
高認は就職に不利? 大学進学・就職のリアルな選択肢を比較!【不登校の進路相談室】
高認(高等学校卒業程度認定試験、高卒認定)の取得は、お子さんの将来の選択肢を広げる有効な手段の一つです。
高認を取得すると、高校を卒業していなくても、大学・短大・専門学校などの受験が可能になります。また、「高卒資格」が必要な、一部の公務員試験や資格試験も受験可能になります。
一方で、「高認は、就職に不利になるのでは?」といった不安をお持ちの方もいらっしゃいます。
この記事では、「高認と就職」について具体的な情報を提供し、お子さんにとって最適な選択肢を見つけるためのヒントをお伝えします。
【最初に:サポート団体を利用しましょう】
不登校や高校中退のお子さんのことを、保護者だけで対応する必要はありません。不登校のサポート団体を適切に利用することで、お子さんも保護者さまも、「次の一歩」に進みやすくなります。サポート団体の探し方は、こちらの記事をご覧ください。
目次
1. 高認取得後すぐの就職活動では、「学歴」の点で不利になることはある
結論から言うと、高認の取得後にすぐ就職をしたい場合は、不利になることがあります。
これは、「高認取得は、高卒資格と全く同じというわけではない」ためです。
高認取得は、「学歴」にはならないのです。
つまり、「高認を取得しただけでは学歴は中卒のままであるため、高卒資格で応募できる求人に応募できないことがある」ということです。
ただし、先述の通り、一部の公務員試験や資格試験は、高認を高卒と同等にみなしてチャレンジできることもあります。また、一部の民間企業でも、そのように扱われることもあります。
気になる場合は、求人元に確認したり、「高卒と高認を同等とみなす試験」を調べたりしてみましょう。
- 参考として、高認取得で受験可能になる国家公務員・国家資格は、文部科学省ウェブサイトの「高等学校卒業程度認定試験の合格を高等学校卒業と同等とみなしている採用試験、国家資格一覧」で紹介されています。地方公務員や他の資格については、それぞれの役所や実施団体で確認できます。
特に民間企業の場合、「聞いてみたらOKだった(前例はないがOKになった)」ということもありえます。
そして、高卒が必要な求人に高卒認定で応募する場合、「高卒認定であること」を有利にするためのアピールする方法もあります(後で紹介します)。
補足1:年齢の観点から不利になることもある
18歳未満の場合は、年齢の観点から不利になることもあります。
あくまで一例として、自動車の運転免許は18歳になるまで取得できません。16歳で高認を取得したとしても、その時点では、運転免許が必須の職業には就けないということです。
他にも、未成年者の労働については、未成年者を保護するために、各種の制限があります。
補足2:高認以上の学力が必要になることもある
高認の試験範囲は「高校1年生の内容」です。
多くの「高卒を対象とする求人(の試験など)」では、「高校3年生までの内容を学んでいること」を前提としています。また、「高校では学ばないが、その求人やその資格に必要な知識」もあるでしょう。
高認のための勉強に加えて、就職や資格試験のための勉強も必要になるということです(逆に言うと、その勉強ができれば、「高認だから不利」ということはありません)。
2. 大学・短大・専門学校などを卒業すれば、不利にならない
続いて、高認の取得後に大学・短大・専門学校を卒業した場合(≒各学校に在籍しつつ、卒業見込みがあり、新卒の就職活動を行う場合)についてです。
この場合は、「高認だから不利」ということは、基本的にはありません。
この場合の就職活動では、