もっとするっと不登校になればいい 不登校の専門家が考える4つの理由
現在、千葉県フリースクール等ネットワーク代表やフリースクールのコンサルティング業務など、さまざまなかたちで子ども支援に取り組んでいる前北海さん。そんな前北さんは「もっとするっと不登校になればいい」と提唱します。前北さん自身が不登校経験者として、また不登校支援に長年関わってきた経験から「もっとするっと不登校になればいい」と考える4つの理由を解説します(※写真は前北海さん)。
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前北海と申します。不登校経験者です。「千葉県フリースクール等ネットワーク」の代表など、不登校をはじめ、子ども支援に取り組む団体に関わっています。また個人として「うみけるのフリースクール屋さん」という事業もしていて、現在は4カ所ほどのフリースクール支援もしています。
僕の自己紹介はこれぐらいにして、本日ご参加いただいているみなさんのこともすこし知りたいです。子どものころ、何で遊んだかをチャットで教えていただけたらと思うのですが…さっそく書き込んでいただいていますね。ファミコン、お人形さんごっこ、ゴム跳び、缶蹴りなど、いろいろ出ましたが、みなさんの「あたりまえ」は、ほかの方とちがいがありましたか?
ここで、あたりまえという幻想について考えたいと思います。たとえば「家族がいてあたりまえ」。そうじゃない人もたくさんいます。シングルの家庭もあれば、そもそも親を知らないという人もいます。
また、非行傾向のある子に夜な夜な家を出ていく理由を聞いてみたら「お母さんの彼氏が来るから」と話す子もいれば、「ご飯がないから万引きをしなければいけない」と話す子もいます。このように、世間で「ふつう」とされているあたりまえが、あたりまえじゃない子どもがいるんです。誰もが結局、自分の経験というフィルターを通して世界を見ているんです。
よく「子どもが話をしてくれない」と相談されますが、じつは大人のあり方に課題があることが多い。