不登校の子どもが一歩を踏み出すときにつぶやく「ひとこと」
「学校へ行きたくない」と子どもから言われたとき、親はまず何をすべきなのか。実際に学校を休み始めたあと、親はどう対応すればよいのか。そもそも、不登校の予兆となるSOSにはどのようなものがあるのか。そして、不登校で傷ついた子どもの心はどのように回復していくのか。これら、不登校の子どもを持つ親が抱える疑問や不安の1つひとつについて、これまで400人以上にインタビューしてきた全国不登校新聞社の石井志昂が解説します(※写真は石井志昂さん)。
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本日は、これまで編集者として不登校当事者の話を聞いてきた立場から、不登校の子どもを持つ親の悩みと現状についてお話ししたいと思います。「子どもから学校へ行きたくないと言われたら、どうしたらいいのか」と質問されることがあります。これは、はっきりと答えが出ています。「行きたくない」と本人が言ったら、その日は「わかった」と言って休ませてほしい。NG行動は「なんで行きたくないの?」などと聞き返すこと。なぜなら、理由を尋ねられると、子どもは追い詰められてしまうからです。
子どもが不登校になると、親は将来のことを心配します。しかし、不登校をあなどらないでいただきたいと思います。通学適齢期の6歳から18歳までの子どもが何月何日に亡くなったかという調査(図1)によると、2015年までの40年間で一番飛び抜けて多かったのが9月1日です。9月1日というのは、おおむね夏休み明けの当日です。「学校へ行くくらいなら死んだほうがましだ」と追い詰められた子どもがこれだけの数、存在するということです。未来のことなど憂いている場合ではありません。学校へ行くことが今、本人の命を脅かす問題に発展しかねないということをおぼえておいてほしいです。
当日は休ませるとして、その後はどうしたらいいでしょうか。