「早起き万能説」はもう古い? 昼夜逆転を見直す鍵は“社会のゴールデンタイム”にあった!
「完全に昼夜が逆転していて、学校の時間に起きられない」
「夕方に起きて、夜通しゲーム。朝になったら寝てしまう」
こうした「昼夜逆転」に関するお悩みが、たくさんの方から不登校オンライン編集部に寄せられています。
生活リズムが乱れると、学校や社会生活に影響が出るため、心配される保護者も多いのではないでしょうか。
今回は昼夜逆転が起こるおもな原因を掘り下げ、無理なく生活リズムを整えていく方法をご紹介します。
夜型はどうして起こる?
一般に、生活リズムを整えるには早起きが大事だと言われます。しかし、実は必ずしもそうとは限りません。
昼夜逆転には原因がいくつかあります。
生活リズムを変えていくためには、原因を正しく理解し、お子さんに合った方法で対策をしていく必要があります。
昼夜逆転には、身体の不調や心の悩みが関係していることがあります。
「起きたくても起きられない」と悩むお子さんも多く、単に朝から活動することだけを目的に取り組むことが最善とは限らないのです。
身体の不調が原因の昼夜逆転
朝の血圧が低いなどの理由で、起床してから活動できるようになるまで時間がかかるお子さんもいます。起床から時間が経過するにつれて体調が整っていくため、必然的に夜型になりやすくなります。
無理して朝に活動を詰め込むと、本来ならば元気でいられるはずの時間にも、体調がすぐれなくなることもあります。
心の悩みが原因の昼夜逆転
ストレスや不安が理由で夜に寝付けず、昼夜逆転になるケースもあります。
とくに不登校のお子さんは、学校に行けないことに対する罪悪感から逃れたいという思いから、昼間はあえて寝て過ごすことを選び、昼夜逆転しやすい傾向にあります。
昼間に起きていると、自分を責める感情が強まり苦痛を感じやすくなるため、眠ってその時間をやり過ごそうとするのです。
一方で、みんなが活動していない夜間は安心して過ごせる時間となるため、お子さんはその時間を少しでも長く保とうとします。
こうして、夜遅くまで起きている生活が続き、昼夜逆転に陥りやすくなるのです。
「正しい生活リズム=早起き」ではない!?
では、昼夜逆転生活から、どのように生活リズムを調整していくとよいのでしょうか。
目標は早起きではなく、生活をコントロールすること
日本社会では、「正しい生活リズム=早起き」という考え方が根づいています。しかし、必ずしも早起きが生活リズムの改善にベストな対策とは限りません。
上記で紹介したように、心身の不調が理由で昼夜逆転しているお子さんは、無理していきなり朝型にリズムを合わせようとすると、逆に体調が悪くなる恐れもあります。
大切なのは「早く起きること」ではなく、本人が自分の生活をコントロールできる力を身につけていくことです。
早起き以外の方法で、お子さんなりに安定した生活のパターンを作る方法を知っておくとよいでしょう。
社会のゴールデンタイムを目指そう!
そこで注目したいのが「12:00~15:00」の時間帯です。
まずは、この時間帯に活動することを目標にしてみましょう。
朝型の人も夜型の人も、無理なく活動しやすい時間帯のため、まさに「社会のゴールデンタイム」と言えます。
最初は短時間でも大丈夫です。
初めから朝早く起きることを目指すのではなく、この「ゴールデンタイム」に活動してみてください。少しずつ、日中の活動に慣れていくことができます。
「社会との繋がり」と「心身の負担」のバランスをとりながら、焦らずに生活リズムを整えていきましょう。