不登校・ひきこもりのあなたへ、不登校・ひきこもりだった僕が伝えたいこと
こんにちは。不登校やひきこもりの方々のための個別指導塾・キズキ共育塾の岡田和哉です。
このページをご覧になっている方の中には、まさに今、ご自身が不登校やひきこもりで苦しんでいる方も少なくないと思います。
実は私自身も高校入学と同時に不登校となり、そのまま5年以上のひきこもりとなりました。
今でこそキズキ共育塾で働けていますが、当時はとても苦しい思いをしたことを覚えています。
この記事では、不登校やひきこもりの「苦しさ」を経験した私なりの視点で、「不登校・ひきこもりのあなたへ伝えたいこと」を書いてみたいと思います。
ある意味、いまの自分が当時の自分に対して書く「手紙」のようなものかもしれませんが、この「手紙」が、読んでいるあなたの今後に、何かしらプラスとなれば幸いです。
共同監修・不登校新聞社 代表理事 石井志昂氏からの
アドバイス
学校に行きづらくなってしばらくすると、将来に希望が持てなくなることがあります。私もそうでした。
自分には何も取り柄がなく、本気で努力もする気にもなれませんでした。やろうと思ったことがあっても、結局どんどん溜まっていきました。
そんなときは、ぜひ本コラムのような「当事者の実感」を読んでみてください。成功談も失敗談もありますが、ここにはリアルな人生が語られています。
悪循環は、好循環に変えられる
私は、人が不登校やひきこもりとなるのは、特別なことではないと思っています。
どんな人間でも、傷つくことや苦しいことがあれば、休むことや逃げることが必要だからです。
ですが、不登校・ひきこもり当事者は「悩みの悪循環」に陥りやすく、そうなると事態の解決が難しくなっていくのも事実です。
今まさに悪循環の中にあるあなたには、未来に希望があることを信じてほしいです。
悪循環は、必ず好循環に変えることができます。
と、言葉で言うのは簡単ですが、実際はそんなに簡単ではないことは、私もよくわかっています。
規則正しい生活を身につけようとしても、どうしても12時間以上寝てしまって、昼夜逆転はなかなか治りませんでした。
体力をつけようとジョギングを始めても、最初はすぐに足がつってしまい、なかなか成果は出ませんでした。
あなたも、学校に行きたい、ひきこもりから脱出したいと考え、もがくけれども結果が出ず、希望がなくなり、どんどん気力もなくなっていくような悪循環に苦しんでいるのではないでしょうか?
悪循環を好循環に変えるには時間がかかりますし、最初のうちは全く成果が出ない場合もあるものです。
それでも、悪循環は、必ず好循環に変えることができます。
希望を持って、決してあきらめないでください。
不登校やひきこもりで悩み苦しんだ時間は財産になる
私が接してきた不登校やひきこもりの経験者には、深い考えを持っていたり、人の痛みがわかったりする人が多いです。
それはきっと、たくさんのことで悩み苦しみ、未来を変えようとがんばった時間が、その人の財産になっているからだと思います。
現在私がライターとして文章を書けているのも、悩み苦しんだ時間の長さのおかげなのだと思っています。
私は子どものころから文章を書くのが非常に苦手でした。
作文の宿題はいつも憂鬱で、期限内に書き終えた経験はほとんどありませんでしたし、中学以降はやりたくなさ過ぎて宿題の提出をほとんど放棄していました。
そんな私がこんなふうに文章を書いていることには、自分が一番驚いています。
今の状態をどうにかよくしようとあなたが悩み苦しんだ時間は、必ずあなたの、そして社会の財産になります。
どうしたら「後悔」しなくなる…?
不登校・ひきこもりの悪循環を好循環に変え、前に進めるようになる…。それは事実です。
ですが、好循環状態になっても、前に進めるようになっても、不登校・ひきこもりの経験を後悔している人がいることも事実です。
その場合、「後悔」とどう向き合うかは大きな課題でしょう。
私も、過去に戻ってやり直せたらいいのにと考えてしまうことがたまにあります。
結論を言えば、「後悔するような過去も、それがあったから今の自分がいると思えるようになったらいい」のだと思います。
ただ、これも簡単なことではないでしょう。
私は最近になってようやく、完全にではありませんが、自分のことを、過去も含めてを肯定的に捉えられるようになってきました。
今が楽しいと思えたり、生きる喜びを感じたりすることも多くなってきました。
これは、何よりも「未来に希望を持てる」ようになったからです。
「そんなこと考えられない」と思う方も多いでしょう。
私自身も、全く希望が持てず自暴自棄になってしまった時期がありました。
でも、過去を受け入れられる日はいつかやってきます。
ただ、その日を早く迎えるためには、「未来は明るい」と希望を持って、前向きに生きようとすることが大事だと思います。
「成功したこと」に目を向けて、自信を持ちましょう
私はニート・ひきこもりが長かったので、「いろんな経験が少ないこと」が自分の弱点だと思っていました。
ただこれは、裏を返せば「今後に可能性がある」とも言えます。
私は今29歳なのですが、取り組んでいる活動の一つ一つが新鮮で、自分が成長していると実感する機会が多くあります。
ひきこもりだった数年前の自分と比べると、驚くほどたくさんの経験を得られています。
私がたくさんの行動を取れるようになったのは、一つ一つの行動の積み重ねで、自分に自信を持てるようになったことが大きいと思います(これも好循環ですね)。
自信というものは、持つか持たないかで、その人の性格を変えるほどの力があります。
悪循環の中にいるあなたは、うまくいかないことがあると、「こんなこともできない自分はダメだ」と考えてしまっていませんか。
その気持ちは、すごくわかります。
でも、それでは自信が身につかず、悪循環から抜け出せません。
全体的にはうまくいってなくても、少しでも「成功した」ことがあれば、それに目を向けて、希望を持って、今より自信を持つことを心がけてみてください。
自分はなかなか変わらない。でも成長はできる
「自分」というものは、そう簡単には変えられないものだと私は思っています。
自分の容姿や性格は、変えようと思ってもなかなか変えられません。
ただ、「成長」という変化だけは、みんなできることだと思います。
私について言えば、「人とのコミュニケーション」に強い苦手意識があります。
物心ついたときからずっとそうで、これからも一生付き合っていかなければいけないものなのだろうと認識しています。
そんな苦手意識から、私は他人とのコミュニケーションをなるべく避けて生きてきました。
ですが、コミュニケーションは、苦手だからと避けているとますます苦手になっていくことや、逆に苦手でも挑戦することで成長できることに気づきました。
そのため最近は積極的に人とコミュニケーションをする努力をしています。
例えば、ミュージカル公演や社会問題についてのワークショップ、話し方セミナーへの参加などです。
もちろんまだまだ苦手意識もありますが、数年前の自分と比べればかなり成長したなと思い、これも自信に繋がっています。
希望を持つことが、前に進むための第一歩
繰り返しになりますが、私は、不登校・ひきこもり当事者が問題を解決し、前に進むためには、「希望を持つこと」が第一歩だと思っています。
あなたの前に支援者やチャンスが現れたとしても、あなた自身が希望を持っていなければ前には進めないからです。
ただ、自分一人の力で希望を持つことは難しいことだと思います。
私がひきこもり当時に希望を持てたのも、運がよかった部分が大きいとも思っています。
私はサッカーのコーチというアルバイトに出会えたことで希望を持つことができました。また、他にもいくつか「やりたいこと」があり、それらがずっと私にとっての救いになり続けていました。
「やりたいこと」がないという方もいるでしょう。
そんな方に向けて、私が尊敬する黒沢一樹さんという方の言葉を紹介します。
彼は「やりたいことではなく、最悪から人生を考えろ」と言います。
「やりたいこと」がある人は、少ない。ただ「やりたくないこと」であれば、みんなある。
それなら、自分の「やりたくないこと」「なりたくたいもの」「できないこと」を避け、最悪にならないことを目標に人生を進むことを勧めています。
彼の言葉はひとつのヒントになると思います。
また、「不登校や引きこもりの後には、人生の選択肢がない」と思っていませんか?
「選択肢がないため人生に希望が持てない」という人もいるでしょう。
ただ、生きる上での選択肢は、意外と閉ざされないものです。
もしあなたが希望を持てずにいるなら、相談先を探してみてください。
きっと、一緒に新しい選択肢を見つけることができるはずです。
社会は意外と優しいもの
不登校・ひきこもりの人には生きづらさを抱えている人も多いと思います。
生きづらさを感じている人は、「社会は自分に厳しい」「今の社会は自分に合わない」と思っているでしょう。
確かに、社会には厳しい面があります。不条理な現実もあります。
でも、社会には意外と優しい面もあるのだということも知っておいてもらいたいです。
「社会は厳しいだけ」と思っている人は、社会の一面しか見ていないのだと私は思っています。
そこで絶望しなくても大丈夫です。生きづらさを抱える人や悩み苦しむ人に寄り添ってくれる人や団体は、あなたのそばにも必ずあります。
私も、そういう人や団体にいくつも出会い、その度に救われてきました。
「何度でもやり直せる社会をつくる」ことを理念とするキズキ共育塾もその一つです。
もしあなたが何かをやり直したいと考えているなら、ぜひ一度ご相談にいらしてください。きっとお力になれると思います。
※文中の写真は、全てイメージです。