社会に役立つ人になることは、子どもの人生に重要なことなのか?

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不登校のお子さんを育てる保護者の方にとって、子どもの将来は、常に心から離れないテーマです。みなさんが思い描く「子どもの将来」とは、どのようなものでしょうか。

フリースクール代表・土橋優平さんは問います。何かをできる人になることだけが、幸福への道なのだろうか、と。

土橋さんからの熱いメッセージは、「本当に大切なこと」をじんわりと思い出させてくれます。
連載「出張版お母さんのほけんしつ」第54回・写真は土橋優平さん)

著者

土橋優平


先日ある保護者の方から「子どもをどう育てたら、社会に役立つ人になるのかわからなくて」とご相談をいただきました。

私は違和感を覚えましたが、一方で、「誰かの役に立てる人でなければならない」という価値観は、世の中にあたりまえに存在しているのだとも思いました。

今回は、この「世間のあたりまえ」に向き合おうと思います。

いつの間にか、ほめ言葉が「条件付き」に

人は誰しも、生まれたときは赤ちゃんです。周りからかけられる言葉は「生まれてきてくれてありがとう」でした。

赤ちゃんは何もしていません。していることと言えば、呼吸をしたり、手足や視線を動かしたりするくらい。ほとんど何もしていない赤ちゃんは、ただそこに存在しているだけで周りに認められていたのです。

だんだんと成長し、小学生になり、中学生になり、徐々に「生まれてきてくれてありがとう」と言ってもらえる機会は減っていきます。

いつの間にか、「跳び箱ができてえらいね!」「テストで100点取ったの! すごい!」と、何かができること、つまり条件付きで存在を認めてもらえるようになるのです。

でも私は思うんです。

【連載】出張版 お母さんのほけんしつ
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