「次は教室へ」先生の一言が別室登校中の子の安心感を奪う理由

 教室に入れない・入りたくない不登校の児童生徒が自身の教室以外の場所ですごす「別室登校」。保健室、相談室、図書室など、対応は学校ごとにさまざまです。日本学校保健会の調査によれば、「保健室登校がある」と答えた割合は、小中高校それぞれ3割を超えています。今回お話をうかがったのは、小4で不登校をした立花由紀さん(仮名・30代)。小学校と中学校でそれぞれ別室登校をした経験があります。当時はどんな気持ちだったのか。そもそもなぜ別室登校しようと思ったのか。そして、途中で別室登校できなくなってしまったきっかけとなった先生の「働きかけ」とはどのようなものだったのか。お話をうかがいました(※画像はイメージです)。

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――不登校のいきさつからお聞かせください。

 私が不登校になったのは、小学4年生のとき。5月の連休明けからでした。決定的なきっかけとなったのは、男子と追いかけっこをしていたら、クラスで問題になってしまったことでした。私としてはちょっとした悪ふざけのつもりだったんですけど、周囲には何かたいへんなことがあったんじゃないかと重く受けとめられてしまった。なんだか今までとはちがう空気が流れているように感じてしまったんです。

やりたいことを

――別室登校をすることになったいきさつは?

 小学生のころは保健室へ通い、中学生になると相談室へ通いました。小学生のときは「教室へ行けないなら保健室へ行くのはどうだろう」という先生からの提案を受けて行くことにしました。保健室ではスケッチブックに絵をかいたり、給食を食べたり、保健室の先生と話をするなどしてすごしていました。小学5年生になると、ほぼ毎日通っていました。「給食の時間に間に合わないかも」と思って自転車で学校へ行ったら、先生に渋い顔をされたというのは、今ではよい思い出ですけど(笑)。

 ちなみに、勉強はほとんどしなかったです。当時は家で「進研ゼミ」をやっていたので、保健室では私のやりたいことをひたすらやっていたという感じでした。ただ、6年生になると、ほとんど行かなくなりました。

――急に行かなくなるというのは、何かあったのでしょうか?

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