増加する「発達障害」に思うこと【コラム】

#不登校#行き渋り#発達障害

西村秀明のコラムvol.2

 「発達障害」と診断される人たちが、増加の一途をたどっている。

 厚生労働省によれば2014年の「患者調査」では「発達障害」と診断された人の推計値は39万人、2016年の「生活のしづらさなどに関する調査」では推計値は48万1000人であった。

 また、発達障害に限定されてはいないが、特別支援教育を受けている子どもたちの数は、近年猛烈な勢いで伸びている。

 20世紀初頭にヨーロッパ諸国で公教育が始まるなか、心理学者アルフレッド・ビネーは学習を効率よく進めるために知能検査を考案し、知的についてこられない子どもたちを教室から排除した。

 発達心理学の芽吹である。「完璧に発達した人物像」を描けない発達心理学は、社会が要請する能力や役割・期待を年齢段階的に発達課題として設定し、そこに達していない負の偏りを異質なものとして分断していくための絶好の物差しとなった。

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