【ゲーム・スマホ特集】「その姿を見るのは、正直しんどい」保護者アンケートから②

#不登校#行き渋り#ゲーム#スマホ

「不登校オンライン」では子育て中の保護者の方を対象に、子どものゲーム・スマホ使用に関するアンケートを実施しました。

今回はその回答の中から、「子どものゲーム・スマホに関するルール」と、「子どものゲーム・スマホについて思うこと」についてご紹介します。

編集

不登校オンライン編集部

ゲームに関するルールはやはり「使用時間制限」

前回もお伝えしたとおり、ゲーム・スマホとも、心配ごととして最も回答が多かったのは「長時間使用」。
これはゲーム・スマホに関するルールにも表れています。

ゲームのルールについての回答は、すべて使用時間の制限に関するもの。ただし、制限の仕方に2つの傾向が見られました。

①1日に使用していい時間の量を決める

「1日45分」「平日は2時間、休日は3時間」など、1日の合計使用時間を決めたルール。

不登校の子どもについて、「学校の授業時間にはやらない、または1日3時間のどちらか選ぶ」という回答もありました。

②1日のうち使用していい時間帯を決める

「20時まで」「中学生は23時、小学生は21時まで」など、使用していい時間帯を決めるルール。

夜の「終わりの時刻」に加えて「朝は7時前には始めず、8時にはやめる」といった朝の使用時間を設定する回答も。
また、「寝る1時間前にはやめる」「食事中はしない」「留守番中のみ」など、ややゆるやかな時間帯制限の回答もありました。

スマホのルールはより細かい

スマホのルールの回答も、多くが使用時間の制限に関するものでした。使用時間の量よりも、時間帯の制限に特徴が見られます。
また、ゲームと異なり、使用方法に関してかなり具体的な内容を決めている例もありました。

①使用時間の制限

ゲーム同様、1日に使用していい時間の量、時間帯、夜の「終わりの時刻」に関するルール。

夜の時間帯に関して、「寝室には持っていかない」「0時〜6時までの利用停止(ネット遮断)」など、「許可」ではなく「禁止」のルールも。

②使用方法

■マナーに関するルール
「食事中には使わない」(使用時間の制限にも関連)
「場所をわきまえて使う」

■アプリケーションの使用ルール
「アプリインストール時は保護者の承認が必要」
「YouTubeで初めて見るチャンネルは保護者に見せる」

■SNSなどのルール
「悪口は送らない」
「裸などの写真は送らない」

ゲーム・スマホには悩みも希望も

アンケートの最後に、子どものゲーム・スマホの使用について、思うことを自由にご回答いただきました。

「しんどい」「つらい」と同時に、ゲーム・スマホの存在を肯定的に受け止める言葉も。
葛藤される声も多く寄せられました。

①どうにかしたい、どうすれば……

ゲーム、スマホもほどほどならよいと思う。うちは、スマホを渡してからずっと朝から寝るまで離さない。 それから不登校に。 スマホでゲーム、YouTubeなどしているときは何も考えずにいれるからなのかもしれないが、どうにかしたいのが本音。でもうるさく言うのも逆効果で……正直、何が正解かわからずどう接してよいか分からない。(ねこさん)

スマホ以外に関心を持たせるにはどうすればよいか。人生はスマホの中にはないと思う。(あやままさん)

長時間のスマホをやめさせたいけど、心の拠りどころになっていたらと思うと強く言えない。スマホを観ることで前向きになるならと思ってしまう。バランスが難しい。(ばしこちゃんさん)

今は不登校で外にも出られず、誰にも会いたがらず、唯一気楽にできるのがスマホゲームや動画であることは理解できる。だからこそ、常識を超えた使用時間を許可している。それでも足りないと暴言、暴れる息子に親として無力感が募ります
今は息子のしたいことをとことん優先するのがいいのか、と思う反面、そうして無制限にスマホを使う姿を見るのも、同じくらい私にとってストレスになると思います。いったい、どうしたらいいのか、グルグル同じ諍いを繰り返すわが家です。(やちさん)

 

②見守りたいけれど、戸惑いも

不登校当初は、スマホ、タブレット、ゲームの制限をしたが、今はもう諦めた。逆に拠りどころをなくしてはいけないと思うようになった。(仕方なく)(ケセラセラさん)

好きなときに好きなだけ、自由に情報を得ることができるようになって、便利な時代だと思う。LINEなどで簡単に友だちともやりとりができるようになった反面、文字だけのやりとりが怖いと思う。いろいろな人が、たくさんの情報を発信できるようになった分、子どもには、安全にルールを守って使ってほしいと思う。(はぴもぐさん)

ゲーム機を買ってあげてよかったとは思う。生きる活力になったと思う。でも外出や読書をはじめ、ほかのことに興味を示さなくなってしまったことは残念。(ひまわりさん)

うちの子どもはオンラインのゲームがとても好きなので、好きなことはやったらいいと思っていますが、基本的な生活習慣を守った上でやってほしいと思っています。そしてゲームだけでなく自立に向けてさまざまな経験をしてほしいです。
でも現実は願うようにはいかず、ゲームばかりで、嫌なことから逃げているように見えてしまいます。不規則な生活で外出も運動もできず、顔色も悪い、今の生活のままでは体調がよくならないのは明らか。
今の自分と向き合って自分の人生を大切に生きてほしい、ということを何とか伝えたいと思っていますが、何か言うと親子関係が悪くなるのでなかなか言えません。いい伝え方、言葉が見つからずもどかしい日々で、正直言うと本当につらいし、しんどいです。(ゆうさん)

不登校初期の頃は、こちらが「飽きないのか」と思うぐらい、一日中やってました。それがここ半年で、やっていても退屈そうにしたり「ヒマ」と言いだしたりして外での活動が増えてきています。こちらが取り上げたり口うるさく言わなくても、心のエネルギーがたまっていくと自分から離れていくんだなと実感はしています。
でもまだまだ勉強には気持ちが向かず、平均よりは多く使用しているだろうなとは思うので、使用する姿を見ているとしんどくなることがあります。(たーさん)

やたらと長時間使うことの背景には、たぶんメンタル面のつらさがあると思うので、見守りたいと思います。もちろん、本人の気持ちを聞きながら、長時間することでの身体的な問題も理解してもらえるように話もして、本人が自分でコントロールできるようになることが理想です。(サクサクさん)

 

③ポジテイブな面も知ってほしい

何度も携帯やゲームに関しルールを作ったが守れず延々とやり続けるほかに、課金をしてしまったことすらあった。そのうち不登校になり今ではゲーム以外何もしないレベル。ゲームのキャラが好きで絵に描いたり、好きなゲームのイベントに行ったり友だちのためにプレゼントしたりはするので、そこに規制をかけるのはやめた。現在はプログラミングやキャラクターデザインなど、ゲームを通じて将来的に好きな方向が見つかればいいなあと考えている。(てんさん)

学校に行かず外にも行かないのに、友だちとコミュニケーションを取り続けることができ、友だちと一緒に精神的に成長していると保護者が感じられるのは、オンラインゲームとスマホのおかげだと思っています。(かたこさん)

ゲーム・スマホをネガティブに捉える情報が先行しているため、悪いことをしているような印象を与えてしまっていると思います。オンラインゲームをしているから繋がる人間関係もあります。YouTube等々から雑学的なことを学ぶこともできます。いい面もあるということを社会的に認める流れも必要かと思います。(もこっぺさん)

 

④なるほど、そんな意見も……!?

ゲームや動画にもルビが付いていたら(もしくは付ける設定ができたら)、本のように漢字が覚えられるのにと思います。今は読み飛ばしています。(tomoraviさん)

 

* * * * * 
先が見えなくて悩んでいること。
理屈ではわかっていても心では納得できないこと。
周囲の意見とは違っていること。

アンケートの回答には、今回も「保護者のホンネ」が溢れていました。

「不登校オンライン」では、今後も不登校に関するテーマでアンケートを計画しています。
ぜひ、日ごろ誰にも相談できずにいることを、「あなたの言葉」でお寄せください。

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