【PTA特集】 どうせなら使い倒して脱・孤独! 保護者アンケートに見るホンネ②
「不登校オンライン」では、子どもの不登校・行き渋りを経験している保護者を対象に、PTAに関するアンケート調査を実施しました。
今回は、「不登校・行き渋りに関連して、PTAが役立っていること」について、回答者から寄せられた声をご紹介します。
キーワードは「つながり」。学校そのものと、先生方と、ほかの保護者と……さまざまなつながりが、不登校の子どもの保護者の支えになっていました。
さらに、子どもとPTAとのつながりにも、興味深い可能性が見えてきました。
前回までの記事はこちら↓
【PTA特集】不登校中も6割が参加 「不登校とPTA」についてのアンケート調査結果
【PTA特集】理解されない、もう頑張れない……保護者アンケートに見るホンネ①
目次
①回答者本人に役立っていること
※以下、各コメント末尾の( )内は回答者のペンネーム・お子さんの現在・回答者お立場。
■学校の様子を知る
ほかの子どもや学校の様子が見られること。(ゆゆさん・小学生・母親)
■先生とのつながり
学校へ行ったら先生が声をかけてくれる。(りこさん・高校卒業済み・母親)
学校との関わりがあるので、意見は伝えやすい。(しまともさん・中学生・母親)
連絡事項があったら、学校に行った際に直接お伝えできるので、その点では役に立ったと思います。(くんちゃんさん・中学生・母親)
親自身が学校に足を運ぶ回数が増えることで、学校や職員室に行く際に障壁が低くなる。ふだんから教員と顔を合わせる機会をもっていると、大切な話をすることが必要なときにも話しやすかった。(ぺこさん・高校卒業済み・母親)
■学校管理職とのつながり
担任の先生だけでなく、管理職の校長先生、教頭先生との接点を持てて、不登校への理解を確認できたり、子どものことを気にしてもらえたりする。(ごくらくさん・小学生・母親)
先生との関係で、子どもが薬物治療が必要になるほどの精神疾患を患ってしまったため、担任の情報と、学校との交渉が必要でした。上の子で役員をした直後だったため、PTAでの人脈と、学校の管理職とのつながりがとても役に立ちました。(milmilさん・小学生・母親)
■ほかの保護者とのつながり
学校の統合直後で、子どもはもちろん、親も不安でしたが、校長、教頭と何度もお話しする機会がありました。また、同じクラスのほかの保護者とも接することが多かったので、不登校の自分の子どものことを伝えられる場があってよかったと感じます。(ラムネさん・小学生・母親)
一度、以前のPTA会長さんが見守りをしてくださっていたことがありました。PTAとしてではなく自主的にでしたが、とてもありがたいと感じました。(とまこさん・小学生・母親)
同じ時期に役員になった保護者の方たちと意気投合し、隔月で土曜日夕方から集まるようになりました。いろいろなことを話して相談しあうことができる仲間に出会えました。(たーこさん・小学生・母親)
ほかの保護者の不登校に関する誤った解釈を変えることができる。(かめさん・中学生・母親)
■同じ境遇の人とのつながり
親同士のつながりの中で、嫌な気持ち(偏見や余計なアドバイス)を味わうこともあったが、一方で「うちの子も行けていない」「行ってるけど学校がしんどいと言ってる」という話ができた。
「学校には行ってるけどつらそうで…と」いうお母さんとは、よく学校やクラスの現状について話をした。それが自分にとっても励みになった。(ぺこさん・高校卒業済み・母親)
同じように子どもが不登校だというお母さんに出会えた。(いっちゃんさん・中学生・母親)
同様に行き渋りの方がいると把握できた。(もんき!さん・全日制高校生・母親)
■保護者自身の気持ち
学校とのつながりを感じたり、何らかの情報を得たりすることで、自身の安心感につながった。(nyさん・小学生・母親)
子どもがなかなか登校できなくても、親として頑張るのは周りへの意地のようなものがありました。行っていなくても忘れないでほしい、できれば行けるような環境に変わってほしいといった思いで気持ちを奮い立たせたので、自分の心に役立ったと思います。
参加してないと、自分の言い分ばかりを先生に言うのは気が引けることもあると思います。(水色さん・中学生・母親)
ほかの保護者や学校の先生たちと自分がつながることで、心配してくれる気持ちのやり取りが直接できる。(ちょうちゃんさん・小学生・母親)
自分のことも子どものことも、俯瞰して見ることができた。(コニべぇさん・通信制高校生・母親)
PTA主催のイベントは楽しみにしていて、参加しているから。(さわざわさん・小学生・母親)
周り(社会)とのつながり。(ぼーちゃんさん・支援学校高等部生・母親)
②回答者から見た、配偶者に役立っていること
■仲間ができる
不登校の親は孤独を感じていると思いますが、仲間ができて、共感してもらえたり、気をまぎらせたりできるようです。(かめさん・中学生・母親)
■回答者や子どもを通じた間接的な影響
不登校で学習発表会に行かず、そのときに踊らなかったダンスを、PTA主催の開校イベントでは友人たちと踊ることができた。(ラムネさん・小学生・母親)
私(妻)がPTA役員を通じて出会った仲間とのコミュニケーションを通じて元気になり、母親が元気なので子どもも影響されて徐々に元気になってきていることが理由です。(たーこさん・小学生・母親)
③回答者から見た、子どもに役立っていること
■子どもの存在を示す
広報委員長の特権で、広報誌には必ず自分の子どもに関係する「何か」を掲載している(趣味のバルーンの写真や、子どもの手の写真など)。「存在している」ということを示せている。(ラムネさん・小学生・母親)
■イベント参加
PTA主催のイベントを楽しみにしているから。(さわざわさん・小学生・母親)
PTA主催の運動に、子どもも付帯して行けたこと。(承知しましたさん・小学生・母親)
PTA主催のバザーには、学校に行けなくても行きたがったから。友だちの様子を、親同士の会話を通じて聞けることが嬉しいみたいです。(かめさん・中学生・母親)
■間接的な影響
担任や学校との関わり方(親の顔を周知してもらう)。(ぼーちゃんさん・支援学校高等部生・母親)
私(母)がPTA役員を通じて出会った仲間とのコミュニケーションを通じて元気になり、母親が元気なので子どもも影響されて徐々に元気になってきていることが理由です(上記配偶者に関する回答と同じ)。(たーこさん・小学生・母親)
④役立っていることは何もないという声
何も役立つことがないことに驚いた。(もじゃもじゃさん・小学生・母親)
PTAが役に立ったことは何一つありません。あえて言うなら、PTA活動を通して学校組織に幻滅していたので、不登校になった子どもが悪いのではないと思えたこと。(みかんさん・中学生・母親)
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次回は、アンケートに寄せられた「PTAについての悩みや疑問」をご紹介します!
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