【PTA特集】理解されない、もう頑張れない……保護者アンケートに見るホンネ①
「不登校オンライン」では、子どもの不登校・行き渋りを経験している保護者を対象に、PTAに関するアンケート調査を実施しました。
今回は、「子どもが不登校・行き渋りになってから、PTAとの付き合い方がそれまでと変わった方」の声を紹介します。
「PTA」の3文字へのため息ばかりかと思いきや、「えいやっ!」と奮起したエピソードや、意外な活用アイディアも。
あなたはどの「声」に共感しますか?
前回記事はこちら↓
【PTA特集】不登校中も6割が参加 「不登校とPTA」についてのアンケート調査結果
目次
回答者本人の声① PTAに消極的・ネガティブな気持ちになったケース
今回、最も多く寄せられたのはPTAへの参加に消極的になった方、ネガティブな気持ちになった方の声です。
そのほか、もともとPTAに負担感をもっていた方の声も、こちらでご紹介します。
※以下、各コメント末尾の( )内は回答者のペンネーム・お子さんの現在・回答者お立場。
■自分の子が学校へ行かないため意義を見出せない
学校に行けないわが子を置いて、来ている子のためのPTA活動をする意味を見出せない。でも、行かなければならないので、子どもを預かってもらって行った。そこまでしなければならないことが納得いかない。(クローバーさん・小学生・母親)
子どもが完全不登校の中、自分だけがPTA活動のため学校へ通う意義を見出せず、負担も大きいので、来年度は退会したいと考えている。(biscuitさん・中学生・母親)
交通量の多い交差点の見守りが当番制になっているが、子どもが不登校になってからは別の方に当番をお願いしている。(いちろうさん・小学生・父親)
「子どもの笑顔につながるPTAを!」とよく聞くが、対象は登校できている子どもに限られていて、不登校の子どもや保護者へはまったく配慮がないのがよく分かった。(マリアザミさん・中学生・母親)
■ほかの子を見るのがつらい
不登校(別室登校も含む)への理解が圧倒的に少なく、関わるたびに居心地が悪く感じた。また、自分の子どもが参加できないイベントにほかのお子さんが楽しそうに参加しているのを見るのはつらすぎる。(だるさん・小学生・母親)
学校に通っている生徒、近所の子、子どもの友だちを見ると、なぜうちの子は登校できないのかと、どうしようもない思いになる。(たかともさん・中学生・母親)
普通に登校しているほかの生徒を見るだけでも涙が出てくるのに、PTA活動などできる状態ではない。(百合子さん・通信制高校生・母親)
■子どもの人間関係
「自分の子どもといろいろあった生徒」の保護者と会うのは、少し大変というか、勇気がいった。(水色さん・中学生・母親)
自分の子どもに直接的に精神的、身体的に危害を加えた人たちへこちらが対応する必要性はないと判断した。(さとママさん・通信制高校生・母親)
■子どものことで手一杯
子どもを一人で留守番をさせることができないので、活動から遠のいた。(とうやパンさん・小学生・母親)
フリースクールや適応指導教室には送迎が必要なのに、時間のかぶる旗当番などが回ってきた。いかなる理由でも免除できないとされていたので、無理をして行っていたが、どうにもこうにも無理なので、率直に「できないことはできない」と言うようになった。(ちゅんぺいさん・通信制大学生・母親)
とにかく、子どもへの対応が大変なため、時間的負担はできる限り減らしたかった。(Skyblueさん・中学生・母親)
■学校との関わり
学校に期待をしなくなった。(にゃおさん・小学生・母親)
■保護者との関係
心配してくれるあまり、いろいろな方からの声かけがある。子どものためにと思って頑張ってきたが、声かけがしんどくなる場面が増えた。(ぼーちゃんさん・支援学校高等部生・母親)
子どもが学校に行っていないと、参加してもほかの親と話が合わない。(しんのすけさん・中学生・母親)
普通に通えている子どもの保護者に気を遣われるのもしんどいし、私自身の悩みに共感されず孤独を感じる。(Skyblueさん・中学生・母親)
ほかの保護者にあれこれ言われたり、詮索されたりするのは嫌。(百合子さん・通信制高校生・母親)
■任意加入をめぐって
PTAを辞めたくて、子どもが保健室登校をしていた1年間未加入の時期があった。その後先生から加入するようやんわりと言われ、仕方なく加入・参加していた。(まるじゅうさん・小学生・母親)
任意加入の意思確認がない学校なので、入らざるを得ないのが不満。(りんごさん・小学生・母親)
小学生の時は、入学した途端PTAは絶対加入だったので、不登校になっても脱会できず仕方なく参加していた。中学校からは、不登校を理由に加入拒否させてもらえた。(ハチミツさん・中学生・母親)
中学で不登校になる前から非会員なので、基本は変わりませんが、PTAの解散が決まり、非会員であることで子どもを差別される心配がなくなりほっとしています。(みかんさん・中学生・母親)
■もともと否定的
もともと得意ではなかったPTA活動なので、頑張ってやろうとは思わなくなりました。(五十代女性さん・中学生・母親)
ただでさえ不要なPTAなのに、子どもが不登校になってまで関わる必要はない。(名無しさん・小学生・母親)
不登校になる前は義務のように感じていましたが、不登校になってからは、もういいかなあといった感じです。(ちっちさん・中学生・母親)
回答者本人の声② PTAに積極的になったケース
子どもが不登校・行き渋りになったことで、それまでよりもPTAに積極的になった方もいらっしゃいます。
ただし、必ずしもポジティブな気持ちと結びついていなかったという声にも注目です。
■学校との関わり
PTA活動をすることで学校との関わりができて、もしかすると子どもが登校できるんじゃないかと思って参加してみた。(匿名さん・小学生・母親)
学校とのつながりを保つため。(kさん・全日制高校生・母親)
先生の態度が心配だったため、見張りのために参加した。(もんき!さん・全日制高校生・母親)
■期待感
PTAの活動で何か打開策が期待できればと思っていましたが、難しかったです。(とまこさん・小学生・母親)
共働きでフルタイム正社員だったので、PTA活動は極力負担にならない程度の参加にしていました。
子どもの行き渋りが始まり、過剰適応で身体症状が出たことを機に私(母)が退職し、別企業での週2のアルバイト勤務に切り替えました(フルタイム正社員に戻る前提)。
「PTAをやるならこのタイミングしかない」「子どもは不登校だけど、親は親。親の私が学校に突き放されたような気持ちになって孤独、孤立を感じているなら、自分から学校に近づこう!」と考え、一番負荷が高いと評判の役員に立候補しました。(たーこさん・小学生・母親)
去年は閉校の年で、イベントをしたいと考えていたので、すごく積極的にPTA活動をしていました。また、楽しいイベントがあると子どもも学校に行くのを楽しみにできるのでは、と考えて、イベント内容も考えてきました。今年は、役目を与えられたので「やるからにはやらねば精神」で活動している状態です。(ラムネさん・小学生・母親)
回答者本人の声③ 見落とされがちなケース
PTAの「P」が親ではないご家庭も。子どもの不登校とも相まって極めて少数派ですが、決して見逃せない声です。
■「親」ではない立場
両親がいない(他界した)ため、祖父母の私たちが親代わりです。かつては母親が役員をするなど、PTAには欠かさず出ておりました。その後は、祖父母のどちらかが参加していました。
中学生になり不登校の現状で、それ以降は出ておりません。祖父母の立場では、役員は敬遠してしまいます。(よしさん・中学生・祖母)
回答者から見た、配偶者の変化
■不登校にネガティブな反応
子どもが不登校になる前、夫はPTAの活動に積極的に参加し、役員に立候補したこともありました。子どもが不登校になった途端、夫が学校・PTAに関わることはなくなりました。(marochanさん・中学生・母親)
自身の子が不登校になっていることを、対外的にネガティブなことと考えていたようだ。(かずちゃんさん・中卒後自宅学習中・父親)
■嫌々ながら
役員にされてしまったので、嫌々ながらやっている。(いぶきさん・小学生・母親)
■関わらない
私が対応しているので、より関わらなくなった。(ととさん・定時制高校生・父親)
配偶者は学校活動に興味ない。(いくさぶろうさん・小学生・母親)
もともと夫は学校とのやりとりには非協力的でした。(ハチミツさん・中学生・母親)
■積極的に
「親父の会」ができたのでそれに参加するようになった。(かめさん・中学生・母親)
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次回は、アンケートに寄せられた「不登校に関連してPTAが役立ったこと」をご紹介します!
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