不登校経験者が聞く先生のホンネ「不登校、どう思っていますか?」
メインイラスト・伊藤歩
2020年12月20日に開催されたオンラインイベント「不登校経験者と教員が本音トーク 不登校の悩み 先生の悩み」(弊社主催)のトーク内容を抄録する。当日は現役の学校教員2名と不登校経験者が対話した。不登校に対する教員の思いや、不登校経験者がしてほしかった対応などが語られた。(企画・子ども若者編集部、編集・茂手木涼岳、協力・本多寿行)
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しょうた 本日の司会をつとめます、しょうたです。僕は小学校と高校で不登校を経験しました。さっそく先生おふたりにうかがいます。おふたりの担当するクラスに不登校の子がいたらどんな思いを持ちますか?
松永(仮名・以下、松永) 中高一貫校で教員をしている、松永です。僕のクラスに不登校の子がいたら、やはり「大丈夫かな」とか、「つらいのかな」と思いますね。「なんで学校へ行きたくないの?」と聞きたくなっちゃうと思います。でもそう聞かれても、苦しいときは言葉にするのも難しいですよね。だから、正直どうやってアプローチしたらいいか、迷います。また、「何かマズイことしちゃったのかな」と自分を責める気持ちにもなりますね。
みどり(仮名・以下、みどり) 小学校教諭、みどりです。不登校の子というのは、私にとっては忘れ物をしがちな子、人当たりの強い子などの、さまざまな子どもの状態のひとつです。それ自体をネガティブなものだとは思っていません。
ただ、私も自分のクラスに不登校の子がいたら、やっぱり学校へ来てほしいという思いはあるので、「どうして?」と聞いてしまうと思います。答えてもらえるかどうかはわからないけれど、本人が抱えている問題が解決できるものであれば、力になりたいと思うんです。
さゆり 中学と専門学校で不登校を経験したさゆりです。私も不登校になったときに、先生に、「なんで来られなくなったの?」と理由を聞かれましたが、明確な理由なんて自分でもわからないから説明のしようがなかったんです。先生は理由があったほうが安心しますか?