「冬休み、どうする?」不登校の子どもと過ごす年末年始のコツ

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いよいよ年の瀬。

大人にとっては大きな節目です。不登校の子どもにとってはどうでしょう?

メディアの喧騒が夏休み以上に特別感を醸し出すこの時期、不登校の子どもも、普段とは違った雰囲気を感じ取っています。

不登校オンラインがお伝えしたい、冬休みの過ごし方のキーワードは「静」。
冬休みをおだやかな気持ちで過ごすための、心がけのヒントをお届けします。

編集

不登校オンライン編集部

冬休みは不登校の子どもも「お休み」

「不登校の子どもは、冬休み以外の時期も、いつもお休みでしょう?」

そう思われがちですが、これは大きな誤解です!
不登校の子どもにとっても、冬休みは「お休み」です。

学期中の平日の朝は、社会が動き出す「音」に満ちています。朝のテレビ番組、キッチン家電、洗面所の水音、その他雑多な朝のバタバタ。そして、家の周りから聞こえる「登校する人たちの声」。
1日の始まりの音は、不登校の子どもにプレッシャーをかけ続けます。

日中も、「学校へ行っていない」ことへの後ろめたさを感じます。「みんなにズルいと思われてないかな」「今度先生に会ったら怒られるかも」「勉強どうしよう」。

昼間ずっと寝ていても、夜遅くまでゲームをしていても、不登校の子どもの心は休めていないこともあるのです。

でも、冬休みは違います。

みんなが「お休み」だから、不登校の子どもも心おきなく「お休み」できるのです。

そして、年末年始は多くの大人にとっても「お休み」です。夏の「お盆休み」と比べて静かな過ごし方を好む人が多いことも、この時期の「お休み」感を高めています。

冬休みは、不登校の子どもが「登校」からも「活動」からも解放される、貴重な時期なのです。

年末年始に「勉強の話」は慎重に

目標達成など、何か状況を変えようとするときに有用な考え方に、「フレッシュスタート効果」があります。近年、アメリカを中心に研究されているものです。

週の初め、月の初め、誕生日などの節目に行動を起こすと、目標を達成しやすくなるというものです。とくに、「年の初め」は最も大きな節目のため、効果が高まるとされています。

日本にも古くから、「一年の計は元旦にあり」という言葉があります。「新しい年の初めに新しい目標を」というアイディアに、あまり違和感はないでしょう。

しかしここで、保護者の方に注意していただきたいことがあります。

実は、不登校の子どもに、年末年始に「勉強」を促す言葉をかけるのは、やめておいたほうがよいことが多いのです。

しばらく勉強が止まっている不登校の子どもは、その状況を気にしていないわけでは決してありません。学年や不登校の段階にもよりますが、誰よりも本人が焦っているということもあります。

そこへ保護者から「新年からは勉強を」と言われれば、焦りが増して、イヤな気分になります。素直に保護者の言葉を聞ける子どもは、多くはありません。

さらに、年末年始のイヤな記憶は、「つらい年だった」「今年はいいことがなさそう」と、一年全体をネガティブなものとして印象づける可能性があるのです。

もちろん、本人が自発的に「一年の計」として勉強の目標を立てるなら、ぜひ応援してください。

子どもの目標達成のための「保護者のサポート目標」を一緒に立てるのもよいでしょう。その場合も、「お互いにとって無理のない範囲で」というスタンスを、どうぞお忘れなく。

帰省や親戚付き合いは無理せず

年末年始の帰省や親戚付き合いは、子どもが不登校であるかどうかに関わらず悩ましいものです。

子どもも、「お年玉をもらえる」「甘えられる」というメリット・期待と、「学校や進路の話題が出るかもしれない」というデメリット・不安の間で揺れ動いていることがあります。

会う予定の親戚には、事前に子どもが避けたがっている話題について伝えるなど、「根回し」をしておくのが理想ではあります。しかし、親戚との関係性によっては難しいケースもあるでしょう。

子どもが不登校であることを言い出しにくい場合には、近況に関する会話をしなくてもいいアクティビティ(映画鑑賞、カードゲームなど)の時間を増やすと、その間は子どもが安心して過ごすことができます。

親戚とはいえ人間同士の関わりですから、イヤな思いをすることが避けられないケースもあります。

子どもが傷ついた場合、その傷つきが長引かないように、後で保護者がしっかりケアしましょう。
少しくらい、一緒にグチを言ってもかまいません。子どもも保護者もスッキリしたら、あとは忘れてしまいましょう。

なお、子どもの心身の調子がすぐれないなら、思い切って帰省や集まりをキャンセルしましょう。

年末年始のお出かけ先は、交通機関を含めて大混雑します。無理をして子どもの不調が増長してしまうより、一時的に親戚の心象を悪くするほうが、ずっといいのです。

年末年始は子どもも保護者もしっかり休んで

年末年始は、多くの大人にとっても「お休み」です。

「年末年始も仕事」「仕事は休みでも、家事や子どものケアは休めない」という方も、力を抜けるところは抜いてください。普段めいっぱい根を詰めているみなさんですから、少し力を抜くくらいがちょうどいいかもしれません。

「何かをするための目標」はすばらしいです。
保護者のみなさんには、それと同じくらい、「何もしないための目標」あるいは「自分のための目標」も、大切にしていただきたいと願っています。

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