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「本当に実在するんだな」 不登校高校生にとっての憧れの地は、家や学校なんかより身近な世界だった

不登校だった高校時代、一度だけひとり旅に出た古川寛太さん。野球観戦チケットの手配、交通手段の確認、1人での新幹線乗車。初めてづくしの経験の先に、ついに目指していた「聖地」が現れます。不登校の高校生が見て、聞いて、味わった世界は、どのようなものだったのでしょうか。(連載「前略、トンネルの底から」第16回・写真は古川寛太さん)

前回のおさらい:不登校の高校時代に唯一ハマった「最初で最後の趣味」がもたらした「あの夏の決断」

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古川寛太

古川寛太(ふるかわ・かんた)

2000年生まれ。高校3年間不登校を経験した。不登校を経由した人間の現在地に興味がありnoteにて「あれこれありましたが、」を主宰している。

夜が明け、いよいよ旅が始まった。

まずは新幹線で東京駅へ向かう。その後、電車でスタジアムのある海浜幕張駅を目指す。1人で新幹線に乗るのは初めてだった。乗り換えの東京駅では、「人がたくさんいるなあ」とベタなことを思ったし、京葉線のホームまで異常に距離があることも初めて知った。

幸い大きなトラブルもなく、デーゲーム開始の1時間ほど前、13時に海浜幕張駅へ降り立つ。

電車の発車メロディーが球団歌だった。駅前に球団マスコットのモニュメントがあり、その先には監督の顔写真と選手のボブルヘッドがあった。何よりも目を奪われたことに、周囲の人間が全員ユニホームを着ていた。

普段、学校に行けず趣味の話をする友だちのいない俺にとって、また地元とは馴染みのない千葉の球団を応援していた俺にとって、この光景は衝撃だった。

【連載】前略、トンネルの底から
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