【PTA特集】不登校中も6割が参加 「不登校とPTA」についてのアンケート調査結果

#不登校#行き渋り#PTA

子育て世代の就労状況、家族の様態が多様化するなか、近年、PTAのあり方についての議論や新しいムーブメントが大きく報じられています。
不登校の子どもの保護者の場合、PTAは自分の子どもが行けない/行かない学校での活動です。そこに意義を見出す人もいれば、傷つき、疲弊する人もいます。

「不登校オンライン」では、子どもの不登校・行き渋りを経験している保護者を対象に、PTAに関するアンケート調査を実施しました。

その結果、子どもが不登校中でも6割以上の保護者がPTAに参加していることが判明。一方で、5割以上が「不登校に関連して、PTAは、自分・配偶者・子どもの役立っていない」と認識していることがわかりました。

編集

不登校オンライン編集部

1. 回答者の属性

今回のアンケートには、102名の保護者の方からご回答いただきました。
ご回答者のお子さんの不登校・行き渋りの状況は、以下の通りです。

現在……74名
以前……22名
その他……6名

「その他」と回答された方も、別室登校、毎日遅刻など、お子さんが登校に何らかの困難を抱えていましたので、広い意味で「行き渋り」と捉えられます。

今回ご回答いただいた方のお立場は、母親が97名と圧倒的多数、父親が4名、祖母が1名(両親不在)でした。

2. 登校・行き渋り前、不登校・行き渋り中のPTA活動参加の変化

お子さんの「不登校前」と「不登校中」のPTA活動への参加状況を、回答者ご本人と配偶者それぞれについて尋ねました。
不登校前、不登校中ともに回答者本人(大多数が女性)の参加が多く、配偶者(大多数が男性)の参加が少なくなっています。
全体的に、子どもの不登校中はPTA活動から距離を置く傾向が見られました。それでも、6割以上が参加しています。

※「参加」は「積極的に参加」「必要なときだけ参加」の合計。「その他」は自由記述内容から「参加」または「不参加」に振り分けています。

回答者ご自身のPTA参加

〈回答内訳〉
■不登校前
「積極的に参加していた」……29名
「必要なときだけ参加していた」……54名
「参加していなかった」……13名
「その他」……6名(「参加」5名、「不参加」1名)

■不登校中
「積極的に参加している」……23名
「必要なときだけ参加している」……33名
「参加していない」……37名
「その他」……9名(「参加」7名、「不参加」2名)

配偶者のPTA参加


〈回答内訳〉
■不登校前
「積極的に参加していた」……2名
「必要なときだけ参加していた」……22名
「参加していなかった」……70名
「わからない」……0名
「配偶者はいない(当時いなかった)」……8名

■不登校中
「積極的に参加している」……0名
「必要なときだけ参加している」……16名
「参加していない」……78名
「わからない」……0名
「配偶者はいない(当時いなかった)」……8名

参加状況の変化

子どもが不登校になったあとの、PTAへの参加状況の変化を保護者の性別ごとに見てみます。
※回答者本人と配偶者それぞれの参加状況から特定。

■女性(母親・祖母)
 (不登校前)参加  → (不登校中)不参加 ……29名
 (不登校前)不参加 → (不登校中)参加  ……5名

■男性(父親・祖父)
 (不登校前)参加  → (不登校中)不参加 ……9名(単身赴任等、不登校と無関係の事由が2名)
 (不登校前)不参加 → (不登校中)参加  ……5名

特筆すべき少数のケース

■不登校前より不登校中の方が積極的に参加
・不登校前には必要な時だけ参加していたが、不登校中は積極的に参加。
・不登校前には不参加だったが、不登校中は学校との繋がりを保つために積極的に参加。

■男性(父親・祖父)の参加
・不登校前と変わらず、不登校中も積極的に参加。
・不登校前は不参加だったが、不登校中は「父親の会」ができたことで参加するようになった。
・不登校前には役員に立候補するほど積極的に参加していたが、子どもが不登校になった途端にまったくPTAに関わらなくなった。

3. PTA活動に参加する理由・参加しない理由

次に、お子さんの「不登校・行き渋り中」PTA活動への参加・不参加の理由を複数回答形式で尋ねました。
参加理由が「繋がりへの期待値への高さ」であった一方、不参加理由は「繋がりへの期待値の低さ」と、対照的な傾向が見られました(グラフ中の数字は回答件数)。

4. PTAは役に立っている?

不登校・行き渋りに関連して、PTAが、回答者本人・配偶者・子どもにとって役立っているかどうか尋ねました。
回答者本人、配偶者、子どものすべてにおいて、半数以上が「役に立っていない」と回答しています。

「まったく役になっていない」「むしろ子どもの状況が悪化した」と回答した保護者がいる一方で、PTA主催行事や会報を通して子どもや保護者にポジティブな影響があったケースも見られました。

〈調査概要〉
アンケート名称:不登校オンライン_2024年12月「不登校とPTA」についてのアンケート
調査目的:
・不登校・行き渋りの子どもの保護者の、PTAとの関わり方の実際を知る。
・不登校・行き渋りの子どもの保護者にとってのPTAのあり方、不登校の保護者のPTAとの上手な付き合い方を探る。
調査対象:
・現在、お子さんが不登校・行き渋りである保護者さま
・以前、お子さんが不登校・行き渋りだった保護者さま
調査期間:2024年12月12日(木)~2024年12月18日(水)
調査方法:Googleフォームを用いたインターネット調査
回答数:102名

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次回は、それぞれの数字のウラ側の保護者のホンネを詳しくご紹介します!

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