家庭での虐待と学校でのいじめを生き抜いた女性が救われた「人との繋がり」

今回お話を聞いたのは、れいなさん(20歳)。幼いころから家庭での虐待と、学校でのいじめに苦しんできました。「当時、家が異常だったことに気づかなかった」と語るれいなさん。自分を助けてくれた少数の大人たちに、とても救われたと言います。「苦しかったけれど、自分を助けてくれた人がいる。だから自分も誰かを助けてあげたい」と語るれいなさんに、当時のことや現在の心境をお聞きしました。

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 私は保育園に行っていたころから、親から虐待を受けてきました。家の手伝いをしないとご飯抜きになったり、「お兄ちゃんはできるのに、あなたはできないの?」などの差別的な言葉を受けてきました。親の暴力で骨が折れたこともありますし、親がキレて包丁が飛んできたこともあります。

 また学校ではひどいいじめを受けてきました。小学生のときには、クラスのほぼ全員から「死ね」と言われていて、ときには「屋上から飛び降りろ」と言われたこともありました。中学に入ってからも「なんで生きてんの?」みたいなことも言われました。

 そんなでしたから学校はめちゃくちゃつらかったけれど、家にいるよりはまだマシでした。学校に行ったら何より給食があるじゃないですか。家ではご飯を食べさせてもらえなかったので、なんとか栄養を摂って生き延びるために学校に通い続けていました。

助けてくれた音楽の先生

 家庭がこんな異常な状態だったのに、私はそのことに気づきませんでした。むしろ私の家はふつうだと思っていたんです。その認識が変わったのは、中学2年生のときに学校で、家の話をしたことからです。

 私は仲がよかった音楽の先生に、あたりまえのことを話すように「家でこんなことがあったんです」と半分笑い話のように話していたら、「大丈夫?」となって。その後、児童相談所に2週間、保護されるようになったんです。その先生は、私の体形が細すぎたこともあり、以前から私のことを気にしてくれていたようでした。

 児童相談所につなげてくれた音楽の先生には、本当に感謝しています。家での話をすると「うそでしょ」とまともに聞いてくれない友人や先生も多かったなか、この先生はちがいました。
 また、音楽の先生はいじめられていたときも助けてくれました。

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