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不登校川柳、優秀作品のご紹介:本人(当事者・経験者)編〜162句から見えた「今」と「あの頃」のリアル〜

#不登校#行き渋り#川柳

2025年2月、「不登校オンライン」では《大募集! みんなの不登校川柳》を開催。390句もの心のこもった作品が寄せられました。ご応募くださった皆さま、誠にありがとうございました。

そしてこの度、選定結果を発表いたします。本記事では、「不登校の“本人(当事者・経験者)”」の方から寄せられた162句の中から、編集部が選んだ大賞・優秀賞・佳作の35作品をご紹介します。

そこには、不登校の日々に感じた葛藤や、ふと笑ってしまう“あるある”、そっと抱いた希望など、当事者だからこそ詠めるリアルな想いがつまっています。

どうぞ、一句一句に込められた、等身大の声に触れてみてください。

※「作品に込めた想い」は、原文をそのまま掲載しています。
※今回は選外となった作品も、素晴らしいものばかりでした。この記事では数を限定して紹介しておりますが、別の機会に紹介させていただく可能性がございます。

編集

不登校オンライン編集部

大賞作(1作)のご紹介

まずは、大賞作です。

学校に 行かなくたって 成長中
「アトランティスみゆう」さん

【作品に込めた想い】中学生の頃、不登校でした。行っていない間は人が知らないような知識を本から吸収したりネットから吸収したりして、確かに成長していたと今になり思います。

「アトランティスみゆう」さんには、Amazonギフトカード(3,000円分)をプレゼントいたします!

優秀作(1作)のご紹介

続いて、優秀作をご紹介します。

正解が わからないのは 僕もだよ
「しゃむさら」さん

【作品に込めた想い】学校に行きたくない時期は、とにかくどうしたら良いのかわかりませんでした。ただ、あの場所には行きたくないという気持ちだけを覚えています。今考えると、兄弟や親も同じように悩んでいたのかもしれない。そんな思いをあの時の自分や家族に向けて作品にしました。

佳作(33作)のご紹介

続いて、佳作をご紹介します(順不同です)。

今何時? まだ夕方か いや朝だ
「ケン太郎」さん
【作品に込めた想い】部屋でうとうとして寝てしまった時、時間の感覚が分からず夜なのか朝なのかわからない時の思い。実際どっちでも特に影響はないのたけれど。

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教室に 魔物がいるの きっとそう
「しゃむさら」さん
【作品に込めた想い】幸運なことに、私はいじめにあったわけでもなく勉強についてないわけでもありませんでした。しかし、どうしても教室という場所に居心地の悪さを感じてしまい、何度も行き渋ったことがあります。当時のそんな思いを込めて、この作品を作りました。

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動画見て 豆知識だけは 増えていき
「英単語は覚えられない」さん
【作品に込めた想い】学校へ行けなくなり、昼間寝ているのも違うなぁとは思うけど、何もやる気が出ず、ずっと動画を見ていました。とりあえず、どうでもいい知識だけ増え母に「そんなのは知らない」と、よく言われます。

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親がいる 居心地悪い 日曜日
「なゆみ」さん
【作品に込めた想い】親が仕事の平日は気楽に家で過ごせるけれど、親が休日の日はいつ自分の部屋に入ってくるか、そわそわする‥そんな思いを込めました。

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行き過ぎた 心配ちょっと プレッシャー
「ゆっちーず」さん
【作品に込めた想い】どうしたの?病気じゃないの?と
ずっと言われるとどんどん自分を責めたり、プレッシャーになってしまった経験から。
そっと見守る、寄り添ってくれるとうれしい。

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将来の 夢だけ大きい ひきこもり
「風吹けば不登校」さん
【作品に込めた想い】これは、希望を捨てない、いや何でもいいから不安から逃れて何かにすがりたい、という不登校だった私の心情を詠んだ作品です。今は無事学校に登校できていますが、そうなれたのは自分自身の夢を捨てないこと、わくわくする事が出来たからだと思います。今が辛くても、それはあなただから乗り越えられる、あなただけに与えられた、所謂人生のミッションだと私は思っています。まだ若く、世に出て間もない私たちにこんな大きなミッションを突き付けられるなんて、たまったもんじゃないですよね。。。でも、一つだけ言えることがあります。この試練は、あなたしか乗り越えられないという事です。だからこの先10年、20年とどんなに時間がかかろうと、ゆっくりゆっくり自分を癒してあげればいい。私はたまたまかかった時間が少なかった、ただそれだけの違いなのです。きっと大丈夫、自分を信じて!応援してるよ。

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晴れの日も 布団の中で 雨を聴く
「みわ」さん
【作品に込めた想い】いい天気の日よりも、雨の日の方が落ち着く。なんか家にいてもいいよって雨の音が言ってくれている気がしました。でも雨の日ばかりじゃないから、雨になれ~という想いをよみました。

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夜型の 英才教育 だったかも
「元サナギ」さん
【作品に込めた想い】今は完全に夜型の仕事をしています。学校に行きたくなかった中学生の頃は文字通りこのまま朝が来なければ良いと願っていましたが思い返せばあれは、今の仕事に就くための英才教育だったのかもしれません。

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その理由 説明できず 悩んでた
「ぴんくの」さん
【作品に込めた想い】私が子どもの頃、行きたくないと思ってたのですが、その理由について問われるといろいろ混乱して説明できませんでした。

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耳障り 夕方4時の はしゃぐ声
「Kurumi@mango」さん
【作品に込めた想い】夕方4時の下校時間になると響いて来る学校に「行けている」人達の声が聞こえて来ると、焦った気持ちになった事を今も覚えている。

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どうやって 学校行くか 分からない
「唯織」さん
【作品に込めた想い】今は毎日学校に通っていますが、不登校だったときや長期休み明け、どうやって毎日学校に通っていたのか分からなくなります。毎日行ける精神力、凄いし偉すぎるなと我ながら思います。

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自室から 出られただけで もう百点
「とんぼ玉」さん
【作品に込めた想い】昔、私は引きこもりで自室から出て家族と話すこともままならなかったのですが、今はボランティアやアルバイトなど、様々なことにチャレンジできているので、あのとき自室から出て来るという決断をしたのは大きかったなと思いました。

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明日からは 行こうと思う 新学期
「シュガー」さん
【作品に込めた想い】新しい学期の前には休みがあるので、その休みを利用して心機一転、明日から新学期に向かおうとする子供の願い。

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泣きながら 母に連絡 頼む日々
「でこぽん」さん
【作品に込めた想い】学校を休む電話を母にかけてと頼みながら泣いていました。母はなぜ学校に行きたがらないか、理解していなかったと思います。

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不登校 腹痛頭痛 どこ痛い
「うららん」さん
【作品に込めた想い】行こうと思うとどこかがいたくなる。

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「明日こそ」 言ったくせして 眠れない
「烏賊目隠喩」さん
【作品に込めた想い】不登校だった中学/高校時代、学校に行けなかった日に限って「明日こそ学校に行く」というやる気、言い換えれば焦りが強く出がちでした。「明日こそ7時に起きる」「明日こそ朝ご飯を食べる」「明日こそ行ってきますと言う」「明日こそ校門をくぐる」「明日こそ給食まで学校にいる」といった「明日こそ」の呪いは強く、親の前で「明日こそ」を宣言した日の夜は、かかさず布団の中で、「どうして出来もしないことを言ったのだろう」と自分を責めていました。

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何曜日? 毎日休日 知りません
「三度の飯」さん
【作品に込めた想い】休んでいると曜日感覚がなくなり、毎日休日のようなものなのでその状況を川柳で表しました。

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理由はない だけど学校 行きたくない
「スカーレット」さん
【作品に込めた想い】小学生の時の気持ちです。
大人は理由を聞いて解決したがりますが、行きたくない明確な理由がないのです。だけど行きたくない。だから何が嫌なのか聞かれても困ります。隠しているわけではなくて、自分でも分からないのです。

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お前らで 勝手にやってろ 「あおいはる」
「八中ジケン」さん
【作品に込めた想い】特定のコミュニティに所属しているだけで「俺らの青春」と思ってる連中が多いこと。否定する気はないが、定義は何かと伺ってみたい。

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同い年 青春してる 羨ましい
「さき」さん
【作品に込めた想い】偶然同い年の子が友達と帰ってるところを見かけてしまい自分は学校にも行かずにバイト先に向かってる時毎回虚しくなってしまいます

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あの子来た くすくす笑い まじで鬱
「ぴーす」さん
【作品に込めた想い】自分の世界は学校だけで、そこで仲間外れにされていること・見下されていると感じることが怖かったです

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月曜の 朝よ来るなよ どっか行け!
「みーちゃんの愛娘。」さん
【作品に込めた想い】学校が苦痛だった頃は、とにかく月曜日の朝が苦手でした。学校の始まる月曜日が近づいてくるたびにお腹や頭が痛くなったものです。

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母の声 優しさ溢れ 心痛い
「ましろ」さん
【作品に込めた想い】母はいつも心配で優しく声をかけてくれました。その優しさに応援、支えられつつも、学校を行くことができていない自分に嫌気がさし、母のその優しさに心が痛みました。

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ダンボ耳 会えない親戚 声変わり
「ケン太郎」さん
【作品に込めた想い】親戚が集まるお正月やお盆などの行事の際に、2階の部屋から出て行かずに静かに帰るのを待っている時。やはり気にはなり、耳をダンボにして聞いてみると、声変わりしている子がいて時の流れを知った。

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起動音 みんな知らない 知り合いと
「天ぷらゼット」さん
【作品に込めた想い】中学時代、オンラインゲームを不登校時代に熱中していました。顔も声も名前も知らないけど、ゲーム上のニックネームで呼び合う友達。「仕事終わりにログイン」垣間見える自分よりは遥かに年上のリアル生活の友人。学校のみんなが知らないネット世界の知り合い、友達が心の支えでした。「学校のみんなが知らない」と「匿名という意味でのみんな知らない」を言葉にして想いを込めました。大人になった今、あの時一緒に時間を過ごしてくれたリアルではないネット世界の友達は、今どこで何をしているんだろう。

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春が来る 桜よ早く ちってくれ
「みずいろりぼん」さん
【作品に込めた想い】こちらも新学期が始まる怖さを書きました。桜が咲く頃はみんなにとって新たな出会いがありワクワクとドキドキの時期です。でも私にとったらまたみんなと同じように進めなかった、始まらなかったという苦しい気持ちの始まりです。だから春が嫌いで、桜が嫌いです。春が早く終わってみんなも楽しんでいない、普通の時期になってほしいという意味です

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痛み越え 中年の今 学ぶ日々
「雪達磨」さん
【作品に込めた想い】同級生の暴力と教師からの性被害を引きずり、高校は全日制から通信制への編入、大学受験は出来ませんでした。けれども、学生時代から遠く離れた今年31歳となる私は、小学生用のドリルや参考書から初めて、今中学時代の勉強をしています。やっぱり学びは楽しくて、だからこそ今、不登校に苦しむ人達も、けして希望を捨てないでほしいです。学ぶことはいつでも出来ます、安心して学べる時まで、生きていることが大事です。

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籠城と ポテトチップス 狭い部屋
「旧もりりん」さん
【作品に込めた想い】家から中々出られない日々がありました。ポテトチップスはどんな時でも美味しかった。

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行くかもね そう言いつつも 二度寝する
「うい」さん
【作品に込めた想い】不登校期間中に毎回やってました笑

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見守って くれてた恩を 子に返す
「しおりどん」さん
【作品に込めた想い】不登校になっても見捨てずに育ててくれた母の愛に気付きました。
この恩は子供に返し、子供が不登校になっても見捨てずにいようと思いました。

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卒アルに 写らんそれが 問題か?
「アトランティスみゆう」さん
【作品に込めた想い】中学の卒業アルバムの個人写真を撮るように当時の担任から言われましたが、嫌と押し切り卒アルすら貰っていません。今になっても別に人生に関係ないし大したことではないと思うので、もし悩んでいる人がいたら一緒に「何が問題なんだ」と笑い飛ばしたいです。

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行けない日 誰より自分が 責めている
「まる」さん

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深夜ラジオ 色々出来そう 朝までは
「豚卵」さん

最後に〜声にならなかった「心のつぶやき」に耳をすませて〜

不登校川柳には、「誰にも言えなかった気持ち」や「うまく言葉にならなかった想い」が、五・七・五にそっと収められていました。

行きたくても行けなかった日。理由がわからないままに苦しんだ夜。優しさに傷ついてしまった朝。
それでも、「自分なりに生きていた」時間の中で芽生えた気づき、癒し、そして希望。

どの句からも伝わってきたのは、不登校であったことが“間違い”ではなく、その人の人生の一部として、確かに意味を持っているということです。

読んでくださったあなたが、不登校だった日々を少しだけ優しく振り返れるように。
今まさに悩んでいる誰かが、「自分だけじゃない」と感じられるように。

不登校オンラインが、みなさまの「想い」を繋ぐ一助となったなら幸いです。

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