「不登校から受験を目指す!けれど勉強の成果に一喜一憂…」心の”雑音”とうまく付き合うには?~心理学に基づいた勉強サポート術~
不登校から高校受験や大学受験を目指すお子さんはたくさんいらっしゃいます。
そして、受験生には不安がつきもの。不登校であればなおさらかもしれません。
お子さんは、いま、次のようなお悩みを抱えていませんか?
- 「本当に不登校から合格できるんだろうか」
- 「気持ちの浮き沈みがあって、安定して勉強に集中できない…」
- 「受験に落ちたらどうしよう…などとついネガティブに考えて、気が散る」
- 「勉強以外の悩みごともあって、なかなか勉強に手がつかない」
今回は、これらの悩みに有効な「ご家庭でのサポート法」をご紹介します。
現在受験生であるお子さんの親御さんも、そうでない親御さんにも役立つ内容を心掛けました。ぜひ今日から実践いただけますと幸いです。
「勉強の成果に一喜一憂でぐったり…」
ザワザワ、ソワソワ、モヤモヤ、グスグス、イライラ…。
私たちの心の中には実に多くの感情が渦巻いています。
それがポジティブなものであればやる気にもつながりますが、日によってはネガティブな気持ちも混ざってくる。
そうなると、やる気がダウンすることもあることでしょう。
受験生であれば、「勉強の成果(テスト・模試・過去問の結果など)に一喜一憂してもう疲れた…」などという状態になることも(※)。
(※一喜一憂ではなく、「憂鬱な気持ち」がずっと続いている場合には、ご家庭で抱え込まず、医療機関・専門機関の力を借りることを考えましょう)
こうした気持ちのジェットコースターはお子さんの「勉強心」の大敵です。
「勉強に集中できない」という現象の裏に、こうした無自覚の問題が隠れている場合もあります。
暗記の仕方や集中法について詳しく解説している受験ハック情報は多いです。
そして実は、この「心の雑音」とのうまい付き合い方についてもおさえておくことが、とても重要なのです。
心の雑音とうまく付き合うコツ、「アクティブリスニング」とは
心の雑音とうまく付き合って勉強するコツはたくさんあります。
その中でも、親御さんがお子さんにできることの一つに「アクティブリスニング(積極的傾聴)」があります。
アクティブリスニングとは、「相手の気持ちを理解するために耳を傾けること」です。
心理学者カール・ロジャーズが唱えた技法で、とても有名なので一度は耳にしたことがある方も多いでしょう。
このアクティブリスニングは、不登校のお子さんが勉強・受験における「心の雑音」とうまく付き合えるよう周囲がサポートするときにもとても有効にはたらきます。
アクティブリスニングにはたくさんのおさえるべきポイントがあります。
うち、もっとも重要なのは「聞いている側がアドバイスや判断をしないこと」です。
これ、やろうとすると実はかなり難しいことに気づきます。
多くの場合、親御さんは、不登校であることについても受験についても、お子さんに対して「こうしたらいいと思う(アドバイス)」「それはこうだと思う(判断)」と伝えがちなのです。
もちろん、それが有効な場合もあります。
ですが、アドバイスや判断をされると、お子さんは「わかってくれない…」と感じたり、「聞いてくれる人はいない」と思ったりして、孤独感や不安感を大きくする可能性があるのです。
アドバイスの代わりに○○をするだけで効果アップ!
では、アドバイスや判断の代わりに何をすればいいのか?
アドバイスや判断の代わりの一例としては、相手の言葉を理解しようとしていることを伝えるように「あなたはいま○○と感じているんだね」と反応を返すことです。
もう一つ、アクティブリスニングで重要なポイントは、励まそうと思って善意であっても「思ってもいないことを言わないようにする」ことです。
たとえば、実際には親御さんは大丈夫と思えていないのだけど、「大丈夫だよ」とお子さんに言った場合、言われた側は「親は思ってもいないことを口にしてるな」とわかるものです。
思ってもいないことを言うよりは、お子さんの気持ちをゆっくり聞くほうが、ずっとよい結果につながることが多いです。
お子さんの不安・イライラ・やる気がでない…といった心の雑音を「どう聴くか」という「聴く姿勢」がとても重要なのです。
お子さんの心の声に耳をすませることが、結果的にお子さん自身による問題解決をうながす近道になります。
簡単なことではないですが、ぜひご家庭における会話でも意識してみてください。
まとめ
以上、不登校で受験生のお子さんが心の雑音とうまく付き合えるようにするサポートのコツとして、「アクティブリスニング」をご紹介しました。
「心の雑音に飲み込まれずに、安定的に勉強する習慣をつけられるか」ということが、成績アップ・受験成功の鍵を握ります。
ぜひご家庭でもアクティブリスニングを実践して、お子さんの勉強・受験をサポートしてみてください。
他にも模試や入試の前にクッションとなるようなコミュニケーションをとっておくなど、たくさんのコツがあります。
これからも不登校オンラインで紹介していきますので、お楽しみに!
※不登校のお子さん(の勉強や心理)のことを、親御さんだけで対応する必要はありません。不登校の親子をサポートする団体はたくさんありますので、そういうところもぜひ探してみてください。