不登校経験を活かして役に立たなくてもいい説【仮説なんですが】
本欄「仮説なんですが…」は、リレー連載です。不登校・ひきこもりについて「もしかしてこうなんじゃないか」「今はこんなふうに考えてます」という「仮説」を紹介し、読者とともに考え合っていきたいと思います(本紙512号以来、約1年ぶりの再開です)。
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私はふだん不登校経験者と関わっているのだが、彼らからこういう話を聞くことが多くなった。「自分は不登校だったから、その経験を活かして、苦しんでいる人の役に立ちたい」。
きっと、「自分にも何かできることはないか」と探しているのだろう。それ自体はすばらしいことだし、心から応援したい。「できること」はかならずあるよ、と。しかし、一方でこうも思うのだ。「べつに、人の役に立たなくてもいいんじゃない?」。
不登校経験者たちが「役に立ちたい」と言うとき、その言葉の裏側に「私は社会にとって有用な存在でありたい」という思いを強く感じる。
まるで彼らにとって不登校は人生の大きな欠損であり、「役に立つ」ことで埋め合わすことができるものであるかのようだ。
【連載】仮説なんですが
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