作家・燃え殻さんインタビュー|生きづらさと向き合う⑤ 世の中のほとんどに「答え」はない―それでも生きていける
#不登校#行き渋り#燃え殻
日常に現れる生きづらさや孤独、不安、そしてその中に差し込む小さな「光」。 そうした揺れを描き続ける作家・エッセイストの燃え殻さん。
不登校オンラインでは、燃え殻さんに「生きづらさ」をテーマにインタビューしました。全6回の連載でお届けします。
第5回のテーマは「世の中のほとんどに答えはない」ということ。 大人になっても分からないことは数多く、明確な解決策がないことの方が多い――。 そんな現実をどう受け止めればいいのか。燃え殻さんに「答えがない」状況との向き合い方、そのための考え方を伺いました。
目次
親が動揺するのは仕方ない。「で、どうする?」を考える
― 不登校の子どもと親が悩みがちな理由の一つに、「誰に、何を、どう相談したらいいのか分からない」「子どものことは、家庭でなんとかするべき」「こんな話、恥ずかしくて相談できない」などの思いから、数多くの悩みを家庭という閉じた関係性のなかだけで抱え込み、「解決」に至らない、というものがあります。
燃え殻(敬称略。以下同様):うちの母親は、僕が物書きになっていろいろなことをやっていると、「(子どもの頃にも)好きなことをやらせればよかった、お母さんが悪い!」となるんですよ。
でも、子どものときに好きなことをさせてもらっていたとしても、それが理由で僕が物書きにはなったかというと、そんなことはないでしょう。
当時はお互いに悶々としていました。母親も、僕という「普通になんでもすぐにできる子ども、じゃない子ども」の親に向いていなかったんです。だから悪いということではありません。
親にだって向いてないことはあるし、動揺するし、恥ずかしいと思うこともあります。そこまでは仕方ありません。「で、どうする?」っていうことだと思いますよね。
「恥ずかしい」で閉じずに、自分の気持ちをガン見する
不登校についても、恥ずかしいと思うかどうかは人次第です。なので、



