
子どもの不登校、夫婦に増えたストレス【不登校と夫婦関係のアンケートから(6)】【調査報道】
ウェブメディア「不登校オンライン」は、2025年3月12日〜25日に、お子さんが不登校・行き渋りである(であった)保護者さまを対象に、「不登校の保護者の夫婦関係」についてのアンケートを実施しました。
「子どもの不登校に関連して、夫婦どちらか、または両方にストレスが増えましたか?」という設問への回答は63名で、内訳は次の通りでした。
- とても増えた:52名(82.54%)
- 少し増えた:10名(15.87%)
- 変わらない:1名(1.59%)
- 少し減った:0名
- とても減った:0名
本記事では、その設問に関連した「ストレスを感じる具体的な場面を教えてください。」という設問にお寄せいただいたエピソードと、キズキ不登校相談員・伊藤真依からのコメントを紹介します。
※紹介内容は、回答原文をもとに、不登校オンライン編集部が類型化・再構築・編集を行ったものです。
※回答者:全て「妻(不登校の子どもにとっての母親)」、敬称略、順不同で、ハル、もりこ、すいーとぽてと、poreru、りん、hum、なお、やまぐち、ま、いぶき、あげは、ぺんま、み、ごくらく、153、Hideko、さくらママ、らい、ゆーみー、Sakl、ゆうこ、みも、あくう、めんどくさい、みーちゃん、子育てを楽しみたい、まさき、よーちん、きんたろう、まー、コ、うつぼ、あじたま、natsumi、ゼロ、みえころ、F母、さな、まんぼう、りー、姫菜、しんのすけ、もも、しーちゃん、きなこ
目次
類型①:とてもストレスが増えた●母親の全方位対応による疲弊
子どもが不登校になってからというもの、私はまるで休む暇がありません。
毎日の昼食準備、子どもの不安定な感情への対応、学校や支援機関とのやりとり、そして仕事……すべてが重なり、時間も心もすり減っています。
特に辛いのは、私一人で状況を見極め、解決策を考え続けなければならないことです。
子どもの癇癪や昼夜逆転に加えて、夫は無関心か他人事で、「母親がやるものだろう」という態度。気がつけば、自分だけが悩み続けていました。
類型②:とてもストレスが増えた●家庭の分断・夫への不信
子どもがリビングに出てこなくなったのは、夫が家にいるときの空気があまりに重いからです。
夫は在宅勤務で、家にいながら私たちの行動を見張っているような緊張感があり、子どもだけでなく私まで委縮してしまいます。
時には「死ね」などの暴言を子どもに向ける夫の姿に、心臓がドキドキして苦しくなるほどのストレスを感じました。
指摘しても返ってくるのは的外れな言葉ばかり。家族であるはずの夫に、どうしてここまで気を使わなければならないのか――そのことが最も苦しいのです。
類型③:とてもストレスが増えた●子どもの言動による追い詰められ感
子どもが「学校に行きたくない」「死にたい」と口にするたびに、私は仕事を休まざるを得ませんでした。
職場にも申し訳なく、でも命の方が大切だと心に言い聞かせながら対応してきました。
深夜まで続くゲーム、負けて不機嫌になって私に八つ当たり。その様子に「このままで本当に大丈夫なのか」と毎晩悩み、眠れない夜が続きました。
家庭内で安心できる場所がないと感じるようになったとき、自分が壊れてしまいそうでした。
類型④:少しストレスが増えた●日々の積み重ねがじわじわと
在宅でフリーランスとして仕事をしている私にとって、子どもが一日中家にいることは思っていた以上に負担でした。
集中できないうえに、常に「このままでいいのか」という焦りがつきまといました。
夫は仕事でほとんど家にいないので、このストレスをあまり感じていない様子。その分、私は日々の小さな不安や戸惑いを、LINEで共有するように心がけています。
類型⑤:少しストレスが増えた●学びの遅れ・生活習慣の乱れ
子どもが不登校になり、毎日の勉強や生活リズムの管理も私の肩にのしかかっています。
YouTubeやゲームの時間が増えて、決めた約束を守らないことが重なると、言いたくないことまで口にしてしまうこともあります。
このままで子どもが社会に出られるのか、将来が心配でたまりません。でも、その不安を一人で抱えることが一番のストレスだと感じています。
類型⑥:変わらない・慣れてきた●時間とともに、少しずつ受け入れた
不登校が始まった当初は混乱もありましたが、今では状況にある程度慣れたこともあり、ストレスは大きく感じていません。
子どもの生活スタイルも固定され、私自身も気持ちの持ちようを学んできたように思います。
とはいえ、根本的な不安が解消されたわけではなく、「この先どうなるのか」という気持ちは常にどこかにあります。それでも、以前のように毎日感情が振り回されることは減りました。
不登校相談員・伊藤真依(株式会社キズキ)のコメント
昼夜逆転、癇癪、ゲーム依存、学校との連絡、将来への不安…。ひとつひとつ負担の積み重ねで、不登校のお子さんを支援する家族も心身ともに疲弊していくことは少なくありません。
一方で、「慣れてきた」「感情が振り回されにくくなった」という声もあり、時間の中で親子それぞれが、自分なりのバランスを見つけていく様子も伝わってきました。
不登校のお子さんを支える日々は、想像以上に長く、”頑張りすぎ”は続かない場合が多いです。
適度に手を放す部分を決めたり、家族との協力が難しい場合は専門家の力をかりるなどの方法で、ストレスを減らして持続可能な支援のバランスを見つけていくことが大切です。
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