一緒に悩んでくれる親がいるだけで、子どもの希望。『保健室経由、かねやま本館。』の著者・松素めぐり先生からの、不登校の親と子どもへのメッセージ〜
小説『保健室経由、かねやま本館。』シリーズなどで知られる、小説家の松素めぐり先生。
同シリーズでは、お悩みを抱える中学生の心情が丁寧に描かれており、中学生はもとより、多様な年代から大人気を博しています。
今回、不登校オンラインでは、松素めぐり先生に「“悩みを抱える子ども”を、大人はどう受け止められるのか」をテーマに寄稿をいただきました。
また、親御さんだけではなく、「今、不登校で悩みを抱えているご本人」へのメッセージもいただいています。
『保健室経由、かねやま本館。』と同じく、じんわりとあたたかい気持ちになれる文章を、ぜひご覧ください。
目次
- 『保健室経由、かねやま本館。』は、「苦しかった中学1年生の自分」に向けて書き始めた。でも次第に…
- 近所の小中学生たちと「人と人」として接している。子どもたちから教えてもらうことばかり
- 子どもの話を聞くときは、親の自分が先に結論を出さないようにしている
- 辛かった中学生時代。親との関係は良好だったが、友達からの評価がほしかった
- 辛かった時期、親でも先生でもない大人が親身になってくれたことが救いになった
- 「親は仕事を辞めるべきか…」不登校のお子さんにとっては、「真剣に悩んでくれる親」がいること自体が希望
- 我が子であっても「わからないこと」ばかり!違いを面白がりつつ、共鳴はうれしい
- 今、不登校で悩みを抱えている子どもたちへのメッセージ〜あなたは本当に本当にひとりじゃない〜
- 今、お子さんの不登校で悩みを抱えている親御さんへのメッセージ〜いつか必ず愛は届く〜
『保健室経由、かねやま本館。』は、「苦しかった中学1年生の自分」に向けて書き始めた。でも次第に…
――『保健室経由、かねやま本館。』は、もともとどのような思いを込めて執筆されたのでしょうか。また、第1巻(2020年刊行)の執筆当時と2026年1月現在(既刊8巻)で、思いの変化はありますでしょうか。
私自身、学生時代を振り返ってみると、中学校1年生の時が一番苦しかったんです。自己嫌悪と不安で、毎日押しつぶされそうな感覚で……。
でも、そこから抜け出すことができて、今の自分がある。だからこそ、タイムカプセルで手紙を届けるみたいに、「当時の自分へ向けて」物語を書きたいと思いました。それで生まれたのが、第1巻です。
執筆当時と今では、心に大きな変化があります。
読者の方からお手紙を頂いたり、いろんな方からお話を聞く機会が増えたことで、生きづらさを感じている方がこんなにもいるのだと改めて知りました。
私自身、本によって救われた経験があるので、「物語を通して、わずかでも光を届けたい」と、身が引き締まるような気持ちで臨むようになりました。
最初は、「過去の自分のため」に書いていましたが、今は「悩み悶えている同志」に、メッセージを送るような心境です。
近所の小中学生たちと「人と人」として接している。子どもたちから教えてもらうことばかり
――『保健室経由、かねやま本館。』では、お悩みのある中学生の心情が丁寧に描かれています。描写にあたって、特に大切にしている視点や距離感はありますでしょうか。また、そうした視点や距離感は、どのようにして身につけられたのでしょうか。
息子たちが通っていた幼稚園が閉園になり、その園舎を使って始まった「子どもたちの居場所づくり」の活動で、近所の小中学生との交わりを持っています。



