【不登校からの高校受験】「希望する高校生活」からの逆算が対策のカギ!

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「うちの子は不登校だから、高校受験はあきらめるしかない…」そんなお悩みを持つ保護者も多いのではないでしょうか?

お子さんも、「今ごろ、学校行っているクラスの友だちは受験の話をしているのではないか」「受験のことを考えるだけで気が重くなる…」などと思っているかもしれません。

高校受験は人生の一大イベントです。お子さんには後悔しない選択をしてほしいですよね。

今回は、不登校の中学生のお子さんがいる保護者に向けて、不登校オンライン編集部が「希望の高校生活から逆算する受験戦略」をご紹介します。

ただし、お伝えする内容はあくまでも一例です。
「実際の、あなたのお子さん」におすすめの高校や受験勉強の方法は、「中学不登校でも高校進学は可能である」と知った上で、中学校や、進学先候補の高校、不登校からの高校受験をサポートする団体などと相談することで、具体的に見えてきます。

お子さんの価値観に基づいた「2大受験戦略」

あなたのお子さんにとって、「高校生活」は、次のどちらがより大切でしょうか?

①無理なく通えて、無理なく卒業できること(≒すでに大学受験などを見据えていて、高卒資格を取得できるなら高校生活には特にこだわりがない)

②高校生活を盛りだくさんに楽しむこと(≒将来の希望にかかわらず、高校は高校で楽しみたい)

この答えによって 、高校受験や高校選びの考え方が、「時間リッチ戦略」と 「内申点×高校入試の同時ハック戦略」に分かれます。

それぞれの戦略について、詳しくご説明します。

①時間リッチ戦略

「①無理なく通えて無理なく卒業できること」を選んだ場合、時間リッチ戦略がフィットするケースが多いです。

時間リッチ戦略とは、「高校受験のための戦略」というよりも、「高校卒業と大学受験などを見越した、高校での時間の使い方を重視する戦略」です。

「高校は卒業さえできればいい」と考えているなら、「高校生活」よりも「入学・通学・卒業のしやすさ」が重要になります。

おすすめの高校は、通信制高校か定時制高校

おすすめの進路は、通信制高校か定時制高校です。

全日制高校よりも多くの自由な時間を確保し、その時間を活用して大学受験などの学習に時間を使うのです。

受験での学力試験が(全日制高校よりも)難しくなかったり、学力試験そのものがなかったりします。また、内申点を審査されないことも珍しくありません。

そのため、不登校で学力や内申点に不安がある方も「比較的受験対策がしやすい」学校です。

通信制高校・定時制高校のメリット

通信制高校や定時制高校のメリットに、人間関係、学校の勉強の遅れなど、さまざまな不安を抱えている不登校のお子さんでも通いやすいという点があります。

通信制高校は、週5日通う必要はありません(学校によっては、希望すれば週に5日通うことも可能です)。

定時制高校の場合は週5日の通学が基本です。しかし、全日制高校とは異なり、授業は「昼から」または「夕方から」始まります。起立性調節障害などがあるお子さんにはおすすめです(※定時制高校は、卒業まで4年かかることもあります)。

「全日制高校のほうが世間体がいいんだけど… 」と心配になる保護者もいるかもしれません。しかし、通信制高校などは一般的な進路としてますます広がってきています。

就活などでも、大学・短大・専門学校を卒業している場合には、高校の種類は重視されないことが多いです。

そのため、お子さんが大学などへの進学を志している場合には、通信制高校・定時制高校に進み、「入学・通学・卒業のしやすさ」に重点を置くことは、理にかなった選択です。

実は全日制高校よりも有利な点が

この戦略の最も有利な点は「高校生になった後、自由に使える時間が全日制高校生よりもたっぷりとれる」こと。

この戦略を時間リッチ戦略と呼んでいるのはこのためです。

時間的優位性を活用して大学受験の勉強をいかに有利にすすめるかが、この戦略のキモになります。

ただし、通信制高校や定時制高校には、大学受験のサポートが手薄なところもあります。

また、「卒業しやすい」と書きましたが、学校によっては中退率が高いところもあります。

進学先候補の高校の特徴を調べておきましょう。

なお、勉強については、「学校の勉強は高校卒業のため」と割り切って、大学受験のための勉強は塾などを利用する、という方法もあります。この方法は、通信制・定時制に限らず、「よほどの進学校」以外は、全日制高校の生徒もよく使っています。

②内申点×高校入試の同時ハック戦略

お子さんが「②高校生活を盛りだくさんに楽しむこと」を重視している場合には、内申点×入試の同時ハック戦略がフィットします。

こちらは、「高校受験のための戦略」です。

おすすめの高校は、全日制高校

まず、おすすめの進路は全日制高校です。

クラスメイトとの交流が多く、部活や学校行事も(通信制・定時制に比べると)盛んに行われるためです。

一般に全日制高校の受験では、ある程度の学力と内申点が必要です。

不登校の場合、それらが不足しているケースは珍しくありません。

お子さんが全日制での高校生活を楽しめるように、あらゆる手を使って高校受験を攻略しましょう。

「じゃあ、結局めっちゃ頑張らないとダメなのか…」と思うかもしれませんね。しかし、効率的に逆算思考することで、努力の的(まと)を絞ることができます。

具体的にご説明します。

中学不登校からの内申点対策

高校受験では、内申点と入試当日の成績の両方に対策が必要です。とくに難しく感じるのは内申点の上げ方ではないでしょうか。

有効なのは、「志望校の入試方法に合った内申点対策に絞ること」です。

これによって、内申点の対策が受験勉強と一石二鳥になることもあります。

例えば、試験当日の得点が重視される入試の場合について考えてみましょう。

受験で必要な科目の宿題や、自習ノートなどをしっかりと提出することで、内申点対策と受験勉強を効率的に進めることができます。

面接や作文が重視される入試では、国語の課題にしっかり取り組むことで、内申点と面接・作文対策を同時に進めることができます。

また、資格試験の取得などを通じて、自分の目的を達成したエピソードを準備しておくことも、作文や面接で効果的に活用できます。

ほかに、音楽や美術、体育などの副教科が好きで、それに特化したコースがある高校を希望する場合、副教科に力を入れることで、高校入試当日にアピールできるポイントを作ることができます。副教科はほかの生徒があまり力を入れていないため、内申点を上げやすい科目でもあります。

なお、「内申点を重視しない高校や受験方式」を探す方法も、もちろんありえます。

いずれにしても「すべてに対処しなければ…」「内申点が足りないと絶対にダメだ」と思い詰める必要はありません。

中学不登校からの高校進学、どうかあきらめないで

今回は「価値観をベースに2大戦略から逆算思考する」方法をご紹介しました。

「内申点がないから、受験先を選べない」とあきらめる前に、「お子さんに合った戦略はこれで、入試方法はこれだから内申点はこう上げる」 と逆から考えてみることで、道が見えてきます。

そして、どちらを選んだとしても「それを正解にする方法」があります。

だから、どうかあきらめず、希望をもってください!

※不登校お子さん(の高校受験)のことを、保護者だけで対応する必要はありません。不登校のお子さんの学習や受験をサポートする団体などはたくさんあります。ぜひそういうところも探してみてください。

 

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