【テキスト開くと…zzz】その睡魔、教材のせいかも?不登校の子どもが「正しい教材選び」で勉強を楽しむ方法
不登校の最中でも、自分から勉強に取り組むお子さんはもちろんいらっしゃいます(今がそうじゃなくても、いずれそのときが来ます)。
ですが、「よし!勉強するぞ!」と思ってテキストを開いたのに、わずか数分後には目が虚ろになり、睡魔が襲う…。
こんな悩みを抱えているお子さんも珍しくありません。
「こんなことではいけない」と思って大音量で音楽を流してみたり、コーヒーを流し込んで無理やり目を開けようと努力をされている方もいらっしゃるかもしれません。
……。
ここまで読んで、「うちの子がそう!」と共感を覚えていたら、お子さんは「テキストの催眠術」にかかっているかもしれません。
自分に合わないテキストを使い続ける限り、勉強は睡魔との戦いです。
がんばってテキストに取り組むことは大切です。しかしテキストが合わなければ、がんばって進めようとすればするほど「勉強はつらいもの」という無意識の思い込みが生じ、机に向かうことが苦行になります。
勉強(学校や塾)から離れていると、お子さんは「自分に合うテキスト」についての出会いや見極めが難しくなりがちです。
まず「お子さんに合うテキスト選び」から行ってみてはいかがでしょうか?
テキスト選びには様々な方法があります。今回はその中から一つポイントをとりあげてご紹介します。
ぜひ、「我が子に合うテキストは何だろう?」と考えを巡らせながら、読んでみてください。
何が書かれているか?よりも○○の観点で選ぶことも大切
「テキストの選び方」の一つに、「見た目で判断する」があります。
見た目とは、字数、色使い、厚さ、行間、イラスト、1ページに記載されている問題数などの要素です。
これらの要素をパッと見たときに「これならできそうと思える」+「テンションがあがる」ことがポイントです。
「えっ、そんな理由で選んでいいの?」と思ったかもしれません。
でも実はこれ、きちんとした理由があります。
「認知的負荷が低い」ことを基準に選ぶことが、心理学的にも正しいからです。
認知的負荷とは、人が新しい情報を学ぶときに頭にかかるストレスのことです。
情報量が多すぎて「頭がいっぱいになるような感覚」は認知的負荷が高い状態です。
文字数が多かったり行間が詰まっていたりで、1ページの情報量が多すぎると、人間の脳はストレスを感じ、認知的負荷が大きくなります。
認知的負荷が高いと、脳の「ワーキングメモリ」というものを消費します。
ワーキングメモリとは、脳の前頭前野の働きの一つで、作業や動作に必要な情報を一時的に記憶し処理する能力をさす認知心理学の言葉です。
ワーキングメモリを多く消費すると、脳に負担がかかり、眠くなったり集中力が落ちたりする原因になるのです。
だからテキスト選びにおいて「見た目」は大切な要素と言えます。
「そのテキストに何が書かれているのか?」も大切なのですが、「書かれていることがどう見えるか?」という観点で選ぶことはもっと大切なのです。
「ウッ」とならない文字数、行間の広さ、自分のテンションがあがる色使い、取り組めそうな数の問題数、すぐに終えられそうな薄いテキスト。
こういったテキストを選ぶことで、認知的負荷が軽減され、集中力を高めることができます。
そして何より、達成感や勉強する楽しさを感じられるということが、脳へのよい刺激になるのです。
教材えらびは勉強の要(かなめ)
教材はあくまで目的に向かう手段だと言う人も多いですが、その手段をどう選ぶか?は、勉強や受験の効果を大きく左右します。
お子さんが「このレベルの大学・試験を受けるんだから、これくらい密度の濃いテキストの方がいいだろう」と思って、合わない教材を選んでいないか、点検してみてください。
お子さんが進む勉強の全体地図を描き、ステージ(習熟度など)に合わせてテキストの内容やレベルを柔軟に変更していくことで、最短距離でゴールに到達できます。
お子さんに合った教材選びの方法については、また別の記事でご紹介したいと思います。
※ただし、「テキストの見極め」は、親御さんだけでは難しいこともあります。不登校のお子さん(の勉強)のことを、親御さんだけで対応する必要はありません。不登校のお子さんの学習をサポートする団体などはたくさんあります。ぜひそういうところも探してみてください。