私が実感した、不登校中の親子間のコミュニケーションの大切さ

 不登校中の子どもとのコミュニケーションは親にとって大きな悩み。どう接したらいいのか戸惑う親御さんも多いと思います。不登校経験者の神内真利恵さんは「親御さんには、なるべく子どもといっしょの時間をすごしてほしい」と言います。神内さんが親子のコミュニケーションが大切だと思う理由。また、されてイヤだったことやうれしかったことなど、ご両親との実際のエピソードを書いていただきました。

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 不登校の子どものために自分の時間を犠牲にする保護者もいれば、そうでもない保護者もいる。以前『不登校新聞』でお笑い芸人の山田ルイ53世さんの取材に同行したとき、山田さんは母親が趣味のテニスを自分のために辞めたのがイヤで、続けてほしかったと言っていた。奇遇なことに私の母もテニスが趣味だ。しかし母は中学で不登校だった私のためにテニスを辞めるなんてことは、まったくなかった。なんなら今でも続けている。私がもう不登校でない今になって「あのころ、もうすこし子どもに時間を割いていればよかったかな」なんて言っているくらいである。

 保護者は不登校の子どものために何かを辞める必要はないと私は思っている。 でも親が子どもの味方であることを示し、いっしょに時間をすごしたり、コミュニケーションを取るのはとても大事だと思うのだ。

欠けていたもの

 私が不登校だったとき、父は毎日往復4時間ほどかけて職場に通っていた。そのうえ土曜も不定期ではあるものの出社していた。言うまでもなく私と父のコミュニケーションは多くはなかった。その後、私が大学に入り上京するころには職場が変わった影響で父の通勤時間は減り、現在はリモートワークをしている。家に居る父の姿を見ると私が不登校だったときにこそ、もっと家に居てほしかったなと思う。そうすれば、おたがいのことをもっと知る機会が持てたかもしれない。  

 思い起こせば両親とコミュニケーション不足だったと思うことはほかにもある。

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