
【不登校前駆期】行くの? 行かないの? 「五月雨登校」との向き合い方
「五月雨(さみだれ)登校」という言葉を知っていますか?
五月雨登校とは、学校に行ける日もあれば行けない日もある、不安定な状態を指します。
明確な定義はありませんが、お子さんが週に1日~2日ほど学校を休むペースが続いていたら、五月雨登校と考えて差し支えないでしょう。
今回は、この五月雨登校について詳しくお話しします。
お子さんが学校を休みがちになる理由と、登校しない日にも安心して過ごせる方法をご紹介します。
【不登校前駆期とは】
何らかの要因で、心理的な安定度が崩れていき、学校を休み始めるまでの期間です。この記事は、主にはこの時期のお子さんがいる保護者さんのための内容です。もちろん、それ以外の時期の方にもお役立ていただけます。
毎朝のやりとりに、もうくたくた
「昨日の夜は学校へ行くと言ったのに、朝になったらやっぱり行けない」。
「学校へ行けるか行けないか、毎朝一喜一憂です……」。
五月雨登校の子どもの保護者から寄せられるお悩みには、このような声がよく見られます。
毎朝くり返される「行くの? 行かないの?」というやりとりにうんざりしているのは、保護者だけではありません。
子ども本人も疲弊しているケースが少なくないのです。
行きたいけど、行けない
このような不安定な状況はどうして起こるのでしょうか。
五月雨登校の状態にあるとき、お子さん自身も葛藤している可能性があります。
「学校に行ったほうがいいとは思うけど、カラダが動かない」。
「授業に出たいけど、学校のことを考えると落ち込む」。
自分でも説明できない事態に直面して戸惑いながら、お子さんは学校を休むことで、自分の心を守っている場合があります。
そんな状態のお子さんにとっては、学校に登校することが最善とは限りません。
とはいえ、学校を休むお子さんをただ見守るだけでいいのかと、不安に感じているのではないでしょうか。
そこでお伝えしたいのが、「学校に行かない日の過ごし方」です。
大切なのは「どこで」より「何を」
注目したいのは、「どこで過ごすか」よりも「何をして過ごすか」です。
お子さんが成長につながる過ごし方ができるのであれば、その場所が学校である必要はありません。
学校へ行くことで心が傷つき、勉強にも集中できないのであれば、むしろ別の場所で過ごすほうが、お子さんの成長に適している場合もあります。
学校へ行かない日にお子さんも保護者も不安を感じないよう、休む日の過ごし方をあらかじめ決めておくのがおすすめです。
例えば、午前中は授業の範囲の学習を自分で進めて、午後はゆったりとリラックスする時間に充てることにすれば、勉強と休息のバランスを取ることができます。
自分で学習を進めるのが難しい場合には、オンライン教材や昼間も開いている塾を利用するのも効果的です。
心を守る手段をたくさんもって!
五月雨登校の状態にあるお子さんにとって、学校を休むことは心を守る手段になっているかもしれません。
学校へ行く・行かないで一喜一憂せず、学校へ行かない日にも安心して過ごせるアイディアや居場所を用意しておきましょう。
ときどき環境を変えることも、お子さんにとってよい気分転換になることがあります。
学校へ行かない日の過ごし方は1つに限定せず、いくつか試しながら、お子さんにフィットするものを見つけていってください。
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