【不登校・行き渋り】「なぜうちの子が…?」終わりなき悩みにサヨナラ!原因追求を超えた新しいアプローチ
お子さんが不登校になったら、「なぜ学校に行きたがらないのだろう」とお考えになるのではないでしょうか。
そして、お子さん本人に話を聞いても、不登校の原因は明確にはわからないという状況は、決して珍しくありません。
そうなると、親御さんとしても「原因がわからないからどう対処したらいいかも分からない…」と悩むこともあるでしょう。
今回は「なぜ不登校に?」という悩みと向き合う親御さんに向けて、一つの考え方をお伝えさせていただきます。
お子さんが行き渋りをし始めたという段階の方にもお役に立つ内容を心掛けました。少しでも参考になれば幸いです。
なぜなぜ思考は大切だが、重要なのは〇〇
「原因を特定する、なぜなぜ思考」は、解決策を考えるために有効なときもあります。
けれど、不登校については、なぜなぜ思考には落とし穴があります。
それは「友人とうまくいかなかった」「勉強がわからなくなった」「先生とうまくいかなかった」「自分のことなのに、自分でもよくわからない」などたくさんのネガティブな側面に目を向けがちになることです。
「みんなとなじめない」「勉強が得意ではない」など、「何ができないのか」「何が欠けているのか」と延々考え続けることになりがちなのです。
こうした思考になると、親御さんも不安感が強くなりますし、お子さんも「自分はダメな人間なんだ」と感じとる恐れがあります。
ではどうしたらいいのか。
一つの方法として、「なぜだろう?」と考える前に、「どんなふうにいてくれたらいいか?」という理想を先に考えるやり方があります。
「考え方の順番」を変えるのです。
理想から考える新しいアプローチ
具体的には、「なぜ不登校になったのだろう?」と考えるのではなく、「うちの子がどんなふうにいてくれたらいいか?」から考えます。(※)
※「有名大学に行ってほしい」などの親の願望ではなく、「我が子がどんなふうにいてくれたらいいか?」と考えることで、当事者であるお子さんの思いから離れることなく思考することができます。
たとえば、次のようなお考えが出てくるでしょう。
- 「楽しく勉強してほしい」
- 「同級生と楽しくすごしてほしい」
- 「とにかく元気になってほしい」
まずはそこから発想し、その後に「なぜ今不登校なのだろう?」となぜなぜ思考に入ります。
たとえば「楽しく勉強してほしい」という思いを持ってからなぜなぜ思考をすると、「なぜ今は楽しく勉強できないのだろう?」という問いが浮かびます。
そうすると「学校の勉強が楽しくないからではないか」と仮説が出てきて、「それなら、学校以外で楽しく学べる他の方法を考えたらいいのではないか」と視野を広げてこれからのことを考えられます。
ここまでくれば、あとは具体的な「お子さんに合った環境」を調べて選べば大丈夫です。
これをなぜなぜ思考から入るとどうなるか。
「なぜ不登校になったのだろう?」
→「学校がつまらないから?」
→「どうして学校がつまらないんだろう?」
→「先生の授業がわかりづらいから?」
→「でも他の子は通っているし、うちの子の理解力の問題?」
→「どうして勉強がわからないのか?」
などと、疑問が延々と止まらなくなる可能性があります。
「なぜ?」を入口にすると、終わりなき疑問がはじまり、迷宮入りすることがあるのです。
まとめ
なぜなぜ思考をいっそう有効に活用するために重要なのは、「順序」といえます。
思考が迷宮に入っていたら、「お子さんにどんなふうにいてほしいか?」という問いを、先に立ててみてはいかがでしょうか
その上で、「なぜ今はそうではない?」「そこにたどり着くためにはどうしたらいいか?」と考えることで、お子さんに合う「次の一歩」や「将来に向けた適切な行動」を具体的に探っていくことができます。
※なお、「不登校になった原因の特定と解決」がなくても、お子さんが「次の一歩」に進んでいくことはよくあります。違う言い方をすると、「原因の特定と解決」に意味がないこともあります。こちらの詳細は今回の趣旨を外れるので省略しますが、「それはなぜなのか」についてはまた別の記事でご紹介したいと思います。
※お子さん(の不登校・行き渋り)のことを、親御さんだけで対応する必要はありません。行き渋り・不登校の親子をサポートする団体などはたくさんありますので、ぜひそういうところも探してみてください。