「動画を見てたいから学校へ行きたくない」と言った子の真意【小学生からの不登校】

 小学生の不登校は「理由がわかりづらい」と言います。不登校に至る複雑な心境を言葉にすることは本人にとっても難しいからです。ましてや小学生であればなおのことでしょう。ヒョウゴさんは、小3のころ、両親に「動画を見てたいから学校へ行きたくない」と訴えたそうです。親としては受けいれがたい訴えかもしれませんが、その裏には本人なりの思いがありました。16歳の高校生になった今、小学生当時の心境を語ってもらいました。

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――小学校3年生のころから不登校になったそうですが、学校へ行きたくない理由を親にどう説明していましたか?

 理由については、いろんな言い方をしましたが、「学校は楽しくない。家で動画を観ているほうが楽しい」と言ったこともあります。

――親としては受けいれがたい理由だったかもしれませんね。

 こちらの思いをまったく受けとめなかったわけではありませんが、お父さんは認めてはくれませんでしたね。強引に車に乗せられて学校へ連れていかれたことも何度かありますし、めっちゃ怒鳴られて泣きながら通ったこともありました。母親からも「行きたくない気持ちはわかるけど、学校は行きなさい」と。

 そんなことを続けていたら持病のぜんそくが悪化して入院しました。そのあとは無理にでもいいから「行け」と言われることはなくなったんです。

授業の内容、楽しくない

――今ふり返ると、なぜ行きたくなかったのだと思いますか?

 そもそも小学校1年生のころから「学校って楽しくないな」と思っていました。学校で教えてくれることは、だいたいユーチューブなどの動画を観ていたら知っていることばかりです。僕はゲームの実況動画や攻略などを見ていたので、かんたんな算数や国語の力はついていたんだと思います。だからすでに知っている内容をずっと授業中は説明される。それがつらかったですね。

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