【不登校前兆期】「通知表」がプレッシャーになる前に。親ができる“予防線”の張り方【不登校の知恵袋】
終業式が近づいてくると、子どもたちの話題にちらほらと「通知表」が登場するようになります。
その学期のしめくくりとして評価を受け取ることは、普段学校に通えている子にとっても少なからず緊張をともなうものです。
不登校の前兆期にある子どもにとっては、なおのこと。親が思う以上に“心の負荷”としてのしかかることもあります。
本記事では、そうしたプレッシャーが「きっかけ」になる前に、親としてどのような“予防線”を張れるのか、具体的な関わり方を丁寧に解説します。
子どもが安心して通知表の時期を迎えられるよう、できる準備からはじめていきましょう。
【不登校前兆期とは】
不登校は、前兆期→進行期→混乱期→回復期という経過を辿ることがよくあります。前兆期とは、「何らかの要因で、心理的な安定度が崩れていき、学校を本格的に休み始めるまでの期間」のことです。この記事は、主にこの時期のお子さんがいる保護者さんのための内容です。もちろん、それ以外の時期の方にもお役立ていただけます。不登校前兆期の記事一覧はこちら
【サポート団体を利用しましょう】
不登校のお子さんのことを、保護者だけで対応する必要はありません。不登校のサポート団体を適切に利用することで、お子さんも保護者さまも、「次の一歩」に進みやすくなります。サポート団体の探し方は、こちらの記事をご覧ください。
目次
なぜ通知表がプレッシャーになるのか
通知表は、他者(教師)の目による評価です。ネガティブなことが書かれる可能性もあります。とくに不登校前兆期の子どもは、自尊感情が揺らぎやすい状態にあります。わずかなネガティブ要素でも、深く傷つくことがあるのです。以下、解説します。
「評価」と「比較」が自分を責める材料になる
通知表に書かれた数字や文言は、子どもにとって“自分自身”を測るものとして映ります。
「体育の評価が前よりも下がってる」「先生の所見に“消極的”って書かれてる」といった記述を、単なる結果ではなく「自分が劣っている証拠」と感じることがあるのです。
また、他のきょうだいや友人との比較が持ち出されると、それが二重の負担になります。
「期待に応えられなかった」という自責感
不登校前兆期の子どもは、周囲からの期待に敏感です。
「ちゃんと頑張ってるね」「また前みたいに元気になるといいね」といった声がけですら、“自分が何かをできていない”ことへの認識につながり、自分を責める原因になり得ます。
通知表の結果が、親の期待に反しているように思えたとき、罪悪感が心を押しつぶすことがあります。
通知表は「逃げられない評価」と感じやすい
学校という場から距離をとっていても、通知表は配られるものです。
「行ってないのに成績がつくの?」
「何が書かれているか想像もできない」
そうした不確かさが、通知表に対する過剰な恐怖心を生むことがあります。



