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元宝塚・真野すがたさんインタビュー③不登校の子育て|台湾で知った、「子育ては母親がするもの」ではないということと、グレーゾーンの息子

#不登校#行き渋り#台湾#宝塚#真野すがた

宝塚歌劇団・花組の元男役スター、真野すがたさん。

台湾での10年の子育ての中で、「台湾社会は、お母さんも働いている前提で設計されている」「『子育ては母親がするもの』と決まってはいない」ということを肌で感じたと言います。

一方で、息子さんには幼稚園の頃から育てにくさを感じて児童精神科を受診しました。息子さんは、wisc検査ではギフテッドのレンジに入っていました。ただ、ADHDの傾向はありながら、確定診断は出ませんでした。

第3回(最終回)となる今回は、日本と台湾の子育て・教育環境の違い、ホームスクーリングや実験学校(オルタナティブスクール)、そして「グレーゾーンの子どもたち」と病院の役割についてお伝えします。

 

真野すがた(まの・すがた)

台湾社会は「お母さんは働いている」が前提。預けられっぱなしでも「お母さんのせい」とは誰も言わない

――台湾は、日本人に人気の旅行先ですね。ただ、実際に住むとなると、旅行とは違う面もあると思います。

真野すがた(敬称略、以下「真野」):
「台湾は、日本人が住みやすい」ということは間違いないと思うんですよ。

日本人ということで嫌な思いをしたことは1回もないですし、むしろ優しくしていただけることの方が多くて。食べ物も口に合うし、文化的にもすごく離れているわけではないですし。

ただ、住んでみたら日本といろいろなことがやっぱりすごく違います。

――日台の違いについて、特に子育ての観点ではいかがでしょうか。

真野:
いっぱいあるんですよ(笑)。例えば…日本では、両親共働きは、ここ10年くらいで一気に進みましたよね。その関係で、子どもが不登校(行き渋り)になるとお母さんが働けなくなるという問題も出てきたと思います。

一方で台湾は、もともと女性も働く社会なんですよね。共働き率が高くて、社会の仕組みも「お母さんは、働いている」という前提でできています。なので、日本でいう学童的なものも、夏休みの預け先もいっぱいあります。

あとは、おじいちゃん・おばあちゃんどころか、親戚全部で子どもの世話をするんです。だから「母親が絶対に子どもの面倒を見なきゃいけない」というプレッシャーはすごく少ないですね。

お母さんはお父さんと同程度に働くから、預けられっぱなしの子も多いんです。でもそれをみんなでケアしているし、預けられっぱなしなことを「お母さんのせい」とは誰も言いません。

台湾で知った、「子育ては母親がするもの」と決まってはいないということ

真野:
日本のお母さんって、すごく自分を犠牲にして子育てされるじゃないですか。

私が台湾に10年いてよかったなと思うのは、「台湾のお母さんたちには、そういうところがあんまりない」ということを知ったことですね。いい悪いというものではなく、いろんなパターンがあるんです。

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