「あいつと関わるな」 僕の一言で友だちの態度が一変 中2で不登校した帰国子女の体験談

#不登校#行き渋り

 「僕を救ってくれたのは、ただのおしゃべりだった」。中学2年生のときに不登校になった彦田ブランドンさん(28歳)はそう話します。現在は英語講師をしながら不登校の子どもに関わっている彦田ブランドンさんに、不登校経験をお聞きました(※写真は彦田ブランドンさん)。

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――まずブランドンさんの現在について教えてください。

 僕は今、フリースクールで週3日、非常勤スタッフとして働きながら、個人でオンラインの英会話スクールを開いています(こちら)。英会話の仕事を始めたのは、英語が自分の世界を広げるのによいツールだと思っているからです。インターネットで検索する際、日本語で検索すると日本の情報しか出てきませんが、英語で検索するといろんな国の情報が出てきます。つまり、たくさんの文化や考え方を吸収することができるんです。人間関係など何かに悩んだときも、英語を使うことができれば、世界中の人の考えを知ることができます。そうやって多くの情報を得ることは、自分らしく豊かに生きるための力になると考えています。人生を楽しくするお手伝いができたらいいと思って、英語を教えているんです。

 ただ、教えるといっても、文法を細かく説明するようなことはしません。生徒さんが興味のあるテーマで純粋におしゃべりを楽しみます。おしゃべりを大切にしているのには理由があります。不登校だったときに僕は、「ただのおしゃべり」に心から救われました。その経験からレッスンでもおしゃべりを中心にしているんです。

――どんな不登校を経験されたのでしょうか?

 14歳の10月、僕は7年暮らしたアメリカから日本へ帰国し、地元の中学に転入しました。その後、2月に不登校になりました。理由は、「ここでは自分が自分でいられない」と感じたからです。その違和感は帰国して空港を出た瞬間から感じ始めていました。日本で暮らす家へ行くまでの電車やバスのなかで、「みんな同じようなかっこうをしているな」と気になったんです。みんな同じような色の服を着ていて、髪型も似ていると思いました。その光景は自分がアメリカで見てきたものとはまったくちがっていて、まるで別世界に来たような気分でした。

 地元の中学へ転入すると今度は、みんなが同じようなことばかりを口にしているのに驚きました。

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