不登校の息子が専門学校へ「やっと終わった」と思った母の本音

 不登校だった次男が東京の専門学校へ。「これでもう大丈夫、不登校からは卒業できたんだ」、そう思っていた後藤誠子さん。しかし、専門学校が始まって約1年、「なんだかイヤな予感がした」と後藤さんは語ります(連載「不登校は幸せへの道」第9回)。※写真はイメージです

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 あんなに学校へ行けなかった次男が、卒業式には参加した。体育館でほかの生徒と座り、名前を呼ばれると大きな声で返事もした。うれしくて私は泣くのだろうと思っていたが、不思議と泣く気にはなれなかった。やっと長い戦いが終わった。明日からはもう戦わなくていい。ほっとする思いだった。

 3月、次男は1人で東京へ旅立った。専門学校でギターづくりを学ぶために。学生専用の寮で暮らすことになった次男。もちろん家を離れて生活するのは初めて。生活に必要な物は近くで買えばよいと何も持たずに行ったものだから、最初からつまずいた。「あれはどうすればいい、これはどこで買うの」と何度も連絡が来た。

 4月に入り学校が始まると、やっとすこし落ちついてくる。 寮の先輩に食事に連れて行かれた、クラスの子たちと遊びに行ったと知らせてくれるLINEの文字が楽しそうに踊って見えた。

【連載】不登校は幸せへの道
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