「学校をやめます」 小1の娘の不登校を機に夫婦で決断するまでに大事にしたこと

 「うちは学校をやめます」。小1の娘が不登校したとき、母親の天棚シノコさんは夫との話し合いのすえ、学校から撤収するという決断をします。その後、天棚さんの娘はプレーパークやホームエデュケーションで育ち、高校生年齢になるいま、オルタナティブスクールに通っています。そんな天棚シノコさんが、学校とのやりとりや夫との話し合いのなかで心がけたのは「敵にしない」ということ。その真意とはいかに。また、学校や夫とのやりとりのなかで行なった具体的な方法やコツについて、うかがいました。

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――天棚さんのお子さんが不登校をした経緯からお聞かせください。

 娘は、小学1年生の6月ごろから、学校を休む日がすこしずつ増えていきました。ただ、私はとくにあわてることはありませんでした。というのも、いじめや自殺など、学校で苦しい思いをしている子どものニュースを見るたびに「はたして、学校は子どもにとって最適な場所と言えるのか」と、疑問を抱いていたからです。学校を1つの組織として見た場合、あれほど不祥事を出し続けているところもないのではないか、と。

 ですから、「娘がイヤと言うのであれば、学校はやめてもいい」と考えていました。実際に娘が行きたくないと言い出したときは、ラッキーとさえ思ったほどです。「よし、学校から撤収するぞ」と(笑)。

 また、理由を娘に問うこともしませんでした。「もう学校、いい」と、しんどそうに、絞り出すように話してくれた娘の姿を見て「イヤという気持ちを伝えてくれたことを、そのまま受けとめたい」と思ったんです。

私にとって 一番のショック

 娘は幼稚園時代から自主保育で育ち、プレーパークにもかかわっていました。まわりのお母さんからも頼りにされるような、いわゆる「しっかり者」。また、「〇〇くんがこんなことをしてね」と、ふだんから今日の出来事を楽しそうに話してくれる子でした。そんな娘が学校を休むようになったある日、私にとって、一番ショックな出来事がありました。

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