
「無駄こそ子ども時代の象徴」フリースクールの子どもが教えてくれた大切なこと
#不登校#行き渋り
「PDCA」「パーパス・ドリブン」「ロジカル・シンキング」……。大人のビジネスの世界に広がる思考に、正直疲れ切っているという保護者も少なくないのでは? ところが、私たちは知らず知らずのうちに、そうした枠組みで子どもの行動を見ていることがあります。
フリースクール代表・土橋優平さんも、そのことに気づいた一人。きっかけは、フリースクールの子どもたちとの何気ないやりとりでした。
(連載「出張版お母さんのほけんしつ」第56回・写真は土橋優平さん)
ある日、オープンから少し遅れてフリースクールに辿り着くと、子どもたちは4、5人で庭に穴を掘っていました。なんの気なしに「え、何してるの?」と笑いながら聞くと、子どもたちからは「穴掘ってるの!」と元気に答えが返ってきました。
当たり前のような問いかけ。しかしこれは、「大人の悪い癖だ」と私ははっとしました。
「目的は?」は大人の都合
私たちは日常生活の中で、目的を持って行動しています。
とくに仕事においては、数字的な目標があり、その先には会社の利益があり、その先にお客さまや株主の幸せがあります。そうした先の先まで目的を見据えて、今目の前の業務を選び、実行します。
私ももちろん、それを実行する一人です。
子どもたちが「穴掘ってるの!」と答えたとき、そのキラキラ目を輝かせている表情を見て、私は「ああ、子どもたちに大人の都合を押しつけようとしてしまった」と反省しました。
言葉を変えるなら、「目的はなに?」「その行動の意図はなに?」と聞いていたのです。
子どもたちは「今に夢中」
でも、そのときの子どもたちの頭の中には、そんなものはありません。
【連載】出張版 お母さんのほけんしつ
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