレーターとして活動するかたわら、精力的に音楽活動も行なっている。また、民放のテレビ番組では「ソラミミスト」としてMCを務めるなど、幅広い活動を行なっている。今回は、10代のときのお話や「働く」といったテーマを軸に、不登校や生き方のコツなどについて、うかがった。 ――安齋さんの子ども時代を教えて下さい。 小児喘息があって、10歳ぐらいまでは家にいることが多かったんだ。たまに友だちと遊んでいても、盛り上がってくるとかならず喘息が出てしまう。「いつも最後まで楽しめない」という気持ちでずうっといたんだよね。  10代になって、喘息はおさまったんだけど、すぐさま卒業に受験でしょ。友だちともなかなか遊べなくなってしまって。だからかな、10代の後半はめちゃめちゃ暗かったなぁ。 ――私は不登校をして家にこもっているとき、心が老けていくような感覚をいつも感じていました。  あー、その感覚、なんとなくわかる。ぼくは不登校ではなかったけれど、学校の勉強が苦手でさ。授業がわからないから、先生に指されるのがイヤでたまらなかった。いざ指されると、恥ずかしさと緊張で顔が真っ赤になっちゃうんだ。タコみたいに赤面してるからって「タコザイ」っていうあだ名までついちゃった(笑)。  高校に入ってからは、家でラジオばかり聞いてたんだ。1階からは母親と妹の楽しそうな会話が聞こえてくるのに、自分はひとりラジオばかり聞いて一日が終わっていく。「あぁ、ぼくはこのまんま年取って死んでいくんだろうな~」って、すごい孤独感を感じてた。 だから「なにかしなきゃいけない」って思ってさ。好きだった女の子に手紙を書いたんだ。ラブレターだよね。便せんで50枚くらい(笑)。さすがにそれだけ枚数があると封筒に入りきらないから前編と後編にわけて送ったんだ。  自分ではナイスアイディアだと思ったんだけど、数日してから料金不足で前編が戻ってきちゃったんだよね。「あぁ、明日になれば後編も戻ってくるんだ~」と思ったら恥ずかしくてしかたなかったなぁ。 ――高校を卒業したあとはどうでしたか?  コレといってとくにやりたいことがなかったんだ。たまたま絵が描けたから、美大をいくつか受けたんだけど、落ちて落ちて落ちまくった。それから1浪してデザインの専門学校に入ったんだけど、卒業してからも就職する気にまったく... --- ### 漫画家・ちばてつやさんに聞く - Published: 2013-12-17 - Modified: 2024-11-09 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3592/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 識者の指摘, 2010年8月15号 今回、子ども若者編集部が取材したのは、マンガ家・ちばてつやさん。ちばてつやさんは旧満州で育ち、その後日本に引き揚げてきた経験を持つ。ちばてつやさんの戦争体験や、戦争を知らない世代に伝えたいメッセージ、またマンガ家になろうと思った経緯などをうかがった。 ――ちばさんの戦争体験からお聞かせください。 終戦当時、6歳だった私は、旧満州・奉天というところで暮らしていました。まだ幼かったこともあってどこまで語れるかわかりませんが、少なくとも、戦争が終わったとたんに平和になったわけではありません。戦争の傷跡を引きずりながら5年、10年と飢えの時代を生きてきましたから、そういう意味では戦争体験者ですね。 65年前の話というと、ずいぶん昔のことのように思われるかもしれませんが、私にとってはつい昨日のことのようです。 ――当時のことで、とくに印象に残っていることは? 私は放浪癖があってね。ふらっと出かけては、中国人たちの市場に潜り込んだりしていました。私のような子どもがふらふら街中を歩いていても、なんの問題もなかったんです。私が日本人の子どもだったからなんでしょう。なかには、売り物の飴をつまみ食いしてしまう子もいましたが、「ダメだよ~」とたしなめられる程度ですんでいました。 ところが「日本が劣勢だ」という戦況は中国人には伝えられていたのでしょう。日本人を見る眼が次第に変わっていき、売り物に手を出そうなら容赦なく手を叩かれるようになりました。 なかでも一番驚いたのは日本兵への対応です。以前は日本兵が通ると、さっと道を譲ったりしたものですが、わざと肩でぶつかったり、すれちがった後その足元にツバを吐く人もいました。 日本が劣勢だなんて知らなかったのは日本人だけでしたから、あまりの変化にわけがわかりませんでした。直後に日本が戦争に負けたと知り、「あぁ、これが戦争に負けるということなんだ」と痛感しました。 終戦後、すぐにでも日本に帰りたかったのですが、なにせ人が多くて引き揚げ船が足りないんです。船を待つあいだ、私たちを含め、多くの日本人が着の身着のままで中国各地を転々としました。 そのたったひと冬のあいだに、24万人もの人たちが亡くなりました。殺された人もいますが、ほとんどが餓死や凍死でした。 私がようやく日本に戻ってこられたのは終戦の翌年、7月21日でした。中国・大連にある葫蘆島という島から... --- ### 公立校教員が語る不登校、子どものいま - Published: 2013-12-17 - Modified: 2024-10-17 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3784/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 識者の指摘, 2013年6月1日号 公立には親も子もいろいろ  本紙は「学校側の意見を載せてない」と、ときどき指摘されてきた。学校側の論理、良識に触れずに不登校を語っているのはよくない、とも。そこで不登校や現在の子どもの姿を現場の教員はどう感じているのか。公立小学校教員・黒木紀子さん(31歳/仮名)にうかがった。 子どもが浮かない工夫を 授業のユニバーサルデザイン ――まず黒木さんの経歴から教えていただいてもいいですか?  大学卒業後、仕事を探しているときに、ハローワークで学習支援員を見つけたのがきっかけです。そもそもは教員になりたいとか、学校が好きだったとか、そういうことではないんですが、小学校で働くようになり、子どもだったときは見えなかったことも見えてきました。先生ってこんなにがんばっていたんだ、と。すごくおもしろかったし、やりがいも感じたので、教員採用試験の準備をしながら、臨時採用教員としても働き、現在は小学校3年生の担任を受け持っています。なので本採用は今年からですが、公立の小学校で働き始めてからは8年目です。 ――公立にこだわったと聞いていますが、それは?  やっぱり、大人も子どももいろんな人がいるからですね。私は、中高と特色のある私立学校に通っていました。そうすると偏っているとまでは言いませんが、だいたいの人は話が通じます。でも、公立の教員は、それこそ日の丸・君が代を声高らかに歌いたい人もいますし、まったく逆の考えの人もいます。考えが近い人だけがまわりにいると、話は合うんですが行きづまった時に苦しくなってしまうんですね。それに公立の場合は異動もありますから、風通しもある程度はありますよ。それから私の場合は、さまざまな事情で私立に行けない子も含め、いろいろな子どもを見たかったというのがあります。 発達障害、クラスに数人は ――ご自身が子どもだった時代と比べていまの子どもたちとの差は感じますか?  どこが変わったかというのは、わからないですね。一般的には発達障害のことが注目されるようになりましたが、自分が子どもだったときにはそんなこと気にしませんでしたから。ただ、いま教員として見れば、30人学級のなかで2~3人はいるかな、と。 ――発達障害の子への個別の対応は?  うーん... ... 、そこは難しいところですね。学校は集団教育の場なので、ほかの子に見えるところで個別対応をしすぎると、ほかの子... --- ### 【公開】いじめ研究・滝充さんに聞く - Published: 2013-11-26 - Modified: 2024-11-08 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3771/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 無料記事, いじめ, 識者の指摘, 2011年10月15日号 - ハッシュタグ: いじめ いじめを取り巻く現状は...  日本の教育政策に大きな影響を与える国立教育政策研究所(文部科学省所轄)。その統括研究官であり、「いじめ追跡調査(下記参照)」の担当官であった滝充さんにお話をうかがった。滝さんは「いじめ追跡調査」にて、大半の子が「いじめる」「いじめられる」ことを経験し、かつ、いじめの立場は激しく入れ替わることを証明。研究者として、いじめを取り巻く子どもたちの現状をどのように考えているのだろうか。 ――今年8月の文科省調査を受け、報道各紙は「いじめが増加に転じた」と報道しました。これら報道をどう見ておられますか?  そもそも、いじめなのか友人間のトラブルなのか、はたから見ているだけではわかりづらいという問題があります。子どもたちへのアンケート調査によれば、いじめにあてはまる行動・言動は全体の3~4割程度に見受けられました。どの学校でもかならず起きています。一方、教員に聞いた場合、つまり文科省の「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」(以下・問題行動調査)では、毎年、いじめのない学校があります(昨年度は57・8%の学校が「いじめ認知件数ゼロ」)。おそらく事実はこの中間のどこかにあるのでしょう。  また、いじめの認知件数が上がったから一概に悪いとは言えません。従来は見落としていたものを発見できたと考えることもできるからです。もちろん認知件数が上がったほうがいいとも言えませんから、今回の調査を受けてよかった、悪かったという話はできません。  各紙がこぞっていじめの増加を報道したのは不登校や校内暴力などが減少していたためでしょう。きっと深い意味はありません。 文科省調査は抑止力のため ――いじめは社会的な注目が集まるたびに大きな上下動を見せています(次面参照)。文科省の調査に客観性はあるのでしょうか?  問題行動調査は抑止力のためだと思っています。報告をさせなかったら、いじめに対してなにもしない学校も出てくるでしょう。問題行動調査で客観的な数値が出るのは長期欠席児童生徒の数値ぐらいじゃないでしょうか。不登校の数などでも疑問符がつくときがあります。そもそも実態を求めるには日本は広すぎるというか、行政調査ではある程度の限界があるということでしょう。 ――いじめ増加の結果を受け「警察との連携や出席停止を」という声はつねにあがります。  そうした意見はいじ... --- ### 漫画『沈黙の艦隊』作者 かわぐちかいじさんに聞く - Published: 2013-08-22 - Modified: 2024-10-21 - URL: https://futoko-online.jp/interview/3773/ - カテゴリー: インタビュー - タグ: 会員限定記事, 識者の指摘, 2012年7月1日号 今回のインタビューは漫画家・かわぐちかいじさん。取材によって、かわぐちさんの娘さんも不登校だったことがわかり、当時の心境もお聞きすることになった。 うちの娘も不登校だったんだ ――かわぐちさんが漫画をつくるときは「自分のなかの不安な感覚を題材にする」と発言されていますね。  なにかを知りたいと思う動機は、不安感が一番、大きいんじゃないかと思うんです。いろんなタイプの人がいて、一概に言えませんが、自分の場合はそうです。  たとえば『沈黙の艦隊』(1988年~1996年)を描いたときは、世界を二分した東西冷戦(1945年~1989年)が終わろうとしていたときでした。社会主義が崩れてソ連が崩壊し、今後は権力がアメリカに一極化される。そうなるとアメリカとの関係はどうなるんだろうか。僕だけでなく日本中に漠然とした不安感が広がっていました。ならばアメリカとの関係をもう一度見つめ直せるような漫画を描きたい、と。それで原子力潜水艦を素材にした漫画をつくったんです。  不安でいても立ってもいられないという気持ちと漫画を描きたいと思う気持ちは、ほとんどいっしょです。というのも、漫画を描くなかでわかってくることが多いからです。漫画を描くためには、当然、いろいろなことを考えますし、取材もします。そういう過程のなかで不安感の根っこと向き合い、不安の原因探しをしていく。そうすると描く前は「もしかしたら」という思惑だけだったのが、描くなかで不安感の根っこが見えてくるんです。  それは漫画だけじゃなくて、たとえば家族のこともそうです。たとえばうちの娘も中学校のとき不登校だったんです。 ある日、突然 "もう行けない” ――そうなんですか。  もう、わけがわかんなかった。学校の先生にもいろいろ聞いたし、本人にも聞いたけど、よくわからない。なんで行けないのか。たぶん、いじめがあったんだと思いますが、娘の状況も気持ちもわからない。それはすごく不安でした。  いまふり返ると、仕事環境が娘に影響してしまったなという思いがあります。というのも、仕事柄、アシスタントや編集者がつねに家を出入りしています。そのなかで暮らすことで、耳学問をしていたというか、同級生から見ればませた態度に見える部分があったな、と。それである日突然、友だちからハブられた。半年ぐらいはガマンして通っていましたが「もう行けない」と。そこからは家... --- --- ## 固定ページ ### 【購読者様向け】購読したのに記事が読めない時は - Published: 2025-01-21 - Modified: 2025-01-21 - URL: https://futoko-online.jp/subscriber-cant-read/ 「購読したのに、記事の途中から読めなくなる」という場合は、ログインが必要です。 以下を参考に、ログインしてみてください。 スマホの場合 「ログインして購入を復元」をタップすると、外部サービス「codoc」に移動し、ログインすることができます。 その後、お読みになっていた記事に戻りますので、続きをご覧ください。 メニューからもログインできます ①右上のメニューボタンをタップします。 ②虹色の「ログイン」ボタンをタップすると、外部サービス「codoc」のログイン画面へ移動しますので、メールアドレスとパスワードを入れてログインしてください。 ログイン後は、元々見ていたページへ戻ります。 パソコンの場合 「ログインして購入を復元」をタップすると、外部サービス「codoc」に移動し、ログインすることができます。 その後、お読みになっていた記事に戻りますので、続きをご覧ください。 メニューからもログインできます ①右上のメニューボタンをタップします。 ②虹色の「ログイン」ボタンをタップすると、外部サービス「codoc」のログイン画面へ移動しますので、メールアドレスとパスワードを入れてログインしてください。 ログイン後は、元々見ていたページへ戻ります。 --- ### 【購読者様向け】ログイン方法 - Published: 2025-01-21 - Modified: 2025-01-21 - URL: https://futoko-online.jp/login-help/ スマホの場合 ①右上のメニューボタンをタップします。 ②虹色の「ログイン」ボタンをタップします。 外部サービス「codoc」のログイン画面へ移動しますので、メールアドレスとパスワードを入れてログインしてください。 ログイン後は、元々見ていたページへ戻ります。 記事の中からもログインできます 「この続きを見るには」が表示されている時は、「ログインして購入を復元」からログインし、続きを読むことができます。 パソコンの場合 ①右上のメニューボタンをタップします。 ②虹色の「ログイン」ボタンをタップします。 外部サービス「codoc」のログイン画面へ移動しますので、メールアドレスとパスワードを入れてログインしてください。 ログイン後は、元々見ていたページへ戻ります。 記事の中からもログインできます 「この続きを見るには」が表示されている時は、「ログインして購入を復元」からログインし、続きを読むことができます。 --- ### 中川翔子と卒業式をもう一度 - Published: 2024-11-29 - Modified: 2025-03-27 - URL: https://futoko-online.jp/graduation-lp/ --- ### LINE公式アカウント - Published: 2024-08-28 - Modified: 2024-08-29 - URL: https://futoko-online.jp/line/ 不登校オンラインでは、LINE公式アカウントを運営しています。新着記事などを「LINE VOOM」の「投稿」でお知らせいたしますので、ぜひ友達登録をお願いします。 ①友達登録の手順 友達登録は、以下の3つのいずれでも可能です。 1:こちらをクリックして友達登録(LINEアプリが開きます) ーーーーー 2:下記のQRコードを読み込んで友達登録(LINEアプリが開きます) ーーーーー 3:LINEを開いて「不登校オンライン」と検索。「公式アカウント」で表示される「不登校オンライン」から進んで友達登録   ②新着記事などの確認方法 1:「不登校オンライン」とのトークを開き、右上の三本線(メニュー)をクリック ーーーーー 2:「LINE VOOM投稿」をクリック ーーーーー 3:投稿(新着記事のご案内など)が表示されます ーーーーー 4:投稿(新着記事のご案内など)は、LINEを立ち上げたときに下部に表示される「VOOM」の「フォロー中」でもご覧いただけます   ③その他 今後は、「投稿」だけでなくメッセージの配信なども検討しております。また、LINE公式アカウントのチャットにて、不登校オンラインについてのお問い合わせも受け付けております。ぜひ、友達登録をお願いします。 --- ### 取材・アンケートのお願い - Published: 2024-08-27 - Modified: 2024-08-27 - URL: https://futoko-online.jp/request/ 不登校オンラインでは、下記のような方々に、インタビューやアンケートのご協力を随時お願いしております。 不登校のお子さんの保護者さま(現在・過去を問わず) 不登校の当事者さま・経験者さま 学校・教育・福祉・心理・法律・医療などの関係者さま・有識者さま・専門家さま ご協力いただいたあなたの声が、お悩みに直面している保護者さまとお子さんの助けになります。下記ご高覧の上、ぜひ、思いやご経験をお聞かせください。 ①ご協力を募集中のテーマ一覧 1. 不登校の保護者さま・経験者さま・当事者さま テーマインタビュー「私が一番つらかったとき」取材を受けてくださる方を募集します 2. 不登校の保護者さま 【アンケート企画第2弾】不登校中の「修学旅行」、どうする? どうした? みなさんの思いを大募集! お子さんに「不登校に関連した、学年途中のクラス替え」の経験がある方 3. 学校関係者さま 「不登校に関連して、学年途中のクラス替え」を行った経験がある方 ②ご協力によって作成した記事一覧 【全文無料】夏休みなんて嫌い!? 不登校の子どもと親が「夏の帰省」にイマイチ乗り気になれない理由 「夏の帰省」はパスしていい!?  どうしても避けられないときの攻略法 --- ### ご要望・ご感想 - Published: 2024-06-14 - Modified: 2024-08-26 - URL: https://futoko-online.jp/feedback/ 「この記事のここがよかった!」「こんな記事が読みたい!」「ここがちょっと使いづらい... 」など、ご自由にお書きください!皆様からのご意見をお待ちしております。 ※返信は行なっておりません。 ※ご要望については、反映することをお約束するものではございません。 ※ご連絡先をご記入いただいた場合、取材依頼の連絡をさせていただく可能性があります --- ### よく読まれている記事一覧 - Published: 2024-06-05 - Modified: 2024-06-05 - URL: https://futoko-online.jp/popular-posts/ --- ### 購読・解約方法 - Published: 2024-04-24 - Modified: 2024-05-21 - URL: https://futoko-online.jp/subscription/ 購読方法はこちら 解約方法はこちら 購読方法 不登校オンラインの購読には、「codoc」のアカウントが必要です。 下記の「購入手続き」をクリックして、会員登録の手続きを進めてください(詳しい説明はページ下部にあります)。 ①「購入手続き」を押して出てきた画面で、「会員登録して購入」を押す ②ユーザー情報を登録する ニックネーム、メールアドレス、パスワードを入力し、「私はロボットではありません」「利用規約に同意する」にもチェックを入れます。 SNSアカウントを使って登録することもでき、その場合はパスワードが不要になります。 ③「アカウント利用確認」の画面が出るので、「許可」を押す。 「不登校オンラインを利用するために、アカウントの情報が提供される」という旨の説明文が書いてあります。(ご入力いただいたメールアドレス宛に、株式会社キズキよりサービスのご案内をする場合がございます。当サイトの個人情報保護方針はこちらです)。 ④支払い情報を入力する 月額900円で、登録した日から30日間は無料でお試しいただけます。 (1)クレジットカードでお支払いされる場合は、クレジットカード番号、有効期限、セキュリティコードを入力して、「支払う」を押します。 (2)スマートフォンからアクセスしている場合、iPhoneの場合はApple Pay、Androidの場合はGoogle Payの支払いボタンも表示されます。そちらでのお支払いを希望される場合は、そちらをご選択ください。 (3)PCからアクセスしている場合、「linkで支払う」という方法もございます。linkでのお支払いを希望される場合は、そちらをご選択ください。 iPhoneの場合 Apple Payの設定が済んでいれば、ボタンを押すだけでそのまま支払いができます。 Androidの場合 Google Payの設定が済んでいれば、ボタンを押すだけでそのまま支払いができます。 ⑤会員登録・支払い情報の登録が完了 各情報の登録が正常に行われたら、このページに戻ってきます(登録したメールアドレスに届くメールから認証を行う場合がございます)。画面上部の「不登校オンライン」を押すと、当サイトのトップページに移動することができますので、お好きな記事をお読みください。   解約方法 ①codocにログインする 下記リンクからログインしてください(... --- ### 記事一覧ページ - Published: 2024-04-11 - Modified: 2024-05-29 - URL: https://futoko-online.jp/posts/ --- ### トップページ - Published: 2024-04-11 - Modified: 2025-05-08 - URL: https://futoko-online.jp/ --- ### 利用規約 - Published: 2017-05-21 - Modified: 2024-05-08 - URL: https://futoko-online.jp/tos/ 不登校オンラインにおける利用規約です。 著作権について 不登校オンライン(以下、当サイト)の全体及び各素材(文章・画像等)の著作権等は、株式会社キズキ(以下、運営団体)または原著作権者などが所有しています。 リンクについて 当サイトの各ページはリンクフリーです。リンクの作成につき、運営団体への申請及び事後の連絡は不要です。ただし、リンク元の一部として受け取られる形でのリンクや、画像などページ内の各素材への直接リンクはおやめください。 免責事項 運営団体は、当サイト上のコンテンツを真摯に作成しておりますが、掲載内容の正当性・正確性・再現性・汎用性などについて保障をするものではありません。万が一掲載内容に誤りがあった場合でも、運営団体は責任を負うものではありません。 当サイトのご利用によって生じたいかなる損害についても、運営団体は一切責任を負いかねます旨、ご了承ください。 個人の経験に基づく記事は、記事間で異なる主張を行ったり、矛盾したりする場合がございます。 その他 ご不明な点は、株式会社キズキのお問い合わせ窓口からお尋ねください。 --- ### このサイトについて - Published: 2017-05-21 - Modified: 2025-04-01 - URL: https://futoko-online.jp/about/ 「不登校オンライン」は、株式会社キズキが運営する、不登校の当事者・経験者・保護者のためのウェブメディアです。 文部科学省の資料によると、2022年度には、 小学校では105,112人が不登校 中学校では193,936人が不登校 高校では60,575人が不登校 43,401人が高校を中退 となっています。 上記の「不登校」は文部科学省の定義によるものであり、それ以外にも長期間学校に行けない方は大勢います。また、私立中学校や大学など、高校以外の学校を中退している方も大勢います。 不登校は、よくも悪くも、「珍しいこと」や「特別なこと」ではありません。ましてや、それで人生そのものが否定されるようなことはありませんし、あってはならないと思います。 不登校を経験しても、人は何度でもやり直せます。 ですが、身近に「やり直し」の事例がないために、不登校について必要以上に気に病み、悩み、苦しんでいる方が多いことを、キズキは知っています。 あなたはどうですか? 「不登校になったから、自分はダメな人間だ」 「高校を中退した我が子には、もう未来がない」 そんな思い込みをしていませんか? 不登校オンラインでは、不登校の当事者や、経験者や、保護者であるあなたの悩みを少しでも軽くし、将来について前向きになれるよう、様々なデータや経験談などに基づく記事を掲載していきます。 参考資料:「令和4年度『児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査』」 --- ---