不登校川柳、優秀作品のご紹介:親・家族編〜迷い、涙、笑い…“ともに歩んだ日々”の228句〜

#不登校#行き渋り#川柳

2025年2月、「不登校オンライン」では《大募集! みんなの不登校川柳》を開催し、390句ものご応募をいただきました。改めて、温かなご参加に心から感謝申し上げます。

そしてこの度、選定結果を発表いたします。この記事でご紹介するのは、親御さん・ご家族・親戚など「子ども本人(不登校の当事者・経験者)以外」の方々から寄せられた228句の中から、編集部が選んだ大賞・優秀賞・佳作の35作品です。

不登校という経験は、子どもだけでなく、周囲の大人たちにもさまざまな思いを残します。
迷いや葛藤、親としての無力感、時には笑えるエピソード、そして子どもへの深い愛情。
五・七・五の中に込められた、それぞれのご家庭の物語を、どうぞご覧ください。

※「作品に込めた想い」は、原文をそのまま掲載しています。
※今回は選外となった作品も、素晴らしいものばかりでした。この記事では数を限定して紹介しておりますが、別の機会に紹介させていただく可能性がございます。
※2025/4/17(木)には、「本人(当事者・経験者)編」の作品を紹介します。

編集

不登校オンライン編集部

大賞作(1作)のご紹介

まずは、大賞作です。

何大事 子供のいのち それだけだ
「西瓜大好き」さん(母親)

【作品に込めた想い】子供が完全不登校となり、塾も拒否、近隣の公園にいくことも拒否した時、親の私は精神的に崩壊しかけました。そんな中ふと、子供に何を1番望んでいるのか考えたところ、1番の希望は子供が生きてくれること。それに気づいてから、社会や世間の常識にとらわれず、子供が笑顔で生き生きと毎日を楽しく生きてくれる様、子供に寄り添えるようになりました。

「西瓜大好き」さんには、Amazonギフトカード(3,000円分)をプレゼントいたします!

優秀作(1作)のご紹介

続いて、優秀作をご紹介します。
良かれより マイナスならぬと 口つぐむ
「たかとも」さん(母親)

【作品に込めた想い】こちらが良かれと思って言った声掛けが、子供にとって逆に イラッとしたり、皮肉に聞こえるたりして、親子の関係が悪化する。それならば、私はその時に、ここは黙っておいた方が良いっと ぐっとこらえる。

佳作(33作)のご紹介

続いて、佳作をご紹介します(順不同です)。

行き渋り 我も休んで 添い寝する
「はらは」さん(父親)
【作品に込めた想い】娘が小学生で初めて行き渋ったとき私も有給で休み、添い寝しました。親があたふたしないのが大事ですね。

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不登校 時々家で 親孝行
「徳田ラッキー」さん(母親)
【作品に込めた想い】息子が生きてくれているだけで、会話ができるだけで、私には幸せ。時々だけど、皿洗いもしてくれて。そのうえ自宅警備員まで(笑)

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ひきこもり 見えない仲間 異国にも
「わをん」さん(母親)
【作品に込めた想い】海外在住で、我が子が不登校と引き籠りを経験しました。日本にあるような不登校親の会がなくて心細い想いをしましたが、「不登校オンライン」を読むことで、一人じゃないと安心できました。

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我が家には スマブラの神 いるらしい
「ちゃろ」さん(母親)
【作品に込めた想い】不登校息子のゲーム仲間からスマブラの神、と呼ばれていることを知り。

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起きられぬ むすめ横目に 猫の世話
「ねこすがり」さん(母親)
【作品に込めた想い】一人っ子の娘が不登校気味になった時に本人も私たち夫婦も何だか毎日、心が疲れ切ってしまい、アニマルセラピーだ!ということで猫を飼い始めました。ところが、すぐにセラピー効果があったのはむしろ大人の方で・・・娘は1年ちょっと、登校、不登校を繰り返しました。今では時々お休みする程度まで持ち直しておりますが、当時は朝起きられない娘、朝から元気な子猫、両者の面倒を見ることで私自身のバランスを取っていたように思います。

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もういいよ 娘の涙に ほだされて
「bobby」さん(父親)
【作品に込めた想い】娘の頬を伝う涙を見ていると、もう学校に行かなくてもいいよって言いたくなります。

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よし行こう 学校前で 右往左往
「エリンギ」さん(母親)
【作品に込めた想い】学校に行かないと思いつつどうしても入るのが怖い子供と仕事間に合うかしらと思いながら一緒にうろうろする自分。

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上の子が 休むと言えば 下の子も
「たいようはるき」さん(父親)

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今日もまた いやよいやよで 付き添って
「bobby」さん(父親)
【作品に込めた想い】朝になると登校したくないとごねる娘をあれやこれやとなだめつつ、結局毎日学校まで送り届けるのが日課になってしまいます。

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これでいい 思えるまでの 長き旅
「村山健壱」さん(父親)
【作品に込めた想い】受け入れることの難しさがありました。

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来たけれど 校門見たら Uターン
「バニラ」さん(父親)
【作品に込めた想い】何度もある経験です。

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不登校 一人にできず テレワーク
「KENZ」さん(父親)
【作品に込めた想い】小さな子供を一人で家に置いておくことはできないのでテレワークで対応しています

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引きこもり 10年経てば 出て行った
「coni」さん(父親)
【作品に込めた想い】実話

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リモートで ラッキー登校 扱いに
「学び人」さん(父親)
【作品に込めた想い】コロナウイルス感染症対策で授業がリモートになり、ちょうど学校で嫌気さしてた息子にとっては登校扱いになって救われた。でも、究極通えない子にとっては、こういう形式でもいいのではとも思うようになった。

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朝起きる まではずーーっと 行くつもり
「きゅうりのたこよ」さん(父親)
【作品に込めた想い】学校を休んでいる間も、夜眠る前も、ベットの中でも、朝起きてから以外の時間は、明日こそ学校へ行こうと思っている気持ちを表しました。

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不登校 万策尽きた もう知らん
「れれれ」さん(母親)
【作品に込めた想い】色々息子たちの不登校を何とかしようと一緒に登校やら適応教室やらスクールカウンセリングなどやってきたけど、本人の問題なんだなあ。課題の分離だなあ。

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先生は 小島よしおと お母さん
「サンミくらし」さん(母親)
【作品に込めた想い】息子が不登校になり、できていた勉強や宿題もできなくなってしまいました。少しでも気楽に楽しむことから再スタートするために、小島よしおさんのYouTube「オッパッピー小学校」へ入りました笑
当然それだけでは追いつかないので夜な夜な私は子どもの教科書を読み教え方なども予習したり・・・続かず、一緒に日向ぼっこしたりのんびりリラックスして子どもも心身ともに落ち着いてきました。

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君の背を 眩しく送る 心かな
「みき」さん(母親)
【作品に込めた想い】小2で不登校になった長女が今年4月〜通信制高校に入学します。いつの間にか前に進み、自分の道を歩んでいる娘にエールを送るとともに、自分も人間として成長したなと思っています。小2の次女も絶賛不登校中ですがどんな道を行くのか楽しみです。

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受け入れに 時間がかかった 親だから
「メルボルン」さん(母親)
【作品に込めた想い】親だからこそ、これでいいのか、どうにかならないものかと葛藤がありました

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相談を すればいいとか 言わないで
「そら」さん(母親)
【作品に込めた想い】学校に行きたくない理由がいじめや嫌がらせで恥ずかしくてプライドがあるので相談したくない気持ちを込めました

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月曜日 制服着たのに 家に居る
「ゆみママ」さん(母親)
【作品に込めた想い】娘は特に月曜日登校するのがツラいようです。制服着て登校の準備して家を出ようとすると足がすくんでしまう様子を表現しました。

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行く行くと 言って行かない 根比べ
「れんこん」さん(母親)
【作品に込めた想い】親の顔色を見て、明日は行くからと言って、朝になると頭痛、起きれないと言う日々。子供もしんどさを抱えている気持ちは分かるけど、やっぱりがっかりしてしまう気持ちをうまく隠し、行ける日を待ち続ける気持ちを込めました。

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子も親も 休み明けだと 行き渋る
「りりぃ」さん(母親)
【作品に込めた想い】誰だって、もう少し休みたい

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部活には 元気に行くぜ 昼下がり
「岡崎佐紅」さん(母親)
【作品に込めた想い】つまり、別に束縛が嫌いというわけでもないんですねえ。

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おはようと おやすみを言う 朝6時
「かぐやひめ」さん(母親)
【作品に込めた想い】昼夜逆転生活をしていた子供と朝起きて仕事に行く私(親)の日常の風景を切り取ってみました。当時は子供はこのままなのだろうかと心配していました。しかし仕事に行く日常が私を支えてくれました。今振り返ると悩んだ時間も人生の宝物でした。

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つくり笑い しなくなって よかったわ
「みっつまま」さん(母親)
【作品に込めた想い】少し前まで前置きなく急にニコニコしながら寄ってくることがありました。何か隠してる・・・。
登校しぶりが1年を越え、理由もわからないがなにしろ行けないんだ、と私が悟り、学校に行かないことを責めないことにしました。朝起きてごはんを食べること、歯を磨くこと、早く寝ることだけに絞って注意をすることにしました。すると、前置きなくわあわあ怒ってやつ当たりをするようになりました。心の中の葛藤を、『学校へ行け』と言ってくる私には見せられなかったんだなぁ、と思いました。

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子の声を 聞いたつもりで 聞いてない
「老人生(ろうにんせい)」さん(父親)
【作品に込めた想い】自分が生きてきた社会常識が邪魔をして親として子供の本当の心の声を聞いてなかったような気がする

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学校の 前通る道 避けている
「すすけ」さん(父親)
【作品に込めた想い】子供は登校に抵抗がある学校の前を通る道は避けているようだ。

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強いから 「行かぬ勇気」も もっている
「きゅうりのたこよ」さん(父親)
【作品に込めた想い】行きたくない気持ちを我慢して学校に行くことも勇気がいりますが、学校を休むことも勇気がいることだと思います。

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毎日でも 母が食べたい 給食さ
「れれれ」さん(母親)
【作品に込めた想い】毎日の昼ごはんがしんどくなってきました。我が市では、不登校児は給食センターに行って食べることができます。
息子らは好きなメニューが出た時だけやっと行きます。
本音は毎日給食センターに通いたいくらいです。無償化になりましたが、お金払ってでも食べたいです。特に母の私が。

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届くけど 提出できない 紙の束
「ごろん。」さん(母親)
【作品に込めた想い】プリントを届けてくれ、ちゃんと課題はやるけれど、登校できずに溜まっていく様子を表しました。

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休みの日に 限って早起き やめてほしい
「ららん」さん(母親)
【作品に込めた想い】学校ある日はなかなか起きないのに、休みの日に限って早起き。本当にやめてほしい。

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家出ずに ゲームの中で 旅をする
「みくる」さん(姉)

最後に〜「親であること」の、正解のなさに寄り添って〜

この「親・家族編」に寄せられた川柳たちは、親として、家族として、子どもを支えようとする日々の中で揺れ動いた“心の記録”そのものでした。

「励ます言葉」が届かない日、「ただそばにいる」ことしかできない夜。
昼夜逆転のお子さんに、それでも毎朝「おはよう」と声をかける。
その繰り返しが、どれほど尊く、尊重されるべきものか——作品のひとつひとつが、静かに語ってくれています。

不登校の子を見守るご家族に、絶対の正解はありません。
でも、「生きていてくれればそれでいい」と願ったあの日の想いこそが、何よりの答えだったのかもしれません。

不登校オンラインが、みなさまの「想い」を繋ぐ一助となったなら幸いです。

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