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【SOSサインも紹介】見逃さないで! 子どもの「学校行きたくない」に隠れたメンタル不調

#不登校#世界メンタルヘルスデー#行き渋り

「学校行きたくない」。
これは子どもが「ズル」をしたくて言っているわけではありません。
子どもの行き渋り・不登校に、保護者は戸惑います。しかし、保護者だからこそ気づける子どものSOSサインがあります。

メンタル不調は誰にでも起こる。もちろん、子どもにも

はじめに知っておいていただきたいことがあります。
メンタル不調は誰にでも起こります。

かつて、メンタルの不調や病気は「弱い人に起こるもの」という誤解や偏見がありました。近年は、アスリートやタレントがメンタルの病気を公表し、病気や治療について正しい知識を広めようとしています。

メンタル不調は、元気な人にも、明るい性格の人にも、もちろん子どもにも起こります
不登校や行き渋りそのものは病気ではありません。しかし不登校の背景に、メンタルの不調や病気が隠れていることもあります。

「学校行きたくない」は子どものSOS 

大人にとっては突然のことに見えても、子どもの心には、「学校行きたくない」と言い出すまでの葛藤があります。

子どもの成長段階によっては、自分の気持ちをうまく言葉にできないこともあります。不快な気持ちを表現できないと、本人も気づかない間に、その気持ちがストレスとして積み重なっていきます。
また、学校でのトラブルや勉強のつまずきを、「がまんしないと」「がんばらないと」と、一人で抱え込む子どももいます。

「学校、行きたくない」。
そう言い出したときには、ストレス、がまん、がんばりが「その子にとっての限界」に達しています。限界を超えて、メンタル不調が始まっているケースもあるのです。


「いつもと違う」に気づいて! 子どものメンタル不調サインリスト

メンタル不調のサインは「睡眠」「食欲」「体調」「行動」に現れることがあります。ここでは、それぞれのサインの例をあげます。
ただし、メンタル不調があっても以下のサインが現れないこともあります。また、これらのサインが現れていても、必ずしも「メンタルの病気」とは限りません。

まずは、「いつもと違う」と気づくこと。
学校の先生には難しいことでも、子どもの育ちを見守っている保護者だからこそできることがあります。

■睡眠

・なかなか寝つけない(ようだ)
・「眠れない」と言う
・夜更かししている
・朝なかなか起きられない
・寝すぎる

■食欲

・食欲がない、食べる量が減った
・食べ過ぎる
・急にやせた(小学生は「体重が増えない」ケースも注意)
・急に太った
・体重をとても気にしている(過度なやせ願望)

■体調

・だるそうにしている
・疲れている
・顔色が悪い
・腹痛、頭痛などの体調不良を訴える

■行動

学校へ行きたがらない、ひきこもりがちになる
・友だちと遊ばなくなった
・無口になった、口数が減った
・何度も同じ動作や行動をくりかえす(手洗いや持ち物の確認など)
・感情を抑えられず、暴力をふるう(人ではなく物に当たることもある)
・何もしないで長い時間ぼんやりしている
・表情の変化、感情の反応が少なくなった
・話の内容が支離滅裂になった、会話が通じなくなった
・独り言を言うようになった(とくに「自覚がない」ケースは注意)

参考:厚生労働省「こころもメンテしよう〜ご家族・教職員の皆さんへ〜」

 

やりがちだけど、一旦立ち止まってほしいこと

子どもが学校へ行きたがらないと、たいていの保護者は戸惑います。感情的になるのも、当然のことです。
どうしたらいいのか、わからなくなっている方もいるでしょう。

もし次のような対応をしていたら、どうか、一旦立ち止まってください。

■保護者が学校へ連れて行く

行き渋る子どもを無理に学校へ連れて行くと、子どもをさらに追いつめる可能性があります。毎日続けば、保護者にも大きな負担になります。

子どもの心がSOSサインを出していたら、まずは「ひと休み」が肝要。
メンタル不調は、ケアが早ければ回復も早いとされています。一般的な病気やケガと同じです。

 

■子どもの不調の訴えを疑う

子どもが朝は体調が悪いと言っていたのに、しばらくするとケロッとしているように見えることもあります。

メンタル不調のサインは、ずっと同じレベルで現れるわけではありません。時間帯によって、あるいは日によって変動があることもめずらしくありません。
どのタイミングで体調不良が出やすいのかを記録してみてください。医療機関に相談するときにも役立ちます。

参考:日本うつ病学会治療ガイドライン「第5章 児童思春期のうつ病」

■ゲームやスマホなどを禁止・没収する

学校へ行かずに、一日中ゲームやスマホを手放さない子どももいます。調子が悪いと言いながら「遊びたいだけ」のように見えて、叱りたくなる保護者もいるでしょう。

子どもは苦しい現実から逃れるために、ゲームやスマホに触れていることがあります。逃げることは、悪いことではありません。今は「戦略的撤退」で、心を休めているのです。
これは、電子機器に限りません。楽器やイラスト、小説などが心の居場所になることもあります。

とはいえ、どんなものでも「過度な依存」や体の健康への心配はつきものです。
その気持ちを伝えて一緒にルールを作るなど、心の居場所を取り上げないやりかたを子どもと話し合ってください。

 

困ったら家族だけで抱え込まないで相談を

「子どもの心のSOSサインに気づいたら、医療機関、スクールカウンセラー、役所等の相談窓口など、専門家へ相談してください」。

これが「不登校オンライン」としての原則的なおすすめです。
とはいえ、実際には予約が取りにくいケースも多く、すぐにケアを受けられないこともあります。

専門家につながるまでの間、フリースクールの相談窓口、不登校の保護者会などで、悩みを話してみてください。診断・治療はできませんが、子どもと向き合えるように保護者を支えてくれます。
もちろん、知らない人へ話しづらい場合は、親しい友人などでもいいのです。

まずは、保護者が自分の焦りや不安をやわらげて、心を休めてください。
大人も、休むことへの後ろめたさを手放してください。

 
※10月10日は「世界メンタルヘルスデー」です。
「世界メンタルヘルスデー」は、メンタルヘルス問題に関する世間の意識を高め、偏見をなくし、正しい知識を普及することを目的として、1992年、世界精神保健連盟によって定められました。
その後、世界保健機関(WHO)も協賛し、正式な国際デー(国際記念日)とされています。
参考:厚生労働省「世界メンタルヘルスデー2024〜つながる、どこでも、だれにでも〜」

 

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