「ウチの子の将来、大丈夫かな……」ネガティブ思考から解き放たれる「根拠ある大丈夫」の見つけ方
不登校のお子さんがいる保護者の方は、学校に行っている子と不登校のお子さんを比較して、「ウチの子の将来は大丈夫かな……」と、心配していることが少なくありません。
誰にも相談できず、確かな情報が少ないなかでは、物事を冷静に考えることが難しいもの。不安な気持ちが膨らんで、悲観してしまうこともあります。
でも実際には、不登校の子どもの将来が閉ざされているということはまったくありません。
不登校から就職や進学など「次の一歩」に踏み出した方々は、世の中に大勢いるのです。
これまで不登校オンラインでご紹介してきたのは、そうした方々のほんの一部です。決して稀なケースではありません。
とはいえ、ただ「大丈夫」と言われても、やはり不安が完全に消えることはないでしょう。
そこで今回は、「不登校の進路」について、客観的な視点から「大丈夫」の見つけ方をお伝えします。
人との違いにあえて着目する
まず、次の進路に歩んでいくために、「普通」である必要はまったくありません。
そもそも「普通」という言葉は、「みんなと同じ」、ただ「多数派」であるという意味に過ぎない場合も多いのです。
むしろ、ほかの人にはない視点や価値観を持っていることが、生きていくなかで大きな強みになることがあります。
お子さんらしいストーリーを見つける
不登校のお子さんには、学校へ行っているお子さんにはない経験があります。
大切なことは、その経験のなかで気づいた視点や価値観を活かして、お子さんらしさを表すストーリーを見つけていくことです。
不登校の間にどのように過ごしていたのか、どんな思いで次の進路を選んだのかなど、語れるエピソードを少しずつ積み重ねていくとよいでしょう。
何かを成し遂げたエピソードである必要はありません。
昼夜逆転の生活など、一般にネガティブに考えられがちなことでも、ほかの人が知り得ない感情を味わった、お子さんオリジナルの経験です。
こうしたエピソードは、受験の面接などで貴重な話題となり、ほかの受験生とは違う角度から自分をアピールすることができます。
人との違いを不安に感じることがあっても、その違いこそがお子さんらしさなのです。
本人のエネルギーが足りないときは、無理強いしない
ただし、エネルギーが不足しているお子さんにとっては、他者との違いに目を向けることや、自分のストーリーを作ることが負担に感じられるかもしれません。
とくに、「人との違いに目を向ける」ということは、お子さん自身が無理に意識する必要はありません。
エネルギー不足のときには、違いをネガティブに捉えがちで、そこに自分の個性や強みを見出すことは難しいためです。
この段階では、保護者の方や周囲のサポーターたちが長期的な視野で意識していれば、それで十分です。
お子さんが自分らしさを見つけ、進みたい道へと歩み出すとき、周囲の理解と支えが何よりの力になります。
第三者の「大丈夫」は心に響く
専門家や第三者の存在が、時には保護者の方の励まし以上にお子さんに大きな安心感をもたらすことがあります。
ここでいう専門家とは、「不登校からの進路」に詳しい人たちや、不登校からの進学をサポートする人たち、そして保護者の方をサポートする人たちのことを指します。
とくに、お子さんの「普通」と異なる部分をどのように進路に活かしていくかについて、専門家の視点が大いに役立ちます。
数多くの事例を見てきた専門家は、そうした違いがどのように進路選択やキャリア形成に結びつくか、新たな可能性を示してくれるでしょう。
また、家族以外の大人の言葉はお子さんの心に新鮮に響きます。
「大丈夫」のひと言も、家族からなら反発したくなっても、第三者からであれば素直に受け止められることもあります。
家庭という小さな共同体の外側の少し広い世界からもたらされる言葉は、お子さんだけでなく、保護者の方にとっても大きな励ましになります。
大切なのは、抱え込まないこと
不登校の悩みは周りに相談しにくく、家庭内で抱え込むケースが少なくありません。
しかし、専門家はお子さんだけでなく、保護者の方にとっても大切なサポーターです。
一人で、あるいは家庭内で悩みを抱え込まず、不登校の専門家のアドバイスを得ることで、不安が軽減し、これまで気づかなかった将来の可能性が見えてくるはずです。
第三者への相談は、ご家族全体が新しい一歩を踏み出すためのきっかけになります。
安心して頼れる存在がいることを、どうか忘れないでください。
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