「公立の学びの多様化学校の増設を」保護者の要望はコレに尽きる!!

「不登校オンライン」では、子どもの不登校・行き渋りを経験している保護者を対象に、学びの多様化学校に関するアンケート調査を実施しました。
多くの方が「子どもを学びの多様化学校へ通わせたい」と回答しましたが、実際には厳しい現実が。また、「通わせたくない」と回答した方からも、具体的で前向きなご意見が寄せられています。
今回は、在籍未経験者の保護者から寄せられた、「学びの多様化学校に関するご意見、お考え」をご紹介!
前回記事
9割が「通わせたい」と回答 「学びの多様化学校」アンケート結果
学びの多様化学校で迷う保護者たち「うちの子に合う? 合わない?」
実際どうなの? 「学びの多様化学校」経験保護者が語るリアル
設置数
※以下、各コメント末尾の( )内は回答者のペンネーム・お子さんの現在・通わせたいかどうか。
もっと積極的に自治体に開校のノウハウを伝えて、数を増やしてほしいです。
このような場所が合う子もいると思うので、いろんな種類の居場所ができるのはいいことだと思います。でも動きが遅過ぎて、わが子には間に合わないだろうと感じています。
開校の際には、場所だけでなく、そこにいる教員の研修、教育などをしっかりしてほしいです。(ふむふむさん・小学校4年生・中学校2年生・通わせたくない)
不登校や行き渋りの場合、ごく近所の学校でも通えていない状況なので、現時点の限られた設置状況では、正直内容がどうあれ、助けとなる度合いは限られるように思います。
とはいえ、オンラインでの学習による学びの継続や、卒業認定など、存在意義も非常に大きいと思います。(リリさん・中学校2年生・通わせたくない)
受け入れ人数が少ないため、入りたくても入ることができないのがつらい。(モカさん・小学校6年生・通わせたい)
通いやすさ
とても大切な場所だと思います。もっと数が増えて、現実的に通いやすい場所にあるといいです。(なおさん・小学校3年生、中学校2年生・通わせたい)
子どもが自分で通える範囲にできたらありがたい。(すーさん・中学校2年生・通わせたい)
近くにないので、ぜひ徒歩圏内にできてほしい。(りぃさん・小学校5年生・通わせたい)
今住んでいる地域に不登校の子どもたちが安心して通える場所がないので、開設してほしい。(まろさん・中学校1年生・通わせたい)
地域的公平性
小さい規模で、何キロ圏内に1カ所など、地域によって不利にならないように作ってほしい。(さたさん・中学校1年生・通わせたい)
1つの都道府県に1つは公立の学びの多様化学校ができたらありがたい。(あゆさん・小学校6年生・通わせたい)
地方在住だと学びの多様化学校がほとんど設置されていない。すべて平等にとはいかなくても、住んでいる地域で格差が広がるのは望ましくない。(すずさん・中学校2年生・通わせたい)
地域(人口格差もありますが)、デイサービスすらない地域から、自費で引越しを余儀なくされる家族もいるのを知ってほしいです。現実、経済的な負担は公立学校より多いです。家族の多様化(ひとり親、里親など)を知ってほしいです。(jsさん・小学校4年生・通わせたい)
学びの多様化学校の見学に行ったが、移住しなければならず、現実は難しい。来年度、県内に学びの多様化学校ができるが、その市内に住んでいないと入学申請できないとのこと。同じ県内でも住んでいる場所によって不登校支援が受けられたり受けられなかったりと、不公平。学びの多様化学校は希望する生徒みんなが入学できるようにしてほしい。(めいぷるさん・小学校3年生・通わせたい)
自宅から通えるところにない。多様化学校がある自治体に転居し、一度その地域の学校に通ってから不登校実績がないと、申請することができないように感じられた。子どもの選択肢をもっと広げたい。(ありさん・小学校2年生・通わせたい)
連携
各学びの多様化学校が、周辺地域の協力団体や学校、家庭や塾などと連携して学びの多様化学校のサテライトをたくさん作り、各児童、学生が徒歩で通学できる範囲に、オンラインで本校とつなぐ拠点とするなど、完全な登校でなくても、対面で人とつながれる居場所を設けていただけたらいいなと思います。(リリさん・中学校2年生・通わせたくない)
民間のフリースクールや市の運営の教育支援センターと連携をとってほしい。また行けなくなる可能性があるため、橋渡しをしてほしい。ハブになってほしい。(はるたんさん・小学校4年生・通わせたい)
費用
通わせるのにも私立だとお金がかかります。フリースクールと同様に、国がもっとお金の面も支援すべき。子どもが不登校になると親は経済的にも精神的にも追い詰められる。(ゆっこさん・小学校5年生・通わせたい)
学びの多様化に関して、まだまだ足りてないと感じています。個人の力、個人のお金でなんとかやっているのが現状です。もっと国や自治体の支援のもと、個人の負担がなくす、もしくは軽くし、学びの多様性を皆が享受できるようになってほしいと切に願います。(しろさん・中学校3年生・通わせたい)
不登校の子はお金がかかり過ぎる。フリースクールや通信制の学校など高額。金銭面でも悩みたくない。何重にも苦しみがあり、親は子どもを支えなきゃいけないのに、笑って支えたいが、全てを投げ捨てたいくらいツライ。(さとこさん・中学校3年生・通わせたい)
公立、県立の多様化学校に、学区外でも通えるようになってほしい。シングルマザーでは、私立には通わせられない。(かなさん・小学校6年生・通わせたい)
送迎などの負担
どうしても送迎の問題がでてきてしまい、仕事の制限がでてきてしまいます。ひとり親家庭なので、生計を保つためには送迎があれば安心できるので、そのように対応してくださる学校があればなぁ、と切に願います。(肉球をこよなく愛すママさん・小学校5年生・通わせたい)
場所にもよるかもしれないが、給食がない、送迎が必要、学童がないなど、保護者の負担も多い。共働きだと対応が難しい。理想はすべての小学校に学びの多様化学校のような対応をしてほしい。(エミリアさん・小学校1年生・通わせたい)
入学条件
学びの多様化学校であるならば、カリキュラムを見て入りたいと思う生徒は誰でも入れるようにすればよいと思います。(Kaitoさん・中学校2年生・通わせたい)
入学条件を「不登校で年間○日以上欠席していること」としてしまうと、何とか学校には登校しているけれど、実際には授業や活動が苦痛で参加できていない子の優先順位が下がったり、取りこぼされたりするのではないかと不安に感じます。不登校ではなくても、学校生活に困難を抱えている子の受け皿になってもらえると心強いです。(たいちゃんさん・小学校1年生・通わせたい)
不登校になる前に、入学時からの選択肢としてあったらよかったのにと、つくづく思っています。入学前に、「通常の学校だと不登校になるだろうな」というお子さんがたくさんいます。そういう子どもが、初めから通いやすい学校として選べるようにしてほしいです。(みんみんさん・小学校4年生・通わせたい)
一般の学校を多様化すべき
どの学校も学びの多様化学校になればよいのにと思う。(しらすさん・小学校4年生・通わせたい)
今の学校の中にあればよいのにと思う。(ゴンたさん・小学校4年生・通わせたい)
やはり、元気な不登校児ならともかく、一般の不登校児は通学範囲が限定される。親の送り迎えが必須だと就業にも影響がある。校内に学びの多様化クラスがあればと思う。(ややさん・小学校5年生・通わせたい)
学びの多様化学校のいいところが、一般の学校にも広がっていくといいなと思います。(Hanaさん・中学校卒業・通わせたい)
隔離や差別を防ぐべき
多様になるのはいいことではあるけれど、どうして公立の地元校が多様になってくれないのか。多様な子を受け入れてもらえない現状が変わらないのはいかがなものか。排除されてしまう現状や、分離・隔離したら幸せではないと思うゆえに、つらくなる。(大根おろしさん・小学校2年生・通わせたくない)
以前、調べた際に、通うには不登校認定を受けなければならないと知りました。それだと学校に行けない子が集まるところとの認識が広がり、本人の自己肯定感にも関わると思います。その点においては、現在の特別支援級や不登校のために設置された学内の教室と同じような「隔離」と変わらないのではないでしょうか?(Kaitoさん・中学校2年生・通わせたい)
少子化で空いている校舎をどんどん活用して設立していってほしい。同時に、普通学校でも学びの多様化の授業を取り入れて、子どもたちに差別意識がわかないようにしていってほしい。(ピングーさん・高校2年生・通わせたい)
情報がほしい
地元に開校したこともあり、私自身が見学に行きました。息子の気質に合った環境と思いましたが、息子にとっては自分の在籍中学校がすべてであり、それ以外の場所は受け付けませんでした。
社会が子どもたちに、「普通(?)の中学校に通うことが当たり前」としているからではないかと思います。
素晴らしい学校ができても、情報の伝え方により、本来そこに合う子どもが通えないということもあります。チャンスを潰すことになってしまうと、もったいないと思います。(ayukonaさん・中学校3年生・通わせたい)
どのような特徴があり、どういった子を受け入れてくれるのかをもっと発信してほしい。(Y子さん・高校2年生・通わせたい)
教員、保護者、当事者への情報が不足していると感じる。(すずさん・中学校2年生・通わせたい)
友だちと離れたくないけど学校には行けないケースはどうしたらよいのか、どのように学びの多様化学校へ行くように説得すればよいのかがわからない。(こたビームさん・中学校1年生・通わせたい)
勉強に関して
高校受験の際の内申点にどう反映されるのかが、最も不安に思うことです。(いっぬさん・小学校5年生・通わせたい)
勉強も大切だが、勉強をする意欲にまで達していない子にはどう対応するのか?(さとこさん・中学校3年生・通わせたい)
個々の特性を生かした教育やプログラムを考えてほしい。(すーさん・中学校2年生・通わせたい)
「選択肢の一つ」と認識
学校の中も(別室支援)、外も(学びの多様化学校)、通えてしまう場所が増えてしまっている。休息・療養が必要な子どもたちが、「不登校」させてもらえない現状。こんな通える場があるのにわが子はどこにも通えないと、保護者の中には強い焦りと不安を感じている方が増えていると感じる。
あくまでも選択肢の一つだということを、もっと多くの方に知ってもらいたい。(そらとうみさん・小学校4年生、中学校1年生・通わせたくない)
余裕のあるカリキュラム・人員配置の中で支援を得ながら学べる環境は、親としてはとても魅力を感じる。一方で子どもたちの状況は多様で、「学びの多様化学校を作ればすべて解決」とは言えない。(マサコムさん・中学校1年生・通わせたい)
不登校の子どもたちの教育の場という意味ではありがたいと思いますが、不登校の背景にあるいじめや発達障害などに対する理解や適切な対応がなされていれば、不登校にならなかった子どももたくさんいるのではないでしょうか。
子どもの困り感を理解し、配慮できるスキルのある学校環境であってほしいです。多様化学校をつくったとしても、そこにすべての子どもが適応できるわけではないし、その選択肢がない地域もあります。そうした子どものことも忘れてほしくないし、検討し続けてほしいです。(プータさん・専門学校卒業・通わせたい)
ありがたい
社会との交流が持てたり、好きなことを自分で選択して過ごせたりすることは、子どもの将来につながると思う。寄り添ってくれる親以外の大人がいることは、親にも子にも拠り所となり、ありがたい。(はる・小学校5年生・通わせたい)
不登校児が通える場所の選択肢が少な過ぎると思うので、不登校児が通える場所が増えることはありがたいことだし、それが不登校児に特化した施設であるならなおありがたいと思います。(SHマムさん・専門学校卒業・通わせたい)
教育を選べるように
学びの多様化学校だけでなく、多様な特色ある学校が増えることを望んでいます。教育スタイルを選択できるようになってほしいです。(ヒエさん・高校2年生・通わせたい)
ざまざまな事情で不登校になる子がいると思うが、息子は「そもそも学校が合わない」タイプだと思う。
子どもの心を殺さずに義務教育期間をどのように生き延びるかが課題のため、学校以外の選択肢や不登校の救済があればいいのにと思う。
不登校が増えてきた今、むしろ教育予算を「学校に通える子」にかけすぎているようにも思う。(サイさん・小学校2年生・通わせたい)
既存の学校のシステムに合わない子たちが増えているので、義務教育である中学校においても、さまざまな学びの選択肢を公教育として準備していただきたい。学びの多様化学校ができることは、その一歩としていいことだと思います。(ikunonさん・小学校3年生、中学校1年生・通わせたい)
* * * * * * * * * *
文部科学省が、全国に300校の設置を目指す「学びの多様化学校」。
現状では、設置数の不足や通学圏の課題から、入学できる子どもが限られています。また、近隣に学びの多様化学校があっても、費用のかかる私立校のために入学を断念する家庭も少なくありません。
学びの多様化学校がすべての不登校の子どもにとっての選択肢の1つとなるために、早期の拡充が望まれます。
関連記事
9割が「通わせたい」と回答 「学びの多様化学校」アンケート結果
学びの多様化学校で迷う保護者たち「うちの子に合う? 合わない?」
実際どうなの? 「学びの多様化学校」経験保護者が語るリアル
「不登校オンライン」では、会員向けの記事(有料)をご用意しています。不登校のお子さんをサポートするために知っておきたい情報や、同じ悩みをもつ親御さんの体験談などを掲載しています。お申し込みは下記から(30日間無料)。