勉強しない子どもは将来大丈夫?そんな不安をやわらげるコツ
不登校の子の親としては、子どもの勉強が気がかりです。しかし、不登校中、積極的に勉強する子どもは多くありません。それは子どもたちが勉強ぎらいだからなのでしょうか。「そうではない」と答えるのは、自らも不登校経験者で、現在は支援員の古豊慶彦さん。本人を支え、ムリなく将来を歩んでいくために、勉強とどう付き合っていけばいいのかを書いてくれました(連載「元当事者からの不登校対応マニュアル」第12回)。※画像はイメージです
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不登校中でも勉強をしてほしいと考える親の方は多いと思います。進学や復学などに大きく影響しそうなことですし、気になるのは当然のことです。私も不登校していた当時、親から「基礎的な勉強はどこへ行くにしても必要だし、何より勉強していないと将来の選択肢が狭まる」というようなことを言われました。聞いていて「そのとおりだなぁ」と思いましたが、勉強に身がはいることはありませんでした。
勉強に取り組むには向き不向きなどの個人差や本人が置かれている環境などさまざまなことが影響すると思いますが、個人的には精神的な余裕があるかどうかが、とても重要だと考えています。仮に不調な状態で勉強に取り組んだとしても、集中は長く続かず、記憶もしにくいことが多いと思うので、机に向かっていても身になっているかは疑問です。
人によっては、不登校の子どもたちは勉強から逃げている、または勉強が苦手だ、というイメージを持っているかもしれませんが、私の実感はそうではありません。勉強がイヤだから学校へ行きたくないという相談はこれまでほとんど受けたことがなく、また不登校の子どもの多くが、「勉強は取り組む必要があるもの」と認識しています。
【連載】元当事者からの不登校対応マニュアル
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