「世の中にはいろんな道がある」2度の中退経験がある児童文学作家・こまつあやこさんが10代の子どもに伝えたいこと
今回は、児童文学作家・こまつあやこさんのインタビューを掲載する。こまつさんは今年4月、高校を中退した女の子が主人公の作品『雨にシュクラン』を出版。周囲のまなざしにとまどいながらも、「アラビア書道」を通して出会った人々とのやりとりを経て、自分らしく生きていく主人公の姿を描いた。こまつさん自身も、高校と大学で中退を経験している。ご自身の経験や不登校の子どもに伝えたい思いについてうかがった(※写真はこまつあやこさん)。
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――こまつさんは、高校を中退した経験があるとうかがいました。
中学受験をして中高一貫校に通っていたのですが、高校1年生のときに中退し、翌年に別の高校を再受験しました。入り直した高校は、女子大の附属高校でしたので、そのまま大学へ進学することもできたのですが、自分がやりたいこととのズレを強く感じてしまって、大学も中退しました。その後、別の大学に入り直して卒業したので、高校と大学で2回、中退を経験しました。
最初に通った中高一貫校は、入学してすぐに「学校のカラーが自分とは合わない」と感じました。同級生は「勉強をがんばるタイプ」と「おしゃれに夢中なタイプ」の2つに分かれているように見えたんですね。私はそのどちらでもない「素朴なタイプ」で、なじむことができませんでした。
結局は気の合う友だちもできないまま、中学の3年間は無理をして通い続けました。「高校は別の学校へ進学する」という選択肢もありましたが、踏ん切りがつかなかったんです。
――その理由は?