
【不登校進行期】気温と心が連動する?暑さで沈む気分との付き合い方【不登校の知恵袋】
暑い時期は、誰でも心身がだるくなりがちです。
特に不登校の進行期にある子どもたちにとって、夏の暑さは「ただの体力的な問題」では済まされないこともあります。
「なんとなくやる気が出ない」
「動く気になれない」
――その背景には、心と体のエネルギーが密接に絡み合った、複雑な内面の動きがあります。
この記事では、「暑さによる気力の低下」と「不登校による心的負荷」が重なることで起きやすい状態や、保護者がどう受け止め、どのように対応できるかを考えます。焦らず・急がず・でも孤立させない、そんな関わり方のヒントになれば幸いです。
※この記事でお伝えする情報は、あくまでも参考です。心身の不調については、医療機関に相談しましょう。
【不登校進行期とは】
不登校は、前兆期→進行期→混乱期→回復期という経過を辿ることがよくあります。進行期とは、不登校が始まり、心理的な落ち込みが激しくなり、やがてその状態が固定化されるまでの期間のことです。この記事は、主にこの時期のお子さんがいる保護者さんのための内容です。もちろん、それ以外の時期の方にもお役立ていただけます。不登校進行期の記事一覧はこちら
【サポート団体を利用しましょう】
不登校のお子さんのことを、保護者だけで対応する必要はありません。不登校のサポート団体を適切に利用することで、お子さんも保護者さまも、「次の一歩」に進みやすくなります。サポート団体の探し方は、こちらの記事をご覧ください。
目次
気温と心の関係を見つめる
夏になると「暑くてやる気が出ない」と感じるのは、子どもも大人も同じかもしれません。しかし、不登校進行期の子どもたちにとって、その“やる気のなさ”はただの季節的な問題にとどまりません。
暑さは“無気力”を強化しやすい
暑さによる身体のだるさは、もともと落ち込みがちな子どもにとって、行動をさらに困難にさせます。何かを始めようとする気力も湧かず、起き上がることすら負担になる――そんな日が続くこともあります。
暑さが「心身の負荷」を増幅する引き金になることもある、ということです。
不登校進行期は、ただでさえエネルギーの蓄えが極端に少ない状態。加えて「暑さで消耗しやすい」という季節。そんな状態のことを、周囲から「また何もしていない」と受け止められると、子どもは自責の念に苦しみがちです。
「動けない」をそのまま認める
「せっかく夏休みなのに」「少しは外に出たら?」という声かけは、保護者の側にとっては励ましのつもりでも、子どもには“責め”に聞こえることがあります。
暑さによって心身が重くなっている時期には、「動かない=サボっている」ではなく、「動けないほど疲れている」と捉えてみることが大切です。
“エアコンをつける”のも支援のひとつ
室内環境を整えることは、意外と見落とされがちな重要ポイントです。子どもが一日中同じ部屋で過ごしている場合、空気がこもりやすく、体調も崩しがちになります。
「本人が希望しなくても、エアコンをつけて部屋を涼しくしておく」「冷たい飲み物を、すぐに取れる場所に置いておく」といった小さな配慮が、気分の安定に貢献することもあります。
ただし、「部屋に勝手に入ってエアコンをつけること」を嫌がるお子さんもいます。事前に「エアコンをつけるために部屋に入るけど、それ以外は何もしないから」などと伝えておくとよいでしょう。
実践:夏の“沈み”と付き合う工夫
「やる気のなさ」に直接働きかけるのではなく、「やる気が出なくても過ごせる」環境や接し方を工夫することが、進行期の夏を乗り切る鍵となります。以下、具体的にお伝えします。