社会生活への扉を叩く(後)

#不登校#行き渋り

ニート生活に見切りをつけ、「大学生」になることを決めた古川寛太さん。まずは、大学のオープンスクールに参加します。実際に「大学の授業」も体験し、なんとなく「ここでいいや」と入学を決めましたが、帰宅路の車内で気になる会話を耳にします。

連載「前略、トンネルの底から」第29回・写真は古川寛太さん)

著者

古川寛太

まあ、おあつらえ向き。それが入学志望

白いエントランスをエレベーターで上がると、そこは大学の事務室だった。

一角に通され事務員らしき方からカリキュラムの説明が始まる。学校に勤める大人とこうして向き合って話すというのは、高校生でいる間に唯一慣れ親しんだ時間である。

「高校の職員室と同じだな」と思いつつ話を聞いていたが、具体的な理解はできなかった。

「他に目当ての大学があるわけでもないし」という気持ちもあり、なんとなく「ここでいいや」と決めた。入学志望なんてせいぜいその程度だった。

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