「あなたたちに協力したい」娘との衝突を経て、祖父母が『孫の不登校』を理解するまで
わが子が不登校になると、子どもだけでなく祖父母との関係も気になるもの。「親のあなたがもっとしっかりしないと」などの小言を言われ、つらい思いをした親御さんもすくなくないでしょう。親として、祖父母と良好な関係を築き、ともに子どもを支えるためには何ができるのか。今回は、不登校の孫を持つ祖父母のお2人と、その子どもで不登校の子を持つ母親・ななみさんにお話をうかがいました。
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――お孫さんの不登校を知ったいきさつからお聞かせください。
祖母・あきこさん(以下・あきこ)孫のことは娘からよく聞いていました。小学校へ入学してすぐ、学校へ行くのをイヤがっていると。理由は、学校のにおいや音、先生がほかの子を叱る声が気になるからだと。
そう聞いても私はあまり驚きませんでした。孫は保育園のころからまわりの環境に敏感なところがあったからです。
祖父・ひろあきさん(以下・ひろあき)私は行きしぶりの話を聞いたとき、「なんだ、根性がないな」と思いました。当時の私は、世のなかに敏感な気質の子どもがいることを知らなかったですし、昭和の根性論の時代を生きてきた人間ですから、孫は甘ったれていると思ったんです。だから当初、孫に怒ってしまいました。
あきこ しかし、おじいちゃんが説教したところで状況は変わらず。孫はその後、小学2年生から不登校になりました。娘がフルタイムで仕事をしていたため、私たちは交代で娘の家を訪れて孫の子守りをすることになりました。
最初、孫はひどい状態でした。口を開けば、「俺は生きていてもしかたない」、「家族のお荷物だから死んだほうがいい」と暗い発言ばかり。包丁を出すなど過激な行動に出ることも。
まだ小学2年生なのにどうしてこんなに不穏なのだろうと、とまどいました。私たち夫婦は4人の子どもを育ててきましたが、こんなことは一度も経験したことがなく、不安でたまりませんでした。