「イヤなことからは逃げてきました」絵本作家が見つけた生き方の極意

#不登校#行き渋り

 不登校経験者の子ども若者からも人気を集める絵本作家のヨシタケシンスケさん。取材では不登校経験者らとともに、絵本作家になるまでの背景や作品に込めた思いをうかがった。

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――絵本作家として活躍されていますが、イラストがご専門だったそうですね。

 僕は絵本作家になれると思ったことがないし、なりたいと思ったこともないんです。

 イラストレーターになったいきさつとしては、僕が大学を出たあと、社会人になるのがすごくいやだったんです。

 それでも就職はしましたが、毎日上司の悪口にいろいろなイラストを描き添えて、ストレスを発散させていました。すぐ後ろを同僚が通るので、見つからないように片手で隠しながら(笑)。

 だけどあるとき、経理の女性にイラストが見つかってしまったんです。そうしたら信じられないことに、「絵がカワイイ」と褒めてもらえました。

 それまで絵を人に見せたことがなかったから驚きました。僕は人から怒られるのは大嫌いですが、褒めてもらえるのは大好き(笑)。

 絵を認めてもらえたことがうれしくて、勢いで今までに描いていたイラストをまとめて、同人誌をつくりました。

 300部くらい刷りましたが、当然ながら無名の僕の本は全然売れません。大量の本を自宅に置きっぱなしにしているのもジャマだったので、あまっていた本はどんどん人に配っていました。

 そうしたらたまたま出版社の人の手に本がわたり、それが縁で30歳のときにイラスト集を出させてもらいました。

 その後、本を見た方からイラストの依頼をぽつぽつといただけるようになり、結果としてイラストレーターになったんです。

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