「自分はなんで生きているんだろう」BiSHアイナが語った不登校の理由
若者から圧倒的な支持を集めつつある、楽器を持たないパンクバンド「BiSH」。なかでもアイナ・ジ・エンドさんは、その歌唱力で存在感を示している。そんなアイナさんも学校へ行きづらかった経験を持つ1人。今回は不登校や高校中退をした2人の女性が聞き手となり、「いま自分が悩んでいること」を軸にお話をうかがった。
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――私は、がんばり続けることがやめられなくて困っています。私には友だちもいるし、学校やアルバイトにも行けます。はたから見れば病んでいるように見えないかもしませんが、すごくがんばって今の状態を保っているんです。がんばり続けないと自分を保てず、素の自分ではいられなくなっちゃう。ただ、がんばっているから、ある日、疲れがどーっと出て来て動けなくなってしまう。大学も2度中退しました。どうしたらいいんでしょうか?(21歳・女性)
がんばり続けてないと、しんどいという気持ち、よくわかります。ただ、素の自分でいればよい、とは私は思わないです。
だって「彼氏ができた」、「今日はデートだ」とか、なんでもあけっぴろげに言われても聞いたほうが困ります。
人前で取りつくろっていたり、自分に無理をしていたり、ウソをついてもよいと思うんです。作家・太宰治は、そういう行為を「道化」と呼んでいました。
道化だっていいじゃない
太宰治は、時代の先端を歩いていた文豪ですが、一方で、人前ではおどけてウソをつくなど道化をせずにはいられない人でもありました。
太宰治の自伝的小説『人間失格』などを読んだとき、「私もウソでつくられてきた」ってすごく共感したんです。
だから、人前で素の自分を見せる必要はありません。道化だっていいんです。そのほうが私は魅力や奥行きを感じます。
一方で「がんばり続ける」こと自体は、すごくしんどいことですよね。私もコロナ禍の前までは多忙すぎるスケジュールをこなしていた時期がありました。