居場所に大切なのは、「風通しのよさ」だと思う

連載「居場所の現在地」第5回

 ひきこもり当事者や経験者が集まる居場所が全国で開かれています。そのひとつ「ひきこもり女子会」の運営に携わる恩田夏絵さんは、自身が不登校とひきこもりの経験者です。

 「すでに関係性が出来上がっている居場所に入っていくことはハードルが高かった」と語る恩田さんは自身の経験から、居場所づくりには風通しのよさが欠かせないと言います。多様な人が集まりかつ同調圧力のない居場所づくりとはどのようなものか、コラムにまとめていただきました。

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 小学2年で不登校デビューし、さみだれ登校をくり返していた私は、義務教育期間の半分も学校に通っていません。不登校と並行して経験したひきこもり期間には、1カ月間お風呂に入らなかったこともありました。身近な学校や地域が「居場所」になったことがないので、「居場所的なもの」が苦手です。ヨーイドンで友だちをつくっていくこと、すでにできあがっている関係性のなかに入っていくのは、ハードルがかなり高いのです。

 そんな私が、今ではさまざまなかたちで居場所の運営をしています。UX会議では、2016年から続く「ひきこもりUX女子会」(以下「女子会」)をはじめ、ひきこもりや生きづらさに関する場を開いています。女子会でつねに意識しているのは、参加者の幅を広くしながら安心できる環境をつくること。たとえば、参加対象者は「ひきこもり状態にあったり、人間関係に難しさなどを抱えている女性自認の当事者・経験者」としており、これにより参加者の状態にバラつきがでます。さらに言えばひきこもり経験は必須ではありません。

【連載】居場所の現在地
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