「夏の帰省」はパスしていい!? どうしても避けられないときの攻略法

夏休みには実家や親戚宅へ帰省する家族も多いです。不登校の子どもとその家族はどう対応しているのでしょう。

「不登校オンライン」が行なったアンケートの結果からは、親戚の理解を得られずにあれこれと思い悩む親御さんの、深いため息も聞こえてきます。

帰省を避けるには? 避けられない場合にはどうすればいい?

不登校支援の最前線で子どもと保護者双方に寄り添ってきた相談員・半村進さんが、帰省に悩む親御さんに「帰省攻略テクニック」を伝授します!

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祖父母世代が子育てをした時代と今とでは、不登校に対する考え方が違います。親族であるからこそ、遠慮のない接し方になることもあります。

善意と親密さからの言動に、子も親も傷つき、疲弊してしまう。

そんな場合、どうしたらいいのでしょう。

まず、アンケートで寄せられた声から、対照的な2つの対応方法をご紹介します。(本記事内コメントの括弧内は子どもの学年です。)

◯「まずは摩擦を回避」派

子どもの祖父に学校に行っていないことを話したら、学校へ行くように何度も電話してくるようになり、電話に出るのがつらくなってしまいました。祖父には、子どもが今は学校に行っていることにしています。(中2)

◯「正面からコミュニケーション」派

家族や親族などにも子どもの現状は隠さず伝えます。隠して気まずくなるより、話して相手がどう考えるか、どう反応するかですが、幸いにどの親族も話を聞き、理解して普段通りに接してくれます。

世代によっては学校へ行けないことに罪悪感のような反応もありますが、その時は、今の社会では不登校が多いことや、文部科学省が伝えていること、学校の対応などを伝えて理解してもらっています。

 親族と会う時に、学校へ行っていないことを意識したり、気まずく思ったりすることは、親の中で「不登校」がまだ納得できていないからなんだと思います。あとは親族との関係なのではと感じます。

親にも現在はいろんな道があり、サポートする先もたくさんあることを知っておくことは、心のゆとりになっています。(中1)

ちなみにこのアンケートでは、16.2%の方が「この夏会う予定の親戚に子どもの不登校を伝えていない」と回答しています。

「伝えても理解されないかもしれない」「伝えなければ学校の話題は避けられない」。

このジレンマを越えられた親御さんの声も届いています。

毎年帰省していますが、不登校を隠していた4年間くらいはいつも気が重くヒヤヒヤしていました。子どもの中学進学のタイミングでカミングアウトしたら、意外と理解があり、それからは堂々と行けるようになりました。(中2)

意見の対立が続いたり、なかなか理解を得られなかったり……。

子育てや不登校に関することに限らず、相手にこちらの意見を受け容れてもらうのは、とても骨の折れることです。

しかし、不登校の子どもが安心してリラックスできる夏休みを過ごすためには、周囲の理解と配慮が不可欠。

できるだけ子どもたちの気持ちを尊重し、子どもたちが心地よく過ごせる環境を整えたいものです。

そのためには、一時的に衝突や摩擦を避けることも、有効な一手と言えるでしょう。

どうしても会いたくないとき、どうしたらいい?

子どもも望んでいないし、正直なところ親御さんも帰省して親戚に会うのは気が重い。

そんなときは、「帰省しない」のも有力な選択肢です。

では、帰省せずにすませるには、どうすればよいでしょうか。

ここでは、「子どもを連れて帰省しないこと」を親戚に納得してもらう方法をご紹介します。

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