「理由はとくにないみたい」漫画家が語った私と娘の不登校
シングルマザーの母親と不登校の娘を描いた漫画『たそがれたかこ』(講談社)。『このマンガがすごい!2018』第4位にランクインした本作の作者・入江喜和さんにお話をうかがった。
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――子育てでたいへんだったことはなんでしょうか?
ママ友との付き合いが一番つらかったですね。娘が習いごとをしていて、決まりで1回は役員をやらされるんですが、そこのお母さんたちがとくにひどかった。
大人なのにスクールカーストみたいなものがあって、一部のお母さんたちに特権意識があったんです。娘を人質にとられているようなものなので、嫌なことがあっても逆らえません。
いっしょに作業をしないといけないときに、「わかりません」とか「できません」とか言うと、すぐにいじめてくる。はっきり無視してきたり、「ふん」っていう態度をあからさまに出してきたりするんです。
ママ友ってこんなに露骨ないじめをしてくるのかと驚きました。「ママ友」と言っても、もう「友」でもなんでもないですけどね。
ただ、本当にひどいと思える相手でも、一対一になってみれば、そこまで悪い人ではありません。グループになるとものすごい圧をかけてきても、一人ひとりはたいしたことがない。
幼稚園や学校でも多少はこうした人もいたと思いますが、優しい人もたくさんいて、今でも付き合ってくださる方が何人かいます。
私はそもそも、集団でまとまっているものがきらいですね。「文句があるならひとりで来いや」という反抗的な気持ちがあります。
娘の不登校は
一方、娘は不登校でした。中学2年生の終わりごろから、中学を卒業するまでは、教室へほとんど行っていません。