「息子の不登校が受けいれられない」正しい子育てと理想の母親像に縛られた私の葛藤

 藤本里見さん(仮名)は3人の子どものお母さん。しかし長男と次男は不登校を経験しました。「正しい子どもを育てなきゃ」という思いが強かった藤本さんは、子どもの不登校で自分にもバツがついたように思ったそうです。今では居場所スタッフとして働く長男に思うことなど、藤本さんとお子さんとの軌跡をお聞きしました。

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――長男・新一さんが不登校になった当時のことを教えていただけますか?

 新一が不登校になったのは、中1のとき。きっかけは、夏休み、毎日のように部活があって、宿題が溜まってしまったことでした。8月末に徹夜で仕上げたのですが、いざ学校へ行くと宿題をやっていない子が多くて、みんなに「写させてよ」と言われ、イヤと言うこともできなかったようです。3学期には、誰もがめんどうくさがった学級委員に選ばれてしまったうえ、ふざけている友だちの輪に入ろうとすると、「学級委員はそんな遊びをしちゃダメだろ」とまわりから言われたりして。まじめで、なんでも真に受けてしまうから、からかわれやすいんですよね。そんなことが重なって「行きたくない」と言い出したのが、中1の2月。中2になって再び行き始めたものの疲れ切ってしまって、5月の連休明けからまったく行かなくなりました。

 苦しかったのは、私自身が新一の不登校をなかなか受けいれられなかったことです。

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